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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022041264
(43)【公開日】2022-03-11
(54)【発明の名称】熱電変換モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 35/32 20060101AFI20220304BHJP
   H01L 35/22 20060101ALI20220304BHJP
   H02N 11/00 20060101ALI20220304BHJP
【FI】
H01L35/32 A
H01L35/22
H02N11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020146366
(22)【出願日】2020-08-31
(71)【出願人】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100150360
【弁理士】
【氏名又は名称】寺嶋 勇太
(74)【代理人】
【識別番号】100203264
【弁理士】
【氏名又は名称】塩川 未久
(72)【発明者】
【氏名】内田 秀樹
(57)【要約】
【課題】発電電力を確保しつつ、小型化された熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】熱電変換モジュールは、折り線が形成されているシート基板と、複数の熱電変換素子と、導電性を有する1つ以上の第1連結部と、導電性を有する1つ以上の第2連結部とを備える。複数の熱電変換素子は、折り線によって区画される複数の領域の各々の内側に位置する。第1連結部は、各領域の内側において複数の熱電変換素子を電気的に直列接続する。第2連結部は、折り線を介して隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の熱電変換素子と他方の領域の熱電変換素子とを電気的に直列接続する。第2連結部によって電気的に直列接続される一方の領域の熱電変換素子と他方の領域の熱電変換素子とは、折り線を介して隣り合う。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線が形成されているシート基板と、
前記折り線によって区画される複数の領域の各々の内側に位置する、複数の熱電変換素子と、
各前記領域の内側において複数の前記熱電変換素子を電気的に直列接続する導電性を有する1つ以上の第1連結部と、
前記折り線を介して隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続する導電性を有する1つ以上の第2連結部と、
を備え、
前記第2連結部によって電気的に直列接続される前記一方の領域の熱電変換素子と前記他方の領域の熱電変換素子とは、前記折り線を介して隣り合う、熱電変換モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記隣り合う2つの領域を区画する折り線が前記シート基板に複数形成されており、複数の当該折り線の少なくとも1つでは、前記第2連結部の数が1つである、熱電変換モジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記シート基板には、前記折り線として第1方向に交互に並ぶ第1谷折り線及び第1山折り線が形成されており、前記第1谷折り線及び前記第1山折り線は、前記第1方向に交わる第2方向に沿って延び、
前記領域は、前記第1方向に隣り合う前記第1谷折り線及び前記第1山折り線によって区画された領域である、熱電変換モジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記シート基板には、前記第2方向に沿って交互に並ぶ第1折り線及び第2折り線がさらに形成されており、
前記領域は、前記第1方向に隣り合う第1谷折り線及び第1山折り線と、前記第2方向に隣り合う第1折り線及び第2折り線とによって区画された領域である、熱電変換モジュール。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記熱電変換モジュールが備える複数の前記熱電変換素子は、全てがp型の熱電変換素子であるか、全てがn型の熱電変換素子であるか、又は、p型の熱電変換素子及びn型の熱電変換素子の両者を含むか、である、熱電変換モジュール。
【請求項6】
請求項4に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記熱電変換モジュールが備える複数の前記熱電変換素子は、p型の熱電変換素子及びn型の熱電変換素子の両者を含み、
前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とは、前記第2方向に沿って交互に並び、
前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とは、前記第1方向に沿って交互に並び、
複数の前記第2連結部の一部は、前記第2方向に沿って並ぶ前記複数の領域に亘って前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とが交互に電気的に直列接続されるように、前記第2方向に隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と、他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続し、
前記複数の第2連結部の他の一部は、各前記第2方向に沿って並ぶ前記複数の領域に亘って交互に電気的に直列接続された前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とが前記熱電変換モジュールに亘って交互に電気的に直列接続されるように、前記第1方向に隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と、他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続する、熱電変換モジュール。
【請求項7】
請求項4に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記熱電変換モジュールが備える複数の前記熱電変換素子は、p型の熱電変換素子及びn型の熱電変換素子の両者を含み、
前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とは、前記領域に亘って前記第2方向に沿って交互に並び、
前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とは、前記第1方向に沿って交互に並び、
複数の前記第2連結部は、前記第1方向に沿って並ぶ複数の領域に亘って前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とが交互に電気的に直列接続されるように、前記第1方向に隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と、他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続する、熱電変換モジュール。
【請求項8】
請求項4に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記熱電変換モジュールが備える複数の前記熱電変換素子は、全てがp型の熱電変換素子であるか、又は、全てがn型の熱電変換素子であり、
前記熱電変換素子は、前記領域に亘って前記第2方向に沿って並び、
前記熱電変換素子は、前記第1方向に沿って並び、
前記第2連結部は、前記第1方向又は前記第2方向に隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と、他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続する、熱電変換モジュール。
【請求項9】
請求項6から8までの何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記第1谷折り線は、第1線分及び第2線分を含み、前記第1線分と前記第2線分とは、前記第2方向に沿って交互に並び、前記第1線分は、前記第2方向から前記第1方向に向けて第1角度傾き、前記第2線分は、前記第2方向から前記第1方向の反対方向に向けて前記第1角度傾き、
前記第1山折り線は、第3線分及び第4線分を含み、前記第3線分と前記第4線分とは、前記第2方向に沿って交互に並び、前記第3線分は、前記第2方向から前記第1方向に向けて第2角度傾き、前記第4線分は、前記第2方向から前記第1方向の反対方向に向けて前記第2角度傾き、前記第2角度は、前記第1角度よりも小さく、
前記第1折り線は、前記第2方向における位置が同じである、前記第1線分の前記第1方向側の端部と、前記第3線分の前記第1方向側の端部とを通り、
前記第1折り線は、第1方向に沿って交互に並ぶ第2谷折り線及び第2山折り線を含み、
前記第2谷折り線は、前記第1折り線において隣り合う前記第1線分と第3線分との間の区間のうち間隔が狭い方の区間に形成されており、
前記第2折り線は、前記第2方向における位置が同じである、前記第1線分の前記第1方向の反対方向側の端部と、前記第3線分の前記第1方向の反対方向側の端部とを通り、
前記第2折り線は、第1方向に沿って交互に並ぶ第3谷折り線及び第3山折り線を含み、
前記第3谷折り線は、第2折り線において隣り合う前記第1線分と第3線分との間の区間のうち間隔が狭い方の区間に形成されている、熱電変換モジュール。
【請求項10】
請求項6から9までの何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記シート基板は、前記第1谷折り線が前記第1折り線又は前記第2折り線と交差する位置、及び、前記第1山折り線が前記第1折り線又は前記第2折り線と交差する位置に、貫通領域、又は、前記シート基板の他の部分よりも厚さが薄い領域を含む、熱電変換モジュール。
【請求項11】
請求項6から9までの何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
放熱シートをさらに備え、
前記熱電変換素子の一方の端部は、前記第1谷折り線の近くに位置し、前記放熱シートは、前記熱電変換素子の他方の端部を覆う、熱電変換モジュール。
【請求項12】
請求項1から11までの何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記折り線は、ミシン目として前記シート基板に形成されている、熱電変換モジュール。
【請求項13】
請求項12に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記第2連結部には、前記ミシン目が形成されていない、熱電変換モジュール。
【請求項14】
請求項1から13までの何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記第2連結部は、メッシュ構造を有する、熱電変換モジュール。
【請求項15】
請求項1から14までの何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記第2連結部は、
導電性部材と、
前記隣り合う2つの熱電変換素子の一方の熱電変換素子と前記導電性部材との間に位置する第1接合部材と、
前記隣り合う2つの熱電変換素子の他方の熱電変換素子と前記導電性部材との間に位置する第2接合部材とを含む、熱電変換モジュール。
【請求項16】
請求項1から15までの何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記熱電変換素子は、カーボンナノチューブを含んで形成されている、熱電変換モジュール。
【請求項17】
請求項1から16までの何れか一項に記載の熱電変換モジュールにおいて、
前記第2連結部は、カーボンナノチューブ又は金属がドーピングされたカーボンナノチューブを含んで形成されている、熱電変換モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電変換モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、熱電変換素子をフィルム基板に配置させた熱電変換モジュールが知られている(例えば、特許文献1)。熱電変換素子は、熱を電力に変換可能な素子である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-186255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、より大きな発電電力を得るためには、より多くの熱電変換素子を熱電変換モジュールに配置させることが求められる。より多くの熱電変換素子を熱電変換モジュールに配置させると、熱電変換モジュールが大型化してしまう場合がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決し、発電電力を確保しつつ、小型化された熱電変換モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の熱電変換モジュールは、折り線が形成されているシート基板と、前記折り線によって区画される複数の領域の各々の内側に位置する、複数の熱電変換素子と、各前記領域の内側において複数の前記熱電変換素子を電気的に直列接続する導電性を有する1つ以上の第1連結部と、前記折り線を介して隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続する導電性を有する1つ以上の第2連結部と、を備え、前記第2連結部によって電気的に直列接続される前記一方の領域の熱電変換素子と前記他方の領域の熱電変換素子とは、前記折り線を介して隣り合う。熱電変換モジュールは、折り線で折り畳まれることにより、発電電力を確保しつつ、小型化され得る。
【0007】
ここで、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記隣り合う2つの領域を区画する折り線が前記シート基板に複数形成されており、複数の当該折り線の少なくとも1つでは、前記第2連結部の数が1つである、ことが好ましい。このような構成により、熱電変換モジュール1において折り線を跨ぐ配線の数を減らすことができる。
【0008】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記シート基板には、前記折り線として第1方向に交互に並ぶ第1谷折り線及び第1山折り線が形成されており、前記第1谷折り線及び前記第1山折り線は、前記第1方向に交わる第2方向に沿って延び、前記領域は、前記第1方向に隣り合う前記第1谷折り線及び前記第1山折り線によって区画された領域である、ことが好ましい。
【0009】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記シート基板には、前記第2方向に沿って交互に並ぶ第1折り線及び第2折り線がさらに形成されており、前記領域は、前記第1方向に隣り合う第1谷折り線及び第1山折り線と、前記第2方向に隣り合う第1折り線及び第2折り線とによって区画された領域である、ことが好ましい。
【0010】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換モジュールが備える複数の前記熱電変換素子は、全てがp型の熱電変換素子であるか、全てがn型の熱電変換素子であるか、又は、p型の熱電変換素子及びn型の熱電変換素子の両者を含むか、である、ことが好ましい。
【0011】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換モジュールが備える複数の前記熱電変換素子は、p型の熱電変換素子及びn型の熱電変換素子の両者を含み、前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とは、前記第2方向に沿って交互に並び、前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とは、前記第1方向に沿って交互に並び、複数の前記第2連結部の一部は、前記第2方向に沿って並ぶ前記複数の領域に亘って前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とが交互に電気的に直列接続されるように、前記第2方向に隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と、他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続し、前記複数の第2連結部の他の一部は、各前記第2方向に沿って並ぶ前記複数の領域に亘って交互に電気的に直列接続された前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とが前記熱電変換モジュールに亘って交互に電気的に直列接続されるように、前記第1方向に隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と、他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続する、ことが好ましい。このような構成により、第1連結部によってp型の熱電変換素子とn型の熱電変換素子とを効率的に交互に直列接続させることができる。
