(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054010
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】電気泳動装置およびキャピラリユニット
(51)【国際特許分類】
G01N 27/447 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
G01N27/447 331H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020160959
(22)【出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】富永 幸夫
(57)【要約】
【課題】中空電極の内側への液体流入を抑制した信頼性を高い電気泳動装置を提供する。
【解決手段】キャピラリと、前記キャピラリが貫通する中空電極と、前記キャピラリおよび前記中空電極を保持する保持部と、前記保持部へ加圧された気体を供給する気体供給部と、を備え、前記保持部は、前記キャピラリおよび前記中空電極が、試料または試薬を収容する容器内に挿入され、前記保持部には、前記気体供給部によって供給された前記気体を前記容器内へ流す流路が形成され、前記中空電極の側面には、前記気体を内側に通す孔が形成されたことを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャピラリと、
前記キャピラリが貫通する中空電極と、
前記中空電極に電圧を印加する電源と、
前記キャピラリおよび前記中空電極を保持する保持部と、
前記保持部へ加圧された気体を供給する気体供給部と、
前記キャピラリ内にて泳動分離された試料に励起光を照射したときに発生する蛍光を検出する検出器と、
試料または試薬が収容された容器を搬送するオートサンプラと、を備え、
前記保持部は、前記容器の上方に位置して、前記キャピラリおよび前記中空電極が前記容器内に挿入され、
前記保持部には、前記気体供給部によって供給された前記気体を前記容器内へ流す流路が形成され、
前記中空電極の側面には、前記気体を内側に通す孔が形成された電気泳動装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気泳動装置において、
前記孔の開口領域のうち少なくとも一部は、容器の上端より高い位置にあることを特徴とする電気泳動装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電気泳動装置において、
前記孔は、前記保持部の下端よりも低い位置にあることを特徴とする電気泳動装置。
【請求項4】
請求項1に記載の電気泳動装置において、
前記流路の吐出口が前記容器に向けて下面に設けられ、前記孔が前記吐出口よりも低い位置にあることを特徴とする電気泳動装置。
【請求項5】
請求項1に記載の電気泳動装置において、
前記流路の吐出口が前記中空電極の側面に向けて設けられ、前記吐出口と前記孔が連結されたことを特徴とする電気泳動装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気泳動装置において、
前記流路は、前記容器に向けて下面に設けられた別の吐出口を有することを特徴とする電気泳動装置。
【請求項7】
請求項5に記載の電気泳動装置において、
前記中空電極の側面には、前記保持部の下端よりも低い位置に、前記気体を外側に通す別の孔が形成されたことを特徴とする電気泳動装置。
【請求項8】
請求項1に記載の電気泳動装置において、
前記オートサンプラ上には、前記容器の外壁に嵌合する凹面を有するトレイが配置されたことを特徴とする電気泳動装置。
【請求項9】
キャピラリと、
前記キャピラリが貫通する中空電極と、
前記中空電極を保持し、試料または試薬が収容された容器の上方に位置するマニホールドと、
前記キャピラリを保持し、前記マニホールドに対して上方から固定されるロードヘッダと、
を備え、
前記マニホールドには、前記容器内に気体を流す流路が形成され、
前記中空電極の側面には、前記気体を内側に通す孔が形成されたキャピラリユニット。
【請求項10】
請求項9に記載のキャピラリユニットにおいて、
前記ロードヘッダは、電気泳動装置の筐体に固定された前記マニホールドに対して、着脱可能であることを特徴とするキャピラリユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動装置およびキャピラリユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
蛋白質などの生体試料を分析する技術として、キャピラリを用いた電気泳動装置が広く普及している。その技術的な利点の一つは、キャピラリ内で試料を電気泳動することにより、試料の分離を高速でしかも高分解能で実現できるところにある。
