(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022064565
(43)【公開日】2022-04-26
(54)【発明の名称】オキシアルキレン重合体、オキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物及びオキシアルキレン重合体の製造方法
(51)【国際特許分類】
C08G 18/67 20060101AFI20220419BHJP
C08G 65/333 20060101ALI20220419BHJP
C08G 65/336 20060101ALI20220419BHJP
C08L 71/00 20060101ALI20220419BHJP
C08G 18/83 20060101ALI20220419BHJP
【FI】
C08G18/67 095
C08G65/333
C08G65/336
C08L71/00
C08G18/83 070
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173273
(22)【出願日】2020-10-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】今野 和真
(72)【発明者】
【氏名】神保 裕介
(72)【発明者】
【氏名】砂山 佳孝
【テーマコード(参考)】
4J002
4J005
4J034
【Fターム(参考)】
4J002CH051
4J002DA036
4J002DE086
4J002DE136
4J002DE236
4J002EH147
4J002EX039
4J002EX069
4J002EX079
4J002EZ048
4J002FD016
4J002FD027
4J002FD158
4J002GJ01
4J002GJ02
4J005AA04
4J005BB01
4J005BB02
4J005BD05
4J005BD08
4J034DA01
4J034DB01
4J034DG04
4J034FE04
4J034GA51
4J034HA01
4J034HA07
4J034HC03
4J034HC12
4J034HC17
4J034HC22
4J034HC46
4J034HC52
4J034HC61
4J034HC64
4J034HC67
4J034HC71
4J034HC73
4J034JA01
4J034KA01
4J034KB02
4J034KC17
4J034KD02
4J034LA12
4J034LA32
4J034RA08
(57)【要約】
【課題】優れた強度を有する硬化物の原料となるオキシアルキレン重合体、前記オキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物及び前記オキシアルキレン重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】-SiXaR3-aで表される反応性ケイ素基及び不飽和基の合計が1つの末端基あたりに平均して下0個より多く、主鎖中に前記反応性ケイ素基及びウレタン結合を有する、オキシアルキレン重合体(A)。Rは炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基、ハロゲン原子、又は加水分解性基を示し、aは1~3の整数を示し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なってもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なってもよい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式1で表される反応性ケイ素基、不飽和基及びポリオキシアルキレン鎖を有する重合体であって、前記反応性ケイ素基及び前記不飽和基の合計が1つの末端基あたりに平均して0個より多く、かつ主鎖中に前記反応性ケイ素基及びウレタン結合を有する、オキシアルキレン重合体(A)。
-SiXaR3-a 式1
前記式1中、Rは炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基、ハロゲン原子、又は加水分解性基を示し、aは1~3の整数を示し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なってもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なってもよい。
【請求項2】
前記主鎖は、ポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基と、ポリオキシアルキレン鎖と、前記残基と前記ポリオキシアルキレン鎖とを連結するウレタン結合と、を含み、
前記末端基は、前記ポリオキシアルキレン鎖中の酸素原子のうち、前記オキシアルキレン重合体(A)の分子末端に最も近い酸素原子を含む末端基である、請求項1に記載のオキシアルキレン重合体(A)。
【請求項3】
数平均分子量が3,000~100,000である、請求項1又は2に記載のオキシアルキレン重合体(A)。
【請求項4】
分子量分布が2.0以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体(A)。
【請求項5】
1つの末端基あたりに平均して前記反応性ケイ素基を0個より多く有する請求項1~4のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体(A)。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体(A)と、硬化触媒と、を含む硬化性組成物。
【請求項7】
下記オキシアルキレン重合体(B)の末端基における活性水素含有基及び下記オキシアルキレン重合体(C)の末端基における活性水素含有基を、分子量が100~20,000のポリイソシアネートと反応させて、下記オキシアルキレン重合体(D)を得、次いで、前記オキシアルキレン重合体(D)の末端基に存在する不飽和基及び主鎖中に存在する不飽和基と、前記式1で表される反応性ケイ素基を有するシリル化剤とを反応させる、請求項5に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
オキシアルキレン重合体(B):不飽和基、活性水素含有基及びポリオキシアルキレン鎖を有する重合体であって、前記不飽和基を平均して0個より多く有する末端基を1個、かつ前記活性水素含有基を平均して0個超1.0個以下有する末端基を1個有する重合体。
オキシアルキレン重合体(C):不飽和基を有する開始剤残基、活性水素含有基及びポリオキシアルキレン鎖を有する重合体であって、前記開始剤残基を主鎖中に有し、かつ前記活性水素含有基を平均して0個超1.0個以下有する末端基を2~4個有する重合体。
オキシアルキレン重合体(D):ポリオキシアルキレン鎖を有する主鎖、前記主鎖中に存在する不飽和基、前記主鎖中に存在するウレタン結合、及び末端基に存在する不飽和基を有する重合体であって、1つの末端基あたりに平均して0個より多くの不飽和基を有する重合体。
【請求項8】
前記オキシアルキレン重合体(B)が、開始剤(b)に環状エーテルを開環付加重合反応させたオキシアルキレン重合体であって、前記開始剤(b)が、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に1個の活性水素含有基を有する化合物である、請求項7に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【請求項9】
前記開始剤(b)が、下式2で表される化合物である、請求項8に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【化1】
前記式2中、R
1は活性水素含有基、R
2は水素原子又はメチル基であり、R
4は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
6は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
62-CR
61=CH
2で表される基であり、R
61は水素原子又はメチル基であり、R
62は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、2個のR
6は同一であっても異なっていてもよく、nは0~10の整数である。
【請求項10】
前記オキシアルキレン重合体(C)が、開始剤(c)に環状エーテルを開環付加重合反応させたオキシアルキレン重合体であって、前記開始剤(c)は、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に2~4個の活性水素含有基を有する化合物である、請求項7~9のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【請求項11】
前記開始剤(c)が、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に2個の活性水素含有基を有する開始剤(c1)である、請求項10に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【請求項12】
前記開始剤(c1)が、下式3で表される化合物である、請求項11に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【化2】
前記式3中、R
111は活性水素含有基、R
112は水素原子又はメチル基であり、R
114は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
116は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
172-CR
171=CH
2で表される基であり、R
171は水素原子又はメチル基であり、R
172は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、aは0~10の整数であり、複数のR
111-(CH
2)
a-で表される基は同一でも異なってもよい。
【請求項13】
前記環状エーテルが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、及び2,3-ブチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも一種の環状エーテルを含む、請求項8~12のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【請求項14】
前記開環付加重合反応は、複合金属シアン化錯体触媒の存在下で行われる、請求項8~13のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【請求項15】
前記オキシアルキレン重合体(D)の数平均分子量が3,000~100,000である、請求項7~14のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オキシアルキレン重合体、オキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物及びオキシアルキレン重合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体は、加水分解反応により硬化して、柔軟性を有するゴム状硬化物を形成し、シーリング材、接着剤等の用途に用いられる。
【0003】
特許文献1には、1つの末端基あたりに平均して1.0個より多くの反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体が開示されている。前記重合体が1つの末端基あたりに平均して1.0個より多くの反応性ケイ素基を有することにより、優れた弾性と強度を有する硬化物の原料となることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
接着剤用途においては、硬化物の強度が優れることが求められる。
特許文献1に記載の重合体を原料に用いて得られる硬化物の強度は充分ではない。
【0006】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、優れた強度を有する硬化物の原料となるオキシアルキレン重合体、及び前記オキシアルキレン重合体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、下記[1]~[15]の態様を有する。
[1] 下式1で表される反応性ケイ素基、不飽和基及びポリオキシアルキレン鎖を有する重合体であって、前記反応性ケイ素基及び前記不飽和基の合計が1つの末端基あたりに平均して0個より多く、かつ主鎖中に前記反応性ケイ素基及びウレタン結合を有する、オキシアルキレン重合体(A)。
-SiXaR3-a 式1
前記式1中、Rは炭素数1~20の1価の有機基であって、加水分解性基以外の有機基を示し、Xは水酸基、ハロゲン原子、又は加水分解性基を示し、aは1~3の整数を示し、aが1の場合、Rは互いに同一でも異なってもよく、aが2又は3の場合、Xは互いに同一でも異なってもよい。
[2]前記主鎖は、ポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基と、ポリオキシアルキレン鎖と、前記残基と前記ポリオキシアルキレン鎖とを連結するウレタン結合と、を含み、前記末端基は、前記ポリオキシアルキレン鎖中の酸素原子のうち、前記オキシアルキレン重合体(A)の分子末端に最も近い酸素原子を含む末端基である、[1]のオキシアルキレン重合体(A)。
[3] 数平均分子量が3,000~100,000である、[1]又は[2]のオキシアルキレン重合体(A)。
[4] 分子量分布が2.0以下である、[1]~[3]のいずれかのオキシアルキレン重合体(A)。
[5] 1つの末端基あたりに平均して前記反応性ケイ素基を0個より多く有する[1]~[4]のいずれかのオキシアルキレン重合体(A)。
[6] 前記[1]~[5]のいずれかのオキシアルキレン重合体(A)と、硬化触媒と、を含む硬化性組成物。
[7] 下記オキシアルキレン重合体(B)の末端基における活性水素含有基及び下記オキシアルキレン重合体(C)の末端基における活性水素含有基を、分子量が100~20,000のポリイソシアネートと反応させて、下記オキシアルキレン重合体(D)を得、次いで、前記オキシアルキレン重合体(D)の末端基に存在する不飽和基及び主鎖中に存在する不飽和基と、前記式1で表される反応性ケイ素基を有するシリル化剤とを反応させる、[5]のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
オキシアルキレン重合体(B):不飽和基、活性水素含有基及びポリオキシアルキレン鎖を有する重合体であって、前記不飽和基を平均して0個より多く有する末端基を1個、かつ前記活性水素含有基を平均して0個超1.0個以下有する末端基を1個有する重合体。
オキシアルキレン重合体(C):不飽和基を有する開始剤残基、活性水素含有基及びポリオキシアルキレン鎖を有する重合体であって、前記開始剤残基を主鎖中に有し、かつ前記活性水素含有基を平均して0個超1.0個以下有する末端基を2~4個有する重合体。
オキシアルキレン重合体(D):ポリオキシアルキレン鎖を有する主鎖、前記主鎖中に存在する不飽和基、前記主鎖中に存在するウレタン結合、及び末端基に存在する不飽和基を有する重合体であって、1つの末端基あたりに平均して0個より多くの不飽和基を有する重合体。
[8] 前記オキシアルキレン重合体(B)が、開始剤(b)に環状エーテルを開環付加重合反応させたオキシアルキレン重合体であって、前記開始剤(b)が、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に1個の活性水素含有基を有する化合物である、[7]のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
[9] 前記開始剤(b)が、下式2で表される化合物である、[8]のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【0008】
【0009】
前記式2中、R1は活性水素含有基、R2は水素原子又はメチル基であり、R4は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R6は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R62-CR61=CH2で表される基であり、R61は水素原子又はメチル基であり、R62は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、2個のR6は同一であっても異なっていてもよく、nは0~10の整数である。
[10] 前記オキシアルキレン重合体(C)が、開始剤(c)に環状エーテルを開環付加重合反応させたオキシアルキレン重合体であって、前記開始剤(c)は、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に2~4個の活性水素含有基を有する化合物である、[7]~[9]のいずれかのオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
[11] 前記開始剤(c)が、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に2個の活性水素含有基を有する開始剤(c1)である、[10]のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
