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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064369
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】レンズ保護部材、及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20220419BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220419BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220419BHJP
   G03B 17/00 20210101ALI20220419BHJP
   G03B 11/04 20210101ALI20220419BHJP
【FI】
H04N5/225 100
H04N5/225 800
H04N5/232 380
H04N5/225 430
G03B15/00 H
G03B17/00 Q
G03B11/04 C
G03B11/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020172954
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 健
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 静二
(72)【発明者】
【氏名】木次 康雄
(72)【発明者】
【氏名】篠原 隆之
(72)【発明者】
【氏名】渕川 康裕
(72)【発明者】
【氏名】小曽根 昭裕
(72)【発明者】
【氏名】井田 恭輔
(72)【発明者】
【氏名】築山 大亮
(72)【発明者】
【氏名】相原 卓也
【テーマコード(参考)】
2H020
2H083
5C122
【Fターム(参考)】
2H020ME03
2H083CC02
2H083CC12
2H083CC14
2H083CC15
2H083CC25
2H083DD33
2H083DD35
5C122EA15
5C122FA02
5C122FB06
5C122FC04
5C122GE04
5C122GE07
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】レンズ保護部材の被写体像への映り込みを適切に防止して、撮像品質に優れる被写体像を取得可能できる撮像装置を提供する。
【解決手段】撮像装置100は、被写体側に突出する複数の広角レンズ14A,14Bと、広角レンズ14A,14Bにより結像される被写体像を撮像する撮像素子12A,12Bと、これらを保持する撮像装置本体10と、広角レンズ14A,14Bを保護するレンズ保護部材20と、を備える。レンズ保護部材20は、広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側の退避位置との間を移動するカバー部21A,21Bを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレンズと、
前記複数のレンズにより結像される被写体像をそれぞれ撮像する複数の撮像素子と、
前記複数のレンズの少なくとも一つを保護するレンズ保護部材と、
を備え、
前記レンズ保護部材は、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、すべての前記撮像素子の撮像領域内におけるイメージサークルの外側又は前記撮像領域の外側の退避位置との間を移動する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
レンズと、
前記レンズにより結像される被写体像を撮影する撮像素子と、
前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体と、
前記レンズを保護するレンズ保護部材と、を備え、
前記レンズ保護部材は、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、前記撮像装置本体の領域、又は前記撮像装置本体の外側の領域のうち、前記撮像素子に映り込む部分に配置される退避位置との間を移動する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
複数のレンズと、
前記複数のレンズにより結像される被写体像を撮像する複数の撮像素子と、
前記複数のレンズの少なくとも一つを保護するレンズ保護部材と、を備え、
前記レンズ保護部材は、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、前記複数の撮像素子の撮像領域が重複する領域に対応する退避位置との間を移動する
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項4】
前記レンズ保護部材は、前記保護位置と前記退避位置との間を回転移動可能に、前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体に設けられ、前記保護位置では、前記レンズの被写体側に突出するように構成されている
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記撮像装置本体が、互いに直交する長さ方向及び幅方向を有し、前記レンズ保護部材は、前記レンズの光軸と交差し、かつ前記撮像装置本体の長さ方向又は幅方向に延びる線を中心として回転する
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記撮像装置本体が、互いに直交する長さ方向及び幅方向を有し、前記レンズ保護部材は、前記レンズの光軸と交差し、かつ前記撮像装置本体の幅方向に延びる線から前記長さ方向に所定距離だけ離れた位置に設定された線を中心として回転する
ことを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記レンズ保護部材は、前記レンズの周囲を囲むように配置された複数のガード片を有し、前記ガード片は、基端部が、前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体に軸支され、先端側が自由端であり、前記退避位置では前記撮像装置本体の表面に沿って配置され、前記保護位置では軸支部を支点として回転して立ち上がり、先端部が前記レンズよりも被写体側に突出するように構成された
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記レンズ保護部材は、筒形又は箱形を呈し、前記保護位置では前記レンズの外周に配置され、前記退避位置では前記レンズの前面を除く前記撮像装置本体の外周、又は前記撮像装置本体の延在方向に沿って退避するように構成された
ことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記レンズ保護部材は、撮影時は前記撮像装置本体の表面外周に配置され、前記カバー部と前記撮像装置本体との間に、外気が流通する流通間隔が設けられている
ことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体の表面に沿って前記レンズ保護部材を移動させる移動機構を備え、前記レンズ保護部材は、前記保護位置では前記レンズの被写体側に位置して前記レンズの表面を被覆し、前記退避位置では、前記撮像装置本体に設けられた表示部及び操作部以外の領域に配置される
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記レンズ保護部材は、前記レンズの外周に配置されて光軸に沿って移動可能な少なくとも一つの筒状カバーを有し、前記筒状カバーは、前記退避位置では、前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体内に収容され、前記保護位置では、前記筒状カバーの先端部が前記レンズよりも被写体側に突出する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記レンズ保護部材は、前記光軸に沿って異なる移動量で移動する複数の前記筒状カバーを備え、前記保護位置では、複数の前記筒状カバーのうち少なくとも最も移動量の大きい前記筒状カバーの先端部が、前記レンズよりも前記被写体側に突出する
ことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記レンズ保護部材は、複数の分割片を有し、複数の前記分割片は、それぞれがヒンジ部によって、前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体に連結され、前記保護位置では、前記ヒンジ部を介して前記レンズの被写体側に位置することで、互いに近接して前記レンズを被覆し、前記ヒンジ部を介して分離する方向に移動することで、前記退避位置に移動する
ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項14】
2つの前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体を備え、前記各レンズの光軸が互いに同軸に配置されるように、前記レンズが配置された
ことを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項15】
2つの前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体を備え、前記各レンズの光軸が互いにずれた位置に配置されるように、前記レンズが配置された
ことを特徴とする請求項1~13の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項16】
複数のレンズと、前記複数のレンズにより結像される被写体像をそれぞれ撮像する複数の撮像素子と、を備える撮像装置の前記複数のレンズの少なくとも一つを保護するレンズ保護部材であって、
前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、すべての前記撮像素子の撮像領域内におけるイメージサークルの外側又は前記撮像領域の外側の退避位置との間を移動する
ことを特徴とするレンズ保護部材。
【請求項17】
レンズと、前記レンズにより結像される被写体像を撮影する撮像素子と、前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体と、を備える撮像装置の前記レンズを保護するレンズ保護部材であって、
前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、前記撮像装置本体の領域、又は前記撮像装置本体の外側の領域のうち、前記撮像素子に映り込む部分に配置される退避位置との間を移動する
ことを特徴とするレンズ保護部材。
【請求項18】
複数のレンズと、前記複数のレンズにより結像される被写体像を撮像する複数の撮像素子と、を備える撮像装置の前記複数のレンズの少なくとも一つを保護するレンズ保護部材であって、
前記複数のレンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、前記複数の撮像素子の撮像領域が重複する領域に対応する退避位置との間を移動する
ことを特徴とするレンズ保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レンズ保護部材、及び撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
画角が180°のパノラマ画像や360°の全天球パノラマ画像等、広い範囲の被写体像を撮影することができる撮像装置は、レンズ前面が被写体側に突出する曲面を有する超広角レンズを備えている。このため、超広角レンズの曲面がボディよりも外方に飛び出す構造となり、非撮影時や保管の際に前面が露出したままでは傷や汚れが付くおそれがある。そこで、超広角レンズのレンズ前面を保護すべく、現状では、撮像装置本体とは別部品として、レンズ形状に合わせて形成されたキャップ形の保護カバーが用いられている。
【0003】
このような撮像装置本体とは別部品の保護カバーでは、撮影が終わる度に装着するのは手間であった。このような不具合を解消すべく、広角レンズの曲面よりも被写体側に突出する少なくとも2つの突出部を設けた技術が公知である(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-242364号公報
【0005】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された技術では、突出部が広角レンズの画角内に配置されているため、突出部が被写体像に映り込むことがあり、改良の余地があった。
【発明の概要】
【0006】
第1の態様によれば、撮像装置は、複数のレンズと、前記複数のレンズにより結像される被写体像をそれぞれ撮像する複数の撮像素子と、前記複数のレンズの少なくとも一つを保護するレンズ保護部材と、を備え、前記レンズ保護部材は、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、すべての前記撮像素子の撮像領域内におけるイメージサークルの外側又は前記撮像領域の外側の退避位置との間を移動する。
第2の態様によれば、撮像装置は、レンズと、前記レンズにより結像される被写体像を撮影する撮像素子と、前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体と、前記レンズを保護するレンズ保護部材と、を備え、前記レンズ保護部材は、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、前記撮像装置本体の領域、又は前記撮像装置本体の外側の領域のうち、前記撮像素子に映り込む部分に配置される退避位置との間を移動する。
