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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022066960
(43)【公開日】2022-05-02
(54)【発明の名称】レンズユニットの取付機構
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20220422BHJP
   G02B 21/00 20060101ALI20220422BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G02B21/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020175589
(22)【出願日】2020-10-19
(71)【出願人】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】きさらぎ国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】後藤 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】益田 紀彦
【テーマコード(参考)】
2H044
2H052
【Fターム(参考)】
2H044AJ03
2H044AJ07
2H052AD29
2H052AD37
(57)【要約】
【課題】光学測定装置等の鏡筒にレンズユニットを容易に取り付け可能な取付機構を提供する。
【解決手段】レンズユニットの取付機構は、鏡筒にレンズユニットを取り付ける取付機構である。この取付機構は、鏡筒及びレンズユニットの一方に取付可能に構成された第1取付部と、鏡筒及びレンズユニットの他方に取付可能に構成され第1取付部に近づく方向に向かって拡幅する拡幅部が外周面に設けられた第2取付部と、第2取付部の拡幅部に当接する当接部材と、鏡筒の光軸を中心とする円の径方向において当接部材が第1取付部に対して移動可能な状態で鏡筒の光軸方向において当接部材と第1取付部との位置関係を拘束する拘束部と、当接部材を第2取付部の拡幅部に向かって押圧する押圧手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡筒にレンズユニットを取り付ける取付機構であって、
前記鏡筒及び前記レンズユニットの一方に取付可能に構成された第1取付部と、
前記鏡筒及び前記レンズユニットの他方に取付可能に構成され、前記第1取付部に近づく方向に向かって拡幅する拡幅部が外周面に設けられた第2取付部と、
前記第2取付部の拡幅部に当接する当接部材と、
前記鏡筒の光軸を中心とする円の径方向において前記当接部材が前記第1取付部に対して移動可能な状態で、前記鏡筒の光軸方向において前記当接部材と前記第1取付部との位置関係を拘束する拘束部と、
前記当接部材を前記第2取付部の拡幅部に向かって押圧する押圧手段と
を備えるレンズユニットの取付機構。
【請求項2】
前記当接部材は、前記第2取付部の拡幅部に当接する少なくとも1つの球、少なくとも1つの円筒軸、又は、少なくとも1つの柱状の部材である
請求項1記載のレンズユニットの取付機構。
【請求項3】
前記押圧手段は、前記拘束部と相対移動可能に構成され、前記拘束部との位置関係に応じて前記当接部材を前記第2取付部の拡幅部に向かって押圧する面を有する押圧部を備える
請求項1又は2記載のレンズユニットの取付機構。
【請求項4】
前記押圧部は、前記鏡筒の光軸を回転軸とする回転方向において前記拘束部と相対移動可能に構成され、前記回転方向における前記拘束部との位置関係に応じて前記当接部材を前記第2取付部の拡幅部に向かって押圧する面を有する
請求項3記載のレンズユニットの取付機構。
【請求項5】
前記押圧部は、前記光軸方向において前記拘束部と相対移動可能に構成され、前記光軸方向における前記拘束部との位置関係に応じて前記当接部材を前記第2取付部の拡幅部に向かって押圧する面を有する
請求項3記載のレンズユニットの取付機構。
【請求項6】
前記押圧部は、前記第1取付部の一部である
請求項3~5のいずれか1項記載のレンズユニットの取付機構。
【請求項7】
前記拘束部は、前記第1取付部の一部である
請求項1~5のいずれか1項記載のレンズユニットの取付機構。
【請求項8】
前記押圧手段は、前記当接部材を前記第2取付部の拡幅部に向かって押圧する弾性力を発生させる付勢手段を備える
請求項1~7のいずれか1項記載のレンズユニットの取付機構。
【請求項9】
ばねを備え、
前記当接部材及び前記押圧手段は、前記ばねの一部である
請求項1記載のレンズユニットの取付機構。
【請求項10】
前記第1取付部の内周面に、テーパ面又は逆テーパ面である第1斜面が形成され、
前記第2取付部の外周面に、テーパ面又は逆テーパ面である第2斜面が形成され、
前記第1取付部の第1斜面と前記第2取付部の第2斜面とが当接した状態で、前記第1取付部及び前記第2取付部の位置関係が固定される様に構成された
請求項1~9のいずれか1項記載のレンズユニットの取付機構。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学顕微鏡や画像測定機等の光学測定装置等の鏡筒にレンズユニットを取付可能なレンズユニットの取付機構に関する。
【背景技術】
【0002】
光学顕微鏡や画像測定機等、ワークの観察や測定を行う光学測定装置が知られている。これら光学測定装置の鏡筒の下端には、例えば倍率を変えたい等の目的から、取り付け/取り外し可能なレンズユニットが取り付けられる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-109355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