[12] 前記開始剤(c1)が、下式3で表される化合物である、[11]のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【0010】
【0011】
前記式3中、R111は活性水素含有基、R112は水素原子又はメチル基であり、R114は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R116は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R172-CR171=CH2で表される基であり、R171は水素原子又はメチル基であり、R172は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、aは0~10の整数であり、複数のR111-(CH2)a-で表される基は同一でも異なってもよい。
[13] 前記環状エーテルが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、及び2,3-ブチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも一種の環状エーテルを含む、[8]~[12]のいずれかのオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
[14] 前記開環付加重合反応は、複合金属シアン化錯体触媒の存在下で行われる、[8]~[13]のいずれか一項に記載のオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
[15] 前記オキシアルキレン重合体(D)の数平均分子量が3,000~100,000である、[7]~[14]のいずれかのオキシアルキレン重合体(A)の製造方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、優れた強度を有する硬化物の原料となるオキシアルキレン重合体、前記オキシアルキレン重合体を含む硬化性組成物及び前記オキシアルキレン重合体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書における用語の意味及び定義は以下のとおりである。
「~」で表される数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
「重合体」とは、数平均分子量が1,000以上の物質を意味する。
「化合物」とは、数平均分子量が1,000未満の物質を意味する。化合物における分子量は、後述のゲル浸透クロマトグラフィー(以下、GPCという。)測定における数平均分子量である。GPC測定において分子量分布がない物質の分子量は、化合物の式量である。
「オキシアルキレン重合体」とは、環状エーテルに基づく単位から形成されるポリオキシアルキレン鎖を有する重合体を意味する。
「活性水素含有基」は、炭素原子に結合する水酸基、カルボキシ基、アミノ基、第一級アミンから1個の水素原子を除去した1価の官能基及びスルファニル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の基である。
「活性水素」とは、前記活性水素含有基に基づく水素原子、及び水の水酸基に基づく水素原子である。
「開始剤」は、活性水素含有基を有する化合物である。
「開始剤残基」は、開始剤から活性水素を除いた残基である。
「シリル化剤」とは、不飽和基と反応して反応性ケイ素基を導入し得る化合物である。
【0014】
反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体の「シリル化率」は、重合体の末端基に含まれる反応性ケイ素基及び不飽和基の数の合計に対する前記反応性ケイ素基数の割合である。
重合体の末端基に含まれる反応性ケイ素基の数は、1H-NMRの内部標準法で測定できる。
重合体の末端基に含まれる不飽和基の数は、JIS K0070:1992に準拠したヨウ素価滴定により測定できる。
重合体の末端基に含まれる水酸基の数は、無水フタル酸のピリジン溶液で水酸基をエステル化し、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液による滴定方法(JIS K1557:2007に準拠)で測定できる。
重合体の末端基に含まれる水酸基以外の活性水素含有基の数は、1H-NMRの内部標準法で測定できる。
【0015】
数平均分子量(以下、「Mn」と記す。)及び質量平均分子量(以下、「Mw」と記す。)は、GPC測定によって得られるポリスチレン換算分子量である。分子量分布は、MwとMnより算出した値であり、Mnに対するMwの比率(以下、「Mw/Mn」と記す。)である。
【0016】
本実施形態のオキシアルキレン重合体(以下、「重合体(A)」という。)は、下式1で表される反応性ケイ素基及び不飽和基の合計が1つの末端基あたりに平均して0個より多く、主鎖中に前記反応性ケイ素基及びウレタン結合を有する。
【0017】
<反応性ケイ素基>
反応性ケイ素基は、下式1で表わされる。
-SiXaR3-a 式1
前記式1において、Rは炭素数1~20の1価の有機基を示す。Rは加水分解性基を含まない。
Rとしては、炭化水素基、ハロ炭化水素基及びトリオルガノシロキシ基が挙げられる。
【0018】
Rとしては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1-クロロアルキル基及びトリオルガノシロキシ基が好ましい。炭素数1~4の直鎖又は分岐のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、1-クロロメチル基、トリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基及びトリフェニルシロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。反応性ケイ素基を有する重合体の硬化性と硬化性組成物の安定性が良い点からは、メチル基又はエチル基が好ましい。硬化物の硬化速度が速い点から、1-クロロメチル基が好ましい。容易に入手できる点から、メチル基が特に好ましい。
【0019】
前記式1において、Xは水酸基、ハロゲン原子又は加水分解性基を示す。加水分解性基とは、水と反応してシラノール基を形成しうる基のことである。
加水分解性基としては、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、スルファニル基、アルケニルオキシ基が例示できる。
Xとしては、加水分解性が穏やかで取扱いやすい点から、アルコキシ基が好ましい。アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。アルコキシ基がメトキシ基又はエトキシ基であると、シロキサン結合を速やかに形成し硬化物中に架橋構造を形成しやすく、硬化物の物性値がより良好となる。
【0020】
前記式1において、aは1~3の整数を示す。aが1の場合、Rは互いに同一でも異なってもよい。aが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なってもよい。
aは1又は2が好ましく、aは2がより好ましい。
【0021】
前記式1で表される反応性ケイ素基としては、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリス(2-プロペニルオキシ)シリル基、トリアセトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基、ジメトキシエチルシリル基、ジイソプロポキシメチルシリル基、クロロメチルジメトキシシリル基、クロロメチルジエトキシシリル基が例示できる。活性が高く良好な硬化性が得られる点から、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基が好ましく、ジメトキシメチルシリル基及びトリメトキシシリル基がより好ましい。
【0022】
<重合体(A)>
重合体(A)は、主鎖及び末端基からなる。重合体(A)の主鎖は、ポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基と、ポリオキシアルキレン鎖と、前記残基と前記ポリオキシアルキレン鎖を連結するウレタン結合と、を含み、末端基は、前記ポリオキシアルキレン鎖の酸素原子のうち、重合体(A)の分子末端に最も近い酸素原子(以下、「末端の酸素原子」ともいう。)を含む末端基である。
環状エーテルとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキシド以外の環状エーテルが挙げられる。環状エーテルとしては、アルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドがより好ましく、特に、プロピレンオキシドが好ましい。
ポリオキシアルキレン鎖は2種以上のオキシアルキレン基を有する共重合鎖であってもよく、その場合、共重合鎖はブロック共重合鎖であってもよく、ランダム共重合鎖であってもよい。
重合体(A)が有するポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシプロピレン鎖、ポリオキシエチレン鎖、ポリ(オキシ-2-エチルエチレン)鎖、ポリ(オキシ-1、2-ジメチルエチレン)鎖、ポリ(オキシテトラメチレン)鎖、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)鎖、ポリ(オキシプロピレン・オキシ-2-エチルエチレン)鎖が挙げられる。ポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシプロピレン鎖及びポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)鎖が好ましく、ポリオキシプロピレン鎖が特に好ましい。
【0023】
重合体(A)のMnは、3,000~100,000が好ましく、3,500~75,000がより好ましく、4,000~60,000がさらに好ましい。Mnが前記範囲の下限値以上であると、反応性ケイ素基の導入量を抑えられ、製造コストの点で有利であり、上限値以下であると、粘度が抑えられ、作業性の点で都合がよい傾向がある。
重合体(A)の分子量分布は、特に限定はされないが、狭いことが好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましい。分子量分布が前記上限値以下であると、硬化物の伸び物性が向上しやすい。
重合体(A)の25℃における粘度は、0.1~100,000Pa・sが好ましく、0.3~10,000Pa・sがより好ましく、0.4~100Pa・sがさらに好ましい。前記範囲内であると作業性により優れる。
【0024】
重合体(A)は、1つの末端基あたりに平均して前記反応性ケイ素基及び不飽和基を合計で0個より多く有する。重合体(A)の1つの末端基における前記反応性ケイ素基及び不飽和基の合計の平均数は、硬化物の強度がより良好となる観点から、1.2~8.0個が好ましく、1.5~3.0個がより好ましい。
【0025】
重合体(A)の末端基の数は、2~10個が好ましく、2~8個がより好ましく、2~6個がさらに好ましい。
【0026】
重合体(A)は、主鎖中にウレタン結合を有し、重合体(A)の総量に対するウレタン結合の含有率は、硬化物の強度がより良好となる観点から、0.1~10質量%が好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。
なお、重合体(A)におけるウレタン結合の位置は特開2000-227430や特開2001-141726に記載の分析方法でウレタン結合を解離させた後GPC、NMR等を用いて明らかにすることができる。また、重合体(A)の総量に対するウレタン結合の含有率は、重合体(A)を製造する際に使用されるポリイソシアネートの種類及び量が既知の場合は、ポリイソシアネートに含まれるイソシアネート基の全部が、ウレタン結合(分子量59)を形成しているとみなして、下式A、下式Bにより算出することができる。
【0027】
ウレタン結合の含有率(単位:質量%)=W(U)/W(A)×100…式A
W(U)=(Mi×59)+(R(U)×W(P))…式B
Mi:重合体(A)の製造に用いたポリイソシアネートに存在するイソシアネート基の全モル数(単位:モル)
R(U):重合体(A)の製造に用いたポリイソシアネートの総量に対するウレタン結合の割合(単位:質量%)
W(P):重合体(A)の製造に用いたポリイソシアネートの質量(単位:g)
W(A):重合体(A)の総質量(単位:g)
【0028】
重合体(A)の製造に2種類以上のポリイソシアネートを使用した場合は、それぞれのポリイソシアネートに関して前記式Bより、W(U)を計算し、それらの和をW(U)として前記式Aにより、ウレタン結合の含有率を算出することができる。
【0029】
重合体(A)は主鎖中に反応性ケイ素基を有する。主鎖中の反応性ケイ素基は、主鎖中の炭素原子に2価の連結基を介して結合している。前記2価の連結基を構成する原子は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合が好ましい。
重合体(A)における反応性ケイ素基の位置は特開2000-227430や特開2001-141726に記載の分析方法でウレタン結合を解離させた後GPC、NMR等を用いて明らかにすることができる。
具体的には、重合体(A)は、ウレタン結合を解離させると、末端基を含むポリオキシアルキレン鎖、末端基を含まないポリオキシアルキレン鎖及び開始剤残基を含む分子鎖、ポリイソシアネートからイソシアネート基を除いた残基に由来する基に分けられる。末端基を含むポリオキシアルキレン鎖と末端基を含まないポリオキシアルキレン鎖はGPC測定上分子量が異なるため、分取してそれぞれをNMR分析することにより、ケイ素基の位置を特定することができる。
重合体(A)の主鎖中に存在する反応性ケイ素基の含有量は、一分子あたり平均して0.5~4個が好ましく、0.5~2個がより好ましい。
重合体(A)一分子に対して、主鎖中に存在する反応性ケイ素基の含有量は特開2000-227430や特開2001-141726に記載の分析方法でウレタン結合の解離を行った後、上記1H-NMRの内部標準法を行うことにより算出できる。
【0030】
重合体(A)としては、1つの末端基あたりに平均して0個より多くの前記反応性ケイ素基を有し、主鎖中にウレタン結合及び反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体(以下、「重合体(E)」という。)、1つの末端基あたりに平均して0個より多くの不飽和基を有し、主鎖中にウレタン結合及び不飽和基を有し、前記反応性ケイ素基を有さないオキシアルキレン重合体(以下、「重合体(D)」という。)が例示できる。
【0031】
<重合体(E)>
重合体(E)は、1つの末端基あたりに平均して0個より多くの反応性ケイ素基を有する。重合体(E)の1つの末端基あたりの前記反応性ケイ素基の平均数は、硬化物の強度がより良好となる観点から、1.2~8.0個が好ましく、1.5~3.0個がより好ましい。
重合体(E)が末端基に不飽和基を有する場合、重合体(E)の1つの末端基あたりの不飽和基の平均数は、硬化物の強度がより良好となる点から、0.02~1.6個が好ましく、0.03~1.2個がより好ましい。
【0032】
重合体(E)としては、下式3-1で表される重合体(但し、下式3-2で表される重合体を除く)、又は下式3-2で表される重合体が好ましい。
【0033】
R20-([Au/Bz]-X)s 式3-1
前記式3-1において、Xは下式4又は5で表される1価の基であり、Bは下式6又は7で表される2価の基であり、R20はMnが100~20,000のポリイソシアネートからs個のイソシアネート基を除いた残基であり、Aは-[NHC(=O)-(OR50)t-O-C(=O)NH-R21]-で表される2価の基を示し、R21は、Mnが100~20,000のポリイソシアネートから2個のイソシアネート基を除いた残基であり、R50は炭素数2~4のアルキレン基を示し、sは2~4の整数であり、uは0~5の整数であり、zは1~5の整数であり、tは10~900の整数であり、複数のXは互いに同一でも異なってもよい。[Au/Bz]は、-A-と-B-の配列順序が任意であることを示す。(OR50)は、例えば、環状エーテルが開環重合して形成されたポリオキシアルキレン鎖である。
【0034】
X-R21-[Au/Bz]-X 式3-2
前記式3-2において、Xは下式4又は5で表される1価の基であり、Bは下式6又は7で表される2価の基であり、R21は、Mnが100~20,000のポリイソシアネートから2個のイソシアネート基を除いた残基であり、Aは-[NHC(=O)-(OR50)t-O-C(=O)NH-R21]-で表される2価の基を示し、R50は炭素数2~4のアルキレン基を示し、uは0~5の整数であり、zは1~5の整数であり、tは10~900の整数であり、複数のXは互いに同一でも異なってもよい。[Au/Bz]は、-A-と-B-の配列順序が任意であることを示す。(OR50)は、例えば、環状エーテルが開環重合して形成されたポリオキシアルキレン鎖である。
【0035】
uは、0~3が好ましく、0又は1がより好ましい。zは1~3が好ましく、1又は2がより好ましい。tは、20~650が好ましく、30~500がより好ましい。
【0036】
R20は、例えば、Mnが100以上1,000未満のポリイソシアネートからs個のイソシアネート基を除いた残基、又はMnが1,000~20,000のポリイソシアネートからs個のイソシアネート基を除いた残基である。sは、2~4が好ましく、2~3がより好ましく、2がさらに好ましい。
