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特開2022-77184農作物生産管理システム、サーバ、情報処理方法、端末、およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022077184
(43)【公開日】2022-05-23
(54)【発明の名称】農作物生産管理システム、サーバ、情報処理方法、端末、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/02 20120101AFI20220516BHJP
   A01G 7/00 20060101ALI20220516BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01G7/00 603
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020187912
(22)【出願日】2020-11-11
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-25
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)農林水産省、平成30年度(補正予算)研究委託事業「スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」(大規模施設園芸の生産性を飛躍的に向上させるスマート技術体系の実装)に係る委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】519135633
【氏名又は名称】公立大学法人大阪
(71)【出願人】
【識別番号】516077699
【氏名又は名称】みのりラボ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520442092
【氏名又は名称】株式会社タカヒコアグロビジネス
(71)【出願人】
【識別番号】519006023
【氏名又は名称】株式会社CHASQUI
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】大山 克己
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆彦
(72)【発明者】
【氏名】松尾 崇史
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 潤
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC01
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる農作物生産管理システムを提供することにある。
【解決手段】本発明に係る農作物生産管理システム1は、端末300およびサーバ100を備える。端末は、作業が行われる作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを表示する。作業場所には、優先順位が設定される。サーバは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。
【選択図】図12

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、
サーバと
を備え、
前記端末は、作業が行われる作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを表示し、
前記作業場所には、優先順位が設定され、
前記サーバは、前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てる、
農作物生産管理システム。
【請求項2】
前記優先順位は、前記サーバによる自動設定処理、または、前記端末からの入力処理によって設定される、
請求項1に記載の農作物生産管理システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記作業担当者の到達可能な作業量の最大値および最小値を前記端末から受け付け、前記最大値および前記最小値の範囲内に収まるように、前記作業候補者毎の作業遂行能力に基づいて前記作業担当者の到達可能な作業量を計算して計算結果を取得し、前記計算結果に基づいて前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てる、
請求項1または2に記載の農作物生産管理システム。
【請求項4】
端末と通信するための通信インターフェイスと、
プロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを介して、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを前記端末に表示させ、
前記プロセッサは、前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てる、
サーバ。
【請求項5】
サーバにおける情報処理方法であって、
通信インターフェイスを介して、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを端末に表示させるステップと、
前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てるステップと
を備える情報処理方法。
【請求項6】
ディスプレイと、
作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを前記ディスプレイに表示させ、前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てるためのプロセッサと
を備える端末。
【請求項7】
ディスプレイと、プロセッサとを備える端末のためのプログラムであって、
作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを前記ディスプレイに表示させるステップと、
前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てるステップと
を前記プロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項8】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末と、
作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するサーバと
を備え、
前記情報端末は、表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記作業者識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記作業者識別情報を前記データベースに照合し、前記作業者識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、前記作業内容情報を表示する
農作物生産管理システム。
【請求項9】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末において、前記情報コード読取部に対して、情報コードを読取らせる読取ステップと、
前記情報端末に対して、作業者識別情報をサーバに送信させる第1送信ステップと、
前記作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有する前記サーバに対して、受信した前記作業者識別情報を前記データベースに照合させ、前記作業者識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記情報端末に送信させる第2送信ステップと、
