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特開2022-52257内視鏡用処置具装置及び内視鏡システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052257
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】内視鏡用処置具装置及び内視鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20220328BHJP
   A61B 1/018 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B1/018 515
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158526
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001988
【氏名又は名称】特許業務法人小林国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】出島 工
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK06
4C160KK17
4C160KL02
4C160MM32
4C160NN09
4C160NN10
4C160NN21
4C161DD03
4C161FF43
4C161HH26
4C161HH56
(57)【要約】
【課題】医師又は介助者が行うことができる処置具操作の種類を増加させ、連携の必要がなく処置具操作を行うことが可能となり、処置を行う人数を低減させることができる内視鏡用処置具装置及び内視鏡システムを提供する。
【解決手段】内視鏡用処置具装置20は、処置具本体21、オーバーシース22を備える。処置具本体21は、可撓性シース23、操作ワイヤ24、スネアワイヤ25、硬質部26を備える。操作ワイヤ24は、可撓性シース23に挿通される。硬質部26は、可撓性シース23の基端部に設けられている。オーバーシース22は、可撓性シース23、硬質部26が挿入された状態で、鉗子チャンネルに挿入される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の鉗子チャンネルに挿入される管状の可撓性シースと、前記可撓性シースに挿通された操作ワイヤと、前記可撓性シースの基端部に設けられ、前記可撓性シースよりも硬質な硬質部と、前記硬質部に連設される操作部と、を備えた処置具本体と、
前記可撓性シースと、前記硬質部とが挿入された状態で、前記鉗子チャンネルに挿入されるオーバーシースとを備えた内視鏡用処置具装置。
【請求項2】
前記オーバーシースは、前記硬質部と嵌合する嵌合部を有しており、
前記処置具本体は、前記硬質部と前記嵌合部とが嵌合する範囲内で、前記オーバーシースに対してスライドおよび回転可能である請求項1記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項3】
前記オーバーシースの長さは、前記可撓性シースよりも短い請求項1又は2記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項4】
前記オーバーシースは、基端部に前記処置具本体との隙間を埋めるシール部材を設けた請求項1ないし3のいずれか1項に記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項5】
前記シール部材は、前記オーバーシースの内部に収納された円環状の弾性部材である請求項4記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項6】
前記操作部の先端を前記オーバーシースの基端に当接させた場合、前記可撓性シースが前記オーバーシースの先端から突出する長さは、40cm以上270cm以下である請求項1ないし5のいずれか1項に記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項7】
前記オーバーシースは、前記鉗子チャンネルに対して挿入された挿入長さを示す指標を設けた1ないし6のいずれか1項に記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項8】
前記挿入長さを示す指標は印であり、前記オーバーシースの先端から、前記印までの寸法は4cmである請求項7記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項9】
前記挿入長さを示す指標は、前記オーバーシースの先端からの寸法を表す目盛りである請求項7記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項10】