Mnが100以上1,000未満のポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、アラルキルポリイソシアネート、脂肪族ポリジイソシアネート、脂環式ポリイソシアネート、ならびにこれらのポリイソシアネートの各種変性体(イソシアネート基を2個有する変性体)が挙げられる。ポリイソシアネートは2種以上を併用することもできる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、3,5-トリレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、およびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(粗MDI)等が挙げられる。
アラルキルポリイソシアネートとしては、キシリレンジイソシアネート、およびテトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族ポリジイソシアネートとしては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、およびリジントリイソシアネート等が挙げられる。
脂環式ポリジイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,5-ノルボルナンジイソシアネート、2,6-ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
Mnが1,000~20,000のポリイソシアネートとしては、ポリオキシアルキレンポリオールとポリイソシアネートとをインデックスが100を超えかつ200以下で反応させて得られるイソシアネート末端ウレタンプレポリマーが挙げられる。イソシアネート末端ウレタンプレポリマーの数平均分子量は、ポリオキシアルキレンポリオールの水酸基に対するポリイソシアネートのイソシアネート基の割合である、インデックスを調整することにより調整でき、インデックスは、100超120以下が好ましい。
前記ポリオキシアルキレンポリオールにおけるポリオキシアルキレン鎖としては、上述の重合体(A)と同様のものが例示でき、好ましい態様も同様である。
前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマーに用いられるポリオキシアルキレンポリオールのMnは、得られる重合体の粘度を適切な範囲に調整しやすい点で、1,00~20,000が好ましく、200~10,000がより好ましい。ポリオキシアルキレンポリオールのMw/Mnは、特に限定はされないが、狭いことが好ましく、2.0以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましい。分子量分布が前記上限値以下であると、得られる硬化物の伸び物性が向上しやすい。
Mnが1,000以上のポリイソシアネートとしては、国際公開第2019-240046号明細書の段落0016~0030、特開2017-206602号公報の段落0125~0130に記載されるウレタンプレポリマーが例示できる。
【0037】
R21は、sが2であること以外は、R20と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0038】
【化3】
前記式4中、R
11は酸素原子、硫黄原子、前記式4中の-(CH
2)
m―と結合する原子が炭素原子である-C(=O)O-で表される2価の基、又は-N(R
10)-で表される2価の基であり、R
10は水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、R
12は水素原子又はメチル基であり、R
14は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
15は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
17-CHR
18-CH
2-
rSiで表される基であり、R
18は水素原子又はメチル基であり、R
17は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
50は前記式3-1、3-2と同様であり、
rSiは反応性ケイ素基を示し、複数のR
15、R
50、
rSiはそれぞれ互いに同一でも異なってもよく、mは0~10の整数であり、qは10~900の整数である。
【0039】
mは、0~8が好ましく、1~7がより好ましく、1~6がさらに好ましい。
R10は水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。R10の1価の炭化水素基の炭素数は、1~9が好ましく、1~8がより好ましく、1~6がさらに好ましく、1~4が特に好ましい。
R10の炭素数は、R10が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R11としては、酸素原子又は前記式4中の-(CH2)m-と結合する原子が炭素原子である-C(=O)O-で表される2価の基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
【0040】
R15の炭素数は、R15が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R15の炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基、アルケニル基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0041】
アルキル基としては、炭素数1~18のアルキル基が好ましい。
直鎖のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、ラウリル基、ステアリル基が例示でき、メチル基、エチル基が好ましい。分岐のアルキル基は、前記直鎖のアルキル基中の水素原子(但し、末端の炭素中の水素原子は除く)がアルキル基で置換された構造を有する。前記置換基としてのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基が例示でき、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましい。
アルキル基としては、シクロアルカン構造を有するアルキル基でもよい。シクロアルカン構造を有するアルキル基としては、前記直鎖又は分岐のアルキル基中のメチレン基がシクロアルキレン基で置換された1価の基が例示できる。シクロアルキレン基としては、後述のシクロアルキル基から水素原子を1個の除いた2価の基が例示できる。
【0042】
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基が例示でき、シクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましい。シクロアルキル基中の水素原子がアルキル基で置換された構造を有していてもよい。置換基としてのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基が例示でき、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましい。
【0043】
アルケニル基としては、前記アルキル基のいずれか一つの炭素原子間の単結合が二重結合に置換されたものが例示できる。
【0044】
アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基が例示できる。アリール基中の水素原子がアルキル基で置換された構造を有していてもよい。置換基としてのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基が例示でき、メチル基、エチル基、n-プロピル基が好ましい。
【0045】
R15中の酸素原子及び窒素原子の合計数は、5個以下が好ましく、3個以下がより好ましく、1個以下がさらに好ましい。なお、前記式4中のR14及びR15と隣接する炭素原子と直接結合するR15中の原子は炭素原子が好ましい。
【0046】
R15の酸素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、アルコキシ基、前記アルキル基中の水素原子がアルコキシ基で置換された1価の基、前記シクロアルカン構造を有するアルキル基中の水素原子がアルコキシ基で置換された1価の基が挙げられ、具体的には、-OCH3、-O-CH2-CH3、-O-(CH2)2-CH3、-O-(CH2)3-CH3、-OCH(CH3)2、-CH2-O-CH3、-(CH2)2-O-CH3、-(CH2)3-O-CH3、-CH(CH3)CH2-O-CH3、-(CH2)4-O-CH3、-C(CH3)2CH2-O-CH3、-(CH2)5-O-CH3、-(CH2)6-O-CH3、-CH2-C6H10-CH2-O-CH3、-CH2-O-CH2-CH3、-(CH2)2-O-CH2-CH3、-(CH2)3-O-CH2-CH3、-CH(CH3)CH2-O-CH2-CH3、-(CH2)4-O-CH2-CH3、-C(CH3)2CH2-O-CH2-CH3、-(CH2)5-O-CH2-CH3、-(CH2)6-O-CH2-CH3、-CH2-C6H10-CH2-O-CH2-CH3、などが挙げられる。上記例示において-C6H10-はシクロヘキシレン基を意味し、以下も同様である。
【0047】
R15の窒素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、―CH2―NH-CH3、―CH2―N(CH3)2が挙げられる。
【0048】
R15としては、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、-CH2-O-CH3で表される1価の基、又は-R17-CHR18-CH2-rSiで表される1価の基が好ましく、水素原子、炭素数1~18の直鎖のアルキル基、炭素数1~18の分岐のアルキル基、-CH2-O-CH3で表される1価の基、又は-R17-CHR18-CH2-rSiで表される1価の基がより好ましく、水素原子、炭素数1~18の直鎖のアルキル基、又は-R17-CHR18-CH2-rSiで表される1価の基がさらに好ましく、炭素数1~6の直鎖のアルキル基、又は-R17-CHR18-CH2-rSiで表される1価の基がさらに好ましく、炭素数1~4の直鎖のアルキル基、又は-R17-CHR18-CH2-rSiで表される1価の基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又は-R17-CHR18-CH2-rSiで表される1価の基が特に好ましい。
【0049】
R18は、水素原子又はメチル基であり、水素原子が好ましい。
R17の炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基が挙げられる。アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基としては、R15で例示した直鎖のアルキル基、シクロアルキル基、直鎖のアルケニル基、アリール基から水素原子を1個除いた2価の基が例示できる。アルキレン基及びアルケニレン基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0050】
R17は、置換基を有していてもよく、前記置換基としては、炭素数1~10のアルキル基が例示できる。R17の炭素数は、R17が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
【0051】
R17は、酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である。R17中の酸素原子及び窒素原子の合計数は、5個以下が好ましく、3個以下がより好ましく、1個以下がさらに好ましい。なお、前記式4中のR15及びR14と隣接する炭素原子と直接結合するR17中の原子は炭素原子が好ましい。
【0052】
R17の酸素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、R15で例示した酸素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基から水素原子を1個除いた2価の基が例示できる。
R17の窒素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、R15で例示した窒素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基から水素原子を1個除いた2価の基が例示できる。
【0053】
R17としては、炭素数1~18のアルキレン基、酸素原子を含む炭素数1~18のアルキレン基、炭素数1~18のシクロアルキレン基が好ましく、炭素数1~10のアルキレン基又は酸素原子を含む炭素数1~10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1~6のアルキレン基又は酸素原子を1個含む炭素数1~6のアルキレン基がさらに好ましい。
【0054】
-R17-CHR18-CH2-rSiで表される基としては、-OCH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-O-(CH2)3-rSi、-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-O-(CH2)4-rSi、-O-(CH2)3-CH(CH3)-CH2-rSi、-O-(CH2)5-rSi、-O-(CH2)4-CH(CH3)-CH2-rSi、-O-(CH2)6-rSi、-OC(CH3)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-OC(CH3)2-(CH2)2-rSi、-CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)3-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)3-O-(CH2)3-rSi、-CH(CH3)CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)4-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)4-O-(CH2)3-rSi、-C(CH3)2CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)5-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)5-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)6-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)6-O-(CH2)3-rSi、-CH2-C6H10-CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)3-rSi、-CH2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)3-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)3-O-(CH2)4-rSi、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)4-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)4-O-(CH2)4-rSi、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)5-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)5-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)6-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)6-O-(CH2)4-rSi、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)4-rSiが例示でき、-CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)3-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)3-O-(CH2)3-rSiが好ましく、-CH2-O-(CH2)3-rSi又は-(CH2)2-O-(CH2)3-rSiがより好ましい。
【0055】
R12は、上述のR18と同様であり、好ましい態様も同様である。
R14は、上述のR17と同様であり、好ましい態様も同様である。
-R14-CHR12-CH2-rSiで表される基は、上述の-R17-CHR18-CH2-rSiで表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0056】
qは、10~900が好ましく、20~650がより好ましく、30~500がさらに好ましい。
【0057】
【化4】
前記式5中、R
32は水素原子又はメチル基であり、R
34は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
35は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
37-CHR
38-CH