鏡筒にレンズユニットを取り付けるための取付機構としては、例えば、ねじ式のものや、バヨネット式のものが存在する。しかしながら、ねじ式の取付機構を採用する場合、レンズユニットを傾けて篏合させるとねじ山を損傷する恐れがある。また、ねじ式の取付機構では、レンズユニットの取り付け/取外しに際して、レンズユニットをねじ山の数だけ回転させる必要がある。従って、取付・取外作業に際してレンズユニットから手を離したタイミング等で、レンズユニットを落下させる恐れがある。また、バヨネット式の取付機構を採用する場合、レンズユニットに形成されたツメ部分と鏡筒側に設けられた溝部分との位置合わせを行う必要がある。従って、取付作業に際しては、鏡筒側に設けられた溝部分の位置を下方から覗き込んで視認する必要が生じる場合があり、作業性が悪くなってしまう場合があった。
【0005】
本発明は、この様な課題に鑑みなされたものであり、光学測定装置等の鏡筒にレンズユニットを容易に取り付け可能な取付機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の実施形態に係るレンズユニットの取付機構は、鏡筒にレンズユニットを取り付ける取付機構である。この取付機構は、鏡筒及びレンズユニットの一方に取付可能に構成された第1取付部と、鏡筒及びレンズユニットの他方に取付可能に構成され第1取付部に近づく方向に向かって拡幅する拡幅部が外周面に設けられた第2取付部と、第2取付部の拡幅部に当接する当接部材と、鏡筒の光軸を中心とする円の径方向において当接部材が第1取付部に対して移動可能な状態で鏡筒の光軸方向において当接部材と第1取付部との位置関係を拘束する拘束部と、当接部材を第2取付部の拡幅部に向かって押圧する押圧手段と、を備える。
【0007】
上記当接部材は、第1取付部の第1斜面に当接する少なくとも1つの球、少なくとも1つの円筒軸、又は、少なくとも1つの柱状の部材であっても良い。
【0008】
上記押圧手段は、拘束部と相対移動可能に構成され、拘束部との位置関係に応じて当接部材を第2取付部の拡幅部に向かって押圧する面を有する押圧部を備えても良い。
【0009】
上記押圧部は、鏡筒の光軸を回転軸とする回転方向において拘束部と相対移動可能に構成され、回転方向における拘束部との位置関係に応じて当接部材を第2取付部の拡幅部に向かって押圧する面を有しても良い。
【0010】
上記押圧部は、光軸方向において拘束部と相対移動可能に構成され、光軸方向における拘束部との位置関係に応じて当接部材を第2取付部の拡幅部に向かって押圧する面を有しても良い。
【0011】
上記押圧部は、第1取付部の一部でも良い。
【0012】
上記拘束部は、第1取付部の一部でも良い。
【0013】
上記押圧手段は、当接部材を第2取付部の拡幅部に向かって押圧する弾性力を発生させる付勢手段を備えても良い。
【0014】
上記レンズユニットの取付機構はばねを備え、上記当接部材及び押圧手段はばねの一部であっても良い。
【0015】
上記第1取付部の内周面にテーパ面又は逆テーパ面である第1斜面が形成され、上記第2取付部の外周面にテーパ面又は逆テーパ面である第2斜面が形成され、上記レンズユニットの取付機構は、第1取付部の第1斜面と第2取付部の第2斜面とが当接した状態で、第1取付部及び第2取付部の位置関係が固定される様に構成されても良い。
【発明の効果】
【0016】
この様な構成によれば、光学測定装置等の鏡筒にレンズユニットを容易に取り付け可能な取付機構を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態に係るアタッチメント100の斜視図である。
図2】アタッチメント100のXY断面図である。
図3図2のA-A´線に対応するアタッチメント100の断面図である。
図4図2のB-B´線に対応するアタッチメント100の断面図である。
図5図2のC-C´線に対応するアタッチメント100の断面図である。
図6】レンズユニット10、レンズ側取付部110及び球120の斜視図である。
図7図6に示す構成及び球支持部130の斜視図である。
図8図7に示す構成及び鏡筒側取付部140の斜視図である。
図9図8に示す構成、回転部150及びばね160の斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態に係るアタッチメント200の斜視図である。
図11】アタッチメント200のXY断面図である。
図12図11のA-A´線に対応するアタッチメント200の断面図である。
図13】レンズユニット10及びレンズ側取付部210の斜視図である。
図14】本発明の第3実施形態に係るアタッチメント300の斜視図である。
図15】アタッチメント300のXY断面図である。
図16】アタッチメント300のXY断面図である。
図17図15及び図16のA-A´線に対応するアタッチメント300の断面図である。
図18】レンズユニット10及びレンズ側取付部310の斜視図である。
図19図18に示す構成及び鏡筒側取付部320の斜視図である。
図20図19に示す構成、円筒軸330及び円筒軸押上板340の斜視図である。
図21】把持部350の斜視図である。
図22】アタッチメント300の使用方法について説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る対物レンズの取付機構を例示する。
【0019】
また、以下の説明では、光学測定装置等の鏡筒の光軸方向がZ方向と一致する例について説明する。しかしながら、この様な構成はあくまでも説明のための例示であり、具体的な構成等は適宜調整可能である。
【0020】
また、以下の説明では、光学測定装置等の鏡筒にレンズユニットを取り付けるための取付機構として、鏡筒及びレンズユニットに取付可能なアタッチメントを例示する。しかしながら、この様な構成はあくまでも説明のための例示であり、具体的な構成等は適宜調整可能である。例えば、この様な取付機構の少なくとも一部は、鏡筒及びレンズユニットの少なくとも一方の一部であっても良い。
