(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022072823
(43)【公開日】2022-05-17
(54)【発明の名称】包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 30/16 20060101AFI20220510BHJP
【FI】
B65D30/16 J
B65D30/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020182473
(22)【出願日】2020-10-30
(71)【出願人】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100155066
【弁理士】
【氏名又は名称】貞廣 知行
(72)【発明者】
【氏名】森 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】藤川 直人
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AB25
3E064BA26
3E064BB03
3E064BC18
3E064EA07
3E064EA30
3E064FA03
3E064GA10
3E064HM01
3E064HP01
3E064HP02
(57)【要約】
【課題】モノマテリアルの自立性包装袋(スタンディングパウチ)であっても、耐久性に優れる包装袋を提供することを課題とする。
【解決手段】折り線4aにより二つ折りにした底部材4が、一対の胴部材3の間に挟み込まれた包装袋10であって、折り線4aよりも包装袋10の上側において、一対の胴部材3の内面が、包装袋10の左右の周縁部11に沿って互いに接合された胴シール部1が形成され、折り線4aよりも包装袋10の下側において、底部材4の内面が胴部材3の内面に接合された底シール部2が形成され、胴シール部1および底シール部2に囲まれた未シール部5に内容物を収容することが可能であり、胴部材3および底部材4は、樹脂層がポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムから形成されており、底シール部2の未シール部5との境界部2aは、胴シール部1に接する付近において、包装袋10の上側に向けて凸形状である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り線により二つ折りにした底部材が、一対の胴部材の間に挟み込まれた包装袋であって、
前記折り線よりも前記包装袋の上側において、前記一対の胴部材の内面が、前記包装袋の左右の周縁部に沿って互いに接合された胴シール部が形成され、
前記折り線よりも前記包装袋の下側において、前記底部材の内面が前記胴部材の内面に接合された底シール部が形成され、
前記胴シール部および前記底シール部に囲まれた未シール部に内容物を収容することが可能であり、
前記胴部材および前記底部材は、樹脂層がポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムから形成されており、
前記底シール部の前記未シール部との境界部は、前記胴シール部に接する付近において、前記包装袋の上側に向けて凸形状であることを特徴とする包装袋。
【請求項2】
前記フィルムは、前記フィルムの内面に積層されたシーラント層と、前記シーラント層よりも前記フィルムの厚さ方向の外側に積層された基材層とを有する積層フィルムであり、
前記シーラント層が、無延伸のポリエチレン系樹脂から形成され、前記基材層が、延伸されたポリエチレン系樹脂から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
前記底シール部の前記未シール部との境界部は、前記包装袋の左右方向における中央部において、前記包装袋の下側に向けて凸形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記底部材は、前記包装袋の左右の周縁部において、前記底部材の外面同士が接合されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、一対の胴部材を対向させた下部に、山折りにした底部材を介在させて構成された包装袋が記載されている。この種の包装袋は、一対の胴部材と山折りの底部材を合わせて4枚重ね合わせた下部を広げることにより、自立性包装袋(スタンディングパウチ)となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の包装袋において胴部材および底部材に使用される複合フィルムは、内面にポリエチレン(PE)等の熱接着性樹脂(シーラント)層、外面には、シーラントよりも耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート(PET)等の基材が積層されている。胴部材同士、又は胴部材と底部材で熱接着する際には、シーラントを溶融させて複合フィルムの内面が接合される。しかし、異種の樹脂を含む包装袋は、プラスチック製容器包装としてのリサイクルが難しいという問題がある。
