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特開2022-57944情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057944
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220404BHJP
   A61B 6/04 20060101ALI20220404BHJP
【FI】
A61B6/00 320Z
A61B6/00 330Z
A61B6/04 309B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020166465
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 淑恵
(72)【発明者】
【氏名】今野 紳一朗
(72)【発明者】
【氏名】小平 俊輔
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA07
4C093CA16
4C093CA22
4C093DA06
4C093ED21
4C093FG07
4C093FG14
4C093FG16
(57)【要約】
【課題】圧迫部材が移動しても、適切な大きさの画像を表示できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】CPU50Aは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、圧迫部材の投影面に投影用画像を投影する画像投影部から投影面までの距離である投写距離を示す距離情報を取得し、画像投影部が投影用画像を投写距離に応じた倍率で投影する場合に、画像投影部により、距離情報によって示される投写距離に応じた大きさの投影用画像を投影面に投影する制御を行う。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影する画像投影部から前記投影面までの距離である投写距離を示す距離情報を取得し、
前記画像投影部が前記投影用画像を前記投写距離に応じた倍率で投影する場合に、前記画像投影部により、前記距離情報によって示される前記投写距離に応じた大きさの前記投影用画像を前記投影面に投影する制御を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記画像投影部が前記投影用画像を前記投写距離に応じた倍率で投影することで前記投影面に表示される表示画像の大きさが、予め定められた大きさになるように、前記距離情報によって示される前記投写距離に応じた大きさの前記投影用画像を前記投影面に投影する制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
撮影対象の前記乳房が過去に撮影されたことがある場合に、過去に撮影された時点の前記投写距離を示す情報を、前記距離情報として取得する
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記距離情報によって示される前記投写距離の変化に追従して、大きさの異なる複数の前記投影用画像を前記投影面に順次投影する制御を行う
請求項1から3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記距離情報によって示される前記投写距離の変動量が予め定められた量となる時点ごとに、当該時点における前記距離情報によって示される前記投写距離に応じた大きさの前記投影用画像を前記投影面に投影する制御を行う
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記投影面の大きさを示す投影面大きさ情報を取得し、
前記投影面大きさ情報に基づいて、前記投影面に前記投影用画像の全体が投影可能な大きさの前記投影用画像を前記投影面に投影する制御を行う
請求項1から5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記投影用画像は、前記乳房をポジショニングする場合のガイドとなるガイド情報を含む
請求項1から6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記投影用画像は、文字で表される撮影情報を含む
請求項1から7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記投影用画像は、前記乳房をポジショニングする場合のガイドとなるガイド情報と、文字で表される撮影情報と、を含み、
前記プロセッサは、
前記距離情報によって示される前記投写距離に応じた大きさの前記撮影情報を前記投影面に投影する制御を行う
請求項1から6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記撮影情報は、前記圧迫部材による前記乳房の圧迫圧力を示す情報、前記乳房を圧迫する圧迫方向における前記乳房の厚みを示す情報、撮影対象の前記乳房に係る被検者を示す被検者情報、撮影を行う撮影者を示す撮影者情報、撮影を行う日付を示す日付情報、及び前記乳房を撮影する角度を示す角度情報、のうち少なくとも1つを含む撮影情報である
請求項8又は9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
前記距離情報によって示される前記投写距離が予め定められた閾値未満である場合に、前記投影用画像の投影を中止する制御を行う
請求項1から10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記距離情報によって示される前記投写距離が予め定められた期間一定である場合に、前記距離情報によって示される前記投写距離に応じた大きさの前記投影用画像を前記投影面に投影する制御を行い、
前記距離情報によって示される前記投写距離が変動している間は、前記投影用画像の投影を中止する制御を行う
請求項1から11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影する画像投影部から前記投影面までの距離である投写距離を示す距離情報を取得し、
前記画像投影部が前記投影用画像を前記投写距離に応じた倍率で投影する場合に、前記画像投影部により、前記距離情報によって示される前記投写距離に応じた大きさの前記投影用画像を前記投影面に投影する制御を行う
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項14】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影する画像投影部から前記投影面までの距離である投写距離を示す距離情報を取得し、
前記画像投影部が前記投影用画像を前記投写距離に応じた倍率で投影する場合に、前記画像投影部により、前記距離情報によって示される前記投写距離に応じた大きさの前記投影用画像を前記投影面に投影する制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療診断を目的とした放射線撮影を行う放射線画像撮影装置が知られている。この種の放射線画像撮影装置として、例えば、被検者の乳房を撮影するマンモグラフィ装置が挙げられる。マンモグラフィ装置では、撮影部位である被検者の乳房を圧迫板により圧迫させた状態で、乳房に放射線を照射して撮影を行う。
【0003】
また、マンモグラフィ装置において、撮影台に乳房のスキンラインを表示させる技術が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、圧迫された状態の乳房を撮影した放射線画像から乳房のスキンライン画像を生成しておき、次に乳房を撮影する場合に、撮影台にスキンライン画像を投影することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-086389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、マンモグラフィ装置において、投影レンズを備えた画像投影部によって圧迫板上にスキンライン画像等の各種情報を投影可能な技術が求められている。通常、画像投影部が画像を投影することで投影面に表示される表示画像の大きさ(所謂スクリーンサイズ)は、画像投影部から投影面までの距離に比例する。したがって、画像投影部が固定されている場合に、乳房を圧迫するために圧迫板を移動させると、画像投影部から圧迫板の投影面までの距離が変化し、表示画像の大きさも変化してしまう。
【0006】
そこで、圧迫板が移動しても、適切な大きさの表示画像を圧迫板上に投影可能な技術が求められている。例えば、圧迫板が移動しても、実際の乳房の大きさに合った適切な大きさのスキンライン画像を圧迫板上に表示させること、及び圧迫圧力等の各種情報を表す文字を一定の大きさに保ったまま圧迫板上に表示させることが望まれている。
【0007】
本開示は、上記事情を考慮して成されたものであり、圧迫部材が移動しても、適切な大きさの画像を表示できる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の態様は、情報処理装置であって、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、圧迫部材の投影面に投影用画像を投影する画像投影部から投影面までの距離である投写距離を示す距離情報を取得し、画像投影部が投影用画像を投写距離に応じた倍率で投影する場合に、画像投影部により、距離情報によって示される投写距離に応じた大きさの投影用画像を投影面に投影する制御を行う。
【0009】
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、プロセッサが、画像投影部が投影用画像を投写距離に応じた倍率で投影することで投影面に表示される表示画像の大きさが、予め定められた大きさになるように、距離情報によって示される投写距離に応じた大きさの投影用画像を投影面に投影する制御を行ってもよい。