前記オーバーシースは、前記鉗子チャンネルに挿入されるオーバーシース本体と、前記オーバーシース本体に設けられ、オーバーシースの挿入を規制するストッパを有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項11】
前記オーバーシース本体の先端から、前記ストッパまでの寸法は4cmである請求項10記載の内視鏡用処置具装置。
【請求項12】
鉗子チャンネル及び鉗子栓を設けた内視鏡と、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の内視鏡用処置具装置とを備えた内視鏡システム。
【請求項13】
鉗子チャンネル、鉗子栓、及び前記鉗子チャンネルに接続された吸引チャンネルを設けた内視鏡と、請求項7ないし11のいずれか1項に記載の内視鏡処置具装置とを備え、
前記内視鏡処置具装置は、前記オーバーシースが、前記鉗子チャンネルと前記吸引チャンネルとの分岐部に到達しない状態で、かつ前記鉗子チャンネルに挿入されている内視鏡システム。
【請求項14】
前記内視鏡は、前記オーバーシースを着脱自在とする着脱部材を設けた請求項12又は13記載の内視鏡システム。
【請求項15】
前記鉗子栓に対して前記オーバーシースを進退させる際の第1抵抗力は、前記オーバーシースに対して前記処置具本体を進退させる際の第2抵抗力よりも大きい請求項12ないし14のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通させて使用される内視鏡用処置具装置及び内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野において、被検者の体内に内視鏡の挿入部を挿入して、体内の観察だけではなく観察部位に対して各種の処置を行っている。具体的には、鉗子や切開具などの各種処置具を、内視鏡の操作部に設けられた鉗子口から挿入部内の鉗子チャンネルに挿通させて、挿入部先端に開口した鉗子出口から導出させることにより、観察部位の切除、採取等の各種の処置が行われる。
【0003】
特許文献1には、可撓性シースと、処置具本体と、可撓性シースを内視鏡の操作部に取り付けるための取付部とを備える内視鏡用処置具について記載されている。可撓性シースは、内視鏡の鉗子チャンネルを通して、体腔内に挿入される。処置具本体は、可撓性の操作ワイヤと、操作ワイヤの先端に設けられた処置部と、操作ワイヤの基端に連結された硬質のパイプとから構成されている。操作ワイヤおよびパイプは、可撓性シースに対して進退可能に支持されている。処置部は、可撓性シースの内部に収納されている際は収縮し、可撓性シースの先端から突出した際は拡開するスネアワイヤである。これにより、体腔内に挿入された可撓性シースの先端から、処置部を突出させて拡開する操作を内視鏡の操作部付近で行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4663345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
医療分野では、感染症に対してさらなる予防対策を講じることが望まれている。このため、内視鏡及び処置具を使用した各種の処置においても、なるべく少ない人数で行うことで感染のリスクを低減させることが求められている。また、医療人材不足や医療費の負担増加という問題からも、少ない人数で処置を行うことが望まれている。また、内視鏡を操作する医師の他に、処置具を操作する介助者が存在する場合、医師と介助者の連携が良くなければ、処置をスムーズに行うことができないという問題もある。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1記載の内視鏡用処置具では、医師が内視鏡を操作している際、医師が行うことができる内視鏡用処置具の操作としては、処置具を鉗子チャンネルに対して進退させる操作のみである。すなわち、処置具を鉗子チャンネルに対して進退させる操作以外の操作、例えば、処置部を拡開又は収縮させる操作や、鉗子チャンネルに対して処置具を中心軸回りに回転させる操作については、介助者による介助が必要となり、医師は介助者に指示を出すなど操作の連携が必要となる。また処置を行う人数を低減させることができない。
【0007】
本発明は、内視鏡を操作している医師又は介助者のどちらかが行うことができる処置具操作の種類を増加させ、連携の必要がなく処置具操作を行うことが可能となり、かつ医師が操作主体の場合、処置を行う人数を低減させることができる内視鏡用処置具装置及び内視鏡システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の内視鏡用処置具装置は、処置具本体と、オーバーシースとを備えている。処置具本体は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿入される管状の可撓性シースと、可撓性シースに挿通された操作ワイヤと、可撓性シースの基端部に設けられ、可撓性シースよりも硬質な硬質部と、硬質部に連設される操作部と、を備えている。オーバーシースは、可撓性シースと、硬質部とが挿入された状態で、鉗子チャンネルに挿入される。
