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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022039676
(43)【公開日】2022-03-10
(54)【発明の名称】炭化珪素受光素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/10 20060101AFI20220303BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20220303BHJP
   H01L 27/144 20060101ALI20220303BHJP
【FI】
H01L31/10 G
H01L27/146 A
H01L27/144 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020144822
(22)【出願日】2020-08-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 第80回 応用物理学会秋季学術講演会の講演予稿集(DVD)に掲載 第80回 応用物理学会秋季学術講演会にて発表 International Conference on Silicon Carbide and Related Materials 2019 予稿集に掲載 International Conference on Silicon Carbide and Related Materials 2019にて発表 先進パワー半導体分科会 第6回講演会 予稿集に掲載 先進パワー半導体分科会 第6回講演会にて発表
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成28年度、文部科学省、国家課題対応型研究開発推進事業 英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業 戦略的原子力共同研究プログラム、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】黒木 伸一郎
(72)【発明者】
【氏名】西垣内 健汰
(72)【発明者】
【氏名】目黒 達也
【テーマコード(参考)】
4M118
5F849
【Fターム(参考)】
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA03
4M118CB01
4M118EA14
4M118FA06
4M118HA30
5F849AA02
5F849AB02
5F849BA21
5F849BA30
5F849BB03
5F849CB01
5F849CB10
5F849CB11
5F849CB14
5F849EA04
5F849EA05
5F849EA12
5F849EA13
5F849FA05
5F849GA04
5F849HA12
5F849KA12
5F849KA13
5F849KA14
5F849LA02
5F849LA03
5F849XB01
5F849XB15
(57)【要約】
【課題】SiCにより一体に形成された光検出部と信号増幅部とを有する受光素子を実現できるようにする。
【解決手段】炭化珪素受光素子は、入射した光を光電変換する光検出部101と、光検出部101の出力を増幅する信号増幅部102とを備えている。光検出部101は、第1導電型の炭化珪素半導体層112と、炭化珪素半導体層112に形成された第2導電型の受光領域113とを有している。信号増幅部102は、炭化珪素半導体層112に形成された第2導電型の複数のソース/ドレイン領域115と、それぞれが受光領域113及びソース/ドレイン領域115にオーミック接触した複数のオーミック電極121と、隣接するソース/ドレイン領域115の間にゲート絶縁膜131を介して形成されたゲート電極125とを有している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射した光を光電変換する光検出部と、
前記光検出部の出力を増幅する信号増幅部とを備え、
前記光検出部は、第1導電型の炭化珪素半導体層と、前記炭化珪素半導体層に形成された第2導電型の受光領域とを有し、
前記信号増幅部は、前記炭化珪素半導体層に形成された第2導電型の複数のソース/ドレイン領域と、それぞれが前記受光領域及び前記ソース/ドレイン領域にオーミック接触した複数のオーミック電極と、隣接する前記ソース/ドレイン領域の間にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有している、炭化珪素受光素子。
【請求項2】
前記第1導電型はp型であり、前記第2導電型はn型であり、
前記光検出部は、前記炭化珪素半導体層に前記受光領域と間隔を置いて形成された、前記炭化珪素半導体層よりも高濃度の第1導電型の不純物を含む、電位安定化領域を有する、請求項1に記載の炭化珪素受光素子。
【請求項3】
前記光検出部は、紫外領域の光を検出する、請求項1又は2に記載の炭化珪素受光素子。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の炭化珪素受光素子を複数備えた、イメージセンサ。
【請求項5】
炭化珪素基板基板の上に、第1導電型の炭化珪素半導体層をエピタキシャル成長させ、
前記炭化珪素半導体層に、第2導電型の不純物を選択的に注入して、不純物拡散層である受光領域及びソース/ドレイン領域を形成し、
