(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066298
(43)【公開日】2022-04-28
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
H01S 5/02255 20210101AFI20220421BHJP
【FI】
H01S5/02255
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022030566
(22)【出願日】2022-03-01
(62)【分割の表示】P 2020092491の分割
【原出願日】2017-08-16
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三浦 創一郎
(57)【要約】
【課題】 蛍光部の変換効率の低下を抑制しながら、色むらや発光むらを低減した発光装置とすることができる。
【解決手段】 一形態に係る発光装置は、半導体レーザ素子10と、光反射面21が設けられた光反射部20と、光照射面を有する蛍光部30と、を備える。光反射面21における放射光が照射される領域は、第1領域21aと、第2領域21bと、を有し、第1領域21a及び第2領域21bは、蛍光部30の光照射面において、第1領域21aで反射された放射光のうちの第2領域21bに近い側で反射された放射光と、第2領域21bで反射された放射光のうちの第1領域21aから遠い側で反射された放射光と、が重なるとともに、第1領域21aで反射された放射光のうちの第2領域21bから遠い側で反射された放射光と、第2領域21bで反射された放射光のうちの第1領域21aに近い側で反射された放射光と、が重なるように設けられている。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射光が楕円形状のファーフィールドパターンを有する第1半導体レーザ素子と、
前記放射光を反射する光反射面が設けられた第1光反射部と、
前記光反射面で反射された放射光が照射される光照射面を有し、前記光照射面に前記放射光が照射されることにより蛍光を発する蛍光部と、を備え、
前記光反射面における前記放射光が照射される領域は、前記楕円形状のファーフィールドパターンを長手方向に2以上に分けた領域のうち、一端に位置する領域に対応する第1領域と、他端に位置する領域に対応する第2領域と、を有し、
前記第1領域及び前記第2領域は、前記蛍光部の光照射面において、前記第1領域の一端で反射された放射光と、前記光反射面における前記他端以外の位置で反射された放射光と、が重なるとともに、前記第2領域の他端で反射された放射光と、前記光反射面における前記一端以外の位置で反射された放射光と、が重なるように設けられていることを特徴とする発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の発光装置は、半導体レーザ素子と、全反射膜が形成されたミラー部材と、ミラー部材の上方に配置された蛍光部と、を備える。半導体レーザ素子からの放射光はミラー部材に設けられた全反射鏡で蛍光部に反射されている(例えば、特許文献1の
図3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような発光装置では、蛍光部の光照射面に照射される放射光の光強度が、中心部においてその周囲よりも高くなる。この場合は、放射光の中心部が照射された蛍光部の発熱量が大きくなることにより、蛍光部の変換効率が低下するおそれがある。また、蛍光部から取り出される光の発光強度むらや色むらが生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態に係る発光装置は、放射光が楕円形状のファーフィールドパターンを有する半導体レーザ素子と、前記放射光を反射する光反射面が設けられた光反射部と、前記光反射面で反射された放射光が照射される光照射面を有し、前記光照射面に前記放射光が照射されることにより蛍光を発する蛍光部と、を備える。この発光装置において、前記光反射面における前記放射光が照射される領域は、前記楕円形状のファーフィールドパターンを長手方向に2以上に分けた領域のうち、一端に位置する領域に対応する第1領域と、他端に位置する領域に対応する第2領域と、を有し、前記第1領域及び前記第2領域は、前記蛍光部の光照射面において、前記第1領域で反射された放射光のうちの前記第2領域に近い側で反射された放射光と、前記第2領域で反射された放射光のうちの前記第1領域から遠い側で反射された放射光と、が重なるとともに、前記第1領域で反射された放射光のうちの前記第2領域から遠い側で反射された放射光と、前記第2領域で反射された放射光のうちの前記第1領域に近い側で反射された放射光と、が重なるように設けられている。
【0006】
本発明の他の形態に係る発光装置は、放射光が楕円形状のファーフィールドパターンを有する半導体レーザ素子と、前記放射光を反射する光反射面が設けられた光反射部と、前記光反射面で反射された放射光が照射される光照射面を有し、前記光照射面に前記放射光が照射されることにより蛍光を発する蛍光部と、を備える。この発光装置において、前記光反射面における前記放射光が照射される領域は、前記楕円形状のファーフィールドパターンを長手方向に3に分けた領域として、一端に位置する領域に対応する第1領域と、他端に位置する領域に対応する第2領域と、前記第1領域と前記第2領域との間に位置する第3領域と、を有し、前記第1領域は、前記蛍光部の光照射面において、前記第1領域で反射された放射光が、前記第3領域で反射された放射光のうちの前記第1領域又は前記第2領域の一方に近い側で反射された放射光と重なるように設けられており、前記第2領域は、前記蛍光部の光照射面において、前記第2領域で反射された放射光が、前記第3領域で反射された放射光のうちの前記第1領域又は前記第2領域の他方に近い側で反射された放射光と重なるように設けられている。