【0005】
近年、リサイクルを容易にするため、単一の樹脂を用いるモノマテリアルの容器包装が提唱されている。しかし、本発明者らの検討によれば、シーラントと同種の樹脂を基材として積層すると、複合フィルムを熱接着した箇所の強度が低下し、特に、包装袋を落下させたときの耐久性が低下する恐れがあることが判明した。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、モノマテリアルの自立性包装袋(スタンディングパウチ)であっても、耐久性に優れる包装袋を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明は、折り線により二つ折りにした底部材が、一対の胴部材の間に挟み込まれた包装袋であって、前記折り線よりも前記包装袋の上側において、前記一対の胴部材の内面が、前記包装袋の左右の周縁部に沿って互いに接合された胴シール部が形成され、前記折り線よりも前記包装袋の下側において、前記底部材の内面が前記胴部材の内面に接合された底シール部が形成され、前記胴シール部および前記底シール部に囲まれた未シール部に内容物を収容することが可能であり、前記胴部材および前記底部材は、樹脂層がポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムから形成されており、前記底シール部の前記未シール部との境界部は、前記胴シール部に接する付近において、前記包装袋の上側に向けて凸形状であることを特徴とする包装袋を提供する。
【0008】
前記フィルムは、前記フィルムの内面に積層されたシーラント層と、前記シーラント層よりも前記フィルムの厚さ方向の外側に積層された基材層とを有する積層フィルムであり、前記シーラント層が、無延伸のポリエチレン系樹脂から形成され、前記基材層が、延伸されたポリエチレン系樹脂から形成されていてもよい。
前記底シール部の前記未シール部との境界部は、前記包装袋の左右方向における中央部において、前記包装袋の下側に向けて凸形状であってもよい。
前記底部材は、前記包装袋の左右の周縁部において、前記底部材の外面同士が接合されていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、モノマテリアルの自立性包装袋(スタンディングパウチ)であっても、胴部材と底部材とを接合した箇所の耐久性に優れた包装袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の包装袋を膨らませた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
【0012】
図1に、実施形態の包装袋10の下部を示す。
図2に、実施形態の包装袋10の下部を膨らませた状態を示す。包装袋10は、折り線4aにより二つ折りにした底部材4と、底部材4を挟み込むように配置された一対の胴部材3とから形成されている。
【0013】
実施形態の説明における包装袋10の上下方向は、
図1に示すように、包装袋10が底部材4を有する側を下側とする。実施形態の説明における平面視は、包装袋10が概略平坦に畳まれた状態で、紙面に垂直な方向から見た状態に相当する。平面視における胴部材3は、概略、
図1の紙面に沿って配置される。包装袋10の上側は、包装袋10が底部材4を有する側とは反対の側である。平面視において、包装袋10の上下方向は、折り線4aが延びている方向に略垂直である。折り線4aが延びている方向は、包装袋10の左右方向という場合がある。
【0014】
また、
図1の紙面に垂直な方向は、包装袋10の前後方向という場合がある。底部材4を挟み込む一対の胴部材3のうち、一方の胴部材3が前側、他方の胴部材3が後側に配置される。包装袋10の構造上、前側と後側との区別は必ずしも厳密にする必要がないが、表示や図柄が片側で顕著な場合は、顕著な側を前側としてもよい。ただし、実施形態の包装袋10は、表示や図柄を前後両面に有してもよいし、無地でもよい。
【0015】
