(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064324
(43)【公開日】2022-04-25
(54)【発明の名称】バッテリーパック
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220418BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220418BHJP
H02H 7/18 20060101ALI20220418BHJP
【FI】
H02J7/00 S
H01M10/48 301
H02J7/00 301B
H02H7/18
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021167355
(22)【出願日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】10-2020-0132205
(32)【優先日】2020-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】李 泰鎭
(72)【発明者】
【氏名】金 炳助
【テーマコード(参考)】
5G053
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G053AA14
5G053BA06
5G053DA03
5G053EA01
5G503AA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CB02
5G503FA03
5G503GD03
5G503GD06
5H030AS08
5H030FF26
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】バッテリーコネクタの異常状態を感知できるバッテリーパックを提供する。
【解決手段】本発明はバッテリーコネクタの異常状態を感知できるバッテリーパックに関する。一例として、多数のバッテリーセルを含むバッテリー;前記バッテリーの電極端子に電気的に連結され、外部コネクタと接続されたバッテリーコネクタ;前記バッテリーコネクタの温度を測定する温度感知部;前記バッテリーの充電および放電を制御する充放電制御部;および前記バッテリーコネクタの異常状態を判断するメイン制御部;を含み、前記メイン制御部はバッテリーコネクタの温度が基準温度より高いと、前記バッテリーコネクタの接触が不良なものと判断して再結合命令をすることを特徴とするバッテリーパックを開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数のバッテリーセルを含むバッテリー;
前記バッテリーの電極端子に電気的に連結され、外部コネクタと接続されるバッテリーコネクタ;
前記バッテリーコネクタの温度を測定する温度感知部;
前記バッテリーの充電および放電を制御する充放電制御部;および
前記バッテリーコネクタの異常状態を判断するメイン制御部;を含み、
前記メイン制御部はバッテリーコネクタの温度が基準温度より高いと、前記バッテリーコネクタと外部コネクタとの接触が不良なものと判断して再結合命令をすることを特徴とする、バッテリーパック。
【請求項2】
前記メイン制御部はバッテリーコネクタの温度が前記基準温度より高く設定された上限温度より高いと、前記充放電制御部に充電および放電を中止させる命令をすることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項3】
前記メイン制御部は再結合命令後、一定時間内にバッテリーコネクタが再結合されないと、前記充放電制御部に充電および放電を中止させる命令をすることを特徴とする、請求項1または2に記載のバッテリーパック。
【請求項4】
前記メイン制御部は再結合命令後、一定時間内にバッテリーコネクタが再結合されると、前記温度感知部を通じてバッテリーコネクタの温度を再度伝達を受けて基準温度と比較し、
前記バッテリーコネクタの温度が基準温度より高いと、バッテリーコネクタが劣化したものと判断して取り替え命令をすることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項5】
前記メイン制御部はバッテリーコネクタと外部コネクタとの間の接触抵抗を測定して基準抵抗と比較し、
前記接触抵抗が基準抵抗より高いと前記バッテリーコネクタの接触が不良であると判断して再結合命令をすることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリーパック。
【請求項6】
前記メイン制御部は再結合命令後、一定時間内にバッテリーコネクタが再結合されると、バッテリーコネクタと外部コネクタとの間の接触抵抗を再測定して基準抵抗と比較し、
前記接触抵抗が基準抵抗より高いと、バッテリーコネクタが劣化したものと判断して取り替え命令をすることを特徴とする、請求項5に記載のバッテリーパック。
【請求項7】