【0007】
本発明の他の形態に係る発光装置は、放射光が楕円形状のファーフィールドパターンを有する半導体レーザ素子と、前記放射光を反射する光反射面が設けられた光反射部と、前記光反射面で反射された放射光が照射される光照射面を有し、前記光照射面に前記放射光が照射されることにより蛍光を発する蛍光部と、を備える。この発光装置において、前記光反射面は、曲面であり、前記光照射面における放射光の強度分布が均一に近づくように、前記楕円形状のファーフィールドパターンの長手方向の両端に位置する領域に対応する領域で反射される放射光の発散角が前記長手方向の中央に位置する領域に対応する領域で反射される放射光の発散角よりも小さくなるように設けられている。
【発明の効果】
【0008】
各形態に係る発光装置によれば、蛍光部の変換効率の低下を低減するとともに、蛍光部から取り出される光の色むらや発光むらを低減した発光装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る発光装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る発光装置の上面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る発光装置に含まれる光学素子の斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る発光装置において、半導体レーザ素子から放射された放射光が光反射面で反射されて蛍光部の光照射面に照射されるまでの放射光の動きを説明するための図である。
【
図6】
図6は、従来の光反射面で反射された放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図である。
【
図7】
図7は、
図6のVII-VIIを結ぶ直線における光強度分布を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る発光装置における基体の凹部の内部を説明するための斜視図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る発光装置における基体の凹部の内部を説明するための上面図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る発光装置において、蛍光部の光照射面における放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る発光装置において、蛍光部の光照射面における第1領域で反射された放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図である。
【
図13】
図13は、
図12のXIII-XIIIを結ぶ直線における光強度分布を示す図である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る発光装置において、蛍光部の光照射面における第2領域で反射された放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図である。
【
図16】
図16は、第1実施形態に係る発光装置において、蛍光部の光照射面における第3領域で反射された放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図である。
【
図17】
図17は、
図16のXVII-XVIIを結ぶ直線における光強度分布を示す図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係る発光装置を説明するための断面図である。
【
図19】
図19は、第3実施形態に係る発光装置における基体の凹部の内部を説明するための斜視図である。
【
図20】
図20は、第3実施形態に係る発光装置における基体の凹部の内部を説明するための上面図である。
【
図21】
図21は、第3実施形態に係る発光装置における蛍光部の光照射面における放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図である。
【
図22】
図22は、第4実施形態に係る発光装置において、半導体レーザ素子から放射される放射光が光反射面で反射されて蛍光部の光照射面に照射されるまでの放射光の動きを説明するための図である。
【
図23】
図23は、第5実施形態に係る発光装置において、半導体レーザ素子から放射される放射光が光反射面で反射されて蛍光部の光照射面に照射されるまでの放射光の動きを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら以下に説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、本発明を限定するものではない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
【0011】
<第1実施形態>
図1に第1実施形態に係る発光装置200の斜視図を示し、
図2に発光装置200の上面図を示し、
図3に
図2のIII-IIIにおける断面図を示す。また、
図4は発光装置200における光反射部20である光学素子20の斜視図である。さらに、