前記情報端末に対して、前記作業内容情報を表示させる表示ステップと
を備える情報処理方法。
【請求項10】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する携帯端末をさらに備え、
前記サーバは、前記作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有し、
前記携帯端末は、表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記作業担当者の識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記作業担当者の識別情報を前記データベースに照合し、前記作業担当者の識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、前記作業内容情報を表示する
請求項1から3のいずれか1項に記載の農作物生産管理システム。
【請求項11】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末と、
作業者識別情報と作業場所識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するサーバと
を備え、
前記情報端末は、作業場所識別情報を含み表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記作業場所識別情報を取得すると共に、前記作業場所識別情報と前記作業者識別情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報とをそれぞれ前記データベースに照合し、前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報との両方に関連付けられる前記作業内容情報を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、前記作業内容情報を表示する
農作物生産管理システム。
【請求項12】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末において、前記情報コード読取部に対して、作業場所識別情報を含む情報コードを読取らせる読取ステップと、
前記情報端末に対して、前記情報コードから前記作業場所識別情報を取得させ、前記作業場所識別情報と作業者識別情報とをサーバに送信させる第1送信ステップと、
前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有する前記サーバに対して、受信した前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報とをそれぞれ前記データベースに照合させ、前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報の両方に関連付けられる前記作業内容情報を前記情報端末に送信させる第2送信ステップと、
前記情報端末に対して、前記作業内容情報を表示させる表示ステップと
を備える情報処理方法。
【請求項13】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する携帯端末をさらに備え、
前記サーバは、前記作業担当者の識別情報と前記作業場所の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有し、
前記携帯端末は、作業場所の識別情報を含み表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記作業場所の識別情報を取得すると共に、前記作業場所の識別情報と前記作業担当者の識別情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記作業担当者の識別情報と前記作業場所の識別情報とをそれぞれ前記データベースに照合し、前記作業担当者の識別情報と前記作業場所の識別情報との両方に関連付けられる前記作業内容情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、前記作業内容情報を表示する
請求項1から3のいずれか1項に記載の農作物生産管理システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業の管理のための農作物生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末とサーバとを備える農作物生産管理システムであって、前記端末は、対象となる作業日に予定される作業を割り当てられた担当者を表す画像を第1のエリアに表示しつつ、作業割り当ての候補者を示す画像を第2のエリアに表示し、前記サーバは、前記候補者毎の作業遂行能力に基づいて前記第2のエリアの候補者を順位付けして前記順位に基づいて前記第2のエリアの候補者を表す画像を前記第1のエリアに自動的に移動させるための入力操作を受け付けて自動割当処理を実行し、前記自動割当処理に従って前記端末における前記第2のエリアの前記候補者を表す画像を前記第1のエリアに作業を割り当てられた担当者として表示する、農作物生産管理システムが過去に提案されている(例えば、特許第6632104号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6632104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される発明では、端末からの入力操作が行われると、農作業に人員を割り当てる処理が自動的に行われる。このため、特許文献1に開示される発明では、作業可能な人員が多い場合であっても、人員の割り当てを迅速且つ容易に行うことができる。ところで、最近、農作業管理者などから、複数の作業場所や作業区画が存在する場合において「特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたいが、上述の発明では、優先的に終了したい作業場所や作業区画を手動で順番に選択しつつ作業者の割り当て処理を行う必要があり、少々手間がかかる」との声が上がっている。
【0005】
本発明の目的は、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる農作物生産管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面に係る農作物生産管理システムは、端末およびサーバを備える。端末は、作業が行われる作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを表示する。作業場所には、優先順位が設定される。サーバは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。
【0007】
上記構成によれば、作業場所に設定された優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てることができる。このため、この農作物生産管理システムでは、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、優先順位の高い作業場所や作業区画に、作業遂行能力が高い作業者を優先的かつ自動的に割り当てることができる。したがって、この農作物生産管理システムでは、上述のような場合等において作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。なお、ここで、作業遂行能力は、例えば、「作業候補者毎の作業スピード」や「作業候補者毎の累積作業時間」などである。優先順位の高い作業場所や作業区画が、例えば、その作業を早急に終わらせて次の作業に移行しなければならない場所や、作物の収穫を早急に行わなければならない場所である場合、その場所に作業スピードが高い作業候補者を割り当てるのが有用である。また、優先順位の高い作業場所や作業区画が、例えば、農作業者のノウハウが必要な場所である場合、その場所に、長い累積作業時間を有する人員の割り当てるのが有用である。
