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特開2022-55961自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物及び自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022055961
(43)【公開日】2022-04-08
(54)【発明の名称】自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物及び自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20220401BHJP
   C11D 3/08 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 3/33 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 7/14 20060101ALI20220401BHJP
   C11D 7/32 20060101ALI20220401BHJP
   A47L 15/44 20060101ALI20220401BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D3/08
C11D3/33
C11D7/14
C11D7/32
A47L15/44
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020163697
(22)【出願日】2020-09-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-21
(71)【出願人】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(71)【出願人】
【識別番号】593085808
【氏名又は名称】ADEKAクリーンエイド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100123009
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 由貴子
(72)【発明者】
【氏名】森下 莉絵
(72)【発明者】
【氏名】野積 拓也
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓也
【テーマコード(参考)】
3B082
4H003
【Fターム(参考)】
3B082CC02
4H003BA12
4H003DA05
4H003DA19
4H003DB02
4H003DC02
4H003EA15
4H003EA19
4H003EA21
4H003EB12
4H003EB13
4H003EB15
4H003EB16
4H003EB20
4H003EB21
4H003EB28
4H003EB30
4H003EB32
4H003EB38
4H003ED02
4H003FA04
4H003FA16
4H003FA21
(57)【要約】
【課題】
低濃度においても優れた洗浄性を示し、かつ銅合金、アルミに対する腐食防止性に優れる上、シリカスケールの発生が抑えられ、また良好な貯蔵安定性を示す自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物、及び本発明の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を用いた自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法を提供する。
【解決手段】
自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物は、(A)成分としてアルカリ金属珪酸塩をSiO換算で1質量%以上、8質量%以下、(B)成分としてエチレンジアミン四酢酸又はその塩1質量%以上、10質量%以下、(C)成分として(B)成分以外のアミノカルボン酸型キレート剤又はその塩5質量%以上、20質量%以下、(D)成分として金属腐食防止剤0.01質量%以上、4.8質量%以下、(E)成分として水、を含有し、(B)成分と(C)成分の質量比が、(B)/(C)の値で0.1以上、0.9以下であり、組成物中の総ナトリウム量が3.9質量%以下となるよう構成され、また、自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法は、上記自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を0.01質量%以上0.15質量%以下の範囲に希釈し、洗浄機庫内に配置された食器等を洗浄する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分としてアルカリ金属珪酸塩をSiO換算で1質量%以上、8質量%以下、
(B)成分としてエチレンジアミン四酢酸又はその塩1質量%以上、10質量%以下、
(C)成分として(B)成分以外のアミノカルボン酸型キレート剤又はその塩5質量%以上、20質量%以下、
(D)成分として金属腐食防止剤0.01質量%以上、4.8質量%以下、
(E)成分として水、
を含有し、(B)成分と(C)成分の質量比が、(B)/(C)の値で0.1以上、0.9以下であり、組成物中の総ナトリウム量が3.9質量%以下であることを特徴とする自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
組成物中の(B)成分と(C)成分の合計が、6質量%以上25質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(B)成分が、エチレンジアミン四酢酸カリウムであることを特徴とする請求項1又は2の何れか一項に記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
(C)成分が、メチルグリシン二酢酸又はその塩、グルタミン酸二酢酸又はその塩、ニトリロ三酢酸又はその塩、ヒドロキシイミノジコハク酸又はその塩より選ばれた少なくとも一種を含有する請求項1~3の何れかに記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
(D)成分が、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される金属腐食防止剤を含有する請求項1~4の何れかに記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
【化1】
(式中、Xは水素、アルカリ金属、アルカノールアミン、CHCOOM、CHCHCOOM、OCHの何れか、Yは水素、アルカリ金属、ハロゲン、CH、COOM、CHCOOM、CHCHCOOM、OCH、NH、NO、SOMの何れかであり、Mは水素、アルカリ金属の何れかである。)
【化2】
(式中、Xは水素、アルカリ金属、アルカノールアミン、CHCOOM、CHCHCOOM、OCHの何れか、Yは水素、アルカリ金属、ハロゲン、CH、COOM、CHCOOM、CHCHCOOM、OCH、NH、NO、SOMの何れかであり、Mは水素、アルカリ金属の何れかである。)
【請求項6】
