(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022063341
(43)【公開日】2022-04-21
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/54 20100101AFI20220414BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20220414BHJP
【FI】
H01L33/54
H01L33/60
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024734
(22)【出願日】2022-02-21
(62)【分割の表示】P 2020198853の分割
【原出願日】2020-11-30
(31)【優先権主張番号】P 2020144481
(32)【優先日】2020-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100125922
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100184985
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 悠
(74)【代理人】
【識別番号】100202197
【弁理士】
【氏名又は名称】村瀬 成康
(74)【代理人】
【識別番号】100218981
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 寛之
(72)【発明者】
【氏名】澤邊 辰一
(72)【発明者】
【氏名】小川 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】森川 武
(57)【要約】
【課題】発光装置と導光板との間の光結合効率を向上させる。
【解決手段】発光装置は、第1方向に沿って配置された正極および負極の組24を下面に有する少なくとも1つの発光素子121と、発光素子の上面121aを覆う透光性部材130と、透光性部材の側面に接する光反射性部材140Aとを備える。透光性部材は、光反射性部材から露出された光出射面130aを有し、光反射性部材は、それぞれが光出射面よりも上側に位置する第1部分142および第2部分143を有し、第1部分および第2部分は、それぞれ、光反射性部材の第1方向における一方の端部および他方の端部に位置し、第1方向を含み発光素子の上面に垂直な第1断面において、第1部分の表面は、凹状の第1曲面43を含み、第2部分の表面は、凹状の第2曲面44を含む。
【選択図】
図35
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および前記上面とは反対側の下面を有する少なくとも1つの発光素子であって、前記下面に、第1方向に沿って配置された正極および負極の組を有する少なくとも1つの発光素子と、
側面を有し、前記発光素子の前記上面を覆う透光性部材と、
前記透光性部材の側面に接する光反射性部材と
を備え、
前記透光性部材は、前記光反射性部材から露出された光出射面を有し、
前記光反射性部材は、それぞれが前記光出射面よりも上側に位置する第1部分および第2部分を有し、
前記第1部分および前記第2部分は、それぞれ、前記光反射性部材の前記第1方向における一方の端部および他方の端部に位置し、
前記第1方向を含み前記発光素子の前記上面に垂直な第1断面において、前記第1部分の表面は、凹状の第1曲面を含み、前記第2部分の表面は、凹状の第2曲面を含む、発光装置。
【請求項2】
前記第1曲面および前記第2曲面は、前記第1方向において互いに対向しており、
前記透光性部材は、前記第1方向において前記第1部分と前記第2部分との間に位置する、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記光出射面は、前記第1断面において凹状である、請求項1または2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1方向に垂直な第2断面における前記光出射面の形状は、平坦である、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記透光性部材は、前記光出射面をその一部に含む上面を有し、
前記第1部分の一部および前記第2部分の一部は、前記透光性部材の前記上面上に位置する、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの発光素子は、前記第1方向に沿って配置された第1発光素子および第2発光素子を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記光反射性部材は、前記第1方向において前記第1部分と前記第2部分との間に位置する第3部分であって、前記光出射面よりも上側に位置する第3部分をさらに有し、
前記光出射面は、それぞれが前記光反射性部材から露出された第1領域および第2領域を含み、
前記光出射面の前記第1領域は、前記第1方向において前記第1部分と前記第3部分との間に位置し、
前記光出射面の前記第2領域は、前記第1方向において前記第2部分と前記第3部分との間に位置する、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記光出射面の前記第1領域および前記第2領域のそれぞれは、前記第1断面において凹状である、請求項7に記載の発光装置。
【請求項9】
前記第3部分は、頂部を有し、
前記第1断面において、前記第3部分の表面は、それぞれが凹状の第3曲面および第4曲面を含み、
前記第3曲面は、前記第1断面において、前記第3部分の前記頂部と前記光出射面の前記第1領域との間に位置し、
前記第4曲面は、前記第1断面において、前記第3部分の前記頂部と前記光出射面の前記第2領域との間に位置している、請求項7または8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記光反射性部材の前記第1部分の前記第1曲面、前記透光性部材の前記第1領域および前記光反射性部材の前記第3部分の前記第3曲面は、前記第1断面において1つの曲面を構成しており、
前記光反射性部材の前記第1部分の前記第2曲面、前記透光性部材の前記第2領域および前記光反射性部材の前記第3部分の前記第4曲面は、前記第1断面において1つの曲面を構成している、請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記透光性部材と前記少なくとも1つの発光素子との間に位置する波長変換部材をさらに備える、請求項1から10のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つの発光素子を支持する基板をさらに備え、
前記光反射性部材は、前記基板の上面の少なくとも一部を覆っている、請求項1から11のいずれか1項に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置のバックライトの光源として、LEDをその一部に含む発光装置が広く用いられている。例えば下記の特許文献1は、2つのLEDを含む側面発光型のLEDパッケージを開示している。このような側面発光型のLEDパッケージは、光出射面を導光板の側面に対向させて利用される。LEDパッケージからの光は、導光板の側面から導光板内に入射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その一部に導光板を含むバックライトにおいては、発光装置と導光板との間の光結合効率の向上の要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある実施形態による発光装置は、第1方向に沿って配置され、それぞれが上面および側面を有する第1発光素子および第2発光素子と、側面を有し、前記第1発光素子の上面および前記第2発光素子の上面を覆う少なくとも1つの透光性部材と、前記第1発光素子の側面の少なくとも一部、前記第2発光素子の側面の少なくとも一部、および、前記透光性部材の側面に接する光反射性部材とを備え、前記透光性部材は、前記光反射性部材から露出された第1面および第2面を有し、前記第1面は、前記第1発光素子の上面の上方に位置し、前記第2面は、前記第2発光素子の上面の上方に位置し、前記光反射性部材は、前記第1方向において前記第1面と前記第2面との間であって前記第1面および前記第2面よりも上側に位置する第1部分を有し、前記第1方向を含み前記第1発光素子の上面に垂直な第1断面において、前記第1部分の表面は、少なくとも1つの凹状の曲面を含む。
【発明の効果】
【0006】
本開示の実施形態によれば、導光板に対する光結合効率が向上された発光装置を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本開示の第1の実施形態による発光装置の例を模式的に示す上面斜視図である。
【
図2】
図1に示す発光装置の模式的な底面斜視図である。
【
図3】
図1および
図2に示す発光装置の模式的な断面図である。
【
図4】本開示の実施形態による発光装置を有するバックライトを模式的に示す図である。
【
図5】光反射性部材の第1部分の形状の他の例を示す模式的な断面図である。
【
図6】本開示の第2の実施形態による発光装置の模式的な断面図である。
【
図7】本開示の第2の実施形態による発光装置の他の例を示す模式的な断面図である。
【
図8】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
【
図9】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
【
図10】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の例を示す模式的な断面図である。
【
図11】本開示の第2の実施形態による発光装置の他の断面を模式的に示す図である。
【
図12】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の断面を模式的に示す図である。
【
図13】本開示の第2の実施形態による発光装置の他の改変例の断面を示す図である。
【
図14】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の改変例の例示的な断面を示す図である。
【
図15】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の改変例を示す模式的な断面図である。
【
図16】本開示の実施形態による発光装置の、基板の下面側から見たときの外観の一例を示す図である。
