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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022057951
(43)【公開日】2022-04-11
(54)【発明の名称】制御装置及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/08 20060101AFI20220404BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20220404BHJP
【ＦＩ】
A61B6/08 305
A61B6/00 330Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2020166472
(22)【出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】源馬 耕平
【テーマコード（参考）】
4C093
【Ｆターム（参考）】
4C093AA01
4C093AA08
4C093CA21
4C093DA06
4C093EA17
4C093EC15
4C093ED21
4C093FA13
4C093FA35
4C093FA55
4C093FB08
4C093FB09
4C093FF13
4C093FG16
(57)【要約】
【課題】乳房のポジショニングを行うユーザの負担を軽減することができる制御装置及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】ＣＰＵ５０Ａは、撮影台３０の撮影面３０Ａと圧迫板４０との間で圧迫状態とした乳房に放射線源３７Ｒから放射線Ｒを照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置１０における、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きを表す傾き情報を取得する。また、ＣＰＵ５０Ａは、プロジェクタ４８により投影用画像が投影されることにより圧迫板４０の投影面４５に表示される情報を、傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う。
【選択図】図６
【解決手段】ＣＰＵ５０Ａは、撮影台３０の撮影面３０Ａと圧迫板４０との間で圧迫状態とした乳房に放射線源３７Ｒから放射線Ｒを照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置１０における、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きを表す傾き情報を取得する。また、ＣＰＵ５０Ａは、プロジェクタ４８により投影用画像が投影されることにより圧迫板４０の投影面４５に表示される情報を、傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う。
【選択図】図６
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも１つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
撮影台の撮影面と圧迫部材との間で圧迫状態とした乳房に放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、前記撮影台の撮影面の傾きを表す傾き情報を取得し、
画像投影部により投影用画像が投影されることにより前記圧迫部材の投影面に表示される情報を、前記傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う
制御装置。
前記プロセッサは、
撮影台の撮影面と圧迫部材との間で圧迫状態とした乳房に放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、前記撮影台の撮影面の傾きを表す傾き情報を取得し、
画像投影部により投影用画像が投影されることにより前記圧迫部材の投影面に表示される情報を、前記傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う
制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記情報が表示される向きを前記傾きに応じた向きに調整する制御を行う
請求項１に記載の制御装置。
前記情報が表示される向きを前記傾きに応じた向きに調整する制御を行う
請求項１に記載の制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記乳房に係る被検者に対して前記撮影台の前記撮影面が傾いている場合と、傾いていない場合とで、前記情報が表示される向きを切り替える制御を行う
請求項１に記載の制御装置。
前記乳房に係る被検者に対して前記撮影台の前記撮影面が傾いている場合と、傾いていない場合とで、前記情報が表示される向きを切り替える制御を行う
請求項１に記載の制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記情報が乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報の場合、
前記傾きに係わらず、前記制御を行わない
請求項１から請求項３に記載の制御装置。
前記情報が乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報の場合、
前記傾きに係わらず、前記制御を行わない
請求項１から請求項３に記載の制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記情報が文字情報を含む場合、
前記文字情報の表示位置を前記傾きに応じた位置に調整する制御を行う
請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の制御装置。
前記情報が文字情報を含む場合、
前記文字情報の表示位置を前記傾きに応じた位置に調整する制御を行う
請求項１から請求項４のいずれか１項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが前記投影面よりも小さく、かつ前記情報が文字情報の場合、
前記文字情報が表示される表示位置を前記照射野外の位置に調整する制御を行う
請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の制御装置。
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが前記投影面よりも小さく、かつ前記情報が文字情報の場合、
前記文字情報が表示される表示位置を前記照射野外の位置に調整する制御を行う
請求項１から請求項５のいずれか１項に記載の制御装置。
【請求項7】
前記文字情報は、過去及び現在の撮影における前記乳房を前記圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、及び前記傾きの具合を表す情報の少なくとも一つを表す文字を含む
請求項５または請求項６に記載の制御装置。
請求項５または請求項６に記載の制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが前記投影面よりも小さく、かつ前記情報が前記圧迫状態の乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報の場合、
前記情報が表示される表示位置を前記照射野内の位置に調整する制御を行う
請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の制御装置。
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが前記投影面よりも小さく、かつ前記情報が前記圧迫状態の乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報の場合、
前記情報が表示される表示位置を前記照射野内の位置に調整する制御を行う
請求項１から請求項７のいずれか１項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが前記投影面と同等以上の場合、
前記傾きに係わらず、前記情報の表示位置を同じ位置に調整する制御を行う
請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の制御装置。
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが前記投影面と同等以上の場合、
前記傾きに係わらず、前記情報の表示位置を同じ位置に調整する制御を行う
請求項１から請求項８のいずれか１項に記載の制御装置。
【請求項10】
少なくとも１つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
放射線源及び撮影台を被検者の頭尾方向に配置して被検者の圧迫部材により圧迫された状態の乳房の放射線画像を撮影するＣＣ撮影と、前記放射線源及び前記撮影台を前記被検者に対して傾けて前記圧迫部材により圧迫された状態の前記乳房の放射線画像を撮影するＭＬＯ撮影と、を行うマンモグラフィ装置により、前記ＣＣ撮影を行う場合と、前記ＭＬＯ撮影を行う場合とで、画像投影部によって投影される投影用画像により前記圧迫部材の投影面に表示される情報の向きを異ならせる制御を行う
制御装置。
前記プロセッサは、
放射線源及び撮影台を被検者の頭尾方向に配置して被検者の圧迫部材により圧迫された状態の乳房の放射線画像を撮影するＣＣ撮影と、前記放射線源及び前記撮影台を前記被検者に対して傾けて前記圧迫部材により圧迫された状態の前記乳房の放射線画像を撮影するＭＬＯ撮影と、を行うマンモグラフィ装置により、前記ＣＣ撮影を行う場合と、前記ＭＬＯ撮影を行う場合とで、画像投影部によって投影される投影用画像により前記圧迫部材の投影面に表示される情報の向きを異ならせる制御を行う
制御装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、
過去及び現在の撮影における前記乳房を前記圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、前記放射線源及び前記撮影台の前記被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを含む文字情報に対して前記制御を行い、
前記乳房の形状を表す情報に対して、前記ＣＣ撮影を行う場合と、前記ＭＬＯ撮影を行う場合とで表示される向きを同じにする制御を行う
請求項１０に記載の制御装置。
過去及び現在の撮影における前記乳房を前記圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、前記放射線源及び前記撮影台の前記被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを含む文字情報に対して前記制御を行い、
前記乳房の形状を表す情報に対して、前記ＣＣ撮影を行う場合と、前記ＭＬＯ撮影を行う場合とで表示される向きを同じにする制御を行う
請求項１０に記載の制御装置。
【請求項12】
少なくとも１つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部に対して、
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが、前記投影用画像によって前記投影面に表示される画像の大きさと同等以上の場合、過去及び現在の撮影における前記乳房を前記圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、前記放射線源を支持する支持部の前記乳房に係る被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを表す文字を含む文字情報を前記照射野内に表示させる制御を行い、