更に(F)成分としてポリカルボン酸型ポリマーを0.01質量%以上、8質量%以下含有する請求項1~5の何れか一項に記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
【請求項7】
組成物中の水酸化ナトリウム含有量が3質量%未満である、請求項1~6の何れか一項に記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
【請求項8】
請求項1~7の何れかに記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を自動食器洗浄機の洗浄液タンクに供給して0.01質量%以上0.15質量%以下の範囲に希釈し希釈洗浄液を調製する希釈工程、
希釈洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する加熱保持工程、
洗浄液タンク内の加熱された希釈洗浄液を洗浄機庫内に噴射し当該洗浄機庫内に配置された食器類を洗浄する洗浄工程、
すすぎ液を洗浄機庫内に噴射して食器類をすすぐすすぎ工程、
を含むことを特徴とする自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法。
【請求項9】
前記すすぎ工程において、すすぎ液を洗浄機の平面積2500cm当たり、1L以上3L以下の範囲で噴射して食器類をすすぐ請求項8に記載の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物、特に業務用の自動食器洗浄機用として好適な自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物に関する。また本発明はこの自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を用いた食器類の洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食器類の洗浄に自動食器洗浄機が広く利用されるようになっており、ホテル、レストラン、給食会社、病院、会社の食堂等においても、使用後の食器を効率よく洗浄するために、また近年の衛生意識の向上から業務用の自動食器洗浄機が広く用いられている。
【0003】
自動食器洗浄機、特に業務用の自動食器洗浄機により食器類を洗浄する場合、一般的に、所定濃度に調製した洗浄液を洗浄液タンク内で加熱保持し、次いで洗浄液タンク内の洗浄液をノズルから洗浄機庫内に一定量を噴射して洗浄機庫内の食器類を洗浄した後、すすぎ水を洗浄機のノズルから一定量噴射してすすぎを行い、乾燥するという工程を経て洗浄が行われる。自動食器洗浄機用の洗浄剤としては、従来、液状、粒状、粉末状、固体状のものが用いられている。粉末状、粒状、又は固形状(以下、固形状等ともいう)のものは高濃度で少容積化が可能であるという利点を有する。しかし、複数の成分を含む固体状等の洗浄剤は、各固体状等の固形物毎に各成分を所定の濃度範囲で含有させることが容易ではなく、溶解して洗浄液としたときに成分濃度にばらつきが生じやすい。したがって近年、液状であって高濃度で少容積化が可能である濃縮液体洗浄剤組成物の開発が進んでいる。
【0004】
ところで業務用の自動食器洗浄機用の洗浄剤はアルカリ剤を配合することにより高い洗浄力を発揮する一方で、銅、アルミ等の腐食しやすい金属に対しては腐食の懸念がある。たとえば自動食器洗浄機内の循環ポンプには砲金性のインペラーが使用され、また、被洗浄物としてアルミ製、純銅製、真鍮製の調理器具等を洗浄する場合がある。そのため、上記洗浄剤は、高い洗浄力を有しながらも低腐食性であることが求められる。
【0005】
これに対し、金属腐食性を解決するために従来の高アルカリ洗浄剤としては、アルカリ剤、無リン系水溶性金属イオン封鎖剤、ベンゾトリアゾール誘導体を含有する自動食器洗浄機用洗浄剤組成物(引用文献1)、消泡剤、腐食防止剤を含有する自動洗浄機用洗浄剤組成物(引用文献2)、アルカリ剤、防食剤、キレート剤を含有する洗浄剤組成物(引用文献3)、アルカリ剤、キレート剤、金属腐食防止剤を含有する自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物(引用文献4)等が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-67833号公報
【特許文献2】特開2017-214445号公報
【特許文献3】特開2016-98331号公報
【特許文献4】特開2020-50781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら上述する従来の洗浄剤組成物について本願発明者らが検討したところ以下、課題があることがわかった。
即ち、特許文献1、2に記載の洗浄剤組成物は、腐食防止剤を配合することにより銅合金に対して腐食防止性を示すが、アルミに対する腐食防止性は充分ではなく、また珪酸塩を含有する場合、貯蔵安定性においても十分ではない傾向にあった。濃縮液体洗浄剤は、希釈して使用されるため、購入後の保管期間が長くなる傾向にある。そのため、貯蔵環境を選ばず安定して保存できる濃縮液体洗浄剤の提供が望まれている。
引用文献3に記載の洗浄剤組成物は、銅合金だけでなくアルミに対しても腐食防止性を示すが、アルカリ剤として珪酸塩が多く配合されているために自動食器洗浄機内で除去困難なシリカスケールが形成される。自動食器洗浄機内及び配管に付着したシリカスケールによる衛生上の問題やノズルの詰まり等の問題があった。
引用文献4に記載の洗浄剤組成物は、アルミ、銅等の金属に対して腐食防止性を示すが、自動食器洗浄機での実使用に際してはアルミの腐食防止性が十分ではなかった。
【0008】
本発明は上記課題を鑑みなされたものである。即ち、本発明は、低濃度においても優れた洗浄性を示し、かつ銅合金、アルミに対する腐食防止性に優れる上、シリカスケールの発生が抑えられ、また良好な貯蔵安定性を示す自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。また本発明は上記自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を用いた自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、アルカリ金属珪酸塩((A)成分)と、金属腐食防止剤((D)成分)とを所定の範囲で含み、かつキレート剤として、エチレンジアミン四酢酸又はその塩((B)成分)及び上記(B)成分以外のアミノカルボン酸型キレート剤又はその塩((C)成分)を併用するとともに、これら(B)成分と(C)成分とを特定範囲の比率として調製された組成物であれば、低濃度においても優れた洗浄性を示し、かつ銅合金、アルミ等に対する金属腐食防止性に優れる上、シリカスケールの発生が抑えられ、また良好な貯蔵安定性を示す液体洗浄剤を提供可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物は、(A)成分としてアルカリ金属珪酸塩をSiO換算で1質量%以上、8質量%以下、(B)成分としてエチレンジアミン四酢酸又はその塩1質量%以上、10質量%以下、(C)成分として(B)成分以外のアミノカルボン酸型キレート剤又はその塩5質量%以上、20質量%以下、(D)成分として金属腐食防止剤0.01質量%以上、4.8質量%以下、(E)成分として水、を含有し、(B)成分と(C)成分の質量比が、(B)/(C)の値で0.1以上、0.9以下であり、組成物中の総ナトリウム量が3.9質量%以下であることを特徴とする。