第3の態様によれば、撮像装置は、複数のレンズと、前記複数のレンズにより結像される被写体像を撮像する複数の撮像素子と、前記複数の少なくとも一つレンズを保護するレンズ保護部材と、を備え、前記レンズ保護部材は、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、前記複数の撮像素子の撮像領域が重複する領域に対応する退避位置との間を移動する。
第4の態様によれば、レンズ保護部材は、複数のレンズと、前記複数のレンズにより結像される被写体像をそれぞれ撮像する複数の撮像素子と、を備える撮像装置の前記複数のレンズの少なくとも一つを保護するレンズ保護部材であって、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、すべての前記撮像素子の撮像領域内におけるイメージサークルの外側又は前記撮像領域の外側の退避位置との間を移動する。
第5の態様によれば、レンズ保護部材は、レンズと、前記レンズにより結像される被写体像を撮影する撮像素子と、前記レンズ及び前記撮像素子を保持する撮像装置本体と、を備える撮像装置の前記レンズを保護するレンズ保護部材であって、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、前記撮像装置本体の領域、又は前記撮像装置本体の外側の領域のうち、前記撮像素子に映り込む部分に配置される退避位置との間を移動する。
第6の態様によれば、レンズ保護部材は、複数のレンズと、前記複数のレンズにより結像される被写体像を撮像する複数の撮像素子と、を備える撮像装置の前記複数のレンズの少なくとも一つを保護するレンズ保護部材であって、前記レンズの少なくとも一部を保護する保護位置と、前記複数の撮像素子の撮像領域が重複する領域に対応する退避位置との間を移動する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図2】第1実施形態を示す撮像装置の使用例を示す図である。
図3】第1実施形態を示す撮像装置と画角との関係を説明するための図である。
図4】第1実施形態を示す撮像装置のイメージサークルと撮像素子の撮像領域と退避領域との関係を説明するための図である。
図5】第2実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図6】第2実施形態を示す撮像装置の使用例を示す図である。
図7】第3実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図8】第3実施形態を示す撮像装置の使用例を示す図である。
図9】第4実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図10】第4実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図11】第5実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図12】第5実施形態を示す撮像装置のレンズ保護部材のカバー部の概略構成図である。
図13】第6実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図14】第7実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図15】第8実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図16】第9実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図17】第10実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図18】第11実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図19】第12実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図20】第13実施形態を示す撮像装置の概略構成図である。
図21】第14実施形態を示す撮像装置の概略構成、及び撮像装置と画角との関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
図1図2を参照して、第1実施形態であるレンズ保護部材20が適用される撮像装置100について説明する。図1は、第1実施形態を示す撮像装置100の概略図である。図1において、(a)、(b)は、それぞれ撮影時の正面図、側面図であり、(c)、(d)は、それぞれ非撮影時の正面図、側面図である。図2は、第1実施形態である撮像装置100の使用例を示す図である。図1において、(a)は撮像装置100を机等に置いたときの正面図であり、(b)は側面図である。
【0009】
図1に示すように、第1実施形態の撮像装置100は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材20と、を備える。第1実施形態の撮像装置100では、全天球型の静止画像や動画像(以下、「全天球パノラマ画像」という)を撮影する。
【0010】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、2つの撮像素子12A,12Bと、これらを収容する縦長の直方体形の筐体13と、を備える。また、撮像装置本体10は、電源ボタン、撮影ボタン、操作ボタン、LCD、マイク、スピーカ、メモリカード挿入口、USB端子、撮像装置100全体の動作を制御する回路基板、等(何れも図示を省略)を備える。また、本実施形態では、直方体形の撮像装置本体10を縦長に置いた状態を正位置とし、直方体の長辺に沿う方向(鉛直方向)を長さ方向とし、長さ方向に直交し短辺に沿う方向(水平方向)を幅方向としている。
【0011】
各鏡筒11A,11Bは、広角レンズ14A,14Bを含む複数のレンズからなる撮像光学系15A,15Bを内部に収容している。各鏡筒11A,11Bは、筐体13から外部に突出する一端に、広角レンズ14A,14Bを保持し、筐体13内部の他端に撮像素子12A,12Bを保持する。
【0012】
なお、本実施形態の撮像装置100は、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15B、撮像素子12A,12B及びこれらを保持する鏡筒11A,11Bを、2つ(一対)備えている。しかし、この構成に限定されず、これらの部材を3つ以上備える撮像装置100とすることもできる。以降で説明する他の実施形態も同様である。
【0013】
広角レンズ14A,14Bは、被写体側に突出する前面である曲面を有し、筐体13の表面から突出するように鏡筒11A,11Bに保持される。広角レンズ14A,14Bは被写体からの光を集光して撮像素子12A,12Bの撮像面に結像させる。
【0014】
広角レンズ14A,14Bの少なくとも一方は、180度より大きい画角であることが必要であり、200度以上の画角であることが好ましい。第1実施形態及び後述の他の実施形態では、広角レンズ14A,14Bとして200度の画角を有する超広角レンズを用いている。
【0015】
各撮像素子12A,12Bは、各広角レンズ14A,14Bにより集光される光を、その撮像面で受光し、電気信号に変換することで、被写体像を取得する。各撮像素子12A,12Bは、特に限定されず、CMOSセンサ等のXYアドレス方式の固体撮像素子、CCDセンサ等の順次走査方式の固体撮像素子、等が好適に挙げられる。
【0016】
上記構成の鏡筒11A,11B及び撮像素子12A,12Bを、広角レンズ14A,14Bが互いに反対方向を向き、かつ互いの光軸IA,IBが同軸となるように、背中合わせに、縦長の筐体13の長さ方向の一方(上方)に配置している。このような2つの広角レンズ14A,14Bを各々含む撮像光学系15A,15Bを用いて、2つの撮像素子12A,12Bで撮像された各画像(部分画像)に対して、歪み補正や射影変換等の画像処理を施す。この画像処理の後、2つの画像に含まれる重複部分において、パターンマッチング等の手法を用いて、被写体が重なる繋ぎ位置を検出し、この繋ぎ位置に基づき、重複部分を用いて2つの画像を繋ぎ合わせることで、1枚の全天球パノラマ画像が生成される。このように複数の画像の重複部分を用いて、複数の画像を繋ぎ合わせることを「スティッチング処理」という。
【0017】
撮像装置本体10は、縦長の直方体形の筐体13の上方に、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bを配置することで、広角レンズ14A,14Bよりも下方を、ユーザが手で保持できる。このため、撮像装置本体10の筐体13(ボディ)は、持ち手(保持部)としての機能も有する。筐体13の材料としては、特に限定されず、樹脂や金属等、公知の材料が用いられる。
【0018】
以下、本明細書では、水平方向をX方向とし、左方向をX正方向(+X)とし、右方向をX負方向(-X)とする。上下方向をY方向とし、上方向をY正方向(+Y)とし、下方向をY負方向(-Y)とする。X方向及びY方向に交差する方向をZ方向とし、奥行き方向をZ正方向(+Z)とし、手前方向をZ負方向(-Z)とする。
【0019】
また、撮像装置100においては、一方の広角レンズ14Aを設けた側を正面とし、他方の広角レンズ14Bを設けた側を背面とする。したがって、例えば図1の(a)の正面図では、撮像装置100の幅方向において左方向がX正方向(+X)、右方向がX負方向(-X)、長さ方向において、上方向がY正方向(+Y)、下方向がY負方向(-Y)となる。撮像装置100の奥行き方向において、一方の広角レンズ14Aから他方の広角レンズ14Bに向かう方向(奥方向)がZ正方向(+Z)、他方の広角レンズ14Bから一方の広角レンズ14Aに向かう方向(手前方向)がZ負方向(-Z)となる。また、各広角レンズ14A,14Bの被写体側を前方といい、その反対方向であって、被写体から筐体13の内部に向かう方向を、後方ということがある。
【0020】
レンズ保護部材20は、前後に対称に設けられた一対のカバー部21A,21Bを備える。このカバー部21A,21Bは、被写体像の非撮影時は、図1(c)、(d)に示すように、一対の広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側であって各広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を被覆して保護する保護位置に移動するように構成される。そして、被写体像の撮影時は、図1(a)、(b)に示すように、すべての前記撮像素子12A,12Bの撮像領域内におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側の退避位置に退避するように構成される。イメージサークルとは、レンズを通った光が撮像素子12A、12Bの撮像面を含む面に結像する円形の範囲のことをいう(図4参照)。
【0021】
以下、一対のカバー部21A,21Bの構成を詳細に説明する。一対のカバー部21A,21Bは、撮像装置本体10の正面側又は背面側の上端外周に沿う平面視略矩形状(略コ字形)に形成される。カバー部21A,21Bは、幅方向(X方向)の長さは、筐体13の幅方向の長さと略同じであり、図1(d)にtで表す長さ(厚さ)は広角レンズ14A,14Bの少なくとも頂点近傍を被覆可能な長さであり、かつ撮像装置本体10の奥行き方向(Z方向)の長さの半分よりも狭い。このような寸法とすることで、カバー部21A,21Bを筐体13の上端外周の退避位置に配置したとき、カバー部21A,21Bが筐体13よりも外側に突出することがない。
【0022】
カバー部21A,21Bの両端は、筐体13の両側面に、軸部材22A,22Bによって軸支されている。この構成により、一対のカバー部21A,21Bは、軸部材22A,22Bによって撮像装置本体10の筐体13に連結され、かつ軸部材22A,22Bの中心を回転軸XA,XBとして独立して回転可能となっている。
【0023】
レンズ保護部材20のカバー部21A,21B及び軸部材22A,22Bの材料は、特に限定されず、樹脂や金属、又はこれらの組み合わせ等、公知の材料が用いられる。
【0024】
また、一対のカバー部21A,21Bの回転軸XA,XBは、撮像装置本体10の幅方向において各広角レンズ14A,14Bの光軸IA,IBと交差(直交)する線と一致するように設けられている。このため、一対のカバー部21A,21Bは、幅方向(X方向)に平行な回転軸XA,XBを中心に、広角レンズ14A,14Bの曲面に沿って、広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を約90度の角度で回転移動可能となっている。また、各カバー部21A,21Bは、保護位置と退避位置から容易にずれることのないように、バネ等の付勢手段で付勢されていたり、ラッチで固定されたりしている。
【0025】
また、筐体13には、正面側及び背面側の上部外周を側面視L字形に凹設して、各カバー部21A,21Bを収納する収納部16A,16Bを設けている。この収納部16A,16Bの底面及び側面の段部は、カバー部21A,21Bがそれ以上回転移動しないようにストッパとして機能する。
【0026】
なお、第1実施形態では、筐体13を凹設して収納部16A,16Bを設けているが、この構成に限定されない。カバー部21A,21Bが撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側に配置される構成であれば、例えば、筐体13を凹設することなく、カバー部21A,21Bを筐体13の上端外周に沿って配置する構成とすることもできる。
【0027】
上記のようにカバー部21A,21B及び収納部16A,16Bを構成することで、図1の(b)に示すように、撮影時はカバー部21A,21Bは、収納部16A,16B内に略垂直な姿勢で収納され、筐体13よりも外方へ突出することがない。一方、非撮影時は、図1の(d)に示すように、カバー部21A,21Bは、各広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に、略水平に突出して配置され、広角レンズ14A,14Bの頂点近傍を被覆して保護する。
【0028】
また、カバー部21A,21Bは、その内面と広角レンズ14A,14Bの頂点との間に、所定の間隙Δが介在するような寸法合せとすることで、広角レンズ14A,14Bと直接に接触しないように移動可能となっている。
【0029】