【0003】
こうした電気泳動装置で用いられるキャピラリは、一般に内径数十~数百μmの石英ガラス製の細管であり、中空電極の内側に通すことで、折損などから保護される。また、キャピラリへの試料の注入は、電気的手段や圧力印加手段などにより行われる。特に、圧力印加手段は、キャピラリの一方端に液体試料を浸漬した状態で、液体試料の液面を加圧空気等で加圧することで、キャピラリ内部に試料を注入する。例えば、特許文献1には、ヘッド部材に設けられた圧力入口チャネル等を通って、バイアル(容器)中の液体に圧力を印加し、液体をキャピラリ内へ導入する電気泳動装置が開示されている(特許文献1の段落0032等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術のように、加圧された気体を容器内に供給すると、容器内の試料がキャピラリに注入されるだけでなく、キャピラリと中空電極との間隙にも試料が流入し、キャリーオーバーを生じさせる可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、中空電極の内側への液体流入を抑制した信頼性の高い電気泳動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0008】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、キャピラリと、前記キャピラリが貫通する中空電極と、前記キャピラリおよび前記中空電極を保持する保持部と、前記保持部へ加圧された気体を供給する気体供給部と、を備え、前記保持部は、前記キャピラリおよび前記中空電極が、試料または試薬を収容する容器内に挿入され、前記保持部には、前記気体供給部によって供給された前記気体を前記容器内へ流す流路が形成され、前記中空電極の側面には、前記気体を内側に通す孔が形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、中空電極の内側への液体流入を抑制した信頼性の高い電気泳動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る電気泳動装置の全体構成の概略図である。
【
図2】本発明の本実施形態におけるトレイ等の構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態のキャピラリユニットの構成を示す断面斜視図である。
【
図4】キャピラリユニットと容器の位置関係を示す斜視図である。
【
図5】実施例1に係るマニホールドおよび中空電極の構成を示す断面図である。
【
図6】実施例2に係るマニホールドおよび中空電極の構成を示す断面図である。
【
図7】実施例3に係るマニホールドおよび中空電極の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係る電気泳動装置の全体構成の概略図である。電気泳動装置は、キャピラリ1と、電気泳動用の中空電極32(
図3等参照)と、キャピラリ1および中空電極32を保持する保持部26,27と、中空電極32に高電圧を印加する高電圧電源7と、キャピラリ1内にて泳動分離された試料に励起光を照射したときに発生する蛍光を検出する光学検出器8と、キャピラリ1を一定の温度に保つ恒温槽9と、試料や試薬(例えばバッファ)を含む液体を収容する容器10,11と、容器10,11を保持するトレイ12,13と、トレイ12,13が載置されるトレイホルダ16,17と、トレイホルダ16,17の位置を移動させるオートサンプラ14,15と、保持部26,27へ加圧された気体を供給する気体供給部(図示せず)と、を備える。
【0013】
ここで、気体供給部は、圧力印加手段としての加圧空気源2と、加圧空気の供給路を開閉するバルブ18,19と、保持部26,27に形成された流路31(
図5等参照)を大気圧に開放するリリースバルブ20,21と、で構成される。また、保持部26,27は、中空電極32を保持するマニホールド3,4に対し、キャピラリ1を保持するロードヘッダ5,6を連結することで構成される。マニホールド3,4は、加圧空気源2から供給される加圧空気が接続され、ロードヘッダ5,6は電気泳動装置の筐体に固定される。
【0014】
なお、図示していないが、本実施形態の電気泳動装置は、制御部、表示部、操作部、記憶部なども備える。制御部は、例えば、バルブ18,19やリリースバルブ20,21の開閉を制御することで、マニホールド3,4への加圧空気の流入と遮断を切り替えることが可能である。
【0015】
キャピラリ1は、外径が0.1~0.7mm、内径が0.02~0.5mm程度の石英ガラス製の細管からなる。キャピラリ1の外皮は、ポリイミド樹脂でコーティングされているが、その一部が、光学検出のため検出部として、ポリイミド樹脂のコーティングが除去されている。なお、キャピラリ1は、使用目的や汚染等により交換して使用される、消耗品である。
【0016】