【0011】
また本発明の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法は、本発明の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を自動食器洗浄機の洗浄液タンクに供給して0.01質量%以上0.15質量%以下の範囲に希釈し希釈洗浄液を調製する希釈工程、希釈洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する加熱保持工程、洗浄液タンク内の加熱された希釈洗浄液を洗浄機庫内に噴射し当該洗浄機庫内に配置された食器類を洗浄する洗浄工程、すすぎ液を洗浄機庫内に噴射して食器類をすすぐすすぎ工程、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物は、低濃度での使用においても高い洗浄性を示し、銅合金やアルミ等のアルカリの影響で腐食しやすい金属に対して優れた金属腐食防止性に優れる上、シリカスケールの発生が抑えられ、また良好な貯蔵安定性を示す。
かかる本発明の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を用いる本発明の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法は、低濃度に希釈した洗浄液を用い、高い洗浄性で食器を洗浄することができる。その上、本発明の洗浄方法は、自動食器洗浄機において金属腐食及びシリカスケールの発生が防止されるため、当該自動食器洗浄機のメンテナンス作業を軽減し、機械の長寿命化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物(以下、単に本発明の洗浄剤組成物という場合がある)、(A)成分としてアルカリ金属珪酸塩、(B)成分としてエチレンジアミン四酢酸又はその塩、(C)成分として(B)成分以外のアミノカルボン酸型キレート剤又はその塩、(D)成分として金属腐食防止剤、及び(E)成分として水を含有する。
本発明の洗浄剤組成物において、(A)成分はSiO換算で1質量%以上、8質量%以下、(B)成分は1質量%以上、10質量%以下、(C)成分は5質量%以上、20質量%以下、(D)成分は0.01質量%以上、4.8質量%以下の範囲で含まれる。かかる配合比率において、(B)成分と(C)成分の質量比は、(B)/(C)の値で0.1以上、0.9以下であり、洗浄剤組成物中の総ナトリウム量が3.9質量%以下となるよう調整される。
【0014】
かかる本発明の洗浄剤組成物によれば、主たる洗浄剤成分として汎用される水酸化ナトリウムなどの代わりに(A)成分であるアルカリ金属珪酸塩を含むとともに(D)成分である金属腐食防止剤を含むことにより良好な洗浄性と銅、アルミなどの金属腐食防止が図られる。本発明の洗浄剤組成物は、更にキレート剤として上述する(B)成分及び(C)成分を所定の配合比率で含むことによって、貯蔵安定性も良好であり、かつ珪酸塩を主たる洗浄成分に含みつつも、食器洗浄機庫内におけるシリカスケールの発生が良好に防止される。
尚、本発明に関し、キレート剤とは、金属イオン等との間に水素結合などの結合によって多座配位子の配位した化合物を構成しうる剤であって、洗浄剤組成物に用いられ得るキレート化合物を広く包含する。また本発明に関し、アミノカルボン酸型キレート剤とは、分子内にアミノ基と、これに結合するカルボキシル基とを有するキレート剤を指す。
以下に、本発明の洗浄剤組成物の詳細について説明する。
【0015】
(A)成分のアルカリ金属珪酸塩は、二酸化ケイ素とアルカリ金属酸化物とからなる塩であり、自動食器洗浄機用の洗浄剤の成分として使用可能なアルカリ金属珪酸塩から1種又は2種以上、適宜選択可能である。(A)成分の具体的な例としては、たとえば、オルソ珪酸ナトリウム、オルソ珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、JIS K1408に規定されている1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウム、及び3号珪酸ナトリウム、日本化学工業社製の商品名;A珪酸カリ、B珪酸カリウム、及びC珪酸カリウム等、メタ珪酸ナトリウム5水塩、ならびにメタ珪酸ナトリウム9水塩等が挙げられる。
(A)成分は、より具体的には、二酸化ケイ素と、酸化カリウム又は酸化ナトリウムとを含む化合物であることが好ましく、より良好な貯蔵安定性を示す洗浄剤組成物を提供するという観点からは、(A)成分は、アルカリ金属としてカリウムを含むカリウム塩であることがより好ましい。
【0016】
本発明の洗浄剤組成物において、(A)成分は、SiO換算で1質量%以上、8質量%以下の範囲で含まれる。
(A)成分のSiO換算での含有量が1質量%未満では、洗浄性が十分でなく、また優れたアルミ腐食防止性が示され難い。洗浄性、アルミ腐食防止性の向上の観点からは、(A)成分は、SiO換算で2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。
また(A)成分のSiO換算での含有量が8質量%を超えると、シリカスケールの付着が問題となる場合があり、また洗浄剤組成物の貯蔵安定性が低下する場合がある。シリカスケール防止、貯蔵安定性の向上の観点からは、(A)成分は、SiO換算で6質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
【0017】
(B)成分のエチレンジアミン四酢酸又はその塩は、自動食器洗浄機用の洗浄剤に使用可能なキレート剤の一種である。(B)成分の具体的な例としては、たとえば、エチレンジアミン四酢酸又はそのアルカリ金属塩が挙げられ、より具体的には、たとえばエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸カリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、およびエチレンジアミン四酢酸物モノエタノールアミン塩等が挙げられ、これらは1種又は2種以上の組み合わせで用いられる。
【0018】
後述する総ナトリウム量の所定範囲において、(B)成分として、適宜エチレンジアミン四酢酸ナトリウムを用いることができるが、より良好な貯蔵安定性を示すという観点からは、(B)成分としてエチレンジアミン四酢酸カリウムを含むことが好ましく、(B)成分100質量%においてエチレンジアミン四酢酸カリウムが90質量%以上であることがより好ましく、実質的に(B)成分は、エチレンジアミン四酢酸カリウムであることが更に好ましい。
【0019】
本発明の洗浄剤組成物において、(B)成分は、1質量%以上、10質量%以下の範囲で含まれる。
(B)成分の含有量が1質量%未満では、自動食器洗浄機におけるシリカスケールの発生が問題となる場合がある。より良好にシリカスケールの発生を防止するという観点からは、(B)成分は、1.5質量%以上であることが好ましく、2.0質量%以上であることがより好ましい。
また(B)成分の含有量が10質量%を超えると、貯蔵安定性が劣り、またアルミ腐食防止性も低下する場合がある。したがって、貯蔵安定性、アルミ腐食防止性の向上の観点からは、(B)成分は、7.0質量%以下であることが好ましく、4.0質量%以下であることがより好ましい。
【0020】
(C)成分は、(B)成分と併用される、当該(B)成分以外のアミノカルボン酸型キレート剤又はその塩である。