【0008】
本発明の第2局面に係る農作物生産管理システムは、第1局面に係る農作物生産管理システムであって、優先順位は、サーバによる自動設定処理、または、端末からの入力処理によって設定される。サーバによる優先順位設定の自動設定処理としては、例えば、作業場所において予め決められた作業計画とその作業場所における作業進捗度との関係性などから、作業計画が遅れている作業場所などに高い優先順位を設定する態様等が考えられる。
【0009】
優先順位がサーバにより自動設定処理される場合、農作業管理者などが作業場所毎に優先順位を設定する手間を省くことができる。また、端末からの入力処理によって優先順位が設定される場合、例えば、ある作業場所や作業区画において急を要する作業が発生した際などに、作業場所や作業区画の優先順位を臨機応変に変更したり、予め決めた作業場所や作業区画の作業を優先的に終了させることができる。
【0010】
本発明の第3局面に係る農作物生産管理システムは、第1局面または第2局面に係る農作物生産管理システムであって、サーバは、作業担当者の到達可能な作業量の最大値および最小値を端末から受け付け、最大値および最小値の範囲内に収まるように、作業候補者毎の作業遂行能力に基づいて作業担当者の到達可能な作業量を計算して計算結果を取得し、計算結果に基づいて作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。
【0011】
このため、この農作物生産管理システムでは、優先順位の高い作業場所や作業区画において人員が過剰に割り当てられることや、優先順位の高い作業場所や作業区画において人員が不足するようなことが起きないように、農作業管理者などが設定した目標達成可能な作業量の範囲内で、優先順位の高い作業場所や作業区画に人員を割り当てることができる。
【0012】
本発明の第4局面に係るサーバは、通信インターフェイスとプロセッサとを備える。通信インターフェイスは、端末と通信する。プロセッサは、通信インターフェイスを介して、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを端末に表示させる。また、プロセッサは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。
【0013】
このため、このサーバでは、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。
【0014】
本発明の第5局面に係る情報処理方法は、サーバにおける情報処理方法であって、第1ステップおよび第2ステップを備える。第1ステップでは、通信インターフェイスを介して、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とが端末に表示させられる。第2ステップでは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者が作業担当者として作業場所に割り当てられる。
【0015】
このため、この情報処理方法では、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。
【0016】
本発明の第6局面に係る端末は、ディスプレイおよびプロセッサを備える。作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とをディスプレイに表示させ、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。
【0017】
このため、この端末では、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。
【0018】
本発明の第7局面に係るプログラムは、ディスプレイおよびプロセッサを備える端末のためのプログラムであって、第1ステップおよび第2ステップをプロセッサに実行させる。第1ステップでは、プロセッサは、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とをディスプレイに表示させる。第2ステップでは、プロセッサは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。
【0019】
このため、このプログラムでは、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。
【0020】
本発明の第8局面に係る農作物生産管理システムは、情報端末とサーバとを備える。情報端末は、情報コード読取部を有する。情報コード読取部は、情報コードを読取り可能である。サーバは、データベースを有する。データベースは、作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、情報端末は、表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、作業者識別情報をサーバに送信する。サーバは、受信した作業者識別情報をデータベースに照合し、作業者識別情報に関連付けられる作業内容情報を情報端末に送信する。そして、情報端末は、作業内容情報を表示する。
【0021】
特許文献1に開示される発明では、農作業管理者などは、作業者がどのような作業を担当するかなどの作業内容情報を策定し、作業内容情報を作業者毎に伝える必要がある。このため、農作業管理者などから、「多数の作業者に作業内容情報を伝えるのは手間と時間とがかかる」との声が上がっている。
【0022】
上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0023】
本発明の第9局面に係る情報処理方法は、読取ステップと第1送信ステップと第2送信ステップと表示ステップとを備える。読取ステップでは、情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末において、情報コード読取部が、情報コードを読取る。第1送信ステップでは、情報端末は、作業者識別情報をサーバに送信する。第2送信ステップでは、作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するサーバは、受信した作業者識別情報をデータベースに照合し、作業者識別情報に関連付けられる作業内容情報を情報端末に送信する。表示ステップでは、情報端末は、作業内容情報を表示する。
【0024】
特許文献1に開示される発明では、農作業管理者などは、作業者がどのような作業を担当するかなどの作業内容情報を策定し、作業内容情報を作業者毎に伝える必要がある。このため、農作業管理者などから、「多数の作業者に作業内容情報を伝えるのは手間と時間とがかかる」との声が上がっている。
【0025】
上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0026】
本発明の第10局面に係る農作物生産管理システムは、第1局面から第3局面のいずれか1局面に係る農作物生産管理システムであって、携帯端末をさらに備える。携帯端末は、情報コード読取部を有する。情報コード読取部は、情報コードを読取り可能である。また、サーバは、データベースを有する。データベースは、作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、携帯端末は、表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、作業担当者の識別情報をサーバに送信する、サーバは、受信した作業担当者の識別情報をデータベースに照合し、作業担当者の識別情報に関連付けられる作業内容情報を携帯端末に送信する。そして、携帯端末は、作業内容情報を表示する。