2-
rSiで表される基であり、R
38は水素原子又はメチル基であり、R
37は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
50、
rSi、qは前記式4と同様であり、複数のR
50、
rSiはそれぞれ互いに同一でも異なってもよい。
【0058】
R34の2価の炭化水素基の炭素数は、10以下が好ましく、5以下がより好ましく、3以下がさらに好ましい。R34の炭素数は、R34が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
【0059】
R34の2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基が挙げられ、アルキレン基、シクロアルキレン基が好ましく、アルキレン基がさらに好ましい。アルキレン基及びアルケニレン基は直鎖又は分岐である。
【0060】
アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基の例示は、R17と同様である。
【0061】
R34中の酸素原子及び窒素原子の合計数は、5個以下が好ましく、3個以下がより好ましく、1個以下がさらに好ましい。なお、前記式5中の窒素原子と直接結合するR34中の原子は炭素原子が好ましい。
【0062】
-R34CHR32-CH2-rSiで表される基としては、-CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)3-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)3-O-(CH2)3-rSi、-CH(CH3)CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)4-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)4-O-(CH2)3-rSi、-C(CH3)2CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)5-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)5-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)6-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)6-O-(CH2)3-rSi、-CH2-C6H10-CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)3-rSi、-CH2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)3-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)3-O-(CH2)4-rSi、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)4-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)4-O-(CH2)4-rSi、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)5-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)5-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)6-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)6-O-(CH2)4-rSi、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)4-rSi、-(CH2)3―rSi、-(CH2)4―rSi、-(CH2)5―rSiが例示でき、-CH2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)2-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-(CH2)3-O-CH2-CH(CH3)-CH2-rSi、-CH2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)2-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)3-O-(CH2)3-rSi、-(CH2)3―rSiが好ましく、-CH2-O-(CH2)3-rSi又は-(CH2)2-O-(CH2)3-rSi又は-(CH2)3―rSiがより好ましい。
【0063】
R35が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R35の炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基、アルケニル基は直鎖又は分岐であってもよい。
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基の例示は、R15と同様である。
【0064】
R35の炭素数1~20の1価の炭化水素基は、酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である。R35中の酸素原子及び窒素原子の合計数は、5個以下が好ましく、3個以下がより好ましく、1個以下がさらに好ましい。
【0065】
酸素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、アルキル基中の水素原子がアルコキシ基で置換された1価の基、前記シクロアルカン構造を有するアルキル基中の水素原子がアルコキシ基で置換された1価の基が挙げられ、具体的には、-CH2-O-CH3、-(CH2)2-O-CH3、-(CH2)3-O-CH3、-CH(CH3)CH2-O-CH3、-(CH2)4-O-CH3、-C(CH3)2CH2-O-CH3、-(CH2)5-O-CH3、-(CH2)6-O-CH3、-CH2-C6H10-CH2-O-CH3、-CH2-O-CH2-CH3、-(CH2)2-O-CH2-CH3、-(CH2)3-O-CH2-CH3、-CH(CH3)CH2-O-CH2-CH3、-(CH2)4-O-CH2-CH3、-C(CH3)2CH2-O-CH2-CH3、-(CH2)5-O-CH2-CH3、-(CH2)6-O-CH2-CH3、-CH2-C6H10-CH2-O-CH2-CH3、などが挙げられる。上記例示において-C6H10-はシクロヘキシレン基を意味し、以下も同様である。
【0066】
窒素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、―CH2―NH-CH3、―CH2―N(CH3)2が挙げられる。
【0067】
R35としては、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、-CH2-O-CH3で表される1価の基、又は-R37-CHR38-CH2-rSiで表される1価の基が好ましく、水素原子、炭素数1~18の直鎖のアルキル基、炭素数1~18の分岐のアルキル基、-CH2-O-CH3で表される1価の基、又は-R37-CHR38-CH2-rSiで表される1価の基がより好ましく、水素原子、炭素数1~18の直鎖のアルキル基、又は-R37-CHR38-CH2-rSiで表される1価の基がさらに好ましく、炭素数1~6の直鎖のアルキル基又は-R37-CHR38-CH2-rSiで表される1価の基がさらに好ましく、炭素数1~4の直鎖のアルキル基、又は-R37-CHR38-CH2-rSiで表される1価の基が特に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、又は-R37-CHR38-CH2-rSiで表される1価の基が特に好ましい。
【0068】
R37は、上述のR34と同様であり、好ましい態様も同様である。
R38は、上述のR32と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0069】
【化5】
前記式6中、R
131及びR
141はそれぞれ独立に酸素原子、硫黄原子、前記式6中の-(CH
2)
v-又は-(CH
2)
w-と結合する原子が炭素原子である-C(=O)O-で表される2価の基、又は-N(R
140)-で表される2価の基であり、R
140は水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、R
132は水素原子又はメチル基であり、R
134は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
135は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
137-CHR
138-CH
2-
rSiで表される基であり、R
138は水素原子又はメチル基であり、R
137は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
50は炭素数2~4のアルキレン基を示し、
rSiは反応性ケイ素基を示し、R
139は、ポリイソシアネートからイソシアネート基を2個除いた残基であり、vは0~10の整数であり、wは0~10の整数であり、xは5~500の整数であり、yは5~500の整数である。複数のR
50は同一でも異なってもよい。
重合体(E)の1分子中に、式6で表される-B-が複数存在するとき、複数のR
131、R
132、R
134、R
135、R
139、R
141、R
50、
rSiはそれぞれ互いに同一でも異なってもよい。
【0070】
R140の1価の炭化水素基の炭素数は、1~9が好ましく、1~8がより好ましく、1~6がさらに好ましく、1~4が特に好ましい。
R140の炭素数は、R140が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R131及びR141としては、酸素原子又は前記式6中の-(CH2)v―と結合する原子が炭素原子である-C(=O)O-で表される2価の基が好ましく、酸素原子がより好ましい。
R139は前記R21と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0071】
vは0~8が好ましく、1~7がより好ましく、1~6がさらに好ましい。
wは0~8が好ましく、1~7がより好ましく、1~6がさらに好ましい。
xは10~900が好ましく、20~650がより好ましく、30~500がさらに好ましい。
yは10~900が好ましく、20~650がより好ましく、30~500がさらに好ましい。
-R134-CHR132-CH2-rSiで表される基は、上述の-R14CHR12-CH2-rSiで表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
-R137-CHR138-CH2-rSiで表される基は、上述の-R14CHR12-CH2-rSiで表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0072】
【化6】
前記式7中、R
142は水素原子又はメチル基であり、R
144は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
149は、ポリイソシアネートからイソシアネート基を2個除いた残基であり、R
50、
rSi、x、yは前記式6と同様であり、複数のR
50、
rSiはそれぞれ互いに同一でも異なってもよい。
-R
144CHR
142-CH
2-
rSiで表される基は、上述の-R
34CHR
32-CH
2-
rSiで表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
R
149は前記R
21と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0073】
<重合体(D)>
重合体(D)は、1つの末端基あたりに平均して0個より多くの不飽和基を有する。重合体(D)の1つの末端基あたりの不飽和基の平均数は反応性の観点から、1.2~8.0個が好ましく、1.5~3.0個がより好ましい。
重合体(D)のMnは、3,000~100,000が好ましく、3,500~75,000がより好ましく、4,000~60,000がさらに好ましい。
【0074】
重合体(D)としては、前記式3-1又は3-2におけるXが下式8又は9で表され、かつ前記式3-1又は3-2におけるBが下式10又は式11で表される重合体が好ましい。
【0075】
【化7】
前記式8中、R
11、R
12、R
14、R
50、m、qは、前記式4と同様であり、R
16は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
64-CR
63=CH
2で表される基であり、R
63は水素原子又はメチル基であり、R
64は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、複数のR
16、R
50はそれぞれ互いに同一でも異なってもよい。
【0076】
R16の炭素数は、R16が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R16の炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基、アルケニル基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0077】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基の例示は、置換基を含めR15と同様である。
【0078】
R16の酸素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、R15と同様であり、好ましい態様も同様である。
R16の窒素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、R15と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0079】
R63は、R18と同様であり、好ましい態様も同様である。
R64は、R17と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0080】
-R14-CR12=CH2及び-R64-CR63=CH2で表される基としては、それぞれ独立に-OCH2-C(CH3)=CH2、-OCH2-CH=CH2、-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-O-(CH2)2-CH=CH2、-O-(CH2)3-C(CH3)=CH2、-O-(CH2)3-CH=CH2、-O-(CH2)4-C(CH3)=CH2、-O-(CH2)4-CH=CH2、-OC(CH3)2-C(CH3)=CH2、-OC(CH3)2-CH=CH2、-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)3-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-CH2-CH=CH2、-CH(CH3)CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH(CH3)CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)4-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)4-O-CH2-CH=CH2、-C(CH3)2CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-C(CH3)2CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)5-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)5-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)6-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)6-O-CH2-CH=CH2、-CH2-C6H10-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-C6H10-CH2-O-CH2-CH=CH2、-CH2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)3-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-(CH2)2-CH=CH2、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)4-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)4-O-(CH2)2-CH=CH2、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)5-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)5-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)6-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)6-O-(CH2)2-CH=CH2、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)2-CH=CH2が例示でき、-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)3-O-CH2-CH=CH2が好ましく、-CH2-O-CH2-CH=CH2又は-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2がより好ましい。
