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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022075210
(43)【公開日】2022-05-18
(54)【発明の名称】外壁点検システム
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/02 20060101AFI20220511BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20220511BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20220511BHJP
【FI】
E04G23/02 A
B64C27/08
B64C39/02
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020185853
(22)【出願日】2020-11-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】592158969
【氏名又は名称】西武建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(71)【出願人】
【識別番号】501267357
【氏名又は名称】国立研究開発法人建築研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】二村 憲太郎
(72)【発明者】
【氏名】兼松 学
(72)【発明者】
【氏名】宮内 博之
【テーマコード(参考)】
2E176
【Fターム(参考)】
2E176AA02
2E176BB38
2E176DD26
(57)【要約】
【課題】外壁点検において、所定の点検装置を外壁に容易に位置決めすることが可能な、外壁点検システムを提供する。
【解決手段】所定の立設面Gに立設された建設物Xの外壁X1に適用される外壁点検システムSであって、建設物Xの外壁X1に対向する点検装置Aと、外壁X1の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーBと、ガイドワイヤーBを支持するワイヤー支持手段Cと、を備え、点検装置Aは、外壁X1に対して所定の点検動作を行う点検装置本体A1と、点検装置本体を支持する支持部A2と、を有し、支持部A2は、ガイドワイヤーBに取付けられ、ワイヤー支持手段Cは、ガイドワイヤーBの巻出し及び巻取りを行うウィンチ装置Wを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の立設面に立設された建設物の外壁に適用される外壁点検システムであって、
前記建設物の外壁に対向する点検装置と、前記外壁の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーと、前記ガイドワイヤーを支持するワイヤー支持手段と、前記点検装置と前記外壁との間隔を調整する間隔調整手段と、を備え、
前記点検装置は、前記外壁に対して所定の点検動作を行う点検装置本体と、前記点検装置本体を支持する支持部と、を有し、
前記支持部は、前記ガイドワイヤーに取付けられ、
前記ワイヤー支持手段は、前記ガイドワイヤーの巻出し及び巻取りを行うウィンチ装置を有する、外壁点検システム。
【請求項2】
前記間隔調整手段は、前記ガイドワイヤーを前記外壁から離間する方向に押圧可能なスライド装置である、請求項1に記載の外壁点検システム。
【請求項3】
前記間隔調整手段は、前記点検装置に連結されたドローンである、請求項1に記載の外壁点検システム。
【請求項4】
前記点検装置は、前記間隔調整手段と分離可能に構成されている、請求項3に記載の外壁点検システム。
【請求項5】
前記点検装置は、前記間隔調整手段の周囲を囲って設けられる保護部を有する、請求項3又は4に記載の外壁点検システム。
【請求項6】
前記点検装置は、前記点検装置本体に連結され、前記外壁の面方向と略垂直方向に往復摺動可能な摺動部を有する、請求項1~5の何れかに記載の外壁点検システム。
【請求項7】
前記点検装置を前記外壁から離間させる離間手段を備える、請求項1~6の何れかに記載の外壁点検システム。
【請求項8】
前記点検装置本体は、前記外壁を削孔するドリル装置である、請求項1~7の何れかに記載の外壁点検システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁点検に用いられる点検装置の位置決めを行う、外壁点検システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやインターネットといったテクノロジーの発展を背景に、ドローンが世界的に普及している。ドローンとは、遠隔操作や自動制御によって無人で飛行できる航空機であり、マルチコプターとも呼ばれる。