(C)成分は、自動食器洗浄機用の洗浄剤に使用可能なキレート剤の一種であり、上記(B)成分以外のものから1種又は2種以上選択される。(C)成分の具体的な例としては、たとえば、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、ニトリロ三酢酸又はこれらの塩が挙げられる。上記塩としては、一般的には金属塩を指し、スケール防止性の観点からは、特にカリウム塩やナトリウム塩等のアルカリ金属塩であることが好ましい。
【0021】
上述に列挙される(C)成分の中でも好ましい例としては、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、もしくはニトリロ三酢酸のアルカリ金属塩から選択された1種以上が挙げられる。
【0022】
中でもメチルグリシン二酢酸又はその塩、グルタミン酸二酢酸又はその塩、ニトリロ三酢酸又はその塩は、上述する(B)成分と併用される(C)成分として好ましく、これらのアルカリ金属塩であることがより好ましい。よりアルミ腐食防止性を良好に発揮するという観点からは、上記(C)成分として、メチルグリシン二酢酸のナトリウム塩及び/又はグルタミン酸二酢酸のナトリウム塩が選択されることが特に好ましい。ただし、洗浄剤組成物中のナトリウム濃度が高くなりすぎると貯蔵安定性が不十分になる場合があるため、(C)成分としてナトリウム塩を選択する場合であっても、後述する組成物中の総ナトリウム量が所定範囲以下となるよう調整することが肝要である。
【0023】
本発明の洗浄剤組成物において、(C)成分は、5質量%以上、20質量%以下の範囲で含まれる。
(C)成分の含有量が5質量%未満では、シリカスケールが発生しやすい傾向にある。シリカスケールの発生をより良好に防止するという観点からは、(C)成分は、6質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。
また(C)成分の含有量が20質量%を超えると、貯蔵安定性が不良となり、またアルミ腐食防止性が十分でない場合がある。したがって良好な貯蔵安定性及びアルミ腐食防止性を実現するという観点からは、(C)成分は、15質量%以下であることが好ましく、12質量%以下であることがより好ましい。
【0024】
(D)成分は、所謂金属腐食防止剤として、自動食器洗浄機用の洗浄剤に使用可能な化合物から適宜選択して用いることができる。たとえば、(D)成分として、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5-フェニル-ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、若しくは5-ニトロ-ベンゾトリアゾール等のトリアゾール系化合物;ベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、チアゾリルベンゾイミダゾール、4-メチル-2-フェニルイミダゾール等のイミダゾール系化合物;ベンゾチアゾール、若しくは2-メルカプトベンゾチアゾール、3-(2-ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、(2-ベンゾチアジルチオ)酢酸等のチアゾール系化合物;ジメルカプトチアジアゾール等のチアジアゾール系化合物又はこれらの誘導体より選ばれた少なくとも一種を含有することができる。
金属腐食防止性という観点からは、(D)成分として、トリアゾール系化合物、イミダゾール系化合物、若しくはチアゾール系化合物、又はこれらの誘導体より選ばれた少なくとも一種を含有することが好ましい。
【0025】
上述にて例示する(D)成分の中でも、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される金属腐食防止剤が1種以上、含有されることがより好ましい。(D)成分として、これらの化合物を少なくとも一種を含有する本発明の洗浄剤組成物は、特に銅合金に対する腐食防止性の点で好ましい。より具体的には、(D)成分として、下記一般式(1)で表される化合物を1種以上、又は下記一般式(2)で表される化合物を1種以上、又は下記一般式(1)で表される化合物1種以上及び下記一般式(2)で表される化合物をそれぞれ1種以上含むことが好ましい。
【0026】
【化1】
(式中、Xは水素、アルカリ金属、アルカノールアミン、CHCOOM、CHCHCOOM、OCHの何れか、Yは水素、アルカリ金属、ハロゲン、CH、COOM、CHCOOM、CHCHCOOM、OCH、NH、NO、SOMの何れかであり、Mは水素、アルカリ金属の何れかである。)
【化2】
(式中、Xは水素、アルカリ金属、アルカノールアミン、CHCOOM、CHCHCOOM、OCHの何れか、Yは水素、アルカリ金属、ハロゲン、CH、COOM、CHCOOM、CHCHCOOM、OCH、NH、NO、SOMの何れかであり、Mは水素、アルカリ金属の何れかである。)
【0027】
上記一般式(1)は、チアゾール系化合物に含まれる化合物であって、2-メルカプトベンゾチアゾール骨格を有する化合物の一般式である。例えば、上記一般式(1)で表される化合物であって、特に好ましい化合物の例としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、3-(2-ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸、(2-ベンゾチアジルチオ)酢酸などが挙げられる。
また上記一般式(2)は、イミダゾール系化合物に含まれる化合物であって、2-メルカプトベンゾイミダゾール骨格を有する化合物の一般式である。例えば、上記一般式(2)で表される化合物であって、特に好ましい化合物の例としては、2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトアミノベンゾイミダゾール等が挙げられる。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物において、(D)成分は、0.01質量%以上、4.8質量%以下の範囲で含まれる。
(D)成分の含有量が0.01質量%未満では、金属腐食防止性、特には銅腐食防止性が十分に発揮され難い。良好に銅腐食防止性を発揮するという観点からは、(D)成分は、0.05質量%以上であることが好ましく、0.1質量%以上であることがより好ましい。
また(D)成分の含有量が4.8質量%を超えると、貯蔵安定性が不良となる傾向にあるとともに過剰に入れることによるさらなる効果が望めない。経済的な不利益なく、良好な貯蔵安定性を得るという観点からは、(D)成分は、4.5質量%以下であることが好ましく、4.0質量%以下であることがより好ましい。
【0029】
(E)成分の水としては、特に限定はなく、イオン交換水、軟水、純水、水道水などが挙げられ、洗浄剤組成物の安定性の観点から、イオン交換水又は純水が好ましい。水道水としては、例えば、東京都荒川区の水道水(pH=7.6、総アルカリ度(炭酸カルシウム換算として)40.5mg/L、ドイツ硬度2.3°DH(そのうち、カルシウム硬度1.7°DH、マグネシウム硬度0.6°DH)、塩化物イオン21.9mg/L、ナトリウム及びその化合物15mg/L、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素1.2mg/L、フッ素及びその化合物0.1mg/L、ホウ素及びその化合物0.04mg/L、総トリハロメタン0.016mg/L、残留塩素0.4mg/L、有機物(全有機炭素量)0.7mg/L)が挙げられる。水は、洗浄剤組成物全体が100質量%となるように配合(必要に応じて後述する(F)成分又はその他の任意成分を配合する場合、これらを含めて全体が100質量%となるように配合)されるものである。
