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特開2022-55708硬質表面用洗浄剤組成物及び硬質表面の洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055708
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】硬質表面用洗浄剤組成物及び硬質表面の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 3/22 20060101AFI20220401BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 1/88 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 1/94 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 3/43 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20220401BHJP
   C09K 3/32 20060101ALI20220401BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20220401BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
C11D3/22
C11D3/04
C11D1/14
C11D1/29
C11D1/88
C11D1/94
C11D3/43
C11D17/04
C09K3/32 J
C09K3/00 R
B08B3/08 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163286
(22)【出願日】2020-09-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(71)【出願人】
【識別番号】593085808
【氏名又は名称】ADEKAクリーンエイド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】森下 莉絵
【テーマコード(参考)】
3B201
4H003
【Fターム(参考)】
3B201AB52
3B201BB21
3B201BB94
3B201CC01
3B201CC11
4H003AB15
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003AD02
4H003AD04
4H003BA12
4H003BA21
4H003DA05
4H003DA09
4H003DA12
4H003DA17
4H003DB02
4H003DC02
4H003EA21
4H003EB06
4H003EB14
4H003EB22
4H003EB41
4H003EB42
4H003EB46
4H003ED02
4H003ED29
4H003FA04
4H003FA06
4H003FA16
4H003FA17
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】優れた洗浄性及び防汚性効果を発揮する硬質表面用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、(A)成分としてカチオン化多糖類、(B)成分としてアルカリ剤、(C)成分としてアニオン界面活性剤、及び(D)成分として水を含有し、(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)の値が0.01以上、100以下である、硬質表面用洗浄剤組成物を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分としてカチオン化多糖類、
(B)成分としてアルカリ剤、
(C)成分としてアニオン界面活性剤、及び
(D)成分として水
を含有し、(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)の値が0.01以上、100以下である、硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項2】
(A)成分が、カチオン化セルロースである、請求項1に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項3】
(C)成分が、α-オレフィンスルホン酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、2級アルカンスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1又は2に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項4】
更に、(E)成分として両性界面活性剤を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項5】
更に、(F)成分として非イオン界面活性剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項6】
更に、(G)成分としてグリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤及びこれらの混合物から選択される溶剤を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項7】
更に、(H)成分として芳香族スルホン酸化合物を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項8】
組成物の25℃におけるpHが9以上、14以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項9】
硬質表面に、ハンドスプレーヤーで、請求項1~8のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物を泡状で接触させることを含む、硬質表面の洗浄方法。
【請求項10】
前記ハンドスプレーヤーが、トリガースプレーヤー又はフォーマースプレーヤーである、請求項9に記載の硬質表面の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬質表面に付着した汚れの洗浄性、及び防汚効果に優れた硬質表面用洗浄剤組成物及び該組成物を用いた硬質表面の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭における台所の換気扇やガスレンジ、風呂釜、トイレ、食器類、あるいは車両、建築物等は、金属、プラスチック、ガラス、陶磁器、コンクリート等の硬質素材によってできている。これらの硬質表面には、風雨、食物類、排出物、油類、排気ガス等によって様々な汚れが付着するが、特に調理現場においては焼き付けや長期使用により強固な油汚れが付着している。このような油汚れを除去するために様々な洗浄剤が使用されているが、洗浄後に汚れが付着しても落とし易くする(防汚効果)ため、各種ポリマーを配合した洗浄剤が知られている。
【0003】
従来の洗浄剤としては、引用文献1には、酸性基及び/又はアニオン性基と、カチオン性基及び/又はアミノ基とを含有する両性ポリマーを含有する硬質表面用洗浄剤組成物が記載されている。引用文献2にはN,N-ジアリル-N,N-ジメチルアンモニウム塩モノマー由来のユニットを30~100モル%含有する(共)重合体を含有する油汚れ用洗浄剤組成物が記載されている。引用文献3にはカチオン化セルロースを含有する液体洗浄剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-219652号公報
【特許文献2】特開2012-193287号公報
