(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042172
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置及び成型米飯の可食性シート状食品巻き付け食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20220307BHJP
【FI】
A23L7/10 G
A23L7/10 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147457
(22)【出願日】2020-09-02
(71)【出願人】
【識別番号】000226998
【氏名又は名称】株式会社日清製粉グループ本社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】浅井 信孝
(72)【発明者】
【氏名】岩橋 雄介
(72)【発明者】
【氏名】天野 辰哉
(72)【発明者】
【氏名】上野 修史
【テーマコード(参考)】
4B023
【Fターム(参考)】
4B023LE15
4B023LP17
4B023LT27
4B023LT34
(57)【要約】
【課題】製造速度を上げることができ高品質で製造可能な成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置を提供する。
【解決手段】成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置であって、前記成型米飯を載置するための米飯載置部と、前記可食性シート食品を供給するためのシート取り出し部と、前記シート取り出し部から供給された前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に載置するシート載置部と、前記成型米飯の上面に載置されている前記可食性シート状食品を前記成型米飯の側面に沿って折り曲げる側面折り曲げ部と、前記可食性シート状食品が前記側面に沿って折り曲げられた前記成型米飯を前記可食性シート状食品が前記成型米飯の下面に位置するように上下反転する上下反転部と、前記成型米飯の前記側面に沿って折り曲げられた前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に沿って折り曲げる上面折り曲げ部とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置であって、
前記成型米飯を載置するための米飯載置部と、
前記可食性シート食品を供給するためのシート取り出し部と、
前記シート取り出し部から供給された前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に載置するシート載置部と、
前記成型米飯の上面に載置されている前記可食性シート状食品を前記成型米飯の側面に沿って折り曲げる側面折り曲げ部と、
前記可食性シート状食品が前記側面に沿って折り曲げられた前記成型米飯を前記可食性シート状食品が前記成型米飯の下面に位置するように上下反転する上下反転部と、
前記成型米飯の前記側面に沿って折り曲げられた前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に沿って折り曲げる上面折り曲げ部と
を備える成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置。
【請求項2】
前記米飯載置部は、コンベヤであり、
前記コンベヤは、前記成型米飯を前記シート載置部、前記側面折り曲げ部、前記上下反転部、前記上面折り曲げ部に順次搬送する請求項1記載の成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置。
【請求項3】
成型米飯へ可食性シート状食品を巻き付けた成型米飯の可食性シート状食品巻き付け食品の製造方法であって、
前記成型米飯を載置する載置工程と、
前記可食性シート状食品をバッファから取り出だす取り出し工程と、
前記取り出し工程により取り出された前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に載置する載置工程と、
前記成型米飯の上面に載置されている前記可食性シート状食品を前記成型米飯の側面に沿って折り曲げる側面折り曲げ工程と、
前記可食性シート状食品が前記側面に沿って折り曲げられた前記成型米飯を前記可食性シート状食品が前記成型米飯の下面に位置するように上下反転する上下反転工程と、
前記成型米飯の前記側面に沿って折り曲げられた前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に沿って折り曲げる上面折り曲げ工程と、
を有する成型米飯の可食性シート状食品巻き付け食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置及び成型米飯の可食性シート状食品巻き付け食品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアやスーパーマーケットで販売されるおにぎりは、食品工場において、コンベア上を流れてくるおにぎりに作業員が手作業で海苔を巻いている。ここで近年作業員の確保が困難になっていることから、おにぎりに海苔を巻き付ける装置の導入が求められている。なお、おにぎりに海苔を巻き付ける装置としては、特許文献1、特許文献2などに開示された装置が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-231474号公報
