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特開2022-57942制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057942
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220404BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20220404BHJP
   A61B 6/08 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
A61B6/00 330Z
A61B6/04 309B
A61B6/08 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166463
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今野 紳一朗
(72)【発明者】
【氏名】藤本 淑恵
(72)【発明者】
【氏名】小平 俊輔
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA16
4C093DA06
4C093EA12
4C093EA17
4C093EB12
4C093EB13
4C093EB17
4C093EC02
4C093EC16
4C093ED21
4C093FA42
4C093FA43
4C093FG07
4C093FG13
(57)【要約】
【課題】投影用画像及び照射野の範囲が視認できなくなるのを抑制することができる制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】プロセッサが、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、投影用画像の投影と、照射野の範囲の投影とを切り替える制御を行う制御装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記投影用画像の投影と、前記照射野の範囲の投影とを切り替える制御を行う
制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記投影用画像の投影中に前記照射野の範囲の投影を開始させるための指示を受け付けた場合、前記制御を行い、
前記照射野の範囲の投影を終了させるための指示を受け付けた場合、前記制御を行う
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記投影用画像を投影させる場合、前記投影用画像により前記照射野の範囲を表示させる
請求項1または請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記投影用画像における前記照射野の範囲内となる領域の明度及び彩度の少なくとも一方を、前記照射の範囲外となる領域の明度及び彩度の前記少なくとも一方と異ならせることで前記照射野の範囲を表示させる
請求項3に記載の制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記投影用画像に
照射野の内外の境界を表す線またはマークにより前記照射野の範囲を表示させる
請求項3に記載の制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記投影用画像の投影を開始させるための指示、及び前記照射野の範囲の投影を開始させるための指示を受け付けた場合、
前記制御に代えて、前記投影用画像のみを投影させる場合よりも明度及び彩度の少なくとも一方を下げた投影用画像、及び前記照射野の範囲の両方を投影させる制御を行う
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記投影用画像の投影を開始させるための指示、及び前記照射野の範囲の投影を開始させるための指示を受け付けた場合、
前記制御に代えて、前記指示のうち、前記照射野の範囲の投影を開始させる指示のみを受け付けたことにより前記照射野の範囲を投影させる場合よりも可視光を暗くした前記照射野の範囲、及び前記投影用画像の両方を投影させる制御を行う
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項8】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記投影用画像の投影及び前記照射野の範囲の投影のいずれか一方の投影を行っている場合に、他方の投影を開始する指示を受け付けた場合、前記他方の投影に対応する前記投影用画像または前記照射野の範囲を、前記一方の投影に対応する前記投影用画像または前記照射野の範囲よりも強調して表示させる制御を行う
制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記一方の投影が前記投影用画像の投影の場合、前記制御として前記投影用画像の明度及び彩度の少なくとも一方を下げる
請求項8に記載の制御装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記一方の投影が前記投影用画像の投影の場合、前記制御として前記可視光を明るくする
請求項8または請求項9に記載の制御装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記一方の投影が前記照射野の範囲の投影の場合、前記制御として前記可視光を暗くする
請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記一方の投影が前記照射野の範囲の投影の場合、前記制御として前記投影用画像の明度及び彩度の少なくとも一方を上げる
請求項8から請求項11のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記照射野の範囲を表示させる場合と表示させない場合とで、投影させる投影用画像を切り替える制御を行う
制御装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
前記照射野の範囲を表示させる場合は、前記照射野の範囲外に情報を表示させるための投影用画像に切り代える制御、または前記照射野の範囲外に情報を表示させる状態に投影用画像を投影する位置を切り替える制御を行う
請求項13に記載の制御装置。
【請求項15】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記投影用画像の投影と、前記照射野の範囲の投影とを切り替える制御を行う
処理をコンピュータが実行する制御方法。
【請求項16】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記投影用画像の投影及び前記照射野の範囲の投影のいずれか一方の投影を行っている場合に、他方の投影を開始する指示を受け付けた場合、前記他方の投影に対応する前記投影用画像または前記照射野の範囲を、前記一方の投影に対応する前記投影用画像または前記照射野の範囲よりも強調して表示させる制御を行う
処理をコンピュータが実行する制御方法。
【請求項17】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記照射野の範囲を表示させる場合と表示させない場合とで、投影させる投影用画像を切り替える制御を行う
処理をコンピュータが実行する制御方法。
【請求項18】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記投影用画像の投影と、前記照射野の範囲の投影とを切り替える制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項19】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記投影用画像の投影及び前記照射野の範囲の投影のいずれか一方の投影を行っている場合に、他方の投影を開始する指示を受け付けた場合、前記他方の投影に対応する前記投影用画像または前記照射野の範囲を、前記一方の投影に対応する前記投影用画像または前記照射野の範囲よりも強調して表示させる制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項20】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により前記放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、
前記照射野の範囲を表示させる場合と表示させない場合とで、投影させる投影用画像を切り替える制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置、制御方法、及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
圧迫部材により圧迫状態とした乳房に放射線を照射させて放射線画像の撮影を行うマンモグラフィ装置が知られている。投影用画像を投影させて、撮影を行う場合に撮影を補助するための情報等を表示させる場合がある。例えば、特許文献1には、LCD(Liquid Crystal Display)に乳房のスキンラインを表示させて、その投影像を圧迫部材の投影面に表示させる技術が記載されている。
【0003】
また、マンモグラフィ装置において、可視光を照射させて照射野の範囲を投影させることにより、放射線の照射野の範囲を示す技術が知られている。例えば、特許文献1には、投影光源から照射された可視光により、放射線の照射野を示す技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-086389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
投影用画像の投影も、照射野の投影もいずれも光を照射する。そのため、投影用画像及び照射野を同時に投影すると、光が重なるため、投影用画像及び照射野が視認されなくなってしまう場合がある。例えば、投影用画像を投影させている最中に照射野の範囲を投影させるための可視光が照射されてしまうと、投影用画像に応じた表示が、照射された可視光により視認できなくなってしまう場合がある。
【0006】
本開示は、上記事情を考慮して成されたものであり、投影用画像及び照射野の範囲が視認できなくなるのを抑制することができる制御装置、制御方法、及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本開示の第1の態様の制御装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、投影用画像の投影と、照射野の範囲の投影とを切り替える制御を行う。
【0008】
本開示の第2の態様の制御装置は、第1の態様の制御装置において、プロセッサは、投影用画像の投影中に照射野の範囲の投影を開始させるための指示を受け付けた場合、制御を行い、照射野の範囲の投影を終了させるための指示を受け付けた場合、制御を行う。
【0009】
本開示の第3の態様の制御装置は、第1の態様または第2の態様の制御装置において、プロセッサは、投影用画像を投影させる場合、投影用画像により照射野の範囲を表示させる。
【0010】
本開示の第4の態様の制御装置は、第3の態様の制御装置において、プロセッサは、投影用画像における照射野の範囲内となる領域の明度及び彩度の少なくとも一方を、照射の範囲外となる領域の明度及び彩度の少なくとも一方と異ならせることで照射野の範囲を表示させる。
【0011】
本開示の第5の態様の制御装置は、第3の態様の制御装置において、プロセッサは、投影用画像に照射野の内外の境界を表す線またはマークにより照射野の範囲を表示させる。