また、本実施形態の撮像装置100を机等の載置部1に置いたときに、図2(a)、(b)に示すように、広角レンズ14A,14Bの被写体側に突出するカバー部21A,21Bと、筐体13の下端とで、撮像装置本体10を支持する。このため、カバー部21A,21Bは、撮像装置本体10の支持部としての機能も有する。また、カバー部21A,21Bを平面視矩形状とすることで、広角レンズ14A,14Bの前方に配置される部分を直線的とし、さらに、この直線部の外面を、載置部1上での撮像装置本体10の姿勢に対応させて、テーパー状に形成している。
【0030】
上記構成のレンズ保護部材20の作用効果を説明する。被写体像の非撮影時は、例えば、図1の(a)、(b)の状態から、レンズ保護部材20の一対のカバー部21A,21Bを保持して、回転軸XA,XBを中心に下方向へ回転移動させる。これにより、図1の(c)、(d)に示すように、一対の広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に一対のカバー部21A,21Bが配置され、広角レンズ14A,14Bのレンズの頂点近傍を被覆して保護する。
【0031】
また、カバー部21A,21Bの内面と広角レンズ14A,14Bとの間に所定の間隙Δが介在するため、互いが直に接触することがない。したがって、広角レンズ14A,14Bがレンズ保護部材20によって保護され、机等に置いたり、倒れたりしても、広角レンズ14A,14Bへの傷の付着等を防止できる。また、撮像装置本体10と連結されているので、レンズ保護部材20の紛失等を防止できるとともに、非撮影時は手軽かつ直ちにカバー部21A,21Bを操作して広角レンズ14A,14Bを保護できる。
【0032】
また、図2は非撮影時の使用例であり、他方のカバー部21Bで他方の広角レンズ14Bを被覆して保護した状態で、撮像装置100を机等の載置部1に横に置いた状態を示している。図2の(a)は正面図、(b)は側面図を示す。この図2に示すように、載置部1に置いた場合でも、広角レンズ14Bがカバー部21Bによって保護され、傷の付着等を防止できる。また、カバー部21Bと筐体13の下端とで撮像装置本体10を支持することで、撮像装置本体10を安定して載置部1に置くことができる。また、カバー部21Bに直線部分を設け、さらにその外表面をテーパー状とすることで、カバー部21Bと載置部1との接触面積が増大し、載置時の安定性がより向上する。
【0033】
一方、撮影時は、レンズ保護部材20の一対のカバー部21A,21Bを、回転軸XA,XBを中心に上方へ回転移動させ、図1の(a)、(b)に示すように、一対のカバー部21A,21Bを広角レンズ14A,14Bの前方から収納部16A,16Bに向けて退避させて、この収納部16A,16Bに収納する。
【0034】
これにより、第1実施形態では、一対のカバー部21A,21Bを含むレンズ保護部材20全体を、一対の撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側に配置できる。さらには、レンズ保護部材20全体を、すべての広角レンズ14A,14Bの画角外の領域に配置できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。このとき、レンズ保護部材20が、被写体像に映り込むことがなく、合成後の被写体像の撮像品質に影響することがない。
【0035】
ここで、図3図4を参照して、広角レンズ14A,14Bと画角との関係、イメージサークル及び撮像領域と、カバー部21A,21Bの退避位置との関係を説明する。また、以下では、複数の同一部材については個別に述べる場合を除くときは、一方、他方の区別なく、単に、鏡筒11、撮像素子12、カバー部21、軸部材22、光軸Iということがある。上下、左右又は前後に対称に設けられる他の構成部品についても同様である。
【0036】
図3は、撮像装置100と画角との関係を説明するための図である。図3に示す(a)は撮像装置100の側面図、(b)は正面図、(c)は平面図(上面図)である。図3の各図には、広角レンズ14A,14Bの画角(200度)を示し、画角外となる共通の領域に網掛を付している。
【0037】
図4はイメージサークルICと撮像素子12の撮像領域と退避位置との関係を示す図である。図4に示す(a)は、撮像素子12の撮像面に、上下左右を含むすべての方向の200度の被写体空間の像を結像する場合のイメージサークルICと撮像素子12との関係を示す図である。図4に示す(b)は、撮像素子12の撮像面の中心を通る水平線上で200度の空間の被写体像を結像する場合のイメージサークルICと撮像素子12との関係を示す図である。図4に示す(c)は、撮像素子12の撮像面の対角上で200度の空間の被写体像を受光する場合のイメージサークルICと撮像素子12との関係を示す図である。図4に示す(d)は撮像素子12の撮像面で、200度の空間の被写体像の一部を受光する場合のイメージサークルICと撮像素子12との関係を示す図である。図4の各図には、撮像素子12の撮像面の撮像領域におけるイメージサークルICの外側又は撮像領域の外側の領域に、網掛を付している。
【0038】
本実施形態のように複数の広角レンズ14を備える撮像装置100で被写体像を撮影する際には、被写体像の撮像品質の向上やスティッチング処理の簡素化、高速化を図るためには、被写体像に被写体以外の物体の像、つまりレンズ保護部材20が写りこまないことが望ましい。このためには、撮影時にレンズ保護部材20(より詳細にはカバー部21)が広角レンズ14の画角外に退避するような構成とすればよい。
【0039】
しかし、一つの広角レンズ14の画角外にレンズ保護部材20を退避しても、他の広角レンズ14の画角内となって当該広角レンズ14を用いた被写体像にレンズ保護部材20が映り込んでしまう場合がある。このためすべての広角レンズ14の画角外となる共通の領域(図3に網掛で示す領域R1,R2)に、レンズ保護部材20を退避することが望ましい。このような構成とすることで、レンズ保護部材20が何れの広角レンズ14A,14Bを通して撮影した被写体像に映り込むことはない。
【0040】
ところで、広角レンズ14の画角内であっても全天球画像の生成に用いられない領域であれば、カバー部21が映り込んでも全天球画像の撮像品質に影響しない。被写体像は、広角レンズ14によって結像された光の像、つまりイメージサークルIC内の領域の一部又は全部に結像された像を、撮像素子12によって受光して信号に変換されることで生成される。広角レンズ14により結像される像の範囲や撮像素子12の規格によって、イメージサークルICと撮像素子12の撮像領域との関係が、図4の(a)~(d)のように異なる。
【0041】
このため、イメージサークルICと撮像面とが重なる部分(図4の白塗り部分)に対応する領域以外の領域にレンズ保護部材20を退避すれば、レンズ保護部材20の映り込みを防止し、生成される全天球画像の撮像品質等に影響することがない。例えば、図4の(a)の場合は、イメージサークルICの大きさが撮像領域よりも小さく、撮像領域内にイメージサークルICが収まる場合であり、イメージサークルICの外側となる斜線部分に対応する領域に、レンズ保護部材20を退避させる。図4の(b)の場合は、イメージサークルICの径の大きさが撮像領域の短辺よりも大きく長辺以下であり、撮像領域からイメージサークルICの一部がはみ出る場合であり、撮像領域におけるイメージサークルICの外側又は撮像領域の外側となる斜線部分に対応する領域に、レンズ保護部材20を退避させる。図4の(c)、(d)の場合は、イメージサークルICの大きさが撮像領域よりも大きく、イメージサークルIC内に撮像領域が配置される場合であり、撮像領域の外側となる斜線部分に対応する領域に、レンズ保護部材20を退避させる。
【0042】
第1実施形態では、撮影時には筐体13に凹設した収納部16A,16Bにカバー部21A,21Bを収納することで、レンズ保護部材20は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルICの外側又はすべての撮像素子12A,12Bの撮像領域の外側となる領域に退避される。さらに、図3の各図に示すように、レンズ保護部材20はX、Y、Z方向を含む全方向において広角レンズ14A,14Bの画角外となる領域R1,R2に配置される。このため、被写体像へのレンズ保護部材20の映り込みを、より適切に防止できる。
【0043】
以上、第1実施形態によれば、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材20を提供できる。この結果、レンズ保護部材20の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置100を提供できる。
【0044】
また、第1実施形態においては、カバー部21は、保護位置と、退避位置との間を鉛直方向(上下方向)に回転移動可能に撮像装置本体10に設けられ、保護位置では、広角レンズ14A,14Bの被写体側に突出するように構成されている。この構成により、保護位置と退避位置との間で、容易にカバー部21を移動できる。また、カバー部21が支持部として機能し、机等の載置部1へ安定して置くことができ、傷の付着、転倒、落下等を適切に防止できる。また、このカバー部21は、広角レンズ14の光軸Iと交差し、かつ撮像装置本体10の幅方向に延びる線を回転軸Xとして回転する構成であることから、カバー部21が広角レンズ14の曲面に沿って、略同心円上を移動し、移動時の広角レンズ14との接触が防止される。
【0045】
なお、本実施形態では、一対のカバー部21A,21Bをそれぞれ回転移動して、各広角レンズ14A,14Bの保護位置と退避位置との間で移動する構成であるが、この構成に限定されない。他の異なる実施形態として例えば、一対のカバー部21A,21Bが連動して回転移動する構成とすれば、一対のカバー部21A,21Bを保護位置と退避位置とに、より容易に移動でき、操作性が向上する。
【0046】
(第2実施形態)
次に、図5図6を参照して、第2実施形態である撮像装置101について説明する。第2実施形態の撮像装置101は、カバー部21A,21Bの軸支の位置が異なること以外は、第1実施形態の撮像装置100とほぼ同じ基本構成を備える。このため、以下の説明において、第1実施形態に係る撮像装置100と同一の構成要素については同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。後述する他の実施形態も同様である。
【0047】
図5は、第2実施形態を示す撮像装置101の概略構成図である。図5において、(a)、(b)は、それぞれ撮影時の正面図、側面図であり、(c)、(d)は、それぞれ非撮影時の正面図及び側面図である。図6は、第2実施形態である撮像装置101の使用例を示す図である。図6において、(a)は撮像装置101を机等に置いたときの正面図であり、(b)は側面図である。
【0048】
図5に示すように、第2実施形態の撮像装置101は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材20と、を備える。
【0049】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、2つの撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが収容される。また、筐体13には、カバー部21A,21Bを収納する収納部16A,16Bが凹設されている。この収納部16A,16Bは、一対のカバー部21A,21Bの移動を制限するストッパとしても機能する。
【0050】
レンズ保護部材20は、前後に対称に設けられた一対のカバー部21A,21Bを備える。このカバー部21A,21Bは、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側の領域である。イメージサークルの外側の領域は、一対の広角レンズ14A,14Bの画角外の領域である。また、カバー部21A,21Bは、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0051】
第2実施形態のカバー部21A,21Bは、第1実施形態と同様に平面視略矩形(略コ字形)に形成される。一対のカバー部21A,21Bは、両端が筐体13の両側面に、軸部材22A,22Bによって軸支され、軸部材22A,22Bの中心を回転軸XA,XBとして独立して上下方向に回転可能であるとともに、軸部材22A,22Bによって撮像装置本体10の筐体13に連結されている。
【0052】
第2実施形態では、一対のカバー部21A,21Bの回転軸XA,XBは、撮像装置本体10の幅方向において、各広角レンズ14A,14Bの光軸Iと交差する線よりも長さ方向において上方に所定距離(例えば、3mm)だけ離れている。このため、一対のカバー部21A,21Bは、幅方向(X方向)に平行な回転軸XA,XBを中心に、広角レンズ14A,14Bの曲面に沿って、広角レンズ14A,14Bの頂点近傍を保護する保護位置と、退避位置である収納部16A,16B内との間を90度以上の角度で回転移動可能となっている。
【0053】
上述のような構成の第2実施形態の撮像装置101では、被写体像の非撮影時は、レンズ保護部材20の一対のカバー部21A,21Bを保持して、回転軸XA,XBを中心に下方向へ回転移動させる。これにより、図5の(c)、(d)に示すように、一対の広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に一対のカバー部21A,21Bが、下方向に傾斜して配置され、広角レンズ14A,14Bのレンズの頂点近傍を被覆して保護する。したがって、レンズ保護部材20によって一対の広角レンズ14A,14Bを保護し、傷の付着等を防止できる。
【0054】
また、一対のカバー部21A,21Bが、下方向に傾斜して配置されることで、奥行き方向(Z方向)の長さが、第1実施形態と比べて短くなり、また、間隙Δも短くなる。このことにより、撮像装置101の奥行き方向の嵩張りを抑制できる。また、第2実施形態でも、図6の各図に示すように、机等の載置部1に、安定して置くことができ、傷の付着、転倒、落下等を防止できる。
【0055】
一方、撮影時は、一対のカバー部21A,21Bを、回転軸XA,XBを中心に上方へ回転移動させ、図1の(a)、(b)に示すように、一対のカバー部21A,21Bを収納部16A,16Bに収納する。