【0021】
[第1実施形態]
まず、図1図9を参照して、本発明の第1実施形態に係るレンズユニットの取付機構について説明する。尚、図2では、説明の都合上、レンズユニット10の構成を簡略化して図示している。また、図3図5には、取付機構の切断面における構造と、切断面より奥の構造を示す線であって取付機構の輪郭線を示すものと、を図示している。ただし、説明の都合上、切断面より奥の凹凸を示す線等は図示していない。また、レンズユニット10の切断面における構造は図示していない。
【0022】
図1には、レンズユニット10と、このレンズユニット10を図示しない光学測定装置等の鏡筒の下端部に取り付けるアタッチメント100と、を図示している。
【0023】
レンズユニット10は、図示しない光学測定装置等の対物レンズとして機能する。例えば図3に示す様に、レンズユニット10は、図示しないレンズと、このレンズを収容するカバー13と、を備える。また、カバー13の上端部には、アタッチメント100又は図示しない鏡筒の下端部に取付可能な雄ねじ部14と、アタッチメント100又は図示しない鏡筒の下端に当接する当接面15と、が設けられている。
【0024】
アタッチメント100は、例えば図3に示す様に、レンズユニット10に取付可能なレンズ側取付部110と、このレンズ側取付部110に当接する2つの球120と、球120を支持する球支持部130と、を備える。また、アタッチメント100は、図示しない鏡筒の下端部に取付可能な鏡筒側取付部140と、球支持部130と共に鏡筒の光軸を回転軸として回転可能に構成された回転部150と、球支持部130及び回転部150を回転方向に付勢するばね160と、を備える。また、アタッチメント100は、例えば図4に示す様に、ねじ175によって回転部150にねじ止めされた把持部170を備える。
【0025】
本実施形態に係るアタッチメント100は、把持部170を取外し方向(光軸を回転軸とする所定の回転方向。図1参照。)に回転させ、把持部170の位置(回転方向における鏡筒側取付部140との相対角度)を取外し位置まで移動させることにより、レンズ側取付部110の取付け、取外しが可能となる様に構成されている。また、把持部170を取外し方向に回転させた状態で把持部170から手を離すと、ばね160の弾性力により、把持部170は取外し方向と反対の方向(付勢方向)に回転し、元の位置に戻る。
【0026】
レンズ側取付部110は、例えば図6に示す様に、略円錐台形状に形成されている。レンズ側取付部110の上部及び下部の外周面には、鏡筒側取付部140との位置決めに用いられる位置決め面111,112が設けられている。位置決め面111,112は、共通の円錐台形の外周面に沿って設けられたテーパ面である。また、レンズ側取付部110の外周面のうち、位置決め面111,112の間には、球120によって押圧される被押圧面113が設けられている。被押圧面113は、逆テーパ面である。また、レンズ側取付部110の外周面のうち、位置決め面112と被押圧面113との間には、球支持部130と摺動可能な摺動面114が設けられている。摺動面114は、円柱の外周面に沿って設けられている。また、レンズ側取付部110の内周面には、例えば図3に示す様に、レンズユニット10の雄ねじ部14と螺合される雌ねじ部115が設けられる。また、レンズ側取付部110の一部の下面には、レンズユニット10の当接面15と当接する当接面116が設けられている。
【0027】
球支持部130は、例えば図7に示す様に、略円環状に形成されている。球支持部130には、球120を支持する支持面131が設けられている。支持面131は、光軸を中心とする円の径方向(以下、単に「径方向」と呼ぶ。)において球120を移動可能とし、且つ、光軸を中心とする円の周方向(以下、単に「周方向」と呼ぶ。)において球120の位置を拘束する。支持面131は、例えば、図示の様な溝、又は、径方向に延伸する貫通孔によって実現される。また、球支持部130には、径方向に延伸し球支持部130の内側の空間と外側の空間とを連通させる貫通孔132が設けられている。貫通孔132には、例えば図4に示す様に、ばね160の一部が挿通される。また、球支持部130の内周面には、レンズ側取付部110の摺動面114と摺動可能な摺動面133が設けられている。
【0028】
鏡筒側取付部140は、例えば図8に示す様に、略円筒状に構成された第1部分141と、第1部分141よりも下方に設けられ略円盤状に構成された第2部分142と、第2部分142よりも下方に設けられ略円筒状に構成された第3部分143と、を備える。
【0029】
鏡筒側取付部140の第1部分141の外周面には、図示しない鏡筒の下端部の内周面に設けられた雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部が設けられている。
【0030】
鏡筒側取付部140の第2部分142は、図示しない鏡筒の下端部に収容可能に構成されている。
【0031】
鏡筒側取付部140の第3部分143の上面は、図示しない鏡筒の下端に当接する当接面として機能する。また、鏡筒側取付部140の第3部分143には、径方向に延伸して第3部分143の内側の空間と外側の空間とを連通させる長孔144が設けられている。長孔144は周方向に延伸している。また、長孔144の周方向の一端部は、下方に延伸している。また、第3部分143には、外周面から径方向に延伸する非貫通孔145が設けられている。非貫通孔145には、ばね160の一部が挿通される。また、第3部分143には、径方向に延伸して第3部分143の内側の空間と外側の空間とを連通させる貫通孔146が設けられている。貫通孔146は、球支持部130の支持面131(図3)よりも低い位置に設けられている(図5図7参照。)。レンズユニット10の取付け/取外しに際して、球120は貫通孔146にはまる。