【0010】
本開示の第3の態様は、上記態様において、プロセッサが、撮影対象の乳房が過去に撮影されたことがある場合に、過去に撮影された時点の投写距離を示す情報を、距離情報として取得してもよい。
【0011】
本開示の第4の態様は、上記態様において、プロセッサが、距離情報によって示される投写距離の変化に追従して、大きさの異なる複数の投影用画像を投影面に順次投影する制御を行ってもよい。
【0012】
本開示の第5の態様は、上記第4の態様において、プロセッサが、距離情報によって示される投写距離の変動量が予め定められた量となる時点ごとに、当該時点における距離情報によって示される投写距離に応じた大きさの投影用画像を投影面に投影する制御を行ってもよい。
【0013】
本開示の第6の態様は、上記態様において、プロセッサが、投影面の大きさを示す投影面大きさ情報を取得し、投影面大きさ情報に基づいて、投影面に投影用画像の全体が投影可能な大きさの投影用画像を投影面に投影する制御を行ってもよい。
【0014】
本開示の第7の態様は、上記態様において、投影用画像が、乳房をポジショニングする場合のガイドとなるガイド情報を含んでもよい。
【0015】
本開示の第8の態様は、上記態様において、投影用画像が、文字で表される撮影情報を含んでもよい。
【0016】
本開示の第9の態様は、上記第1から6の態様において、投影用画像が、乳房をポジショニングする場合のガイドとなるガイド情報と、文字で表される撮影情報と、を含み、プロセッサは、距離情報によって示される投写距離に応じた大きさの撮影情報を投影面に投影する制御を行ってもよい。
【0017】
本開示の第10の態様は、上記第8又は9の態様において、撮影情報が、圧迫部材による乳房の圧迫圧力を示す情報、乳房を圧迫する圧迫方向における乳房の厚みを示す情報、撮影対象の乳房に係る被検者を示す被検者情報、撮影を行う撮影者を示す撮影者情報、撮影を行う日付を示す日付情報、及び乳房を撮影する角度を示す角度情報、のうち少なくとも1つを含む撮影情報であってもよい。
【0018】
本開示の第11の態様は、上記態様において、プロセッサが、距離情報によって示される投写距離が予め定められた閾値未満である場合に、投影用画像の投影を中止する制御を行ってもよい。
【0019】
本開示の第12の態様は、上記態様において、プロセッサが、距離情報によって示される投写距離が予め定められた期間一定である場合に、距離情報によって示される投写距離に応じた大きさの投影用画像を投影面に投影する制御を行い、距離情報によって示される投写距離が変動している間は、投影用画像の投影を中止する制御を行ってもよい。
【0020】
本開示の第13の態様は、情報処理方法であって、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、圧迫部材の投影面に投影用画像を投影する画像投影部から投影面までの距離である投写距離を示す距離情報を取得し、画像投影部が投影用画像を投写距離に応じた倍率で投影する場合に、画像投影部により、距離情報によって示される投写距離に応じた大きさの投影用画像を投影面に投影する制御を行う処理をコンピュータが実行するものである。
【0021】
本開示の第14の態様は、情報処理プログラムであって、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、圧迫部材の投影面に投影用画像を投影する画像投影部から投影面までの距離である投写距離を示す距離情報を取得し、画像投影部が投影用画像を投写距離に応じた倍率で投影する場合に、画像投影部により、距離情報によって示される投写距離に応じた大きさの投影用画像を投影面に投影する制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、圧迫部材が移動しても、適切な大きさの画像を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】各実施形態の放射線画像撮影システムにおける全体の構成の一例を概略的に表した構成図である。
図2】各実施形態のマンモグラフィ装置の外観の一例を示す側面図である。
図3】圧迫板の一例を示す三面図である。
図4】圧迫板の一例を示す三面図である。
図5】圧迫板の一例を示す三面図である。
図6】各実施形態のコンソールのハードウェア構成の一例を表したブロック図である。
図7】各実施形態に係る圧迫板情報の一例を示す図である。
図8】各実施形態のコンソールの機能の一例を示す機能ブロック図である。
図9】投写距離に応じた表示画像の大きさの変化を説明するための図である。
図10】投写距離に応じた表示画像の大きさの変化を説明するための図である。
図11】投写距離に応じた表示画像の大きさの変化を説明するための図である。
図12】投写距離に応じた投影用画像を生成する方法を説明するための図である。
図13】投写距離に応じた投影用画像を生成する方法を説明するための図である。
図14】投写距離に応じた投影用画像を生成する方法を説明するための図である。
図15】投写距離に応じた投影用画像を生成する方法を説明するための図である。
図16】第1実施形態の情報処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図17】面方向に移動する圧迫板に投影用画像を投影する方法を説明するための図である。
図18】面方向に移動する圧迫板に投影用画像を投影する方法を説明するための図である。
図19】面方向に移動する圧迫板に投影用画像を投影する方法を説明するための図である。
図20】第2実施形態の情報処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図21】圧迫板の投影面内と投影面外で内容が異なる投影用画像を説明するための図である。
図22】面方向に移動する圧迫板に投影用画像を投影する方法を説明するための図である。
図23】第3実施形態の情報処理の流れの一例を表したフローチャートである。
図24】滑らかな平面における反射の原理を説明するための図である。
図25】粗面化された面における反射の原理を説明するための図である。
図26】粗面化された投影面を含む圧迫板の一例を示す模式図である。
図27】投影面における一部の領域が粗面化された圧迫板の一例を示す模式図である。
図28】粗面化された投影面を含む圧迫板の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。なお、各実施形態は本開示を限定するものではない。
【0025】
[第1実施形態]
まず、本実施形態の放射線画像撮影システムにおける、全体の構成の一例について説明する。図1には、本実施形態の放射線画像撮影システム1における、全体の構成の一例を示す構成図が示されている。図1に示すように、本実施形態の放射線画像撮影システム1は、マンモグラフィ装置10及びコンソール12を備える。本実施形態のマンモグラフィ装置10が、本開示の放射線画像撮影装置の一例である。また、本実施形態のコンソール12が、本開示の情報処理装置の一例である。
【0026】
まず、本実施形態のマンモグラフィ装置10について説明する。図2には、本実施形態のマンモグラフィ装置10の外観の一例を示す側面図が示されている。なお、図2は、被検者の右側からマンモグラフィ装置10を見た場合の外観の一例を示している。
【0027】
本実施形態のマンモグラフィ装置10は、被検者の乳房を被写体として、乳房に放射線R(例えば、X線)を照射して乳房の放射線画像を撮影する装置である。なお、マンモグラフィ装置10は、被検者が起立している状態(立位状態)のみならず、被検者が椅子(車椅子を含む)等に座った状態(座位状態)において、被検者の乳房を撮影する装置であってもよい。
【0028】
図2に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置10は、撮影台30内部に制御部20、記憶部22、及びI/F(Interface)部24を備える。制御部20は、コンソール12の制御に応じて、マンモグラフィ装置10の全体の動作を制御する。制御部20は、いずれも図示を省略した、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を備える。ROMには、CPUで実行される、放射線画像の撮影に関する制御を行うための撮影処理プログラムを含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAMは、各種データを一時的に記憶する。
【0029】
記憶部22には、放射線検出器28により撮影された放射線画像の画像データや、その他の各種情報等が記憶される。記憶部22の具体例としては、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等が挙げられる。
【0030】
I/F部24は、無線通信又は有線通信により、コンソール12との間で各種情報の通信を行う。マンモグラフィ装置10で放射線検出器28により撮影された放射線画像の画像データは、I/F部24を介してコンソール12に無線通信又は有線通信によって送信される。
【0031】
操作部26は、例えば、マンモグラフィ装置10の撮影台30等に複数のスイッチとして設けられている。なお、操作部26は、タッチパネル式のスイッチとして設けられていてもよいし、ユーザが足で操作するフットスイッチとして設けられていてもよい。
【0032】
放射線検出器28は、図2に示すように、撮影台30の内部に配置されている。本実施形態のマンモグラフィ装置10では、撮影を行う場合、撮影台30の撮影面30A上に、被検者の乳房が医師及び技師等のユーザによってポジショニングされる。放射線検出器28は、乳房及び撮影台30を透過した放射線Rを検出し、検出した放射線Rに基づいて放射線画像を生成し、生成した放射線画像を表す画像データを出力する。なお、放射線検出器28の種類は特に限定されず、例えば、放射線Rを光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器であってもよいし、放射線Rを直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器であってもよい。