【0009】
オーバーシースは、硬質部と嵌合する嵌合部を有しており、処置具本体は、硬質部と嵌合部とが嵌合する範囲内で、オーバーシースに対してスライドおよび回転可能であることが好ましい。
【0010】
オーバーシースの長さは、可撓性シースよりも短いことが好ましい。オーバーシースは、基端部に処置具本体との隙間を埋めるシール部材を設けたことが好ましい。シール部材は、オーバーシースの内部に収納された円環状の弾性部材であることが好ましい。
【0011】
操作部の先端をオーバーシースの基端に当接させた場合、可撓性シースがオーバーシースの先端から突出する長さは、40cm以上270cm以下であることが好ましい。
【0012】
オーバーシースは、鉗子チャンネルに対して挿入された挿入長さを示す指標を設けたことが好ましい。挿入長さを示す指標は印であり、オーバーシースの先端から、印までの寸法は4cmであることが好ましい。あるいは、挿入長さを示す指標は、オーバーシースの先端からの寸法を表す目盛りであることが好ましい。
【0013】
オーバーシースは、鉗子チャンネルに挿入されるオーバーシース本体と、オーバーシース本体に設けられ、オーバーシースの挿入を規制するストッパを有することが好ましく、オーバーシース本体の先端から、ストッパまでの寸法は4cmであることがさらに好ましい。
【0014】
本発明の内視鏡システムは、鉗子チャンネル及び鉗子栓を設けた内視鏡と、上記内視鏡用処置具装置とを備える。
【0015】
本発明の内視鏡システムは、鉗子チャンネル、鉗子栓、及び鉗子チャンネルに接続された吸引チャンネルを設けた内視鏡と、内視鏡処置具装置とを備え、内視鏡処置具装置は、オーバーシースが、鉗子チャンネルと吸引チャンネルとの分岐部に到達しない状態で、かつ鉗子チャンネルに挿入されている。
【0016】
内視鏡は、オーバーシースを着脱自在とする着脱部材を設けたことが好ましい。鉗子栓に対してオーバーシースを進退させる際の第1抵抗力は、オーバーシースに対して処置具本体を進退させる際の第2抵抗力よりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、内視鏡を操作している医師又は介助者のどちらかが行うことができる処置具操作の種類を増加させ、連携の必要がなく処置具操作を行うことが可能となり、かつ医師が操作主体の場合、処置を行う人数を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】内視鏡及び内視鏡用処置具装置を用いた内視鏡検査を示す概略図である。
図2】内視鏡及び内視鏡用処置具装置の正面図である。
図3】内視鏡用処置具装置の正面図である。
図4】スネアワイヤを拡開させた状態(A)と収縮させた状態(B)の説明図である。
図5】オーバーシースの要部断面図である。
図6】オーバーシースの構成を示す分解斜視図である。
図7】内視鏡用処置具装置の斜視図である。
図8】内視鏡用処置具装置を内視鏡に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
図9】内視鏡用処置具装置を用いて処置を行う動作について説明する説明図である。
図10】内視鏡用処置具装置を用いて病変部を処置する際の説明図であり、病変部の位置に可撓性シースの先端部の位置を合わせた状態(A)、及びスネアワイヤを突出させた状態(B)の説明図である。
図11】内視鏡用処置具装置を用いて病変部を処置する際の説明図であり、病変部をスネアワイヤによって囲んだ状態(A)、及び病変部を切除した状態(B)の説明図である。
図12】第2実施形態の内視鏡用処置具装置の正面図である。
図13】第2実施形態の内視鏡用処置具装置と、内視鏡の鉗子チャンネルとの寸法関係を示す説明図である。
図14】第1変形例の内視鏡用処置具装置の正面図である。
図15】第1変形例の内視鏡用処置具装置と、内視鏡の鉗子チャンネルとの寸法関係を示す説明図である。
図16】第2変形例の内視鏡用処置具装置の正面図である。
図17】第3変形例の内視鏡用処置具装置の正面図である。
図18】第4変形例における、内視鏡検査及び処置を行う際の動作について説明する説明図である。
図19】第5変形例における、内視鏡検査及び処置を行う際の動作について説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
図1に示すように、本発明の内視鏡システム1は、内視鏡2、プロセッサ装置11、光源装置12、ディスプレイ13、UI(User InterFace、ユーザーインターフェース)14、吸引装置18、高周波電源19、及び内視鏡用処置具装置20等を備える。内視鏡2は、例えば、食道及び胃等の上部消化管内視鏡であり、被検体である患者Pの上部消化管内に挿入される挿入部3と、挿入部3の基端部に連設された操作部4と、操作部4に接続されたユニバーサルコード5とを備えている。
