(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022065381
(43)【公開日】2022-04-27
(54)【発明の名称】ゲームシステム、サーバシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/497 20140101AFI20220420BHJP
A63F 13/537 20140101ALI20220420BHJP
A63F 13/55 20140101ALI20220420BHJP
A63F 13/833 20140101ALI20220420BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20220420BHJP
【FI】
A63F13/497
A63F13/537
A63F13/55
A63F13/833
A63F13/53
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020173929
(22)【出願日】2020-10-15
(71)【出願人】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸平
(57)【要約】 (修正有)
【課題】煩雑な設定やそのための操作を行うことなく、容易に、過去のゲームにおけるプレイのやり直しやその練習を行うことが可能なゲームシステムなどを提供すること。
【解決手段】リプレイ処理中であってプレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ処理を中断させ、プレーヤの操作入力に応じて当該リプレイ中のゲームに対するリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行開始するための切替タイミングを設定する構成を有している。切替タイミングにおけるゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、切替タイミングからリプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する設定内容決定処理を実行し、設定内容決定処理によって決定された設定内容と、受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームG2として、切替タイミングT2からリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲームを実行するゲームシステムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段と、
前記受け付けた操作入力に応じて、前記プレーヤキャラクタを制御して前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段と、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行するリプレイ処理手段と、
前記リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であって前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ、前記プレーヤの操作入力に応じて前記リプレイ対象ゲームに対する前記ゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定する中断制御手段と、
前記切り替えタイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行する決定処理手段と、
を備え、
前記ゲーム制御手段が、
前記決定処理によって決定された設定内容と、前記切替タイミング後に受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行することを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のゲームシステムにおいて、
前記ゲーム制御手段が、
前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する際には、前記リトライゲームとして、前記リプレイ対象ゲームの切替タイミング前のゲーム制御処理とは異なるゲーム制御処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲームシステムにおいて、
前記ゲーム制御手段が、
前記プレーヤキャラクタが他のキャラクタと対戦する対戦ゲームにおける前記ゲーム制御処理及び前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する場合に、前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況に基づいて、前記リトライゲームとして、前記プレーヤキャラクタの対戦相手となる対戦相手キャラクタの動作を制御する前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記中断制御手段が、
前記切替タイミングとして、前記リプレイ処理を中断させた中断タイミングよりも前に到来するタイミングに設定する、ゲームシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記中断制御手段が、
前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に、前記切替タイミングと、当該切替タイミング後に到来する特定のタイミングを示す特定タイミングと、を設定し、
前記ゲーム制御手段が、
前記リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記特定タイミングまで繰り返して前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記ゲーム制御処理によって実行された各ゲーム及び前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理によって実行されたリトライゲームの成績をそれぞれ特定する成績特定手段と、
前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理が未実行の前記ゲームデータによってリプレイされるリプレイ対象ゲームであるオリジナルゲームの成績と、当該オリジナルゲームと同一のリプレイ対象ゲームにおける前記リトライゲームの成績と、を比較する比較処理を実行する比較手段と、
前記比較処理による比較結果を前記プレーヤに提供する提供手段と、
を更に備えるゲームシステム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記ゲーム制御手段が、
前記リトライゲームとして前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理の実行中に、当該リトライゲームと同じ前記リプレイ対象ゲームにおけるオリジナルゲームの少なくともプレーヤキャラクタを、当該リトライゲームに出現させる前記ゲーム制御処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記リプレイ対象ゲームのゲーム開始時からゲーム終了時までの所与のゲーム要素の変動を視覚化し、前記プレーヤに提供するゲーム要素視覚化手段を更に備え、
前記決定処理手段が、
前記プレーヤに提供されたゲーム要素に基づいて、前記切替タイミングが指示された場合に、当該指示された切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する前記決定処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のゲームシステムにおいて、
前記決定処理手段が、
前記プレーヤの指示に基づいて、前記切替タイミングにおける前記決定処理の対象である設定内容を決定し、又は、前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理中に既に決定された設定内容を変更する設定変更処理を実行する、ゲームシステム。
【請求項10】
プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲームを実行するプログラムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段、
前記受け付けた操作入力に応じて、前記プレーヤキャラクタを制御して前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段、
前記記憶手段に記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行するリプレイ処理手段、
前記リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であって前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ、前記プレーヤの操作入力に応じて前記リプレイ対象ゲームに対する前記ゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定
する中断制御手段、及び、
前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行する決定処理手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記決定処理によって決定された設定内容と、前記受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項11】
プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲームに関する情報を端末装置に提供するサーバシステムであって、
前記端末装置に入力された前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段と、
前記受け付けた操作入力に応じて、前記プレーヤキャラクタを制御して前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段と、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行するリプレイ処理手段と、
前記リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であって前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ、前記プレーヤの操作入力に応じて前記リプレイ対象ゲームに対する前記ゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定する中断制御手段と、
前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行する決定処理手段と、
前記リプレイ処理された情報を含む、前記ゲームの進行に関する情報を前記端末装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記ゲーム制御手段が、
前記決定処理によって決定された設定内容と、前記受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行することを特徴とするサーバシステム。
【請求項12】
プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲームに関する情報を端末装置に提供するプログラムであって、
前記端末装置に入力された前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段、
前記受け付けた操作入力に応じて、前記プレーヤキャラクタを制御して前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段、
前記記憶手段に記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行するリプレイ処理手段、
前記リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であって前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ
、前記プレーヤの操作入力に応じて前記リプレイ対象ゲームに対する前記ゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定する中断制御手段、
前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行する決定処理手段、及び、
前記リプレイ処理された情報を含む、前記ゲームの進行に関する情報を前記端末装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記決定処理によって決定された設定内容と、前記受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、サーバシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オブジェクト空間(仮想的三次元空間)内において、2人のプレーヤの操作により制御される第1及び第2のキャラクタが対戦し格闘するゲームシステムが知られている。
【0003】
特に、このようなゲームシステムにおいては、各プレーヤが有する操作技量の優劣がゲーム結果に大きな影響を与えるとともに、各種の技を繰り出すための操作手順が一般に複雑であり、操作技量に自信がないプレーヤがこの種のゲームを敬遠する1つの要因となっている。
【0004】
そこで、最近では、ゲームキャラクタに種々の動作を行わせるための操作手順を、プレーヤに簡易に修得させるため、練習モードによってプレーヤが操作の練習を行っているとき、所定の発生条件を具備した場合に、そのリプレイされるものも知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の対戦型の格闘ゲーム(以下、「対戦型格闘ゲーム」という。)におけるリプレイを行うゲームシステムにあっては、リプレイによってプレーヤの操作上の課題などを発見することができるものの、種々のゲーム要素が複雑に絡むため、当該練習をしたいとプレーヤが希望するゲーム状況をプレーヤの設定などによっては再現することは難しく、当該課題に対する練習を実行するシステムを構築することが難しい。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、例えば、過去のゲームプレイのやり直し、又は、所定のポイントでの練習などを希望する場合に、煩雑な設定やそのための操作を行うことなく、容易に、過去のゲームにおけるプレイのやり直しやその練習を行うことが可能なゲームシステムなどを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲームを実行するゲームシステムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段と、
前記受け付けた操作入力に応じて、前記プレーヤキャラクタを制御して前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段と、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリ
プレイ処理を実行するリプレイ処理手段と、
前記リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であって前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ、前記プレーヤの操作入力に応じて前記リプレイ対象ゲームに対する前記ゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定する中断制御手段と、
前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行する決定処理手段と、
を備え、
前記ゲーム制御手段が、
前記決定処理によって決定された設定内容と、前記受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、構成を有している。
【0009】
この構成により、本発明は、過去にプレーヤの操作に基づいて実行されたゲーム(すなわち、リプレイ対象ゲーム)のプレイ内容の再現中(すなわち、リプレイ中)に、プレーヤが再操作を希望するタイミング(以下、「希望タイミング」ともいう。)などの所定のタイミングからリプレイ対象ゲームにおけるゲーム状況に基づく設定を反映した上で、プレーヤの新たな操作入力を受け付けることができる。
【0010】
例えば、本発明は、プレーヤの希望タイミングだけでなく、希望タイミングが攻撃中であれば、攻撃開始前若しくはそのシーンやセクションの開始前のタイミングなど、当該希望タイミング前の区切りのタイミングから、プレーヤの操作履歴、プレーヤキャラクタなどの各種オブジェクトの動作内容、各種のオブジェクトの位置又は位置関係、及び、各種のパラメータの値など過去のゲームにおけるゲーム状況を前提に、プレーヤの操作入力に基づくゲームを実行することができる。
【0011】
したがって、本発明は、プレーヤの希望するタイミングから過去のゲームにおけるプレイのやり直し、又は、特定のゲームシーンにおける練習(反復練習を含む。)を、当該プレーヤによる煩雑な設定やそのための操作を行うこと無く、容易に実現することができる。
【0012】
なお、「プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲーム」とは、例えば、プレーヤキャラクタやアバターを使用した対戦ゲーム、音ゲーム、パズルゲーム、及び、レースゲームなどが含まれる。
【0013】
そして、「ゲーム制御処理」には、プレーヤキャラクタの操作制御に基づいてゲームを進行させる制御処理だけでなく、対戦ゲームなどの他のプレーヤの操作指示によって他のプレーヤキャラクタも制御される制御処理、及び、NPCなどの自動演算に基づいて他のプレーヤキャラクタが制御される制御処理などゲームに関する各種の制御処理が含まれる。
【0014】
また、ゲームデータには、例えば、
(A1)プレーヤの操作指示(対戦ゲームなどの複数のプレーヤによって実行される場合には各プレーヤの操作指示)のデータ、
(A2)プレーヤキャラクタ(複数のプレーヤがゲームに参戦する場合には複数のプレーヤキャラクタ)の位置(ゲーム空間内の座標。以下同じ。)・動き(プレーヤキャラクタの各パーツの位置。すなわち、ゲーム空間内の座標以下同じ。)・ステイタスを規定する
ための制御データ、及び、
(A3)ゲームに登場する各キャラクタ(例えば、敵プレーヤキャラクタを含む。)の位置・動き・ステイタスを規定するための制御データ、
(A4)ゲーム空間を構成する各オブジェクトの位置・動き・ステイタスを規定するための制御データ、
が含まれる。ただし、ゲームデータとして「プレーヤの操作指示データ」を用いる場合には、「リプレイ処理」としては、当該データに基づいてゲーム制御処理を実行することによって実現してもよいし、ゲームデータとして各「制御データ」を用いる場合には、これらの制御データに沿って各キャラクタや各オブジェクトの制御することによって「リプレイ処理」を実現してもよいし、これらを組み合わせて「リプレイ処理」を実現してもよい。
【0015】
特に、「ゲームデータ」は、ゲーム開始からゲーム終了までの時系列の一連のデータ群を示すが、ゲーム中の任意の一区間の時系列のデータ群であってもよい。
【0016】
そして、「ゲームデータ」には、リプレイ対象ゲーム操作制御処理によって実行されたリトライゲームのゲームデータであってもよいし、他のプレーヤが実施したゲームのゲームデータであってもよい。
【0017】
さらに、「所与のタイミング」には、例えば、ゲームが開始したタイミングであってもよいし、レベルやステージが変わったタイミングなどのゲーム進行上のタイミング、又は、プレーヤが指示したタイミングなどが含まれる。
【0018】
そして、「リプレイ処理」とは、単に、過去のゲーム内容をゲームデータに基づいて動画のように再生して再現する処理であって、リアルタイムでのプレーヤの操作入力は無く、プレーヤが視聴するためだけの処理を示す。
【0019】
上記に加えて、「特定したゲーム状況に基づいて、切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理」とは、リプレイ中のリプレイ対象ゲームのゲーム状況をそのまま引き継いだ状態で当該リプレイ対象ゲームをリトライゲームとして開始(切り替え)するための各種の内容を決定することを示す。
【0020】
特に、「設定内容」は、特定したゲーム状況そのものを忠実に再現するための設定内容であってもよいし、体力値や制限時間など所定の設定内容を除いた設定内容若しくは一部の設定内容、又は、プレーヤのレベルやアイテム数など所定の設定内容が追加された設定内容など特定したゲーム状況が忠実に再現されていない設定内容であってもよい。
【0021】
例えば、「ゲーム状況」には、
(B1)プレーヤキャラクタを含むゲーム上の各キャラクタの位置(ゲーム空間内における座標)・動作内容(具体的には、キャラクタの各部位の現時点座標と動作後の最終地点の座標)・体力値(現時点の値及び最大値)・経験値・能力値(将来的にロック解除されるものも含む。以下同じ。)などの各キャラクタに設定されたパラメータ(色に関する情報、移動中のオブジェクトの場合には到達する目標の座標、及び、変化中のオブジェクトの場合には最終形態)、
(B2)各キャラクタやプレーヤが取得しているアイテムの種別・アイテム数・アイテムに規定されている能力値などのアイテムに関するパラメータ(色に関する情報、移動中のオブジェクトの場合には到達する目標の座標、及び、変化中のオブジェクトの場合には最終形態)、
(B3)取得したゲーム内通貨・得点・ポイント・成績などのパラメータ、及び、
(B4)ゲーム空間を構成する各オブジェクトの種別・位置・特性などのオブジェクトに関するパラメータ、
が含まれる。
【0022】
そして、「設定内容」は、少なくともゲーム状況に含まれる上記の要素の一部又は全部が含まれる。特に、特定された「ゲーム状況」、又は、決定された「設定内容」は、表示などによってプレーヤに提供されてもよい。
【0023】
また、「リプレイ対象ゲーム操作制御処理」とは、例えば、プレーヤの操作対象のプレーヤキャラクタだけでなく、その他のキャラクタの動作に関する制御、及び、ゲーム空間内の各オブジェクトに関する制御などのゲーム全般の制御を示す。
【0024】
特に、当該リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する場合に、ゲーム(一部の期間であってもよい。)の進行スピードを変化させてもよい。すなわち、リトライゲームにおいては、リプレイ処理やゲーム制御処理が実行されたときの進行スピードをより遅くしてもよい(例えば、0.5倍速)。
【0025】
(2)また、本発明は、
前記ゲーム制御手段が、
前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する際には、前記リトライゲームとして、前記リプレイ対象ゲームの切替タイミング前のゲーム制御処理とは異なるゲーム制御処理を実行する、構成を有している。
【0026】
この構成により、本発明は、例えば、
(C1)登場するキャラクタやオブジェクトの種別・能力・アイテムなどの変更、
(C2)敵キャラクタを含む各種のキャラクタの登場タイミング・登場方法・攻撃タイミング・攻撃方法などの動作タイミングや動作そのものの変更、
(C3)オブジェクトの制御タイミングの変更、及び、
(C4)BGMやインサート画像を含むゲーム環境の変更、
など、切替タイミング後のゲーム制御を切替タイミング前のゲーム制御との制御内容を変更することができる。
【0027】
したがって、本発明は、プレーヤの希望するタイミングから過去のゲームのプレイをやり直す際に、プレーヤの希望に沿った環境でその練習(反復練習を含む。)を行うことができる。
【0028】
なお、「リプレイ対象ゲームの切替タイミング前のゲーム制御処理とは異なるゲーム制御処理」については、例えば、プレーヤの操作に基づいて、又は、プレーヤのレベルなどの属性に基づいて、切替タイミング前のゲーム制御処理との制御内容を変更する。
【0029】
(3)また、本発明は、
前記ゲーム制御手段が、
前記プレーヤキャラクタが他のキャラクタと対戦する対戦ゲームにおける前記ゲーム制御処理及び前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する場合に、前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況に基づいて、前記リトライゲームとして、前記プレーヤキャラクタの対戦相手となる対戦相手キャラクタの動作を制御する前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、構成を有している。
【0030】
この構成により、本発明は、切替タイミング以降は、切替タイミング前より、例えば、対戦相手キャラクタの登場タイミング・登場方法・攻撃タイミング・攻撃方法などの動作
タイミングや動作そのものを変更することができる。
【0031】
したがって、本発明は、プレーヤの希望するタイミングから過去のゲームのプレイをやり直すこと、又は、その練習(反復練習を含む。)に適した制御を行うことができる。
【0032】
(4)また、本発明は、
前記中断制御手段が、
前記切替タイミングとして、前記リプレイ処理を中断させた中断タイミングよりも前に到来するタイミングに設定する、構成を有している。
【0033】
この構成により、本発明は、例えば、中断タイミングとして、攻撃中のタイミングが操作指示された場合には、当該攻撃開始前のタイミング、又は、所与のコマンドの実行中のタイミングが操作指示された場合には、当該コマンドの入力前・当該コマンドの実行開始前・当該コマンド中の特定のタイミングに切替タイミングを設定することができる。
【0034】
したがって、本発明は、中断タイミングを厳密に指示する必要が無く、プレーヤが操作をやり直すために適したタイミングを設定することができるので、プレーヤの操作に対する利便性を向上させることができる。
【0035】
なお、「切替タイミング」としては、中断タイミングの状況に応じて設定することが好ましいが、中断タイミングそのものであってもよい。
【0036】
例えば、「切替タイミング」には、プレーヤが予め指定したタイミング、一律に定められた時間前のタイミング、又は、ゲーム上予め定められたタイミングであってもよい。ただし、このように切替タイミングを設定する場合であっても、そのタイミングが、中断タイミング以降のプレーヤキャラクタの動作を変更することができないタイミング、既に他のイベントが発生しているタイミング、又は、中断タイミングにおけるプレーヤキャラクタの行動に起因するイベントが発生しているタイミングの場合には、さらに、これらのタイミング(例えば、イベントの発生前のタイミング)より前のタイミングを切替タイミングとして設定してもよい。
【0037】
また、当該「切替タイミング」は、複数の中からプレーヤによって選択されてもよく、例えば、プレーヤの指示に基づいて、リプレイ対象ゲームにおいて検出された複数のタイミング(コマンドの入力前、当該コマンドの実行開始前及び当該コマンド中の特定のタイミング)から1のタイミングが選択されてもよい。ただし、この場合には、単に選択肢をプレーヤに提示してもよいし、選択肢をそれぞれ画像表示(サムネイル表示や時系列なコマ送り表示など)をすることによってプレーヤに提示してもよい。
【0038】
(5)また、本発明は、
前記中断制御手段が、
前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に、前記切替タイミングと、当該切替タイミング後に到来する特定のタイミングを示す特定タイミングと、を設定し、
前記ゲーム制御手段が、
前記リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記特定タイミングまで繰り返して前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、構成を有している。
【0039】
この構成により、本発明は、例えば、レースゲームやシューティングゲームなどにおける所定の区間や所定の期間のリプレ対象ゲームを繰り返し実行させることができるので、プレーヤの苦手の区間や期間を集中的に練習させることができる。
【0040】
なお、「特定タイミング」とは、例えば、プレーヤの操作入力によって指定されたタイミング、切替タイミングから30秒後など予め所定の期間経過したタイミング、又は、制限時間などの時間的な区切りやゲーム上において設定された区切りによって定められたタイミングなどを示す。
【0041】
特に、ゲーム上において設定された区切りとは、例えば、ゲームが複数のステージから構成されている場合には切替タイミング後に最初に終了するステージまでの区切り、及び、ゲーム上においてプレーヤキャラクタが進行する経路上に予め設定された地点までの区切り(すなわち、特定の区間)を示す。
【0042】
また、「繰り返して・・・・実行する」とは、特定タイミングが到来したら自動的に切替タイミングに移行してリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行してもよいし、特定タイミングが到来し、かつ、例えば、繰り返し実行指示などのプレーヤの所定の操作入力、又は、10秒間などの一定の時間経過後に切替タイミングに移行してリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行してもよい。
【0043】
(6)また、本発明は、
前記ゲーム制御処理によって実行された各ゲーム及び前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理によって実行されたリトライゲームの成績をそれぞれ特定する成績特定手段と、
前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理が未実行の前記ゲームデータによってリプレイされるリプレイ対象ゲームであるオリジナルゲームの成績と、当該オリジナルゲームと同一のリプレイ対象ゲームにおける前記リトライゲームの成績と、を比較する比較処理を実行する比較手段と、
前記比較処理による比較結果を前記プレーヤに提供する提供手段と、
を更に備える、構成を有している。
【0044】
この構成により、本発明は、リトライゲームオリジナルゲームと比較することによって、リトライゲームにおける操作能力(すなわち、成績向上などに伴う操作能力)をプレーヤに目に見える形で提示することができるので、プレーヤの上達度合いやその進度を認識させてゲームに対する興趣性を向上させることができる。
【0045】
なお、「比較処理」にはは、例えば、
(D1)リトライゲーム及びオリジナルゲームのゲーム開始からゲーム終了までのそれぞれのゲーム全体の成績、