【特許文献3】特開2003-155499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の組成物は表面に親水性の皮膜を形成させて汚れの再付着を防止する技術であるが、疎水性の硬質表面に対しては皮膜が形成されにくく、防汚効果が十分に発揮されなかった。
【0006】
特許文献3はカチオン化セルロースの配合により水切れ性に優れるが、焼き付いた油汚れに対する洗浄性が十分ではく、防汚効果も十分ではなかった。
【0007】
上記事情を鑑みて、本発明は、特に油汚れに対して優れた洗浄性を示し、更に、親水性の表面だけでなく疎水性表面に対しても優れた防汚効果を発揮する硬質表面用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、(A)成分としてカチオン化多糖類、(B)成分としてアルカリ剤、(C)成分としてアニオン界面活性剤、(D)成分として水を含有し、(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)の値が0.01以上、100以下である硬質表面用洗浄剤組成物が従来の硬質表面用洗浄剤組成物が有していた課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、
(1)(A)成分としてカチオン化多糖類、
(B)成分としてアルカリ剤、
(C)成分としてアニオン界面活性剤、及び
(D)成分として水
を含有し、(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)の値が0.01以上、100以下である、硬質表面用洗浄剤組成物、
(2)(A)成分が、カチオン化セルロースである、(1)の硬質表面用洗浄剤組成物、(3)(C)成分が、α-オレフィンスルホン酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、2級アルカンスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、(1)又は(2)の硬質表面用洗浄剤組成物、
(4)更に、(E)成分として両性界面活性剤を含有する、(1)~(3)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物、
(5)更に、(F)成分として非イオン界面活性剤を含有する、(1)~(4)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物、
(6)更に、(G)成分としてグリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤及びこれらの混合物から選択される溶剤を含有する、(1)~(5)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物、
(7)更に、(H)成分として芳香族スルホン酸化合物を含有する、(1)~(6)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物、
(8)組成物の25℃におけるpHが9以上、14以下である、(1)~(7)のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物、
(9)(1)~(8)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物を、ハンドスプレーヤーを用いて被洗浄物に泡状に噴射し洗浄することを含む、硬質表面の洗浄方法、並びに
(10)前記ハンドスプレーヤーが、トリガースプレーヤー又はフォーマースプレーヤーである、(9)の硬質表面の洗浄方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、油汚れに対して優れた洗浄性を示し、更に、親水性表面だけでなく疎水性表面に対しても優れた防汚効果(汚れが付着しても落とし易くする効果)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、上記(A)~(D)成分を必須成分として含み、(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)の値が0.01以上、100以下である、硬質表面用洗浄剤組成物である。
【0012】
<(A)成分>
(A)成分はカチオン化多糖類である。カチオン化多糖類は、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の疎水表面及び親水表面双方に対する防汚性向上に寄与する。
(A)成分として、多糖類のポリマー鎖の側鎖にアミノ基もしくはアンモニウム基を含むか、又はジアリル4級アンモニウム塩を構成単位として含む水溶性の多糖類が挙げられる。
【0013】
(A)成分の具体例として、カチオン化セルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、カチオン化タラガム、カチオン化フェヌグリークガム、カチオン化ローカストビーンガム、カチオン化タマリンド等が挙げられる。これらの中で、カチオン化セルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化澱粉が好ましく、カチオン化セルロースがより好ましい。
【0014】
(A)成分のカチオン化多糖類は、主にアミノ基やアンモニウム基に由来する窒素を含有し、その窒素含有量は、特に限定されないが、好ましくは、0.1~10.0質量%であることが好ましく、0.5~5.0質量%であることがより好ましく、0.9~3.0質量%であることが更により好ましく、1.1質量%~2.5質量%が最も好ましい。
なお、前記窒素含有量の測定は、例えば、ケルダール法などが挙げられる。前記ケルダール法としては、例えば、「医薬部外品原料規格2006(薬事日報社)」一般試験法 44.窒素定量法を参考に、(A)成分のカチオン化多糖類を硫酸で分解して硫酸アンモニウムとし、そのアンモニウムを定量することによって測定できる。
【0015】
本発明で(A)成分として使用するカチオン化セルロースは、セルロースをカチオン化剤で変性させたセルロースであるが、特に限定されず、市販されている公知のカチオン化セルロースを用いることができる。
例えば、商品名「レオガードGP(第4級窒素含有率1.8質量%、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)」、商品名「レオガードLP(第4級窒素含有率1.0質量%、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)」、商品名「レオガードMGP(第4級窒素含有率1.8質量%、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)」、商品名「レオガードMLP(第4級窒素含有率0.6質量%、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)」、商品名「SupraCare212(第4級窒素含量1.9質量%、ダウ・ケミカル社製)」、商品名「カチナールHC-100(第4級窒素含量1.0~2.0質量%、東邦化学工業社製)」などが挙げられる。
【0016】
本発明で使用するカチオン化セルロースの重量平均分子量は特に限定されないが、一般に10000~5000000、好ましくは、20000~2000000、更により好ましくは50000~1000000である。
【0017】
カチオン化グアーガムとは、学名がCyamopsis tetragonolobaである、パキスタンやインドで栽培されている一年生豆科植物の種子から得られる多糖類(グアーガム)を、カチオン化剤を用いて変性させたもの全般を指す。
本発明では、特に限定されず、市販されている公知のカチオン化グアーガムを用いることができる。市販されているカチオン化グアーガムとしては、ラボールガムCG-Mシリーズ(DSP五協フード&ケミカルズ社製)」、商品名「ジャガーC-13S(ソルベイ社製)」などが挙げられる。