【0020】
ユニバーサルコード5は、コネクタ5Aを介して、プロセッサ装置11や光源装置12などの外部装置に接続される。プロセッサ装置11は、ディスプレイ13及びUI14と電気的に接続される。UI14は、キーボード、マウス、タッチパッド、マイク等を有し、ユーザである医師Dの入力操作を受け付ける。
【0021】
図2に示すように、挿入部3は、その先端側から基端側に向かって順に、先端硬性部3aと、湾曲部3bと、可撓性を有する可撓管部3cとからなる。先端硬性部3aの先端面には、図示は省略するが観察窓や照明窓が設けられている。観察窓の奥にはイメージセンサ10(図10及び図11参照)などが配置され、照明窓の奥には光ファイバケーブル(図示せず)が配置されている。イメージセンサの信号線や光ファイバケーブルは、挿入部3、操作部4、ユニバーサルコード5、及びコネクタ5A内を通って、プロセッサ装置11、光源装置12にそれぞれ接続される。プロセッサ装置11は、イメージセンサ10により撮像した内視鏡画像に画像処理等を施してディスプレイ13に表示させる。湾曲部3bは先端硬性部3aに連設され、湾曲自在に設けられている。
【0022】
患者Pの口Mから内視鏡2の挿入部3を挿入する際、患者Pの口には内視鏡用マウスピース15が装着される。内視鏡用マウスピース15は、挿入部3を挿通するための管路(図示せず)を有している。内視鏡用マウスピース15は、一部を患者Pの口Mに挿入し、その挿入された部分を患者Pがくわえることによって患者Pの口に装着される。これにより、管路を通して挿入部3を体内に導入することが可能になる。
【0023】
挿入部3内には、後述する処置具本体21及びオーバーシース22を挿通するための鉗子チャンネル8が配設されている。鉗子チャンネル8の一端は鉗子出口7に接続し、他端は操作部4に設けられた鉗子口9に接続している。鉗子口9には、鉗子栓16が設けられている。また、鉗子チャンネル8は、鉗子出口7から水等の洗浄液を送液するための経路、及び血液等の体液や体内老廃物等の内容物を吸引するための経路としても用いられる。操作部4内には、鉗子チャンネル8から分岐した、吸引チャンネル17が配設されており、この吸引チャンネル17は一端が鉗子チャンネル8に、他端が操作部4に設けられた操作ボタン4Aに接続している。
【0024】
操作ボタン4Aは、内部に設けられた吸引バルブ(図示せず)を備える。吸引バルブは、操作部4内において吸引チャンネル17と接続されるとともに、操作部4及びユニバーサルコード5、コネクタ5A内等に配設された管路(図示せず)を介して、外部の吸引装置18と接続される。吸引装置18は、例えば、負圧を生じさせる吸引ポンプである。操作ボタン4Aの押圧部を押圧操作することにより、吸引チャンネル17と吸引装置18の管路が連通する。これにより、被検体内等に挿入した挿入部3の鉗子出口7から、体液等を吸引することができる。また、押圧部の押圧操作を解除することにより、吸引チャンネル17と吸引装置18の管路の連通が遮断され、鉗子出口7からの吸引を停止することができる。
【0025】
高周波電源19は、内視鏡用処置具装置20の後述するスネアワイヤ25に高周波電流を流す。これにより、病変部を切除することができる。
【0026】
図3に示すように、内視鏡用処置具装置20は、処置具本体21と、オーバーシース22とを備える。処置具本体21は、例えば、高周波電流を流すことによって病変部を切除することができる高周波スネアである。処置具本体21は、可撓性シース23と、操作ワイヤ24と、処置部としてのスネアワイヤ25と、硬質部26と、操作部27とを備える。可撓性シース23は、可撓性を有する材料、例えば軟質樹脂から形成された管状のシースであり、オーバーシース22とともに、内視鏡2の鉗子チャンネル8に挿入される。操作ワイヤ24は、スネアワイヤ25と一体に設けられており、可撓性シース23に挿通されている。
【0027】
硬質部26は、可撓性シース23の基端部に設けられ、可撓性シース23よりも硬質な材料、例えば、硬質樹脂から形成されている。硬質部26は、可撓性シース23と同軸上、すなわち、鉗子チャンネル8への挿入方向Zと平行な中心軸上に配設されている。硬質部26は、円筒状に形成され、後述する嵌合部31B、32Bと嵌合する。
【0028】
操作部27は、操作部本体28と、操作部本体28にスライド自在に支持されたスライダ29とを備える。上述したように可撓性シース23の基端部には、硬質部26が設けられ、さらに操作部本体28は、硬質部26の基端部に連設されている。
【0029】
操作部本体28には、指掛け部28A、および挿入方向Zと平行な円柱部28Bが設けられている。スライダ29は、円柱部28Bに係合しており、円柱部28Bに沿って、可撓性シース23の軸方向にスライド移動する。患者Pに処置を施す際には、指掛け部28Aにユーザの親指が掛けられ、同じユーザの人指し指と中指がスライダ29に掛けられる。スライダ29には、操作ワイヤ24の基端が固定されている。このため、操作ワイヤ24は、スライダ29のスライド移動に伴って、可撓性シース23内でその軸方向に押し引き動作される。