【0081】
【化8】
前記式9中、R
32、R
34、R
50、qは、前記式5と同様であり、R
36は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
74-CR
73=CH
2で表される基であり、R
73は水素原子又はメチル基であり、R
74は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、複数のR
50は同一でも異なってもよい。
【0082】
-R34-CR32=CH2で表される基としては、-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)3-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-CH2-CH=CH2、-CH(CH3)CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH(CH3)CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)4-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)4-O-CH2-CH=CH2、-C(CH3)2CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-C(CH3)2CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)5-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)5-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)6-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)6-O-CH2-CH=CH2、-CH2-C6H10-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-C6H10-CH2-O-CH2-CH=CH2、-CH2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)3-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-(CH2)2-CH=CH2、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-CH(CH3)CH2-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)4-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)4-O-(CH2)2-CH=CH2、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-C(CH3)2CH2-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)5-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)5-O-(CH2)2-CH=CH2、-(CH2)6-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-(CH2)6-O-(CH2)2-CH=CH2、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)2-C(CH3)=CH2、-CH2-C6H10-CH2-O-(CH2)2-CH=CH2、-CH2―CH=CH2、-(CH2)2―CH=CH2、-(CH2)3―CH=CH2が例示でき、-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)3-O-CH2-CH=CH2、-CH2―CH=CH2が好ましく、-CH2-O-CH2-CH=CH2又は-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2又は-CH2―CH=CH2がより好ましい。
【0083】
R36の炭素数は、R36が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R36の炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基、アルケニル基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0084】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基の例示は、置換基を含めR35と同様である。
R36の酸素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、R35と同様であり、好ましい態様も同様である。
R36の窒素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、R35と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0085】
R73は、R32と同様であり、好ましい態様も同様である。
R74は、R34と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0086】
【化9】
前記式10中、R
131、R
132、R
134、R
139、R
141、R
50、v、w、x、yは、前記式6と同様であり、R
136は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
184-CR
183=CH
2で表される基であり、R
183は水素原子又はメチル基であり、R
184は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、複数のR
50は同一でも異なってもよい。
【0087】
-R136で表される基は、上述の-R16で表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
-R184-CR183=CH2で表される基は、上述の-R14CHR12=CH2で表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0088】
【化10】
前記式11中、R
142、R
144、R
149、R
50、x、yは前記式7と同様であり、複数のR
50は同一でも異なってもよい。
-R
144CHR
142=CH
2で表される基は、上述の-R
34CHR
32=CH
2で表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0089】
<重合体(E)の製造方法>
本実施形態のオキシアルキレン重合体(E)の製造方法は、下記オキシアルキレン重合体(B)(以下、「重合体(B)」という。)の末端基における活性水素含有基と、下記オキシアルキレン重合体(C)(以下、「重合体(C)」という。)の末端基における活性水素含有基と、ポリイソシアネートとを反応させて、前記重合体(D)を得、次いで前記重合体(D)に含まれる不飽和基と、前記式1で表される反応性ケイ素基を有するシリル化剤とを反応させて、重合体(E)を製造する方法である。
重合体(B)は、平均して0個より多くの不飽和基を有する末端基を1個、平均して0個超1.0個以下の活性水素含有基を有する末端基を1個有するオキシアルキレン重合体である。
重合体(C)は、不飽和基を有する開始剤残基を主鎖中に有し、かつ平均して0個超1.0個以下の活性水素含有基を有する末端基を2~4個有するオキシアルキレン重合体である。
ポリイソシアネートの分子量は100~20,000である。
【0090】
前記式3-1又は3-2で表される重合体(E)を製造する態様では、重合体(C)として、平均して0個より多くの不飽和基を有する開始剤残基を主鎖中に1個有し、かつ平均して0個超1.0個以下の活性水素含有基を有する末端基を2個有するオキシアルキレン重合体を用い、ポリイソシアネートとして、イソシアネートを2個有するジイソシアネートを用いる。
【0091】
<重合体(B)>
重合体(B)は、ポリオキシアルキレン鎖を含む主鎖と、前記ポリオキシアルキレン鎖の一方の末端の酸素原子、及び活性水素を1個有する開始剤(b)の残基を含む一方の末端基と、前記ポリオキシアルキレン鎖の他方の末端の酸素原子を含む他方の末端基とからなる、直鎖の重合体である。前記他方の末端基は水酸基である。
重合体(B)が有するポリオキシアルキレン鎖の例示は重合体(A)と同様である。
【0092】
活性水素含有基として水酸基を有する開始剤(b)を使用して得られる重合体(B)の水酸基換算分子量は、2,000~35,000が好ましく、2,500~17,000がより好ましく、3,000~10,000がさらに好ましい。水酸基換算分子量が前記範囲の下限値以上であると、その後の反応で、反応性ケイ素基の導入量を抑えられ、製造コストの点で有利であり、上限値以下であると、粘度が抑えられ、作業性の点で都合がよい傾向がある。
重合体(B)のMnは、2,200~50,000が好ましく、2,500~25,000がより好ましく、3,000~15,000がさらに好ましい。Mnが前記範囲の下限値以上であると、その後の反応で、反応性ケイ素基の導入量を抑えられ、製造コストの点で有利であり、上限値以下であると、粘度が抑えられ、作業性の点で都合がよい傾向がある。
重合体(B)の分子量分布は、2.0以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.4以下がさらに好ましく、1.2以下が特に好ましい。重合体(B)の分子量分布は、1.0以上が好ましい。分子量分布が前記上限値以下であると、硬化物の伸び物性が向上しやすい。
重合体(B)の25℃における粘度は、0.05~100,000Pa・sが好ましく、0.1~10,000Pa・sがより好ましく、0.3~100Pa・sがさらに好ましい。前記範囲内であると作業性により優れる。
【0093】
重合体(B)は、一方の末端基に平均して0個より多くの不飽和基を有する。重合体(B)の一方の末端基における不飽和基の平均数は、硬化物の強度がより良好となる点から、1.2~8.0個が好ましく、1.5~3.0個がより好ましい。重合体(B)は、他方の末端基に平均して0個超1.0個以下の活性水素含有基を有する。重合体(B)の他方の末端基における活性水素含有基の平均数は、反応性の観点から、0.5~1.0個が好ましく、1.0個がより好ましい。
【0094】
重合体(B)の一方の末端基としては、下式12又は13で表される開始剤残基を含む末端基が好ましい。
【0095】
【化11】
前記式12中、R
11、R
12、R
14、R
16、mは前記式8と同様であり、複数のR
16は互いに同一でも異なってもよい。
【0096】
前記式12で表される開始剤残基としては、R11が酸素原子であり、mが1~3であり、R14が-CH2-O-CH2-、-(CH2)2-O-CH2-、-(CH2)3-O-CH2-で表される2価の基であり、R12が水素原子又はメチル基であり、R16が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、又は-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2、又は-(CH2)3-O-CH2-CH=CH2で表される1価の基が好ましい。
【0097】
前記式12で表される開始剤残基としては、R11が酸素原子であり、mが1であり、R14が-CH2-O-CH2-で表される2価の基であり、R12が水素原子又はメチル基であり、複数のR16が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、又は-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2又は-(CH2)-O-CH2-CH=CH2で表される1価の基が好ましい。
【0098】
【化12】
前記式13中、R
32、R
34、R
36は前記式9と同様である。
【0099】
前記式13で表される開始剤残基としては、R32が水素原子又はメチル基であり、R34が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキレン基である1価の基であり、R36が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、又は-(CH2)-O-CH2-CH=CH2で表される1価の基が好ましい。
【0100】
(重合体(B)の製造方法)
重合体(B)は、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に1個の活性水素含有基を有する開始剤(b)に、環状エーテルを開環付加重合反応させることにより得られる。
環状エーテルとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド等のアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキシド以外の環状エーテルが挙げられる。環状エーテルとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、及び2,3-ブチレンオキシドからなる群から選択される少なくとも一種が好ましく、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドがより好ましく、特に、プロピレンオキシドが好ましい。
【0101】
開始剤(b)の1分子中における不飽和基の数は、2~5個が好ましく、2~4個が好ましく、2又は3個がより好ましく、2個がさらに好ましい。
開始剤(b)中の不飽和基は、分子末端の不飽和基であることが好ましい。
【0102】
開始剤(b)の分子量は、環状エーテルとの反応性の点から、1,000未満が好ましく、60以上900未満がより好ましく、70~500がさらに好ましく、70~300が特に好ましい。
【0103】
開始剤(b)としては、下式2又は式14で表される化合物が好ましい。
【0104】
【化13】
前記式2中、R
1は活性水素含有基、R
2は水素原子又はメチル基であり、R
4は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
6は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
62-CR
61=CH
2で表される基であり、R
61は水素原子又はメチル基であり、R
62は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、複数のR
6は同一でも異なってもよく、nは0~10の整数である。
【0105】
nは、0~8が好ましく、1~7がより好ましく、1~6がさらに好ましい。
【0106】
R1は活性水素含有基であり、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、第一級アミンから水素原子を除去した1価の官能基及びスルファニル基が好ましく、水酸基、カルボニル基又はアミノ基がより好ましい。
R2は、水素原子又はメチル基であり、水素原子が好ましい。
R4の炭素数は、R4が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R4における2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基が挙げられる。アルキレン基、アルケニレン基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0107】
アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基の例示は、置換基を含めR14と同様である。
【0108】
R4の酸素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基は、R14と同様であり、好ましい態様も同様である。
R4の窒素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基は、R14と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0109】
-R4-CR2=CH2で表される基は、-R14-CR12=CH2で表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0110】
R6の炭素数は、R6が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R6の炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基、アルケニル基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0111】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基の例示は、置換基を含めR16と同様である。