【0027】
上記構成によれば、作業場所に設定された優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てることができると共に、農作業管理者などを介さずに作業担当者自身でその作業場所における作業内容情報を取得させることができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などは、作業者の割り当て処理をあまり手間をかけずに行うことができると共に、作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0028】
本発明の第11局面に係る農作物生産管理システムは、情報端末とサーバとを備える。情報端末は、情報コード読取部を有する。情報コード読取部は、情報コードを読取り可能である。サーバは、データベースを有する。データベースは、作業者識別情報と作業場所識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、情報端末は、作業場所識別情報を含み表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、作業場所識別情報を取得すると共に、作業場所識別情報と作業者識別情報とをサーバに送信する。サーバは、受信した作業者識別情報と作業場所識別情報とをそれぞれデータベースに照合し、作業者識別情報と作業場所識別情報との両方に関連付けられる作業内容情報を情報端末に送信する。そして、情報端末は、作業内容情報を表示する。
【0029】
特許文献1に開示される発明では、農作業管理者などは、作業者がどのような作業を担当するかなどの作業内容情報を策定し、作業内容情報を作業者毎に伝える必要がある。このため、農作業管理者などから、「多数の作業者に作業内容情報を伝えるのは手間と時間とがかかる」との声が上がっている。
【0030】
上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0031】
本発明の第12局面に係る情報処理方法は、読取ステップと第1送信ステップと第2送信ステップと表示ステップとを備える。読取ステップでは、情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末において、情報コード読取部が、作業場所識別情報を含む情報コードを読取る。第1送信ステップでは、情報端末は、情報コードから作業場所識別情報を取得し、作業場所識別情報と作業者識別情報とをサーバに送信する。第2送信ステップでは、作業者識別情報と作業場所識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するサーバは、受信した作業者識別情報と作業場所識別情報とをそれぞれデータベースに照合し、作業者識別情報と作業場所識別情報の両方に関連付けられる作業内容情報を情報端末に送信する。表示ステップでは、情報端末は、作業内容情報を表示する。
【0032】
特許文献1に開示される発明では、農作業管理者などは、作業者がどのような作業を担当するかなどの作業内容情報を策定し、作業内容情報を作業者毎に伝える必要がある。このため、農作業管理者などから、「多数の作業者に作業内容情報を伝えるのは手間と時間とがかかる」との声が上がっている。
【0033】
上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0034】
本発明の第13局面に係る農作物生産管理システムは、第1局面から第3局面のいずれか1局面に係る農作物生産管理システムであって、携帯端末をさらに備える。携帯端末は、情報コード読取部を有する。情報コード読取部は、情報コードを読取り可能である。また、サーバは、データベースを有する。データベースは、作業担当者の識別情報と作業場所の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、携帯端末は、作業場所の識別情報を含み表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、作業場所の識別情報を取得すると共に、作業場所の識別情報と作業担当者の識別情報とをサーバに送信する、サーバは、受信した作業担当者の識別情報と作業場所の識別情報とをそれぞれデータベースに照合し、作業担当者の識別情報と作業場所の識別情報との両方に関連付けられる作業内容情報を携帯端末に送信する。そして、携帯端末は、作業内容情報を表示する。
【0035】
上記構成によれば、作業場所に設定された優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てることができると共に、農作業管理者などを介さずに作業担当者自身でその作業場所における作業内容情報を取得させることができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などは、作業者の割り当て処理をあまり手間をかけずに行うことができると共に、作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態に係る農作物生産管理システムの全体構成を示すイメージ図である。
図2】本発明の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る作業マスタデータを示すイメージ図である。
図4】本発明の実施形態に係る作業実績データを示すイメージ図である。
図5】本発明の実施形態に係るシフト希望データを示すイメージ図である。
図6】本発明の実施形態に係る区画データを示すイメージ図である。
図7】本発明の実施形態に係る割り当てデータを示すイメージ図である。
図8】本発明の実施形態に係る端末の構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態に係る農作業に関する計画立案の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態に係るシフト希望シートのイメージ図である。
図11】本発明の実施形態に係る農作業の短期計画作成の処理の流れを示すフローチャートである。
図12図11に示すステップS420の処理の流れを示すフローチャートである。
図13図11に示すステップS440の処理の流れを示すフローチャートである。
図14図11に示すステップS460の処理の流れを示すフローチャートである。
図15】本発明の実施形態に係る端末において優先順位が自動設定される流れを示すイメージ図である。
図16】本発明の実施形態に係る端末において優先順位を設定する流れを示すイメージ図である。
図17】本発明の実施形態に係る端末の自動人員配置による画面推移を示すイメージ図である。
図18】本発明の実施形態に係る端末のドラッグアンドドロップによる画面推移を示すイメージ図である。
図19】本発明の実施形態に係る農作物生産管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図20】変形例(H)に係る作業関連データを示すイメージ図である。
図21】変形例(H)に係る農作業開始前および農作業終了後に行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図22図21に示すステップS480の処理の流れを示すフローチャートである。
図23】変形例(H)に係る作業者端末の表示画面を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0038】
<農作物生産管理システムの全体構成>
農作物生産管理システム1は、図1に示されるように、主たる装置として、農作業の管理のためのサービスを提供するためのサーバ100、検知器200、端末300などから構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0039】
