(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022006489
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】車両用情報処理装置、運行管理サーバ、及び運行管理システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20220105BHJP
【FI】
G08G1/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020108724
(22)【出願日】2020-06-24
(71)【出願人】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】堀田 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 秀敏
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF10
5H181FF12
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車両の走行制御の運用状態を管理する。
【解決手段】プロセッサ及びメモリを備え、所定の装置から、車両4の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報を受信する運用ポリシー取得処理と、車両4の現在の状態を示す情報である車両情報を取得する車両情報取得処理と、受信した運用ポリシー情報及び取得した車両情報に基づき、ポリシーに対する、車両4の現在の制御の適合性を表す情報である適合情報を生成する運用ポリシー適合度判断処理と、生成した適合情報に基づき、車両4の制御の適合性の履歴の情報である運用状態情報を生成し、生成した運用状態情報を所定の装置に送信する運用状態送信処理と、を実行する車載処理装置100。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサ及びメモリを備え、
所定の装置から、車両の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報を受信する運用ポリシー取得処理と、
前記車両の現在の状態を示す情報である車両情報を取得する車両情報取得処理と、
前記受信した運用ポリシー情報及び前記取得した車両情報に基づき、前記ポリシーに対する、前記車両の現在の制御の利用状況を表す情報である適合情報を生成する運用ポリシー適合度判断処理と、
前記生成した適合情報に基づき、前記車両の制御の前記適合性の履歴の情報である運用状態情報を生成し、生成した運用状態情報を前記所定の装置に送信する運用状態送信処理と、
を実行する車両用情報処理装置。
【請求項2】
前記適合情報を出力する情報報知処理を実行する、請求項1に記載の車両用情報処理装置。
【請求項3】
前記情報報知処理において、前記適合情報が示す利用状況が所定の条件を満たさない場合に、前記車両が前記ポリシーを逸脱している旨を示す情報を出力する、
請求項2に記載の車両用情報処理装置。
【請求項4】
前記運用ポリシー取得処理において、前記運用ポリシー情報として、前記車両の自動走行制御に関するポリシーの情報を受信し、
前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記受信した運用ポリシー情報及び前記取得した車両情報に基づき、前記車両の現在の制御の、前記運用ポリシー情報における前記自動走行制御に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、
請求項1に記載の車両用情報処理装置。
【請求項5】
前記運用ポリシー取得処理において、前記運用ポリシー情報として、前記車両の走行環境に関するポリシーの情報を受信し、
前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記車両情報に基づき前記車両の現在の走行環境を推定し、推定した現在の走行環境に基づき、前記車両の現在の自動走行制御の、前記運用ポリシー情報における走行環境に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、
請求項4に記載の車両用情報処理装置。
【請求項6】
前記運用ポリシー取得処理において、前記車両の走行環境に関するポリシーの情報として、降雨に関するポリシーの情報を受信し、
前記車両情報取得処理において、前記車両情報として前記車両のワイパーの動作情報を取得し、
前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記ワイパーの動作情報に基づき前記車両の周囲の現在の降雨の状態を推定し、推定した現在の降雨の状態に基づき、前記車両の現在の自動走行制御の、前記降雨に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、
請求項5に記載の車両用情報処理装置。
【請求項7】
前記運用ポリシー取得処理において、前記車両の走行環境に関するポリシーの情報として、道路に関するポリシーの情報を受信し、
前記車両情報取得処理において、前記車両情報として前記車両の位置情報を取得し、
前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記車両の位置情報に基づき前記車両の現
在走行中の道路を推定し、推定した現在走行中の道路に基づき、前記車両の現在の自動走行制御の、前記道路に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、
請求項5に記載の車両用情報処理装置。
【請求項8】
前記運用ポリシー取得処理において、前記運用ポリシー情報として、前記車両の自動走行制御の利用時間に関するポリシーの情報を受信し、
前記車両情報取得処理において、前記車両情報として前記車両の制御の利用状況を示す情報を取得し、
前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記車両の制御の利用状況を示す情報に基づき前記車両の自動走行制御の利用時間を推定し、推定した利用時間に基づき、前記車両の自動走行制御の、前記自動走行制御の利用時間に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、
請求項4に記載の車両用情報処理装置。
【請求項9】
前記運用ポリシー取得処理において、前記自動走行制御の利用時間に関するポリシーの情報として、前記自動走行制御が利用された時間及び前記自動走行制御が利用されなかった時間の合計時間に対する前記自動走行制御が利用された時間の割合が大きいほど前記自動走行制御の利用時間が長くなるような、前記自動走行制御の利用時間のポリシーの情報を受信し、
前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記車両の自動走行制御の、前記自動走行制御の利用時間のポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、
請求項8に記載の車両用情報処理装置。
【請求項10】
前記運用ポリシー取得処理において、前記運用ポリシー情報として、前記車両の自動走行制御の利用区間に関するポリシーの情報を受信し、
前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記受信した運用ポリシー情報及び前記取得した車両情報に基づき、前記車両の自動走行制御の利用区間の、前記運用ポリシー情報における前記自動走行制御の利用区間に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、
請求項4に記載の車両用情報処理装置。
【請求項11】
プロセッサ及びメモリを備え、
所定の装置に、車両の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報を送信する運用ポリシー送信処理と、