【0012】
本開示の第6の態様の制御装置は、第1の態様から第5の態様のいずれか1態様の制御装置において、プロセッサは、投影用画像の投影を開始させるための指示、及び照射野の範囲の投影を開始させるための指示を受け付けた場合、制御に代えて、投影用画像のみを投影させる場合よりも明度及び彩度の少なくとも一方を下げた投影用画像、及び照射野の範囲の両方を投影させる制御を行う。
【0013】
本開示の第7の態様の制御装置は、第1の態様から第5の態様のいずれか1態様の制御装置において、プロセッサは、投影用画像の投影を開始させるための指示、及び照射野の範囲の投影を開始させるための指示を受け付けた場合、制御に代えて、指示のうち、照射野の範囲の投影を開始させる指示のみを受け付けたことにより照射野の範囲を投影させる場合よりも可視光を暗くした照射野の範囲、及び投影用画像の両方を投影させる制御を行う。
【0014】
また、上記目的を達成するために本開示の第8の態様の制御装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、投影用画像の投影及び照射野の範囲の投影のいずれか一方の投影を行っている場合に、他方の投影を開始する指示を受け付けた場合、他方の投影に対応する投影用画像または照射野の範囲を、一方の投影に対応する投影用画像または照射野の範囲よりも強調して表示させる制御を行う。
【0015】
本開示の第9の態様の制御装置は、第8の態様の制御装置において、プロセッサは、一方の投影が投影用画像の投影の場合、制御として投影用画像の明度及び彩度の少なくとも一方を下げる。
【0016】
本開示の第10の態様の制御装置は、第8の態様または第9の態様の制御装置において、プロセッサは、一方の投影が投影用画像の投影の場合、制御として可視光を明るくする。
【0017】
本開示の第11の態様の制御装置は、第8の態様から第10の態様のいずれか1態様の制御装置において、プロセッサは、一方の投影が照射野の範囲の投影の場合、制御として可視光を暗くする。
【0018】
本開示の第12の態様の制御装置は、第8の態様から第11の態様のいずれか1態様の制御装置において、プロセッサは、一方の投影が照射野の範囲の投影の場合、制御として投影用画像の明度及び彩度の少なくとも一方を上げる。
【0019】
また、上記目的を達成するために本開示の第13の態様の制御装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、照射野の範囲を表示させる場合と表示させない場合とで、投影させる投影用画像を切り替える制御を行う。
【0020】
本開示の第14の態様の制御装置は、第13の態様の制御装置において、プロセッサは、照射野の範囲を表示させる場合は、照射野の範囲外に情報を表示させるための投影用画像に切り代える制御、または照射野の範囲外に情報を表示させる状態に投影用画像を投影する位置を切り替える制御を行う。
【0021】
また、上記目的を達成するために本開示の第15の態様の制御方法は、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、投影用画像の投影と、照射野の範囲の投影とを切り替える制御を行う処理をコンピュータが実行するための方法である。
【0022】
また、上記目的を達成するために本開示の第16の態様の制御方法は、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、投影用画像の投影及び照射野の範囲の投影のいずれか一方の投影を行っている場合に、他方の投影を開始する指示を受け付けた場合、他方の投影に対応する投影用画像または照射野の範囲を、一方の投影に対応する投影用画像または照射野の範囲よりも強調して表示させる制御を行う処理をコンピュータが実行するための方法である。
【0023】
また、上記目的を達成するために本開示の第17の態様の制御方法は、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、照射野の範囲を表示させる場合と表示させない場合とで、投影させる投影用画像を切り替える制御を行う処理をコンピュータが実行するための方法である。
【0024】
また、上記目的を達成するために本開示の第18の態様の制御プログラムは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、投影用画像の投影と、照射野の範囲の投影とを切り替える制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0025】
また、上記目的を達成するために本開示の第19の態様の制御プログラムは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、投影用画像の投影及び照射野の範囲の投影のいずれか一方の投影を行っている場合に、他方の投影を開始する指示を受け付けた場合、他方の投影に対応する投影用画像または照射野の範囲を、一方の投影に対応する投影用画像または照射野の範囲よりも強調して表示させる制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0026】
また、上記目的を達成するために本開示の第20の態様の制御プログラムは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部、及び可視光により放射線の照射野の範囲を投影させる照射野投影部に対して、照射野の範囲を表示させる場合と表示させない場合とで、投影させる投影用画像を切り替える制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0027】
本開示によれば、投影用画像及び照射野の範囲が視認できなくなるのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施形態の放射線画像撮影システムにおける全体の構成の一例を概略的に表した構成図である。
図2A】実施形態のマンモグラフィ装置の外観の一例を表す側面図である。
図2B】実施形態のコリメータの構成の一例を表す斜視図である。
図2C】実施形態の圧迫板の一例を表す三面図である。
図3】実施形態のマンモグラフィ装置及びコンソールの構成の一例を表したブロック図である。
図4】実施形態のコンソールの機能の一例を表す機能ブロック図である。
図5】第1実施形態の投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図6A】投影用画像に応じて圧迫板の投影面に表示されたスキンライン及びニップルの位置の一例を示す図である。
図6B】投影用画像に応じて圧迫板の投影面に表示されたスキンライン、ニップルの位置、及び照射野境界線の一例を示す図である。
図6C】圧迫板に表示された照射野の一例を示す図である。
図7A】投影用画像の投影により照射野を表示させるための画像の他の例である。
図7B】投影用画像の投影により照射野を表示させるための画像の他の例である。
図8A】第2実施形態の投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図8B】第2実施形態の変形例1の投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図8C】第2実施形態の変形例2の投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図9A】照射野が表示されない場合に、投影用画像に応じて圧迫板の投影面に表示されたスキンライン、ニップルの位置、文字、及び文字の一例を示す図である。
図9B】照射野が表示される場合に、投影用画像に応じて圧迫板の投影面に表示されたスキンライン、ニップルの位置、文字、及び文字の一例を示す図である。
図10】第3実施形態の投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明を限定するものではない。
【0030】
[第1実施形態]
まず、本実施形態の放射線画像撮影システムにおける、全体の構成の一例について説明する。図1には、本実施形態の放射線画像撮影システム1における、全体の構成の一例を表す構成図が示されている。図1に示すように、本実施形態の放射線画像撮影システム1は、マンモグラフィ装置10及びコンソール12を備える。本実施形態のマンモグラフィ装置10が、本開示の放射線画像撮影装置の一例である。また、本実施形態のコンソール12が、本開示の制御装置の一例である。
【0031】
まず、本実施形態のマンモグラフィ装置10について説明する。図2Aには、本実施形態のマンモグラフィ装置10の外観の一例を表す側面図が示されている。なお、図2Aは、被検者の右側からマンモグラフィ装置10を見た場合の外観の一例を示している。また、図3には、本実施形態のマンモグラフィ装置10及びコンソール12の構成の一例を表す機能ブロック図を示す。
【0032】
本実施形態のマンモグラフィ装置10は、被検者の乳房を被写体として、乳房に放射線R(例えば、X線)を照射して乳房の放射線画像を撮影する装置である。なお、マンモグラフィ装置10は、被検者が起立している状態(立位状態)のみならず、被検者が椅子(車椅子を含む)等に座った状態(座位状態)において、被検者の乳房を撮影する装置であってもよい。
【0033】
放射線検出器28は、乳房を通過した放射線Rを検出する。図2Aに示すように、放射線検出器28は、撮影台30の内部に配置されている。本実施形態のマンモグラフィ装置10では、撮影を行う場合、撮影台30の撮影面30A上には、被検者の乳房がユーザによってポジショニングされる。
【0034】
放射線検出器28は、被検者の乳房及び撮影台30を透過した放射線Rを検出し、検出した放射線Rに基づいて放射線画像を生成し、生成した放射線画像を表す画像データを出力する。本実施形態の放射線検出器28の種類は、特に限定されず、例えば、放射線Rを光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器であってもよいし、放射線Rを直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器であってもよい。
【0035】
放射線照射部37は、放射線源37R、可視光源37V、及びコリメータ38を備えている。図2Aに示すように放射線照射部37は、撮影台30及び圧迫ユニット36と共にアーム部32に設けられている。図2Aに示すように、放射線照射部37の下方にあたるアーム部32の被検者に近い位置には、フェイスガード39が着脱可能に設けられている。フェイスガード39は、放射線源37Rから出射された放射線Rから被検者を保護するための保護部材である。
【0036】
また、図2Aに示すように放射線照射部37は、さらにミラー31及びフィルタ33を備えている。放射線源37Rは、管電圧が印加されることによって放射線Rを発生し、発生した放射線Rを撮影台30に向けて出射する。フィルタ33は、モリブデン(Mo)またはロジウム(Rh)等の材料によって作製され、放射線源37Rが発生する放射線Rに含まれている複数の波長成分の内から所望の波長成分を選択的に透過させる。
【0037】
可視光源37Vは、電圧が印加されることによって点灯して可視光Vを発生し、発生した可視光Vを出射する。一例として本実施形態のマンモグラフィ装置10では、可視光源37Vは、放射線Rの照射野102(図2B参照)の外側に設けられている。
【0038】
ミラー31は、可視光源37Vから出射された可視光Vを、撮影台30の撮影面30Aに向けて反射することにより、可視光Vにより、放射線Rの照射領域となる照射野102を示唆する。ミラー31は、放射線源37Rから出射された放射線Rは透過させる。
【0039】