【0003】
ドローンの利用用途としては、予め装着されたカメラや点検器具を用いて、特に高層ビルの外壁等、人力のみで実施困難な範囲の空撮や点検等を行うことが挙げられる。
【0004】
ところで、ドローンをこのような用途で用いる場合、天候の影響や操縦ミス等により対象とする外壁からドローンが離れていかないよう、安定した飛行位置を維持する工夫が必要となる。
【0005】
例えば、特許文献1には、ドローンによる外壁への液体吹き付け作業に用いられる発明が記載されている。
この発明は、空気推力装置を用いることで、噴射装置を任意の作業位置に容易に移動させ、かつ流体の吹き付けに伴う反力に安定して対処することができる、自己推進式吹付機および吹付方法に関する発明である。
【0006】
また、特許文献2には、ドローンによる外壁の点検作業に用いられる発明が記載されている。
この発明は、物理的な構成である距離維持手段を用いることで、ドローンと対称面との距離が短い場合であっても、対称面と所定の距離を維持しながら、対称面を測定することができる、無人測定装置、測定方法及びプログラムに関する発明である。
【0007】
また、特許文献3には、ドローンによる高所からの空撮作業に用いられる発明が記載されている。
この発明は、ドローンの飛行位置を制御するための誘導部材を用いることで、ドローンと外壁とを連結する繋留ロープを引いた場合でも、安定して飛行姿勢を維持することができる、空撮用回転翼機に関する発明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2019-122893号公報
【特許文献2】特開2019-93919号公報
【特許文献3】特開2018-127222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1~3に記載の発明は、何れもドローンと外壁との間隔を所定の距離空けた状態で位置制御を行うものである。
【0010】
このため、例えば、ドリル法による中性化深さ試験等、所定の点検装置を外壁に接触させることで外壁点検を行う場合に、これらの発明を適用することができない。
【0011】
本発明は上記のような実状に鑑みてなされたものであり、外壁点検において、所定の点検装置を外壁に容易に位置決めすることが可能な、外壁点検システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明は、所定の立設面に立設された建設物の外壁に適用される外壁点検システムであって、
前記建設物の外壁に対向する点検装置と、前記外壁の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーと、前記ガイドワイヤーを支持するワイヤー支持手段と、前記点検装置と前記外壁との間隔を調整する間隔調整手段と、を備え、
前記点検装置は、前記外壁に対して所定の点検動作を行う点検装置本体と、前記点検装置本体を支持する支持部と、を有し、
前記支持部は、前記ガイドワイヤーに取付けられ、
前記ワイヤー支持手段は、前記ガイドワイヤーの巻出し及び巻取りを行うウィンチ装置を有する。
【0013】
本発明によれば、作業者は、間隔調整手段により、点検装置本体が外壁と接触しない程度にそれぞれの間隔を保持しつつ、ウィンチ装置により、点検装置の位置を調整することができる。
そして、作業者は、間隔調整手段により、点検装置本体を外壁に近接させる。
ここれにより、点検装置が、点検装置本体による点検が可能な状態で、外壁に容易に位置決めされる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記間隔調整手段は、前記ガイドワイヤーを前記外壁から離間する方向に押圧可能なスライド装置である。
【0015】
このような構成とすることで、作業者は、簡便な操作でもって、ガイドワイヤーを外壁から所定の間隔だけ離間させることができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記間隔調整手段は、前記点検装置に連結されたドローンである。
【0017】
このような構成とすることで、作業者は、点検装置と外壁との間隔の調整をよりフレキシブルに行える上、ウィンチ装置を用いずとも、点検装置本体を、高所を含む外壁に対向する任意の位置に容易に移動させることができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記点検装置は、前記間隔調整手段と分離可能に構成されている。