【0030】
本発明の洗浄剤組成物は、更に(F)成分としてポリカルボン酸型ポリマーを含む態様を包含する。
(F)成分を含む本洗浄剤組成物の態様では、より優れたシリカスケール付着防止性を発揮し得るという観点からは0.01質量%以上含むことが好ましく、0.1質量%以上含むことがより好ましく、0.2質量%以上含むことが更に好ましい。また良好なシリカスケール付着防止性を発揮しつつ良好な貯蔵安定性を維持するという観点からは、(F)成分は、8質量%以下の範囲で含有されることが好ましく、6質量%以下の範囲で含有されることがより好ましく、5質量%以下の範囲で含有されることが更に好ましい。
【0031】
(F)成分としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、アクリル酸-メタクリル酸共重合体、アクリル酸-マレイン酸共重合体、アクリル酸-スルホン酸共重合体、オレフィン-マレイン酸共重合体、無水マレイン酸-スチレン共重合体、無水マレイン酸-エチレン共重合体、無水マレイン酸-酢酸ビニル共重合体、若しくは無水マレイン酸-アクリル酸エステル共重合体等、又はこれらの塩より選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。上記塩としてはたとえばナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましい。
中でも、シリカスケール付着防止性の向上という観点からは、(F)成分として、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸-マレイン酸共重合体、オレフィン-マレイン酸共重合体、アクリル酸-スルホン酸共重合体又はこれらの塩より選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。上記塩としてはたとえばナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましい。
【0032】
(F)成分であるポリカルボン酸型ポリマーの重量平均分子量は、200以上20000以下であることが好ましく、500以上15000以下であることがより好ましく、1500以上8000以下であることが更に好ましい。上記重量平均分子量が200未満であると、シリカスケール付着防止性の点で好ましくない場合があり、20000を超えると貯蔵安定性の点で好ましくない場合がある。
【0033】
上述する本発明の洗浄剤組成物は、適宜、ナトリウム塩等のナトリウムを含む化合物を含有する。本発明の洗浄剤組成物において、適度な範囲でナトリウムを含有することで洗浄性、スケール防止性の向上が図られうる。一方、本発明の様にアルカリ金属珪酸塩を含有する洗浄剤組成物では、ナトリウムの量が多すぎると、貯蔵安定性の向上に不利益を与える場合がある。そのため、本発明の洗浄剤組成物中の総ナトリウム量は3.9質量%以下となるよう各組成の配合が調整される。より良い貯蔵安定性の実現という観点からは、上記総ナトリウム量は、好ましくは3.5質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以下であり、更に好ましくは、2.6質量%以下であり、特に好ましくは2.4質量%以下である。一方、上記総ナトリウム量の下限は特に限定されないが、0.5質量%以上であることが好ましく、0.8質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが更に好ましい。
【0034】
ところで、本発明の洗浄剤組成物は、上述するとおり、主たる洗浄成分として(A)成分であるアルカリ金属珪酸塩を含む。ここで、本発明の洗浄剤組成物は、洗浄剤成分として汎用される水酸化ナトリウムの含有を禁止するものではない。ただし、水酸化ナトリウムを含むことによって、貯蔵安定性に望ましくない影響を与える場合があり、またアルミ腐食防止性を損なう場合がある。そのため、本発明の洗浄剤組成物中において、水酸化ナトリウムの含有量は、3質量%未満であることが好ましく、1質量%未満であることがより好ましく、実質的に0質量%であることが更に好ましい。
【0035】
次に本発明の洗浄剤組成物に含まれる成分の配合比率に関し、説明する。
本発明の洗浄剤組成物は、(B)成分と(C)成分の質量比が、(B)/(C)の値で0.1以上、0.9以下の範囲となるよう調整される。併用される2種のキレート剤をかかる比率に調整することによって、洗浄剤組成物において、シリカスケールの発生の防止、アルミ腐食防止、及び貯蔵安定性の何れも、バランスよく向上させ得る。かかる観点からは、(B)/(C)の値は、0.2以上0.8以下であることが好ましく、0.25以上0.7以下であることがより好ましく、0.3以上0.6以下であることが更に好ましい。(B)/(C)の値が、0.1未満である場合には、貯蔵安定性及びシリカスケール発生防止の効果が不十分である場合があり、一方、0.9よりも大きい場合には、貯蔵安定性及びアルミ腐食防止性に望ましくない影響を与える場合がある。
【0036】
また、(B)成分と(C)成分の含有量の調整によって、更にシリカスケールの発生の防止、アルミ腐食防止、及び貯蔵安定性を良好に向上させるためには、洗浄剤組成物中の(B)成分と(C)成分の含有量の合計を、6質量%以上25質量%以下の範囲に調整することが好ましく、7質量%以上18質量%以下の範囲に調整することがより好ましく、8質量%以上13質量%以下の範囲で調整することが更に好ましい。(B)成分と(C)成分の含有量の合計が6質量%未満である場合には、良好なシリカスケールの発生の防止が示されない場合があり、また当該合計が25質量%を上回ると、アルミ腐食防止性や貯蔵安定性に望ましくない影響を与える場合がある。
【0037】
本発明の液体アルカリ性洗浄剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じ当該技術分野で通常使用される他の成分を含有していてもよい。このような成分としては、たとえば非イオン界面活性剤、除菌剤、酸化剤、消泡剤、pH調整剤、酵素、色素、香料等が挙げられる。
【0038】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダム、ブロックの何れでもよい)等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル(エチレンオキシドとプロピレンオキシドはランダム、ブロックの何れでもよい)等のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリエチレングリコールプロピレンオキシド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキシド付加物、グリセリン脂肪酸エステル又はそのエチレンオキシド付加物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸モノエタノールアミド又はそのエチレンオキシド付加物、脂肪酸-N-メチルモノエタノールアミド又はそのエチレンオキシド付加物、脂肪酸ジエタノールアミド又はそのエチレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル(ポリ)グリセリンエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸メチルエステルエトキシレート、N-長鎖アルキルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0039】