【
図17】本開示の実施形態による発光装置の、配線基板と対向させられる面の側から見たときの外観の一例を示す図である。
【
図18】本開示の実施形態による発光素子が実装される集合基板の模式的な上面図である。
【
図19】本開示の実施形態による発光素子が実装される集合基板の模式的な底面図である。
【
図20】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な上面図である。
【
図21】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図22】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図23】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図24】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な上面図である。
【
図25】本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法を示す模式的な断面図である。
【
図26】実施例1のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
【
図27】実施例2のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
【
図28】実施例3のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
【
図29】実施例4のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
【
図30】参考例1のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
【
図31】参考例4のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
【
図32】参考例5のサンプルについての、導光板内部における放射照度の計算結果を示す模式的な図である。
【
図33】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の例を示す6面図およびその斜視図である。
【
図34】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の例を示す6面図およびその斜視図である。
【
図35】本開示の第2の実施形態による発光装置のさらに他の改変例の例示的な断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による面状光源は、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料、ステップ、そのステップの順序などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する各実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0009】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、分かりやすさのために誇張されている場合があり、実際の発光装置における寸法、形状および構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略して模式的に示すこと、あるいは、切断面のみを示す端面図を断面図として示すことがある。
【0010】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。以下の説明では、特定の方向または位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」およびそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向または位置を分かりやすさのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向または位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品、製造装置等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本開示において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本開示において「垂直」または「直交」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。
【0011】
(第1の実施形態)
図1および
図2は、本開示の第1の実施形態による発光装置の外観を模式的に示す。
図3は、
図1および
図2に示す発光装置100Aの模式的な断面を示す。
図1~
図3には、説明の便宜のために、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を示す矢印があわせて図示されている。なお、本開示の他の図面においてもこれらの方向を示す矢印を図示することがある。本明細書においては、図中のX方向を第1方向と呼ぶことがある。
【0012】
図3は、発光装置100Aの中央付近で発光装置100AをZX面に平行に切断したときの模式的な断面図に相当する。
図3に示すように、発光装置100Aは、第1発光素子121および第2発光素子122を含む。第1発光素子121は、上面121aおよび側面121cを有する。同様に、第2発光素子122は、上面122aおよび側面122cを有する。第1発光素子121および第2発光素子122は、それぞれの上面とは反対側の下面に電極24を有している。
図3は、第1方向を含み、かつ、第1発光素子121の上面121aに垂直な断面における発光装置100Aの構造を示している。本明細書では、ZX断面を第1断面と呼ぶことがある。
【0013】
発光装置100Aは、さらに、これら発光素子を支持する基板110を有する。基板110は、上面110aを有し、第1発光素子121および第2発光素子122は、図中のX方向(第1方向)に沿って基板110の上面110a上に配置されている。
【0014】
図1~
図3に例示する構成において、発光装置100Aは、第1発光素子121、第2発光素子122および基板110に加えて、第1透光性部材131Aと、第2透光性部材132Aと、光反射性部材140Aとを含む。第1透光性部材131Aは、上面131aおよび下面131bと、上面131aと下面131bとの間に位置する側面131cとを有し、第1発光素子121の上面121aの上方に位置している。ここでは、図中のZ方向は、第1発光素子121から第1透光性部材131Aに向かう方向であり、第1発光素子121の上面121aの法線は、Z方向に概ね平行である。
【0015】
図3に模式的に示すように、ここでは、第1透光性部材131Aと第1発光素子121との間に、透光性の第1接合部材151が介在している。第1透光性部材131Aは、第1接合部材151によって第1発光素子121の上面121aに接合されている。第1接合部材151の一部は、第1発光素子121の側面121c上に位置し得る。なお、本明細書における「透光性」および「透光」の用語は、入射した光に対して拡散性を示すことをも包含するように解釈され、「透明」であることに限定されない。例えば第1透光性部材131Aは、母材とは異なる屈折率を有する光拡散材が分散させられることにより、光拡散機能が付与されていてもよい。
【0016】
第2透光性部材132Aも第1透光性部材131Aと同様に、上面132a、下面132bおよび側面132cを有する。
図3に例示する構成において、第2透光性部材132Aは、第2接合部材152によって第2発光素子122に接合されることにより、第2発光素子122の上面122aの上方に位置している。ここでは、第2接合部材152の一部が、第2発光素子122の側面122c上に位置している。
【0017】
光反射性部材140Aは、第1発光素子121および第2発光素子122を取り囲むようにして基板110上に形成され、基板110の上面110aの一部を覆う。より詳細には、光反射性部材140Aは、第1発光素子121の側面121cのうち第1接合部材151に覆われていない部分と、第2発光素子122の側面122cのうち第2接合部材152に覆われていない部分と、第1接合部材151の外面151cと、第2接合部材152の外面152cと、第1透光性部材131Aの側面131cと、第2透光性部材132Aの側面132cとに接している。
【0018】
図1~
図3に示すように、光反射性部材140Aは、第1透光性部材131Aの上面131aの全部を覆ってはいない。また、光反射性部材140Aは、第2透光性部材132Aの上面132aのうち全部も覆ってはいない。換言すれば、第1透光性部材131Aの上面131aの一部または全部、および、第2透光性部材132Aの上面132aの一部または全部は、光反射性部材140Aから露出されている。透光性部材(ここでは第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132A)の上面のうち光反射性部材140Aから露出された部分は、発光素子からの光が取り出される光出射面を構成する。以下では、第1透光性部材131Aの上面131aのうち光反射性部材140Aから露出された領域および第2透光性部材132Aの上面132aのうち光反射性部材140Aから露出された領域を便宜的にそれぞれ第1面31および第2面32と呼ぶ。
図1および
図2に示すように、ここでは、第1面31および第2面32のそれぞれは、図中のY方向に対してX方向に長い長方形状を有する。
【0019】
図3に示すように、この例では、第1透光性部材131Aの上面131aの全体が第1面31に相当し、第2透光性部材132Aの上面132aの全体が第2面32に相当する。第1面31は、第1発光素子121の上面121aの上方に位置し、第2面32は、第2発光素子122の上面122aの上方に位置する。
図1~
図3に示す例において、第1面31および第2面32のそれぞれは、概ね平坦な面である。ただし、第1面31および第2面32の形状は、平坦面に限定されず、後述するように、断面視において凹状とされることもあり得る。
【0020】
光反射性部材140Aは、第1部分141を有する。第1部分141は、光反射性部材140Aのうち、第1面31および第2面32よりも上側に位置する部分であって、かつ、図中のX方向において第1面31と第2面32との間に位置する部分である。例えば