本発明で使用するカチオン化グアーガムの重量平均分子量は特に限定されないが、一般に5000~5000000、好ましくは、10000~3000000である。
【0018】
カチオン化澱粉とは、カチオン化剤と澱粉を反応させて得られる変性澱粉全般を指す。 本発明では、特に限定されず、公知のカチオン化澱粉を用いることができる。市販品としては、商品名「SEMSOMER CI-50(ルブリゾール社製)」、商品名「ネオタック40T(日本食品化工社製)」、POSITシリーズ(三晶社製)などが挙げられる。
本発明で使用するカチオン化澱粉の重量平均分子量は特に限定されないが、一般に1000~5000000、好ましくは、5000~3000000である。
【0019】
(A)成分の25℃における2質量%水溶液の粘度は、5~5000mPa・sが好ましく、10~3000mPa・sがより好ましく、50~2500mPa・sが更に好ましい。(A)成分の2質量%水溶液の粘度が上記範囲内であれば、低濃度の洗浄時の水切れ性により優れる。粘度は、25℃のカチオン化セルロースの2質量%の水溶液をB型粘度計で測定した値である。粘度の測定条件は、以下の通りである。
測定条件:
[ローター]
測定対象の粘度に対応するローター番号、ローター回転数は、下記の通りである。
・粘度が500mPa・s未満:ローター番号No.2、回転数60rpm。
・粘度が500mPa・s以上2000mPa・s未満:ローター番号No.3、回転数60rpm。
・粘度が2000mPa・s以上10000mPa・s未満:ローター番号No.4、回転数60rpm。
・粘度が10000mPa・s以上50000mPa・s未満:ローター番号No.4、回転数12rpm。
[数値の読み取り]
ローターの回転の開始から5分後。
【0020】
本発明の(A)成分の重量平均分分子量は、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)法によって定められた値である。
なお、前記方法に使用する機器及び条件は以下の通りである。
使用カラム:TSKgel α-Mを2本直列に接続。
遊離液:THF(テトラヒドロフラン)、流量:0.5mL/分、検出器:RI、サンプル濃度:0.1質量%(THF溶液)、サンプル量:200μL、カラム温度:40℃
【0021】
(A)成分の配合量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%以上、10質量%以下が好ましく、0.03質量%以上、5質量%以下がより好ましく、0.05質量%以上、2質量%以下が特に好ましい。(A)成分の配合量が、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して、0.01質量%未満になると防汚性が不十分となる場合があり、一方で、10質量%より多くなると当該組成物の貯蔵安定性が悪くなる場合があり、また、硬質表面用洗浄剤組成物の粘度が高くなりすぎて、ハンドスプレーヤーでの使用が困難になる場合がある。
【0022】
<(B)成分>
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、(B)成分としてアルカリ剤を含む。このアルカリ剤により当該組成物の洗浄性を向上させる。
【0023】
アルカリ剤は、硬質表面用洗浄剤組成物に使用される公知のアルカリ剤を使用することができ、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属化合物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩;メタケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウムなどのケイ酸塩;アンモニア、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンなどのアンモニウム化合物;ナトリウムメチラート、カリウムメチラートなどのアルカリ金属メチラートが挙げられる。
【0024】
これらのアルカリ剤の中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミンから選択される1種又は2種以上を使用することが好ましく、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの少なくとも1種を使用することがより好ましい。
【0025】
(B)成分の配合量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して、1質量%以上、25質量%以下が好ましく、3質量%以上、20質量%以下がより好ましく、5質量%以上、15質量%以下が特に好ましい。(B)成分の配合量が、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して、1質量%未満になると洗浄性が不十分となる場合があり、一方で、25質量%より多くなると当該組成物の貯蔵安定性が悪くなる場合がある。
【0026】
<(C)成分>
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、(C)成分としてアニオン界面活性剤を含む。このアニオン界面活性剤により当該組成物の洗浄性及び発泡性が向上する。
前記アニオン界面活性剤は、硬質表面用洗浄剤組成物に使用される公知のアニオン界面活性剤を使用することができ、スルホン酸及びその塩、硫酸エステル及びその塩、カルボン酸及びその塩、リン酸エステル類が挙げられる。
【0027】
スルホン酸及びその塩としては、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩、アルキル硫酸及びその塩、アルカンスルホン酸及びその塩、α-オレフィンスルホン酸及びその塩、α-スルホ脂肪酸及びその塩、α-スルホ脂肪酸アルキルエステル及びその塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、ジアルキルスルホコハク酸及びその塩等が挙げられる。
【0028】
硫酸エステル及びその塩としては、アルキル硫酸エステル及びその塩、アルケニル硫酸エステル及びその塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル(好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル)及びその塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸エステル及びその塩等が挙げられる。
【0029】
カルボン酸及びその塩としては、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、アミドエーテルカルボン酸及びその塩、スルホコハク酸及びその塩、アミノ酸系アニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤を構成する塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩等が挙げられ、ナトリウム又はカリウムが好ましく、ナトリウムがより好ましい。
【0030】
上記アニオン界面活性剤は、炭素数8~18のアルキル基又は炭素数8~18のアルケニル基を有することが好ましく、炭素数8~18のアルキル基がより好ましく、炭素数12~18のアルキル基であることが更に好ましい。当該アルキル基又は当該アルケニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
【0031】