前記照射野の大きさが、前記投影用画像によって前記投影面に表示される画像の大きさよりも小さい場合、前記文字情報を前記照射野外に表示させる制御を行う
制御装置。
前記プロセッサは、
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部に対して、
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが、前記投影用画像によって前記投影面に表示される画像の大きさと同等以上の場合、過去及び現在の撮影における前記乳房を前記圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、前記放射線源を支持する支持部の前記乳房に係る被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを表す文字を含む文字情報を前記照射野内に表示させる制御を行い、
前記照射野の大きさが、前記投影用画像によって前記投影面に表示される画像の大きさよりも小さい場合、前記文字情報を前記照射野外に表示させる制御を行う
制御装置。
【請求項13】
撮影台の撮影面と圧迫部材との間で圧迫状態とした乳房に放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、前記撮影台の撮影面の傾きを表す傾き情報を取得し、
画像投影部により投影用画像が投影されることにより前記圧迫部材の投影面に表示される情報を、前記傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
画像投影部により投影用画像が投影されることにより前記圧迫部材の投影面に表示される情報を、前記傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項14】
放射線源及び撮影台を被検者の頭尾方向に配置して被検者の圧迫部材により圧迫された状態の乳房の放射線画像を撮影するＣＣ撮影と、前記放射線源及び前記撮影台を前記被検者に対して傾けて前記圧迫部材により圧迫された状態の前記乳房の放射線画像を撮影するＭＬＯ撮影と、を行うマンモグラフィ装置により、
前記ＣＣ撮影を行う場合と、前記ＭＬＯ撮影を行う場合とで、画像投影部によって投影される投影用画像により前記圧迫部材の投影面に表示される情報の向きを異ならせる制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
前記ＣＣ撮影を行う場合と、前記ＭＬＯ撮影を行う場合とで、画像投影部によって投影される投影用画像により前記圧迫部材の投影面に表示される情報の向きを異ならせる制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【請求項15】
圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の前記圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部に対して、
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが、前記投影用画像によって前記投影面に表示される画像の大きさと同等以上の場合、過去及び現在の撮影における前記乳房を前記圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、前記放射線源を支持する支持部の前記乳房に係る被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを表す文字を含む文字情報を前記照射野内に表示させる制御を行い、
前記照射野の大きさが、前記投影用画像によって前記投影面に表示される画像の大きさよりも小さい場合、前記文字情報を前記照射野外に表示する制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
前記放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが、前記投影用画像によって前記投影面に表示される画像の大きさと同等以上の場合、過去及び現在の撮影における前記乳房を前記圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、前記放射線源を支持する支持部の前記乳房に係る被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを表す文字を含む文字情報を前記照射野内に表示させる制御を行い、
前記照射野の大きさが、前記投影用画像によって前記投影面に表示される画像の大きさよりも小さい場合、前記文字情報を前記照射野外に表示する制御を行う
処理をコンピュータに実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、制御装置及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
圧迫部材により圧迫状態とした乳房に放射線を照射させて放射線画像の撮影を行うマンモグラフィ装置が知られている。撮影を行う場合に撮影を補助するための情報等を表示させる場合がある。例えば、特許文献１には、ＬＣＤ（Liquid Crystal Display）に乳房のスキンラインを表示させて、その投影像を圧迫部材の投影面に表示させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特解２００８－０８６３８９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撮影台の撮影面を傾けた状態にして乳房の放射線画像を撮影する場合がある。この場合、技師等のユーザは、傾いた状態の撮影台の撮影面に乳房をポジショニングし、圧迫部材により圧迫状態とする。
【0005】
このように傾いた状態の撮影台の撮影面に乳房をポジショニングする場合、ユーザは、撮影台の撮影面の傾きに応じた位置に立って、ポジショニングを行う。そのため、投影用画像により表示された情報が見難くなり、ユーザに負担がかかる場合がある。
【0006】
本開示は、上記事実を考慮して成されたものであり、乳房のポジショニングを行うユーザの負担を軽減することができる制御装置及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本開示の第１の態様の制御装置は、少なくとも１つのプロセッサを備え、プロセッサは、撮影台の撮影面と圧迫部材との間で圧迫状態とした乳房に放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、撮影台の撮影面の傾きを表す傾き情報を取得し、画像投影部により投影用画像が投影されることにより圧迫部材の投影面に表示される情報を、傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う。
【0008】
本開示の第２の態様の制御装置は、第１の態様の制御装置において、プロセッサは、情報が表示される向きを傾きに応じた向きに調整する制御を行う。
【0009】
本開示の第３の態様の制御装置は、第１の態様の制御装置において、プロセッサは、乳房に係る被検者に対して撮影台の撮影面が傾いている場合と、傾いていない場合とで、情報が表示される向きを切り替える制御を行う。
【0010】
本開示の第４の態様の制御装置は、第１の態様から第３の態様のいずれか１態様の制御装置において、プロセッサは、情報が乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報の場合、傾きに係わらず、制御を行わない。
【0011】
本開示の第５の態様の制御装置は、第１の態様から第４の態様のいずれか１態様の制御装置において、プロセッサは、情報が文字情報を含む場合、文字情報の表示位置を傾きに応じた位置に調整する制御を行う。
【0012】
本開示の第６の態様の制御装置は、第１の態様から第５の態様のいずれか１態様の制御装置において、プロセッサは、放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが投影面よりも小さく、かつ情報が文字情報の場合、文字情報が表示される表示位置を照射野外の位置に調整する制御を行う。
【0013】
本開示の第７の態様の制御装置は、第５の態様または第６の態様の制御装置において、文字情報は、過去及び現在の撮影における乳房を圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、及び傾きの具合を表す情報の少なくとも一つを表す文字を含む。
【0014】
本開示の第８の態様の制御装置は、第１の態様から第７の態様のいずれか１態様の制御装置において、プロセッサは、放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが投影面よりも小さく、かつ情報が圧迫状態の乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報の場合、情報が表示される表示位置を照射野内の位置に調整する制御を行う。
【0015】
本開示の第９の態様の制御装置は、第１の態様から第８の態様のいずれか１態様の制御装置において、プロセッサは、放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが投影面と同等以上の場合、傾きに係わらず、情報の表示位置を同じ位置に調整する制御を行う。
【0016】
また、上記目的を達成するために本開示の第１０の態様の制御装置は、少なくとも１つのプロセッサを備え、プロセッサは、放射線源及び撮影台を被検者の頭尾方向に配置して被検者の圧迫部材により圧迫された状態の乳房の放射線画像を撮影するＣＣ撮影と、放射線源及び撮影台を被検者に対して傾けて圧迫部材により圧迫された状態の乳房の放射線画像を撮影するＭＬＯ撮影と、を行うマンモグラフィ装置により、ＣＣ撮影を行う場合と、ＭＬＯ撮影を行う場合とで、画像投影部によって投影される投影用画像により圧迫部材の投影面に表示される情報の向きを異ならせる制御を行う。
【0017】
本開示の第１１の態様の制御装置は、第１０の態様の制御装置において、プロセッサは、過去及び現在の撮影における乳房を圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、放射線源及び撮影台の被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを含む文字情報に対して制御を行い、乳房の形状を表す情報に対して、ＣＣ撮影を行う場合と、ＭＬＯ撮影を行う場合とで表示される向きを同じにする制御を行う。
【0018】
また、上記目的を達成するために本開示の第１２の態様の制御装置は、少なくとも１つのプロセッサを備え、プロセッサは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部に対して、放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが、投影用画像によって投影面に表示される画像の大きさと同等以上の場合、過去及び現在の撮影における乳房を圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、放射線源を支持する支持部の乳房に係る被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを表す文字を含む文字情報を照射野内に表示させる制御を行い、照射野の大きさが、投影用画像によって投影面に表示される画像の大きさよりも小さい場合、文字情報を照射野外に表示させる制御を行う。
【0019】
また、上記目的を達成するために本開示の第１３の態様の制御プログラムは、撮影台の撮影面と圧迫部材との間で圧迫状態とした乳房に放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置における、撮影台の撮影面の傾きを表す傾き情報を取得し、画像投影部により投影用画像が投影されることにより圧迫部材の投影面に表示される情報を、傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0020】