図5は発光装置200において、半導体レーザ素子10から放射された放射光が光反射面21で反射されて蛍光部30の光照射面に照射されるまでの放射光の動きを説明するための図である。
【0012】
図1~
図5に示すように、発光装置200は、放射光が楕円形状のファーフィールドパターン(以下、「FFP(Far Field Pattern)」という。)を有する半導体レーザ素子10と、放射光を反射する光反射面21が設けられた光反射部20と、光反射面21で反射された放射光が照射される光照射面を有し、光照射面に放射光が照射されることにより蛍光を発する蛍光部30と、を備える。発光装置200において、光反射面21における放射光が照射される領域は、楕円形状のFFPを長手方向に2以上に分けた領域のうち、一端に位置する領域に対応する第1領域21aと、他端に位置する領域に対応する第2領域21bと、を有する。また、第1領域21a及び第2領域21bは、蛍光部30の光照射面において、第1領域21aで反射された放射光のうちの第2領域21bに近い側で反射された放射光と、第2領域21bで反射された放射光のうちの第1領域21aから遠い側で反射された放射光と、が重なるとともに、第1領域21aで反射された放射光のうちの第2領域21bから遠い側で反射された放射光と、第2領域21bで反射された放射光のうちの第1領域21aに近い側で反射された放射光と、が重なるように設けられている。
【0013】
発光装置200によれば、蛍光部30の変換効率の低下を低減しながら、蛍光部30から取り出される光の発光強度むらや色むらを低減することができる。以下、この点について説明する。
【0014】
半導体レーザ素子10(以下、「LD(Laser Diode)素子10」という。)の放射光は、LD素子10の光出射面と平行な面において、活性層を含む複数の半導体層の積層方向の長さがそれに垂直な方向の長さよりも長い、楕円形状のFFPを有する。ここでいうFFPとは、LD素子10の光出射面とからある程度離れており且つ光出射面と平行な面において放射光の光強度分布を測定したものであり、例えば、ピーク強度値から1/e
2等の任意の強度に落ちたときの強度における形状として特定される。このとき、放射光は、楕円形における中心部の強度が楕円形における中心部から遠い部分の強度よりも高い。従来の発光装置は、例えば、LD素子から放射された放射光を45度傾斜させた光反射面で反射させて蛍光部の光照射面に照射している。この場合、FFPの光強度分布が維持されたまま蛍光部の光照射面に照射される。このことは、
図6及び
図7に示す、従来の発光装置における光照射面の光強度分布をシミュレーションして測定した結果からも明らかである。
図7は、
図6のVII-VIIを結ぶ直線における光強度分布を示す図であるが、中心部における光強度が端部における光強度よりも明らかに高くなっている。この光が蛍光部に照射されると、光強度の高い領域における蛍光部の発熱量が周囲の発熱量に比べて多くなることにより、蛍光部の変換効率の低下が生じる。また、蛍光部に照射される放射光の強度の違いに起因して、発光強度むらや色むらのある発光装置となる可能性がある。
【0015】
そこで発光装置200では、光反射面21で反射された放射光が、蛍光部30の光照射面において均一な光強度分布に近づくように、光反射面21における放射光が照射される領域に第1領域21aと第2領域21bとを設けている。このとき、
図5に示すように、第1領域21a及び第2領域21bは、第1領域21aで反射された放射光のうちの発光強度の低い放射光(
図5に示す第1領域21aの左端近傍で反射された放射光)と、第2領域21bで反射された放射光のうちの発光強度の高い放射光(
図5に示す第2領域21bの左端近傍で反射された放射光)と、が重なるとともに、第1領域21aで反射された放射光のうちの発光強度の高い放射光(
図5に示す第1領域21aの右端近傍で反射された放射光)と、第2領域21bで反射された放射光のうちの発光強度の低い放射光(
図5に示す第2領域21bの右端近傍で反射された放射光)と、が重なるように設けられている。これにより、蛍光部30の光照射面に照射される放射光の光強度分布を均一に近づけることができるため、蛍光部30の変換効率の低下を低減しながら、発光強度のむらや色むらを低減した発光装置とすることができる。
【0016】
以下、発光装置200の構成要素について説明する。
【0017】
(基体40)
基体40は、LD素子10を実装するものである。
図3では、凹部が設けられた基体40を用い、凹部の底面にLD素子10が配置されている。
【0018】
基体40には、セラミックスを含むものを用いることができる。セラミックスとしては、例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、又は炭化ケイ素が挙げられる。基体40と蓋体80とを溶接により固定する場合は、蓋体80と接する部分(溶接部43)を、主成分として鉄を含む材料で構成する。
【0019】
図8及び
図9に示すように、凹部が設けられた基体40は、絶縁体からなる本体部41と、基体40の上面及び凹部の底面において本体部41から露出した配線部42a、42bと、蓋体80と接する溶接部43と、を有する。外部と電気的に接続する配線部42aを本体部41の下面以外の面から露出させることにより、基体40の下面の全面をヒートシンク等の他の部材に実装する面とすることができるため、発光装置200で生じる熱をヒートシンクに発散させやすくなる。
【0020】