【0012】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換モジュールが備える複数の前記熱電変換素子は、p型の熱電変換素子及びn型の熱電変換素子の両者を含み、前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とは、各前記領域に亘って前記第2方向に沿って交互に並び、前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とは、前記第1方向に沿って交互に並び、複数の前記第2連結部は、前記第1方向に沿って並ぶ複数の領域に亘って前記p型の熱電変換素子と前記n型の熱電変換素子とが交互に電気的に直列接続されるように、前記第1方向に隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と、他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続する、ことが好ましい。このような構成により、第1連結部によってp型の熱電変換素子とn型の熱電変換素子とを効率的に交互に直列接続させることができる。また、第2連結部によってp型の熱電変換素子とn型の熱電変換素子とを効率的に交互に直列接続させることができる。
【0013】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換モジュールが備える複数の前記熱電変換素子は、全てがp型の熱電変換素子であるか、又は、全てがn型の熱電変換素子であり、前記熱電変換素子は、前記領域に亘って前記第2方向に沿って並び、前記熱電変換素子は、前記第1方向に沿って並び、前記第2連結部は、前記第1方向又は前記第2方向に隣り合う2つの領域のうちの、一方の領域の前記熱電変換素子と、他方の領域の前記熱電変換素子とを電気的に直列接続する、ことが好ましい。ここで、熱電変換素子を形成する熱電変換材料によっては、p型の熱電変換素子及びn型の熱電変換素子の一方が他方よりも耐久性が高くなる場合がある。熱電変換モジュールが備える複数の熱電変換素子の全てがp型の熱電変換素子であるか、又は、n型の熱電変換素子であることにより、熱電変換モジュールは、耐久性に優れたものとなり得る。
【0014】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記第1谷折り線は、第1線分及び第2線分を含み、前記第1線分と前記第2線分とは、前記第2方向に沿って交互に並び、前記第1線分は、前記第2方向から前記第1方向に向けて第1角度傾き、前記第2線分は、前記第2方向から前記第1方向の反対方向に向けて前記第1角度傾き、前記第1山折り線は、第3線分及び第4線分を含み、前記第3線分と前記第4線分とは、前記第2方向に沿って交互に並び、前記第3線分は、前記第2方向から前記第1方向に向けて第2角度傾き、前記第4線分は、前記第2方向から前記第1方向の反対方向に向けて前記第2角度傾き、前記第2角度は、前記第1角度よりも小さく、前記第1折り線は、前記第2方向における位置が同じである、前記第1線分の前記第1方向側の端部と、前記第3線分の前記第1方向側の端部とを通り、前記第1折り線は、第1方向に沿って交互に並ぶ第2谷折り線及び第2山折り線を含み、前記第2谷折り線は、前記第1折り線において隣り合う前記第1線分と第3線分との間の区間のうち間隔が狭い方の区間に形成されており、前記第2折り線は、前記第2方向における位置が同じである、前記第1線分の前記第1方向の反対方向側の端部と、前記第3線分の前記第1方向の反対方向側の端部とを通り、前記第2折り線は、第1方向に沿って交互に並ぶ第3谷折り線及び第3山折り線を含み、前記第3谷折り線は、第2折り線において隣り合う前記第1線分と第3線分との間の区間のうち間隔が狭い方の区間に形成されている、ことが好ましい。熱電変換モジュールは、第1谷折り線、第1山折り線、第1折り線及び第2折り線で折り畳まれることにより、空洞を有し得る。熱電変換モジュールは、空洞を有することにより、熱源としての配管に容易に取り付けることができる。
【0015】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記シート基板は、前記第1谷折り線が前記第1折り線又は前記第2折り線と交差する位置、及び、前記第1山折り線が前記第1折り線又は前記第2折り線と交差する位置に、貫通領域、又は、前記シート基板の他の部分よりも厚さが薄い領域を含む、ことが好ましい。このような構成により、熱電変換モジュールが折り畳みやすくなり得る。
【0016】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、放熱シートをさらに備え、前記熱電変換素子の一方の端部は、前記第1谷折り線の近くに位置し、前記放熱シートは、前記熱電変換素子の他方の端部を覆う、ことが好ましい。このような構成により、p型の熱電変換素子及びn型の熱電変換素子の各々の発電電力を高めることができる。
【0017】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記折り線は、ミシン目として前記シート基板に形成されている、ことが好ましい。このような構成により、折り曲げに対する第2連結部の耐久性を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記第2連結部には、前記ミシン目が形成されていない、ことが好ましい。このような構成により、熱電変換モジュールがより小型化され得る。
【0019】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記第2連結部は、メッシュ構造を有する、ことが好ましい。このような構成により、折り曲げに対する第2連結部の耐久性を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記第2連結部は、導電性部材と、前記隣り合う2つの熱電変換素子の一方の熱電変換素子と前記導電性部材との間に位置する第1接合部材と、前記隣り合う2つの熱電変換素子の他方の熱電変換素子と前記導電性部材との間に位置する第2接合部材とを含む、ことが好ましい。このような構成により、熱電変換素子及び第2連結部が熱電変換モジュールのシート基板のカバー層から剥離されることが抑制され得る。
【0021】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記熱電変換素子は、カーボンナノチューブを含んで形成されている、ことが好ましい。このような構成により、熱電変換モジュールの機械的強度をさらに向上させると共に、熱電変換モジュールを軽量化することができる。
【0022】
また、本発明の熱電変換モジュールにおいて、前記第2連結部は、カーボンナノチューブ又は金属がドーピングされたカーボンナノチューブを含んで形成されている、ことが好ましい。このような構成により、第2連結部の機械的強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、発電電力を確保しつつ、小型化された熱電変換モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係る熱電変換モジュールの外観図である。
図2図1に示す熱電変換モジュールを延在方向の反対方向側から見た図である。
図3図1に示す熱電変換モジュールの展開図である。
図4図3に示す熱電変換モジュールの領域及ブロックを示す図である。
図5図3に示す熱電変換モジュールの詳細な構成を示す展開図である。
図6図5に示す熱電変換モジュールの一部拡大図である。
図7図5に示すL1-L1線に沿った熱電変換モジュールの断面図である。
図8図5に示すL2-L2線に沿った熱電変換モジュールの断面図である。
図9図5に示す熱電変換モジュールにおける電流経路を示す図である。
図10】放熱シートを示す図である。
図11】本発明の他の実施形態に係る熱電変換モジュールの展開図である。
図12図11に示す熱電変換モジュールにおける電流経路を示す図である。
図13】本発明のさらに他の実施形態に係る熱電変換モジュールの展開図である。
図14】本発明のさらに他の実施形態に係る熱電変換モジュールの展開図である。
図15】本発明のさらに他の実施形態に係る熱電変換モジュールの展開図である。
図16】本発明の一実施形態に係る熱電変換モジュールの製造途中の構造の断面図である。
図17】第1変形例に係る熱電変換モジュールの製造途中の構造の断面図である。
図18】第2変形例に係る熱電変換モジュールの製造途中の構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。以下の図面に示す構成要素において、同じ又は類似の構成要素には、同じ符号を付す。
【0026】
(熱電変換モジュールの構造)
図1は、本発明の一実施形態に係る熱電変換モジュール1の外観図である。図2は、図1に示す熱電変換モジュールを延在方向A2の反対方向側から見た図である。図2には、熱電変換モジュール1が備える熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nの一部を破線で示す。以下、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを特に区別しない場合、これらは、まとめて「熱電変換素子10」とも記載される。
【0027】
熱電変換モジュール1は、折り畳み可能である。折り畳まれた状態の熱電変換モジュール1は、配管2に配置可能である。配管2は、熱源である。本実施形態では、配管2の形状は、円筒状である。ただし、配管2の形状は、軸状であれば、断面楕円形状及び断面多角形状等を含む任意の形状であってよい。熱源としての配管2では、配管2の内部に熱水又は熱風等が通ることにより、熱が配管2から発生し得る。配管2は、工場等の任意の箇所に設置され得る。配管2の半径は、任意であってよい。
【0028】
なお、本実施形態では、熱源としての配管2には、いわゆる温熱源が通る構成としたが、例えば、冷却媒体等を通すための冷熱源としてもよい。
【0029】
図1及び図2において、周方向A1は、配管2の周方向である。本実施形態では、周方向A1は、図2の紙面手前側から見て、反時計回りの方向であるものとする。延在方向A2は、配管2が延びる方向である。本実施形態では、延在方向A2は、図1の紙面上側から紙面下側に向かう方向であるものとする。放射方向A3は、配管2の中心軸Oから放射状に広がる方向である。放射方向A3は、熱源である配管2から発生した熱が配管2の外部に向けて放射状に広がる方向に対応する。
【0030】
図2に示すように、折り畳まれた状態の熱電変換モジュール1の形状は、略円環状になり得る。折り畳まれた状態の熱電変換モジュール1は、放射方向A3に突出する6つの突出部1pを有する。折り畳まれた状態の熱電変換モジュール1は、熱電変換モジュール1の中心に空洞を有し得る。折り畳まれた状態の熱電変換モジュール1は、配管2を囲み得る。熱電変換モジュール1は、当該空洞に配管2を通すことにより、配管2を囲み得る。
【0031】
熱電変換モジュール1は、配管2から発生した熱を電力に変換することにより、電力を発電し得る。熱電変換モジュール1は、配管2から発生した熱と外気温度との間の温度差を利用することにより、電力を発電し得る。
【0032】
以下、図3を参照して熱電変換モジュール1の折り畳み方を説明する。ただし、本開示の熱電変換モジュールは、任意の折り方で折り畳まれてよい。一例として、本開示の熱電変換モジュールは、ソガメ折り、ミウラ折り(登録商標)又は蛇腹折り等の既知の折り方に準じた折り方で折り畳まれてよい。
【0033】
図3は、図1に示す熱電変換モジュール1の展開図である。図3では、熱電変換モジュール1の第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bを主に示す。
【0034】
図3において、第1方向B1と第2方向B2とは、直交する。ただし、第1方向B1と第2方向B2とは、交われば、直交しなくてもよい。本実施形態では、第1方向B1は、図3の紙面左側から紙面右側に向かう方向であるものとする。本実施形態では、第2方向B2は、図3の紙面上側から紙面下側に向かう方向であるものとする。第3方向B3は、第1方向B1及び第2方向B2を含む平面に直交する。本実施形態では、第3方向B3は、図3の紙面に垂直な方向であって、図3の紙面奥側から紙面手前側に向かう方向であるものとする。
【0035】
熱電変換モジュール1は、ユニット1Uを一単位として構成され得る。本実施形態では、熱電変換モジュール1は、複数のユニット1Uで構成され得る。ただし、熱電変換モジュール1は、少なくとも1つのユニット1Uで構成されればよい。熱電変換モジュール1が複数のユニット1Uで構成される場合、複数のユニット1Uは、図3に示すような展開状態において第2方向B2に沿って並び得る。
【0036】
熱電変換モジュール1には、折り線が形成されている。折り線は、後述のシート基板30に形成され得る。熱電変換モジュール1は、折り線で折り畳まれることにより、発電電力を確保しつつ、小型化され得る。
【0037】
本実施形態では、熱電変換モジュール1には、折り線として、第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bが形成されている。熱電変換モジュール1が1つのユニット1Uで構成される場合、熱電変換モジュール1には、第1折り線1A及び第2折り線1Bが形成されていなくてよい。熱電変換モジュール1に形成される第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bの各々の数は、折り畳まれた状態での熱電変換モジュール1の所望の形状に応じて、適宜設定されてよい。第1折り線1Aは、第2谷折り線1A1及び第2山折り線1A2を含んでよい。第2折り線1Bは、第3谷折り線1B1及び第3山折り線1B2を含んでよい。なお、図3では、谷折り線に対応する線を細線で示し、山折り線に対応する線を太線で示す。
【0038】
本実施形態に係る熱電変換モジュール1は、第1山折り線1Lのうちで最も第1方向B1側に位置する第1山折り線1Lと、第1山折り線1Lのうちで最も第1方向B1の反対方向側に位置する第1山折り線1Lとを合わせることにより、筒状にされ得る。筒状にされた熱電変換モジュール1は、第1谷折り線1H、第1谷折り線1A1及び第2谷折り線1B1で谷折りにされ、第1山折り線1L、第2山折り線1A2及び第3山折り線1B2で山折りにされることにより、折り畳まれ得る。本実施形態において「谷折り」とは、第3方向B3の反対方向に向けて突出するように折り曲げることを意味する。本実施形態において「山折り」とは、第3方向B3に向けて突出するように折り曲げることを意味する。折り畳まれた状態の熱電変換モジュール1が図2に示すように配管2に取り付けられると、第1谷折り線1Hは、第1山折り線1Lよりも、配管2に近い側に位置し得る。
【0039】
第1谷折り線1Hと第1山折り1Lとは、第1方向B1に交互に並んでよい。第1谷折り線1Hと第1山折り線1Lとは、所定間隔を空けて第1方向B1に交互に並んでよい。当該所定間隔は、後述の区間s1,s3の幅又は後述の区間s2,s4の幅であってよい。
【0040】
第1谷折り線1Hは、第2方向B2に沿って延びてよい。第1谷折り線1Hは、ジグザグ状に第2方向B2に沿って延びてよい。換言すると、第1谷折り線1Hは、第1方向B1に突出する部分1P1と第1方向B1の反対方向に突出する部分1P2とを、第2方向B2に沿って交互に含んでよい。
【0041】
具体的には、第1谷折り線1Hは、第1線分1H1及び第2線分1H2を含んでよい。第1線分1H1と第2線分1H2とは、間隔d1で第2方向B2に沿って交互に並んでよい。第1線分1H1は、第2方向B2から第1方向B1に向けて第1角度θ1傾いてよい。第2線分1H2は、第2方向B2から第1方向B1の反対方向に向けて第1角度θ1傾いてよい。
【0042】
第1線分1H1及び第2線分1H2は、直線状に延びてよい。第1線分1H1の長さと第2線分1H2の長さとは、同じであってよい。第1線分1H1の第1方向B1側の端部と、当該第1線分1H1の第2方向B2側に位置する第2線分1H2であって、当該第1線分1H1と第2方向B2に隣り合う第2線分1H2の第1方向B1側の端部とは、接続されてよい。当該第1線分1H1の第1方向B1側の端部と、当該第2線分1H2の第1方向B1側の端部とが接続される部分は、部分1P1となり得る。第2線分1H2の第1方向B1の反対方向側の端部と、当該第2線分1H2の第2方向B2側に位置する第1線分1H1であって、当該第2線分1H2と第2方向B2に隣り合う第1線分1H1の第1方向B1の反対方向側の端部とは、接続されてよい。当該第2線分1H2の第1方向B1の反対方向側の端部と、当該第1線分1H1の第1方向B1の反対方向側の端部とが接続される部分は、部分1P2となり得る。
【0043】
第1山折り線1Lは、第2方向B2に沿って延びてよい。第1山折り線1Lは、ジグザグ状に第2方向B2に沿って延びてよい。換言すると、第1山折り線1Lは、第1方向B1に突出する部分1P3と第1方向B1の反対方向に突出する部分1P4とを、第2方向B2に沿って交互に含んでよい。
【0044】
具体的には、第1山折り線1Lは、第3線分1L1及び第4線分1L2を含んでよい。第3線分1L1と第4線分1L2とは、間隔d1で第2方向B2に沿って交互に並んでよい。第3線分1L1は、第2方向B2から第1方向B1に向けて第2角度θ2傾いてよい。第4線分1L2は、第2方向B2から第1方向B1の反対方向に向けて第2角度θ2傾いてよい。第2角度θ2は、第1角度θ1よりも小さくてよい。
【0045】
第3線分1L1及び第4線分1L2は、直線状に延びてよい。第3線分1L1の長さと第4線分1L2の長さとは、同じであってよい。第3線分1L1の第1方向B1側の端部と、当該第3線分1L1の第2方向B2側に位置する第4線分1L2であって、当該第3線分1L1と第2方向B2に隣り合う第4線分1L2の第1方向B1側の端部とは、接続されてよい。当該第3線分1L1の第1方向B1側の端部と、当該第4線分1L2の第1方向B1側の端部とが接続される部分は、部分1P3となり得る。第4線分1L2の第1方向B1の反対方向側の端部と、当該第4線分1L2の第2方向B2側に位置する第3線分1L1であって、当該第4線分1L2と第2方向B2に隣り合う第3線分1L1の第1方向B1の反対方向側の端部とは、接続されてよい。当該第4線分1L2の第1方向B1の反対方向側の端部と、当該第3線分1L1の第1方向B1の反対方向側の端部とが接続される部分は、部分1P4となり得る。
【0046】