【0019】
このような構成とすることで、間隔調整手段であるドローン単体を他のエリアに飛行させ、ドローンの充電や点検を行うことが可能となる。
【0020】
本発明の好ましい形態では、前記点検装置は、前記間隔調整手段の周囲を囲って設けられる保護部を有する。
【0021】
このような構成とすることで、間隔調整手段であるドローンのプロペラがガイドワイヤーに絡まる事態を防止することができる。
【0022】
本発明の好ましい形態では、前記点検装置は、前記点検装置本体に連結され、前記外壁の面方向と略垂直方向に往復摺動可能な摺動部を有する。
【0023】
このような構成とすることで、作業者は、点検装置を外壁に位置決めした後、点検装置本体と外壁との間の距離を自在に調整することができる。
【0024】
本発明の好ましい形態では、前記点検装置を前記外壁から離間させる離間手段を備える。
【0025】
このような構成とすることで、ドローンの不意の故障等で飛行制御が困難となった場合等に、点検装置が外壁に衝突する事態を防止することができる。
【0026】
本発明の好ましい形態では、前記点検装置本体は、前記外壁を削孔するドリル装置である。
【0027】
このような構成とすることで、本外壁点検システムで、ドリル法による中性化深さ試験を行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、外壁点検において、所定の点検装置を外壁に容易に位置決めすることが可能な、外壁点検システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態1に係る外壁点検システムの正面図である。
図2】本発明の実施形態1に係る外壁点検システムの側面拡大図である。
図3】本発明の実施形態1に係る点検装置及びドローンの拡大図である。
図4】本発明の実施形態1に係る外壁点検システムの使用方法の説明図である。
図5】本発明の実施形態1に係る外壁点検システムの使用方法の説明図である。
図6】本発明の実施形態1に係る外壁点検システムの使用方法の説明図である。
図7】本発明の実施形態2に係る外壁点検システムの側面拡大図である。
図8】本発明の実施形態2に係る外壁点検システムの側面拡大図である。
図9】本発明の実施形態1に係る外壁点検システムの変更例を示す図である。
図10】本発明の各実施形態に係る外壁点検システムの変更例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る外壁点検システムについて説明する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではない。また、これらの図において、符号Sは、本実施形態に係る外壁点検システムを示す。
【0031】
ここで、以下の各実施形態では、外壁点検システムSを、ドリル法と呼ばれる、中性化深さ試験に用いた例を示す。
ドリル法とは、ドリル装置を用いて対象の建設物の外壁(コンクリート)を削孔し、この際に生じた削孔粉にフェノールフタレイン等の試薬をかけ、削孔粉の色を観察することで、対象の建設物の耐久性を評価する方法である。
【0032】
<実施形態1>
以下、図1図6を用いて、実施形態1に係る外壁点検システムSについて説明する。
【0033】
図1及び図2に示すように、本実施形態における外壁点検システムSは、所定の立設面Gに立設された建設物Xの外壁X1に適用されるものであり、建設物Xの外壁X1に対向する点検装置Aと、点検装置Aに設けられ、外壁X1の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーBと、ガイドワイヤーBを支持するワイヤー支持手段Cと、点検装置Aと外壁X1との間隔を調整する間隔調整手段Dと、点検装置Aを外壁X1から離間させる離間手段Eと、を備えている。
【0034】
点検装置Aは、特に図2に示されるように、ガイドワイヤーBと外壁X1との間に配置されている。
また、点検装置Aは、外壁X1に対して所定の点検動作を行う点検装置本体A1と、側面視で、外壁X1側に開口した略コ字状の支持部A2と、支持部A2の上部に設けられ、ドローンDの周囲を囲って設けられる略筒状の保護部A3と、を有している。
【0035】
点検装置本体A1は、本実施形態においては、遠隔での動作制御が可能な、外壁X1を削孔するドリル装置である。
【0036】
ガイドワイヤーBは、例えばピアノ線等の高強度な金属線であり、本実施形態においては、4本のガイドワイヤーBの各先端部が、支持部A2に取付けられている。
【0037】