【0056】
これにより、第2実施形態においても、被写体像の撮影時は、一対のカバー部21A,21Bを、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0057】
以上、第2実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材20を提供できる。この結果、レンズ保護部材20の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置101を提供できる。
【0058】
また、第2実施形態でも、第1実施形態と同様に、軸支部を回転軸X(XA,XB)としてカバー部21を回転移動させることで、保護位置と退避位置との間で、容易にカバー部21を移動できる。さらに、カバー部21が支持部として機能し、机等の載置部1へ安定して置くことができる。また、第2実施形態では、カバー部21は、広角レンズ14の光軸Iと交差し、かつ撮像装置本体10の幅方向に延びる線から、長さ方向に所定距離だけ離れた位置に設定された仮想的な線を中心として、つまり回転軸Xとして回転する。このため、カバー部21は広角レンズ14の外周を90度以上の角度で回転し、広角レンズ14の前方に傾斜して配置され、撮像装置101の奥行き方向の嵩張りを抑制できる。
【0059】
(第3実施形態)
次に、図7図8を参照して、第3実施形態である撮像装置102について説明する。図7は、第3実施形態を示す撮像装置102の概略構成図である。図5において、(a)は撮影時の正面図であり、(b)、(c)は非撮影時に、一方のカバー部21Aで広角レンズ14Aを保護したときの正面図及び平面図である。図8は、第3実施形態である撮像装置102の使用例を示す図である。図8において、(a)は撮像装置102を机等に置いたときの正面図であり、(b)は側面図である。
【0060】
図7に示すように、第3実施形態の撮像装置102は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材20と、を備える。
【0061】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが収容される。
【0062】
第3実施形態の筐体13は、基本形状は直方体形であるが、鏡筒11A,11Bが位置する上面は、鏡筒11A,11Bの形状に対応して円弧状(ドーム状)に形成されている。このような形状とすることで、撮像装置本体10及び一対のカバー部21A,21Bの左右方向(X方向)の嵩張りを少なくして、被写体像への映り込みを抑制している。
【0063】
また、筐体13には、カバー部21A,21Bを収納する収納部16A,16Bが凹設されている。この収納部16A,16Bの内面は、一対のカバー部21A,21Bの移動を制限するストッパとしても機能する。
【0064】
レンズ保護部材20は、前後に対称に設けられた一対のカバー部21A,21Bを備える。このカバー部21A,21Bは、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる位置である。また、カバー部21A,21Bは、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0065】
第3実施形態のカバー部21A,21Bは、筐体13の円弧状の上面に対応して、平面視略半円形(略C形)に形成される。一対のカバー部21A,21Bは、両端が筐体13の両側面に、軸部材22A,22Bによって軸支され、軸部材22A,22Bの中心を回転軸XA,XBとして独立して上下方向に回転可能であるとともに、軸部材22A,22Bによって撮像装置本体10の筐体13に連結されている。
【0066】
第3実施形態では、一対のカバー部21A,21Bの回転軸XA,XBは、撮像装置本体10の幅方向において、各広角レンズ14A,14Bの光軸Iと交差する仮想的な線と一致するように設けられている。このため、一対のカバー部21A,21Bは、幅方向(X方向)に平行な回転軸XA,XBを中心に、広角レンズ14A,14Bの曲面に沿って、広角レンズ14A,14Bの頂点近傍を保護する保護位置と、退避位置である収納部16A,16B内との間を約90度の角度で回転移動可能となっている。
【0067】
上述のような構成の第3実施形態の撮像装置102では、被写体像の非撮影時は、レンズ保護部材20の一方のカバー部21Aを保持して、回転軸XA,XBを中心に下方向へ回転移動させる。これにより、図7の(b)、(c)に示すように、一方の広角レンズ14Aの曲面よりも被写体側に一方のカバー部21Aが、略水平に突出して配置され、広角レンズ14Aのレンズの頂点近傍が被覆される。同様に、他方のカバー部21Bを回転移動させることで、他方のカバー部21Bにより広角レンズ14Aのレンズの頂点近傍を被覆する。したがって、レンズ保護部材20によって一対の広角レンズ14A,14Bを保護し、傷の付着等を防止できる。
【0068】
また、第3実施形態でも、図8の各図に示すように、カバー部21A,21Bが支持部として機能し、机等の載置部1に、安定して置くことができ、傷の付着、転倒、落下等を防止できる。
【0069】
一方、撮影時は、一対のカバー部21A,21Bを、回転軸XA,XBを中心に上方へ回転させ、図7の(a)に示すように、一対のカバー部21A,21Bを収納部16A,16Bに収納する。
【0070】
したがって、第3実施形態においても、被写体像の撮影時は、一対のカバー部21A,21Bを、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0071】
以上、第3実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材20を提供できる。この結果、レンズ保護部材20の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置102を提供できる。
【0072】
また、第3実施形態でも、第1実施形態と同様に、軸支部を回転軸X(XA,XB)としてカバー部21を回転移動させることで、保護位置と退避位置との間で、容易にカバー部21を移動できるとともに、カバー部21が支持部として機能し、机等の載置部1へ安定して置くことができる。また、カバー部21は、広角レンズ14の光軸Iと交差し、かつ撮像装置本体10の幅方向に延びる仮想的な線を中心に、つまりこの線を回転軸Xとして回転する構成であることから、カバー部21が広角レンズ14の曲面に沿って、略同心円上を移動し、広角レンズ14との接触が防止される。
【0073】
(第4実施形態)
図9図10を参照して、第4実施形態である撮像装置103について説明する。図9図10は、第4実施形態を示す撮像装置103の概略構成図である。図9において、(a)、(b)、(c)は、それぞれ撮影時の正面図、側面図、平面図(上面図)である。図10において、(a)、(b)は、それぞれ非撮影時の正面図、側面図である。
【0074】
図9図10に示すように、第4実施形態の撮像装置103は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材120と、を備える。
【0075】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0076】
レンズ保護部材120は、左右(又は前後)に対称に設けられた一対のカバー部121A,121Bを備える。このカバー部121A,121Bは、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域である。また、カバー部121A,121Bは、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0077】
ここで、上記第1~第3実施形態のカバー部21A,21Bは、筐体13の上方に設けられ、広角レンズ14の光軸IA,IBと交差し、かつ撮像装置本体10の幅方向(X方向)に延びる線を回転軸Xとして上下方向(鉛直方向)に回転移動する構成である。これに対して、第4実施形態のカバー部121A,121Bは、広角レンズ14の光軸IA,IBと交差し、かつ撮像装置本体10の長さ方向(Y方向)に延びる線を回転軸Xとして左右方向(水平方向)に回転移動する構成である。
【0078】
以下、第4実施形態のカバー部121A,121Bの構成を説明する。第4実施形態の一対のカバー部121A,121Bは、退避位置において撮像装置本体10の上端から下端まで、筐体13の側面の外周形状に沿って延在する帯状部材から構成される。この形状により、一対のカバー部121A,121Bは、非撮影時の保護位置では一対の広角レンズ14A,14Bの被写体側に、平面視矩形状(コ字形)又はC形に突出する。また、一対のカバー部121A,121Bは、厚さt(図9(b)参照)は筐体13の奥行き方向の長さよりも狭いが、第1実施形態等のカバー部21A,21Bよりも厚さを広くでき、広角レンズ14A,14Bの被覆面積をより広くできる。
【0079】
また、一対のカバー部121A,121Bは、両端部が筐体13の上部及び下部で互いに重なり合って配置され、この重なり合う両端部に、その延在方向に沿って設けられた長穴123A,123Bを一対ずつ有する。この長穴123A,123Bに挿通された軸部材としての係合ピン122A,122Bにより、一対のカバー部21A,21Bが、撮像装置本体10の筐体13に連結される。係合ピン122A,122Bは、筐体13の上面又は下面の中央であって、撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に設けている。このため、係合ピン122A,122Bが被写体像に映り込むことがない。
【0080】
この構成により、一対のカバー部121A,121Bは、撮像装置本体10の長さ方向(Y方向)に延びる係合ピン122A,122Bを回転軸Xとして、独立して回転移動が可能である。また、係合溝24A,24Bを設けたことで、一対のカバー部21A,21Bを、図9の(a)に矢印で示すように、互いの離間方向及び近接方向に平行移動でき、互いの間隔を拡縮可能である。
【0081】
上述のような構成の第4実施形態の撮像装置103では、被写体像の非撮影時は、レンズ保護部材120の一対のカバー部121A,121Bを保持して、互いに離間する方向へ移動させ、筐体13の側面から離間させる。この状態で、回転軸Xを中心に一対のカバー部121A,121Bを手前方向と背面方向に回転移動させる。これにより、図10の(a)、(b)に示すように、一対の広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に一対のカバー部121A,121Bが配置され、広角レンズ14A,14Bのレンズの頂点近傍を被覆して保護する。
【0082】
カバー部121A,121Bの内面と広角レンズ14A,14Bとの間に所定の間隙Δが介在し、直に接触することがない。さらに、カバー部121A,121Bは、長穴123A,123Bの長さ分しか近接方向に移動しないため、撮像装置103を机等に横に置いたり、撮像装置103が倒れたりした場合でも、カバー部121A,121Bが不測に広角レンズ14A,14Bに近接方向に移動するのが抑制される。このため、広角レンズ14A,14Bがレンズ保護部材120によって適切に保護され、傷の付着等を防止できる。
【0083】
一方、撮影時は、一対のカバー部121A,121Bを、回転軸Xを中心に回転させて側方へ回転移動させ、筐体13の側方に配置する。次いで、一対のカバー部121A,121Bを、互いの近接方向へ移動させ、図9の(a)~(c)に示すように、一対のカバー部121A,121Bを筐体13の側面に沿って配置する。
【0084】
したがって、第4実施形態においても、被写体像の撮影時は、一対のカバー部121A,121Bを、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。
【0085】
以上、第4実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材120を提供できる。この結果、レンズ保護部材120の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置103を提供できる。
【0086】
また、第4実施形態では、カバー部121A,121Bは、広角レンズ14の光軸Iと交差し、かつ撮像装置本体10の長さ方向に延びる線を中心として広角レンズ14の保護位置と、退避位置との間を回転移動するように構成されている。この構成により、保護位置と退避位置との間で、容易にカバー部121A,121Bを移動できる。また、撮像装置本体10の下面と、これに交差して奥行き方向に延びるカバー部121A,121Bの下面とが支持部として機能し、撮像装置103を机等に安定して置くことができ、傷の付着、転倒、落下等を適切に防止できる。
【0087】
(第5実施形態)
次に、図11図12を参照して、第5実施形態である撮像装置104について説明する。図11は、第5実施形態を示す撮像装置104の概略構成図である。図11において、(a)、(b)は、それぞれ撮影時の主要部の正面図、側面図であり、(c)、(d)は、それぞれ非撮影時の主要部の正面図、側面図である。図12は、レンズ保護部材220のカバー部221Aの概略構成図である。図12において、(a)は撮影時のカバー部221Aと広角レンズ14の斜視図であり、(b)は撮影時のカバー部221Aのみの別の方向からの斜視図であり、(c)は非撮影時のカバー部221Aと広角レンズ14Aの斜視図であり、(d)は非撮影時のカバー部221Aのみの別の方向からの斜視図であり、(e)は、カバー部221Aのガード片225Aと、操作部226Aの斜視図である。
【0088】
図11に示すように、第5実施形態の撮像装置104は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材220と、を備える。
【0089】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが収容される。
【0090】
