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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022060592
(43)【公開日】2022-04-14
(54)【発明の名称】発光モジュール
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220407BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220407BHJP
【FI】
F21S2/00 419
F21S2/00 423
F21Y115:10
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022029735
(22)【出願日】2022-02-28
(62)【分割の表示】P 2020155192の分割
【原出願日】2020-09-16
(31)【優先権主張番号】P 2019179846
(32)【優先日】2019-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】榎村 恵滋
(57)【要約】
【課題】輝度ムラを少なくすることができる発光モジュールを提供すること。
【解決手段】第1方向において隙間に隣接する領域に配置された発光装置は、第1方向において隙間に隣接する領域の中心から第1方向において前記隙間側にずれて位置する。複数の内側領域のうち第1方向において隣接する2つの内側領域のそれぞれに配置された発光装置の中心間の第1方向の距離をdX1とし、第1方向において隙間に隣接する領域に配置された発光装置の中心と、複数の内側領域のうち第1方向において隙間に隣接する領域に第1方向において隣接する内側領域に配置された発光装置の中心と、の間の第1方向の距離をdX2とすると、dX1は、dX2よりも短い。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対側の第2面と、側面とをそれぞれが有し、前記側面どうしの間に隙間を隔てて第1方向に並べられた複数の導光板と、
それぞれの前記導光板の前記第2面側に設けられた複数の発光装置と、
を備え、
前記複数の発光装置のそれぞれは、前記導光板を前記第1面側から見て複数に区切られた複数の領域に配置され、
前記複数の領域は、前記第1方向において前記隙間に隣接する領域と、前記第1方向において前記隙間に隣接する領域よりも前記第1方向において内側に位置する複数の内側領域と、を有し、
前記第1方向において前記隙間に隣接する領域に配置された発光装置は、前記第1方向において前記隙間に隣接する領域の中心から前記第1方向において前記隙間側にずれて位置し、
前記複数の内側領域のうち前記第1方向において隣接する2つの内側領域のそれぞれに配置された発光装置の中心間の前記第1方向の距離をdX1とし、
前記第1方向において前記隙間に隣接する領域に配置された発光装置の中心と、前記複数の内側領域のうち前記第1方向において前記隙間に隣接する領域に前記第1方向において隣接する内側領域に配置された発光装置の中心と、の間の前記第1方向の距離をdX2とすると、
X1は、dX2よりも短い発光モジュール。
【請求項2】
前記内側領域に配置された前記発光装置は、前記内側領域の中心に位置する請求項1記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記複数の導光板は、前記第1方向、および前記第1方向に直交する第2方向に並べられ、
前記複数の領域は、前記第2方向において前記隙間に隣接する領域を有し、
前記複数の内側領域は、前記第2方向において前記隙間に隣接する領域よりも前記第2方向において内側に位置し、
前記第2方向において前記隙間に隣接する領域に配置された発光装置は、前記第2方向において前記隙間に隣接する領域の中心から前記第2方向において前記隙間側にずれて位置し、
前記複数の内側領域のうち前記第2方向において隣接する2つの内側領域のそれぞれに配置された発光装置の中心間の前記第2方向の距離をdY1とし、
前記第2方向において前記隙間に隣接する領域に配置された発光装置の中心と、前記複数の内側領域のうち前記第2方向において前記隙間に隣接する領域に前記第2方向において隣接する内側領域に配置された発光装置の中心と、の間の前記第2方向の距離をdY2とすると、