【0030】
図4(A)に示すように、スネアワイヤ25は、操作ワイヤ24の押し引き動作により、可撓性シース23の挿入方向Zにおける先端から突出した場合、ループ状に拡開する。これにより、スネアワイヤ25は、病変部を囲むことができる。一方、図4(B)に示すように、スライダ29のスライド移動に伴う操作ワイヤ24の押し引き操作によって、可撓性シース23の内部に収納されている場合、スネアワイヤ25は収縮状態となる。
【0031】
図5に示すように、オーバーシース22は、オーバーシース本体31と、シール保持部材32と、シール部材33と、蓋部材34とが一体に設けられている。オーバーシース本体31は、可撓性を有する材料、例えば軟質樹脂から形成された管状のシースであり、内視鏡2の鉗子チャンネル8に挿入される。
【0032】
オーバーシース本体31は、管路31A、及び嵌合部31Bを有する。管路31Aは、処置具本体21の可撓性シース23が挿入される。嵌合部31Bは、管路31Aと連通し、管路31Aよりも内径が大きく形成されている。嵌合部31Bは、処置具本体21の硬質部26とスライドおよび回転自在に嵌合する。なお、オーバーシース22において、シール部材33を除く、オーバーシース本体31、シール保持部材32、及び蓋部材34は、例えば軟質樹脂などの軟質素材から形成されている。
【0033】
シール保持部材32は、オーバーシース本体31の挿入方向Zにおける基端部に固着され、オーバーシース本体31の外周面から突出している。シール保持部材32は、一対の凹部32A、嵌合部32B、開口部32C、及び係合凸部32Dを有する。一対の凹部32Aは、シール保持部材32の外形において凹となる部分であり、挿入方向Zと直交する方向にくびれている。凹部32Aは、後述する着脱部材40と係合する。嵌合部32Bは、オーバーシース本体31の嵌合部31Bと連通する。嵌合部32Bは、嵌合部31Bと同様に、処置具本体21の硬質部26とスライドおよび回転自在に嵌合する。
【0034】
図6に示すように、開口部32Cは、嵌合部32Bの挿入方向Zにおける基端に形成されている。開口部32Cは、シール部材33の外形に合わせて形成された円形状の開口部である。シール部材33は、円環状の弾性部材、例えばゴム部材から形成されている。シール部材33は、開口部32Cの内部に収納される。すなわち、シール部材33は、オーバーシース22の基端部に設けられ、オーバーシース22と処置具本体21との隙間を埋めるものである。これにより、各種処置の際、及び処置具本体21とオーバーシース22との気密性を向上させ、胃内の空気や二酸化炭素の抜けを防止し、医師又は介助者にとって快適な空間で各種処置を行うことができる。
【0035】
シール保持部材32の挿入方向Zにおける基端部の端面形状は、円形状または楕円形状である。係合凸部32Dは、開口部32Cの周囲に配され、挿入方向Zの基端側に向かって突出する円筒状の凸部である。
【0036】
蓋部材34は、シール保持部材32の基端部と同じまたは一回り大きい形状に形成されている。蓋部材34は、貫通孔34A、及び係合凹部34Bが形成されている。貫通孔34Aは、蓋部材34の中心に位置する円形の貫通孔である。貫通孔34Aは、嵌合部31B、32Bと同じ内径を有する。
【0037】
係合凹部34Bは、シール保持部材32と対面する側、すなわち蓋部材34の挿入方向Zにおける先端側の端面に形成されている。係合凹部34Bは、シール保持部材32の係合凸部32Dの外形に合わせた円形状の凹部である。係合凹部34Bが係合凸部32Dと係合することにより、蓋部材34は、シール保持部材32と結合する。この際、蓋部材34は、シール保持部材32との間に、シール部材33を挟み込む。これにより、シール部材33は、挿入方向Zにおける移動が規制され、シール保持部材32の内部に固定される。
【0038】
図7に示すように、オーバーシース22は、管路31Aに可撓性シース23が挿入され、かつ嵌合部31B、32Bに硬質部26が挿入される。処置具本体21は、硬質部26と嵌合部31B、32Bとが嵌合する範囲内で、オーバーシース22に対してスライドおよび回転可能である。さらにこの状態では、スライダ29のスライド移動に伴う操作ワイヤ24の押し引き操作によって、スネアワイヤ25を拡開状態又は収縮状態にすることができる。
【0039】
なお、処置具本体21の操作部27の外形状は、硬質部26の外形状よりも大きいため、オーバーシース22に対して処置具本体21を挿入方向Zの先端側へスライドさせると、操作部27がオーバーシース22の基端に突き当たる。これにより、ユーザは、オーバーシース22に対して処置具本体21が、挿入方向Zの先端側へこれ以上スライドさせることができないことを認識することができる。
【0040】