除菌剤としては、例えば、チアゾリン類、ヒダントイン類や、ヨード-2-プロピニルブチルカーバメイト、イソプロピルメチルフェノール、ヘキサクロロフェン、イルガサン、トリクロサン等が挙げられる。チアゾリン類としては、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン、イソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、N-n-ブチル-ベンズイソチアゾリン-3-オン等が挙げられる。ヒダントイン類としては、1,3-ジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン、1又は3-モノメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン、ジメチルヒダントイン、1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン、1,3-ジクロロエチルメチルヒダントイン等が挙げられる。
【0040】
酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸塩、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム等の亜塩素酸塩、塩素酸ナトリウム、塩素酸カリウム等の塩素酸塩、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム等の過塩素酸塩、塩素化イソシアヌル酸ナトリウム、塩素化イソシアヌル酸カリウム等の塩素化イソシアヌル酸塩、二酸化塩素、過酸化水素等が挙げられる。酸化剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、経済性の点から次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
【0041】
消泡剤としてはシリコーンオイル、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール共重合体、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。増粘剤としては、平均分子量200~6,000のポリエチレングリコール、エチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、還元でんぷん糖化物等の多価アルコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース誘導体、アクリル酸系ポリマー等が挙げられる。ハイドロトロープ剤としては、2-エチルヘキサン酸及び/又はその塩、カプリル酸及び/又はその塩、アルケニルスルホコハク酸及び/又はその塩、メタキシレンスルホン酸及び/又はその塩、アルキル(C6~10)グルコシド、オクチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
【0042】
pH調整剤としては、例えば、酢酸、塩酸、硫酸、硝酸、クエン酸、リン酸、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等が挙げられる。pH調整剤は、単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0043】
酵素としては、例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ等が挙げられる。
【0044】
色素としては、例えば、天然色素、合成色素、これらの混合物が挙げられる。また、香料としては、例えば、天然香料、合成香料、これらの調合香料等が挙げられる。
【0045】
次に本発明の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法(以下、単に本発明の洗浄方法ともいう)について説明する。本発明の洗浄方法は、本発明の洗浄剤組成物の優れた洗浄性を享受し、食器類を良好に洗浄することができる。また、本発明の洗浄剤組成物は、自動食器洗浄機庫内におけるシリカスケールの発生が良好に防止されるとともに、銅やアルミ等の金属腐食防止効果も高い。そのため、本発明の洗浄方法によれば、自動食器洗浄機内部の金属部位の腐食が防止され、またシリカスケールの付着も抑制されるため、装置のメンテナンスの労力が軽減され、また、装置の長寿命化を図ることができる。
本発明の洗浄方法は、上述する本発明の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を用いて実施される洗浄方法であって、希釈工程、加熱保持工程、洗浄工程及びすすぎ工程を含む。尚、各工程と工程との間には任意の他の工程が実施されてもよい。
【0046】
上記希釈工程は、本発明の洗浄剤組成物を自動食器洗浄機の洗浄液タンクに供給して0.01質量%以上0.15質量%以下の範囲に希釈し希釈洗浄液を調製する工程である。上記希釈率は、0.02質量%以上、0.10質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上、0.08質量%以下であることがより好ましい。尚、ここでいう希釈率は、用いられる洗浄剤組成物の組成を基準としたものである。
本発明の洗浄剤組成物は、濃縮液型の洗浄剤であるため、運搬時にはコンパクト化されるとともに、使用時には、上述のとおり非常に薄い濃度にまで希釈しても良好な洗浄性を示しうる。そのため、本発明の洗浄方法は、特に業務用の自動食器洗浄機により食器類の洗浄方法に適している。希釈工程において、洗浄液タンクに洗浄剤組成物を供給する方法は特に限定されず、自動でも手動でも構わない。
また本洗浄方法は、上述のとおり希釈率が高いため、購入した本発明の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を、すぐに使い切ることなく、長期間保管しながら使用することになる場合がある。ここで本発明の洗浄剤組成物は、貯蔵安定性に優れるため、このような長期管の保管において貯蔵環境を選ばず良好な状態で保管され得る。
希釈工程において洗浄剤組成物を希釈する希釈液は、一般的には水道水などの水であってもよいし、節水等の観点から、希釈液の一部又は全部を、使用済みの洗浄液や使用済みのすすぎ水としてもよい。
【0047】
上記希釈工程の後は、加熱保持工程が実施される。加熱保持工程は、希釈洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する工程である。加熱温度は、概ね50℃~80℃程度であり、希釈洗浄液を加熱することで洗浄性を高めることができる。
【0048】
次に、加熱保持工程において加熱された希釈洗浄液を用いて洗浄工程が実施される。洗浄工程は、洗浄液タンク内の加熱された希釈洗浄液を洗浄機庫内に噴射し当該洗浄機庫内に配置された食器類を洗浄する工程である。