【0033】
放射線照射部37は、放射線源37Rを備える。図2に示すように放射線照射部37は、撮影台30及び圧迫ユニット36と共にアーム部32に設けられる。本実施形態の放射線照射部37は、照射野を変更可能に構成されている。照射野の変更は、例えば、ユーザが操作部26を操作することで行われてもよいし、取り付けられた圧迫板40の種類に応じて制御部20が行うものであってもよい。
【0034】
放射線照射部37の下方にあたるアーム部32の被検者から離れた位置には、本開示の画像投影部の一例である少なくとも1台のプロジェクタ39が設けられている。プロジェクタ39は、コンソール12の制御に応じて、投影用画像PPを圧迫板40の投影面に投影する。プロジェクタ39により投影用画像PPが投影されることで、圧迫板40の投影面には投影用画像PPに応じた表示画像DPが表示される。投影用画像PPは、後述するガイド情報GI及び撮影情報RIの少なくとも一方を含んでいる。投影面とは、圧迫板40を構成する少なくとも1つの面である。プロジェクタ39としては、液晶プロジェクタ、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)プロジェクタ、及びレーザプロジェクタ等の公知のプロジェクタを使用できる。なお、投影用画像PPを圧迫板40の複数の投影面に投影可能な複数台のプロジェクタ39が設けられていてもよい。また、プロジェクタ39の投影向きを変更するためのミラー等を設けてもよい。
【0035】
放射線照射部37の下方にあたるアーム部32の被検者に近い位置には、フェイスガード38が着脱可能に設けられている。フェイスガード38は、放射線源37Rから出射された放射線Rから被検者を保護するための保護部材である。
【0036】
図2に示すように、本実施形態のマンモグラフィ装置10は、アーム部32と、基台34と、軸部35と、を備えている。アーム部32は、基台34によって、上下方向(Z軸方向)に移動可能に保持される。軸部35は、アーム部32を基台34に連結する。またアーム部32は、軸部35を回転軸として、基台34に対して相対的に回転可能となっている。
【0037】
アーム部32と撮影台30及び圧迫ユニット36は、軸部35を回転軸として、別々に、基台34に対して相対的に回転可能となっている。本実施形態では、基台34、アーム部32、撮影台30、及び圧迫ユニット36にそれぞれ係合部(図示省略)が設けられ、この係合部の状態を切替えることにより、アーム部32、撮影台30、及び圧迫ユニット36の各々が基台34に連結される。軸部35に連結されたアーム部32、撮影台30、及び圧迫ユニット36の一方又は両方が、軸部35を中心に一体に回転する。
【0038】
圧迫ユニット36には、圧迫板40を上下方向(Z軸方向)に移動する圧迫板駆動部(図示省略)が設けられている。本実施形態の圧迫板40は、被検者の乳房を圧迫する機能を有する。圧迫板40の支持部46は、圧迫板駆動部に着脱可能に取り付けられ、圧迫板駆動部により上下方向(Z軸方向)に移動し、撮影台30との間で被検者の乳房を圧迫する。本実施形態の圧迫板40は、本開示の圧迫部材の一例である。
【0039】
本実施形態のマンモグラフィ装置10に取り付けが可能な圧迫板40には、複数の種類がある。例えば、圧迫板40は、乳房全体を圧迫するものに限らず、乳房の一部を圧迫するものであってもよい。換言すると、乳房よりも小さい圧迫板40でもよい。このような圧迫板40としては、例えば、病変が存在する領域のみの放射線画像を撮影する、いわゆるスポット撮影用の圧迫板40が知られている。またその他の種類の圧迫板40としては、例えば、乳房の大きさに応じた圧迫板、腋窩撮影用の圧迫板、及び拡大撮影用の圧迫板等が挙げられる。
【0040】
具体例として、本実施形態のマンモグラフィ装置10に取り付けが可能な3種類の圧迫板40A~40Cの各々について、図3~5を参照して説明する。以下、圧迫板40A~Cの種類を関係なく総称する場合は、単に「圧迫板40」という。
【0041】
図3には、本実施形態の圧迫板40Aの一例の三面図を示す。圧迫板40Aは、主に日本国外で用いられる標準サイズの圧迫板である。図3に示した三面図には、圧迫板40Aを上側(放射線照射部37側)から見た平面図(上面図)、被検者側から見た側面図、及び被検者の右側から見た側面図が含まれる。図3に示すように、本実施形態の圧迫板40Aは、圧迫部42及び支持部46を含む。
【0042】
圧迫部42は、底部43が壁部44に囲まれ、断面形状が凹型に形成されている。底部43は、被検者の乳房に接触する接触面43Bの板厚が略一定であり、放射線源37R側の上面43Aは、平坦で、高さが略一様である。また、壁部44は、比較的高く、高さが略一様である。
【0043】
圧迫部42は、乳房の圧迫においてポジショニング及び圧迫状態の確認を行うために光学的に透明であることが好ましく、また、放射線Rの透過性に優れた材料によって形成される。このような材料の具体例としては、PC(ポリカーボネート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、アクリル、PP(ポリプロピレン)等の樹脂が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0044】
支持部46は、本開示の支持部材の一例であり、取付部47及び腕48を含む。取付部47は、圧迫板40をマンモグラフィ装置10、具体的には圧迫板40内の圧迫板駆動部に取り付ける機能を有し、腕48は、圧迫部42を支持する機能を有する。
【0045】
図4には、本実施形態の圧迫板40Bの一例の三面図を示す。圧迫板40Bは、主に日本国内で用いられる圧迫板40Aよりも小さいサイズの圧迫板であり、海外の人と比べて乳房が小さい傾向にある日本人に適した圧迫板である。図4に示した三面図には、圧迫板40Bを上側(放射線照射部37側)から見た平面図(上面図)、被検者側から見た側面図、及び被検者の右側から見た側面図が含まれる。図4に示すように、本実施形態の圧迫板40Bは、上述の圧迫板40Aと同様に、圧迫部42及び支持部46を含む。圧迫板40Bは、図3に示した圧迫板40Aと比較して、底部43が小さく、壁部44の高さが低くなっている。また、支持部46は、腕48の形が異なる。これら以外の構成は、圧迫板40Aと同様の構成である。
【0046】
図5には、本実施形態の圧迫板40Cの一例の三面図を示す。圧迫板40Cは、小乳房用の圧迫板であり、撮影者が乳房のポジショニング及び圧迫をしやすい形状となっている。図5に示した三面図には、圧迫板40Cを上側(放射線照射部37側)から見た平面図(上面図)、被検者側から見た側面図、及び被検者の右側から見た側面図が含まれる。図5に示すように、本実施形態の圧迫板40Cは、上述の圧迫板40A及び40Bと同様に、圧迫部42及び支持部46を含む。圧迫板40Cは、底部43が平坦ではなく、胸壁側(取付部47から離れた側)に比べて、取付部47側が高くなっている。また、壁部44は、高さが一様ではなく、胸壁側の一部の高さが、その他の部分の高さに比べて低い。
【0047】
このように、圧迫板40は、被検者の体格(例えば乳房の大きさ)並びに撮影の種類(例えば拡大撮影及びスポット撮影)等に応じてそれぞれ異なる種類のものが用意され、マンモグラフィ装置10に着脱できるようになっている。そこで、本実施形態のマンモグラフィ装置10は、圧迫板40の種類を識別する識別情報を取得する。
【0048】
例えば、圧迫板40の取付部47に圧迫板40の種類ごとに配置が異なる複数のピンを識別情報として設け、マンモグラフィ装置10に設けられたピンの配置の検知が可能なセンサによって、識別情報を読み取ってもよい。また、例えば、圧迫板40の任意の位置に圧迫板40の種類に応じた検出用のマーカを識別情報として設け、マンモグラフィ装置10に設けられた検出用のマーカの各ビットを検出可能なフォトインタラプタ等のセンサによって、識別情報を読み取ってもよい。また、例えば、マンモグラフィ装置10が、予め圧迫板40の識別情報と重さを対応付けたテーブルを記憶部22に記憶しておき、重さを検出可能なセンサによって測定した圧迫板40の重さをテーブルと照合することで、識別情報を取得してもよい。
【0049】
次に、本実施形態のコンソール12について説明する。コンソール12は、無線通信LAN(Local Area Network)等を介してRIS(Radiology Information System)2等から取得した撮影オーダ及び各種情報と、操作部56等によりユーザにより行われた指示等とを用いて、マンモグラフィ装置10の制御を行う機能を有する。
【0050】
撮影オーダには、例えば、撮影を行う被検者の氏名、性別及び生年月日等の被検者情報、並びに撮影を行う撮影種目が含まれる。撮影種目とは、例えば、CC(Cranio-Caudal:頭尾方向)撮影、MLO(Medio-Lateral Oblique:内外斜位方向)撮影、拡大撮影及びスポット撮影等の各種撮影を、左右の乳房ごとに指定したものである。
【0051】
本実施形態のコンソール12は、一例として、サーバーコンピュータである。図6に示すように、コンソール12は、制御部50、記憶部52、I/F部54、操作部56、及び表示部58を備えている。制御部50、記憶部52、I/F部54、操作部56、及び表示部58はシステムバス及びコントロールバス等のバス59を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0052】
本実施形態の制御部50は、コンソール12の全体の動作を制御する。制御部50は、CPU50A、ROM50B、及びRAM50Cを備える。ROM50Bには、CPU50Aで実行される、後述する情報処理プログラム51を含む各種のプログラム等が予め記憶されている。RAM50Cは、各種データを一時的に記憶する。本実施形態のCPU50Aが、本開示のプロセッサの一例であり、本実施形態のROM50Bが、本開示のメモリの一例である。
【0053】