また、上記目的を達成するために本開示の第１４の態様の制御プログラムは、放射線源及び撮影台を被検者の頭尾方向に配置して被検者の圧迫部材により圧迫された状態の乳房の放射線画像を撮影するＣＣ撮影と、放射線源及び撮影台を被検者に対して傾けて圧迫部材により圧迫された状態の乳房の放射線画像を撮影するＭＬＯ撮影と、を行うマンモグラフィ装置により、ＣＣ撮影を行う場合と、ＭＬＯ撮影を行う場合とで、画像投影部によって投影される投影用画像により圧迫部材の投影面に表示される情報の向きを異ならせる制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0021】
また、上記目的を達成するために本開示の第１５の態様の制御プログラムは、圧迫部材により圧迫された状態の乳房に対して放射線源から放射線を照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置の圧迫部材の投影面に投影用画像を投影させる画像投影部に対して、放射線源から照射する放射線の照射野の大きさが、投影用画像によって投影面に表示される画像の大きさと同等以上の場合、過去及び現在の撮影における乳房を圧迫部材により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、放射線源を支持する支持部の乳房に係る被検者に対する傾き具合を表す情報の少なくとも一つを表す文字を含む文字情報を照射野内に表示させる制御を行い、照射野の大きさが、投影用画像によって投影面に表示される画像の大きさよりも小さい場合、文字情報を照射野外に表示する制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、乳房のポジショニングを行うユーザの負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】実施形態の放射線画像撮影システムにおける全体の構成の一例を概略的に表した構成図である。
【図2A】実施形態のマンモグラフィ装置の外観の一例を表す側面図である。
【図2B】ＣＣ撮影及びＭＬＯ撮影における撮影台の撮影面の傾きを説明するための図である。
【図2C】実施形態の圧迫板の一例を表す三面図である。
【図3】実施形態のマンモグラフィ装置及びコンソールの構成の一例を表したブロック図である。
【図4】実施形態のコンソールの機能の一例を表す機能ブロック図である。
【図5A】ＣＣ撮影において、投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図5B】右の乳房のＭＬＯ撮影において、投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図5C】左の乳房のＭＬＯ撮影において、投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図6】第１実施形態の投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートである。
【図7A】ＣＣ撮影において、投影面よりも照射野が小さい場合に投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図7B】右の乳房のＭＬＯ撮影において、投影面よりも照射野が小さい場合に投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図7C】左の乳房のＭＬＯ撮影において、投影面よりも照射野が小さい場合に投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図8A】ＣＣ撮影において、照射野の大きさが投影面と同等以上の場合に投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図8B】右の乳房のＭＬＯ撮影において、照射野の大きさが投影面と同等以上の場合に投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図8C】左の乳房のＭＬＯ撮影において、照射野の大きさが投影面と同等以上の場合に投影用画像により投影面に表示される情報の表示状態の一例を示す図である。
【図9】第２実施形態の投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本実施形態は本発明を限定するものではない。
【0025】
［第１実施形態］
まず、本実施形態の放射線画像撮影システムにおける、全体の構成の一例について説明する。図１には、本実施形態の放射線画像撮影システム１における、全体の構成の一例を表す構成図が示されている。図１に示すように、本実施形態の放射線画像撮影システム１は、マンモグラフィ装置１０及びコンソール１２を備える。本実施形態のマンモグラフィ装置１０が、本開示の放射線画像撮影装置の一例である。また、本実施形態のコンソール１２が、本開示の制御装置の一例である。
まず、本実施形態の放射線画像撮影システムにおける、全体の構成の一例について説明する。図１には、本実施形態の放射線画像撮影システム１における、全体の構成の一例を表す構成図が示されている。図１に示すように、本実施形態の放射線画像撮影システム１は、マンモグラフィ装置１０及びコンソール１２を備える。本実施形態のマンモグラフィ装置１０が、本開示の放射線画像撮影装置の一例である。また、本実施形態のコンソール１２が、本開示の制御装置の一例である。
【0026】
まず、本実施形態のマンモグラフィ装置１０について説明する。図２Ａには、本実施形態のマンモグラフィ装置１０の外観の一例を表す側面図が示されている。なお、図２Ａは、被検者の右側からマンモグラフィ装置１０を見た場合の外観の一例を示している。また、図３には、本実施形態のマンモグラフィ装置１０及びコンソール１２の構成の一例を表す機能ブロック図を示す。
【0027】
本実施形態のマンモグラフィ装置１０は、被検者の乳房を被写体として、乳房に放射線Ｒ（例えば、Ｘ線）を照射して乳房の放射線画像を撮影する装置である。なお、マンモグラフィ装置１０は、被検者が起立している状態（立位状態）のみならず、被検者が椅子（車椅子を含む）等に座った状態（座位状態）において、被検者の乳房を撮影する装置であってもよい。
【0028】
放射線検出器２８は、乳房を通過した放射線Ｒを検出する。図２Ａに示すように、放射線検出器２８は、撮影台３０の内部に配置されている。本実施形態のマンモグラフィ装置１０では、撮影を行う場合、撮影台３０の撮影面３０Ａ上には、被検者の乳房がユーザによってポジショニングされる。
【0029】
放射線検出器２８は、被検者の乳房及び撮影台３０を透過した放射線Ｒを検出し、検出した放射線Ｒに基づいて放射線画像を生成し、生成した放射線画像を表す画像データを出力する。本実施形態の放射線検出器２８の種類は、特に限定されず、例えば、放射線Ｒを光に変換し、変換した光を電荷に変換する間接変換方式の放射線検出器であってもよいし、放射線Ｒを直接電荷に変換する直接変換方式の放射線検出器であってもよい。
【0030】
放射線照射部３７は、放射線源３７Ｒを備えている。図２Ａに示すように放射線照射部３７は、撮影台３０及び圧迫ユニット３６と共にアーム部３２に設けられている。図２Ａに示すように、放射線照射部３７の下方にあたるアーム部３２の被検者に近い位置には、フェイスガード３８が着脱可能に設けられている。フェイスガード３８は、放射線源３７Ｒから出射された放射線Ｒから被検者を保護するための保護部材である。
【0031】
なお、図２Ａに示すように本実施形態のマンモグラフィ装置１０は、アーム部３２と、基台３４と、軸部３５と、を備えている。アーム部３２は、基台３４によって、上下方向（Ｚ軸方向）に移動可能に保持される。軸部３５は、アーム部３２を基台３４に連結する。またアーム部３２は、軸部３５を回転軸として、基台３４に対して相対的に回転可能となっている。
【0032】
本実施形態のマンモグラフィ装置１０では、放射線画像の撮影について、少なくとも２種類の撮影を行うことができる。具体的には、マンモグラフィ装置１０は、乳房に対して、撮影方向が頭尾方向である、ＣＣ（Cranio-Caudal）撮影、及び撮影方向が内外斜位方向であるＭＬＯ（Medio-Lateral Oblique）撮影の２種類の撮影を少なくとも行うことができる。
【0033】
図２Ｂには、ＣＣ撮影及びＭＬＯ撮影における撮影台３０、アーム部３２、及び放射線源３７Ｒの状態の一例が示されている。図２Ｂに示すように、ＣＣ撮影を行う場合は、放射線源３７Ｒに対向させた状態で撮影面３０Ａがマンモグラフィ装置１０の上側（被検者の頭側）を向いた状態に調整される。これにより、被検者の頭側から足側に向かって、放射線源３７Ｒから乳房へ放射線Ｒが照射されて、ＣＣ撮影が行われる。
【0034】
一方、図２Ｂに示すように、ＭＬＯ撮影を行う場合は、ＣＣ撮影を行う場合に対して、アーム部３２を－方向または＋方向に例えば、４５度以上９０度未満の範囲内の予め定められた角度まで回転させ、アーム部３２を被検体の頭尾方向に対して傾ける。具体的には、左の乳房を撮影する場合は、撮影面３０Ａと放射線源３７Ｒとを対向させた状態でアーム部３２を＋方向に傾けて、撮影面３０Ａを右側に傾斜させた状態とする。また、右の乳房を撮影する場合は、撮影面３０Ａと放射線源３７Ｒとを対向させた状態でアーム部３２を－方向に傾けて撮影面３０Ａを左側に傾斜させた状態とする。これにより、被検者の胴体の中心側から外側へ向かって（被検者の乳房同士の間から腕側に向けて）、放射線源３７Ｒから乳房へ放射線Ｒが照射されて、ＭＬＯ撮影が行われる。
【0035】
アーム部３２に連結される圧迫ユニット３６には、乳房を圧迫する圧迫板４０を上下方向（Ｚ軸方向）に移動する圧迫板駆動部（図３、圧迫板駆動部４２参照）が設けられている。圧迫板４０の支持部４６は、圧迫板駆動部４２に着脱可能に取り付けられる。圧迫板駆動部４２に取り付けられた圧迫板４０は、圧迫板駆動部により上下方向（Ｚ軸方向）に移動し、撮影台３０との間で被検者の乳房を圧迫する。圧迫板４０により乳房を圧迫する理由としては、乳腺組織の重なりを展開し、良性病変及び悪性病変のいずれであるかの判断等を行いやすくするため、放射線画像のボケを抑制し、乳腺構造等を見易くするため、乳房を固定することで、被検者の体動を抑制するため、及び乳房の厚みを薄くすることで、乳房の被曝を低減するため等が挙げられる。図２Ａに示すように、圧迫板４０の移動方向について、乳房を圧迫する方向、換言すると、撮影面３０Ａに近付く方向を「圧迫方向」といい、乳房への圧迫を解除する方向、換言すると、放射線照射部３７に近付く方向を「解除方向」という。
【0036】
圧迫板駆動部４２に取り付けられる側の圧迫板４０の支持部４６には、圧迫板４０の種類（詳細後述）を識別するための圧迫板識別子（図示省略）が設けられている。圧迫ユニット３６には圧迫板検出センサ（図３、圧迫板検出センサ４４参照）が設けられている。圧迫板検出センサ４４は、圧迫板４０の支持部４６に設けられた圧迫板識別子を読み取ることで、取り付けられている圧迫板４０の種類を検出する。なお、本実施形態の圧迫板４０が、本開示の圧迫部材の一例である。
【0037】
本実施形態のマンモグラフィ装置１０に取り付けが可能な圧迫板４０には、複数の種類がある。例えば、圧迫板４０は、乳房全体を圧迫するものに限らず、乳房の一部を圧迫するものであってもよい。換言すると、乳房よりも小さい圧迫板４０でもよい。このような圧迫板４０としては、例えば、病変が存在する領域のみの放射線画像を撮影する、いわゆるスポット撮影に用いられる圧迫板４０が知られている。また、その他の種類の圧迫板４０としては、例えば、乳房の大きさに応じた圧迫板、腋窩撮影用の圧迫板、及び拡大撮影用の圧迫板等が挙げられる。また、便宜上「圧迫板」と称しているが、圧迫板４０は、板状の部材を用いたものに限定されず、例えば、フィルム状の部材を用いたものであってもよい。
【0038】
具体例として、本実施形態のマンモグラフィ装置１０に取り付けが可能な圧迫板４０について、図２Ｃを参照して説明する。図２Ｃには、本実施形態の圧迫板４０の一例の三面図を示す。図２Ｃに示した三面図には、圧迫板４０を上側（放射線照射部３７側）から見た平面図（上面図）、被検者側から見た側面図、及び被検者の右側から見た側面図が含まれる。図２Ｃに示すように、本実施形態の圧迫板４０は、圧迫部４１及び支持部４６を含む。