Y1は、dY2よりも短い請求項1または2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記複数の領域は、前記隙間かつ前記導光板の角部に隣接する領域を有し、前記隙間かつ前記導光板の角部に隣接する領域に配置された発光装置は、前記隙間かつ前記導光板の角部に隣接する領域の中心から前記角部側にずれて位置する請求項1~3のいずれか1つに記載の発光モジュール。
【請求項5】
前記複数の発光装置は、前記第1方向および前記第2方向に整列している請求項3または4に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)などの発光素子と、導光板とを組み合わせた発光モジュールは、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面光源に広く利用されている。また、例えば特許文献1には、大画面の表示装置にも適用することが可能なように、複数の単位バックライト部を互いに隣接して平面的に配列したバックライト装置が開示されている。特許文献1に開示のバックライト装置は、導光板の端部にLED素子を配置したサイドライト型であり、隣接する単位バックライト部の導光板同士の境界部に配置した回路基板上にLED素子列を実装した構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-103301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
隙間を空けて複数の導光板を並べる場合において、サイドライト型ではない構成では導光板間の隙間の存在が暗部の発生につながり、発光面に輝度ムラを生じさせ得る。
【0005】
本発明は、輝度ムラを少なくすることができる発光モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、発光モジュールは、1面と、前記第1面の反対側の第2面と、側面とをそれぞれが有し、前記側面どうしの間に隙間を隔てて第1方向に並べられた複数の導光板と、それぞれの前記導光板の前記第2面側に設けられた複数の発光装置と、を備え、前記複数の発光装置のそれぞれは、前記導光板を前記第1面側から見て複数に区切られた複数の領域に配置され、前記複数の領域は、前記第1方向において前記隙間に隣接する領域と、前記第1方向において前記隙間に隣接する領域よりも前記第1方向において内側に位置する複数の内側領域と、を有し、前記第1方向において前記隙間に隣接する領域に配置された発光装置は、前記第1方向において前記隙間に隣接する領域の中心から前記第1方向において前記隙間側にずれて位置し、前記複数の内側領域のうち前記第1方向において隣接する2つの内側領域のそれぞれに配置された発光装置の中心間の前記第1方向の距離をdX1とし、前記第1方向において前記隙間に隣接する領域に配置された発光装置の中心と、前記複数の内側領域のうち前記第1方向において前記隙間に隣接する領域に前記第1方向において隣接する内側領域に配置された発光装置の中心と、の間の前記第1方向の距離をdX2とすると、dX1は、dX2よりも短い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、輝度ムラを少なくすることができる発光モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態の発光モジュールの模式平面図である。
図2図1のA-A線における拡大断面図である。
図3】本発明の実施形態の発光モジュールにおける発光装置の模式断面図である。
図4】本発明の実施形態の発光モジュールにおける他の例を示す図2と同様の拡大断面図である。
図5】本発明の実施形態の発光モジュールの模式断面図である。
図6】本発明の実施形態の発光モジュールにおけるさらに他の例を示す図2と同様の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0010】
図1は、本発明の実施形態の発光モジュールの模式平面図である。図1において互いに直交する2方向を第1方向Xおよび第2方向Yとする。
【0011】
本実施形態の発光モジュールは、複数の発光セグメント1を有する。複数の発光セグメント1がXY面内に並べられている。図1には、例えば、第1方向Xおよび第2方向Yに沿って格子状に並べられた4つの発光セグメント1を示す。
【0012】
図2は、図1のA-A線における拡大断面図である。
【0013】