コリメータ38は、放射線R及び可視光Vの照射野102を制限する機能を有する。図2Aに示すようにコリメータ38は、ミラー31と、撮影台30との間に設けられている。図2Bには、本実施形態のコリメータ38の構成の一例を表す斜視図が示されている。図4に示すように、一例として本実施形態のコリメータ38は、4枚のブレード38A、38B、38C、及び38Dを含んでいる。各ブレード38A~38Dは、鉛やタングステン等の放射線Rを遮蔽する材料が用いられた、平面視矩形状の板状部材である。コリメータ38では、ブレード38Aとブレード38Bとの一側面同士が対向し、かつブレード38Cとブレード38Dとの一側面同士が対向する。また、コリメータ38では、各ブレード38A~38Dの対向する各々の側面により、平面視矩形状の開口部100が形成される。
【0040】
コリメータ38では、ブレード38A~38Dの各々は、モータ等を含む駆動部(図示省略)に応じて移動する。ブレード38A及びブレード38Bは図2Bのy方向に移動可能であるのに対し、ブレード38C及びブレード38Dは上記y方向とは交差する方向である図2Bのx方向に移動可能である。なお、本実施形態のコリメータ38では、各ブレード38A~38Dの移動可能な範囲が、対向配置されているブレード同士の先端部が接触する状態、すなわち、開口部100が全閉状態とされている状態から、開口部100が平面視矩形状を保ち、かつ最大の面積となる状態までの範囲とされている。照射野102の大きさは、開口部100の形状及び大きさ(面積)に応じた形状及び大きさ(面積)となる。このように、照射野102の範囲に可視光Vを投影することで、照射野102を示唆する。本実施形態のミラー31、可視光源37V、及びコリメータ38が、本開示の照射野投影部の一例である。
【0041】
なお、図2Aに示すように本実施形態のマンモグラフィ装置10は、アーム部32と、基台34と、軸部35と、を備えている。アーム部32は、基台34によって、上下方向(Z軸方向)に移動可能に保持される。軸部35は、アーム部32を基台34に連結する。またアーム部32は、軸部35を回転軸として、基台34に対して相対的に回転可能となっている。
【0042】
本実施形態のマンモグラフィ装置10では、放射線画像の撮影について、少なくとも2種類の撮影を行うことができる。具体的には、マンモグラフィ装置10は、乳房に対して、撮影方向が頭尾方向である、CC(Cranio-Caudal)撮影、及び撮影方向が内外斜位方向であるMLO(Medio-Lateral Oblique)撮影の2種類の撮影を少なくとも行うことができる。以下の説明では、放射線画像の撮影において、放射線源37Rから撮影台30へ放射線Rを照射する場合における放射線源37Rの位置を「撮影位置」という。
【0043】
CC撮影を行う場合は、撮影面30Aがマンモグラフィ装置10の上側(被検者の頭側)を向いた状態に調整される。また、放射線源37Rの位置が、撮影台30の撮影面30Aと対向する撮影位置に調整される。これにより、被検者の頭側から足側に向かって、放射線源37Rから乳房へ放射線Rが照射されて、CC撮影が行われる。
【0044】
一方、MLO撮影を行う場合は、CC撮影を行う場合に対して撮影面30Aを、例えば45度以上90度未満の範囲内の予め定められた角度まで回転された状態に撮影台30の位置が調整される。具体的には、左の乳房を撮影する場合は、撮影面30Aを右側に傾斜させた状態とし、右の乳房を撮影する場合は、撮影面30Aを左側に傾斜させた状態とする。これにより、被検者の胴体の中心側から外側へ向かって(被検者の乳房同士の間から腕側に向けて)、放射線源37Rから乳房へ放射線Rが照射されて、MLO撮影が行われる。
【0045】
アーム部32に連結される圧迫ユニット36には、乳房を圧迫する圧迫板40を上下方向(Z軸方向)に移動する圧迫板駆動部(図3、圧迫板駆動部42参照)が設けられている。圧迫板40の支持部46は、圧迫板駆動部42に着脱可能に取り付けられる。圧迫板駆動部42に取り付けられた圧迫板40は、圧迫板駆動部により上下方向(Z軸方向)に移動し、撮影台30との間で被検者の乳房を圧迫する。図2Aに示すように、圧迫板40の移動方向について、乳房を圧迫する方向、換言すると、撮影面30Aに近付く方向を「圧迫方向」といい、乳房への圧迫を解除する方向、換言すると、放射線照射部37に近付く方向を「解除方向」という。
【0046】
圧迫板駆動部42に取り付けられる側の圧迫板40の支持部46には、圧迫板40の種類(詳細後述)を識別するための圧迫板識別子(図示省略)が設けられている。圧迫ユニット36には圧迫板検出センサ(図3、圧迫板検出センサ44参照)が設けられている。圧迫板検出センサ44は、圧迫板40の支持部46に設けられた圧迫板識別子を読み取ることで、取り付けられている圧迫板40の種類を検出する。なお、本実施形態の圧迫板40が、本開示の圧迫部材の一例である。
【0047】
本実施形態のマンモグラフィ装置10に取り付けが可能な圧迫板40には、複数の種類がある。例えば、圧迫板40は、乳房全体を圧迫するものに限らず、乳房の一部を圧迫するものであってもよい。換言すると、乳房よりも小さい圧迫板40でもよい。このような圧迫板40としては、例えば、病変が存在する領域のみの放射線画像を撮影する、いわゆるスポット撮影に用いられる圧迫板40が知られている。また、その他の種類の圧迫板40としては、例えば、乳房の大きさに応じた圧迫板、腋窩撮影用の圧迫板、及び拡大撮影用の圧迫板等が挙げられる。また、便宜上「圧迫板」と称しているが、圧迫板40は、板状の部材を用いたものに限定されず、例えば、フィルム状の部材を用いたものであってもよい。
【0048】
具体例として、本実施形態のマンモグラフィ装置10に取り付けが可能な圧迫板40について、図2Cを参照して説明する。図2Cには、本実施形態の圧迫板40の一例の三面図を示す。図2Cに示した三面図には、圧迫板40を上側(放射線照射部37側)から見た平面図(上面図)、被検者側から見た側面図、及び被検者の右側から見た側面図が含まれる。図2Cに示すように、本実施形態の圧迫板40は、圧迫部41及び支持部46を含む。
【0049】
圧迫部41は、底部41Aが壁部41Bに囲まれた、断面形状が凹型に形成されている。底部41Aは、被検者の乳房に接触する面の板厚が略一定であり、放射線源37R側の面は、平坦で、高さが略一様である。また、壁部41Bは、比較的高く、高さが略一様である。圧迫部41には、後述するプロジェクタ48から投影用画像Pが投影される投影面45が設けられている。一例として本実施形態では、圧迫部41の底部41Aの放射線照射部37側の面(上面)を投影面45としている。なお、圧迫板40における投影面45の位置等は、本形態に限定されない。例えば、投影面45は、圧迫部41の底部41Aの乳房に接する側の面であってもよいし、壁部41Bの面であってもよい。
【0050】
圧迫板40は、ポジショニング及び圧迫状態の確認を行うために光学的に透明であることが好ましく、また、放射線Rの透過性に優れた材料によって形成される。なお、投影面45においては、プロジェクタ48から投影された投影用画像Pに応じた画像を表示するために、光が入射した場合、光の大部分(例えば90%)は透過し、一部(例えば10%)は物体表面で入射角と反射角が等しい鏡面反射をする状態とされている。例えば、圧迫板40の底部41Aにおける放射線源37R側の面等を粗面化加工することにより投影面45を形成してもよい。また例えば、圧迫板40の表面に鏡面反射シートを貼り付けることにより投影面45を形成してもよい。なお、鏡面反射シートを貼り付ける場合等のように投影面45を平滑な面とした場合、乳房等、被検者に接触する圧迫板40の面を投影面45とすることができる。
【0051】
一方、支持部46は、取付部46A及び腕46Bを含む。取付部46Aは、圧迫板40をマンモグラフィ装置10、具体的には圧迫ユニット36内の圧迫板駆動部42に取り付ける機能を有し、腕46Bは、圧迫部41を支持する機能を有する。
【0052】
また、放射線照射部37の下方にあたるアーム部32の被検者から離れた位置には、圧迫板40の投影面45に投影用画像Pを投影させるプロジェクタ48が設けられている。本実施形態のプロジェクタ48が、本開示の画像投影部の一例である。プロジェクタ48としては、液晶プロジェクタ、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)プロジェクタ、及びレーザプロジェクタ等の公知のプロジェクタを適用することができる。図3に示すように、本実施形態のプロジェクタ48は、電源部48A及び投影部48Bを含む。プロジェクタ48では、後述する制御部20の指示に応じて電源部48Aのオン及びオフが制御される。また、制御部20の指示に応じて投影部48Bから投影用画像Pが圧迫板40の投影面45に向けて投影される。
【0053】
また、本実施形態のマンモグラフィ装置10の撮影台30内部には、図3に示した制御部20、記憶部22、I/F(Interface)部24、操作部26、及び表示部27を備える。制御部20、記憶部22、I/F部24、操作部26、表示部27、上述した放射線検出器28、放射線照射部37、圧迫板駆動部42、圧迫板検出センサ44、及びプロジェクタ48は、システムバスやコントロールバス等のバス49を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0054】
制御部20は、コンソール12の制御に応じて、マンモグラフィ装置10の全体の動作を制御する。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)20A、ROM(Read Only Memory)20B、及びRAM(Random Access Memory)20Cを備える。ROM20Bには、CPU20Aで実行される、放射線画像の撮影に関する制御を行うための撮影処理プログラム21を含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAM20Cは、各種データを一時的に記憶する。
【0055】
記憶部22には、放射線検出器28により撮影された放射線画像の画像データや、その他の各種情報等が記憶される。記憶部22の具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が挙げられる。I/F部24は、無線通信または有線通信により、コンソール12との間で各種情報の通信を行う。マンモグラフィ装置10で放射線検出器28により撮影された放射線画像の画像データは、I/F部24を介してコンソール12に無線通信または有線通信によって送信される。
【0056】
また、操作部26は、例えば、マンモグラフィ装置10の撮影台30等に複数のスイッチとして設けられている。なお、本実施形態の操作部26は、圧迫板40の圧迫方向への移動を指示する圧迫指示ボタンと、圧迫板40の解除方向への移動を指示する解除ボタンを少なくとも含む。操作部26は、タッチパネル式のスイッチとして設けられていてもよいし、医師及び技師等のユーザが足で操作するフットスイッチとして設けられていてもよい。表示部27は、被検者や撮影に関する各種情報を表示する。
【0057】
一方、本実施形態のコンソール12は、無線通信LAN(Local Area Network)等を介してRIS(Radiology Information System)2等から取得した撮影オーダ及び各種情報と、操作部56等によりユーザにより行われた指示等とを用いて、マンモグラフィ装置10の制御を行う機能を有している。
【0058】
本実施形態のコンソール12は、一例として、サーバーコンピュータである。図3に示すように、コンソール12は、制御部50、記憶部52、I/F部54、操作部56、及び表示部58を備えている。制御部50、記憶部52、I/F部54、操作部56、及び表示部58はシステムバスやコントロールバス等のバス59を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0059】