第1谷折り線1Hが第1方向B1に突出する部分1P1の位置と、第1山折り線1Lが第1方向B1に突出する部分1P2の位置とは、第2方向B2において同じであってよい。
【0047】
第1谷折り線1Hが第1方向B1の反対方向に突出する部分1P3の位置と、第1山折り線1Lが第1方向B1の反対方向に突出する部分1P4の位置とは、第2方向B2において同じであってよい。
【0048】
第1角度θ1、第2角度θ2及び間隔d1は、折り畳まれた状態での熱電変換モジュール1の所望の形状及び図2に示すような配管2の半径に応じて、適宜設定されてよい。第1角度θ1及び第2角度θ2は、図2に示すような折り畳まれた状態の熱電変換モジュール1が有する突出部1pの数に基づいて、適宜決定されてよい。一例として、配管2の半径が12mm程度であり、且つ当該突出部1pの数が6つである場合、第1角度θ1が42度程度であり、間隔d1が20mm程度であり、第2角度θ2が12度程度であってよい。
【0049】
第1折り線1A及び第2折り線1Bの各々は、直線状に第1方向B1に沿って延びてよい。第1折り線1Aと第2折り線1Bとは、間隔d1を空けて第2方向に沿って交互に並んでよい。第1折り線1Aと第2折り線1Bとは、平行であってよい。
【0050】
第1折り線1Aは、第1谷折り線1Hが第1方向B1に突出する部分1P1及び第1山折り線1Lが第1方向B1に突出する部分1P3のうち、第2方向B2における位置が同じである部分1P1,1P3を通ってよい。
【0051】
第2折り線1Bは、第1谷折り線1Hが第1方向B1の反対方向に突出する部分1P2及び第1山折り線1Lが第1方向B1の反対方向に突出する部分1P4のうち、第2方向B2における位置が同じである部分1P2,1P4を通ってよい。
【0052】
同じ第1折り線1A上において、第2谷折り線1A1と、第2山折り線1A2とは、第1方向B1に沿って交互に並んでよい。ここで、第1折り線1Aにおいて隣り合う第1線分1H1と第3線分1L1との間の区間は、第2角度θ2が第1角度θ1よりも小さいことにより、第1方向B1に沿って区間s1と区間s2とに交互になり得る。区間s1の幅の方が区間s2の幅よりも狭い。第2谷折り線1A1は、第1折り線1Aにおける区間s1,s2のうち、幅が狭い方の区間s1に形成されていてよい。第2山折り線1A2は、第1折り線1Aにおける区間s1,s2のうち、幅が広い方の区間s2に形成されていてよい。
【0053】
同じ第2折り線1B上において、第3谷折り線1B1と、第3山折り線1B2とは、第1方向B1に沿って交互に並んでよい。ここで、第2折り線1Bにおいて隣り合う第1線分1H1と第3線分1L1との間の区間は、第2角度θ2が第1角度θ1よりも小さいことにより、第1方向B1に沿って区間s3と区間s4とに交互になり得る。区間s3の幅の方が区間s4の幅よりも狭い。第3谷折り線1B1は、第2折り線1Bにおける区間s3,s4のうち、幅が狭い方の区間s3に形成されていてよい。第3山折り線1B2は、第2折り線1Bにおける区間s3,s4のうち、幅が広い方の区間s4に形成されていてよい。
【0054】
第2谷折り線1A1と、第3山折り線1B2とは、第2方向B2に沿って交互に並んでよい。第2山折り線1A2と、第3谷折り線1B1とは、第2方向B2に沿って交互に並んでよい。
【0055】
第2谷折り線1A1の第1方向B1における長さすなわち区間s1の幅と、第3谷折り線1B1の第1方向B1における長さすなわち区間s3の幅とは、同じであってよい。第2山折り線1A2の第1方向B1における長さすなわち区間s2の幅と、第3山折り線1B2の第1方向B1における長さすなわち区間s4の幅とは、同じであってよい。区間s1,s3の幅及び区間s2,s4の幅は、折り畳まれた状態での熱電変換モジュール1の所望の形状及び図1に示すような配管2の半径に応じて、適宜設定されてよい。一例として、配管2の半径が12mm程度である場合、区間s1,s3の幅が22mm程度であり、区間s2,s4の幅が35.7mm程度であってよい。
【0056】
以下、図4に示すように、略台形状の領域は、「領域1R」とも記載される。領域1Rは、第1方向B1に隣り合う第1谷折り線1H及び第1山折り線1Lによって区画される領域である。熱電変換モジュール1が複数のユニット1Uで構成される場合、領域1Rは、第1方向B1に隣り合う第1谷折り線1H及び第1山折り線1Lと、第2方向B2に隣り合う第1折り線1A及び第2折り線1Bとによって区画される領域となり得る。
【0057】
図4に示すように、熱電変換モジュール1が含む複数の領域1Rのうち、最も第1方向B1の反対方向側に位置し、且つ最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rは、「領域1R(1,1)」とも記載される。また、領域1R(1,1)から第1方向B1に沿ってM番目(Mは、1以上の整数)に位置し、領域1R(1,1)から第2方向B2に沿ってN番目(Nは、1以上の整数)に位置する且つ領域1Rは、「領域1R(M,N)」とも記載される。本実施形態では、熱電変換モジュール1は、領域1R(1,1)~1R(1,12)、領域1R(2,1)~1R(2,12)、領域1R(3,1)~1R(3,12)、領域1R(4,1)~1R(4,12)を含む。
【0058】
図4に示すように、第2方向B2に沿って並ぶ複数の領域1Rは、「ブロック1b」とも記載される。また、熱電変換モジュール1が含む複数のブロック1bのうち、最も第1方向B1の反対方向側に位置するブロック1bは、「ブロック1b1」とも記載される。また、ブロック1b1から第1方向B1に沿ってL番目(Lは、1以上の整数)に位置するブロック1bは、「ブロック1bL」とも記載される。本実施形態では、熱電変換モジュール1は、ブロック1b1~1b8を含む。各ブロック1bに含まれる複数の領域1Rの数は、同じになり得る。本実施形態では、各ブロック1bの領域1Rの数は、4つになり得る。
【0059】
図5は、図3に示す熱電変換モジュール1の詳細な構成を示す展開図である。図5では、熱電変換素子10P,10N、第1連結部20及び第2連結部21を主に示す。図6は、図5に示す熱電変換モジュール1の一部拡大図である。図7は、図5に示すL1-L1線に沿った熱電変換モジュール1の断面図である。図8は、図5に示すL2-L2線に沿った熱電変換モジュール1の断面図である。図9は、図5に示す熱電変換モジュール1における電流経路を示す図である。図10は、放熱シート50を示す図である。
【0060】
図5に示すように、熱電変換モジュール1は、1つ以上の熱電変換素子10Pと、1つ以上の熱電変換素子10Nと、1つ以上の第1連結部20と、1つ以上の第2連結部21と、シート基板30と、電極60と、電極61とを備える。つまり、本実施形態では、熱電変換モジュール1が備える複数の熱電変換素子10は、熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nの両者を含む。図5に示すような熱電変換モジュール1は、複数の第2連結部21を備える。ただし、本開示の熱電変換モジュールが備える第2連結部21の数は、熱電変換モジュールの構成に応じては、1つであってよい。熱電変換モジュール1は、図10に示すように、放熱シート50をさらに備えてよい。第1連結部20及び第2連結部21の各々は、導電性を有し得る。
【0061】
熱電変換素子10Pは、p型の熱電変換素子である。熱電変換素子10Nは、n型の熱電変換素子である。熱電変換素子10Pの形状及び熱電変換素子10Nの形状は、特に限定されず、長方形状等の長尺状であってよい。また、熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nの寸法及び向き等は、適宜設計されてよい。また、熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nの形状は、互いに同一形状であってよいし、異なる形状であってもよい。
【0062】
熱電変換素子10P,10Nの各々の長手方向は、第1方向B1に平行であってよい。ただし、熱電変換素子10P,10Nの各々の長手方向は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが重ならない程度の問題ない範囲で第1方向B1に対する平行からずれていてもよい。熱電変換素子10Pの長手方向の長さと、熱電変換素子10Nの長手方向の長さとは、同じであってよい。
【0063】
熱電変換素子10P,10Nの各々の短手方向は、第2方向B2に平行であってよい。ただし、熱電変換素子10P,10Nの各々の短手方向は、長手方向の場合と同様に、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが重ならない程度の問題ない範囲で第2方向B2に対する平行からずれていてもよい。熱電変換素子10Pの短手方向の長さと、熱電変換素子10Nの短手方向の長さとは、同じであってよい。
【0064】
複数の熱電変換素子10は、領域1Rの内側に位置してよい。1つ以上の熱電変換素子10P及び1つ以上の熱電変換素子10Nが、領域1Rの内側に位置してよい。各領域1Rの内側に位置する複数の熱電変換素子10の数は、熱電変換モジュール1の所望の発電電力に応じて、適宜設定されてよい。複数の熱電変換素子10が領域1Rの内側に位置することにより、熱電変換モジュール1では、複数の熱電変換素子10が第1谷折り線1H等の折り線を跨がなくなり得る。複数の熱電変換素子10が第1谷折り線1H等の折り線を跨がないことにより、熱電変換モジュール1を折り線で折り畳んだ際に、熱電変換素子10が破損することが抑制され得る。
【0065】
図6に示すように、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとは、隙間を空けて第2方向B2に沿って交互に並んでよい。当該隙間の幅は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の絶縁を確保するために求められる熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の第2方向B2における距離等に応じて、適宜設定されてよい。熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並ぶことにより、後述の第1連結部20によって熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを効率的に交互に直列接続させることができる。
【0066】
熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとは、領域1Rに亘って隙間を空けて第2方向B2に沿って交互に並んでよい。例えば、図6に示すような領域1R(3,1)には3つの熱電変換素子10P及び2つの熱電変換素子10Nが位置し、領域1R(3,1)に亘って当該熱電変換素子10Pと当該熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並ぶ。当該隙間の幅は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の絶縁を確保するために求められる熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の第2方向B2における距離等に応じて、適宜設定されてよい。領域1Rに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並ぶことにより、後述の第1連結部20によって熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを領域1Rに亘って効率的に交互に直列接続させることができる。
【0067】
なお、後述の第1連結部20によって領域1Rに亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、領域1Rに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並んでなくてもよい。例えば、上述のように、図6に示すような領域1R(3,1)には、3つの熱電変換素子10P及び2つの熱電変換素子10Nが位置する。この場合、後述の第1連結部20によって領域1R(3,1)に亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、領域1R(3,1)において第2方向B2に沿って熱電変換素子10P、熱電変換素子10P、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N及び熱電変換素子10Nの順に熱電変換素子10が並んでもよい。
【0068】
熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとは、ブロック1bに亘って隙間を空けて第2方向B2に沿って交互に並んでよい。例えば、図5に示すように、ブロック1b1に亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並ぶ。当該隙間の幅は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の絶縁を確保するために求められる熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の第2方向B2における距離等に応じて、適宜設定されてよい。ブロック1bに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並ぶことにより、後述の第1連結部20及び後述の第2連結部21によって熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとをブロック1bに亘って効率的に交互に直列接続させることができる。
【0069】
なお、後述の第1連結部20及び後述の第2連結部21によってブロック1bに亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、ブロック1bに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並んでなくてもよい。例えば、図5に示す例では、ブロック1b1の領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10は、熱電変換素子10Nであり、ブロック1b1の領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10は、熱電変換素子10Pである。この場合、後述の第1連結部20及び後述の第2連結部21によってブロック1b1に亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Nであり、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Nであってもよい。
【0070】
熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとは、隙間を空けて第1方向B1に沿って交互に並んでよい。当該隙間の幅は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の絶縁を確保するために求められる熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の第1方向B1における距離等に応じて、適宜設定されてよい。熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第1方向B1に沿って交互に並ぶことにより、第1方向B1に隣り合う2つのブロック1bに亘って熱電変換素子10Nと熱電変換素子10Pとを後述の第2連結部21によって効率的に交互に直列接続させることができる。また、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第1方向B1に沿って交互に並ぶことにより、各ブロック1bに亘って交互に電気的に直列接続された熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを熱電変換モジュール1に亘って効率的に電気的に直列接続することができる。
【0071】
なお、後述の第2連結部21によって第1方向B1に隣り合う2つのブロック1bに亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第1方向B1に沿って交互に並ばなくてもよい。また、後述の第2連結部21によって各ブロック1bに亘って交互に電気的に直列接続された熱電変換素子10が熱電変換モジュール1に亘って電気的に直列接続されれば、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第1方向B1に沿って交互に並ばなくてもよい。例えば、図5に示す構成では、ブロック1b1とブロック1b2とは、第1方向B1に隣り合う。ブロック1b1の領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、ブロック1b2の領域1R(4,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nとは、第1方向B1に隣り合う。この場合、後述の第2連結部21によってブロック1b1及びブロック1b2に亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Pであり、領域1R(4,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Pであってもよい。
【0072】