記憶部52には、マンモグラフィ装置10で撮影された放射線画像の画像データ、圧迫板情報53、及びその他の各種情報等が記憶される。記憶部52の具体例としては、HDDやSSD等が挙げられる。放射線画像の画像データは、撮影オーダと対応付けられて記憶されている。
【0054】
また、放射線画像の画像データには、撮影情報が付与されている。撮影情報とは、例えば、撮影対象の乳房に係る被検者を示す被検者情報、撮影を行った撮影者を示す撮影者情報、撮影を行った日付を示す日付情報、当該放射線画像の大きさを示す放射線画像大きさ情報、及び乳房を撮影した角度を示す角度情報、のうち少なくとも1つである。撮影者とは、例えば、医師及び技師等のユーザである。乳房を撮影した角度とは、例えば、アーム部32の基台34に対する回転角度によって示され、CC撮影の場合は0度であり、MLO撮影の場合は45度以上90度未満となる。
【0055】
圧迫板情報53の一例を図7に示す。図7に示すように、圧迫板情報53には、圧迫板40の種類ごとに割り当てられた識別情報と、圧迫板40の投影面の大きさの情報(以下、「投影面大きさ情報」という)と、圧迫板40に適した照射野の大きさと、がそれぞれ対応付けられて含まれる。図7において、識別情報の欄には、対応する圧迫板40A~Cの符号も付している。
【0056】
操作部56は、放射線Rの照射指示を含む放射線画像の撮影等に関する指示や各種情報等をユーザが入力するために用いられる。操作部56は特に限定されるものではなく、例えば、各種スイッチ、タッチパネル、タッチペン、及びマウス等が挙げられる。表示部58は、各種情報を表示する。なお、操作部56と表示部58とを一体化してタッチパネルディスプレイとしてもよい。
【0057】
I/F部54は、無線通信又は有線通信により、マンモグラフィ装置10及びRIS2との間で各種情報の通信を行う。本実施形態の放射線画像撮影システム1では、マンモグラフィ装置10で撮影された放射線画像の画像データは、コンソール12が、I/F部54を介して無線通信又は有線通信によりマンモグラフィ装置10から受信する。
【0058】
図9~11を参照して、プロジェクタ39により投影用画像PPが投影されることで圧迫板40の投影面に表示される表示画像DPの大きさ(所謂スクリーンサイズ)について説明する。図9には、マンモグラフィ装置10において、プロジェクタ39から圧迫板40の投影面までの距離(以下、「投写距離D」という)がD1~D3(短い順にD1<D2<D3)となる各位置に圧迫板40が配置された状態の模式図を示している。上述したように、圧迫板40は、撮影台30との間で被検者の乳房を圧迫するために、圧迫ユニット36に設けられた圧迫板駆動部によって上下方向(Z軸方向)に移動可能に構成されている。
【0059】
図9に破線で示したように、プロジェクタ39から発せられる投影用画像PPは、光学的性質上、投写距離Dが大きくなるほど、拡大されて投影される。すなわち、プロジェクタ39は、投影用画像PPを投写距離Dに応じた倍率Mで投影する。倍率Mは、基準となる投写距離をDr、倍率を求める投写距離をDとした場合に、下記数式(1)で表される。数式(1)から分かるように、倍率Mは投写距離Dに比例する。
M=D/Dr ・・・(1)
【0060】
例えば、倍率Mが1となる基準の投写距離Drを、Dr=D2=400mmとすると、投写距離がD1=300mmのときの倍率Mは0.75となり、投写距離がD3=600mmのときの倍率Mは1.5となる。
【0061】
図10は、プロジェクタ39により、投写距離Dによらず一定の大きさの投影用画像PPが圧迫板40の投影面に投影されることで表示される表示画像DPの模式図を示している。図11は、図10に対応し、投写距離Dごとのプロジェクタ39の倍率M、投影用画像PPの拡縮率、及び表示画像DPの拡縮率をまとめた表である。なお、拡縮率とは、拡大率及び縮小率を意味し、倍率Mが1となる基準の投写距離Drにおける投影用画像PPの大きさ及び表示画像DPの大きさに対する比率を表す。
【0062】
表示画像DPの拡縮率は、投影用画像PPの拡縮率に、投写距離Dに応じた倍率Mを乗算した値となる。したがって、図10及び11に示すように、投影用画像PPの大きさ(拡縮率)を一定にしたまま、投写距離Dを変化させると、投写距離Dの変化に応じて表示画像DPの大きさ(拡縮率)も変化する。すなわち、プロジェクタ39が固定されている場合に、投影用画像PPの大きさ(拡縮率)を一定にしたまま、乳房を圧迫するために圧迫板40を上下方向に移動させると、投写距離Dが変化し、表示画像DPの大きさも変化してしまう。なお、図10における投写距離がD3の状態に示すように、圧迫板40の投影面から表示画像DPがはみ出る場合もあり、この場合は撮影台30上に表示画像DPが表示される。
【0063】
上述したように、本実施形態に係る投影用画像PPには、ガイド情報GI及び撮影情報RIの少なくとも一方が含まれる。ガイド情報GIは、乳房をポジショニングする場合のガイドとなる情報であり、実際の乳房の大きさに合った適切な大きさの表示画像DPとして表示されることが求められる。また、撮影情報RIは文字で表される情報であり、読みやすさのために、圧迫板40が上下方向に移動しても一定の大きさの文字で表示されることが求められる。換言すれば、ガイド情報GI及び撮影情報RIともに、圧迫板40が上下方向に移動しても、圧迫板40の投影面における表示画像DPの見かけの大きさが一定となることが求められる。
【0064】
そこで、本実施形態に係るコンソール12は、圧迫板40を上下方向に移動しても、圧迫板40の投影面における表示画像DPの見かけの大きさを一定とするために、投写距離Dに応じて投影用画像PPの大きさを制御する機能を有する。図8は、本実施形態のコンソール12の構成の一例の機能ブロック図を示す。図8に示すように、コンソール12は、取得部60、生成部64及び投影制御部66を備える。本実施形態のコンソール12において、制御部50のCPU50AがROM50Bに記憶されている情報処理プログラム51を実行することにより、CPU50Aが、取得部60、生成部64及び投影制御部66として機能する。
【0065】
取得部60は、プロジェクタ39により圧迫板40の投影面に投影する情報として、ガイド情報GI及び撮影情報RIの少なくとも一方を取得する。ガイド情報GIとは、乳房をポジショニングする場合のガイドとなる情報である。ガイド情報GIは、具体的には、圧迫された状態の乳房辺縁の少なくとも一部を示すスキンライン画像(図10参照)であってもよいし、ニップル位置を表す画像、又は圧迫された状態の乳房を撮影した放射線画像そのものであってもよい。
【0066】
なお、ガイド情報GIの生成手段及び生成方法は特に限定されない。例えば、ガイド情報GIは、過去に撮影された乳房の放射線画像に基づいて、コンソール12、マンモグラフィ装置10又は外部装置により生成されてもよい。また、例えば、ガイド情報GIは、放射線画像の画素ごとの濃度に基づいて、放射線画像を乳房領域と素抜け領域に分割し、乳房領域と素抜け領域の境界点となる画素をつなぐことで生成されたスキンライン画像(特開2010-051456号公報参照)であってもよい。
【0067】
撮影情報RIとは、乳房の撮影に係る各種情報であり、文字で表される。具体的には、撮影情報RIは、圧迫板40による乳房の圧迫圧力を示す情報、乳房を圧迫する圧迫方向における乳房の厚みを示す情報、撮影対象の乳房に係る被検者を示す被検者情報、撮影を行う撮影者を示す撮影者情報、撮影を行う日付を示す日付情報、及び乳房を撮影する角度を示す角度情報、のうち少なくとも1つを含む情報である。なお、撮影情報RIは、現在の撮影に関する情報であってもよいし、過去の撮影に関する情報であってもよい。例えば、撮影情報RIは、同一の被検者に係る過去の撮影時の圧迫圧力(図10における「前回:110N」)と、現在測定されている圧迫圧力(図10における「90N」)と、をともに含んでいてもよい。
【0068】
また、取得部60は、投写距離Dを示す距離情報を取得する。距離情報の取得手段は、特に限定されない。例えば、圧迫ユニット36に圧迫板駆動部の移動量を検出するセンサを設け、基準位置からの移動量を検出することで、取得してもよい。また、例えば、TOF(Time of Flight)カメラ等の撮影対象との距離を測定する装置を用いてもよい。TOFカメラは、TOF方式を用いて距離画像を撮影するカメラであり、撮影対象に赤外線等の光を照射し、その反射光を受光するまでの時間、または出射光と受光光との位相変化に基づいて、TOFカメラと撮影対象との間の距離を測定する。TOFカメラによって撮影される距離画像は、画素毎に、TOFカメラと撮影対象との間の距離を表す距離情報を有する。したがって、圧迫板40の投影面に対応する画素の距離情報を、投写距離Dを示す距離情報として取得してもよい。
【0069】
生成部64は、取得部60が取得した距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを生成する。具体的には、生成部64は、プロジェクタ39が投影用画像PPを投写距離Dに応じた倍率Mで投影することで投影面に表示される表示画像DPの大きさが、予め定められた大きさになるように、距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを生成する。
【0070】
ここで、予め定められた大きさとは、例えば、圧迫板40の種類ごとに予め定められた、投影面の大きさに応じた大きさであってもよい。生成部64は、投影面の大きさに応じて、投影用画像PPの全体が投影可能な大きさになるように、投影用画像PPを生成する。すなわち、生成部64は、表示画像DPが圧迫板40の投影面からはみ出ないような大きさの投影用画像PPを生成する。なお、投影面の大きさは、例えば、取得部60が投影面の大きさを示す投影面大きさ情報を取得することで検出できる。具体的には、取得部60が、マンモグラフィ装置10が識別した圧迫板40の識別情報を取得して、記憶部52の圧迫板情報53(図7参照)と照合し、マンモグラフィ装置10に取り付けられた圧迫板40に対応する投影面大きさ情報を取得する。
【0071】