上記アニオン界面活性剤の中で、アルカンスルホン酸及びその塩、α-オレフィンスルホン酸及びその塩、並びにポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル及びその塩が好ましく、アルカンスルホン酸及びその塩、α-オレフィンスルホン酸及びその塩、並びにポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル及びその塩がより好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル及びその塩並びにα-オレフィンスルホン酸及びその塩が更により好ましく、α-オレフィンスルホン酸及びその塩が泡の持続性の点で最も好ましい。
【0032】
アルカンスルホン酸及びその塩の具体例としては、テトラデカンスルホン酸及びそのナトリウム塩、ヘキサデカンスルホン酸及びそのナトリウム塩、並びにオクタデカンスルホン酸及びそのナトリウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数14以上、17以下の2級アルカンスルホン酸ナトリウムの混合物が好ましい。
例えば、市販品としては、商品名「HOSTAPUR SAS30(クラリアントジャパン社製)」、商品名「MERSOLAT H-95(ランクセス社製)」、「ラムテルPS(花王社製)」等が挙げられる。
【0033】
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル及びその塩の具体例としては、炭素数10~18、エチレンオキサイドの平均付加モル数1~20のナトリウム塩が好ましく、市販品として、商品名「テイカポールNE7030(テイカ社製)」、「エマール20C(花王社製)」等が挙げられる。
【0034】
α-オレフィンスルホン酸及びその塩として、炭素数14~16のオレフィンスルホン酸ナトリウムの混合物が好ましく、市販品として、商品名「HOSTAPUR OS LIQ(クラリアントジャパン社製)」等が挙げられる。
【0035】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、(D)成分として水を含む。水としては、水道水、軟水化処理水、純水、RO水、イオン交換水、蒸留水を用いることができる。水道水としては、例えば、東京都荒川区の水道水(pH=7.6、総アルカリ度(炭酸カルシウム換算として)40.5mg/L、ドイツ硬度2.3°DH(そのうち、カルシウム硬度1.7°DH、マグネシウム硬度0.6°DH)、塩化物イオン21.9mg/L、ナトリウム及びその化合物15mg/L、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素1.2mg/L、フッ素及びその化合物0.1mg/L、ホウ素及びその化合物0.04mg/L、総トリハロメタン0.016mg/L、残留塩素0.4mg/L、有機物(全有機炭素量)0.7mg/L)が挙げられる。
本発明の(D)の水は、上記(A)~(C)成分の合計量に対する残部、あるいは(A)成分~(C)成分、及び他の成分((E)成分~(H)成分)の合計量に対する残部となる。
【0036】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の(A)成分と(C)成分の比は、(A)/(C)の値が0.01以上、100以下(質量比)でなければならず、好ましくは0.03以上、50以下、より好ましくは0.08以上、10以下である。(A)/(C)の値が0.01未満であると、防汚性及び貯蔵安定性が悪くなる場合がある。一方、(A)/(C)の値が100を超えると、洗浄性、発泡性及び貯蔵安定性が悪くなる場合がある。
なお、(A)成分及び(C)成分の質量はそれぞれ硬質表面用洗浄剤組成物の調製時の仕込み値である。
【0037】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、上記の(A)~(D)成分に加えて、(E)成分として両性界面活性剤、(F)成分として非イオン界面活性剤、(G)成分としてグリコール系溶剤及び/又はグリコールエーテル系溶剤、及び(H)成分として芳香族スルホン酸化合物を任意に添加することができる。
【0038】
(E)成分として、両性界面活性剤を使用することで、硬質表面用洗浄剤組成物の洗浄性及び防汚性をより向上させることができる。硬質表面用洗浄剤組成物に使用できる公知の両性界面活性剤を使用することができる。
【0039】
前記カルボン酸型両性界面活性剤の具体的な例として、アルキルカルボベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドカルボベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン、アルキルジメチルベタイン、アルキルジエチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、アルキルアミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン型両性界面活性剤、2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなどのアルキルイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン及びリシノレイン酸アミドプロピルベタイン脂肪酸アミドプロピルベタイン型両性界面活性剤、アルキルアミノエチルグリシン、アルキルジアミノエチルグリシン、ジアルキルジアミノエチルグリシンなどのグリシン型界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルアミノジプロピオン酸塩などのアミノプロピオン酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
この中では、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アミノプロピオン型両性界面活性剤が好ましく、アルキルベタイン型両性界面活性剤としては、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましく、アミノプロピオン型両性界面活性剤としては、アルキルアミノジプロピオン酸塩が好ましく、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインがより好ましい。
【0040】
上記のアルキルアミノジプロピオン酸塩としては、オクチルアミノジプロピオン酸塩、デシルアミノジプロピオン酸塩、ラウリルアミノジプロピオン酸塩、ミリスチルアミノジプロピオン酸塩、パルミチルアミノジプロピオン酸塩、オレイルアミノジプロピオン酸塩等が挙げられ、デシルアミノジプロピオン酸塩、ラウリルアミノジプロピオン酸塩、ミリスチルアミノジプロピオン酸塩が好ましく、ラウリルアミノジプロピオン酸塩がより好ましい。また、塩としてナトリウム塩が好ましい。
【0041】
アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインとしては、オクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられ、デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタインが好ましく、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインがより好ましい。
【0042】
(E)成分の配合量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されないが、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%以上、10質量%以下が好ましく、0.3質量%以上、8質量%以下がより好ましく、0.5質量%以上、5質量%以下が特に好ましい。(E)成分の配合量が、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して、0.1質量%未満になると洗浄性及び防汚性が不十分となる場合があり、一方で、10質量%より多くなると当該組成物の貯蔵安定性が悪くなる場合がある。