前記不純物拡散層を形成した前記炭化珪素半導体層の表面にゲート絶縁膜を形成し、
前記ゲート絶縁膜に設けられた前記不純物拡散層を露出する開口部に、前記不純物拡散層とオーミック接触するシリサイド電極層を形成し、
前記シリサイド電極層を形成した後、前記炭化珪素基板上の全面に金属膜を形成して、選択的にエッチングすることにより、オーミック電極及びゲート電極を形成する、炭化珪素受光素子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、炭化珪素受光素子及びそれを用いたイメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
人が近づけない場所において種々の作業を行う手段として、遠隔操作型又は自立型のロボットが注目されている。中でも原子炉の廃炉作業等の高レベルの放射線にさらされる現場において使用できるロボットへの期待が高まっている。しかし、現在ロボットの制御に用いられているシリコン(Si)半導体デバイスは、放射線への耐性が低く、数十分から1時間程度しか作業を行うことができない。このため、高レベルの放射線下においても長時間の使用が可能な新たな半導体デバイスが求められている。
【0003】
炭化珪素(SiC)半導体は、耐熱性及び放射線耐性に優れた半導体材料として期待されている。しかし、SiC半導体は大電力を扱うパワーデバイスとしての検討は進められているが、その他の用途への展開は未だに進んでいない。特に、ロボットを制御するには、その目となる撮像デバイスが不可欠であるが、SiCを用いた撮像デバイスはほとんど検討されておらず、SiCが光検出素子となることが知られている程度である(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-244496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
SiCを用いて光検出素子を形成しても、他の部分がSi半導体により形成されていたのでは、耐放射線性の大きな向上は見込めない。イメージセンサを形成するためには、光検出素子と検出された信号を増幅する信号増幅部とを含む画素をアレイ状に複数配置する必要がある。このため、光検出素子と信号増幅部とをSiCにより一体に形成する技術が不可欠である。
【0006】
本開示の課題は、SiCにより一体に形成された光検出部と信号増幅部とを有する受光素子を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の炭化珪素受光素子の一態様は、入射した光を光電変換する光検出部と、光検出部の出力を増幅する信号増幅部とを備え、光検出部は、第1導電型の炭化珪素半導体層と、炭化珪素半導体層に形成された第2導電型の受光領域とを有し、信号増幅部は、炭化珪素半導体層に形成された第2導電型の複数のソース/ドレイン領域と、それぞれが受光領域及びソース/ドレイン領域にオーミック接触した複数のオーミック電極と、隣接するソース/ドレイン領域の間にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極とを有している。
【発明の効果】
【0008】
本開示の炭化珪素受光素子によれば、光検出部と信号増幅部とが炭化珪素半導体により一体に形成されており、高い耐放射線耐性を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の回路構成を示す図である。
図2】一実施形態に係る炭化珪素受光素子を示す断面図である。
図3】一実施形態に係る炭化珪素受光素子を用いたイメージセンサを示す平面図である。
図4A】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の製造法の一工程を示す断面図である。
図4B】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の製造法の一工程を示す断面図である。
図4C】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の製造法の一工程を示す断面図である。
図4D】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の製造法の一工程を示す断面図である。
図4E】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の製造法の一工程を示す断面図である。
図4F】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の製造法の一工程を示す断面図である。
図4G】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の製造法の一工程を示す断面図である。
図4H】一実施形態に係る炭化珪素受光素子の製造法の一工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示すように、一実施形態の炭化珪素受光素子100は、フォトダイオードを含む光検出部101と、光検出部101の出力を増幅する信号増幅部102とを有している。信号増幅部102は、リセットトランジスタ(RST)、ソースフォロアトランジスタ(SF)、行選択トランジスタ(RS)を有している。φRにリセット信号、φXに行選択信号を加えることにより受光素子として駆動することができる。
【0011】
