IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 新日本無線株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-パワーグッド回路 図1
  • 特開-パワーグッド回路 図2
  • 特開-パワーグッド回路 図3
  • 特開-パワーグッド回路 図4
  • 特開-パワーグッド回路 図5A
  • 特開-パワーグッド回路 図5B
  • 特開-パワーグッド回路 図6
  • 特開-パワーグッド回路 図7A
  • 特開-パワーグッド回路 図7B
  • 特開-パワーグッド回路 図8
  • 特開-パワーグッド回路 図9
  • 特開-パワーグッド回路 図10A
  • 特開-パワーグッド回路 図10B
  • 特開-パワーグッド回路 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022048640
(43)【公開日】2022-03-28
(54)【発明の名称】パワーグッド回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20220318BHJP
【FI】
H02M3/155 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020154572
(22)【出願日】2020-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】000191238
【氏名又は名称】日清紡マイクロデバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】誠真IP特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】橋本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】古谷 仁
(72)【発明者】
【氏名】板坂 直哉
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB57
5H730DD04
5H730EE53
5H730EE59
5H730FD01
5H730FG05
5H730XC02
(57)【要約】
【課題】パワーグッド出力または電圧監視出力について、その電圧波形に大きななまりを生じさせずに、パッケージの端子を増やす必要もなく、任意の長さの遅延時間の付加の有無を設定する。
【解決手段】このバワーグッド回路50の制御回路60は、判定回路52の判定出力CMP-FBが監視対象の出力電圧が正常でないことを示しているときは出力トランジスタ58をオン状態に保ち、判定出力CMP-FBが上記出力電圧が正常になったことを示したときは、出力トランジスタ58をオフにして、パワーグッド端子PGの電圧またはパワーグッド出力VPGの立上り時間を二値化して短い方の第1の特性または長い方の第2の特性のいずれであるかを判別し、第1の特性であると判別したときは、出力トランジスタ58のオフ状態を保ち、第2の特性であると判別したときは、出力トランジスタ58をオンにして一定の遅延時間が経過してから、出力トランジスタ58をオフ状態にする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力電圧を監視して、前記出力電圧が正常か否かを二値の論理レベルで示すパワーグッド信号を出力するパワーグッド回路であって、
前記パワーグッド信号をパワーグッドノードから出力する出力回路と、
所定の基準電圧を参照して前記出力電圧が正常であるか否かを判定する判定回路と、
前記判定回路の判定出力に応じて前記出力回路を制御する制御回路を有し、
前記制御回路は、
前記判定回路の判定出力と前記パワーグッドノードの電圧を入力し、前記判定回路の出力が変化したときから基準時間が経過したときに前記パワーグッドノードの電圧が所定の比較基準電圧に達したか否かを判別する判別回路を備え、
前記判定回路の判定出力と前記判別回路の判別出力に応じて前記出力回路を第1の状態または第2の状態に制御する、
パワーグッド回路。
【請求項2】
前記判別回路は、
前記判定回路の判定出力が前記出力電圧が正常であることを示して判定出力が変化したときから基準時間が経過したときに、前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達したか否かを判別し、
前記制御回路は、
前記判定回路の判定出力が前記出力電圧が正常でないことを示しているときは前記出力回路を第1の状態に制御し、
前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達していると前記判別回路が判別したときは、前記出力回路を第2の状態に制御し、
前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達していないと前記判別回路が判別したときは、前記出力回路を第1の状態にして一定の遅延時間が経過してから、前記出力回路を第2の状態に制御する
請求項1に記載のパワーグッド回路。
【請求項3】
前記判別回路は、
前記判定回路の判定出力が前記出力電圧が正常であることを示して判定出力が変化したときから基準時間が経過したときに、前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達したか否かを判別し、
前記制御回路は、
前記判定回路の判定出力が前記出力電圧が正常でないことを示しているときは、前記出力回路を構成する出力トランジスタを第1の状態に制御し、
前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達していると前記判別回路が判別したときは、前記出力トランジスタを第2の状態に制御し、
前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達していないと前記判別回路が判別したときは、前記出力トランジスタを第1の状態に制御して一定の遅延時間が経過してから、第2の状態に制御する、
請求項1または請求項2に記載のパワーグッド回路。
【請求項4】
前記判別回路は、
前記判定回路の判定出力が前記出力電圧が正常であることを示して判定出力が変化したときから基準時間が経過したときに、前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達したか否かを判別し、
前記制御回路は、
前記判定回路の判定出力が前記出力電圧が正常でないことを示しているときは、前記出力回路を構成する出力トランジスタ及びバイパストランジスタを第1の状態に制御し、
前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達していると前記判別回路が判別したときは、前記出力トランジスタ及びバイパストランジスタを第2の状態に制御し、
前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に達していないと前記判別回路が判別したときは、前記出力トランジスタ及びバイパストランジスタを第1の状態に制御して一定の遅延時間が経過してから前記出力トランジスタを第2の状態に制御し、その後前記パワーグッドノードの電圧が前記比較基準電圧に上昇すると前記バイパストランジスタを第2の状態に制御する、
請求項1または請求項2に記載のパワーグッド回路。
【請求項5】
前記パワーグッドノードは、コンデンサを介してグランド電位に接続されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のパワーグッド回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品としての半導体回路装置に係り、特に半導体回路装置に内蔵または接続されるパワーグッド回路に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品としての半導体回路装置は、半導体チップ上に集積回路(IC)として構成され、複数個の端子(ピンまたはリード)を有するICパッケージとして市場に出回っている。電子回路のシステムは、その回路基板たとえばプリント配線基板上に通常複数個のICパッケージを搭載して構築される。
【0003】
従来より、パワーグッド回路を内蔵し、そのICパッケージにパワーグッド端子を設けている半導体回路装置の典型的な例は電源ICである。そのような電源ICでは、パワーグッド回路の出力トランジスタがたとえばNMOSトランジスタ(またはNPNトランジスタ)からなり、オープンドレイン端子(またはオープンコレクタ端子)としてパワーグッド端子が設けられている。この種のパワーグッド回路は、基本的機能として、当該電源ICないし当該電源装置の出力電圧を監視し、その出力電圧が正常範囲に入っているときは、出力トランジスタがオフしてパワーグッド端子がハイインピーダンス状態となり、出力電圧が正常範囲から外れているときは、出力トランジスタがオンしてパワーグッド端子がLowレベル(以下、「Lレベル」と称する。)となるように構成されている。
【0004】
上記のようなパワーグッド回路内蔵型の電源ICが電子回路システムに搭載される場合には、この電源ICとこの電源ICから電力を供給されるIC(以下、「負荷IC」と称する。)との間で対応する端子間同士が接続される。このうち、電源ICの電圧出力端子は、負荷ICの電圧入力端子に接続される。また、電源ICのパワーグッド端子は、負荷ICのイネーブル端子に接続されるとともに、プルアップ抵抗を介して電源電圧端子に接続される。
【0005】