【特許文献2】特開平6-233659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、おにぎり自体が脆いことから上述の装置においては、製造速度を上げることができず、また製造されるおにぎりの品質を向上させることが困難であった。
【0005】
本発明の目的は、製造速度を上げることができ高品質で製造可能な成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置及び成型米飯の可食性シート状食品巻き付け食品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置であって、前記成型米飯を載置するための米飯載置部と、前記可食性シート食品を供給するためのシート取り出し部と、前記シート取り出し部から供給された前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に載置するシート載置部と、前記成型米飯の上面に載置されている前記可食性シート状食品を前記成型米飯の側面に沿って折り曲げる側面折り曲げ部と、前記可食性シート状食品が前記側面に沿って折り曲げられた前記成型米飯を前記可食性シート状食品が前記成型米飯の下面に位置するように上下反転する上下反転部と、前記成型米飯の前記側面に沿って折り曲げられた前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に沿って折り曲げる上面折り曲げ部とを備える。
【0007】
また本発明の成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置は、前記米飯載置部がコンベヤであり、前記コンベヤは、前記成型米飯を前記シート載置部、前記側面折り曲げ部、前記上下反転部、前記上面折り曲げ部に順次搬送する。
【0008】
本発明は、成型米飯へ可食性シート状食品を巻き付けた成型米飯の可食性シート状食品巻き付け食品の製造方法であって、前記成型米飯を載置する載置工程と、前記可食性シート状食品をバッファから取り出だす取り出し工程と、前記取り出し工程により取り出された前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に載置する載置工程と、前記成型米飯の上面に載置されている前記可食性シート状食品を前記成型米飯の側面に沿って折り曲げる側面折り曲げ工程と、前記可食性シート状食品が前記側面に沿って折り曲げられた前記成型米飯を前記可食性シート状食品が前記成型米飯の下面に位置するように上下反転する上下反転工程と、前記成型米飯の前記側面に沿って折り曲げられた前記可食性シート状食品を前記成型米飯の上面に沿って折り曲げる上面折り曲げ工程と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造速度を上げることができ高品質で製造可能な成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置及び成型米飯の可食性シート状食品巻き付け食品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態に係るおにぎりの海苔巻き付け装置の全体構成を示す図である。
【
図2】実施の形態に係る海苔載置部の構成を示す図である。
【
図3】実施の形態に係る側面折り曲げ部による海苔の折り曲げ動作を示す図である。
【
図4】実施の形態に係る上下反転部によるおにぎりの反転動作を示す図である。
【
図5】実施の形態に係る上下反転部によるおにぎりの反転動作を示す図である。
【
図6】実施の形態に係る上面折り曲げ部による海苔の折り曲げ動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して実施の形態に係る成型米飯の可食性シート状食品巻き付け装置及び成型米飯の可食性シート状食品巻き付け食品の製造方法について説明する。
図1は実施の形態に係る成型米飯(おにぎり)の可食性シート状食品(海苔)巻き付け装置の全体構成を示す図である。
【0012】
おにぎりの海苔巻き付け装置2は、円柱型または俵型に成形された白米のおにぎり6を製造するおにぎり製造装置4、製造されたおにぎり6を載置し図に示す矢印方向(A方向)に搬送する第1コンベヤ(米飯載置部)8、第1コンベヤ8により搬送されたおにぎり6の上面に海苔(シート状食品)10を載置する海苔載置部(シート載置部)12、コンベヤ8により搬送されたおにぎり6の上面に載置された海苔10をおにぎり6の側面に沿って折り曲げる側面折り曲げ部14、コンベヤ8により搬送されたおにぎり6を海苔10がおにぎり6の下面に位置するように上下反転する上下反転部16を備えている。
【0013】
また海苔10が下面に位置するように上下反転されたおにぎり6を搬送する第2コンベヤ20、第2コンベヤ20により図に示す矢印方向(A方向)に搬送された、海苔10が側面に沿って折り曲げられたおにぎり6の海苔10をおにぎり6の上面に沿って折り曲げる上面折り曲げ部22を備えている。
【0014】
図2は実施の形態に係る海苔載置部12の構成を示す図である。この図はコンベヤ8の上流側から海苔載置部12を視た図である。海苔載置部12は、海苔10を真空吸着などにより吸着するプレート状の吸着部12a、一方の端部が吸着部12aの端部に接続される駆動ロッド12b、駆動ロッド12bの他方の端部が接続される回転駆動部12c、複数枚の海苔10を積み重ねて収容している海苔収容部12dを備えている。海苔収容部12dの上部は、海苔10をおにぎり6上に供給するための開口である海苔取り出し部を有している。