なお、基体としては、基部と基部の上面に配置された枠部とを備えるものを用いてもよい。この場合は、基部の上面で且つ枠部の内側にLD素子が配置される。このとき配線部は、発光装置の放熱性を考慮して、枠部の外側において基部の上面に設けられることが好ましい。
【0021】
(半導体レーザ素子10)
LD素子10は、その放射光が楕円形状のFFPを有する。LD素子10は、その光出射面が基体40の下面と垂直であり、FFPの楕円形の長手方向が基体40の下面と垂直になるように配置されている。これにより、LD素子10における面積の大きな面を基体40の下面と平行に配置することができるため、LD素子10で生じる熱を基体40やヒートシンクに発散しやすくなる。なお、ここでいう「垂直」には、実装時のずれ程度による傾きは含まれることとする。
【0022】
LD素子10としては、発光ピーク波長が、320nm~530nmの範囲、典型的には、430nm~480nmの範囲にあるものを用いることができる。前述の範囲のLD素子10は、比較的高エネルギーの放射光であるため、蛍光部30の変換効率の低下が生じやすく、本実施形態の光反射面21等を採用することによる効果が顕著となるためである。前述の範囲のLD素子10としては、例えば、窒化物半導体を含む材料を用いることが好ましく、GaN、InGaN、及びAlGaNの少なくとも1つを含むものが挙げられる。
【0023】
LD素子10は、サブマウント50を介して基体40に実装されている。これにより、LD素子10の光出射面における発光点から基体40におけるLD素子10の実装面(発光装置200では凹部の底面)までの距離をサブマウント50の厚み分だけ大きくすることができるため、LD素子の放射光を効率よく光反射面21に照射することができる。LD素子10は、Au-Sn等の導電層60を用いてサブマウント50に固定することができる。
【0024】
サブマウント50としては、基体40の熱膨張率とLD素子10の熱膨張率との間の熱膨張率を有するものを用いることが好ましい。これにより、LD素子10の剥がれや、サブマウント50の剥がれを抑制することができる。LD素子10として窒化物半導体を含む材料を用いる場合は、サブマウント50として、例えば、窒化アルミニウム、又は炭化ケイ素を用いる。
【0025】
図8及び
図9に示すように、LD素子10は、ワイヤ(金属細線)70により、基体40の配線部42bと電気的に接続されている。
【0026】
(光反射部20)
光反射部20は、LD素子10からの放射光を蛍光部30に向けて反射させるものである。発光装置200のように、LD素子10からの放射光を光反射部20で反射させることにより、透過型のレンズを用いる場合に比較して、発光装置200の厚み(
図3の上下方向における長さ)を小さくしながら、蛍光部30の光照射面に照射される放射光の強度を均等に近づけることができる。
【0027】
図3においては、光反射部20として、少なくとも一面に光反射面21を有する光学素子20を用いる。基体40と光学素子20とを別体とすることにより、基体の一部が光反射面として機能する場合に比較して、基体40を単純な構成とすることができる。なお、基体の一部が光反射面として機能するように基体を構成することもできる。この場合は、光学素子を配置するためのコレットが移動する領域を考慮する必要がないため、基体の凹部の幅を小さくすることができる。
【0028】
本明細書において、光学素子20の上面と下面とを除く面はすべて側面とする。発光装置200では、
図3及び
図4に示すように、光学素子20の4つの側面のうちのLD素子10に近い側の1つの側面が光反射面21となっている。LD素子10に近い側の側面を光反射面21とすることにより、LD素子10から遠い側の側面を光反射面とする場合に比較して、放射光が通過する界面の数を減らせるため、光学素子での光の吸収を抑えることができる。
【0029】
光学素子20としては、主材が石英若しくはBK7等のガラス、又はアルミニウム等の金属等の熱に強い材料からなり、光反射面21が金属等の反射率の高い材料からなるものを用いることができる。
【0030】
発光装置200では、光反射面21は、光照射面に照射される楕円形状の長手方向における光強度分布のみが均等に近付くように設けられている。つまり、短手方向における光強度分布を変えずに、長手方向における光強度分布のみが均等に近づくような光反射面21を設けている。これは、LD素子10のFFPは特に長手方向において広がりやすいためである。なお、短手方向における光強度分布も均等に近づくような光反射面とすることもできるが、光学素子の光反射面の精度やLD素子との位置合わせを考慮すると、光反射面21は、光照射面における楕円形状の長手方向の光強度分布のみが均等に近づくように設けられることが好ましい。
【0031】
図4に示すように、光反射面21における放射光が照射される領域(一点鎖線で囲まれている領域)は、LD素子10の楕円形状のFFPを長手方向に2以上に分けた領域のうち、一端に位置する領域に対応する第1領域21aと、他端に位置する領域に対応する第2領域21bと、を有する。そして、
図4に示すように、第1領域21a及び第2領域21bは、第1領域21aで反射された放射光のうちの第2領域21bに近い側で反射された放射光と、第2領域21bで反射された放射光のうちの第1領域21aから遠い側で反射された放射光と、が重なるとともに、第1領域21aで反射された放射光のうちの第2領域21bから遠い側で反射された放射光と、第2領域21bで反射された放射光のうちの第1領域21aに近い側で反射された放射光と、が重なるように設けられている。
【0032】