図2に示すように、本実施形態の炭化珪素受光素子100は、n型の炭化珪素(SiC)基板111の上に形成された、p型のSiC半導体層112を有している。SiC半導体層112の光検出部101の形成領域には、フォトダイオードを構成するn+型の受光領域113が形成されている。また、受光領域113と間隔を置いてp+型の電位安定化領域114が形成されている。信号増幅部102の形成領域には、複数のn+型のソース/ドレイン領域115が形成されている。これらのソース/ドレイン領域115は、リセットトランジスタ(RST)、ソースフォロアトランジスタ(SF)、行選択トランジスタ(RS)のソース/ドレインを構成する。
【0012】
不純物拡散層である受光領域113、電位安定化領域114及びソース/ドレイン領域115には、それぞれオーミック電極121が形成されている。オーミック電極121は、不純物拡散層とオーミック接触した金属シリサイド層122と、金属シリサイド層122の上に形成された金属電極層123とを有している。金属シリサイド層122は、ニオブ-ニッケルシリサイド層が好ましい。金属シリサイド層122はモリブデン-ニッケルシリサイド層、バナジウム-ニッケルシリサイド層、及びチタンシリサイド層等とすることもできる。金属電極層123はアルミニウム層が好ましい。ゲート電極125は、隣り合うソース/ドレイン領域115の上にまたがるようにゲート絶縁膜131を介在させて形成されている。
【0013】
オーミック電極121及びゲート電極125を覆うように層間絶縁膜133が形成され、層間絶縁膜133の上には各電極と接続された電極パッド135及び配線136が形成されている。
【0014】
SiC基板111の裏面には、裏面電極126が設けられている。裏面電極126はSiC基板111の裏面とオーミック接触したオーミック電極であり、ニオブ-ニッケルシリサイド等により形成することができる。裏面電極126は、SiC基板中に発生した電子・正孔キャリアを速やかに排出し、デバイス動作を安定化させる効果を生じる。
【0015】
本実施形態において、受光領域113と、リセットトランジスタの一方のソース/ドレイン領域115とは一体に形成されている。また、ソースフォロアトランジスタ及び行選択トランジスタの一方のソース/ドレイン領域115も一体に形成されており、外部接続の必要がないためオーミック電極121も形成されていない。なお、受光領域113とソース/ドレイン領域115とを独立して形成してもよい。この場合、受光領域113とソース/ドレイン領域115とで不純物濃度や拡散深さが互いに異なるようにすることもできる。
【0016】
また、本実施形態において、SiC半導体層をp型とし、n型のトランジスタを形成したが、SiC半導体層をn型として、p型のトランジスタを形成することもできる。この場合、受光領域もp型とすることができるので、電位安定化領域は設けなくてよい。また、p型のSiC基板又はn型のSiC基板をそのままSiC半導体層として用いることもできる。
【0017】
なお、p型のSiC半導体層にp+型の電位安定化領域を設けることにより、紫外光照射や放射線環境下で発生した正孔がSiC半導体層から速やかに排出される。このため、受光素子の出力電位を安定化することができる。なお、p+型層とはp型不純物の濃度がp型層よりも高いことを意味する。
【0018】
SiC半導体層の112結晶構造は、検出する光の波長に応じて適宜選択することができる。例えば、SiC半導体層112を4H型とした場合には、350nm以下の紫外領域の光の検出に優れた受光素子を実現できる。SiC半導体層112を3C型とすることにより、450nm~350nm程度の可視光から紫外光の領域の光の検出に優れた受光素子を実現できる。
【0019】
本実施形態の炭化珪素受光素子100は、受光領域113に入射した光を光検出部101により光電変換し、これにより得られた信号を信号増幅部102により増幅して出力する。また、図3に示すように本実施形態の炭化珪素受光素子100をアレイ状に複数配置することにより、1つの炭化珪素受光素子100を1画素とするイメージセンサ200を形成することができる。イメージセンサ200の基板上には垂直選択回路及び水平選択回路等を形成することができる。
【0020】
本実施形態の炭化珪素受光素子100は、光検出部101及び信号増幅部102の両方が、SiC半導体により一体に形成されている。このため、耐放射線性を大きく向上させることができ、累積放射線量が数MGyとなっても光応答特性に大きな劣化は生じない。また、200℃程度の環境においても、光応答特性が変化しない。
【0021】
本実施形態の炭化珪素受光素子は、例えば以下のように形成することができる。まず、図4Aに示すように、n型のSiC基板111の上にp型のSiC半導体層112をエピタキシャル成長させる。SiC基板111は特に限定されないが、4H-SiCとすることができる。SiC半導体層112の厚さは例えば1μm~5μm程度とすることができる。
【0022】
次に、図4Bに示すように、SiC半導体層112の上に酸化シリコン(SiO2)からなる第1のイオン注入マスク141を化学気相堆積(CVD)法及びフォトリソグラフィーにより形成し、SiC半導体層112にn型不純物を注入し、受光領域113及びソース/ドレイン領域115を形成する。次に、図4Cに示すように、第2のイオン注入マスク142を形成して、p型不純物を注入し、電位安定化領域114を形成する。
【0023】
図4Dに示すように、イオン注入を行ったSiC半導体層112をカーボンキャップ膜144で覆った後、熱処理を行い不純物注入領域の活性化を行う。熱処理は、不純物の種類及び濃度等によって適宜選択すれば良いが、例えば1700℃程度の温度で行えばよい。
