IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立金属株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図1
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図2
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図3
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図4
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図5
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図6
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図7
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図8
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図9
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図10
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図11
  • 特開-表面実装型チョークコイル 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022068994
(43)【公開日】2022-05-11
(54)【発明の名称】表面実装型チョークコイル
(51)【国際特許分類】
   H01F 27/29 20060101AFI20220428BHJP
   H01F 17/06 20060101ALI20220428BHJP
   H01F 37/00 20060101ALI20220428BHJP
【FI】
H01F27/29 120
H01F17/06 Z
H01F27/29 J
H01F37/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020177878
(22)【出願日】2020-10-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 秀人
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 裕崇
【テーマコード(参考)】
5E070
【Fターム(参考)】
5E070AA01
5E070AB01
5E070BA14
5E070EA06
5E070EA10
5E070EB01
(57)【要約】
【課題】 振動に対する耐性を向上させることが可能な表面実装型チョークコイルを提供する。
【解決手段】
平板状の支持板を有するベース部材と、磁心が収容された環状絶縁ケースと、前記環状絶縁ケースに巻回された導線とを含み、前記支持板に設けられた接続用端子に前記導線の端部を接続した表面実装型チョークコイルにおいて、前記支持板の周縁部に前記接続用端子を設け、中央部にダミー端子を設ける。前記接続用端子を前記支持板の外縁側から装着し、前記ダミー端子を前記支持板に形成された端子用孔の内縁側から装着して、前記支持板に挟着固定する。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の支持板を有するベース部材と、磁心が収容された環状絶縁ケースと、前記環状絶縁ケースに巻回された導線とを含み、前記支持板に設けられた接続用端子に前記導線の端部を接続した表面実装型チョークコイルにおいて、
前記支持板の周縁部に前記接続用端子を設け、中央部にダミー端子を設けた、表面実装型チョークコイル。
【請求項2】
請求項1に記載の表面実装型チョークコイルであって、
前記接続用端子を前記支持板の外縁側から装着し、前記ダミー端子を前記支持板に形成された端子用孔の内縁側から装着して、前記支持板に挟着固定した、表面実装型チョークコイル。
【請求項3】
請求項2に記載の面実装型チョークコイルであって、
前記端子用孔が複数形成されていて、前記端子用孔の間にスリット状孔を有する、面実装型チョークコイル。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の表面実装型チョークコイルであって、
前記支持板は、前記接続用端子や前記ダミー端子が設けられる部分に、前記支持板の主面から引込んだ段差を有する、表面実装型チョークコイル。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の表面実装型チョークコイルであって、
前記接続用端子は前記環状絶縁ケースの外周を囲むように配置され、前記ダミー端子は前記環状絶縁ケースの内周の内側に配置された、表面実装型チョークコイル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板等に表面実装可能な表面実装型チョークコイルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から電子機器、通信機器などに用いられるチョークコイルは回路基板への実装を考慮し、実装作業を容易にするため、ベース部材と、磁心が収容された環状絶縁ケースに導線が巻回されたコイル部とからなる構成が採用されている。
【0003】