レンズ保護部材220は、前後に対称に設けられた一対のカバー部221A,221Bを備える。このカバー部221A,221Bは、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域である。カバー部221A,221Bは、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0091】
以下、図12を参照して、一方のカバー部221Aの構成を説明する。他方のカバー部221Bの構成は、一方のカバー部221Aと同一の構成であるため、説明を省略する。図12の各図に示すように、カバー部221Aは、ベース部224Aと、3つのガード片225Aと、操作部226Aと、を備える。
【0092】
ベース部224Aは、円筒部材から形成され、広角レンズ14Aの外周であって筐体13に固定される。3つのガード片225Aは、円弧状の棒状部材から形成され、ベース部224Aの上面に、広角レンズ14Aを囲うように円弧状に並んで配置される。各ガード片225Aの一端(基端部)は、ベース部224Aの軸支部222Aに、回転移動可能に軸支され、他端(先端部)は自由端となっている。ガード片225Aは、ベース部224Aの円周長さの略3分の1の長さを有する。各ガード片225Aの軸支された基端部には、歯車228Aが設けられている。
【0093】
ベース部224Aの内部には、リングギアからなる操作部226Aが、ベース部224A内を円周方向に回転可能に収容されている。この操作部226Aには、操作レバー227Aが設けられ、ベース部224Aに開口した開口部230Aから外部に突出している。このため、ユーザが操作レバー227Aを操作することで、ベース部224A内で、開口部230Aの長さ分、操作部226Aを時計回り又は反時計回りに回転移動可能となっている。操作部226Aの歯車229Aには、ガード片225Aの歯車228Aが噛合い、この歯車229Aと歯車228Aとで、カバー部221Aを開閉する駆動機構を構成している。
【0094】
この構成により、操作レバー227Aを操作して、操作部226Aを時計回り又は反時計回りに回転させると、この回転が歯車229Aを介して3つのガード片225Aの歯車228Aに伝達される。これにより、3つのガード片225Aが連動して軸支部222Aを中心に回転し、自由端である先端部がベース部224Aに近接する方向(開方向)、及びベース部224Aから離間する方向(閉方向)へ回転移動する。また、開状態と閉状態とを維持するストッパ等を設けることで、撮影時や非撮影時の不測のカバー部221Aの開閉を防止できる。
【0095】
上述のような構成の第5実施形態の撮像装置104では、被写体像の非撮影時は、例えば、レンズ保護部材220の一方のカバー部221Aの操作レバー227Aを操作して、操作部226Aを時計回りに回転させる。この操作により、3つのガード片225Aが閉方向へ回転移動して立ち上がり、図11の(c)、(d)、図12の(c)に示すように、各ガード片225Aの先端部が、一方の広角レンズ14Aの曲面よりも被写体側に突出する。これにより、3つのガード片225Aが一方の広角レンズ14Aを取り囲んで保護する。
【0096】
各ガード片225Aの突出した先端部の外面と、広角レンズ14Aの頂点との間には、所定の距離Δ’が介在する。このため、広角レンズ14Aを下にして机等に置いたり、障害物に衝突したりした場合でも、各ガード片225Aによって保護されて、広角レンズ14Aが机等に直接に突き当たるのを防止して、傷の付着等を防止できる。他方のカバー部221Bについても、一方のカバー部221Aと同様の操作をすることで、他方のカバー部221Bで他方の広角レンズ14Bを保護し、傷の付着等を防止できる。
【0097】
一方、撮影時は、例えば、一方のカバー部221Aの操作レバー227Aを操作して、操作部226Aを反時計回りに回転させる。この操作により、3つのガード片225Aが開方向へ回転移動して、図11の(a)、(b)、図12の(a)に示すように、各ガード片225Aが、ベース部224Aに沿って平行に収納される。
【0098】
したがって、第5実施形態においても、被写体像の撮影時は、一対のカバー部221A,221Bを、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0099】
以上、第5実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材220を提供できる。この結果、レンズ保護部材220の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置104を提供できる。
【0100】
また、第5実施形態では、カバー部21は、広角レンズ14の周囲を囲むように配置された複数のガード片225を有する。ガード片225は、基端部が撮像装置本体10に軸支され、先端側が自由端であり、退避位置では撮像装置本体10の表面に沿って配置され、保護位置では軸支部を支点として回転して立ち上がり、先端部が広角レンズ14よりも被写体側に突出する。この構成により、非撮影時は広角レンズを適切に保護でき、撮影時は被写体像への映り込みが抑制可能な位置へ退避できる。
【0101】
(第6実施形態)
次に、図13を参照して、第6実施形態である撮像装置105について説明する。図13は、第6実施形態を示す撮像装置105の概略構成図である。図13において、(a)、(b)は、それぞれ非撮影時の正面図、側面図であり、(c)、(d)は、それぞれ撮影時の正面図、側面図である。
【0102】
図13に示すように、第6実施形態の撮像装置105は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材320と、を備える。
【0103】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが収容される。
【0104】
レンズ保護部材320は、左右に対称に設けられた一対のカバー部321A,321Bを備える。このカバー部321A,321Bは、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。本実施形態では、退避位置は、撮像装置本体10の領域、又は撮像装置本体10の外側の領域のうち、撮像素子12A,12Bに映り込む部分であり、さらに撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置である。また、カバー部321A,321Bは、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0105】
ここで、図3を参照して、「撮像装置本体10の領域、又は撮像装置本体10の外側の領域のうち、撮像素子12A,12Bに映り込む部分」について説明する。本実施形態の撮像装置本体10の筐体13は、持ち手として機能したり、LCDや操作ボタン等を設けたりしているため、下方向に長尺な形状を呈している。このため、図3に示す(a)、(b)のように、撮像装置本体10の一部(図3に実線で示す網掛のない部分)が広角レンズ14A,14Bの画角内に入り、筐体13や筐体13を保持するユーザの手等が被写体像に映り込むことがある。筐体13を短尺にして画角外に収めた場合でも、それを保持するユーザの手や三脚、支持棒等は被写体像に映り込むことがある。
【0106】
このように、撮像素子12A,12Bで撮影した画像において、撮像装置本体10や手等が映り込む部分は、一般的に「捨て領域」(生成する被写体像に使用せずに捨ててもよい領域)として扱われ、この捨て領域に映り込んだ撮像装置本体10等の画像は画像処理やロゴマーク等で消去される。このような事情から、撮像装置本体10の領域のうち、被写体像の捨て領域にもともと映り込んでしまう部分、又は手等が配置される撮像装置本体10の外側の領域のうち、被写体像の捨て領域にもともと映り込んでしまう部分に、レンズ保護部材320を退避すれば、生成される被写体像(ここでは、全天球パノラマ画像)の撮像品質への影響を抑制できる。なお、「撮像装置本体10の領域」とは、撮像装置本体10が存在する領域である。また、「撮像装置本体10の外側の領域」とは、撮像装置本体10のY軸に沿った長さ方向の延長上の領域や、X軸に沿った幅方向の延長上の領域等であり、上下方向、左右方向、斜め方向等(円周方向)における、撮像装置本体10の周囲の領域であって、撮像装置本体10を保持する手や三脚等が存在する方向である。第6実施形態の場合は、Y軸に沿った長さ方向に長尺な撮像装置本体10の下側(下端の外側、手が存在する方向)であって、長さ方向の延長上にカバー部321A,321Bが退避する。
【0107】
ところで、前述したように、360度の全天球パノラマ画像を生成する際には、複数の広角レンズ14を用いて複数の撮像素子12で取得した複数の画像に対して、歪み補正や射影変換等の画像処理を施した後、当該複数の画像を繋ぎ合わせるスティッチング処理が施される。複数の撮像素子12の撮像領域が重複する領域のうち、このスティッチング処理で用いられる部分を、以下「スティッチング領域」と呼ぶことがある。複数の撮像素子12の撮像領域が互いに重複する領域において、何れかの撮像素子12で撮影した画像にレンズ保護部材が映り込むと、その部分が死角となって、スティッチング処理に用いるためのスティッチング領域が小さくなる。このような場合、一方の撮像素子12で撮影した画像のうちレンズ保護部材が映り込んだ部分は使用せず、この部分には他方の撮像素子12で撮影した画像を使用し、パノラマ画像を作成する。複数の撮像素子12の重複領域のうち、一方の画像のレンズ保護部材が写り込んだ領域及び他方の画像における当該領域に重複する領域以外の残りの領域を用いて、スティッチング処理を行うことができる。したがって、スティッチング領域が確保される範囲内で、レンズ保護部材を、複数の撮像素子12の撮像領域が重複する領域に対応する位置に退避することができ、生成される全天球パノラマ画像へのレンズ保護部材の映り込みを抑制可能となる。
【0108】
なお、スティッチング領域の大きさが大きいほど、スティッチ精度が高くなり、全天球パノラマ画像の撮像品質が高くなる。このため、複数の撮像素子12の撮像領域が互いに重複する領域にレンズ保護部材を映り込ませる場合、スティッチング領域の大きさがより大きくなる位置、好ましくは、スティッチング領域が最大となる位置に、レンズ保護部材を退避する。これにより、スティッチング処理の精度の低下を抑制することができる。
【0109】
以上より、複数の撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域すなわち画角180度よりも広い画角領域であって、スティッチング領域が確保できる領域に対応する位置を、レンズ保護部材の退避領域とすることで、スティッチング処理の精度の低下を適切に抑制しつつ、全天球パノラマ画像へのレンズ保護部材の映り込みを適切に抑制できる。
【0110】
なお、例えば水平方向に3つ以上の広角レンズ14を等間隔で配置した場合には、360度を広角レンズ14の個数で除算して得られる角度(例えば、3つの場合は360度/3=120度)以内の領域に、レンズ保護部材20が映り込まない位置(つまり、120度よりも広い画角位置に対応する位置)に、レンズ保護部材20を退避することが好ましい。
【0111】
第6実施形態における退避位置は、撮像装置本体10の領域、又は撮像装置本体10の外側の領域のうち、撮像素子12A,12Bに映り込む部分に配置される位置であるとともに、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置でもある。
【0112】
以下、第6実施形態のカバー部321A,321Bの構成を説明する。一対のカバー部321A,321Bは、それぞれ撮像装置本体10の左半分と右半分を収容して被覆して保護する箱形に形成されている。カバー部321A,321Bは、レンズ収容部331A,331Bと、本体収容部332A,332Bを有する。
【0113】
カバー部321A,321Bは、奥行き方向(Z方向)に沿って延在する軸部材322A,322Bによって、筐体13の下端に回転移動可能に軸支されている。このため、一対のカバー部321A,321Bは、この軸部材322A,322Bの中心を回転軸XA,XBとして、撮像装置本体10を被覆して保護する保護位置と、撮像装置本体10を露出する退避位置との間、つまり上下に約180度の角度で回転移動可能となっている。
【0114】
カバー部321A,321Bは、回転軸XA,XBを中心として下方向へ回転移動し、図13の(c)、(d)撮像装置本体10の下方に配置することで、持ち手としての機能を有する。また、この状態で、机等に置くことができ、カバー部321A,321Bは、撮像装置本体10を支持する支持台としての機能も有する。
【0115】
レンズ収容部331A,331Bは、その内面が一対の広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に位置し、かつ広角レンズ14A,14Bの曲面との間に所定の間隙が設けられるように、膨出して構成され、各広角レンズ14A,14Bの左半分と右半分近傍をそれぞれ被覆する。本体収容部332A,332Bは、直方体形であり、撮像装置本体10の広角レンズ14A,14Bよりも下側の左半分と右半分をそれぞれ被覆する。
【0116】
上述のような構成の第6実施形態の撮像装置105では、被写体像の非撮影時は、図13の(a)、(b)に示すように、レンズ保護部材320の一対のカバー部321A,321Bを撮像装置本体10の外周に配置して、一対の広角レンズ14A,14Bを含む撮像装置本体10全体を被覆する。
【0117】
これにより、レンズ保護部材320によって一対の広角レンズ14A,14Bはもちろん撮像装置本体10全体が保護され、耐衝撃性が向上し、これらへの傷の付着等を適切に防止できるとともに、埃や汚れ等の付着も適切に防止できる。
【0118】
一方、撮影時は、一対のカバー部321A,321Bを、回転軸XA,XBを中心として開方向(X方向)へ回転移動させる。この操作により、図13の(c)、(d)に示すように、撮像装置本体10の下方に、一対のカバー部321A,321Bが、背中合わせで配置される。
【0119】
したがって、第6実施形態においては、被写体像の撮影時は、一対のカバー部321A,321Bを、長さ方向において、広角レンズ14A,14Bとは反対側の、撮像装置本体10の延在方向に沿って退避できる。また、一対のカバー部321A,321Bを、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0120】