光学検出器8は、キャピラリ1に設けられた検出部に励起光を照射するための光源と、光ファイバやレンズなどの投光光学系と、キャピラリ1の検出部を透過した励起光や試料中の成分に付与された蛍光体からの蛍光を受光するための受光素子、光ファイバやレンズや分光器などの受光光学系と、を備える。
【0017】
オートサンプラ14,15は、直動アクチュエータを水平方向および鉛直方向に組み合わせて構成される。水平方向へ移動する直動アクチュエータにより、所望の液体がキャピラリ1の直下に選択的に搬送され、鉛直方向へ移動する直動アクチュエータにより、容器10,11はマニホールド3,4に押し付けられ、容器10,11内が密閉される。
【0018】
キャピラリへ1への試料または試薬の送液は、加圧空気源2から供給される加圧空気によりキャピラリ1の両端に圧力差を付与することで行われる。具体的には、キャピラリ1の一方の端に注入したい液体を浸漬し、加圧空気によりその液面を加圧することで、他方の端に向かって液体がキャピラリ1内に注入される。
【0019】
また、電気泳動は、キャピラリ1の両端が、容器10,11に収容された電解質溶液に浸漬された状態で行われる。高電圧電源7により中空電極32に電圧が印加されると、容器10,11内の成分は、電気泳動により分子量等の性質に従って分離されながら、キャピラリ1内を容器10から容器11に向かって移動する。移動した成分は、キャピラリ1の検出部において励起光が照射され、成分に付与された蛍光や成分を透過した透過光などが、光学検出器8によって検出される。
【0020】
図2は、本実施形態におけるトレイ12,13等の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、トレイ12,13は、容器10,11の外壁に嵌合するような凹面を有しているため、容器10,11内に加圧空気が供給されても、圧力で容器10,11が変形するのを防止できる。
【0021】
また、トレイ12,13が載置されるトレイホルダ16,17は、ペルチェ素子等の冷却機構22を備えており、この冷却機構22により、容器10,11に収容された液体は、所定の温度に冷却され保持される。トレイ12,13の材質は、容器10,11の冷却効率を高めるため、アルミナ等の熱伝導率が高いものが望ましい。さらに、容器10,11内には、高電圧が印加される中空電極32が挿入されるため、トレイ12,13は、電気的絶縁性を有する材料で形成されるのが好ましい。
【0022】
図3は、本実施形態のキャピラリユニットの構成を示す断面斜視図である。
図3に示すように、本実施形態のキャピラリユニットは、キャピラリ1と、キャピラリ1が貫通する中空電極と、キャピラリ1および中空電極が貫通するマニホールド3と、キャピラリ1が貫通するロードヘッダ5と、を備える。以下では、マニホールド3およびロードヘッダ5を有する一方のキャピラリユニットについて説明するが、マニホールド4およびロードヘッダ6を有する他方のキャピラリユニットについても同様である。
【0023】
中空電極32は、筒状の形状を有し、望ましくは白金の材質で形成されている。この中空電極32は、マニホールド3に対して、圧入または接着により固定されている。マニホールド3は、電気的絶縁性を有する樹脂で形成され、気体供給部から送られる加圧空気24を流す流路31が内部に形成されている。また、マニホールド3の上面には、Oリング33などのシール部材が配置されている。
【0024】
一方、キャピラリ1は、中空電極32とは固定されておらず、電気的絶縁性を有する樹脂で形成されたロードヘッダ5に対して接着により固定されている。そして、キャピラリ1と一体の組品を成すロードヘッダ5を、中空電極32と一体の組品を成すマニホールド3に対して、上方からネジ23で着脱可能に固定することにより、キャピラリユニットが組み立てられる。このため、中空電極32の上端とロードヘッダ5の下面との間に隙間を生じる可能性もある。しかし、中空電極32の外周側は、マニホールド3とロードヘッダ5の間に位置するOリング33等によって封止されているため、仮に、中空電極32とキャピラリ1との間に液体が流入してきても、外へ漏れ出ることはない。
【0025】
また、ロードヘッダ5は、ネジ23を外すことで、キャピラリ1と共に、中空電極32と一体の組品を成す組品から取り外すことができる。このため、消耗品であるキャピラリ1を交換する際には、高価で繰り返し使用される中空電極32は、マニホールド3とともに電気泳動装置の筐体に固定された状態で、ロードヘッダ5のみを取り外せば済み、メンテナンス性が良い。さらに、新しいキャピラリ1をキャピラリユニットとして組み立てる際には、キャピラリ1の挿入される中空電極32がガイドの役割を果たすため、マニホールド3に対して位置合わせが容易である。
【0026】