【0015】
コンベヤ8は、おにぎり6が海苔載置部12まで搬送されると一旦停止する。海苔載置部12は、回転駆動部12cにより駆動ロッド12bを回転駆動させて、吸着部12aを海苔取り出し部に位置させ、吸着部12aにより海苔収容部12dの最上部に位置している海苔を吸着させた後、回転駆動部12cにより駆動ロッド12bを回転駆動させて、吸着部12aをおにぎり6上に位置させて吸着を解除することによりおにぎり6上に海苔10を載置する。
【0016】
海苔載置部12により海苔10の載置が完了するとコンベヤ8は、おにぎり6を側面折り曲げ部14まで搬送する。
図3は実施の形態に係る側面折り曲げ部14による海苔10の折り曲げ動作を示す図である。この図はコンベヤ8の上流側から側面折り曲げ部14を視た図である。コンベヤ8は、おにぎり6が側面折り曲げ部14まで搬送されると一旦停止する。側面折り曲げ部14は、コンベヤ8の搬送方向に延びる断面コの字型の溝部を有するプッシャー14aを備えている。溝部の幅は、おにぎり6の幅よりもやや大きく形成されている。
図3(a)に示すようにプッシャー14aを矢印方向に下降させることにより、
図3(b)に示すように海苔10の両側部をおにぎり6の側面に沿って折り曲げ、その後
図3(c)に示すようにプッシャー14aを矢印方向に上昇させる。
【0017】
側面折り曲げ部14による海苔6の折り曲げが完了するとコンベヤ8は、おにぎり6を上下反転部16まで搬送する。
図4及び
図5は実施の形態に係る上下反転部16によるおにぎりの反転動作を示す図である。これらの図はコンベヤ8の幅方向の中心における断面を示す図である。上下反転部16は、コンベヤ8の進行方向と直交する軸16aを中心に回転し、軸16aを挟んだ2か所におにぎり収容部16bを有す回転体16cを備えている。ここでおにぎり収容部16b内の高さは、おにぎり6の高さよりもやや大きく形成されている。
【0018】
図4(a)に示すようにコンベヤ8により搬送されたおにぎり6は、
図4(b)に示すように回転体16cのおにぎり収容部16bに収容される。
図5(a)に示すように回転体16cはおにぎり収容部16bにおにぎり6を収容した状態で、軸16aを中心として180度回転する。これにより海苔10がおにぎり6の下面に位置するようにおにぎり6を上下反転する。
図5(b)に示すように上下反転部16で反転されたおにぎり6は、おにぎり収容部16bから排出され第2コンベヤ20により上面折り曲げ部22まで搬送される。
【0019】
図6は実施の形態に係る上面折り曲げ部22による海苔10の折り曲げ動作を示す図である。この図はコンベヤ20の上流側から上面折り曲げ部22を視た図である。
図6(a)に示すように、上面折り曲げ部22は、おにぎり6を挟んで両側に配置されたコンベヤ20の搬送方向に延びるローラを22a、22bを備えている。ここでローラを22a、22bは、コンベヤ20上のおにぎり6上面よりもやや上方に位置している。
図6(b)に示すように、まずローラ22aをおにぎり6の中央に向かって移動させて、ローラ22a側に位置する海苔10の端部をおにぎり6の上面に沿って折り曲げる。次に
図6(c)に示すように、ローラ22bをおにぎり6の中央に向かって移動させて、ローラ22b側に位置する海苔10の端部をおにぎり6の上面に沿って折り曲げる。この時、ローラ22aは、おにぎり6の側面の位置まで戻される。次に
図6(d)に示すように、ローラ22bは、おにぎり6の側面の位置まで戻される。上面折り曲げ部22による海苔10の折り曲げ動作が完了することにより海苔巻き付け装置2によるおにぎり6への海苔6の巻き付けが完了する。
【0020】
本実施の形態の海苔巻き付け装置2によれば、コンベヤ8,20でおにぎり6を搬送しながら、おにぎり6の上面へ海苔10を載置し、海苔10をおにぎり6の側面に沿って折り曲げ、海苔10が側面に沿って折り曲げられたおにぎり6を海苔10がおにぎり6の下面に位置するように上下反転させ、おにぎり6の側面に沿って折り曲げられた海苔10をおにぎり6の上面に沿って折り曲げるため、脆いおにぎり6自体を挟んだり、掴んだりする工程を有しないことから、おにぎり6の製造速度を上げることができ、また製造されるおにぎり6の品質を向上させることができる。
【0021】
なお上述の実施の形態においては、成型米飯は、白米によるものとしているが、赤飯、混ぜご飯、炊き込み御飯等、具材を含有しまたは調味料等で味付けがされたものであってもよい。また成型米飯は、飯のほか、餅であってもよい。
【0022】
また上述の実施の形態においては、成可食性シートとして海苔を使用しているが、薄焼き卵、おぼろ昆布等をシート状に成型したもの、油揚げ等であってもよい。
【0023】
さらに上述の実施の形態においては、成型されたおにぎりの形状は円柱型または俵型としているが、可食製シート状食品が巻き付けられるような形状であれば、どのような形でもよく例えば三角柱型、四角柱型、六角柱型、球形などでもあってもよい。
【符号の説明】
【0024】
2…おにぎりの海苔巻き付け装置、4…おにぎり製造装置、6…おにぎり、8…第1コンベヤ、10…海苔、12…海苔載置部、12a…吸着部、12b…駆動ロッド、12c…回転駆動部、12d…海苔収容部、14…側面折り曲げ部、14a…プッシャー、16…上下反転部、16a…軸、16b…おにぎり収容部、16c…回転体、20…第2コンベヤ、22…上面折り曲げ部