胴部材3および底部材4は、樹脂層がポリエチレン系樹脂のみからなるフィルムから形成されている。ポリエチレン系樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムでもよく、多層の樹脂フィルムでもよい。胴部材3を形成する胴部フィルムと、底部材4を形成する底部フィルムとは、材料や厚さ等が同一のフィルムであってもよく、材料や厚さ等が異なるフィルムであってもよい。
【0016】
胴部材3または底部材4を形成するフィルムには、樹脂層以外の異種材料層として、蒸着層、印刷層、塗布層、接着層等が積層されていてもよい。異種材料としては、アルミニウム等の金属、シリカ、アルミナ等の無機化合物等が挙げられる。多層の樹脂フィルムの場合は、内面にシーラント層を有し、外側に基材層を有する積層フィルムであってもよい。印刷層、塗布層、接着層等には、インキ、塗料、接着剤等の材料として、ポリエチレン以外の高分子材料が含まれてもよい。
【0017】
前記異種材料層は、前記フィルムのシーラント層と基材層との間に配置されてもよく、前記フィルムの基材層よりも厚さ方向の外側に配置されてもよい。積層フィルムを形成する方法は、特に限定されないが、ドライラミネート、押出ラミネート、熱ラミネート、共押出、コーティング等が挙げられる。各層を積層するために、それぞれ異なる方法を用いてもよい。
【0018】
シーラント層は、前記フィルムの内面に配置される樹脂層である。シーラント層は、胴シール部1における胴部材3同士の接合、および底シール部2における胴部材3と底部材4との接合に用いられる。シーラント層が、無延伸のポリエチレン系樹脂から形成されることが好ましい。シーラント層を形成する材料の具体例としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等の相対的に密度が低いポリエチレン系樹脂が挙げられる。
【0019】
基材層は、前記フィルムの、シーラント層よりも厚さ方向の外側に積層される樹脂層である。基材層が、前記フィルムの外面に配置されてもよい。基材層は、延伸されたポリエチレン系樹脂から形成されることが好ましい。基材層を形成する材料の具体例としては、例えば、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等の相対的に密度が高いポリエチレン系樹脂が挙げられる。
【0020】
上述のポリエチレン系樹脂は、エチレンの単独重合体(ホモポリマー)でもよく、エチレンを主体とする共重合体(コポリマー)でもよい。エチレン以外のモノマー(コモノマー)としては、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン等のα-オレフィン、ノルボルネン等の環状オレフィン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸等のビニル系モノマー等が挙げられる。コモノマーを用いる場合は、1種でも、2種以上でもよい。ポリエチレン系樹脂重合体の構成モノマーにおけるエチレンの割合は、50重量%以上が好ましく、例えば、80~100重量%でもよい。エチレンまたはコモノマーは、石油等の化石資源に由来する化合物でもよく、植物等のバイオマスに由来する化合物でもよい。
【0021】
前記フィルムを形成する材料が、樹脂以外の添加剤を含有してもよい。添加剤は、シーラント層、基材層、あるいは他の層に任意に添加することができる。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤、架橋剤等が挙げられる。前記フィルムを形成する材料が、1種のポリエチレン系樹脂でもよく、2種以上のポリエチレン系樹脂のブレンドでもよい。
【0022】
胴部材3は、包装袋10の前後にそれぞれ1枚ずつ配置されている。包装袋10の前後の胴部材3は、互いに平面形状が同一に形成されてもよい。折り線4aよりも上側では、包装袋10の左右に胴シール部1が形成されている。胴シール部1では、前後の胴部材3の内面が、左右の周縁部11に沿って互いに接合されている。包装袋10の左右方向における胴シール部1の間の未シール部5は、前後の胴部材3が互いに接合されることなく、内容物を収容することが可能な空間を形成している。
【0023】
底部材4は、折り線4aを上側にして、前後の胴部材3の間に挟み込まれている。平面視では、折り線4aが底部材4の上端となる。折り線4aよりも下側では、底部材4の内面が胴部材3の内面に接合された底シール部2が形成されている。前側の底シール部2は、底部材4のうち、折り線4aより前側に配置された部分の下部4bおよび側部4cを、前側の胴部材3に接合している。後側の底シール部2は、底部材4のうち、折り線4aより後側に配置された部分の下部4bおよび側部4cを、後側の胴部材3に接合している。