前記運用ポリシー情報及び前記車両の現在の状態を示す情報である車両情報に基づく、前記ポリシーに対する、前記車両の現在の制御の適合性を表す情報である適合情報に基づき生成された、前記車両の制御の前記適合性の履歴の情報である運用状態情報を、前記所定の装置から受信する運用状態受信処理と、
前記受信した運用状態情報に基づき、前記ポリシーに対する、前記車両の運転の総合的な適性を表す情報である適正運用度情報を生成する適正運用度情報生成処理と、
を実行する運行管理サーバ。
【請求項12】
前記運用ポリシー送信処理において、前記運用状態受信処理により受信した運用状態情報に基づき、前記車両に対する新たな運用ポリシー情報を生成し、生成した新たな運用ポリシー情報を前記所定の装置に送信する、
請求項11に記載の運行管理サーバ。
【請求項13】
前記運用ポリシー送信処理において、前記車両の運転者の情報を取得し、取得した運転者の情報と、前記受信した運用状態情報とに基づき、前記車両及び前記運転者に対する新
たな運用ポリシー情報を生成する、
請求項12に記載の運行管理サーバ。
【請求項14】
プロセッサ及びメモリをそれぞれ備える車両用情報処理装置及び運行管理サーバを含んで構成される運行管理システムであって、
前記車両用情報処理装置は、
前記運行管理サーバから、車両の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報を受信する運用ポリシー取得処理と、
前記車両の現在の状態を示す情報である車両情報を取得する車両情報取得処理と、
前記受信した運用ポリシー情報及び前記取得した車両情報に基づき、前記ポリシーに対する、前記車両の現在の制御の利用状況を表す情報である適合情報を生成する運用ポリシー適合度判断処理と、
前記生成した適合情報に基づき、前記車両の制御の前記適合性の履歴の情報である運用状態情報を生成し、生成した運用状態情報を前記運行管理サーバに送信する運用状態送信処理と、
を実行し、
前記運行管理サーバは、
前記受信した運用状態情報に基づき、前記ポリシーに対する、前記車両の運転の総合的な適性を表す情報である適正運用度情報を生成する適正運用度情報生成処理を実行する、
運行管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報処理装置、運行管理サーバ、及び運行管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車等の自動運転技術の開発に伴い、自動運転技術に対する信頼性が高まってきている。これにより、運転者の運転状況、例えば、運転者が自動運転技術を用いて自動車を安全に運転しているかといった情報を利用するニーズが、各種事業者の間で高まっている。
【0003】
自動運転技術を利用している運転者の運転状態を把握する技術としては、特許文献1に、自動運転装置をそなえた車両に装備され、車両のドライバの運転状態を検出する運転状態検出手段と、運転状態検出手段により検出されたドライバの運転状態から、ドライバが前方を監視しているか否かを判断する監視判断手段と、自動運転装置の作動中にドライバが前方監視していなければ、ドライバに前方監視を促すとともに、ドライバが前方監視していない情報を発信する監視促進制御手段とをそなえた車両側装置と、監視促進制御手段から発信された情報を受信し、ドライバの運転指導のデータとしてデータ記録手段に記録する車外側装置とをそなえる運転管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、自動運転技術を用いた運転者の運転状況をその運転者本人に通知するに過ぎない。前記のように、自動運転技術を用いた運転者の運転状況の情報は、様々な事業者、例えば、自動運転装置を備えた自動車を用いたビジネスを展開する様々な事業者(フリート業者等)及び保険会社等にとって有用となりうる。しかし、特許文献1では、このようなニーズに充分応えることができない。
【0006】
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両の走行制御の運用状態を管理することが可能な車両用情報処理装置、運行管理サーバ、及び運行管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明の一つは、プロセッサ及びメモリを備え、所定の装置から、車両の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報を受信する運用ポリシー取得処理と、前記車両の現在の状態を示す情報である車両情報を取得する車両情報取得処理と、前記受信した運用ポリシー情報及び前記取得した車両情報に基づき、前記ポリシーに対する、前記車両の現在の制御の利用状況を表す情報である適合情報を生成する運用ポリシー適合度判断処理と、前記生成した適合情報に基づき、前記車両の制御の前記適合性の履歴の情報である運用状態情報を生成し、生成した運用状態情報を前記所定の装置に送信する運用状態送信処理と、を実行する車両用情報処理装置、とする。
【0008】
また、上記課題を解決するための本発明の他の一つは、プロセッサ及びメモリを備え、所定の装置に、車両の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報を送信する運用ポリシー送信処理と、前記運用ポリシー情報及び前記車両の現在の状態を示す情報であ
る車両情報に基づく、前記ポリシーに対する、前記車両の現在の制御の利用状況を表す情報である適合情報に基づき生成された、前記車両の制御の前記適合性の履歴の情報である運用状態情報を、前記所定の装置から受信する運用状態受信処理と、前記受信した運用状態情報に基づき、前記ポリシーに対する、前記車両の運転の総合的な適性を表す情報である適正運用度情報を生成する適正運用度情報生成処理と、を実行する運行管理サーバ、とする。
【0009】
また、上記課題を解決するための本発明の他の一つは、プロセッサ及びメモリをそれぞれ備える車両用情報処理装置及び運行管理サーバを含んで構成される運行管理システムであって、前記車両用情報処理装置は、前記運行管理サーバから、車両の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報を受信する運用ポリシー取得処理と、前記車両の現在の状態を示す情報である車両情報を取得する車両情報取得処理と、前記受信した運用ポリシー情報及び前記取得した車両情報に基づき、前記ポリシーに対する、前記車両の現在の制御の適合性を表す情報である適合情報を生成する運用ポリシー適合度判断処理と、前記生成した適合情報に基づき、前記車両の制御の前記適合性の履歴の情報である運用状態情報を生成し、生成した運用状態情報を前記運行管理サーバに送信する運用状態送信処理と、を実行し、前記運行管理サーバは、前記受信した運用状態情報に基づき、前記ポリシーに対する、前記車両の運転の総合的な適性を表す情報である適正運用度情報を生成する適正運用度情報生成処理を実行する、運行管理システム、とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車両の走行制御の運用状態を管理することができる。
【0011】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施形態に係る運行管理システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】運用ポリシーデータ群の一例を示す図である。
【
図3】適正運用度情報データ群の一例を示す図である。
【
図5】運行管理システムで行われる処理の概要を説明する図である。
【
図6】運用ポリシー情報取得処理の一例を説明するシーケンス図である。
【
図7】運用ポリシー適合度判断処理の一例を説明するシーケンス図である。
【
図11】連続運転可能時間算出処理の一例を説明するフロー図である。
【
図12】運用状態送信処理の一例を説明するシーケンス図である。
【
