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特開2022-70041プロトン供与または受容部位を三箇所以上有するロジウム触媒
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  • 特開-プロトン供与または受容部位を三箇所以上有するロジウム触媒 図1
  • 特開-プロトン供与または受容部位を三箇所以上有するロジウム触媒 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022070041
(43)【公開日】2022-05-12
(54)【発明の名称】プロトン供与または受容部位を三箇所以上有するロジウム触媒
(51)【国際特許分類】
   B01J 31/22 20060101AFI20220502BHJP
   C40B 50/14 20060101ALI20220502BHJP
【FI】
B01J31/22
C40B50/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020179050
(22)【出願日】2020-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(72)【発明者】
【氏名】下山 祥弘
(72)【発明者】
【氏名】洪 達超
(72)【発明者】
【氏名】今 喜裕
【テーマコード(参考)】
4G169
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169BA27A
4G169BA27B
4G169BA43A
4G169BC71A
4G169BC71B
4G169BE06A
4G169BE06B
4G169BE37A
4G169BE37B
4G169BE38A
4G169BE38B
4G169BE46A
4G169BE46B
4G169CB25
4G169CB67
4G169CB81
4G169DA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】プロトン供与または受容部位を三箇所以上有する貴金属触媒を提供する。
【解決手段】貴金属触媒に係るものであり、(1)貴金属触媒中に、三箇所以上のプロトン供与または受容部位を有することを特徴とする、貴金属触媒、(2)前記貴金属が、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、またはイリジウムである、上記(1)に記載の貴金属触媒、(3)プロトン供与または受容部位を有するシクロペンタジエニル(フェニル)配位子および3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を含み、プロトン供与または受容部位を三箇所以上有する、上記(1)または(2)に記載の貴金属触媒、(4)前記貴金属触媒がロジウム触媒であり、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の貴金属触媒であり、プロトン供与または受容部位を複数箇所有するため、様々な高効率触媒反応が期待される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貴金属触媒中に、三箇所以上のプロトン供与または受容部位を有することを特徴とする、貴金属触媒。
【請求項2】
前記貴金属が、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、またはイリジウムである、請求項1に記載の貴金属触媒。
【請求項3】
プロトン供与または受容部位を有するシクロペンタジエニル(フェニル)配位子および3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を含み、プロトン供与または受容部位を三箇所以上有する、請求項1または2に記載の貴金属触媒。
【請求項4】
前記貴金属触媒がロジウム触媒であり、下記式(1)の一般式で表される、請求項1ないし3のいずれかに記載の貴金属触媒。
【化1】
ただし、式中、X1は対アニオンであり、Eとしては、水素原子が1つまたは2つ結合した周期表15族元素あるいは16族元素を有する置換基を有する。R1及びR2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基もしくはアミノ基であるか、又は互いに結合して環を形成している。
【請求項5】
下記式(2)の構造式で表される、3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を含むロジウム触媒。
【化2】
ただし、式中のX1及びR2は、上記式(1)での定義と同一である。
【請求項6】
下記式(3)の構造式で表される、シクロペンタジエニル(フェニル)配位子を含むロジウム触媒。
【化3】
ただし、式中、E及びR1は、上記式(1)での定義と同一である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロトン供与または受容部位を有する配位子を含む貴金属触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
プロトン供与または受容部位は、生体内反応だけでなく触媒反応においても非常に有力に作用する重要な部位としてとして知られている。例えば、酸素や二酸化炭素といった小分子から過酸化水素や一酸化炭素へと高効率に変換する他、医薬品合成の重要な鍵を握る窒素導入反応や含窒素複素環形成反応に用いることができる。
通常、プロトン受容部位を合成錯体内に設けるためには、他の金属中心との多核化を防ぎつつ、プロトンのみを供与および受容できるような錯体合成上の工夫が必要とされる。
【0003】
例えば、プロトン供与または受容部位を1つまたは2つ有する金属錯体として、多段階反応による配位子合成で達成されるニッケル錯体の合成が知られている(非特許文献1、2)。
しかし、これら方法は、非常に多くの合成ステップが必要であり、有機合成に関する高度な専門技術や特殊な器具を必要とするため、生産プロセスとして問題がある。また、得られた金属錯体は、二核化によるプロトン供与または受容部位の被毒が生じるため、目的の反応に対して負の作用を示す問題も懸念される。
【0004】
類似のロジウム触媒として、プロトン供与または受容部位をもたない、あるいは1~2つ有するロジウム触媒の製造方法が報告されている(非特許文献3、特許文献1)。
しかし、これら方法で得られる触媒も、触媒反応には高濃度のロジウム触媒および基質が必要不可欠となっており、反応の効率化の面で産業上有用な触媒とは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-78200号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】J. Am. Chem. Soc. (2019) Vol.141, p.20309
【非特許文献2】Chem. Commun. (2015) Vol.137, p.11222
【非特許文献3】ChemSusChem (2008) Vol.1, p.827-834
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、従来のプロトン供与または受容部位を有する錯体触媒は、合成プロセスの煩雑さや、本来発揮が期待される部位の自己被毒といった、省エネルギーと品質の両面から課題がある。
