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特開2022-68121流動性ギャップ充填のための方法および装置
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  • 特開-流動性ギャップ充填のための方法および装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068121
(43)【公開日】2022-05-09
(54)【発明の名称】流動性ギャップ充填のための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/318 20060101AFI20220426BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220426BHJP
   H01L 21/324 20060101ALI20220426BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20220426BHJP
   H01L 21/762 20060101ALI20220426BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20220426BHJP
   C23C 16/56 20060101ALI20220426BHJP
【FI】
H01L21/318 B
H01L21/31 C
H01L21/324 W
H01L21/90 P
H01L21/90 R
H01L21/76 D
C23C16/42
C23C16/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021170245
(22)【出願日】2021-10-18
(31)【優先権主張番号】63/094,768
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】吉本 真也
(72)【発明者】
【氏名】小沼 隆大
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 誠
(72)【発明者】
【氏名】森 幸博
(72)【発明者】
【氏名】福田 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ルネイ ヘンリクス ジョゼフ フェーフィート
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ブランカート
【テーマコード(参考)】
4K030
5F032
5F033
5F045
5F058
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030AA09
4K030AA13
4K030AA14
4K030AA17
4K030AA18
4K030BA40
4K030BA48
4K030CA04
4K030DA09
4K030FA01
4K030GA12
4K030HA03
4K030JA09
4K030JA10
4K030KA22
4K030LA15
5F032AA33
5F032AA35
5F032AA43
5F032CA06
5F032DA02
5F032DA74
5F033GG01
5F033GG02
5F033QQ74
5F033QQ75
5F033QQ82
5F033QQ84
5F033RR06
5F033RR08
5F033RR12
5F033SS01
5F033SS03
5F033SS11
5F033WW03
5F033WW05
5F033XX01
5F033XX02
5F045AA08
5F045AA15
5F045AB31
5F045AC07
5F045AC11
5F045AC12
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045AD04
5F045AD05
5F045AD06
5F045AD07
5F045AE21
5F045AE23
5F045AF03
5F045BB19
5F045DQ14
5F045EE19
5F045EK06
5F045EK22
5F045HA16
5F058BC08
5F058BC10
5F058BF07
5F058BF27
5F058BF37
5F058BH01
5F058BJ06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】流動性ギャップ充填プロセスのための改善された方法及び装置を提供する。
【解決手段】マルチプロセスチャンバーモジュールは、堆積後に熱アニールを続け、繰り返されるギャップ充填の周期的プロセスと、別のステーションで実施される堆積及び熱アニールするプロセスと、第一のステーションより高い温度に加熱するプロセスと、を含む。熱アニールは、急速熱アニール(RTA)を含む。
【選択図】図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性ギャップ充填堆積のための方法であって、前記方法が、
(a)基材を第一のステーションに配置すること、
(b)第一の温度で、蒸着プロセスによって、前記第一のステーション内の前記基材上に流動性材料を堆積させることであって、前記第一の温度が、300℃未満である、堆積させること、
(c)前記流動性材料を前記基材上に堆積させた後、前記第一の基材を前記第二のステーションに配置すること、
(d)前記第二のステーション内の第二の温度に前記基材の表面を加熱することによって前記基材上に熱処理を行うことであって、前記第二の温度が80℃~1000℃である、熱処理を行うこと、および、
(a)~(d)を所望の厚さの膜が前記基材上に堆積されるまで、サイクルで繰り返すこと、を含む、方法。
【請求項2】
前記流動性材料が、アルキル-シラザンまたはアミノシラン前駆体によって形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱処理が、急速熱アニール(RTA)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記RTAが、前記基材の表面を10秒未満にわたって、前記第二の温度に加熱することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第二の温度が、800℃~1000℃である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第一のステーションが、上部チャンバーおよび下部チャンバーを備え、前記下部チャンバーが、前記第一のステーションと第二のステーションとの間に共有中間空間を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第一のステーションおよび前記第二のステーションが、前記サイクル中に前記第一のステーションおよび前記第二のステーションが共通圧力で維持されるように、共有圧力システムを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記サイクル中の前記共通圧力が、300Pa~2800Paである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第一のステーションが、前記第二のステーションの温度から独立して前記第一のステーションの温度を制御するように構成された第一のステーション加熱ユニットを備え、前記第二のステーションが、前記第一のステーションの前記温度から独立して前記第二のステーションの前記温度を制御するように構成された第二のステーション加熱ユニットを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記膜が、SiNHまたはSiCNH膜を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記膜が、前記基材の表面上のギャップの少なくとも90%、前記基材の表面上のギャップの少なくとも95%、前記基材の表面上のギャップの少なくとも99%、または前記基材の表面上のギャップの少なくとも99.5%を充填する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記基材が、シリコンまたはゲルマニウムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第一のステーションで前記基材と接触する間に、一つまたは複数のプロセスガスを第一のステーションに導入することをさらに含み、前記プロセスガスが、Ar、He、N、H、NH、O、または上記のうちの一つまたは複数の組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記前駆体が、アルキル-シラザンまたはアミノシラン、ヘキサメチルシクロトリシラザン(HMCTS)、またはトリシリルアミン(TSA)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記サイクルが、工程(b)または(d)の後に前記基材をプラズマ硬化することをさらに含み、前記プラズマ硬化することが、マイクロパルス無線周波数(RF)プラズマを前記第一のステーションまたは前記第二のステーションに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記基材が前記第二のステーションでアニールされた後、前記基材が、前記第二のステーションでプラズマ硬化される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
半導体処理装置であって、
各プロセスチャンバーが二つ以上のステーションを備え、各ステーションが上部区画および下部区画を備える、一つまたは複数のプロセスチャンバーであって、
前記上部区画が、基材の処理中に前記基材を含むように構成され、
前記下部区画が、前記二つ以上のステーション間に共有中間空間を備える、一つまたは複数のプロセスチャンバー、
基材を第一のプロセスチャンバーからウエハハンドリングチャンバー内の第二のプロセスチャンバーに移動させるように構成された第一の搬送システム、
前記プロセスチャンバーの共有中間空間内の第一のステーションから第二のステーションに前記基材を移動させるように構成された第二の搬送システム、
第二のステーション温度とは独立して第一のステーション温度を制御するように構成された第一の加熱ユニット、
ポンプおよび排気装置を備える圧力システムであって、前記二つ以上のステーションで共通プロセスチャンバー圧力を維持するように構成された圧力システム、および、
前記装置に以下のサイクル:
(a)基材を第一のステーションに配置すること、
(b)第一の温度で、蒸着プロセスによって、前記第一のステーション内の前記基材上に流動性材料を堆積させることであって、前記第一の温度が、300℃未満である、堆積すること、
(c)前記流動性材料を前記基材上に堆積させた後、前記第一の基材を前記第二のステーションに配置すること、
(d)前記第二のステーション内の第二の温度に前記基材の表面を加熱することによって前記基材上に熱処理を行うことであって、前記第二の温度が80℃~650℃である、熱処理を行うこと、および、
(a)~(d)を所望の厚さの膜が前記基材上に堆積されるまで、サイクルで繰り返すこと、を制御するように命令を提供するプロセッサを含むコントローラー、を備える、半導体処理装置。
【請求項18】
前記熱処理が、1nm~5nmの堆積膜厚ごと、または5nm~50nmの堆積膜厚ごとに実施される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
流動性ギャップ充填堆積のための方法であって、前記方法が、
(a)基材を第一のステーションに配置することであって、前記第一のステーションが上部チャンバーおよび下部チャンバーを備え、前記下部チャンバーが前記第一のステーション、第二のステーション、第三のステーション、および第四のステーション間に共有中間空間を備える、配置すること、
(b)前記第一のステーションの前記基材を、第一の温度で前駆体と接触させることであって、前記前駆体と接触させることが、前記第一の基材のギャップ内に第一の流動性膜層を形成する、接触させること、
(c)前記第一のステーションの前記基材を前記前駆体と接触させた後、前記基材を前記第二のステーションに置くこと、
(d)前記基材を前記第二のステーションで第二の温度に加熱して前記第一の流動性膜層を緻密化することによって、前記基材上に第一のアニールを行うこと、
(e)前記基材上で前記第一のアニールを行った後、前記基材を前記第三のステーションに配置すること、
(f)前記第三のステーションの前記基材を、前記第一の温度で前記前駆体と接触させることであって、前記前駆体と接触させることが、前記第一の基材のギャップ内に第二の流動性膜層を形成する、接触させること、
(g)前記第三のステーションの前記基材を前記前駆体と接触させた後、前記基材を前記第四のステーションに置くこと、
(h)前記基材を前記第四のステーションで前記第二の温度に加熱して前記第二の流動性膜層を緻密化することによって、前記基材上に第二のアニールを行うこと、および、
(a)~(h)を所望の厚さの膜が前記第一の基材上に堆積されるまで、サイクルで繰り返すこと、を含み、
前記第二の温度が前記第一の温度とは異なる、方法。