図4は、キャピラリユニットと容器10の位置関係を示す斜視図である。オートサンプラ14の直動アクチュエータが鉛直方向に駆動すると、オートサンプラ14上に配置されたトレイホルダ16およびトレイ12が上昇するため、電気泳動装置の筐体25に固定されたマニホールド3に対して、容器10が上方へ移動する。すると、容器10の上端面が、シール材34を介してマニホールド3の下面に押し付けられ、容器10とマニホールド3との間が密閉される。
【0027】
ここで、試料または試薬を含む液体を、キャピラリ1内へ送液する方法について、説明する。まず、オートサンプラ14のキャピラリ1直下には液体が入った容器1を配置し、オートサンプラ15のキャピラリ1直下には空の容器11を配置する。オートサンプラ14,15が上昇すると、容器10,11は上昇し、それぞれマニホールド3,4へと押し付けられて密閉される。次に、バルブ19を閉じ、リリースバルブ20を閉じ、リリースバルブ21を開いた状態で、バルブ18を開くことで、加圧空気をマニホールド3に導入する。すると、マニホールド3に導入された加圧空気が流路31を通って容器10内へ流入し、容器10内の圧力が上昇するため、容器10内の液体の液面が加圧される。
【0028】
このとき、リリースバルブ21は開いており、マニホールド4の流路内および容器11内は大気圧であるため、キャピラリ1の両端に圧力差が生じ、容器10内の液体が容器11へ向かってキャピラリ1内へ送液される。容器10に加圧空気が導入されると、容器10は内部の圧力が高まり膨張しようとするが、容器10の外周面は、トレイ12に形成された凹面によって覆うように支持されているため、膨張は抑制される。なお、容器11内の液体を容器10へ送液する場合には、バルブ18を閉じ、リリースバルブ21を閉じ、リリースバルブ20を開いた状態で、バルブ19を開く。
【0029】
以下では、マニホールド3と、マニホールド3に保持される中空電極32と、の構成について、実施例1~実施例3に分けて、詳細に説明する。
【実施例0030】
図5は、実施例1に係るマニホールド3および中空電極32の構成を示す断面図である。
図5に示すように、マニホールド3およびロードヘッダ5が、容器10の上方に位置し、シール材34を介して容器10内を密閉することで、液体28の蒸発が防止されている。また、キャピラリ1および中空電極32は、容器10内に挿入され、それぞれの下端が液体28に浸漬されている。また、マニホールド3内には、気体供給部によって供給された空気を容器10内へ流す流路31が形成されている。流路31の上流側は、マニホールド3の長手方向(水平方向)に延び、流路31の下流側は、マニホールド3の厚み方向(鉛直方向)に延び、吐出口311が、容器10に向けてマニホールド3の下面に設けられている。そして、吐出口311から容器10内に流入した加圧空気は、中空電極32の外側の液体28の液面を加圧する。
【0031】
ここで、本実施例の中空電極32の側面であって、流路31の吐出口311よりも低い位置、すなわち、マニホールド3の下端から露出した位置に、加圧空気を内側に通す孔321が形成されている。このため、吐出口311から容器10内に流入した加圧空気の一部が、キャピラリ1と中空電極32の間隙を通って、中空電極32の内側の液体28の液面を加圧する。その結果、中空電極32の外側と内側の液面が同じ圧力で加圧されることとなり、キャピラリ1と中空電極32の間隙に液体28が流入するのが抑制される。したがって、中空電極32の内側に試料が残留してキャリーオーバーするのも抑制され、信頼性の高い電気泳動装置が実現できる。
【0032】
また、中空電極32に形成される孔321の開口領域のうち、少なくとも一部は、容器10の上端より高い位置にある。このため、孔321が容器10内の液体28によって塞がれ難く、仮に一部の液体28が孔321に付着しても、加圧空気によって当該液体28は下方へ落される。さらに、後述する他の実施例と比較して、マニホールド3に設ける吐出口311の数と、中空電極32に設ける孔321の数が、少なくて済むので、加工し易い利点もある。
一方、本実施例の中空電極32の側面であって、流路31の吐出口311(第1の吐出口)より高い位置には、加圧空気を内側に通す孔322が形成されている。そして、孔322と吐出口312(第2の吐出口)が連結されている。このため、流路31を流れる加圧空気の一部が、吐出口312および孔322を介して中空電極32内に入り、キャピラリ1と中空電極32の間隙を通って、中空電極32の内側の液体28の液面を加圧する。その結果、中空電極32の外側と内側の液面が同じ圧力で加圧されることとなり、実施例1と同様に、キャピラリ1と中空電極32の間隙に液体28が流入するのが抑制される。
また、本実施例では、実施例1と比較して、中空電極32に設けられる孔321の位置が高く、マニホールド3から露出していないため、容器10内の液体28によって孔321が塞がれ難い。さらに、本実施例では、流路31の吐出口312(第2の吐出口)と孔321が連結されているため、加圧空気をより安定的に中空電極32内に導くことが可能となっている。