プルアップ抵抗は、パワーグッド回路の出力トランジスタがオンしているとき(電源ICの出力電圧が正常範囲から外れているとき)は、電源電圧端子からその出力トランジスタを介してグランド電位端子に流れる電流を制限して安定なLレベルのパワーグッド出力を負荷ICのイネーブル端子に与える役目をする。さらに、プルアップ抵抗は、出力トランジスタがオフしているとき(電源ICの出力電圧が正常範囲に入っているとき)は、ハイインピーダンス状態のパワーグッド端子を電源電圧の端子に電気的に繋いで安定なHighレベル(以下、「Hレベル」と称する。)のパワーグッド出力を負荷ICのイネーブル端子に与える役目をする。プルアップ用の電源電圧は、電子回路システム内の任意の電源電圧を使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-148676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、通常の電源ICは、出力電圧を設定値付近に保つためのフィードバック制御機能を有している。このため、たとえば電源投入直後に負荷状態の変動が大きいときは、それに対してフィードバック制御機能が働くことにより、出力電圧が一旦基準値を超えても直ぐ基準値以下に戻り、しばらくの間リンギングを起こすことがある。この場合、そのような出力電圧の立ち上がり直後のリンギングにパワーグッド回路が応動して出力ドライバを繰り返しオン・オフさせ、パワーグッド出力(Hレベル/Lレベル)の反転を繰り返すと、負荷ICが起動と停止を繰り返す誤動作が起こるおそれがある。したがって、上記のような負荷環境の下で動作するパワーグッド回路は、監視対象の出力電圧が正常範囲に入ったときに、パワーグッド出力を即時にアクティブ(Hレベル)にするのではなく、一定の遅延時間が経過してからアクティブ(Hレベル)にするディレイ機能を求められる。
【0008】
別の例として、電子回路システムでは、複数個たとえば3個の電源ICの出力電圧を一定の時間差で順次立ち上げる場合がある。この場合、それら3個の電源ICより電力の供給をそれぞれ受ける3個の負荷ICの動作開始を略同時にするために、各電源ICのパワーグッド回路がパワーグッド出力をアクティブ(Hレベル)にするタイミングに上記時間差を設けることがある。すなわち、パワーグッド出力をアクティブ(Hレベル)にするタイミングについて、最初に出力電圧が立ち上がる電源ICのパワーグッド回路には比較的長い遅延時間を付加するディレイ機能を持たせ、次に出力電圧が立ち上がる電源ICのパワーグッド回路には比較的短い遅延時間を付加するディレイ機能を持たせ、最後に出力電圧が立ち上がる電源ICのパワーグッド回路にはディレイ機能を持たせない(つまり即時応答機能を持たせる)というシステム設計が行われる。
【0009】
このように電子回路システムの設計ないし構築段階で必要に応じて電源ICのパワーグッド回路にディレイ機能を付加することは、従来から行われている。従来は、そのための技法として、電子回路システムの回路基板上でパワーグッド端子とグランド電位端子との間にコンデンサを選択的に接続して、このコンデンサとプルアップ抵抗とからなるRC直列回路の時定数によって所要の遅延時間を設定していた。この場合、遅延時間は、付加するコンデンサのキャパシタンス(静電容量)によって左右され、キャパシタンスが大きいほど長い遅延時間が得られる。
【0010】
しかしながら、この従来技法によると、たとえば数10msec以上の長い遅延時間(時定数)を設定した場合には、パワーグッド回路がパワーグッド出力をアクティブ(Hレベル)にする際にその電圧波形が大きくなまり、そのようなパワーグッド出力を入力する負荷ICの入力回路(特にCMOSインバータ回路)で大きな貫通電流が流れる。さらに、負荷ICで入力回路の閾値にばらつきがあると、その閾値のばらつきにパワーグッド出力の波形なまりが重なることによって、パワーグッド出力より与えられる遅延時間に非常に大きなばらつきが生じる。
【0011】
上記のような従来技法の課題を解決するために、パワーグッド回路に遅延時間を与えるためのディレイ回路を組み込み、電子回路システムを構築する段階で電源ICの外からパワーグッド回路に一定のデフォルトを与えて該ディレイ回路の使用/不使用の有無つまり遅延時間の付加の有無を設定する技法が考えられる。しかしながら、この技法によると、電源ICのパッケージに外から遅延時間の付加の有無を設定するための端子を少なくとも1つ増設する必要がある。電源ICにおいて、特に小型化が望まれる電源ICにおいて、パワーグッド機能のためにパッケージの端子を増設することは、パッケージサイズの増大や仕様および設定作業の煩雑化を招来し、好ましくない。
【0012】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するものであり、監視対象の出力電圧が正常であるときにアクティブな論理レベルになるパワーグッド出力の電圧波形に大きななまりを生じさせずに、しかもパッケージの端子を増やす必要もなく、任意な長さの遅延時間の付加の有無を設定できるパワーグッド回路を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の観点におけるパワーグッド回路は、出力電圧を監視して、前記出力電圧が正常か否かを二値の論理レベルで示すパワーグッド信号を出力するパワーグッド回路であって、前記パワーグッド信号をパワーグッドノードから出力する出力回路と、所定の基準電圧を参照して前記出力電圧が正常であるか否かを判定する判定回路と、前記判定回路の判定出力に応じて前記出力回路を制御する制御回路とを有し、前記制御回路は、前記判定回路の判定出力と前記パワーグッドノードの電圧を入力し、前記判定回路の出力が変化したときから基準時間が経過したときに前記パワーグッドノードの電圧が所定の比較基準電圧に達したか否かを判別する判別回路を備え、前記判定回路の判定出力と前記判別回路の判別出力に応じて前記出力回路を第1の状態または第2の状態に制御する。
【0014】
上記第1の観点においては、判定回路が監視対象の出力電圧が正常範囲であることを判定出力で示す(判定出力が変化する)と、それに応動して制御回路は出力回路を構成する出力トランジスタをオフ状態(第2の状態)にする。そうすると、パワーグッドノードであるパワーグッド端子が基準電圧端子から電気的に切り離され、パワーグッド端子の電圧またはパワーグッド出力がそれまでの基準電圧端子の電位から電源電圧に向かって上昇する。ここで、判別回路は、判定回路の判定出力が変化したときから基準時間が経過したときにパワーグッド端子の電圧が所定の比較基準電圧に達したか否かを判別する。そして、制御回路は、パワーグッド端子の電圧が上昇する立上り時間が短い(基準時間が経過したときに比較基準電圧に達している)ことを判別回路の判別出力が示すと、パワーグッド出力が上昇する際の電圧波形のなまりは小さいので、出力トランジスタをそのままオフ状態に保ち、オフ状態とするまでに遅延時間を設けない。また、制御回路は、パワーグッド端子の電圧が上昇する立上り時間が長い(基準時間が経過したときに比較基準電圧に達していない)ことを判別回路の判別出力が示すと、パワーグッド出力が上昇する際の電圧波形のなまりはそう小さくはないので、一旦出力トランジスタをオン状態(第1の状態)に戻した後、一定の遅延時間が経過してから出力トランジスタをオフ状態にする。このように、パワーグッド出力の立上り時間が短いか長いかに応じて遅延時間を設定するので、長い遅延時間を設定するためにパワーグッド出力の電圧波形に大きななまりが生じる(それによって相手側の半導体回路装置で支障が出る)ことがない。
【発明の効果】
【0015】
本発明のパワーグッド回路によれば、上記のような構成および作用により、監視対象の出力電圧が正常であるときにパワーグッド出力がアクティブな論理レベルになるタイミングについて、パッケージの端子を増やさずに遅延時間の付加の有無を設定することが可能であり、しかも付加する遅延時間をどれほど長くしてもパワーグッド出力が立ち上がるときの電圧波形に大きななまりが生じないようにすることができる。これによって、パワーグッド機能の効率性および信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施形態における半導体回路装置および電子回路システムの構成を示す図である。
図2】第1の実施形態におけるパワーグッド回路の基本構成を示す図である。
図3図2のロジック回路の構成例を示す回路図である。
図4図2の判別回路の構成例を示す回路図である。
図5A】第1の実施形態の作用(付加コンデンサのキャパシタンスが小さい場合)を説明するための各部の波形を示すタイミング図である。
図5B】第1の実施形態の作用(付加コンデンサのキャパシタンスが大きい場合)を説明するための各部の波形を示すタイミング図である。
図6】第1の実施形態の第2の方式におけるパワーグッド回路の判別回路の構成例を示す回路図である。
図7A】上記第2の方式の作用(付加コンデンサのキャパシタンスが小さい場合)を説明するための各部の波形を示すタイミング図である。
図7B】上記第2の方式の作用(付加コンデンサのキャパシタンスが大きい場合)を説明するための各部の波形を示すタイミング図である。
図8】第2の実施形態におけるパワーグッド回路の構成を示す図である。
図9図8の判別回路の構成例を示す回路図である。
図10A】第2の実施形態の作用(付加コンデンサのキャパシタンスが小さい場合)を説明するための各部の波形を示すタイミング図である。
図10B】第2の実施形態の作用(付加コンデンサのキャパシタンスが大きい場合)を説明するための各部の波形を示すタイミング図である。
図11】実施形態におけるパワーグッド回路が監視対象の半導体回路装置から独立している電子回路システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
[半導体回路装置及び電子回路システムの全体構成]
【0018】
図1に、本発明の一実施形態における半導体回路装置およびこれを含む電子回路システムの一構成例を示す。
【0019】