投影制御部66は、プロジェクタ39により、生成部64が生成した、距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを圧迫板40の投影面に投影する制御を行う。また、投影制御部66は、距離情報によって示される投写距離Dが予め定められた閾値未満である場合に、投影用画像PPの投影を中止する制御を行うことが望ましい。というのも、投写距離Dが短すぎる場合は、投影用画像PPを投影しても、圧迫板40に表示される表示画像DPが小さすぎて視認が困難なためである。
【0072】
図12及び13を参照して、生成部64及び投影制御部66の処理の具体例について説明する。図12は、投写距離がD1~D3の各位置において、プロジェクタ39により投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPが、圧迫板40の投影面に投影されることで表示される表示画像DPの模式図を示している。図13は、図12に対応し、投写距離Dごとのプロジェクタ39の倍率M、投影用画像PPの拡縮率、及び表示画像DPの拡縮率をまとめた表である。
【0073】
上述したように、表示画像DPの拡縮率は、投影用画像PPの拡縮率に倍率Mを乗算した値となる。したがって、投写距離Dごとの倍率Mに応じて、投影用画像PPを予め(1/M)倍に拡大又は縮小しておくことで、投写距離Dが変化しても、表示画像DPの大きさ(拡縮率)を一定にすることが可能となる。基準の投写距離Drにおける投影用画像PPの横幅をxrとした場合の、投写距離Dにおける投影用画像PPの横幅xは、下記数式(2)で表される。基準の投写距離Drにおける投影用画像PPの縦幅をyrとした場合の、投写距離Dにおける投影用画像PPの縦幅yは、下記数式(3)で表される。
x=(1/M)×xr ・・・(2)
y=(1/M)×yr ・・・(3)
【0074】
図12及び13に示すように、例えば、投写距離がD1(=300mm)、倍率Mが0.75の場合、生成部64は、投影用画像PPを予め1.33倍に拡大する。投影制御部66は、1.33倍に拡大された投影用画像PPを圧迫板40の投影面に投影するよう、プロジェクタ39を制御する。これにより、圧迫板40の投影面には、拡縮率が1、すなわち、投写距離がD2(=400mm)の場合と同じ大きさの表示画像DPが表示される。なお、投影用画像PPを拡大する場合は、プロジェクタ39が投影可能な投影用画像PPの最大の大きさを上回る場合がある。この場合は、1.33倍に拡大された投影用画像PPの一部を切り抜いて、圧迫板40に投影するよう制御してもよい。
【0075】
また、例えば、投写距離がD3(=600mm)、倍率Mが1.5の場合、生成部64は、投影用画像PPを予め0.67倍に縮小する。投影制御部66は、0.67倍に縮小された投影用画像PPを圧迫板40の投影面に投影するよう、プロジェクタ39を制御する。これにより、圧迫板40の投影面には、拡縮率が1、すなわち、投写距離がD2(=400mm)の場合と同じ大きさの表示画像DPが表示される。
【0076】
なお、生成部64は、投影用画像PPの拡縮率を、数式(1)~(3)に基づいて随時算出してもよいし、図13に示すような投写距離Dに応じた投影用画像PPの拡縮率のテーブルを予め記憶部52に記憶しておき、当該テーブルを参照するようにしてもよい。
【0077】
また、1回のマンモグラフィ撮影において、投影用画像PPの大きさを距離情報に応じて変化させる回数及びタイミングは特に限定されない。例えば、コンソール12が、距離情報によって示される投写距離Dの変化に追従して、大きさの異なる複数の投影用画像PPを投影面に順次投影する制御を行ってもよい。この場合、取得部60は、距離情報を随時取得する。生成部64は、距離情報によって示される投写距離Dが変化するたびに投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを生成する。投影制御部66は、投写距離Dの変化に追従して、投写距離Dごとに大きさの異なる複数の投影用画像PPを、順次投影する制御を行う。このような形態によれば、1回のマンモグラフィ撮影において、乳房のポジショニングから撮影完了まで継続して表示画像DPの大きさを一定とすることができるので、表示画像DPの視認性を向上させることができる。
【0078】
また、例えば、コンソール12が、距離情報によって示される投写距離Dの変動量が予め定められた量となる時点ごとに、当該時点における距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを投影面に投影する制御を行ってもよい。例えば、生成部64は、距離情報によって示される投写距離Dが5mm変動するごとに、投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを生成してもよい。投影制御部66は、投写距離Dが5mm変動するごとに、投写距離Dごとに大きさの異なる複数の投影用画像PPを順次投影する制御を行う。このような形態によれば、投影用画像PPの大きさが頻繁に切り替わることにより発生し得る表示画像DPのちらつきを抑制することができる。
【0079】
また、例えば、コンソール12が、距離情報によって示される投写距離Dが予め定められた期間一定である場合に、距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを投影面に投影する制御を行ってもよい。例えば、生成部64は、距離情報によって示される投写距離Dが2秒以上の期間に亘って一定であった場合に、当該期間における投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを生成してもよい。投影制御部66は、投写距離Dが2秒以上の期間に亘って一定であった場合に、投影用画像PPを投影する制御を行う。なお、この場合において、投影制御部66は、距離情報によって示される投写距離Dが変動している間(すなわち、予め定められた期間内に投写距離Dが変動する場合)は、投影用画像PPの投影を中止する制御を行ってもよい。このような形態によれば、投影用画像PPの大きさが頻繁に切り替わることによる表示画像DPのちらつきを抑制することができる。
【0080】
また、例えば、撮影対象の乳房に適切な投写距離Dが事前に分かる場合には、取得部60が当該投写距離Dを示す距離情報を取得するようにしてもよい。例えば、取得部60は、撮影対象の乳房が過去に撮影されたことがある場合に、過去に撮影された時点の投写距離Dを示す情報を、距離情報として取得してもよい。また、例えば、同一の被検者に係る左右の乳房を連続して撮影する場合に、取得部60は、先に撮影が完了した一方の乳房に係る撮影時の投写距離Dを示す距離情報を、後に撮影を行う他方の乳房に係る距離情報として取得してもよい。また、乳房の大きさ及び柔らかさ等の性質が類似する乳房の平均的な投写距離Dを示す距離情報を用いてもよい。撮影対象の乳房に適した投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを投影することで、適切な大きさの表示画像DPを表示できる。
【0081】
また、コンソール12は、距離情報によって示される投写距離Dに応じて、投影用画像PPの色彩、彩度、輝度及び明度等を変化させてもよい。プロジェクタ39の光学的性質上、投写距離Dが長いほど、表示画像DPの明るさは低下する。そこで、例えば、生成部64は、投写距離Dに応じて低下する表示画像DPの明るさを補うように、投写距離Dが長いほど、投影用画像PPの色彩、彩度、明度及び輝度等を調整して、色味を明るくさせてもよい。
【0082】
また、生成部64は、ガイド情報GI及び撮影情報RIを含む投影用画像PPを生成する場合に、ガイド情報GIと、撮影情報RIと、のそれぞれで拡縮率を異ならせてもよい。図14及び15を参照して、この場合の生成部64及び投影制御部66の処理の具体例について説明する。図14は、投写距離がD1~D3の各位置において、プロジェクタ39により、ガイド情報GIと撮影情報RIとで大きさ(拡縮率)が異なる投影用画像PPが圧迫板40の投影面に投影されることで表示される表示画像DPの模式図を示している。図15は、図14に対応し、投写距離Dごとのプロジェクタ39の倍率M、投影用画像PPに含まれるガイド情報GI及び撮影情報RIの拡縮率、及び表示画像DPに含まれるガイド情報GI及び撮影情報RIの拡縮率をまとめた表である。
【0083】
例えば、ガイド情報GIに関しては、適切な圧迫を行うことができる位置においてのみ、実際の乳房と、表示画像DPに含まれるガイド情報GIと、の大きさが一致するように、表示画像DPを表示させることが好ましいとする場合もあると考えられる。例えば、図14の投写距離がD1(=300mm)、倍率Mが0.75の場合の表示画像DPのように、ガイド情報GIが圧迫板40よりも小さければ、乳房にかかる圧迫圧力が不足していることが分かりやすい。一方、図14の投写距離がD3(=600mm)、倍率Mが1.5の場合の表示画像DPのように、ガイド情報GIが圧迫板40よりも大きければ、圧迫圧力が過剰であることが分かりやすい。
【0084】
したがって、生成部64は、図14及び15に示すように、ガイド情報GIに関しては距離情報によって示される投写距離Dに応じた拡大又は縮小を行わず、撮影情報RIに関しては距離情報によって示される投写距離Dに応じた拡大又は縮小を行ってもよい。すなわち、投影制御部66は、距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの撮影情報RIを投影面に投影する制御を行ってもよい。
【0085】
次に、本実施形態のコンソール12の作用について図16を参照して説明する。コンソール12は、一例として、RIS2等から撮影オーダを受け付けた場合に、制御部50のCPU50Aが、ROM50Bに記憶されている情報処理プログラム51を実行することにより、図16に一例を示した情報処理を実行する。図16には、本実施形態のコンソール12において実行される情報処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0086】