また、挿入方向Zにおけるオーバーシース22の長さL11(図3参照)は、可撓性シース23の長さL12(図3参照)よりも短い。これにより、オーバーシース22に可撓性シース23及び硬質部26が挿入された場合、可撓性シース23の先端がオーバーシース22の先端から突出する。よって、操作ワイヤ24を押し引き操作した場合、スネアワイヤ25がオーバーシース22と接触することが無く、スネアワイヤ25を拡開状態にすることができる。また、挿入方向Zにおける硬質部26の長さL13は70mm以上100mm以下であることが好ましい。これにより、硬質部26と嵌合部31B、32Bとが嵌合する範囲を十分に確保することが可能となり、オーバーシース22に対して処置具本体21を容易にスライドおよび回転させることができる。
【0041】
図8に示すように、内視鏡用処置具装置20は、オーバーシース22に可撓性シース23及び硬質部26が挿入された状態で、内視鏡2の鉗子チャンネル8に挿入される。具体的には、鉗子栓16の内部に形成されたスリット弁(図示せず)等を通して鉗子口9から鉗子チャンネル8へオーバーシース22が挿入される。
【0042】
内視鏡2の操作部4には、着脱部材40が設けられている。着脱部材40は、互いに対向する一対の凸部40Aが形成されている。凸部40Aは、オーバーシースの凹部32Aに合わせて形成されている。凸部40Aと凹部32Aとを係合させることによって、着脱部材40は、オーバーシース23を着脱自在に取り付けることができる。
【0043】
内視鏡システム1では、鉗子栓16に対してオーバーシース22を進退させる際の第1抵抗力をR1、オーバーシース22に対して処置具本体21を進退させる際の第2抵抗力をR2とすると、第1抵抗力R1は、第2抵抗力R2よりも大きい。なお、ここでいう第1抵抗力R1とは、主に鉗子栓16とオーバーシース本体31との間に生じる摩擦力であり、第2抵抗力R2とは、主にオーバーシース22のシール部材33と処置具本体21の硬質部26との間に生じる摩擦力である。第2抵抗力R2よりも第1抵抗力R1を大きくするためには、例えば、シール部材33として表面が滑らかな(摩擦の小さい)素材を選択したり、硬質部26の外径とシール部材33の内径との寸法差を調節すればよい。
【0044】
内視鏡システム1を用いて、ユーザである医師Dが、内視鏡用処置具装置20による処置を行う際の動作について説明する。先ず、医師Dは、患者Pの体内に内視鏡2の挿入部3を挿入し、イメージセンサ10により撮像した内視鏡画像を観察して、病変部50(図10参照)などの関心領域を発見し、処置を行う箇所を決定する。そして、図9に示すように、先ず、オーバーシース22に可撓性シース23及び硬質部26が挿入された状態を保持したまま、医師Dは、鉗子チャンネル8へオーバーシース22及び可撓性シース23を挿入する。この際、医師Dは、操作部27の操作によりスネアワイヤ25を収縮状態としている。次に医師Dは、着脱部材40に係合させることにより、オーバーシース22を内視鏡2の操作部4に取り付ける。
【0045】
上述したように処置具本体21は、硬質部26と嵌合部31B、32Bとが嵌合する範囲内で、オーバーシース22に対してスライドおよび回転が可能である。すなわち、オーバーシース22及び処置具本体21が鉗子チャンネル8に挿入されている場合、処置具本体21は、鉗子チャンネル8に対して一定の範囲内でのスライドおよび回転が可能となる。これにより、医師Dは、イメージセンサ10により撮像した内視鏡画像を観察しながら、オーバーシース22に対して処置具本体21をスライドさせて、病変部50の位置に可撓性シース23の先端部の位置を合わせることができる(図10(A)に示す状態)。この操作を行う際、医師Dは、内視鏡2の操作部4を一方の手DH1で把持し、処置具本体21を他方の手DH2で把持して操作を行うことができる。
【0046】
次に、他方の手DH2により操作部27を操作してスネアワイヤ25を突出させて、あるいはオーバーシース22に対して処置具本体21を回転させて、病変部50の位置にスネアワイヤ25の位置を合わせる(図10(B)に示す状態)。さらに医師Dは、例えば、一方の手DH1により内視鏡2を操作して湾曲部3bを湾曲させる。これにより、スネアワイヤ25の位置を病変部50の位置に接近させ、病変部50をスネアワイヤ25のループによって囲む(図11(A)に示す状態)。そして、医師Dは、高周波電源19を操作してスネアワイヤ25に高周波電流を流すことにより、病変部50を患者Pの体内から切除することができる(図11B)に示す状態)。
【0047】
以上のように、内視鏡用処置具装置20及びこれを含む内視鏡システム1を用いた場合、医師Dは、内視鏡2の操作に加えて、鉗子チャンネル8に対する処置具本体21のスライドおよび回転を行う操作、さらにスネアワイヤ25の収縮及び拡開という複数種類の処置を一人で行うことができる。これにより、連携の必要がなく処置具操作を行うことが可能となり、かつ医師が操作主体の場合、処置を行う人数を低減させることができる。
【0048】