【0032】
また、鏡筒側取付部140の第3部分143の上部及び下部の内周面には、例えば図5に示す様に、レンズ側取付部110との位置決めに用いられる位置決め面147,148が設けられている。位置決め面147,148は、共通の円錐台形の外周面に沿って設けられたテーパ面である。尚、位置決め面147,148と、レンズ側取付部110の位置決め面111,112とは、全て共通のテーパ角度を有する共通の円錐台形の外周面に沿って設けられていても良い。また、鏡筒側取付部140の内周面のうち、位置決め面147,148の間には、球120を押圧する押圧面149が設けられている。押圧面149は、例えば図2に示す様に、基本的には光軸を中心とする円の円周に沿って形成されている。ただし、押圧面149は、球120が取外し方向に沿って貫通孔146に近づく程光軸から離れる様に形成された曲面181を含む。また、図5に示す様に、鏡筒側取付部140の内周面のうち、位置決め面148と押圧面149との間には、球支持部130と摺動可能な摺動面182が設けられている。摺動面182は、円柱の外周面に沿って設けられている。
【0033】
回転部150は、例えば図9に示す様に、略円筒状に形成された第1部分151と、この第1部分151よりも下方に設けられた略円盤状の第2部分152と、を備える。回転部150の第1部分151には、径方向に延伸して第1部分151の内側の空間と外側の空間とを連通させる長孔153,154が設けられている。長孔153は、周方向に延伸している。長孔153の周方向の一端部は、ばね160の一部と当接する。長孔153の周方向の他端部は、長孔154と連通している。長孔154は、光軸方向に延伸している。回転部150の第2部分152には、ねじ175(図4)が挿通される貫通孔155が設けられている。
【0034】
ばね160は、らせん状に形成されたコイル部161と、コイル部161の一端及び他端から光軸に近づく方向に延伸する取付部162,163と、を備える。取付部162は、回転部150の長孔153、鏡筒側取付部140の長孔144(図8)、及び、球支持部130の貫通孔132(図7)に挿通される(図4参照)。取付部163は、鏡筒側取付部140の非貫通孔145(図8)に挿通される。
【0035】
把持部170は、例えば図3に示す様に、略円筒状に形成された第1部分171と、この第1部分171よりも下方に設けられた略円盤状の第2部分172と、を備える。第1部分171の外周面には、例えば図1に示す様に、Z方向に延伸するローレット173が形成されていても良い。また、第2部分には、例えば図4に示す様に、ねじ175と螺合される雌ねじ部174が形成されている。
【0036】
第1実施形態に係るアタッチメント100の使用に際しては、まず、図示しない光学測定装置等の鏡筒にレンズ側取付部110以外の構成を取り付け、レンズユニット10にレンズ側取付部110を取り付けておく。次に、把持部170を取外し方向(図1)に回転させる。
【0037】
ここで、把持部170に、取外し方向への力がかかると、把持部170とねじ止めされている回転部150(図3)にも、取外し方向への力がかかる。また、図9を参照して説明した様に、回転部150の長孔153の一端部は、ばね160の取付部162と当接しているため、ばね160の取付部162にも取外し方向への力がかかる。また、ばね160の取付部162は球支持部130の貫通孔132(図7)に挿通されているため、球支持部130にも取外し方向への力がかかる。また、図7を参照して説明した様に、球支持部130の支持面131は、周方向において球120の位置を拘束する。従って、把持部170を取外し方向に回転させると、回転部150、ばね160の取付部162、球支持部130及び球120も取外し方向に回転する。尚、ばね160の取付部162は、鏡筒側取付部140の長孔144に沿って取外し方向に回転する。
【0038】
ここで、図2を参照して説明した様に、鏡筒側取付部140の内周面には、球120が取外し方向に沿って貫通孔146に近づく程光軸から離れる様に形成された曲面181が形成されている。従って、球120が取外し方向に回転すると、球120が鏡筒側取付部140の貫通孔146に近づき、球120が径方向に移動可能な状態となる。
【0039】
把持部170を取外し位置まで回転させると、ばね160の取付部162が貫通孔146の周方向の端部(図8)まで移動し、球120が鏡筒側取付部140の貫通孔146に対応する位置まで移動する。この状態で把持部170を下方向に移動させると、ばね160の取付部162が長孔144の周方向の端部の下方に延伸している部分にはまる。また、球120は貫通孔146側に転がり、貫通孔146にはまる。この状態で、レンズ側取付部110を、下方から鏡筒側取付部140の内部の空間に挿入する。
【0040】
次に、把持部170を上方に移動させる。これに伴い、ばね160の取付部162が長孔144の周方向の端部の下方に延伸している部分から外れる。また、球120が貫通孔146から離れる。次に、把持部170を付勢方向に回転させる。これにより、回転部150、ばね160の取付部162、球支持部130及び球120も付勢方向に回転する。ここで、球支持部130が付勢方向に回転すると、例えば図2に示す様に、球120が曲面181によって径方向光軸側に押圧される。これにより、例えば図3に示す様に、球120によってレンズ側取付部110の被押圧面113が径方向光軸側に押圧され、レンズ側取付部110が上方に押圧される。これにより、レンズ側取付部110の位置決め面111,112が鏡筒側取付部140の位置決め面147,148と当接する。これにより、レンズ側取付部110が位置決めされる。
【0041】
この様な構成によれば、レンズユニット10を図示しない鏡筒に容易に取付可能である。また、レンズ側取付部110と鏡筒側取付部140との位置関係を精度よく位置決め可能である。