【0043】
前記(F)成分の非イオン界面活性剤を用いることで、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の洗浄性及び発泡性をより向上させることができる。
当該非イオン界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの付加形態は、ランダム状、ブロック状の何れでもよい。)、ポリエチレングリコールプロピレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセリン脂肪酸エステル又はそのエチレンオキサイド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸-N-メチルモノエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N-長鎖アルキルジメチルアミンオキサイドなどが挙げられる。これらの中でも洗浄力を向上させる効果が良好なことから、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルなどのポリアルキレンオキサイド付加物が好ましく、下記の一般式(1)で表される非イオン界面活性剤がより好ましい:
【0044】
-(OC-OH (1)
(式中、Rは、炭素数8~18の脂肪族炭化水素基を表し、nは、1~20の数を表す。)
【0045】
一般式(1)のRは、炭素数8~18の脂肪族炭化水素基を表し、好ましくは、直鎖又は分岐鎖のアルキル基若しくはアルケニル基を表し、こうした基としては、例えば、直鎖又は分岐鎖オクチル基、直鎖又は分岐鎖ノニル基、直鎖又は分岐鎖デシル基、直鎖又は分岐鎖ドデシル基、直鎖又は分岐鎖トリデシル基、直鎖又は分岐鎖イソトリデシル基、直鎖又は分岐鎖テトラデシル基、直鎖又は分岐鎖ペンタデシル基、直鎖又は分岐鎖ヘキサデシル基、直鎖又は分岐鎖ペプタデシル基、直鎖又は分岐鎖オクタデシル基などのアルキル基;直鎖又は分岐鎖デセニル基、直鎖又は分岐鎖ぺンタデセニル基、直鎖又は分岐鎖オクタデセニル基などのアルケニル基が挙げられる。これらの中でも洗浄力及び発泡性が優れることから炭素数8~14の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基が好ましく、炭素数10~14の2級アルキル基がより好ましい。また、nは、1~20の数であるが、3~18の数が好ましく、5~18の数がより好ましい。
【0046】
一般式(1)で表される非イオン界面活性剤としては、市販品を使用することができ、例えば、商品名「ソフタノール90(R:2級ドデシル基、n=9:日本触媒化学工業株式会社製)」、商品名「ソフタノール120(R:2級ドデシル基、n=12:日本触媒化学工業株式会社製)」、商品名「ソフタノール150(R:2級ドデシル基、n=15:日本触媒化学工業株式会社製)」、商品名「ソフタノール200(R:2級ドデシル基、n=20:日本触媒化学工業株式会社製)」等が使用できる。上記化合物は2種以上を組合せてもよい。
【0047】
(F)成分の非イオン界面活性剤の配合量は本発明の効果を奏する限り、特に制限されないが、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して0.05質量%以上、5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上、4質量%以下であることがより好ましく、0.3質量%以上、2質量%以下が特に好ましい。(F)成分の配合量が0.05質量%未満であると、洗浄性及び発泡性の向上が認められない場合があり、一方で、5質量%より多いと貯蔵安定性に悪い影響を与える可能性がある。
【0048】
前記(G)成分であるグリコール系溶剤及び/又はグリコールエーテル系溶剤を使用することで、洗浄性がより向上する。
本発明の(G)成分であるグリコール系溶剤及び/又はグリコール系溶剤は、硬質表面用洗浄剤組成物に配合することができる公知の溶剤を用いることができる。
【0049】
前記グリコール系溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール等が挙げられる。
【0050】
また、グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0051】
これらの溶剤のなかでも、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の洗浄性の点から、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
【0052】
(G)成分の溶剤の配合量は本発明の効果を奏する限り、特に制限されないが、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して0.1質量%以上、15質量%以下が好ましく、0.5質量%以上、12質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上、8質量%以下が特に好ましい。(G)成分の配合量が0.1質量%未満であると、洗浄性の向上が認められない場合があり、一方で、15質量%より多く加えると貯蔵安定性に悪い影響を与える可能性がある。
【0053】
前記(H)成分である芳香族スルホン酸化合物を使用することで、硬質表面用洗浄剤組成物の貯蔵安定性がより向上する。
本発明の(H)成分である芳香族スルホン酸化合物は、硬質表面用洗浄剤組成物に配合することができる公知の芳香族スルホン酸化合物を用いることができる。
【0054】
前記芳香族スルホン酸化合物としては、メトキシベンゼンスルホン酸、メトキシベンゼンジスルホン酸、ジメトキシベンゼンスルホン酸、ジメトキシベンゼンジスルホン酸、エトキシベンゼンスルホン酸、エトキシベンゼンジスルホン酸、ジエトキシベンゼンスルホン酸、ジエトキシベンゼンジスルホン酸、プロポキシベンゼンスルホン酸、プロポキシベンゼンジスルホン酸、ブトキシベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼンジスルホン酸、メチルメトキシベンゼンスルホン酸、メチルメトキシベンゼンジスルホン酸、メトキシナフタリンスルホン酸、メトキシナフタリンジスルホン酸、ジメトキシナフタリンスルホン酸、ジメトキシナフタリンジスルホン酸、メチルメトキシナフタリンスルホン酸、メチルメトキシナフタリンジスルホン酸、エトキシナフタリンスルホン酸、エトキシナフタリンジスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸及びこれらのナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム塩等が挙げられる。トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸は、それぞれo体、m体、p体の3異性体のいずれでもよい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせてもよい。
【0055】
これら芳香族スルホン酸化合物のなかでも、メトキシベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、キシレンスルホン酸、及びこれらの塩が好ましく、クメンスルホン酸及びその塩がより好ましい。
【0056】
(H)成分の芳香族スルホン酸化合物の配合量は本発明の効果を奏する限り、特に制限されないが、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の全量に対して0.01質量%以上、5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上、4質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上、3質量%以下が特に好ましい。(H)成分の配合量が0.01質量%未満であると、貯蔵安定性の向上が認められない場合があり、一方で、4質量%より多く加えても、添加量に見合う効果が得られない場合がある。