熱電変換素子10Pの長手方向の一方の端部は、熱電変換素子10Pの長手方向の他方の端部よりも、第1谷折り線1Hの方に位置し得る。ここで、折り畳まれた状態の熱電変換モジュール1が図2に示すように配管2に配置されると、第1谷折り線1Hは、第1山折り線1Lよりも配管2に近い側に位置する。第1谷折り線1Hが第1山折り線1Lよりも配管2に近い側に位置することにより、第1谷折り線1Hの付近の温度は、第1山折り線1Lの付近の温度よりも高くなり得る。熱電変換素子10Pの長手方向の一方の端部が熱電変換素子10Pの長手方向の他方の端部よりも第1谷折り線1Hの方に位置することにより、熱電変換素子10Pの当該一方の端部の温度は、熱電変換素子10Pの当該他方の端部の温度よりも高くなり得る。熱電変換素子10Pの当該一方の端部の温度が熱電変換素子10Pの当該他方の端部の温度よりも高くなることにより、熱電変換素子10Pの当該一方の端部と熱電変換素子10Pの当該他方の端部との間で温度差が生じ得る。熱電変換素子10Pの当該一方の端部と熱電変換素子10Pの当該他端との間で温度差が生じることにより、熱電変換素子10Pにおいて温度勾配が生じ得る。この温度勾配に起因するゼーベック効果によって起電力が生じることにより、熱電変換素子10Pは、発電し得る。熱電変換素子10Pが発電すると、図7に示すように電流が流れ得る。熱電変換素子10Pでは、2つの端部のうちの温度が低くなる方の端部から温度が高くなる方の端部に向けて電流が流れ得る。
【0073】
熱電変換素子10Nの長手方向の一方の端部は、熱電変換素子10Nの長手方向の他方の端部よりも、第1谷折り線1Hの方に位置し得る。熱電変換素子10Pと同様に、熱電変換素子10Nの当該一方の端部が熱電変換素子10Nの当該他方の端部よりも第1谷折り線1Hの方に位置することにより、熱電変換素子10Nにおいて温度勾配が生じ得る。熱電変換素子10Pと同様に、この温度勾配に起因するゼーベック効果によって起電力が生じることにより、熱電変換素子10Nは、発電し得る。熱電変換素子10Nが発電すると、図7に示すように電流が流れ得る。熱電変換素子10Nでは、温度が高くなる端部から温度が低くなる端部へ電流が流れ得る。熱電変換素子10Nでは、2つの端部のうちの温度が高くなる方の端部から低くなる方の端部に向けて電流が流れ得る。
【0074】
図10に示すように、熱電変換素子10Pの長手方向の一方の端部は、第1谷折り線1Hの近くに位置してよい。熱電変換素子10Pの長手方向の一方の端部は、熱電変換素子10Pの長手方向の他方の端部を放熱シート50で覆うことができる程度に、第1谷折り線1Hの近くに位置してよい。熱電変換素子10Pの当該一方の端部が第1谷折り線1Hの近くに位置し、熱電変換素子10Pの当該他方の端部が放熱シート50で覆われることにより、熱電変換素子10Pの当該一方の端部と当該他方の端部との温度差が大きくなり得る。熱電変換素子10Pの当該一方の端部と当該他方の端部との温度差が大きくなることにより、熱電変換素子10Pで生じる温度勾配が大きくなり、熱電変換素子10Pの発電電力を高めることができる。熱電変換素子10Pの当該一方の端部と第1谷折り線1Hとの間の距離は、当該熱電変換素子10Pと、当該熱電変換素子10Pの第1方向B1側に位置する熱電変換素子10との間の絶縁が確保できる最小限の距離であってよい。熱電変換素子10Pの当該一方の端部は、当該熱電変換素子10Pの第1方向B1側に位置する熱電変換素子10との間の絶縁が確保できれば、第1谷折り線1Hを跨いでもよい。
【0075】
熱電変換素子10Nの長手方向の一方の端部は、熱電変換素子10Pと同様に、第1谷折り線1Hの近くに位置してよい。熱電変換素子10Nの長手方向の一方の端部は、熱電変換素子10Nの長手方向の他方の端部を放熱シート50で覆うことができる程度に、第1谷折り線1Hの近くに位置してよい。このような構成により、熱電変換素子10Pと同様に、熱電変換素子10Pの発電電力を高めることができる。熱電変換素子10Nの当該一方の端部と第1谷折り線1Hとの間の距離は、当該熱電変換素子10Nと、当該熱電変換素子10Nの第1方向B1側に位置する熱電変換素子10との間の絶縁が確保できる最小限の距離であってよい。熱電変換素子10Nの当該一方の端部は、当該熱電変換素子10Nの第1方向B1側に位置する熱電変換素子10との間の絶縁が確保できれば、第1谷折り線1Hを跨いでもよい。
【0076】
図7及び図8に示すように、熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nは、薄膜状であってよい。熱電変換素子10Pの第3方向B3における厚さ及び熱電変換素子10Nの第3方向B3における厚さは、熱電変換モジュール1の所望の発電電力等に基づいて、適宜設定されてよい。一例として、熱電変換素子10Pの第3方向B3における厚さ及び熱電変換素子10Nの第3方向B3における厚さは、35μm程度であってよい。
【0077】
熱電変換素子10を形成するための熱電変換材料としては、特に限定されることなく、ビスマステルル系化合物、アンチモン系化合物、シリコン系化合物、金属酸化物系化合物、ホイスラー合金系化合物、導電性高分子化合物、導電性繊維、及び、これらの複合材料等を用いることができる。中でも、導電性繊維を用いることが好ましく、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」とも称する)等の繊維状の炭素ナノ構造体を用いることがより好ましい。つまり、熱電変換素子10は、CNTを含んで形成されていてよい。CNTを用いれば、本発明の熱電変換モジュール1の機械的強度をさらに向上させると共に、軽量化することができるからである。さらに、CNTとしては特に限定されることなく、単層CNT及び/又は多層CNTを用いることができるが、CNTは、単層CNTであることが好ましい。単層CNTの方が、熱電特性(ゼーベック係数)が優位である傾向があるからである。なお、単層カーボンナノチューブとしては、CNT製造用の触媒層を表面に有する基材上に、原料化合物及びキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりCNTを合成する際に、系内に微量の酸化剤(触媒賦活物質)を存在させることで、触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法;国際公開第2006/011655号参照)に準じて製造したCNTを用いることができる(以下、かかる方法に準じて製造されたCNTを「SGCNT」と称することがある)。さらにSGCNTは折れ曲がりが多いという特徴を持っている。ここで、CNTは、電子移動による熱伝導性は高いが、フォノン振動による熱伝導性の低下効果も高いと考えられている。しかしながら、SGCNTは、他の一般的な方法に従って製造したCNTよりも折れ曲がりが多いため、フォノン振動が増幅されにくい構造となっており、フォノン振動に起因した熱伝導性の低下を抑制することができる。よって、SGCNTは、他の一般的なCNTと比較して、熱電変換材料としてより優位な材料であり得る。
【0078】
第1連結部20は、領域1Rの内側において複数の熱電変換素子10を電気的に直列接続してよい。本実施形態では、複数の第1連結部20は、領域1Rの内側において熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを交互に電気的に直列接続してよい。第2方向B2に沿って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが交互に並ぶ場合、複数の第1連結部20は、第2方向B2に隣り合う熱電変換素子10Pの端部と熱電変換素子10Nの端部とを電気的に接続することにより、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを交互に電気的に直列接続してよい。このような構成により、第1連結部20によって熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを効率的に交互に直列接続させることができる。
【0079】
例えば、図6に示すような領域1R(3,1)には3つの熱電変換素子10P及び2つの熱電変換素子10Nが位置し、当該熱電変換素子10Pと当該熱電変換素子10Nとが領域1R(3,1)に亘って第2方向B2に沿って交互に並ぶ。領域1R(3,1)の内側では、4つの第1連結部20が当該熱電変換素子10Pと当該熱電変換素子10Nとを交互に電気的に直列接続する。具体的には、2つの第1連結部20は、熱電変換素子10Pの第1方向B1側の端部と、当該熱電変換素子10Pの第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nであって、当該熱電変換素子10Pと第2方向B2に隣り合う熱電変換素子10Nの第1方向B1側の端部とを電気的に接続する。また、2つの第1連結部20は、熱電変換素子10Nの第1方向B1の反対方向側の端部と、当該熱電変換素子10Nの第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pであって、当該熱電変換素子10Nと第2方向B2に隣り合う熱電変換素子10Pの第1方向B1の反対方向側の端部とを電気的に接続する。
【0080】
なお、上述のように、第1連結部20によって領域1Rに亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、領域1Rに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並んでなくてもよい。一例として、上述のように、領域1R(3,1)において第2方向B2に沿って熱電変換素子10P、熱電変換素子10P、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N及び熱電変換素子10Nの順に熱電変換素子10が並んでもよい。この場合、第1連結部20は、3つの熱電変換素子10Pと2つの熱電変換素子10Nとを電気的に直列接続すればよい。
【0081】
図8に示すように、第1連結部20は、第2方向B2に隣り合う2つの熱電変換素子10の端部の間に位置してよい。本実施形態では、第1連結部20は、第2方向B2に隣り合う熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nにおいて、当該熱電変換素子10Pの長手方向の端部と当該熱電変換素子10Nの長手方向の端部との間に位置してよい。第1連結部20が第2方向B2に隣り合う2つの熱電変換素子10の端部の間に位置することにより、第1連結部20の一部が当該2つの熱電変換素子10のうちの一方の熱電変換素子10の端部に電気的に接続され、第1連結部20の他の一部が当該2つの熱電変換素子10のうちの他方の熱電変換素子10の端部に電気的に接続される。本実施形態では、第2方向B2に隣り合う熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nにおいて、第1連結部20の一部が当該熱電変換素子10Pの長手方向の端部に電気的に接続され、第1連結部20の他の一部が当該熱電変換素子10Nの端部に電気的に接続される。このような構成により、第1連結部20は、第2方向B2に隣り合う2つの熱電変換素子10の端部を電気的に接続し得る。
【0082】
第1連結部20は、銀ペースト等の導電性ペースト又ははんだで形成されていてよい。また、第1連結部20は、後述の第2連結部21のように形成されていてもよい。つまり、第1連結部20は、後述の導電性部材22と同様の導電性部材と、後述の第1接合部材23と同様の接合部材と、後述の第2接合部材24と同様の接合部材とを含んでもよい。
【0083】
このように、複数の第1連結部20は、領域1Rの内側において複数の熱電変換素子10を電気的に直列接続し得る。換言すると、複数の第1連結部20は、折り線を跨ぐことなく、領域1Rの内側において複数の熱電変換素子10を直列接続し得る。第1連結部20が折り線を跨がないことにより、折り曲げ等による第1連結部20の劣化を抑制することができる。
【0084】
ここで、複数の第1連結部20が領域1Rに亘って複数の熱電変換素子10を電気的に直列接続することにより、熱電変換素子10が発電した際に、図9に示すように領域1Rにおいて1本の電流経路I1が生じ得る。電流経路I1は、始点P1及び終点P2を含む。始点P1は、図6に示すような領域1Rにおいて直列接続される複数の熱電変換素子10の2つの端部のうち、負極となる端部に対応し得る。終点P2は、図6に示すような領域1Rにおいて直列接続される複数の熱電変換素子10の2つの端部のうち、正極となる端部に対応し得る。
【0085】
第2連結部21は、図6に示すような隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの電流経路I1の始点P1と、他方の領域1Rの電流経路I1の終点P2とを接続するように構成され得る。具体的には、第2連結部21は、隣り合う2つの領域1Rに亘って複数の熱電変換素子10が電気的に直列接続されるように、当該2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10と、他方の領域1Rの熱電変換素子10とを電気的に直列接続し得る。第2連結部21によって電気的に直列接続される当該一方の領域1Rの熱電変換素子10と当該他方の領域1Rの熱電変換素子10とは、第1谷折り線1H等の折り線を介して隣り合ってよい。第2連結部21は、熱電変換モジュール1に亘って複数の熱電変換素子10が電気的に直列接続されるように、隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10と、他方の領域1Rの熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。熱電変換モジュール1に亘って複数の熱電変換素子10が電気的に直列接続されることにより、熱電変換素子10が発電した際に、図9に示すような1本の電流経路が生じ得る。
【0086】
本実施形態では、複数の第2連結部21の一部は、ブロック1bに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが交互に電気的に直列接続されるように、第2方向B2に隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10と、他方の領域1Rの熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。
【0087】
例えば、図5に示すように、ブロック1b1では、3つの第2連結部21がブロック1b1に亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが交互に電気的に直列接続されるように構成され得る。具体的には、領域1R(1,1)と領域1R(2,1)とは、第2方向B2に隣り合う。領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nとは、第1折り線1Aを介して隣り合う。第2連結部21は、領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nとを電気的に直列接続する。また、領域1R(2,1)と領域1R(3,1)とは、第2方向B2に隣り合う。領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nと、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとは、第2谷折り線1Bを介して隣り合う。第2連結部21は、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nと、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続する。また、領域1R(3,1)と領域1R(4,1)とは、第2方向B2に隣り合う。領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nとは、第1折り線1Aを介して隣り合う。第2連結部21は、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nとを電気的に直列接続する。
【0088】
なお、上述のように、第2連結部21によってブロック1bに亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、ブロック1bに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第2方向B2に沿って交互に並んでなくてもよい。一例として、上述のように、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Nであり、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Nであってもよい。この場合、第2連結部21は、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nと、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nとを電気的に直列接続する。
【0089】
本実施形態では、複数の第2連結部21の他の一部は、各ブロック1bに亘って交互に電気的に直列接続された熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが熱電変換モジュール1に亘って交互に電気的に直列接続されるように、第1方向B1に隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10と、他方の領域1Rの熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。以下、この接続態様の一例を説明する。
【0090】
以下、第1方向B1に隣り合う2つのブロック1bのうちの、一方のブロック1bは「ブロック1bL」(Lは、1以上の奇数)とも記載され、他方のブロック1bは「ブロック1bL」(Lは、1以上の偶数)とも記載される。なお、ブロック1bLの第1方向B1側にブロック1bLが位置するものとする。例えば、ブロック1bLがブロック1b1である場合、ブロック1bLは、ブロック1b2となり得る。また、ブロック1bLの第1方向B1側に位置するブロック1bであって、ブロック1bLと第1方向B1に隣り合うブロック1bは、「ブロック1bL」(Lは、1以上の奇数)とも記載される。例えば、ブロック1bLがブロック1b2である場合、ブロック1bLは、ブロック1b3となり得る。