前記基準抵抗は前記バッテリーコネクタが前記外部コネクタに100%挿入された時に測定された抵抗であることを特徴とする、請求項5または6に記載のバッテリーパック。
【請求項8】
前記バッテリーコネクタの再結合または取り替え情報を使用者に知らせる表示部をさらに含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項9】
前記温度感知部の温度センサは前記バッテリーコネクタに設置されたことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【請求項10】
前記温度感知部の温度センサはバッテリー管理システムに設置され、ワイヤーを通じて前記バッテリーコネクタと連結されたことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリーパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバッテリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(Secondary battery)は充電が不可能な一次電池とは異なって充電および放電が可能な電池であり、一つのバッテリーセルがパックの形態で包装された低容量電池の場合は携帯電話のような携帯可能な小型の電子機器に使われ、バッテリーセルが数十個連結されたバッテリーパック単位の大容量電池の場合は電気自転車、電気自動車などのモータ駆動用電源として使われている。特に、個人用移動手段であるE-Mobility市場の増加で多様な製品群にバッテリーパックが適用されている。
【0003】
このような個人用移動手段に装着されたバッテリーパックは外部衝撃に相当部分露出されているため、バッテリーパックとシステムが連結される部分の信頼性問題が台頭している。また、バッテリーパックの連結コネクタの摩耗および劣化によってバッテリーパックがシステムに不安定に接続され得るため電源の供給に問題が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はバッテリーコネクタの異常状態を感知できるバッテリーパックを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるバッテリーパックは、多数のバッテリーセルを含むバッテリー;前記バッテリーの電極端子に電気的に連結され、外部コネクタと接続されるバッテリーコネクタ;前記バッテリーコネクタの温度を測定する温度感知部;前記バッテリーの充電および放電を制御する充放電制御部;および前記バッテリーコネクタの異常状態を判断するメイン制御部;を含み、前記メイン制御部はバッテリーコネクタの温度が基準温度より高いと、前記バッテリーコネクタと外部コネクタとの接触が不良なものと判断して再結合命令をすることができる。
【0006】
前記メイン制御部はバッテリーコネクタの温度が前記基準温度より高く設定された上限温度より高いと、前記充放電制御部に充電および放電を中止させる命令をすることができる。
【0007】
前記メイン制御部は再結合命令後、一定時間内にバッテリーコネクタが再結合されないと、前記充放電制御部に充電および放電を中止させる命令をすることができる。
【0008】
前記メイン制御部は再結合命令後、一定時間内にバッテリーコネクタが再結合されると、前記温度感知部を通じてバッテリーコネクタの温度を再度伝達を受けて基準温度と比較し、前記バッテリーコネクタの温度が基準温度より高いと、バッテリーコネクタが劣化したものと判断して取り替え命令をすることができる。
【0009】
前記メイン制御部はバッテリーコネクタと外部コネクタの間の接触抵抗を測定して基準抵抗と比較し、前記接触抵抗が基準抵抗より高いと前記バッテリーコネクタの接触が不良であると判断して再結合命令をすることができる。
【0010】
前記メイン制御部は再結合命令後、一定時間内にバッテリーコネクタが再結合されると、バッテリーコネクタと外部コネクタの間の接触抵抗を再測定して基準抵抗と比較し、前記接触抵抗が基準抵抗より高いと、バッテリーコネクタが劣化したものと判断して取り替え命令をすることができる。
【0011】
前記基準抵抗は前記バッテリーコネクタが前記外部コネクタに100%挿入された時に測定された抵抗であり得る。
【0012】
前記バッテリーコネクタの再結合または取り替え情報を使用者に知らせる表示部をさらに含むことができる。
【0013】
前記温度感知部の温度センサは前記バッテリーコネクタに設置され得る。
【0014】
前記温度感知部の温度センサはバッテリー管理システムに設置され、ワイヤーを通じて前記バッテリーコネクタと連結され得る。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一実施形態に係るバッテリーパックは、バッテリーコネクタの温度および接触抵抗を測定して基準値と比較することによって、バッテリーコネクタの異常状態を感知することができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックは、バッテリーコネクタの異常状態によって使用者に再結合または取り替えを知らせることによって、安定性および信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを図示したブロック図である。