また、着脱部材40を介してオーバーシース22を操作部4に取り付けることができるため、医師Dが行う操作が操作部4の付近に集中し、処置具本体21の操作を安定して行うことができる。さらにまた、鉗子栓16に対してオーバーシース22を進退させる際の第1抵抗力R1は、オーバーシース22に対して処置具本体21を進退させる際の第2抵抗力R2よりも大きいため、処置具本体21を操作している際、オーバーシース22が移動することを規制することができる。これにより、処置具本体21の操作をさらに安定して行うことができる。
【0049】
[第2実施形態]
以下で説明する第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加えて、可撓性シース23がオーバーシース22の先端から突出する長さについて規定する。図12に示すように、処置具本体21の操作部27の先端をオーバーシース22の基端に当接させた場合、すなわち、処置具本体21がオーバーシース22に突き当たる位置までスライドさせた場合、可撓性シース23がオーバーシース22の先端から突出する長さL21は、40cm以上270cm以下である。なお、この長さL21を規定したこと以外の構成は上記第1実施形態と同様であり、説明を省略する。
【0050】
上述した長さL21は、鉗子チャンネル8の鉗子出口7から分岐部8Aまでの長さL22に基づいて決められている。すなわち、鉗子チャンネル8の鉗子出口7から分岐部8Aまでの長さL22よりも、処置具本体21の操作部27の先端をオーバーシース22の基端に当接させた場合、可撓性シース23がオーバーシース22の先端から突出する長さL21が長いことが好ましい。なお、分岐部8Aは、鉗子チャンネル8と、吸引チャンネル17とが合流する位置である。これにより、鉗子チャンネル8に挿入されたオーバーシース22が分岐部8Aの位置まで到達することを防ぐことができる。このため、鉗子チャンネル8内の処置具本体21の外径がオーバーシース22で覆われている箇所よりも小さい。よって、鉗子チャンネル8からの吸引を妨げることがない。
【0051】
もし、鉗子チャンネル8に挿入されたオーバーシース22が、分岐部8Aの位置まで到達すると、可撓性シース23よりも外径が大きいオーバーシース22が鉗子チャンネル8を塞いでしまうため、鉗子チャンネル8からの吸引が妨げられてしまうが、本実施形態では、上記のように、処置具本体21の操作部27の先端をオーバーシース22の基端に当接させた場合、可撓性シース23がオーバーシース22の先端から突出する長さL21を規定しているので、鉗子チャンネル8からの吸引が妨げられることがない。
【0052】
[第1変形例]
上記第2実施形態の変形例として、図14に示すように、鉗子チャンネル8に対してオーバーシース22が挿入された挿入長さを示す指標55を、オーバーシース22に設けてもよい。指標55は、オーバーシース本体31の先端から所定の挿入長さL31の位置に設けられた印である。すなわち、鉗子チャンネル8に対してオーバーシース22が指標55の位置まで挿入された場合、所定の挿入長さL31まで挿入されていることを示すものである。
【0053】
図15に示すように、指標55が設けられている位置を示す挿入長さL31は、鉗子チャンネル8の鉗子栓16から分岐部8Aまでの長さL32以下である。例えば、挿入長さL31は4cmである。すなわち、鉗子チャンネル8に対してオーバーシース22を指標55の位置まで挿入させた場合、ユーザは、オーバーシース22が分岐部8Aの位置、又はその付近まで挿入したことを認識することができる。これにより、ユーザは、オーバーシース22の挿入長さを調整し、鉗子チャンネル8に挿入されたオーバーシース22が分岐部8Aの位置まで到達しない状態で、かつ内視鏡用処置具装置20が内視鏡2に接続された状態、すなわち鉗子チャンネル8に挿入された状態とすることができる。このため、吸引チャンネル17による鉗子チャンネル8からの吸引が妨げられることがない。
【0054】
[第2変形例]
なお、鉗子チャンネル8に対してオーバーシース22が挿入された挿入長さを示す指標としては、上記変形例に限るものではなく、図16に示すように、オーバーシース22の挿入長さ、すなわちオーバーシース本体31の先端からの寸法を表す目盛り56を指標として設けてもよい。これにより、医師又は介助者は、挿入長さを表す指標56を見ながら、オーバーシース22が分岐部8Aに到達しない状態で、かつ内視鏡用処置具装置20が内視鏡2に接続された状態、すなわち鉗子チャンネル8に挿入された状態とすることができる。よって、上記第1変形例と同様の効果を得ることができる。
【0055】
[第3変形例]
なお、鉗子チャンネル8に対してオーバーシース22が挿入された挿入長さを示す指標に代えて、図17に示すように、オーバーシース本体31の先端から所定の寸法L33の位置にストッパ57を設けてもよい。所定の寸法L33は、4cmである。ストッパ57は、オーバーシース本体31と一体に設けられ、オーバーシース本体31の外周面から突出する。これにより、オーバーシース本体31を鉗子チャンネル8に挿入した場合、ストッパ57が鉗子栓14と当接して、オーバーシース22の挿入を規制する。すなわち、ストッパ57と鉗子栓14とが当接する位置より先には、オーバーシース22が挿入できないようにすることができる。医師又は介助者は、ストッパ57が鉗子栓14に当接することにより、オーバーシース22が分岐部8Aに到達しない状態で、かつ内視鏡用処置具装置20が内視鏡2に接続された状態、すなわち鉗子チャンネル8に挿入された状態とすることができる。よって、上記第1及び第2変形例と同様の効果を得ることができる。