【0112】
R6の酸素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、R16と同様であり、好ましい態様も同様である。
R6の窒素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、R16と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0113】
R61は、R2と同様であり、好ましい態様も同様である。
R62は、R4と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0114】
-R62-CR61=CH2で表される基としては、-R4-CR2=CH2で表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0115】
前記式2で表される開始剤(b)としては、R1が水酸基であり、nが1~3であり、R4が-CH2-O-CH2-、-(CH2)2-O-CH2-、-(CH2)3-O-CH2-で表される2価の基であり、R2が水素原子又はメチル基であり、R6が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、又は-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2、又は-(CH2)3-O-CH2-CH=CH2で表される1価の基が好ましい。
【0116】
前記式2で表される開始剤(b)としては、R1が水酸基であり、nが1であり、R4が-CH2-O-CH2-で表される2価の基であり、R2が水素原子又はメチル基であり、R6が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、又は-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2又は-(CH2)-O-CH2-CH=CH2で表される1価の基が好ましい。
【0117】
【化14】
前記式14中、R
22は水素原子又はメチル基であり、R
24は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
26は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
84-CR
83=CH
2で表される基であり、R
83は水素原子又はメチル基であり、R
84は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合である。R
24の炭素数は、R
24が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
【0118】
R22は、水素原子が好ましい。R24における2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基が挙げられる。
【0119】
アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニル基、アリール基の例示は、置換基を含めR34と同様である。アルキレン基、アルケニレン基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0120】
R24の酸素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、それぞれ独立にR34と同様であり、好ましい態様も同様である。
R24の窒素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、それぞれ独立にR34と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0121】
R26の炭素数は、R26が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R26の炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基が挙げられる。アルキル基、アルケニル基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0122】
アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基の例示は、置換基を含めR36と同様である。
【0123】
R26の酸素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、R36と同様であり、好ましい態様も同様である。
R26の窒素原子を含む炭素数1~20の1価の炭化水素基としては、R36と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0124】
R83は、R22と同様であり、好ましい態様も同様である。
R84は、R24と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0125】
前記式14で表される開始剤(b)としては、R26が-R84-CR83=CH2である化合物が好ましく、特にR24及びR84の両方がメチレン基である化合物がより好ましい。
【0126】
開始剤(b)に環状エーテルを開環付加重合反応させる際の開環付加重合触媒としては、従来公知の触媒を用いることができ、例えば、アルカリ触媒(KOH等)、遷移金属化合物-ポルフィリン錯体触媒(有機アルミニウム化合物とポルフィリンとを反応させて得られる錯体等)、複合金属シアン化錯体触媒、ホスファゼン化合物からなる触媒が例示できる。
【0127】
重合体(B)の分子量分布を狭くすることができ、粘度の低い硬化性組成物が得られやすい点から複合金属シアン化錯体触媒が好ましい。複合金属シアン化錯体触媒は、従来公知の化合物を用いることができ、複合金属シアン化錯体を用いた重合体の製造方法も公知の方法を採用できる。例えば、国際公開公報第2003/062301号、国際公開公報第2004/067633号、特開2004-269776号公報、特開2005-15786号公報、国際公開公報第2013/065802号、特開2015-010162号公報に開示される化合物及び製造方法を用いることができる。
【0128】
(開始剤(b)の製造方法)
開始剤(b)は、一分子中にx個(但し、xは3以上の整数である。)の活性水素含有基を有する化合物中のx-1個の活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換することにより製造できる。活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換する方法は、アルカリ金属水酸化物と、不飽和基を有するハロゲン化炭化水素とを反応させる方法が好ましい。
xは3~6が好ましく、3~5がより好ましく、3又は4がさらに好ましい。
【0129】
一分子中に3個以上の活性水素含有基を有する化合物としては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、ベンゼントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ジペンタエリスリトール、が例示できる。入手が容易という点から、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトールが好ましい。
【0130】
活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換する方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、特昭60-231625号に提案されている方法が挙げられる。
【0131】
活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換する場合、1~x個の活性水素含有基が不飽和基を有する基に変換された化合物の混合物が得られる。この混合物を蒸留により精製すると、x-1個の活性水素含有基が不飽和基を有する基に変換された開始剤(b)を得られる。
【0132】
<重合体(C)>
重合体(C)は、活性水素を2~4個有する開始剤(c)の残基(以下「開始剤残基(c)」ともいう。)及び前記開始剤残基(c)に結合した2~4本のポリオキシアルキレン鎖を含む主鎖と、前記ポリオキシアルキレン鎖のそれぞれの末端の酸素原子を含む2~4個の末端基とからなる重合体である。各ポリオキシアルキレン鎖の末端基は水酸基である。末端基以外の部分を主鎖という。
環状エーテル及び重合体(C)が有するポリオキシアルキレン鎖の例示は重合体(A)と同様である。
【0133】
水酸基を有する開始剤(c)を使用して得られる重合体(C)の水酸基換算分子量は、2,000~35,000が好ましく、2,500~17,000がより好ましく、3,000~10,000がさらに好ましい。水酸基換算分子量が前記範囲の下限値以上であると、その後の反応で、反応性ケイ素基の導入量を抑えられ、製造コストの点で有利であり、上限値以下であると、粘度が抑えられ、作業性の点で都合がよい傾向がある。
重合体(C)のMnは、2,200~50,000が好ましく、2,500~25,000がより好ましく、3,000~15,000がさらに好ましい。Mnが前記範囲の下限値以上であると、その後の反応で、反応性ケイ素基の導入量を抑えられ、製造コストの点で有利であり、上限値以下であると、粘度が抑えられ、作業性の点で都合がよい傾向がある。
重合体(C)の分子量分布は、2.0以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.4以下がさらに好ましく、1.2以下が特に好ましい。重合体(C)の分子量分布は、1.0以上が好ましい。分子量分布が前記上限値以下であると、硬化物の伸び物性が向上しやすい。
重合体(C)の25℃における粘度は、0.05~100,000Pa・sが好ましく、0.1~10,000Pa・sがより好ましく、0.3~100Pa・sがさらに好ましい。前記範囲内であると作業性により優れる。
【0134】
開始剤残基(c)は不飽和基を有する。開始剤残基(c)における不飽和基の平均数は、硬化物の強度がより良好となる点から、1.2~8.0個が好ましく、1.5~3.0個がより好ましい。
重合体(C)は一分子中に2~4個の末端基が存在する。それぞれの末端基は、平均して0個超1.0個以下の活性水素含有基を有する。末端基における活性水素含有基の平均数は、反応性の観点から、0.5~1.0個が好ましく、1.0個がより好ましい。
【0135】
開始剤(c)は、活性水素を2個有する開始剤(c1)が好ましい。すなわち、重合体(C)は、開始剤(c1)の残基(以下、「開始剤残基(c1)」ともいう。)及び前記開始剤残基(c1)に結合した2本のポリオキシアルキレン鎖を含む主鎖と、前記ポリオキシアルキレン鎖のそれぞれの末端の酸素原子を含む2個の末端基とからなる重合体(C1)が好ましい。
開始剤残基(c1)としては、下式15又は16で表される2価基が好ましい。
【0136】
【化15】
前記式15中、R
132、R
134、R
136は前記式10と同様である。R
130は、前記式10におけるR
131及びR
141と同様であり、2個の-R
130-(CH
2)
a-で表される基は同一でも異なってもよい。aは0~10の整数である。
前記式15で表される開始剤残基としては、R
130が酸素原子であり、aが1~6であり、R
134が-CH
2-O-CH
2-、-(CH
2)
2-O-CH
2-、-(CH
2)
3-O-CH
2-で表される2価の基であり、R
132が水素原子又はメチル基であり、R
136が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、又は-CH
2-O-CH
2-C(CH
3)=CH
2、-(CH
2)
2-O-CH
2-C(CH
3)=CH
2、-(CH
2)
3-O-CH
2-C(CH
3)=CH
2、-CH
2-O-CH
2-CH=CH
2、-(CH
2)
2-O-CH
2-CH=CH
2、又は-(CH
2)
3-O-CH
2-CH=CH
2で表される1価の基が好ましい。
【0137】
前記式15で表される開始剤残基としては、R130が酸素原子であり、aが1であり、R134が-CH2-O-CH2-で表される2価の基であり、R132が水素原子又はメチル基であり、R136が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、又は-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2又は-(CH2)-O-CH2-CH=CH2で表される1価の基が好ましい。
【0138】
【化16】
前記式16中、R
142、R
144は前記式11と同様である。
前記式16で表される開始剤残基としては、R
142が水素原子又はメチル基であり、R
144が-CH
2-O-CH
2-で表される2価の基が好ましい。
【0139】
(重合体(C)の製造方法)
重合体(C)は、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に2~4個の活性水素含有基を有する開始剤(c)に、環状エーテルを開環付加重合反応させることにより得られる。
環状エーテルは、前記重合体(B)の製造方法における環状エーテルと、好ましい態様も含めて同様である。
【0140】
開始剤残基(c)は不飽和基を有する。開始剤残基(c)における不飽和基の平均数は、硬化物の強度がより良好となる点から、1.2~8.0個が好ましく、1.5~3.0個がより好ましい。
開始剤(c)の1分子中における不飽和基の数は、1又は2個が好ましい。
開始剤(c)中の不飽和基は、分子末端の不飽和基であることが好ましい。
【0141】
開始剤(c)の分子量は、環状エーテルとの反応性の点から、1,000未満が好ましく、60以上900未満がより好ましく、70~500がさらに好ましく、70~300が特に好ましい。
【0142】
前記式15又は16で表される開始剤残基を有する重合体(C1)は、一分子中に1個以上の不飽和基を有し、かつ、一分子中に2個の活性水素含有基を有する開始剤(c1)に、環状エーテルを開環付加重合反応させることにより得られる。
開始剤(c1)としては、下式3又は式17で表される化合物が好ましい。
【0143】
【化17】
前記式3中、R
111は活性水素含有基、R
112は水素原子又はメチル基であり、R
114は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、R
116は酸素原子若しくは窒素原子を含んでもよく、酸素原子若しくは窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の1価の炭化水素基、水素原子、又は-R
172-CR
171=CH
2で表される基であり、R
171は水素原子又はメチル基であり、R
172は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合であり、aは0~10の整数であり、複数のR
111-(CH
2)
a-で表される基は同一でも異なってもよい。
【0144】
aは0~8が好ましく、1~7がより好ましく、1~6がさらに好ましい。
【0145】
R111は活性水素含有基であり、水酸基、カルボキシ基、アミノ基、第一級アミンから水素原子を除去した1価の官能基及びスルファニル基が好ましく、水酸基、カルボニル基又はアミノ基がより好ましい。
R112は、水素原子又はメチル基であり、水素原子が好ましい。
R114は、酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合である。R114の炭素数は、R114が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
R114における2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基が挙げられる。アルキレン基、アルケニレン基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0146】
アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基の例示は、置換基を含めR64と同様である。
R114の酸素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、それぞれ独立にR64と同様であり、好ましい態様も同様である。
R114の窒素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、それぞれ独立にR64と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0147】
-R114-CR112=CH2で表される基としては、-R64-CR63=CH2で表される基と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0148】