ワイヤー支持手段Cは、建設物Xの屋上に設けられた一対の上部ワイヤー支持手段C1と、各上部ワイヤー支持手段C1の直下の立設面Gに設けられた一対の下部ワイヤー支持手段C2と、により構成されている。
なお、以下では、各上部ワイヤー支持手段C1により支持されているガイドワイヤーBを、上部ガイドワイヤーB1、各下部ワイヤー支持手段C2により支持されているガイドワイヤーBを、下部ガイドワイヤーB2と称する。
【0038】
上部ワイヤー支持手段C1は、特に図2に示すように、ガイドワイヤーBが巻き回されたウィンチ装置Wと、建設物XのパラペットX2に取付けられる基台C1aと、基台C1aの上部に設けられた第一ガイドローラーC1bと、基台C1aの側部に設けられた一対の第二ガイドローラーC1cと、を有している。
下部ワイヤー支持手段C2は、ウィンチ装置Wを有している。
【0039】
ウィンチ装置Wは、遠隔操作により、電動で各ガイドワイヤーBの巻取り及び巻出し動作を行うことができる。
このため、各ウィンチ装置Wは、個別に巻取り及び巻出しを行うこともできるし、連動させて同時に巻取り及び巻出し動作を行うこともできる。
なお、上部ワイヤー支持手段C1のウィンチ装置Wは、基台C1aの上部に設けられている。
【0040】
第一ガイドローラーC1bは、ブラケットb1に支持され、略水平方向を軸に回転可能に構成されている。
【0041】
一対の第二ガイドローラーC1cは、それぞれブラケットb2に支持され、外壁X1に対して略垂直方向を軸に回転可能に構成されている。
また、各第二ガイドローラーC1cは、対峙して設けられることで、各上部ガイドワイヤーB1を挟み込んでいる。
【0042】
第一ガイドローラーC1b及び第二ガイドローラーC1cをこのように構成することで、各ウィンチ装置Wによる各上部ガイドワイヤーB1の巻取り及び巻出し動作が円滑に行われる。
【0043】
本実施形態における間隔調整手段Dは、ドローンである。
以下、本実施形態における間隔調整手段Dを、ドローンDと称する。
【0044】
ドローンDは、ドローン本体D1(図3参照)と、ドローン本体D1の上部に装着された4個のプロペラD2(図3参照)と、ドローン本体D1の下部に取り付けられた一対の脚D3(図3参照)と、を備え、ドローン本体D1の下部の脚D3間に、吊クランプK(図3参照)が装着されている。
また、ドローンDは、吊クランプKを介して点検装置Aに連結された状態でホバリング飛行することで、図1及び図2に示すように、点検装置本体A1の先端部が外壁X1に対向した状態を維持している。
なお、図1及び図2において、ドローンDは、点線で示している。
【0045】
離間手段Eは、立設面Gから点検装置Aに向かって延びる離間ワイヤーE1と、立設面Gに設けられ、離間ワイヤーE1が巻き回された巻取り手段E2と、離間ワイヤーE1を支持部A2に連結するためのから係止部E3と、を有している。
【0046】
巻取り手段E2は、遠隔操作により、電動で各ガイドワイヤーBの巻取り及び巻出し動作を行うことができる。
【0047】
係止部E3は、後述する第二構成体A2bから突設されている輪状の部材であり、離間ワイヤーE1の端部が締結されている。
【0048】
離間手段Eをこのように構成することで、作業者は、巻取り手段E2により離間ワイヤーE1を巻取り、点検装置本体A1を含む点検装置Aを、外壁X1から離間させる方向に引張ることができる。
【0049】
以下、図3を用いて、本実施形態における点検装置Aの構成について、さらに詳述する。
なお、図3では、保護部A3を点線で示し、保護部A3の内部の構成を実線で示している。また、図3(b)の下方に、吊クランプKの拡大正面図を示している。
【0050】
図3(a)に示すように、点検装置Aは、点検装置本体A1、支持部A2及び保護部A3に加え、点検装置本体A1に連結され、外壁X1の面方向と略垂直方向に往復摺動可能な摺動部A4を有している。
【0051】
支持部A2は、外壁X1に対して略垂直方向に延びる一対の第一構成体A2aと、外壁X1に対して略平行に延び、一対の第一構成体A2aの端部に連接される第二構成体A2bと、により構成されることで、側面視で略コ字状となされている。
なお、支持部A2の形状は、これに限られず、例えば、円筒状や角筒状として、この内部に、点検装置本体A1や摺動部A4が設けられる構成としても良い。
【0052】
第二構成体A2bには、図3(b)及び(c)に示すように、各ガイドワイヤーBを締結するための4つの貫通孔hが設けられている。
【0053】
摺動部A4は、本実施形態においては、ピストンロッドA4aやピストンロッドA4aを格納するシリンダチューブA4b等で構成される、遠隔での往復摺動動作の制御が可能な、電動リニアアクチュエータである。
また、ピストンロッドA4aの端部には、点検装置本体A1が取付けられている。