【0042】
[第2実施形態]
次に、図10図13を参照して、本発明の第2実施形態に係るレンズユニットの取付機構について説明する。尚、図11では、説明の都合上、レンズユニット10の構成を簡略化して図示している。また、図12には、取付機構の切断面における構造と、切断面より奥の構造を示す線であって取付機構の輪郭線を示すものと、を図示している。ただし、説明の都合上、切断面より奥の凹凸を示す線等は図示していない。また、レンズユニット10の切断面における構造は図示していない。
【0043】
図10には、レンズユニット10と、このレンズユニット10を図示しない光学測定装置等の鏡筒の下端部に取り付けるアタッチメント200と、を図示している。
【0044】
アタッチメント200は、例えば図12に示す様に、レンズユニット10に取付可能なレンズ側取付部210と、図示しない鏡筒の下端部に取付可能な鏡筒側取付部220と、鏡筒側取付部220に取り付けられると共にレンズ側取付部210に当接するばね230と、を備える。
【0045】
レンズ側取付部210は、例えば図13に示す様に、略円筒状に構成された第1部分211と、第1部分211よりも下方に設けられ略円盤状に構成された第2部分212と、を備える。
【0046】
レンズ側取付部210の第1部分211の上部及び下部の外周面には、鏡筒側取付部220との位置決めに用いられる位置決め面213,214が設けられている。位置決め面213,214は、共通の円筒形の外周面に沿って設けられた円筒面である。また、第1部分211の外周面のうち、位置決め面213よりも上方の領域には、レンズ側取付部210の鏡筒側取付部220への挿入に際してばね230と当接する当接面215が設けられている。当接面215は、テーパ面である。また、第1部分211の外周面のうち、位置決め面213,214の間には、ばね230によって押圧される被押圧面216が設けられている。被押圧面216は、逆テーパ面である。また、第1部分211の内周面には、例えば図12に示す様に、レンズユニット10の雄ねじ部14と螺合される雌ねじ部217が設けられる。また、第1部分211の内周面には、レンズユニット10の当接面15と当接する当接面218が設けられている。
【0047】
レンズ側取付部210の第2部分212の上面には、鏡筒側取付部220の下面と当接する当接面219が設けられている。
【0048】
鏡筒側取付部220は、例えば図10に示す様に、略円筒状に構成された第1部分221と、第1部分221よりも下方に設けられ略円盤状に構成された第2部分222と、第2部分222よりも下方に設けられ略円筒状に構成された第3部分223と、を備える。
【0049】
鏡筒側取付部220の第1部分221の外周面には、図示しない鏡筒の下端部の内周面に設けられた雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部が設けられている。
【0050】
鏡筒側取付部220の第2部分222は、図示しない鏡筒の下端部に収容可能に構成されている。
【0051】
鏡筒側取付部220の第3部分223の上面は、図示しない鏡筒の下端に当接する当接面として機能する。また、鏡筒側取付部220の第3部分223の外周面には、Y方向に延伸する溝224が設けられている。溝224は、ばね230がはまる溝である。また、溝224の一部には、第3部分223の内側の空間と外側の空間とを連通させる長孔225が設けられている。例えば図12に示す様に、長孔225は、レンズ側取付部材の被押圧面216に対応する高さ位置に設けられている。
【0052】
また、鏡筒側取付部220の第3部分223の内周面には、例えば図12に示す様に、レンズ側取付部210との位置決めに用いられる位置決め面226が設けられている。位置決め面226は、共通の円筒形の外周面に沿って設けられた円筒面である。尚、位置決め面226と、レンズ側取付部210の位置決め面213,214とは、全て共通の円筒形の外周面に沿って設けられていても良い。また、鏡筒側取付部220の第3部分223の下面には、レンズ側取付部210の当接面219と当接する当接面227が設けられている。
【0053】
ばね230は、例えば、Y方向に延伸し鏡筒側取付部220の外周面に設けられた溝224に嵌め込まれた第1部分231及び第2部分232と、これら第1部分231及び第2部分232のY方向の一端部に接続された円弧状の第3部分233と、第1部分231及び第2部分232のY方向の他端部にそれぞれ接続された略V字状の第4部分234及び第5部分235と、を備える。第1部分231及び第2部分232は、鏡筒側取付部220の長孔225を介してレンズ側取付部210に当接する。第3部分233、第4部分234及び第5部分235は、鏡筒側取付部220の外周面に沿って設けられ、ばね230のY方向における位置を固定する。また、第4部分234及び第5部分235は、鏡筒側取付部220にばね230を取り付ける際、及び、鏡筒側取付部220からばね230を取り外す際に、鏡筒側取付部220の溝224と摺動する。
【0054】
第2実施形態に係るアタッチメント200の使用に際しては、まず、図示しない光学測定装置等の鏡筒にレンズ側取付部210以外の構成を取り付け、レンズユニット10にレンズ側取付部210を取り付けておく。
【0055】