1.サーバ
サーバ100は、インターネットに接続され、農作業の管理のためのサービスを提供する。サーバ100は、図2に示されるように、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0040】
(1)CPU
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。例えば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、図11の処理などを実現する。
【0041】
(2)メモリ
メモリ120は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行される人員配置プログラムを含む種々のプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、作業マスタデータ121、作業実績データ122、シフト希望データ123、区画データ124、その他の本発明の実施形態に係るサービスに利用されるデータなどを記憶する。
【0042】
作業マスタデータ121は、図3に示されるように本発明の実施形態において、作業名、平均的な作業スピード、例えば通常のレベルの作業者が1時間に完了できるレーンの数、などの対応関係を農作業毎に格納する。
【0043】
作業実績データ122は、図4に示されるように本発明の実施形態において、作業者としての従業員、作業日、作業の種類、作業の時間、作業のスピード、例えば作業者が実際に1時間で作業が完了できたレーンの数、レーンの識別情報などの対応関係を格納する。
【0044】
シフト希望データ123は、図5に示されるように本発明の実施形態において、作業者としての従業員、日付、作業に参加することが可能な時間帯、作業に参加する時間などの対応関係を格納する。
【0045】
区画データ124は、図6に示されるように本発明の実施形態において、区画名、区画に含まれるエリアの広さ、例えばレーンの数、レーンの識別情報などの対応関係を区画毎に格納する。
【0046】
割り当てデータ125は、図7に示されるように本発明の実施形態において、既に作業を割り当てられている作業者や時間帯などの対応関係を日付毎や区画毎や作業毎に格納する。
【0047】
(3)操作部
操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0048】
(4)通信インターフェイス
通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して、端末300などの他の装置にCPU110からのデータを送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して端末300などの他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
【0049】
<サーバ100による情報処理>
次に、本発明の実施形態に係るサーバ100における情報処理について図11を参照して説明する。サーバ100のCPU110は、メモリ120に格納されている人員配置プログラムに従って、通信インターフェイス160を介して端末300とデータをやり取りしながら以下の処理を実行する。
【0050】
(ステップS401)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、作業予定日を受け付ける。例えば、農場の管理者などは、端末300を利用して、作業予定日を選択する。
【0051】
(ステップS402)
CPU110は、シフト希望データ123を参照して、作業予定日に出勤することを希望する作業者(以下、「出勤希望者」という)が作業を希望する時間帯および出勤希望者の作業時間を読み出す。より詳細には、CPU110は、シフト希望データ123を参照して、図15図18に示されるように、出勤希望者をエリア332Aに表示して、作業予定日に出勤することを希望しない作業者をエリア332Bに表示するための画面データを作成する。なお、この画面データには、自動人員配置を受け付けるための自動人員配置ボタン332Cや、作業場所(なお、本明細書では、作業場所には作業区画の意味が含まれているものとする。)毎の優先順位を設定するための優先順位設定ボタン337、優先順位表示エリア338A,338Bなども表示される。
【0052】
(ステップS403)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、作業予定日の作業の種類の指定などを受け付ける。例えば、農場の管理者などは、端末300を利用して、複数の作業から「収穫」を選択する。
【0053】
(ステップS404)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、作業を完了するまでに必要な作業必要量の入力を受け付ける。例えば、農場の管理者などは、端末300に100レーンを登録する。
【0054】
(ステップS405)
CPU110は、作業場所毎に優先順位を設定する。より詳細には、CPU110は、図15(A)に示されるように、通信インターフェイス160を介して端末300から、優先順位設定ボタン337をマウスポインタ335でクリックする操作を受け付ける。そして、CPU110は、AI(Artificial Intelligence)によって、例えば、「作業場所毎の長期計画(後述)、中期計画(後述)とその作業場所毎における現在の進捗度との関係」や、「作業場所毎の優先順位の推移履歴(例えば、ある作業場所では優先順位の高低が繰り返されている、ある作業場所ではある時期に優先順位が高くなる等)」や、「作業遂行能力の高い出勤希望者が普段どの作業場所に割り当てられているか」などを学習して、作業場所毎に優先順位を自動的に設定する。そして、CPU110は、図15(B)に示されるように、優先順位表示エリア338A,338Bに優先順位が設定された画面データを作成する。
【0055】
また、CPU110は、図16(A)→(B)に示されるように、通信インターフェイス160を介して端末300から、優先順位表示エリア338A,338Bをマウスポインタ335でクリックして優先順位を入力する操作を受け付けることもできる。この場合、CPU110は、端末300から入力された優先順位を基に作業場所毎に優先順位を設定する。なお、全ての優先順位表示エリアにおいて優先順位が端末300から入力されてもよいし、一部の優先順位表示エリアだけにおいて優先順位が端末300から入力されてもよい。
【0056】
なお、CPU110は、上述したAIによる優先順位の自動設定を行った後であっても、通信インターフェイス160を介して端末300から、上述した優先順位表示エリア338A,338Bをマウスポインタ335でクリックして優先順位を入力する操作を受け付け、入力された優先順位を作業場所毎に設定することができる。かかる場合、CPU110は、端末300から入力された優先順位を基に、作業場所毎の優先順位の再設定を行う。例えば、A,B,Cの3つの作業場所がある場合に、AIによる優先順位の自動設定によって、Aが優先順位1位、Bが優先順位2位、Cが優先順位3位に設定されたとする。そして、Cの優先順位表示エリアをマウスポインタ335でクリックして優先順位を1位とする端末300からの操作が行われた場合、CPU110は、Cを優先順位1位に設定し直す。そして、CPU110は、Aを優先順位2位に繰り下げ、Bを優先順位3位に繰り下げて設定し直す。
【0057】
なお、CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、上述した一部の優先順位表示エリアをマウスポインタ335でクリックして優先順位を入力する操作を受け付け、入力された優先順位を作業場所毎に設定した後であっても、上述したAIによる優先順位の自動設定を行うことができる。かかる場合、CPU110は、端末300から入力された優先順位が設定された作業場所以外の作業場所において、AIによる優先順位の自動設定を行う。例えば、A,B,Cの3つの作業場所がある場合に、Cの優先順位表示エリアをマウスポインタ335でクリックして優先順位を1位とする端末300からの操作が行われたとする。そして、優先順位設定ボタン337をマウスポインタ335でクリックする操作が行われた場合、CPU110は、AとBとに優先順位を自動的に設定する。