図13】適正運用度情報算出処理の詳細を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係る運行管理システム1の構成の一例を示す図である。運行管理システム1は、運行管理サーバ2と、一台又は複数台の車両4と、1又は複数の端末5とを含んで構成される。
【0014】
車両4は、乗用車、バス、トラック、自動二輪車等の自動車である。車両4は、例えば、運行管理サーバ2を管理している事業者によって管理されている自動車である。
【0015】
車両4は、当該車両4の制御(自動走行制御、及び車両4内の各種装置の自動制御等)を自動的に行う自動運転機能を有する自動運転システム(不図示)を備えている。また、
車両4は、車載処理装置100(車両用情報処理装置)及びHMI150(Human Machine Interface)を備えている。車載処理装置100は、自動運転システムと連携して各処
理を行う。
【0016】
HMI150は、タッチパネル等の入力装置と、ディスプレイ又はスピーカー等の出力装置とを備えるインタフェースである。HMI150は、車載処理装置100と接続しており、各種の情報を、運転者に向けて出力(画面表示、音声出力等)する。
【0017】
運行管理サーバ2は、所定の事業者(例えば、保険会社、フリート業者)が管理するサーバである。運行管理サーバ2は、運転者が車両4に搭載されている自動運転システムをどのように運用すべきかに関する基準(以下、運用ポリシーという)に関する情報(運用ポリシー情報)を記憶している。
【0018】
端末5は、所定の管理者が管理する情報処理装置であり、運行管理サーバ2又は車載処理装置100に関するデータの入力又は表示を行う。端末5は、プロセッサ及びメモリの他、出力装置(ディスプレイ又はモニタ等)及び入力装置(キーボード又はタッチパネル等)を備える。
【0019】
運行管理サーバ2、端末5、及び車両4(車載処理装置100)の間は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、専用線等の有線又
は無線のネットワーク3によって通信可能に接続される。
【0020】
次に、これらの各装置の機能の詳細を説明する。
【0021】
<運行管理サーバ>
運行管理サーバ2は、CPU等の処理部10(プロセッサ)と、プログラム及びデータ等が展開される、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等のメモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等を含む記憶部30と、他の情報処理装置と通信する、ネットワークインタフェースカード等の通信部40とを備える。
【0022】
そして、運行管理サーバ2は、運用ポリシー設定部11、運用ポリシー送信部12、運用状態受信部13、適正運用度情報生成部14、及び適正運用度情報出力部15の各機能部を備える。
【0023】
運用ポリシー設定部11は、管理者から(例えば、端末5から)、運用ポリシーデータの入力を受け付ける。
【0024】
運用ポリシー送信部12は、車載処理装置100に、車両4の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報(運用ポリシー設定部11により設定された情報)を送信する。
【0025】
また、運用ポリシー送信部12は、次述する運用状態受信部13により受信した運用状態情報に基づき、車両4に対する新たな運用ポリシー情報を生成し、生成した新たな運用ポリシー情報を車載処理装置100に送信する。
【0026】
運用状態受信部13は、車載処理装置100から、後述する運用状態情報を受信する。
【0027】
適正運用度情報生成部14は、運用状態受信部13から受信した運用状態情報に基づき、運用ポリシーに対する、車両4の運転の総合的な適性を表す情報である適正運用度情報
を生成する。
【0028】
本実施形態では、適正運用度情報として、運用の適正の程度を示す数値指標である適正運用度を使用するものとする。
【0029】
適正運用度情報出力部15は、適正運用度情報生成部14が生成した適正運用度情報を出力する。
【0030】
次に、運行管理サーバ2は、運用ポリシーデータ群31、運用状態データ群32、及び適正運用度情報データ群33の各データを記憶している。以下、これらのデータの詳細を説明する。
【0031】
--運用ポリシーデータ群--
図2は、運用ポリシーデータ群31の一例を示す図である。運用ポリシーデータ群31は、走行制御利用ポリシーデータ200、及び運転時間管理ポリシーデータ210を含む。
【0032】
(走行制御利用ポリシーデータ)
走行制御利用ポリシーデータ200は、各走行制御に関する運用ポリシー情報のデータである。
【0033】
具体的には、走行制御利用ポリシーデータ200は、自動走行制御機能201、自動走行制御機能201の利用を禁止する条件である利用禁止条件202、自動走行制御機能201の利用が禁止されない時間帯である指定時間203、自動走行制御機能201が利用が推奨される自動車の走行環境である走行環境条件204、走行環境条件204における自動走行制御機能201の利用の推奨度205、及び運用ポリシーID206の各情報の項目を有する1以上のレコードで構成されている。
【0034】
すなわち、走行制御利用ポリシーデータ200には、自動走行制御機能201、利用禁止条件202、指定時間203、及び走行環境条件204により特定される各内容ごとに運用ポリシーが設定され、その運用ポリシーに対して推奨度が設定されている。
【0035】
なお、同図では、各自動走行制御機能は制御の内容に基づいて分類されているが、他の方法により分類されてもよい。例えば、車両4のインタフェースがユーザに提供する機能(例えば、動作モード)に基づいて分類してもよい。
【0036】
走行環境条件204は、本実施形態では、道路区間、渋滞時であるか否か、又は天候等の条件としているが、条件の内容はこれらに限られない。
【0037】
推奨度205は、例えば数値で表し、正の値が推奨、負の値が非推奨を表す。
【0038】
例えば、自動走行制御機能201がレベル1(Lv1)、利用禁止条件202が「降雨時、路面凍結時、又は次述指定時間以外」、指定時間203が「8:00~17:00」、走行環境条件204が「A道路区間」である運用ポリシーの推奨度は、30である。
【0039】
また、例えば、自動走行制御機能201がレベル1(Lv1)、利用禁止条件202が「降雨時、路面凍結時、又は次述指定時間以外」、指定時間203が「8:00~17:00」、走行環境条件204が「A道路区間」以外の区間である運用ポリシーの推奨度は、10である。
【0040】
また、後述するように、運用ポリシーには推奨ポリシー及び禁止ポリシーがある。同図は、禁止ポリシーについての情報を示しているが、推奨ポリシーについても同様である。例えば、走行制御利用ポリシーデータ200の利用禁止条件202には、自動走行制御の利用が推奨される条件が設定される。
【0041】
(運転時間管理ポリシーデータ)
運転時間管理ポリシーデータ210は、車両4の連続運転に関する運用ポリシー情報のデータである。運転時間管理ポリシーデータ210は、車両4が現在可能な連続運転の時間(以下、連続運転可能時間という)を算出するために用いられる。
【0042】
具体的には、運転時間管理ポリシーデータ210は、標準的な連続運転可能時間である許容連続運転時間211、及び、許容連続運転時間211に対して適用される重み係数である運転時間重み係数212の各情報を有する。
【0043】
運転時間重み係数212は、自動走行制御機能の種類(例えば、自動走行制御機能の有効若しくは無効、又は自動走行制御機能のレベル)に応じた、許容連続運転可能時間211に関する重み係数である。運転時間重み係数212には、例えば、運転者が車両4の自動走行制御機能を利用しているか否か(例えば、手動による運転をしているか)と、運転者が利用している車両4の自動走行制御機能201のレベルとに応じた数値が設定される。例えば、許容連続運転時間211が1.0時間であり、「レベル3」の自動走行制御機能による運転時間重み係数212が0.5である場合は、「レベル3」の自動走行制御機能の利用時の連続運転可能得時間は30分となる。
【0044】