図3に示すように、この例では、第1部分141は、第1面31および第2面32に概ね平行かつ平坦な第1頂部141tを有している。ここで、「頂部」とは、光反射性部材140Aのうち透光性部材(
図3に示す例においては第1透光性部材131Aおよび第2透光性部材132A)から図のZ方向に最も離れた部分を指す。
【0021】
光反射性部材140Aの第1部分141の表面は、断面視において、少なくとも1つの凹状の曲面を含む。
図3に示すように、ここでは、第1部分141の表面は、ZX断面(すなわち第1断面)において、第1曲面41および第2曲面42をその一部に含んでいる。第1曲面41は、第1部分141の第1頂部141tと、第1透光性部材131Aの第1面31との間に位置する。第2曲面42は、第1部分141の第1頂部141tと第2透光性部材132Aの第2面32との間に位置する。後に詳しく説明するように、第1部分141の表面が断面視において少なくとも1つの凹状の曲面を含むことにより、発光装置100Aからの光をより有効に利用して、導光板に対する発光装置100Aの光結合効率を向上させることが可能になる。
【0022】
図1~
図3に例示する構成において、光反射性部材140Aは、さらに、図のX方向における両端部に、第1透光性部材131Aの第1面31(ここでは上面131aの全体)および第2透光性部材132Aの第2面32(ここでは上面132aの全体)よりもY方向において上側に位置する第2部分142および第3部分143を有している。
図3に示すように、光反射性部材140Aの第2部分142は、図のX方向において第1面31の位置を基準に第1部分141とは反対側に位置する。他方、光反射性部材140Aの第3部分143は、図のX方向において第2面32の位置を基準に第1部分141とは反対側に位置する。換言すれば、
図3に示す断面において、第1透光性部材131Aの第1面31は、光反射性部材140Aの第1部分141と第2部分142とに挟まれた位置にあり、第2透光性部材132Aの第2面32は、光反射性部材140Aの第1部分141と第3部分143とに挟まれた位置にある。
【0023】
図1~
図3に示す例において、光反射性部材140Aの第2部分142および第3部分143は、それぞれ、第2頂部142tおよび第3頂部143tを有する。第2頂部142tおよび第3頂部143tは、第1頂部141tと同様に、光反射性部材140Aのうち第1透光性部材131Aまたは第2透光性部材132Aから図のZ方向に最も離れた部分である。ここでは、第2頂部142tおよび第3頂部143tは、第1頂部141tと同様に概ね平坦な面とされている。
【0024】
さらに、ここでは、第2部分142の表面および第3部分143の表面は、その少なくとも一部に凹状の曲面をそれぞれ有している。第2部分142の表面は、ZX断面において、第2頂部142tと第1透光性部材131Aの第1面31との間に凹状の第3曲面43を有する。第3部分143の表面は、ZX断面において、第3頂部143tと第2透光性部材の第2面32との間に凹状の第4曲面44を有する。
【0025】
図4は、発光装置100Aを有するバックライトの例を模式的に示す。
図4に示すバックライト300は、上述の発光装置100Aと、上面200aおよび複数の側面200cを有する導光板200とを含む。
図4では、バックライト300を導光板200の上面200a側から上面200aに垂直に見たときの外観と、バックライト300を側面から見たときの外観とをあわせて1つの図に示している。
【0026】
図4に示すように、発光装置100Aは、第1透光性部材131Aの第1面31および第2透光性部材132Aの第2面32と、導光板200の側面200cのうちの1つとが対向するようにして導光板200とともに配線基板400上に実装される。このとき、光反射性部材140Aの第1部分141の第1頂部141tは、導光板200の側面200cに接触させられ得る。
【0027】
第1部分141の第1頂部141tの一部または全部が導光板200の側面200cに接触することにより、光出射面としての第1面31および第2面32と導光板200との間の直接の接触が回避される。第1面31および第2面32の導光板200への接触が回避されることにより、導光板200に接触することによる第1透光性部材131Aまたは第2透光性部材132Aの破損等を防止し得る。
【0028】
また、この例では、第1部分141の第1頂部141tを概ね平坦な形状としている。光反射性部材140Aの第1部分141がこのような形状の第1頂部141tを有することにより、第1部分141が導光板200等の外部の部材と例えば1点で接触する場合と比較して、導光板200等に接触させた際の第1部分141への応力の集中を緩和し得る。これにより、導光板200等の外部の部材との接触に起因する第1部分141の破損を防止し得る。
【0029】
このように、光反射性部材140Aに、第1面31および第2面32と比較して第1発光素子121および第2発光素子122とは反対側に突出する部分(例えば第1部分141)を設けることにより、第1面31および第2面32の導光板200への接触を防止し得る。導光板への接触に起因する透光性部材の破損等が回避される結果、発光装置の信頼性が向上する。
【0030】
ただし、導光板200の側面200cと、第1面31および第2面32との間の距離を極端に拡大すると、導光板200と発光装置100Aとの間の光結合効率が低下し得る。導光板200の側面200cと、第1面31および第2面32との間の距離は、好ましくは、10μm以上100μm以下であり、より好ましくは、20μm以上50μm以下である。換言すれば、第1部分141の高さが10μm以上100μm以下の範囲であることが有利である。ここで、第1部分141の高さとは、ZX断面における、第1面31の端部または第2面32の端部から第1部分141の第1頂部141tまでのZ方向に沿った距離H1(
図3参照)で定義できる。
【0031】
発光装置100Aでは、第1発光素子121から出射され、第1透光性部材131Aに入射された光は、第1透光性部材131Aの第1面31から発光装置100Aの外部に取り出される。同様に、第2発光素子122から出射され、第2透光性部材132Aに入射された光は、第2透光性部材132Aの第2面32から発光装置100Aの外部に取り出される。
【0032】
第1面31から出射された光および第2面32から出射された光は、導光板200に向かって進行するに従って拡がる。これらの光のうち、進行方向が図中のZ方向に対して大きな角度をもつ成分は、
図4中に実線の矢印Ryで模式的に示すように、導光板200の側面200cに到達する前に第1部分141に入射する。すなわち、第1面31あるいは第2面32から出射されて導光板200に向かう光の一部は、第1部分141によって遮られてしまう。このような成分の存在は、発光装置100Aと導光板200との間の光結合効率低下の原因となり得る。
【0033】
本実施形態では、
図3を参照しながら説明したように、第1部分141の表面は、第1部分141の第1頂部141tと第1面31の端部との間に第1曲面41を有し、第2頂部142tと第2面32の端部との間に第2曲面42を有している。そのため、ZX断面において、第1部分141の表面が第1面31の端部からZ方向に急激に立ち上がるような形状を有している場合と比較して、第1面31から第1頂部141tまでのX方向における距離が拡大する。また、ZX断面において、第1部分141の表面が第2面32の端部からZ方向に急激に立ち上がるような形状を有している場合と比較して、第2面32から第1頂部141tまでのX方向における距離が拡大する。
【0034】
第1部分141がこのような形状を有することにより、発光素子の光軸に対してより大きな角度をなす光線の導光板200への入射を許容できるようになる。したがって、本開示の実施形態によれば、導光板200に向かう光のうち第1部分141によって遮られてしまう成分を低減させ得る。このような構成は、第1面31あるいは第2面32から出射された光をより効率的に導光板200に入射することを可能にし、第1面31および第2面32が導光板200から100μm程度離れているような場合であっても、発光装置100Aと導光板200との間の光結合効率の低下を回避し得る。つまり、第1発光素子121および第2発光素子122からの光をより有効に利用することができる。なお、第1面31から第1頂部141tまでのX方向における距離、および、第2面32から第1頂部141tまでのX方向における距離は、10μm以上100μm以下であり、より好ましくは、10μm以上50μm以下である。
【0035】
特にこの例では、光反射性部材140Aが、さらに、図のX方向における両端部にも、第1透光性部材131Aの第1面31および第2透光性部材132Aの第2面32よりも+Z方向に突出する第2部分142および第3部分143をさらに有している。そのため、第1面31および第2面32の導光板200への直接の接触をより確実に防止し得る。
図3に示す例のように、第2頂部142tおよび第3頂部143tを平坦面とすることにより、第2部分142および第3部分143を導光板200等に接触させた際に、第2部分142および第3部分143に応力が集中することを防止でき、第2部分142および/または第3部分143の破損を回避する効果が期待できる。
【0036】
また、第2部分142および第3部分143の高さを適切に調節することにより、第1面31および第2面32が導光板200の側面200cに平行に対向するように発光装置100Aを配線基板400に実装しやすくなる。第2部分142の高さおよび第3部分143の高さは、第1部分141の高さと同様に、ZX断面における、第1面31の端部または第2面32の端部から第2頂部142tあるいは第3頂部143tまでのZ方向に沿った距離として定義できる。
【0037】
第2部分142の表面が凹状の第3曲面43を有することにより、第1発光素子121の光軸に対して大きな角度で第1面31から導光板200に進行する光のうち第2部分142によって遮られてしまう成分を低減させ得る。同様に、第3部分143の表面が凹状の第4曲面44を有することにより、第2発光素子122の光軸に対して大きな角度で第2面32から導光板200に進行する光のうち第3部分143によって遮られてしまう成分を低減させ得る。このように、第1面31および第2面32よりも+Z方向に突出する部分を光反射性部材140Aに設けた場合であっても、それらの表面に凹状の曲面部分を設けることにより、それらの部分を光反射性部材140Aに設けたことに起因する、バックライトにおける光利用効率の低下を抑制し得る。
【0038】
なお、
図1~