本実施形態の制御部50は、コンソール12の全体の動作を制御する。制御部50は、CPU50A、ROM50B、及びRAM50Cを備える。ROM50Bには、CPU50Aで実行される、後述する投影制御プログラム51を含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAM50Cは、各種データを一時的に記憶する。本実施形態のCPU50Aが、本開示のプロセッサの一例である。本実施形態の投影制御プログラム51が、本開示の制御プログラムの一例である。
【0060】
記憶部52には、投影用画像データ53A、投影用画像データ53B、及びマンモグラフィ装置10で撮影された放射線画像の画像データや、その他の各種情報等が記憶される。記憶部52の具体例としては、HDDやSSD等が挙げられる。なお、以下では、投影用画像データ53A及び投影用画像データ53Bを区別せずに総称する場合、投影用画像データ53という。
【0061】
操作部56は、放射線Rの照射指示を含む放射線画像の撮影等に関する指示や各種情報等をユーザが入力するために用いられる。操作部56は特に限定されるものではなく、例えば、各種スイッチ、タッチパネル、タッチペン、及びマウス等が挙げられる。表示部58は、各種情報を表示する。なお、操作部56と表示部58とを一体化してタッチパネルディスプレイとしてもよい。
【0062】
I/F部54は、無線通信または有線通信により、マンモグラフィ装置10及びRIS2との間で各種情報の通信を行う。本実施形態の放射線画像撮影システム1では、マンモグラフィ装置10で撮影された放射線画像の画像データは、コンソール12が、I/F部54を介して無線通信または有線通信によりマンモグラフィ装置10から受信する。
【0063】
さらに、図4には、本実施形態のコンソール12の構成の一例の機能ブロック図を示す。図4に示すようにコンソール12は、受付部60及び制御部62を備える。一例として本実施形態のコンソール12は、制御部50のCPU50AがROM50Bに記憶されている投影制御プログラム51を実行することにより、CPU50Aが受付部60及び制御部62として機能する。
【0064】
受付部60は、投影用画像Pの投影面45への投影を開始させるための投影用画像Pの投影開始指示を受け付ける機能を有する。一例として本実施形態では、ユーザは、投影用画像Pの投影面45への投影を開始させたい場合、マンモグラフィ装置10の操作部26により投影の開始を指示する。マンモグラフィ装置10からは、I/F部24を介して投影用画像投影開始指示信号が出力される。受付部60は、コンソール12に投影用画像投影開始指示信号が入力された場合、投影用画像Pの投影を開始させるための投影用画像Pの投影開始指示を受け付ける。受付部60は、投影用画像Pの投影開始指示を受け付けたことを表す投影用画像投影開始情報を制御部62に出力する。
【0065】
また、受付部60は、投影用画像Pの投影面45への投影を終了させるための投影用画像Pの投影終了指示を受け付ける機能を有する。一例として本実施形態では、ユーザは、投影用画像Pの投影面45への投影を終了させたい場合、マンモグラフィ装置10の操作部26により投影の終了を指示する。マンモグラフィ装置10からは、I/F部24を介して投影用画像投影終了指示信号が出力される。受付部60は、コンソール12に投影用画像投影終了指示信号が入力された場合、投影用画像Pの投影を終了させるための投影用画像Pの投影終了指示を受け付ける。受付部60は、投影用画像Pの投影終了指示を受け付けたことを表す投影用画像投影終了情報を制御部62に出力する。
【0066】
また、受付部60は、照射野102の範囲の投影を開始させるための照射野102の範囲の投影開始指示を受け付ける機能を有する。一例として本実施形態では、ユーザは、照射野102の範囲の投影を開始させたい場合、マンモグラフィ装置10の操作部26により投影の開始を指示する。マンモグラフィ装置10からは、I/F部24を介して照射野投影開始指示信号が出力される。受付部60は、コンソール12に照射野投影開始指示信号が入力された場合、照射野102の範囲の投影を開始させるための照射野102の範囲の投影開始指示を受け付ける。受付部60は、照射野102の範囲の投影開始指示を受け付けたことを表す照射野投影開始情報を制御部62に出力する。
【0067】
また、受付部60は、照射野102の範囲の投影を終了させるための照射野102の範囲の投影終了指示を受け付ける機能を有する。一例として本実施形態では、ユーザは、照射野102の範囲の投影を終了させたい場合、マンモグラフィ装置10の操作部26により投影の終了を指示する。マンモグラフィ装置10からは、I/F部24を介して照射野投影終了指示信号が出力される。受付部60は、コンソール12に照射野投影終了指示信号が入力された場合、照射野102の範囲の投影を開始させるための照射野102の範囲の投影終了指示を受け付ける。受付部60は、照射野102の範囲の投影終了指示を受け付けたことを表す照射野投影終了情報を制御部62に出力する。なお、以下では、照射野102の範囲を投影することについて、単に「照射野102の投影」という場合がある。
【0068】
制御部62は、マンモグラフィ装置10に対して、投影用画像Pの投影と、照射野102の投影とを切り替える制御を行う機能を有している。プロジェクタ48により投影光を照射することで投影用画像Pが投影される。また、可視光源37Vにより可視光を照射することで照射野102が投影される。このように、プロジェクタ48による投影用画像Pの投影も、可視光源37Vによる照射野102の投影もいずれも光を圧迫板40(撮影台30)に向けて照射する。そのため、投影用画像P及び照射野102を同時に投影すると、例えば、照射野102を投影する可視光Vにより投影用画像Pが表示されなくなってしまう場合がある。そこで本実施形態の制御部62は、投影用画像Pの投影と、照射野102の投影とを切り替えることにより、投影用画像Pのための投影光と、照射野102のための可視光とが同時に照射されないようにしている。
【0069】
また、本実施形態の制御部62は、照射野102の投影中に、投影用画像Pの投影を指示された場合、投影用画像Pにより照射野102の範囲を表示させる機能を有する。上述したように、照射野102の投影中に、プロジェクタ48から投影光を照射して投影用画像Pの投影を行うと、照射野102を投影するための可視光Vにより投影用画像Pが表示されなくなる場合がある。そのため、照射野102を表示させている最中に、ユーザが、投影用画像Pについてもさらに表示させようとしても、照射野102及び投影用画像Pの両者を表示させることができない場合がある。そこで、本実施形態の制御部62は、照射野102の投影中に、投影用画像Pの投影を指示された場合、投影用画像Pにより照射野102の範囲を表示させることで、可視光源37Vから可視光Vを照射せずとも、照射野102の範囲を表示せることができる。
【0070】
具体的には、本実施形態の制御部62は、投影用画像Pの投影を行う場合、マンモグラフィ装置10から、圧迫板検出センサ44が読み取った圧迫板識別子を取得する。制御部62は、取得した圧迫板識別子に応じた投影用画像Pを表す投影用画像データ53A及び投影用画像データ53Bのいずれか一方を記憶部52から取得する。本実施形態の投影用画像Pには、乳房のポジショニングをガイドするための投影用画像を適用している。具体的には、圧迫板40により圧迫状態とされる乳房の形状及び位置の少なくとも一方をガイドするための画像を圧迫板40の投影面45に表示させるためにプロジェクタ48から投影させるための投影用画像を投影用画像Pとして適用している。一例として本実施形態では、乳房の形状及び位置の少なくとも一方をガイドするための画像として、圧迫板40の種類等に応じた標準的な乳房を理想的な状態に圧迫した場合の乳房のスキンライン及びニップルの位置を表す画像を適用している。
【0071】
圧迫板40の種類に応じて、圧迫部41の大きさが異なり、投影面45の大きさが異なる場合がある。そのため、本実施形態では、圧迫板40の種類に応じた投影用画像Pをプロジェクタ48から投影させる。一例として本実施形態では、圧迫板40の種類に応じた投影用画像Pを表す投影用画像データが圧迫板識別子に対応付けられて、投影用画像データ53Aとして記憶部52に複数、記憶されている。また、圧迫板40の種類に応じた投影用画像Pを表し、かつ照射野102を表示させるための画像を含む投影用画像データが圧迫板識別子に対応付けられて、投影用画像データ53Bとして記憶部52に複数、記憶されている。制御部62は、取得した圧迫板識別子に対応する投影用画像データ53Aまたは投影用画像データ53Bを記憶部52から取得して、I/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。
【0072】
次に、本実施形態のマンモグラフィ装置10による投影用画像Pの投影におけるコンソール12の作用について図面を参照して説明する。コンソール12は、予め用意された複数種の撮影メニューを、択一的に選択可能な形態で表示部58に表示する。ユーザは、操作部56を介して、撮影オーダの内容と一致する1つの撮影メニューを選択する。コンソール12は、ユーザによる撮影メニューの選択を受け付ける。一例として本実施形態では、コンソール12が撮影メニューの選択を受け付けた場合に、図5に示した投影制御処理を実行する。本実施形態のコンソール12は、一例として、制御部50のCPU50Aが、ROM50Bに記憶されている投影制御プログラム51を実行することにより、図5に一例を示した投影制御処理を実行する。図5には、本実施形態のコンソール12において実行される投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0073】
図5のステップS100で制御部62は、受付部60が投影用画像Pの投影開始指示を受け付けたか否かを判定する。上述したように、ユーザが投影用画像Pの投影面45への投影を開始させたい場合、受付部60が投影用画像Pの投影開始指示を受け付ける。そのため、本ステップでは、投影用画像Pの投影の開始をユーザが指示したか否かを判定する。受付部60が投影用画像Pの投影開始指示を受け付けていない場合、ステップS100の判定が否定判定となり、ステップS112へ移行する。一方、受付部60が投影用画像Pの投影開始指示を受け付けた場合、ステップS100の判定が肯定判定となり、ステップS102へ移行する。
【0074】
ステップS102で制御部62は、照射野102の投影中であるか否かを判定する。照射野102の投影中ではない場合、ステップS102の判定が否定判定となり、ステップS104へ移行する。ステップS104で制御部62は、投影用画像Pを投影させるための投影用画像データを取得した後、ステップS110へ移行する。具体的には上述したように、制御部62は、マンモグラフィ装置10から圧迫板識別子を取得し、取得した圧迫板識別子に対応する投影用画像データ53を記憶部52から取得する。
【0075】
一方、照射野102の投影中である場合、ステップS102の判定が肯定判定となり、ステップS106へ移行する。ステップS106で制御部62は、照射野102の投影を終了させる。具体的には、制御部62は、照射野102の投影を終了させるための照射野投影終了信号をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、照射野投影終了信号が入力されると、制御部20が、可視光源37Vをオフ状態にして、可視光Vの照射を中止させることで照射野102の投影を終了させる。
【0076】
次のステップS108で制御部62は、照射野102の範囲の表示が可能な投影用画像Pを投影させるための投影用画像データ53Bを記憶部52から取得する。なお、照射野102の範囲は、例えば、乳房の大きさや圧迫板40の大きさに応じて照射野102の範囲が異なる場合がある。一例として本実施形態では、撮影メニューに基づいて照射野102の範囲が定められる。そのため、制御部62は、撮影メニューを参照し、照射野102の範囲を特定し、特定した照射野102の範囲の表示が可能であり、かつ取得した圧迫板識別子に対応する投影用画像データ53Bを記憶部52から取得する。