このように、運転時間管理ポリシーデータ210は、自動走行制御の利用割合が高いほど連続運転可能時間が長くなるように、運転時間重み係数212を設定している。
【0045】
なお、運転時間管理ポリシーデータ210は、例えば、運転者の勤休管理のために利用される。運転時間管理ポリシーデータ210により特定される連続運転可能時間を超えて運転者が連続運転を行うと、運用ポリシーに違反したとみなされる。
【0046】
以上の運用ポリシーデータ群31は、例えば、運行管理サーバ2の管理者によって予め入力される。また、車載処理装置100も、運用ポリシーデータ群31と同様の運用ポリシーデータ群131を記憶する。
【0047】
--適正運用度情報データ群--
図3は、適正運用度情報データ群33の一例を示す図である。適正運用度情報データ群33は、適正運用度に関するデータの集合である。
【0048】
適正運用度情報データ群33は、車両毎適正運用度データ400、運転者毎適正運用度データ410、及びポリシー毎適正運用度データ420を含む。
【0049】
(車両毎適正運用度データ)
車両毎適正運用度データ400は、適正運用度を、車両4毎にまとめた情報である。車両毎適正運用度データ400は、車両ID401、車両ID401が示す車両4の運転全体における運用ポリシーの適正運用度402、車両ID401が示す車両4の運転全体における運用ポリシーの違反に関する情報である違反イベント情報403、及び、車両ID401が示す車両4の運転全体における運用ポリシーへの適合に関する情報である適合イベント情報404の各項目の情報を有する。
【0050】
違反イベント情報403は、運用ポリシーのうち所定の運転(例えば、自動走行制御)
を禁止する運用ポリシー(以下、禁止ポリシーという)に関する情報であり、禁止ポリシーに違反した場合に、その違反結果に関する情報が設定される。
【0051】
適合イベント情報404は、運用ポリシーのうち所定の運転(例えば、自動走行制御)を推奨する運用ポリシー(以下、推奨ポリシーという)に関する情報であり、推奨ポリシーに適合した場合に、その適合に関する情報が設定される。
【0052】
同図では、違反イベント情報403には、禁止ポリシーに違反した回数の総数が設定されているが、違反の頻度等のその他の統計情報が設定されてもよい。また、適合イベント情報404には、推奨ポリシーに適合した回数の総数が設定されているが、適合の頻度等のその他の統計情報が設定されてもよい。
【0053】
なお、適正運用度402は、後述するように、違反イベント情報403及び適合イベント情報404に基づいて算出される。例えば、適正運用度402は、違反イベント情報403が示す回数に応じて値が低下し(-100~0点減点)、適合イベント情報404が示す回数に応じて値が上昇する(0~100点加点)ような指標値である。
【0054】
(運転者毎適正運用度データ410)
運転者毎適正運用度データ410は、適正運用度を、運転者毎にまとめた情報である。運転者毎適正運用度データ410は、車両毎適正運用度データ400に類似するデータ構成を有し、運転者ID411、運転者ID411が示す運転者による運転全体における運用ポリシーの適正運用度412、運転者ID411が示す運転者による運転全体における運用ポリシーの違反に関する情報である違反イベント情報413、及び、運転者ID411が示す運転者による運転全体における運用ポリシーへの適合に関する情報である適合イベント情報414の各項目の情報を有する。
【0055】
車両毎適正運用度データ400及び運転者毎適正運用度データ410により、例えば、各車両4及び各運転者を管理する事業所や運行管理会社は、各車両4や各運転者の運用ポリシーの遵守状況を管理することができ、また、必要に応じて各運転者への運転教育又は指導を行うことができる。
【0056】
(ポリシー毎適正運用度データ)
ポリシー毎適正運用度データ420は、適正運用度を、運用ポリシー毎にまとめた情報である。ポリシー毎適正運用度データ420は、運用ポリシーID421、運用ポリシーID421が示す運用ポリシーの種別422(禁止ポリシー又は推奨ポリシー)、運用ポリシーID421が示す運用ポリシーの適正運用度423、及び、運用ポリシーID421が示す運用ポリシーの遵守状況を表すイベント情報424の各項目の情報を有する。
【0057】
次に、車載処理装置100の詳細を説明する。
【0058】
<車載処理装置>
図1に示すように、車載処理装置100は、CPU等の処理部110(プロセッサ)と、プログラム及びデータ等が展開される、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等のメモリ、及び、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等を含む記憶部130と、他の情報処理装置と通信する、ネットワークインタフェースカード等の通信部140とを備える。
【0059】
そして、車載処理装置100は、運用ポリシー取得部111、車両情報取得部112、走行環境予測部113、運用ポリシー適合度判断部114、運用状態送信部115、及び情報報知部116の各機能部を備える。
【0060】
運用ポリシー取得部111は、運行管理サーバ2から、車両4の制御に関するポリシーの情報である運用ポリシー情報を受信する。
【0061】
車両情報取得部112は、車両4の現在の状態を示す情報である車両情報を取得する。
【0062】
走行環境予測部113は、車両情報に基づき、車両4の現在の走行環境を推定する。
【0063】
運用ポリシー適合度判断部114は、運行管理サーバ2から受信した運用ポリシー情報及び車両情報取得部112が取得した車両情報に基づき、運用ポリシーに対する、車両4の現在の制御の利用状況を表す情報である適合情報を生成する。
【0064】
本実施形態では、適合情報として、各運用ポリシーに適合又は違反した回数等の情報を用いるものとする。
【0065】
また、本実施形態では、運用ポリシー適合度判断部114は、車両情報に基づき車両4の現在の走行環境を推定し、推定した現在の走行環境に基づき、車両4の現在の自動走行制御の、運用ポリシー情報における走行環境に関するポリシーに対する適合性の情報を、適合情報として生成する。
【0066】
運用状態送信部115は、運用ポリシー適合度判断部114が生成した適合情報に基づき、車両4の制御の適合性の履歴の情報である運用状態情報を生成し、生成した運用状態情報を運行管理サーバ2に送信する。
【0067】
情報報知部116は、適合情報に関する情報を出力する。
【0068】
例えば、情報報知部116は、適合情報が示す適合性が所定の条件を満たさない場合に、車両4がポリシーを逸脱している旨を示す情報を出力する。
【0069】
次に、車載処理装置100は、運用ポリシーデータ群131、車両情報データ群132、走行環境データ群133、及び運用状態データ群134の各データを記憶している。
【0070】
このうち運用ポリシーデータ群131は、運行管理サーバ2の運用ポリシーデータ群31と同様のデータ群である。
【0071】
車両情報データ群132は、外部ネットワークシステム160から取得した車両情報に関するデータである。車両情報データ群132は、例えば、車両4のワイパーの動作履歴の情報(ワイパー情報)、車両4の位置情報、車両4の外気温の情報、車両4の走行履歴(ハンドル操作の履歴、又は走行した位置)の情報、車両4の各制御機能の有効化及び無効化の履歴の情報である。
【0072】
なお、外部ネットワークシステム160は、例えば、インターネット、又は車載ネットワークシステムである。車載ネットワークシステムには、例えば、OBDII(OBD: On-board diagnostics)、等の車両4の自己診断システムがある。
【0073】
走行環境データ群133は、走行環境予測部113により予測された車両4の走行環境に関する情報である。
【0074】
--運用状態データ群--
図4は、運用状態データ群134の一例を示す図である。運用状態データ群134は、