前記式3で表される開始剤(c1)としては、R111が水酸基であり、aが2~3であり、R114が-CH2-O-CH2-、-(CH2)2-O-CH2-、-(CH2)3-O-CH2-で表される2価の基であり、R112が水素原子又はメチル基であり、R116が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、又は-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)2-O-CH2-C(CH3)=CH2、-(CH2)3-O-CH2-C(CH3)=CH2、-CH2-O-CH2-CH=CH2、-(CH2)2-O-CH2-CH=CH2、又は-(CH2)3-O-CH2-CH=CH2で表される1価の基が好ましい。
【0149】
前記式3で表される開始剤(c1)としては、R111が水酸基であり、aが1であり、R114が-CH2-O-CH2-で表される2価の基であり、R112が水素原子又はメチル基であり、R116が酸素原子及び窒素原子を含まない炭素数1~2のアルキル基、又は-CH2-O-CH2-C(CH3)=CH2又は-(CH2)-O-CH2-CH=CH2で表される1価の基が好ましい。
【0150】
【化18】
前記式17中、R
122は水素原子又はメチル基であり、R
124は酸素原子又は窒素原子を含んでもよく、酸素原子又は窒素原子と隣接する原子は炭素原子である炭素数1~20の2価の炭化水素基又は単結合である。R
124の炭素数は、R
124が炭素原子を有する置換基を有する場合は、置換基の炭素数を含む。
【0151】
R122は、水素原子が好ましい。R124における2価の炭化水素基としては、アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基が挙げられる。
【0152】
アルキレン基、シクロアルキレン基、アルケニル基、アリール基の例示は、置換基を含めR34と同様である。アルキレン基、アルケニレン基は直鎖又は分岐であってもよい。
【0153】
R124の酸素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、それぞれ独立にR34と同様であり、好ましい態様も同様である。
R124の窒素原子を含む炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、それぞれ独立にR34と同様であり、好ましい態様も同様である。
【0154】
前記式17で表される開始剤(c1)としては、R124がメチレン基である化合物がより好ましい。
【0155】
開始剤に環状エーテルを開環付加重合反応させる際の開環付加重合触媒は、重合体(B)の製造方法と同様である。
【0156】
(開始剤(c)の製造方法)
一分子中に2~4個の活性水素含有基を有する開始剤(c)は、一分子中にx個(但し、xは3以上の整数である。)の活性水素含有基を有する化合物中の、x-2~x-4個の活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換することにより製造できる。
一分子中に2個の活性水素含有基を有する開始剤(c1)は、一分子中にx個(但し、xは3以上の整数である。)の活性水素含有基を有する化合物中のx-2個の活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換することにより製造できる。
活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換する方法は、アルカリ金属水酸化物と、不飽和基を有するハロゲン化炭化水素とを反応させる方法が好ましい。
xは3~6が好ましく、3~5がより好ましく、3又は4がさらに好ましい。
【0157】
一分子中に3個以上の活性水素含有基を有する化合物は、重合体(B)の製造方法と同様である。
活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換する方法は、重合体(B)の製造方法と同様である。
【0158】
活性水素含有基を、不飽和基を有する基に変換する場合、1~x個の活性水素含有基が不飽和基を有する基に変換された化合物の混合物が得られる。この混合物を蒸留により精製すると、目的の数(x-2個、x-3個、又はx-4個)の活性水素含有基が不飽和基を有する基に変換された開始剤(c)を得ることができる。
【0159】
(重合体(B)及び重合体(C)から重合体(E)を製造する方法)
重合体(B)の他方の末端基における活性水素含有基と、重合体(C)の末端基における活性水素含有基と、ポリイソシアネートとを反応させて、オキシアルキレン重合体(D)を得る。
オキシアルキレン重合体(D)は、ポリオキシアルキレン鎖を有する主鎖、前記主鎖中に存在する不飽和基、前記主鎖中に存在するウレタン結合、及び末端基に存在する不飽和基を有する重合体であって、1つの末端基あたりに平均して0個より多くの不飽和基を有する。主鎖中の不飽和基は開始剤残基(c)を由来とする。
【0160】
重合体(B)の他方の末端基における活性水素含有基と、重合体(C)の末端基における活性水素含有基と、下記のポリオキシアルキレン重合体(F)の末端基における活性水素含有基と、前記ポリイソシアネートとを反応させて重合体(D)を得てもよい。
重合体(F)は、ポリオキシアルキレン鎖と、前記ポリオキシアルキレン鎖の末端の酸素原子を含む末端基とからなり、前記末端基は活性水素含有基を有し不飽和基を有さない、オキシアルキレン重合体である。
【0161】
重合体(F)の1つの末端基あたりの活性水素含有基の平均数は、合成される重合体の粘度の観点から、1~2個が好ましく、1個がより好ましい。
重合体(F)の1分子中に末端基の数は、2~6個が好ましく、2~3個がより好ましい。
【0162】
重合体(F)のMnは2,200~100,000が好ましく、2,500~50,000がより好ましく、3,000~30,000がさらに好ましい。
重合体(F)の分子量分布は、2.0以下が好ましく、1.5以下がより好ましく、1.4以下がさらに好ましく、1.2以下が特に好ましい。
重合体(F)の25℃における粘度は、0.05~100,000Pa・sが好ましく、0.1~10,000Pa・sがより好ましく、0.3~100Pa・sがさらに好ましい。
【0163】
重合体(F)は、分子中に活性水素含有基を有する開始剤化合物に環状エーテルを開環付加重合反応することにより得られる。
【0164】
開始剤化合物としては、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、低分子量のポリオキシプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、低分子量のポリオキシプロピレントリオール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、シュクロースが例示できる。
【0165】
環状エーテル及び開環付加重合反応の条件は、上述の重合体(B)の製造方法において説明したものと同様である。
【0166】
ポリイソシアネートとしては、上述のR20にs個のイソシアネート基が付加したポリイソシアネートが例示される。
【0167】
このようなポリイソシアネートとしては、R20で説明したポリイソシアネートが挙げられ、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)、キシリレンイソシアネート(XDI)、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリイソシアネートトリフェニルチオフォスフェート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートがより好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートがさらに好ましい。
【0168】
反応には触媒を使用してもよく、使用するポリイソシアネートにより適宜選択できる。触媒の例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、及び2-エチルヘキサン酸錫(オクチル酸錫)等の有機錫化合物、鉄アセチルアセトナート、塩化鉄等の鉄化合物、オクチル酸鉛等の鉛化合物、オクチル酸ビスマス等のビスマス化合物、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三級アミン系触媒等が挙げられ、好ましくは有機錫化合物、オクチル酸鉛、オクチル酸ビスマスが例示される。
【0169】
反応温度や反応時間は、使用するポリイソシアネートにより適宜選択できるが、反応温度は0~130℃であってよく、20~90℃が好ましく、反応時間は0.5~24時間が好ましい。
【0170】
重合体(D)の末端基における不飽和基と、前記式1で表される反応性ケイ素基を有するシリル化剤を反応させて、重合体(E)を得る。
シリル化剤としては、不飽和基と反応して結合を形成し得る基(例えばスルファニル基)及び前記反応性ケイ素基の両方を有する化合物、ヒドロシラン化合物(例えばHSiXaR3-a、ただし、X、R及びaは前記式1と同様である。)が例示できる。具体的には、例えば、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリイソプロポキシシラン、トリス(2-プロペニルオキシ)シラン、トリアセトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、エチルジメトキシシラン、メチルジイソプロポキシシラン、(α-クロロメチル)ジメトキシシラン、(α-クロロメチル)ジエトキシシランが例示できる。活性が高く良好な硬化性が得られる点から、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシランが好ましく、メチルジメトキシシラン又はトリメトキシシランがより好ましい。
【0171】
重合体(D)の末端基における不飽和基と、シリル化剤とを反応させる方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、特公昭45-36319号、特開昭50-156599号、特開昭61-197631号、特開平3-72527号、特開平8-231707号、特開2011-178955号、米国特許3632557、米国特許4960844号の各公報に提案されている方法が挙げられる。
シリル化率は50モル%超100モル%以下が好ましく、55~98モル%がより好ましく、60~97モル%がさらに好ましい。
【0172】
[硬化性組成物]
本実施形態の硬化性組成物は、重合体(A)と硬化触媒を含む。重合体(A)として、重合体(E)を含むことが好ましい。硬化性組成物は、重合体(A)に、さらに必要に応じた成分を添加し、混合して得られる。
硬化性組成物が重合体(E)を含む場合、硬化性組成物の総質量に対する重合体(E)の含有割合は、5~80質量%が好ましく、8~70質量%がより好ましく、10~60質量%がさらに好ましい。重合体(E)の含有割合が前記範囲内であると、硬化物の強度と伸びがより優れる。
本実施形態の硬化性組成物は、重合体(B)、重合体(C)及び重合体(D)から選ばれる1種以上を含有してもよい。硬化性組成物が重合体(B)、重合体(C)及び重合体(D)から選ばれる1種以上を含有する場合、硬化性組成物の総質量に対する重合体(B)、重合体(C)及び重合体(D)の合計含有割合は、2~50質量%でもよく、5~40質量%でもよい。
本実施形態の硬化性組成物が含む硬化触媒としては、後述のその他成分に記載される硬化触媒が例示される。硬化触媒の含有量は、重合体(E)及び重合体(D)の100質量部に対して、0.01~20.0質量部が好ましく、0.1~10質量部がより好ましい。0.01質量部以上であると、硬化反応が充分に進行しやすくなり、20.0質量部以下であると、硬化物の強度により優れる。
【0173】
本実施形態の硬化性組成物から得られる硬化物の後述の実施例に示される引張試験により測定される、50%伸張したときの応力(M50)は、0.75N/mm2超となりやすく、さらには0.8N/mm2以上となりやすい。0.75N/mm2超であれば、良好な強度が得られ、接着剤用途として好適である。
【0174】
本実施形態の硬化性組成物から得られる硬化物の後述の実施例に示される引張試験により測定される、最大点凝集力(Tmax)は、1.25N/mm2超となりやすく、さらには1.30N/mm2以上となりやすい。1.25N/mm2以上であれば、良好な強度が得られ、接着剤用途として好適である。
【0175】
本実施形態の硬化性組成物から得られる硬化物の後述の実施例に示される引張試験により測定される、最大点伸びは、60%以上となりやすく、さらには100%以上となりやすく、特に150%以上となりやすい。60%以上であれば、良好な伸びが得られ、接着剤用途として好適である。
【0176】
[その他の成分]
硬化性組成物は、重合体(E)、重合体(B)、重合体(C)、重合体(D)に該当しない、前記式1で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体、前記式1で表される反応性ケイ素基を有するオキシアルキレン重合体以外の重合体、重合体(B)、重合体(C)、及び重合体(D)に該当しない、前記式1で表される反応性ケイ素基を有しない重合体を含んでいてもよい。オキシアルキレン重合体以外の重合体としては、アクリル酸系重合体、メタクリル酸系重合体等のビニル系重合体、飽和炭化水素系重合体、ポリエステル系重合体、ポリサルファイド系重合体、ポリアミド系重合体、ポリカーボネート系重合体、ジアリルフタレート系重合体が挙げられる。
硬化性組成物は、その他の成分を含んでもよい。その他の成分としては、硬化性組成物の用途に応じた添加剤が挙げられ、充填材、可塑剤、チクソ性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、脱水剤、接着性付与剤、アミン化合物、酸素硬化性化合物、光硬化性化合物が例示できる。
硬化触媒、その他の成分は、国際公開第2013/180203号、国際公開第2014/192842号、国際公開第2016/002907号、特開2014-88481号公報、特開2015-10162号公報、特開2015-105293号公報、特開2017-039728号公報、特開2017-214541号公報などに記載される従来公知のものを、制限なく組み合わせて用いることができる。
各成分は2種類以上を併用してもよい。
【0177】
硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合し密封保存して、施工後に空気中の湿気により硬化させる1液型でもよく、少なくとも反応性ケイ素基を有する成分を含む主剤組成物と、少なくとも硬化触媒を含む硬化剤組成物とを別々に保存し、使用前に硬化剤組成物と主剤組成物を混合する2液型でもよい。施工が容易であるため、1液型の硬化性組成物が好ましい。
【0178】
1液型の硬化性組成物は水分を含まないことが好ましい。水分を含む配合成分を予め脱水乾燥するか、また配合混練中に減圧して脱水することが好ましい。
2液型の硬化性組成物において、硬化剤組成物は水を含んでもよい。主剤組成物は少量の水分を含んでもゲル化し難いが、貯蔵安定性の点からは配合成分を予め脱水乾燥することが好ましい。
貯蔵安定性を向上させるために、1液型の硬化性組成物又は2液型の主剤組成物に脱水剤を添加してもよい。
【0179】
硬化性組成物の用途としては、シーリング材(例えば建築用弾性シーリング材、複層ガラス用シーリング材、ガラス端部の防錆・防水用封止材、太陽電池裏面封止材、建造物用密封材、船舶用密封材、自動車用密封材、道路用密封材)、電気絶縁材料(電線・ケーブル用絶縁被覆材)、接着剤、ポッティング材が好適である。
【実施例0180】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。以下、式20で表される化合物を化合物20ともいう。他の式で表される化合物も同様である。
【0181】
<測定方法・評価方法>
[重合体の水酸基換算分子量]
水酸基を有する開始剤にアルキレンオキシドを重合させたオキシアルキレン重合体の分子量(以下、「水酸基換算分子量」という。)は、JIS K 1557(2007年)に基づいて算出された水酸基価より、「56100/(重合体の水酸基価)×開始剤の活性水素の数」の式に基づいて算出した。
【0182】
[Mn及び分子量分布]
HLC-8220GPC(東ソー社製品名)を用いて、Mw、Mn及びMw/Mnを求めた。
【0183】
[重合体に含まれる不飽和基、反応性ケイ素基、水酸基の平均数の測定]
重合体に含まれる反応性ケイ素基の数は、1H-NMRの内部標準法で測定した。
重合体に含まれる不飽和基の数は、JIS K0070:1992に準拠したヨウ素価滴定により測定した。
重合体に含まれる水酸基の数は、無水フタル酸のピリジン溶液で水酸基をエステル化し、水酸化ナトリウム(NaOH)溶液による滴定方法(JIS K1557:2007に準拠)で測定した。
【0184】
[重合体の総量に対するウレタン結合の含有率の計算]
前記式A、前記式Bより、重合体の総量に対するウレタン結合の含有率を算出した。
【0185】
[引張試験]
測定対象の硬化性組成物を厚さ2mmの型枠に充填し、温度23℃、湿度50%で3日間養生し、更に温度50℃、湿度65℃で4日間養生した。得られた硬化物をダンベル型枠で打ち抜いて、試験片を得た。この試験片を引張速度500mm/分で引張試験を行い、50%伸張したときの応力(M50、単位:N/mm2)、最大点凝集力(Tmax、単位:N/mm2)、最大点伸び(単位:%)の引張特性を測定した。
【0186】
[製造例1:化合物(a1)の製造]