【0091】
ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rと、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rとは、第1方向B1に隣り合う。例えば、ブロック1bLがブロック1b1であり、ブロック1bLがブロック1b2である場合、ブロック1b1の領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1R(4,1)と、ブロック1b2の領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1R(4,2)とは、第1方向B1に隣り合う。第2連結部21は、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10と、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。換言すると、第2連結部21は、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10と、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。例えば、第2連結部21は、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(4,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nとを電気的に直列接続する。領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(4,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nとは、第1谷折り線1Hを介して隣り合う。
【0092】
ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rと、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rとは、第1方向B1に隣り合う。例えば、ブロック1bLがブロック1b2であり、ブロック1bLがブロック1b3である場合、ブロック1b2の領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1R(1,2)と、ブロック1b3の領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1R(1,3)とは、第1方向B1に隣り合う。第2連結部21は、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10と、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。換言すると、第2連結部21は、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10と、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。例えば、第2連結部21は、領域1R(1,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nと、領域1R(1,3)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続する。領域1R(1,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nと、領域1R(1,3)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとは、第1山折り線1Lを介して隣り合う。
【0093】
なお、第2連結部21は、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10と、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してもよい。換言すると、第2連結部21は、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10と、ブロック1bLの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。この場合、第2連結部21は、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10と、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続する。換言すると、第2連結部21は、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10と、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。このような構成では、後述の電極60は、熱電変換モジュール1に亘って電気的に直列接続される熱電変換素子10の2つの端部のうちの負極となる端部に、電気的に適宜接続されてよい。また、後述の電極61は、熱電変換モジュール1に亘って電気的に直列接続される熱電変換素子10の2つの端部のうちの正極となる端部に、電気的に適宜接続されてよい。
【0094】
また、上述のように、第2連結部21によって第1方向B1に隣り合う2つのブロック1bに亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第1方向B1に沿って交互に並ばなくてもよい。また、第2連結部21によって各ブロック1bに亘って交互に電気的に直列接続された熱電変換素子10が熱電変換モジュール1に亘って交互に電気的に直列接続されれば、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第1方向B1に沿って交互に並ばなくてもよい。一例として、上述のように、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Pであり、領域1R(4,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Pであってもよい。この場合、第2連結部21は、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(4,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続する。
【0095】
また、ブロック1bL,1bLの熱電変換素子10Pの数が偶数及び熱電変換素子10Nの数が奇数であり、且つブロック1bLの熱電変換素子10Pの数が奇数及び熱電変換素子10Nの数が偶数であってよい。この場合、各ブロック1bの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1R(4,1)~1R(4,12)の各々の熱電変換素子10の数は、適宜調整されてよい。例えば、ブロック1bLがブロック1b1であり、ブロック1bLがブロック1b2であり、ブロック1bLがブロック1b3である場合、ブロック1b1,1b3の各々において、熱電変換素子10Pの数は、10個で偶数となり、熱電変換素子10Nの数は、9個で奇数となる。また、ブロック1b2の熱電変換素子10Pの数は、9個で奇数であり、ブロック1b2の熱電変換素子10Nの数は、10個で偶数となる。また、領域1R(4,1)~1R(4,12)以外の領域1R(1,1)等の領域1Rの熱電変換素子10の数は、5個となる。これに対し、領域1R(4,1)~1R(4,12)の各々の熱電変換素子10の数は、4個となる。
【0096】
このようにブロック1bL,1bLの熱電変換素子10Pの数が偶数及び熱電変換素子10Nの数が奇数であり、且つブロック1bLの熱電変換素子10Pの数が奇数及び熱電変換素子10Nの数が偶数であることにより、第1方向B1において第2連結部21によって電気的に接続される2つの熱電変換素子10の端部が対向し得る。例えば、図5に示すように、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの端部と、領域1R(4,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nの端部とは、第1方向B1において第2連結部21によって電気的に接続される。この2つの端部は、対向する。また、領域1R(1,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nの端部と、領域1R(1,3)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの端部とは、第1方向B1において第2連結部21によって電気的に接続される。この2つの端部は、対向する。このように第2連結部21によって電気的に接続される第1方向B1に隣り合う2つの熱電変換素子10の端部が対向することにより、第2連結部21の引き回しが低減され得る。
【0097】
ここで、領域1Rが折り線により区画された領域であることにより、隣り合う2つの領域1Rは、第1谷折り線1H等の折り線を介して隣り合う。例えば、第1方向B1に隣り合う領域1R(1,1)と領域1R(1,2)とは、第1谷折り線1Hを介して隣り合う。例えば、第1方向B1に隣り合う領域1R(1,2)と領域1R(1,3)とは、第1山折り線1Lを介して隣り合う。例えば、第2方向B2に隣り合う領域1R(1,1)と領域1R(2,1)は、第1折り線1Aを介して隣り合う。例えば、第2方向B2に隣り合う領域1R(2,1)と領域1R(3,1)とは、第2折り線1Bを介して隣り合う。
【0098】
2つの領域1Rが折り線を介して隣り合うことにより、第2連結部21は、第1谷折り線1H等の折り線を跨いで、隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10と、他方の領域1Rの熱電変換素子10とを電気的に直列接続し得る。ここで、上述のように、第1連結部20は、折り線を跨ぐことなく、領域1Rおいて熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを直列接続し得る。このように熱電変換モジュール1では、第1連結部20及び第2連結部21を含む全ての配線が折り線を跨ぐのではなく、第2連結部21のみが折り線を跨ぐように構成され得る。このような構成により、熱電変換モジュール1では、熱電変換モジュール1に亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを配線によって直列接続させつつ、折り線を跨ぐ配線の数を減らすことができる。折り線を跨ぐ配線の数を減らすことにより、熱電変換モジュール1の配線の全体としての劣化が抑制され得る。熱電変換モジュール1において隣り合う領域1Rの間の折り線を跨ぐ第2連結部21の数は、できるだけ少ないことが好ましく、例えば、4個以下が好ましく、2個以下がより好ましい。
【0099】
図7に示すように、第2連結部21は、隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10の端部と、他方の領域1Rの熱電変換素子10の端部との間に位置してよい。図7に示す構成では、第2連結部21は、隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10Pの長手方向の端部と、他方の領域1Rの熱電変換素子10Nの長手方向の端部の間に位置する。第2連結部21が隣り合う2つの領域のうちの当該一方の領域1Rの熱電変換素子10の端部と当該他方の領域1Rの熱電変換素子10の端部との間に位置することにより、第2連結部21の一部が当該一方の領域1Rの熱電変換素子10の端部に電気的に接続され、第2連結部21の他の一部が当該他方の領域1Rの熱電変換素子10の端部に電気的に接続され得る。このような構成により、第2連結部21は、当該一方の領域1Rの熱電変換素子10の端部と当該他方の領域1Rの熱電変換素子10の端部とを電気的に接続し得る。
【0100】
第2連結部21は、導電性部材22と、第1接合部材23と、第2接合部材24とを含んでよい。このような構成の第2連結部21は、後述の図16に示すような構造501を用いて形成され得る。このような構成の第2連結部21では、後述の図16を参照して説明するように、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N及び導電性部材22が後述のカバー層32から剥離されることが抑制され得る。
【0101】
導電性部材22は、薄膜状であってよい。導電性部材22は、導電性及び熱導電性を有する任意の材料で形成されていてよい。導電性部材22を形成する材料としては、特に限定されることなく、銀及び銅等の金属を用いることができる。
【0102】
第2連結部21は、CNT又は金属がドーピングされたCNTを含んで形成されていてもよい。この場合、導電性部材22は、CNT又は金属をドーピングさせたCNTで形成されていてよい。第2連結部21がCNT又は金属をドーピングさせたCNTで形成されていることにより、第2連結部21の機械的強度を向上させることができる。第2連結部21の機械的強度が向上されることにより、折り曲げに対する第2連結部21の耐久性を向上させることができる。
【0103】
第2連結部21には、当該第2連結部21が位置する箇所に応じて第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A又は第2折り線1Bが形成されていてもよい。この場合、導電性部材22には、第1山折り線1L、第1折り線1A又は第2折り線1Bが形成されていてもよい。
【0104】
第2連結部21には、第1谷折り線1H等の折り線が形成されていなくてもよい。例えば、後述のシート基板30に折り線としてのミシン目を形成する場合、第2連結部21に、ミシン目が形成されていなくてもよい。この場合、導電性部材22に、ミシン目が形成されていなくてよい。第2連結部21に折り線が形成されないことにより、折り曲げに対する第2連結部21の耐久性を向上させることができる。また、第2連結部21がシート基板30において占める面積は、シート基板30の全体の面積よりも、小さくなり得る。第2連結部21に折り線が形成されていなくても、シート基板30に折り線が形成されていることにより、シート基板30を第1谷折り線1H等で容易に折り畳むことができる。
【0105】
第2連結部21は、メッシュ構造を有してよい。この場合、導電性部材22は、メッシュ構造を有してよい。メッシュ構造は、複数の開口部が格子状に並ぶ構造であってよい。第2連結部21がメッシュ構造を有することにより、折り曲げに対する第2連結部21の耐久性を向上させることができる。メッシュ構造の開口部の大きさ等は、第2連結部21にかかる負荷等に基づいて、適宜設定されてよい。
【0106】
第1接合部材23及び第2接合部材24の各々は、銀ペースト等の導電性ペースト又ははんだで形成されていてよい。第1接合部材23は、隣り合う2つの熱電変換素子10の一方の熱電変換素子10と、導電性部材22との間に位置してよい。第2接合部材24は、当該隣り合う2つの熱電変換素子10の他方の熱電変換素子10と、導電性部材22との間に位置してよい。図7に示す構成では、第1接合部材23が熱電変換素子10Pと導電性部材22との間に位置し、第2接合部材24が熱電変換素子10Nと導電性部材22との間に位置する。第1接合部材23が当該一方の熱電変換素子10と導電性部材22との間に位置することにより、第1接合部材23の一部が当該一方の熱電変換素子10に電気的に接続され、第1接合部材23の他の一部が導電性部材22に電気的に接続され得る。このような構成により、第1接合部材23は、当該一方の熱電変換素子10と導電性部材22とを電気的に接続し得る。また、第2接合部材24が当該他方の熱電変換素子10と導電性部材22との間に位置することにより、第2接合部材24の他の一部が当該他方の熱電変換素子10に電気的に接続され、第2接合部材24の他の一部が導電性部材22に電気的に接続され得る。このような構成により、第2接合部材24は、当該他の熱電変換素子10と導電性部材22とを電気的に接続し得る。
【0107】
図5に示すように、シート基板30には、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N、第1連結部20及び第2連結部21が位置し得る。なお、後述するように、図7及び図8に示すように、シート基板30は、熱電変換素子10等を保護するカバー層32,33,34を有していてもよく、その場合、シート基板30の内部側に、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N、第1連結部20及び第2連結部21が位置することになる。
【0108】
シート基板30には、折り線が形成されていてよい。本実施形態では、シート基板30には、第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bが形成されていてよい。第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bは、ミシン目としてシート基板30に形成されていてよい。ミシン目は、スリット状の貫通孔が所定間隔を空けて並ぶ構造であってよい。貫通孔のサイズ及び当該所定間隔は、熱電変換モジュール1を折り畳んだ際のシート基板30等の嵩張り具合に基づいて、適宜設定されてよい。なお、第1谷折り線1H等の折り線は、ミシン目として形成されていることに限定されない。一例として、第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bは、溝として形成されていてもよいし、若しくは曲げ癖又は折り癖を付けることにより形成されていてもよい。
【0109】