【
図3】メイン制御部に保存された温度テーブルを図示した図面である。
【
図4】バッテリー管理システムがバッテリーコネクタの温度によって異常状態を判断する方法を図示したフローチャートである。
【
図5】バッテリー管理システムがバッテリーコネクタの接触抵抗によって異常状態を判断する方法を図示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0019】
本発明の実施形態は当該技術分野で通常の知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものであり、下記の実施形態は多様な他の形態に変形され得、本発明の範囲は下記の実施形態に限定されるものではない。これらの実施形態は本開示をさらに忠実かつ完全にし、当業者に本発明の思想を完全に伝達するために提供されるものである。
【0020】
本明細書で使われた通り、用語「および/または」は該当列挙された項目のうちいずれか一つおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。また、本明細書で「連結される」という意味は、A部材とB部材が直接連結される場合だけでなく、A部材とB部材の間にC部材が介在されてA部材とB部材が間接連結される場合も意味する。
【0021】
本明細書で使われた用語は特定の実施形態を説明するために使用され、本発明を制限するためのものではない。本明細書で使用された通り、単数の形態は文脈上異なる場合を明確に指摘するものではなければ、複数の形態を含むことができる。また、本明細書で使われる場合、「含む(comprise,include)」および/または「含む(comprising,including)」は言及した形状、数字、段階、動作、部材、要素および/またはこれらグループの存在を特定するものであり、一つ以上の他の形状、数字、動作、部材、要素および/またはグループの存在または付加を排除するものではない。
【0022】
また、以下の図面で各層の厚さや大きさは説明の便宜および明確性のために誇張されたものであり、図面上において同一符号は同一の要素を指称する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリーパックを図示したブロック図である。
図2aおよび
図2bは、温度感知部の構成を図示した図面である。
【0024】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るバッテリーパック100はバッテリー110、バッテリーコネクタ120、温度感知部130、充放電制御部140、メイン制御部150および表示部160を含むことができる。一部の例において、温度感知部130、充放電制御部140、メイン制御部150および表示部160は、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)と指称され得る。本発明の一実施形態に係るバッテリーパック100はバッテリーコネクタ120を通じて外部システム200と接続され得る。ここで、外部システム200はe-モビリティ(Electric Mobility)のような電気駆動方式の個人用移動手段であり得る。一部の例において、外部システム200は電気自転車、直立型移動手段、電動車椅子、超小型電気自動車または電気二輪車などを含むことができる。バッテリーパック100は外部システム200に装着されて電源を供給することによって、外部システム200を駆動させることができる。ここで、バッテリーパック100のバッテリーコネクタ120はシステム200のシステムコネクタ210に結合され得る。
【0025】
バッテリー110は少なくとも一つのバッテリーセルを含むことができ、一定の電圧で充電されるか放電され得る。一部の例において、バッテリー110は多数のバッテリーセルが直列および/または並列に連結され得る。このようなバッテリーセルの電気的連結関係は、外部システム200が必要とする容量によって別途に設計され得る。前記バッテリー110はプラス端子B+とマイナス端子B-を有する。併せて、前記バッテリー110のプラス端子B+およびマイナス端子B-はバッテリーパック100のパックプラス端子P+およびパックマイナス端子P-にそれぞれ電気的に連結される。ここで、プラス端子B+とパックプラス端子P+の間には充電素子と放電素子が連結され得る。
【0026】