この電子回路システムは、電源10、電源IC12および負荷IC14を含んでいる。電源10は、たとえばバッテリ、DC-DCコンバータまたはAC-DCコンバータ等であり、電源IC12に直流の電力を供給する。
【0020】
電源IC12は、たとえば同期整流型の降圧スイッチング電源16のコントローラであり、電源10より直流の電圧VINを入力し、負荷IC14に対して電圧VINより低い直流の出力電圧VOUTを供給する。電源IC12は、本発明の実施形態によるパワーグッド回路50を内蔵している半導体回路装置である。
【0021】
負荷IC14は、電源IC12より供給される電力を用いて動作する任意の半導体回路装置であり、たとえばマイコン、ロジックIC、演算IC等であってよい。電源IC12および負荷IC14はそれぞれ個別のICパッケージとして提供され、この電子回路システムの回路基板上で組み合わされる。
【0022】
電源IC12のパッケージには、全部で7個の端子、すなわちGND端子(制御用グランド端子)、VDD端子(制御用電源入力端子)、PVIN端子(電圧変換用電源入力端子)、LX端子(スイッチング出力端子)、PGND端子(パワーグランド端子)、PG端子(パワーグッド端子)およびFB端子(フィードバック端子)が設けられている。
【0023】
ここで、LX端子(スイッチング出力端子)は、チョークコイル18を介して負荷IC14の電圧入力端子INに接続される。チョークコイル18の出力端とグランド電位端子との間には、等価直列抵抗のあるコンデンサ22からなる平滑回路と、2つの抵抗24,26からなる電圧検出回路28とが接続される。スイッチング電源16が動作しているときは、電圧検出回路28の抵抗24,26間のノードNに出力電圧(チョークコイル18の出力端の電圧)VOUTに比例する分圧電圧SFBが得られる。この分圧電圧SFBがフィートバック信号として電源IC12のFB端子(以下、「フィードバック端子FB」と称する。)に入力される。
【0024】
パワーグッドノードであるPG端子(以下、「パワーグッド端子PG」と称する。)は、負荷IC14のイネーブル端子ENに接続されるとともに、プルアップ抵抗30を介して負荷IC14の電源電圧端子VPUに接続され、さらにコンデンサ32を介してグランド電位端子に接続されている。
【0025】
電源IC12には、電圧レギュレータ33、誤差増幅器34、基準電圧発生回路36、PWM変換回路38、ドライバ回路40、P型MOSFET42、N型MOSFET44およびパワーグッド回路50が設けられている。
【0026】
電圧レギュレータ33は、たとえばリニアレギュレータからなり、電源10からVDD端子を介して供給される電圧VINを入力して、安定した制御用の電源電圧VREGを生成し、この電源電圧VREGを電源IC12内の各部に供給する。誤差増幅器34は、電圧検出回路28からフィードバック端子FBを介して入力されるフィードバック信号SFBを基準電圧発生回路36からの基準電圧VREF1と比較して、比較誤差をアナログ信号で出力する。誤差増幅器34に接続する抵抗46およびコンデンサ48は位相補償回路を構成している。
【0027】
PWM変換回路38は、誤差増幅器34の出力をPWM(パルス幅変調)信号に変換する。ドライバ回路40は、PWM変換回路38からのPWM信号にしたがってP型MOSFET42およびN型MOSFET44を一定の周期で相補的にオン・オフ駆動する。P型MOSFET42がオンし、N型MOSFET44がオフしている期間中は、電源10よりPVIN端子、P型MOSFET42およびLX端子を介してチョークコイル18に電流が流れ、電磁エネルギーが蓄積される。次に、P型MOSFET42がオフし、N型MOSFET44がオンする期間中は、チョークコイル18に電流を保つ向きの誘導起電力が発生してN型MOSFET44およびチョークコイル18に電流が流れ、負荷IC14に電磁エネルギーが放出される。
【0028】
パワーグッド回路50は、基本的機能として、フィードバック端子FBを介してフィードバック信号SFBを入力し、このフィードバック信号SFBに基づいてスイッチング電源16の出力電圧VOUTを監視し、出力電圧VOUTが所定の正常範囲に入っているときは、パワーグッド端子PGの電圧またはパワーグッド出力VPGをハイインピーダンス状態つまりHレベルにし、出力電圧VOUTが正常範囲から外れているときは、パワーグッド出力VPGをLレベルにする。
【0029】
負荷IC14は、スイッチング電源16の出力電圧VOUTを電圧入力端子INを介して内部の電圧レギュレータ(図示せず)に入力するとともに、パワーグッド回路50からのパワーグッド出力VPGをイネーブル端子ENを介して内部のイネーブル信号入力回路(図示せず)に入力する。上記電圧レギュレータは、スイッチング電源16の出力電圧VOUTを直流の電源電圧VPUに変換してこれを負荷IC14内の各部に供給するとともに、電源電圧端子VPUからプルアップ抵抗30にも与える。イネーブル信号入力回路は、CMOSインバータ回路を有し、入力したパワーグッド出力VPGの論理レベルを反転させた二値信号を出力する。負荷IC14は、イネーブル信号入力回路を通してパワーグッド出力VPGの論理レベルを識別し、それが非アクティブなLレベルである間はディセーブル状態を保ち、アクティブなHレベルになるとイネーブル状態になる。
【0030】
この電子回路システムでは、電源IC12内のパワーグッド回路50に本発明が適用される。これに関連して、パワーグッド端子PGとグランド電位端子との間に接続されるコンデンサ32は、そのキャパシタンスC32がパワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加するか否かを選択するためのパラメータに使われる。
【0031】
すなわち、監視対象の出力電圧VOUTが正常になったときにパワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加する場合は、その付加する遅延時間の長さに関係なく、パワーグッド出力VPGの立ち上がりの際にその電圧波形に生じるなまりが負荷IC14にとって支障にならないキャパシタンスC32を有するコンデンサ32を接続する。
【0032】
たとえば、10kΩのプルアップ抵抗30を使用して、数10msec以上の長い遅延時間を得るために、従来のパワーグッド回路の下では数μF以上の大きなキャパシタンスC32を有するコンデンサ32をパワーグッド端子PGに接続しており、それによってパワーグッド出力VPGの立ち上がりの際にその電圧波形が大きくなまって負荷IC14側で貫通電流の増大や遅延時間のばらつき等が生じる。この場合、コンデンサ32のキャパシタンスC32をたとえば数nF程度に小さくすれば、パワーグッド出力VPGの立ち上がりの際の電圧波形のなまりが顕著に低減し、負荷IC14側に上記のような支障を来さなくて済むが、遅延時間が1msec以下に制限されるというトレードオフがある。
【0033】
これに対し、この実施形態のパワーグッド回路50によれば、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加する場合は、その付加する遅延時間の長さに関係なく(たとえば数10msec以上でも)、パワーグッド端子PGに接続するコンデンサ32のキャパシタンスC32を数nF程度に選ぶことができる。
【0034】
この実施形態のパワーグッド回路50は、パワーグッド端子PGに接続されているコンデンサ32のキャパシタンスC32を上記のような遅延時間の付加の有無を設定するためのパラメータとして識別し、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加しない即時応答機能が設定された場合はもちろん、遅延時間を付加するディレイ機能が設定された場合でも、遅延時間の長さに関係なくパワーグッド出力VPGの電圧波形のなまりを小さくして立ち上げることができる。これにより、負荷IC14においては、イネーブル信号入力回路で貫通電流が少なく、閾値にばらつきがあっても、パワーグッド出力VPGより与えられる遅延時間に大きな誤差は生じない。
【0035】
また、電源IC12においては、パッケージの全端子のうちパワーグッド回路50に直接関係するものは従来通りパワーグッド端子PGとフィードバック端子FBの2つだけであり、パワーグッド回路50に対して遅延時間の付加の有無を設定するための特別な端子は設けられていない。

[パワーグッド回路に関する実施形態1]
【0036】
次に、図2図7Bを参照して、本発明の第1の実施形態におけるパワーグッド回路50について説明する。
《パワーグッド回路内の各部の構成および機能》
【0037】
図2に示すように、この実施形態におけるパワーグッド回路50は、基本構成として、判定回路52、出力トランジスタ58および制御回路60を含んでいる。
【0038】
判定回路52は、フィードバック端子FBより入力されるフィードバック信号SFBを入力し、制御回路60に判定出力CMP-FBを与える。判定回路52は、コンパレータ54および基準電圧発生回路56を有している。
【0039】
コンパレータ54は、非反転入力端子(+)がフィードバック端子FBに接続され、反転入力端子(-)が基準電圧発生回路56の出力端子に接続されている。コンパレータ54は、フィードバック端子FBより入力されるフィードバック信号SFBを基準電圧発生回路56からの基準電圧VREF1と比較し、フィードバック信号SFBが基準電圧VREF1より低いとき(監視対象の出力電圧VOUTが正常でないとき)はその出力つまり判定出力CMP-FBをLレベルにし、フィードバック信号SFBが基準電圧VREF1と同じかそれより高いとき(出力電圧VOUTが正常であるとき)は判定出力CMP-FBをHレベルにするようになっている。
【0040】
出力トランジスタ58はたとえばNMOSトランジスタからなり、ドレインがパワーグッド端子PGに接続され、ソースがグランド電位端子に接続され、制御回路60よりゲートに与えられる制御信号Vにしたがってオンまたはオフする。
【0041】