図4では、第1曲面41~第4曲面44のそれぞれの形状として、真円の一部を取り出した円弧状を例示している。しかしながら、第1曲面41~第4曲面44のそれぞれのZX断面における形状は、この例に限定されない。第1曲面41~第4曲面44の断面視における形状は、楕円もしくは長円の一部を取り出したような形状、凹凸を含む形状、一部に直線状の部分を含むような形状、または、これらを組み合わせたような形状等であってもよい。あるいは、第1曲面41~第4曲面44の少なくともいずれかが、
図5に模式的に示すように、より大きな曲率で表現されるような断面視形状(極端な場合には折れ線状に見えるような形状)を有することもあり得る。
【0039】
(第2実施形態)
図6は、本開示の第2の実施形態による発光装置の断面を模式的に示す。
図6に示す発光装置100Bは、上述の発光装置100Aと比較して、第1透光性部材131Aに代えて第1透光性部材131Bを有し、第2透光性部材132Aに代えて第2透光性部材132Bを有する。
【0040】
第1の実施形態と同様に、第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bは、光反射性部材140Aから露出された第1面31および第2面32をそれぞれ有している。本実施形態において第1面31および第2面32のそれぞれは、ZX断面において凹状である。
【0041】
第1透光性部材131Bの第1面31の中央部は、図のX方向における端部と比較して図の-Z方向に窪んでいる。同様に、第2透光性部材132Bの第2面32の中央部は、図のX方向における端部と比較して図の-Z方向に窪んでいる。後に実施例により詳しく説明するように、ZX断面において第1面31および第2面32のそれぞれが凹状を有することにより、ZX面内における光の拡がりが低減される。すなわち、発光素子からの光が発光素子の上方に集まる結果、例えば第1部分141による光の遮りの効果の影響が抑制される。これにより、バックライトへの適用においてより効率的に導光板に光を導入することが可能になる。
【0042】
ZX断面における第1面31および第2面32のそれぞれの形状は、端部と比較して第1発光素子121または第2発光素子122に向かって窪んだ形状であればよく、
図6に例示するような、円弧状に限定されない。第1面31および/または第2面32が、ZX断面においてその一部に凸状の部分を含むこともあり得る。
【0043】
図7は、第1面31および第2面32の断面視形状の他の例を示す。
図6に示す発光装置100Bと比較して、
図7に示す発光装置100Cは、光反射性部材140Aに代えて光反射性部材140Cを有する。
【0044】
光反射性部材140Cは、第1曲面41および第2曲面42を有する第1部分141、第3曲面を有する第2部分142、ならびに、第4曲面44を有する第3部分143を含む。
図7に模式的に示すように、この例では、光反射性部材140Cの第1部分141の第1曲面41、第1透光性部材131Bの第1面31および光反射性部材140Cの第2部分142の第3曲面43が1つの曲面を構成している。これにより、第1面31から出射される光が、第1部分141の第1曲面41および第2部分142の第3曲面43によって遮られてしまうことを抑制し得る。
【0045】
また、この例では、光反射性部材140Cの第1部分141の第2曲面42、第2透光性部材132Bの第2面32および光反射性部材140Cの第3部分143の第4曲面44が1つの曲面を構成している。これにより、第2面32から出射される光が、第1部分141の第2曲面42および第3部分143の第4曲面44によって遮られてしまうことを抑制し得る。
【0046】
図8および
図9は、光反射性部材の第1部分141、第2部分142および第3部分143の断面視形状の他の例を示す。
図8に示す発光装置100Dは、光反射性部材140Dを有し、
図9に示す発光装置100Eは、光反射性部材140Eを有している。
図7を参照しながら説明した例と同様に、
図8および
図9に示す例においても、光反射性部材140D、140Eの第1曲面41および第3曲面43は、第1透光性部材131Bの第1面31と単一の曲面を構成し、光反射性部材140D、140Eの第2曲面42および第4曲面44は、第2透光性部材132Bの第2面32と単一の曲面を構成している。
【0047】
図8に示す例において、光反射性部材140Dの第1部分141の表面は、第1頂部141tと第1曲面41との間に概ね平坦な側面41cを有している。また、光反射性部材140Dの第2部分142の表面は、第2頂部142tと第3曲面43との間に概ね平坦な側面43cを有している。
図8に例示する構成において、側面41cおよび側面43cは、上方に行くに従って拡がるように、第1発光素子121の上面121aに垂直な面に対して傾斜している。これにより、第1面31の端部が導光板等の外部の部品と接触することを抑制しながら、第1面31から出射される光が側面41cまたは側面43cによって遮られてしまうことを抑制できる。
【0048】
同様に、この例では、第1部分141の表面は、第1頂部141tと第2曲面42との間に概ね平坦な側面42cを有しており、第3部分143の表面は、第3頂部143tと第4曲面44との間に概ね平坦な側面44cを有している。側面42cおよび側面44cもまた、上方に行くに従って拡がるように、第2発光素子122の上面122aに垂直な面に対して傾斜している。これにより、第2面32の端部が導光板等の外部の部品と接触することを抑制しながら、第2面32から出射される光が側面42cおよび側面44cによって遮られてしまうことを抑制できる。
【0049】
図9に示す例では、光反射性部材140Eの第1部分141の側面41cおよび側面42c、第2部分142の側面43c、ならびに、第3部分143の側面44cは、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aに対してほぼ垂直である。この場合も、第1面31の端部および第2面32の端部が導光板等の外部の部品と接触することを抑制できる。このように、光反射性部材の第1部分141、第2部分142および第3部分143の表面は、ZX断面において、曲線と直線とが組み合わされたような形状を有していてもよい。
【0050】
図10は、第1面31および第2面32の断面視形状のさらに他の例を示す。
図10に示す発光装置100Fは、
図6に示す発光装置100Bと比較して、第1透光性部材131Bに代えて第1透光性部材131Fを有し、第2透光性部材132Bに代えて第2透光性部材132Fを有する。光反射性部材140Aから露出された第1面31および第2面32のそれぞれがZX断面において凹状である点は、発光装置100Bと同様である。
【0051】
図10に示すように、図のX方向における第1面31の中央部は、両端部と比較して低い位置にある。ただしここでは、第1面31は、曲面状ではなく、2つの傾斜面から構成されている。第1透光性部材131Fの第1面31は、図のX方向の一方の端部(例えば光反射性部材140Aの第1部分141に近い側)から中央部に向かって第1発光素子121の上面121aに近づく第1傾斜面311と、他方の端部から中央部に向かって第1発光素子121の上面121aに近づく第2傾斜面312とを含む。換言すれば、この例において、ZX断面における第1面31の形状は、概ねV字状である。
【0052】
この例において、ZX断面における第2面32の形状も概ねV字状である。すなわち、ここでは、第2透光性部材132Fの第2面32は、図のX方向の一方の端部(例えば光反射性部材140Aの第1部分141に近い側)から中央部に向かって第2発光素子122の上面122aに近づく第3傾斜面323と、他方の端部から中央部に向かって第2発光素子122の上面122aに近づく第4傾斜面324とを含んでいる。
【0053】
本発明者の検討によると、ZX断面における第1面31の形状をV字状とした場合も、第1面31の形状が曲面状である場合と同様に、第1面31からX方向に広がるように出射されていた光が、第1面31の中央部に集まりやすくなる。つまり、ZX断面における第1面31の形状をV字状とすることによっても、第1部分141の第1曲面41および第2部分142の第3曲面43の位置で光が遮られてしまうことを抑制する効果が期待できる。同様に、ZX断面における第2面32の形状をV字状とすることにより、第2面32からX方向に広がるように出射されていた光が、第2面32の中央部に集まりやすくなり、第1部分141の第2曲面42および第3部分143の第4曲面44の位置で光が遮られてしまうことを抑制し得る。
【0054】
発光装置100Fにおいても、光反射性部材から露出された第1面31および第2面32のそれぞれの形状が、ZX断面において、発光素子(第1発光素子121または第2発光素子122)に向かって窪んだ凹状とされている。そのため、上述の発光装置100B~発光装置100Eと同様に、ZX面内における光の拡がりを低減でき、バックライトへの適用において、導光板との間の光結合効率を向上させ得る。
【0055】
本実施形態において、これまでは、発光素子の上面(上面121aまたは上面122a)に平行な第1の平面と、2つの発光素子が並べられた方向(第1方向すなわち図のX方向)に垂直な第2の平面との両方に直交する断面(第1断面すなわち図のZX断面)における、第1面31および第2面32の形状に着目している。
図6~
図10を参照しながら説明したように、ZX断面において、第1面31および第2面32は、凹状とされている。これに対し、本実施形態による発光装置を2つの発光素子が並べられた方向に垂直な第2の平面(第2断面)で切断したときの第1面31および第2面32の形状は、いずれも平坦である。
【0056】
図11および
図12は、第2の実施形態による発光装置を第1発光素子および第2発光素子が並べられた方向に垂直に切断したときに現れる断面を模式的に示す。
図11は、
図6に示す発光装置100Bを、第1発光素子121を含む面で切断したときの断面を模式的に示し、
図12は、第2発光素子122を含む面で切断したときの断面を模式的に示している。すなわち、
図11および
図12は、それぞれ、
図6のXI-XI断面およびXII-XII断面を示している。
【0057】
図11に示すように、YZ断面において、第1面31の形状は、平坦である。
図12に示すように、YZ断面において、第2面32の形状も同様に平坦である。このように、本実施形態においては、ZX断面(第1断面)における第1面31および第2面32の形状が凹状とされることに対して、ZX断面に直交するYZ断面(第2断面)における第1面31および第2面32の形状は、平坦とされている。これにより、仮に、導光板等との接触した際の応力に起因して光反射性部材140Aの第1部分141、第2部分142または第3部分143が破損したとしても、第1面31および第2面32の外縁のうちX方向に延びる部分と、導光板との間の接触を回避し得るそのため、光反射性部材140Aの破損前後における発光装置の配光特性の変化を最小限にとどめることができる。なお、YZ断面(第2断面)における第1面31および第2面32の形状が平坦とされる点は、第1の実施形態でも同様である。