シート基板30にミシン目を形成することにより、熱電変換モジュール1を折り線で折り畳んだ際に、折り畳んだ状態の熱電変換モジュール1の厚さがより薄くなり得る。折り畳んだ状態の熱電変換モジュール1の厚さがより薄くなることにより、熱電変換モジュール1がより小型化され得る。また、シート基板30にミシン目を形成することにより、熱電変換モジュール1を折り線でより確実に折り畳むことができる。熱電変換モジュール1を折り線でより確実に折り畳むことにより、シート基板30間の空気の量が低減され得る。シート基板30間の空気の量が低減されることにより、当該空気によって熱が熱電変換モジュール1の中にこもることが抑制されるため、熱電変換素子10の一方の端部と他方の端部との間の温度差が小さくなる可能性が低減され得る。
【0110】
図6に示すように、第2連結部21に折り線を形成しない場合、シート基板30のうちの第2連結部21が位置する部分には、第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bが形成されていなくてもよい。シート基板30において第2連結部21が位置する部分の面積は、シート基板30の全体の面積よりも小さくなり得る。シート基板30のうちで第2連結部21が位置する部分に第1谷折り線1H等の折り線が形成されていなくても、シート基板30の他の部分に第1谷折り線1H等の折り線が形成されていれば、シート基板30を第1谷折り線1H等で容易に折り畳むことができる。
【0111】
図7及び図8に示すように、シート基板30は、カバー層32と、カバー層33と、カバー層34とを有する。以下、シート基板30が含む層のうち、熱電変換素子10P,10Nが位置する層は、「熱電変換層」とも記載される。シート基板30は、熱電変換層に、樹脂層35を有する。図5に示すように、シート基板30は、部分31をさらに有してよい。
【0112】
図5に示すように、部分31は、第1谷折り線1Hが第1折り線1A又は第2折り線1Bと交差する箇所、及び、第1山折り線1Lが第1折り線1A又は第2折り線1Bが交差する箇所に位置してよい。部分31の形状は、特に限定されることなく、円形状であってよい。部分31は、貫通領域であってもよいし、又はシート基板30の他の部分よりも厚さが薄い領域であってもよい。ここで、熱電変換モジュール1を折り畳む際、第1谷折り線1Hが第1折り線1A又は第2折り線1Bと交差する箇所、及び、第1山折り線1Lが第1折り線1A又は第2折り線1Bと交差する箇所では、シート基板30が嵩張り得る。当該箇所に部分31が位置していることにより、当該箇所におけるシート基板30の嵩張りを低減させることができる。当該箇所におけるシート基板30の嵩張りが低減されることにより、熱電変換モジュール1が折り畳みやすくなり得る。
【0113】
図7及び図8に示すように、カバー層32~34は、熱電変換素子10P,10N等を保護し得る。カバー層32は、熱電変換層よりも第3方向B3の反対方向側に位置する。カバー層33は、熱電変換層とカバー層34との間に位置する。カバー層34は、カバー層33よりも第3方向B3側に位置する。カバー層32,33,34の第3方向B3における各々の厚さは、第1谷折り線1H等の折り線にかかる応力に基づいて、適宜設定されてよい。一例として、カバー層32,33,34の第3方向B3における各々の厚さは、37.5μm程度であってよい。
【0114】
カバー層32は、樹脂層36と、接着層37とを含む。カバー層33は、樹脂層38と、接着層39とを含む。カバー層34は、樹脂層40と、接着層41とを含む。
【0115】
樹脂層35,36,38,40を形成するための材料には、特に限定されることなく、ポリミイド等を用いることができる。樹脂層35は、熱電変換層において、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N、第1連結部20及び第2連結部21が位置しない箇所に位置する。樹脂層36は、接着層37よりも第3方向B3の反対方向側に位置する。樹脂層38は、接着層39と樹脂層40との間に位置する。樹脂層40は、接着層41よりも第3方向B3側に位置する。
【0116】
接着層37,39,41を形成するための材料には、特に限定されることなく、エポキシ樹脂等を用いることができる。接着層37は、樹脂層36と熱電変換層とを接着する。接着層39は、熱電変換層と、樹脂層38とを接着する。接着層41は、樹脂層38と、樹脂層40とを接着する。
【0117】
図10に示すように、放熱シート50は、熱電変換素子10の長手方向の2つの端部のうちの第1山折り線1Lの方に位置する端部を覆ってよい。放熱シート50は、任意の放熱材料で形成されていてよい。放熱シート50を形成するための材料には、特に限定されることなく、アルミニウム箔等を用いることができる。放熱シート50によって、上述のように、熱電変換素子10P,10Nの発電電力を高めることができる。ここで、本実施形態では、領域1Rの形状は、上述のように、略台形状となり得る。領域1Rの形状が略台形状となることにより、長手方向の長さが同じである熱電変換素子10P,10Nが各領域1Rに並ぶと、各領域1Rの形状が長方形状である場合と比べて、熱電変換素子10P,10Nが位置しない部分の面積が広くなり得る。本実施形態では、上述のように、熱電変換素子10P,10Nの各々の一方の端部を第1谷折り線1Hの近くに位置させ、熱電変換素子10P,10Nの他方の端部及び第1山折り線1Lを放熱シート50で覆うことができる。このような構成により、領域1Rにおいて熱電変換素子10P,10Nが位置しない部分の面積を有用に利用することができる。
【0118】
放熱シート50は、図7及び図8に示すようなカバー層34の第3方向B3側に位置してよい。換言すると、放熱シート50は、カバー層34を介して熱電変換素子10の端部を覆ってよい。放熱シート50がカバー層34を介して熱電変換素子10の端部を覆うことにより、放熱シート50が電気伝導性を有する場合に、2つの熱電変換素子10が放熱シート50を介して通電することが、カバー層34によって抑制され得る。放熱シート50は、別途設けられた絶縁層を介して熱電変換素子10の端部を覆ってもよい。
【0119】
図10に示すように、放熱シート50は、第1山折り線1Lに対応する箇所に位置してもよい。放熱シート50が第1山折り線1Lに対応する箇所に位置することにより、放熱シート50が覆う複数の熱電変換素子10の端部の温度が均一になり得る。放熱シート50が覆う複数の熱電変換素子10の端部の温度が均一になることにより、複数の熱電変換素子10の両端部間の温度差が均一になり得る。複数の熱電変換素子10の両端部間の温度差が均一になることにより、複数の熱電変換素子10の発電電力が均一になり得る。また、放熱シート50が第1山折り線1Lに対応する箇所に位置する場合、放熱シート50に当該第1山折り線1Lが形成されていてもよい。放熱シート50に当該第1山折り線103Lが形成されていることにより、熱電変換モジュール1が折り畳み易くなり得る。又は、放熱シート50が第1山折り線1Lに対応する箇所に位置する場合、放熱シート50に当該第1山折り線1Lが形成されていなくてもよい。放熱シート50に当該第1山折り線1Lを形成しないことにより、熱電変換モジュール1の製造プロセスが簡易化され得る。
【0120】
放熱シート50は、シート基板30の部分31を覆ってもよい。放熱シート50には、シート基板30の部分31に対応する箇所に、貫通領域が設けられていてもよい。当該貫通領域は、後述の電極60及び電極61から外部機器等へ接続される配線を取り出すために用いられてよい。
【0121】
図5に示すような電極60及び電極61は、熱電変換モジュール1から電力を取り出すための電極である。電極60は、負極であってよい。電極61は、正極であってよい。電極60は、熱電変換モジュール1に亘って交互に電気的に直列接続される熱電変換素子10の2つの端部のうちの負極となる端部に、電気的に接続され得る。例えば、電極60は、図5に示すような領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1方向B1の反対方向側の端部に、電気的に接続される。電極61は、熱電変換モジュール1に亘って交互に電気的に直列接続される熱電変換素子10の2つの端部のうちの正極となる端部に、電気的に接続され得る。例えば、電極61は、図5に示すような領域1R(1,12)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nの第1方向B1側の端部に、電気的に接続され得る。
【0122】
電極60及び電極61は、導電性を有する任意の材料で形成されていてよい。電極60及び電極61の各々を形成するための材料には、特に限定されることなく、銀及び銅等の金属を用いることができる。
【0123】
このように本実施形態に係る熱電変換モジュール1では、シート基板30には、折り線が形成されている。熱電変換モジュール1は、折り線で畳まれることにより、発電電力を確保しつつ、小型化され得る。さらに、シート基板30には、折り線として第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bが形成されている。熱電変換モジュール1は、第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bで折り畳まれることにより、図2に示すような空洞を有し得る。熱電変換モジュール1は、図2に示すような空洞を有することにより、熱源としての配管2に容易に配置され得る。
【0124】
さらに、本実施形態に係る熱電変換モジュール1は、第1連結部20及び第2連結部21を備える。第1連結部20及び第2連結部21によって、上述のように、熱電変換モジュール1では、第1連結部20及び第2連結部21を含む全ての配線が折り線を跨ぐのではなく、第2連結部21のみが折り線を跨ぐように構成され得る。このような構成により、熱電変換モジュール1では、熱電変換モジュール1に亘って複数の熱電変換素子10を配線によって電気的に直列接続させつつ、折り線を跨ぐ配線の数を減らすことができる。
【0125】
ここで、一般的に、熱電変換モジュールでは、熱電変換モジュールが発電している際、熱源からの熱又は熱電変換素子にて発生した熱が、配線に伝わり得る。熱電変換モジュールでは、このような熱が配線に伝わると、シート基板又は配線が膨張する場合がある。シート基板又は配線が膨張する場合に、シート基板に折り線が形成されていると、折り線の部分に応力が集中する場合がある。折り線の部分に応力が集中すると、配線が断線する場合がある。
【0126】
また、一般的に、熱電変換モジュールのサイズが大きくなるほど、シート基板に折り線を形成する際に、折り線をシート基板に均一に形成することが困難になる場合がある。そのため、熱電変換モジュールのサイズが大きくなるほど、他の部分よりも、折り線がシート基板に深く形成される部分が生じ得る。折り線がシート基板に深く形成される部分には、熱電変換モジュールを折り畳んだ際に、応力が集中し得る。当該部分に応力が集中することにより、当該部分の近辺に位置する断線が断線する場合がある。
【0127】
上述のような配線の断線を抑制するために、折り線をシート基板に浅く形成することが考えられる。しかしながら、折り線をシート基板に浅く形成すると、熱電変換モジュールを折り線で折り畳んだ際にずれが生じたり、嵩張ったりし得る。また、折り線をシート基板に浅く形成すると、折り線で熱電変換モジュールを確実に折り畳むことが困難となるため、熱電変換モジュールを折り畳んだ際に、シート基板間の空気の量が多くなり得る。シート基板間の空気の量が多くなると、当該空気によって熱が熱電変換モジュールの中にこもり得る。熱電変換モジュールの中に熱がこもると、熱電変換素子の両端部間の温度差が小さくなってしまう場合がある。
【0128】
本実施形態に係る熱電変換モジュール1では、第1連結部20及び第2連結部21を含む配線のうち、第2連結部21のみが折り線を跨ぐ。このような構成により、折り線を跨ぐ配線の数を減らすことができるため、上述のように配線が断線した場合であっても、断線した配線を容易に特定することができる。また、本実施形態では、上述のように第2連結部21に折り線を形成しないことにより、シート基板30に折り線を浅く形成しなくてすむ。シート基板30に折り線を浅く形成しなくてすむことにより、本実施形態では、上述のように、熱電変換モジュール1を折り線で折り畳んだ際にずれが生じたり、嵩張ったりすることが抑制され得る。また、シート基板30に折り線を浅く形成しなくてすむことにより、本実施形態では、上述のように、シート基板30間の空気の量が多くなることが抑制されるため、当該空気によって熱電変換モジュール1の中に熱がこもることが抑制され得る。従って、本実施形態では、熱電変換素子10の両端部間の温度差が大きくなり得る。
【0129】
また、本実施形態に係る熱電変換モジュール1では、隣り合う2つの領域を区画する折り線がシート基板30に複数形成されており、複数の当該折り線の少なくとも1つでは、第2連結部21の数が1つであってよい。例えば、図5に示すような複数の折り線のうち、最も第1方向B1の反対方向側に位置する第1谷折り線1Hでは、第2連結部21の数は、1つである。具体的には、当該第1谷折り線1Hでは、領域1R(4,1)の熱電変換素子10と領域1R(4,2)の熱電変換素子10とを電気的に直列接続する1つの第2連結部21のみが位置する。複数の折り線の少なくとも1つにおいて第2連結部21の数が1つになることにより、熱電変換モジュール1において折り線を跨ぐ配線の数を減らすことができる。
【0130】
図11は、本発明の他の実施形態に係る熱電変換モジュール101の展開図である。図11は、図5に示す展開図に相当する。図12は、図11に示す熱電変換モジュール101における電流経路を示す図である。
【0131】
熱電変換モジュール101は、1つ以上の熱電変換素子10Pと、1つ以上の熱電変換素子10Nと、1つ以上の第1連結部20と、1つ以上の第2連結部21と、シート基板30と、複数の電極60と、複数の電極61とを備える。つまり、本実施形態では、熱電変換モジュール101が備える複数の熱電変換素子10は、熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nの両者を含む。図11に示すような熱電変換モジュール101は、複数の電極60及び複数の電極61を備える。ただし、熱電変換モジュール101は、図3に示すような1つのユニットで構成される場合、1つの電極60と、1つの電極61とを備えればよい。熱電変換モジュール101は、図10に示すような放熱シート50をさらに備えてよい。
【0132】
シート基板30には、図3に示すような第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bが形成され得る。熱電変換モジュール101は、第1谷折り線1H等の折り線で折り畳まれることにより、図2に示すような熱電変換モジュール1と同様に、空洞を有し得る。
【0133】
熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとは、領域1Rに亘って隙間を空けて第2方向B2に沿って交互に並んでよい。当該隙間の幅は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の絶縁を確保するために求められる熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の第2方向B2における距離等に応じて、適宜設定されてよい。ここで、熱電変換モジュール101では、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが領域1Rに亘って隙間を空けて第2方向B2に沿って交互に並べば、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとがブロック1bに亘って第2方向B2に沿って第2方向B2に沿って交互に並んでいなくてもよい。
【0134】
熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとは、図5に示すような熱電変換モジュール1と同様に、隙間を空けて第1方向B1に沿って交互に並んでよい。
【0135】
複数の第1連結部20は、図5に示すような熱電変換モジュール1と同様に、領域1Rの内側において熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを交互に電気的に直列接続してよい。
【0136】
複数の第2連結部21は、第1方向B1に沿って並ぶ複数の領域1Rに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが交互に電気的に直列接続されるように、第1方向B1に隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10と、他方の領域1Rの熱電変換素子10とを電気的に直列接続し得る。換言すると、複数の第2連結部21は、ユニット1Uに亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが交互に電気的に直列接続されるように、第1方向B1に隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10と他方の領域1Rの熱電変換素子10とを電気的に直列接続し得る。このような構成により、図12に示すように、第1方向B1に沿って並ぶ領域1Rに亘ってすなわちユニット1Uに亘って一本の電流経路が生じ得る。
【0137】
以下、本実施形態の第2連結部21による接続態様の一例を説明する。以下、第1方向B1に隣り合う1つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rは「領域1R(M,N)」(Nは、1以上の奇数)とも記載され、他方の領域1Rは「領域1R(M,N)」(Nは、1以上の偶数)とも記載される。なお、領域1R(M,N)の第1方向B1側に領域1R(M,N)が位置するものとする。例えば、領域1R(M,N)が領域1R(1,1)である場合、領域1R(M,N)は、領域1R(1,2)となり得る。また、領域1R(M,N)の第2方向B2側に位置する領域1Rであって、領域1R(M,N)と第2方向B2に隣り合う領域1Rは、「領域1R(M,N)」(Nは、1以上の奇数)とも記載される。例えば、領域1R(M,N)が領域1R(1,2)である場合、領域1R(M,N)は、領域1R(1,3)となり得る。