【0058】
(ステップS406)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、目標とする人員充足率(以下、「目標人員充足率」という)の最大値および最小値の入力を受け付ける。より詳細には、CPU110は、図17(A)に示されるように、通信インターフェイス160を介して端末300から、自動人員配置ボタン332Cをマウスポインタ335でクリックする操作を受け付ける。そして、CPU110は、図17(B)に示されるように、自動人員配置の方法などを選択するための自動人員配置ウィンドウ336の画面データを作成する。そして、CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、目標人員充足率の最大値および最小値の入力を受け付ける。なお、ここで、入力される目標人員充足率の最大値および最小値は、全ての作業場所で共通の値となっている。
【0059】
(ステップS407)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、作業場所毎に設定した優先順位を基に出勤希望者に作業を割り当てるための自動人員配置の命令を受け付ける。より詳細には、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、図17(B)に示される自動人員配置の方法を示すボタン336Dのいずれか1つをマウスポインタ335でクリックする端末300からの操作を受け付ける。そして、CPU110は、クリックされたボタンに応じてステップS420、ステップS440およびステップS460のどの処理を実行するかを判断する。
【0060】
-ステップS420における処理-
図17(B)で示される「作業スピード順」が選択された場合(CPU110がS420の処理を実行する場合)、CPU110は、作業実績データ122を参照して、図12に示されるように、出勤希望者の過去x日間分(例えば、過去1週間分)の作業スピードの平均値を計算する(ステップS421)。なお、CPU110は、作業実績データ122に過去の作業スピードが蓄積されていない場合、作業マスタデータ121から標準的な作業スピードを取得してもよい。
【0061】
CPU110は、出勤希望者の作業スピードが速い順に出勤希望者を順位付けして、作業スピードが速い順に出勤希望者を並べたリストを作成する(ステップS422)。
【0062】
CPU110は、n(n=1,2,3,・・・)の値を1に初期化する(ステップS423)。
【0063】
CPU110は、優先順位n位の作業場所を選択する(ステップS424)。上述の通り、ステップS423においてnが1に初期化されているため、CPU110は、まずは優先順位1位の作業場所から出勤希望者を割り当てることになる。
【0064】
CPU110は、m(m=1,2,3,・・・)の値を1に初期化する(ステップS425)。
【0065】
CPU110は、作成したリストに基づいて、順位の最も高い順位から順に出勤希望者をm人選択する(ステップS426)。より詳細には、CPU110は、ステップS426における処理が1回目である場合、順位が1番高い出勤希望者を選択し、選択した1人の出勤希望者に作業を割り当てる。そして、CPU110は、ステップS430(後述)にてYESである場合、2回目のステップS426における処理を実行する。このとき、CPU110は、順位が1番高い出勤希望者および順位が2番目に高い出勤希望者を選択し、選択した2人の出勤希望者に作業を割り当てることになる。つまり、ステップS426における処理がm回目の場合、CPU110は、順位が1~m番目に高いm人の出勤希望者を選択し、選択したm人の出勤希望者に作業を割り当てることになる。
【0066】
CPU110は、人員充足率を計算する(ステップS427)。まず、CPU110は、選択した出勤希望者の作業可能量を計算する。本発明の実施形態において、CPU110は、(作業スピード)×(作業時間)=(作業可能量)を計算する。そして、本発明の実施形態において、CPU110は、(選択した出勤希望者全員分の作業可能量)÷(作業必要量)=(人員充足率)を計算する。
【0067】
CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最大値より小さい場合(ステップS428にてNOである場合)、ステップS430の処理を実行する。
【0068】
CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最大値より大きい場合(ステップS428にてYESである場合)、ステップS429の処理を実行する。
【0069】
ステップS429において、CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最大値より小さくなるように、選択した出勤希望者の作業時間を削減する。
【0070】
CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最小値より小さい場合(ステップS430にてYESである場合)、mをm+1に更新(ステップS431)した後にステップS426からの処理を繰り返す。
【0071】
CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最小値より大きい場合(ステップS430にてNOである場合)、ステップS432の処理を実行する。
【0072】
CPU110は、nとステップS405で優先順位を設定した作業場所の数が同じでない場合(ステップS432にてNOである場合)nをn+1に更新し、ステップS426で選択した出勤希望者を作成したリストから削除する(ステップS433)。そして、CPU110は、ステップS424からの処理を繰り返す。ここでの処理をより詳細に説明するために、例えば、優先順位を設定した作業場所の数が2つである場合を想定する。上述の通り、nの初期値は1であるため、まず優先順位1位の作業場所に、リストにおける順位が1~m番目に高いm人の出勤希望者が割り当てられている。そして、n(値:1)と優先順位を設定した作業場所の数(値:2)が同じでないため、CPU110はnをn+1(値:2)に更新する。そして、CPU110は、リストにおける順位が1~m番目である出勤希望者をリストから削除する(すなわち、リストには、順位がm+1番目以降の出勤希望者が残されることになる。)。そして、nが2に更新されたので、CPU110は、次に、優先順位2位の作業場所に出勤希望者を割り当てることになる。なお、ここで、優先順位2位の作業場所には、優先順位1位の作業場所に割り当てられた出勤希望者を削除した後のリストにおいて、順位が1~m番目に高いm人の出勤希望者が割り当てられる。
【0073】
CPU110は、nの値とステップS405で優先順位を設定した作業場所の数が同じである場合(ステップS432にてYESである場合)、ステップS420における処理を終了し、図11に示されるようにステップS408の処理を実行する。
【0074】
-ステップS440における処理-
図17(B)で示される「累積作業時間順」が選択された場合(CPU110がS440の処理を実行する場合)、CPU110は、作業実績データ122を参照して、図13に示されるように出勤希望者の過去x日間分(例えば、過去1週間分)の作業スピードの平均値を計算する(ステップS441)。なお、CPU110は、作業実績データ122に過去の作業スピードが蓄積されていない場合、作業マスタデータ121から標準的な作業スピードを取得してもよい。