なお、摺動部A4は、一対の第一構成体A2aの間に懸架される板状体のブラケットb3の略中央に、シリンダチューブA4bが一体となって取付けられることで、一対の第一構成体A2aの間に固定されている。
【0054】
ここで、上部の第一構成体A2aに設けられた把持突起gと、ドローンDに設けられた吊クランプKと、により、点検装置AとドローンDとを分離可能とする着脱手段Zが構成されている。
【0055】
把持突起gは、図3(a)に示すように、外壁X1に対して略垂直方向に延び、図3(b)及び(c)に示すように、正面視で略T字状に形成されている。
【0056】
吊クランプKは、U字溝やブロック資材等の重量物を運搬する際に用いられ、その自重を利用して対象物を挟持する一般的なものである。
詳述すれば、吊クランプKは、互いに交差して設けられ、その下端に係止爪K1aが設けられ、回動ピンp1回りに回動可能な一対のクランプアームK1と、クランプアームK1の上端にリンクピンp2、p3を介して回動可能に連結された一対のリンクアームK2と、リンクアームK2の先端に支持ピンp4を介して取付けられ、ドローンDと連結する連結部K3と、クランプアームK1の開放状態を保持するロック機構K4と、を備えている。
【0057】
ロック機構K4は、リンクピンp3付近に回動ピンp5を介して回動可能に吊り下げられ、先端部に係合爪が設けられたロック部材K4aと、クランプアームK1の屈曲部付近に設けられ、自重によるリンクアームK2の下降に伴ってロック部材K4aの係合爪に係合する係合突起K4bと、により構成されている。
【0058】
これにより、作業者は、一対のクランプアームK1の間に把持突起gが配置されている状態で、ドローンDを上方に飛行させることで、一対のクランプアームK1が、吊クランプKの自重により、係止爪K1aを介して把持突起gを挟持し、また、係止爪K1aが把持突起gに引掛り、図3(b)に示す状態とすることができる。
【0059】
また、作業者は、図3(b)に示す状態から、ドローンDを下方に飛行させることで、吊クランプKが把持突起gに押圧され、各係止爪K1aが離間すると共に、ロック部材K4aが係合突起K4bに係合し、図3(c)に示す状態とすることができる。このとき、ロック機構K4により、クランプアームK1及びリンクアームK2の、自重による回動動作が規制される。
作業者は、この状態で、ドローンDを上方に飛行させることで、一対のクランプアームK1が把持突起gを挟持することなく、点検装置AとドローンDとを分離させることができる。
【0060】
以下、図4図6を用いて、本実施形態に係る外壁点検システムSの使用方法について説明する。
【0061】
まず、作業者は、各ワイヤー支持手段Cを、所定の位置(本実施形態であれば建設物Xの屋上及び立設面Gにそれぞれ2箇所)に配置する。
【0062】
次に、作業者は、各ワイヤー支持手段C(ウィンチ装置W)に巻き回されている各ガイドワイヤーBを巻出し、第二構成体A2bの各貫通孔hを介して、各ガイドワイヤーBの端部を支持部A2に締結する。
また、作業者は、巻取り手段E2に巻き回されている離間ワイヤーE1を巻出し、離間ワイヤーE1の端部を係止部E3に締結する。
【0063】
次に、作業者は、着脱手段Zにより、点検装置AとドローンDとを連結した後、ドローンDを飛行させることで、点検装置Aを、外壁X1と所定の間隔を保持しつつ、外壁X1に対向する所望の位置に運搬する。
これにより、外壁点検システムSは、図1及び図2に示す状態となる。
なお、このとき、作業者は、ドローンDをホバリング飛行させることで、図1及び図2に示すように、点検装置Aの姿勢を中空で保持し、点検装置本体A1の先端部を外壁X1に対向させる。
【0064】
次に、作業者は、ドローンDにより、点検装置本体A1を外壁X1に近接させる。
【0065】
これにより、特に図4に示すように、点検装置本体A1の先端部が外壁X1に突き刺さり、外壁X1の削孔が行われる。
そして、立設面Gに削孔粉が落下することで、作業者は、この削孔粉を回収し、中性化深さ試験を行うことができる。
【0066】
このとき、作業者は、各ウィンチ装置Wにより、各ガイドワイヤーBを巻取り、各ガイドワイヤーBを張設することができる。
これにより、外壁点検システムSは、図1及び図2に示す状態から、図4及び図5に示す状態となる。
【0067】
即ち、各ガイドワイヤーBが張設されることにより、各ガイドワイヤーBの弛緩部分が、外壁X1に向かって移動し、各ガイドワイヤーBが連結されている点検装置Aが、各ガイドワイヤーBの張力でもって、外壁X1に向かって押圧される。
そして、外壁X1と各ガイドワイヤーBとで、点検装置Aを挟持する態様となり、点検装置Aが外壁X1に、安定的に位置決めされる。