【0039】
圧迫部４１は、底部４１Ａが壁部４１Ｂに囲まれた、断面形状が凹型に形成されている。底部４１Ａは、被検者の乳房に接触する面の板厚が略一定であり、放射線源３７Ｒ側の面は、平坦で、高さが略一様である。また、壁部４１Ｂは、比較的高く、高さが略一様である。圧迫部４１には、後述するプロジェクタ４８から投影用画像Ｐが投影される投影面４５が設けられている。一例として本実施形態では、圧迫部４１の底部４１Ａの放射線照射部３７側の面（上面）を投影面４５としている。なお、圧迫板４０における投影面４５の位置等は、本形態に限定されない。例えば、投影面４５は、圧迫部４１の底部４１Ａの乳房に接する側の面であってもよいし、壁部４１Ｂの面であってもよい。
【0040】
圧迫板４０は、ポジショニング及び圧迫状態の確認を行うために光学的に透明であることが好ましく、また、放射線Ｒの透過性に優れた材料によって形成される。なお、投影面４５においては、プロジェクタ４８から投影された投影用画像Ｐに応じた画像を表示するために、光が入射した場合、光の大部分（例えば９０％）は透過し、一部（例えば１０％）は物体表面で入射角と反射角が等しい鏡面反射をする状態とされている。例えば、圧迫板４０の底部４１Ａにおける放射線源３７Ｒ側の面等を粗面化加工することにより投影面４５を形成してもよい。また例えば、圧迫板４０の表面に鏡面反射シートを貼り付けることにより投影面４５を形成してもよい。なお、鏡面反射シートを貼り付ける場合等のように投影面４５を平滑な面とした場合、乳房等、被検者に接触する圧迫板４０の面を投影面４５とすることができる。
【0041】
一方、支持部４６は、取付部４６Ａ及び腕４６Ｂを含む。取付部４６Ａは、圧迫板４０をマンモグラフィ装置１０、具体的には圧迫ユニット３６内の圧迫板駆動部４２に取り付ける機能を有し、腕４６Ｂは、圧迫部４１を支持する機能を有する。
【0042】
また、放射線照射部３７の下方にあたるアーム部３２の被検者から離れた位置には、圧迫板４０の投影面４５に投影用画像Ｐを投影させるプロジェクタ４８が設けられている。本実施形態のプロジェクタ４８が、本開示の画像投影部の一例である。プロジェクタ４８としては、液晶プロジェクタ、ＤＬＰ（Digital Light Processing）（登録商標）プロジェクタ、及びレーザプロジェクタ等の公知のプロジェクタを適用することができる。図３に示すように、本実施形態のプロジェクタ４８は、電源部４８Ａ及び投影部４８Ｂを含む。プロジェクタ４８では、後述する制御部２０の指示に応じて電源部４８Ａのオン及びオフが制御される。また、制御部２０の指示に応じて投影部４８Ｂから投影用画像Ｐが圧迫板４０の投影面４５に向けて投影される。
【0043】
また、本実施形態のマンモグラフィ装置１０の撮影台３０内部には、図３に示した制御部２０、記憶部２２、Ｉ／Ｆ（Interface)部２４、操作部２６、及び表示部２７を備える。制御部２０、記憶部２２、Ｉ／Ｆ部２４、操作部２６、表示部２７、上述した放射線検出器２８、圧迫板駆動部４２、圧迫板検出センサ４４、及びプロジェクタ４８は、システムバスやコントロールバス等のバス４９を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0044】
制御部２０は、コンソール１２の制御に応じて、マンモグラフィ装置１０の全体の動作を制御する。制御部２０は、ＣＰＵ（Central Processing Unit）２０Ａ、ＲＯＭ（Read Only Memory）２０Ｂ、及びＲＡＭ（Random Access Memory）２０Ｃを備える。ＲＯＭ２０Ｂには、ＣＰＵ２０Ａで実行される、放射線画像の撮影に関する制御を行うための撮影処理プログラム２１を含む各種のプログラム等が予め記憶されている。ＲＡＭ２０Ｃは、各種データを一時的に記憶する。
【0045】
記憶部２２には、放射線検出器２８により撮影された放射線画像の画像データや、その他の各種情報等が記憶される。記憶部２２の具体例としては、ＨＤＤ（Hard Disk Drive）やＳＳＤ（Solid State Drive）等が挙げられる。Ｉ／Ｆ部２４は、無線通信または有線通信により、コンソール１２との間で各種情報の通信を行う。マンモグラフィ装置１０で放射線検出器２８により撮影された放射線画像の画像データは、Ｉ／Ｆ部２４を介してコンソール１２に無線通信または有線通信によって送信される。
【0046】
また、操作部２６は、例えば、マンモグラフィ装置１０の撮影台３０等に複数のスイッチとして設けられている。なお、本実施形態の操作部２６は、圧迫板４０の圧迫方向への移動を指示する圧迫指示ボタンと、圧迫板４０の解除方向への移動を指示する解除ボタンを少なくとも含む。操作部２６は、タッチパネル式のスイッチとして設けられていてもよいし、医師及び技師等のユーザが足で操作するフットスイッチとして設けられていてもよい。表示部２７は、被検者や撮影に関する各種情報を表示する。
【0047】
一方、本実施形態のコンソール１２は、無線通信ＬＡＮ（Local Area Network）等を介してＲＩＳ（Radiology Information System）２等から取得した撮影オーダ及び各種情報と、操作部５６等によりユーザにより行われた指示等とを用いて、マンモグラフィ装置１０の制御を行う機能を有している。
【0048】
本実施形態のコンソール１２は、一例として、サーバーコンピュータである。図３に示すように、コンソール１２は、制御部５０、記憶部５２、Ｉ／Ｆ部５４、タイマ５５、操作部５６、及び表示部５８を備えている。制御部５０、記憶部５２、Ｉ／Ｆ部５４、操作部５６、及び表示部５８はシステムバスやコントロールバス等のバス５９を介して相互に各種情報の授受が可能に接続されている。
【0049】
本実施形態の制御部５０は、コンソール１２の全体の動作を制御する。制御部５０は、ＣＰＵ５０Ａ、ＲＯＭ５０Ｂ、及びＲＡＭ５０Ｃを備える。ＲＯＭ５０Ｂには、ＣＰＵ５０Ａで実行される、後述する投影制御プログラム５１を含む各種のプログラム等が予め記憶されている。ＲＡＭ５０Ｃは、各種データを一時的に記憶する。本実施形態のＣＰＵ５０Ａが、本開示のプロセッサの一例である。本実施形態の投影制御プログラム５１が、本開示の制御プログラムの一例である。
【0050】
記憶部５２には、マンモグラフィ装置１０で撮影された放射線画像の画像データや、その他の各種情報等が記憶される。記憶部５２の具体例としては、ＨＤＤやＳＳＤ等が挙げられる。
【0051】
操作部５６は、放射線Ｒの照射指示を含む放射線画像の撮影等に関する指示や各種情報等をユーザが入力するために用いられる。操作部５６は特に限定されるものではなく、例えば、各種スイッチ、タッチパネル、タッチペン、及びマウス等が挙げられる。表示部５８は、各種情報を表示する。なお、操作部５６と表示部５８とを一体化してタッチパネルディスプレイとしてもよい。
【0052】
Ｉ／Ｆ部５４は、無線通信または有線通信により、マンモグラフィ装置１０及びＲＩＳ２との間で各種情報の通信を行う。本実施形態の放射線画像撮影システム１では、マンモグラフィ装置１０で撮影された放射線画像の画像データは、コンソール１２が、Ｉ／Ｆ部５４を介して無線通信または有線通信によりマンモグラフィ装置１０から受信する。
【0053】
さらに、図４には、本実施形態のコンソール１２の構成の一例の機能ブロック図を示す。図４に示すようにコンソール１２は、取得部６０及び制御部６２を備える。一例として本実施形態のコンソール１２は、制御部５０のＣＰＵ５０ＡがＲＯＭ５０Ｂに記憶されている投影制御プログラム５１を実行することにより、ＣＰＵ５０Ａが取得部６０及び制御部６２として機能する。
【0054】
取得部６０は、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きを表す傾き情報を取得する機能を有する。取得部６０が取得した傾き情報は、制御部６２に出力される。上述したように、本実施形態のマンモグラフィ装置１０は、撮影台３０がアーム部３２により支持されており、アーム部３２の回転に応じて撮影台３０の撮影面３０Ａが傾く。従って、アーム部３２が傾くと、撮影台３０の撮影面３０Ａも傾く。
【0055】
ＣＣ撮影の場合は、アーム部３２が被検者に対して傾いておらず、ＭＬＯ撮影の場合は、アーム部３２が被検者に対して傾いた状態とされる。取得部６０は、アーム部３２の傾きについて、傾いていない状態、－方向（図２Ｂ参照）に傾いている状態、及び＋方向に傾いている状態のいずれの状態であるかを表す傾き情報を取得する。なお、一例として本実施形態の取得部６０は、撮影メニューを参照し、ＣＣ撮影及びＭＬＯ撮影のいずれであるか、また左右いずれの乳房の撮影であるかについて表す情報を傾き情報として取得する。具体的には、傾き情報がＣＣ撮影であることを表す場合、撮影台３０の撮影面３０Ａが傾いていないこと、換言するとアーム部３２が傾いていないことを示している。
【0056】
また、傾き情報がＭＬＯ撮影かつ右の乳房の撮影であることを表す場合、撮影台３０の撮影面３０Ａが左に傾いていること、換言するとアーム部３２が－方向に傾いていることを示している。また、傾き情報がＭＬＯ撮影かつ左の乳房の撮影であることを表す場合、撮影台３０の撮影面３０Ａが右に傾いていること、換言するとアーム部３２が＋方向に傾いていることを示している。なお、取得部６０が傾き情報を取得する方法は本形態に限定されない。例えば、撮影台３０の撮影面３０Ａが傾いている角度そのものを傾き情報として取得部６０が取得する形態としてもよい。また例えば、アーム部３２が回転した角度そのものを表す情報を傾き情報として取得部６０が取得する形態としてもよい。
【0057】
制御部６２は、放射線照射部３７により圧迫板４０の投影面４５に投影用画像Ｐが投影されることにより投影面４５に表示される情報を、傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う機能を有する。具体的には、制御部６２は、投影用画像Ｐが投影されることにより表示される情報の向きを傾きに応じて切り替える制御を行う。
【0058】
ユーザは、ポジショニングした被検者の乳房を、圧迫板４０により圧迫状態にさせる。具体的には、撮影台３０の撮影面３０Ａにポジショニングした乳房をユーザの手により圧迫した状態から、圧迫方向に移動させた圧迫板４０が乳房に近づいたところで、手を圧迫板４０と乳房との間から引き抜き、圧迫板４０により乳房を圧迫状態にする。
【0059】
ＣＣ撮影の場合、図２Ｂに示したように撮影台３０の撮影面３０Ａが真上を向いた状態とされているため、ユーザは、被検者の左右いずれかの位置に立ってポジショニングを行う。一方、右の乳房におけるＭＬＯ撮影の場合、図２Ｂに示したように撮影台３０の撮影面３０Ａが左に傾斜した状態とされているため、ユーザは、被検者の左側の位置にたってポジショニングを行う。また、左の乳房におけるＭＬＯ撮影の場合、図２Ｂに示したように撮影台３０の撮影面３０Ａが右に傾斜した状態とされているため、ユーザは、被検者の右側の位置にたってポジショニングを行う。換言すると、ＭＬＯ撮影を行う場合、ユーザは放射線源３７Ｒが位置する側に立ってポジショニングを行う。
【0060】
すなわち、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じて、ポジショニングを行うユーザの立ち位置が異なる。そこで、本実施形態の制御部６２は、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じて、投影用画像Ｐによって表示される情報の向きを調整することにより、ポジショニングを行うユーザにとって見易い状態に投影用画像Ｐを表示させる制御を行う。
【0061】