バッテリーコネクタ120はパックプラス端子P+およびパックマイナス端子P-を含むことができる。バッテリーコネクタ120はシステム200のシステムコネクタ210に結合または締結され得る。一部の例において、バッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210はmale/femaleの形態で結合され得る。バッテリーコネクタ120はバッテリーパック100を外部システム200に結合するための手段であり、バッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の結合が正常になされないと外部システム200に正常に電源を供給できない。もし、バッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間に結合が不安定な場合には、バッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗が増加し温度が上昇してバッテリーパック100の安定性および信頼性が低下し得る。一部の例において、バッテリーコネクタ120は外部衝撃によってシステムコネクタ210との接触不良が発生し得る。一部の例において、バッテリーコネクタ120は頻繁な外部衝撃によって摩耗および劣化し得る。
【0027】
温度感知部130はバッテリーコネクタ120の温度を感知することができる。温度感知部130はワイヤー(wire)を通じてバッテリーコネクタ120と電気的に連結され得る。温度感知部130は温度センサを通じてバッテリーコネクタ120の温度を感知することができる。一部の例において、
図2aに図示された通り、温度センサはバッテリー管理システムBMSを構成する回路基板に設置され得る。このような温度センサは、ワイヤーを通じてバッテリーコネクタ120の温度を測定して温度感知部130に伝達することができる。一部の例において、
図2bに図示された通り、温度センサはバッテリーコネクタ120に直接設置され得、温度感知部130は温度センサで測定されたバッテリーコネクタ120の温度情報をワイヤーを通じて伝達され得る。例えば、温度センサはサーミスタ、サーモパイルまたはRTD(Resistance Temperature Detector)を含むことができる。
【0028】
充放電制御部140はバッテリー110の充電および放電を制御することができる。一部の例において、充放電制御部140はバッテリー110のプラス端子B+とパックプラス端子P+の間に位置した充電素子または放電素子を制御して、バッテリー110の充電または放電を遂行することができる。例えば、充電素子および放電素子はそれぞれ電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)と寄生ダイオード(parasitic diode)を含むことができる。充放電制御部140はメイン制御部150の命令によって充電素子および放電素子を動作させることができる。例えば、バッテリーコネクタ120に外部電源が連結される時、前記充放電制御部140はメイン制御部150の命令によって充電素子をターンオンさせてバッテリー110を充電することができる。また、バッテリーコネクタ120に外部システム200が連結される時、充放電制御部140はメイン制御部150の命令によって放電素子をターンオンさせてバッテリー110を放電させることによって外部システム200に電源を供給することができる。
【0029】
メイン制御部150はバッテリー110の電圧と電流をモニタリングして、充放電制御部140にバッテリー110の充電または放電に対する命令をすることができる。また、メイン制御部150は温度感知部130からバッテリーコネクタ120の温度情報の伝達を受け、バッテリーコネクタ120の異常状態を判断することができる。メイン制御部150はバッテリーコネクタ120の温度情報を分析して、バッテリーコネクタ120の接触不良、劣化、摩耗、衝撃などのような異常状態を判断することができる。
【0030】
図3は、メイン制御部に保存された温度テーブルを図示した図面である。
【0031】
メイン制御部150は温度感知部130からバッテリーコネクタ120の温度情報の伝達を受け、基準温度と比較してバッテリーコネクタ120の異常状態を判断することができる。メイン制御部150にはバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の結合の程度による接触抵抗と、入力電流による温度テーブルが保存されている。例えば、
図3に図示された通り、メイン制御部150にはバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の結合が正常である時、すなわち、バッテリーコネクタ120がシステムコネクタ210に100%挿入された時のバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗と、基準レベルの電流が流れる時の温度情報が保存され得る。ここで、基準レベルの電流は0.5C、1Cで設定され得る。また、メイン制御部150にはバッテリーコネクタ120がシステムコネクタ210に90%~10%挿入された時、各段階別に、バッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗と、基準レベルの電流が流れる時の温度および温度変化量の情報が保存され得る。ここで、バッテリーコネクタ120がシステムコネクタ210に挿入される段階は10%間隔で設定され得、100%~10%挿入された時の全10段階に分かれ得る。