このようにすることで、作業者は、図4及び図5に示すように、ドローンDを点検装置Aから分離させ、ドローンDのみを外部に飛行させることができる。
【0068】
また、作業者は、点検装置Aに連結されたドローンDをホバリング飛行させている状態で、摺動部A4(ピストンロッドA4a)を外壁X1から離間する方向に摺動させることで、点検装置本体A1の端部を外壁X1から引き抜き、図6(a)から図6(b)に示す状態とすることができる。
なお、作業者は、ドローンDを外壁X1から離間する方向に飛行させることで、摺動部A4による引き抜き動作を補助しても良い。
【0069】
このように、点検装置本体A1の端部を外壁X1から引き抜き、また、ワイヤー支持手段Cにより各ガイドワイヤーBを弛緩させることで、ドローンDの飛行により、作業者は、再度、点検装置Aを外壁X1に対向する任意の位置に運搬することができる。
これにより、作業者は、上記と同様の手順で、点検装置Aにより、外壁X1における、上記とは異なる箇所の削孔を行うことができる。
【0070】
なお、外壁点検を終了する場合、作業者は、上記の通り、点検装置本体A1の端部を外壁X1から引き抜き、各ガイドワイヤーBを弛緩させた後、点検装置Aと共にドローンDを建設物Xの屋上或いは立設面Gに着陸させる。
【0071】
また、作業者は、点検装置Aと各ガイドワイヤーBの締結を解消することで、点検装置AとドローンDを回収する。
そして、作業者は、各ウィンチ装置Wにより、各ガイドワイヤーBを巻取った後、各ワイヤー支持手段Cを回収する。
【0072】
本実施形態によれば、作業者は、ドローンDにより、点検装置Aと外壁X1との間隔の調整し、点検装置本体A1を、高所を含む外壁X1に対向する任意の位置に容易に移動させることができる。
そして、作業者は、ドローンDにより、点検装置本体A1を外壁X1に近接させることで、点検装置Aが、点検装置本体A1による削孔が可能な状態で、外壁X1に容易に位置決めされる。
【0073】
また、点検装置AがドローンDと分離可能に構成されていることで、ドローンD単体を他のエリアに飛行させ、ドローンDの充電や点検を行うことが可能となる。
【0074】
また、点検装置Aが保護部A3を有することで、ドローンDのプロペラD2が各ガイドワイヤーBに絡まる事態を防止することができる。
【0075】
また、点検装置Aが摺動部A4を有することで、作業者は、点検装置本体A1と外壁X1との間の距離を自在に調整することができる。
特に、本実施形態においては、点検装置本体A1がドリル装置であることから、外壁X1への抜き差し動作を容易に行うことができる。
【0076】
また、離間手段Eを備えることで、ドローンDの不意の故障等で飛行制御が困難となった場合等に、点検装置Aが外壁X1に衝突する事態を防止することができる。
【0077】
<実施形態2>
以下、図7及び図8を用いて、実施形態2に係る外壁点検システムSについて説明する。
なお、実施形態2において、実施形態1と基本的に同一の構成要素については、同一符号を付してその説明を簡略化する。
【0078】
図7及び図8に示すように、本実施形態における外壁点検システムSは、所定の立設面Gに立設された建設物Xの外壁X1に適用されるものであり、建設物Xの外壁X1に対向する点検装置Aと、点検装置Aに設けられ、外壁X1の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーBと、ガイドワイヤーBを支持するワイヤー支持手段Cと、点検装置Aと外壁X1との間隔を調整する間隔調整手段Dと、を備えている。
【0079】
本実施形態における点検装置Aは、先の実施形態における点検装置Aと異なり、保持部A3を有しておらず、各第一構成体A2aにおける、側面視で略中央に突設された輪状の部材である、係止部A5を有している。
【0080】
各係止部A5は、各ガイドワイヤーBに対して一つずつ設けられ、各ガイドワイヤーBは、各係止部A5に挿通させられた上で、各貫通孔hに締結されている。
このようにすることで、点検装置Aが、その自重により傾斜してしまう事態を防止し、間隔調整手段Dとしてドローンを用いなくとも、その姿勢を保持することができる。
なお、図7の右上には、本実施形態における点検装置Aの拡大正面図を示している。
【0081】
本実施形態における間隔調整手段Dは、その摺動動作を遠隔制御可能なスライド装置である。
以下、本実施形態における間隔調整手段Dを、スライド装置Dと称する。
【0082】
スライド装置Dは、ウィンチ装置Wに隣接して、基台C1aの上部に設けられたレール部D1と、レール部D1に設けられることで、外壁X1の面方向と鉛直方向に往復摺動可能なスライド装置本体D2と、により構成されている。