なお、投影用画像Ｐにより表示される情報が文字情報の場合、具体的には、文字及び数字が表示される場合、上記のように表示される情報の向きを調整することで、ポジショニングを行うユーザにとって見易くなる。一方、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きによらず、撮影台３０にポジショニングされる乳房の向きは変わらない。そこで、本実施形態の制御部６２は、投影用画像Ｐにより表示される情報がスキンライン等の乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報の場合、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きによらず、同じ向きとする制御を行う。
【0062】
図５Ａ～図５Ｃには、制御部６２の制御によって投影用画像Ｐにより投影面４５に表示される情報の表示状態の一例が示されている。図５Ａ～図５Ｃのいずれにも、乳房の形状を表すスキンライン７０が表示された状態が示されている。また、図５Ａ～図５Ｃのいずれにも、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きの具合に相当する撮影の種類を表す文字情報７４１、圧迫板４０により圧迫状態とされた乳房の厚みを表す文字情報７４２、及び圧迫板４０により圧迫状態とされた乳房の圧迫圧を表す文字情報７４３の３種類の文字情報が表示された状態が示されている。なお、「乳房の厚み」とは、圧迫板４０により圧迫された状態の乳房の厚みであり、圧迫板４０と撮影台３０との間隔に相当し、また、撮影台３０の撮影面３０Ａから圧迫板４０までの高さに相当する。また、「圧迫圧」とは、圧迫板４０に係る圧迫圧である。
【0063】
図５Ａは、ＣＣ撮影において、投影用画像Ｐにより投影面４５に表示される情報の表示状態の一例を示す。なお、ＣＣ撮影の場合、左右いずれの乳房を撮影するかによらず、図５Ａに示した状態に制御される。図５Ａに示すように、ＣＣ撮影の場合、文字情報７４１～７４３の各々は、胸壁側、換言するとマンモグラフィ装置１０の正面側に向いた状態に表示される。
【0064】
図５Ｂは、右の乳房のＭＬＯ撮影において、投影用画像Ｐにより投影面４５に表示される情報の表示状態の一例を示す。図５Ｂに示すように、右の乳房のＭＬＯ撮影の場合、文字情報７４１～７４３の各々は、被検者（マンモグラフィ装置１０）の左側に向いた状態に表示される。
【0065】
図５Ｃは、左の乳房のＭＬＯ撮影において、投影用画像Ｐにより投影面４５に表示される情報の表示状態の一例を示す。図５Ｃに示すように、左の乳房のＭＬＯ撮影の場合、文字情報７４１～７４３の各々は、被検者（マンモグラフィ装置１０）の右側に向いた状態に表示される。
【0066】
一方、図５Ａ～図５Ｃに示されるように、スキンライン７０は、同じ向きに表示される。具体的には、スキンライン７０が示す乳房の形状自体は、ＣＣ撮影、ＭＬＯ撮影、及び乳房の左右の各々に対応する形状であるが、その形状が表示される向きは撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きによらず、同じ向きに表示される。
【0067】
次に、本実施形態のマンモグラフィ装置１０による投影用画像Ｐの投影におけるコンソール１２の作用について図面を参照して説明する。コンソール１２は、予め用意された複数種類の撮影メニューを、択一的に選択可能な形態で表示部５８に表示する。ユーザは、操作部５６を介して、撮影オーダの内容と一致する１つの撮影メニューを選択する。コンソール１２は、ユーザによる撮影メニューの選択を受け付ける。一例として本実施形態では、コンソール１２が撮影メニューの選択を受け付けた場合に、図６に示した投影制御処理を実行する。本実施形態のコンソール１２は、一例として、制御部５０のＣＰＵ５０Ａが、ＲＯＭ５０Ｂに記憶されている投影制御プログラム５１を実行することにより、図６に一例を示した投影制御処理を実行する。図６には、本実施形態のコンソール１２において実行される投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0068】
図６のステップＳ１００で制御部６２は、投影用画像Ｐの投影を開始するか否かを判定する。ユーザは、投影用画像Ｐの投影面４５への投影を開始させたい場合、マンモグラフィ装置１０の操作部２６により投影の開始を指示する。マンモグラフィ装置１０からは、Ｉ／Ｆ部２４を介して投影開始指示信号が出力される。制御部６２は、コンソール１２に投影開始指示信号が入力された場合、投影用画像Ｐの投影を開始する。そのため、投影開始指示信号がコンソール１２に入力されるまで、ステップＳ１００の判定が否定判定となる。一方、投影開始指示信号がコンソール１２に入力されるとステップＳ１００の判定が肯定判定となり、ステップＳ１０２へ移行する。
【0069】
ステップＳ１０２で取得部６０は、上述したように、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きを表す傾き情報を取得する。本実施形態の取得部６０では、撮影メニューを参照し、ＣＣ撮影及びＭＬＯ撮影のいずれであるか、また左右いずれの乳房を撮影するかを表す情報を傾き情報として取得する。
【0070】
次のステップＳ１０４で制御部６２は、圧迫板識別子を取得する。上述したように、マンモグラフィ装置１０では、圧迫板検出センサ４４が圧迫ユニット３６に支持部４６が取り付けられている圧迫板４０の圧迫板識別子を読み取る。そこで、本実施形態の制御部６２は、圧迫板検出センサ４４が読み取った圧迫板識別子をマンモグラフィ装置１０から取得する。
【0071】
次のステップＳ１０６で制御部６２は、投影用画像Ｐを生成するのに用いる放射線画像を取得する。一例として、本実施形態では、乳房を撮影した放射線画像から制御部６２が投影用画像Ｐを生成する。そのため、制御部６２は、乳房が撮影された放射線画像を取得する。
【0072】
制御部６２が取得する放射線画像は、過去に被検者の乳房を撮影した放射線画像の放射線画像であることが好ましい。例えば、制御部６２が取得する放射線画像は、乳房の左右、傾き情報（ＣＣ撮影またはＭＬＯ撮影）、及び圧迫板識別子が表す圧迫板４０の種類の少なくとも１つが、今回の撮影と一致しており、かつ今回の撮影と同一の被検者の過去に撮影された放射線画像であってもよい。また例えば、今回の撮影の直近に撮影された反対側の乳房、かつ、傾き情報（ＣＣ撮影またはＭＬＯ撮影）、及び圧迫板識別子が表す圧迫板４０の種類の少なくとも１つが今回の撮影と一致しており、かつ今回の撮影と同一の被検者の過去に撮影された放射線画像であってもよい。このように反対側の乳房の放射線画像を用いる場合、放射線画像または放射線画像から抽出されたスキンラインを表す画像を反転することにより、反対側の乳房の撮影における投影用画像Ｐとして適用することができる。
【0073】
また、今回の撮影と同一の被検者の乳房を撮影した放射線画像がコンソール１２内の記憶部５２やＰＡＣＳ（Picture Archiving and Communication System）等に存在しない場合がある。このような場合、例えば、制御部６２が、圧迫板４０の種類等に応じた標準的な乳房を理想的な状態に圧迫板４０により圧迫して撮影された放射線画像を取得する形態としてもよい。具体的には、標準的な乳房を理想的な状態に圧迫板４０により圧迫して撮影された放射線画像を、撮影に用いた圧迫板４０を表す圧迫板識別子に対応付けて記憶部５２等に記憶させておき、制御部６２は、上記ステップＳ１０４で取得した圧迫板識別子に対応する放射線画像を記憶部５２等から取得する形態としてもよい。
【0074】
次のステップＳ１０８で制御部６２は、上記ステップＳ１０２で取得した傾き情報がＣＣ撮影であることを表しているか否かを判定する。傾き情報がＣＣ撮影であることを表している場合、ステップＳ１０８の判定が肯定判定となり、ステップＳ１１０へ移行する。
【0075】
ステップＳ１１０で制御部６２は、スキンラインを含み、かつ表示される文字情報の向きが正面向きとなるＣＣ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。なお、制御部６２がＣＣ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。なお、制御部６２によるスキンライン画像の生成方法は特に限定されず、公知の技術を適用することができる。例えば、特開２００８－０８６３８９号公報には、放射線画像の濃度を調べ、濃度の段差が所定値以上の位置を検出し、この濃度の段差が所定値以上の画素の集合をスキンラインとする方法が例示されている。また例えば、特開２０１０－０５１４５６号公報には、乳房を撮影した放射線画像の画素ごとの濃度に基づいて、放射線画像を乳房領域と素抜け領域に分割し、乳房領域と素抜け領域の境界点となる画素をつなぐことで生成する方法が例示されている。
【0076】
なお、制御部６２が取得した放射線画像から生成されたスキンライン画像を投影用画像Ｐとしてそのまま投影させたのでは投影面４５の大きさと異なる場合がある。過去に撮影された放射線画像が投影面４５よりも大きい場合、制御部６２は、放射線画像のうちの投影面４５の大きさに応じた一部の領域が示す乳房の形状に基づくスキンライン画像を生成してもよい。換言すると、制御部６２は、過去に撮影された放射線画像のうちの投影面４５の大きさに応じた一部の領域を切り取り、切り取った画像に基づいて、スキンライン画像を生成してもよい。なお、マンモグラフィ撮影１０においては、胸壁側を含む撮影を行う場合が多いため、切り取る領域は、胸壁側の一部の領域であることが好ましい。また、切り取る領域は、放射線画像に含まれる乳房の形状の、左右方向の中心を含む一部の領域であることが好ましい。
【0077】
また、過去に撮影された放射線画像が投影面４５よりも小さい場合、制御部６２は、放射線画像が示す乳房の形状に基づいて、放射線画像外の乳房の形状が補完されたスキンライン画像を生成してもよい。補完の手法としては、公知の画像補完手法を適用することができる。例えば、制御部６２は、過去に撮影された放射線画像に基づいて生成した部分のスキンラインの曲率にしたがって延長線を補完してもよい。また例えば、制御部６２は、放射線画像に基づいて生成した部分のスキンラインの接線を延長線として補完してもよい。
【0078】
また、過去に撮影された放射線画像の大きさと投影面４５の大きさが一致しない場合、制御部６２は、投影面４５の大きさに応じて、過去に撮影された放射線画像を拡大又は縮小した画像が示す乳房の形状に基づくスキンライン画像を生成してもよい。拡大及び縮小の割合は、例えば、放射線画像の大きさと投影面４５の大きさとの組合せごと予め定められていてもよい。
【0079】
さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが正面向きとなる状態に、文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで投影用画像Ｐを表すＣＣ投影用画像データを生成する。なお、本実施形態の文字情報７４１によって表される撮影の種類を表す情報、文字情報７４２によって表される乳房の厚みを表す情報、及び文字情報７４３によって表される圧迫圧を表す情報の各々は、放射線画像に予め対応付けられている。
【0080】
一方、ステップＳ１０８において、上記ステップＳ１０２で取得した傾き情報がＣＣ撮影であることを表していない場合、換言すると傾き情報がＭＬＯ撮影であることを表している場合、判定が否定判定となり、ステップＳ１１２へ移行する。
【0081】
次のステップＳ１１２で制御部６２は、上記ステップＳ１１２で取得した傾き情報が右の乳房の撮影であることを表しているか否かを判定する。傾き情報が右の乳房の撮影であることを表している場合、ステップＳ１１２の判定が肯定判定となり、ステップＳ１１４へ移行する。
【0082】
ステップＳ１１４で制御部６２は、スキンラインを含み、かつ表示される文字情報の向きが左向きとなるＲＭＬＯ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。なお、制御部６２がＲＭＬＯ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、上記ステップＳ１１０と同様に、まず上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが左向きとなる状態に、文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで投影用画像Ｐを表すＲＭＬＯ投影用画像データを生成する。