また、金属に用いるニッケルや銅は安価ではあるものの、得られた金属錯体の溶存中での安定性に欠けるため、合成にかかるコストに見合う効果が薄いといった、省エネルギーと品質の両面から課題がある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、酸から塩基性の水中でも機能するプロトン供与または受容部位を三箇所以上有する貴金属触媒、特にロジウム触媒を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の貴金属触媒は、プロトン供与または受容部位を2箇有する3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子とプロトン供与または受容部位を1箇有するシクロペンタジエニル(フェニル)配位子を含む。
【0010】
本発明は、下記(1)~(4)の貴金属触媒に係るものである。
(1)貴金属触媒中に、三箇所以上のプロトン供与または受容部位を有することを特徴とする、貴金属触媒。
(2)前記貴金属が、ロジウム、ルテニウム、オスミウム、またはイリジウムである、上記(1)に記載の貴金属触媒。
(3)プロトン供与または受容部位を有するシクロペンタジエニル(フェニル)配位子および3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を含み、プロトン供与または受容部位を三箇所以上有する、上記(1)または(2)に記載の貴金属触媒。
(4)前記貴金属触媒がロジウム触媒であり、下記式(1)の構造式で表される、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の貴金属触媒。
【化1】
ただし、式中、Xは対アニオンであり、Eとしては、水素原子が1つまたは2つ結合した周期表15族元素あるいは16族元素を有する置換基を有する。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基もしくはアミノ基であるか、又は互いに結合して環を形成している。
【0011】
また、本発明は、下記(5)、(6)の配位子を含むロジウム触媒に係るものである。
(5)下記式(2)の構造式で表される、3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を含むロジウム触媒。
【化2】
ただし、式中のX及びRは、上記式(1)での定義と同一である。
(6)下記式(3)の構造式で表される、シクロペンタジエニル(フェニル)配位子を含むロジウム触媒。
【化3】
ただし、式中、E及びRは、上記式(1)での定義と同一である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、特殊な技術を必要とせず、比較的簡便な方法で調製可能で、耐久性が高く、複数のプロトン供与または受容部位によって様々な高効率触媒反応が期待される貴金属触媒、特にロジウム触媒を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】プロトン供与または受容部位を三箇所有するロジウム触媒の構造を示す図である。
図2図1の構造を証明する1H NMRスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明について詳細に説明する。以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本明細書において、数値範囲を示す「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
【0015】
本発明では、原料に既報の配位子(Organometallics(1997)Vol.16,p.5958)を用いて調製されたロジウム錯体(以下、ロジウム原料)の存在下でバッチ式反応器を用い、室温条件下にて3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子と反応させて、所定の反応温度にてプロトン供与または受容部位を三箇所以上有するロジウム触媒を生成させる。
【0016】
ロジウム原料の例としては、例えば、下記(4)の構造を有するシクロペンタジエニル(フェニル)配位子を含むロジウム錯体が挙げられ、水酸基がプロトン供与または受容部位となる。また、一般式では、下記式(3)の構造式で表される。
【化4】
【0017】
【化3】
ただし、式中、Eは、水素原子が1つまたは2つ結合した周期表15族元素あるいは16族元素を有する置換基を有し、Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基もしくはアミノ基であるか、又は互いに結合して環を形成している。
【0018】
貴金属触媒に用いるロジウム以外の貴金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、金等が挙げられる。
貴金属としては、シクロペンタジエニル配位子と3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を1つずつ配位可能な六配位八面体をとりうる金属中心という点で、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金が好ましい。さらには、比較的安定に存在しやすい酸化数を考慮すると、ルテニウム、ロジウム、オスミウム、イリジウムがより好ましい。
【0019】
本発明のロジウム触媒は、上記ロジウム原料と3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を反応させて合成する。
3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を含むロジウム触媒の例としては、下記(5)の構造を有する3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を含むロジウム触媒が挙げられ、ピリジン環の窒素原子とピラゾールの窒素原子がプロトン供与または受容部位となる。また、一般式では下記式(2)の構造式で表される。
【化5】
【0020】
【化2】
【0021】
上記一般式(2)と(3)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基もしくはアミノ基である。
としては、種々の対アニオンを用いることができ、例えば、硫酸水素アニオン、酢酸アニオン、塩化物イオン、硝酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ヘキサフルオロリン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオンが挙げられる。対アニオンは、Xに結合していてもよく、結合していなくてもよい。
Eとしては、水素原子が1つまたは2つ結合した周期表15族元素あるいは16族元素を有する置換基を有していても良い。
【0022】
及びRにおいて、アルキル基としては、例えば炭素数1~15の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n-オクチル基等が挙げられる。アルキル基は、アリール基又はハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