レンズ側取付部210を鏡筒側取付部220に取り付ける場合には、レンズ側取付部210を鏡筒側取付部220に下方から挿入する。挿入を開始すると、レンズ側取付部210の上端部外周面に設けられた当接面215(図12)によってばね230の第1部分231及び第2部分232(図11)が押圧される。これにより、ばね230の第1部分231及び第2部分232は、鏡筒側取付部220の外周面に設けられた溝224に沿ってX方向外側に押し広げられる。レンズ側取付部210を鏡筒側取付部220に更に挿入すると、レンズ側取付部210の位置決め面213(図12)が、ばね230の第1部分231及び第2部分232(図11)と摺動する。レンズ側取付部210を鏡筒側取付部220に更に挿入すると、レンズ側取付部210の被押圧面216がばね230に対応する高さ位置に到達し、ばね230の第1部分231及び第2部分232(図11)によってX方向内側に押圧される。これによってレンズ側取付部210が上方に押圧され、レンズ側取付部210の当接面219及び鏡筒側取付部220の当接面227によってレンズ側取付部210の位置が固定される。
【0056】
レンズ側取付部210を鏡筒側取付部220から取り外す場合には、レンズ側取付部210を鏡筒側取付部220から下方に引き抜く。引き抜きを開始すると、レンズ側取付部210の外周面に設けられた被押圧面216(図12)によってばね230の第1部分231及び第2部分232(図11)が押圧される。これにより、ばね230の第1部分231及び第2部分232は、鏡筒側取付部220の外周面に設けられた溝224に沿ってX方向外側に押し広げられる。レンズ側取付部210を鏡筒側取付部220から更に引き抜くと、レンズ側取付部210の位置決め面213(図12)が、ばね230の第1部分231及び第2部分232(図11)と摺動する。レンズ側取付部210を鏡筒側取付部220から更に引き抜くことにより、レンズ側取付部210が鏡筒側取付部220から取り外される。
【0057】
[第3実施形態]
次に、図14図22を参照して、本発明の第3実施形態に係るレンズユニットの取付機構について説明する。尚、図15及び図16では、説明の都合上、レンズユニット10の構成を簡略化して図示している。また、図17及び図22には、取付機構の切断面における構造と、切断面より奥の構造を示す線であって取付機構の輪郭線を示すものと、を図示している。ただし、説明の都合上、切断面より奥の凹凸を示す線等は図示していない。また、レンズユニット10の切断面における構造は図示していない。
【0058】
図14には、レンズユニット10と、このレンズユニット10を図示しない光学測定装置等の鏡筒の下端部に取り付けるアタッチメント300と、を図示している。
【0059】
アタッチメント300は、例えば図17に示す様に、レンズユニット10に取付可能なレンズ側取付部310と、図示しない鏡筒の下端部に取付可能な鏡筒側取付部320と、鏡筒側取付部320に設けられた長孔326を介してレンズ側取付部310に当接する2つの円筒軸330と、鏡筒側取付部320の外周面に設けられ円筒軸330を支持する円筒軸押上板340と、レンズ側取付部310及び円筒軸押上板340の外周面に設けられ円筒軸330をX方向内側に押圧する把持部350と、を備える。
【0060】
レンズ側取付部310は、例えば図18に示す様に、略円筒状に構成された第1部分311と、第1部分311よりも下方に設けられ略円盤状に構成された第2部分312と、を備える。
【0061】
レンズ側取付部310の第1部分311の上部及び下部の外周面には、鏡筒側取付部320との位置決めに用いられる位置決め面313,314が設けられている。位置決め面313,314は、共通の円筒形の外周面に沿って設けられた円筒面である。また、第1部分311の外周面のうち、位置決め面313よりも上方の領域には、レンズ側取付部310の鏡筒側取付部320への挿入に際して円筒軸330と当接する当接面315が設けられている。当接面315は、テーパ面である。また、第1部分311の外周面のうち、位置決め面313,314の間には、円筒軸330によって押圧される被押圧面316が設けられている。被押圧面316は、逆テーパ面である。また、第1部分311の内周面には、例えば図17に示す様に、レンズユニット10の雄ねじ部14と螺合される雌ねじ部317が設けられる。また、第1部分311の内周面には、レンズユニット10の当接面15と当接する当接面318が設けられている。
【0062】
レンズ側取付部310の第2部分312の上面には、鏡筒側取付部320及び円筒軸押上板340の下面と当接する当接面319が設けられている。
【0063】
鏡筒側取付部320は、例えば図19に示す様に、略円筒状に構成された第1部分321と、第1部分321よりも下方に設けられ略円盤状に構成された第2部分322と、第2部分322よりも下方に設けられ略円筒状に構成された第3部分323と、を備える。
【0064】
鏡筒側取付部320の第1部分321の外周面には、図示しない鏡筒の下端部の内周面に設けられた雌ねじ部に螺合可能な雄ねじ部が設けられている。
【0065】
鏡筒側取付部320の第2部分322は、図示しない鏡筒の下端部に収容可能に構成されている。
【0066】
鏡筒側取付部320の第3部分323の上面は、図示しない鏡筒の下端に当接する当接面として機能する。また、鏡筒側取付部320の第3部分323の外周面には、Y方向に延伸する溝324,325が設けられている。溝324は、レンズ側取付部310が鏡筒側取付部320に固定されている状態で円筒軸330がはまる溝である。溝325は、レンズ側取付部310が鏡筒側取付部320に固定されていない状態で円筒軸330がはまる溝である。溝324の一部には、第3部分323の内側の空間と外側の空間とを連通させる長孔326が設けられている。例えば図17に示す様に、長孔326は、レンズ側取付部材の被押圧面316に対応する高さ位置に設けられている。
【0067】
また、鏡筒側取付部320の第3部分323の内周面には、例えば図17に示す様に、レンズ側取付部310との位置決めに用いられる位置決め面327が設けられている。位置決め面327は、共通の円筒形の外周面に沿って設けられた円筒面である。尚、位置決め面327と、レンズ側取付部310の位置決め面313,314とは、全て共通の円筒形の外周面に沿って設けられていても良い。また、鏡筒側取付部320の第3部分323の下面には、レンズ側取付部310の当接面319と当接する当接面328が設けられている。