例えば特許文献1には、導線が巻回されたコアケース(環状絶縁ケース)を固定台(ベース部材)に固定したチョークコイルが開示されている。図12にチョークコイルが回路基板に実装された状態を示す。チョークコイル300は、コアケース302の側面に設けられた爪を、固定台301に立設された腕部307の凹部に嵌合して構成されている。コアケース302に巻回された導線303は固定台301に形成された孔を通して引き出されていて、その端部305の位置精度は、固定台301に形成された孔によって確保されている。チョークコイル300は、更に導線303の端部305を回路基板350に挿入し、回路基板350と導線303の端部305が半田付けによって接続、固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-228310号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電気自動車やハイブリッド車等の車載用途の電子部品は高いレベルでの耐振動性が求められていて、表面実装型チョークコイルでも同様に振動対策が重要となる。
【0006】
図12に示した従来のチョークコイル300では、トロイダルコアを収容したコアケース302は、実質的に固定台301に立設された一対の腕部307のみで支持されている。このようなチョークコイル300は、与えられる振動の影響を受け易く、例えば、振動によりコアケース302に固定台301と異なる方向や速度、あるいは周期の揺れが生じると、腕部307のみならず、回路基板350と固定された導線303にも大きな応力が作用する場合がある。図示したような、導線303が引き出されてから端部305が固定されるまでの間隔が短い場合では、導線303の破断等の損傷を生じる恐れがあった。特に図12に示したA部のような、導線303の端部305側で屈曲した付け根部分では、導線303の損傷が発生し易く対策が必要であった。
【0007】
また従来のチョークコイル300は、導線303の端部305の先端が固定台301の裏面側に出ていて、それを回路基板の穴に固定する構造であるので、そのままでは表面実装技術には使用することができない。また、表面実装技術に使用されるチョークコイルでは、回路基板との接続強度の確保も重要な課題としてある。
【0008】
これらの問題は、常に振動にさらされる車載用の電子部品を実用化する上で大きな問題となっている。そこで本発明は、振動に対する耐性を向上させることが可能な表面実装型チョークコイルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、平板状の支持板を有するベース部材と、磁心が収容された環状絶縁ケースと、前記環状絶縁ケースに巻回された導線とを含み、前記支持板の周縁部に設けられた接続用端子に前記導線の端部を接続した表面実装型チョークコイルにおいて、前記環状絶縁ケースを前記支持板の上面側の中央部に横置きし、前記環状絶縁ケースと前記支持板の間を通って、前記環状絶縁ケースの下方から上方へ向けて引き出された前記導線の一方端を、下方へ向けて折り返して前記接続用端子の一つと接続し、前記環状絶縁ケースの上方から引き出された前記導線の他方端を、下方に向けて曲げて前記接続用端子の他の一つと接続した、表面実装型チョークコイルである。
【0010】
本発明においては、前記接続用端子は、筒状部と、前記筒状部と一体形成されたクリップ部を有し、 前記クリップ部で前記接続用端子を前記支持板に挟着固定し、上方に開口した前記筒状部に前記導線の端部のそれぞれを挿入して接続するのが好ましい。
【0011】
また本発明においては、前記支持板に前記導線と接続しないダミー端子を設けるのが好ましい。
【0012】
また本発明においては、前記環状絶縁ケースは仕切り部とケース部を含み、前記仕切り部は前記ケース部の内径側を含む領域を径方向に分けるとともに、前記ケース部からその中心軸方向の両側に突出し、 前記ベース部材は、前記支持板の上面に立設された一対の腕部と、前記一対の腕部を繋ぐ方向に形成されたスリット状孔とを有し、前記ケース部から突出した一方側の仕切り部の一部を前記ベース部材のスリット状孔に嵌入し、前記一対の腕部で前記環状絶縁ケースを径方向に挟持して支持するのが好ましい。
【0013】
また本発明においては、前記ケース部から突出した他方側の仕切り部に装着された吸着用の平板状部材を有するのが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、振動に対する耐性を向上させることが可能な表面実装型チョークコイルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る表面実装型チョークコイルの正面図である。
図2図1に示した表面実装型チョークコイルの背面図である。
図3図1に示した表面実装型チョークコイルの右側面図である。
図4図1に示した表面実装型チョークコイルに用いた環状絶縁ケースの正面図である。
図5図4に示した環状絶縁ケースの下面図である。
図6図4に示した環状絶縁ケースの右側面図である。
図7図1に示した表面実装型チョークコイルに用いたベース部材の下面図である。
図8図7に示したベース部材の背面図の背面図である。
図9図1に示した表面実装型チョークコイルに用いた接続用端子の一部断面図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る表面実装型チョークコイルの正面図である。
図11図10に示した表面実装型チョークコイルの右側面図である。