【請求項20】
流動性ギャップ充填堆積のための方法であって、前記方法が、
(a)基材をステーションに配置すること、
(b)前記第一のステーションの前記基材を、第一の温度で前駆体と接触させることであって、前記前駆体と接触させることが、前記第一の基材のギャップ内に流動性膜層を形成する、接触させること、
(c)前記第一のステーションで第二の温度に前記基材の表面を加熱して前記流動性膜層を緻密化することによって前記基材上にアニールを行うことであって、前記第二の温度が前記第一の温度よりも高く、前記第二の温度が80℃~1000℃である、アニールを行うこと、および、
(a)~(c)を所望の厚さの膜が前記第一の基材上に堆積されるまで、サイクルで繰り返すこと、を含み、
前記第一の温度が前記第二の温度よりも低い、方法。
【請求項21】
前記基材の前記表面が、一つまたは複数の赤外線ランプによって前記第二の温度まで加熱される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記基材の前記表面が、10秒未満にわたって、前記第二の温度に加熱される、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月21日に出願された「Method And APARATUSES FOR FLOWABLE GAP-FILL」と題する、米国仮特許出願第63/094,768号の米国特許法第119条の下での利益を主張する。前述の出願は、37 C.F.R.§1.57に基づき、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本出願とともに提出された出願データシートにおいて外国または国内における優先権主張が特定される全ての出願は、米国特許法施行規則37 CFR 1.57の下で参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、典型的には、様々な材料の層が半導体基材上の所定の配置で順次構築される精巧なプロセスによって製造されている。
【0003】
本明細書におけるいくつかの実施形態は、半導体製造、および薄膜の流動性堆積のための方法および装置に関する。半導体製造では、例えば絶縁材料などで基材のギャップを充填することが必要な場合が多い。デバイスジオメトリが縮小すると、ギャップの空隙のない充填は、既存の堆積プロセスの制限によりますます困難になる。既存の流動性ギャップ充填プロセスによって堆積される膜は、典型的には、様々な欠点を有する。例えば、それらは、低品質および/または低熱安定性を呈し得る。これは、温度上昇(例えば、約400℃)でアニーリングした後、所望のウェットエッチング速度よりも速く、40%以上の膜収縮をもたらし得る。
【0004】
多くの堆積プロセスでは、現在の半導体処理スキームで使用される小さなトレンチおよびその他のギャップ特徴を充填することが困難である。任意の所定の技術ノードで生成される個々のトレンチおよびその他のギャップタイプの特徴は、ノードを定義する重要な寸法よりも著しく小さい主要寸法を有する。したがって、ギャップをナノメートルスケールで見出すことが一般的である。さらに、プロセスが極端に適合的でない限り、ギャップはそれらの首部でピンチオフされ空隙を形成する。さらに、これらのギャップの多くは、比較的高いアスペクト比を有する。
【0005】
充填材料でギャップを充填しながら、充填材料内の空隙を回避することは困難である。MEOLデバイスにおけるセルフアラインコンタクト(SAC)ギャップ充填、およびFEOLデバイスにおけるダミーフィンギャップ充填/ゲートオールアラウンド(GAA)横方向ギャップ充填などの半導体デバイスの最近の最小化は、エッチング安定性と熱収縮後に対する高膜品質を有する、完全に空隙のないシームレスギャップ充填を必要とする。例えば、SiN膜の従来の化学気相堆積(CVD)および原子層蒸着(ALD)は、必然的にギャップ構造内のシームおよび/または空隙を生じさせる。膜堆積中に流動性SiN膜を得ることは非常に困難である。例えば、図1Aは、薄膜のALDまたはCVD堆積を使用したギャップ充填の一例を示す。図示したように、ALDまたはCVD堆積自体は、ギャップ内に一つまたは複数の空隙の形成をもたらし得る。図2Aは、ALDまたはCVD堆積を使用して形成された例示的な流動性SiCN膜の走査型透過電子顕微鏡(STEM)画像を示す。図2AのSiCN膜ギャップは、複数の空隙を呈する。
【0006】
ギャップにおけるSiNまたはSiCN膜堆積におけるシームまたは空隙の形成を低減する一つの方法は、ギャップ充填前駆体に添加された炭素(例えば、メチル基)または水素(例えば、アミン基)などの別の元素を有する流動性堆積を使用することである。この方法は、シーム/空隙を実質的に有さない流動性SiCNまたはSiN堆積をもたらし得る。図1Bおよび2Bは、炭素または水素増強前駆体を有する流動性堆積を使用した、空隙のないギャップ充填の例を示す。しかしながら、流動性堆積プロセスは多くの場合、前駆体流動性を維持するために低温(例えば、150℃以下)で行われ、膜品質を低下させる結果となる。流動性ギャップ充填によって堆積された膜は、典型的には、低品質および/または低熱安定性を呈した。これにより、上昇温度(例えば、約400℃)でアニーリングした後、所望のウェットエッチング速度よりも速い、40%以上の膜収縮をもたらし得る。
【0007】
堆積後処理を使用して、高品質流動性SiCN/SiN膜を達成し得る。しかしながら、上述のように、ウエハの堆積後処理は、より遅いスループットをもたらし得る。さらに、単一の堆積後処理は、限定的な改質深度を提供し得る。例えば、図1Cおよび図2Cは、堆積後アニール(すなわち、熱処理)を使用した、流動性堆積ギャップ充填の例を示す。図1Cおよび図2CのSTEM画像に示されるとおり、単一の堆積後アニールは、完全に空隙のないシームレスギャップ充填を形成しない。単一の熱処理は膜収縮をもたらし得、これは図1Cおよび図2Cに示されるように、膜の底部における空隙形成をもたらし得る。
【0008】
堆積後プラズマまたは紫外線(UV)処理を含む流動性堆積後の膜品質を改善するいくつかの他の方法が既に提案されている。しかしながら、プラズマまたはUVベースの処理を使用して得られる膜品質には限界がある。原位置での周期的プラズマ硬化を使用して、膜品質を改善することができる。これにより、膜収縮が排除され、ウェットエッチング速度が所望の値まで改善される。しかしながら、その不都合な側面は、充填能力が、原位置での周期的プラズマ硬化を利用する場合、大幅に低下することである。いかなる特定の理論によっても制限されるものではないが、充填能力の低下は、周期的プラズマ処理中の脱ガス種の再堆積によって引き起こされ得る。また、堆積後処理は、しばしばスループットの低下をもたらす。したがって、流動性ギャップ充填プロセスのための改善された方法および装置が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
この概要の目的のために、本発明の特定の態様、利点、および新規の特徴が本明細書に記載されている。こうした利益の全てが必ずしも本発明の任意の特定の実施形態によって達成されなくてもよいことが理解されるべきである。したがって、例えば、当業者であれば、本明細書で教示または示唆される他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される一つの利点または利点の群を達成する方法で、本発明が具現化または実行され得ることを認識するであろう。
【0010】
いくつかの実施形態では、流動性ギャップ充填堆積のための方法が提供される。いくつかの実施形態では、方法は、(a)基材を第一のステーションに配置することと、(b)第一の温度での堆積プロセスによって、第一のステーション内の基材上に流動性材料を堆積させることであって、第一の温度が300℃未満である、堆積させること、(c)流動性材料を基材上に堆積させた後、第一の基材を第二のステーションに配置すること、(d)基材の表面を第二のステーション内で第二の温度に加熱することによって、基材上に熱処理を行うことであって、第二の温度が80℃~1000℃である熱処理を行うこと、および所望の膜厚の膜が基材上に堆積されるまで周期的に(a)~(d)を繰り返すことを含み得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、流動性材料は、アルキル-シラザンまたはアミノシラン前駆体によって形成される。いくつかの実施形態では、熱処理は、赤外線(IR)処理による急速熱アニール(RTA)を含み得る。いくつかの実施形態では、RTAは、基材の表面を10秒未満にわたって第二の温度に加熱することを含む。いくつかの実施形態では、第二の温度は、800℃~1000℃である。
【0012】
いくつかの実施形態では、第一のステーションは、上部チャンバーと下部チャンバーを備え、下部チャンバーは、第一のステーションと第二のステーションとの間の共有中間空間を備える。いくつかの実施形態では、第一のステーションおよび第二のステーションは、第一のステーションおよび第二のステーションがサイクル中に共通圧力に維持されるように、共有圧力システムを備える。いくつかの実施形態では、第一のステーションは、第二のステーションの温度から独立して第一のステーションの温度を制御するように構成された第一のステーション加熱ユニットを備え、第二のステーションは、第一のステーションの温度から独立して第二のステーションの温度を制御するように構成された第二のステーション加熱ユニットを備える。
【0013】
いくつかの実施形態では、第一の温度は300℃未満である。いくつかの実施形態では、膜はSiNHまたはSiCNH膜を含む。いくつかの実施形態では、膜は、基材の表面上のギャップの少なくとも90%、基材の表面上のギャップの少なくとも95%、基材の表面上のギャップの少なくとも99%、または基材の表面上のギャップの少なくとも99.5%を充填する。いくつかの実施形態では、基材はシリコンまたはゲルマニウムを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法は、第一のステーションで基材と接触する間、第一のステーションに一つまたは複数のプロセスガスを導入することをさらに含み、プロセスガスは、Ar、He、N2、2、NH3、、または上記のうちの一つまたは複数の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、前駆体は、アルキル-シラザンまたはアミノシラン、ヘキサメチルシクロトリシラザン(HMCTS)、またはトリシリルアミン(TSA)を含む。いくつかの実施形態では、サイクル中の共通圧力は、300Pa~2800Paの間である。
【0015】
いくつかの実施形態では、サイクルは、工程(b)または(d)の後に基材をプラズマ硬化させることをさらに含み、プラズマ硬化は、マイクロパルス無線周波数(RF)プラズマを第一のステーションまたは第二のステーションに含む。いくつかの実施形態では、基材は、基材が第二のステーションでアニールされた後、第二のステーションでプラズマ硬化される。
【0016】
いくつかの実施形態では、半導体処理装置が提供される。いくつかの実施形態では、装置は、各プロセスチャンバーが二つ以上のステーションを備え、各ステーションが上部区画と下部区画を含む、一つまたは複数のプロセスチャンバーであって、上部区画は基材処理中に基材を収容するように構成され、下部区画は二つ以上のステーションの間の共有中間空間を含む、一つまたは複数のプロセスチャンバー、ウエハハンドリングチャンバー内の第一の処理チャンバーから第二の処理チャンバーに基材を移動するように構成された第一の搬送システム、処理チャンバーの供給中間空間内の第一のステーションから第二のステーションに基材を移動するように構成された第二の搬送システム、第二のステーション温度から独立して第一のステーション温度を制御するように構成された第一の加熱ユニット、ポンプおよび排気源を備える圧力システムであって、二つ以上のステーション内で共通処理チャンバー圧力を維持するように構成された圧力システム、および装置に:(a)第一のステーションに基材を配置すること、(b)第一の温度で蒸着プロセスによって第一のステーション内の基材上に流動性材料を堆積させることであって、第一の温度が300℃未満である堆積させること、(c)基材上に流動性材料を堆積させた後、第一の基材を第二のステーションに配置すること、(d)基材の表面を第二のステーション内で第二の温度に加熱することによって基材上に熱処理を行うことであって、第二の温度が80℃~650℃である、熱処理を行うこと、および基材上に所望の膜厚に膜が堆積されるまで、サイクルで(a)~(d)を繰り返すことのサイクルを制御する命令を提供するプロセッサを備えるコントローラーを備える。いくつかの実施形態では、熱処理は、1nm~5nmの堆積膜厚ごとに、または5nm~50nmの堆積膜厚ごとに行われる。
【0017】