ここでは、第1領域21a及び第2領域21bはそれぞれ、蛍光部30の光照射面において、第1領域21aで反射された放射光の光強度分布と第2領域21bで反射された放射光の光強度分布とが、長手方向に対応する方向に対して線対称となるように設けられる。つまり、光照射面において、第1領域21aと第2領域21bとが同じ幅で重なるように設けられる。これにより、光照射面における光強度分布を均一に近づけやすくなる。
【0033】
例えば、
図5に示すように、第2領域21bよりもLD素子10に近い側に位置する第1領域21aの面積を、第2領域21bの面積よりも小さくする。LD素子10に近い側に位置する第1領域21aは蛍光部30の光照射面までの距離が長くなり放射光が広がりやすくなるため、第1領域21aと第2領域21bとを同じ幅で重ねやすくなる。
【0034】
発光装置200では、光反射面21における放射光が照射される領域は、第1領域21aと第2領域21bとの間に位置する第3領域21cを有する。
図5に示すように、第3領域21cは、蛍光部30の光照射面において、第3領域21cで反射された放射光のうちの第1領域21aに近い側で反射された放射光と、第1領域21aで反射された放射光のうちの第2領域21bから遠い側で反射された放射光と、が重なるとともに、第3領域21cで反射された放射光のうちの第2領域21bに近い側で反射された放射光と、第2領域21bで反射された放射光のうちの第1領域21aから遠い側で反射された放射光と、が重なるように設けられている。つまり、第3領域21cで反射された放射光のうちの発光強度が低い光(
図5の第3領域21cにおける左端近傍及び右端近傍で反射された光)と、第1領域21a及び第2領域21bで反射された放射光のうちの発光強度が高い光(
図5の第1領域21aにおける右端近傍で反射された光及び第2領域21bにおける左端近傍で反射された光)と、を重ねることができる。光反射面21が第3領域21cを有する場合は、第1領域21a及び第2領域21bのみからなる場合に比較して、光反射面21で反射される光の広がりを抑えることができるため、光反射面21から蛍光部30の光照射面までの距離を大きくしても蛍光部30の光照射面における長手方向を長くする必要がなくなる。なお、光反射面21における放射光が照射される領域は、4つ以上の領域を備えていてもよい。
【0035】
第1領域21a、第2領域21b、及び第3領域21cは、FFPの長手方向において、第1領域21a及び第2領域21bで反射された放射光の発散角は、第3領域21cで反射された放射光の発散角よりも小さくなるように設けられている。つまり、楕円形状のFFPの長手方向において、第3領域21cの発光強度の高い光が外側に広がり、第1領域21a及び第2領域21bの第3領域21cから遠い側における光は広がりを抑えるように光反射面21が設けられている。これにより、光照射面に照射される放射光の広がりを抑えながら光強度分布を均一に近づけることができる。
【0036】
図4に示すように、第1領域21a、第2領域21b、及び第3領域21cは、いずれも平面である。つまり、光反射面21は3つの平面で構成されている。これにより、光学素子20の設計が容易となる。なお、第1領域、第2領域、及び第3領域は、それぞれ曲面であってもよい。
【0037】
図10に発光装置200の蛍光部30の光照射面における放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図を示し、
図11に
図10のXI-XIを結ぶ直線における光強度分布を表す図を示す。
図12に蛍光部30の光照射面における第1領域21aで反射された放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図を示し、
図13に
図12のXIII-XIIIを結ぶ直線における光強度分布を表す図を示す。
図14に蛍光部30の光照射面における第2領域21bで反射された放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図を示し、
図15に
図14のXV-XVを結ぶ直線における光強度分布を表す図を示す。
図16に蛍光部30の光照射面における第3領域21cで反射された放射光の光強度分布をシミュレーションして測定した図を示し、
図17に
図16のXVII-XVIIを結ぶ直線における光強度分布を表す図を示す。以下、
図5を参照しながらシミュレーションの条件を説明する。光学素子20の下面及びLD素子10の下面と平行な方向におけるLD素子10の発光点から光反射面21の光反射面(正確には光反射点)までの距離を0.45mmとし、光学素子20の下面と垂直な方向における光反射面21の光反射点から蛍光部30の光照射面までの距離を2.10mmとした。このとき、光反射点と蛍光部30との間には、厚みが0.5mmの透光部82と、厚みが0.43mmの放熱体100と、が配置されている。蛍光部30の光照射面の長手方向の幅(発光点から光反射点までの直進方向と平行な方向における長さ)は1mmとし、短手方向は0.5mmとした。さらに、光学素子20の下面と第1領域21aとがなす角度を31.5度、光学素子20の下面と第2領域21bとがなす角度を60度、光学素子20の下面と第3領域21cとがなす角度を45度とした。このとき、第1領域の長さL1を0.14mm、第2領域21bの長さL2を0.36mm、第3領域21cの長さL3を0.27mmとした。
図11に示すように、発光装置200によれば、蛍光部30の光照射面における放射光の光強度分布を均一に近づけることができる。
【0038】
(蓋体80)
蓋体80は、基体40と組み合わせてLD素子10が配置される空間を気密封止された空間としている。これにより、LD素子10の光出射面への有機物等の集塵を抑制することができる。蓋体80は、支持部81と、透光部82と、支持部81及び透光部82を接合する接合材83と、を有する。光反射面21で反射された光は透光部82を通過して蛍光部30の光照射面に照射される。