【0058】
図33および
図34は、本開示の第2の実施形態による発光装置の他の例を示す6面図およびその斜視図である。なお、
図33および
図34のそれぞれに示す(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は右側面図、(d)は平面図、(e)は底面図、(f)は背面図、(g)は正面、平面および右側面をみた斜視図、(h)は背面、底面および左側面をみた斜視図である。
図7を参照しながら説明した例と同様に、
図33および
図34に示す例においても、光反射性部材140L、140Mの第1曲面41および第3曲面43は、第1透光性部材131Bの第1面31と単一の曲面を構成し、光反射性部材140L、140Mの第2曲面42および第4曲面44は、第2透光性部材132Bの第2面32と単一の曲面を構成している。また、
図33に示す発光装置100Lと
図34に示す発光装置100Mとは、正面図の第1面31および第2面32が並べられた方向において、少なくとも第1頂部141tの幅d1、d2が異なる。具体的には、発光装置100Mの第1頂部141tの幅d2は、発光装置100Lの第1頂部141tの幅d1よりも広い。例えば、発光装置100Mの第1頂部141tの幅d2は、第1面31から第2面32までの幅d3に対して40%以上60%以下程度の幅とするのが好ましく、より好ましくは45%以上55%以下程度であり、第1面31および第2面32からの出射された光が第1部分141に遮られてしまうことをさらに抑制することができる。
【0059】
(その他の変形例)
次に、発光装置の種々の改変例を説明する。ここでは、
図6に示す発光装置100Bを例にとって説明を行うが、これまでに説明した他の例(発光装置100A、発光装置100C~発光装置100F、発光装置100Lおよび発光装置100M)に対しても同様の改変を適用可能であることは、いうまでもない。また、以下に説明する改変のうちの2つ以上を組み合わせることももちろん可能である。
【0060】
図13は、第1波長変換部材および第2波長変換部材をさらに有する発光装置の例を示す。
図6に示す発光装置100Bと比較して、
図13に示す発光装置100Gは、第1透光性部材131Bと第1発光素子121との間に位置する第1波長変換部材161と、第2透光性部材132Bと第2発光素子122との間に位置する第2波長変換部材162をさらに有する。
図13に例示する構成において、光反射性部材140Aは、第1波長変換部材161の側面161cと、第2波長変換部材162の側面162cとにも接している。
【0061】
第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、母材と、蛍光体の粒子等とを含有し、第1波長変換部材161中の蛍光体は、第1発光素子121から出射された光の少なくとも一部を吸収して第1発光素子121からの光の波長とは異なる波長の光を発する。同様に、第2波長変換部材162中の蛍光体は、第2発光素子122から出射された光の少なくとも一部を吸収して第2発光素子122からの光の波長とは異なる波長の光を発する。
【0062】
第1発光素子121および第2発光素子122の典型例は、青色光を出射するLEDである。この場合、第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、入射した青色光の一部を波長変換して例えば黄色光を発することができる。このような構成によれば、透光性部材を通過した青色光と、透光性部材に含まれる蛍光体から発せられた黄色光との混色によって、白色光が得られる。
【0063】
図14は、第1発光素子および第2発光素子の上方に単一の透光性部材を配置した例を模式的に示す。
図13に示す発光装置100Gと比較して、
図14に示す発光装置100Hは、第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bに代えて、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aを一括して覆う透光性部材130を有する。
【0064】
上述の各例では、発光装置が第1発光素子121および第2発光素子122を有することに対応して、第1発光素子121および第2発光素子122の上方に第1透光性部材および第2透光性部材をそれぞれ配置している。しかしながら、これらの例に限定されず、
図14に例示するように、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aの両方を覆うように単一の透光性部材130を発光装置100Hに設けてもよい。さらに、
図14に例示するように第1発光素子121および第2発光素子122の上方に第1波長変換部材161および第2透光性部材162をそれぞれ配置してもよいし、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aの両方を覆うように単一の波長変換部材163を配置してもよい。
【0065】
図14に示す例では、透光性部材130の上面130aの複数の部分が光反射性部材140Aから露出されている。これらの部分のうち、第1発光素子121の上方において光反射性部材140Aから露出されている部分が第1面31であり、第2発光素子122の上方において光反射性部材140Aから露出されている部分が第2面32である。この例では、第1面31および第2面32は、凹状の曲面とされている。
【0066】
第1発光素子121および第2発光素子122の両方にわたってこれらの上方に透光性部材130を配置することにより、第1発光素子121からの光と、第2発光素子122からの光とが透光性部材130内部で混合される。これにより、より均一化された光を第1面31および第2面32から取り出すことが可能になる。
【0067】
図15は、発光装置のさらに他の改変例を示す。上述した各例では、発光装置は、第1発光素子121および第2発光素子122が実装される基板110を有している。これに対し、
図15に示す発光装置100Kは、基板110に代えて、第1発光素子121および第2発光素子122の下方に位置する配線層160を有する。
【0068】
図15に示す例では、第1発光素子121および第2発光素子122の電極24の下面24bが、光反射性部材140Aの下面140bから露出されている。配線層160は、光反射性部材140Aの下面140b上に形成され、電極24に電気的に接続される。
図15は、配線層160によって第1発光素子121および第2発光素子122を電気的に直列に接続した例である。この例のように、発光装置から基板110が省略されることもあり得る。
【0069】
図35は、第1発光素子および第2発光素子の上方に、単一の透光性部材と単一の波長変換部材とを配置した例を模式的に示す。
図14に示す発光装置100Hと比較して、
図35に示す発光装置100Nは、第1波長変換部材161および第2波長変換部材162に代えて、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aを一括して覆う波長変換部材163を有する。さらに、発光装置100Nにおける光反射性部材140Aは第1部分141を有しておらず、第1発光素子121と第2発光素子122との間の領域上方において透光性部材130が光反射性部材140Aから露出されている。
【0070】
図35に示す例のように、透光性部材130の上面130a全体が光反射性部材140Aから露出されていてもよい、または、透光性部材130の上面130aの一部、例えばX方向の端部が光反射性部材140Aに覆われていてもよい。透光性部材130の上面130aは凹状の曲面とされており、透光性部材130の上面130aからX方向に広がるように出射されていた光が、上面130aの中央部に集まりやすくなるため、第2部分142の第3曲面43および第3部分143の第4曲面44の位置で光が遮られてしまうことを抑制し得る。
【0071】
また、第1発光素子121および第2発光素子122の両方にわたってこれらの上方に、透光性部材130および波長変換部材163を配置することにより、第1発光素子121からの光と、第2発光素子122からの光とが透光性部材130および波長変換部材163内部で混合される。これにより、より均一化された光を透光性部材130の上面10aから取り出すこと可能になる。
【0072】
以下、発光装置中の各部材の詳細を説明する。
【0073】
[基板110]
基板110は、第1発光素子121および第2発光素子122が実装される支持部材である。第1方向(図のX方向)に沿って第1発光素子121および第2発光素子122が実装されることに対応して、基板110の上面110aは、典型的には、図のY方向と比較してX方向に長い長方形状を有する。
図1~
図3に示すように、基板110は、全体として概ね直方体状である。
【0074】
図3に例示する構成において、基板110は、上面および下面を有する基材10と、第1配線11と、第2配線12と、基材10内部に配置された導電性部材15とを含む。基材10の上面は、基板110の上面110aに含まれ、基材10の下面は、基板110において上面110aの反対側に位置する下面110bに含まれる。第1配線11および第2配線12は、それぞれ、基板110の上面110a側および下面110b側に位置する。導電性部材15は、基材10を貫通して第1配線11と第2配線12とを互いに電気的に接続している。
【0075】
基材10は、第1配線11および第2配線12が配置される概ね直方体状の支持部材である。基材10の材料の例は、樹脂、セラミックスまたはガラス等の絶縁体である。基材10は、繊維強化樹脂等の複合材料から形成されてもよく、例えばガラスエポキシ基板を基材10に適用してもよい。基材10の母材には、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン(BT)、ポリイミド等を用いることができる。セラミックスとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ジルコニウム、窒化ジルコニウム、酸化チタン、窒化チタン、または、これらの1種以上の混合物を適用できる。これらのセラミックスのうち、発光素子に近い線膨張係数を有する材料を基材10の材料に用いると有利である。
【0076】
基板110の強度の観点からは、基材10のZ方向における厚さが0.05mm以上、より好ましくは、0.2mm以上であると有益である。基材10のZ方向における厚さが0.6mm以下であると、発光装置の薄型化に有利である。基材10のZ方向における厚さは、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下である。