【0057】
<粘度>
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、ハンドスプレーヤーによる吐出性及び起泡性の観点から、25℃における粘度が200mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることがより好ましく、50mPa・s以下であることが更に好ましい。ここで粘度は、B型粘度計によりNo.1ローターを用いて、25℃、回転数60rpmの条件で5分攪拌後の値を測定したものである。
【0058】
<pH>
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物のpHは、洗浄性及び貯蔵安定性の観点から9以上、14以下であり、10.5以上、14以下が好ましく、12以上、14以下がより好ましい。pHが9未満であると洗浄性が不十分となる場合がある。
【0059】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、上記以外の成分で、本発明の効果を損なわない範囲において、キレート剤、ビルダー、防腐剤、酵素、色素、香料などの他の成分を配合することができる。
【0060】
上記キレート剤としては、例えば、オルトリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムなどのリン酸塩;ニトリロ三酢酸塩(NTA)、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸塩(DTPA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸塩(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸塩(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、メチルグリシン二酢酸塩(MGDA)、グルタミン酸二酢酸塩(GLDA)、アスパラギン酸二酢酸塩(ASDA)、β-アラニン二酢酸塩(ADA)、セリン二酢酸(SDA)などのアミノポリ酢酸塩;グリシン、アラニン、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸や、グルコール酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸;ポリアクリル酸又はその塩、ポリフマル酸又はその塩、ポリマレイン酸又はその塩、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸又はその塩、ポリアセタールアクリル酸又はその塩などの高分子が挙げられる。これらのキレート剤は、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物全量に対して0.05~10質量%配合することが好ましい。
【0061】
上記ビルダーとしては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムなどの無機ビルダーが挙げられる。
【0062】
上記防腐剤としては、ヒダントイン類や、ヨード-2-プロピニルブチルカーバメイト、イソプロピルメチルフェノール、ヘキサクロロフェン、イルガサン、トリクロサンなどが挙げられる。
【0063】
上記酵素としては、例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼなどが挙げられる。上記色素としては、例えば、天然色素、合成色素、これらの混合物が挙げられる。また、上記香料としては、例えば、天然香料、合成香料、これらの調合香料などが挙げられる。
【0064】
<硬質表面の洗浄方法>
本発明の硬質表面の洗浄方法は、上記成分を配合させた硬質表面用洗浄剤組成物と、汚れ(好ましくは油汚れ)が付着した硬質表面とを接触させることを含む。
【0065】
前記硬質表面は特に限定されないが、疎水性表面や親水性表面のいずれであってもよい。例えば、レンジ、流し、換気扇、調理台、調理機器、便器、便座、洗面台、鏡、浴槽、テーブル、椅子、床、窓及び壁などが挙げられる。
なお、疎水性表面を有する材質として、例えば、疎水処理されたステンレス鋼などの疎水性金属、ポリ塩化ビニル(PVC)、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリウレタン、6-ナイロンなどの疎水性プラスチック、EPDM、NBR、CR、シリコーン、ウレタンなどのゴムなどが挙げられる。繊維強化プラスチック(FRP)のような複合素材なども包含される。
疎水性表面と親水性表面の区分は空気中での水接触角より区分することができ、ここでは水接触角が60°以上の表面を疎水性表面、60°未満の表面を親水性表面として区分する。なお、本発明における硬質表面の水接触角は、協和界面科学社製の接触角計(CA-X型)を用いて液滴法により求められた値である。
【0066】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を用いる硬質表面の洗浄方法において、上記の硬質表面用洗浄剤組成物を原液で用いることもでき、水又はお湯で2~100倍、好ましくは2~30倍、より好ましくは2~10倍に希釈した洗浄液を調製して使用することも可能である。ここでの水又はお湯は本発明の硬質表面用洗浄剤組成物の(D)成分と同じ水道水、軟水化処理水、純水、RO水、イオン交換水又は蒸留水を用いることができる。
【0067】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を希釈した洗浄液中の(A)成分は、通常、洗浄液の全質量に対して、0.0005質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、0.001質量%以上、2質量%以下であることがより好ましく、0.008質量%以上、0.5質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を希釈した洗浄液中の(B)成分は、通常、洗浄液の全質量に対して、0.05質量%以上、12質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上、10質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上、7質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を希釈した洗浄液中の(C)成分は、通常、洗浄液の全質量に対して、0.005質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上、3質量%以下であることがより好ましく、0.03質量%以上、2質量%以下であることが特に好ましい。
【0068】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物をハンドスプレーヤーに充填したのち、泡状に噴霧して、被洗浄体の硬質表面の汚れと前記硬質表面用洗浄剤組成物を直接接触させることが好ましい。
1回の噴霧により、本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を0.1ml~3ml噴霧することが好ましく、0.3ml~2.5ml噴霧することがより好ましく、0.5ml~1.5ml噴霧することが更に好ましい。
【0069】
本発明の硬質表面用洗浄剤組成物を、ハンドスプレーヤーを用いて、硬質表面上の汚れに直接噴霧したのちに、一定時間、例えば、0秒~600秒、好ましくは30秒~300秒放置し、布又はスポンジなどの可撓性材料で汚れと共に拭き取るか、水で洗い流すことで、硬質表面を洗浄することができる。