また、スライド装置本体D2の端部には、ブラケットb1を介して、第二ガイドローラーC1cが取付けられている。
【0083】
このようにすることで、スライド装置本体D2をウィンチ装置Wから離間する方向に摺動させ、第二ガイドローラーC1cを介して上部ガイドワイヤーB1を押圧する動作でもって、上部ガイドワイヤーB1を外壁X1から離間させることができる。
このとき、図7に示すように、上部ガイドワイヤーB1の、外壁X1からの離間に伴い、点検装置Aも外壁X1から離間する。
【0084】
以下、図7及び図8を用いて、本実施形態に係る外壁点検システムSの使用方法について説明する。
【0085】
まず、作業者は、各ワイヤー支持手段Cを、所定の位置(本実施形態であれば建設物Xの屋上及び立設面Gにそれぞれ2箇所)に配置する。
【0086】
次に、作業者は、各ワイヤー支持手段C(ウィンチ装置W)に巻き回されている各ガイドワイヤーBを巻出し、各係止部A5に挿通させた後、第二構成体A2bの各貫通孔hを介して、各ガイドワイヤーBの端部を支持部A2に締結する。
【0087】
次に、作業者は、スライド装置本体D2をウィンチ装置Wから離間する方向に摺動させ、上部ガイドワイヤーB1及び点検装置Aを外壁X1から離間させた状態で、上部ガイドワイヤーB1を巻取る。
これにより、外壁点検システムSは、図7に示す状態となる。
【0088】
次に、作業者は、適宜上部ガイドワイヤーB1の巻取りや巻出しを行うことにより、点検装置本体A1の先端部を所望の位置に移動させた後、スライド装置本体D2をウィンチ装置Wに近接する方向に摺動させる。
これにより、外壁点検システムSは、図7に示す状態から、図8に示す状態となる。
【0089】
即ち、スライド装置本体D2の摺動により、点検装置Aの重力でもって上部ガイドワイヤーB1が外壁X1に近接し、これに伴い点検装置Aも外壁X1に近接する。
【0090】
これにより、点検装置本体A1の先端部が外壁X1に突き刺さり、外壁X1の削孔が行われる。
そして、立設面Gに削孔粉が落下することで、作業者は、この削孔粉を回収し、中性化深さ試験を行うことができる。
【0091】
また、作業者は、先の実施形態と同様に、摺動部A4(ピストンロッドA4a)を外壁X1から離間する方向に摺動させることで、点検装置本体A1の端部を外壁X1から引き抜くことができる。
なお、作業者は、再度、スライド装置本体D2をウィンチ装置Wから離間する方向に摺動させることで、摺動部A4による引き抜き動作を補助しても良い。
【0092】
このように、点検装置本体A1の端部を外壁X1から引き抜き、また、各ウィンチ装置Wを操作することで、作業者は、再度、点検装置Aを外壁X1に対向する任意の位置に移動させることができる。
これにより、作業者は、上記と同様の手順で、点検装置Aにより、外壁X1における、上記とは異なる箇所の削孔を行うことができる。
【0093】
なお、外壁点検を終了する場合、作業者は、上記の通り、点検装置本体A1の端部を外壁X1から引き抜き、上部ガイドワイヤーB1或いは下部ガイドワイヤーB2を巻取ることで、点検装置Aを建設物Xの屋上或いは立設面Gに着陸させる。
【0094】
また、作業者は、点検装置Aと各ガイドワイヤーBの締結を解消することで、点検装置Aを回収する。
そして、作業者は、各ウィンチ装置Wにより、各ガイドワイヤーBを巻取った後、各ワイヤー支持手段Cを回収する。
【0095】
本実施形態によれば、作業者は、スライド装置Dにより、簡便な操作でもって、上部ガイドワイヤーB1を外壁X1から所定の間隔だけ離間させることができる。
【0096】
なお、上記の各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0097】
例えば、上記の実施形態1における摺動部A4を、図9に示す構成としても良い。
【0098】
即ち、図9に示す摺動部A4は、その先端部が点検装置本体A1と連結された略円柱状のスライダ部A4aと、スライダ部A4aを、外壁X1の面方向と略垂直方向に往復摺動可能に支持する複数のラジアル軸受A4bと、により構成されている。
【0099】
また、各第一構成体A2aには、各ラジアル軸受A4bを各第一構成体A2aの間に固定するためのブラケットb3が設けられている。
また、第二構成体A2bには、スライダ部A4aが挿通される貫通孔hが設けられている。
【0100】
また、各ガイドワイヤーB及び離間ワイヤーE1は、スライダ部A4aの基端部に締結されており、実施形態1と異なり、離間手段Eは、係止部E3を有していない。
なお、スライダ部A4aの基端には、各ガイドワイヤーB及び離間ワイヤーE1の脱離を防止するために、他の部分よりも断面積の大きいストッパー部sが設けられている。
【0101】