【0056】
[第4変形例]
上記第1及び第2実施形態では、医師Dが複数種類の処置を一人で行う例を上げているが、これに限らず、医師Dと介助者Hとで処置を行ってもよい。例えば、図18に示すように、医師Dが両手で内視鏡2の操作をしている場合、介助者Hが内視鏡用処置具装置20の操作を行うことができる。すなわち、上記第1及び第2実施形態の内視鏡用処置具装置20の構成により、介助者Hは、鉗子チャンネル8に対する処置具本体21のスライドおよび回転を行う操作、さらにスネアワイヤ25の収縮及び拡開、さらに高周波電源19によるスネアワイヤ25への通電操作という複数種類の処置を行うことができる。すなわち、介助者が行うことができる処置具操作の種類が増加し、連携の必要がなく処置具操作を行うことができる。以上のように、医師Dが一人で処置を行う場合だけでなく、複数人による処置にも対応することができる。なお、この場合、介助者Hがオーバーシース22及び処置具本体21を自由に扱えるように、着脱部材40との係合を解除して内視鏡2の操作部4からオーバーシース22を取り外すことが好ましい。
【0057】
[第5変形例]
また、図19に示すように、医師Dと介助者Hが連携して処置を行ってもよい。例えば、医師Dは、内視鏡2の操作、及び鉗子チャンネル8へのオーバーシース22の挿入、高周波電源19によるスネアワイヤ25への通電操作等を行い、介助者Hは、鉗子チャンネル8に対する処置具本体21のスライド及び回転を行う操作、さらにスネアワイヤ25の収縮及び拡開を行うというように、内視鏡用処置具装置20に関する操作を分担して行うことができる。なお、この場合、介助者Hがオーバーシース22及び処置具本体21を自由に扱えるように、着脱部材40との係合を解除して内視鏡2の操作部4からオーバーシース22を取り外すことが好ましい。
【0058】
上記各実施形態では、処置具本体21として、処置部としてのスネアワイヤ25を備え、
操作ワイヤ24の押し引き動作により可撓性シース23の先端から突出した場合、ループ状に拡開する高周波スネアを例に上げているが、処置具本体21としては、これに限らず、可撓性シース23と、可撓性シース23に挿通された操作ワイヤ24と、可撓性シース23の基端部に設けられた硬質部26と、硬質部26に連設される操作部27とを少なくとも備えたものであればよく、例えば、穿刺針、超音波振動子を備えた処置具等でもよい。さらに、操作ワイヤ24の押し引き操作により拡開する処置部を備えるものが好ましく、例えば、体内の生体組織を挟む鉗子、鉗子に高周波電流を通電するクラッチカッタなどを処置具本体21として適用してもよい。また、上記各実施形態では、内視鏡の一例として上部消化管内視鏡を上げているが、これに限らず、鉗子栓を備えた内視鏡であればよく、例えば気管支鏡、又は下部消化管内視鏡でもよい。
【0059】
[付記項1]
医師又は介助者は、挿入長さを示す指標を見ながら、オーバーシースが鉗子チャンネルと吸引チャンネルとの分岐部に到達しない状態で、かつ内視鏡用処置具装置が内視鏡に接続された状態とする内視鏡用処置具装置の装着方法。
【符号の説明】
【0060】
1 内視鏡システム
2 内視鏡
3 挿入部
3a 先端硬性部
3b 湾曲部
3c 可撓管部
4 操作部
4A 操作ボタン
5 ユニバーサルコード
5A コネクタ
7 鉗子出口
8 鉗子チャンネル
8A 分岐部
9 鉗子口
10 イメージセンサ
11 プロセッサ装置
12 光源装置
13 ディスプレイ
14 UI(User InterFace)
15 内視鏡用マウスピース
16 鉗子栓
17 吸引チャンネル
18 吸引装置
19 高周波電源
20 内視鏡用処置具装置
21 処置具本体
22 オーバーシース
23 可撓性シース
24 操作ワイヤ
25 スネアワイヤ
26 硬質部
27 操作部
28 操作部本体
28A 指掛け部
28B 円柱部
29 スライダ
31 オーバーシース本体
31A 管路
31B 嵌合部
32 シール保持部材
32A 凹部
32B 嵌合部
32C 開口部
32D 係合凸部
33 シール部材
34 蓋部材
34A 貫通孔
34B 係合凹部
40 着脱部材
40A 凸部
50 病変部
55 指標
56 目盛り
57 ストッパ
D 医師
DH1 一方の手
DH2 他方の手
H 介助者
L11、L12、L13、L21、L22、L31、L32、L33 長さ
M 口
P 患者
R1 第1抵抗力
R2 第2抵抗力
Z 挿入方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19