本明細書のいくつかの実施形態は、流動性ギャップ充填堆積に関し、方法は:(a)第一のステーションが上部チャンバーと下部チャンバーを含む、第一のステーションに基材を配置することであって、下部チャンバーは第一のステーション、第二のステーション、第三のステーション、および第四のステーションの間の共有中間空間を含む、配置すること、(b)第一のステーション内の基材を第一の温度で前駆体と接触させることであって、前駆体と接触させることが第一の基材のギャップ内に第一の流動性膜層を形成すること、(c)第一のステーション内の基材と前駆体を接触させた後、基材を第二のステーションに配置すること、(d)基材を第二のステーション内で第二の温度に加熱することにより、基材上で第一のアニールを行って第一の流動性膜層を緻密化すること、(f)第三のステーション内の基材を第一の温度で前駆体と接触させることであって、前駆体と接触させることが第一の基材のギャップ内に第二の流動性膜層を形成する、接触させること、(g)第三のステーション内の基材を前駆体と接触させた後、第四のステーション内に基材を配置すること、(h)第四のステーション内で第二の温度に基材を加熱して第二の流動性膜層を緻密化することによって基材上に第二のアニールを行うこと、および第一の基材上に所望の膜厚の膜が堆積されるまで、サイクルで(a)~(h)を繰り返すことであって、第二温度が第一の温度とは異なる、繰り返すことを含む。
【0018】
本明細書のいくつかの実施形態は、流動性ギャップ充填堆積に関し、方法は、(a)基材をステーションに配置すること、(b)第一のステーション内の基材を、第一の温度で前駆体と接触させることであって、前駆体との接触することが第一の基材のギャップ内に流動性膜層を形成する、接触させること、(c)基材の表面を第一のステーション内で第二の温度に加熱して、流動性膜層を緻密化することによって基材上でアニールを行うことであって、第二の温度が第一の温度よりも高く、第二の温度が80℃~1000℃である、アニールを行うこと、および所望の膜厚の膜が第一の基材上に堆積されるまで、サイクルで(a)~(c)を繰り返すことであって、第一の温度が第二の温度よりも低い、繰り返すこと、を含む。いくつかの実施形態では、基材の表面は、一つまたは複数の赤外線ランプによって第二の温度まで加熱される。いくつかの実施形態では、基材の表面は10秒未満にわたって、第二の温度に加熱される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面は例示的実施形態を示すために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記述されるシステムおよび方法のより良い理解は、添付図面と併せて以下の説明を参照することにより理解されるであろう。
【0020】
図1図1A~1Dは、いくつかの異なるタイプのギャップ充填プロセスを示す。
図2図2A~2Dは、図1A~1Dに例示される様々なギャップ充填プロセスを使用した例示的な流動性SiCN膜の走査型透過電子顕微鏡(STEM)画像を示す。
図3A図3Aは、堆積およびその後のアニーリングを行うための従来の装置を示す。
図3B図3Bは、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるマルチプロセスチャンバーモジュールを示す。
図3C図3Cは、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるマルチプロセスデュアルチャンバーモジュールを示す。
図4図4は、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるマルチプロセスチャンバーモジュールの概略図を示す。
図5図5は、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるマルチプロセスチャンバーモジュールのトップダウン図を示す。
図6A図6Aは、本明細書のいくつかの実施形態による流動性堆積ステーションで使用するための加熱ユニットの例示的な図を示す。
図6B図6Bは、本明細書のいくつかの実施形態によるアニールステーションで使用するための加熱ユニットの例示的な図を示す。
図7A図7Aは、本明細書のいくつかの実施形態による、ALDの繰り返しサイクルおよびアニーリングを使用したギャップ充填方法の一例を示す。
図7B図7Bは、本明細書のいくつかの実施形態による、CVDの繰り返しサイクルおよびアニーリングを使用したギャップ充填方法の一例を示す。
図7C図7Cは、本明細書のいくつかの実施形態による、ALDの繰り返しサイクルおよびプラズマ硬化でのアニーリングを使用したギャップ充填方法の一例を示す。
図8図8は、本明細書のいくつかの実施形態による、急速熱アニール(RTA)を使用したギャップ充填方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
特定の好ましい実施形態および例が以下に開示されているが、発明の主題は、具体的に開示された実施形態を超えて、他の代替的な実施形態および/または使用、ならびにその修正およびその均等物にまで及ぶ。したがって、本明細書に添付される特許請求の範囲は、以下に記載される特定の実施形態のいずれによっても限定されない。例えば、本明細書に開示されるいずれかの方法またはプロセスにおいて、方法またはプロセスの作用または動作は、任意の適切な順序で実施され得、必ずしも任意の特定の開示される順序に限定されない。様々な動作は、特定の実施形態を理解するのに有用であり得る様式で、複数の不連続動作として説明されうるが、説明の順序は、これらの動作が順序依存性であることを暗示するものとして解釈されるべきではない。さらに、本明細書に記載の構造、システム、および/または装置は、統合された構成要素として、または別個の構成要素として具現化され得る。様々な実施形態を比較する目的で、これらの実施形態の特定の態様および利点が記載される。必ずしもすべてのこうした態様または利点が任意の特定の実施形態に従って達成されるとは限らない。したがって、例えば、本明細書で教示または示唆される他の態様または利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される一つの利点または利点の群を達成または最適化する方法で、様々な実施形態が実行され得る。
【0022】
ここで、本明細書に開示されるデバイスおよび方法の構造、機能、製造、および使用の原則の全体的理解を提供するために、特定の例示的な実施形態について説明する。これらの実施形態の一つまたは複数の例が、添付図面に図示されている。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され、添付図面に図示される装置および方法は、非限定的な例示的な実施形態であり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。一つの例示的な実施形態に関連して図示または説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされ得る。かかる修正および変形は、本技術の範囲内に含まれることが意図される。
【0023】

本明細書のいくつかの実施形態によれば、薄膜の流動性堆積のための方法および装置が記載される。本明細書に記載される方法および装置は、ギャップ内に流動性膜を形成することによって固体材料で、トレンチなどの基材上のギャップまたは他の三次元特徴を充填することに関する。本明細書のいくつかの実施形態は、流動性堆積および熱処理を含む堆積サイクルを含む、周期的プロセスに関する。いくつかの実施形態では、熱処理は、基材を堆積に対して上昇した温度に加熱することを含み得る。いくつかの実施形態では、熱処理は、堆積とは別のチャンバーまたはステーションで行われ得る。他の実施形態では、熱処理は、サセプターまたは基材ステージを、流動性堆積で使用される温度よりも高い温度に加熱することによって行われ得る。いくつかの実施形態では、熱処理は、赤外線(IR)処理による急速熱アニール(RTA)を含み得る。いくつかの実施形態では、サイクルは、共有中間空間によって接続された一つまたは複数のステーションを含むマルチプロセスチャンバー内で行われ得る。本明細書で使用される、用語「基材」は、デバイス、回路、もしくは膜を形成するのに使用され得る任意の下地材料または材料、またはデバイス、回路、もしくは膜が上に形成され得る任意の下地材料または材料を指し得る。本明細書の実施形態による、様々な基材および堆積化学物質を使用することができる。基材は、シリコン(例えば、単結晶シリコン)などのバルク材料、ゲルマニウムなどの他のIV族材料、またはII-VI族、もしくはIII-V族半導体などの他の半導体材料を含むことができる、かつバルク材料の上に重なる、または下にある一つ以上の層を含むことができる。用語“ウエハ”および“基材”は、本明細書では互換的に使用される。
【0024】
いくつかの実施形態では、ギャップ充填堆積プロセスの一部として周期的温度処理を使用することができる。いくつかの実施形態では、周期的温度処理は、低温でギャップ充填を行い、次いで高温で硬化させることを含み得る。いくつかの実施形態では、熱処理工程を含む堆積サイクルを含む周期的ギャップ充填堆積プロセスは、空隙またはシームの形成なしにギャップを充填し得るか、または周期的処理を使用しないプロセスに対して空隙またはシームの形成を減少させ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の周期的温度処理は、異なる別の反応チャンバーへの移動を必要とする堆積後処理プロセスと比較して、向上したスループットを提供し得る。いくつかの実施形態では、各堆積サイクルでの上昇温度を用いた成長膜の処理は、例えば、他のプロセスと比較して、シームまたは空隙の形成が減少された、改善された膜をもたらす。いくつかの実施形態では、熱処理は、架橋を改善し得る。いくつかの実施形態では、周期的温度処理はプラズマ処理を含まなくてもよい。いかなる特定の理論によっても制限されるものではないが、プラズマ処理を回避することにより、脱ガス種の再堆積が防止され、改善されたギャップ充填がもたらされ得る。いくつかの実施形態では、異なる温度に設定されるステージおよびステーション間でウエハを搬送するための搬送システムを含む、複数のステーションが使用され得る。いくつかの実施形態では、異なるステーションおよび異なる温度が、熱硬化よりも流動性堆積に使用される。
【0025】
本明細書のいくつかの実施形態は、一つまたは複数の低温堆積ステーションおよび一つまたは複数のアニーリングステーションを有するマルチプロセスチャンバー装置を使用することを含む。いくつかの実施形態では、マルチプロセスクアドラプルチャンバーモジュール(QCM)が使用され得、そこでは一つまたは複数の低温堆積ステーションおよび一つまたは複数のアニーリングステーションが使用される。例えば、いくつかの装置は、二つの堆積ステーションおよび二つのアニーリングステーションを含み得る。いくつかの実施形態では、a-CH、SiCN、SiN、SiON、SiCO、SiCOH、SiCNH、SiCH、SiNH、またはSiCONギャップ充填が利用され得る。したがって、本明細書の実施形態は、主にSiNおよび/またはSiCN堆積に関連して記載されるが、本明細書の実施形態は、様々なプロセス化学に広く適用可能である。
【0026】
図1Cおよび図2Cでは、比較的高品質の流動性SiCN/SiN膜を達成するために、単一の堆積後熱処理が使用され得る。しかしながら、上述のように、ウエハの堆積後処理は、スループットの望ましくない劣化をもたらし得る。さらに、単一の堆積後処理は、限定的な改質深度のため、有効でない場合がある。したがって、図1Dおよび図2Dに図示するように、各サイクルにおける熱処理(例えば、アニーリング)を含む周期的堆積プロセスは、改善されたギャップ充填を提供することができる。いくつかの実施形態では、周期的アニーリングは、膜収縮の問題を防止するのに非常に効果的であり得る。図1Dは、周期的アニールを使用した流動性ギャップ充填の一例を示す。図2Dは、周期的アニールを使用したSiCN流動性ギャップ充填のSTEM画像を示す。図1Dおよび図2Dに図示されるように、熱処理フェーズを含む一つまたは複数のサイクルを含む周期的プロセスを使用した流動性ギャップ充填によって、空隙のない、シームのない、高品質膜を生成し得る。いくつかの実施形態では、周期的プロセスは、従来の反応チャンバー装置で行われ得る。いくつかの実施形態では、周期的プロセスは、本明細書で論じるように、QCM装置で行われ得る。
【0027】
図3Aは、堆積およびその後のアニールを行うための従来の装置を示す。図示するように、従来の装置は、堆積プロセスを実施するための一つまたは複数のステーションを含む、一つまたは複数の堆積チャンバーを備え得る。一つまたは複数の堆積チャンバーは、ウエハハンドリングチャンバーまたは他の搬送チャンバーを介して、一つまたは複数のアニールチャンバーから分離され得る。複数のチャンバーを使用する典型的な周期的処理の場合、堆積チャンバーとアニールチャンバーの間で搬送チャンバーを通したウエハ搬送時間は、処理時間よりもさらに長くなり得る。この問題を解決するため、いくつかの実施形態では、別々のステーションを使用して異なるプロセスが単一チャンバー内で行われるマルチプロセスチャンバーを使用することができ、ウエハ搬送時間が劇的に短縮され得る。
【0028】
したがって、例えば、一つまたは複数の低温堆積ステーションおよび一つまたは複数の高温アニーリングステーションを有するマルチプロセス装置が本明細書に記載される。アニーリングステーションによって提供される熱処理は、例えば、SiCN/SiN膜の流動性膜品質を改善し得る。上述のように、プラズマまたはUV処理は、膜深さ方向における均一な品質改善において制限される。熱プロセスを使用することにより、膜改質および均一性が大幅に向上し得る。
【0029】