【0039】
発光装置200では、LD素子10として窒化物半導体を含む材料を用いているため、蓋体80の支持部81と基体40とを溶接により固定している。この場合は、支持部81として鉄を主成分として含む材料を用いることができる。また、発光装置200では、基体40と蓋体80とにより気密封止された1つの空間に、LD素子10と光学素子20とを配置している。これにより、LD素子が搭載されたLD装置と、LD装置の外部に配置された光学素子とを含む発光装置と比べて、発光装置200が大きくなることを抑制することができる。透光部82としては、例えばガラス、サファイアを用い、接合材83としては、例えば低融点ガラス、金錫半田を用いる。
【0040】
(蛍光部30)
蛍光部30は、光反射面21で反射された放射光が照射される光照射面を有し、光照射面に放射光が照射されることにより蛍光を発する。
図3において、蛍光部30の下面が光照射面であり、蛍光部30の上面が光取出面である。
図3に示すように、蛍光部30は、蓋体80における透光部82の上方に配置されている。
【0041】
蛍光部30は、蛍光体を含む。蛍光体としては、YAG蛍光体、LAG蛍光体、αサイアロン蛍光体等が挙げられる。なかでも、耐熱性の高いYAG蛍光体を用いることが好ましい。蛍光部30は、無機材料からなることが好ましい。これにより、有機材料を含む場合に比較して、熱や光に強いので、信頼性を向上させることができる。無機材料からなる蛍光部30としては、蛍光体セラミックスや蛍光体の単結晶を用いることができる。蛍光体セラミックスとしては蛍光体の粒子と添加材との焼結体を用いることができる。YAG蛍光体の蛍光体セラミックスを用いる場合は、添加材として酸化アルミニウムを用いることができる。
【0042】
図2及び
図3に示すように、蛍光部30の光照射面は、一方向に長い形状であることが好ましい。例えば、楕円形や長方形とすることができ、蛍光部30の量産性の観点から、長方形とすることが好ましい。このとき、光反射面21で反射された放射光は蛍光部30の光照射面において一方向に長い形状で照射され、蛍光部30及び半導体レーザ素子10は、蛍光部30の長手方向と放射光の長手方向とが平行になるように配置されていることが好ましい。これにより、蛍光部30の光照射面において放射光が当たる領域から光照射面の外縁までの距離が小さくなるため、蛍光部30で生じる熱を発散させやすくなる。したがって、蛍光部30の変換効率の低下を低減しやくなる。
【0043】
(第1遮光部90)
第1遮光部90は、蛍光部30の上面以外の領域から光が出ることを低減するためのものであり、
図3に示すように、蛍光部30の側方に配置されている。第1遮光部90は蛍光部30と直接接して設けられている。蛍光部30がYAG蛍光体を含む場合は、第1遮光部90として、酸化アルミニウムを主成分として含むセラミックスを用いることが好ましい。これにより、蛍光部30と第1遮光部90との接合力を高くしながら、蛍光部30からの光を遮光することができる。第1遮光部90に用いられる酸化アルミニウムは、後述する放熱体100に用いることができるサファイアと同じ材料であるが、第1遮光部90のうちの蛍光部30に近い領域は焼結密度が低いため、その領域には空隙が存在する。同じ材料であっても、蛍光部30からの光は酸化アルミニウム等の粒子と空隙との界面で反射されるため、第1遮光部90は光を透過しにくくなっている。
【0044】
(放熱体100)
図3に示すように、蛍光部30及び第1遮光部90は放熱体100を介して蓋体80に固定されている。放熱体100の上面と、蛍光部30の光照射面及び第1遮光部90の下面と、は直接接することが好ましい。これにより、蛍光部30における放射光が当たることにより発熱しやすい領域と放熱体100とを直接接触させることができるため、蛍光部30で生じる熱を発散しやすくなる。放熱体100としては透光性の部材を用いることができ、例えば、サファイア、石英又は炭化ケイ素を用いることができる。なお、第1遮光部90と放熱体100とを、耐熱性のある金属材料等により固定することにより、光反射面の上方に蛍光部30を配置してもよい。
【0045】
(第2遮光部110)
放熱体100の側面には第2遮光部110が設けられている。これにより、放熱体100の側方から光が抜けることを抑制することができる。第2遮光部110としては、例えば、酸化チタン等の散乱粒子を含む樹脂を用いる。
【0046】
<第2実施形態>
図18に第2実施形態に係る発光装置300の断面図を示す。発光装置300は、次に説明する事項以外は、発光装置200で説明した事項と実質的に同一である。
【0047】
発光装置300は、光学素子20の光反射面が、LD素子10から遠い側の側面に設けられている。つまり、放射光は、光学素子20におけるLD素子10に近い側の側面から光学素子20の内部に入射し、光反射面21で反射されて、光学素子20の上面から取り出される。この場合であっても、蛍光部30の光照射面において照射される放射光の光強度を均一に近づけることができる。このとき、光学素子20として、主材が石英若しくはBK7等のガラスからなり、光反射面が金属等の反射率の高い材料からなるものを用いる。
【0048】
<第3実施形態>
図19に第3実施形態に係る発光装置400における基体40の凹部の内部を説明するめの斜視図を示し、
図20に
図19の上面図を示す。発光装置400は、次に説明する事項以外は、発光装置200で説明した事項と実質的に同一である。
【0049】