制御回路60は、判定回路52の判定出力CMP-FBに応じて出力トランジスタ58のオン・オフを制御する。制御回路60は、ロジック回路62および判別回路64を有している。なお、この実施形態において、出力トランジスタ58は出力回路を構成している。また、プルアップ抵抗30は電源電圧端子VPUとパワーグッド端子PGとの間に接続されているが、出力回路に含まれてもよい。
【0042】
図3に示すように、ロジック回路62は、好適な一構成例として、NAND回路66を有している。このNAND回路66の一方の入力端子には判定回路52の判定出力CMP-FBが入力され、他方の入力端子には判別回路64の出力つまり判別出力SEL-DLYが入力される。NAND回路66の出力は、制御信号Vとして出力トランジスタ58のゲートに与えられる。
【0043】
判定出力CMP-FBおよび判別出力SEL-DLYのいずれか一方または両方がLレベルであるときは、NAND回路66の出力(制御信号)VはHレベルであり、出力トランジスタ(NMOSトランジスタ)58はオンする。判定出力CMP-FBおよび判別出力SEL-DLYの双方がHレベルであるときは、NAND回路66の出力VがLレベルとなり、出力トランジスタ58はオフする。
【0044】
判別回路64は、判定回路52より判定出力CMP-FBを入力するとともに、パワーグッド端子PGよりパワーグッド出力VPGを入力し、ロジック回路62に判別出力SEL-DLYを与える。
【0045】
図4に示すように、判別回路64は、好適な一構成例として、コンパレータ70,72、基準電圧発生回路74,76、インバータ回路78、NMOSトランジスタ80、定電流源82、コンデンサ84、Dフリップフロップ(以下、「DFF」と称する。)86、タイマ回路88およびOR回路90を含んで構成されている。
【0046】
パワーグッド端子PGからのパワーグッド出力VPGは、コンパレータ70の反転入力端子(-)に入力される。コンパレータ70の非反転入力端子(+)には、基準電圧発生回路74からの比較基準電圧VREF2が入力される。この比較基準電圧VREF2は、好ましくはパワーグッド出力VPGの接続先でLレベルと判定される最大電圧以下、例えば、NMOSトランジスタの閾値電圧以下の値)に設定する。コンパレータ70は、パワーグッド出力VPGを比較基準電圧VREF2と比較し、VPG<VREF2のときはHレベルを出力し、VPG≧VREF2のときはLレベルを出力する。このように、コンパレータ70は、パワーグッド出力VPGを比較基準電圧VREF2に照らして二値化する。コンパレータ70の出力はDFF86のデータ端子(D)に与えられる。
【0047】
一方で、判定回路52からの判定出力CMP-FBは、DFF86のリセット端子(R)に入力されるとともに、インバータ回路78に入力される。インバータ回路78、NMOSトランジスタ80、定電流源82、コンデンサ84およびコンパレータ72は、この実施形態において一定の検査時間T(基準時間)を規定するタイミング回路92を形成している。
【0048】
より詳しくは、インバータ回路78の出力端子は、NMOSトランジスタ80のゲートに接続されている。NMOSトランジスタ80は、ドレインがノードNに接続され、ソースがグランド電位端子に接続されている。定電流源82は電源電圧VREGの端子とノードNとの間に接続され、コンデンサ84はノードNとグランド電位端子との間に接続されている。
【0049】
判定回路52からの判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、そのときから一定の傾きで電源電圧VREGに近い一定の到達点電圧まで上昇するランプ電圧VRAMPがノードN上に発生する。すなわち、判定出力CMP-FBがLレベルの間は、NMOSトランジスタ80がオン状態で、ノードN上の電圧はグランドレベルに保たれている。判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、NMOSトランジスタ80がオフして、ノードNがグランド電位端子から電気的に分離され、コンデンサ84が定電流源82からの定電流Iによって充電され、ノードN上には一定の傾きでリニアに上昇するコンデンサ充電電圧つまりランプ電圧VRAMPが得られる。このランプ電圧VRAMPの傾きは、定電流源82の出力電流Iに比例し、コンデンサ84のキャパシタンスC84に反比例する。なお、ランプ電圧VRAMPは、到達点電圧のレベルまで上昇すると、そこから一定電圧に変わる。
【0050】
ノードNは、コンパレータ72の非反転入力端子(+)に接続されている。コンパレータ72の反転入力端子(-)には、基準電圧発生回路76からの基準電圧VREF3が入力される。判定出力CMP-FBがLレベルの間は、ノードN上の電圧がグランドレベルであるから、コンパレータ72の出力はLレベルになっている。しかし、判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、このときからノードN上に上記のようなランプ電圧VRAMPが発生し(検査時間Tが開始し)、このランプ電圧VRAMPが基準電圧VREF3に到達したときに、コンパレータ72の出力がLレベルからHレベルに変わり、このタイミングでパワーグッド出力VPGの立上り時間を検査するための検査時間Tが終了する。
【0051】
検査時間Tの長さは、基準電圧VREF3の電圧レベルに比例するとともに、ランプ電圧VRAMの傾きに反比例し、好適には100μsec以下に設定されてよい。なお、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに付加される遅延時間Tは通常1msec以上である。
【0052】
コンパレータ72の出力がLレベルからHレベルに変わると(検査時間Tが終了すると)、これに応動してDFF86がコンパレータ70の出力を取り込んでラッチする。したがって、検査時間Tの終了時にパワーグッド出力VPGが基準電圧VREF2以上になっているときは、コンパレータ70の出力はLレベルであるから、DFF86はそのLレベルをラッチし、出力(Q)がLレベル、反転出力(Q-)がHレベルになる。検査時間Tの終了時にパワーグッド出力VPGが基準電圧VREF2より低いときは、コンパレータ70の出力はHレベルであるから、DFF86はそのHレベルをラッチし、出力(Q)がHレベル、反転出力(Q-)がLレベルになる。
【0053】
DFF86の出力(Q)はタイマ回路88の入力端子に与えられ、反転出力(Q-)はOR回路90の一方の入力端子に与えられる。タイマ回路88の出力URはOR回路90の他方の入力端子に与えられ、OR回路90の出力は判別出力SEL-DLYとしてロジック回路62に与えられる。
【0054】
タイマ回路88は、DFF86の出力(Q)がLレベルからHレベルに変わったときに、これに応動して設定時間を計時するようになっている。このタイマ回路88は、カウンタ回路とクロック回路とを含み、クロック回路の発生する一定周波数のクロックパルスをカウンタ回路が計数し、その計数値が設定値に達したときに、出力URがLレベルからHレベルに変わるようになっている。タイマ回路88に設定される計時時間(タイマカウント時間)は、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加する場合の遅延時間Tの長さを規定し、上記のように通常msecのオーダで設定される。
【0055】
このように、判別回路64は、判定回路52からの判定出力CMP-FBとパワーグッド端子PGからのパワーグッド出力VPGとに基づいて、ロジック回路62に対する制御ひいては出力トランジスタ58に対する制御をロジック的な動作で正確に行うようになっている。特に、パワーグッド出力VPGをアクティブにするタイミングに遅延時間を付加する場合の遅延時間Tは、カウンタ内蔵のタイマ回路88の計時動作(カウント動作)によって生成されるため、誤差が非常に小さい。

《パワーグッド回路全体の作用》
【0056】
次に、図5Aおよび図5Bのタイミング図を参照してこの実施形態におけるパワーグッド回路50の作用を説明する。
【0057】
図5Aおよび図5Bの例では、監視対象の出力電圧VOUTが時点tで正常範囲(フィードバック信号SFB≧基準電圧VREF1)に入っている。出力電圧VOUTが正常になる直前、各部の状態は次のようになっている。
【0058】
時点tの直前までフィードバック信号SFB<基準電圧VREF1であるから、判定回路52の判定出力CMP-FBはLレベルに保たれロジック回路62(NAND回路66)の出力(制御信号)VがHレベルに保たれている。これにより、出力トランジスタ(NMOSトランジスタ)58はオンしており、パワーグッド端子PGはオン状態の出力トランジスタ58を介してグランド電位端子に短絡接続され、パワーグッド出力VPGはグランドレベル(0V)に保たれている。つまり、判定回路52の判定出力CMP-FBがLレベルであり、出力電圧VOUTが正常でないことを示すときは、制御回路60は出力トランジスタを第1の状態に制御する。
【0059】
判別回路64内では、パワーグッド出力VPGがグランドレベルであるから、コンパレータ70の出力つまりDFF86のデータ端子(D)の入力はHレベルに保たれている。一方、判定出力CMP-FBがLレベルであるから、NMOSトランジスタ80がオンしており、ノードN上の電圧はグランドレベルに保たれている。このため、コンパレータ72の出力つまりDFF86のクロック端子(CK)の入力はLレベルである。しかし、DFF86は、判定出力CMP-FBが先にLレベルになったときにリセットされているため、その出力(Q)がLレベル、反転出力(Q-)がHレベルになっている。これにより、OR回路90の出力SEL-DLYはHレベルになっている。また、タイマ回路88は動作しておらず、その出力URはLレベルである。
【0060】