【0068】
円筒軸押上板340は、例えば図20に示す様に、略円筒状に形成されている。円筒軸押上板340の外周面の半径は、レンズ側取付部310の第2部分312の半径と一致する。また、円筒軸押上板340は、周方向に沿って延伸する長孔331を備える。長孔331は、円筒軸330がはまる溝である。円筒軸330の高さ位置は、この長孔331の高さ位置と一致する。
【0069】
把持部350は、例えば図21に示す様に、略円筒状に形成されている。また、把持部350の内周面には、レンズ側取付部310の第2部分312の外周面及び円筒軸押上板340の外周面と摺動する摺動面351と、YZ平面に沿って形成された平面352と、平面352の上方に設けられた斜面353と、平面352及び斜面353の接続部分に設けられた溝354と、斜面353の上端に設けられた溝355と、を備える。
【0070】
摺動面351は、共通の円筒形の外周面に沿って設けられた円筒面である。尚、摺動面351と、レンズ側取付部310の第2部分312の外周面と、円筒軸押上板340の外周面とは、全て共通の円筒形の外周面に沿って設けられていても良い。
【0071】
平面352は、Y方向とZ方向とに延伸する平面に沿って設けられている。平面352のY方向における幅は、円筒軸330のY方向における長さと一致していても良いし、円筒軸330のY方向における長さより大きくても良い。
【0072】
斜面353は、X方向及びZ方向の間の斜め方向と、Y方向と、に延伸する平面に沿って設けられている。斜面353のY方向における幅は、円筒軸330のY方向における長さと一致していても良いし、円筒軸330のY方向における長さより大きくても良い。
【0073】
溝354は、レンズ側取付部310が鏡筒側取付部320に固定されていない状態で円筒軸330がはまる溝である。溝354のY方向における幅は、円筒軸330のY方向における長さと一致していても良いし、円筒軸330のY方向における長さより大きくても良い。
【0074】
溝355は、レンズ側取付部310が鏡筒側取付部320に固定されている状態で円筒軸330がはまる溝である。溝355のY方向における幅は、円筒軸330のY方向における長さと一致していても良いし、円筒軸330のY方向における長さより大きくても良い。
【0075】
尚、例えば図16に示す様に、X方向に離間して配置された2つの溝354の間の距離をD1とし、例えば図15に示す様に、X方向に離間して配置された2つの溝355の間の距離をD2とすると、D2はD1よりも小さい。また、例えば図14に示す様に、把持部350の外周面には、周方向に延伸するローレット356が設けられていても良い。
【0076】
第3実施形態に係るアタッチメント300の使用に際しては、まず、図示しない光学測定装置等の鏡筒にレンズ側取付部310以外の構成を取り付け、レンズユニット10にレンズ側取付部310を取り付けておく。また、例えば図22に示す様に、円筒軸330が、鏡筒側取付部320の溝325及び把持部350の溝354(図21)によって挟持された状態としておく。尚、この状態では、把持部350が円筒軸330によって支持されている。
【0077】
レンズ側取付部310を鏡筒側取付部320に取り付ける場合には、レンズ側取付部310を鏡筒側取付部320に下方から挿入する。挿入を開始すると、レンズ側取付部210の第2部分312の上面に設けられた当接面319が、円筒軸押上板340の下面に当接する。レンズ側取付部310を鏡筒側取付部320に更に挿入すると、レンズ側取付部210を介して円筒軸押上板340が上方に押し上げられ、これによって円筒軸330も上方に押し上げられ、これによって把持部350も上方に押し上げられる。レンズ側取付部310を鏡筒側取付部320に更に挿入すると、円筒軸330が鏡筒側取付部320の溝324の高さ位置に到達し、X方向に移動可能な状態となる。これにより、把持部350は重力によって下方に移動する。これにより、円筒軸330は把持部350の内周面に設けられた斜面353(図21)によってX方向内側に押圧され、レンズ側取付部310の被押圧面316に当接し、被押圧面316をX方向内側に押圧する。これにより、レンズ側取付部310が上方に押圧され、レンズ側取付部310の当接面319及び鏡筒側取付部320の当接面328によってレンズ側取付部310の位置が固定される。尚、把持部350は、円筒軸330が溝355(図21)にはまる様な高さ位置まで移動する。これにより、例えば図17に示す様に、円筒軸330がレンズ側取付部310の被押圧面316及び把持部350の溝355(図21)によって挟持された状態となる。
【0078】
レンズ側取付部310を鏡筒側取付部320から取り外す場合には、例えば、一方の手でレンズユニット10を把持し、他方の手で把持部350を把持し、溝354(図21)が円筒軸330の高さ位置に到達する様に、把持部350を上方に押し上げる。これにより、円筒軸330が溝355(図21)から外れ、X方向に移動可能な状態となる。この状態でレンズユニット10を下方に引き抜くことにより、レンズ側取付部310が鏡筒側取付部320から取り外される。尚、レンズユニット10を下方に引き抜くと、円筒軸330がレンズ側取付部310の被押圧面316によってX方向外側に押圧され、X方向外側に移動する。これにより、円筒軸330が溝325に相当する位置に到達し、円筒軸330及び円筒軸押上板340が重力によって落下し、円筒軸330が溝325にはまる。この状態で把持部350から手を離すと、把持部350も重力によって落下し、例えば図22に示す様に、円筒軸330が、鏡筒側取付部320の溝325及び把持部350の溝354(図21)によって挟持された状態となる。
【0079】
[その他の実施形態]
以上、本発明の第1実施形態~第3実施形態に係るレンズユニットの取付機構について説明した。しかしながら、以上の構成はあくまでも例示であり、具体的な構成は適宜調整可能である。