【0077】
図2、
図11および
図12に例示するように、基材10は、それぞれが、基材10の下面と底面10mとに開口する1以上の窪み10Rを有し得る。ここで、基材10の底面10mは、基材10の上面と下面との間に位置する面であって、バックライトへの適用において配線基板の上面に対向させられる面である。
【0078】
基板110は、窪み10Rの内壁を覆う第3配線13をさらに有する。
図11および
図12に示すように、第3配線13は、基板110の下面110b上の第2配線12と連続して基材10の表面上に配置されることにより、第2配線12と電気的接続を有する。バックライトへの適用においては、
図4に示すように、これら窪み10R内に位置するように半田90を配置することにより、発光装置100Gを配線基板に実装できる。
【0079】
第1配線11、第2配線12および第3配線13の材料としては、銅、鉄、ニッケル、タングステン、クロム、アルミニウム、銀、白金、金、チタン、パラジウム、ロジウム、または、これらの1種以上を含有する合金を用いることができる。放熱性の観点からは、これらの配線の材料に銅または銅合金を適用することが有利である。第1配線11、第2配線12および第3配線13は、単層膜の形で基材10に形成されてもよく、積層膜の形で基材10に形成されてもよい。これらの配線の最表面が、銀、白金、アルミニウム、ロジウムもしくは金、または、これらの1種以上を含有する合金から形成されていると、高い光反射性と、半田等に対する良好な濡れ性が得られるので有益である。
【0080】
導電性部材15の材料にも、第1配線11、第2配線12または第3配線13の材料と同様の材料を適用できる。導電性部材15は、基材10に形成された貫通孔内部の全体を占めていてもよいし、貫通孔内部の一部、例えば貫通孔の表面上に配置された導電膜であってもよい。さらに、導電膜に囲まれた領域には、例えばエポキシ樹脂などの絶縁材料が充填されてもよい。
【0081】
図16は、発光装置100Gを基板110の下面110b側から見たときの例示的な外観を示し、
図17は、発光装置100Gを基材10の底面10m側から見たときの例示的な外観を示す。
図16に示す例では、窪み10Rのそれぞれの開口は、半円形状を有する。これらの窪み10Rは、図のX方向において基材10の中央に関して対称に配置され得る。
図16に模式的に示すように、ここでは、導電性部材15は、窪み10Rに重ならない位置に形成されている。
【0082】
図16に例示する構成において、基板110は、1以上の絶縁層18をさらに有する。絶縁層18は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂から形成され、基材10の下面上に位置する複数の第2配線12のそれぞれの一部を覆う。基板110の下面110b側にこのような絶縁層18を配置することにより、第2配線12同士の短絡を防止する効果が得られる。
【0083】
図17を参照して、各窪み10Rの、基材10の底面10mにおける開口の形状に注目する。
図17に示すように、窪み10Rは、図のX方向における両端部と比較して中央部においてZ方向の深さが大きくされた形状を有し得る。なお、
図11および
図12に示すように、窪み10Rは、底面10mに近づくほど図のZ方向に沿った深さが大きくなるような形状を有し得る。
【0084】
[第1発光素子121および第2発光素子122]
第1発光素子121および第2発光素子122は、電流の供給により発光する半導体素子である。第1発光素子121および第2発光素子122の基本的な構造は、概ね共通であり得る。以下では、第1発光素子121の構造を主に説明し、第2発光素子122に関する説明を省略する。
【0085】
図3を参照しながら説明したように、第1発光素子121は、上面121aとは反対側の下面に位置する電極24を有する。電極24は、正極および負極の組を含む。電極24の材料の例は、金、銀、錫、白金、ロジウム、チタン、アルミニウム、タングステン、パラジウム、ニッケル、または、これらの1種以上を含む合金である。第1発光素子121は、半田等の接合部材によって電極24が基板110の第1配線11に接続および固定されることにより、基板110上に実装される。
【0086】
第1発光素子121は、さらに、n型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた活性層とを含む半導体積層構造を有する。半導体積層構造は、サファイアまたは窒化ガリウム等の支持基板上に形成され得る。第1発光素子121がその一部に支持基板を含む場合、支持基板の上面が第1発光素子121の上面121aを構成する。上述の電極24は、半導体積層構造の、支持基板とは反対側の表面に設けられる。電極24は、半導体積層構造との間に電気的接続を有し、半導体積層構造に所定の電流を供給する機能を有する。
【0087】
半導体積層構造は、紫外~可視域の発光が可能な窒化物半導体(InxAlyGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)を含んでいてもよい。なお、第1発光素子121と第2発光素子122との間で、発光ピーク波長を異ならせてもよい。例えば、主に青色光を出射する半導体積層構造を第1発光素子121に適用し、主に緑色光を出射する半導体積層構造を第2発光素子122に適用してもよい。
【0088】
[第1透光性部材131B、第2透光性部材132B]
第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bは、それぞれ第1発光素子121の上方および第2発光素子122の上方に配置される概ね板状の部材である。第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bは、第1発光素子121および第2発光素子122の保護層として機能する。
【0089】
第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bは、例えば、シリコーン樹脂等を母材とする樹脂材料から形成される。典型的には、第1透光性部材131Bは、第1発光素子121の発光ピーク波長を有する光に対して、60%以上の透過率を有する。第2透光性部材132Bについても同様のことがいえる。光を有効に利用する観点から、発光素子の発光ピーク波長における透光部材(第1透光性部材131B、第2透光性部材132B)の透過率が70%以上であると有益であり、80%以上であるとより有益である。
【0090】
第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bの母材には、シリコーン樹脂のほか、例えば、シリコーン変性樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルペンテン樹脂もしくはポリノルボルネン樹脂、または、これらの2種以上を含む材料を適用し得る。第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bの材料として、ガラスを選択することも可能である。
【0091】
母材とは異なる屈折率を有する光拡散材を母材中に分散させることにより、第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bに光拡散機能を与えてもよい。光拡散材としては、例えば、母材と屈折率の異なる樹脂の粒子、または、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウムもしくは酸化亜鉛の粒子等を用いることができる。母材中に分散させる光拡散材として、D50で定義される粒径が1nm以上100nm以下であるようなナノ粒子を用いることにより、透光性部材中の散乱を増大させることができる。
【0092】
上述したように、本開示の実施形態において、第1透光性部材131Bの上面131aの少なくとも一部および第2透光性部材132Bの上面132aの少なくとも一部は、光反射性部材140Aから露出される。すなわち、第1透光性部材131Bの第1面31は、上面131aの一部または全部であり、第2透光性部材132Bの第2面32は、上面132aの一部または全部である。ここでは、第1面31および第2面32は、第1断面において凹状とされている。
【0093】
[第1波長変換部材161、第2波長変換部材162]
第1波長変換部材161は、第1発光素子121の上面121aと第1透光性部材131Bの下面131bとの間に位置する概ね板状の部材である。同様に、第2波長変換部材162は、第2発光素子122の上面122aと第2透光性部材132Bの下面132bとの間に位置する概ね板状の部材である。
【0094】
第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、母材と、母材中に分散された、蛍光体の粒子等を含有する。第1波長変換部材161および第2波長変換部材162の母材の例は、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリノルボルネン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂もしくはフッ素樹脂、または、これらの2種以上を含む樹脂である。第1波長変換部材161および第2波長変換部材162の母材として、ガラスを選択することも可能である。第1透光性部材131Bに効率的に光を導入する観点からは、第1波長変換部材161の材料が第1透光性部材131Bの材料よりも低い屈折率を有すると有益である。同様に、第2波長変換部材162の材料が第2透光性部材132Bの材料よりも低い屈折率を有すると有益である。第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、単層であってもよいし、例えば複数の樹脂層の積層構造を含んでいてもよい。
【0095】
第1波長変換部材161および第2波長変換部材162中に分散させる蛍光体には、公知の材料を適用することができる。蛍光体としては、例えば、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、βサイアロン蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)、αサイアロン蛍光体(例えば、Mz(Si,Al)12(O,N)16(但し、0<z≦2であり、MはLi、Mg、Ca、Y、およびLaとCeを除くランタニド元素))、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)もしくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)もしくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、CCA系蛍光体(例えば、(Ca,Sr)10(PO4)6Cl2:Eu)を用いることができる。蛍光体は、量子ドット蛍光体であってもよい。波長変換部材(第1波長変換部材161または第2波長変換部材162)中には、これらの蛍光体のうちの1種を単体で含有させてもよいし、あるいは、これらの蛍光体のうち2種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0096】