図5Aは、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加しない場合である。この場合、パワーグッド端子PGに接続される付加コンデンサ32のキャパシタンスC32は小さい値(たとえば10pF程度)としている。
【0061】
時点tで判定回路52の判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58がオフする。出力トランジスタ58がオフすると、パワーグッド端子PGがグランド電位端子から電気的に分離され、プルアップ抵抗30およびコンデンサ32のRC直列回路に過渡電流が流れ、パワーグッド端子PGの電圧またはパワーグッド出力VPGはグランドレベル(0V)から抵抗とコンデンサの直列回路の過渡応答特性に従い上昇する。
【0062】
この場合、付加コンデンサ32のキャパシタンスC32が小さいためにパワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が短く、パワーグッド出力VPGは検査時間Tより優に短い所要時間T(時点t)で比較基準電圧VREF2を超える。パワーグッド出力VPGが比較基準電圧VREF2を超えると、その時(t)から判別回路64内ではコンパレータ70の出力つまりDFF86のデータ端子(D)の入力がLレベルになる。
【0063】
一方、時点tで判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わることにより、判別回路64内でタイミング回路92が作動する。すなわち、NMOSトランジスタ80がオフして、ノードN上にランプ電圧VRAMPが発生する。このランプ電圧VRAMPは、時間に比例して一定の傾きで上昇し、検査時間Tの終了時(時点t)に基準電圧VREF3を超える。そのタイミング(時点t)で、コンパレータ72の出力がLレベルからHレベルに変わり、これに応動してDFF86がコンパレータ70の出力またはデータ入力(D)のLレベルを取り込んでラッチし、出力(Q)および反転出力(Q-)はそれまでと同じLレベル,Hレベルをそれぞれ維持する。
【0064】
ここで、検査時間Tの終了時(時点t)にDFF86がコンパレータ70よりLレベルを取り込んだということは、パワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が短い方の第1の特性であることを判別回路64が判別したことを意味する。この場合、OR回路90の出力SEL-DLYは検査時間Tの終了後もHレベルに保たれ、それによってロジック回路62(NAND回路66)の出力VがLレベルに保たれ、出力トランジスタ58は引き続きオフ状態に保たれる。つまり、検査時間Tが経過したときに、判別回路64はパワーグッドノードの電圧が比較基準時間VREF2に達する第1の特性であることを判別し、制御回路60は出力トランジスタ58を出力電圧VOUTが正常であることを示す第2の状態に制御する。
【0065】
このように、パワーグッド端子PGに接続する付加コンデンサ32のキャパシタンスC32を立上り時間が短くなる小さい値に選んだ場合は、監視対象の出力電圧VOUTが正常範囲に入る度毎にパワーグッド回路50が即時応答機能を選択して、パワーグッド出力VPGが即時にLレベルからHレベルに立ち上がる。パワーグッド端子PGに接続されているコンデンサ32のキャパシタンスC32が小さいため、パワーグッド出力VPGはその電圧波形がほとんどなまらずにグランドレベルから電源電圧VPUのレベルまで急峻に立ち上がる。
【0066】
こうしてパワーグッド出力VPGがLレベルからアクティブなHレベルに急峻に立ち上がることによって、負荷IC14においては、イネーブル信号入力回路で貫通電流を多く流さずにパワーグッド出力VPGの提供するステータス情報を適確に識別して、適時に各部をイネーブル状態にすることができる。
【0067】
図5Bは、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加する場合である。この場合、パワーグッド端子PGに接続される付加コンデンサ32のキャパシタンスC32は大きい値(たとえば100pF程度)としている。
【0068】
この場合も、時点tで判定回路52の判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58はそれまでのオン状態からオフ状態に切り替わる。そうすると、プルアップ抵抗30およびコンデンサ32のRC直列回路に過渡電流が流れ、パワーグッド端子PGの電圧またはパワーグッド出力VPGはグランドレベルから抵抗とコンデンサの直列回路の過渡応答特性に従い上昇する。
【0069】
この場合、付加コンデンサ32のキャパシタンスC32が大きいためにパワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が長く、パワーグッド出力VPGは検査時間T内で比較基準電圧VREF2に届かず、コンパレータ70の出力はHレベルのままである。このため、検査時間Tの終了時(時点t)にタイミング回路92のコンパレータ72の出力がLレベルからHレベルに変わると、それに応動してDFF86がコンパレータ72の出力またはデータ入力(D)のHレベルを取り込んでラッチし、出力(Q)および反転出力(Q-)がそれまでのLレベル、HレベルからHレベル、Lレベルにそれぞれ変わる。
【0070】
ここで、検査時間Tの終了時(時点t)にDFF86がコンパレータ70よりHレベルを取り込んだということは、パワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が長い方の第2の特性であることを判別回路64が判別したことを意味する。
【0071】
この場合、時点tで、DFF86の反転出力(Q-)がLレベルになることにより、OR回路90の出力SEL-DLYがそれまでのHレベルからLレベルに変わり、それによってロジック回路62(NAND回路66)の出力VがLレベルからHレベルに変わり、出力トランジスタ58はオン状態(第1の状態)に戻る。その結果、パワーグッド端子PGがオン状態の出力トランジスタ58を介してグランド電位に短絡接続され、パワーグッド出力VPGは一旦グランドレベルに戻される。
【0072】
一方、時点tで、DFF86の出力(Q)がHレベルになることにより、これに応動してタイマ回路88が設定遅延時間Tの計時(カウント)を開始する。そして、タイマ回路88が設定遅延時間Tの計時を終了して、その出力URがLレベルからHレベルに変わると(時点t)、OR回路90の出力SEL-DLYがLレベルからHレベルに変わって、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58がオフする(第2の状態)。つまり、検査時間Tが経過したときに、判別回路64はパワーグッドノードの電圧が比較基準時間VREF2に達しない第2の特性であることを判別し、制御回路60は設定遅延時間Tの計時を終了後に出力トランジスタ58を出力電圧VOUTが正常であることを示す第2の状態に制御する。なお、タイマ回路88は、DFF86の出力(Q)がHレベルからLレベルに変わるまで、Hレベルの出力を保ち続ける。
【0073】
出力トランジスタ58がオフすると、プルアップ抵抗30およびコンデンサ32のRC直列回路で再び過渡電流が流れ、パワーグッド出力VPGがグランドレベルから上記と同じ立上り時間で抵抗とコンデンサの直列回路の過渡応答特性に従い上昇する。この場合、判別回路64内ではタイミング回路92が動作しないため、DFF86のラッチ動作は起こらず、判定出力CMP-FBがHレベルからLレベルに変わらない限り(出力電圧VOUTが正常範囲から外れない限り)、DFF86のリセット動作も起こらない。その結果、パワーグッド出力VPGは、タイマ回路88のタイマカウント時間(設定遅延時間)Tの長さとは関係なく、プルアップ抵抗30の抵抗値R30とコンデンサ32のキャパシタンスC32との積で与えられる時定数に応じた立上り時間で電源電圧VPUの電圧レベルまで上昇する。その際、パワーグッド出力VPGは、設定遅延時間Tが終了してから検査時間Tより長い所要時間Tが経過したとき(時点t)に比較基準電圧VREF2を超える。このとき、コンパレータ70の出力またはデータ入力(D)がHレベルからレベルに変わる。
【0074】
上記のように、この場合のコンデンサ32のキャパシタンスC32は、パワーグッド出力VPGがLレベルからアクティブなHレベルに立ち上がる際にその電圧波形に生じるなまりが負荷IC14側に支障を来さない値に選ばれている。これにより、タイマカウント時間(設定遅延時間)Tが数10msec以上であっても、パワーグッド出力VPGがなまりの小さい電圧波形で立ち上がるよう設定することが可能となる。その結果、負荷IC14においては、イネーブル信号入力回路で貫通電流を多く流さずにパワーグッド出力VPGの提供するステータス情報を適確に識別して、適時に各部をイネーブル状態にすることができる。このように、パワーグッド機能の効率性および信頼性を向上させることができる。

《パワーグッド出力の立上り時間を判別するための第2の方式》
【0075】
上記のように、制御回路60は、判定回路52の判定出力CMP-FBのLレベルからHレベルへの変化に応動して出力トランジスタ58をオフにしたとき(時点t)から一定の検査時間Tが終了したとき(時点t)にパワーグッド出力VPGが比較基準電圧VREF2より高いか低いかを判別することによって、パワーグッド出力VPGの立上り時間が短い第1の特性または立上り時間が長い第2の特性のいずれであるかを判別した。
【0076】
しかし、第2の方式として、以下に説明するように、出力トランジスタ58をオフにしたときからパワーグッド出力VPGが所定の基準電圧たとえば上記基準電圧VREF2に到達するまでの所要到達時間Tが所定の比較基準時間T(基準時間)より短いか長いかを判別することによって、パワーグッド出力VPGの立上り時間が短い第1の特性か立上り時間が長い第2の特性かを判別することも可能である。
【0077】