図3Bは、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるマルチプロセスチャンバーモジュールを示す。いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールは、RC1およびRC3として図3Bに示される、二つの低温堆積ステーションを備えるクアドステーション配置を含み得る。残りの二つのステーションは、RC2およびRC4として図3Bに示される、高温アニーリングステーションを含み得る。いくつかの実施形態では、より多くのステーションが、マルチプロセスチャンバーモジュール内に存在し得る。一般に、これらの追加的なステーションは、少なくとも一つの追加的堆積ステーションおよび少なくとも一つの追加的処理ステーションを含む。いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールは、少なくとも二つのステーション、すなわち一つの堆積ステーションおよび一つの熱処理ステーションを含む。
【0030】
本明細書で使用される場合、「ステーション」は、プロセスがステーション内の基材上で実施され得るように、基材を含有し得る位置を広く指す。したがって、ステーションは、反応器、または反応器の一部、または反応器内の反応空間もしくは反応チャンバーを指すことができる。いくつかの実施形態では、本明細書の実施形態によるステーションは、互いから「ガス絶縁」しているか、または基材がステーション内で処理されている間、ガス絶縁されるように構成される。いくつかの実施形態では、ステーションは、ガスベアリングまたはガスカーテンではなく、物理的バリアによってガス絶縁される。いくつかの実施形態では、ステーションは、ガスベアリングおよびガスカーテンと併せて物理的バリアによってガス絶縁される。いくつかの実施形態では、特定のステーションにおける基材の配置の後、または同時に、その基材は、(そのステーションで処理工程を実施することができるように)他のステーションからガス絶縁状態におかれ、基材がステーションで処理された後、ステーションはガス絶縁から引き出され、基材はステーションから取り出されて中間空間に配置され得る。複数の異なるステーションからの基材は、ステーション間を移動するための共有中間空間に配置することができる。ステーションは、例えば、物理的バリアによって、ガス絶縁状態におくことができる。いくつかの実施形態では、ステーションはガス絶縁状態におかれない。いくつかの実施形態では、一つまたは複数のステーションは、加熱および/または冷却システムを備え、異なるステーション内の異なる前駆体は、異なる温度で同時に基材を処理することができる。このように、いくつかの実施形態では、第一のステーション全体が、第二のステーション全体よりも低いかより高い温度にあるか、または第一のステーションが、第二のステーション内のサセプターより低いかより高い温度にあるサセプターを備え、および/または第一の前駆体が第一のステーションに流入し、一方で第二の前駆体が第一のステーションよりも低いかより高い温度で第二のステーションに流入する。
【0031】
いくつかの実施形態では、ステーションは、固体材料によって互いに分離され、ガスベアリングまたはガスカーテンによって互いに分離されない。いくつかの実施形態では、ステーションは、固体材料またはガスカーテンによって互いに分離され、ガスベアリングによって互いに分離されない。いくつかの実施形態では、ステーションは、固体材料またはガスベアリングによって互いに分離され、ガスカーテンによって互いに分離されない。任意に、物理的バリアは、ステーションと中間空間との間で基材を往復搬送する移動ステージと共に移動することができ、その結果、物理的バリアは、基材がそのステーション内に配置されると同時に(またはその少し前または少し後に)、ステーションをガス絶縁状態にする。任意に、物理的バリアは、例えば、物理的バリアが残したいくつかのギャップを充填するために、ガスバリアと共に使用することができる。いくつかの実施形態では、物理的バリアが提供されるが、ガスバリアまたはガスカーテンは提供されない。
【0032】
いくつかの実施形態では、ステーションは、反応器のモジュールまたはチャンバーを備え、その結果、各ステーションは別個のチャンバーまたはモジュールを備える。いくつかの実施形態では、ステーションは、反応チャンバーの一部を含み、これは、ステーション間の壁、ガスカーテン、またはガスベアリングを位置付けることによって、反応チャンバーの他の部分からガス絶縁状態に置くことができる。任意に、所与のステーションは、一つまたは複数の壁、ガスカーテン、ガスベアリング、またはこれらのアイテムのいずれかの組み合わせによって完全に囲まれる。しかしながら、いくつかの実施形態では、ステーションは分離されていない。
【0033】
図3Bに図示するように、本明細書のいくつかの実施形態によるギャップ充填プロセスの間、ウエハをステーションを通して回転させ得る。例えば、ウエハは、ステーションRC1でチャンバーに入り、そこでウエハは、第一の流動性堆積プロセスに供され得る。いくつかの実施形態では、第一の流動性堆積プロセスに供された後、図3Bに示す通り、ウエハはRC4に搬送され得る。あるいは、ウエハはRC2に搬送され得る。いずれの場合も、ウエハは、第一のアニールプロセスに供され得る。第一のアニールの後、ウエハはRC3に移され得、そこで第二の流動性堆積プロセスに供され得る。第二の流動性堆積プロセスに供された後、ウエハは、以前にRC4に搬送された場合にはRC2に搬送され得、以前にRC2に搬送された場合にはRC4に搬送され得る。いずれの場合も、ウエハは、第二のアニールプロセスに供され得る。ウエハは、単一の堆積-アニールサイクルを完了するために、RC1に戻され得る。サイクルを繰り返し、所望の膜品質を達成し得る。さらに、ウエハは、RC1、RC2、RC3、またはRC4のうちのいずれか一つでチャンバーに入り、ステーションを任意の方向に循環し得る。しかしながら、一般的に、堆積アニールサイクルは、少なくとも一つの流動性堆積プロセスで始まり、次いで少なくとも一つのアニールプロセスに続く。少なくとも一つの流動性堆積プロセスは、異なるウエハ上で同時に実施される、および/または単一のウエハ上で連続的に実施され得る。図3Bの図示された実施形態では、堆積ステーションおよびアニーリングステーションは、対角線上に位置付けられる。いくつかの実施形態では、この構成は、膜均一性を改善し得る。しかしながら、同じタイプのステーションの隣接配置も、本明細書に開示される実施形態の範囲内である。いくつかの実施形態では、二つ以上のステーションの対が、並列した二つ以上の基材上で同じプロセスを実施する。
【0034】
上記の概念は、任意の異なる数のステーションにも適用可能である。例として、図3Cは、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるマルチプロセスデュアルチャンバーモジュールを示す。このシステムでは、低温流動性堆積および高温アニールは、RC1とRC2の間でウエハを連続的に移動させることによって、同時かつ周期的に繰り返し行われ得る。
【0035】
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載のマルチプロセスチャンバーモジュールは、複数のステーションを備え得、その半分は流動性堆積に使用され得、残りの半分は熱アニーリングに使用され得る。いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールは、例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、100、150、200、250、300、400、または500など、列挙された値の任意の二つの間の範囲を含む、少なくとも2つのステーションを備える。しかしながら、ステーションの数は必ずしも限定されるわけではない。
【0036】
マルチプロセスチャンバーモジュール
本明細書のいくつかの実施形態によれば、本明細書のマルチプロセスチャンバーモジュールは、基材の流動性堆積およびアニールを実施するための二つ以上のステーションを含み得る。任意に、マルチプロセスチャンバーモジュールはまた、プラズマ硬化を実施するように構成され得る。いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールは、デュアルシステムガス送達および温度制御システムを備え得、その結果、各ステーションは独立して加熱され、異なるガスが各ステーションに同時に送達されることができる。いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールの各ステーションは、マルチプロセスチャンバーモジュールの他のステーションとは独立してステーションを加熱するためのヒーターを備え得る。いくつかの実施形態では、ヒーターは、窒化アルミニウム(AlN)セラミックヒーターまたはアルマイトヒーターを含み得る。いくつかの実施形態では、ヒーターは、IR放射を基材の表面に伝送するための一つまたは複数のヒートランプを含み得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールは統合された単一システム排気源およびポンプシステムを含み得、そのため、すべてのステーションが同時に同期した圧力に維持され得る。さらに、マルチプロセスチャンバーモジュールは、ステーションに無線周波数電力を供給するための単一システム無線周波数電源を備え得る。いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールは、搬送空間を含む下部チャンバーと、プロセスステーションを含む上部チャンバーとを備え得る。いくつかの実施形態では、下部チャンバーおよび上部チャンバーは、非密封であり得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、チャンバーは互いに密封され得る。
【0038】
本明細書のいくつかの実施形態は、前駆体源とガス連通している堆積のためのステーションを提供し、そのため、前駆体はステーション内に流入できる。本明細書のいくつかの実施形態による装置は、第一のステーションおよび第二のステーションを含む。装置は、ステーションからステーションへの基材の移動、前駆体およびプロセスガスのステーションへの流れ、および/またはステーションのパージを制御するように設定されたコントローラーをさらに備えることができる。異なるプロセスガスを、それぞれの特定の前駆体に適切な異なる温度で基材と接触させることができる。いくつかの実施形態では、ステーション内の前駆体は、シャワーヘッドを介して送達される。任意に、シャワーヘッドは、所望の温度または温度範囲でステーションに前駆体を提供するように加熱されたシャワーヘッドを含む。いくつかの実施形態では、加熱されたシャワーヘッドは、前駆体が基材に接触する温度またはその近い温度でプロセスガスをステーションに供給する。任意に、シャワーヘッドは、過剰な前駆体を捕捉し、他のガスとのCVD反応に関与するために潜在的に利用可能な前駆体の量を最小化するために、その周囲に真空排気スカベンジャーを含む。いくつかの実施形態では、前駆体は、ステーション(および/または前駆体源ラインおよび/またはパージライン)内に含有されるが、ステーション間のいずれの空間にも入ることは許されない。
【0039】
本明細書のいくつかの実施形態によれば、基材は、二つ以上のステーション間でシャッフルされ、各ステーションは堆積またはアニールプロセスを実施する。例えば、第一のステーションは、第一の温度で基材の露出した表面に吸着される前駆体を提供することができ、第二のステーションは、第一の温度とは異なる第二の温度で基材の熱処理を実施することができる。基材は、空隙のないシームレスなギャップ充填が形成されるまで、第一のステーションと第二のステーションとの間を行き来して繰り返しシャッフルされ得る。いくつかの実施形態では、基材は、ステーション間で連続的に移動する。いくつかの実施形態では、ステーション間の基材の動きは連続的ではなく、むしろ、停止起動動作または交互の低速動作などのインデックス動作(indexing motion)を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、基材はプロセスシーケンスで、一つのステーションから次のステーションに、例えば、1000ミリ秒未満、900ミリ秒、800ミリ秒、700ミリ秒、600ミリ秒、500ミリ秒、400ミリ秒、300ミリ秒、200ミリ秒、175ミリ秒、150ミリ秒、125ミリ秒、100ミリ秒、75ミリ秒、50ミリ秒、25ミリ秒、10ミリ秒、または5ミリ秒など、列挙された値の任意の二つの間の範囲を含み、例えば、10~1000ミリ秒、10~500ミリ秒、10~400ミリ秒、10~300ミリ秒、10~200ミリ秒、10~100ミリ秒、30~1000ミリ秒、30~500ミリ秒、30~400ミリ秒、30~300ミリ秒、30~200ミリ秒、30~100ミリ秒、50~1000ミリ秒、50~500ミリ秒、50~400ミリ秒、50~300ミリ秒、50~200ミリ秒、50~100ミリ秒、100-1000ミリ秒、100~500ミリ秒、100~400ミリ秒、100~300ミリ秒または100~200ミリ秒など、1000ミリ秒未満で移動する(例えば、第一のステーションと第二のステーションとの間の移動時間、必ずしもステーションにおける時間を含まない)。任意に、基材は、ガスベアリングまたはガスカーテンではなく、壁などの固体材料によって分離される二つ以上のステーションの間でシャッフルされ得る。任意に、基材は、直線経路ではなく、円形経路または弧に沿ってステーション間でシャッフルされる。任意に、基材は、弧または円形経路ではなく、直線経路に沿ってステーション間でシャッフルされる。また、本明細書のいくつかの実施形態に従い、追加の任意の場所を通過することなく、基材をステーションからステーションに移動させることは、処理時間を最小化することによって、スループットを増加させることができることも企図される。任意に、基材は、追加の位置を通過することなく、第一のステーションから第二のステーションに直接移動する。