【0024】
図4Eに示すように、カーボンキャップ膜144を除去した後、熱酸化を行い、ゲート絶縁膜131を形成する。さらに、レジストマスク145を用いて、ゲート絶縁膜131に各不純物注入領域を露出する開口部を設けた後、基板上の全面に金属膜146を形成する。この際に、SiC基板111の裏面にも裏面電極126となる金属膜147を形成する。金属膜146及び金属膜147は、例えばニオブ-ニッケル膜とすることができる。
【0025】
次に図4Fに示すように、リフトオフによりレジストマスク145上の金属膜146を除去した後、熱処理を行って金属膜146及び金属膜147をシリサイド化し、金属シリサイド層122及び裏面電極126を形成する。
【0026】
次に、図4Gに示すように、基板上の全面にアルミニウム等からなる金属膜を形成し、選択的にエッチング除去することにより、金属電極層123及びゲート電極125を形成する。
【0027】
次に、図4Hに示すように、基板上の全面に層間絶縁膜133を形成し、層間絶縁膜133の上に各電極と接続された電極パッド135及び配線136を形成する。
【実施例0028】
以下に、実施例を用いて本願発明についてより詳細に説明する。なお、以下の実施例は例示であり、本願発明を限定することを意図しない。
【0029】
<受光素子の形成>
3インチのn型の4H-SiCからなる基板の上に、厚さが3μmのp型のSiC半導体層を形成した。基板には(0001)面から4°のオフ角を有するものを用いた。p型SiC層の不純物濃度は5×1016cm3とした。受光領域及びソース/ドレイン領域は、不純物濃度が5×1019cm3となるように、不純物としてヒ素イオンを基板深さ70nmまで一様に分布する条件により注入した。電位安定化層は、不純物濃度が4×1020cm3となるように、不純物としてアルミニウムイオンを基板深さ70nmまで一様に分布する条件により注入した。受光領域のサイズは500μm角とした。ゲート絶縁膜の厚さは20nmとし、金属シリサイド層はニオブ-ニッケルシリサイド層とした。
【0030】
<光応答特性の確認>
DDを7.0V、行選択信号(φX)を7.0Vとし、リセット信号(φR)としてHighが0V、Lowが7.0Vで周波数が100Hzの矩形波を印可して、形成した受光素子を駆動した。出力電圧は、遮光状態では0.4Vであり、254nmの紫外光を照射した場合は1.59Vであり、画素としての動作を確認できた。測定は室温で行い、出力電圧は1駆動パルスの間の最大電圧と最小電圧との差とした。
【0031】
<耐放射線性の確認>
得られた受光素子にγ線を照射し、累積照射量が0.02MGy、0.03MGy、0.06MGy、0.24MGy、0.44MGy、1.1MGyの時点における、光電変換出力を測定した。光電変換出力の測定条件はγ線未照射の場合と同様にした。遮光状態及び光照射状態における出力電圧は、0.02MGyの場合には0.16V及び0.45V、0.03MGyの場合には0.10V及び2.7V、0.06MGyの場合には0.01V及び0.33V、0.24MGyの場合には0.02V及び0.57V、0.44MGyの場合には0.14V及び1.2V、1.1MGyの場合には0.19V及び0.85Vであった。
【0032】
累積照射量1.1MGyにおいても、光照射により出力電圧が遮光状態から大きく上昇しており、画素として十分に機能することが示された。なお、出力電圧の絶対値の変動は、光照射強度のばらつきの影響によるものである。
【0033】
SiC半導体層を、n型のSiC基板上にエピタキシャル成長させた窒素を8.3×1014cm-3含む厚さが3μmのn型層とし、受光領域及びソース/ドレイン領域を不純物としてアルミニウムを含むp+型層としてp型の受光素子を作製した。なお、電位安定化領域は形成しなかった。
【0034】
得られたp型の受光素子について、n型の受光素子の場合と同様にして254nmの紫外光に対する光応答性を測定した。VDD及び行選択信号(φX)は-10V、リセット信号(φR)は、Highが0V、Lowが-10Vの周波数100Hzの矩形波とした。
【0035】
γ線照射前の出力電圧は、遮光状態で0.012V、光照射状態において0.50Vであった。γ線の累積照射量が3MGyでの出力電圧は、遮光状態で0.0084V、光照射状態において0.45Vであった。また、γ線照射前に200℃において測定を行ったところ、出力電圧は遮光状態で2.11V、光照射状態において4.06Vであった。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本開示の炭化珪素受光素子は、炭化珪素半導体により一体に形成された光検出部と信号増幅部とを有し、高温や高放射線の環境におけるイメージセンサ等として有用である。
【符号の説明】
【0037】
100 炭化珪素受光素子
101 光検出部
102 信号増幅部
111 炭化珪素基板
112 炭化珪素半導体層
113 受光領域
114 電位安定化領域
115 ソース/ドレイン領域
121 オーミック電極
122 金属シリサイド層
123 金属電極層
125 ゲート電極
126 裏面電極
131 ゲート絶縁膜
133 層間絶縁膜
135 電極パッド
136 配線
141 第1のイオン注入マスク
142 第2のイオン注入マスク
144 カーボンキャップ膜
145 レジストマスク
146 電極金属膜
147 電極金属膜
200 イメージセンサ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H