【0024】
底部材4の下部4bおよび側部4cで囲まれる未シール部5は、底部材4が胴部材3と接合されることなく、内容物を収容することが可能な空間を形成している。底シール部2の未シール部5との境界部2aは、包装袋10の左右方向における中央部2bにおいて、下に向けて凸形状になっている。境界部2aの形状は、底部材4の下部4bおよび側部4cを胴部材3に対して接合する領域の形状により設定することができる。境界部2aは、滑らかに湾曲した曲線であることが好ましい。
【0025】
胴シール部1と底シール部2との交点Pは、底部材4の折り線4aが胴部材3で挟み込まれて接合される箇所である。胴シール部1は、前後の胴部材3を接合するため、2枚のフィルムが重ね合わされているのに対し、底シール部2は、前後の胴部材3の間に山折りの底部材4を接合するため、4枚のフィルムが重ね合わされている。このため、交点Pは、フィルムが重ね合わされる枚数の変化による段差が生じる。また、折り線4aを中心として底部材4を前後に広げるとき、底部材4が交点Pを支点として回動する。
【0026】
図1に示すように、底シール部2の未シール部5との境界部2aは、胴シール部1に接する付近の側端部2cにおいて、包装袋10の上側に向けて凸形状である。平面視において、側端部2cと中央部2bとの間には、境界部2aが略直線状となった変曲部2dが存在してもよい。左右いずれかの側部4cにおいて、変曲部2dの延長線Lを引くと、側部4cと同じ側にある胴シール部1に対して、折り線4aより上側で交差し、延長線Lと胴シール部1の交差点は、交点Pから上側に離れている。変曲部2dを代表して変曲点を取る場合は、変曲部2dの延長線Lが、変曲点における接線であってもよい。延長線Lと胴シール部1の交差点は、交点Pから5mm以上離れていることが好ましい。この距離に関して、前記交差点の位置は、胴シール部1の幅の範囲内であればよく、例えば、最も上側の位置、最も下側の位置、または胴シール部1の幅方向の中央部における位置としてもよい。
【0027】
包装袋10は、底部材4を前後に広げると、底部材4を鉛直方向の下側として自立させることができる。
図2に示すように、底部材4を前後に広げた状態を包装袋10の下側から見ると、底シール部2の中央部2bは前後に広がりやすいが、底シール部2の側端部2cは、胴シール部1に近いため、前後に広がりにくい。また、包装袋10に内容物が充填されているとき、内容物の荷重が境界部2aに沿って胴部材3と底部材4との間を押し広げる方向に作用する。このため、底シール部2の境界部2aに近い部分や、胴シール部1の交点Pに近い部分には、接合を剥離しようとする方向の応力が生じる。
【0028】
従来の包装袋では、胴部材3または底部材4を形成するフィルムが、PE等のシーラント層と、PET等の基材を有している。このため、シーラント層がフィルム間を強固に接合すると共に、PET等の基材がフィルムの機械的強度を増強することにより、接合の剥離等が抑制されていた。しかし、PET等の基材を用いず、ポリエチレン系樹脂のみのフィルムで包装袋10を形成する場合は、フィルムの機械的強度により低くなる。
【0029】
従来の包装袋では、底シール部2の未シール部5との境界部2aが、全体的に包装袋の下側に向けて凸形状、あるいは側端部2c付近で概略直線状となっている。このため、内容物の荷重に対して胴部材3または底部材4に生じる応力が交点P付近に集中しやすい。しかも、交点Pは、包装袋の下側の隅部12に近い位置にあるため、落下による衝撃の影響を受けやすい。このため、包装袋の耐衝撃性を確保する観点からは、フィルムの材質に制約があり、モノマテリアル化が困難であった。
【0030】
実施形態の包装袋10では、底シール部2の側端部2cにおける境界部2aの形状が、包装袋10の上側に向けて凸形状になっている。これにより、包装袋の耐衝撃性を改善し、接合の剥離や破袋等を抑制することができる。
【0031】
実施形態によれば、側端部2cにおける交点P付近の底シール部2が従来よりも幅広くなる。また、折り線4aを中心として底部材4が回動する領域も、底シール部2の中央部2b付近は従来と同様であるが、底シール部2の側端部2c付近の未シール部5が従来よりも狭くされている。このため、折り線4aを中心として底部材4が包装袋10の前後に広がり、境界部2aを中心として胴部材3と底部材4との間が広がる際、底シール部2の側端部2cでは、従来よりも胴部材3および底部材4の動きを抑制することができる。
【0032】