以上、第6実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材320を提供できる。この結果、レンズ保護部材320の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置105を提供できる。
【0121】
また、第6実施形態では、カバー部321は、ユーザが保持可能な箱形を呈し、保護位置では広角レンズ14の外周に配置され、退避位置では撮像装置本体10の延在方向に沿った位置に移動し、広角レンズ14が設けられていない下方に配置される。このため、カバー部321は持ち手として機能するとともに、机等に置く場合の支持台としても機能し、ユーザの手や載置部1からより離れた位置に広角レンズ14を配置でき、撮影の自由度が高まる。また、箱形のカバー部321によって撮像装置本体10全体を被覆することで、撮像装置105の耐久性を向上できる。
【0122】
(第7実施形態)
図14を参照して、第7実施形態である撮像装置106について説明する。図14は、第7実施形態を示す撮像装置106の概略構成図である。図14において、(a)は非撮影時の斜視図、(b)は撮影時の斜視図である。
【0123】
図14に示すように、第7実施形態の撮像装置106は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材420と、を備える。
【0124】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0125】
また、図14に示すように、撮像装置本体10は、筐体13の正面に、LCD(表示装置)17、撮影ボタン18a、操作ボタン18b等を備える。LCD17は、タッチパネル機能を備え、操作メニューや被写体像等が表示される。撮影ボタン18aは、被写体像の撮影開始と終了を指示するボタンである。操作ボタン18bは、各種操作を指示するボタンである。また、筐体13には、後述のレンズ保護部材20のアーム部434を上下方向にガイドするガイド溝19を、正面及び背面に一対ずつ有する。
【0126】
レンズ保護部材420は、前後に対称に設けられた一対のカバー部421と、一対のリンク機構(移動機構)433と、を備える。なお、図14では、一方のカバー部421Aと、リンク機構433Aと、ガイド溝19Aのみが現れ、これらと対称となる他方のカバー部等は撮像装置本体10の背面に隠れている。以下では、一方、他方の区別なく、カバー部421、リンク機構433、ガイド溝19と表記して、これらの構成を説明する。
【0127】
一対のカバー部421は、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域である。また、カバー部421は、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0128】
第7実施形態の一対のカバー部421は、広角レンズ14A,14Bの曲面に対応させて、被写体側に突出する曲面を有する板状部材から形成される。各カバー部421は、広角レンズ14A,14B全体を被覆可能な面積で形成される。また、各カバー部421は、広角レンズ14A,14Bの被写体側に位置したとき、カバー部421の内面と広角レンズ14A,14Bの頂点との間に所定の間隙が介在する寸法合わせで形成される。
【0129】
一対のカバー部421は、一対のリンク機構433により、広角レンズ14A,14Bの前方の保護位置と、退避位置との間を移動可能となっている。この退避位置は、筐体13の表面に沿う位置であって、広角レンズ14A,14BとLCD17の間である。このため、撮影時にLCD17がカバー部421によって遮られることがない。
【0130】
リンク機構433は、4本のアーム部434と、ジョイント部435と、を有する。4本のアーム部434は、筐体13のガイド溝19に挿通され、各々の一端は、ジョイント部435によってカバー部421の両側の上端及び下端に回転可能に連結され、各々の他端は、ジョイント部435によって、筐体13の内壁等に回転可能に連結固定される。
【0131】
この構成により、アーム部434は、筐体13側のジョイント部435を支点として、ガイド溝19内を上下方向(Y方向)に移動可能となっている。これにより、アーム部434の一端に連結されたカバー部421が、広角レンズ14A,14Bの保護位置と退避位置とを上下動する。なお、本実施形態では、カバー部421を指で保持して、手動で上下動させる構成としているが、電動モータ等の適宜の駆動機構によってリンク機構433を作動させ、自動でカバー部421を上下動させる構成としてもよい。
【0132】
上述のような構成の第7実施形態の撮像装置106では、被写体像の非撮影時は、レンズ保護部材420の一対のカバー部421を保持して押し上げると、リンク機構433によって、一対のカバー部421が上方へ移動する。これにより、図14の(a)に示すように、一対のカバー部421が一対の広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に配置され、広角レンズ14A,14Bのレンズを被覆する。したがって、レンズ保護部材420によって一対の広角レンズ14A,14Bを保護し、傷の付着等を防止できる。
【0133】
一方、撮影時は、一対のカバー部421A,421Bを保持して押し下げると、リンク機構433によって、一対のカバー部421が下方向へ移動する。これにより、図14の(b)に示すように、一対のカバー部421が広角レンズ14A,14BとLCD17との間の退避位置に配置される。
【0134】
したがって、第7実施形態においても、被写体像の撮影時は、一対のカバー部421を、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0135】
以上、第7実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材420を提供できる。この結果、レンズ保護部材420の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置106を提供できる。
【0136】
また、第7実施形態では、カバー部421は、板状部材から構成される。そして、このカバー部421を、撮像装置本体10の表面に沿って保護位置と退避位置とに移動させるリンク機構433(移動機構)を備える。この構成により、少ない力で容易にカバー部421を移動できる。また、カバー部421は、退避位置では、撮像装置本体10に設けられた表示部(LCD17)及び操作部(撮影ボタン18a、操作ボタン18b)以外の領域に配置されるため、LCD17の視認や、撮影ボタン18a、操作ボタン18b等の操作を妨げることがない。
【0137】
(第8実施形態)
図15を参照して、第8実施形態である撮像装置107について説明する。図15は、第8実施形態を示す撮像装置107の概略構成図である。図15において、(a)、(b)は、それぞれ非撮影時の正面図、側面図であり、(c)、(d)は、それぞれ撮影時の正面図、側面図である。
【0138】
図15に示すように、第8実施形態の撮像装置107は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材520と、を備える。
【0139】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0140】
また、図15に示すように、撮像装置本体10は、筐体13の正面に、LCD17を備える。また、撮像装置本体10は、筐体13の正面及び背面から外部に突出する複数の板状部材からなるヒートシンク40を備える。
【0141】
レンズ保護部材520は上下に開口する角筒形のカバー部521を備える。本実施形態では、カバー部521は、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。本実施形態の退避位置は、撮像装置本体10の領域、又は撮像装置本体10の外側の領域のうち、撮像素子12A,12Bに映り込む部分に配置される位置であり、また、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置である。また、カバー部521は、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0142】
角筒形のカバー部521は、筐体13の外周に配置され、筐体13から不測に脱離しないようにストッパ(ラッチ等)等で筐体13に連結されている。また、カバー部521は、筐体13に沿って、広角レンズ14A,14Bを被覆して保護する保護位置と、退避位置との間で上下に移動可能に配置され、付勢やラッチ等によって保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0143】
なお、角筒形のカバー部521を手で保持して上下させることで、容易に移動が可能であるが、この構成に限定されない。例えば、筐体13の側面にガイドレールを設け、このガイドレールにカバー部521の内面に設けたシャフトを係合する構成とすれば、カバー部521をより円滑、かつ安定して上下に移動できる。
【0144】
カバー部521は、保護位置において、広角レンズ14A,14BとLCD17とを被覆できるような長さで形成されている。また、カバー部521の正面及び背面は、広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に突出するように構成され、カバー部521の内面と広角レンズ14A,14Bとが直接に接触するのを抑制するとともに、退避位置では撮像装置本体10との間に、外気が流通可能な流通間隔41が設けられるものとなる。
【0145】
また、カバー部521は、退避位置として広角レンズ14A,14B及びLCD17の下方であって撮像装置本体10の外周に配置される。また、この退避位置において、カバー部521は、筐体13から突出したヒートシンク40を被覆する。このため、ユーザはカバー部521を保持することで、ヒートシンク40に直接触れることなく、撮像装置107を保持できる。したがって、本実施形態のカバー部521(つまりレンズ保護部材520)は、持ち手(保持部)としての機能を有する。
【0146】
さらに、カバー部521と撮像装置本体10との間の流通間隔41にヒートシンク40が配置され、ヒートシンク40の外周を外気が流通し、ヒートシンク40による放熱作用を、より向上できる。したがって、本実施形態のカバー部521(レンズ保護部材520)は、放熱部材としての機能も有する。また、カバー部521は、奥行き方向において、筐体13よりも外方に突出しているので、カバー部521を退避位置に配置することで、撮像装置107を机等により安定して置くことができる。したがって、本実施形態のカバー部521(レンズ保護部材520)は、支持台としての機能も有する。
【0147】
上述のような構成の第8実施形態の撮像装置103では、被写体像の非撮影時は、レンズ保護部材520であるカバー部521を保持して上方に移動させ、図15の(a)、(b)に示すように、各筒形のカバー部521で一対の広角レンズ14A,14B全体を被覆する。したがって、カバー部521によって一対の広角レンズ14A,14Bを保護し、傷の付着等を防止できる。
【0148】
一方、撮影時は、カバー部521を保持して下方向に移動させ、図15の(c)、(d)に示すように、ヒートシンク40の外周の退避位置に配置する。
【0149】
したがって、第8実施形態においては、被写体像の撮影時は、カバー部521を、広角レンズ14A,14Bの前方を除く撮像装置本体10の表面に退避できる。また、カバー部521を、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0150】
以上、第8実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材520を提供できる。この結果、レンズ保護部材520の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置107を提供できる。
【0151】
また、第8実施形態では、カバー部521は、ユーザが保持可能な筒形を呈し、保護位置では広角レンズ14A,14Bの外周に配置され、退避位置では広角レンズ14A,14Bの前方を除く撮像装置本体10の表面に配置される。このため、カバー部521は持ち手として機能し、安定した保持が可能となるとともに、机等に置く場合の支持台としても機能し、安定した載置が可能となる。また、カバー部521と撮像装置本体10との間に、外気が流通する流通間隔41が設けられていることで、筐体13に内蔵される回路基板等からの熱を効率的に放熱できる。
【0152】
なお、第8実施形態では、撮像装置本体10に、外部に突出するヒートシンク40を設け、放熱性を高めているが、この構成に限定されず、ヒートシンク40が筐体13から外部に突出しない構成とすることもできる。この構成では、撮像装置本体10及びカバー部521の奥行き方向の長さをより小さくでき、被写体像への撮像装置本体10及びカバー部521の映り込みを、より抑制できる。
【0153】
(第9実施形態)
図16を参照して、第9実施形態である撮像装置108について説明する。図16は、第9実施形態を示す撮像装置108の概略構成図である。図16において、(a)は撮影時の主要部の斜視図、(b)は非撮影時の主要部の斜視図である。
【0154】
図16に示すように、第9実施形態の撮像装置108は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材620と、を備える。
【0155】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0156】
レンズ保護部材620は、前後に対称に設けられた一対のカバー部621Aを備える。なお、図16では、一方のカバー部621Aのみが現れており、これと対称となる他方のカバー部は撮像装置本体10の背面に隠れているために図示を省略している。以下では、一方、他方の区別なく、カバー部621等と表記して説明する。
【0157】
一対のカバー部621は、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域である。
【0158】