【0083】
一方、ステップＳ１１２において、上記ステップＳ１０２で取得した傾き情報が右の乳房の撮影であることを表していない場合、換言すると左の乳房の撮影であることを表している場合、判定が否定判定となり、ステップＳ１１６へ移行する。
【0084】
ステップＳ１１６で制御部６２は、スキンラインを含み、かつ表示される文字情報の向きが右向きとなるＬＭＬＯ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。なお、制御部６２がＬＭＬＯ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、上記ステップＳ１１０及びＳ１１４と同様に、まず上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが右向きとなる状態に、文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで投影用画像Ｐを表すＬＭＬＯ投影用画像データを生成する。
【0085】
なお、以下では、ＣＣ投影用画像データ、ＲＭＬＯ投影用画像データ、及びＬＭＬＯ投影用画像データについて総称する場合は、単に「投影用画像データ」という。
【0086】
次のステップＳ１１８で制御部６２は、投影用画像Ｐの投影を開始させる。具体的には、制御部６２は、投影用画像Ｐを表す投影用画像データをＩ／Ｆ部５４を介してマンモグラフィ装置１０に出力する。マンモグラフィ装置１０では投影用画像データが入力されると、制御部２０が、プロジェクタ４８の投影部４８Ｂにより投影用画像データに応じた投影用画像Ｐを投影させる制御を行う。本制御により、マンモグラフィ装置１０の圧迫ユニット３６に取り付けられた圧迫板４０の投影面４５には投影用画像Ｐに応じた情報が表示される。
【0087】
具体的には、上記ステップＳ１１０でＣＣ投影用画像データを生成した場合、上記ステップ１１８で制御部６２は、ＣＣ投影用画像データをマンモグラフィ装置１０に出力する。マンモグラフィ装置１０では、プロジェクタ４８によりＣＣ投影用画像データに応じた投影用画像Ｐが投影される。投影用画像Ｐの投影により、圧迫板４０の投影面４５には、図５Ａに示した状態の表示がなされる。
【0088】
また、上記ステップＳ１１４でＲＭＬＯ投影用画像データを生成した場合、上記ステップ１１８で制御部６２は、ＲＭＬＯ投影用画像データをマンモグラフィ装置１０に出力する。マンモグラフィ装置１０では、プロジェクタ４８によりＲＭＬＯ投影用画像データに応じた投影用画像Ｐが投影される。投影用画像Ｐの投影により、圧迫板４０の投影面４５には、図５Ｂに示した状態の表示がなされる。
【0089】
また、上記ステップＳ１１６でＬＭＬＯ投影用画像データを生成した場合、上記ステップ１１８で制御部６２は、ＬＭＬＯ投影用画像データをマンモグラフィ装置１０に出力する。マンモグラフィ装置１０では、プロジェクタ４８によりＬＭＬＯ投影用画像データに応じた投影用画像Ｐが投影される。投影用画像Ｐの投影により、圧迫板４０の投影面４５には、図５Ｃに示した状態の表示がなされる。
【0090】
次のステップＳ１２０で制御部６２は、投影用画像Ｐの投影を終了するか否か判断する。一例として本実施形態では、終了条件を満たす場合に、投影用画像Ｐの投影を終了する。終了条件としては、例えば、投影用画像Ｐの投影の終了を、ユーザにより指示された場合に投影用画像Ｐの投影を終了するとした条件等が挙げられる。また例えば、圧迫板４０による乳房の圧迫が完了するとユーザは、放射線Ｒの照射指示を行うため、放射線源３７Ｒによる放射線Ｒの照射を開始したタイミングまたは終了したタイミングとする条件等が挙げられる。終了条件を満たすまで、ステップＳ１２０の判定が否定判定となる。一方、終了条件を満たした場合、ステップＳ１２０の判定が肯定判定となり、ステップＳ１２２へ移行する。
【0091】
ステップＳ１２２で制御部６２は投影用画像Ｐの投影を終了させる。具体的には、制御部６２は、投影用画像Ｐの投影を終了させるための投影終了信号をＩ／Ｆ部５４を介してマンモグラフィ装置１０に出力する。マンモグラフィ装置１０では、投影終了信号が入力されると、制御部２０が、プロジェクタ４８の投影部４８Ｂよる投影用画像Ｐの投影を終了させる。具体的には、投影用画像Ｐを投影させるための投影光の出射を停止させる。なお、投影用画像Ｐの投影を終了する場合、電源部４８Ａの電源を遮断し、電源部４８Ａをオフ状態にさせてもよい。ステップＳ１２２の処理が終了すると、図６に示した画像処理が終了する。
【0092】
このように、本実施形態のコンソール１２は、ＣＣ撮影を行う場合と、ＭＬＯ撮影を行う場合とで、プロジェクタ４８によって投影される投影用画像Ｐにより圧迫部材４０の投影面４５に表示される文字情報の向きを異ならせる制御を行う。また、ＭＬＯ撮影において、右の乳房を撮影する場合と、左の乳房を撮影する場合とで、投影用画像Ｐにより圧迫板４０の投影面４５に表示される文字情報の向きを異ならせる制御を行う。
【0093】
ＣＣ撮影、右の乳房のＭＬＯ撮影、及び左の乳房のＭＬＯ撮影の各々では、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きが異なる。本実施形態では、各撮影毎に撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じて、投影用画像Ｐにより圧迫板４０の投影面４５に表示される文字情報の向きを異ならせる制御を行う。これにより本実施形態のコンソール１２では、撮影台３０の撮影面３０Ａに応じて、乳房のポジショニングを行うユーザに取って見易い向きに文字情報が表示される。そのため、本実施形態のコンソール１２によれば、乳房のポジショニングを行うユーザの負担を軽減することができる。
【0094】
［第２実施形態］
本実施形態では、投影用画像Ｐの表示状態の制御について第１実施形態と異なる形態について説明する。
本実施形態では、投影用画像Ｐの表示状態の制御について第１実施形態と異なる形態について説明する。
【0095】
撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きや、圧迫板４０の種類に応じて、照射野が異なる場合がある。
【0096】
一例として、図７Ａ～図７Ｃには、比較的小さな乳房の撮影に用いられる圧迫板４０Ａの投影面４５に表示される情報の表示状態の一例が示されている。図７Ａ～図７Ｃには、比較的小さな乳房の圧迫に用いられる圧迫板４０Ａの投影面４５に対する照射野の領域が照射野１０２として示されている。図７Ａは、ＣＣ撮影の場合を示しており、照射野１０２の位置は、胸壁側かつ中央の位置とされている。図７Ｂは、右の乳房のＭＬＯ撮影の場合を示しており、照射野１０２の位置は、胸壁側かつ右寄りの位置とされている。また、図７Ｃは、左の乳房のＭＬＯ撮影の場合を示しており、照射野１０２の位置は、胸壁側かつ左寄りの位置とされている。このように、比較的小さな乳房の撮影に用いられる圧迫板４０Ａでは、ＣＣ撮影、右の乳房のＭＬＯ撮影、及び左の乳房のＭＬＯ撮影の各々により、圧迫板４０の投影面４５に対する照射野の領域の位置が異なる。
【0097】
また、図７Ａ～図７Ｃに示すように、比較的小さな乳房の撮影では、照射野１０２の大きさが圧迫板４０Ａの投影面４５の大きさよりも小さく、投影面４５の一部の領域が照射野１０２であり、照射野１０２にはスキンライン７０が表示される。また、投影面４５における照射野外１０４には、文字情報が撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じた向きに表示される。
【0098】
具体的には、ＣＣ撮影の場合、図７Ａに示すように、投影面４５の中央にある照射野１０２にはスキンラインが表示される。また、胸壁と反対側の照射野外１０４には文字情報７４１が表示され、照射野１０２の右側には文字情報７４２が表示され、かつ照射野１０２の左側には文字情報７４３が各々、正面向きに表示される。
【0099】
また、右の乳房のＭＬＯ撮影の場合、図７Ｂに示すように、投影面４５の右側にある照射野１０２にはスキンラインが表示される。また、胸壁と反対側の照射野外１０４には文字情報７４１が表示され、照射野１０２の左側には文字情報７４２及び文字情報７４３が各々、左向きに表示される。
【0100】
また、左の乳房のＭＬＯ撮影の場合、図７Ｃに示すように、投影面４５の左側にある照射野１０２にはスキンラインが表示される。また、胸壁と反対側の照射野外１０４には文字情報７４１が表示され、照射野１０２の右側には文字情報７４２及び文字情報７４３が各々、右向きに表示される。
【0101】
また、他の例として、図８Ａ～図８Ｃには、比較的大きな乳房の撮影に用いられる圧迫板４０Ｂの投影面４５に表示される情報の表示状態の一例が示されている。図８ＡはＣＣ撮影の場合を示しており、図８Ｂは右の乳房のＭＬＯ撮影の場合を示しており、図８Ｃは左の乳房のＭＬＯ撮影の場合を示している。図８Ａ～図８Ｃに示すように、比較的大きな乳房の撮影に用いられる圧迫板４０Ｂでは、ＣＣ撮影、右の乳房のＭＬＯ撮影、及び左の乳房のＭＬＯ撮影の各々によらず、照射野１０２の位置が同一とされており、また、照射野１０２の大きさは投影面４５の大きさと同等以上である。なお、照射野１０２の大きさと投影面４５の大きさが同等とは、設計上の誤差等は無視して同等とみなせる状態であればよく、例えば、照射野１０２の大きさと投影面４５の大きさとの差が、投影面４５の面積の±１０％以内であれば同等であるとみなす。
【0102】
照射野１０２の大きさが圧迫板４０の投影面４５の大きさと同等以上であるため、図８Ａ～図８Ｃに示すように、ＣＣ撮影、右の乳房のＭＬＯ撮影、及び左の乳房のＭＬＯ撮影の各々によらず、文字情報７４１～７４３が表示される位置は、同一とされている。具体的には、文字情報７４１～７４３の各々は、胸壁と反対側の照射野１０２に表示される。
【0103】
一方、図８Ａ～図８Ｃに示すように、文字情報７４１～７４３が表示される向きは、上述したように、ＣＣ撮影、右の乳房のＭＬＯ撮影、及び左の乳房のＭＬＯ撮影の各々における撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じた向きとされる。具体的には、ＣＣ撮影の場合、図８Ａに示すように文字情報７４１～７４３が各々、正面向きに表示される。また、右の乳房のＭＬＯ撮影の場合、図８Ｂに示すように文字情報７４１～７４３が各々、右向きに表示される。また、左の乳房のＭＬＯ撮影の場合、図８Ｃに示すように文字情報７４１～７４３が各々、左向きに表示される。
【0104】
そこで、本実施形態の制御部６２は、投影面４５に対する照射野１０２の大きさに応じて、図７Ａ～図７Ｃ、及び図８Ａ～図８Ｃに示したように文字情報７４１～７４３の各々の表示位置を制御する機能を有する。なお、本実施形態のマンモグラフィ装置１０及びコンソール１２のその他の構成は、第１実施形態のマンモグラフィ装置１０及びコンソール１２と同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0105】
一方、本実施形態は、コンソール１２において実行される投影制御処理が第１実施形態と異なるため、本実施形態の投影制御処理について説明する。図９には、本実施形態のコンソール１２において実行される投影制御処理の流れの一例を表したフローチャートが示されている。
【0106】
図９に示すように、本実施形態の投影制御処理は、第１実施形態の投影制御処理（図６参照）のステップＳ１０６とＳ１０８との間にステップＳ１０７の処理を備える点が異なっている。また、本実施形態の投影制御処理は、第１実施形態の投影制御処理のステップＳ１１０の処理に代わりステップＳ１０９、Ｓ１１１Ａ、及びＳ１１１Ｂの処理を備え、ステップＳ１１４の処理に代わりステップＳ１１３Ａ、Ｓ１１５Ａ、及びＳ１１５Ｂの処理を備え、またステップＳ１１０の処理に代わりステップＳ１１３Ｂ、Ｓ１１７Ａ、及びＳ１１７Ｂの処理を備える点が異なっている。
【0107】