【0077】
次のステップS110で制御部62は、投影用画像Pの投影を開始させる。具体的には、制御部62は、上記ステップS104で取得した投影用画像データ53Aまたは、上記ステップS108で取得した投影用画像データ53BをI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、投影用画像データ53が入力されると、制御部20が、プロジェクタ48の投影部48Bにより投影用画像データ53に応じた投影用画像Pを投影させる制御を行う。本制御により、マンモグラフィ装置10の圧迫ユニット36に取り付けられた圧迫板40の投影面45には、投影用画像Pに応じた表示画像が表示される。本実施形態では上述したように乳房のスキンライン及びニップルの位置を表す画像が圧迫板40の投影面45に表示される。
【0078】
図6Aには、投影用画像データ53Aにより投影された投影用画像Pに応じて圧迫板40の投影面45に表示されたスキンライン70及びニップルの位置72の一例を示す。ユーザは、表示されたスキンライン70及びニップルの位置72を参考にしてポジショニングした被検者の乳房を、圧迫板40により圧迫状態にさせる。
【0079】
また、図6Bには、投影用画像データ53Bにより投影された投影用画像Pに応じて圧迫板40の投影面45に表示されたスキンライン70、ニップルの位置72、及び照射野境界線80の一例を示す。照射野境界線80は、照射野102の内外の境界を表す線(点線)である。図6Bに示した例では、照射野境界線80で囲まれた内側が、照射野102の範囲である。ユーザは、表示されたスキンライン70、ニップルの位置72、及び照射野境界線80を参考にしてポジショニングした被検者の乳房を、圧迫板40により圧迫状態にさせる。
【0080】
次のステップ112で制御部62は、受付部60が照射野102の投影開始指示を受け付けたか否かを判定する。上述したように、ユーザが照射野102の範囲の投影を開始させたい場合、受付部60が照射野102の投影開始指示を受け付ける。そのため、本ステップでは、照射野102の投影の開始をユーザが指示したか否かを判定する。受付部60が照射野102の投影開始指示を受け付けていない場合、ステップS112の判定が否定判定となり、ステップS114へ移行する。一方、受付部60が照射野102の投影開始指示を受け付けた場合、ステップS112の判定が肯定判定となり、ステップS114へ移行する。
【0081】
ステップS114で制御部62は、投影用画像Pの投影中であるか否かを判定する。投影用画像Pの投影中ではない場合、ステップS114の判定が否定判定となり、ステップS118へ移行する。一方、投影用画像Pの投影中である場合、ステップS114の判定が肯定判定となり、ステップS116へ移行する。
【0082】
ステップS116で制御部62は、投影用画像Pの投影を終了させる。具体的には、制御部62は、投影用画像Pの投影を終了させるための投影用画像投影終了信号をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、投影用画像投影終了信号が入力されると、制御部20が、プロジェクタ48の投影部48Bよる投影用画像Pの投影を終了させる。具体的には、投影用画像Pを投影させるための投影光の出射を停止させる。なお、投影用画像Pの投影を終了する場合、電源部48Aの電源を遮断し、電源部48Aをオフ状態にさせてもよい。
【0083】
次のステップS118で制御部62は、照射野102の投影を開始させる。具体的には、制御部62は、照射野102を投影させるための投影開始信号をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、投影開始信号が入力されると、制御部20が、可視光源37Vをオン状態にさせて可視光Vを照射野102の範囲に照射させることにより照射野102の範囲を投影させる制御を行う。本制御により、マンモグラフィ装置10の圧迫ユニット36に取り付けられた圧迫板40には、照射野102の範囲が表示される。
【0084】
図6Cには、圧迫板40に表示された照射野102の一例を示す。ユーザは、表示された照射野102を参考にして被検者の乳房のポジショニングが適切であるか否か等を判断する。
【0085】
次のステップS120で制御部62は、受付部60が投影用画像Pの投影終了指示を受け付けたか否かを判定する。上述したように、ユーザが投影用画像Pの投影面45への投影を終了させたい場合、受付部60が投影用画像Pの投影終了指示を受け付ける。そのため、本ステップでは、投影用画像Pの投影の終了をユーザが指示したか否かを判定する。受付部60が投影用画像Pの投影終了指示を受け付けていない場合、ステップS120の判定が否定判定となり、ステップS124へ移行する。一方、受付部60が投影用画像Pの投影終了指示を受け付けた場合、ステップS120の判定が肯定判定となり、ステップS122へ移行する。ステップS122で制御部62は、上記ステップS116と同様に、投影用画像Pの投影を終了させる。
【0086】
次のステップS124で制御部62は、受付部60照射野102の投影終了指示を受け付けたか否かを判定する。上述したように、ユーザが照射野102の投影を終了させたい場合、受付部60が照射野102の投影終了指示を受け付ける。そのため、本ステップでは、照射野102の投影の終了をユーザが指示したか否かを判定する。受付部60が照射野102の投影終了指示を受け付けていない場合、ステップS124の判定が否定判定となり、ステップS128へ移行する。一方、受付部60が照射野102の投影終了指示を受け付けた場合、ステップS124の判定が肯定判定となり、ステップS126へ移行する。ステップS126で制御部62は、上記ステップS106と同様に、照射野102の投影を終了させる。
【0087】
次のステップS128で制御部62は、本投影制御処理を終了するか否かを判定する。本実施形態では、終了条件を満たした場合に、本投影制御処理を終了する。ユーザは乳房の圧迫が完了すると、放射線Rの照射を指示する。マンモグラフィ装置10は、放射線Rの照射の指示を受け付けると、放射線照射部37の放射線源37Rから放射線Rを照射させ、放射線検出器28により乳房の放射線画像を撮影する。そこで、一例として本実施形態では、終了条件としてユーザが放射線Rの照射を指示した場合を適用している。ユーザが放射線Rの照射を指示していない場合、ステップS128の判定が否定判定となり、ステップS100に戻り、上記ステップS100~S126の処理を繰り返す。一方、ユーザが放射線Rの照射を指示した場合、ステップS128の判定が肯定判定となり、ステップS130へ移行する。
【0088】
ステップS130で制御部62は、投影用画像Pまたは照射野102の投影中であるか否かを判定する。投影用画像P及び照射野102のいずれも投影していない場合、ステップS130の判定が否定判定となり、図5に示した投影制御処理が終了する。
【0089】
一方、投影用画像Pまたは照射野102の投影中である場合、ステップS130の判定が肯定判定となり、ステップS132へ移行する。ステップS132で制御部62は、投影中の投影用画像Pまたは照射野102の投影を終了させる。具体的には、投影用画像Pの投影中である場合、制御部62は、上記ステップS116と同様に、投影用画像Pの投影を終了させる。また、照射野102の投影中である場合、制御部62は、上記ステップS106と同様に、照射野102の投影を終了させる。ステップS132の処理が終了すると、図5に示した投影制御処理が終了する。
【0090】
このように本実施形態のコンソール12は、マンモグラフィ装置10に対して、投影用画像Pの投影と、照射野102の投影とを切り替える制御を行う。そのため、本実施形態のコンソール12では、投影用画像Pを投影させるための投影光と、照射野102を投影させるための可視光Vとが同時に照射されない。そのため、本実施形態のコンソール12によれば、投影用画像P及び照射野102の範囲が視認できなくなるのを抑制することができる。
【0091】
なお、上記では、照射野102を表示させるための画像として、照射野境界線80(図6B参照)について説明したが、照射野102を表示させるための画像は、本形態に限定されない。例えば、図6Bに示した照射野境界線80では、照射野102の境界線全てを線で示したが、境界線の一部を線で示す形態であってもよい。また例えば、図7Aに示すように、照射野102の内外の境界を表すマーク81を、照射野102を表示させるための画像として適用してもよい。図7Aに示した例では、矩形状の照射野102の四隅の各々に、マーク81を表示することにより、照射野102を表示させた形態の一例を示している。また例えば、図7Bに示すように、照射野102の範囲内となる領域と、範囲外となる領域とで、明度及び彩度の少なくとも一方を異ならせた画像を適用してもよい。図7Bに示した例では、照射野102の範囲内の領域82Aの明度及び彩度を、照射野102の範囲外の領域82Bの明度及び彩度よりも低くした形態を示している。なお、このように明度及び彩度を異ならせる場合、例えば、投影用画像データ53Bを用いずに、投影用画像データ53Aによって表される投影用画像Pにおける照射野102の範囲内の各画素について、明度及び彩度を低く、または高くする形態としてもよい。
【0092】
また、本実施形態では、明度及び彩度の両方共に制御する形態としたが、明度及び彩度のいずれか一方のみを制御する形態としてもよい。また、明度及び彩度と同様に輝度に関しても制御する形態としてもよい。
【0093】
[第2実施形態]
本実施形態では、投影用画像Pの投影及び照射野102の投影各々の制御について第1実施形態と異なる形態について説明する。
【0094】
なお、本実施形態のマンモグラフィ装置10及びコンソール12の構成は、コンソール12の記憶部52に、投影用画像データ53Bが記憶されていない点で第1実施形態のコンソール12(図3参照)と異なっている。また、本実施形態のコンソール12が有する制御部62の機能が第1実施形態の制御部62(図4参照)と異なるため、本実施形態の制御部62の機能について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0095】
本実施形態の制御部62は、受付部60が、投影用画像Pを投影させるための投影開始指示と、照射野102を投影させるための投影開始指示と両方を受け付けた場合、後から受け付けた投影開始指示による表示を、先に受け付けた投影開始指示による表示よりも強調する制御を行う機能を有する。具体的には、制御部62は、投影用画像Pの投影中に、受付部60が照射野102を投影させるための投影開始指示を受け付けた場合、投影用画像Pによって表示される表示画像を、照射野102を投影させるための投影開始指示を受け付けていない場合の投影用画像Pによって表示される表示画像よりも目立たなくさせる制御を行う。また、制御部62は、照射野102の投影中に、受付部60が投影用画像Pを投影させるための投影開始指示を受け付けた場合、照射野102の表示を、投影用画像Pを投影させるための投影開始指示を受け付けていない場合に表示される照射野102よりも目立たなくさせる制御を行う。
【0096】
また、本実施形態は、コンソール12において実行される投影制御処理が第1実施形態と異なるため、本実施形態の投影制御処理について説明する。図8Aには、本実施形態のコンソール12において実行される投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0097】
図8Aに示すように本実施形態の投影制御処理は、第1実施形態の投影制御処理(図5参照)のステップS102~S108の処理に代わりステップS109の処理を備え、ステップS110とステップS112との間にステップS111A及びS111Bの処理を備える点が異なっている。