発光装置400は、2つのLD素子10と2つの光学素子20とを含む。そして、光学素子20は、各LD素子10から放射された放射光が、各光学素子20が有する光反射面21で反射され、1つの蛍光部30の光照射面に照射されるように配置されている。具体的には、2つのLD素子10は、それぞれの光出射面が平行になるように配置されており、2つの光学素子20は、向かい合う側面が平行になるように配置されている。そして、光学素子20の側面に平行な面とLD素子10の光出射面に平行な面とが垂直以外の角度で交差するように配置されている。
【0050】
図21に、発光装置400における、蛍光部30の光照射面に照射される放射光における光強度分布をシミュレーションして測定した図を示す。
図21に示すように、複数のLD素子10を用いることにより蛍光部30の光照射面に照射される放射光の強度を高くすることができる。
【0051】
なお、本実施形態においても、基体の凹部の向かい合う2つの側面をそれぞれ光反射面とし、2つの光反射面のそれぞれにLD素子からの放射光が照射されるようにしてもよい。また、2つの光学素子として、第2実施形態に用いた光学素子を用いることもできる。
【0052】
<第4実施形態>
図22は、第4実施形態に係る発光装置500において、半導体レーザ素子10から放射された放射光が光反射面21で反射されて蛍光部30の光照射面に照射されるまでの放射光の動きを説明するための図である。発光装置500は、次に説明する事項以外は、発光装置200で説明した事項と実質的に同一である。
【0053】
図22に示すように、発光装置500において、光反射面21における放射光が照射される領域は、楕円形上のFFPを長手方向に3に分けた領域のうち、一端に位置する領域に対応する第1領域21aと、他端に位置する領域に対応する第2領域21bと、第1領域21aと第2領域21bとの間に位置する第3領域21cと、を有する。このとき、第1領域21aは、蛍光部30の光照射面において、第1領域21aで反射された放射光が、第3領域21cで反射された放射光のうちの第1領域21a又は第2領域21bの一方に近い側で反射された放射光と重なるように設けられている。また、第2領域21bは、蛍光部30の光照射面において、第2領域21bで反射された放射光が第3領域21cで反射された放射光のうちの第1領域21a又は第2領域21bの他方に近い側で反射された放射光と重なるように設けられている。つまり、第3領域21cで反射された放射光のうちの発光強度が低い領域に、第1領域21aで反射された放射光の一部及び第2領域21bで反射された放射光の一部のそれぞれが重なるように、第1領域21a及び第2領域21bは設けられている。
【0054】
図22に示すように、発光装置500では、第1領域21aは、蛍光部30の光照射面において、第1領域21aで反射された放射光が、第3領域21cで反射された放射光のうちの第2領域21bに近い側で反射された放射光と重なるように設けられている。また、第2領域21bは、蛍光部30の光照射面において、第2領域21bで反射された放射光が、第3領域21cで反射された放射光のうちの第1領域21aに近い側で反射された放射光と重なるように設けられている。つまり、第1領域21aで反射された放射光と第2領域21bで反射された放射光とが交差してから蛍光部30の光照射面に照射されるように、第1領域21a及び第2領域21bは設けられている。これにより、第1領域21aで反射される光のうちの発光強度の低い光(
図22における第1領域21aの左端近傍で反射される光)と第3領域21cで反射される光のうちの発光強度の低い光(
図22における第3領域21cの右端近傍で反射される光)とを重ねることができるとともに、第2領域21bで反射される光のうちの発光強度の低い光(
図22における第2領域21bの右端近傍で反射される光)と第3領域21cで反射される光のうちの発光強度の低い光(
図22における第3領域21cの左端近傍で反射される光)とを重ねることができる。したがって、蛍光部30の光照射面における放射光の光強度を均一に近づけやすい。
【0055】
なお、発光装置500において、第1領域で反射された放射光と第2領域で反射されえた放射光とが、交差しないようにしてもよい。言い換えると、光反射面は、第3領域で反射された光のうちの第1領域に近い側で反射された光と第1領域で反射された光のうちの第3領域に近い側で反射された光とを重ねるとともに、第3領域で反射された光のうちの第2領域に近い側で反射された光と第2領域で反射された光のうちの第3領域に近い側で反射された放射光とを重ねるように設けられていてもよい。この場合であっても、第3領域で反射された放射光のうちの発光強度の低い光と第1領域で反射された光及び第2領域で反射された光とを重ねることができるため、一定の効果を得ることはできる。
【0056】
<第5実施形態>
図23は、第5実施形態に係る発光装置600において、半導体レーザ素子10から放射された放射光が光反射面21で反射されて蛍光部30の光照射面に照射されるまでの放射光の動きを説明するための図である。発光装置600は、次に説明する事項以外は、発光装置200で説明した事項と実質的に同一である。
【0057】
発光装置600において、光学素子20の光反射面21は曲面である。このとき光反射面21は、蛍光部30の光照射面における放射光の強度分布が均一に近づくように、楕円形状のFFPの長手方向の両端に位置する領域に対応する領域で反射される放射光の発散角が長手方向の中央に位置する領域に対応する領域で反射される発散角よりも小さくなるように設けられている。つまり、楕円形状のFFPの長手方向において、中心近傍における光は外側に広がり、両端部近傍における光は広がりを抑えるように光反射面21が設けられている。この場合であっても、光照射面における放射光の光強度分布を均一に近づけることができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