【0041】
二つの異なるステーションが二つの異なるプロセスを含む場合、異なるステーションの状態、例えば、異なる温度を異なるステーションで維持できることに留意されたい。例えば、第一のステーションは、第一のステーションでの第一のプロセスに最適化された第一の温度にあり、第二のステーションは、第二のステーションでの第二のプロセスに最適化された第二の温度にあることができる。このように、いくつかの実施形態では、第一のステーション全体は、第二のステーション全体とは異なる温度にある。いくつかの実施形態では、第一のステーション全体は、第二のステーション全体とは異なる温度にあるが、二つのステーションは同じ圧力にある。
【0042】
任意に、ステーションはさらにパージガス源および/または真空とガス連通し、ステーションをパージすることができる。例えば、本明細書のいくつかの実施形態によれば、基材が第一のステーションで前駆体と接触した後(ただし基材が第二のステーションに移動する前に)、残留している前駆体がウエハと一緒に第二のステーションに搬送される可能性を最小化または消滅させるために、基材が第一のステーションに残っている間に、ステーションはパージされ得る。
【0043】
任意に、本明細書のいくつかの実施形態による一つまたは複数のステーションは、基材をその上に置くことができるサセプターを含む。サセプターは加熱または冷却することができ、したがって、基材を適切な温度に加熱または冷却するように構成され得る。このように、いくつかの実施形態では、第一のステーション内のサセプターは第一の温度に加熱または冷却され、一方で第二のステーション内のサセプターは第二の温度に加熱または冷却される。さらに、いくつかの実施形態では、サセプターは、基材が適切な温度に達することができるように、異なる期間にわたって基材を加熱または冷却することができる。いくつかの実施形態では、冷却および/または加熱サセプターは、堆積ステーションとアニーリングステーションとの間の大きな温度差を維持するために必要であり得る。任意に、サセプターは、基材よりも低い質量を有することができ、その結果、サセプターは基材よりも早く加熱または冷却することができる。他の実施形態では、サセプターは、基材よりも大きな質量を有し得、その結果、基材は、サセプターよりも速く加熱または冷却され得る。任意に、サセプターはステーション間で移動しない。任意に、サセプターは、加熱および/または冷却されたサセプターを含む。いくつかの実施形態では、サセプターは、基材がサセプター上に置かれる前に、前駆体の堆積のために適切な温度にある。いくつかの実施形態では、サセプターは、基材がサセプター上に配置された後、前駆体の堆積のために適切な温度に加熱される。
【0044】
本明細書の実施形態による堆積ステーションは、反応空間に流体連結されたガス注入システム、前駆体および任意にキャリアガス(例えば、He)を反応空間に導入するための第一のガス源、一つまたは複数のプロセスガスの混合物を反応空間に導入するための第二のガス源、排気装置、およびコントローラーを備え得、コントローラーは、ガス注入システムへのガス流を制御して、本明細書に記載される方法を実施するように構成される。当業者には理解されるように、制御装置は、様々な電源、加熱システム、ポンプ、ロボット、およびガス流量制御装置または反応器のバルブと通信している。いくつかの実施形態では、ガス注入システムは、前駆体を反応空間に運ぶためにキャリアガスを用いる前駆体送達システムを含む。いくつかの実施形態では、コントローラーは、以下のサイクルを制御する命令を装置に提供するプロセッサを備え得る:(a)基材を第一のステーションに配置すること、(b)第一のステーションの基材を、第一の温度で前駆体と接触させることであって、前駆体との接触が、第一の基材のギャップ内に流動性層を形成する、接触させること、(c)第一のステーションの基材を前駆体と接触させた後、基材を第二のステーションに配置すること、(d)第一の基材を第二のステーションで第二の温度に加熱して第一の流動性膜層を緻密化することによって基材上でアニールを行うこと。いくつかの実施形態では、(a)~(d)は、所望の膜厚の膜が基材上に堆積されるまで、サイクルで繰り返される。
【0045】
装置は、第一のステーションに基材を配置し、その後、第一のステーションの基材上に第一のプロセス(例えば、流動性堆積またはアニール)を行った後に、第二のステーションに基材を配置するように構成された基材搬送システムをさらに備えることができる。装置は、中間空間またはウエハ搬送空間を含み得る。基材搬送システムは、中間空間内で基材を移動するように構成されたスパイダーなどの基材搬送部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、ステーションを画定する移動可能なバリアを移動させ、基材を中間空間に曝露し、搬送部材は中間空間を通して基材を異なるステーションに搬送し、その後、移動可能なバリアを介してガス絶縁させ得る。いくつかの実施形態では、装置の基材搬送システムは、一つまたは複数の基材搬送機構(例えば、可動式ステージ)を含み、各基材搬送機構は、ただ一つのステーションと関連付けられ、そのステーションと中間空間との間で基材を往復搬送することができる。このように、各ステーションの搬送機構は、特定のステーションから中間空間へ、または中間空間からステーションへ基材を移動させることができる。例えば、可動式ステージは、中間空間と、その特定の可動式ステージと関連付けられたステーションとの間で基材を上下させることができる。いくつかの実施形態では、基材を受容するように構成された基材搬送機構、またはステーション内のステージもしくはサセプターは、複数のリフトピンを含む。リフトピンが延伸すると、延伸したリフトピン上に位置する基材は、持ち上げるまたは降ろすために、基材搬送部材(例えば、スパイダー)に容易にアクセスすることができる。リフトピンが収納されると、基材は適切な表面(例えば、ステージまたはサセプターの表面)上に配置され得る。中間空間では、例えば、スパイダーなどの回転式基材搬送部材を介して、一つのステーションから別のステーションへ、または一つの基材搬送機構(例えば、可動式ステージ)から別の基材搬送機構へ、基材を移動することができる。任意に、各基材搬送機構(例えば、可動式ステージ)は、延伸して中間空間の基材搬送機構から基材を上昇させるように構成された複数のリフトピンを含む。上昇された基材は、スパイダーなどの搬送部材によって容易に持ち上げられ、基材を中間空間内の異なる基材搬送部材に移動させることができる。任意に、基材をステーション(例えば、サセプターまたはステージ上)またはステーションに関連付けられた基材搬送機構上に配置した後、基材搬送部材は中間空間内に収納される。
【0046】
本明細書で使用される場合、「基材搬送部材」または「搬送部材」は、第一のステーションから(または第一のステーションに関連付けられた搬送機構から)第二のステーションへ(または第二のステーションに関連付けられた移動機構へ)基材を移動できる回転式部材またはスパイダーなどの構造体を指す。いくつかの実施形態では、搬送システムは、スパイダーを含む搬送部材を含む。本明細書で使用される場合、「スパイダー」は、複数のアームを有するウエハ搬送部材を指し、各アームは、スパイダーエンドエフェクターを通してウエハと係合するように構成される。スパイダーは、複数のステーションに対して中央に配置することができる。
【0047】
図4は、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるマルチプロセスチャンバーモジュールの概略図を示す。いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールは、ステーション201、202、203、204に対して中央に配置されたスパイダー200を含み得る。スパイダー200は、一つまたは複数のアーム205を有し得、各アームは、ウエハと係合するためのスパイダーエンドエフェクター206を具備する。ウエハを搬送する必要があるとき、ウエハは、リフトピンまたは類似の構造体によって上昇され得、スパイダー200は、スパイダーエンドエフェクター206がウエハの下方にあり、スパイダーエンドエフェクター206がウエハと係合するように回転する。いくつかの実施形態では、スパイダー200が90度(または異なる値、ステーションの数が異なり、均等に分散されたステーションの場合、値は360度をステーションの数で割ることができる)回転し、スパイダーエンドエフェクター206がウエハと係合解除し、ウエハを、基材を上昇させるためのリフトピンまたは類似の構造体も含み得る表面(例えば、本明細書に記載のステーション内のサセプター上、もしくは基材搬送機構上)上に置いたままにする。次いで、スパイダー200は、ステーション201、202、203、204の間の中間位置に移動させ、ステーションが互いにガス絶縁されるとき、スパイダーまたはその構成部品のいずれも反応ガスに曝露されない。任意に、追加のエンドエフェクター207は、ウエハをステーションのクラスタから、ウエハハンドリングチャンバー、ロードロックチャンバー、および/またはステーションの別のクラスタに移動させることができる。いくつかの実施形態では、ウエハを、ステーション201、202、203、204の間で時計回りまたは反時計回りの回転で搬送することができ、ステーション201、202、203、204は、流動性堆積ステーションまたはアニーリングステーションのいずれかを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、基材搬送システムは、複数の「基材搬送機構」を含み、各基材搬送機構は、ただ一つのステーションと関連付けられ、例えば、上下させることによって、特定のステーションと中間空間との間で基材を往復搬送することができる。任意に、各基材搬送機構(例えば、可動式ステージ)は、延伸して中間空間の基材搬送機構から基材を上昇させるように構成された複数のリフトピンを含む。上昇された基材は、スパイダーなどの搬送部材によって容易に持ち上げられ、基材を中間空間内の異なる基材搬送機構に移動させることができる。そのため、各基材搬送機構は、二つ以上のステーションには曝露されない。いくつかの実施形態では、各基材搬送機構は、可動式ステージを含む。
【0049】
図5は、本明細書に記載されるいくつかの実施形態によるマルチプロセスチャンバーモジュールのトップダウン図を示す。各マルチプロセスチャンバーモジュール500は、一つまたは複数のプロセスチャンバー501を備え得、各プロセスチャンバーは、他のステーションからガス絶縁された一つまたは複数のステーション503を備える。いくつかの実施形態では、スパイダー505は、基材をプロセスチャンバーからプロセスチャンバーに移動させ得る。ウエハハンドリングチャンバー502(WHC)内に位置付けられたエンドエフェクターは、スパイダー(プロセスチャンバーと連通する)および/またはロードロックチャンバー504(LLC)から基材を追加および除去することができる。上述のように、マルチプロセスチャンバーモジュールは、独立した加熱システム506、508を含むデュアル加熱システムを備え得る。いくつかの実施形態では、加熱システム506は、加熱システム508から独立して第一の温度まで、ステーション503のうちの一つまたは複数を加熱および/または冷却し得る。同様に、加熱システム508は、加熱システム506から独立して、第一の温度とは異なる第二の温度に、一つまたは複数の他のステーション503を加熱および/または冷却し得る。この構成により、一つまたは複数の堆積プロセスおよび一つまたは複数のアニールプロセスなど、異なるステーションにおける異なる同時プロセスが可能になる。マルチプロセスチャンバーモジュール500はまた、排気装置およびポンプシステムを含む圧力システム510を含み得る。いくつかの実施形態では、圧力システムは反応チャンバー501のすべてのステーション503に接続され得、そのため、同じチャンバー圧力を反応チャンバー501のステーション503のすべてで維持することができる。いくつかの実施形態では、ステーション503は互いに密封されず、そのため、各プロセス空間(すなわち、上部チャンバー)が中間下部チャンバー空間を介して接続される。いくつかの実施形態では、このステーション分離の欠如により、ステーション間のウエハ処理がより容易で迅速な複雑でない設計、共有圧力システム510が可能となり、そのため、堆積ステーションとアニールステーションを同じ圧力に同時に維持することができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、複数のステーションが位置する、一つまたは複数のプロセスモジュール(PM)を含む基材処理装置が提供される。ステーションは、中間空間(すなわち、下部チャンバー)によって接続されるプロセス空間を含み得る。基材処理装置は、少なくとも二つの基材搬送システムを備え得、一つは、ロードロックチャンバー(LLC)とPMとの間の基材の移動用であり、もう一つは、PMにおけるプロセスステーション間の基材の移動用である。任意に、PMは、ガスおよび温度などのいくつかのプロセス条件を独立して制御するが、圧力およびRFなどの他のプロセス条件の制御を共有することによって、開放中間空間によって接続されたステーション内で、少なくとも二つの異なるプロセスを同時に実行する能力を備える。