例えば
図13に示すような構成によれば、波長変換部材が発光素子と透光性部材との間に介在することにより、波長変換部材を介して、発光素子からの光を透光性部材に導入させることが可能になる。これにより、混色後の光を透光性部材内部で拡散でき、輝度ムラの抑制された例えば白色光を第1面31または第2面32から発光装置100Gの外部に取り出すことができる。なお、
図14に示す発光装置100Hのように、第1波長変換部材161を透過した光および第2波長変換部材162を透過した光を単一の透光性部材130に導入する構成によれば、第1波長変換部材161を透過した光および第2波長変換部材162を透過した光を透光性部材130中で混合でき、光の均一化に有利である。
【0097】
第1波長変換部材161と第2波長変換部材162との間で、母材中に分散させる蛍光体を異ならせてもよい。また、第1波長変換部材161の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、第1波長変換部材161に光拡散の機能を付与してもよい。同様に、第2波長変換部材162の材料に母材とは屈折率の異なる材料を分散させることにより、第2波長変換部材162に光拡散の機能を付与してもよい。例えば、第1波長変換部材161および/または第2波長変換部材162の母材に、二酸化チタン、酸化ケイ素等の粒子を分散させてもよい。
【0098】
[第1接合部材151、第2接合部材152]
第1接合部材151および第2接合部材152は、それぞれ、第1発光素子121の側面121cの一部上に位置する部分および第2発光素子122の側面122cの一部上に位置する部分を少なくとも含む透光性の部材である(
図3参照)。上述の第1波長変換部材161および第2波長変換部材162は、それぞれ、第1接合部材151および第2接合部材152によって第1発光素子121および第2発光素子122に接合される。第2接合部材152の詳細は、第1接合部材151とほぼ同様であるので、以下では、主に第1接合部材151の詳細を説明し、第2接合部材152の詳細に関する説明を省略する。
【0099】
第1接合部材151は、第1発光素子121の側面121cと、光反射性部材140Aとの間に位置する部分を含む。第1接合部材151を設けることにより、第1発光素子121が発する光のうち、側面121cから出る光の一部を第1接合部材151に入射させることができる。第1接合部材151に入射した光は、第1接合部材151の外面151cの位置で第1透光性部材131Bに向けて反射され、第1透光性部材131Bを介して発光装置100Gの外部に向けて出射する。したがって、第1接合部材151を設けることにより、光の取出し効率を向上させることができる。
【0100】
第1接合部材151の材料としては、透明な樹脂を母材として含む樹脂材料を用いることができる。第1接合部材151の母材としては、例えば第1透光性部材131Bの母材と同様の材料を用いることができる。母材とは異なる屈折率を有する光拡散材が分散させられることにより、第1接合部材151が光拡散機能を有していてもよい。
【0101】
断面視における外面151cの形状は、
図13に示すような直線状に限定されない。断面視における外面151cの形状は、折れ線状、第1発光素子121に近づく方向に凸の曲線状、第1発光素子121から離れる方向に凸の曲線状等であってもよい。第1接合部材151の外面151cの断面視における形状が、第1発光素子121から離れる方向に凸の曲線状であると、第1発光素子121の側面121cから出射され、第1接合部材151を通過した光のより多くをより効率的に第1透光性部材131B側に導き得る。よって、より有利に光取り出し効率を向上させ得る。
【0102】
[光反射性部材140A]
光反射性部材140Aは、基板110の上面110a上において第1発光素子121および第2発光素子122を取り囲むように形成され、第1透光性部材131Bの第1面31および第2透光性部材132Bの第2面32を除いて、基板110の上面110a上の構造を覆っている。
図13に示す例では、光反射性部材140Aは、第1透光性部材131Bの側面131cおよび第2透光性部材132Bの側面132c(
図3参照)に加えて、第1波長変換部材161の側面161cおよび第2波長変換部材162の側面162cにも接している。
【0103】
光反射性部材140Aは、例えば、光拡散材が分散された樹脂材料から形成される。光反射性部材140Aの母材としては、例えば、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ユリア樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂もしくはこれらの変性樹脂、または、これらの2種以上を含む樹脂を用いることができる。光拡散材としては、母材よりも高い屈折率を有する、無機材料もしくは有機材料の粒子を用いることができる。光拡散材の例は、酸化チタン、酸化マグネシウム、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライト、酸化ニオブ、硫酸バリウム、酸化ケイ素、各種希土類酸化物(例えば、酸化イットリウム、酸化ガドリニウム)等の粒子である。光反射性部材140Aが白色を呈していると有益である。
【0104】
本明細書において、「光反射性」とは、発光素子(第1発光素子121または第2発光素子122)の発光ピーク波長における反射率が60%以上であることを指す。光反射性部材140Aの、発光素子の発光ピーク波長における反射率が70%以上であるとより有益であり、80%以上であるとさらに有益である。
【0105】
光反射性部材140Aは、第1面31および第2面32を除き、第1透光性部材131Bの表面および第2透光性部材132Bの表面を覆う。光反射性部材140Aの一部が、第1透光性部材131Bの上面131aの一部上および/または第2透光性部材132Bの上面132aの一部上に位置することもあり得る。
図14に例示する構成においては、光反射性部材140Aの第1部分141は、光反射性部材140Aのうち透光性部材130の上面上であって第1面31と第2面32に挟まれた部分である。
【0106】
例えば
図13に示すように、光反射性部材140Aの一部は、第1発光素子121と基板110との間および第2発光素子122と基板110との間にも位置し得る。第1発光素子121と基板110との間および第2発光素子122と基板110との間に光反射性部材140Aを配置することにより、発光素子の下面側からの光の出射を抑制でき、光の利用効率向上の効果が得られる。
【0107】
[配線層160]
図15に示す例において、発光装置100Kは、基板110を有しない代わりに、光反射性部材140Aの下面140b上に設けられた配線層160を有している。配線層160は、光反射性部材140Aを形成した後、例えば、下面140b上に金属膜等の導電膜を形成し、導電膜をパターニングすることにより得られる。配線層160の材料には、第1配線11、第2配線12および第3配線13の材料と同様の材料を適用できる。配線層160は、単層膜の形で光反射性部材140Aの下面140b上に形成されてもよいし、積層膜の形で形成されてもよい。
【0108】
(発光装置の例示的な製造方法)
次に、図面を参照しながら、本開示の実施形態による発光装置の例示的な製造方法の概略を説明する。ここでは、
図13に示す発光装置100Gの例示的な製造方法を説明する。
【0109】
まず、上面110aに第1導電層11Lを有し、上面110aとは反対側の下面110bに第2導電層12Lを有する集合基板110Xを準備する。
図18および
図19は、それぞれ、集合基板110Xを上面110a側から見た外観の一例および集合基板110Xを下面110b側から見た外観の一例を模式的に示している。この例では、集合基板110Xの複数の箇所に、第1導電層11Lと第2導電層12Lとを結ぶ導電性部材15が設けられている。
【0110】
集合基板110Xは、板状の絶縁基材の両面に、めっき等によって導電膜を形成し、その後、導電膜をパターニングすることにより得ることができる。
図18に示すように、第1導電層11Lは、複数のランド11pを含む。
図19に例示する構成において、集合基板110Xの下面110bには、ドリル、レーザ等を用いて形成された複数の穴部110hが設けられており、第2導電層12Lは、これら穴部110hの内側面にも形成されている。ここでは、第2導電層12Lの一部を覆うように絶縁層18が集合基板110Xの下面110b側に形成されている。
【0111】
次に、第1発光素子121および第2発光素子122を準備する。ここでは、第1発光素子121および第2発光素子122の組を複数準備し、
図20に示すように、これらの組を図のX方向およびY方向に沿って集合基板110Xの上面110a側に二次元に実装する。このとき、
図21に示すように、導電性接着部材40により、第1発光素子121および第2発光素子122の電極24を第1導電層11Lの複数のランド11pに接合する。導電性接着部材40としては、例えば、金、銀、銅等のバンプ、金、銀、銅、白金、アルミニウム等の金属粉末と樹脂バインダとの混合物である導電性ペースト、または、錫-銀-銅(SAC)系もしくは錫-ビスマス(SnBi)系の半田を用いることができる。
【0112】
次に、第1発光素子121の上面121aおよび第2発光素子122の上面122aに透光性の接着剤を付与し、それぞれが蛍光体層および透光層を含む複数の積層シート片をこれらの上面に接合する。接着剤の硬化により、接着剤から第1接合部材151および第2接合部材152を形成でき、
図22に示すように、第1波長変換部材161および第1透光性部材131Xを第1発光素子121の上面121aの上方に配置できる。同様に、第2波長変換部材162および第2透光性部材132Xを第2発光素子122の上面122aの上方に配置できる。なお、積層シート片は、例えば、蛍光体の粒子を含有する樹脂材料を透光性の樹脂シート上に付与した後に樹脂材料を硬化させて積層シートを得、積層シートを所定の寸法に切断することにより得られる。
【0113】