それぞれの発光セグメント1は、1つの導光板10と、n(nは2以上の自然数)個の発光装置20とを有する。以下、n個の発光装置20を、単に複数の発光装置20と表す場合もある。
【0014】
発光装置20は、発光素子21と透光性部材22とを有する。透光性部材22は、例えば蛍光体を含む。導光板10は、発光装置20が発する光に対する透過性を有する。本明細書において、発光装置20が発する光とは、発光素子21が発する光、および透光性部材22に含まれる蛍光体が発する光を表す。発光装置20が蛍光体を含まない場合には、発光装置20が発する光は、発光素子21が発する光を表す。
【0015】
導光板10の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ、シリコーン等の熱硬化性樹脂、ガラスなどを用いることができる。
【0016】
導光板10は、発光セグメント1の発光面となる第1面11と、第1面11の反対側の第2面12とを有する。さらに、導光板10は、第2面12側に凹部13を有する。発光装置20は、凹部13に配置されている。
【0017】
図3は、発光装置20の模式断面図である。
【0018】
発光装置20は発光素子21を有する。発光素子21は半導体積層構造を有する。発光素子21は、半導体積層構造として、例えば、InAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含み、青色光を発光することができる。発光素子21は、青色以外の光を出射する素子を用いてもよい。また、複数の発光装置20を構成する発光素子21として、異なる色の光を発する発光素子21を用いてもよい。
【0019】
発光素子21の主発光面21a上に透光性部材22が設けられている。発光素子21は、透光性接着部材24によって透光性部材22に接着されている。透光性部材22は、発光素子21の主発光面21aを覆うとともに、発光素子21の側面21bよりも外側の領域に広がっている。
【0020】
透光性部材22の材料として、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ガラスなどを用いることができる。透光性部材22は例えば蛍光体層であり、透光性部材22に蛍光体が分散されている。蛍光体は、発光素子21が発する光によって励起され、発光素子21が発する光の波長とは異なる波長の光を発する。例えば、蛍光体として、YAG蛍光体、βサイアロン蛍光体、KSF系蛍光体又はMGF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、窒化物蛍光体などを用いることができる。透光性部材22は、複数種類の蛍光体を含んでいてもよい。また、上記蛍光体層を複数積層させてもよい。
【0021】
発光素子21の主発光面21aの反対側には、正負の一対の電極23が設けられている。発光素子21の側面21bは、光反射部材26で覆われている。光反射部材26は、発光素子21の下面における一対の電極23の表面(図2における下面)が露出するように発光素子21の下面にも設けられている。
【0022】
図2に示すように、発光素子21は透光性部材22よりも第2面12に近い側に位置し、透光性部材22は発光素子21よりも第1面11に近い側に位置する。
【0023】
発光装置20が配置された凹部13の側壁13aと、発光装置20の側面(透光性部材22の側面および光反射部材26の側面)との間には、光透過性部材31が設けられている。この光透過性部材31によって、発光装置20は導光板10に固定されている。1つの導光板10には複数の発光装置20が固定されている。
【0024】
光透過性部材31は、発光装置20が発する光に対する透過性を有し、例えば、導光板10の材料と同じ樹脂、または導光板10の材料との屈折率差が小さい樹脂を用いることができる。
【0025】
発光装置20の側面と光透過性部材31との間、および凹部13の側壁13aと光透過性部材31との間には、空気層等の空間が形成されないことが好ましい。発光装置20の透光性部材22の側面と導光板10との間に空気層が介在しないことにより、透光性部材22と導光板10との間の屈折率差を、空気層が介在する場合よりも小さくでき、透光性部材22から導光板10への光の取り込み効率を向上できる。
【0026】
導光板10の第1面11側における発光装置20に対向する部分に凹部15が形成され、その凹部15に光反射部材44が設けられている。凹部15の平面視でのサイズは、発光装置20が配置された第2面12側の凹部13の平面視でのサイズよりも大きい。なお、本明細書において平面視とは、発光セグメント1の発光面である第1面11側から見た平面視を表す。