図16のステップS10で、取得部60は、投影面の大きさを示す投影面大きさ情報を取得する。ステップS12で、取得部60は、ガイド情報GI及び撮影情報RIを取得する。ステップS14で、取得部60は、投写距離Dを示す距離情報を取得する。
【0087】
ステップS16で、生成部64は、ステップS14で取得した距離情報によって示される投写距離Dが、予め定められた閾値以上であるか否か判定する。ステップS16が肯定判定の場合、ステップS18で、生成部64は、ステップS10で取得した投影面大きさ情報及びステップS14で取得した距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを生成する。なお、投影用画像PPは、ステップS12で取得したガイド情報GI及び撮影情報RIを含む。
【0088】
ステップS20で、投影制御部66は、ステップS18で生成した投影用画像PPを圧迫板40の投影面に投影する制御を行う。ステップS20が終了した場合、及びステップS16が否定判定であった場合は、ステップS22に移行する。ステップS22で、投影制御部66は、投影を終了するか否かを判定する。投影を継続する場合(ステップS22がN)はステップS12に戻る。一方、投影を終了する場合(ステップS22がY)は本処理を終了する。なお、ユーザによる操作部56の操作、及び撮影完了等の予め定められたタイミングで投影を終了すると判定される。
【0089】
以上説明したように、本実施形態のコンソール12は、少なくとも1つのプロセッサであるCPU50Aを備える。CPU50Aは、圧迫板40により圧迫された状態の乳房に対して放射線Rを照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置10における、圧迫板40の投影面に投影用画像PPを投影するプロジェクタ39から投影面までの距離である投写距離Dを示す距離情報を取得する。また、プロジェクタ39が投影用画像PPを投写距離Dに応じた倍率Mで投影する場合に、プロジェクタ39により、距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを投影面に投影する制御を行う。したがって、本実施形態に係るコンソール12によれば、圧迫板40が上下方向に移動しても、適切な大きさの表示画像DPを表示できる。
【0090】
なお、上記実施形態において、投写距離Dに代えて、圧迫板40の高さを示す情報を距離情報として用いてもよい。圧迫板40の高さは、例えば、撮影面30A(撮影台30)と接触面43B(圧迫板40の底部43)との間の距離、放射線源37Rと接触面43B(圧迫板40の底部43)との間の距離、及び圧迫板駆動部の基準位置からの駆動量等によって示されてもよい。
【0091】
また、上記実施形態において、乳房を圧迫する圧迫方向における乳房の厚みを示す情報に代えて、圧迫板40の高さを示す情報を用いてもよい。圧迫板40の高さは、例えば、撮影面30A(撮影台30)と接触面43B(圧迫板40の底部43)との間の距離、放射線源37Rと接触面43B(圧迫板40の底部43)との間の距離、及び圧迫板駆動部の基準位置からの駆動量等によって示されてもよい。
【0092】
[第2実施形態]
マンモグラフィ装置10において、圧迫板40における圧迫部42を、乳房との接触面43Bの面方向に移動(シフト)可能とする場合がある。面方向とは、言い換えれば、図2のXY平面における方向、すなわち被検者の胸壁から乳頭の方向及び乳房の左右方向である。圧迫板40を面方向に移動可能とする構成は特に限定されないが、例えば、圧迫板40の支持部46にレール等の移動機構を設け、支持部46に対して圧迫部42を相対的に移動可能とする構成であってもよい。また、例えば、圧迫板駆動部が、圧迫板40を上下方向に加え、面方向に移動可能とする構成であってもよい。
【0093】
図17~19を参照して、本実施形態に係るコンソール12の機能について説明する。図17~19は、圧迫板40が、点線で表された移動前の位置から、実線で表された移動後の位置に、白矢印の方向に移動した状態を示す模式図である。
【0094】
図17に示すように、圧迫板40が面方向に移動した場合、プロジェクタ39により投影される投影用画像PPの位置がそのままだと、移動後の圧迫板40の投影面上に表示画像DPが表示されない場合がある。そこで、本実施形態におけるコンソール12は、圧迫板40が面方向に移動した場合でも、圧迫板40の移動に追従して、圧迫板40の投影面に投影用画像PPを投影可能な機能を有する。以下、第1実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0095】
本実施形態に係るプロジェクタ39は、面方向の投影向き及び面方向の投影位置の少なくとも一方を変更可能に構成されている。プロジェクタ39の面方向の投影向きを変更可能とすれば、図18に示すように、圧迫板40の面方向の移動に追従して、投影用画像PPを投影できる。また、プロジェクタ39の面方向の投影位置を変更可能とすることでも、図19に示すように、圧迫板40の面方向の移動に追従して、投影用画像PPを投影できる。また、これらを組み合わせて、大まかな(例えば10mm単位)圧迫板40の移動にはプロジェクタ39の投影位置を変更することで対応し、細かな(例えば1mm単位)の圧迫板40の移動にはプロジェクタ39の投影向きを変更することで対応する等してもよい。
【0096】
このようなプロジェクタ39の具体的な構成は特に限定されない。例えば、マンモグラフィ装置10が、プロジェクタ39の投影向き及びXY平面における位置を変更可能な駆動部を備えてもよい。また、例えば、マンモグラフィ装置10が、プロジェクタ39から投影される投影用画像PPの光路を折り曲げるミラーを備え、ミラーの角度を調整することで、面方向の投影向きを変更してもよい。また、例えば、プロジェクタ39が、投影レンズの面方向の位置を移動させる公知のレンズシフト機能を備え、レンズシフト機能によって、面方向の投影向きを変更してもよい。
【0097】
取得部60は、圧迫板40の面方向における位置を示す位置情報を取得する。位置情報の取得手段は、特に限定されない。例えば、取得部60は、圧迫ユニット36に圧迫板40の面方向の移動量を検出するセンサを設ける等により、圧迫板40の面方向における基準位置からの移動量を検出することで、位置情報を導出してもよい。また、例えば、取得部60は、TOFカメラ等の撮影対象との距離を測定する装置等により、圧迫板40の面方向における位置座標を検出することで、位置情報を導出してもよい。TOFカメラによって撮影される距離画像は、画素毎に、TOFカメラと撮影対象との間の距離を表す距離情報を有する。圧迫板40に対応する画素と、撮影台30(すなわち、圧迫板40が存在しない部分)に対応する画素と、では距離情報が異なるので、TOFカメラで圧迫板40を含む撮影台30を撮影することでも、圧迫板40の位置情報を取得できる。
【0098】
投影制御部66は、プロジェクタ39により、位置情報に基づいて位置が特定された圧迫板40の投影面に、投影用画像PPを投影する制御を行う。具体的には、投影制御部66は、位置情報に応じて、プロジェクタ39による投影向き及びプロジェクタ39の位置を制御する。
【0099】
なお、プロジェクタ39の投影向きを変更した場合は、表示画像DPが歪んで投影面に表示される場合がある。この場合、生成部64は、投影向きに応じた歪みを補正するように、予め投影用画像PPを変形させて生成してもよい。
【0100】
次に、本実施形態のコンソール12の作用について図20を参照して説明する。コンソール12は、一例として、RIS2等から撮影オーダを受け付けた場合に、制御部50のCPU50Aが、ROM50Bに記憶されている情報処理プログラム51を実行することにより、図20に一例を示した情報処理を実行する。図20には、本実施形態のコンソール12において実行される情報処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0101】
図20のステップS40で、取得部60は、圧迫板40の面方向における位置を示す位置情報を取得する。ステップS42で、取得部60は、ガイド情報GI及び撮影情報RIを取得する。ステップS44で、生成部64は、ステップS42で取得したガイド情報GI及び撮影情報RIを含む投影用画像PPを生成する。
【0102】
ステップS46で、投影制御部66は、ステップS40で取得した位置情報に基づいて、面方向における圧迫板40の投影面の位置を特定する。ステップS48で、投影制御部66は、ステップS44で生成した投影用画像PPを、ステップS46で位置を特定した投影面に投影する制御を行う。ステップS50で、投影制御部66は、投影を終了するか否かを判定する。投影を継続する場合(ステップS50がN)はステップS40に戻る。一方、投影を終了する場合(ステップS50がY)は本処理を終了する。なお、ユーザによる操作部56の操作、及び撮影完了等の予め定められたタイミングで投影を終了すると判定される。
【0103】
以上説明したように、本実施形態のコンソール12は、少なくとも1つのプロセッサであるCPU50Aを備える。CPU50Aは、乳房との接触面43Bの面方向に移動可能に構成された圧迫板40により圧迫された状態の乳房に対して放射線Rを照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置10における、圧迫板40の面方向における位置を示す位置情報を取得する。また、圧迫板40の投影面に投影用画像PPを投影するプロジェクタ39により、位置情報に基づいて位置が特定された圧迫板40の投影面に、投影用画像PPを投影する制御を行う。したがって、本実施形態に係るコンソール12によれば、圧迫板40が乳房との接触面43Bの面方向に移動しても、圧迫板上に表示画像DPを表示できる。
【0104】
なお、本実施形態に係る技術と、上記第1実施形態に係る技術と、を適宜組み合わせてもよい。例えば、コンソール12が、圧迫板40の上下方向の移動に合わせて、距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを生成し、圧迫板40の面方向の移動に合わせて、位置情報に応じた位置に投影用画像PPを投影するようプロジェクタ39を制御してもよい。