図12】従来のチョークコイルの外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る表面実装型チョークコイルの実施形態を、図を用いて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
図1から図3に本発明の表面実装型チョークコイルを示す。図1は表面実装型チョークコイルの正面図であり、図2は背面図であり、図3は右側面図である。また図4から図6に本発明の表面実装型チョークコイルに用いる環状絶縁ケースを示す。図4は環状絶縁ケースの正面図であり、図5は下面図であり、図6は右側面図である。また図7及び図8に発明の表面実装型チョークコイルに用いるベース部材を示す。図7はベース部材の下面図であり、図8は背面図である。図9は表面実装型チョークコイルに用いる接続用端子の一部断面図である。
【0018】
本発明の表面実装型チョークコイル1は、平板状の支持板34を有するベース部材30と、磁心が収容された環状絶縁ケース20と、前記環状絶縁ケース20に巻回された2つの導線10とを含み、支持板34の外縁には表面実装可能なように接続用端子50が形成されている。
【0019】
環状絶縁ケース20は支持板34の上面側の中央部に横置きされ、支持板34の周縁部には、環状絶縁ケース20を囲むように、導線10の端部10a、10bが接続される接続用端子50が配置されている。導線10の一方の端部10aは、環状絶縁ケース20の内周側から支持板34との隙間を通り、環状絶縁ケース20の外周側の下方から上方へ向けて引き出され、更に下方の接続用端子50へ向けて折り返されている。また導線10の他方の端部10bは、環状絶縁ケース20の上方から引き出されて下方の接続用端子50に向けて曲げられている。
【0020】
導線10のそれぞれに設けられた折り返し部Bは、接続用端子50との接続部から上方に離して設けられている。この様な構成によって、接続用端子50と接続固定されるまでの導線10の長さを長くできる。また環状絶縁ケース20が揺れても、接続用端子50との接続部において導線10の端部10aにかかる負担が低減される。このように応力の緩衝により導線10の損傷や変形を防ぐことが出来る。実装面からの折り返し部Bの高さhkは、折り返し部Bが形成可能な高さであれば限定されないが、表面実装型チョークコイル1の高さを超えてまで高く形成する必要はない。導線10の保護を考慮すれば、環状絶縁ケース20に設けられた仕切り部の高さHよりも低いのが好ましく、環状絶縁ケース20の巻かれた導線10の高さhc以下であるのが一層好ましい。また、折り返し部Bの高さhkは導線10の高さhcの1/3以上であるのが好ましい。
【0021】
環状絶縁ケース20の上方から引き出された端部10b側でも応力の緩衝を考慮して、接続用端子50へ向かって緩やかに湾曲させても良い。それにより一層応力を緩衝し、導線10の損傷や変形を防ぐことが出来る。緩やかに湾曲させるとは、環状絶縁ケースに巻回された導線10よりも緩やかな曲げ状態を言う。なお一層の応力緩衝を得るように、端部10b側にも端部10a側と同様に折り返し部Bを設けても良い。
【0022】
図2に示すように表面実装型チョークコイル1の背面側には、支持板34の周縁部に接続用端子50が設けられ、中央部にはダミー端子55が現れる。図中、それぞれの端子が明確なようにハッチングをして示した。背面に現れる接続用端子50やダミー端子55の形状は、導線10の端部10a、10bを接続可能であり、接続用端子50やダミー端子55の背面側に現れる面が平坦で表面実装可能な様になっていれば限定されない。接続用端子50とダミー端子55は、平面視で環状絶縁ケース20と重なり合わない位置に形成するのが好ましく、接続用端子50は環状絶縁ケース20の外周を囲むように配置し、ダミー端子55は環状絶縁ケース20の内周の内側に配置するのが更に好ましい。詳細は後述するが、図示した例では接続用端子50やダミー端子55はそれぞれにクリップ状の部分を有し、接続用端子50は支持板34の外縁側から装着され、ダミー端子55は支持板34に形成された端子用孔58の内縁側から装着されている。
【0023】
ダミー端子55は導線10と接続されない端子である。表面実装型チョークコイル1と回路基板との接続強度を高め、衝撃や振動への耐性を向上するように、ダミー端子55によって表面実装型チョークコイル1と回路基板との接続面積を大きくすることが出来る。またダミー端子55を支持板34の中央部に設けることで、表面実装型チョークコイル1が実装される回路基板が振動や衝撃によって湾曲し難くなり、一層、衝撃や振動への耐性を向上することが出来る。
【0024】
環状絶縁ケース20について図4から図6を用いて説明する。環状絶縁ケース20は、仕切り部22と環状のケース部24とを備える。仕切り部22は、ケース部24と一体で構成され、ケース部24の内周側の空間を径方向に沿って分割するとともに、ケース部24からその中心軸方向の両側に突出している。仕切り部22は、ケース部24と重なる部位が内周側よりも周方向に厚く形成されていて、ケース部24から突出る部分は、内周側よりも低くなるように構成されている。詳細は後述するが、仕切り部22はケース部24への導線10の巻回領域を複数に分割するとともに、ベース部材30との位置決め、固定にも用いられる。また環状絶縁ケース20は、ケース部24の外周側面に、仕切り部22を挟んで径方向に配置された一対の突起部25を備える。詳細は後述するが、一対の突起部25もベース部材30との位置決め、固定に用いることが出来る。
【0025】