【0027】
導光板10の第2面12側における発光装置20の周辺に光反射部材41が設けられている。光反射部材41は、光透過性部材31の下方、および光反射部材26の側面に設けられ、蛍光体を含む透光性部材22の側面には設けられていない。透光性部材22の側面は、光透過性部材31によって覆われている。光反射部材41は、凹部13の周辺の第2面12に設けられている。
【0028】
導光板10の第2面12における光反射部材41の外側に、光反射部材42が設けられている。光反射部材42は、接着層33によって第2面12に貼り付けられている。接着層33は、発光装置20が発する光に対する透過性を有する例えば樹脂層である。
【0029】
導光板10は、第1面11および第2面12に対して傾斜した傾斜側面14を有する。傾斜側面14と第2面12とは例えば鈍角を形成して連続している。傾斜側面14には、光反射部材43が設けられている。光反射部材43は、傾斜側面14と第2面12とがなす角を覆うように、第2面12の一部にも設けられている。
【0030】
また、導光板10は、傾斜側面14よりも外側に位置する最外側面18を有する。最外側面18は光反射部材43で覆われず、発光セグメント1の外部に露出している。
【0031】
第2面12に設けられた光反射部材42は、発光セグメント1の端部に設けられた光反射部材43と、発光装置20の周辺に設けられた光反射部材41との間に設けられている。また、光反射部材42は、複数の発光装置20の間における光反射部材41の間の第2面12に設けられている。光反射部材41と光反射部材42との境界は、導光板10の厚さ方向において光反射部材44に重なる位置にある。
【0032】
光反射部材42の下面、光反射部材41の下面、および光反射部材26の下面には配線51が設けられている。配線51は、発光素子21の電極23と接続されている。一対の電極23の間において、配線51は分離している。
【0033】
配線51には配線板50が貼り合わされている。配線板50は例えばフレキシブル配線基板である。配線板50は、基材52と、配線53と、導電ビア54とを有する。配線51と配線53との間に絶縁性の基材52が設けられている。基材52は、光反射部材43の下面にも貼り付けられている。
【0034】
導電ビア54は、基材52を貫通し、配線51と配線53とを接続している。配線53の表面には絶縁膜55が設けられている。
【0035】
導光板10の第1面11における光反射部材42に対向する領域に、凹部16が形成されている。または、導光板10の第1面11に凸部を形成してもよい。凹部16(または凸部)は、例えば、発光装置20に対向する凹部15の周辺に同心円状に形成されている。または、凹部16(または凸部)は、ドット状に形成してもよい。凹部16(または凸部)は、光を屈折や反射させるプリズムとして機能する。
【0036】
光反射部材41、光反射部材43、光反射部材44、および光反射部材26は、例えば、光拡散材を含む白色の樹脂部材である。光反射部材41、光反射部材43、光反射部材44、および光反射部材26は、例えば、光拡散材として酸化チタンを含むシリコーン樹脂またはエポキシ樹脂の部材である。
【0037】
光反射部材42は、例えば、複数の絶縁膜の積層膜を含む。この絶縁膜として、例えばポリエステル系樹脂を用いることができる。光反射部材42は、光拡散材を含有していない。または、光反射部材42における光拡散材の含有率は、光反射部材41、光反射部材43、光反射部材44、および光反射部材26のそれぞれにおける光拡散材の含有率よりも低い。
【0038】
光反射部材41、光反射部材43、光反射部材44、および光反射部材26のそれぞれにおける発光装置20が発する光に対する拡散反射率は、光反射部材42における発光装置20が発する光に対する拡散反射率よりも高い。
【0039】
発光装置20が発する光の、光反射部材41、光反射部材43、光反射部材44、および光反射部材26のそれぞれにおける拡散反射率は、鏡面反射率よりも高い。発光装置20が発する光の、光反射部材42における拡散反射率は鏡面反射率よりも低い。
【0040】
光反射部材44における光拡散材の含有率は、光反射部材41、光反射部材43、および光反射部材26のそれぞれにおける光拡散材の含有率よりも低い。そのため、光反射部材44における発光装置20が発する光に対する透過率は、光反射部材41、光反射部材43、および光反射部材26のそれぞれにおける発光装置20が発する光に対する透過率よりも高い。