【0080】
例えば、レンズ側取付部として第1実施形態~第3実施形態に係る鏡筒側取付部140,220,320と同様の構成を採用し、鏡筒側取付部として第1実施形態に係るレンズ側取付部110,210,310と同様の構成を採用しても良い。この様な場合、第1実施形態~第3実施形態に係る構成は、上下逆に構成されていても良い。例えば、テーパ面を逆テーパ面とし、逆テーパ面をテーパ面としても良い。また、第3実施形態に係る構成には、例えば、円筒軸押上板340及び把持部350を上方又は下方に押圧するコイルバネ又はその他の弾性部材を設けても良い。
【0081】
また、例えば第1実施形態においては、球120が2つ設けられていた。しかしながら、球120は1つのみ設けても良いし、3つ以上設けても良い。同様に、第3実施形態においては、円筒軸330が2つ設けられていた。しかしながら、円筒軸330は、1つのみ設けても良いし、3つ以上設けても良い。
【0082】
また、第1実施形態においてはレンズ側取付部110に当接する当接部材として球120を採用し、第2実施形態においてはレンズ側取付部210に当接する当接部材としてばね230の円柱状に形成された部分(第1部分231及び第2部分232)を採用し、第3実施形態においてはレンズ側取付部310に当接する当接部材として円筒軸330を採用していた。しかしながら、当接部材は、球状又は円柱状の形状を有していなくても良い。例えば、第2実施形態では、ばね230の第1部分231及び第2部分232を四角柱状又はその他の柱状に形成しても良い。同様に、第3実施形態では、円筒軸330のかわりに、四角柱状の部材又はその他の柱状の部材を使用しても良い。尚、この様な場合には、レンズ側取付部210,310との当接部分に、面取り等の処理を施しても良い。
【0083】
また、例えば第1実施形態においては、鏡筒側取付部140に対して回転可能な球支持部130によって球120が支持されていた。即ち、球120のZ方向における位置を拘束する拘束部が、鏡筒側取付部140に対して相対移動可能な部材として設けられていた。また、鏡筒側取付部140に球120を押圧する押圧面149が設けられていた。即ち、鏡筒側取付部140の一部が球120を押圧する押圧部としても機能していた。しかしながら、例えば、鏡筒側取付部140と球支持部との位置関係を固定し、又は、鏡筒側取付部140の一部を球支持部として機能させても良い。また、鏡筒側取付部140に対して相対移動可能(回転可能)な押圧部を設けても良い。
【0084】
また、例えば第1実施形態においては、当接部材として球120が利用され、押圧部として光軸からの径方向における距離が周方向に向かって減少する様な斜面が利用され、押圧部(鏡筒側取付部140)と拘束部(球支持部130)との間の回転方向における位置関係がばね160によって調整されていた。しかしながら、例えば、当接部材として円筒軸等の他の構成を利用した場合であっても、押圧部として光軸からの径方向における距離が周方向に向かって減少する様な斜面を利用し、押圧部と拘束部との間の回転方向における位置関係をばね160によって調整することも可能である。
【0085】
また、例えば第3実施形態においては、当接部材として円筒軸330が利用され、押圧部として光軸からの径方向における距離が光軸方向に向かって減少する様な斜面が利用され、押圧部(把持部350)と拘束部(鏡筒側取付部320)との間の光軸方向における位置関係が重力によって調整されていた。しかしながら、例えば、当接部材として球等の他の構成を利用した場合であっても、押圧部として光軸からの径方向における距離が光軸方向に向かって減少する様な斜面を利用し、押圧部(把持部350)と拘束部(鏡筒側取付部320)との間の光軸方向における位置関係を重力又はばね等によって調整することも可能である。
【0086】
また、例えば第2実施形態においては、ばね230の一部がレンズ側取付部210の被押圧面216を押圧する押圧部として機能していた。しかしながら、ばね230とは別にレンズ側取付部210の被押圧面216を押圧する押圧部を設け、この押圧部をばね230によってレンズ側取付部210の被押圧面216に押圧することも可能である。
【0087】
また、例えば第1実施形態においては、レンズ側取付部110の外周面に設けられた位置決め面111,112と、鏡筒側取付部140の内周面に設けられた位置決め面147,148とが、円錐台形の外周面に沿って設けられていた。しかしながら、例えば、第1実施形態において、これらの位置決め面111,112,147,148を、円筒形の外周面に沿って設けても良い。
【0088】
また、第2実施形態においては、レンズ側取付部210の外周面に設けられた位置決め面213,214と、鏡筒側取付部220の内周面に設けられた位置決め面226とが、円筒形の外周面に沿って設けられていた。また、第3実施形態においては、レンズ側取付部310の外周面に設けられた位置決め面313,314と、鏡筒側取付部320の内周面に設けられた位置決め面327とが、円筒形の外周面に沿って設けられていた。しかしながら、例えば、第2実施形態又は第3実施形態において、これらの位置決め面213,214,226,313,314,327を、円錐台形の外周面に沿って設けても良い。
【符号の説明】
【0089】
10…レンズユニット、100…アタッチメント、110…レンズ側取付部、120…球、130…球支持部、140…鏡筒側取付部、150…回転部、160…ばね、170…把持部、200…アタッチメント、210…レンズ側取付部、220…鏡筒側取付部、230…ばね、300…アタッチメント、310…レンズ側取付部、320…鏡筒側取付部、330…円筒軸、340…円筒軸押上板、350…把持部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22