環状絶縁ケース20は二つの分割ケース26、27で構成されていて、それらを軸方向に嵌合しているので、環状絶縁ケース20の表面には分割ケース26、27の間につなぎ目29が現れている。各分割ケース26、27は、例えばPBT樹脂 PET樹脂などの熱可塑性樹脂を射出成型することで形成可能である。分割ケース26、27のそれぞれには溝状の窪みが形成されていて、溝状の窪みを組み合わせることで環状の磁性体が収容可能な環状空間を形成している。環状空間には、例えば、フェライトコアや、非晶質軟磁性合金あるいはナノ結晶軟磁性合金などの軟磁性合金薄帯の巻磁心等が収容される。
【0026】
次に、ベース部材30について、主に図7及び図8を用いて説明する。ベース部材30は横置きされる環状絶縁ケース20と対面する矩形の支持板34と、支持板34の上面に立設された一対の腕部35と、一対の腕部35を繋ぐ方向に形成されたスリット状孔59とを有している。ベース部材30もまた樹脂材料を射出成型することで形成可能である。腕部35は環状絶縁ケース20を径方向から保持し、支持板34に形成されたスリット状孔59は、環状絶縁ケース20の仕切り部22の一部を嵌入して保持する。一対の腕部35は支持板34の対向する縁部にあり、支持板34と一体で構成されている。腕部35の自由端側には、環状絶縁ケース20の突起部25と対応する窪み部36が形成されている。環状絶縁ケース20の突起部25を窪み部36に嵌め込み、環状絶縁ケース20を径方向から腕部35で挟持する。窪み部36は貫通孔であっても良い。
【0027】
支持板34は更に腕部35を繋ぐ方向に形成されたスリット状孔59を備えている。スリット状孔59の形状は、仕切り部22の形状に合わせた矩形となっていて、環状絶縁ケース20から突出した一方側の仕切り部22の一部をスリット状孔59に嵌入している。このような構成によって、外周側と下部をベース部材30に固定し環状絶縁ケース20の動きを拘束して、振動に対する耐性を一層向上することが出来る。
【0028】
支持板34の接続用端子50やダミー端子55が設けられる部分には、それらに対応した外縁部段差37、中央部段差38、端子用孔58が形成されている。外縁部段差37、中央部段差38はそれぞれ、支持板34の主面から引込んだ段差として形成されていて、接続用端子50やダミー端子55の横方向の動きを制限している。
【0029】
図9は接続用端子50の構成例を示す一部断面図である。接続用端子50は、例えばコバールや、42アロイ、銅、あるいはリン青銅などで構成され、はんだ濡れ性を高めるようにめっき処理されているのが好ましく、筒状部51と、筒状部51と一体形成されたクリップ部52を有している。接続用端子50は、支持板34の外縁側からクリップ部52を装着することで、支持板34に容易に挟着固定することが出来る。筒状部51は上方に開口していて、そこに上方から接続用端子50へ向かう導線10の端部10a、10bを挿入して、はんだ付けや、かしめにより接続することが出来る。またダミー端子55はクリップ部のみで構成されていて、端子用孔58の内縁側から支持板34に装着される。
【0030】
接続用端子50やダミー端子55のクリップ部52の形状は限定されないが、例えば図9で示したようなコの字状に折曲った形状であっても良い。またコの字状の開口側が支持板34の外縁部段差37、中央部段差38の厚みよりも狭くなるように形成されているのが好ましい。それによりクリップ部52の弾性力により支持板34を強く挟んで接続用端子50やダミー端子55を固定(挟持)することが出来る。
【0031】
また図示した例では、2つのダミー端子55のクリップ部の開口側の向きを異ならせて支持板34に取り付けている。また、ダミー端子55のクリップ部の開口側の向きは、対向する2辺に形成された接続用端子50のクリップ部の開口側の向きとも異ならせている。このような構成により、回路基板に実装され固定された表面実装型チョークコイル1では、ベース部材30の動きが拘束されるので、振動に対する耐性を一層向上することが出来る。
【0032】
表面実装型チョークコイルの他の実施形態を図10及び図11を用いて説明する。図示した表面実装型チョークコイル1の例では、環状絶縁ケース20のケース部24から突出した仕切り部22に吸着用の平板状部材60を装着している。装着の方法は特に限定されないが、図示したように平板状部材60に設けた取付け溝61に、仕切り部22を嵌入して固定しても良い。或いは平板状部材60に鉤、爪、突起あるいは窪みなどを形成して固定するようにしても良いし、接着固定しても良い。
【0033】
平板状部材60の上面は平坦であるのが好ましく、それによって表面実装型チョークコイル1を回路基板へ搭載する移送機にて、吸着を容易に行うことが出来て、生産効率を向上させることができる。平板状部材60の上面の形状や大きさは、吸着可能であれば限定されない。図示したような円形でも良いし、他の形状であっても良く、また導線10を覆うような大きさであっても良い。
【0034】
このような構成によって振動に対する耐性が向上し、高いレベルで耐振動性が求められる車載用途に好適な表面実装型チョークコイルを得ることが出来る。
【符号の説明】
【0035】
1 表面実装型チョークコイル
10 導線
10a、10b 導線の端部
20 環状絶縁ケース
22 仕切り部
24 ケース部
25 突起部
30 ベース部材
34 支持板
35 腕部
36 窪み部
37 外縁部段差
38 中央部段差
50 接続用端子
55 ダミー端子
58 端子用孔
59 スリット状孔
60 平板状部材
61 取付け溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12