(D2)リトライゲームとオリジナルゲームそれぞれの切替タイミングからゲーム終了やステージ終了などの所定のタイミングまでの期間における成績、又は、
(D3)切替タイミングにおける地点やエリアからゲーム空間上に予め設けられた地点やエリアまでの同一区間における成績、
を比較する処理が含まれる。ただし、(D2)における期間は、原則、同一期間長であることが好ましいが、リトライゲームが順調に進みゲーム終了タイミングがオリジナルゲームよりも長くなった場合などであっても、ステージやセクションの終了タイミング又は所定のタスクをクリアしたタイミングなどの終了タイミングが同じタイミングであれば同一期間長でなくてもよい。
【0046】
また、「成績」には、最終的な成績(すなわち、ゲーム結果)、及び、所定のタイミングにおける成績(ラップタイムなどの所定の区間の成績や中間成績)を含み、例えば、対戦成績(勝率・勝数や負数・戦闘ゲームにおけるキル数)、ヒットポイント(攻撃できた回数や攻撃によって敵キャラクタに与えたポイント)や倒した敵キャラクタの数(撃墜した敵キャラクタの数)、得点、タイム(ミッションやタスクのクリアまでの時間若しくはスタートからゴールや所定の地点までのタイム)、及び、獲得した報酬(アイテム、ポイ
ント若しくはゲーム内通貨)などが含まれる。
【0047】
(7)また、本発明は、
前記ゲーム制御手段が、
前記リトライゲームとして前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理の実行中に、当該リトライゲームと同じ前記リプレイ対象ゲームにおけるオリジナルゲームの少なくともプレーヤキャラクタを、当該リトライゲームに出現させる前記ゲーム制御処理を実行する、構成を有している。
【0048】
この構成により、本発明は、リトライゲームの実行中にオリジナルゲームとの違いを視覚的に認識させることができるので、リトライゲームにおける有用な練習を行うことができる。
【0049】
(8)また、本発明は、
前記リプレイ対象ゲームのゲーム開始時からゲーム終了時までの所与のゲーム要素の変動を視覚化し、前記プレーヤに提供するゲーム要素視覚化手段を更に備え、
前記決定処理手段が、
前記プレーヤに提供されたゲーム要素に基づいて、前記切替タイミングが指示された場合に、当該指示された切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する前記決定処理を実行する、構成を有している。
【0050】
この構成により、本発明は、例えば、時間軸に沿って、又は、ゲーム空間内の距離の軸に沿って、ゲーム要素として敵キャラクタに与えた与ダメージの量や当該敵キャラクタから受けた被ダメージの量などのゲーム要素を示すパラメータを用いてゲームの開始から終了までのゲーム要素の時間的又は距離的な変化やゲーム要素の割合などを可視化することができる。
【0051】
したがって、本発明は、ゲーム要素の変化からプレーヤキャラクタが敗退した要因(敗退に直結したシーン)をプレーヤに検討させることができるとともに、当該敗退した要因のシーンの冒頭を切替タイミングとして設定すれば、当該敗退した要因について重点的にリトライゲームとして練習することができる。
【0052】
なお、「ゲーム要素」には、例えば、
(E1)プレーヤキャラクタが敵キャラクタに与えた与ダメージや当該プレーヤキャラクタが受けた被ダメージ、
(E2)プレーヤキャラクタの体力値・ライフエネルギー値・ポイントなどのゲームオーバやゲームの進行に直結する要素、
(E3)攻撃時に繰り出した技の数・攻撃回数・攻撃におけるヒット回数などの攻撃時の要素、
(E4)防御回数・防御時に受けた攻撃回数などの防御時の要素、
(E5)アイテムの所持数や使用回数、
(E6)加速回数・減速回数・平均スピード・スピードの変異などの移動に関する要素、及び、
(E7)連続攻撃回数や音ゲームなどの連続タスクをクリアするゲームにおけるタスクの連続クリア回数やミスした回数などのコンボやミスに関する要素、
が含まれる。
【0053】
また、「所与のゲーム要素の変動を時間軸に沿って視覚化する」とは、例えば、円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、帯グラフ、レーダーチャート又は散布図などのグラフ化す
ることを示す。ただし、円グラフなどのグラフ自体に時間軸を持たないグラフについては、所定期間間毎のグラフを生成し、所定期間毎のグラフの変化によってプレーヤにゲームの開始から終了までのゲーム要素の変化を可視化させる。
【0054】
(9)また、本発明は、
前記決定処理手段が、
前記プレーヤの指示に基づいて、前記切替タイミングにおける前記決定処理の対象である設定内容を決定し、又は、前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理中に既に決定された設定内容を変更する設定変更処理を実行する、構成を有している。
【0055】
この構成により、本発明は、切替タイミングからオリジナルゲームとは異なる設定によってゲームを進行させること、又は、リトライゲームの実行中にオリジナルゲームとは異なる設定によってゲームを進行させることができる。
【0056】
したがって、本発明は、オリジナルゲームに対して新たな観点からのゲームを実現させることができるとともに、当該ゲームに関する興趣性を維持又は向上させることができる。
【0057】
なお、設定変更処理の対象の設定内容とは、例えば、
(F1)プレーヤキャラクタや敵キャラクタを含む各キャラクタのゲーム空間内の位置、(F2)各キャラクタの種別、
(F3)アイテムなどのプレーヤキャラクタに装備されているアイテムの種別や数、
(F4)ゲームステージやクエストの変更、及び、
(F5)爆発の有無やゲームステージの変化(例えば、対戦中の床が壊れるなど)の発生などゲーム空間内におけるイベントの発生やその中止、
が含まれる。
【0058】
(10)また、上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲームを実行するプログラムであって、
前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段、
前記受け付けた操作入力に応じて、前記プレーヤキャラクタを制御して前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段、
前記記憶手段に記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行するリプレイ処理手段、
前記リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であって前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ、前記プレーヤの操作入力に応じて前記リプレイ対象ゲームに対する前記ゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定する中断制御手段、及び、
前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行する決定処理手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記決定処理によって決定された設定内容と、前記受け付けられたプレーヤの操作入
力と、に基づいて、リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、構成を有している。
【0059】
この構成により、本発明は、過去にプレーヤの操作に基づいて実行されたゲーム(リプレイ対象ゲーム)のプレイ内容の再現中(すなわち、リプレイ中)に、プレーヤが再操作を希望する希望タイミングなどの所定のタイミングからリプレイ対象ゲームにおけるゲーム状況に基づく設定を反映した上で、プレーヤの新たな操作入力を受け付けることができる。
【0060】
したがって、本発明は、プレーヤの希望するタイミングから過去のゲームにおけるプレイのやり直し、又は、特定のゲームシーンにおける練習(反復練習を含む。)を、当該プレーヤによる煩雑な設定やそのための操作を行うこと無く、容易に実現することができる。
【0061】
(11)また、上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲームに関する情報を端末装置に提供するサーバシステムであって、
前記端末装置に入力された前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段と、
前記受け付けた操作入力に応じて、前記プレーヤキャラクタを制御して前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段と、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段と、
前記記憶手段に記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行するリプレイ処理手段と、
前記リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であって前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ、前記プレーヤの操作入力に応じて前記リプレイ対象ゲームに対する前記ゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定する中断制御手段と、
前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行する決定処理手段と、
前記リプレイ処理された情報を含む、前記ゲームの進行に関する情報を前記端末装置に提供する提供手段と、
を備え、
前記ゲーム制御手段が、
前記決定処理によって決定された設定内容と、前記受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、構成を有している。
【0062】
この構成により、本発明は、過去にプレーヤの操作に基づいて実行されたゲーム(リプレイ対象ゲーム)のプレイ内容の再現中(すなわち、リプレイ中)に、プレーヤが再操作を希望する希望タイミングなどの所定のタイミングからリプレイ対象ゲームにおけるゲーム状況に基づく設定を反映した上で、プレーヤの新たな操作入力を受け付けることができる。
【0063】
したがって、本発明は、プレーヤの希望するタイミングから過去のゲームにおけるプレイのやり直し、又は、特定のゲームシーンにおける練習(反復練習を含む。)を、当該プ
レーヤによる煩雑な設定やそのための操作を行うこと無く、容易に実現することができる。
【0064】
(12)また、上記課題を解決するため、本発明は、
プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタを用いたゲームに関する情報を端末装置に提供するプログラムであって、
前記端末装置に入力された前記プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理手段、
前記受け付けた操作入力に応じて、前記プレーヤキャラクタを制御して前記ゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行するゲーム制御手段、
前記ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶手段に記憶する記憶制御手段、
前記記憶手段に記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行するリプレイ処理手段、
前記リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であって前記プレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ、前記プレーヤの操作入力に応じて前記リプレイ対象ゲームに対する前記ゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定する中断制御手段、
前記切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行する決定処理手段、及び、
前記リプレイ処理された情報を含む、前記ゲームの進行に関する情報を前記端末装置に提供する提供手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記決定処理によって決定された設定内容と、前記受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームとして、前記切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、構成を有している。
【0065】
この構成により、本発明は、過去にプレーヤの操作に基づいて実行されたゲーム(リプレイ対象ゲーム)のプレイ内容の再現中(すなわち、リプレイ中)に、プレーヤが再操作を希望する希望タイミングなどの所定のタイミングからリプレイ対象ゲームにおけるゲーム状況に基づく設定を反映した上で、プレーヤの新たな操作入力を受け付けることができる。
【0066】
したがって、本発明は、プレーヤの希望するタイミングから過去のゲームにおけるプレイのやり直し、又は、特定のゲームシーンにおける練習(反復練習を含む。)を、当該プレーヤによる煩雑な設定やそのための操作を行うこと無く、容易に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】一実施形態のゲームシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】一本実施形態のゲーム装置本体の機能ブロック図の一例を示す図である。
【
図3】一実施形態のリプレイ対象ゲームにおけるリプレイ処理とリトライゲームとしてのリプレイ対象ゲーム操作制御処理とを比較して説明するための図である。
【
図4】一実施形態のゲームデータ(リプレイデータ)の例を示す図(その1)である。
【
図5】一実施形態のゲームデータ(リプレイデータ)の例を示す図(その2)である。
【
図6】一実施形態の切替タイミング設定処理の基本原理を説明するための図(その1)である。
【
図7】一実施形態の切替タイミング設定処理の基本原理を説明するための図(その2)である。
【
図8】一実施形態の切替タイミング設定処理の応用例を説明するための図(その1)である。
【
図9】一実施形態の切替タイミング設定処理の応用例を説明するための図(その2)である。
【
図10】一実施形態の切替タイミング設定処理の応用例を説明するための図(その3)である。
【
図11】一実施形態のリプライ対象ゲーム操作制御処理を説明するための図である。
【
図12】一実施形態の切替タイミングから所定のタイミングまでの期間を繰り返し実行する繰り返し練習モードを説明するための図である。
【
図13】一実施形態のゴースト表示を説明するための図である。
【
図14】一実施形態のゲームシステムを店舗型ゲームシステムに適用した場合の例を示す図であり、その外観構成図である。
【
図15】一実施形態のゲームシステムをネットワークを用いたサーバシステムに適用した場合のシステム構成の一例を示す図である。
【
図16】一実施形態のゲームシステムによって実行されるリトライゲームの実行を含むリプレイ処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0069】
[1]ゲームシステムの概要構成
まず、
図1を用いて本実施形態のゲームシステムSの概要及び概要構成について説明する。なお、
図1は、本実施形態のゲームシステムSの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0070】