【0032】
メイン制御部150は温度感知部130から伝達されたバッテリーコネクタ120の温度が基準温度より高いと接触不良と判断して、表示部160を通じて使用者にバッテリーコネクタ120を再結合するように知らせることができる。使用者は表示部160を通じて知らせを受けて、バッテリーコネクタ120を再締結することができる。ここで、基準温度はバッテリーコネクタ120がシステムコネクタに100%挿入された時に測定された温度を意味する。また、メイン制御部150は、現在バッテリーコネクタ120に流れる電流を測定して、測定された電流に該当する基準温度と比較することができる。
【0033】
一部の例において、メイン制御部150は使用者がバッテリーコネクタ120を再締結したにもかかわらず、バッテリーコネクタ120の温度が基準温度より高いと、バッテリーコネクタ120が摩耗または劣化したものと判断して、表示部160を通じて使用者にバッテリーコネクタ120を取り替えるように知らせることができる。
【0034】
一部の例において、メイン制御部150は温度感知部130から伝達されたバッテリーコネクタ120の温度が上限温度より高いと、バッテリー管理システムBMSを保護するために保護モードで動作することができる。ここで、上限温度は基準温度より高い温度に設定され得る。例えば、上限温度は約85℃に設定され得る。一部の例において、保護モードではバッテリーパック100を保護するために充電または放電を中止させることができる。したがって、メイン制御部150はバッテリーコネクタ120の温度が上限温度より高いと、充放電制御部140にバッテリー110の充電または放電を中止させる命令をすることができる。
【0035】
一部の例において、メイン制御部150はバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗を測定し、測定された接触抵抗が基準抵抗より高いと接触不良と判断して、表示部160を通じて使用者にバッテリーコネクタ120を再結合するように知らせることができる。ここで、基準抵抗はバッテリーコネクタ120がシステムコネクタ210に100%挿入された時に測定された接触抵抗を意味する
【0036】
一部の例において、メイン制御部150は使用者がバッテリーコネクタ120を再締結したにもかかわらず、バッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗が基準抵抗より高いと、バッテリーコネクタ120が摩耗または劣化したものと判断して、表示部160を通じて使用者にバッテリーコネクタ120を取り替えるように知らせることができる。
【0037】
表示部160はバッテリーコネクタ120の状態を使用者に知らせることができる。一部の例において、表示部160は視覚的に情報を表示できるディスプレイ装置であり得る。例えば、表示部160はメイン制御部150からバッテリーコネクタ120が接触不良であると伝達を受けると、バッテリーコネクタ120を再結合するように使用者にメッセージで表示することができる。一部の例において、表示部160はLEDの点灯個数を通じてバッテリーコネクタ120の結合状態を知らせることができる。例えば、表示部160はバッテリーコネクタ120の結合が正常な時はLEDの点灯個数を5個に、結合が不良な時はLEDの点灯個数を5個以下に表示して使用者にバッテリーコネクタ120の結合状態を知らせることができる。
【0038】
また、表示部160は使用者がバッテリーコネクタ120を再締結した後、これをメイン制御部150に知らせることができる入力部を含むことができる。換言すると、使用者はバッテリーコネクタ120を再締結した後に入力部をタッチまたはクリックして、メイン制御部150にこれを知らせることができる。もちろん、使用者が入力部を通じて再結合状態を別途に入力しなくても、メイン制御部150はバッテリーコネクタ120がシステムコネクタ210から分離された後に再結合されたことを感知することができる。したがって、メイン制御部150は使用者がバッテリーコネクタ120を再締結したものと感知すると、温度感知部130を通じてバッテリーコネクタ120の温度の再度伝達を受けることができる。メイン制御部150は、もし使用者が一定時間内にバッテリーコネクタ120を再結合しないと、充放電制御部140にバッテリー110の充電または放電を中止させる命令をすることができる。
【0039】
次に、バッテリー管理システムがバッテリーコネクタの異常状態を判断する方法について説明することにする。
【0040】
図4は、バッテリー管理システムがバッテリーコネクタの温度によって異常状態を判断する方法を図示したフローチャートである。
【0041】
まず、メイン制御部150は温度感知部130で測定したバッテリーコネクタ120の温度の伝達を受け、測定されたバッテリーコネクタ120の温度を基準温度と比較することができる(S10)。メイン制御部150はバッテリーコネクタ120の温度が基準温度より高いと、バッテリーコネクタ120の温度を上限温度と比較することができる(S20)。メイン制御部150はバッテリーコネクタ120の温度が上限温度より高いと、充放電制御部140にバッテリー110の充電または放電を中止するように命令をすることができる(S21)。