【0138】
第2連結部21は、領域1R(M,N)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10と、領域1R(M,N)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。例えば、領域1R(M,N)が領域1R(1,1)であり、領域1R(M,N)が領域1R(1,2)である場合、第2連結部21は、領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(1,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nとを電気的に直列接続する。
【0139】
第2連結部21は、領域1R(M,N)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10と、領域1R(M,N)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。例えば、領域1R(M,N)が領域1R(1,2)であり、領域1R(M,N)が領域1R(1,3)である場合、第2連結部21は、領域1R(1,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nと、領域1R(1,3)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続する。
【0140】
なお、第2連結部21は、領域1R(M,N)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10と、領域1R(M,N)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続してもよい。この場合、第2連結部21は、領域1R(M,N)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10と、領域1R(M,N)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10とを電気的に直列接続する。
【0141】
また、第2連結部21によってユニット1Uに亘って熱電変換素子10が電気的に直列接続されれば、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが第1方向B1に沿って交互に並ばなくてもよい。一例として、領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Pであり、領域1R(1,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10が熱電変換素子10Pであってもよい。この場合、第2連結部21は、領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(1,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続する。
【0142】
電極60は、第1方向B1に沿って並ぶ領域1Rに亘って直列接続される熱電変換素子10の2つの端部のうちの負極となる端部に、電気的に接続され得る。換言すると、電極60は、ユニット1Uに亘って直列接続される熱電変換素子10の2つの端部のうち、負極となる端部に接続され得る。例えば、電極60は、領域1R(2,1)~(2,12)を含むユニット1Uにおいて、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1方向B1の反対方向側の端部に、電気的に接続される。電極61は、第1方向B1に沿って並ぶ領域1Rに亘って直列接続される熱電変換素子10の2つの端部のうち、正極となる端部に接続され得る。換言すると、電極61は、ユニット1Uに亘って直列接続される熱電変換素子10の2つの端部のうちの正極となる端部に、電気的に接続され得る。例えば、電極61は、領域1R(2,1)~(2,12)を含むユニット1Uにおいて、領域1R(2,12)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nの第1方向B1側の端部に、電気的に接続される。
【0143】
複数の電極60は、任意の箇所で1つにまとめられてよい。複数の電極61は、任意の箇所で1つにまとめられてよい。
【0144】
熱電変換モジュール101のその他の構成及び効果は、図5に示すような熱電変換モジュール1と同じ又は類似である。
【0145】
図13は、本発明のさらに他の実施形態に係る熱電変換モジュール201の展開図である。図13は、図5に示す展開図に相当する。
【0146】
熱電変換モジュール201は、複数の熱電変換素子10Pと、1つ以上の第1連結部20と、1つ以上の第2連結部21と、シート基板30と、電極60と、電極61とを備える。つまり、本実施形態では、熱電変換モジュール201が備える複数の熱電変換素子10は、全てが熱電変換素子10Pである。熱電変換モジュール201は、図10に示すような放熱シート50をさらに備えてよい。図13では、第1連結部20及び第2連結部21を実線として示す。
【0147】
なお、熱電変換モジュール201は、熱電変換素子10Pの代わりに、熱電変換素子10Nを備えてもよい。つまり、熱電変換モジュール201が備える複数の熱電変換素子10は、全てが熱電変換素子10Nであってもよい。この場合、図13に示すような熱電変換素子10Pを熱電変換素子10Nに置き換えることにより、熱電変換素子10Nを備える熱電変換モジュール201が構成され得る。
【0148】
シート基板30には、図3に示すような第1谷折り線1H、第1山折り線1L、第1折り線1A及び第2折り線1Bが形成され得る。熱電変換モジュール201は、第1谷折り線1H等の折り線で折り畳まれることにより、図2に示すような熱電変換モジュール1と同様に、空洞を有し得る。
【0149】
複数の熱電変換素子10Pは、隙間を空けて第2方向B2に沿って並んでよい。複数の熱電変換素子10Pは、領域1Rに亘って隙間を空けて第2方向B2に沿って並んでよい。複数の熱電変換素子10Pは、ブロック1bに亘って隙間を空けて第2方向B2に沿って並んでよい。当該隙間の幅は、第2方向B2に隣り合う2つの熱電変換素子10Pの絶縁を確保するために求められる当該2つの熱電変換素子10Pの間の第2方向B2における距離等に応じて、適宜設定されてよい。
【0150】
複数の熱電変換素子10Pは、隙間を空けて第1方向B1に沿って並んでよい。当該隙間の幅は、第1方向B1に隣り合う2つの熱電変換素子10Pの間の絶縁を確保するために求められる当該2つの熱電変換素子10Pの間の第1方向B1における距離等に応じて、適宜設定されてよい。
【0151】
複数の第1連結部20は、領域1Rの内側において複数の熱電変換素子10Pを電気的に直列接続してよい。第1連結部20は、領域1Rの内側において複数の熱電変換素子10Pが電気的に直列接続されるように、第2方向B2に隣り合う2つの熱電変換素子10Pのうちの、一方の熱電変換素子10Pと、他方の熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続してよい。第1連結部20は、当該一方の熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、他方の熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続してよい。ここで、図7を参照して上述したように、熱電変換素子10Pでは、2つの端部のうちの、温度が低くなる方の端部すなわち第1山折り線1L側の端部から、温度が高くなる方の端部すなわち第1谷折り線1H側の端部に向けて電流が流れ得る。第1連結部20によって当該一方の熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と他方の熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とが電気的に接続されることにより、領域1Rの複数の熱電変換素子10Pが電気的に直列接続され得る。
【0152】
例えば、領域1R(1,1)には、5つの熱電変換素子10Pが隙間を空けて第2方向B2に沿って並ぶ。また、領域1R(1,1)には、4つの第1連結部20が位置する。4つの第1連結部20の各々は、熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、当該熱電変換素子10Pの第2方向B2側に位置し、且つ当該熱電変換素子10Pと第2方向B2に隣り合う熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続する。
【0153】
第1連結部20は、図7に示すような導電性部材22と同様の導電性部材と、第1接合部材23と同様の接合部材と、第2接合部材24と同様の接合部材とを含んでもよい。
【0154】
複数の第2連結部21の一部は、ブロック1bに亘って熱電変換素子10Pが電気的に直列接続されるように、第2方向B2に隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10Pと、他方の領域1Rの熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続してよい。複数の第2連結部21の一部は、当該一方の領域1Rの熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、他方の領域1Rの熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続してよい。
【0155】
例えば、図13に示すように、ブロック1b1では、3つの第2連結部21がブロック1b1に亘って熱電変換素子10Pが電気的に直列接続されるように構成され得る。具体的には、領域1R(1,1)と領域1R(2,1)とは、第2方向B2に隣り合う。領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとは、第1折り線1Aを介して隣り合う。第2連結部21は、領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線10H側の端部と、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続する。また、領域1R(2,1)と領域1R(3,1)とは、第2方向B2に隣り合う。領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとは、第2谷折り線1Bを介して隣り合う。第2連結部21は、領域1R(2,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続する。また、領域1R(3,1)と領域1R(4,1)とは、第2方向B2に隣り合う。領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとは、第1折り線1Aを介して隣り合う。第2連結部21は、領域1R(3,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続する。
【0156】
本実施形態では、複数の第2連結部21の他の一部は、各ブロック1bに亘って電気的に直列接続された熱電変換素子10Pが熱電変換モジュール1に亘って交互に電気的に直列接続されるように、第1方向B1に隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10Pと、他方の領域1Rの熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続してよい。複数の第2連結部21の他の一部は、当該一方の領域1Rの熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、当該他方の領域1Rの熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続してよい。以下、この接続態様の一例を説明する。
【0157】
以下、上述のように、第1方向B1に隣り合う2つのブロック1bのうちの、一方のブロック1bは「ブロック1bL」(Lは、1以上の奇数)とも記載され、他方のブロック1bは「ブロック1bL」(Lは、1以上の偶数)とも記載される。なお、ブロック1bLの第1方向B1側にブロック1bLが位置するものとする。また、上述のように、ブロック1bLの第1方向B1側に位置するブロック1bであって、ブロック1bLと第1方向B1に隣り合うブロック1bは、「ブロック1bL」(Lは、1以上の奇数)とも記載される。
【0158】
ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rと、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rとは、第1方向B1に隣り合う。例えば、ブロック1bLがブロック1b1であり、ブロック1bLがブロック1b2である場合、ブロック1b1の領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1R(4,1)と、ブロック1b2の領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1R(4,2)とは、第1方向B1に隣り合う。第2連結部21は、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続してよい。換言すると、第2連結部21は、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、ブロック1bLの熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続してよい。例えば、第2連結部21は、領域1R(4,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、領域1R(4,2)の熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続する。領域1R(4,1)の熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(4,2)の熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nとは、第1谷折り線1Hを介して隣り合う。
【0159】
ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rと、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rとは、第1方向B1に隣り合う。例えば、ブロック1bLがブロック1b2であり、ブロック1bLがブロック1b3である場合、ブロック1b2の領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1R(1,2)と、ブロック1b3の領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1R(1,3)とは、第1方向B1に隣り合う。第2連結部21は、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rの熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、ブロック1bLの領域1Rのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する領域1Rの熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続してよい。換言すると、第2連結部21は、ブロック1bLの複数の熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、ブロック1bLの熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続してよい。例えば、第2連結部21は、領域1R(1,2)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1谷折り線1H側の端部と、領域1R(1,3)の熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1山折り線1L側の端部とを電気的に接続する。領域1R(1,2)の熱電変換素子10Pのうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R(1,3)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pとは、第1山折り線1Lを介して隣り合う。
【0160】
なお、第2連結部21の接続態様は、上述の接続態様に限定されない。例えば、図11に示す構成のように、複数の第2連結部21は、ユニット1Uに亘って熱電変換素子10Pが電気的に直列接続されるように、第1方向B1に隣り合う2つの領域1Rのうちの、一方の領域1Rの熱電変換素子10Pと他方の領域1Rの熱電変換素子10Pとを電気的に直列接続してもよい。この場合、熱電変換モジュール201は、複数の電極60及び複数の電極61を備えてよい。
【0161】
電極60は、熱電変換モジュール201に亘って電気的に直列接続される熱電変換素子10Pの2つの端部のうちの負極となる端部に、電気的に接続され得る。例えば、電極60は、領域1R(1,1)の熱電変換素子10のうちで最も第2第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1方向B1側の端部に、電気的に接続される。電極61は、熱電変換モジュール201に亘って電気的に直列接続される熱電変換素子10Pの2つの端部のうちの正極となる端部に、電気的に接続され得る。例えば、電極61は、領域1R(1,12)の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Pの第1方向B1側の端部に、電気的に接続される。