本実施形態のゲームシステムSは、所与のゲーム空間(オブジェクト空間)内で、第1のプレーヤの操作により制御される第1のキャラクタと、第2のプレーヤの操作により制御される第2のキャラクタとが対戦する格闘ゲームを行うゲームシステムとして構成される。
【0071】
具体的には、本実施形態のゲームシステムSは、プレーヤによって操作される1以上のコントローラ30と、ゲーム処理を行うゲーム装置本体10と、ゲーム画像を表示させるディスプレイ40とを含む。
【0072】
そして、ゲームシステムSは、プレーヤにディスプレイ40に表示されたゲーム画面を見ながら、格闘対戦ゲームを興趣させるため、情報記憶媒体であるメモリから読み出したゲームプログラムやゲームデータ、又は、コントローラ30から入力される操作信号等に基づいて、格闘ゲームを実行する構成を有している。
【0073】
例えば、ゲームシステムSは、プレーヤによって操作されたコントローラ30に形成されているジョイスティック32、十字キー33や各種のボタンに基づく操作入力を受け付けると、技の種類や技を繰り出すタイミングの入力等の種々のゲーム操作を行ってプレーヤキャラクタを動かし、他のプレーヤ(当該ゲームシステムSに接続された他のコントローラ30Bへの操作入力を行うプレーヤやネットワークNを介して接続された他のゲームシステムSを操作するプレーヤ)との対戦、又は、CPUによって制御されるキャラクタ
(NPC)とのコンピュータ対戦を実行する構成を有している。
【0074】
なお、本実施形態では、コントローラ30とゲーム装置本体10とは無線通信により情報の送受信を行っているが、例えば、コントローラ30とゲーム装置本体10とを通信ケーブルで接続し、当該通信ケーブルを介して情報の送受信を行うようにしてもよい。
【0075】
ゲーム装置本体10は、コントローラ30を介してプレーヤ(複数のコントローラ30が接続されている場合には複数のプレーヤ)の操作入力に基づいてゲーム処理を実行し、その処理結果に基づいて、ディスプレイ40に種々のゲーム画像を表示させるとともに、スピーカ(図示省略)にゲーム中のBGMなどの各種の音声を出力させる。
【0076】
コントローラ30は、前面に、ジョイスティック32、十字キー33、及び、全面に形成された複数のボタン34、36、37、38を備えて構成されている。
【0077】
例えば、右手ボタン34は、「右パンチ」、左手ボタン36は、「左パンチ」、右足ボタン37は、「右キック」、及び、左足ボタン38は、「左キック」の操作入力を行うための入力部である。
【0078】
また、コントローラ30は、複数のボタンによってプレーヤの操作が同時入力された場合には、又は、十字キー33の押し下げられた方向(斜め方向及びニュートラルを含む。)とボタンの組み合わせによってプレーヤの操作が入力された場合には、特別な操作入力として認識することも可能な構成を有している。
【0079】
なお、コントローラ30は、上記の他に、側面などに複数のボタン(図示せず)を有している。
【0080】
また、コントローラ30は、上記の他に、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、及び、加速度センサなどによって構成されていてもよい。
【0081】
[2]ゲーム装置本体
次に、
図2を用いて本実施形態のゲーム装置本体10の構成について説明する。なお、
図2は、本実施形態のゲーム装置本体10の機能ブロック図の一例を示す図である。また、本実施形態のゲーム装置本体10は、
図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0082】
カード・リードライト部162は、処理部100の制御によってゲームカードからのデータの読み出し、書き込みを行う。
【0083】
記憶部170は、予め定義されたプログラムやデータを記憶するとともに、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、処理部100が各種プログラムに従って実行した演算結果やコントローラ160から入力される入力データ等を一時的に記憶する。その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。
【0084】
特に、記憶部170は、主記憶部172、及び、画像バッファ176を含んで構成され、処理部100にゲームシステムSを統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラム、対戦型格闘ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、及び、各種データ等を記憶する。
【0085】
具体的には、記憶部170には、予め用意されるデータとして、キャラクタ設定データと、ステージ設定データと、仮想カメラ設定用の各種のデータ(以下、「仮想カメラ設定
データ」という。)と、が記憶されている。
【0086】
また、ゲームの進行に係る処理を実行するに当たり必要となる情報として、例えば仮想カメラを制御するための画角・視線方向・姿勢情報などのデータ、各種制限時間のカウントデータなどが適宜記憶される。
【0087】
キャラクタ設定データには、対戦ゲームで使用するキャラクタのモデルデータやテクスチャデータ、モーションデータなどキャラクタの表示や動作制御に必要な基本情報がキャラクタ毎に対応付けて格納されている。
【0088】
ステージ設定データには、対戦する舞台となるステージを三次元仮想空間内に形成するためのモデルデータやテクスチャデータなどの情報がステージ毎に格納されている。
【0089】
仮想カメラ設定データには、ゲーム空間を撮影する仮想カメラの標準設定が格納されている。例えば、仮想カメラの位置、画角、移動経路、移動速度、回転方向や回転速度、ズームの変化などが設定されている。
【0090】
一方、記憶部170には、過去に実施したゲームの内容をプレーヤにリプレイとして視聴させるため、プレーヤによって対戦格闘ゲームが実行された際の当該プレーヤの操作入力データ、プレーヤの操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御して対戦型格闘ゲームの進行を制御する処理(以下、「ゲーム制御処理」という。)によって実行された各種のデータ、また、双方データを、ゲーム毎に、リプレイ用のゲームデータとして、記憶される。
【0091】
なお、本実施形態においては、リプレイ用のゲームデータは、リプレイ用として用いるだけでなく、リプレイ中のゲーム(以下、「リプレイ対象ゲーム」という。)のゲーム状況を特定し、リプレイするための処理(以下、「リプレイ処理」ともいう。)を中断し、かつ、所定のタイミングからプレーヤの操作入力に基づいてリプレイ対象ゲーム(以下、「リトライゲーム」ともいう。)を実行させる際にも用いられる。
【0092】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0093】
情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。
【0094】
なお、情報記憶媒体180は、記憶部170と同様に、記憶部170に代えて、又は、当該記憶部170とともに、処理部100にゲームシステムSを統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラム、対戦型格闘ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、及び、各種データ等を記憶してもよい。
【0095】
表示部190は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
図1のディスプレイ40がこれに相当する。
【0096】
音出力部192は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0097】
通信部196は、外部(例えば、ネットワークNを介して他のゲームシステムSやスマホなどの通信端端末装置などの端末装置やサーバ装置1)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0098】
なお、サーバ装置1が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体180や記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0099】
一方、通信部196は、1以上のコントローラ30との間で通信(例えば、近距離無線)を行うための各種の制御を実行する。
【0100】
具体的には、通信部196は、アンテナ、無線モジュールを含み、例えばBluetooth(ブルートゥース;登録商標)の技術を用いて、1以上のコントローラ30とデータを送受信する。
【0101】
例えば、通信部196は、確認音及び効果音等の音データ、及び、振動信号を、コントローラ30に送信し、コントローラ30において、加速度センサや操作入力によって検出された情報(加速度ベクトル値など)を、4msec、6msecの交互の間隔で受信する。
【0102】
処理部100(プロセッサ)は、コントローラ30、カード・リードライト部162からの入力データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、及び、音生成処理などの処理を行う。
【0103】
特に、処理部100は、記憶部170内の主記憶部172をワーク領域として各種処理を行う。また、処理部100は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現し、各種の機能を実行する。
【0104】
そして、処理部100は、記憶部170や情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理、又は、格闘ゲームのための各種機能を実現させる構成を有している。
【0105】
具体的には、処理部100は、通信制御部110、オブジェクト空間設定部111、移動・動作制御部112、操作入力受付処理部113、ゲーム制御部114、リプレイデータ管理部115、リプレイ処理部116、リトライゲーム設定部117、表示制御部118、仮想カメラ制御部119、描画部120、音処理部130を含む。なお、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0106】
なお、本実施形態の操作入力受付処理部113は、本発明の受付処理手段を構成し、ゲーム制御部114は、本発明のゲーム制御手段及びゲーム要素視覚化手段を構成する。また、本実施形態のリプレイデータ管理部115は、本発明の記憶制御手段を構成し、リプレイ処理部116は、本発明のリプレイ手段を構成する。さらに、本実施形態のリトライゲーム設定部117は、本発明の切替タイミング設定処理及び決定処理手段を構成する。
【0107】
通信制御部110は、サーバ装置1や他のゲームシステムなどの端末装置とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。
【0108】
特に、通信制御部110は、サーバ装置1から受信した情報に基づいて対戦ゲームを実行する場合に、又は、ネットワークを介して他のプレーヤと対戦する場合に、サーバ装置1や他の端末装置から送信された各種の情報を受信する処理、及び、サーバ装置1や他の端末装置に送信するする処理を実行する。
【0109】
なお、本実施形態のゲームシステムSでは、通信制御で必要となるネットワーク情報をサーバから取得し、管理する処理等を行うようにしてもよい。
【0110】
例えば、ゲームシステムSは、各ゲームシステムに個別に付与される端末装置用の識別情報(オンラインゲームに参加できる端末を識別するために個別に付与されたデータ、ID)と、各ゲームシステムSの識別情報に対応付けられたパケットの送信先を指定する宛先情報(IPアドレスなど)とを取得し、管理する処理を行うようにしてもよい。
【0111】
具体的には、通信制御部110は、他の端末装置又はサーバ装置1に送信するパケットを生成する処理、パケット送信先の端末装置やサーバ装置1のIPアドレスやポート番号を指定する処理、受信したパケットに含まれるデータを記憶部170に保存する処理、受信したパケットを解析する処理、その他のパケットの送受信に関する制御処理等を行う。
【0112】
また、通信制御部110は、複数の他のゲームシステムSと、又は、サーバ装置1と、通信接続が確立されてから当該通信接続が切断されるまで、データを所定周期(例えば、1秒周期で)互いに送受信する処理を行う。
【0113】
さらに、通信制御部110は、複数のゲームシステムSなどの端末装置によって構成されるネットワークシステムの場合は、複数の端末装置間でデータの送受信を行いながらオンラインゲームを実行するピア・ツー・ピア(いわゆるP2P)方式によって通信制御を実行してもよいし、サーバ装置1を介して各端末装置がデータ(情報)の送受信を行いながらオンラインゲームを実行するクライアント・サーバ方式によって通信制御を実行してもよい。
【0114】
なお、本実施形態のネットワークシステムでは、有線通信のみならず無線通信でデータを送受信してもよい。
【0115】
一方、通信制御部110は、コントローラ30からの入力情報を取得する処理を行う。例えば、プレーヤキャラクタを制御するための指示及びリプレイ指示などの各プレーヤにおけるゲームに対する各種の操作入力を受信する。
【0116】
オブジェクト空間設定部111は、オブジェクトをオブジェクト空間(仮想的三次元空間)に配置する処理を行う。例えば、仮想三次元仮想空間中にゲーム空間(例えば、キャラクタが格闘を繰り広げるためのステージ)を形成する処理を行う。キャラクタの他に、建物、球場、車、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を、オブジェクト空間に配置する処理を行う。ここでオブジェクト空間とは、仮想的なゲーム空間であり、例えば、ワールド座標系、仮想カメラ座標系のように、三次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0117】
例えば、オブジェクト空間設定部111は、ワールド座標系にオブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)を配置する。また、例えば、ワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0118】
オブジェクト空間設定部111は、スクリーン(二次元画像、画面、スクリーン座標系)上に、特殊コマンドの入力指示オブジェクト、マーカーなどの指示オブジェクトを配置する処理を行うようにしてもよい。また、オブジェクト空間設定部111は、オブジェクト空間(三次元空間、ワールド座標系、仮想カメラ座標系、モデル座標系)に、指示オブジェクトを配置するようにしてもよい。
【0119】
移動・動作制御部112は、オブジェクト空間にあるオブジェクトの移動・動作演算を行う。すなわちコントローラ160から受け付けた入力情報や、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、オブジェクトをオブジェクト空間内で移動させたり、オブジェクトを動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。
【0120】
移動・動作制御部112は、オブジェクト空間において、主要なオブジェクトであるキャラクタオブジェクト(キャラクタ)の挙動を制御する。
【0121】
具体的には、移動・動作制御部112は、コントローラ160への操作入力に基づく操作コード及び対戦相手のゲームシステムSから取得した操作コード、選択指示のデータをもとに自機及び対戦相手のキャラクタの動作を制御する処理、特定の条件を満たした場合にエフェクトを表示する処理、攻撃技のヒット判定処理及びそのダメージ処理などを行う。