【0051】
いくつかの実施形態では、マルチプロセスチャンバーモジュールの各ステーションは、マルチプロセスチャンバーモジュールの他のステーションとは独立してステーションを加熱するためのヒーターを備え得る。いくつかの実施形態では、ヒーターは、窒化アルミニウム(AlN)セラミックヒーター、アルマイトヒーター、および/または一つまたは複数のヒートランプを含み得る。
【0052】
図6Aは、本明細書のいくつかの実施形態による流動性堆積ステーションで使用するための加熱ユニットの例示的な図を示す。加熱ユニット600は、第一および第二の加熱ゾーンにそれぞれ、一つまたは複数の加熱要素602、604を備え得る。加熱要素は、マルチプロセスチャンバーモジュールのステーションに基材を保持するためのサセプターの一部であり得る、加熱ユニット600の表面上またはその内部に位置し得る。加熱要素は、サセプター、基材、および/またはステーションの温度を流動性堆積に適した温度に上昇させるように給電され得る。加熱ユニット600はまた、冷却サセプター、基材および/またはステーションのための液体冷却ライン606を含み得る。熱分離溝608は、加熱および/または冷却効率を改善するために提供され得る。例えば、いくつかの実施形態では、熱分離溝は、第一および第二の加熱ゾーンを分離して、ウエハに均一な加熱を提供し得る。いくつかの実施形態では、加熱ユニットは、約20℃~約200℃の温度にサセプター、基材、および/またはステーションを加熱するように構成され得る。いくつかの実施形態では、二つの加熱ゾーンの使用は、プラズマ発熱または壁温度効果による好ましくないウエハ温度上昇を効果的に防止する。
【0053】
図6Bは、本明細書のいくつかの実施形態によるアニールステーションで使用するための加熱ユニットの例示的な図を示す。加熱ユニット610は、単一の加熱ゾーンに一つまたは複数の加熱要素612を備え得る。いくつかの実施形態では、加熱ユニットは、約400℃~約600℃の温度にサセプター、基材、および/またはステーションを加熱するように構成され得る。
【0054】
ギャップ充填方法
本開示の様々な実施形態は、ギャップ充填方法、該方法を使用して形成された構造およびデバイス、ならびに該方法を実施するための、および/または、該構造および/またはデバイスを形成するための装置に関する。いくつかの実施形態は、堆積ステーションに流動性材料を堆積させ、第二のステーションで熱処理を行うことに関する。いくつかの実施形態では、堆積プロセスは、堆積ステーションに、ギャップを有する基材を導入することであって、ギャップは凹部と実質的に凹部から後ろに延在する横方向の空間とを含む、導入すること、および、前駆体を堆積ステーションに導入し、堆積ステーションにプラズマを導入することであって、それによって、前駆体は反応して、ギャップの凹部および横方向空間を少なくとも部分的に充填するギャップ充填流体を形成する、導入することを含む。いくつかの実施形態では、堆積は、前駆体に加え、一つまたは複数のプロセスガスを堆積ステーションに導入することをさらに含む。いくつかの実施形態では、他の気相プロセスの使用が、流動性材料を堆積されるために使用され得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、充填能力は、例えば、特定のパラメーター範囲内に重合され得る揮発性前駆体で充填されたチャンバー内に、例えば、プラズマを衝突させることによって、気相で粘性材料を形成することによって達成し得る。任意に、気相は、プラズマ以外のさらなるガス、例えば、希ガスまたはHを含む。プロセスパラメーターは、例えば、プラズマ衝突の間の前駆体の分圧およびウエハ温度を含み得る。本明細書で使用される場合、重合は、より長い分子の形成を含んでもよく、必ずしも炭素-炭素結合を含む必要はない。実際に、重合は、例えば、Si-Si結合、Si-C結合、および/またはSi-N結合の形成を含み得る。いくつかの実施形態では、粘性材料は、粘性相を形成し、基材上のトレンチに流入し得る。好適な基材は、シリコンウエハを含む。結果として、粘性材料は、底部から上への方式でトレンチをシームレスに充填する。本明細書の実施形態の範囲内の前駆体の例は、例えば、SiCN流動性堆積のためのヘキサメチルシクロトリシラザン(HMCTS)、ならびにSiN堆積のためのアミノシランおよびトリシリルアミン(TSA)を含む、アルキル-シラザン(Si、C、N、H含有)またはアミノシラン/シリルアミン(Si、N、H含有)前駆体を含む。いくつかの実施形態では、前駆体は、シラザン、シクロシラザン、およびシリコンアルキルアミンからなるリストから選択され得る。
【0056】
流動性膜は、揮発性前駆体がプラズマによって重合され、基材の表面上に堆積された場合に一時的に得られ、ガス状前駆体(例えば、モノマー)は、プラズマガス放電によって供給されるエネルギーによって活性化または断片化されて重合を開始し、得られる材料が基材の表面上に堆積すると、その材料は一時的に流動性挙動を示す。表面上に堆積された材料の膜品質は、本明細書に記載される熱処理を含む周期的プロセスを介して改善され得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、揮発性前駆体は、プラズマ衝突中の前駆体の分圧、ウエハ温度、および反応チャンバー内の全圧によって主に定義される特定のパラメーター範囲内で重合される。「前駆体分圧」を調整するために、間接的プロセスノブ(希釈ガス流)を使用して前駆体分圧を制御し得る。前駆体分圧の絶対数は、堆積膜の流動性を制御するために必要とされるとはかぎらないが、代わりに、基準温度での前駆体の流量の、残留ガスの流量に対する比および反応空間の全圧力を実用的な制御パラメーターとして用いることができる。
【0058】
基材内のギャップは、基材内のパターン化された凹部またはトレンチを指し得る。したがって、基材上にパターン化された凹部またはトレンチを充填する方法の例は、反応空間に凹部/トレンチを含む基材を提供すること、反応空間に前駆体を提供して、それによって凹部を前駆体で充填すること、および凹部中に前駆体の粘性相を形成するためにプラズマを供給することであって、前駆体の粘性相が流れ、側壁に対して凹部の底部におよび/または凹部から離れて基材の頂部に堆積材料を堆積または堆積材料を形成する、供給すること、を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、ギャップ充填堆積方法は、無線周波数(RF)プラズマおよびパルス状前駆体流の使用を含む。いくつかの実施形態では、プロセスパラメーターは、重合が進行するRFオン期間全体の間に十分に高い分圧を達成し、反応を活性化するのに十分なエネルギー(RFオン期間およびRF電力によって定義される)を供給するように変更され得る。いくつかの実施形態では、温度および圧力は、重合/連鎖成長のために制御され得、流動性相の融点より上、かつ沸点より下に設定され得る。いくつかの実施形態では、ギャップ充填流体でギャップを充填するプロセスは、以下のサブ工程のうちの一つまたは複数を含む。ギャップを含む基材は、堆積ステーション内に位置付けられる。ギャップは、一つまたは複数の横方向空間と流体接続する凹部を含む。いくつかの実施形態では、前駆体は、堆積ステーション内に導入され得る。いくつかの実施形態では、一つまたは複数のプロセスガスはまた、堆積ステーション内に導入され得る。プロセスガスは、共反応物を含む一つまたは複数のさらなるガスを含み得る。いくつかの実施形態では、RFプラズマなどのプラズマは、堆積ステーション内に維持され得る。いくつかの実施形態では、前駆体は、基材上にギャップ充填流体を形成するように反応され得る。いくつかの実施形態では、ギャップ充填流体は、複数の凹部および一つまたは複数の横方向空間を少なくとも部分的に充填し得る。いくつかの実施形態では、プロセスガスおよび前駆体は、同時に導入され得る。いくつかの実施形態では、前駆体はプロセスガスの前または後に導入され得る。いくつかの実施形態では、RFプラズマは、前駆体および/またはプロセスガスの導入の前、間、または後で維持され得る。上述の方法が順次実施される場合、すなわち、周期的に、少量の材料が各サイクルで堆積され得、工程のシーケンスが所望の膜厚の層が得られるまで繰り返され得ることが、当業者によって理解されよう。いくつかの実施形態では、プロセスは周期的に実行され、一つまたは複数の工程はパージガスパルスによって分離される。
【0060】
いくつかの実施形態では、上記の方法は、前駆体を堆積ステーションに断続的に供給し、プラズマを連続的に適用することを含む。いくつかの実施形態では、上記の方法は、前駆体を堆積ステーションに断続的に供給し、プラズマを断続的に適用することを含む。したがって、後者の実施形態は、前駆体パルスおよびプラズマパルスの反応空間への逐次的適用を特徴とする。
【0061】
いくつかの実施形態では、プロセスガスは、例えば、Ar、He、N2、2、NH、O、または上記のうちの一つまたは複数の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態では、前駆体は、堆積ステーション内にのみ導入され得る。言い換えれば、堆積ステーションおよびアニーリングステーションは、分離された前駆体ガス接続を含み得る。
【0062】
理論または任意の特定の動作様式に拘束されることなく、堆積材料は、堆積プロセス全体を通して粘性または液体のままであることが望ましく、容易に固化または蒸発するべきではないと考えられる。所望の反応条件下では、前駆体の蒸気圧ではなく、液相の蒸気圧は、全ステーション圧よりも低くあるべきとさらに考えられる。したがって、ステーションの温度および圧力は、流動性反応生成物が液体として存在し、前駆体がガスとして存在する条件下で維持されるべきであると考えられる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ステーション圧力は、約300Pa~2800Paの圧力に維持され得る。例えばステーション圧力は約300Pa、約350Pa、約400Pa、約450Pa、約500Pa、約550Pa、約600Pa、約650Pa、約700Pa、約750Pa、約800Pa、約850Pa、約900Pa、約950Pa、約1000Pa、約1050Pa、約1100Pa、約1150Pa、約1200Pa、約1250Pa、約1300Pa、約1350Pa、約1400Pa、約1450Pa、約1500Pa、約1550Pa、約1600Pa、約1650Pa、約1700Pa、約1750Pa、約1800Pa、約1850Pa、約1900Pa、約1950Pa、約2000Pa、約2050Pa、約2100Pa、約2150Pa、約2200Pa、約2250Pa、約2300Pa、約2350Pa、約2400Pa、約2450Pa、約2500Pa、約2550Pa、約2600Pa、約2650Pa、約2700Pa、約2750Pa、約2800Pa、または前述の値の間のいずれかの値に維持され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、堆積ステーション温度は、約300℃よりも低い温度に維持され得る。例えばステーション温度は、加熱/冷却システムを介して約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約95℃、約100℃、約105℃、約110℃、約115℃、約120℃、約125℃、約130℃、約135℃、約140℃、約145℃、約150℃、約155℃、約160℃、約165℃、約170℃、約175℃、約180℃、約185℃、約190℃、約195℃、約200℃、約205℃、約210℃、約215℃、約220℃、約225℃、約230℃、約235℃、約240℃、約245℃、約250℃、約255℃、約260℃、約265℃、約270℃、約275℃、約280℃、約285℃、約290℃、約295℃、約300℃、または前述の値の間のいずれかの値に維持され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、RF電力は、約20W~1000Wでステーションに供給され得る。例えば、いくつかの実施形態では、RF電力は、約20W、約40W、約60W、約80W、約100W、約120W、約140W、約160W、約180W、約200W、約220W、約240W、約260W、約280W、約300W、約320W、約340W、約360W、約380W、約400W、約420W、約440W、約460W、約480W、約500W、約520W、約540W、約560W、約580W、約600W、約620W、約640W、約660W、約680W、約700W、約720W、約740W、約760W、約780W、約800W、約820W、約840W、約860W、約880W、約900W、約920W、約940W、約960W、約980W、約1000W、または前述の値の間のいずれかの値でステーションに供給され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、サイクル当たり少なくとも約1nm、例えば、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、約50nm、約60nm、約70nm、約80nm、約90nm、または約100nm、列挙された値のいずれか二つの間の範囲を含む、例えば、1nm~100nm、1nm~20nm、1nm~10nm、1nm~5nm、2nm~100nm、2nm~20nm、2nm~10nm、2nm~5nm、3~4nm、5nm~100nm、5nm~20nm、5nm~10nm、10nm~100nm、または10nm~20nmの厚さを有する膜が堆積される。