【0075】
CPU110は、作業実績データ122を参照して、出勤希望者の累積作業時間を計算する(ステップS442)。
【0076】
CPU110は、出勤希望者の累積作業時間が長い順に出勤希望者を順位付けして、累積作業時間が長い順に出勤希望者を並べたリストを作成する(ステップS443)。
【0077】
CPU110は、ステップS444~S454の処理を実行する。なお、ここで、ステップS444~S454の処理は上述したステップS423~S433の処理と同一であるため、ステップS444~S454の処理の説明を省略する。
【0078】
-ステップS460における処理-
図17(B)で示される「作業スピード+累積作業時間順」が選択された場合(CPU110がS460の処理を実行する場合)、CPU110は、作業実績データ122を参照して、図14に示されるように出勤希望者の過去x日間分(例えば、過去1週間分)の作業スピードの平均値を計算し、作業スピードが速い順に出勤希望者を順位付けして、その順位を点数とする(ステップS461)。つまり、本発明の実施形態において、CPU110は、作業スピードが速い順に順位付けをして、作業スピードがX(1,2,3,・・・)位であれば出勤希望者にX点をつける。なお、CPU110は、作業実績データ122に過去の作業スピードが蓄積されていない場合、作業マスタデータ121から標準的な作業スピードを取得してもよい。
【0079】
CPU110は、作業実績データ122を参照して、出勤希望者の累積作業時間を計算し、累積作業時間が長い順に出勤希望者を順位付けして、その順位を点数とする(ステップS462)。つまり、本発明の実施形態において、CPU110は、累積作業時間が長い順に順位付けをして、累積作業時間がY(1,2,3,・・・)位であれば出勤希望者にY点をつける。
【0080】
CPU110は、ステップS461における処理で得た点数とステップS462における処理で得た点数とを加算する(ステップS463)。本発明の実施形態において、CPU110は、上述したXとYとを加算する。
【0081】
CPU110は、ステップS463において演算した加算値が小さい順に出勤希望者を順位付けして、加算値が小さい順に出勤希望者を並べたリストを作成する(ステップS464)。本発明の実施形態において、CPU110は、上述したXとYの加算値が小さい順に出勤希望者を順位付けして、加算値が小さい順に出勤希望者を並べたリストを作成する。
【0082】
CPU110は、ステップS465~S475の処理を実行する。なお、ここで、ステップS465~S475の処理は上述したステップS423~S433の処理と同一であるため、ステップS465~S475の処理の説明を省略する。
【0083】
(ステップS408)
図11に戻って、CPU110は、選択された自動人員配置の方法の処理結果を表示するための画面データを作成する。より詳細には、CPU110は、図17(C)に示されるように、選択された自動人員配置の方法により作業が割り当てられた出勤希望者をエリア331A、331Bに表示するための画面データを作成する。また、CPU110は、人員充足率を示すバー333A、333Bに作業が割り当てられた出勤希望者による人員充足率を表示するための画面データを作成する。
【0084】
(ステップS409)
最後に、CPU110は、ステップS408の処理結果に対して通信インターフェイス160を介した端末300からの農場の管理者などの承認を受け付けた場合(ステップS409においてYESである場合)、今回の処理を終了する。また、CPU110は、ステップS408の処理結果に対して通信インターフェイス160を介した端末300からの農場の管理者などの拒否を受け付けた場合(ステップS409においてNOである場合)、ステップS407からの処理を繰り返す。
【0085】
これらの処理のほかにも、図11に示されていないが、CPU110は、ステップS408の処理結果に対して通信インターフェイス160を介した端末300からの農場の管理者などの承認を受け付けた場合(ステップS409においてYESである場合)、処理を終了する前に通信インターフェイス160を介して端末300からの作業者の追加命令および作業の割り当てのキャンセル命令を受け付けることができる。より詳細には、CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300からのドラッグアンドドロップ操作を受け付ける。そして、CPU110は、図18(A)→(B)→(C)に示されるように農場の管理者などが端末300を用いて選択した出勤希望者をエリア332A、332Bからエリア331A、331Bに表示し直して作業を割り当て、人員充足率を示すバー333A、333Bを更新する。また、CPU110は、図18(C)→(B)→(A)に示されるように農場の管理者などが端末300を用いて選択した作業を割り当てられた出勤希望者をエリア331A、331Bからエリア332A、332Bに表示し直して作業の割り当てをキャンセルし、人員充足率を示すバー333A、333Bを更新する。
【0086】
また、図15図18に示されるように、CPU110は、割り当てデータ125を参照することによって、端末300の前日ボタン334Aや前々日ボタン334Bに応じて対象の日付の前日や前々日の作業に割り当てられている1または複数の出勤希望者を読み出して、当該情報を端末300に提供する。
【0087】
2.検知器
検知器200は、農場の作物レーンの端や農作業エリアの端などに設置されるものである。例えば、検知器200は、(a)単なるQRコード(登録商標)などの情報コードを表示する看板や、(b)QRコード(登録商標)などの情報コードを発行して表示する装置であって、作業者端末500が情報コードを読み取ることによって作業者が所定の量の作業を開始または終了したことを検知するためのものである。あるいは、検知器200は、農場の作物レーンの端や農作業エリアの端などに設置され、所定の作業が開始または終了した農作業者を検知したり識別したりする。例えば、検知器200は、作業服などに取り付けられるRFIDを検知する近距離無線通信機であったり、作業者端末500の画面のQRコード(登録商標)などの情報コードを読み取るための画像センサであったり、作業者の顔を検知するための画像センサであってもよい。ただし、作業者の作業スピードは、検知器200によって作業の開始または終了を検知する方法に限らず、管理者などが直接的に作業者の作業スピードに関する情報を端末300に入力するものであってもよい。
【0088】
3.端末
端末300は、農作業や農場の管理者などに使用され、農作業の予定を作成したり確認したりするためのものである。本発明の実施形態においては、端末300は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどによって実現される。また、端末300は、ルータ400、インターネット、キャリア網などを介して、サーバ100が提供する各種のサービスを利用可能である。端末300は、図8に示されるように、主たる構成要素として、CPU310、メモリ320、ディスプレイ330、操作部340、通信インターフェイス360、スピーカ370などを含む。
【0089】
(1)CPU
CPU310は、メモリ320あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、端末300の各部を制御する。
【0090】
(2)メモリ
メモリ320は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ320は、CPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したデータ、操作部340を介して入力されたデータなどを記憶する。
【0091】
(3)ディスプレイ