本発明の硬質表面の洗浄方法で使用するハンドスプレーヤーは特に限定されず、公知のハンドスプレーヤーを使用することができ、トリガースプレーヤー、フォーマースプレーヤー等の公知のハンドスプレーヤーを用いることができる。
【実施例0070】
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明する。実施例、比較例において配合に用いた各成分を下記に示す。なお、以下の実施例等において「%」は特に記載がない限り質量%を表し、表中における実施例及び比較例の配合の数値は純分の質量%を表す。実施例、比較例において使用した化合物を以下に記す。
【0071】
(A)成分
A-1:カチオン化セルロース1(商品名:レオガードGP、窒素含有量1.8質量%
、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
A-2:カチオン化セルロース2(商品名:レオガードLP、窒素含有量1.0質量%、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
A-3:カチオン化セルロース3(商品名:SupraCare212、窒素含有量1.9質量%、ダウ・ケミカル社製)
A-4:カチオン化セルロース4(商品名:レオガードMLP、窒素含有量0.6質量%、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
A-5:カチオン化グアーガム(商品名:ラボールガムCG-M8M、窒素含有量2.2~2.8質量%、DSP五協フード&ケミカルズ社製)
A-6:カチオン化澱粉(商品名:SENSOMER CI-50、窒素含有量1.8質量%、ルブリゾール社製)
【0072】
(A)成分の比較成分
A′-1:塩化ジアリルジメチルアンモニウムのホモポリマー(重量平均分子量75000)
【0073】
(B)成分
B-1:水酸化ナトリウム
B-2:水酸化カリウム
B-3:モノエタノールアミン
【0074】
(C)成分
C-1:α-オレフィンスルホン酸ナトリウム(商品名:HOSTAPUR OS LIQ、クラリアントジャパン社製)
C-2:2級アルカンスルホン酸ナトリウム(商品名:HOSTAPUR SAS30、クラリアントジャパン社製)
C-3:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム(商品名:テイカパワーL121、テイカ社製)
C-4:ポリオキシエチレン(EO3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(商品名:エマール20C、花王社製)
【0075】
(D)成分
D-1:イオン交換水
【0076】
(E)成分
E-1:ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム(商品名:エナジコールDP-30、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
E-2:2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(商品名:エナジコールCNS、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
E-3:ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム(商品名:レボンS、三洋化成工業社製)
E-4:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(商品名:アンヒトール24B、花王社製)
【0077】
(F)成分
F-1:非イオン界面活性剤1(2級アルコールにEO15モルを付加したもの(商品名:ソフタノール150、日本触媒社製))
F-2:非イオン界面活性剤2(2級アルコールにEO9モルを付加したもの(商品名:ソフタノール90、日本触媒社製))
F-3:非イオン界面活性剤3(ラウリルアルコールにEO9モルを付加したもの(商品名:ブラウノンEL-1509、青木油脂工業社製))
【0078】
(G)成分
G-1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
G-2:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
G-3:ジエチレングリコール
【0079】
(H)成分
H-1:クメンスルホン酸ナトリウム
H-2:トルエンスルホン酸ナトリウム
【0080】
各実施例の組成物は、(D)成分の水を組成物の合計が100質量%となるように混合槽に加え、次いで(A)成分、(B)成分、(C)成分(必要に応じて(E)成分、(F)成分、(G)成分、(H)成分、)を混合槽中に配合し、十分に混合撹拌して調製した。
【0081】
実施例1~53、比較例1~6
表1~表7に示す硬質表面用洗浄剤組成物を調製した。各硬質表面用洗浄剤組成物を用いて、洗浄性、防汚性、発泡性、貯蔵安定性を測定した。表1~6に実施例1~53の結果を、表7に比較例1~6の結果をそれぞれ示す。
【0082】
※1:pHの測定方法
pHメーター(HORIBA製;pH/イオンメーター F-23)にpH測定用複合電極(HORIBA製;ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を入れる。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33mol/L)を使用した。
次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬した。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行った。
各硬質表面用洗浄剤組成物を100mLビーカーに充填し、恒温槽内にて25℃に調整した。恒温に調整された試料にpH測定用電極を3分間浸し、希釈液のpHを測定した。
【0083】
※2:洗浄性試験
ステンレス板(SUS304、50mm×100mm)の片面に大豆油が0.1±0.01gになるように均一に塗布し、250℃のオーブン内で120分焼き付けを行った。このステンレス板を垂直に立て掛けて、各硬質表面用洗浄剤組成物をスプレーガンで全体が十分に覆われるように吹き付け、3分間接触させた。その後、流水で30秒間すすいだ後に乾燥させ、洗浄前後の重量変化より下記の式にて洗浄率を算出し、洗浄率85%以上を良好なものとして評価した。
洗浄率(%)={((大豆油を塗布して焼付けた後のステンレス板)-(洗浄後のステンレス板))/塗布した大豆油の実際の質量}×100
【0084】
※3:防汚性試験(親水性表面)
ステンレス板のテストピース(SUS304、75mm×150mm)の片面に、各硬質表面用洗浄剤組成物をスプレーガンで全体が十分に覆われるように吹き付けて1分間接触させ、流水で30秒間すすいだ後に乾燥させた。乾燥後のテストピースの洗浄面に、スダンIIIで染色した大豆油2mlをへらで均一に塗布し、その後流水で30秒間すすぎ、乾燥後のテストピースの表面状態を以下の基準で評価した。
評価基準
◎:汚れの付着が見当たらない
○:汚れがテストピースの面積の1割未満だが、汚れは目視で確認できる
△:汚れがテストピースの面積の1割~5割に付着している
×:汚れがテストピースの面積の5割より多く付着している
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0085】
※4:防汚性試験(疎水性表面)
樹脂板のテストピース(硬質PVC、75mm×150mm)の片面に、各硬質表面用洗浄剤組成物をスプレーガンで全体が十分に覆われるように吹き付けて1分間接触させ、流水で30秒間すすいだ後に乾燥させた。乾燥後のテストピースの洗浄面に、スダンIIIで染色した大豆油2mlをへらで均一に塗布し、その後流水で30秒間すすぎ、乾燥後のテストピースの表面状態を以下の基準で評価した。