次に、集合基板110Xの上面110a上に光反射性部材140Aの材料を付与し、硬化させることにより、
図23に示すように、第1発光素子121および第2発光素子122の複数の組を覆う光反射性樹脂層140Xを形成する。このとき、光反射性樹脂層140Xは、第1透光性部材131Xおよび第2透光性部材132Xの全体を覆う厚さを有する。
【0114】
次に、例えば、回転といし(ブレード)を利用した切削により、図のY方向に沿って光反射性樹脂層140Xの一部、第1透光性部材131Xの一部および第2透光性部材132Xの一部を除去する(
図24参照)。このとき、
図25に模式的に示すように、ブレードBLを図のY方向に沿って複数回移動させることにより、第1透光性部材131Xおよび第2透光性部材132Xの上面を凹状とすることが可能である。また、ブレードBLの刃先の形状の調整により、断面視において曲線状の部分を含むような光反射性樹脂層140Xの表面形状を得ることができる。この切削工程により、第1透光性部材131Xおよび第2透光性部材132Xから第1透光性部材131Bおよび第2透光性部材132Bをそれぞれ形成することができる。
【0115】
その後、第1発光素子121および第2発光素子122の複数の組の間の位置(
図18~
図20中に二点破線で示す位置)で集合基板110Xおよび光反射性樹脂層140Xを切断する。この個片化の工程により、集合基板110Xおよび光反射性樹脂層140Xから、それぞれ、基板110および光反射性部材140Aを形成できる。また、第1導電層11Lおよび第2導電層12Lから第1配線11、第2配線12および第3配線13を形成できる。第3配線13は、第2導電層12Lのうち集合基板110Xの穴部110hの内側面を覆っていた部分に相当する。以上の工程により、複数の発光装置100Gが得られる。
【実施例0116】
光線追跡の手法により、発光装置の光反射性部材の形状および透光性部材の形状が、導光板との間の光結合効率に与える影響を評価した。以下では、サイバネットシステム株式会社製の光学解析ツールを用いてシミュレーションを行った。
【0117】
(実施例1)
実施例1のサンプルとして、
図1~
図3に示す発光装置100Aと同様の構成を有する発光装置を想定し、発光装置の第1面31および第2面32を導光板に対向させた状態における光線分布をシミュレーションにより求めた。ただし、以下では、光反射性部材140Aの第1部分141、第2部分142および第3部分143は、第1断面において第1面31または第2面32から垂直に立ち上がる形状を有しているものと想定してシミュレーションを実行している。
【0118】
実施例1のサンプルでは、光反射性部材140Aの高さH1が0.02mmであるとした。ここでは、第1透光性部材131Aの第1面31および第2透光性部材132Aの第2面32の形状として、平坦面を想定している。したがって、実施例1のサンプルに関するシミュレーションでは、透光性部材と導光板との間の距離は、0.02mmである。
【0119】
シミュレーションにおけるその他の基本的な設定は、以下のとおりである。
発光素子121、122からの出射光の波長:455nm
発光素子121、122中のサファイア基板の屈折率:1.77
発光素子121、122中の半導体積層構造の屈折率:2.383
接合部材151、152の屈折率:1.47
波長変換部材161、162の屈折率:1.5
光反射性部材140Aの屈折率:1.5
導光板の材質:アクリル樹脂
光線の本数:300万本
【0120】
(実施例2)
第1面31および第2面32が第1断面においてそれぞれ第1発光素子121および第2発光素子122に向かって窪んだ曲面状であるとしたこと以外は実施例1のサンプルと同様にして、実施例2のサンプルに関するシミュレーションを行った。第1面31の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離および第2面32の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離は、いずれも0.02mmであるとした。すなわち、実施例2のサンプルにおいて、第1面31の中央部から導光板までの図のZ方向に沿った距離および第2面32の中央部から導光板までの図のZ方向に沿った距離は、いずれも0.04mmである。
【0121】
(実施例3)
光反射性部材140Aの第1部分141、第2部分142および第3部分143の高さが0.04mmであるとしたこと以外は実施例2のサンプルと同様にして、実施例3のサンプルに関するシミュレーションを行った。すなわち、実施例3のサンプルにおいて、第1面31の中央部から導光板までの図のZ方向に沿った距離および第2面32の中央部から導光板までの図のZ方向に沿った距離は、いずれも0.06mmである。
【0122】
(実施例4)
実施例4のサンプルとして、
図10に示す発光装置100Fと同様の構成を有する発光装置を想定してシミュレーションを行った。すなわち、実施例4のサンプルでは、第1断面における第1面31の形状および第2面32の形状は、V字状であるとした。第1面31の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離および第2面32の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離は、0.04mmであるとした。すなわち、実施例4のサンプルにおいて、第1面31の中央部から導光板までの図のZ方向に沿った距離および第2面32の中央部から導光板までの図のZ方向に沿った距離は、実施例2のサンプルと同様にいずれも0.04mmである。
【0123】
(参考例1)
光反射性部材140Aが第1部分141、第2部分142および第3部分143のいずれも有しないとしたこと以外は実施例1のサンプルと同様にして、参考例1のサンプルに関するシミュレーションを行った。参考例1のサンプルでは、透光性部材の全体が導光板に接した状態を想定している。
【0124】
(参考例2)
発光装置を導光板から0.02mm離して置いた状態であるとしたこと以外は参考例1のサンプルと同様にして、参考例2のサンプルに関するシミュレーションを行った。参考例2のサンプルでは、透光性部材と導光板との間の距離は、実施例1のサンプルと同様の0.02mmである。
【0125】
(参考例3)
第1面31および第2面32が第1断面においてそれぞれ第1発光素子121および第2発光素子122に向かって窪んだ曲面状であるとしたこと以外は参考例2のサンプルと同様にして、参考例3のサンプルに関するシミュレーションを行った。第1面31の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離および第2面32の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離は、実施例1のサンプルと同様にいずれも0.02mmであるとした。参考例3のサンプルでは、透光性部材の中央部と導光板との間の距離は、0.02mmである。
【0126】
(参考例4)
第1面31の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離および第2面32の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離が0.05mmであるとしたこと以外は参考例3のサンプルと同様にして、参考例4のサンプルに関するシミュレーションを行った。参考例4のサンプルでは、透光性部材の中央部と導光板との間の距離は、0.05mmである。
【0127】
(参考例5)
第1面31の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離および第2面32の端部から中央部までの図のZ方向に沿った距離が0.10mmであるとしたこと以外は参考例4のサンプルと同様にして、参考例5のサンプルに関するシミュレーションを行った。参考例5のサンプルでは、透光性部材の中央部と導光板との間の距離は、0.10mmである。
【0128】
(光結合効率の評価)
各サンプルについて、光結合効率として、導光板内部に入射する光線の割合(フレネル反射を除いた成分)を計算したところ、以下の結果を得た。
【0129】
実施例1:94.4%、実施例2:92.9%、実施例3:89.8%
参考例1:98.8%、参考例2:94.5%、参考例3:95.4%、参考例4:92.5%、参考例5:86.3%
参考例1のサンプルについての光結合効率の計算結果と、実施例1のサンプルおよび参考例2のサンプルについての光結合効率の計算結果とから、透光性部材が導光板から離れることにより光結合効率が低下することがわかる。また、実施例2のサンプルおよび実施例3のサンプルについての光結合効率の計算結果と、参考例3のサンプルについての光結合効率の計算結果とを比較すると、導光板と透光性部材の中央部との間の距離が拡大するほど光結合効率が低下していくこともわかる。実施例1のサンプルについての光結合効率の計算結果と、実施例2のサンプルについての光結合効率の計算結果とを比較すると、導光板と透光性部材の中央部との間の距離が離れた場合であっても、第1面31および第2面32を凹状とすることにより、導光板と透光性部材の中央部との間の距離が拡大することに伴う光結合効率の低下の度合いが穏やかであることが予想される。
【0130】
図26~
図32は、各サンプルについての、導光板の側面から0.1mm内側の位置における放射照度の計算結果を模式的に表す。
図26~
図29は、それぞれ、実施例1~実施例4のサンプルについての計算結果を示している。
図30、
図31および
図32は、それぞれ、参考例1、参考例4および参考例5についての計算結果を示している。
【0131】
実施例1のサンプルに関するシミュレーション結果である
図26と、実施例3のサンプルに関するシミュレーション結果である
図28とを比較すると、第1面31と第2面32との間の第1部分141の位置における放射照度がやや低下していることがわかる。これは、第1面31および第2面32を凹状とすることにより、第1断面に平行な面内(ZX面内)における光の拡がりが低減されることを意味していると推測される。つまり、第1面31および第2面32を凹状とすることにより、発光装置と導光板との間における光の拡散が抑制される結果、第1部分141に入射することにより導光板に到達しなくなる成分を低減させる効果が得られるといえる。
本開示の実施形態は、各種照明用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源等に有用である。特に、液晶表示装置に向けられたバックライトユニットに有利に適用できる。本開示の実施形態による発光装置は、厚さ低減の要求が厳しいモバイル機器の表示装置用のバックライトに有利に用いることができる。