撹拌機、還流冷却器、温度計、及び2本の滴下漏斗を備えたフラスコにトリメチロールプロパン1mol当量を仕込み、窒素気流下、90℃に加熱した。90℃で撹拌しながら、40質量%の水酸化ナトリウム水溶液をトリメチロールプロパンに対し2mol当量及び塩化アリルをトリメチロールプロパンに対し2mol当量それぞれ別の滴下漏斗を用いて同時に滴下した。水酸化ナトリウム水溶液は2時間、塩化アリルは3時間かけて滴下した。反応終了後、水を加えて、析出した塩化ナトリウムを溶解させ、冷却放置した。有機層と水層からなる2層の反応後の溶液の有機層を分液して、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、下式18で表される一分子中に3個のアリル基を有し、活性水素含有基を有しない化合物18、下式19で表される一分子中に2個のアリル基を有し、1個の活性水素含有基を有する化合物19、及び下式20で表される一分子中に1個のアリル基を有し、2個の活性水素含有基を有する化合物20が確認された。
【0187】
【0188】
【0189】
【0190】
有機層中のガスクロマトグラフィーにおける化合物18、化合物19、化合物20の合計のピーク面積に対する、化合物18の割合は5%、化合物19の割合は88%、化合物20の割合は7%であった。
【0191】
[製造例2:化合物(a2)の製造]
撹拌機、還流冷却器、温度計、及び2本の滴下漏斗を備えたフラスコにペンタエリスリトール1mol当量を仕込み、窒素気流下、90℃に加熱した。90℃で撹拌しながら、40質量%の水酸化ナトリウム水溶液をペンタエリスリトールに対し3mol当量及び塩化アリルをペンタエリスリトールに対し3mol当量それぞれ別の滴下漏斗を用いて同時に滴下した。水酸化ナトリウム水溶液は2時間、塩化アリルは3時間かけて滴下した。反応終了後、水を加えて、析出した塩化ナトリウムを溶解させて、冷却放置した。有機層と水層からなる2層の反応後の溶液の有機層を分液して、ガスクロマトグラフィーで分析したところ、下式21で表される一分子中に4個のアリル基を有し、活性水素含有基を有しない化合物21、下式22で表される一分子中に3個のアリル基を有し、1個の活性水素含有基を有する化合物22、及び下式23で表される一分子中に2個のアリル基を有し、2個の活性水素含有基を有する化合物23が確認された。
【0192】
【0193】
【0194】
【0195】
有機層中のガスクロマトグラフィーにおける化合物21、化合物22及び化合物23の合計のピーク面積に対する、化合物21の割合は8%、化合物22の割合は82%、化合物23の割合は10%であった。
【0196】
[製造例3:重合体混合物(1)の製造]
製造例1で得られた有機層(化合物18~20を含む)を開始剤とし、TBA-DMC触媒を使用してプロピレンオキシドを重合し、化合物19を由来とするオキシプロピレン重合体(1B)と、化合物20を由来とする重合体(1C)を含む混合液を得た。
重合体(1B)は一方の末端基中に不飽和基を2.0個、水酸基を0個有し、他方の末端基中に不飽和基を0個、水酸基を1.0個有し、重合体(1C)は、1分子中に不飽和基を1.0個、水酸基を2.0個有するという前提のもと、上記測定方法により得られた混合液中の水酸基の数、不飽和基の数を混合液に含まれる重合体(1B)、重合体(1C)のGPCのピーク面積の割合に従って、重合体(1B)、重合体(1C)に配分した。
その結果、重合体(1B)の1分子中の不飽和基の平均数は2.0個であり、水酸基の平均数は1.0個となり、重合体(1C)の1分子中の不飽和基の平均数は1.0個であり、水酸基の平均数は2.0個となり、目的の重合体混合物が製造できていることを確認した。
重合体(1B)、重合体(1C)のMn、GPCのピーク面積の割合、及び混合液の水酸基価から上述の方法で求めた水酸基換算分子量を表1に示す(以下、同様。)
【0197】
[製造例4:重合体混合物(2)の製造]
製造例3において、プロピレンオキシドの投入量を変更した以外は製造例3と同様にして、化合物19を由来とするオキシプロピレン重合体(2B)と、化合物20を由来とする重合体(2C)を含む混合液を得た。
重合体(2B)は一方の末端基中に不飽和基を2.0個、水酸基を0個有し、他方の末端基中に不飽和基を0個、水酸基を1.0個有し、重合体(2C)は、1分子中に不飽和基を1.0個、水酸基を2.0個有するという前提のもと、上記測定方法により得られた混合液中の水酸基の数、不飽和基の数を混合液に含まれる重合体(2B)、重合体(2C)のGPCのピーク面積の割合に従って、重合体(2B)、重合体(2C)に配分した。
その結果、重合体(2B)の1分子中の不飽和基の平均数は2.0個であり、水酸基の平均数は1.0個となり、重合体(2C)の1分子中の不飽和基の平均数は1.0個であり、水酸基の平均数は2.0個となり、目的の重合体混合物が製造できていることを確認した。
【0198】
[製造例5:重合体混合物(3)の製造]
製造例2で得られた有機層(化合物21~23を含む)を開始剤とし、TBA-DMC触媒を使用してプロピレンオキシドを重合し、化合物22を由来とするオキシプロピレン重合体(3B)と、化合物23を由来とする重合体(3C)を含む混合液を得た。
重合体(3B)は一方の末端基中に不飽和基を3.0個、水酸基を0個有し、他方の末端基中に不飽和基を0個、水酸基を1.0個有し、重合体(3C)は、1分子中に不飽和基を2.0個、水酸基を2.0個有するという前提のもと、上記測定方法により得られた混合液中の水酸基の数、不飽和基の数を混合液に含まれる重合体(3B)、重合体(3C)のGPCのピーク面積の割合に従って、重合体(3B)、重合体(3C)に配分した。
その結果、重合体(3B)の1分子中の不飽和基の平均数は3.0個であり、水酸基の平均数は1.0個となり、重合体(3C)の1分子中の不飽和基の平均数は2.0個であり、水酸基の平均数は2.0個となり、目的の重合体混合物が製造できていることを確認した。
【0199】
【0200】
[製造例6:重合体(E1)の製造]
製造例3で得られた混合液を減圧脱水した。その後、オクチル酸錫(II)(ニッカオクチックス錫、日本化学産業社製品名、以下同様。)を添加し、前記混合液に含まれる重合体の水酸基に対してインデックス100%のHDIを常温で添加し、85℃で2時間加熱した。赤外線分光法分析(以下、「IR分析」という。)により反応液中に残存HDIがないことを確認した後、メタノールを反応液の総量に対して1質量%添加し、0.5時間撹拌し、その後減圧脱気によりメタノールを除去した。反応液をGPCで分析して分子量が増加していることを確認し、カップリングが確実に進行していることを確認した。
次に、得られた反応液の総量に対して水を2質量%添加し、85℃で0.5時間攪拌し、その後減圧脱気により、水分を除去した。白金ジビニルジシロキサン錯体の存在下、混合液に含まれる重合体の不飽和基に対して0.80モル当量のジメトキシメチルシランをシリル化剤として添加し、85℃にて3時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下で除去し、以下の成分(E1-1)及び(E1-2)を含む重合体(E1)を得た。
成分(E1-1):重合体(1B)の2分子がカップリング反応して生成した成分を由来とする成分。
成分(E1-2):重合体(1B)の2分子と重合体(1C)の1分子以上とがカップリング反応して生成した成分を由来とする成分。
成分(E1-1)及び(E1-2)のMn、GPCのピーク面積の割合、1分子中の反応ケイ素基の数、並びに重合体(E1)のMn、Mw/Mn、反応ケイ素基の濃度、及びウレタン結合の含有率を表2に示す(以下、同様。)。
【0201】
[製造例7:重合体(E2)の製造]
製造例4で得られた混合液を減圧脱水した。その後、オクチル酸錫(II)を添加し、前記混合液に含まれる重合体の水酸基に対してインデックス100%のHDIを常温で添加し、85℃で2時間加熱した。IR分析により反応液中に残存HDIがないことを確認した後、メタノールを反応液の総量に対して1質量%添加し、0.5時間撹拌し、その後減圧脱気によりメタノールを除去した。反応液をGPCで分析して分子量が増加していることを確認し、カップリングが確実に進行していることを確認した。
次に、得られた反応液の総量に対して水を2質量%添加し、85℃で0.5時間攪拌し、その後減圧脱気により、水分を除去した。白金ジビニルジシロキサン錯体の存在下、混合液に含まれる重合体の不飽和基に対して0.80モル当量のジメトキシメチルシランをシリル化剤として添加し、85℃にて3時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下で除去し、以下の成分(E2-1)及び(E2-2)を含む重合体(E2)を得た。
成分(E2-1):重合体(2B)の2分子がカップリング反応して生成した成分を由来とする成分。
成分(E2-2):重合体(2B)の2分子と重合体(2C)の1分子以上とがカップリング反応して生成した成分を由来とする成分。
【0202】
[製造例8:重合体(E3)の製造]
製造例5で得られた混合液を減圧脱水した。その後、オクチル酸錫(II)を添加し、前記混合液に含まれる重合体の水酸基に対してインデックス100%のHDIを常温で添加し、85℃で2時間加熱した。IR分析により反応液中に残存HDIがないことを確認した後、メタノールを反応液の総量に対して1質量%添加し、0.5時間撹拌し、その後減圧脱気によりメタノールを除去した。反応液をGPCで分析して分子量が増加していることを確認し、カップリングが確実に進行していることを確認した。
次に、得られた反応液の総量に対して水を2質量%添加し、85℃で0.5時間攪拌し、その後減圧脱気により、水分を除去した。白金ジビニルジシロキサン錯体の存在下、混合液に含まれる重合体の不飽和基に対して0.80モル当量のジメトキシメチルシランをシリル化剤として添加し、85℃にて3時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下で除去し、以下の成分(E3-1)及び(E3-2)を含む重合体(E3)を得た。
成分(E3-1):重合体(3B)の2分子がカップリング反応して生成した成分を由来とする成分。
成分(E3-2):重合体(3B)の2分子と重合体(3C)の1分子以上とがカップリング反応して生成した成分を由来とする成分。
【0203】
[製造例9:重合体(G1)の製造]
グリセリンを開始剤とし、TBA-DMC触媒を使用してプロピレンオキシドを重合し、水酸基換算分子量が10,000の前駆重合体を得た。次いで、前駆重合体の水酸基に対して1.15モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加して前駆重合体をアルコラート化した。次に、加熱減圧によりメタノールを留去し、さらに前駆重合体の水酸基量に対して過剰量の塩化アリルを添加して末端基にアリルオキシ基を導入した。次に、塩化白金酸六水和物の存在下、前駆重合体の変換されたアリルオキシ基に対して0.65モル当量のジメトキシメチルシランをシリル化剤として添加し、85℃にて3時間反応させ、反応性ケイ素基が末端基中に導入された直鎖のオキシプロピレン重合体(G1)を得た。重合体(G1)のMnは15,000であり、1分子あたりの反応性ケイ素基の平均は2.0個であった。
【0204】
[製造例10:重合体(G2)の製造]
Mnが約2,000で、2つの末端基を有し、前記末端基が水酸基であるオキシプロピレン重合体を開始剤とし、TBA-DMC触媒を触媒として使用してプロピレンオキシドを重合し、水酸基換算分子量が12,000の前駆重合体を得た。次いで、前駆重合体の水酸基に対して1.0モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加して前駆重合体をアルコラート化した。次に、加熱減圧によりメタノールを留去し、さらに前駆重合体の水酸基量に対して1.05モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加し、反応後減圧下で未反応の塩化アリルを除去し、末端基にアリル基が導入されたオキシプロピレン重合体(重合体Q1)を得た。重合体Q1の1つの末端基に導入されたアリル基は平均2.0個であった。次に、白金ジビニルジシロキサン錯体の存在下、重合体Q1のアリル基に対して0.85モル当量のジメトキシメチルシランをシリル化剤として添加し、85℃にて3時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下で除去し、反応性ケイ素基としてジメトキシメチルシリル基が1つの末端基に平均して1.0個より多く導入された重合体(重合体(G2))を得た。
【0205】
【0206】
<その他の成分>
表3に記載の添加物は以下の通りである。
ホワイトンSB:重質炭酸カルシウム、白石工業社製品名。
CCR:白艶化CCR膠質炭酸カルシウム、白石工業社製品名。
R-820:酸化チタン、石原産業社製品名。
バルーン81GCA:有機バルーン、松本油脂社製品名。
Printex30:カーボンブラック、オリオン エンジニアドカーボンズ製品名。
CML35:酸化カルシウム、白石工業社製品名。
DINP:フタル酸ジイソノニル。
UP-1171:ARUFON UP-1171、Mw3,000のアクリルポリマ、東亜合成社製品名。
S4012:プレミノール S4012、1分子あたり水酸基を2個有し、水酸基1個当たりのMnが10,000である高分子量ポリオール、AGC社製品名。
DINCH: 1,2-シクロヘキサンジカルボン酸-ジイソノニルエステル。
重合体Q:後述の方法で合成された重合体Q。
N-12D:n-ドデカン、純度98.0%、カクタスノルマルパラフィンN-12D、JXTGエネルギー社製品。
サンソサイザーEPS:4,5-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸-ジ-2-エチルヘキシル、新日本理化社製品名。
ディスパロン#6500:水添ひまし油系チキソ性付与剤、楠本化成社製品名。
IRGANOX1135:ヒンダードフェノール系酸化防止剤、BASF社製品名。
TINUVIN326:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、BASF社製品名。
TINUVIN765:3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤、BASF社製品名。
LA-63P:アデカスタブLA-63P、ADEKA社製品名。
KBM-1003:ビニルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
KBM-403:3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
KBM-603:3-(2-アミノエチルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、信越化学社製品名。
ラウリルアミン:試薬、純正化学社製。
ファーミンCS:ココナットアミン、花王社製品名。
DEAPA:3-ジエチルアミノプロピルアミン、東京化成工業株式会社製。
TMP-3TMS:トリメチロールプロパンのトリストリメチルシリル体。
桐油:空気酸化硬化性化合物、木村社製。
M-309:アロニックスM-309、東亜合成社製品名。
DBTDL:ジブチル錫ジラウレート、東京化成工業株式会社製。
U-220H:錫触媒、日東化成社製品名。
TC750:チタニウムジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、オルガチックスTC750、松本ファインケミカル株式会社製品名。
ネオデカン酸:Strem Chemicals社製。
触媒組成物:スタノクト(オクチル酸第一錫、吉富製薬社品名)と、ラウリルアミン(試薬、純正化学社製)とを質量比が6対1となるように混合した混合物を4質量部、サンソサイザーDINP(ジイソノニルフタレート、新日本理化社製品名)6質量部、ホワイトンSB(重質炭酸カルシウム、白石カルシウム工業社製品名)15質量部及びグロマックスLL(焼成カオリン、竹原化学工業社製品名)5質量部を混合して得た組成物。
【0207】
(重合体Qの合成)
n-ブタノールにPOを開環付加重合させて得られたポリオキシプロピレンモノオール(水酸基当量(水酸基1個当たりの分子量)2000)を開始剤として用いた。
開始剤 384gと、PO 594gを、TBA-DMC 0.05gの存在下、120℃で、反応系の圧力が低下しなくなるまで反応させ、ポリオキシプロピレン鎖の末端に水酸基を1分子当たり1個有する前駆重合体(1’)を得た(Mw8100、Mn6900、Mw/Mn1.10)。
前駆重合体(1’)に、該前駆重合体(1’)の水酸基に対して1.05倍モルのナトリウムメトキシドを含むメタノール溶液を添加してアルコキシド化した後、加熱減圧してメタノールを留去した。そして、前駆重合体(1’)の水酸基に対して過剰モル当量の塩化アリルを添加して反応させ、ポリオキシプロピレン鎖の末端にアリル基を1分子当たり1個有する前駆重合体(2’)を得た。
次に、塩化白金酸六水和物の存在下、前駆重合体(2’)のアリル基に対して0.85倍モル当量(シリル化率85モル%)のメチルジメトキシランを添加し、85℃で3時間反応させ、ポリオキシプロピレン鎖の片末端に反応性シリル基を有する重合体Qを得た。重合体QのMnは7000、反応性ケイ素基の1分子当たりの平均個数は0.80個であった。
【0208】
【0209】
<硬化性組成物の製造>
例1~3は実施例であり、例5及び6は比較例である。
【0210】
(例1~6)
表4に示す配合(単位:質量部)の重合体及び表3に示す配合の添加剤1を混合して硬化性組成物を製造した。表3に示す配合は重合体の100質量部に対する値(単位:質量部)である。
得られた硬化性組成物の硬化物について前記方法により、M50、Tmax、最大点伸びを評価した。結果を表4に示す。
【0211】
例1~3は硬化物のM50及びTmaxの値が高く、強度に優れていた。
【0212】
【0213】
前記例1~3において添加剤を表3の添加剤2~16に変更してそれぞれ硬化性組成物を製造した場合も、いずれの例においても硬化物のM50及びTmaxの値が高く強度に優れていた。