各実施形態に記載の発光装置は、照明、車両用灯具等に使用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10…半導体レーザ素子
20…光反射部
21…光反射面
21a…第1領域
21b…第2領域
21c…第3領域
30…蛍光部
40…基体
41…本体部
42a、42b…配線部
43…溶接部
50…サブマウント
60…導電層
70…ワイヤ
80…蓋体
81…支持部
82…透光部
83…接合材
90…第1遮光部
100…放熱体
110…第2遮光部
200、300、400、500、600…発光装置
【手続補正書】
【提出日】2022-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザ素子と、
光反射面を有する光反射部と、
前記半導体レーザ素子及び前記光反射部が配置される凹部と、前記凹部を囲み前記半導体レーザ素子及び前記光反射部よりも上方に位置する上面と、前記上面に設けられる第1配線部及び第2配線部と、を有する基体と、
を備え、
前記半導体レーザ素子は第1方向に光を出射し、
前記光反射部は、上面視で前記半導体レーザ素子から第1方向に離れた位置に配置され、
前記第1配線部及び第2配線部は、上面視で前記半導体レーザ素子よりも前記第1方向と反対の方向に離れた位置で、前記第1方向に垂直な第2方向に並べて配置される、発光装置。
【請求項2】
前記基体に接合される蓋体をさらに備え、
前記基体は、前記凹部を囲む溶接部を有し、
前記蓋体は、前記溶接部と接合し、
上面視で、前記蓋体と、前記第1配線部及び第2配線部は重ならず、
前記反射部によって反射された光は、前記蓋体を透過して上方に出射される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記溶接部は、鉄を含む材料で構成される、請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第1配線部は、前記第2配線部から前記第2方向に離れた位置に設けられ、
前記第1配線部の前記第2配線部から前記第2方向に最も遠い位置から、前記第2配線部の前記第1配線部から前記第2方向の反対の方向に最も遠い位置までの長さは、前記凹部の第2方向の幅よりも大きい、請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記基体は、前記半導体レーザ素子が配置される基部と、前記基部に配置される枠部と、で構成される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1配線部及び第2配線部は、前記基体の基部に設けられる、請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記基体は、窒化アルミニウムのセラミックスを含む、請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記基体は、酸化アルミニウムのセラミックスを含む、請求項5に記載の発光装置。
【請求項9】
前記半導体レーザ素子が固定されるサブマウントをさらに備え、
前記半導体レーザ素子は、前記サブマウントを介して前記基体に実装される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項10】
前記半導体レーザ素子に接合するワイヤをさらに備え、
前記半導体レーザ素子は、前記ワイヤにより、前記第2配線部と電気的に接続される、請求項1に記載の発光装置。
【請求項11】
前記光反射部は、前記基体と別体である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第1配線部及び第2配線部はいずれも、上面視で、前記第1方向の幅よりも前記第2方向の幅の方が大きい、請求項1に記載の発光装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
このような発光装置では、蛍光部の光照射面に照射される放射光の光強度が、中心部においてその周囲よりも高くなる。この場合は、放射光の中心部が照射された蛍光部の発熱量が大きくなることにより、蛍光部の変換効率が低下するおそれがある。また、蛍光部から取り出される光の発光強度むらや色むらが生じるおそれがある。
またあるいは、発光装置は、放熱性を考慮して設計されることが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一形態に係る発光装置は、半導体レーザ素子と、光反射面を有する光反射部と、前記半導体レーザ素子及び前記光反射部が配置される凹部と、前記凹部を囲み前記半導体レーザ素子及び前記光反射部よりも上方に位置する上面と、前記上面に設けられる第1配線部及び第2配線部と、を有する基体と、を備え、前記半導体レーザ素子は第1方向に光を出射し、前記光反射部は、上面視で前記半導体レーザ素子から第1方向に離れた位置に配置され、前記第1配線部及び第2配線部は、上面視で前記半導体レーザ素子よりも前記第1方向と反対の方向に離れた位置で、前記第1方向に垂直な第2方向に並べて配置される、発光装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
放熱性が考慮された発光装置とすることができる。