【0122】
また、移動・動作制御部112は、係る処理を1フレーム(例えば、1/60秒)毎に行う。なお、フレームは、オブジェクトの移動・動作処理や画像生成処理を行う時間の単位である。
【0123】
操作入力受付処理部113は、プレーヤによってコントローラ160に入力された入力情報に基づいて、操作指示コマンドの認識処理を行う。
【0124】
具体的には、本実施形態の操作入力受付処理部113は、入力部260によって入力されたボタンの種別や押し下げ回数、レバーの指示方向、ボタンの押し下げタイミングとレバーの指示タイミング、及び、これらの組み合わせに基づいて、プレーヤによって入力された操作指示コマンドを認識する。
【0125】
例えば、操作入力受付処理部113は、右手ボタン34の押し下げを検出した場合に、「右パンチ」としての操作入力を受け付け、左手ボタン36の押し下げを検出した場合には、「左パンチ」としての操作入力を受け付ける。
【0126】
また、例えば、操作入力受付処理部113は、右足ボタン37の押し下げを検出した場合には「右キック」としての操作入力を受け付け、左足ボタン38の押し下げを検出した場合には、「左キック」の操作入力を受け付ける。
【0127】
一方、操作入力受付処理部113は、複数のボタンによってプレーヤの操作が同時入力された場合には、又は、ジョイスティック32の傾斜角度と各ボタンの組み合わせによってプレーヤの操作が入力された場合には、特別な操作入力として認識する。
【0128】
例えば、操作入力受付処理部113は、ボタンの入力と組み合わせてプレーヤキャラクタが前進する方向にジョイスティック32を傾斜させた操作を検出した場合には、プレーヤキャラクタによる種々の攻撃動作の操作入力を受け付ける。
【0129】
また、例えば、操作入力受付処理部113は、ボタンの入力と組み合わせてプレーヤキャラクタが後退する方向にジョイスティック32を傾斜させた操作を検出した場合には、種々の防御動作の操作入力を受け付ける。
【0130】
特に、操作入力受付処理部113は、例えば、左手ボタン36、右手ボタン34、左手ボタン36、右手ボタン34という順にボタンの押し下げを検出すると(又は、これに加えてジョイスティック32を右方向に倒すことを検出すると)、実際にゲーム画面上のプレーヤキャラクタが左手、右手、左手、右手を動かした後(又は、これに加えて右方向に歩行した後)、特殊技を繰り出すという動作のための操作入力を受け付けるなど、リアル感を高めるための操作入力を受け付けることができるようになっている。
【0131】
また、操作入力受付処理部113は、例えば、左手ボタン36を押した直後に、右足ボタン37の押し下げを検出すると、プレーヤキャラクタは左手でジャブを出した後、左キックを繰り出すという連続動作を行うための操作入力を受け付ける。
【0132】
なお、操作入力受付処理部113は、コントローラ160によって認識された操作指示コマンドを受信してもよい。
【0133】
ゲーム制御部114は、対戦型格闘ゲームの進行に係る処理を実行する。例えば、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理(以下、「ゲーム開始処理」ともいう。)、プレーヤの操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御して対戦型格闘ゲームの進行を制御するゲーム制御処理、ゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理(以下、「ゲーム終了処理」ともいう。)、最終ステージをクリアした場合にはエンディングを進行させる処理などがある。
【0134】
また、ゲーム制御部114は、既にゲームとして実行されて記憶部170に記憶されているリプレイ用のゲームデータに基づいてリプレイ処理が実行されている際に、プレーヤの操作に基づいて、当該プレーヤの操作入力に応じてリプレイ対象ゲームにおけるゲーム制御処理(以下、「リプレイ対象ゲーム操作制御処理」ともいう。)を実行する。
【0135】
リプレイデータ管理部115は、プレーヤの操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御してゲームの進行を制御するゲーム制御処理が実行された際のプレーヤの操作入力指示のデータ(すなわち、操作入力データ)、ゲーム制御処理によって実行された各種のデータ(以下、「ゲーム制御データ」という。)、又は、これら双方データをゲーム毎にリプレイ用のゲームデータ(以下、「リプレイデータ」ともいう。)として記憶部170に記憶する。
【0136】
また、リプレイデータ管理部115は、記憶部170に記憶されたリプレイデータに基づいてリプレイ処理が実行される際に、当該記憶されているリプレイデータをリプレイ処理部116に提供する。
【0137】
なお、リプレイデータ管理部115は、リトライゲームの実行中に当該リトライデータの操作入力データ及びゲーム制御データを、リプレイ対象ゲームに対応付けて、記憶部170に記憶してもよい。
【0138】
リプレイ処理部116は、リプレイデータ管理部115を介して記憶部170に記憶されているリプレイデータを読み出し、当該読み出したリプレイデータに従って、ゲーム開始タイミングやプレーヤが指示したゲーム中のタイミングなどの所与のタイミングからリプレイ対象ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行する。
【0139】
リトライゲーム設定部117は、リプレイ処理されているリプレイ対象ゲームのゲーム状況に基づきつつ、プレーヤの操作に基づいて、リトライゲームとして、所定のタイミングからゲーム制御処理(すなわち、リプレイ対象ゲーム操作制御処理)するための各種の設定を行う。
【0140】
表示制御部118は、表示部190に表示出力される表示物(オブジェクト)の表示制御を行う。
【0141】
具体的には、表示制御部118は、表示物(ゲームキャラクタ、背景、標的、車、ボール、アイテム、建物、樹木、柱、壁、マップ)を発生させたり、表示物の表示位置を指示したり、表示物を消滅させたりするなどの表示制御を行う。
【0142】
すなわち、表示制御部118は、発生した表示物を表示物リストに登録したり、表示物リストを描画部120等に転送したり、消滅した表示物を表示物リストから削除したりするなどの表示制御を行う。
【0143】
また、表示制御部118は、プレーヤキャラクタのなどのゲームキャラクタを移動させたり動作させたりするアニメーション処理を行う。
【0144】
アニメーション処理としては、ゲームフィールド(2次元又は3次元のゲーム空間)でゲームキャラクタ(2次元データ又は3次元データで定義される表示物)を移動させるための処理を行うことができる。
【0145】
具体的には、表示制御部118は、プレーヤが入力した入力データや、プログラム(移動アルゴリズム)や、各種データなどに基づいて、表示物を移動させるアニメーション処理を行う。
【0146】
例えば、表示制御部118は、表示物の移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求める処理を行う。
【0147】
仮想カメラ制御部119は、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行う。
【0148】
具体的には、仮想カメラ制御部119は、三次元の画像を生成する場合には、ワールド座標系における仮想カメラの位置(X、Y、Z)、回転角度(例えば、X、Y、Z軸の各軸の正方向からみて時計回りに回る場合における回転角度)を制御する処理を行う。
【0149】
すなわち、仮想カメラ制御部119は、仮想カメラの視点位置、視線方向、画角、移動方向、移動速度の少なくとも1つを制御する処理を行う。
【0150】
描画部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部190に出力する。
【0151】
すなわち、描画部120は、オブジェクト空間において、仮想カメラから見える画像を生成する。
【0152】
例えば、描画部120は、オブジェクト(モデル)の各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理(頂点シェーダによるシェーディング)が行われる。なお頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーショ
ン、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0153】
頂点処理では、頂点処理プログラム(頂点シェーダプログラム、第1のシェーダプログラム)に従って、頂点の移動処理や、座標変換、例えばワールド座標変換、視野変換(カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換(投影変換)、ビューポート変換等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。
【0154】
そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そして、ラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(ピクセルシェーダによるシェーディング、フラグメント処理)が行われる。
【0155】
ピクセル処理では、ピクセル処理プログラム(ピクセルシェーダプログラム、第2のシェーダプログラム)に従って、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を画像バッファ176(ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM、レンダリングターゲット、フレームバッファ)に出力(描画)する。
【0156】
すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。これにより、オブジェクト空間内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。
【0157】
なお、頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセルシェーダ)により実現される。
【0158】
プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、従来のハードウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0159】
そして描画部120は、オブジェクトを描画する際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング、隠面消去処理、αブレンディング等を行う。
【0160】
ジオメトリ処理では、オブジェクトに対して、座標変換、クリッピング処理、透視投影変換、或いは光源計算等の処理が行われる。そして、ジオメトリ処理後(透視投影変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)は、記憶部170に保存される。
【0161】
テクスチャマッピングは、記憶部170に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングするための処理である。
【0162】
具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部170からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出す。そして、二次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
【0163】
隠面消去処理としては、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行うことができる。
【0164】
すなわち、オブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファに格納されるZ値を参照する。そして参照されたZバッファのZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラから見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファのZ値を新たなZ値に更新する。
【0165】
αブレンディング(α合成)は、α値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、加算αブレンディング又は減算αブレンディング等)のことである。
【0166】
例えば、αブレンディングでは、これから画像バッファ176に描画する描画色(上書きする色)C1と、既に画像バッファ176(レンダリングターゲット)に描画されている描画色(下地の色)C2とを、α値に基づいて線形合成処理を行う。つまり、最終的な描画色をCとすると、C=C1*α+C2*(1-α)によって求めることができる。
【0167】
なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
【0168】
また、描画部120は、他の端末(第2の端末)とネットワークを介してデータを送受信するマルチプレーヤオンラインゲームを行う場合は、端末(第1の端末)の操作対称のオブジェクトの移動に追従する仮想カメラ(端末(第1の端末)で制御される仮想カメラ)から見える画像を生成する処理を行う。つまり、各端末が独立した描画処理を行う。
【0169】
音処理部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0170】
なお、本実施形態の端末は、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード、或いは、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードでゲームプレイできるように制御してもよい。例えば、マルチプレーヤモードで制御する場合には、ネットワークを介して他の端末とデータを送受信してゲーム処理を行うようにしてもよいし、1つの端末が、複数の入力部からの入力情報に基づいて処理を行うようにしてもよい。
【0171】
[3]本実施形態の手法
[3.1]概要
次に、
図3を用いて本実施形態のリプレイ対象ゲームに対するゲーム制御処理(すなわち、リプレイ対象ゲーム操作制御処理)の手法及びその概要について説明する。なお、
図3は、本実施形態のリプレイ対象ゲームにおけるリプレイ処理とリトライゲームとしてのリプレイ対象ゲーム操作制御処理とを比較して説明するための図である。
【0172】
本実施形態のゲームシステムSは、プレーヤによって操作制御されるプレーヤキャラクタ(アバターであってもよい。)を用いた対戦型格闘ゲームを実行するゲームシステムであって、過去に既に実行された対戦型格闘ゲームのリプレイ中に、プレーヤが再操作を希望するタイミング(以下、「希望タイミング」ともいう。)などの所定のタイミングから、当該リプレイの対象となるゲーム(すなわち、リプレイ対象ゲーム)のゲーム状況に基づく設定を反映した上で、プレーヤの新たな操作入力を受け付けて、プレーヤの操作に基づくゲーム(すなわち、リトライゲーム)を実行する構成を有している。
【0173】
すなわち、ゲームシステムSは、所与のゲーム空間(オブジェクト空間)内で、第1のプレーヤの操作によって制御される第1のキャラクタと、CPUを含む第2のプレーヤの操作により制御される第2のキャラクタと、が対戦する対戦型格闘ゲームのリプレイ処理の実行中に、所定のタイミングからプレーヤの操作に基づくゲーム制御処理を実行開始させることが可能な構成を有している。