【0105】
[第3実施形態]
上記第2実施形態のように、圧迫板40が乳房との接触面43Bの面方向に移動可能に構成される場合に、圧迫板40の移動に追従して投影面に投影用画像PPを投影する他の構成について説明する。図21及び22を参照して、本実施形態に係るコンソール12の機能について説明する。図21及び22は、圧迫板40の投影面、及び撮影台30に投影用画像PPが投影された状態を示す図である。図21に示すように、本実施形態におけるコンソール12は、圧迫板40の投影面内に投影される第1の部分PP1と、投影面外の領域に投影される第2の部分PP2と、で互いに異なる内容を含む投影用画像PPを投影する機能を有する。以下、第1及び第2実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
【0106】
本実施形態に係るプロジェクタ39は、圧迫板40の投影面を少なくとも含む投影領域に投影用画像PPを投影するよう構成されている。すなわち、プロジェクタ39は、例えば撮影台30等の、圧迫板40の投影面外の領域にも投影用画像PPを投影可能である。
【0107】
取得部60は、圧迫板40の面方向における位置を示す位置情報を取得する。生成部64は、取得部60が取得した位置情報に基づいて、投影用画像PPを2つの部分PP1及びPP2に分ける。具体的には、生成部は、投影面内の領域に投影される第1の部分PP1と、投影面外の領域に投影される第2の部分PP2と、で互いに異なる内容を含む投影用画像PPを生成する。一例として、図21では、第1の部分PP1がガイド情報GIを含み、第2の部分PP2が撮影情報RIの一例として圧迫圧力を示す情報を含む投影用画像PPを図示している。
【0108】
また、生成部64は、取得部60が取得した位置情報が変化した場合に、位置情報に基づいて特定される圧迫板40の位置の変化に追従して、第1の部分PP1及び第2の部分PP2の範囲を変化させた投影用画像PPを生成し直してもよい。一例として、図22では、図21の状態から右方向に圧迫板40が移動した状態を示している。図22に示すように、生成部64は、移動後の圧迫板40の投影面の位置に、第1の部分PP1が投影されるように、投影用画像PPを生成し直す。
【0109】
また、生成部64は、第1の部分PP1と第2の部分PP2とで、色相、彩度、明度及び輝度の少なくとも1つが異なる投影用画像PPを生成してもよい。例えば、第1の部分PP1は、ガイド情報GI及び撮影情報RIの少なくとも一方を含み、第2の部分PP2は、第1の部分PP1とは色相、彩度、明度及び輝度の少なくとも1つが異なる、ガイド情報GI及び撮影情報RIの少なくとも一方を含んでいてもよい。また、例えば、第1の部分は、ガイド情報GI及び文字で表される撮影情報RIの少なくとも一方を含み、第2の部分は、1色のベタ塗り画像を含んでいてもよい。これらの形態によれば、第1の部分PP1と第2の部分PP2とが区別しやすくなるので、視認性を向上できる。
【0110】
投影制御部66は、プロジェクタ39により、投影用画像PPを投影領域に投影する制御を行う。
【0111】
次に、本実施形態のコンソール12の作用について図23を参照して説明する。コンソール12は、一例として、RIS2等から撮影オーダを受け付けた場合に、制御部50のCPU50Aが、ROM50Bに記憶されている情報処理プログラム51を実行することにより、図23に一例を示した情報処理を実行する。図23には、本実施形態のコンソール12において実行される情報処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0112】
図23のステップS60で、取得部60は、圧迫板40の面方向における位置を示す位置情報を取得する。ステップS62で、取得部60は、ガイド情報GI及び撮影情報RIを取得する。ステップS64で、生成部64は、ステップS60で取得した位置情報に基づいて、面方向における圧迫板40の投影面の位置を特定する。ステップS66で、生成部64は、ステップS64で特定した圧迫板40の投影面内に第1の部分PP1が投影され、投影面外に第2の部分PP2が投影されるような投影用画像PPを生成する。
【0113】
ステップS68で、投影制御部66は、ステップS66で生成した投影用画像PPを、投影領域に投影する制御を行う。ステップS70で、投影制御部66は、投影を終了するか否かを判定する。投影を継続する場合(ステップS70がN)はステップS60に戻る。一方、投影を終了する場合(ステップS70がY)は本処理を終了する。なお、ユーザによる操作部56の操作、及び撮影完了等の予め定められたタイミングで投影を終了すると判定される。
【0114】
以上説明したように、本実施形態のコンソール12は、少なくとも1つのプロセッサであるCPU50Aを備える。CPU50Aは、圧迫板40により圧迫された状態の乳房に対して放射線Rを照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置10における、圧迫板40の投影面を少なくとも含む投影領域に投影用画像PPを投影するプロジェクタ39により、投影面内の領域に投影される第1の部分PP1と、投影面外の領域に投影される第2の部分PP2と、で互いに異なる内容を含む投影用画像PPを投影領域に投影する制御を行う。したがって、本実施形態に係るコンソール12によれば、圧迫板40が乳房との接触面43Bの面方向に移動しても、圧迫板上に表示画像DPを表示できる。
【0115】
なお、本実施形態に係る技術と、上記第1実施形態に係る技術と、を適宜組み合わせてもよい。例えば、コンソール12が、圧迫板40の上下方向の移動に合わせて、距離情報によって示される投写距離Dに応じた大きさの投影用画像PPを生成し、圧迫板40の面方向の移動に合わせて、第1の部分及び第2の部分の範囲を変化させた投影用画像PPを投影するようプロジェクタ39を制御してもよい。
【0116】
また、上記実施形態では、圧迫板40が接触面43Bの面方向に移動可能な場合に、本実施形態に係る技術を適用する形態について説明したが、これに限らない。例えば、本実施形態に係る技術は、面方向の位置が固定された(移動しない)圧迫板40について適用されてもよい。この場合、圧迫板40の面方向における位置は、予め定められた位置に固定されると考えられるので、取得部60が位置情報を取得しなくてもよい。生成部64は、予め定められた圧迫板40の投影面内の領域に第1の部分PP1が、予め定められた投影面外の領域に第2の部分PP2が、投影されるように、投影用画像PPを生成すればよい。
【0117】
[光を投影可能な圧迫板40の構成]
図24~28を参照して、上記第1及び第2実施形態に共通の構成として、プロジェクタ39により投影用画像PPを投影可能な圧迫板40の構成について説明する。上述したように、本実施形態における圧迫板40の圧迫部42は、乳房の圧迫においてポジショニング及び圧迫状態の確認を行うために光学的に透明な素材を含んで構成される。透明な物体に光が入射した場合、光の大部分(例えば90%)は透過し、一部(例えば10%)は物体表面で入射角と反射角が等しい鏡面反射をする。実際には物体内部での光吸収、並びに物体界面及び物体内部での散乱も生じるが、ここでは無視して説明する。物体表面で反射した光が目に入ることで、観察者は物体表面に投影される光を見ることができる。すなわち、透明な素材を含んで構成された圧迫板40においても、プロジェクタ39により投影される投影用画像PPが圧迫板40の投影面で反射し、その反射光が観察者の目に入れば、観察者は投影面上に表示画像を視認することができる。
【0118】
図24は、滑らかな平面に入射光が入射した場合の反射光の向きの一例を示す図である。図25は、凹凸のある面に入射光が入射した場合の反射光の向きの一例を示す図である。図24及び25には、3本の入射光を代表として記載している。図24及び25に示すように、物体表面が滑らかな平面であるか凹凸のある面であるかにかかわらず、物体表面上の各位置S1~S6のそれぞれに入射した光はそれぞれ鏡面反射する。
【0119】
図24に示すように、物体表面が滑らかな平面である場合は、各位置S1~S3での反射光のうち、光源との角度(入射角)と目との角度(反射角)とが等しくなる位置S3における反射光のみが観察者の目に入る。観察者から見れば、物体表面上の位置S3にのみ光が表示されて見え、その他の位置S1及びS2には光が表示されていないように見える。すなわち、圧迫板40の投影面が滑らかな平面であれば、プロジェクタ39により投影面に投影用画像PPを投影しても、投影面上に表示画像が表示されていないように見える。
【0120】
一方、図25に示すように、物体表面が凹凸のある面の場合、各位置S4~S6の反射する面の角度がそれぞれ異なるものであれば、各位置S4~S6のそれぞれにおいて、光源との角度(入射角)と目との角度(反射角)とが等しくなり得る。この場合、観察者の目には各位置S4~S6からの反射光が入るので、観察者から見れば、物体表面上の各位置S4~S6のそれぞれに光が表示されて見える。すなわち、圧迫板40の投影面が凹凸のある面であれば、プロジェクタ39により投影面に投影用画像PPを投影した場合に、投影面に表示画像が表示されて見える。
【0121】
そこで、本実施形態における圧迫板40の投影面には、プロジェクタ39により投影用画像PPを投影した場合に、観察者が表示画像を視認可能なように、粗面化加工を施すことが好ましい。粗面化加工とは、投影面の表面に凹凸を形成する加工であり、例えばシボ加工及び梨地加工等が挙げられる。粗面化処理の方法については、特に限定はなく、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理及び化学的粗面化処理等の各種の公知の方法を利用してよい。
【0122】