【0041】
光反射部材44は、発光装置20の上方に出射された光を適度に透過させつつ、下方や横方向に拡散させる。すなわち、光反射部材44は、発光セグメント1の発光面(第1面11)において、発光装置20の直上領域を暗くなりすぎもせず、明るくなりすぎもしないようにする。
【0042】
発光装置20から第2面12側に向かって出射した光は、光反射部材41によって上方へと拡散反射され、発光面である第1面11から取り出される光の輝度を向上できる。
【0043】
発光素子21の側面に設けられた光反射部材26は、発光素子21から、蛍光体が含まれる透光性部材22を経由せずに導光板10に入射する光を抑制する。
【0044】
光反射部材41および光反射部材26は、発光装置20の近傍の配線板50の基材52が発光素子21の光にさらされるのを抑制し、基材52の劣化を防ぐことができる。
【0045】
光反射部材41や光反射部材44で拡散反射された光の一部は、第2面12側の光反射部材42や第1面11に向かって進む。光反射部材42と第1面11との間の領域においては、光反射部材42での鏡面反射と、第1面11での全反射とが繰り返されつつ、発光装置20からの光が導光板10の端部に向かって導光板10内を導光される。第1面11に向かった光の一部は第1面11から導光板10の外部に取り出される。
【0046】
光反射部材42として、発光装置20が発する光を拡散反射させる特性よりも鏡面反射させる特性が高いものを用いることで、導光板10の端部(傾斜側面14および最外側面18)まで光を導光させやすくできる。発光装置20と導光板10の端部との間の距離や、複数の発光装置20の間の距離が長くなっても、導光板10の全領域に光を導光させやすくなる。これは、発光面(第1面11)内における輝度ムラを少なくすることができる。また、導光板10に配置する発光装置20の数の低減につながる。
【0047】
導光板10の傾斜側面14に導光された光は、傾斜側面14に設けられた光反射部材43によって、第1面11に向かって拡散反射され、導光板10の端部における第1面11から取り出される光の輝度を向上できる。
【0048】
また、光反射部材43は、隣り合う発光セグメント1間の導光を抑制する。例えば、発光状態の発光セグメント1から、非発光状態の発光セグメント1への導光が制限される。
【0049】
本実施形態によれば、配線板50にではなく、導光板10に発光装置20を保持させ導光板10と発光装置20とを一体に構成するため、導光板10に対して高い位置精度で発光装置20を配置できる。これは、導光板10の発光面内における輝度分布のムラを抑制する。
【0050】
図1に示すように、複数の発光セグメント1は隙間100を隔てて第1方向Xおよび第2方向Yに並べられる。すなわち、第1方向Xで隣り合う発光セグメント1における図2に示す導光板10の最外側面18どうし、および光反射部材43の側面どうしの間に、第2方向に延びる隙間100が形成される。第2方向Yで隣り合う発光セグメント1における導光板10の最外側面18どうし、および光反射部材43の側面どうしの間に、第1方向に延びる隙間100が形成される。隙間100は例えば1mm以下である。
【0051】
発光セグメント1間の隙間100は、温度や湿度の影響による導光板10の伸縮を許容し、隣り合う導光板10のうち一方の導光板10が他方の導光板10を圧迫することによる導光板10の変形や破損を防ぐことができる。
【0052】
図1に示すように、n個の発光装置20のそれぞれは、導光板10を第1面11側から見てn個に区切られたn個の領域90に配置されている。図1に示す例では、外形が四角形の発光セグメント1を破線で仮想的に表すように第1方向Xおよび第2方向Yにn(例えば16)等分してn個の領域90が形成され、それぞれの領域90に1つの発光装置20が配置されている。各領域90の中心Cを点で表す。中心Cは、四角形状の各領域90における2本の対角線の交点に位置する。または、領域90が円の場合には、中心Cは円の中心を表す。
【0053】
また、図1に示す本実施形態では、1つの領域90に1つの発光装置20が配置されているが、1つの領域90に複数の発光装置20を配置することもできる。なお、例えば、1つの領域90に2つの発光装置20を配置する場合、2つの発光装置20の中心を結ぶ直線の重心の位置が、本実施形態における1つの発光装置20の位置に相当する。また、1つの領域90に3つ以上の発光装置20を配置する場合、各発光装置20の中心を頂点とする多角形の重心の位置が、本実施形態における1つの発光装置20の位置に相当する。