【0174】
具体的には、ゲームシステムSは、プレーヤの操作入力を受け付ける受付処理、及び、受け付けた操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御してゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行し、ゲーム制御処理が実行された際の当該ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶部170に記憶する構成を有している。
【0175】
また、ゲームシステムSは、例えば、
図3に示すように、
(A1)このように記憶部170に記憶されたリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングからゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行し、
(A2)リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームG1のリプレイ期間中であってプレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合(中断タイミングT1)に当該リプレイ対象ゲームG1のリプレイ処理を中断(すなわち、中止)させ、プレーヤの操作入力に応じて当該リプレイ対象ゲームG1に対するゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングT2を設定する切替タイミング設定処理を実行し、
(A3)切替タイミングT2におけるリプレイ対象ゲームG1のゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、切替タイミングT2からリプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する設定内容決定処理を実行し、
(A4)設定内容決定処理によって決定された設定内容と、受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームG2として、切替タイミングT2からリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する、
構成を有している。
【0176】
なお、
図3は、リプレイ処理されたリプレイ対象ゲームと当該リプレイ対象ゲームの途中からリトライゲームを実行する場合を示すタイミングチャートである。特に、リプレイ対象ゲームG1又はリトライゲームG2におけるリプレイ開始、プレーヤによって指示された中断タイミングT1、切替タイミング設定処理によって設定された切替タイミングT2、リプレイ終了及びリトライゲームの終了を示すゲーム終了の各タイミングと、リプレイ期間(操作入力不可期間)S1、リプレイ中止期間S2及び操作入力可能期間S3とが示された時間軸に沿ったタイミングチャートである。
【0177】
また、
図3には、切替タイミングT2では、同一ゲームであってリプレイ対象ゲームとリトライゲームとのゲーム状況が同一であることを示し、リプレイ中止期間S2と操作入力可能期間S3とは、異なるゲーム状況及び異なるゲーム制御処理(リプレイ対象ゲーム操作制御処理)となることが示されている。
【0178】
本実施形態のゲームシステムSは、このような構成を有することによって、例えば、プレーヤの希望タイミングだけでなく、希望タイミングが攻撃中であれば、攻撃開始前若しくはそのシーンやセクションの切替タイミングなど、当該希望タイミング前の区切りのタイミングから、プレーヤの操作履歴、プレーヤキャラクタなどの各種オブジェクトの動作内容、各種のオブジェクトの位置又は位置関係、及び、各種のパラメータの値など過去のゲームにおけるゲーム状況を前提に、プレーヤの操作入力に基づいて過去のゲームをやり直すことができるようになっている。
【0179】
したがって、本実施形態のゲームシステムSは、プレーヤの希望するタイミングから過去のゲームにおけるプレイのやり直し、又は、特定のゲームシーンにおける練習(反復練習を含む。)を、当該プレーヤによる煩雑な設定やそのための操作を行うこと無く、容易に実現することができるようになっている。
【0180】
[3.2]ゲームデータ(リプレイデータ)及びリプレイ処理
次に、
図4及び
図5を用いて本実施形態のゲームデータ(リプレイデータ)を含むリプレイ処理について説明する。なお、
図4及び
図5は、本実施形態のゲームデータ(リプレイデータ)の例を示す図である。
【0181】
(ゲームデータ及びリプレイデータ)
本実施形態のゲームデータは、プレーヤの操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御してゲームの進行を制御するゲーム制御処理が実行された際のゲームに関するデータである。
【0182】
特に、本実施形態のゲーム制御処理には、プレーヤキャラクタの操作制御に基づいてゲームを進行させる制御処理だけでなく、対戦ゲームなどの他のプレーヤの操作指示によって他のプレーヤキャラクタも制御する制御処理、及び、NPCなどの自動演算に基づいて他のプレーヤキャラクタを制御する制御処理などが含まれる。
【0183】
このため、本実施形態のゲームデータには、プレーヤキャラクタを制御するためのデータのみならず、NPCなどの他のプレーヤキャラクタを制御するためのデータも含まれる。
【0184】
例えば、ゲームデータは、
図4(A)及び(B)に示すように、
(A1)操作入力受付処理部113が受け付けたコントローラ30から出力されたプレーヤの操作指示(対戦ゲームなどの複数のプレーヤによって実行される場合には各プレーヤの操作指示)のデータ(以下、「操作指示データ」という。)、
(A2)NPCを含む、プレーヤキャラクタ(複数のプレーヤがゲームに参戦する場合には複数のプレーヤキャラクタ)の位置(ゲーム空間内の座標。以下同じ。)・動き(すなわち、モーション。具体的には、プレーヤキャラクタの各パーツの位置であってゲーム空間内の座標。以下同じ。若しくは回転やジャンプなどの動きを規定するためのデータ)・ステイタス(体力値やライフエネルギーの現在の状況や残っている量、技を繰り出す際に用いるパラメータの現在の値や残っている量、無敵状態などのパワーアップ状態の有無、又は、攻撃が封じされているなどどの一部の行動の制約の有無)を規定するための制御データ、
(A3)ゲームに登場する各キャラクタ(例えば、敵プレーヤキャラクタを含む。)の位置・動き・ステイタスを規定するための制御データ、
(A4)対戦などのゲームが実施されるステージ、レースが実施されるコース又はRPG用のオブジェクト空間などのゲーム空間を構成する各オブジェクトの位置・動き・ステイタスを規定するための制御データ、又は、
(A5)(A1)-(A4)の2以上の組み合わせ、
である。
【0185】
特に、ゲームデータは、ゲーム開始からゲーム終了までの時系列の一連のデータ群であることが好ましいが、ゲーム中の任意の一区間の時系列のデータ群であってもよい。
【0186】
また、ゲームデータには、リプレイ対象ゲーム操作制御処理によって実行されたリトライゲームのゲームデータであってもよいし、他のプレーヤが実施したゲームのゲームデー
タであってもよい。
【0187】
なお、
図4(A)には、ゲームデータとして、ゲーム開始(0秒)からの、プレーヤA及びプレーヤBの操作指示データ(十字キーの方向及び右手ボタン、左手ボタン、右足ボタン及び左足ボタンの組み合わせ)の例を示している。
【0188】
また、
図4(B)には、ゲームデータとして、ゲーム開始(0秒)からの、プレーヤA及びプレーヤBのプレーヤキャラクタの位置座標、動き(すなわち、モーション)及びステイタスの制御データの例が示されている。
【0189】
一方、リプレイデータは、ゲームデータがリプレイ用に記憶部170に記憶されたデータであって、例えば、
図5(A)及び(B)に示すように、ゲームに関する識別情報(ゲームID)、プレーヤの識別情報(プレーヤID)、及び、ゲームが実行された際の日時に関する情報などの各種の情報が追加されたゲームデータである。
【0190】
なお、
図5(A)には、ゲームID「001」の2020年9月10日に実施されたゲームデータとして、ゲーム開始(0秒)からの、プレーヤID「101」のプレーヤA及びCPUのプレーヤBの操作指示データ(十字キーの方向及び右手ボタン、左手ボタン、右足ボタン及び左足ボタンの組み合わせ)の例を示している。
【0191】
また、
図5(B)には、ゲームID「001」の2020年9月14日に実施されたゲームデータとして、ゲーム開始(0秒)からの、プレーヤID「121」のプレーヤA及びCPUのプレーヤBのプレーヤキャラクタの位置座標、動き(すなわち、モーション)及びステイタスの制御データの例が示されている。
【0192】
(リプレイ処理)
リプレイ処理部116は、記憶部170に記憶されている上記のような各種のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、ゲームが開始されたタイミング(以下、「ゲーム開始タイミング」という。)などの所与のタイミングからリプレイ対象ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行する。
【0193】
すなわち、リプレイ処理部116は、単に、過去のゲーム内容をゲームデータに基づいてアニメーション(動画)のように再生して再現する処理であり、リアルタイムでのプレーヤの操作入力は無く、プレーヤが過去のゲーム内容を視聴するための処理をリプレイ処理として実行する構成を有している。
【0194】
特に、リプレイ処理部116は、リプレイ対象ゲームのプレイ内容を、アニメーション化してディスプレイ40(表示部190)に表示し、プレーヤにゲームのプレイ内容を視聴させる。
【0195】
具体的には、リプレイ処理部116は、ゲームデータとしてプレーヤの操作指示データを用いる場合には、ゲーム制御部114を制御し、当該ゲームデータに基づいてゲーム制御処理を実行し、表示制御部118、仮想カメラ制御部119及び描画部120と連動して、その処理の結果をアニメーションとしてディスプレイ40に表示する。
【0196】
また、リプレイ処理部116は、ゲームデータとして制御データを用いる場合には、これらの制御データに沿ってプレーヤキャラクタを含む各キャラクタ及び各オブジェクトを制御し、プレーヤキャラクタなどの制御した結果をアニメーションとしてディスプレイ40に表示する。
【0197】
さらに、リプレイ処理部116は、ゲームデータとしてプレーヤの操作指示データ及び制御データの双方を用いる場合には、戦闘シーンなどの重要な部分については、操作指示データに基づいてプレーヤキャラクタを制御するゲーム制御処理を実行するとともに、攻撃が決まったプレーヤキャラクタの動作シーン、又は、他のキャラクタやオブジェクトなどについては、制御データに沿って制御をし、制御したプレーヤキャラクタを含む各キャラクタやオブジェクトの動きや変化を統合してアニメーションとしてディスプレイ40に表示する。
【0198】
なお、リプレイ処理部116は、所与のタイミングとして、ゲーム開始タイミングの他に、例えば、ゲームレベルやプレーヤキャラクタのキャラクタレベル、又は、ゲーム中のステージが変わったタイミングなどのゲーム進行上の特定のタイミング、又は、プレーヤが指示したタイミングからリプレイ処理を実行してもよい。
【0199】
[3.3]切替タイミング設定処理
次に、
図6-
図10を用いて本実施形態の切替タイミング設定処理について説明する。なお、
図6及び
図7は、本実施形態の切替タイミング設定処理の基本原理を説明するための図であり、
図8-
図10は、本実施形態の切替タイミング設定処理の応用例を説明するための図である。
【0200】
(切替タイミング設定処理の基本原理)
リトライゲーム設定部117は、
(A1)リプレイ対象ゲームのリプレイ中にプレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に、当該リプレイ処理を中断させ、
(A2)プレーヤの操作入力に応じて当該リプレイ対象ゲームに対するリプレイ対象ゲーム操作制御処理の実行を開始する(すなわち、リプレイ対象ゲームにおけるゲーム制御処理を切り替える)タイミングを切替タイミングとして設定する、
切替タイミング設定処理を実行する。
【0201】
特に、リトライゲーム設定部117は、
図6に示すように、切替タイミングとしては、リプレイ処理を中断させた中断タイミングよりも前に到来するタイミング(すなわち、巻き戻したタイミング)に設定する切替タイミング設定処理を実行することが好ましい。
【0202】
また、リトライゲーム設定部117は、
図7に示すように、中断タイミングを切替タイミングに設定する切替タイミング設定処理を実行してもよい。
【0203】
さらに、リトライゲーム設定部117は、切替タイミングとしては、プレーヤが予め指定したタイミング、中断タイミングより時間前の一律に定められたタイミング、又は、ゲーム上予め定められたタイミングを切替タイミングとして設定してもよい。
【0204】
そして、リトライゲーム設定部117は、切替タイミングとしては、中断タイミング以降のプレーヤキャラクタの動作を変更することができないタイミング、既に他のイベントが発生しているタイミング、又は、中断タイミングにおけるプレーヤキャラクタの行動に起因するイベントが発生しているタイミングの場合には、さらに、これらのタイミング(例えば、既に発生しているイベントの発生前のタイミング)より前のタイミングを切替タイミングとして設定してもよい。
【0205】
なお、
図6は、中断タイミングが連続攻撃中(いわゆるコンボ中)であって切替タイミングとして不適切なタイミングの場合において、当該連続攻撃の開始前のタイミングを切替タイミングに設定される場合の例を示している。
【0206】
また、
図6は、リプレイ対象ゲームG1では、コンボ中(連続攻撃中)に操作ミスによってコンボが終了してゲームが早期終了している一方で、リトライゲームG2では、操作成功によりコンボが完走している例を示している。
【0207】
一方、
図7は、中断タイミングが対戦開始前のタイミングであって切替タイミングとして適したタイミングである場合に、当該中断タイミングが切替タイミングとして設定される場合の例を示している。
【0208】
また、
図7は、
図6と同様に、リプレイ対象ゲームG1では、コンボ中(連続攻撃中)に操作ミスによってコンボが終了してゲームが早期終了している一方で、リトライゲームG2では、操作成功によりコンボが完走している例を示している。
【0209】
(切替タイミング設定処理の応用例1)
リトライゲーム設定部117は、
図8に示すように、複数のタイミングの中からプレーヤによって選択されてたタイミングを、切替タイミングに設定してもよい。
【0210】
特に、リトライゲーム設定部117は、プレーヤの指示に基づいて、中断タイミングが特定のコマンドによるイベント発生中の場合には、例えば、当該特定のコマンドの操作前の第1のタイミング、当該コマンドの実行開始前の第2のタイミング、及び、当該コマンドによるイベント中の特定のタイミングである第3のタイミングなど、リプレイ処理中のリプレイ対象ゲームにおいて検出された複数のタイミングをプレーヤに提示し、プレーヤによって選択させたタイミングを切替タイミングとして設定してもよい。
【0211】
この場合には、例えば、リトライゲーム設定部117は、表示制御部118及び描画部120と連動し、検出された複数の選択肢をディスプレイ40に表示することによって、又は、複数の選択肢をそれぞれディスプレイ40に画像表示(サムネイル表示や時系列なコマ送り表示など)をすることによって、プレーヤに複数のタイミングを提示する。
【0212】