車両ID301、運転者ID302、車両ID301及び運転者ID302により特定される運転が行われた日時である運転日時303、及び、運転日時303が示す日時における運用ポリシーに対する適合性に関する情報である運用ポリシーイベント情報307の各情報を有する。
【0075】
運用ポリシーイベント情報307は、各運用ポリシーの運用ポリシーID304、運用ポリシーID304に係る運用ポリシーに対する適合性の種別(各運用ポリシーに違反しているか又は合致しているか等)たるイベント種別305、及び、イベント種別305に係る適合性の判定対象の時刻306(時間帯)の各情報を有する。
【0076】
なお、各運転者は異なる複数の車両4を運転する場合があるため、車両ID301と運転者ID302は必ずしも一対一の関係にはない。
【0077】
なお、本実施形態では、運行管理サーバ2は、以上の運用状態データ群134と同様の運用状態データ群32を記憶するものとする。
【0078】
以上に説明した運行管理サーバ2及び車載処理装置100の各機能は、処理部10、110が、記憶部30、130に記憶されている、各機能を実現する各プログラムを読み出して実行することにより実現される。なお、各プログラムは、外部記憶媒体にあらかじめ記録されていてもよいし、所定の通信ネットワークを介して、必要なときに導入されてもよい。
【0079】
次に、運行管理システム1において行われる処理について説明する。
【0080】
--処理--
図5は、運行管理システム1で行われる処理の概要を説明する図である。
【0081】
まず、運行管理サーバ2は、端末5により設定された運用ポリシー情報を車載処理装置100に送信する(s1)。
【0082】
車載処理装置100は、運行管理サーバ2から運用ポリシー情報を取得する運用ポリシー情報取得処理s10を実行する。また、車載処理装置100は、外部ネットワークシステム160から(又は外部ネットワークシステム160を介して)車両情報を取得する(s20)。
【0083】
そして、車載処理装置100は、s20で取得した車両情報に基づき、車両4の走行環境を推定する。車載処理装置100は、この走行環境、運用ポリシー情報、及び車両情報に基づき、適合情報(適合度)及び運用状態情報を生成する運用ポリシー適合度判断処理s30を実行する(s30)。
【0084】
また、車載処理装置100は、運用ポリシー情報、及び車両情報に基づき、連続運転可能時間を算出する連続運転可能時間算出処理s50を随時実行する(s50)。
【0085】
車載処理装置100は、適合情報及び連続運転可能時間を、HMI150に出力させる(s60)。
【0086】
また、車載処理装置100は、運用状態情報を運行管理サーバ2に送信する運用状態送信処理s70を実行する。
【0087】
運行管理サーバ2は、車載処理装置100から受信した運用状態情報に基づき、適正運
用度情報を生成すると共に、新たな運用ポリシーを設定する適正運用度情報算出処理s80を実行する(s80)。
【0088】
例えば、運行管理サーバ2は、生成した適正運用度を適正運用度情報データ群33に記憶し、また、端末5に表示する。なお、適正運用度の詳細は後述する。そして、運行管理サーバ2は、端末5から運用ポリシーの修正の入力を受け付け、入力された運用ポリシーの情報を、運用ポリシーデータ群31に記憶する。なお、運行管理サーバ2は、適正運用度情報を入力値とする所定のアルゴリズムに従って、新たな運用ポリシーを自動生成してもよい。
【0089】
その後、運行管理サーバ2は、設定した新たな運用ポリシーを、車載処理装置100から受信した運用状態情報に対応づけられた車両ID及び運転者IDに対応する車載処理装置100に送信する。
【0090】
以下、これらの各処理の詳細を説明する。
【0091】
<運用ポリシー情報取得処理>
まず、
図6は、運用ポリシー情報取得処理s10の一例を説明するシーケンス図である。運用ポリシー情報取得処理s10は、例えば、車載処理装置100が起動した際、又は、車載処理装置100が車両4の運転者から運転者IDの入力(認証)を受け付けたことを契機に開始される。
【0092】
まず、車載処理装置100は、運用ポリシー情報の取得要求を運行管理サーバ2に送信する(s11)。運行管理サーバ2は、車載処理装置100から運用ポリシーの取得要求を受信する。(s12)
運行管理サーバ2は、取得要求に対応する運用ポリシーを、運行管理サーバ2の運用ポリシーデータ群31から取得する(s13)。
【0093】
具体的には、運行管理サーバ2は、取得要求に付帯する車両ID及び運転者IDに関する所定の認証処理を行い、その認証の終了後、運用ポリシーを運用ポリシーデータ群31から取得する。
【0094】
運行管理サーバ2は、s13で取得した運用ポリシーを、車載処理装置100に送信する(s14)。そして、車載処理装置100は、受信した運用ポリシーを、車載処理装置100の運用ポリシーデータ群131に記憶する(s15、s16)。以上で運用ポリシー情報取得処理s10は終了する。
【0095】
次に、運用ポリシー適合度判断処理s30について説明する。
【0096】
<運用ポリシー適合度判断処理>
図7は、運用ポリシー適合度判断処理s30の一例を説明するシーケンス図である。運用ポリシー適合度判断処理s30は、以下に説明するように現在の運転が各運用ポリシーに合致又は違反しているかを判定し、さらに、その結果(違反又は合致の回数及び時間等)を記憶する処理である。
【0097】
なお、運用ポリシー適合度判断処理s30は、例えば、運用ポリシー情報取得処理s10の少なくとも1回の実行後の所定のタイミング(例えば、所定の時刻、所定の時間間隔、又は管理者等から所定の入力があった場合)で開始される。
【0098】
まず、車載処理装置100は、運用ポリシー情報取得処理s10で記憶した運用ポリシ
ーを取得する(s31)。
【0099】
また、車載処理装置100は、外部ネットワークシステム160又は車両情報データ群132から車両情報を取得し(s32)、取得した車両情報に基づき、車両4の現在の走行環境を推定する(s33)。
【0100】
例えば、車載処理装置100は、車両情報に含まれるワイパー情報に基づき、現在の降雨の状態を推定する。
【0101】
また、例えば、車載処理装置100は、車両情報に含まれる外気温情報に基づき、道路の現在の凍結状態を推定する。
【0102】
また、例えば、車載処理装置100は、車両情報に含まれる車両4の走行履歴から車両の横滑り走行の状態を推定し、その横滑り走行の状態に基づき、道路の現在の凍結状態を推定する。
【0103】
また、例えば、車載処理装置100は、車両情報に含まれる走行履歴から走行経路を特定し、特定した走行経路に基づき、現在走行中の道路を推定する。
【0104】
なお、外部ネットワークシステム160としてインターネットを利用する場合、車載処理装置100は、例えば、車両情報に含まれる走行履歴と、インターネットの所定サイトから取得した道路情報とに基づき、現在走行中の道路を推定してもよい。また、例えば、車載処理装置100は、インターネットの所定サイトから、現在の降雨の状態を含む現在の天候の状態を取得してもよい。
【0105】
次に、車載処理装置100は、s32で取得した車両情報に基づき、車両4の自動走行制御の機能が現在有効になっているか否かを確認する(s34)。
【0106】
車両4の自動走行制御機能が現在有効になっている場合は(s34:Y)、車載処理装置100は、次述するs35の処理を実行し、車両4の自動走行制御機能が現在有効になっていない場合は(s34:N)、車載処理装置100は、次述するs40の処理を実行する。
【0107】
s35において車載処理装置100は、車両4の現在の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の利用禁止条件に合致しているか否かを判定する。
【0108】
具体的には、車載処理装置100は、s33で推定した走行環境が、走行制御利用ポリシーデータ200のうち現在有効になっている走行制御機能に係るレコードの利用禁止条件202及び指定時間203により特定される条件を満たしているか否かを判定する。
【0109】