【0054】
n個の領域90のうち隙間100に隣接する領域90に配置された発光装置20は、領域90の中心Cから隙間100側にずれて位置する。隙間100に隣接する領域90に配置された発光装置20が、領域90の中心Cから隙間100側にずれた方向を図1において矢印で表す。第1方向Xに延びる隙間100に隣接する領域90に配置された発光装置20が領域90の中心Cから隙間100側にずれる方向は、第1方向Xと垂直な方向(第2方向Y)である。第2方向Yに延びる隙間100に隣接する領域90に配置された発光装置20が領域90の中心Cから隙間100側にずれる方向は、第2方向Yと垂直な方向(第1方向X)である。
【0055】
隙間100および発光モジュールの最外辺部のどちらにも隣接しない領域90に配置された発光装置20は、領域90の中心Cに位置する。すなわち、隙間100に隣接する領域90および最外辺部に隣接する領域90よりも内側の領域90に配置された発光装置20は、領域90の中心Cに位置する。
【0056】
内側の領域90であって第1方向Xで互いに隣接する領域90に配置された発光装置20の中心間の第1方向Xの距離dX1は、内側の領域90に配置された発光装置20の中心と、この内側の領域90に隣接し且つ隙間100(または最外辺部)に隣接する領域90に配置された発光装置20の中心との間の第1方向Xの距離dX2よりも短い。
【0057】
第2方向Yについても同様に、内側の領域90であって第2方向Yで互いに隣接する領域90に配置された発光装置20の中心間の第2方向Yの距離dY1は、内側の領域90に配置された発光装置20の中心と、この内側の領域90に隣接し且つ隙間100(または最外辺部)に隣接する領域90に配置された発光装置20の中心との間の第2方向Yの距離dY2よりも短い。
【0058】
発光セグメント1間の隙間100には導光板10が存在せず、発光面である第1面11の平面視において隙間100の上の輝度は、導光板10がある領域の輝度よりも暗くなりやすい。
【0059】
本実施形態では、n個の発光装置20のうちで相対的に隙間100に近い発光装置20、すなわちn個の領域90のうちで隙間100に隣接する領域90に配置された発光装置20を、領域90の中心Cよりも隙間100側にシフトすることで、発光面において隙間100の上の輝度の低下を抑制し、発光面内全体における輝度ムラを少なくすることができる。図2に示す凹部13内で発光装置20を隙間100側にシフトさせてもよく、または、凹部13の位置とともに発光装置20を隙間100側にシフトさせてもよい。
【0060】
また、図1に示すように異なる2方向(第1方向Xおよび第2方向Y)に4つ以上の発光セグメント1を並べた場合、第1方向Xに延びる隙間100と第2方向Yに延びる隙間100との交差部が形成される。その隙間100の交差部には、それぞれ異なる発光セグメント1の導光板10の4つの角部19が隣接する。
【0061】
隙間100の交差部も導光板10が存在しない領域であり、輝度が相対的に低くなりやすい。本実施形態では、n個の領域90のうち隙間100かつ導光板10の角部19に隣接する領域90に配置された発光装置20を、領域90の中心Cから角部19側にずらして位置させることで、隙間100の交差部における輝度の低下を抑制し、発光面内全体における輝度ムラを少なくすることができる。
【0062】
また、本実施形態では、発光モジュールの最外辺部に隣接する領域90に配置された発光装置20を、領域90の中心Cから最外辺部側にずらしている。発光モジュールの最外辺部に隣接する領域90の中でも発光モジュール全体の角部に隣接する領域90に配置された発光装置20は、発光モジュールの角部側にずらしている。これにより、発光モジュールの発光面において外周側の輝度の低下を抑制し、発光面内全体における輝度ムラを少なくすることができる。
【0063】
1つの導光板10においてn個の発光装置20のうちのいくつかを隙間100、角部19、最外辺部側にシフトさせつつも、n個の発光装置20は第1方向Xおよび第2方向Yに沿って整列している。第1方向Xに沿った発光装置20の列、および第2方向Yに沿った発光装置20の列からはみ出して位置する発光装置20がない。これにより、発光装置20の不整列による輝度ムラを抑制することができる。
【0064】
図5は、隣り合う2つの発光セグメントの構成を簡易的に表した模式断面図である。