【0067】
前駆体およびプロセスガスは、約0.1標準リットル/分(SLM)~約10SLMの体積流量でステーションに提供され得る。例えば、前駆体およびプロセスガスは、約0.1SLM、0.5SLM、約1SLM、約1.5SLM、約2SLM、約2.5SLM、約3SLM、約3.5SLM、約4SLM、約4.5SLM、約5SLM、約5.5SLM、約6SLM、約6.5SLM、約7SLM、約7.5SLM、約8SLM、約8.5SLM、約9SLM、約9.5SLM、約10SLM、約10.5SLM、約11SLM、約11.5SLM、約12SLM、約12.5SLM、約13SLM、約13.5SLM、約14SLM、約14.5SLM、約15SLM、約15.5SLM、約16SLM、約16.5SLM、約17SLM、約17.5SLM、約18SLM、約18.5SLM、約19SLM、約19.5SLM、約20SLM、または前述の値の間のいずれかの値の体積流量でステーションに提供され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、基材は半導体を含む。いくつかの実施形態では、半導体はシリコンを含む。さらに、複数の凹部を含む半導体基材を含む構造体が本明細書に提供される。複数の凹部は、一つまたは複数の横方向空間と流体接続する。また、複数の凹部および一つまたは複数の横方向空間は、一つまたは複数の堆積サイクルの完了時に、ギャップ充填流体で少なくとも部分的に充填される。いくつかの実施形態では、ギャップ充填流体は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは複数の凹部の全てを完全に充填する。いくつかの実施形態では、ギャップ充填流体は、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、より好ましくは少なくとも99%、最も好ましくは横方向空間の全てを完全に充填する。言い換えれば、ギャップ充填流体は、ギャップ充填流体で充填される各横方向空間の全体を充填することが好ましい。いくつかの実施形態では、ギャップ充填流体は、空隙またはシームを実質的に含まない。
【0069】
いくつかの実施形態では、堆積および/または熱周期アニーリングの後、基材は、NFおよびOのクリーニングプロセスに供され得る。いくつかの実施形態では、ギャップ充填膜品質をさらに改善するために、プラズマ硬化工程も用いられ得る。いくつかの実施形態では、硬化工程は、連続的直接プラズマを採用し得る。ギャップ充填流体堆積および直接プラズマ硬化は、周期的に実施され得る。いくつかの実施形態では、これは、ギャップ充填流体のすべて、または少なくとも大部分の効率的な硬化を可能にする。いくつかの実施形態では、硬化工程は、マイクロパルスプラズマの使用を伴い得る。いくつかの実施形態では、プラズマ硬化工程は、周期的に実施され得、すなわち、ギャップ充填流体堆積およびマイクロパルスRFプラズマの交互サイクルが採用されるが、ただし、堆積後マイクロプラズマ硬化処理も可能である。周期的ギャップ充填流体堆積およびプラズマ工程の適用は、ギャップ充填流体のすべて、または少なくとも大部分の効率的な硬化を可能にする。
【0070】
いくつかの実施形態では、周期的ギャップ充填プロセスは、堆積ステーションにおける堆積工程を実施すること、アニールステーションにおける熱アニール工程を実施すること、および任意に、所望の厚さおよび品質の膜が基材上に形成されるまで堆積工程および熱工程を繰り返すことを含み得る。堆積-アニールのサイクルは、n回実施され得、ここでnは整数である。いくつかの実施形態では、流動性堆積工程および任意の硬化工程の一例が完了した後、ウエハは別のアニールステーションに搬送され得、ウエハは熱アニール工程に供され得る。アニーリングステーションによって提供される熱処理は、例えば、SiCN/SiN膜の流動性膜品質を改善し得る。いくつかの実施形態では、周期的アニーリングは、He、Ar、N、H、もしくはO、NH、H、または前述の任意の組み合わせを使用した熱硬化、次いでNFおよびOを使用したウエハクリーニングプロセスを含む、熱処理を含み得る。周期的アニールの間、ウエハは、約80℃~約650℃の温度に加熱され得る。例えば、ウエハは、約80℃、約90℃、約100℃、約110℃、約120℃、約130℃、約140℃、約150℃、約160℃、約170℃、約180℃、約190℃、約200℃、約210℃、約220℃、約230℃、約240℃、約250℃、約260℃、約270℃、約280℃、約290℃、300℃、約310℃、約320℃、約330℃、約340℃、約350℃、約360℃、約370℃、約380℃、約390℃、約400℃、約410℃、約420℃、約430℃、約440℃、約450℃、約460℃、約470℃、約480℃、約490℃、約500℃、約510℃、約520℃、約530℃、約540℃、約550℃、約560℃、約570℃、約580℃、約590℃、約600℃、約610℃、約620℃、約630℃、約640℃、約650℃、または前述の値の間のいずれかの値の間の温度に加熱され得る。堆積チャンバー内と同様の圧力およびガス条件を使用して、堆積およびアニーリングを同時に実施することができる。
【0071】
図7A~7Cは、前駆体およびプラズマパルスの逐次適用を使用したギャップ充填方法の例示的実施形態を示す。図7Aは、本明細書のいくつかの実施形態による、ALDなどの蒸着の繰り返しサイクルおよびアニーリングを使用したギャップ充填方法の一例を示す。プロセスは、前駆体および共反応物を含む一つまたは複数のプロセスガスを採用し得る。一つまたは複数のプロセスガスは、一定の流量で反応器チャンバーに連続的に供給され得る。前駆体パルスおよびRFパルスは、堆積ステーションに逐次適用され得る。堆積ステーションは、ギャップ充填堆積中に一定の圧力および温度に維持され得る。堆積プロセスの完了後、ウエハはアニールステーションに搬送されてアニールプロセスに供され得る。いくつかの実施形態では、アニール圧力およびアニール温度が維持されている間、アニールステーションに連続的に一つまたは複数のプロセスガスが提供される。いくつかの実施形態では、アニールステーションで使用されるプロセスガスは、例えば、Ar、O2、、N、NH3、He、HO、H、および/またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。任意に、アニールの期間中、アニールステーションに連続的にまたはパルス状にRF電力が提供される。ALD堆積-アニールサイクルは、所望の膜品質を達成するために任意の回数繰り返され得る。いくつかの実施形態では、ALDプロセスおよびアニーリングプロセスは、同時に使用され得、ALDプロセスが第一の基材上で行われる一方、アニーリングプロセスは第二の基材上で行われ得る。例えば図3Cのデュアルチャンバーモジュールでは、所望の膜品質が両方の基材上で達成されるまで、第一の基材と第二の基材を繰り返しRC1とRC2の間で交換し得る。
【0072】
図7Bは、本明細書のいくつかの実施形態による、CVDなどの蒸着法の繰り返しサイクルおよびアニーリングを使用したギャップ充填方法の一例を示す。ALD法とは対照的に、CVDについては、前駆体およびRF電力が同時に適用され得る。アニーリングプロセスは、ALDプロセスの後に採用されるものと実質的に類似し得る。ALD堆積-アニーリングサイクルは、所望の膜品質を達成するために任意の回数繰り返され得る。いくつかの実施形態では、CVDプロセスおよびアニーリングプロセスは、同時に使用され得、CVDプロセスが第一の基材上で行われる一方、アニーリングプロセスは第二の基材上で行われ得る。いくつかの実施形態では、アニーリング処理は、1nm~5nmの堆積膜厚ごとに、または5nm~50nmの堆積膜厚ごとに行われるように、断続的に実施され得る。
【0073】
図7Cは、本明細書のいくつかの実施形態による、ALDの繰り返しサイクルおよびプラズマ硬化でのアニーリングを使用したギャップ充填方法の一例を示す。図7AのALDプロセスのように、前駆体パルス、およびRFパルスは、逐次的に適用され得る。しかしながら、堆積プロセスの完了後、本明細書で論じるように、プラズマ硬化処理が採用され得る。いくつかの実施形態では、プラズマ硬化は、堆積ステーションで用いられ得る。他の実施形態では、プラズマ硬化は、アニーリングステーションで用いられ得る。いくつかの実施形態では、プラズマ硬化は、アニーリング工程または急速熱アニールの後に行われ得る。例えば、いくつかの実施形態では、アニールまたは急速熱アニールは、流動性膜から一つまたは複数のガスを脱気し得、プラズマ硬化は、残りの膜内に追加の結合を生成し得る。いくつかの実施形態では、プラズマ硬化は、ステーションおよびRFパルスに一つまたは複数のプロセスガスを連続的に供給することを含む。いくつかの実施形態では、ステーション圧力は、プラズマ硬化中の堆積-アニーリングプロセス中に、圧力に対して低下または上昇され得る。さらに、堆積-アニーリングプロセス中にステーションに流入するプロセスガスは、プラズマ硬化中にステーションに流入するプロセスガスとは異なり得る。
【0074】
急速熱アニール(RTA)
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のマルチプロセスチャンバーモジュール内のギャップ充填ステーション間の温度差は、顕著であり得る。例えば、流動性堆積ステーションは、300℃未満に維持され得、周期的アニールステーションは、約450℃に維持され得る。いくつかの実施形態では、これは複雑なハードウェア設計を必要とし得る。さらに、いくつかの実施形態では、プロセス時間は、ウエハ全体が各処理工程に対して加熱および冷却されなければならないため、延長され得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、周期的急速熱アニール(RTA)の使用は、上述の通り、熱処理の使用の代替として使用され得る。この場合、ウエハは、赤外線(IR)放射への曝露によって急速に加熱され、ギャップ充填材料を硬化させ、その特性および品質を改善し得る。RTA曝露時間は、約0.1秒~約10秒の範囲内であり得、ウエハの上面のみが加熱される際に比較的高温が使用されることを可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、RTA曝露時間は、約0.1秒、約0.2秒、約0.3秒、約0.4秒、約0.5秒、約0.6秒、約0.7秒、約0.8秒、約0.9秒、約1秒、約1.1秒、約1.2秒、約1.3秒、約1.4秒、約1.5秒、約1.6秒、約1.7秒、約1.8秒、約1.9秒、約2秒、約2.1秒、約2.2秒、約2.3秒、約2.4秒、約2.5秒、約2.6秒、約2.7秒、約2.8秒、約2.9秒、約3秒、約3.1秒、約3.2秒、約3.3秒、約3.4秒、約3.5秒、約3.6秒、約3.7秒、約3.8秒、約3.9秒、約4秒、約4.1秒、約4.2秒、約4.3秒、約4.4秒、約4.5秒、約4.6秒、約4.7秒、約4.8秒、約4.9秒、約5秒、約5.1秒、約5.2秒、約5.3秒、約5.4秒、約5.5秒、約5.6秒、約5.7秒、約5.8秒、約5.9秒、約6秒、約6.1秒、約6.2秒、約6.3秒、約6.4秒、約6.5秒、約6.6秒、約6.7秒、約6.8秒、約6.9秒、約7秒、約7.1秒、約7.2秒、約7.3秒、約7.4秒、約7.5秒、約7.6秒、約7.7秒、約7.8秒、約7.9秒、約8秒、約8.1秒、約8.2秒、約8.3秒、約8.4秒、約8.5秒、約8.6秒、約8.7秒、約8.8秒、約8.9秒、約9秒、約9.1秒、約9.2秒、約9.3秒、約9.4秒、約9.5秒、約9.6秒、約9.7秒、約9.8秒、約9.9秒、約10秒、または前述の値のいずれかの間のいずれかの値であり得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、RTAは、上述の熱処理/アニールよりも比較的高い温度で実施され得る。例えば、いくつかの実施形態では、RTAは、約80℃~約1000℃の温度で実施され得る。いくつかの実施形態では、RTAは、約80℃、約105℃、約130℃、約155℃、約180℃、約205℃、約230℃、約255℃、約280℃、300℃、約325℃、約350℃、約375℃、約400℃、約425℃、約450℃、約475℃、約500℃、約525℃、約550℃、約575℃、約600℃、約625℃、約650℃、約675℃、約700℃、約725℃、約750℃、約775℃、約800℃、約825℃、約850℃、約875℃、約900℃、約925℃、約950℃、約975℃、約1000℃、または前述の値の間のいずれかの値で実施され得る。いくつかの実施形態では、高温RTAは、より低い曝露時間に対応し得る。