図９に示すように、ステップＳ１０７で本実施形態の制御部６２は、照射野１０２の大きさ及び位置を表す放射野情報を取得する。なお、一例として本実施形態では、撮影メニューに照射野情報が含まれており、制御部６２は、撮影メニューから照射野情報を取得する。なお、制御部６２が照射野情報を取得する方法は特に限定されない。例えば、上述したように、圧迫板４０Ａ及び圧迫板４０Ｂ等、圧迫板４０の種類に応じて照射野１０２の大きさが定められており、かつＣＣ撮影等の撮影の種類類に応じて照射野１０２の投影面４５に対する位置が定められている場合、圧迫板識別子と撮影の種類と、照射野情報とを対応付けて記憶部５２等に記憶させておき、撮影メニューにより指定されている撮影の種類及び上記ステップＳ１０４で取得した圧迫板識別子に応じた照射野情報を、制御部６２が記憶部５２等から取得する形態としてもよい。
【0108】
また、図９に示すように、ＣＣ撮影を行う場合、ステップＳ１０８で肯定判定となった後、ステップＳ１０９に移行する。ステップＳ１０９で制御部６２は、照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上であるか否かを判定する。
【0109】
照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上ではない場合、換言すると照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさよりも小さい場合、ステップＳ１０９の判定が否定判定となり、ステップＳ１１１Ａへ移行する。
【0110】
ステップＳ１１１Ａで制御部６２は、スキンラインを含み、かつ照射野外１０４に表示される文字情報の向きが正面向きとなるＣＣ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。すなわち、ステップＳ１１１Ａでは、圧迫板４０Ａの投影面４５に投影するための投影用画像Ｐを生成する。本ステップの処理により生成されたＣＣ投影用画像データが表す投影用画像Ｐをプロジェクタ４８から投影させることにより、圧迫板４０Ａの投影面４５には、上記図７Ａに示した状態の表示がなされる。なお、制御部６２がＣＣ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、第１実施形態の制御部６２と同様に、まず上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが正面向きとなる状態に、照射野外１０４の位置に文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで圧迫板４０Ａの投影面４５に投影させるための投影用画像Ｐを表すＣＣ投影用画像データを生成する。
【0111】
一方、ステップＳ１０９において、照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上である場合、ステップＳ１０９の判定が肯定判定となり、ステップＳ１１１Ｂへ移行する。
【0112】
ステップＳ１１１Ｂで制御部６２は、スキンラインを含み、かつ照射野１０２に表示される文字情報の向きが正面向きとなるＣＣ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。すなわち、ステップＳ１１１Ｂでは、圧迫板４０Ｂの投影面４５に投影するための投影用画像Ｐを生成する。本ステップの処理により生成されたＣＣ投影用画像データが表す投影用画像Ｐをプロジェクタ４８から投影させることにより、圧迫板４０Ｂの投影面４５には、上記図８Ａに示した状態の表示がなされる。なお、制御部６２がＣＣ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、第１実施形態の制御部６２と同様に、まず上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが正面向きとなる状態に、胸壁と反対側の位置に文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで圧迫板４０Ｂの投影面４５に投影させるための投影用画像Ｐを表すＣＣ投影用画像データを生成する。
【0113】
また、図９に示すように、ＭＬＯ撮影において右の乳房の撮影を行う場合、ステップＳ１１２で肯定判定となった後、ステップＳ１１３Ａに移行する。ステップＳ１１３Ａで制御部６２は、照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上であるか否かを判定する。
【0114】
照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上ではない場合、換言すると照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさよりも小さい場合、ステップＳ１１３Ａの判定が否定判定となり、ステップＳ１１５Ａへ移行する。
【0115】
ステップＳ１１５Ａで制御部６２は、スキンラインを含み、かつ照射野外１０４に表示される文字情報の向きが左向きとなるＲＭＬＯ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。すなわち、ステップＳ１１５Ａでは、圧迫板４０Ａの投影面４５に投影するための投影用画像Ｐを生成する。本ステップの処理により生成されたＲＭＬＯ投影用画像データが表す投影用画像Ｐをプロジェクタ４８から投影させることにより、圧迫板４０Ａの投影面４５には、上記図７Ｂに示した状態の表示がなされる。なお、制御部６２がＲＭＬＯ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、第１実施形態の制御部６２と同様に、まず上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが左向きとなる状態に、照射野外１０４の位置に文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで圧迫板４０Ａの投影面４５に投影させるための投影用画像Ｐを表すＲＭＬＯ投影用画像データを生成する。
【0116】
一方、ステップＳ１１３Ａにおいて、照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上である場合、ステップＳ１１３Ａの判定が肯定判定となり、ステップＳ１１５Ｂへ移行する。
【0117】
ステップＳ１１５Ｂで制御部６２は、スキンラインを含み、かつ照射野１０２に表示される文字情報の向きが左向きとなるＲＭＬＯ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。すなわち、ステップＳ１１５Ｂでは、圧迫板４０Ｂの投影面４５に投影するための投影用画像Ｐを生成する。本ステップの処理により生成されたＲＭＬＯ投影用画像データが表す投影用画像Ｐをプロジェクタ４８から投影させることにより、圧迫板４０Ｂの投影面４５には、上記図８Ｂに示した状態の表示がなされる。なお、制御部６２がＲＭＬＯ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、第１実施形態の制御部６２と同様に、まず上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが左向きとなる状態に、胸壁と反対側の位置に文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで圧迫板４０Ｂの投影面４５に投影させるための投影用画像Ｐを表すＲＭＬＯ投影用画像データを生成する。
【0118】
また、図９に示すように、ＭＬＯ撮影において左の乳房の撮影を行う場合、ステップＳ１１２で否定判定となった後、ステップＳ１１３Ｂに移行する。ステップＳ１１３Ｂで制御部６２は、照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上であるか否かを判定する。
【0119】
照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上ではない場合、換言すると照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさよりも小さい場合、ステップＳ１１３Ｂの判定が否定判定となり、ステップＳ１１７Ａへ移行する。
【0120】
ステップＳ１１７Ａで制御部６２は、スキンラインを含み、かつ照射野外１０４に表示される文字情報の向きが左向きとなるＬＭＬＯ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。すなわち、ステップＳ１１７Ａでは、圧迫板４０Ａの投影面４５に投影するための投影用画像Ｐを生成する。本ステップの処理により生成されたＬＭＬＯ投影用画像データが表す投影用画像Ｐをプロジェクタ４８から投影させることにより、圧迫板４０Ａの投影面４５には、上記図７Ｃに示した状態の表示がなされる。なお、制御部６２がＬＭＬＯ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、第１実施形態の制御部６２と同様に、まず上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが右向きとなる状態に、照射野外１０４の位置に文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで圧迫板４０Ａの投影面４５に投影させるための投影用画像Ｐを表すＬＭＬＯ投影用画像データを生成する。
【0121】
一方、ステップＳ１１３Ｂにおいて、照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさと同等以上である場合、ステップＳ１１３Ｂの判定が肯定判定となり、ステップＳ１１７Ｂへ移行する。
【0122】
ステップＳ１１７Ｂで制御部６２は、スキンラインを含み、かつ照射野１０２に表示される文字情報の向きが右向きとなるＬＭＬＯ投影用画像データを生成した後、ステップＳ１１８へ移行する。すなわち、ステップＳ１１７Ｂでは、圧迫板４０Ｂの投影面４５に投影するための投影用画像Ｐを生成する。本ステップの処理により生成されたＬＭＬＯ投影用画像データが表す投影用画像Ｐをプロジェクタ４８から投影させることにより、圧迫板４０Ｂの投影面４５には、上記図８Ｃに示した状態の表示がなされる。なお、制御部６２がＬＭＬＯ投影用画像データを生成する方法は特に限定されない。一例として本実施形態の制御部６２は、第１実施形態の制御部６２と同様に、まず上記ステップＳ１０６で取得した放射線画像から乳房の形状を表すスキンラインを表すスキンライン画像を生成する。さらに、制御部６２は、文字が表示される向きが右向きとなる状態に、胸壁と反対側の位置に文字情報７４１、７４２、及び７４３を表す画像と、スキンライン画像とを組み合わせることで圧迫板４０Ｂの投影面４５に投影させるための投影用画像Ｐを表すＬＭＬＯ投影用画像データを生成する。
【0123】
このように、本実施形態のコンソール１２は、圧迫板４０の投影面４５に対する照射野１０２の大きさ及び位置に応じて、投影用画像Ｐにより圧迫板４０の投影面４５に表示される文字情報７４１～７４３の表示位置を異ならせる制御を行う。本実施形態のコンソール１２では、照射野１０２の大きさが投影面４５の大きさよりも小さい場合、照射野外１０４に文字情報７４１～７４３を表示させる。そのため、ユーザが、文字情報７４１～７４３が表示された位置により、照射野外１０４の位置、ひいては照射野１０２の位置を認識することができる。また、本実施形態のコンソール１２では、第１実施形態のコンソール１２と同様に、各撮影毎に撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じて、投影用画像Ｐにより圧迫板４０の投影面４５に表示される文字情報の向きを異ならせる制御を行う。そのため、本実施形態のコンソール１２によれば、乳房のポジショニングを行うユーザの負担を軽減することができる。
【0124】