この第2の方式を実現するために、制御回路60は、たとえば図6に示すような回路構成の判別回路64αを好適に有することができる。この判別回路64αの回路構成は、コンパレータ70の両入力(VPG,VREF2)の極性が反転していること、コンパレータ70の出力がDFF86のクロック端子(CK)に与えられること、タイミング回路92のコンパレータ72の出力がDFF86のデータ端子(D)に与えられることを除いては、図4の判別回路64のそれと同じである。
【0078】
この判別回路64αにおいて、コンパレータ70は、非反転入力端子(+)にパワーグッド端子PGからパワーグッド出力VPGを入力するとともに、反転入力端子(-)に基準電圧発生回路74からの比較基準電圧VREF2を入力し、VPG<VREF2のときはLレベルを出力し、VPG≧VREF2のときはHレベルを出力する。コンパレータ70の出力はDFF86のクロック端子(CK)に与えられる。パワーグッド出力VPGがグランドレベルから立ち上がって比較基準電圧VREF2に到達しまたはそれを超えるまでの所要到達時間Tは、付加コンデンサ32のキャパシタンスC32の値に応じて変わる。
【0079】
一方、タイミング回路92は、図4の判別回路64におけるのと同様に、判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わったときから所定時間が経過したときにコンパレータ72の出力をLレベルからHレベルに変える。ただし、この第2の方式では、その所定時間が比較基準時間Tとなる。
【0080】
かかる構成においては、判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わったときから比較基準時間Tが経過したときに、コンパレータ70の出力がLレベルからHレベルに変わることにより、これに応動してDFF86がタイミング回路92のコンパレータ72の出力を取り込んでラッチする。したがって、所要到達時間Tが比較基準時間Tより短いときは、DFF86がコンパレータ72からのLレベルをラッチし、所要到達時間Tが比較基準時間Tより長いときは、DFF86がコンパレータ72からのHレベルをラッチする。
【0081】
次に、図7Aおよび図7Bのタイミング図を参照して、この第2の方式におけるパワーグッド回路50の作用を説明する。
【0082】
図7Aおよび図7Bの例でも、監視対象の出力電圧VOUTが時点tで正常範囲(フィードバック信号SFB≧基準電圧VREF1)に入っている。出力電圧VOUTが正常になる直前、各部の状態は次のようになっている。
【0083】
時点tの直前までフィードバック信号SFB<基準電圧VREF1であるから、判定回路52の判定出力CMP-FBはLレベルに保たれ、ロジック回路62(NAND回路66)の出力(制御信号)VがHレベルに保たれている。これにより、出力トランジスタ(NMOSトランジスタ)58はオンしており、パワーグッド端子PGはオン状態の出力トランジスタ58を介してグランド電位端子に短絡接続され、パワーグッド出力VPGはグランドレベル(0V)に保たれている。
【0084】
判別回路64α内では、パワーグッド出力VPGがグランドレベルであるから、コンパレータ70の出力つまりDFF86のクロック端子(CK)の入力はLレベルに保たれている。一方、判定出力CMP-FBがLレベルであるから、NMOSトランジスタ80がオンしており、ノードN上の電圧はグランドレベルに保たれている。このため、コンパレータ72の出力つまりDFF86のデータ端子(D)の入力はHレベルである。DFF86は、判定出力CMP-FBが先にLレベルになったときにリセットされているため、その出力(Q)がLレベル、反転出力(Q-)がHレベルになっている。これにより、OR回路90の出力SEL-DLYはHレベルになっている。また、タイマ回路88は動作しておらず、その出力URはLレベルである。
【0085】
図7Aは、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加しない場合である。この場合も、パワーグッド端子PGに接続される付加コンデンサ32のキャパシタンスC32は小さい値(たとえば10pF程度)としている。
【0086】
時点tで判定回路52の判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58がオフする。出力トランジスタ58がオフすると、パワーグッド端子PGがグランド電位端子から電気的に分離され、プルアップ抵抗30およびコンデンサ32のRC直列回路に過渡電流が流れ、パワーグッド端子PGの電圧またはパワーグッド出力VPGはグランドレベル(0V)から抵抗とコンデンサの直列回路の過渡応答特性に従い上昇する。
【0087】
この場合、付加コンデンサ32のキャパシタンスC32が小さいためにパワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が短く、パワーグッド出力VPGは比較基準時間Tより優に短い所要到達時間THSで比較基準電圧VREF2を超える。パワーグッド出力VPGが比較基準電圧VREF2を超えると(時点tこのタイミングでコンパレータ70の出力つまりクロック入力(CK)がLレベルからHレベルに変わり、DFF86がコンパレータ72の出力つまりデータ入力(D)のLレベルを取り込んでラッチし、出力(Q)および反転出力(Q-)はそれまでと同じLレベル,Hレベルをそれぞれ維持する。
【0088】
ここで、パワーグッド出力VPGが比較基準電圧VREF2に到達した時点(t)でDFF86がコンパレータ72からのLレベルを取り込んだということは、パワーグッド出力VPGの立上り時間が短い方の第1の特性であることを判別回路64αが判別したことを意味する。この場合、OR回路90の出力SEL-DLYはDFF86のラッチ動作の後もHレベルに保たれ、それによってロジック回路62(NAND回路66)の出力VがLレベルに保たれ、出力トランジスタ58は引き続きオフ状態に保たれる。こうして、図5Aの場合と同様の作用効果が奏される。
【0089】
図7Bは、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加する場合である。この場合も、パワーグッド端子PGに接続される付加コンデンサ32のキャパシタンスC32は大きい値(たとえば100pF程度)としている。
【0090】
時点tで判定回路52の判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58がオフする。出力トランジスタ58がオフすると、プルアップ抵抗30およびコンデンサ32のRC直列回路に過渡電流が流れ、パワーグッド端子PGの電圧またはパワーグッド出力VPGはグランドレベルから抵抗とコンデンサの直列回路の過渡応答特性に従い上昇する。
【0091】
この場合、付加コンデンサ32のキャパシタンスC32が大きいためにパワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が長く、パワーグッド出力VPGは比較基準時間Tより長い所要到達時間THLが経って比較基準電圧VREF2に到達する。この所要到達時間THLの終了時点(t)でコンパレータ70の出力つまりクロック入力(CK)がLレベルからHレベルに変わると、これに応動してDFF86がコンパレータ72の出力つまりデータ入力(D)のHレベルを取り込んでラッチし、出力(Q)および反転出力(Q-)がそれまでのLレベル、HレベルからHレベル、Lレベルにそれぞれ変わる。
【0092】
ここで、パワーグッド出力VPGが基準電圧VREF2に到達した時点(t)でDFF86がコンパレータ72からのHレベルをラッチしたということは、パワーグッド出力VPGの立上り時間が長い方の第2の特性であることを判別回路64αが判別したことを意味する。
【0093】
この場合、所要到達時間THLの終了時(t)にDFF86の反転出力(Q-)がLレベルになることにより、OR回路90の出力SEL-DLYがそれまでのHレベルからLレベルに変わり、それによってロジック回路62(NAND回路66)の出力VがLレベルからHレベルに変わり、出力トランジスタ58はオン状態に戻る。その結果、パワーグッド端子PGがオン状態の出力トランジスタ58を介してグランド電位に短絡接続され、パワーグッド出力VPGは一旦グランドレベルに戻される。また、コンパレータ70の出力またはDFF86のクロック入力(CK)は一旦Lレベルに戻る。
【0094】
一方、所要到達時間THLの終了時(t)にDFF86の出力(Q)がHレベルになることにより、これに応動してタイマ回路88が設定遅延時間Tの計時(カウント)を開始する。そして、タイマ回路88が設定遅延時間Tの計時を終了して、その出力URがLレベルからHレベルに変わると(時点t)、OR回路90の出力SEL-DLYがLレベルからHレベルに変わって、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58がオフする。
【0095】
出力トランジスタ58がオフすると、プルアップ抵抗30およびコンデンサ32のRC直列回路で再び過渡電流が流れ、パワーグッド出力VPGがグランドレベルから上記と同じ立上り時間で抵抗とコンデンサの直列回路の過渡応答特性に従い上昇する。この場合、所要到達時間THLが経過したとき(時点t)にパワーグッド出力VPGが比較基準電圧VREF2に到達し、判別回路64α内ではそのタイミングでコンパレータ70の出力つまりクロック入力(CK)がLレベルからHレベルに変わる。DFF86がこれに応動してコンパレータ72の出力つまりデータ入力(D)のHレベルを取り込んでラッチし、出力(Q)および反転出力(Q-)がそれまでと同じHLレベル、Lレベルをそれぞれ維持する。これにより、タイマ回路88はHレベルの出力を出し続ける。こうして、図5Bの場合と同様の作用効果が奏される。

[パワーグッド回路に関する実施形態2]
【0096】