アリール基としては、例えば炭素数6~20、好ましくは6~14の単環、多環又は縮合環式の芳香族炭化水素基が挙げられる。具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、アニシル基、ニトロフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基等が挙げられる。アリール基は、アルキル基又はハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
アルケニル基としては、例えば炭素数2~15の直鎖状又は分岐状のアルケニル基が挙げられる。具体例としては、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、n-オクテニル基等が挙げられる。アルケニル基は、アリール基又はハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
アルキニル基としては、例えば炭素数2~15の直鎖状又は分岐状のアルキニル基が挙げられる。具体例としては、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基、ブチニル基、n-オクテニル基等が挙げられる。アルケニル基は、アリール基又はハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。
及びRが互いに結合して、R及びRそれぞれが結合した炭素原子とともに形成する環としては、芳香環でもよく脂環でもよい。芳香環としては、例えば炭素数6~20、好ましくは6~14の単環、多環又は縮合環式の芳香族炭化水素環が挙げられる。脂環としては、例えば、炭素数3~10の単環、多環又は縮合環式の飽和炭化水素環が挙げられる。
【0023】
ロジウム原料と3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール配位子を反応させるロジウム触媒合成の反応溶媒としては、一般的な有機溶媒は全て用いることができ、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロエタン、ジメチルホルミアミド(DMF)、アセトニトリル、エタノール、ベンゼン、ベンゾニトリル等が挙げられる。これらの液状媒体は単独で使用しても、2種以上を混合使用してもよい。
【0024】
触媒合成の反応条件に特に制約はないが、反応温度は、好ましくは0~100℃、より好ましくは20~60℃である。反応時間は、用いる触媒の量や反応温度等により左右され、一概に定めることはできないが、通常は1~20時間の範囲で、好ましくは2~6時間の範囲で行われる。
【0025】
例えば、本発明のロジウム触媒は、メタノール中で、ロジウム原料に対して1当量の3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール、過剰量のテトラフルオロホウ酸アンモニウムを添加し、室温にてこれらの混合物を一晩攪拌し、得られる溶液の溶媒を減圧下で留去してアセトニトリルで固液抽出を行うことで、橙色固体として合成される。
【0026】
合成されたロジウム触媒のNMR分析とその測定結果を示す。
得られた橙色固体を重アセトニトリル(CDCN)に溶解した溶液について、1H-NMRスペクトル(核磁気共鳴スペクトル)を測定し、結果を図2に示す。
図2において1.65-2.0ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(14)の位置の12Hに由来する。また、図2において2.16ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(13)の位置の3Hに由来する。また、図2において6.88ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(12)の位置の1Hに由来する。また、図2において7.18ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(11)の位置の1Hに由来する。また、図2において7.26ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(10)の位置の1Hに由来する。また、図2において7.52ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(9)の位置の1Hに由来する。また、図2において7.6ppm付近のピークは、図2に示すロジウム錯体の(7)および(8)の位置の2Hに由来する。また、図2において8.01-8.10ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(4)、(5)、(6)の位置の1Hに由来する。また、図2において8.24ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(3)の位置の1Hに由来する。また、図2において8.58ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(2)の位置の1Hに由来する。また、図2において8.68ppmのピークは、図2に示すロジウム錯体の(1)の位置の1Hに由来する。なお、図中の*印は、錯体由来の不純物である。
以上の測定結果から、得られた橙色固体は、図1の式(6)で表わされるロジウム錯体であることが確認された。
【0027】
このようにして得られる本発明のロジウム触媒は、複数箇所にプロトン供与または受容部位を有するため、この部位を水素結合部位として多様な触媒反応へと展開できる。また、ロジウムは比較的酸化還元や溶媒に対する耐久性が高く、長時間の反応に耐えうる触媒となることが期待される。前記したロジウム触媒は金属錯体であるので、アニオン交換などの手法により再利用が可能である。
【実施例0028】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。室温は、特に記載のない場合、25℃である。
【0029】
[製造例1]
ロジウム原料(52.25mg、0.129mmol)と、3、5-ジ(2-ピリジル)ピラゾール(30.09mg、0.135mmol)、テトラフルオロホウ酸アンモニウム(30.79mg、0.293mmol)のメタノール溶液(5mL)を、16時間室温で撹拌した。ロータリーエバポレーターで溶媒を留去した後、アセトニトリル(10mL)を添加し、溶けない白色固体を濾過によって除去した。得られた溶液を減圧下で濃縮し、ジエチルエーテル(15mL)を添加することで、橙色沈殿が生成した。これをろ別し、少量のジエチルエーテルで洗浄し、0.05mmHg下で真空乾燥させ、図1の式(6)で表され錯体(86.18mg、0.127mmol、収率99%)を得た。
得られた錯体について1HNMRスペクトル測定を行い、その結果から、得られた錯体が図1に示す構造を有することを確認した。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明におけるプロトン供与または受容部位を複数箇所有するロジウム触媒は、二酸化炭素や酸素といった小分子の活性化や、医薬品、農薬等の中間体や樹脂の原料等として工業的に重要なアルコール化合物やカルボニル化合物を生成するための触媒として機能することが期待される。そして、本発明によれば、特殊な器具を必要とせず、比較的簡便な方法でプロトン供与または受容部位を複数箇所有するロジウム触媒を効率的に製造できるので、本発明は、エネルギー資源合成や、医薬品、農薬等の中間体や樹脂の原料等の合成分野を中心に幅広く活用することができる。

図1
図2