第9実施形態の一対のカバー部621は、光軸に沿って保護位置と退避位置との間を異なる移動量で移動する複数の筒状カバー636を有する。各カバー部621は直径が異なり、直径の大きい筒状カバー636の内側に直径の小さい筒状カバー636を順次挿入した入れ子状、あるいはテレスコピック構造に構成される。直径の最も大きい筒状カバー636の移動量が最も小さく、直径の最も小さい筒状カバー636の移動量が最も大きい。複数の筒状カバー636は、広角レンズ14A,14Bの光軸に沿って互いにスライド移動可能に設けられている。この構成により、カバー部621は、先端部から基端部までの長さが伸縮自在となっている。
【0159】
一対のカバー部621は、例えば、モータとギア等の公知の駆動機構により、自動で伸縮可能とすることができるが、駆動機構を設けずに、手動で伸縮させるように構成することもできる。また、カバー部621は、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれや、不測の伸縮が防止可能となっている。
【0160】
上述のような構成の第9実施形態の撮像装置106では、被写体像の非撮影時は、駆動機構の駆動等により、一対のカバー部621の各筒状カバー636を被写体側へスライド移動させて、カバー部621を伸長し、図16(b)のように、一対の広角レンズ14A,14Bの外周に壁状に配置する。これにより、直径が最も小さく移動量が最も大きい筒状カバー636の先端部が、広角レンズ14A,14Bよりも被写体側に突出する。したがって、カバー部621によって一対の広角レンズ14A,14Bを保護し、傷の付着等を防止できる。
【0161】
一方、撮影時は、駆動機構の駆動等により、一対のカバー部621の複数の筒状カバー636を筐体13方向へスライド移動させ、図16の(a)のように、最も外側の筒状カバー636の内側に他の筒状カバー636を重ねて収納することで、カバー部621を収縮し、退避位置に配置する。
【0162】
したがって、第9実施形態においても、被写体像の撮影時は、一対のカバー部621を、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0163】
以上、第9実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材620を提供できる。この結果、レンズ保護部材620の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置108を提供できる。
【0164】
また、第9実施形態では、カバー部621は、広角レンズ14の外周に配置されて光軸に沿って保護位置と退避位置との間を異なる移動量で移動する複数の筒状カバー636を備える。退避位置では、筒状カバー636は、撮像装置本体10内に収容される。保護位置では、複数の筒状カバー636のうち少なくとも最も移動量の大きい筒状カバー636の先端部が、広角レンズ14よりも被写体側に突出する。この構成により、撮影時は退避位置で筒状カバー636を撮像装置本体10に収容することで、被写体像への映り込みが抑制できる。また、非撮影時は筒状カバー636を保護位置に配置して、最も移動量の大きい筒状カバー636の先端部を、広角レンズ14よりも被写体側に突出させることで、広角レンズ14を適切に保護できる。
【0165】
なお、第9実施形態では、直径の最も大きい筒状カバー636が筐体13に固定され、この内側に収容された直径の小さい筒状カバー636が順次スライド移動し、直径の最も小さい筒状カバー636が最も移動量が大きく、先端部が被写体側に突出する、いわゆるテレスコピック構造であるが、この構成に限定されない。他の実施形態として、直径の最も小さい筒状カバー636を筐体13に固定し、外周に配置された直径の大きい筒状カバー636が順次スライド移動し、直径の最も大きい筒状カバー636が最も大きい移動量で移動して被写体側に突出する構成とすることもできる。また、筒状カバー634が複数に限定されず、1つであってもよい。
【0166】
(第10実施形態)
図17を参照して、第10実施形態である撮像装置109について説明する。図17は、第10実施形態を示す撮像装置109の概略構成図である。図17において、(a)は非撮影時の斜視図、(b)は撮影時の斜視図である。
【0167】
図17に示すように、第10実施形態の撮像装置109は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材720と、を備える。
【0168】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0169】
レンズ保護部材720は、前後に対称に設けられた一対のカバー部721A,721Bを備える。一対のカバー部721A,721Bは、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域である。
【0170】
第10実施形態の一対のカバー部721A,721Bは、3つの分割片737A,737Bからなる。各分割片737A,737Bは、ヒンジ部738A,738Bによって撮像装置本体10の筐体13に連結されている。各分割片737A,737Bは、ヒンジ部738A,738Bを介して左右又は上下方向に移動することで、互いに近接及び分離が可能となっている。この場合の「近接」とは、分割片737A,737Bが、互いに接触して、又は所定間隔を介在して隣り合って配置されることをいう。
【0171】
各分割片737A,737Bは、ヒンジ部738A,738Bによって分離方向へ付勢され、一対の広角レンズ14A,14Bの後方の退避位置に配置され、この配置状態(開いた状態)が維持される。また、レンズ保護部材720は、各分割片737A,737Bを連結して、近接状態(閉じた状態)を保持するための公知のロック機構(例えば、互いに嵌合する突部と凹部、等)を備える。各分割片737A,737Bは、このロック機構やヒンジ部738A,738の付勢力、又はバネ等の付勢手段による付勢やラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。各分割片737A,737Bは、互いに協同して、又は個別に広角レンズ14A,14Bを被覆して保護する。
【0172】
なお、退避領域を、厳密にすべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域としなくてもよい。例えば、デザインや設計上の制約や、ヒンジ部738Aの付勢力の関係で、カバー部721A,721Bの一部(分割片737A,737B等)が、撮像装置本体10等が撮像素子12A,12Bに映り込む部分に配置される退避位置や、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する退避位置に退避されてもよい。
【0173】
上述のような構成の第10実施形態の撮像装置109では、被写体像の非撮影時は、ヒンジ部738A,738Bの付勢力に抗して手動又は公知の駆動機構等で、各分割片737A,737Bを広角レンズ14A,14Bの前方の保護位置に移動させ、その後ロック機構を作動させる。これにより、図17の(a)に示すように、分割片737A,737Bが近接して互いに連結し、広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に突出し、一つのカバー部721A,721Bを構成して広角レンズ14A,14Bを被覆する。ロック機構によって各分割片737A,737Bの近接状態が保持され、不測の分離が抑制される。したがって、レンズ保護部材420によって一対の広角レンズ14A,14Bを保護し、傷の付着等を防止できる。
【0174】
一方、撮影時は、ロック機構を解除すると、ヒンジ部738A,738Bの付勢力によって各分割片737A,737Bが開方向へ移動し、図17の(b)に示すように、各広角レンズ14A,14Bの後方の退避位置に配置される。
【0175】
したがって、第10実施形態においても、被写体像の撮影時は、一対のカバー部721A,721Bを、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。または、一対のカバー部721A,721Bを、撮像装置本体10等が撮像素子12A,12Bに映り込む部分に配置される位置や撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0176】
以上、第10実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材720を提供できる。この結果、レンズ保護部材720の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置109を提供できる。
【0177】
また、第10実施形態では、カバー部721は、複数の分割片737から構成され、複数の分割片737は、ヒンジ部738によって撮像装置本体10に連結される。保護位置では、複数の分割片737が、ヒンジ部738を介して広角レンズ14の曲面の被写体側に位置することで、互いに近接して広角レンズ14を被覆し、ヒンジ部738を介して分離する方向に移動することで、退避位置に移動する構成である。この構成により、非撮影時は分割片737が近接した広面積のカバー部721によって広角レンズ14をより適切に保護し、撮影時は、小さな分割片737に分かれて退避することで、被写体像への映り込みをより適切に抑制できる。
【0178】
(第11実施形態)
図18を参照して、第11実施形態である撮像装置110について説明する。図18は、第11実施形態を示す撮像装置110の概略構成図である。図18において、(a)は非撮影時の斜視図、(b)は撮影時であって一方のカバー部821Aが開く途中の斜視図であり、(c)は撮影時であって一方のカバー部821Aが開いた状態の斜視図である。
【0179】
図18に示すように、第11実施形態の撮像装置110は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材820と、を備える。
【0180】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0181】
レンズ保護部材820は、前後に対称に設けられた一対のカバー部821Aを備える。なお、図18では、一方のカバー部821Aのみが現れており、これと対称となる他方のカバー部は撮像装置本体10の背面に隠れているので図示を省略している。以下では、一方、他方の区別なく、カバー部821と表記して説明する。
【0182】
一対のカバー部821は、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域である。また、本実施形態でも、一対のカバー部821が、撮像装置本体10等が撮像素子12A,12Bに映り込む部分に配置される位置や、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置に退避するように構成してもよい。
【0183】
第11実施形態のレンズ保護部材820は、一対のカバー部821が、第11実施形態の一対のカバー部721よりも数が多く、かつ、より面積の小さい分割片837から構成されること以外は、第11実施形態のレンズ保護部材720と同様の基本構成を備える。
【0184】
一対のカバー部821は、9つの分割片837からなり、ヒンジ部838によって撮像装置本体10の筐体13に連結される。また、分割片837A,837Bは、ヒンジ部838A,838Bによって互いの分離方向に付勢されるとともに、互いに近接して連結し、かつ、この近接状態を維持するためのロック機構を備える。各分割片837A,837Bは、このロック機構やヒンジ部838の付勢力、又はバネ等の付勢手段による付勢やラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0185】
上述のような構成の第11実施形態の撮像装置110では、被写体像の非撮影時は、ヒンジ部838A,838Bの付勢力に抗して手動又は公知の駆動機構等で、各分割片837を広角レンズ14A,14Bの前方の保護位置に移動させ、その後ロック機構を作動させる。これにより、図18の(a)に示すように、分割片837が近接して、広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側に突出し、一つのカバー部821を構成して広角レンズ14A,14Bを被覆する。ロック機構によって各分割片837A,737Bの近接状態が保持され、不測の分離が抑制される。したがって、レンズ保護部材820によって一対の広角レンズ14A,14Bを保護し、傷の付着等を防止できる。
【0186】
一方、撮影時は、ロック機構を解除すると、ヒンジ部838の付勢力によって各分割片837が、図18の(b)から(c)に示すように開方向へ移動し、各広角レンズ14A,14Bの後方の退避位置に配置される。
【0187】
したがって、第11実施形態においても、被写体像の撮影時は、一対のカバー部821を、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。または、一対のカバー部821を、撮像装置本体10等が撮像素子12A,12Bに映り込む部分に配置される位置や、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0188】
以上、第11実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材820を提供できる。この結果、レンズ保護部材820の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置110を提供できる。
【0189】
また、第11実施形態では、第10実施形態に比べ、分割片837の数が多いが、各分割片837の面積をより小さくできるため、個々の分割片837の被写体像への映り込みをより適切に抑制できる。
【0190】
(第12実施形態)
次に、図19を参照して、第12実施形態である撮像装置111について説明する。図19は、第12実施形態を示す撮像装置110の概略構成図である。図19において、(a)、(b)は撮影時の平面図と正面図、(c)はカバー部921を上方に引き出した状態の正面図、(d)、(e)は非撮影時の正面図と平面図、(f)は撮像装置111を机等に置いたときの正面図である。