【0162】
ここで、電極60又は電極61が位置する領域1Rの熱電変換素子10Pの数等は、電極60又は電極61の構成等に応じて、適宜設定されてよい。一例として、領域1R(1,1)の熱電変換素子10Pの数が5個であり、領域1R(1,12)の熱電変換素子10Pの数が4個であってよい。このような構成により、第2方向B2において、電極60の熱電変換素子10Pに電気的に接続されない方の端部の位置と、電極61の熱電変換素子10Pに電気的に接続されない方の端部の位置とを合わせることができる。
【0163】
ここで、熱電変換素子10を形成する熱電変換材料によっては、熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nの一方が他方よりも耐久性が高くなる場合がある。例えば、熱電変換素子10を形成する熱電変換材料がCNT等の有機材料である場合、大気中の酸素及び水分等によって熱電変換素子10が酸化することが熱電変換素子10の特性劣化の主要因となる場合がある。この場合、熱電変換素子10Nの方が熱電変換素子10Pよりも大気中の酸素及び水分等による酸化の影響を受けやすいため、熱電変換素子10Pの方が熱電変換素子10Nよりも、耐久性が高くなり得る。なお、熱電変換モジュール201が備える熱電変換素子10が全て熱電変換素子10Pである場合、当該熱電変換素子10Pを形成するための熱電変換材料は、CNTであってよい。本実施形態では、熱電変換モジュール201が備える複数の熱電変換素子10は、全てがp型の熱電変換素子であるか、又は、全てがn型の熱電変換素子である。このような構成により、熱電変換モジュール201は、耐久性に優れたものとなり得る。
【0164】
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係る熱電変換モジュール301の展開図である。本実施形態では、第1方向B1は、図14の紙面左側から紙面右側に向かう方向であるものとする。本実施形態では、第2方向B2は、図14の紙面上側から紙面下側に向かう方向であるものとする。本実施形態では、第3方向B3は、図14の紙面に垂直な方向であって、図14の紙面奥側から紙面手前側に向かう方向であるものとする。
【0165】
展開状態の熱電変換モジュール301の形状は、長方形状であってよい。熱電変換モジュール201は、1つ以上の熱電変換素子10Pと、1つ以上の熱電変換素子10Nと、1つ以上の第1連結部20と、1つの第2連結部21と、シート基板30と、電極60と、電極61とを備える。つまり、本実施形態では、熱電変換モジュール301が備える複数の熱電変換素子10は、熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nの両者を含む。熱電変換モジュール301は、放熱シート50をさらに備えてよい。
【0166】
シート基板30には、折り線として折り線1Cが形成されている。折り線1Cは、山折り線であってもよいし、谷折り線であってもよい。熱電変換モジュール301は、折り線1Cで折り畳まれることにより、2つ折りされ得る。熱電変換モジュール301は、2つ折りにされた状態で、熱源に配置され得る。当該熱源は、図1及び図2に示すような配管2に限定されない。当該熱源は、ホットプレート等であってよい。例えば、2つ折りにされた状態の熱電変換モジュール301は、辺301Hが熱源の方に位置し、辺301Lが熱源から離れて位置するように、配置され得る。辺301Hは、展開状態の熱電変換モジュール301において、熱電変換モジュール301の辺のうち、第1方向B1側に位置する辺である。辺301Lは、展開状態の熱電変換モジュール301において、熱電変換モジュール301の辺のうち、熱電変換モジュール301の第1方向B1の反対方向側に位置する辺である。
【0167】
熱電変換モジュール301は、領域1R1及び領域1R2を含む。領域1R1及び領域1R2は、折り線1Cによって区画される領域である。領域1R1と領域1R2とは、第2方向B2に隣り合う。
【0168】
熱電変換モジュール301では、複数の熱電変換素子10Pと複数の熱電変換素子10Nとは、隙間を空けて第2方向B2に沿って交互に並んでよい。複数の熱電変換素子10Pと複数の熱電変換素子10Nとは、第2方向B2に沿う領域1R1,1R2に亘って、隙間を空けて第2方向B2に沿って交互に並んでよい。当該隙間の幅は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の絶縁を確保するために求められる熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の第2方向B2における距離等に応じて、適宜設定されてよい。
【0169】
熱電変換モジュール301では、複数の第1連結部20は、領域1R1,1R2の各々の内側において熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとを交互に電気的に直列接続してよい。
【0170】
熱電変換モジュール301では、1つの第2連結部21は、第2方向B2に隣り合う領域1R1及び領域1R2に亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが交互に電気的に直列接続されるように、領域1R1の熱電変換素子10と領域1R2の熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。具体的には、1つの第2連結部21は、領域1R1の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R2の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2の反対方向側に位置する熱電変換素子10Nとを電気的に直列接続してよい。
【0171】
熱電変換モジュール301では、放熱シート50は、複数の熱電変換素子10P,10Nの第1方向B1の反対方向側の端部と、シート基板30の辺301Lの縁部とを覆っている。
【0172】
熱電変換モジュール301のその他の構成及び効果は、図5に示すような熱電変換モジュール1と同じ又は類似である。
【0173】
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係る熱電変換モジュール401の展開図である。本実施形態では、第1方向B1は、図15の紙面左側から紙面右側に向かう方向であるものとする。本実施形態では、第2方向B2は、図15の紙面上側から紙面下側に向かう方向であるものとする。本実施形態では、第3方向B3は、図15の紙面に垂直な方向であって、図15の紙面奥側から紙面手前側に向かう方向であるものとする。
【0174】
展開状態の熱電変換モジュール401の形状は、長方形状であってよい。熱電変換モジュール401は、1つ以上の熱電変換素子10Pと、1つ以上の熱電変換素子10Nと、1つ以上の第1連結部20と、1つの第2連結部21と、シート基板30と、電極60と、電極61とを備える。つまり、本実施形態では、熱電変換モジュール401が備える複数の熱電変換素子10は、熱電変換素子10P及び熱電変換素子10Nの両者を含む。熱電変換モジュール401は、放熱シート50をさらに備えてよい。
【0175】
シート基板30には、折り線として折り線1Dが形成されている。折り線1Dは、山折り線であってもよいし、谷折り線であってもよい。熱電変換モジュール401は、折り線1Dで折り畳まれることにより、2つ折りにされ得る。熱電変換モジュール401は、2つ折りにされた状態で、熱源に配置され得る。当該熱源は、図1及び図2に示すような配管2に限定されない。当該熱源は、ホットプレート等であってよい。例えば、2つ折りにされた状態の熱電変換モジュール401は、折り線1Dが熱源の方に位置し、辺401Lが熱源から離れて位置するように、配置され得る。辺401Lは、熱電変換モジュール401の辺のうち、熱電変換モジュール401が2つ折りにされた状態であるときに、折り線1Dに対応する辺に対向する辺である。
【0176】
熱電変換モジュール401は、領域1R3及び領域1R4を含む。領域1R3及び領域1R4は、折り線1Dによって区画される領域である。領域1R3と領域1R4とは、第1方向B1に隣り合う。
【0177】
熱電変換モジュール401では、複数の熱電変換素子10Pと複数の熱電変換素子10Nとは、領域1R3及び領域1R4の各々に亘って、隙間を空けて第2方向B2に沿って交互に並んでよい。当該隙間の幅は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の絶縁を確保するために求められる熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の第2方向B2における距離等に応じて、適宜設定されてよい。
【0178】
熱電変換モジュール401では、領域1R3の熱電変換素子10Pの第1方向B1側には、隙間を空けて領域1R4の熱電変換素子10Nが並んでよい。領域1R3の熱電変換素子10Nの第1方向B1側には、隙間を空けて領域1R4の熱電変換素子10Pが並んでよい。当該隙間の幅は、熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の絶縁を確保するために求められる熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとの間の第1方向B1における距離等に応じて、適宜設定されてよい。
【0179】
熱電変換モジュール401では、1つの第2連結部21が、熱電変換モジュール401に亘って熱電変換素子10Pと熱電変換素子10Nとが交互に電気的に直列接続されるように、第1方向B1に隣り合う領域1R3及び領域1R4において、領域1R3の熱電変換素子10と領域1R4の熱電変換素子10とを電気的に直列接続してよい。具体的には、1つの第2連結部21は、領域1R3の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Pと、領域1R4の熱電変換素子10のうちで最も第2方向B2側に位置する熱電変換素子10Nとを電気的に直列接続してよい。
【0180】
熱電変換モジュール401の領域1R3では、放熱シート50は、複数の熱電変換素子10P,10Nの第1方向B1の反対方向側の端部と、シート基板30の辺401Lの縁部とを覆っている。領域1R4では、放熱シート50は、複数の熱電変換素子10P,10Nの第1方向B1側の端部と、シート基板30の辺401Lの縁部とを覆う。
【0181】
熱電変換モジュール401のその他の構成及び効果は、図5に示すような熱電変換モジュール1と同じ又は類似である。
【0182】
(熱電変換モジュールの製造方法)
図16は、本発明の一実施形態に係る熱電変換モジュール1の製造途中の構造501の断面図である。熱電変換モジュール101,201,301,401がその製造途中に構造501を有してもよい。図16に示すような製造工程の後、構造501の第3方向B3側に、図7に示すようなカバー層33,34が形成され得る。
【0183】
構造501において、熱電変換素子10Pの第1方向B1側の端部と、導電性部材22の第1方向B1の反対方向側の端部との間には、隙間D1が設けられる。隙間D1には、第1接合部材23が配置され得る。隙間D1に第1接合部材23が配置されることにより、熱電変換素子10Pの第1方向B1側の端部と、導電性部材22の第1方向B1の反対方向側の端部とは、電気的に接続され得る。
【0184】
隙間D1に第1接合部材23が配置されることにより、第1接合部材23と熱電変換素子10Pとの間の接触面積及び第1接合部材23と導電性部材22との間の接触面積が、隙間D1に第1接合部材23が配置されない場合よりも、増加し得る。第1接合部材23と熱電変換素子10Pとの間の接触面積及び第1接合部材23と導電性部材22との間の接触面積が増加することにより、熱電変換素子10P及び導電性部材22がカバー層32から剥離することが抑制され得る。
【0185】
構造501において、熱電変換素子10Nの第1方向B1の反対方向側の端部と、導電性部材22の第1方向B1側の端部との間には、隙間D2が設けられる。隙間D2には、第2接合部材24が配置され得る。隙間D2に第2接合部材24が配置されることにより、熱電変換素子10Nの第1方向B1の反対方向側の端部と、導電性部材22の第1方向B1側の端部とは、電気的に接続され得る。
【0186】
隙間D2に第2接合部材24が配置されることにより、第2接合部材24と熱電変換素子10Nとの間の接触面積及び第2接合部材24と導電性部材22との間の接触面積が、隙間D2に第2接合部材24が配置されない場合よりも、増加し得る。第2接合部材24と熱電変換素子10Nとの間の接触面積及び第2接合部材24と導電性部材22との間の接触面積が増加することにより、熱電変換素子10N及び導電性部材22がカバー層32から剥離することが抑制され得る。
【0187】
このように構造501では、隙間D1及び隙間D2が設けられることにより、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N及び導電性部材22がカバー層32から剥離されることが抑制され得る。なお、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N及び導電性部材22は、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N及び導電性部材22の各々のカバー層32に対応する全ての面とカバー層32とが接するように、カバー層32に配置されてよい。このような構成により、熱電変換素子10P、熱電変換素子10N及び導電性部材22がカバー層32から剥離することがより確実に抑制され得る。
【0188】
(第1変形例)
図17は、第1変形例に係る熱電変換モジュール1の製造途中の構造601の断面図である。熱電変換モジュール101,201,301,401がその製造途中に構造601を有してもよい。構造601では、図16に示すような構造501とは異なり、隙間D1及び隙間D2が設けられない。
【0189】
構造601では、図16に示すような隙間D1が設けられないことにより、熱電変換素子10Pの第1方向B1側の端部と導電性部材22とが接し得る。また、構造601では、図16に示すような隙間D2が設けられないことにより、熱電変換素子10Nの第1方向B1の反対方向側の端部と導電性部材22とが接し得る。
【0190】
構造601では、第1接合部材23は、熱電変換素子10P及び導電性部材22を覆い得る。第1接合部材23は、熱電変換素子10P及び導電性部材22を覆うことにより、熱電変換素子10Pと導電性部材22とを電気的に接続し得る。
【0191】
構造601では、第2接合部材24は、熱電変換素子10N及び導電性部材22を覆い得る。第2接合部材24は、熱電変換素子10N及び導電性部材22を覆うことにより、熱電変換素子10Nと導電性部材22とを電気的に接続する。
【0192】
(第2変形例)
図18は、第2変形例に係る熱電変換モジュール1の製造途中の構造701の断面図である。熱電変換モジュール101,201,301,401がその製造途中に構造701を有してもよい。構造701では、図16に示すような構造501とは異なり、隙間D1及び隙間D2が設けられない。
【0193】
構造701では、導電性部材22の一部と熱電変換素子10Pの一部とが重なる。具体的には、導電性部材22の第1方向B1の反対方向側の端部が熱電変換素子10Pの第3方向B3側に位置する。また、導電性部材22の他の一部と熱電変換素子10Nの一部とが重なる。具体的には、導電性部材22の第1方向B1側の端部が熱電変換素子10の第3方向B3側に位置する。
【0194】
構造701では、第1接合部材23は、熱電変換素子10P及び導電性部材22を覆い得る。第1接合部材23は、熱電変換素子10P及び導電性部材22を覆うことにより、熱電変換素子10Pと導電性部材22とを電気的に接続し得る。
【0195】
構造701では、第2接合部材24は、熱電変換素子10N及び導電性部材22を覆い得る。第2接合部材24は、熱電変換素子10N及び導電性部材22を覆うことにより、熱電変換素子10Nと導電性部材22とを電気的に接続する。
【0196】
前述したところは本発明の一実施形態を示したにすぎず、特許請求の範囲において、種々の変更を加えてもよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0197】
本発明によれば、発電電力を確保しつつ、小型化された熱電変換モジュールを提供することができる。
【符号の説明】
【0198】
1,101,201,301,401 熱電変換モジュール
1A 第1折り線
1A1 第2谷折り線
1A2 第2山折り線
1B 第2折り線
1B1 第3谷折り線
1B2 第3山折り線
1C,1D 折り線
1H 第1谷折り線
1H1 第1線分
1H2 第2線分
1L 第1山折り線
1L1 第3線分
1L2 第4線分
1R,1R1~1R4 領域
1U ユニット
1b,1b1~1b12 ブロック
1p 突出部
1P1,1P2,1P3,1P4 部分
2 配管
10 熱電変換素子
10N 熱電変換素子(n型の熱電変換素子)
10P 熱電変換素子(p型の熱電変換素子)
20 第1連結部
21 第2連結部
22 導電性部材
23 第1接合部材
24 第2接合部材
30 シート基板
31 部分
32,33,34 カバー層
35,36,38,40 樹脂層
37,39,41 接着層
50 放熱シート
60,61 電極
201H,201L 辺
301L 辺
501,601,701 構造
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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