なお、
図8は、中断タイミングT1においてコンボ実行中の場合に、第1の切替タイミング(コンボ操作前)T2-1、第2の切替タイミング(コンボ実行開始前)T2-2及び第3の切替タイミング(コンボ中の攻撃と攻撃の間)T2-3の中から、1の切替タイミングをプレーヤに選択させる場合の例を示している。
【0213】
(切替タイミング設定処理の応用例2)
リトライゲーム設定部117は、例えば、
図9に示すように、プレーヤに中断タイミングを選択させるために、リプレイ処理中のリプレイ対象ゲームのゲーム開始時からゲーム終了時までの所与のゲーム要素の変動をグラフなどによって視覚化し、当該視覚化したゲーム要素の変動をディスプレイ40に表示してもよい。
【0214】
そして、リトライゲーム設定部117は、時間軸に沿って表示されたグラフにグフラ化されたゲーム要素の一部の領域(ポイントを含む。)などがプレーヤに指定された場合に、当該指定された領域の時刻を中断タイミングとして設定してもよい。
【0215】
すなわち、リトライゲーム設定部117は、例えば、
図9に示すように、時間軸に沿って、又は、ゲーム空間内の距離の軸に沿って、ゲーム要素として敵キャラクタに与えた与ダメージの量や当該敵キャラクタから受けた被ダメージの量などのゲーム要素を示すパラメータを用いてゲームの開始から終了までのゲーム要素の時間的又は距離的な変化やゲーム要素の割合などを可視化する構成を有している。
【0216】
このため、本実施形態においては、ゲーム要素の変化からプレーヤキャラクタが敗退し
た要因(敗退に直結したシーン)をプレーヤに検討させること、及び、当該敗退した要因のシーンの冒頭を切替タイミングとして設定すれば、当該敗退した要因について重点的にリトライゲームとして練習することができるようになっている。
【0217】
具体的には、リトライゲーム設定部117は、例えば、円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、帯グラフ、レーダーチャート又は散布図などによって、所与のゲーム要素の変動を時間軸に沿って視覚化し、当該視覚化したゲーム要素の変動をディスプレイ40に表示する。してもよい。ただし、円グラフなどのグラフ自体に時間軸を持たないグラフについては、リトライゲーム設定部117は、所定期間毎のグラフを生成し、所定期間毎のグラフの変化によってプレーヤにゲームの開始から終了までのゲーム要素の変化を可視化させるようになっている。
【0218】
そして、リトライゲーム設定部117は、
図10に示すように、中断タイミングが設定されると、グラフから切替タイミングを自動的に検出し、又は、プレーヤの操作指示によって切替タイミングを設定する。
【0219】
なお、
図9は、ディスプレイ40の上部に所定の時間毎に敵キャラクタに与えたダメージ量の変動をグラフとして視覚化した図であり、
図10は、敵キャラクタに与えたダメージ量が一定の値以下のタイミングを切替タイミングの候補として自動検知した場合であって、プレーヤによって、2つの切替タイミングのうち切替タイミングT2-2が選択された場合の例を示している。
【0220】
また、上記のゲーム要素としては、例えば、
(B1)プレーヤキャラクタが敵キャラクタに与えた与ダメージや当該プレーヤキャラクタが受けた被ダメージ、
(B2)プレーヤキャラクタの体力値・ライフエネルギー値・ポイントなどのゲームオーバやゲームの進行に直結する要素、
(B3)攻撃時に繰り出した技の数・攻撃回数・攻撃におけるヒット回数などの攻撃時の要素、
(B4)防御回数・防御時に受けた攻撃回数などの防御時の要素、
(B5)アイテムの所持数や使用回数、
(B6)加速回数・減速回数・平均スピード・スピードの変異などの移動に関する要素、及び、
(B7)連続攻撃回数や音ゲームなどの連続タスクをクリアするゲームにおけるタスクの連続クリア回数やミスした回数などのコンボやミスに関する要素、
が含まれる。
【0221】
[3.4]設定内容決定処理
次に、本実施形態の設定内容決定処理について説明する。
【0222】
リトライゲーム設定部117は、切替タイミングが決定されると、当該切替タイミングにおけるリプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、切替タイミングからリプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する設定内容決定処理を実行する。
【0223】
すなわち、リトライゲーム設定部117は、設定内容決定処理として、リプレイ中のリプレイ対象ゲームのゲーム状況をそのまま引き継いだ状態で当該リプレイ対象ゲームをリトライゲームとして開始(切り替え)するための各種の内容を決定する。
【0224】
具体的には、リトライゲーム設定部117は、切替タイミングからリプレイ対象ゲーム
操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容として、特定したゲーム状況そのものを忠実に再現するための設定内容、又は、一部の設定内容を変更して特定したゲーム状況が忠実に再現されていない設定内容を決定する。
【0225】
特に、リトライゲーム設定部117は、特定したゲーム状況そのものを忠実に再現する場合には、特定されたゲーム状況としての各パラメータを設定内容として決定する。
【0226】
また、リトライゲーム設定部117は、特定したゲーム状況の一部を変更して当該ゲーム状況を忠実に再現しない場合には、当該特定したゲーム状況に基づいて、体力値や制限時間など所定の設定内容を除いた設定内容、又は、プレーヤのレベルやアイテム数など所定の設定内容が追加された設定内容を決定する。
【0227】
例えば、リトライゲーム設定部117は、ゲーム状況として、
(A1)プレーヤキャラクタを含むゲーム上の各キャラクタの位置(ゲーム空間内における座標)・動作内容(具体的には、キャラクタの各部位の現時点座標と動作後の最終地点の座標)・体力値(現時点の値及び最大値)・経験値・能力値(将来的にロック解除されるものも含む。以下同じ。)などの各キャラクタに設定されたパラメータ(色に関する情報、移動中のオブジェクトの場合には到達する目標の座標、及び、変化中のオブジェクトの場合には最終形態)、
(A2)各キャラクタやプレーヤが取得しているアイテムの種別・アイテム数・アイテムに規定されている能力値などのアイテムに関するパラメータ(色に関する情報、移動中のオブジェクトの場合には到達する目標の座標、及び、変化中のオブジェクトの場合には最終形態)、
(A3)取得したゲーム内通貨・得点・ポイント・成績などのパラメータ、及び、
(A4)ゲーム空間を構成する各オブジェクトの種別・位置・特性などのオブジェクトに関するパラメータ、
を特定する。
【0228】
そして、リトライゲーム設定部117は、特定したゲーム状況そのものを忠実に再現する場合には、これらの各ゲーム要素(パラメータを含む。)を設定内容として決定し、実行開始されるリトライ対象ゲームの設定として反映させる。
【0229】
なお、リトライゲーム設定部117は、表示制御部118及び描画部120と連動し、特定したゲーム状況、又は、決定した設定内容を、ディスプレイ40に表示するなどによってプレーヤに提供されてもよい。
【0230】
一方、切替タイミングからオリジナルゲームとは異なる設定によってゲームを進行させることによって当該オリジナルゲームに対して新たな観点からのゲームを実現させるため、リトライゲーム設定部117は、特定したゲーム状況を忠実に再現せずにリトライゲームを実行してもよい。
【0231】
この場合には、リトライゲーム設定部117は、リトライゲームの切り替え前に、上記のゲーム要素うち少なくとも一部の設定内容を、プレーヤの指示などに基づいて、決定する設定変更処理を実行する。
【0232】
例えば、このような場合の設定内容としては、
(B1)プレーヤキャラクタや敵キャラクタを含む各キャラクタのゲーム空間内の位置、(B2)各キャラクタの種別、
(B3)アイテムなどのプレーヤキャラクタに装備されているアイテムの種別や数、
(B4)ゲームステージやクエストの変更、及び、
(B5)爆発の有無やゲームステージの変化(例えば、対戦中の床が壊れるなど)の発生などゲーム空間内におけるイベントの発生やその中止、
が含まれる。
【0233】
また、リトライゲーム設定部117は、設定変更処理として、リトライゲームの実行開始後に(具体的には、切替タイミングから)、リプレイ対象ゲームにおけるリプレイ対象ゲーム操作制御処理の実行中に、既に設定された設定内容を変更する処理を実行してもよい。
【0234】
すなわち、リトライゲームの実行中に、オリジナルゲームとは異なる設定によってゲームを進行させることによって当該オリジナルゲームに対して新たな観点からのゲームを実現させるため、リトライゲーム設定部117は、リトライゲームの実行中に、プレーヤの指示に基づいて、実行中のゲーム状況を特定する設定内容を決定することが可能な構成を有している。
【0235】
なお、このような場合の設定内容としては、リトライゲームの切り替え前における設定変更処理と同様なものが含まれる。
【0236】
[3.5]リプレイ対象ゲーム操作制御処理
次に、上記の
図3及び
図11を用いて本実施形態のリプライ対象ゲーム操作制御処理について説明する。なお、
図11は、本実施形態のリプライ対象ゲーム操作制御処理を説明するための図である。
【0237】
(リプレイ対象ゲーム操作制御処理の基本原理)
ゲーム制御部114は、上記のように、設定内容決定処理によって決定された設定内容と、受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、切替タイミングからリプレイ対象ゲームに対して、リトライゲームとして、リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する。
【0238】
すなわち、ゲーム制御部114は、切替タイミングにおいてリプレイ対象ゲームと同一のゲーム状況に基づいて、リトライゲームを開始し、当該リトライゲームの開始後は、受け付けられたプレーヤの操作入力に基づいて、当該リトライゲームに対してリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する。
【0239】
そして、ゲーム制御部114は、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、例えば、プレーヤの操作対象のプレーヤキャラクタだけでなく、その他のキャラクタの動作に関する制御、及び、ゲーム空間内の各オブジェクトに関する制御などのゲーム全般の制御を実行する。
【0240】
具体的には、ゲーム制御部114は、プレーヤキャラクタが他のキャラクタと対戦する対戦ゲームを実行する場合に、切替タイミングにおけるリプレイ対象ゲームのゲーム状況に基づいて、リトライゲームとして、プレーヤキャラクタの対戦相手となる対戦相手キャラクタの動作を制御するリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する。
【0241】
このように、切替タイミング時点におけるゲーム状況については、リプレイ対象ゲームと同じゲーム状況であるので、ゲーム制御部114は、
図3に示すように、切替タイミングの時点のゲーム内容については、リプレイ対象ゲームを引き継いでゲームを開始することができるようになっている。
【0242】
その一方、ゲーム制御部114は、リプレイ対象データがリプレイされている場合と異
なるプレーヤの操作入力が受け付けられると、
図3に示すように、リトライゲームに対して、オリジナルゲームとは異なるゲーム制御処理(いわゆる、リプレイ対象ゲーム制御処理)を実行する。
【0243】
したがって、本実施形態においては、プレーヤの希望するタイミングから過去のゲームにおけるプレイのやり直し、又は、特定のゲームシーンにおける練習(反復練習を含む。)を、当該プレーヤによる煩雑な設定やそのための操作を行うこと無く、容易に実現することができるようになっている。
【0244】
なお、本実施形態においては、ゲーム制御部114は、リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する場合に、ゲーム(一部の期間であってもよい。)の進行スピードを変化させてもよい。
【0245】
すなわち、ゲーム制御部114は、リトライゲームにおいては、プレーヤの操作に基づいて設定された、又は、予め定められているプレイ速度(例えば、0.5倍速)、リプレイ処理やゲーム制御処理が実行されたときの進行スピードをより遅いスピードによってリプレイ対象ゲームの実行を制御してもよい。
【0246】
(オリジナルゲームとの制御内容を変更する場合)
ゲーム制御部114は、切替タイミングからリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する際には、リトライゲームとして、リプレイ対象ゲームの切替タイミング前のゲーム制御処理とは異なるゲーム制御処理を実行してもよい。
【0247】
すなわち、ゲーム制御部114は、プレーヤの操作に基づいて、又は、プレーヤのレベルなどの属性に基づいて、切替タイミング前のゲーム制御処理との制御内容を変更してもよい。
【0248】
具体的には、この場合には、ゲーム制御部114は、
(A1)登場するキャラクタやオブジェクトの種別・能力・アイテムなどの変更、
(A2)敵キャラクタを含む各種のキャラクタの登場タイミング・登場方法・攻撃タイミング・攻撃方法などの動作タイミングや動作そのものの変更、
(A3)オブジェクトの制御タイミングの変更、及び、
(A4)BGMやインサート画像を含むゲーム環境の変更、
など、切替タイミング後のゲーム制御を切替タイミング前のゲーム制御との制御内容を変更する。
【0249】
例えば、
図11に示すように、対戦型格闘ゲームにおいて、中断タイミングT1の直前に敵キャラクタから下段攻撃を受けたことを検出していた場合には、ゲーム制御部114は、(巻き戻しての)切替タイミングT2からリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する際には、リトライゲームとして、敵キャラクタから下段攻撃を通常より多く繰り出すゲーム制御処理を実行する。
【0250】
[3.6]その他の実施例
次に、
図12-
図15を用いて本実施形態による実施例について説明する。
【0251】
なお、
図12は、本実施形態の切替タイミングから所定のタイミングまでの期間を繰り返し実行する繰り返し練習モードを説明するための図であり、
図13は、本実施形態のゴースト表示を説明するための図である。
【0252】
また、
図14は、本実施形態のゲームシステムを店舗型ゲームシステムに適用した場合
の例であって、その外観構成図であり、
図15は、本実施形態のゲームシステムをネットワークを用いたサーバシステムに適用した場合のシステム構成の一例を示す図である。
【0253】
(繰り返し練習モード)
本実施形態のゲームシステムSは、リトライゲームにおいて、切替タイミングから予め定められた特定のタイミング(以下、「特定タイミング」という。)までの期間を繰り返してリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行してもよい。
【0254】
すなわち、ゲームシステムSは、レースゲームやシューティングゲームなどにおける所定の区間や所定の期間のリプレイ対象ゲームを繰り返し実行させ、プレーヤの苦手の区間や期間を集中的に練習させることが可能な構成を有している。
【0255】
具体的には、この場合には、リトライゲーム設定部117は、
図12に示すように、切替タイミング設定処理において、所与の操作指示として、プレーヤによって繰り返し練習モードを実行するための操作指示を受け付けた場合に、切替タイミングT2と、当該切替タイミングT2後に到来する特定のタイミングを示す特定タイミングT3と、を設定する。