【0049】
洗浄工程終了後、すすぎ液を前洗浄機内に噴射して食器類をすすぐすすぎ工程が実施される。
【0050】
尚、すすぎ工程において、すすぎ液の噴射量は特に限定されないが、たとえば、洗浄機の平面積2500cm当たり、1L以上3L以下の範囲で噴射して前記食器類をすすぐと良い。上記面積当たりのすすぎ水を1L以上噴射することで、食器類を充分にすすぐことが可能であり、また上記面積当たりのすすぎ水を3L以下とすることで、すすぎ工程において使用する水の量を少量に抑え節水の要請に応えることができるため好ましい。本発明の洗浄剤組成物は、洗浄性が高く、かつ低濃度に希釈して使用できるためすすぎ性も良好である。そのため、本発明の洗浄方法において、このように、一度の洗浄工程において使用するすすぎ水の全量を3L以下にすることが可能であり、節水に貢献することができる。
【実施例0051】
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明する。実施例、比較例の洗浄剤組成物において配合に用いた各成分を下記表1~6に示す。尚、下記表1~6に示す配合量に関する数値は、洗浄剤組成物に対する各成分の純分の割合(質量%)である。また、自動食器洗浄機はホシザキ株式会社製自動食器洗浄機:JWE-680AJを使用して以下の試験を行った。
【0052】
(A)成分
A-1:珪酸カリウム1(日本化学工業株式会社製;A珪酸カリ、純分40%、SiO換算で26.5%)
A-2:珪酸カリウム2(大阪硅酸曹達株式会社、オルソ珪酸カリ、純分42%、SiO換算で10%)
A-3:珪酸ナトリウム(広栄化学工業株式会社製 珪酸ソーダ3号、純分38%、SiO換算で29%)
【0053】
(B)成分
B-1:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
B-2:エチレンジアミン四酢酸カリウム
B-3:エチレンジアミン四酢酸モノエタノールアミン塩
【0054】
(C)成分
C-1:メチルグリシン二酢酸ナトリウム
C-2:グルタミン酸二酢酸ナトリウム
C-3:ニトリロ三酢酸ナトリウム
C-4:ヒドロキシイミノジコハク酸ナトリウム
【0055】
(D)成分
D-1:2-メルカプトベンゾイミダゾール
D-2:2-メルカプトベンゾチアゾール
D-3:3-(2-ベンゾチアジルチオ)プロピオン酸
D-4:(2-ベンゾチアジルチオ)酢酸
D-5:ベンゾトリアゾール
D-6:トリルトリアゾール
【0056】
(E)成分
E-1:イオン交換水
【0057】
(F)成分
F-1:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量が4,000)
F-2:ポリマレイン酸ナトリウム(重量平均分子量が500)
F-3:アクリル酸-マレイン酸共重合体カリウム(重量平均分子量が1,900)
F-4:アクリル酸-スルホン酸共重合体カリウム(重量平均分子量が5,000)
【0058】
その他成分
G-1:水酸化ナトリウム
G-2:塩化カリウム
【0059】
※1:洗浄性試験
<被洗浄物>
直径20cmのガラス皿にマヨネーズ(キューピー株式会社製)2gを均一に塗布し、室温で24時間放置して乾燥させた汚染皿を被洗浄物とした。
<試験方法>
洗浄剤組成物の濃度が0.03質量%、又は0.07質量%になるよう、希釈水で各洗浄剤組成物を希釈し、希釈洗浄液を調製した。そして上記希釈洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンクに貯留して66℃で加熱保持し、洗浄ラックに汚染皿5枚を設置し、以下の条件で洗浄、すすぎを行った。洗浄剤組成物の希釈水及びすすぎ水は、塩化カルシウムを用いてドイツ硬度3°DHに調製した人工硬水を用いた。
<洗浄条件>
洗浄温度:66℃
洗浄時間:41秒
すすぎ水温度:82℃
すすぎ時間:6秒
すすぎ水量:2L
<洗浄性評価>
洗浄、すすぎ後の皿を室温で24時間放置して乾燥させた後、暗室において蛍光灯光を照射、反射させて汚れの残存状況を目視判定により以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:清浄な皿と比較して差がない。
○:うすい曇りのみが認められる。
△:スポットのみが認められる。
×:曇りとスポットが認められる。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0060】
※2:シリカスケール付着防止性試験
自動食器洗浄機庫内の壁面(洗浄液タンク内は除く)のスケール防止性を、以下の方法で評価した。尚、本試験では、希釈洗浄液は1サイクルごとに排水せず、繰り返し使用し、すすぎ水で薄まった分だけ洗浄剤組成物を供給して所定濃度を満たすよう調整する方法で実施した。
<試験方法>
洗浄ラックに250mlのグラス36個を設置し、希釈洗浄液により下記条件で洗浄/すすぎ/インターバルを200サイクル繰り返した後、自動食器洗浄機庫内のシリカスケール付着状態を目視判定し、以下の基準で評価した。尚、上記希釈洗浄液は、塩化カルシウムを用いてドイツ硬度10°DHに調製した人工硬水にて調製を行った。また、上記希釈洗浄液は、排水せずに繰り返し使用し、2サイクル目以降、すすぎ水により薄まった分だけ洗浄剤組成物を供給して洗浄剤組成物の濃度を0.03質量%、0.07質量%に保つようにした。
<洗浄条件>
洗浄温度:66℃
洗浄時間:41秒
すすぎ水温度:82℃
すすぎ時間:6秒
すすぎ水量:2L
インターバル:5秒
<評価基準>
◎:シリカスケールの付着が全く認められなかった。
○:シリカスケールの付着がほとんど認められなかった。
△:シリカスケールの付着が認められた。
×:著しいスシリカケールの付着が認められた。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0061】
※3:金属腐食防止性試験1(アルミ)
テストピース[アルミニウム(A1100P)、縦75mm×横25mm×厚さ1mm]は、予め中性洗剤で洗浄しアセトン処理して乾燥させたものが準備された。また炭酸カルシウムを用いて、ドイツ硬度3°DHに調製した人工硬水で洗浄剤組成物を0.1質量%に希釈し、希釈洗浄水を調製した。上記希釈洗浄水100mLを120mL容量の蓋付透明ポリプロピレン製容器に入れ、その中にテストピースを浸漬させ、60℃の恒温機内で24時間保存した。保存後のテストピースを取り出し、イオン交換水にてすすぎを行い乾燥させて、テストピース表面の状態を目視により外観観察し、以下の基準で腐食性を評価した。尚、腐食の有無は、テストピース表面の変色、光沢の低減などの外観の変化により判断した。
<評価基準>
◎:腐食がない。
○:ほとんど腐食がない。
△:やや腐食がみられるが、使用上問題ないレベル。
×:ひどく腐食した。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0062】
※4:金属腐食防止性試験2(アルミ)
自動食器洗浄機庫内のアルミ腐食防止性を、以下の方法で評価した。尚、本試験では、希釈洗浄液は1サイクルごとに排水せず、繰り返し使用し、すすぎ水で薄まった分だけ洗浄剤組成物を供給して所定濃度を満たすよう調整する方法で実施した。
<試験方法>
テストピース[アルミニウム(A1100P)、縦75mm×横25mm×厚さ1mm]は、予め中性洗剤で洗浄しアセトン処理して乾燥させたものが準備された。また塩化カルシウムを用いて、ドイツ硬度3°DHに調製した人工硬水で洗浄剤組成物を0.07質量%に希釈し、希釈洗浄水を調製した。