【0065】
1つの導光板10は、他の導光板10に隣接する第1端部と、他の導光板10に隣接しない第2端部とを有する。第1端部および第2端部には、図2に示す前述した傾斜側面14および最外側面18が形成されている。第1端部および第2端部には光反射部材43が設けられている。
【0066】
第1端部に設けられた光反射部材43を図5において第1光反射部材43aとし、第2端部に設けられた光反射部材43を図5において第2光反射部材43bとする。隣り合う導光板10のそれぞれに設けられた第1光反射部材43a同士の間に隙間100が存在する。
【0067】
第1光反射部材43aの上端の高さは、第2光反射部材43bの上端の高さよりも低い。ここでの高さは、導光板10の第2面12を基準にした高さを表す。隙間100に隣接する第1光反射部材43aの上端の高さを、隙間100に隣接しない第2光反射部材43bの上端の高さよりも低くすることで、隙間100の上方に導光される光量を第2光反射部材43bの上方に導光される光量よりも多くすることができ、隙間100の上方の輝度の低下を抑制できる。
【0068】
図4は、本発明の実施形態の発光モジュールにおける発光セグメントの他の例を示す図2と同様の拡大断面図である。前述した発光セグメント1と同じ要素には同じ符号を付している。また、図1および図5に示す発光セグメント1を、図4に示す発光セグメント2に置き換えることができる。
【0069】
図4に示す発光セグメント2も、導光板10と発光装置20とを有する。導光板10は、第1面11と第2面12との間を貫通する貫通部113を有する。発光装置20は貫通部113に配置されている。
【0070】
貫通部113の側壁113aと、発光装置20の側面(透光性部材22の側面および光反射部材26の側面)との間には、光透過性部材131が設けられている。この光透過性部材131によって、発光装置20は導光板10に固定されている。
【0071】
光透過性部材131は、発光装置20が発する光に対する透過性を有し、例えば、導光板10の材料と同じ樹脂、または導光板10の材料との屈折率差が小さい樹脂を用いることができる。
【0072】
発光装置20の側面と光透過性部材131との間、および貫通部113の側壁113aと光透過性部材131との間には、空気層等の空間が形成されない。発光装置20の透光性部材22の側面と導光板10との間に空気層が介在しないため、透光性部材22と導光板10との間の屈折率差を空気層が介在する場合よりも小さくでき、透光性部材22から導光板10への光の取り込み効率を向上できる。
【0073】
導光板10の第1面11側における発光装置20に対向する部分に凹部15が形成され、その凹部15に光反射部材44が設けられている。
【0074】
発光装置20の上面である透光性部材22の上面に、光反射部材45が設けられている。光透過性部材131は、光反射部材45を覆うように、光反射部材45と光反射部材44との間にも設けられている。
【0075】
導光板10の第2面12側における発光装置20の周辺に光反射部材141が設けられている。光反射部材141は、光透過性部材131の下方、および発光装置20の光反射部材26の側面に設けられ、蛍光体を含む透光性部材22の側面には設けられていない。透光性部材22の側面は、光透過性部材131によって覆われている。
【0076】
導光板10の第2面12における光反射部材141の外側に、光反射部材42が設けられている。光反射部材42は、接着層33によって第2面12に貼り付けられている。
【0077】
光反射部材42は、導光板10の端まで延びている。光反射部材42は、複数の発光装置20の間における光反射部材141の間の第2面12に設けられている。光反射部材141と光反射部材42との境界は、導光板10の厚さ方向において光反射部材44に重なる位置にある。
【0078】
導光板10は、第1面11および第2面12に対して傾斜した傾斜側面114を有する。傾斜側面114と第1面11とは例えば鈍角をなす。傾斜側面114には、光反射部材143が設けられている。
【0079】
光反射部材42の下面、光反射部材141の下面、および光反射部材26の下面には配線51が設けられている。配線51は、発光素子21の電極23と接続されている。配線51には配線板50が貼り合わされている。
【0080】