車両4の現在の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の利用禁止条件に合致している場合は(s35:Y)、車載処理装置100は、次述するs36の処理を実行し、車両4の現在の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の利用禁止条件に合致していない場合は(s35:N)、車載処理装置100は、後述するs39の処理を実行する。
【0110】
s36において車載処理装置100は、所定の警告要求をHMI150に送信する。HMI150は、この警告の内容を出力する(s37)。
【0111】
例えば、HMI150は、車両4の現在の走行状態が、現在有効になっている自動走行
制御機能の利用禁止条件に違反しているため、その自動走行制御機能を無効にすべきことを示す警告画面を表示し又は警告の内容を音声に出力する。
【0112】
(警告画面)
ここで、
図8は、警告画面の一例を示す図である。この警告画面1000は、現在有効になっている自動走行制御機能が、利用禁止条件に抵触して禁止されていることを示す警告表示欄1010と、現在の適正運用度1011と、現在有効になっている自動走行制御機能による連続運転が可能な残り時間1012(連続運転可能時間)とが表示される。
【0113】
運転者は、この警告画面1000を参照することにより、現在有効にしている自動走行制御機能(自動運転機能)が現在の環境下では禁止されていることを知ることができる。これにより、ユーザは、自動運転機能を停止させるべきこと及びその理由を知ることができる。
【0114】
その後、
図7のs38において車載処理装置100は、s35で特定した、現在有効になっている自動走行制御機能の、利用禁止条件への合致有無の情報を、運用状態データ群134に記憶する。
【0115】
具体的には、例えば、車載処理装置100は、運用状態データ群134の運用ポリシーイベント情報307の運用ポリシーID304に、現在有効になっている自動走行制御機能に対応する運用ポリシーのIDを設定し、イベント種別305に、合致又は違反の情報を設定し、時刻306に、s32で取得した車両情報が対象としている時間帯を設定する。以上で運用ポリシー適合度判断処理s30は終了する。
【0116】
他方、s39において車載処理装置100は、現在の車両4の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の走行環境に合致しているか否かを確認する。
【0117】
具体的には、車載処理装置100は、走行制御利用ポリシーデータ200の、現在有効になっている自動走行制御機能に係るレコードの走行環境条件204が示す内容と、現在の車両4の走行状態とが一致しているか否かを判定する。
【0118】
現在の車両4の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の走行環境に合致している場合は(s39:Y)、車載処理装置100は、前述のs38の処理を実行し、現在の車両4の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の走行環境に合致していない場合は(s39:N)、運用ポリシー適合度判断処理s30は終了する。
【0119】
s40において車載処理装置100は、現在の車両4の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の走行環境に合致しているか否かを確認する。
【0120】
現在の車両4の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の走行環境に合致している場合は(s40:Y)、車載処理装置100は、次述するs41の処理を実行し、現在の車両4の走行状態が、現在有効になっている自動走行制御機能の走行環境に合致していない場合は(s40:N)、運用ポリシー適合度判断処理s30は終了する。
【0121】
s41において車載処理装置100は、所定の確認情報をHMI150に送信する。HMI150は、この情報の内容を表示する(s42)。
【0122】
例えば、HMI150は、車両4の現在の走行環境が、現在無効になっている自動走行制御機能が要求する走行環境に合致しているため、その自動走行制御機能を有効にすべきことを示す確認画面を表示し又はその内容を音声に出力する。
【0123】
(確認画面)
ここで、
図9は、確認画面の一例を示す図である。この確認画面1100は、現在無効になっている自動走行制御機能が、対応する走行環境に合致しているためその有効化を推奨することを示す推奨表示欄1110と、現在の適正運用度1111と、現在無効になっている(有効にすべき)自動走行制御機能による連続運転が可能な残り時間1112(連続運転可能時間)とが表示される。
【0124】
運転者は、この確認画面1100を参照することにより、現在無効なっている自動走行制御機能(自動運転機能)が現在の走行環境下では有効とすべきこと及びその理由を知ることができる。
【0125】
さらに、
図10は、確認画面1100が表示されている状態で、運転者が、これまでに無効になっていた自動走行制御機能を有効にした場合に表示される新たな確認画面1200の一例を示す図である。
【0126】
この確認画面1200の推奨表示欄1210には、自動走行制御機能が有効になっている旨を示す情報と、その自動走行制御機能の推奨度とが表示される。
【0127】
また、この確認画面1200には、自動走行制御機能を有効にしない場合の連続運転可能時間1212と、自動走行制御機能を有効にした場合の連続運転可能時間1214とが表示される。
【0128】
運転者は、この確認画面1200を参照することにより、走行制御機能を有効にした旨及びこれによるメリットを知ることができる。
【0129】
次に、連続運転可能時間算出処理s50について説明する。
【0130】
<連続運転可能時間算出処理>
図11は、連続運転可能時間算出処理s50の一例を説明するフロー図である。連続運転可能時間算出処理s50は、例えば、所定のタイミング(例えば、所定の時刻、所定の時間間隔)、又は、警告画面1000若しくは確認画面1100、1200が表示される際に実行される。
【0131】
まず、車載処理装置100は、現在の車両4の制御状態(例えば、自動走行制御機能の有効若しくは無効、又は自動走行制御機能のレベル)及び、車両4の現在の連続運転時間を取得する(s51)。具体的には、車載処理装置100は、車両情報からこれらの情報を抽出する。
【0132】
また、車載処理装置100は、運用ポリシーデータ群131の運転時間管理ポリシーデータ210の内容を取得する。
【0133】
そして、車載処理装置100は、s51で取得した制御状態と、s52で取得した運転時間管理ポリシーデータ210の内容とに基づき、車両4の現在の連続運転可能時間を、車両4の制御の内容ごとに算出する(s53)。以上で連続運転可能時間算出処理s50は終了する。
【0134】
例えば、車載処理装置100は、車両4の現在の制御状態が自動走行制御機能のレベル1である場合、運転時間管理ポリシーデータ210の許容連続運転時間211に、自動走行送制御機能のレベル1の運転時間重み係数212を乗算し、その乗算値から、車両4の
現在の連続運転時間を減算する。
【0135】
次に、運用状態送信処理s70について説明する。
【0136】
<運用状態送信処理>
図12は、運用状態送信処理s70の一例を説明するシーケンス図である。運用状態送信処理s70は、例えば、運用ポリシー適合度判断処理s30の少なくとも1回の実行後の、所定のタイミング(例えば、所定の時刻、所定の時間間隔、運転者等から所定の入力があった場合)で開始される。
【0137】
まず、車載処理装置100は、運用ポリシー適合度判断処理s30で生成した運用状態データ群134を取得し(s71)、取得した運用状態データ群134を運行管理サーバ2に送信する(s72)。なお、車載処理装置100は、車両ID及び運転者IDもさらに送信してもよい。
【0138】
運行管理サーバ2は、車載処理装置100から受信した運用状態データ群134を、運行管理サーバ2の運用状態データ群32に記憶する(s73、s74)。
【0139】