【0098】
本実施形態では、受付部60が投影用画像Pの投影開始指示を受け付ける(ステップS100で肯定判定)と、次のステップS109で制御部62は、第1実施形態の投影制御処理のステップS104と同様に、マンモグラフィ装置10から取得した圧迫識別子に対応する投影用画像データ53を記憶部52から取得する。
【0099】
また、図8Aに示すようにステップS111Aで制御部62は、照射野102の投影中であるか否かを判定する。照射野102の投影中ではない場合、ステップS111Aの判定が否定判定となり、ステップS112へ移行する。一方、照射野102の投影中である場合、ステップS111Aの判定が肯定判定となり、ステップS111Bへ移行する。
【0100】
ステップS111Bで制御部62は、投影中の照射野102の光量を低下させる。具体的には、制御部62は、照射野102の光量を低下させるための光量低下指示をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、光量低下指示が入力すると、制御部20が、可視光源37Vの発光量を低下させることにより、可視光源37Vから照射する可視光Vを暗くさせる。ここで、可視光Vの光量をどの程度暗くさせるかについては、特に限定されないが、表示される照射野102よりも、投影用画像Pに応じて表示される表示画像の方が強調される(目立つ)程度の光量とする。
【0101】
また、図8Aに示すように本実施形態の投影制御処理は、第1実施形態の投影制御処理(図5参照)のステップS114及びS116の処理を備えておらず、ステップS118とステップS120との間にステップS119A及びS119Bの処理を備える点が異なっている。
【0102】
本実施形態では、受付部60が照射野102の投影開始指示を受け付けている場合、ステップS112の判定が肯定判定となり、ステップS118へ移行する。
【0103】
また、図8Aに示すようにステップS119Aで制御部62は、投影用画像Pの投影中であるか否かを判定する。投影用画像Pの投影中ではない場合、ステップS119Aの判定が否定判定となり、ステップS120へ移行する。一方、投影用画像Pの投影中である場合、ステップS119Aの判定が肯定判定となり、ステップS119Bへ移行する。
【0104】
ステップS119Bで制御部62は、投影中の投影用画像Pの明度及び彩度を低下させる。具体的には、制御部62は、投影用画像Pに応じて表示される表示画像の明度及び彩度を低下させるための明度彩度低下指示をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、明度彩度低下指示が入力すると、制御部20が、プロジェクタ48の投影部48Bの画素について、明度及び彩度を低下させる。ここで、投影用画像Pの明度及び彩度をどの程度低下させるかについては、特に限定されないが、投影用画像Pに応じて表示される表示画像よりも、表示される照射野102の方が強調される(目立つ)程度の明度及び彩度とする。
【0105】
また、図8Aに示すように本実施形態の投影制御処理は、第1実施形態の投影制御処理(図5参照)のステップS122とステップS124との間にステップS123A及びS123Bの処理を備える点が異なっている。
【0106】
本実施形態では、投影用画像Pの投影を終了させた(S122)後、ステップS123Aで制御部62は、照射野102の光量が低下中であるか否かを判定する。具体的には、上記ステップS111Bの処理により可視光Vの光量が低下した状態で照射野102が投影されているか否かを判定する。照射野102の光量が低下中ではない場合、ステップS123Aの判定が否定判定となり、ステップS124へ移行する。一方、照射野102の光量が低下中である場合、ステップS123Aの判定が肯定判定となり、ステップS123Bへ移行する。
【0107】
ステップS123Bで制御部62は、低下中である照射野102の光量を元に戻す。具体的には、制御部62は、照射野102の光量を元に戻すための光量上昇指示をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、光量上昇指示が入力されると、制御部20が、可視光源37Vの光量を上昇させて、上記ステップS111Bの処理により低下させた可視光Vの光量を元に戻す。換言すると、照射野102を投影するために照射する可視光Vの光量を、投影用画像Pの投影を開始する前の光量に戻す。
【0108】
また、図8Aに示すように本実施形態の投影制御処理は、第1実施形態の投影制御処理(図5参照)のステップS126とステップS128との間にステップS127A及びS127Bの処理を備える点が異なっている。
【0109】
本実施形態では、照射野102の投影を終了させた(S126)後、ステップS127Aで制御部62は、投影用画像Pの明度及び彩度が低下中であるか否かを判定する。具体的には、上記ステップS119Bの処理により、明度及び彩度が低下した状態で投影用画像Pが投影されているか否かを判定する。投影用画像Pの明度及び彩度が低下中ではない場合、ステップS127Aの判定が否定判定となり、ステップS128へ移行する。一方、投影用画像Pの明度及び彩度が低下中である場合、ステップS127Aの判定が肯定判定となり、ステップS127Bへ移行する。
【0110】
ステップS127Bで制御部62は、低下中である投影用画像Pの明度及び彩度を元に戻す。具体的には、制御部62は、投影用画像Pの明度及び彩度を元に戻すための明度彩度上昇指示をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、明度彩度上昇指示が入力されると、制御部20が、プロジェクタ48の投影部48Bの画素について、明度及び彩度を、照射野102の投影を開始する前の明度及び彩度に戻す。
【0111】
投影用画像P及び照射野102について、後から受け付けた方が、ユーザが現在、表示させたいものであるとみなせる。そこで、本実施形態のコンソール12では、投影用画像Pの投影開始指示及び照射野102の投影開始指示の両方を受け付けた場合、後から受け付けた方の投影を強調して行う。そのため、本実施形態では、投影用画像Pの投影及び照射野102の投影が同時に行われた状態において、投影用画像Pに応じた表示画像及び照射野102のうちユーザが所望する方を強調させることができる。従って、本実施形態のコンソール12によれば、ユーザが所望する投影用画像P及び照射野102の範囲が視認できなくなるのを抑制することができる。
【0112】
なお、上記形態では、投影用画像Pの投影開始指示及び照射野102の投影開始指示の両方を受け付けた場合、後から受け付けた方の投影を強調して行うための処理として、先に受け付けた方の投影について目立たなくさせる形態について説明した。換言すると、上記形態では、先に受け付けた方の投影を通常の投影状態よりも目立たなくさせることで、後から受け付けた方の投影を通常と同様に行っても目立たせる形態について説明した。しかしながら、後から受け付けた方の投影を強調して行うための処理は本形態に限定されず、投影用画像Pの明度及び彩度の少なくとも一方、及び照射野102の光量を制御することにより、相対的に後から受け付けた方の投影が強調される形態であればよい。例えば、下記の変形例1または変形例2の形態としてもよいし、上記形態(図8A参照)、下記の変形例1、及び変形例2のいずれかを組み合わせた形態としてもよい。
【0113】
(変形例1)
投影用画像Pの明度及び彩度の少なくとも一方と、照射野102の光量と両方を制御することにより、投影用画像Pの投影開始指示及び照射野102の投影開始指示の両方を受け付けた場合に、後から受け付けた方の投影を強調してもよい。すなわち、先に受け付けた方の投影を通常よりも目立たなくさせ、かつ後から受け付けた方の投影を通常よりも目立たせることにより、後から受け付けた方の投影を強調してもよい。図8Bには、この場合の投影制御処理の一例を表すフローチャートを示す。
【0114】
図8Bに示した投影制御処理は、上記図8Aに示した投影制御処理のステップS111B、S119B、S123A、及びS127Aの各々に代わり、ステップS111B、S119B、S123A、及びS127Aを備える点が異なる。
【0115】
図8Bに示した例では、照射野102の投影中であるためにステップS111Aで肯定判定となった場合、ステップS111Bへ移行する。ステップS111Bで制御部62は、投影中の照射野102の光量を低下させ、また上記ステップS110で投影を開始した投影用画像Pの明度及び彩度を上昇させる。具体的には、制御部62は、照射野102の光量を低下させるための光量低下指示と、投影用画像Pに応じて表示される表示画像の明度及び彩度を低下させるための明度彩度低下上昇指示とをI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、上述したように、光量低下指示が入力すると、制御部20が、可視光源37Vの発光量を低下させることにより、可視光源37Vから照射する可視光Vを暗くさせる。また、マンモグラフィ装置10では、明度彩度上昇指示が入力すると、制御部20が、プロジェクタ48の投影部48Bの画素について、明度及び彩度を上昇させる。ここで、可視光Vの光量をどの程度暗くさせるか、及び投影用画像Pの明度及び彩度をどの程度上昇させるかについては、特に限定されないが、表示される照射野102よりも、投影用画像Pに応じて表示される表示画像の方が強調される(目立つ)状態となればよい。例えば、上記図8Aで示した投影制御処理のステップS111Bの処理結果と同程度に可視光Vの光量を低下させた場合、上記ステップS111Bの処理結果よりも、投影用画像Pに応じて表示される表示画像の方が強調される(目立つ)状態となる。また例えば、上記図8Aで示した投影制御処理のステップS111Bの処理結果と同程度に投影用画像Pに応じて表示される表示画像の方が強調される(目立つ)状態とするならば、本ステップ111Bにおいて低下させる可視光Vの光量を少なくすることができる。
【0116】
また、図8Bに示した例では、投影用画像Pの投影中であるためにステップS119Aで肯定判定となった場合、ステップS119へ移行する。ステップS1191で制御部62は、投影中の投影用画像Pの明度及び彩度を低下させ、また、上記ステップS118で投影を開始した駆動部102の光量を上昇させる。具体的には、制御部62は、投影用画像Pに応じて表示される表示画像の明度及び彩度を低下させるための明度彩度低下指示と、照射野102の光量を上昇させるための光量上昇指示とをI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、上述したように、明度彩度低下指示が入力すると、制御部20が、プロジェクタ48の投影部48Bの画素について、明度及び彩度を低下させる。また、マンモグラフィ装置10では、光量上昇指示が入力すると、制御部20が、可視光源37Vの発光量を上昇させることにより、可視光源37Vから照射する可視光Vを明るくさせる。ここで、投影用画像Pの明度及び彩度をどの程度低下させるか、及び可視光Vをどの程度明るくさせるかについては、特に限定されないが、投影用画像Pに応じて表示される表示画像よりも、表示される照射野102の方が強調される(目立つ)状態となればよい。例えば、上記図8Aで示した投影制御処理のステップS119Bの処理結果と同程度に投影用画像Pの明度及び彩度を低下させた場合、上記ステップS119Bの処理結果よりも、照射野102の方が強調される(目立つ)状態となる。また例えば、上記図8Aで示した投影制御処理のステップS119Bの処理結果と同程度に照射野102の方が強調される(目立つ)状態とするならば、本ステップ119Bにおける投影用画像Pの明度及び彩度を低下度合いを少なくすることができる。
【0117】