光反射部材141、光反射部材143、光反射部材44、光反射部材45、および光反射部材26は、例えば、光拡散材を含む白色の樹脂部材である。光反射部材141、光反射部材143、光反射部材44、光反射部材45、および光反射部材26は、例えば、光拡散材として酸化チタンを含むシリコーン樹脂またはエポキシ樹脂の部材である。光反射部材42は、上記実施形態と同様に構成される。
【0081】
光反射部材141、光反射部材143、光反射部材44、光反射部材45、および光反射部材26のそれぞれにおける発光装置20が発する光に対する拡散反射率は、光反射部材42における発光装置20が発する光に対する拡散反射率よりも高い。
【0082】
発光装置20が発する光の、光反射部材141、光反射部材143、光反射部材44、光反射部材45、および光反射部材26のそれぞれにおける拡散反射率は、鏡面反射率よりも高い。発光装置20が発する光の、光反射部材42における拡散反射率は鏡面反射率よりも低い。
【0083】
光反射部材44および光反射部材45のそれぞれにおける光拡散材の含有率は、光反射部材141、光反射部材143、および光反射部材26のそれぞれにおける光拡散材の含有率よりも低い。そのため、光反射部材44および光反射部材45のそれぞれにおける発光装置20が発する光に対する透過率は、光反射部材141、光反射部材143、および光反射部材26のそれぞれにおける発光装置20が発する光に対する透過率よりも高い。
【0084】
光反射部材44および光反射部材45は、発光装置20の上方に出射された光を適度に透過させつつ、下方や横方向に拡散させる。すなわち、光反射部材44および光反射部材45は、発光セグメント1の発光面(第1面11)において、発光装置20の直上領域を暗くなりすぎもせず、明るくなりすぎもしないようにする。
【0085】
発光装置20から第2面12側に向かって出射した光は、光反射部材141によって上方へと拡散反射され、発光面である第1面11から取り出される光の輝度を向上できる。
【0086】
光反射部材141および光反射部材26は、発光装置20の近傍の配線板50の基材52が発光素子21の光にさらされるのを抑制し、基材52の劣化を防ぐことができる。
【0087】
光反射部材141、光反射部材44、光反射部材45で拡散反射された光の一部は、光反射部材42や第1面11に向かって進む。光反射部材42と第1面11との間の領域においては、光反射部材42での鏡面反射と、第1面11での全反射とが繰り返されつつ、発光装置20からの光が導光板10の端部(傾斜側面114および最外側面18)に向かって導光板10内を導光される。第1面11に向かった光の一部は第1面11から導光板10の外部に取り出される。
【0088】
光反射部材42として、発光装置20が発する光を拡散反射させる特性よりも鏡面反射させる特性が高いものを用いることで、導光板10の端部まで光を導光させやすくできる。発光装置20と導光板10の端部との間の距離や、複数の発光装置20の間の距離が長くなっても、導光板10の全領域に光を導光させやすくなる。これは、発光面(第1面11)内における輝度ムラを少なくすることができる。また、導光板10に配置する発光装置20の数の低減につながる。
【0089】
導光板10の傾斜側面114に導光された光は、光反射部材143によって、第1面11に向かって拡散反射され、導光板10の端部領域における第1面11から取り出される光の輝度を向上できる。
【0090】
また、光反射部材143は、隣接する発光セグメント2間の導光を抑制する。例えば、発光状態の発光セグメント2から、非発光状態の発光セグメント2への導光が制限される。
【0091】
図6は、本発明の実施形態の発光モジュールにおける発光セグメントのさらに他の例を示す図2と同様の拡大断面図である。図2に示す発光セグメント1と同じ要素には同じ符号を付している。また、図1および図5に示す発光セグメント1を、図6に示す発光セグメント3に置き換えることができる。
【0092】
この発光セグメント3の導光板10の第2面12には、図2に示す発光セグメント1における接着層33および光反射部材42が設けられず、光反射部材41が設けられている。光反射部材41は、導光板10の傾斜側面14に設けられた光反射部材43と一体に形成されている。
【0093】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0094】
1…発光セグメント、10…導光板、11…第1面、12…第2面、20…発光装置、43a…第1光反射部材、43b…第2光反射部材、90…領域、100…隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6