運行管理サーバ2は、適正運用度を算出する適正運用度情報算出処理s80を実行する。適正運用度情報算出処理s80の詳細は後述する。
【0140】
運行管理サーバ2は、適正運用度情報算出処理s80で算出した適正運用度に関する情報を、端末5に送信する(s76)。端末5は、受信した情報を出力する(s77)。
【0141】
なお、運行管理サーバ2は、適正運用度に関する情報を、HMI150に送信してもよい。
【0142】
また、運行管理サーバ2は、適正運用度情報算出処理s80で算出した適正運用度に関する情報を所定の画面に表示又は音声出力する(s78)。
【0143】
<適正運用度情報算出処理>
図13は、適正運用度情報算出処理s80の詳細を説明するフロー図である。まず、運行管理サーバ2は、各車両4、各運転者、及び各運用ポリシー毎の適正運用度のうち、未だ適正運用度を算出していない車両4、運転者、及び運用ポリシー(それぞれ、未処理車両、未処理運転者、及び未処理運用ポリシーという)をそれぞれ特定し、特定した車両4、運転者、及び運用ポリシーに関する運用状態データを取得する(s81)。
【0144】
例えば、運行管理サーバ2は、適正運用度情報データ群33の各レコードを参照することで未処理車両、未処理運転者、及び未処理運用ポリシーをそれぞれ特定する。
【0145】
そして、運行管理サーバ2は、運用状態データ群32の各レコードのうち、車両ID301、運転者ID302、及び運用ポリシーID304に未処理車両、未処理運転者、又は未処理運用ポリシーのいずれかが設定されているレコードを取得する。
【0146】
次に、運行管理サーバ2は、未処理車両に係る運用状態データに基づき、未処理車両の適正運用度を算出する(s82、s83)。
【0147】
また、運行管理サーバ2は、未処理運転者に係る運用状態データに基づき、未処理運転者の適正運用度を算出する(s84、s85)。
【0148】
また、運行管理サーバ2は、未処理運用ポリシーに係る運用状態データに基づき、未処理運用ポリシーの適正運用度を算出する(s86、s87)。
【0149】
運行管理サーバ2は、例えば、未処理車両の適正運用度(以下、車両適正運用度という)を、運用状態データ群32のデータを用いて以下の式(1)で算出する。
【0150】
-100×((最近の延べT時間の運転時間において、いずかの運用ポリシーに違反していた時間)/T)+Σk=1 to n{(推奨ポリシーkの推奨度の合計値)×(最近の延べT時間の運転時間において、推奨ポリシーkに合致していた時間)/T} ・・・(1)
なお、運行管理サーバ2は、未処理運転者の適正運用度(以下、運転者適正運用度という)も、式(1)と同様に算出する。
【0151】
なお、式(1)では、禁止ポリシーに対する係数を全ての禁止ポリシーに対して一定(-100)としているが、各禁止ポリシー毎に異なる係数を設定してもよい。
【0152】
また、推奨ポリシーに対応する走行環境条件は常時成立するとは限らないので、式(1)は、走行環境条件の成立の有無を考慮した式としてもよい。例えば、式(1)の末尾の「T」を、(最近延べT時間の運転時間において、推奨ポリシーkに対応する走行環境条件が成立していた時間)としてもよい。この場合、走行環境条件の成立時間は、運行管理サーバ2が、運用状態データ群32の運用ポリシーイベント情報307に予め記憶してもよいし、運行管理サーバ2が、各車両の車両情報と、交通渋滞情報又は天候情報等とから算出してもよい。
【0153】
さらに、運行管理サーバ2は、未処理運用ポリシーの適正運用度(以下、運用ポリシー適正運用度という)を、運用状態データ群32のデータを用いて以下の式(2)(3)で算出する。
【0154】
・未処理運用ポリシーが禁止ポリシーkの場合
-100×(最近M日の全車両における禁止ポリシーkの合計違反時間)/(最近M日の全車両の合計運転時間) ・・・(2)
・未処理運用ポリシーが推奨ポリシーkの場合
(推奨ポリシーkの推奨度)×(最近M日の全車両における推奨ポリシーkの合計合致時間)/(最近M日の全車両の合計運転時間) ・・・(3)
なお、未処理運用ポリシーが推奨ポリシーkの場合、運行管理サーバ2は、式(1)と同様に、走行環境条件を考慮して車両適正運用度を算出してもよい。
【0155】
次に、運行管理サーバ2は、s82~s87で算出した各適正運用度を、適正運用度情報データ群33に記憶する。以上で適正運用度情報算出処理s80は終了する。
【0156】
具体的には、運行管理サーバ2は、各未処理車両の適正運用度を車両毎適正運用度データ400の適正運用度402に記憶し、各未処理運転者の適正運用度を運転者毎適正運用度データ410の適正運用度412に記憶し、各未処理運用ポリシーの適正運用度をポリシー毎適正運用度データ420の適正運用度423に記憶する。
【0157】
なお、運行管理サーバ2は、車両毎適正運用度データ400の違反イベント情報403及び適合イベント情報404と、運転者毎適正運用度データ410の違反イベント情報413及び適合イベント情報414と、ポリシー毎適正運用度データ420の種別422及びイベント情報424とにも、s82-s87の処理内で特定された各情報を設定する。
【0158】
以上のように、本実施形態の車両用情報処理装置(車載処理装置100)は、運行管理
サーバ2から受信した運用ポリシー情報及び、外部ネットワークシステム160から取得した車両情報に基づき、車両4の現在の制御の利用状況を表す適合度を算出し、適合度に基づき生成された運用状態情報を、運行管理サーバ2に送信する。
【0159】
これにより、運行管理サーバ2は、車両4の走行制御の運用状態を管理することができる。これにより、例えば、運行管理サーバ2の管理者等は、自動運転機能に基づく自動車の安全運転の管理及び診断を行い、またこれらを用いた商品の開発等を行うことができる。
【0160】
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。
【0161】
例えば、各装置の一部又は全部の機能を、他の装置に設けてもよい。例えば、適合度は運行管理サーバ2が算出してもよい。適正運用度は車載処理装置100が算出してもよい。
【0162】
本実施形態では、車両4は自動車であることを前提としたが、他の種類の車であっても本発明は同様に適用される。
【0163】
また、本実施形態では、車両4の制御は主に自動走行制御であるとしているが、他の種類の制御(車両4内の各種機器の制御)に対しても本発明は適用される。
【0164】
本実施形態では、運行ポリシーにおける運転時間のポリシーは連続運転に関するものとしたが、運転は連続していなくても、単なる運転時間の合計等としてもよい。
【0165】
また、適正運用度の算出方法は、本実施形態で説明した各式によるものに限られない。適正運用度は、例えば、運用ポリシーの違反の時間ではなく件数のみに依存してもよく、また、運転者の過去の違反の履歴に応じてその値が変動するようにしてもよい。
【0166】
以上の本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態において、前記車両用情報処理装置は、前記適合情報を出力する情報報知処理を実行する、としてもよい。
【0167】
これにより、車両4の運転者は、自動運転機能による運転の管理を行い、自身の体調を推定し、事故を未然に防ぐことができる。
【0168】
また、本実施形態の車両用情報処理装置は、前記情報報知処理において、前記適合情報が示す利用状況が所定の条件を満たさない場合に、前記車両が前記ポリシーを逸脱している旨を示す情報を出力する、としてもよい。
【0169】
これにより、車両4の運転者は、運用ポリシーに沿った運転ができていないことを知ることができる。
【0170】
また、本実施形態の車両用情報処理装置は、前記運用ポリシー取得処理において、前記運用ポリシー情報として、前記車両の自動走行制御に関するポリシーの情報を受信し、前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記受信した運用ポリシー情報及び前記取得した車両情報に基づき、前記車両の現在の制御の、前記運用ポリシー情報における前記自動走行制御に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、としてもよい。