【0042】
メイン制御部150はバッテリーコネクタ120の温度が基準温度より高く上限温度より低いと、バッテリーコネクタ120の接触が不良なものと判断して、表示部160を通じてバッテリーコネクタ120を再結合するように再結合アラームを発生させることができる(S30)。メイン制御部150は再結合アラーム発生後、一定時間内に使用者がバッテリーコネクタ120を再結合したかどうかを判断する(S40)。メイン制御部150は一定時間内に使用者がバッテリーコネクタ120を再結合していないものと判断すると、充放電制御部140にバッテリー110の充電または放電を中止しするように命令をすることができる(S41)。したがって、メイン制御部150はバッテリーコネクタ120が不完全に結合された状態でバッテリー110が充電または放電されることを防止してバッテリーパック100を保護することができる。
【0043】
メイン制御部150は一定時間内に使用者がバッテリーコネクタ120を再結合したものと判断すると、温度感知部130を通じてバッテリーコネクタ120の温度の再度伝達を受けることができる。メイン制御部150は再結合されたバッテリーコネクタ120の温度を基準温度と比較する(S50)。メイン制御部150はバッテリーコネクタ120の温度が基準温度より高いと、バッテリーコネクタ120に摩耗または劣化のような部品自体に問題が発生したものと判断して、表示部160を通じてバッテリーコネクタ120を取り替えるようにアラームを発生させることができる(S51)。また、メイン制御部150はバッテリーコネクタ120の温度が基準温度より低いと、バッテリーコネクタ120がシステムコネクタ210に正常に接続されたものと判断することができる。
【0044】
図5は、バッテリー管理システムがバッテリーコネクタの接触抵抗によって異常状態を判断する方法を図示したフローチャートである。
【0045】
まず、メイン制御部150はバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗を測定し、測定されたバッテリーコネクタ120の接触抵抗を基準抵抗と比較することができる(S10’)。メイン制御部150はバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗が基準抵抗より高いと、バッテリーコネクタ120の接触が不良であると判断して、表示部160を通じてバッテリーコネクタ120を再結合するように再結合アラームを発生させることができる(S30)。メイン制御部150は再結合アラーム発生後、一定時間内に使用者がバッテリーコネクタ120を再結合したかどうかを判断する(S40)。メイン制御部150は一定時間内に使用者がバッテリーコネクタ120を再結合していないものと判断すると、充放電制御部140にバッテリー110の充電または放電を中止するように命令をすることができる(S41)。したがって、メイン制御部150はバッテリーコネクタ120が不完全に結合された状態でバッテリー110が充電または放電されることを防止してバッテリーパック100を保護することができる。
【0046】
メイン制御部150は一定時間内に使用者がバッテリーコネクタ120を再結合したものと判断すると、バッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗を再び測定することができる。メイン制御部150は再結合されたバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗を基準抵抗と比較する(S50’)。メイン制御部150はバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗が基準温度より高いと、バッテリーコネクタ120に摩耗または劣化のような部品自体に問題が発生したものと判断して、表示部160を通じてバッテリーコネクタ120を取り替えるようにアラームを発生させることができる(S51)。また、メイン制御部150はバッテリーコネクタ120とシステムコネクタ210の間の接触抵抗が基準抵抗より低いと、バッテリーコネクタ120がシステムコネクタ210に正常に接続されたものと判断することができる。
【0047】
以上で説明したものは本発明によるバッテリーパックを実施するための一つの実施形態に過ぎないものであり、本発明は前記した実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲で請求するように、本発明の要旨を逸脱することなく当該発明が属する分野で通常の知識を有する者であれば誰でも多様な変更実施が可能な範囲まで本発明の技術的精神があると言える。
【符号の説明】
【0048】
100:バッテリーパック
110:バッテリー
120:バッテリーコネクタ
130:温度感知部
140:充放電制御部
150:メイン制御部
160:表示部
200:外部システム
210:システムコネクタ