また、図8Bに示した例では、投影用画像Pの投影を終了させた(S122)後、ステップS123Aで制御部62は、照射野102の光量を変化させたか否かを判定する。具体的には、上記ステップS111Bの処理により可視光Vの光量が低下した状態またはステップS119Bの処理により可視光Vの光量が上昇した状態で照射野102が投影されているか否かを判定する。照射野102の光量が低下中及び上昇中のいずれでもない場合、ステップS123Aの判定が否定判定となり、ステップS124へ移行する。一方、照射野102の光量が低下中または上昇中である場合、ステップS123Aの判定が肯定判定となり、ステップS123Bへ移行する。
【0118】
ステップS123Bで制御部62は、低下中または上昇中である照射野102の光量を元に戻し、照射野102を投影するために照射する可視光Vの光量を、投影用画像Pが投影されない場合の光量に戻す。
【0119】
また、図8Bに示した例では、照射野102の投影を終了させた(S126)後、ステップS127Aで制御部62は、投影用画像Pの明度及び彩度を変化させたか否かを判定する。具体的には、上記ステップS111Bの処理により明度及び彩度が上昇した状態またはステップS119Bの処理により明度及び彩度が低下した状態で投影用画像Pが投影されているか否かを判定する。投影用画像Pの明度及び彩度が上昇中及び低下中のいずれでもない場合、ステップS127Aの判定が否定判定となり、ステップS128へ移行する。一方、投影用画像Pの明度及び彩度が上昇中または低下中である場合、ステップS127Aの判定が肯定判定となり、ステップS127Bへ移行する。
【0120】
ステップS127Bで制御部62は、上昇中または低下中である投影用画像Pの明度及び彩度を元に戻し、投影用画像Pの明度及び彩度を、照射野102が投影されない場合の明度及び彩度に戻す。
【0121】
(変形例2)
投影用画像Pの明度及び彩度の少なくとも一方と、照射野102の光量と両方を制御することにより、投影用画像Pの投影開始指示及び照射野102の投影開始指示の両方を受け付けた場合に、先に受け付けた方の投影を抑制してもよい。すなわち、先に受け付けた方の投影を通常よりも目立たなくさせることにより、後から受け付けた方の投影を強調してもよい。図8Cには、この場合の投影制御処理の一例を表すフローチャートを示す。
【0122】
図8Cに示した投影制御処理は、上記図8Aに示した投影制御処理のステップS111B、S119B、S123A、及びS127Aの各々に代わり、ステップS111B、S119B、S123A、及びS127Aを備える点が異なる。
【0123】
図8Cに示した例では、照射野102の投影中であるためにステップS111Aで肯定判定となった場合、ステップS111Bへ移行する。ステップS111Bで制御部62は、上記ステップS110で投影を開始した投影用画像Pの明度及び彩度を上昇させる。具体的には、制御部62は、投影用画像Pに応じて表示される表示画像の明度及び彩度を低下させるための明度彩度低下上昇指示をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、上述したように、明度彩度上昇指示が入力すると、制御部20が、プロジェクタ48の投影部48Bの画素について、明度及び彩度を上昇させる。ここで、投影用画像Pの明度及び彩度をどの程度上昇させるかについては、特に限定されないが、表示される照射野102よりも、投影用画像Pに応じて表示される表示画像の方が強調される(目立つ)状態となればよい。
【0124】
また、図8Cに示した例では、投影用画像Pの投影中であるためにステップS119Aで肯定判定となった場合、ステップS119へ移行する。ステップS1191で制御部62は、上記ステップS118で投影を開始した駆動部102の光量を上昇させる。具体的には、制御部62は、照射野102の光量を上昇させるための光量上昇指示をI/F部54を介してマンモグラフィ装置10に出力する。マンモグラフィ装置10では、上述したように、光量上昇指示が入力すると、制御部20が、可視光源37Vの発光量を上昇させることにより、可視光源37Vから照射する可視光Vを明るくさせる。ここで、可視光Vをどの程度明るくさせるかについては、特に限定されないが、投影用画像Pに応じて表示される表示画像よりも、表示される照射野102の方が強調される(目立つ)状態となればよい。
【0125】
また、図8Cに示した例では、投影用画像Pの投影を終了させた(S122)後、ステップS123Aで制御部62は、照射野102の光量が上昇中であるか否かを判定する。具体的には、上記ステップS119Bの処理により可視光Vの光量が上昇した状態で照射野102が投影されているか否かを判定する。照射野102の光量が上昇中ではない場合、ステップS123Aの判定が否定判定となり、ステップS124へ移行する。一方、照射野102の光量が上昇中である場合、ステップS123Aの判定が肯定判定となり、ステップS123Bへ移行する。
【0126】
ステップS123Bで制御部62は、上昇中である照射野102の光量を元に戻し、照射野102を投影するために照射する可視光Vの光量を、投影用画像Pが投影されない場合の光量に戻す。
【0127】
また、図8Cに示した例では、照射野102の投影を終了させた(S126)後、ステップS127Aで制御部62は、投影用画像Pの明度及び彩度が上昇中であるか否かを判定する。具体的には、上記ステップS111Bの処理により明度及び彩度が上昇した状態で投影用画像Pが投影されているか否かを判定する。投影用画像Pの明度及び彩度が上昇中ではない場合、ステップS127Aの判定が否定判定となり、ステップS128へ移行する。一方、投影用画像Pの明度及び彩度が上昇中である場合、ステップS127Aの判定が肯定判定となり、ステップS127Bへ移行する。
【0128】
ステップS127Bで制御部62は、上昇中である投影用画像Pの明度及び彩度を元に戻し、投影用画像Pの明度及び彩度を、照射野102が投影されない場合の明度及び彩度に戻す。
【0129】
[第3実施形態]
本実施形態では、投影用画像Pの投影及び照射野102の投影各々の制御について第1実施形態と異なる形態について説明する。
【0130】
なお、本実施形態のマンモグラフィ装置10及びコンソール12の構成は、コンソール12の記憶部52に、投影用画像データ53Bが記憶されていない点で第1実施形態のコンソール12(図3参照)と異なっている。また、本実施形態のコンソール12が有する制御部62の機能が第1実施形態の制御部62(図4参照)と異なるため、本実施形態の制御部62の機能について説明し、同様の構成については説明を省略する。
【0131】
本実施形態の制御部62は、マンモグラフィ装置10に対して、照射野102の範囲を表示させる場合と表示させない場合とで、投影させる投影用画像Pを切り替える制御を行う機能を有している。一例として本実施形態の制御部62は、照射野102の範囲を表示させる場合は、照射野102の範囲外に情報を表示させるための投影用画像Pを投影する制御を行う。
【0132】
一例として図9Aには、投影用画像Pに応じて圧迫板40の投影面45に表示されたスキンライン70、ニップルの位置72、右の乳房のCC撮影(RCC)であることを表す文字83、及び圧迫圧を表す文字84の一例を示す。上述したように、照射野102が投影されると、可視光Vにより、投影用画像Pにより表示される情報(画像)が視認できなくなる場合がある。なお図9Aでは、便宜上、文字84の例として「圧迫圧」と記載しているが、実際に表示されるのは、現在、圧迫板40により乳房を圧迫している圧迫圧、及び過去の撮影において圧迫が完了した際の圧迫圧の少なくとも一方等が挙げられる。
【0133】
図9Aに例示した状態の表示が投影用画像Pにより行われている状態で、図6Cに示したように照射野102が表示された場合、照射野102に対応する領域の情報が視認し難く、または視認できなくなる。具体的には、スキンライン70のうち照射野102となる部分、ニップルの位置72、文字83、及び文字84の情報が視認し難く、または視認できなくなる。
【0134】
そこで、本実施形態の制御部62は、照射野102の範囲を表示させない場合は、照射野102内となる領域にも情報が表示される投影用画像Pを投影し、照射野102の範囲を表示させる場合は、照射野102内となる領域外に、情報を表示させるための投影用画像Pを投影させる。例えば、制御部62は、照射野102の範囲を表示させない場合は、上記図9Aに示した状態の表示が行われる投影用画像Pを投影する。そして、制御部62は、照射野102の範囲を表示させる場合、図9Bに示した状態の表示が行われる投影用画像Pを投影する。図9Bに示した例では、文字83及び文字84が照射野102外に表示された形態を示している。一方、乳房のポジショニングは、照射野102の範囲の表示の有無に係わらず、同様に行われるため、スキンライン70及びニップルの位置72については、照射野102の範囲の表示の有無に係わらず、表示される位置が変化しない。
【0135】
なお、本実施形態では、第1実施形態の記憶部52に記憶されていた投影用画像データ53に代えて、図9Bに示したような、照射野102の範囲外に情報を表示させるための投影用画像Pを表す投影用画像データ53が記憶されている。
【0136】
また、本実施形態は、コンソール12において実行される投影制御処理が第1実施形態と異なるため、本実施形態の投影制御処理について説明する。図10には、本実施形態のコンソール12において実行される投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0137】
図10に示すように本実施形態の投影制御処理は、第1実施形態の投影制御処理(図5参照)のステップS106及びS104の処理に代わりステップS103の処理を備え、ステップS116に代わりステップS115及びS117の処理を備える点が異なっている。
【0138】
本実施形態では、照射野102の投影中に、投影用画像Pの投影開始指示を受け付けた場合、図10に示すように、ステップS103に移行する。ステップS103で制御部62は、記憶部52から照射野102の範囲外に情報を表示させるための投影用画像データ53を取得する。
【0139】
また、投影用画像Pの投影中に、照射野102の投影開始指示を受け付けた場合、図10に示すように、ステップS115に移行する。ステップS115で制御部62は、上記ステップS103と同様に、記憶部52から照射野102の範囲外に情報を表示させるための投影用画像データ53を取得する。
【0140】
次のステップS117で制御部62は、現在、投影する投影用画像Pを、現在、投影中の投影用画像Pから、上記ステップS115で取得した投影用画像データ53に応じた投影用画像Pに切り替える。本処理により、切り替えられた投影用画像Pにより、図9Bに示したような状態に情報が表示される。
【0141】
このように、本実施形態のコンソール12では、投影する投影用画像Pを切り替えることにより、照射野102を表示させる場合は、照射野102の範囲外に投影用画像Pにより情報を表示させることができる。従って、本実施形態のマンコンソール12によれば、投影用画像P及び照射野102の範囲が視認できなくなるのを抑制することができる。
【0142】
なお、本実施形態では、制御部62が、照射野102の範囲を表示させる場合は、照射野102の範囲外に情報を表示させるための投影用画像Pを投影する制御を行う形態について説明したが、本形態に限定されず、投影用画像Pによる情報を照射野102外に表示させる形態であれば限定されない。例えば、照射野102が圧迫板40の投影面45に表示される場合、圧迫板40の壁部41Bに投影用画像Pによる情報を表示させる形態としてもよい。この場合、投影する投影用画像Pを切り替えるのに変えて、プロジェクタ48が投影光を照射する向きや位置を調整することにより、投影用画像Pによる情報を照射野102外に表示させる形態としてもよい。
【0143】
以上説明したように、上記各形態のコンソール12によれば、投影用画像Pを投影するために投影光を照射し、また、照射野102を投影するために可視光Vを照射するマンモグラフィ装置10において、投影用画像P及び照射野102の範囲が視認できなくなるのを抑制することができる。