【0171】
このように、車両4の現在の制御の、自動走行制御に関するポリシーに対する適合性の情報を適合情報として生成することで、車両4の運転者は、自動走行制御機能による適切な運転ができていないかどうかを知ることができる。
【0172】
また、本実施形態の車両用情報処理装置は、前記運用ポリシー取得処理において、前記運用ポリシー情報として、前記車両の走行環境に関するポリシーの情報を受信し、前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記車両情報に基づき前記車両の現在の走行環境を推定し、推定した現在の走行環境に基づき、前記車両の現在の自動走行制御の、前記運用ポリシー情報における走行環境に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、としてもよい。
【0173】
このように、車両情報に基づき車両4の現在の走行環境を推定し、推定した現在の走行環境に基づき、走行環境に関するポリシーに対する適合性の情報を適合情報として生成することで、車両4の現在の状況に応じた適切な適合情報を生成することができる。これにより、車両4の運転者は、例えば、自動走行制御機能を適切な状況下で使用していないかどうかを知ることができる。
【0174】
また、本実施形態の車両用情報処理装置は、前記運用ポリシー取得処理において、前記車両の走行環境に関するポリシーの情報として、降雨に関するポリシーの情報を受信し、前記車両情報取得処理において、前記車両情報として前記車両のワイパーの動作情報を取得し、前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記ワイパーの動作情報に基づき前記車両の周囲の現在の降雨の状態を推定し、推定した現在の降雨の状態に基づき、前記車両の現在の自動走行制御の、前記降雨に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、としてもよい。
【0175】
このように、ワイパーの動作情報に基づき車両4の周囲の現在の降雨の状態を推定し、推定した現在の降雨の状態に基づき、降雨に関するポリシーに対する適合情報を生成することで、車両4の現在の降雨の状況に応じた適切な適合情報を生成することができる。これにより、車両4の運転者は、例えば、自動走行制御機能を適切な天候下で使用していないかどうかを知ることができる。
【0176】
また、本実施形態の車両用情報処理装置は、前記運用ポリシー取得処理において、前記車両の走行環境に関するポリシーの情報として、道路に関するポリシーの情報を受信し、前記車両情報取得処理において、前記車両情報として前記車両の位置情報を取得し、前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記車両の位置情報に基づき前記車両の現在走行中の道路を推定し、推定した現在走行中の道路に基づき、前記車両の現在の自動走行制御の、前記道路に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、としてもよい。
【0177】
このように、車両4の位置情報に基づき車両4の現在走行中の道路を推定し、推定した現在走行中の道路に基づき、道路に関するポリシーに対する適合情報を生成することで、車両4の現在走行中の道路に応じた適切な適合情報を生成することができる。これにより、車両4の運転者は、例えば、自動走行制御機能を適切な道路で使用していないかどうかを知ることができる。
【0178】
また、本実施形態の車両用情報処理装置は、前記運用ポリシー取得処理において、前記運用ポリシー情報として、前記車両の自動走行制御の利用時間に関するポリシーの情報を受信し、前記車両情報取得処理において、前記車両情報として前記車両の制御の利用状況を示す情報を取得し、前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記車両の制御の利用
状況を示す情報に基づき前記車両の自動走行制御の利用時間を推定し、推定した利用時間に基づき、前記車両の自動走行制御の、前記自動走行制御の利用時間に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、としてもよい。
【0179】
このように、車両情報に基づき車両4の自動走行制御の利用時間を推定し、自動走行制御の利用時間に関するポリシーに対する適合情報を生成することで、車両4の自動走行制御機能の利用時間に応じた適切な適合情報を生成することができ、これにより、車両4の運転者は、例えば、自動走行制御機能を適切な時間使用していない可能性を知ることができる。
【0180】
また、本実施形態の車両用情報処理装置は、前記運用ポリシー取得処理において、前記自動走行制御の利用時間に関するポリシーの情報として、前記自動走行制御が利用された時間及び前記自動走行制御が利用されなかった時間の合計時間に対する前記自動走行制御が利用された時間の割合が大きいほど前記自動走行制御の利用時間が長くなるような、前記自動走行制御の利用時間のポリシーの情報を受信し、前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記車両の自動走行制御の、前記自動走行制御の利用時間のポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、としてもよい。
【0181】
このように、自動運転及び手動運転の合計時間における自動運転の割合が大きいほど自動運転を長時間利用できるようなポリシーを利用することで、車両4の運転者は、自動運転及び手動運転を組み合わせた柔軟な安全な運転を行うことができる。
【0182】
また、本実施形態の車両用情報処理装置は、前記運用ポリシー取得処理において、前記運用ポリシー情報として、前記車両の自動走行制御の利用区間に関するポリシーの情報を受信し、前記運用ポリシー適合度判断処理において、前記受信した運用ポリシー情報及び前記取得した車両情報に基づき、前記車両の自動走行制御の利用区間の、前記運用ポリシー情報における前記自動走行制御の利用区間に関するポリシーに対する適合性の情報を、前記適合情報として生成する、としてもよい。
【0183】
このように、車両4の自動走行制御の利用区間に関する運用ポリシー情報に基づき、自動走行制御の利用区間に関するポリシーに対する適合情報を生成することで、車両4の自動走行制御機能の利用区間に応じた適切な適合情報を生成することができる。これにより、車両4の運転者は、例えば、自動走行制御機能を適切な区間で使用していないかどうかを知ることができる。
【0184】
また、本実施形態の運行管理サーバは、前記運用ポリシー送信処理において、前記運用状態受信処理により受信した運用状態情報に基づき、前記車両に対する新たな運用ポリシー情報を生成し、生成した新たな運用ポリシー情報を前記所定の装置に送信する、としてもよい。
【0185】
このように、運行管理サーバ2が、受信した運用状態情報に基づき、車両4に対する新たな運用ポリシー情報を生成して車載処理装置100等に送信することで、車両4の運転者は、修正されたより適切な運行ポリシーに基づき車両4の運転を行うことができる。
【0186】
また、本実施形態の運行管理サーバは、前記運用ポリシー送信処理において、前記車両の運転者の情報を取得し、取得した運転者の情報と、前記受信した運用状態情報とに基づき、前記車両及び前記運転者に対する新たな運用ポリシー情報を生成する、としてもよい。
【0187】
このように、運行管理サーバ2が、車両の運転者の情報と、運用状態情報とに基づき、
車両4及び運転者に対する新たな運用ポリシー情報を生成することで、車両4の種類のみならず運転者の個性に応じた、適切な運用ポリシーを生成することができ、これにより、車両4の運転者は、自身に最適化された運行ポリシーに基づき車両4の運転を行うことができる。
【符号の説明】
【0188】
1 運行管理システム、2 運行管理サーバ、4 車両、100 車載処理装置、150
HMI