【0191】
図19に示すように、第12実施形態の撮像装置111は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材920と、を備える。
【0192】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0193】
レンズ保護部材920は、撮像装置本体10の天面に設けられた棒状(又は薄板状)のカバー部921と、このカバー部921を回転自在に支持する軸部材922と、備える。カバー部921は、軸部材922の中心を回転軸XCとして回転可能である。カバー部921は、筐体13の天面に凹設された収納部16に収容される。
【0194】
カバー部921は、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域である。また、カバー部921は、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっていてもよい。
【0195】
上述のような構成の第12実施形態の撮像装置111では、被写体像の撮影時は、レンズ保護部材920のカバー部921は、図19の(a)、(b)に示すように、筐体13の収納部16に収納されている。
【0196】
これにより、第12実施形態においても、被写体像の撮影時は、カバー部921を、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0197】
一方、被写体像の非撮影時は、図19の(c)に示すように、カバー部921を上方に引き出して、収納部16から突出させる。次いで、カバー部921を、一方の広角レンズ14Aの前方に向けて(他方の広角レンズ14Bの前方でもよい)、回転軸XCを中心に回転させる。これにより、図19の(d)、(e)に示すように、一方の広角レンズ14Aの曲面よりも被写体側にカバー部921の先端部を突出させる。
【0198】
この状態で、図19の(f)に示すように、机等の載置部1に撮像装置111を載置すると、カバー部921が支持部として機能し、カバー部921と筐体13とで、安定して撮像装置111を支持する。このことにより、第12実施形態のレンズ保護部材920と筐体13とによって、広角レンズ14A,14Bが載置部1等に直に接触するのを防止できるとともに、机等の載置部1等に、安定して置くことができ、撮像装置111の転倒、落下等を防止できる。したがって、第12実施形態では、棒状の簡易な構成のカバー部921と筐体13とによって、簡単に広角レンズ14A,14Bを保護することが可能である。
【0199】
以上、第12実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制でき、しかも簡易な構成のレンズ保護部材920を提供できる。この結果、レンズ保護部材920の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置111を提供できる。
【0200】
(第13実施形態)
図20を参照して、第13実施形態である撮像装置112について説明する。図20は、第13実施形態を示す撮像装置110の概略構成図である。図20において、(a)、(b)(c)は撮影時の平面図、正面図、側面図、(d)、(e)はカバー部1021を側方に引き出した状態の平面図と正面図、(f)、(g)は非撮影時の正面図と側面図、(h)は撮像装置112を机等に置いたときの正面図である。
【0201】
図20に示すように、第12実施形態の撮像装置112は、撮像装置本体10と、レンズ保護部材1020と、を備える。
【0202】
撮像装置本体10は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0203】
レンズ保護部材1020は、撮像装置本体10の一側に設けられた棒状(又は薄板状)のカバー部1021と、このカバー部1021を回転自在に支持する軸部材1022と、備える。カバー部1021は、軸部材1022の中心を回転軸XCとして回転可能である。カバー部1021は、筐体13の天面に凹設された収納部16に収容される。
【0204】
カバー部1021は、一対の広角レンズ14A,14Bの少なくとも一部を保護する保護位置と、退避位置との間を移動するように構成される。退避位置は、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域である。また、カバー部1021は、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっていてもよい。
【0205】
上述のような構成の第12実施形態の撮像装置112では、被写体像の撮影時は、レンズ保護部材1020のカバー部1021は、図20の(a)~(c)に示すように、筐体13の収納部16に収納されている。
【0206】
これにより、第13実施形態においても、被写体像の撮影時は、カバー部1021を、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。そして、広角レンズ14A,14Bを用いて被写体像を撮影できる。
【0207】
一方、被写体像の非撮影時は、図20の(d)、(e)に示すように、カバー部1021を側方に引き出して、収納部16から突出させる。次いで、カバー部1021を、一方の広角レンズ14Aの前方に向けて(他方の広角レンズ14Bの前方でもよい)、回転軸XCを中心に回転させる。これにより、図20の(f)、(g)に示すように、一方の広角レンズ14Aの曲面よりも被写体側にカバー部1021の先端を突出させる。
【0208】
この状態で、図20の(h)に示すように、机等の載置部1に撮像装置112を載置すると、カバー部1021が支持部として機能し、カバー部1021と筐体13とで、安定して撮像装置112を支持する。このことにより、第13実施形態のレンズ保護部材1020と筐体13とによって、広角レンズ14A,14Bが載置部1等に直に接触するのを防止できるとともに、机等の載置部1等に、安定して置くことができ、撮像装置111の転倒、落下等を防止できる。したがって、第13実施形態でも、棒状の簡易な構成のカバー部1021と筐体13とによって、簡単に広角レンズ14A,14Bを保護することが可能である。
【0209】
以上、第13実施形態においても、非撮影時には保護位置に位置して広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には退避位置に位置して被写体像への映り込みが抑制でき、しかも簡易な構成のレンズ保護部材1020を提供できる。この結果、レンズ保護部材1020の被写体像への映り込みが抑制可能で撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置111を提供できる。
【0210】
(第14実施形態)
図21を参照して、第14実施形態である撮像装置113について説明する。図21は、第14実施形態の撮像装置113の概略構成と、この撮像装置113と画角との関係を説明するための図である。図21に示す(a)は撮像装置113の側面図、(b)は正面図、(c)は平面図(上面図)である。図21の各図には、広角レンズ14A,14Bの画角を示すとともに、画角外となる領域R1,R2に網掛を付している。図21の(a)では、広角レンズ14A,14Bの双方の画角外となる共通の領域は、領域R1及び領域R2であり、図21の(b)では、双方の画角外となる共通の領域は、領域R1と領域R2の重複する領域であり、図21(c)の双方の画角外となる共通の領域は、仮想線(一点鎖線)で囲った領域である。
【0211】
図21に示すように、第14実施形態の撮像装置113は、撮像装置本体10’と、レンズ保護部材20’と、を備える。
【0212】
撮像装置本体10’は、2つの鏡筒11A,11Bと、撮像素子12A,12Bと、これらを収容する直方体形の筐体13’と、等を備える。鏡筒11A,11Bには、広角レンズ14A,14Bを含む撮像光学系15A,15Bが保持される。
【0213】
上記第1~第13実施形態の撮像装置100~110は、それぞれの光軸IA,IBが同軸となるように筐体13に配置している。これに対して、第12実施形態では、図21の(c)に示すように、鏡筒11A,11Bを撮像装置本体10の幅方向(X方向)において、互いにずれた位置に配置し、光軸IA,IBをずらしている。この配置により、第1~第13実施形態に比べて、一対の広角レンズ14A,14Bの基線長を短くできる。したがって、一対の広角レンズ14A,14Bを用いて撮影された各被写体像の視差が小さくなり、スティッチング処理をより高精度かつより効率的に行うことができ、生成される全天球パノラマ画像の撮像品質の向上が図られる。
【0214】
また、第14実施形態では、撮像装置本体10の長さ方向(Y方向)を短くして、被写体像への映り込み抑制効果を高めている。
【0215】
第14実施形態でも、第1実施形態と同様に、側面視略コ字形のカバー部21A’,21B’を、広角レンズ14A,14B少なくとも一部を保護する保護位置と、撮像装置本体10’の上方の退避位置との間を回転移動可能に、筐体13’に軸支されている。また、カバー部21A’,21B’は、バネ等の付勢手段による付勢又はラッチによる固定で、保護位置と退避位置からのずれが防止可能となっている。
【0216】
上述のような構成の第14実施形態の撮像装置113では、被写体像の非撮影時は、レンズ保護部材20’の一対のカバー部21A’,21B’を下方向に回転移動させる。そして、一対のカバー部21A’,21B’を、一対の広角レンズ14A,14Bの曲面よりも被写体側し、広角レンズ14A,14Bのレンズの頂点近傍を被覆して保護する。
【0217】
一方、撮影時は、一対のカバー部21A’,21B’を下方向に回転移動させ、筐体13の上方であって退避位置に配置する。したがって、第14実施形態でも、被写体像の撮影時は、一対のカバー部21A’,21B’を、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域に退避できる。
【0218】
以上、第14実施形態においても、非撮影時には広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時には被写体像への映り込みが抑制できるレンズ保護部材20’を提供できる。この結果、撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置103を提供できる。また、第12実施形態では、広角レンズ14A,14Bを2つ備え、各広角レンズ14A,14Bを、互いの光軸IA,IBが幅方向又は長さ方向において、ずれた位置に配置されるように、面対称に配置している。この構成により、広角レンズ14A,14Bの基線長を短くして、2つの被写体像の視差を小さくして、高品質な画像を生成できる。
【0219】
また、第14実施形態の撮像装置113にも、第2~第13実施形態に示すようなレンズ保護部材20~1020を適用することができる。このような構成としても、非撮影時にはレンズ保護部材で広角レンズ14A,14Bを保護して、傷等の付着を適切に防止でき、撮影時にはレンズ保護部材を、すべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側となる領域、若しくは、撮像装置本体10の領域、又は撮像装置本体10の外側の領域のうち、撮像素子12A,12に映り込む部分に配置される位置に退避できる。または、レンズ保護部材を、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する位置に退避できる。この結果、撮像品質に優れる被写体像を取得可能な撮像装置113を提供できる。
【0220】
以上、図面を参照して、実施形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施形態に限らず、その要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本開示に含まれる。
【0221】
例えば、上記第6、第8実施形態では、複数の広角レンズ14を有する構成である。しかし、第6、第8実施形態がこの構成に限定されず、広角レンズ14を1つのみ有する構成とすることができる。この場合でも、上述のようなカバー部321,521を有することで、カバー部321,521を、撮像装置本体10の領域、又は撮像装置本体10の外側の領域のうち、撮像素子12A,12Bに映り込む部分に配置される退避位置に退避でき、撮像品質に優れた被写体像を取得できる。
【0222】
また、第5、第7、第9実施形態では、退避位置をすべての撮像素子12A,12Bの撮像領域におけるイメージサークルの外側又は撮像領域の外側としているが、厳密にこの位置としなくてもよい。例えば、デザインや設計上の制約等により、第5実施形態のカバー部221のガード片225の一部、第7実施形態の板状部材製のカバー部421の一部、第9実施形態のカバー部621の筒状カバー636の一部が、撮像装置本体10の領域、又は撮像装置本体10の外側の領域のうち、撮像素子12A,12に映り込む部分に配置される退避領域や、撮像素子12A,12Bの撮像領域が重複する領域に対応する退避領域に退避されてもよく、この場合でも被写体像の撮像品質への影響を抑制できる。
【符号の説明】
【0223】
10,10' :撮像装置本体
12,12A,12B :撮像素子
14,14A,14B :広角レンズ(レンズ)
20,20',120~820 :レンズ保護部材
:レンズ保護部材
21,21A,21A',21B,21B',121A,121B,221A,221B,321,321A,321B,421,421A,421B,521,621,621A,721,721A,721B,821,821A,921,1021 :カバー部
41 :流通間隔
100~113 :撮像装置
222A :軸支部
225,225A :ガード片
636 :筒状カバー
737,737A,737B,837,837A,837B :分割片
738,738A,738B,838,838A,838B :ヒンジ部
I,IA,IB :光軸
図1
図2
図3
図4
図5
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