【0144】
なお、上記第1形態では、照射野102の投影中に投影用画像Pの投影開始指示を受け付けた場合、投影用画像Pの投影終了指示を受け付けなくても投影用画像Pの投影を終了させたままとした。また、投影用画像Pの投影中に照射野102の投影開始指示を受け付けた場合、照射野102の投影終了指示を受け付けなくても照射野102の投影を終了させたままとした。しかしながら、投影用画像P及び照射野102の投影終了指示を受け付けていない場合、投影用画像P及び照射野102の一方の投影が終了した後、再び投影用画像P及び照射野102の他方の投影を開始させてもよい。具体的には、照射野102の投影開始指示を受け付けたことにより投影用画像Pの投影を終了させて照射野102の投影を開始した後、照射野102の投影終了指示を受け付けた場合、照射野102の投影を終了し、再び投影用画像Pを投影させてもよい。また、投影用画像Pの投影開始指示を受け付けたことにより照射野102の投影を終了させて投影用画像Pの投影を開始した後、投影用画像Pの投影終了指示を受け付けた場合、投影用画像Pの投影を終了し、再び照射野102を投影させてもよい。
【0145】
また、上記各実施形態に限定されず、例えば、投影用画像P及び照射野102のいずれかを優先する形態とし、優先した方については、自動的に投影が終了されない形態としてもよい。例えば、投影用画像Pを優先する場合、第1実施形態の投影制御処理(図5参照)のステップS100~S110の処理と、第2実施形態の投影制御処理(図8A参照)のステップS112~S119B)の処理を組み合わせた形態としてもよい。
【0146】
また、上記各形態では、ユーザの指示により、投影用画像P及び照射野102各々の投影を行う形態について説明したが、投影用画像P及び照射野102各々の投影を開始するタイミングは、本形態に限定されない。例えば、圧迫板40が圧迫方向に移動した場合、投影用画像Pについては、自動的に投影を開始するとした形態であってもよい。
【0147】
なお、投影用画像P及び照射野102の各々について、ユーザの指示によらずコンソール12が自動的に投影を開始させ、数秒後に自動的に投影を終了させる場合は、上記各実施形態のような制御を行わずともよい。例えば、圧迫板40が圧迫方向に移動した場合、または、乳房を圧迫する圧迫板40の圧迫圧が閾値以上になった場合、コンソール12が、照射野102について自動的に投影を開始させ、数秒後に自動的に投影を終了させる場合、投影用画像Pについては何も制御しない形態としてもよい。換言すると、同様の状態で投影用画像Pを投影し続ける制御を行う形態としてもよい。このように、数秒で投影が終了する場合、すぐに元の投影の状態に戻るため、上記各形態の制御を行わずともよい。
【0148】
また、上記各形態では、投影用画像Pの大きさ及び照射野102の大きさとも、投影面45の大きさ以下とした形態について説明したが、投影用画像Pの大きさ及び照射野102の大きさは、圧迫板40の投影面45の大きさ以上であってもよい。すなわち、投影用画像P及び照射野102の少なくとも一方が、撮影台30の撮影面30Aにまで投影される形態であってもよい。また例えば、投影用画像Pが圧迫板40の壁部41Bに表示される形態としてもよい。また、投影用画像Pが、撮影台30のみに投影される形態であってもよい。照射野102は圧迫板40の投影面45に投影されるため、投影用画像Pと照射野102とで投影される位置が異なっていても、近接した位置に両者が投影されるため、上記各形態のように後から投影開始の指示を受け付けた方の投影を強調させることにより、投影用画像P及び照射野102の範囲が視認できなくなるのを抑制することができる。
【0149】
また、上記各形態では、照射野102を表示させるための画像を含む投影用画像データ53Bを用いて投影用画像Pにより照射野102を表示させる形態について説明したが、投影用画像Pにより照射野102を表示させる具体的な方法は、本形態に限定されない。例えば、投影用画像データ53Aによる投影用画像に、照射野102を表す画像を重畳させた投影用画像Pを投影させることにより、投影用画像Pを投影させる形態としてもよい。
【0150】
また、上記各形態で説明したマンモグラフィ装置10において投影用画像Pを投影するための構成は限定されず、プロジェクタ48を用いた形態に限定されない。また、プロジェクタ48を適用する場合、プロジェクタ48の構成も限定されるものではない。例えば、上記各形態では、プロジェクタ48から投影された投影用画像Pを、投影面45に直接投影させる形態について説明したが、ミラー等を介して投影用画像Pを反射させて投影面45に投影させる形態であってもよい。この場合、ミラー等により投影用画像Pを投影させる向きを調整することができる。また例えば、プロジェクタ48の投影部48Bの前に投影光を遮るシャッタ等を設けた形態としてもよい。この場合、シャッタの開閉により投影用画像Pの投影面45への投影を制御する形態とすることができる。具体的には、投影用画像Pの投影を開始する場合、シャッタを開けて投影光を透過させる制御を行う。一方、投影用画像Pの投影を終了する場合、シャッタを閉じて投影光を遮断させる制御を行う。
【0151】
また、投影用画像Pは、乳房の形状及び位置の少なくとも一方をガイドするための画像を圧迫板40の投影面45に表示させるための投影用画像に限定されず、上記図9A及び図9Bに示したように文字情報を表示させるための投影用画像Pであってもよい。例えば、投影用画像Pは、被検者の氏名等の被検者に関する情報や、圧迫圧や圧迫板40の高さ等の圧迫に関する情報を圧迫板40の投影面45に表示させるための投影用画像であってもよい。また、投影用画像Pは、複数の情報を表示させるための投影用画像であってもよい。また、投影用画像Pは、撮影日時や撮影者等の現在の撮影に関する情報、過去の撮影における圧迫圧等の過去の撮影に関する情報、被検者の氏名等の被検者に関する情報、及び撮影者に関する情報等であってもよく、文字や数字を表す画像であってもよい。
【0152】
また、上記各形態では、投影用画像Pとして、標準的な乳房を理想的な状態に圧迫した場合の乳房のスキンライン及びニップルの位置を表す画像を適用しているが、投影用画像Pは本形態に限定されない。例えば、同一の被検者の乳房について過去に撮影された放射線画像そのものや、過去に撮影された放射線画像から生成されたスキンラインを表す画像等であってもよい。なお、スキンラインを表す画像の生成方法は特に限定されず、公知の技術を適用することができる。例えば、特開2008-086389号公報には、放射線画像の濃度を調べ、濃度の段差が所定値以上の位置を検出し、この濃度の段差が所定値以上の画素の集合をスキンラインとする方法が例示されている。また例えば、特開2010-051456号公報には、乳房を撮影した放射線画像の画素ごとの濃度に基づいて、放射線画像を乳房領域と素抜け領域に分割し、乳房領域と素抜け領域の境界点となる画素をつなぐことで生成する方法が例示されている。
【0153】
なお、過去に撮影された放射線画像からスキンラインやニップルの位置を表す画像を生成して投影面45に投影させる場合、過去に撮影された放射線画像から生成された投影用画像Pをそのまま投影させたのでは投影面45の大きさと異なる場合がある。
【0154】
過去に撮影された放射線画像が投影面45よりも大きい場合、制御部62は、放射線画像のうちの投影面45の大きさに応じた一部の領域が示す乳房の形状に基づくスキンラインを表すガイド用の投影用画像Pを生成してもよい。換言すると、制御部62は、過去に撮影された放射線画像のうちの投影面45の大きさに応じた一部の領域を切り取り、切り取った画像に基づいて、スキンラインやニップルの位置を表す投影用画像Pを生成してもよい。なお、マンモグラフィ撮影10においては、胸壁側を含む撮影を行う場合が多いため、切り取る領域は、胸壁側の一部の領域であることが好ましい。また、切り取る領域は、放射線画像に含まれる乳房の形状の、左右方向の中心を含む一部の領域であることが好ましい。
【0155】
また、過去に撮影された放射線画像が投影面45よりも小さい場合、制御部62は、放射線画像が示す乳房の形状に基づいて、放射線画像外の乳房の形状が補完されたスキンラインやニップルの位置を表す投影用画像Pを生成してもよい。補完の手法としては、公知の画像補完手法を適用することができる。例えば、制御部62は、過去に撮影された放射線画像に基づいて生成した部分のスキンラインの曲率にしたがって延長線を補完してもよい。また例えば、制御部62は、放射線画像に基づいて生成した部分のスキンラインの接線を延長線として補完してもよい。
【0156】
また、過去に撮影された放射線画像の大きさと投影面45の大きさが一致しない場合、制御部62は、投影面45の大きさに応じて、過去に撮影された放射線画像を拡大又は縮小した画像が示す乳房の形状に基づくスキンラインやニップルの位置を表す投影用画像Pを生成してもよい。拡大及び縮小の割合は、例えば、放射線画像の大きさと投影面45の大きさとの組合せごと予め定められていてもよい。
【0157】
また、上記各形態では、コンソール12が本開示の制御装置の一例である形態について説明したが、コンソール12以外の装置が本開示の制御装置の機能を備えていてもよい。換言すると、受付部60及び制御部62の機能の一部または全部をコンソール12以外の、例えばマンモグラフィ装置10や、外部の装置等が備えていてもよい。
【0158】
また、上記各形態において、例えば、受付部60及び制御部62といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0159】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0160】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0161】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0162】
また、上記各形態では、投影制御プログラム51がROM50Bに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。投影制御プログラム51は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、投影制御プログラム51は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0163】
1 放射線画像撮影システム
2 RIS
10 マンモグラフィ装置
12 コンソール
20、50 制御部、20A、50A CPU、20B、50B ROM、20C、50C RAM
21 撮影処理プログラム
22、52 記憶部
24、54 I/F部
26、56 操作部
27、58 表示部
28 放射線検出器
30 撮影台、30A 撮影面
31 ミラー
32 アーム部
33 フィルタ
34 基台
35 軸部
36 圧迫ユニット
37 放射線照射部、37R 放射線源、37V 可視光源
38 コリメータ、38A~38D ブレード
39 フェイスガード
40 圧迫板
41 圧迫部、41A 底部、41B 壁部
42 圧迫板駆動部
44 圧迫板検出センサ
45 投影面
46 支持部、46A 取付部、46B 腕
48 プロジェクタ、48A 電源部、48B 投影部
49、59 バス
51 投影制御プログラム
53 投影用画像データ
60 受付部
62 制御部
70 スキンライン
72 ニップルの位置
80 照射野境界線
81 マーク
82A 照射野の範囲内の領域、82B 照射野の範囲外の領域
83、84 文字
100 開口部
102 照射野
P 投影用画像
R 放射線
V 可視光
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10