以上説明したように、上記各形態のコンソール１２は、少なくとも１つのプロセッサとしてＣＰＵ５０Ａを備える。ＣＰＵ５０Ａは、撮影台３０の撮影面３０Ａと圧迫板４０との間で圧迫状態とした乳房に放射線源３７Ｒから放射線Ｒを照射させて放射線画像を撮影するマンモグラフィ装置１０における、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きを表す傾き情報を取得する。また、ＣＰＵ５０Ａは、プロジェクタ４８により投影用画像が投影されることにより圧迫板４０の投影面４５に表示される情報を、傾き情報が表す傾きに応じて調整する制御を行う。
【0125】
撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じて、乳房のポジショニングを行う際にユーザが立つ位置が定まる。上記各形態のコンソール１２は、圧迫板４０の投影面４５に表示される情報を、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じて調整するため、ユーザが立つ位置に応じて調整することになる。そのため、上記各形態のコンソール１２によれば、ユーザが見易い状態に情報が表示される。従って、上記各形態のコンソール１２によれば、乳房のポジショニングを行うユーザの負担を軽減することができる。
【0126】
なお、上記各形態では、ユーザから投影の開始を指示された場合に、プロジェクタ４８による投影用画像Ｐの投影を開始させる形態について説明したが、投影用画像Ｐの投影を開始させるタイミングは本形態に限定されない。例えば、マンモグラフィ装置１０にコンソール１２から撮影メニューが指示されたタイミング等であってもよい。
【0127】
また、マンモグラフィ装置１０において投影用画像Ｐを投影するための構成は限定されず、上記各形態で説明したプロジェクタ４８を用いた形態に限定されない。また、プロジェクタ４８を適用する場合、プロジェクタ４８の構成も限定されるものではない。例えば、上記各形態では、プロジェクタ４８から投影された投影用画像Ｐを、投影面４５に直接投影させる形態について説明したが、ミラー等を介して投影用画像Ｐを反射させて投影面４５に投影させる形態であってもよい。この場合、ミラー等により投影用画像Ｐを投影させる向きを調整することができる。また例えば、プロジェクタ４８の投影部４８Ｂの前に投影光を遮るシャッタ等を設けた形態としてもよい。この場合、シャッタの開閉により投影用画像Ｐの投影面４５への投影を制御する形態とすることができる。具体的には、投影用画像Ｐの投影を開始する場合、シャッタを開けて投影光を透過させる制御を行う。一方、投影用画像Ｐの投影を終了する場合、シャッタを閉じて投影光を遮断させる制御を行う。
【0128】
また、上記各形態では、説明を省略したが、プロジェクタ４８の電源部４８Ａをオン状態にさせるタイミングは、投影用画像Ｐの投影前であればよく、具体的なタイミングは限定されない。例えば、コンソール１２において投影制御処理の実行開始直後のタイミングであってもよいし、投影用画像Ｐを投影させる直前のタイミングであってもよい。
【0129】
また、上記各形態では、乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報としてスキンラインを適用した形態について説明したが、乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報はスキンラインに限定されない。乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報は、ユーザが圧迫板４０により圧迫状態とする乳房のポジショニングをガイドするための情報であればよい。例えば、乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報として、ニップルの位置を表す情報を用いてもよい。また、乳房の形状及び位置の少なくとも一方を表す情報として、乳房を撮影した放射線画像そのものであってもよい。
【0130】
また、圧迫板４０の投影面４５に表示させる文字情報は、文字情報７４１～７４３に限定されないが、上記各形態の文字情報７４１～７４３のように、過去及び現在の撮影における乳房を圧迫板４０により圧迫する圧迫圧、圧迫された乳房の厚み、及び傾きの具合を表す情報の少なくとも一つを含んでいることが好ましい。
【0131】
なお、現在の撮影における圧迫圧を文字情報とする場合、例えば、圧迫ユニット３６に設けた圧迫圧検出センサにより圧迫板４０に係る圧力である圧迫圧を検出し、検出した圧迫圧を制御部６２が取得して文字情報に適用する形態としてもよい。この場合の圧迫圧検出センサの例としては、半導体式圧力センサ、静電容量式圧力センサ、及びロードセル等の歪ゲージ等が挙げられる。また、圧迫圧として、圧迫板４０が乳房全体を圧迫する圧迫力を適用してもよいし、単位面積当たりの圧迫力である圧迫圧力を適用してもよい。また、現在の撮影における乳房の厚みを文字情報とする場合、例えば、圧迫板駆動部４２による圧迫板４０の移動量を取得し、圧迫板４０の移動量に基づいて制御部６２が圧迫板４０と撮影台３０の撮影面３０Ａとの間隔を乳房の厚みとして導出して文字情報に適用する形態としてもよい。
【0132】
また、上記各形態では、傾きの具合を表す情報の一例として撮影の種類を表す情報を適用する形態について説明したが、傾きの具合を表す情報は、本形態に限定されない。例えば、傾きの具合を表す情報として、撮影台３０の撮影面３０Ａが傾いている角度そのものや、アーム部３２の回転角度等を適用してもよい。また、文字情報は、撮影日時や撮影者等の現在の撮影に関する情報、被検者の氏名等の被検者に関する情報、及び撮影者に関する情報等であってもよい。
【0133】
また、上記各形態では、投影用画像Ｐの大きさを投影面４５の大きさ以下とした形態について説明したが、投影用画像Ｐの大きさは、圧迫板４０の投影面４５の大きさ以上であってもよい。すなわち、投影用画像Ｐが、撮影台３０の撮影面３０Ａにまで投影される形態であってもよい。また、投影用画像Ｐが、撮影台３０のみに投影される形態であってもよい。また例えば、投影用画像Ｐが圧迫板４０の壁部４１Ｂに表示される形態としてもよい。なお、投影用画像Ｐが圧迫板４０の壁部４１Ｂに表示される形態とした場合、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じて、表示される壁部４１Ｂ異ならせてもよい。例えば、図２Ｃに示した圧迫板４０では、圧迫部４１が矩形状のため、矩形状の４辺の各々に壁部４１Ｂを有する。この場合、制御部６２は、撮影台３０の撮影面３０Ａの傾きに応じて定まる位置において、乳房のポジショニングを行うユーザにとって見易い壁部４１Ｂに投影用画像Ｐを表示させるための制御を行ってもよい。
【0134】
また、上記各形態では、コンソール１２が本開示の制御装置の一例である形態について説明したが、コンソール１２以外の装置が本開示の制御装置の機能を備えていてもよい。換言すると、取得部６０及び制御部６２の機能の一部または全部をコンソール１２以外の、例えばマンモグラフィ装置１０や、外部の装置等が備えていてもよい。具体的には、コンソール１２以外の装置がプロセッサ及び投影制御プログラム５１を備え、プロセッサが投影制御プログラム５１を実行することにより、取得部６０及び制御部６２として機能する形態としてもよい。
【0135】
また、上記各形態において、例えば、取得部６０及び制御部６２といった各種の処理を実行する処理部（processing unit）のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ（processor）を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア（プログラム）を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるＣＰＵに加えて、ＦＰＧＡ（Field Programmable Gate Array）等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス（Programmable Logic Device：PLD）、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0136】
１つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの１つで構成されてもよいし、同種又は異種の２つ以上のプロセッサの組み合わせ（例えば、複数のＦＰＧＡの組み合わせや、ＣＰＵとＦＰＧＡとの組み合わせ）で構成されてもよい。また、複数の処理部を１つのプロセッサで構成してもよい。
【0137】
複数の処理部を１つのプロセッサで構成する例としては、第１に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、１つ以上のＣＰＵとソフトウェアの組み合わせで１つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第２に、システムオンチップ（System On Chip：SoC）等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を１つのＩＣ（Integrated Circuit）チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの１つ以上を用いて構成される。
【0138】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路（circuitry）を用いることができる。
【0139】
また、上記各形態では、投影制御プログラム５１がＲＯＭ５０Ｂに予め記憶（インストール）されている態様を説明したが、これに限定されない。投影制御プログラム５１は、ＣＤ－ＲＯＭ（Compact Disc Read Only Memory）、ＤＶＤ－ＲＯＭ（Digital Versatile Disc Read Only Memory）、及びＵＳＢ（Universal Serial Bus）メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、投影制御プログラム５１は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0140】
１ 放射線画像撮影システム
２ ＲＩＳ
１０ マンモグラフィ装置
１２ コンソール
２０、５０ 制御部、２０Ａ、５０Ａ ＣＰＵ、２０Ｂ、５０Ｂ ＲＯＭ、２０Ｃ、５０Ｃ ＲＡＭ
２１ 撮影処理プログラム
２２、５２ 記憶部
２４、５４ Ｉ／Ｆ部
２６、５６ 操作部
２７、５８ 表示部
２８ 放射線検出器
３０ 撮影台、３０Ａ 撮影面
３２ アーム部
３４ 基台
３５ 軸部
３６ 圧迫ユニット
３７ 放射線照射部、３７Ｒ 放射線源
３８ フェイスガード
４０、４０Ａ、４０Ｂ 圧迫板
４１ 圧迫部、４１Ａ 底部、４１Ｂ 壁部
４２ 圧迫板駆動部
４４ 圧迫板検出センサ
４５ 投影面
４６ 支持部、４６Ａ 取付部、４６Ｂ 腕
４８ プロジェクタ、４８Ａ 電源部、４８Ｂ 投影部
４９、５９ バス
５１ 投影制御プログラム
６０ 取得部
６２ 制御部
７０ スキンライン
７４１～７４３ 文字情報
１０２ 照射野
１０４ 照射野外
Ｐ 投影用画像
Ｒ 放射線
２ ＲＩＳ
１０ マンモグラフィ装置
１２ コンソール
２０、５０ 制御部、２０Ａ、５０Ａ ＣＰＵ、２０Ｂ、５０Ｂ ＲＯＭ、２０Ｃ、５０Ｃ ＲＡＭ
２１ 撮影処理プログラム
２２、５２ 記憶部
２４、５４ Ｉ／Ｆ部
２６、５６ 操作部
２７、５８ 表示部
２８ 放射線検出器
３０ 撮影台、３０Ａ 撮影面
３２ アーム部
３４ 基台
３５ 軸部
３６ 圧迫ユニット
３７ 放射線照射部、３７Ｒ 放射線源
３８ フェイスガード
４０、４０Ａ、４０Ｂ 圧迫板
４１ 圧迫部、４１Ａ 底部、４１Ｂ 壁部
４２ 圧迫板駆動部
４４ 圧迫板検出センサ
４５ 投影面
４６ 支持部、４６Ａ 取付部、４６Ｂ 腕
４８ プロジェクタ、４８Ａ 電源部、４８Ｂ 投影部
４９、５９ バス
５１ 投影制御プログラム
６０ 取得部
６２ 制御部
７０ スキンライン
７４１～７４３ 文字情報
１０２ 照射野
１０４ 照射野外
Ｐ 投影用画像
Ｒ 放射線
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