胴部材3および底部材4に内容物の荷重が作用するとき、底シール部2の中央部2b付近では未シール部5の幅が広いため、胴部材3の膨らみも大きくなり、内容物の分布も分散される。底シール部2の中央部2bにおける未シール部5の膨らみに応じて、底シール部2の側端部2cが包装袋10の前後に広がろうとする際、変曲部2dの延長線Lより上側では比較的膨らみが大きいが、変曲部2dの延長線Lより下側では、膨らみが抑制されやすくなる。
【0033】
このため、胴部材3の未シール部5が膨らんだときに力がかかる領域は、変曲部2dの延長線Lより上側に分散されやすくなる。延長線Lよりも下側の領域では、内容物が未シール部5に入り込みにくく、胴部材3または底部材4の変形が抑制される。その結果、包装袋10の下側の隅部12に落下等の衝撃が加わっても、延長線Lよりも下側にある、交点P付近での応力集中が緩和され、接合の剥離や破袋等を抑制することができる。
【0034】
図2に示すように、底シール部2の左右の側端部2cにおいて、底部材4が前後に開きにくいことが好ましい。特に図示しないが、底部材4に切欠部または貫通穴を形成し、切欠部または貫通穴を通じて、前後の胴部材3を接合してもよい。切欠部は、左右の周縁部11に接していてもよい。貫通穴は、左右の周縁部11から離れた位置に形成されてもよい。また、底部材4の外面同士を局所的に接合してもよい。この場合は、底部材4の切欠部または貫通穴を省略することもできる。底部材4の外面同士を接合する領域は、左右の周縁部11に接する位置でもよく、左右の周縁部11から離れた位置でもよい。
【0035】
包装袋10の寸法は特に限定されるものではないが、例えば上下方向の高さが100~500mm程度、左右方向の幅が70~300mm程度、充填量としては100cm3~5000cm3程度が挙げられる。内容物の状態としては、液体、粉体、粒体等の流体が挙げられる。内容物の種類としては、特に限定されないが、洗剤、薬剤、化粧品、医薬品、飲料、調味料、インキ、塗料、燃料等が挙げられる。
【0036】
包装袋10に内容物を充填するには、胴部材3の周縁に充填口6の一部を開口してもよい。
図2に示す包装袋10は、前後の胴部材3を接合して充填口6が閉鎖された状態である。充填前の充填口6は、前後の胴部材3間に未シール部が開口された状態にしてもよい。
図2の下側に示される充填口6は、包装袋10の上部に形成された場合を例示しているが、充填口6の位置は特に限定されず、左右の周縁部11のいずれかに充填口6を形成してもよい。
【0037】
包装袋10から内容物を注出するには、胴部材3の周縁に注出口7を開口してもよい。注出口7の向きは特に限定されず、包装袋10の上向き、左右方向のいずれか、あるいは、斜め方向が挙げられる。
図2の下側には、包装袋10の斜め上向きに流路7aが形成された注出口7が例示される。注出口7の周囲には、流路7aの両側に流路形成シール部7bが形成されている。
【0038】
図2に示す注出口7は開口された状態であるが、内容物を注出する前には、注出口7が閉鎖した状態であることが好ましい。開封前の流路7aの先端側には、流路形成シール部7bと連続して、流路7aを閉鎖する流路閉鎖シール部7cが形成されてもよい。流路形成シール部7bおよび流路閉鎖シール部7cは、前後の胴部材3の内面同士を接合して形成することができる。
【0039】
注出口7を開封する場合は、流路閉鎖シール部7cの分離を容易にするため、端部の切込み(ノッチ)やフィルムのハーフカット溝などにより、開封案内部(図示せず)を形成してもよい。注出口7の開封案内部を省略して、鋏などの器具を用いて、注出口7を開封することも可能である。注出口7に開封案内部を形成した場合には、器具を用いなくても、手指を用いた開封が容易になる。
【0040】
注出口7には、流路7aの形状を筒状に保持するための硬質の部材を接合してもよい。例えば、ポリエチレン系樹脂からチューブ状、ストロー状などの形状に成形された保形部材(図示せず)が挙げられる。保形部材は、流路7aにおける胴部材3の内面に取り付けてもよく、胴部材3の外面に取り付けてもよい。
【0041】
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【符号の説明】
【0042】
L…延長線、P…交点、1…胴シール部、2…底シール部、2a…境界部、2b…底シール部の中央部、2c…底シール部の側端部、2d…変曲部、3…胴部材、4…底部材、4a…折り線、4b…底部材の下部、4c…底部材の側部、5…未シール部、6…充填口、7…注出口、7a…流路、7b…流路形成シール部、7c…流路閉鎖シール部、10…包装袋、11…左右の周縁部、12…下側の隅部。