次に、図8図10Bを参照して、本発明の第2の実施形態におけるパワーグッド回路50Φについて説明する。このパワーグッド回路50Φも、上記第1の実施形態におけるパワーグッド回路50と同様に、図1の電源IC12に搭載可能である。なお、図8および図9において、上記第1の実施形態におけるパワーグッド回路50および判別回路64のものと同様の構成および機能を有する部分には同一の符号を付している。

《パワーグッド回路内の各部の構成および機能》
【0097】
図8に示すように、この実施形態では、パワーグッド端子PGにプルアップ抵抗(30)は接続されない。パワーグッド端子PGに接続される外付け部品は、パワーグッド端子PGとグランド電位端子との間に接続されるコンデンサ32だけである。
【0098】
この実施形態におけるパワーグッド回路50Φは、上記第1の実施形態におけるパワーグッド回路50(図2)と比較すると、判定回路52、出力トランジスタ58およびロジック回路62を共通にするとともに、さらに定電流源100およびバイパストランジスタ102を備え、それに伴って独自の判別回路64Φを有している。
【0099】
定電流源100およびバイパストランジスタ102は、電源電圧VREGの端子とパワーグッド端子PGとの間で並列に接続されており、出力トランジスタ58とともに出力回路を構成している。バイパストランジスタ102はたとえばPMOSトランジスタからなり、ソースが電源電圧VREGの端子に接続され、ドレインがパワーグッド端子PGに接続され、ゲートに入力する判別回路64Φからの制御信号UPXにしたがってオン・オフするようになっている。
【0100】
バイパストランジスタ102がオフしている間は、定電流源100が出力可能状態(イネーブル状態)にあり、出力トランジスタ58がオンしていれば、定電流源100の一定の出力電流ICHGがオン状態の出力トランジスタ58を介してグランド電位端子に流れる。出力トランジスタ58がオフすると、定電流源100の出力電流ICHGがコンデンサ32に流れ込んで、コンデンサ32が充電され、パワーグッド端子PGの電圧またはパワーグッド出力VPGが時間に比例してリニアに上昇する。
【0101】
バイパストランジスタ102がオンすると、定電流源100がディセーブル状態になり、パワーグッド端子PGはオン状態のバイパストランジスタ102を介して電源電圧VREGの端子に短絡接続される。このとき、出力トランジスタ58がオフ状態であれば、パワーグッド出力VPGを一瞬に電源電圧VREGのレベルまで引き上げることができる。
【0102】
このように、この実施形態では、パワーグッド端子PGの電圧またはパワーグッド出力VPGのダイナミックレンジは、パワーグッド回路50Φ側の電源電圧VREGに依存している。この電源電圧VREGはパワーグッド出力VPGを入力する負荷IC14側の電源電圧VPUと干渉しないことが使用条件である。したがって、両電源電圧VREG,VPUの電圧レベルが同じか、近似しているのが好ましい。
【0103】
以下、図10Aおよび図10Bのタイミング図を参照してこの実施形態におけるパワーグッド回路50Φの作用を説明する。
【0104】
図10Aおよび図10Bの例でも、監視対象の出力電圧VOUTが時点tで正常範囲(フィードバック信号SFB≧基準電圧VREF1)に入っている。出力電圧VOUTが正常になる直前の各部の状態、特に判別回路64Φ内の状態は上記第1の方式(図4)と略同じである。
【0105】
ただし、この判別回路64Φにおいては、コンパレータ70の出力はHレベル、コンパレータ72の出力はLレベルになっているため、インバータ回路104の出力はLレベル、NAND回路106の出力(UPX)はHレベルである。これにより、バイパストランジスタ(PMOSトランジスタ)102はオフ状態に保たれ、定電流源100はイネーブル状態になっている。出力トランジスタ58がオン状態に保たれているので、定電流源100の出力電流ICHGは出力トランジスタ58を介してグランド電位端子に流れ、パワーグッド出力VPGは略グランドレベルに保たれている。つまり、判別回路64Φの出力UPXとロジック回路62の出力Vにより、出力回路は第1の状態(バイパストランジスタ102がオフ状態、出力トランジスタ58がオン状態)に制御されている。
【0106】
図10Aは、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加しない場合である。この場合も、パワーグッド端子PGに接続される付加コンデンサ32のキャパシタンスC32は小さい値(たとえば10pF程度)としている。
【0107】
時点tで判定回路52の判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58がオフする。出力トランジスタ58がオフすると、パワーグッド端子PGがグランド電位端子から電気的に分離され、定電流源100の出力電流ICHGがコンデンサ32に流れ込み、パワーグッド出力VPGがリニアに上昇する。
【0108】
この場合、付加コンデンサ32のキャパシタンスC32が小さいためにパワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が短く、パワーグッド出力VPGは検査時間Tより優に短い所要時間T(時点t)で比較基準電圧VREF2を超える。パワーグッド出力VPGが比較基準電圧VREF2を超えると、そのとき(t)から判別回路64Φ内ではコンパレータ70の出力つまりDFF86のデータ入力(D)がLレベルになる。
【0109】
一方、上記第1の方式(図5A)と同様に、上記時点tから検査時間Tが経過すると(時点t)、このタイミングでタイミング回路92のコンパレータ72の出力つまりDFF86のクロック入力(CK)がLレベルからHレベルに変わり、これに応動してDFF86がデータ入力(D)のLレベルを取り込んでラッチし、出力(Q)および反転出力(Q-)がそれまでと同じLレベル,Hレベルをそれぞれ維持する。
【0110】
ここで、検査時間Tの終了時(t)にDFF86がコンパレータ70からのLレベルを取り込んだということは、パワーグッド出力VPGの立上り時間が短い方の第1の特性であることを判別回路64Φが判別したことを意味する。
【0111】
この場合は、OR回路90の出力SEL-DLYは検査時間Tの終了後もHレベルに保たれ、それによってロジック回路62(NAND回路66)の出力VがLレベルに保たれ、出力トランジスタ58は引き続きオフ状態に保たれる。
【0112】
一方、上記検査時間Tの終了時(t)に、コンパレータ72の出力がHレベルになることで、NAND回路106の出力UPXがHレベルからLレベルに変わり、バイパストランジスタ102がオンする。これにより、パワーグッド端子PGがオン状態のバイパストランジスタ102を介して電源電圧VREGの端子に短絡接続され、パワーグッド出力VPGが一瞬に電源電圧VREGのレベルまで引き上げられる。つまり、検査時間Tが経過したときに、判別回路64Φはパワーグッドノードの電圧が比較基準時間VREF2に達する第1の特性であることを判別し、制御回路60Φは出力トランジスタ58とバイパストランジスタ102を出力電圧VOUTが正常であることを示す第2の状態に制御する。
【0113】
このように、パワーグッド端子PGに接続する付加コンデンサ32のキャパシタンスC32を立上り時間が短くなる小さい値に選んだ場合は、監視対象の出力電圧VOUTが正常範囲に入る度毎にパワーグッド回路50Φが即時応答機能を選択して、パワーグッド出力VPGが即時にLレベル(グランドレベル)からHレベルに立ち上がる。その際、パワーグッド出力VPGは、検査時間Tの間は定電流源100によるコンデンサ32の充電によってリニアに上昇し、検査時間Tが終了するとバイパストランジスタ102がオンして一瞬に電源電圧VREGのレベルまで引き上げられる。
【0114】
こうして、パワーグッド出力VPGは、LレベルからアクティブなHレベルに変わるときは、グランドレベルから急傾斜の直線的上昇と一瞬の垂直上昇とを経て電源電圧VREGのレベルに行き着く。負荷IC14においては、イネーブル信号入力回路で貫通電流を多く流さずにパワーグッド出力VPGのステータス情報を適確に識別して、適時に各部をイネーブル状態にすることができる。
【0115】
図10Bは、パワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加する場合である。この場合も、パワーグッド端子PGに接続される付加コンデンサ32のキャパシタンスC32は大きい値(たとえば100pF程度)としている。
【0116】
時点tで判定回路52の判定出力CMP-FBがLレベルからHレベルに変わると、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58がオフする。この場合も、出力トランジスタ58がオフすると、パワーグッド端子PGがグランド電位端子から電気的に分離され、定電流源100の出力電流ICHGがコンデンサ32に流れ込み、パワーグッド出力VPGがリニアに上昇する。
【0117】
しかし、付加コンデンサ32のキャパシタンスC32が大きいためにパワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が長く、検査時間Tが経過してもパワーグッド出力VPGは比較基準電圧VREF2に到達せず、コンパレータ70の出力はHレベルのままである。したがって、検査時間Tの終了時(t)にタイミング回路92のコンパレータ72の出力がLレベルからHレベルに変わると、これに応動してDFF86がコンパレータ70からのHレベルを取り込んでラッチし、出力(Q)および反転出力(Q-)がそれまでのLレベル、HレベルからHレベル、Lレベルにそれぞれ変わる。
【0118】
ここで、検査時間Tの終了時(t)にDFF86がコンパレータ70よりHレベルを取り込んだということは、パワーグッド出力VPGの上昇する立上り時間が長い方の第2の特性であることを判別回路64Φが判別したことを意味する。