【0256】
特に、リトライゲーム設定部117は、特定タイミングとして、プレーヤの操作入力によって指定されたタイミング、切替タイミングから30秒後など予め所定の期間経過したタイミング、又は、制限時間などの時間的な区切りやゲーム上において設定された区切りによって定められたタイミングを設定する。
【0257】
なお、本実施形態において、ゲーム上において設定された区切りとは、例えば、ゲームが複数のステージから構成されている場合には切替タイミング後に最初に終了するステージまでの区切り、及び、ゲーム上においてプレーヤキャラクタが進行する経路上に予め設定された地点までの区切り(すなわち、特定の区間)を示す。
【0258】
そして、ゲーム制御部114は、
図12に示すように、繰り返し練習モードの実行中には、リトライゲームとして、切替タイミングT2から特定タイミングT3までの所定の期間について、繰り返してリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する。
【0259】
すなわち、ゲーム制御部114は、特定タイミングが到来すると、
(A1)実行中のリトライゲームを中止し、
(A2)設定内容決定処理によって決定された切替タイミング時のゲーム上の設定内容に再設定し、
(A3)再設定された設定内容に基づいて、再度、リプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行開始する。
【0260】
なお、ゲーム制御部114は、特定タイミングが到来する毎に、自動的に切替タイミングに移行してリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行してもよいし、特定タイミングが到来し、かつ、例えば、繰り返し練習モードの実行指示などのプレーヤの所定の操作入力、又は、10秒間などの一定の時間経過後に切替タイミングに移行してリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行してもよい。
【0261】
(比較結果表示)
本実施形態のゲームシステムSは、リトライゲームの成績とオリジナルゲームの成績とを比較してプレーヤに提示してもよい。
【0262】
すなわち、本実施形態のゲームシステムSは、リトライゲームをオリジナルゲームと比
較することによって、当該リトライゲームにおける操作能力(成績向上などに伴う操作能力)をプレーヤに目に見える形で提示し、プレーヤの上達度合いやその進度を認識させことが可能な構成を有している。
【0263】
具体的には、リプレイデータ管理部115は、ゲーム制御処理によって実行した各ゲームの成績(ゲーム結果などの最終的な成績、又は、ラップタイムなどの所定の区間の成績や中間成績などの所定のタイミングにおける成績)を特定して記憶部170にリプレイ用ゲームデータとともに記憶する。
【0264】
例えば、リプレイデータ管理部115は、最終的な成績又は所定のタイミングにおける成績であって、
(B1)勝率・勝数や負数・戦闘ゲームにおけるキル数などの対戦成績、
(B2)攻撃できた回数や攻撃によって敵キャラクタに与えたポイントなどのヒットポイント、若しくは、撃墜した敵キャラクタの数などの倒した敵キャラクタの数、
(B3)得点、
(B4)ミッションやタスクのクリアまでの時間若しくはスタートからゴールや所定の地点までのタイムなどのタイム、又は、
(B5)アイテム、ポイント若しくはゲーム内通貨などの獲得した報酬、
を特定し、特定したこれらの情報を記憶部170にリプレイ用ゲームデータとともに記憶する。
【0265】
一方、ゲーム制御部114は、リトライゲーム中に、又は、リトライゲームの終了後などの所定のタイミングに、リプレイ対象ゲーム操作制御処理が未実行のゲームデータによってリプレイされるリプレイ対象ゲームであるオリジナルゲームの成績を読み出し、当該読み出したオリジナルゲームの成績と、当該オリジナルゲームと同一のリプレイ対象ゲームにおけるリトライゲームの成績と、を比較する比較処理を実行する。
【0266】
そして、表示制御部118は、描画部120と連動し、比較処理による比較結果をプレーヤに画像情報などによって提供する。
【0267】
例えば、ゲーム制御部114は、対戦型格闘ゲームにおいては、リプレイ時のリプレイ対象ゲームにおける、敵キャラクタ及びプレーヤキャラクタの体力値、敵キャラクタに与えた与ダメージの量、又は、当該敵キャラクタから受けた被ダメージの量を読み出す。
【0268】
そして、ゲーム制御部114は、読み出した値と、進行中若しくはゲーム終了したリトライゲームの敵キャラクタ及びプレーヤキャラクタの体力値、敵キャラクタに与えた与ダメージの量、又は、当該敵キャラクタから受けた被ダメージの量と、を比較する比較処理を実行する。
【0269】
特に、ゲーム制御部114は、リトライゲームの進行中に比較処理を実行する場合には、各値の変動状況を比較する。
【0270】
(ゴーストキャラクタの表示)
本実施形態のゲームシステムSは、
図13に示すように、リトライゲームとしてリプレイ対象ゲーム操作制御処理の実行中に、当該リトライゲームと同じリプレイ対象ゲームであってオリジナルゲームの少なくともプレーヤキャラクタを、当該リトライゲームに出現させるゲーム制御処理を実行してもよい。
【0271】
すなわち、本実施形態のゲームシステムSは、リトライゲームの実行中にオリジナルゲームとの違いを視覚的に容易に認識させること、及び、その結果、リトライゲームにおけ
る有用な練習を実行させる構成を有している。
【0272】
なお、
図13は、レースゲームにおいて、リプレイ処理のときのプレーヤキャラクタ(すなわち、ゴーストキャラクタ)P20を、リトライデータとして実行中であってプレーヤの操作対象のプレーヤキャラクタP10とともにディスプレイ40にゴースト的に表示されている場合の例を示す。
【0273】
(店舗型ゲームシステム)
本実施形態のゲームシステムSは、家庭用ゲームシステムに適用可能な他に、例えば、図に示すように、店舗(アミューズメントパーク)に設定された店舗型ゲームシステムによっても実現可能である。
【0274】
例えば、このようなゲームシステムSは、
図14に示すように、ゲーム処理等を行う処理部(コンピュータ)を格納する筐体12と、ゲーム画面を表示するディスプレイ13と、ゲームの効果音やBGMを音出力するスピーカ14と、ゲーム操作部200と、ゲームプレイ料であるコインを投入するコイン投入部16とを備えている。
【0275】
そして、ゲームシステムSは、CPU、画像生成IC、音生成IC等が実装されたシステム基板1000が内蔵しており、システム基板1000上の情報記憶媒体であるメモリから読み出したゲームプログラムやゲームデータ、或いはジョイスティック32及びボタンから入力される操作信号等に基づいて、格闘ゲームを実行する構成を有している。
【0276】
ゲーム操作部200は、上記のコントローラ30と同じ機能を有するため、レバー210及びボタン220、221、222、223を備えて構成されている。
【0277】
例えば、右手ボタン220は、「右パンチ」、左手ボタン221は、「左パンチ」、右足ボタン222は、「右キック」、及び、左足ボタン223は、「左キック」の操作入力が可能となっている。
【0278】
(ネットワーク対戦)
上記の本実施形態のゲームシステムSは、複数のコントローラ30を有し、各プレーヤによって各コントローラ30を操作させることによって対戦格闘ゲームを成立させているが、複数のゲームシステムSをネットワークによって通信接続することによって、ゲームシステムS毎のプレーヤキャラクタを制御するとともに、各ゲームシステムSに基づくゲーム制御処理を含む各処理を連動させて上記の各構成及び各制御を実行してもよい。
【0279】
(サーバシステム)
上記の実施形態においては、
図15に示すように、一のサーバ装置310によってサーバシステム300を構築してネットワークNを介して上記のゲームを1又は複数の端末装置320に提供してもよいし、複数のサーバ装置310を連動させてサーバシステム300を構築し、当該サーバシステム300からゲームを1又は複数の端末装置320に提供してもよい。
【0280】
特に、有線又は無線によって複数の端末装置320をサーバシステム300にネットワークNを介して接続させつつ、サーバシステム300を上記のゲームシステムとして機能させる。
【0281】
また、サーバシステム300は、プレーヤの操作入力を受け付けつつ、リプレイ処理されたゲームデータ(画像データのみも含む。)、及び、ゲーム制御処理されたゲームデータ(画像データのみも含む。)を該当する端末装置320に提供することによってゲーム
システムを実現することも可能である。
【0282】
すなわち、この場合には、サーバシステム300は、
(C1)端末装置320に入力されたプレーヤの操作入力を受け付け、
(C2)受け付けた操作入力に応じて、プレーヤキャラクタを制御してゲームの進行を制御するゲーム制御処理を実行し、
(C3)ゲーム制御処理が実行された際の前記ゲームに関するデータをリプレイ用のゲームデータとして記憶部などに記憶し、
(C4)記憶されているリプレイ用のゲームデータを読み出し、当該読み出したゲームデータに従って、所与のタイミングから前記ゲームのプレイ内容をリプレイするリプレイ処理を実行し、
(C5)リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのリプレイ中であってプレーヤの所与の操作入力を受け付けた場合に当該リプレイ対象ゲームのリプレイ処理を中断させ、プレーヤの操作入力に応じてリプレイ対象ゲームに対するゲーム制御処理を、リプレイ対象ゲーム操作制御処理として、実行開始するための切替タイミングを設定し、
(C6)切替タイミングにおける前記リプレイ対象ゲームのゲーム状況を特定し、当該特定したゲーム状況に基づいて、切替タイミングから前記リプレイ対象ゲーム操作制御処理を開始する際のゲーム上の所与の設定内容を決定する決定処理を実行し、
(C7)リプレイ処理された情報を含む、ゲームの進行に関する情報を端末装置320に提供する、
構成を有している。
【0283】
そして、この場合には、サーバシステム300は、決定処理によって決定された設定内容と、前記受け付けられたプレーヤの操作入力と、に基づいて、リトライゲームとして、切替タイミングからリプレイ対象ゲーム操作制御処理を実行する構成を有している。
【0284】
なお、本実施形態においては、ネットワークを通じて端末装置320と連動して実行するサーバシステム300に本発明のゲームシステムを適用しているが、タブレット型情報端末装置やパーソナルコンピュータにも本発明のゲームシステムを適用してもよい。
【0285】
[4]本実施形態の動作
次に、
図16用いて本実施形態のゲームシステムSによって実行されるリトライゲームの実行を含むリプレイ処理の動作について説明する。
【0286】
なお、
図16は、本実施形態のゲームシステムSによって実行されるリトライゲームの実行を含むリプレイ処理の動作を示すフローチャートである。
【0287】
本動作は、既にリプレイ処理の対象であるリプレイ対象ゲームのゲームデータが記憶部170に記憶されているものとする。
【0288】
まず、リプレイ処理部116は、コントローラ30から送信された指示であってプレーヤにおけるリプレイ処理の実行指示及び当該リプレイ処理の対象となるリプレイ対象ゲームのゲームIDを受信すると(ステップS101)、リプレイデータ管理部115によって対象のゲームIDのゲームデータを読み出させる(ステップS102)。
【0289】
次いで、リプレイ処理部116は、読み出されたゲームデータに基づいてリプレイ処理を開始する(ステップS103)。
【0290】
なお、リプレイ処理部116は、リプレイ処理を開始すると、読み出されたゲームデータ(操作入力データやゲーム制御データ)を時系列に沿ってリプレイ処理を実行し、表示
制御部118及び描画部120と連動し、当該ゲームのプレイ内容をディスプレイ40に表示する。
【0291】
次いで、リプレイ処理部116は、プレーヤにおけるリプレイ処理の終了指示、又は、読み出したゲームデータに基づくゲーム終了を検出したか否かを判定する(ステップS104)。
【0292】
このとき、リプレイ処理部116は、プレーヤにおけるリプレイ処理の終了指示、又は、読み出したゲームデータに基づくゲーム終了を検出したと判定した場合には、本動作を終了させ、そうでなければステップS105の処理に移行する。
【0293】
次いで、リプレイ処理部116は、プレーヤにおけるリプレイ処理の中断指示を検出したか否かを判定する(ステップS105)。
【0294】
このとき、リプレイ処理部116は、プレーヤにおけるリプレイ処理の中断指示を受け付けたと判定した場合には、ステップS106の処理に移行し、当該中断指示を受け付けていないと判定した場合には、ステップS104の処理に戻る。
【0295】
次いで、リプレイ処理部116は、リトライゲームの開始タイミング、すなわち、リプレイ対象ゲームにおける切替タイミングを設定する切替タイミング設定処理を実行する(ステップS106)。
【0296】
次いで、リトライゲーム設定部117は、読み出されたゲームデータに基づいて切替タイミングにおけるリプレイ対象ゲームのゲーム状況(操作入力データやゲーム制御データ)を特定する(ステップS107)。
【0297】
次いで、リトライゲーム設定部117は、特定したゲーム状況に基づいて、切替タイミングからリトライゲームを開始する際の設定内容(いわゆる、リトライデータの初期設定の内容)を決定する設定内容決定処理を実行する(ステップS108)。
【0298】
次いで、ゲーム制御部114は、プレーヤの操作入力の受け付けを開始し、決定された設定内容に基づいてゲーム制御処理(すなわち、リプレイ対象ゲーム操作制御処理)の実行を開始する(ステップS109)。
【0299】
なお、ゲーム制御部114は、リプレイ対象ゲーム操作制御処理の実行を開始すると、ゲーム終了指示が入力されるまで、受け付けたプレーヤの操作入力と、決定された設定内容と、に基づいてゲーム制御処理を実行する。
【0300】
最後に、ゲーム制御部114は、プレーヤキャラクタの勝利又は敗退などのゲームの終了を検出すると(ステップS110)、リトライゲームを終了させて本動作を終了させる。
【0301】
[5]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0302】
本実施形態では、対戦型格闘ゲームを用いて説明しているが、レースゲーム、音ゲーム、パズルゲーム、シューティングゲーム、RPG、又は、シミュレーションゲームなどのプレーヤの入力操作を伴うゲームにおいても用いることがきる。
【0303】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0304】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0305】
S :ゲームシステム
1 :サーバ装置
10 :ゲーム装置本体
12 :筐体
13 :ディスプレイ
14 :スピーカ
16 :コイン投入部
30 :コントローラ
40 :ディスプレイ
100 :処理部
110 :通信制御部
111 :オブジェクト空間設定部
112 :移動・動作制御部
113 :操作入力受付処理部
114 :ゲーム制御部
115 :リプレイデータ管理部
116 :リプレイ処理部
117 :リトライゲーム設定部
118 :表示制御部
119 :仮想カメラ制御部
120 :描画部
130 :音処理部
160 :コントローラ
162 :リードライト部
170 :記憶部
172 :主記憶部
176 :画像バッファ
180 :情報記憶媒体
190 :表示部
192 :音出力部
196 :通信部
200 :ゲーム操作部
260 :入力部
300 :サーバシステム
310 :サーバ装置
320 :端末装置
1000 :システム基板