特開2022-71773IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

血管新生を惹起することができる免疫隔離デバイス

要約特許出願時に添付された[要約書]

【課題】移植細胞の生着を妨げることなく、生体適合性に優れた構成素材を用いて、免疫隔離性を維持しつつ、特殊な成長因子や薬剤などを使用することなく、デバイス最外層の周囲に血管新生を促す。
【解決手段】被移植物の包埋室を備え、前記包埋室は複層免疫隔離膜で覆われてなり、前記複層免疫隔離膜の最外層が不織布層であって、最外層表面の平均毛羽長が1~1000μmである、免疫隔離デバイス。
【選択図】図1

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明は、マクロカプセル化免疫隔離デバイスを用いた細胞移植において、レシピエントへの移植手術による侵襲、移植デバイス交換などを考慮すると、移植部位としては皮下が望ましい。しかしながら皮下組織は、血流が乏しく、移植細胞への酸素や栄養素の供給、および移植細胞からの生理活性物質の放出拡散を鑑みると、移植部位としては適切とは言えない。これまで皮下組織における血管新生手技として、bFGF等の成長因子の放出による事前処置により、血流を確保させることで、移植細胞の生着を促進させる研究等が多く検討されているが、効果の持続性を考慮するとコスト面において大いに課題がある。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明は、以下の免疫隔離デバイスを提供するものである。 〔1〕 被移植物の包埋室を備え、前記包埋室は複層免疫隔離膜で覆われてなり、前記複層免疫隔離膜の最外層が不織布層であって、最外層表面の平均毛羽長が1~1000μmである、免疫隔離デバイス。 〔2〕 前記複層免疫隔離膜が、最外層の不織布層とともに、多孔質膜層およびハイドロゲル層からなる群から選ばれる少なくとも1種の層を含む、〔1〕に記載・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

皮下移植などの血管が乏しい移植部位においても、特殊な成長因子や薬剤などを使用することなく、血管新生を促進させることが可能であり、加えて癒着などにてデバイスの取り出しが困難になること、デバイスが破損すること、免疫隔離効果を維持しつつ移植に必要な生理活性物質の拡散効率向上に適したデバイス厚みを最小限に制御することが困難なことを解決することができる。

デバイスの最外層を不織布とし、且つ不織布表面に適切な毛羽立ちを設けることにより、血管新生を促進させることが可能となる。血管新生促進効果とデバイスの癒着防止は不織布表面の構造および、不織布素材により適切な状態に調整することが可能である。例えば生体適合性に優れた素材であるエチレンビニルアルコール共重合体を素材とし、不織布表面の毛羽立ち具合を、メルトブロー条件や後加工処理することにより調整することで、血管新生を促進しつつ、線維性組織などによるデバイスの癒着を防止することが可能となる。

あるいは、移植前処置として、毛羽立ちが多く、血管新生効果が高い不織布を最外層としたデバイスを移植しておき、血管新生促進後、毛羽立ちを無くした表面加工を施した、移植細胞を包埋した不織布を最外層とするデバイスに交換することで、長期生着を達成できる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 袋状の免疫隔離デバイスの斜視図
【図2】 管状の免疫隔離デバイスの断面図
【図3】 不織布層(外層)と多孔質膜(内層)の2層構造の免疫隔離膜の断面図
【図4】 不織布層(外層)とハイドロゲル層(内層)を複層化した免疫隔離膜の断面図

選択図 図1出願人が指定した本件の代表的な図

a1 免疫隔離膜 a2 免疫隔離膜 a3 溶着 a4 一定距離 b1 隔離層 b2 隔離層 b3 隔離層 b4 管状内部 1 多孔質膜 2 不織布 3 最外層 4 最内層 5 不織布 6 ハイドロゲル 7 最外層表面 8 最内層表面

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