洗浄機内にテストピースを固定し、希釈洗浄液により下記条件で洗浄/すすぎ/インターバルを100サイクル繰り返した後、自動食器洗浄機庫内のテストピースの外観を目視判定し、以下の基準で腐食性を評価した。尚、上記希釈洗浄液は、2サイクル目以降、すすぎ水により薄まった分だけ洗浄剤組成物を供給して洗浄剤組成物の濃度を0.07質量%に保つようにした。
<洗浄条件>
洗浄温度:66℃
洗浄時間:41秒
すすぎ水度:82℃
すすぎ時間:6秒
すすぎ水量:2L
インターバル:5秒
<評価基準>
◎:腐食がない。
○:ほとんど腐食がない。
△:やや腐食がみられるが、使用上問題ないレベル。
×:ひどく腐食した。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0063】
※5:金属腐食防止性試験3(銅合金)
砲金テストピース[砲金(BC-6)、縦75mm×横25mm×厚さ3mm]、純銅テストピース[純銅(C1100P)、縦75mm×横25mm×厚さ1mm]、真鍮テストピース[真鍮(C2801P)、縦75mm×横25mm×厚さ1mm]は、それぞれ予め中性洗剤で洗浄しアセトン処理して乾燥させたものを準備した。炭酸カルシウムを用いて、ドイツ硬度3°DHに調製した人工硬水で洗浄剤組成物を0.1質量%に希釈し、100mLを120mL容量の蓋付透明ポリプロピレン製容器に入れ、その中に各テストピースを浸漬させ、60℃の恒温器内で24時間保存した。保存後の各テストピースを取り出し、イオン交換水にてすすぎを行い乾燥させて、テストピース表面の状態を目視により外観観察し、以下の基準で腐食性を評価した。尚、腐食の有無は、テストピース表面の変色、光沢の低減などの外観の変化により判断した。
<評価基準>
4点:腐食がない。
3点:ほとんど腐食がない。
2点:やや腐食がみられるが、使用上問題ないレベル。
1点:ひどく腐食した。
【0064】
以上の評価基準により各テストピースに対する腐食度合を点数で評価した。そして、砲金テストピース、純銅テストピース、及び真鍮テストピースの平均値を算出し、下記基準で腐食性を評価した。
◎:平均値が3.5以上
○:平均値が2.5以上、3.5未満
△:平均値が1.5以上、2.5未満
×:平均値が1.5未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0065】
※6:低温貯蔵安定性試験
<試験方法>
250ml透明ポリプロピレン製容器に洗浄剤組成物を250mlとり、蓋をして-5℃恒温槽に保管した。1週間に1回揺り動かすことを繰り返し、これを1ヶ月間行い、洗浄剤組成物の状態を以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:析出物や凍結が見られず安定である。
△:析出物が若干見られる。
×:析出物又は凍結が見られる。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
【0066】
※7:高温貯蔵安定性試験
<試験方法>
250ml透明ポリプロピレン製容器に洗浄剤組成物を250mlとり、蓋をして40℃恒温槽に保管し静置した。6ヶ月後、洗浄剤組成物の状態を以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:析出物や濁りが見られず安定である。
△:析出物や濁りが、若干見られる。
×:析出物又は濁りが見られる。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】
上記実施形態は、以下の技術思想を包含するものである。
(1)(A)成分としてアルカリ金属珪酸塩をSiO換算で1質量%以上、8質量%以下、
(B)成分としてエチレンジアミン四酢酸又はその塩1質量%以上、10質量%以下、
(C)成分として(B)成分以外のアミノカルボン酸型キレート剤又はその塩5質量%以上、20質量%以下、
(D)成分として金属腐食防止剤0.01質量%以上、4.8質量%以下、
(E)成分として水、
を含有し、(B)成分と(C)成分の質量比が、(B)/(C)の値で0.1以上、0.9以下であり、組成物中の総ナトリウム量が3.9質量%以下であることを特徴とする自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
(2)組成物中の(B)成分と(C)成分の合計が、6質量%以上25質量%以下であることを特徴とする上記(1)に記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
(3)(B)成分が、エチレンジアミン四酢酸カリウムであることを特徴とする上記(1)又は(2)の何れか一項に記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
(4)(C)成分が、メチルグリシン二酢酸又はその塩、グルタミン酸二酢酸又はその塩、ニトリロ三酢酸又はその塩、ヒドロキシイミノジコハク酸又はその塩より選ばれた少なくとも一種を含有する上記(1)~(3)の何れかに記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
(5)(D)成分が、下記一般式(1)及び/又は下記一般式(2)で表される金属腐食防止剤を含有する上記(1)~(4)の何れかに記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
【化3】
(式中、Xは水素、アルカリ金属、アルカノールアミン、CHCOOM、CHCHCOOM、OCHの何れか、Yは水素、アルカリ金属、ハロゲン、CH、COOM、CHCOOM、CHCHCOOM、OCH、NH、NO、SOMの何れかであり、Mは水素、アルカリ金属の何れかである。)
【化4】
(式中、Xは水素、アルカリ金属、アルカノールアミン、CHCOOM、CHCHCOOM、OCHの何れか、Yは水素、アルカリ金属、ハロゲン、CH、COOM、CHCOOM、CHCHCOOM、OCH、NH、NO、SOMの何れかであり、Mは水素、アルカリ金属の何れかである。)
(6)更に(F)成分としてポリカルボン酸型ポリマーを0.01質量%以上、8質量%以下含有する上記(1)~(5)の何れか一項に記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
(7)組成物中の水酸化ナトリウム含有量が3質量%未満である、上記(1)~(6)の何れか一項に記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物。
(8)上記(1)~(7)の何れかに記載の自動食器洗浄機用濃縮液体洗浄剤組成物を自動食器洗浄機の洗浄液タンクに供給して0.01質量%以上0.15質量%以下の範囲に希釈し希釈洗浄液を調製する希釈工程、
希釈洗浄液を自動食器洗浄機の洗浄液タンク内で加熱保持する加熱保持工程、
洗浄液タンク内の加熱された希釈洗浄液を洗浄機庫内に噴射し当該洗浄機庫内に配置された食器類を洗浄する洗浄工程、
すすぎ液を洗浄機庫内に噴射して食器類をすすぐすすぎ工程、
を含むことを特徴とする自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法。
(9)前記すすぎ工程において、すすぎ液を洗浄機の平面積2500cm当たり、1L以上3L以下の範囲で噴射して食器類をすすぐ上記(8)に記載の自動食器洗浄機による食器類の洗浄方法。