具体的には、プロジェクタ39により投影用画像PPが投影され得る、圧迫板40の乳房と非接触の少なくとも1つの表面における少なくとも一部の領域が粗面化される。例えば、乳房に重ねてスキンライン画像を投影する場合は、図26に模式図を示すように、乳房との接触面43Bと反対側の表面(図26の底部43の上面43A)における少なくとも一部の領域が粗面化される。なお、底部43の乳房との接触面43Bを粗面化することでも底部43上に表示画像が表示されて見えるが、凹凸が被検者の肌に接触することによる不快感を抑制するため、乳房との接触面43Bは粗面化されないことが望ましい。
【0123】
また、乳房に重ねてスキンライン画像を投影することを想定すると、スキンライン画像の投影領域は、圧迫板40の上面43Aにおける胸壁側の領域に限定される。そこで、例えば、図27に示すように、乳房との接触面43Bと反対側の表面(図27の上面43A)において、胸壁側(図27のY方向下側)の領域43Aaが粗面化され、胸壁と反対側(図27のY方向上側)の領域43Abは粗面化されていなくてもよい。同様の理由で、特にCC撮影で用いられる圧迫板40においては、乳房の左右方向(図27のX方向)の中心を含む一部の領域が粗面化されていればよく、乳房の左右方向(図27のX方向)の端部は粗面化されていなくてもよい。
【0124】
また、例えば、複数の面に投影用画像PPが投影され得る場合には、それぞれが乳房と非接触の複数の表面のそれぞれにおける少なくとも一部の領域が粗面化されていてもよい。例えば、圧迫板40の底部43にスキンライン画像を投影し、壁部44に文字情報を投影する場合は、図28に模式図を示すように、上面43Aに加え、乳房との接触面43Bと反対側の表面(上面43A)と交差する表面(内面44A)が粗面化されていてもよい。なお、壁部44の外面44Bを粗面化することでも壁部44上に表示画像が表示されて見えるが、凹凸が被検者の肌に接触することによる不快感を抑制するため、胸壁と接触する外面44Bは粗面化されないことが望ましい。
【0125】
また、例えば、スポット撮影用の圧迫板40のように、底部43及び壁部44がともに小さく、何れの面にも投影用画像PPを投影することが困難な場合は、圧迫板40を支持する支持部46に投影用画像PPを投影することも可能である。この場合、支持部46の少なくとも1つの表面における少なくとも一部の領域が、粗面化されていてもよい。
【0126】
なお、投影用画像PPが投影される各面において、投影用画像PPが投影され得る領域が限定されている場合は、当該領域のみが粗面化されていてもよい。
【0127】
粗面化の程度としては、放射線画像に凹凸が写り込まないように、放射線検出器28の画素サイズ以下に細かいことが好ましい。また、粗さが細かいほど反射光が拡散しやすいので、投影面上の表示画像の視認性を高めることができる。一方、粗さが細かすぎると、乳房が透けて見えなくなってしまうので、乳房のポジショニングに支障がない程度に粗いことが好ましい。
【0128】
具体的には、圧迫板40の投影面及び支持部46が上述したような透明の樹脂を含んで構成される場合、それぞれの粗面化された領域の算術平均粗さ(Ra)が、5μm以上、20μm以下であることが望ましい。算術平均粗さを20μm以下とすることで、凹凸が放射線画像に写り込むことを抑制し、投影面上の表示画像を見やすくすることができる。算術平均粗さを5μm以上とすれば、圧迫板40を介して乳房のポジショニングを確認するのに適する。換言すれば、算術平均粗さを20μmよりも大きくすると放射線画像に凹凸が写り込み、投影面上の表示画像が見えづらくなる場合があり、5μm未満とすると圧迫板40を介して乳房が見えづらくなる場合がある。
【0129】
以上説明したように、本実施形態に係る圧迫板40は、放射線源と放射線検出器との間に配置された乳房を圧迫状態にする圧迫部材であって、乳房と非接触の少なくとも1つの表面における少なくとも一部の領域が、粗面化されている。したがって、圧迫板40を介して乳房を視認可能としながら、投影用画像PPを投影した場合に表示画像を表示できる。
【0130】
なお、上記の光を投影可能なように投影面が粗面化された圧迫板40及び支持部46は、本開示の第1及び第2実施形態に係るマンモグラフィ装置10のみに用途が限定されるものではない。これらの圧迫板40及び支持部46は、放射線源と、放射線検出器と、放射線源と放射線検出器の間に配置された乳房を圧迫状態にし、乳房と非接触の少なくとも1つの表面における少なくとも一部の領域が粗面化されている圧迫部材と、圧迫部材における粗面化された領域に画像を投影する画像投影部と、を備える任意のマンモグラフィ装置において用いることができる。
【0131】
また、上記各実施形態で用いられる光を投影可能な圧迫板40及び支持部46としては、上述した粗面化加工を施したもの以外に、以下の構成を用いてもよい。例えば、プロジェクタ39により投影される光を拡散及び/又は反射して表示画像を視認可能とするとともに、表裏面からの光を透過する透明スクリーン(例えば特許第6606604号参照)を、圧迫板40及び支持部46の投影面に貼付してもよい。この場合は、底部43の接触面43B及び壁部44の外面44B等の、被検者の肌と接触する面に透明スクリーンを貼付することも可能である。すなわち、圧迫板40及び支持部46の全ての表面を投影面とすることが可能である。
【0132】
また、上記第1及び第2実施形態においては、プロジェクタ39により投影用画像PPが投影される投影面が、圧迫板40の少なくとも1つの面である形態について説明したが、これに限らない。例えば、プロジェクタ39が、圧迫板40の少なくとも1つの面に加えて、マンモグラフィ装置10の撮影台30に投影用画像PPを投影してもよい。
【0133】
また、上記各実施形態では、識別情報を圧迫板40に設けてマンモグラフィ装置10が識別情報を読み取り、取得部60が識別情報と圧迫板情報53を参照することで投影面大きさ情報を取得する例について説明したが、これに限らない。例えば、取り付けられた圧迫板40の底部43の大きさ及び壁部44の高さ等の形状を測定することで、直接圧迫板40の投影面大きさ情報を取得してもよい。圧迫板40の形状を測定する手段としては、例えば、TOFカメラ等の撮影対象との距離を測定する装置を用いることができる。TOFカメラによって撮影される距離画像は、画素毎に、TOFカメラと撮影対象との間の距離を表す距離情報を有する。撮影対象の圧迫板40の形状が変われば、画素毎の距離情報も変化するので、TOFカメラで圧迫板40を撮影することでも圧迫板の種類を識別できる。
【0134】
また、上記各実施形態では、コンソール12が本開示の情報処理装置の一例である形態について説明したが、コンソール12以外の装置が本開示の情報処理装置の機能を備えていてもよい。換言すると、取得部60、生成部64及び投影制御部66の機能の一部又は全部をコンソール12以外の、例えばマンモグラフィ装置10や、外部の装置が備えていてもよい。
【0135】
また、上記各実施形態では、放射線画像及び圧迫板情報53がコンソール12の記憶部52に記憶されている形態について説明したが、記憶されている場所は記憶部52に限定されない。例えば、マンモグラフィ装置10の記憶部22に記憶されていてもよいし、放射線画像撮影システム1の外部の装置に記憶されていてもよい。
【0136】
また、上記各実施形態において、例えば、取得部60、生成部64及び投影制御部66といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0137】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
【0138】
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0139】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0140】
また、上記各実施形態では、情報処理プログラム51が記憶部52に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム51は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム51は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。さらに、本開示の技術は、情報処理プログラムに加えて、情報処理プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
【0141】
本開示の技術は、上記各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことはいうまでもない。
【0142】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0143】
1 放射線画像撮影システム
2 RIS
10 マンモグラフィ装置
12 コンソール
20、50 制御部
22、52 記憶部
24、54 I/F部
26、56 操作部
28 放射線検出器
30 撮影台
30A 撮影面
32 アーム部
34 基台
35 軸部
36 圧迫ユニット
37 放射線照射部
37R 放射線源
38 フェイスガード
39 プロジェクタ
40、40A~40C 圧迫板
42 圧迫部
43 底部
43A 上面
43Aa、43Ab 領域
43B 接触面
44 壁部
44A 内面
44B 外面
46 支持部
47 取付部
48 腕
50A CPU
50B ROM
50C RAM
51 情報処理プログラム
53 圧迫板情報
58 表示部
59 バス
60 取得部
64 生成部
66 投影制御部
D、D1~D3 投写距離
DP 表示画像
GI ガイド情報
M 倍率
PP 投影用画像
PP1、PP2 部分
R 放射線
RI 撮影情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図17
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図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28