【0077】
このように、本明細書のいくつかの実施形態では、周期的RTAは、流動性ギャップ充填を硬化するために利用され得る。いくつかの実施形態では、周期的RTAは、周期的プラズマ処理における課題である再堆積を防止しつつ、周期的熱処理と比較してスループットを向上させ得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、上述のマルチプロセスチャンバーモジュール装置および方法とは対照的に、RTA中、アニールステーションの基材ステージは、堆積ステーションの基材ステージと同じ温度に保たれ、処理間の温度ギャップを回避することができる。周期的アニーリングのように、IR加熱でのRTAは、流動性堆積に対して別のチャンバー内で提供されることができ、これは、各堆積-アニールサイクル中のウエハの移動を必要とする。しかしながら、いくつかの実施形態では、RTAは、スループットを向上させるために、堆積ステーション自体に組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、単一のステーションを使用することにより、スループットが向上し、装置サイズが縮小し得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、プロセスガスまたは所望のプロセスパラメーター(例えば、圧力)が、堆積ステーションと熱処理との間で異なる場合、マルチステーション装置を使用することが好ましい場合がある。
【0079】
いくつかの実施形態では、堆積-RTAサイクルは、m回繰り返され得、ここでmは整数である。mの値は、流動性堆積プロセスの成長速度、充填されるギャップ構造の体積、および任意のプラズマ硬化が実施されるかどうかを含む、様々なプロセス変数に依存し得る。例えば、いくつかの実施形態では、プラズマ硬化が実施される場合、約1nm~約5nmの膜成長毎にRTAが提供され得る。いくつかの実施形態では、プラズマ硬化が実施されない場合、約5nm~約50nmの膜成長毎にRTAが提供され得る。
【0080】
上述のように、RTAはウエハの上面のみを実質的に加熱する。したがって、ステーション間の温度ギャップは、流動性堆積および周期的アニールを実施するマルチプロセスチャンバーモジュールにあるため、必要とされない。さらに、RTAでの加熱および冷却は、周期的アニールに対して加速され得る。RTAアプローチは、周期的プラズマ処理で観察される再堆積効果を回避し、周期的熱処理と比較してスループットを向上させる。
【0081】
図8は、本明細書のいくつかの実施形態による、急速熱アニール(RTA)を使用したギャップ充填方法の一例を示す。図示するように、基材は、一つまたは複数の前駆体を流し、プラズマを基材を保持するステーションにパルス状に適用することを含む、流動性堆積プロセスに供され得る。一つまたは複数の前駆体は、基材上に存在するギャップに堆積し得る流動性膜を形成し得る。堆積後、RTAプロセスは、流動性堆積プロセスが完了した同じステーション内で、または別のステーション内で供され得る。RTAは、約0.1秒~10秒の曝露時間にわたって、基材の上面の温度を上昇させることを含み得る。いくつかの実施形態では、赤外線ランプなどのヒートランプを使用して、基材の上面を加熱し得る。RTAはまた、基材の上面を約1分間冷却することを含み得る。RTAは、堆積膜を緻密化し、一方で脱ガス種のプラズマ再堆積を回避し得る。流動性堆積プロセスおよびRTAは、堆積-RTAサイクルにおいて任意の回数繰り返されて、所望の厚さおよび品質の膜を形成し得る。
【0082】
追加的実施形態
前述の明細書では、その特定の実施形態を参照して本発明を説明した。しかし、本発明の広い趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がそれになされることができることは明らかであろう。したがって、明細書と図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味でみなされるべきである。
【0083】
実際、本発明は特定の実施形態および実施例の文脈で開示されてきたが、本発明は、具体的に開示する実施形態を超えて、本発明の他の代替の実施形態および/または使用および明らかな変形例、ならびにそれらの均等物にまで拡大することを当業者は理解するであろう。加えて、本発明の実施形態のいくつかの変形が詳細に示され説明されているが、本発明の範囲内にある他の修正は、本開示に基づいて当業者にとって容易に明らかとなる。実施形態の特定の特徴および態様のさまざまな組み合わせまたは部分組み合わせを作ることができ、それでもなお本発明の範囲内となることがまた企図されている。開示された実施形態の様々な特徴および態様は、開示された本発明の実施形態の様々な様式を形成するために、互いに組み合わせる、または置換することができることが理解されるべきである。本明細書に開示されるいずれの方法も、列挙された順序で実施される必要はない。したがって、本明細書に開示される本発明の範囲は上記に記載される具体的な実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0084】
実際、本開示のシステムおよび方法はそれぞれいくつかの革新的な態様を有し、そのうちの単一の態様が本明細書に開示された望ましい属性に対して単独で責任を負うまたは必要とされるものではないことが理解されよう。上記の様々な特徴およびプロセスは、互いに独立して使用されることができ、または様々な方法で組み合わされることができる。全ての可能な組み合わせおよび部分的組み合わせは、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0085】
別々の実施形態に関連して本明細書に記載されている特定の特徴はまた、単一の実施形態に組み合わせて実施されてもよい。逆に、単一の実施形態に関連して説明される様々な特徴も、別々に、または任意の好適な部分的組合せで複数の実施形態で実施されてもよい。更に、特徴は特定の組み合わせで機能するものとして上記で説明され、最初はそのように特許請求される場合があるが、特許請求される組み合わせからの一つまたは複数の特徴は、場合により組み合わせから削除されることができ、特許請求される組み合わせは、部分的組合せまたは部分的組み合わせの変形を対象としてもよい。単一の特徴も特徴の群も、あらゆる実施形態に必要でも不可欠でもない。
【0086】
本明細書で使用される条件付き言語、例えば特に「できる(can)」、「できるであろう(could)」、「かもしれない(might)」、「してもよい(may)」、「例えば」等は、特に記載のない限り、または使用中の文脈内で理解されている場合を除き、特定の実施形態は特定の特徴、要素および/または工程を含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを一般的に意図していることもまた理解されよう。したがって、このような条件付き言語は、特徴、要素、および/もしくは工程が一つもしくは複数の実施形態になんらかの形で必要とされること、または一つもしくは複数の実施形態は、著者の入力もしくは指示の有無にかかわらず、これらの特徴、要素および/もしくは工程が任意の特定の実施形態に含まれるか実行されるかを決定するためのロジックを必ず含むことを示唆することを一般的に意図していない。用語「備える」、「含む」、「有する」等は同義語であり、包括的に、オープンエンド様式で使用され、追加の要素、特徴、工程、操作等を除外しない。加えて、用語「または」は包括的な意味で使用され(および排他的な意味で使用されない)ため、例えば要素のリストを連結するために使用される場合、用語「または」はリスト内の要素の一つ、いくつか、または全てを意味する。更に、本出願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」、「an」、および「the」は、特に明記しない限り、「一つまたは複数」または「少なくとも一つ」を意味すると解釈されるべきである。同様に、操作は特定の順序で図面に描かれてもよいが、このような操作は、示されている特定の順序または連続した順序で実行される必要がない、または望ましい結果を達成するために例示される全ての操作が実行されることを認識されるべきである。更に、図面は、フローチャートの形式でもう一つの例示的なプロセスを概略的に示すことができる。しかし、図示されていない他の操作は、概略的に例示されている例示的な方法およびプロセスに組み込まれてもよい。例えば、一つまたは複数の追加の操作が、例示される操作のいずれかの前、後、同時、または間に実行されてもよい。更に、別の実施形態では、操作を再編成または並べ替えることができる。特定の状況では、マルチタスクと並列処理が有利な場合がある。更に、上記の実施形態における様々なシステムの構成要素の分離は、全ての実施形態においてこのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは、一般的に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化されてもよいことは言うまでもない。更に、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内にある。場合によっては、特許請求の範囲に記載されている工程を異なる順序で実行してもよく、更に望ましい結果を得ることができる。
【0087】
さらに、本明細書に記載される方法およびデバイスは、様々な修正および代替形態の影響を受けやすい場合があるが、その具体的な例が図面に示され、本明細書に詳細に記載される。しかしながら、本発明は、開示される特定の形態または方法に限定されるものではないが、逆に、本発明は、記載される様々な実施例および添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内にある全ての改変、均等物、および代替物を網羅するものであると理解されるべきである。さらに、実施または実施形態に関連して、任意の特定の特徴、態様、方法、特性、特徴、品質、属性、要素、などについての本明細書の開示は、本明細書に記述されるその他すべての実施または実施形態で使用され得る。本明細書に開示されるいずれの方法も、列挙された順序で実施される必要はない。本明細書に開示される方法は、実施者によってなされる特定の措置を含み得るが、方法はまた、明示的または暗示的のいずれかによって、それらの措置についての任意の第三者の指示を含み得る。本明細書に開示される範囲はまた、あらゆるすべての重複、サブ範囲、およびそれらの組み合わせを包含する。「まで」、「少なくとも」、「以上」、「以下」、「の間」などの文言は、列挙された数を含む。「約」または「およそ」などの用語が先行する数字は、列挙された数字を含み、状況に基づいて解釈されるべきである(例えば、例えば、±5%、±10%、±15%など、状況の下で合理的に可能な限り正確に)。例えば、「約3.5mm」は、「3.5mm」を含む。例えば「実質的に」などの用語が先行する語句は、列挙された語句が含まれ、状況(例えば、状況の下で合理的に可能な限り)に基づいて解釈されるべきである。例えば、「実質的に一定」は「定常」を含む。別段の記載がない限り、すべての測定値は、温度および圧力を含む標準条件である。
【0088】
本明細書で使用される場合、項目のリストの「少なくとも一つ」を指す語句は、単一のメンバーを含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも一つ」は、A、B、C、AとB、AとC、BとC、ならびにA、B、およびCを含むことを意図している。「X、Y、およびZのうちの少なくとも一つ」という句などの接続詞を使った言葉は、特に別段の記載のない限り、そうでなければ項目、用語などがX、Y、またはZのうちの少なくとも一つであり得ることを伝えるために一般的に使用される文脈で理解される。それゆえ、こうした接続詞を使った言葉は、特定の実施形態がXのうちの少なくとも一つ、Yのうちの少なくとも一つ、およびZのうちの少なくとも一つの存在を必要とすることを示唆することを一般的に意図するものではない。本明細書で提供される見出しがある場合、便宜上のものであり、必ずしも本明細書で開示のデバイスおよび方法の範囲または意味に影響を与えない。
【0089】
したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されるものではなく、本開示、本明細書に開示される原理および特徴と一致する最も広い範囲に一致する。
【符号の説明】
【0090】
200 スパイダー
201 ステーション
202 ステーション
203 ステーション
204 ステーション
205 アーム
206 スパイダーエンドエフェクター
207 エンドエフェクター
500 マルチプロセスチャンバーモジュール
501 プロセスチャンバー
502 ウエハハンドリングチャンバー
503 ステーション
504 ロードロックチャンバー
505 スパイダー
506 加熱システム
508 加熱システム
510 共有圧力システム
600 加熱ユニット
602 加熱要素
604 加熱要素
606 液体冷却ライン
608 熱分離溝
610 加熱ユニット
612 加熱要素
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8
【外国語明細書】