【0119】
この場合、時点tで、DFF86の反転出力(Q-)がLレベルになることにより、OR回路90の出力SEL-DLYがそれまでのHレベルからLレベルに変わり、それによってロジック回路62(NAND回路66)の出力VがLレベルからHレベルに変わり、出力トランジスタ58はオン状態(第1の状態)に戻る。その結果、パワーグッド端子PGがオン状態の出力トランジスタ58を介してグランド電位に短絡接続され、パワーグッド出力VPGは一旦グランドレベルに戻される。
【0120】
一方、時点tで、DFF86の出力(Q)がHレベルになることにより、これに応動してタイマ回路88が設定遅延時間Tの計時(カウント)を開始する。そして、タイマ回路88が設定遅延時間Tの計時を終了して、その出力URがLレベルからHレベルに変わると(時点t)、OR回路90の出力SEL-DLYがLレベルからHレベルに変わって、ロジック回路62(NAND回路66)の出力VがHレベルからLレベルに変わり、出力トランジスタ58がオフする(第2の状態)。
【0121】
出力トランジスタ58がオフすると、コンデンサ32が定電流源100の出力電流IDHGによって充電され、パワーグッド出力VPGがリニアに上昇する。そして、パワーグッド出力VPGが比較基準電圧VREF2まで上昇すると(時点t)、そこでコンパレータ70の出力がHレベルからLレベルに変わって、NAND回路106の出力UPXがHレベルからLレベルに変わり、バイパストランジスタ102がオンする(第2の状態)。すると、パワーグッド端子PGがオン状態のバイパストランジスタ102を介して電源電圧VREGの端子に短絡接続され、パワーグッド出力VPGが一瞬に電源電圧VREGのレベルまで引き上げられる。つまり、検査時間Tが経過したときに、判別回路64Φはパワーグッドノードの電圧が比較基準時間VREF2に達しない第2の特性であることを判別し、制御回路60Φは設定遅延時間Tの計時を終了後に出力トランジスタ58を第2の状態に制御し、その後パワーグッド出力VPGが比較基準電圧VREF2まで上昇するとバイパストランジスタ102を出力電圧VOUTが正常であることを示す第2の状態に制御する。
【0122】
こうして、タイマカウント時間(設定遅延時間)Tの長さに関係なく(数10msec以上であっても)、パワーグッド出力VPGがLレベルからアクティブなHレベルに変わるときは、グランドレベルから比較的緩やかな傾斜の直線的上昇と一瞬の垂直上昇とを経て電源電圧VREGのレベルに行き着く。これにより、負荷IC14においては、イネーブル信号入力回路で貫通電流を多く流さずにパワーグッド出力VPGのステータス情報を適確に識別して、適時に各部をイネーブル状態にすることができる。このように、パワーグッド機能の効率性および信頼性を向上させることができる。

[他の実施形態又は変形例]
【0123】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、上述した実施形態は本発明を限定するものではない。当業者にあっては、具体的な実施態様において本発明の技術思想および技術範囲から逸脱せずに種々の変形・変更を加えることが可能である。
【0124】
たとえば、上述した実施形態は、電源IC12に内蔵されるパワーグッド回路50,50Φに係るものであった。しかしながら、本発明は、電源IC12から独立しているパワーグッド回路にも適用可能である。
【0125】
たとえば、図11に示す電子回路システムは、各々が独立した半導体回路装置またはICとして提供されるDC/DCコンバータ112、LDO(低ドロップリニアレギュレータ)114,116、負荷IC118,120およびパワーグッド回路50#を含んで構成されている。
【0126】
DC/DCコンバータ112は、直流の入力電圧VINを直流の電圧VOUT-Mainに変換し、変換した直流電圧VOUT-Mainを第1および第2のLDO(低ドロップリニアレギュレータ)114,116に供給する。両LDO114,116は、入力した直流電圧VOUT-Mainを直流の電圧VOUT1およびVOUT2にそれぞれ変換する。第1のLDO114の出力電圧VOUT1は第1の負荷IC118に供給され、第2のLDO116の出力電圧VOUT2は第2の負荷IC120に供給される。
【0127】
DC/DCコンバータ112の出力端子は、抵抗30#を介して第2のLDO116のイネーブル端子(EN)にも接続されており、さらにコンデンサ32#を介してグランド電位端子にも接続されている。抵抗30#はプルアップ抵抗として機能し、したがってDC/DCコンバータ112の出力端子はプルアップ用の電源電圧端子として機能する。また、コンデンサ32#は、そのキャパシタンスC32#がパワーグッド回路50#のパワーグッド出力VPGをアクティブ(Hレベル)にするタイミングに遅延時間を付加するか否かを選択するためのパラメータに用いられる。
【0128】
第1のLDO114の出力端子とグランド電位端子との間には、平滑コンデンサ122と抵抗124,126からなる電圧検出回路128とが並列に接続される。電圧検出回路128の出力ノードNは、LDO114のフィードバック端子FBおよびパワーグッド回路50#のフィードバック端子FBに接続される。
【0129】
パワーグッド回路50#は、電圧検出回路128を介して第1のLDO114の出力端子に接続され、第1のLDO114の出力電圧VOUT1を監視して、その出力電圧VOUT1が正常か否かを二値の論理レベルで示すパワーグッド出力VPGをパワーグッド端子PGより第2のLDO116に与える。上記のように、パワーグッド端子PGは、第2のLDO116のイネーブル端子ENに接続されるとともに、プルアップ抵抗30#を介してDC/DCコンバータ112の出力端子(電源電圧端子)に接続され、さらにはコンデンサ32#を介してグランド電位端子に接続されている。
【0130】
パワーグッド回路50#は、上記第1の実施形態におけるパワーグッド回路50と同様の回路構成および機能を有するものであってよい。したがって、第1のLDO114の出力電圧VOUT1が正常範囲に入ったときに、パワーグッド出力VPGが、コンデンサ32#のキャパシタンスC32#の大きさに応じて、即時にLレベルからアクティブなHレベルになり、あるいは設定遅延時間Tが経過してからアクティブなHレベルに変わる。パワーグッド出力VPGがアクティブなHレベルになると、これに応動して第2のLDO116がイネーブル状態になって動作し、その出力電圧VOUT2を負荷IC120に供給する。この実施形態のパワーグッド回路50#ないし電子回路システムにおいても、上記第1の実施形態と同様の作用効果が得られる。さらに、遅延時間の付与の有無を設定する機能を付けるうえでパッケージ端子の増設を不要とする本発明の効果は、端子数が極少ないパワーグッド回路50#のICパッケージで得られるため、より大なる利点となる。
【0131】
なお、この実施形態のように、パワーグッド回路50#の監視対象の出力電圧VOUT1が供給される半導体回路装置(負荷IC118)と、パワーグッド回路50#よりパワーグッド出力VPGを与えられる半導体回路装置(第2のLDO116)とが異なっていてもよい。
【0132】
図示省略するが、この実施形態の電子回路システムにおいて、上記第2の実施形態によるパワーグッド回路50Φを適用することも可能である。その場合は、プルアップ抵抗30#が除かれる。また、パワーグッド端子PGに接続する電源電圧として、DC/DCコンバータ112の出力電圧以外の電圧たとえば第1のLDO114の出力電圧VOUT1または内部電圧を用いることも可能である。
【0133】
一般に、パワーグッド回路は、所与の半導体回路装置の任意の出力電圧を監視対象とし、その出力電圧の状態を二値の論理レベルで示す出力電圧監視回路の一種として提供されている。本発明は、電源ICに内蔵または接続されるパワーグッド回路に限定されず、電源IC以外の半導体回路装置に内蔵または接続されるパワーグッド回路にも適用可能である。
【0134】
本発明のパワーグッド回路における判定回路は、監視対象の出力電圧が正常であるか否かを判定するために複数(たとえば下限および上限)の基準電圧を用いてもよい。
【0135】
上記第1の実施形態では、パワーグッド端子PGにプルアップ抵抗30と一緒にコンデンサ32を接続し、コンデンサ32のキャパシタンスC32の値を大小のいずれにするかによって遅延時間の付加の有無を設定するようにした。しかし、遅延時間を付加するときだけ程々大きなキャパシタンスC32を有するコンデンサ32をプルアップ抵抗30と一緒にパワーグッド端子PGに接続し、遅延時間を付加しないときはパワーグッド端子PGにコンデンサ32を接続しないでプルアップ抵抗30だけを接続することも可能である。
【0136】
さらには、監視対象の出力電圧が正常になったときにパワーグッド出力または電圧監視出力をアクティブ(Hレベル)にするタイミングについて、遅延時間を付加しないときは抵抗値R30の相当低いプルアップ抵抗30をパワーグッド端子PGに接続し、遅延時間を付加するときは抵抗値R30の相当高いプルアップ抵抗30をパワーグッド端子PGに接続することにより、パワーグッド端子PGにコンデンサを一切接続しない方法も可能である。
【符号の説明】
【0137】
12 電源IC
14 負荷IC
16 スイッチング電源
28 電圧検出回路
30,130 プルアップ抵抗
50,50Φ,50# パワーグッド回路
52 判定回路
58 出力トランジスタ
60,60Φ 制御回路
62 ロジック回路
64,64Φ 判別回路
70,72 コンパレータ
86 Dフリップフロップ(DFF)
88 タイマ回路
92 タイミング回路
100 定電流源
102 バイパストランジスタ
112 DC/DCコンバータ
114,116 低ドロップリニアレギュレータ(LDO)
118,120 負荷IC
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11