摺動部A4をこのように構成した際、点検装置Aの位置決めから、点検装置本体A1による削孔までの流れは以下のようになる。
【0102】
まず、作業者は、ドローンDを飛行させることで、点検装置Aを、外壁X1に対向する所望の位置に運搬した後、ドローンDの飛行でもって点検装置Aを外壁X1に押圧することで、図9(a)に示す状態から、図9(b)に示す状態とする。
これにより、点検装置Aが外壁X1に位置決めされる。
【0103】
次に、作業者は、各ワイヤー支持手段Cの各ウィンチ装置Wにより、各ガイドワイヤーBを巻取り、各ガイドワイヤーBを張設することで、図9(b)に示す状態から、図9(c)に示す状態とする。
【0104】
即ち、各ガイドワイヤーBが張設されることにより、各ガイドワイヤーBの弛緩部分が、張力でもって外壁X1に向かって移動し、各ガイドワイヤーBが連結されているスライダ部A4aが、各ガイドワイヤーBの張力でもって、外壁X1に向かって押圧される。
【0105】
これにより、スライダ部A4aに連結されている点検装置本体A1も外壁X1に向かって押圧され、点検装置本体A1の先端部が外壁X1に突き刺さり、外壁X1の削孔が行われる。
そして、立設面Gに削孔粉が落下することで、作業者は、この削孔粉を回収し、中性化深さ試験を行うことができる。
【0106】
また、本変更例において、点検装置本体A1の先端部が外壁X1から引き抜く際には、離間手段Eを用いる。
【0107】
即ち、作業者は、巻取り手段E2により離間ワイヤーE1を巻取ることで、スライダ部A4aを、外壁X1から離間する方向に引っ張り、点検装置本体A1の先端部が外壁X1から引き抜く。
【0108】
この他にも、上記の各実施形態におけるガイドワイヤーBの本数は、4本に限られず、2本や3本、5本等、複数本であれば何本であっても良く、例えば、図10に示す構成としても良い。
【0109】
即ち、図10に示す例では、上部ガイドワイヤーB1を1本とし、これに伴い、上部ワイヤー支持手段C1の個数は、正面視で建設物Xの屋上の略中央に設けられた1個のみとなされている。
これにより、本変更例のおけるガイドワイヤーBの本数は、3本となされている。
なお、図10に示す例とは逆に、上部ガイドワイヤーB1を2本、下部ガイドワイヤーB2を1本としても良い。
【0110】
また、図10(b)に示すように、本変更例のおける上部ガイドワイヤーB1は、第二構成体A2bから突設された輪状部材rに締結されている。
【0111】
この他にも、上記の各実施形態では、外壁点検システムSを、ドリル法と呼ばれる、中性化深さ試験に用いた例を示したが、例えば、点検装置本体A1を、ドリル装置の代わりに赤外線カメラとし、赤外線サーモグラフィ法を用いた外壁点検に利用しても良い。
【符号の説明】
【0112】
S 外壁点検システム
A 点検装置
B ガイドワイヤー
C ワイヤー支持手段
D 間隔調整手段
E 離間手段
X 建設物
X1 外壁
G 立設面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の立設面に立設された建設物の外壁に適用される外壁点検システムであって、
前記建設物の外壁に対向する点検装置と、前記外壁の面方向に沿って設けられたガイドワイヤーと、前記ガイドワイヤーを支持するワイヤー支持手段と、前記点検装置と前記外壁との間隔を調整する間隔調整手段と、を備え、
前記間隔調整手段は、前記点検装置に連結されたドローンであり、
前記点検装置は、前記外壁に対して所定の点検動作を行う点検装置本体と、前記点検装置本体を支持する支持部と、を有し、
前記支持部は、前記ガイドワイヤーに取付けられ、
前記ワイヤー支持手段は、前記ガイドワイヤーの巻出し及び巻取りを行うウィンチ装置を有し、
前記ガイドワイヤーは、前記ウィンチ装置により張設され、
前記点検装置は、前記ウィンチ装置により張設された前記ガイドワイヤーの張力で、前記支持部と共に外壁に向かって押圧されることで、前記ガイドワイヤーと前記外壁との間に挟持される、外壁点検システム。
【請求項2】
前記点検装置は、前記間隔調整手段と分離可能に構成されている、請求項1に記載の外壁点検システム。
【請求項3】
前記点検装置は、前記間隔調整手段の周囲を囲って設けられる保護部を有する、請求項1又は2に記載の外壁点検システム。
【請求項4】
前記点検装置は、前記点検装置本体に連結され、前記外壁の面方向と略垂直方向に往復摺動可能な摺動部を有する、請求項1~3の何れかに記載の外壁点検システム。
【請求項5】
前記点検装置を前記外壁から離間させる離間手段を備える、請求項1~4の何れかに記載の外壁点検システム。
【請求項6】
前記点検装置本体は、前記外壁を削孔するドリル装置である、請求項1~5の何れかに記載の外壁点検システム。