評価基準
◎:汚れの付着が見当たらない
○:汚れがテストピースの面積の1割未満だが、汚れは目視で確認できる
△:汚れがテストピースの面積の1割~5割に付着している
×:汚れがテストピースの面積の5割より多く付着している
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0086】
※5:発泡性試験
100mLガラス栓つきエプトン管に各硬質表面用洗浄剤組成物をスプレーガン(T95:キャニオン社製、1スプレー当たり約1ml)で3回スプレーし、1分間静置後の、洗浄液面からの泡の高さを測定し、以下の基準で評価した。
【0087】
<評価基準>
◎:泡の高さが10cm以上、
○:泡の高さが7.5cm以上、10cm未満、
△:泡の高さが5cm以上、7.5cm未満、
×:泡の高さが5cm未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0088】
※6:貯蔵安定性試験
各硬質表面用洗浄剤組成物を密閉したガラス容器に入れ、40℃の恒温槽内に6ヶ月放置し、6ヶ月後の状態を目視で判定して以下の基準で評価した。
評価基準
○:分離や濁りが見られず安定である
△:全体的な分離はなく、若干の濁りが見られるが、使用上問題はない
×:分離もしくは濁りが見られる
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】
【表5】
【0094】
【表6】
【0095】
【表7】
【手続補正書】
【提出日】2021-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
即ち本発明は、
(1)(A)成分としてカチオン化多糖類、
(B)成分としてアルカリ剤、
(C)成分としてアニオン界面活性剤、及び
(D)成分として水
を含有し、(B)成分が水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの少なくとも1種を含有し、(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)の値が0.01以上、100以下であり、組成物の25℃におけるpHが13.1以上、14以下である、硬質表面用洗浄剤組成物、
(2)(A)成分が、カチオン化セルロースである、(1)の硬質表面用洗浄剤組成物、(3)(C)成分が、α-オレフィンスルホン酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、2級アルカンスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、(1)又は(2)の硬質表面用洗浄剤組成物、
(4)更に、(E)成分として両性界面活性剤を含有する、(1)~(3)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物、
(5)更に、(F)成分として非イオン界面活性剤を含有する、(1)~(4)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物、
(6)更に、(G)成分としてグリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤及びこれらの混合物から選択される溶剤を含有する、(1)~(5)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物、
(7)更に、(H)成分として芳香族スルホン酸化合物を含有する、(1)~(6)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物、
(8)レンジ、流し、換気扇、調理台又は調理器具の硬質表面を洗浄するための、(1)~(7)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物
(9)(1)~(8)のいずれかの硬質表面用洗浄剤組成物を、ハンドスプレーヤーを用いて被洗浄物に泡状に噴射し洗浄することを含む、硬質表面の洗浄方法、並びに
(10)前記ハンドスプレーヤーが、トリガースプレーヤー又はフォーマースプレーヤーである、(9)の硬質表面の洗浄方法である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0088
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0088】
※6:貯蔵安定性試験
各硬質表面用洗浄剤組成物を密閉したガラス容器に入れ、40℃の恒温槽内に6ヶ月放置し、6ヶ月後の状態を目視で判定して以下の基準で評価した。
評価基準
○:分離や濁りが見られず安定である
△:全体的な分離はなく、若干の濁りが見られるが、使用上問題はない
×:分離もしくは濁りが見られる
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
なお、実施例15、18、35、36、46~49は参考例である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分としてカチオン化多糖類、
(B)成分としてアルカリ剤、
(C)成分としてアニオン界面活性剤、及び
(D)成分として水
を含有し、(B)成分が水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムの少なくとも1種を含有し、(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)の値が0.01以上、100以下であり、組成物の25℃におけるpHが13.1以上、14以下である、硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項2】
(A)成分が、カチオン化セルロースである、請求項1に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項3】
(C)成分が、α-オレフィンスルホン酸、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル、2級アルカンスルホン酸、及びこれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上を含有する、請求項1又は2に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項4】
更に、(E)成分として両性界面活性剤を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項5】
更に、(F)成分として非イオン界面活性剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項6】
更に、(G)成分としてグリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤及びこれらの混合物から選択される溶剤を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項7】
更に、(H)成分として芳香族スルホン酸化合物を含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項8】
レンジ、流し、換気扇、調理台又は調理器具の硬質表面を洗浄するための、請求項1~7のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物。
【請求項9】
硬質表面に、ハンドスプレーヤーで、請求項1~8のいずれか1項に記載の硬質表面用洗浄剤組成物を泡状で接触させることを含む、硬質表面の洗浄方法。
【請求項10】
前記ハンドスプレーヤーが、トリガースプレーヤー又はフォーマースプレーヤーである、請求項9に記載の硬質表面の洗浄方法。