ディスプレイ330は、CPU310からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。例えば、CPU310は、通信インターフェイス360を介してサーバ100から受信したテキストや画像などに基づいて、図15図18に示されるような農作業に関する人員の割り当て操作のための各種情報をディスプレイ330に表示する。
【0092】
(4)操作部
操作部340は、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU310に入力する。なお、ディスプレイ330および操作部340は、タッチパネルを構成してもよい。
【0093】
(5)通信インターフェイス
通信インターフェイス360は、無線LAN通信あるいは有線LANなどの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイス360は、有線通信あるいは無線通信によってサーバ100などの他の装置との間でデータを送受信する。例えば、図11のサーバ100の処理に合わせて、CPU310は、操作部340を介したクリック命令、ドラッグアンドドロップ命令、その他の各種の入力情報を、通信インターフェイス360を介してサーバ100に送信したり、通信インターフェイス360を介してサーバ100から受信したデータに基づいてディスプレイ330に図15図18に示されるような画面を表示したりする。
【0094】
(6)スピーカ
スピーカ370は、CPU310からの信号に基づいて、音声を出力する。
【0095】
4.作業者端末
作業者端末500は、作業者などに使用され、農作業の予定を確認したり、作業時間情報などをサーバ100にアップロードしたりするためのものであり、図1に示されるように、サーバ100や検知器200などと通信可能である。本発明の実施形態において、作業者端末500は、例えば、タブレット端末、スマートフォンなどによって実現される。また、作業者端末500は、インターネット、キャリア網などを介して、サーバ100が提供する各種のサービスを利用可能である。作業者端末500は、主たる構成要素として、CPU、メモリ、ディスプレイ、操作部、通信インターフェイス、撮影部などを含む。CPUは、メモリあるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、作業者端末500の各部を制御する。メモリは、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリは、CPUによって実行されるプログラムや、CPUによるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したデータ、操作部を介して入力されたデータなどを記憶する。ディスプレイは、CPUからの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。操作部は、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、作業者からの命令を受け付けて、当該命令をCPUに入力する。なお、ディスプレイおよび操作部は、タッチパネルを構成することが好ましい。通信インターフェイスは、無線LAN通信などの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイスは、無線通信などによってサーバ100などの他の装置との間でデータを送受信する。撮影部は、例えば、コードリーダやカメラであって、情報コードを読取るために使用される。
【0096】
<本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1の動作概要>
ここでは、図9を参照して、本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1の全体的な動作概要について説明する。まず、農場の管理者などが、サーバ100から提供される農作業管理サービスを利用しながら、自身の端末300を用いて自身の農場に関する数か月から1年程度の単位の長期計画を策定する(ステップS100)。
【0097】
そして、入力された長期計画に基づいて、サーバ100から提供される農作業管理サービスを利用しながら、農場の管理者などが、端末300を用いて、1から数週間単位の中期計画を策定する(ステップS200)。
【0098】
そして、端末300は、農場の作業者毎に入力されたシフトの希望に基づいてシフト予定データを作成する(ステップS300)。ここでは、農場の管理者などが、端末300を用いて、農場の作業者毎の、作業への参加が可能な日時に関する情報や作業への参加が不可能な日時に関する情報などをサーバ100にアップロードする。例えば、作業者は、図3に示されるようなシフト希望シートに、作業の参加を希望する日時を書き込んでもよい。この場合、農場の管理者などが、端末300や他のスキャナーなどを用いて当該シフト希望シートを読み込んで、端末300またはサーバ100で画像解析をすることによって、作業者毎のシフトの希望をサーバ100に自動的に蓄積させる。
【0099】
そして、農場の管理者などは、中期計画や各作業者のシフトの希望に基づいて、サーバ100から提供される農作業管理サービスを利用しながら、自身の端末300を用いて1から数日単位の短期計画を策定する(ステップS400)。本発明の実施形態においては、短期計画は、毎時間帯に行うべき作業を特定したり、毎時間帯に参加する作業者を割り当てたりするものである。なお、短期計画の策定については、後述する。
【0100】
その後、実際の作業の結果がサーバ100にアップロードされる(ステップS500)。本発明の実施形態において、作業者毎の所定量の作業に実際にかかった時間などが、作業の種類毎に検知器200などを利用して計測され、自動的にサーバ100にアップロードされる。そして、サーバ100は、アップロードされた実際の作業の結果をもとに作業実績データ122などを更新する。なお、サーバ100は、実際の作業の結果がアップロードされた直後に作業実績データ122を更新してもよいし、図17(B)に示されるように農場の管理者などがマウスポインタ335を利用して自動人員配置ボタン332Cをクリックした際に作業実績データ122を更新してもよい。また、サーバ100は、作業者毎の所定量の作業に実際にかかった時間などを作業の種類毎に限らず、天候毎、時間帯毎、気温毎などに蓄積してもよい。
【0101】
その他、病害虫に関する記録や、収穫や出荷、売上の記録などがサーバ100にアップロードされる(ステップS600、S700)。なお、ステップS500、S600およびS700おいて、これまでの入力データはまとめてサーバ100にアップロードされてもよいし、ステップ毎に入力データがアップロードされてもよいし、1つのデータを入力するたびに当該データがサーバ100にアップロードされて当該データを反映したWebページを端末300が表示し直してもよい。
【0102】
その後、サーバ100および端末300において、まだ中期計画の作成日ではない場合(ステップS800にてNoである場合)、短期計画の策定の処理が繰り返される(ステップS400)。ステップS400において、サーバ100は、図11に示される上述した一連の処理を実行する。
【0103】
そして、農場の管理者などからの終了操作(ステップS900にてYESである場合)を受け付けると今回の作業は終了し、農場の管理者などからの次の中期計画策定のための命令(ステップS900にてNOである場合)を受け付けるとステップS200またはステップS300からの処理が繰り返される。
【0104】
特に、本発明の実施形態において、端末300は、短期計画の策定のために、図15図18に示されるような画面を表示する。まず、端末300は、出勤希望者を表示するエリア332Aと、作業予定日に出勤することを希望していない作業者を表示するエリア332Bとを表示する。また、端末300は、マウスポインタ335でクリック可能な自動人員配置ボタン332C、マウスポインタ335でクリック可能な優先順位設定ボタン337、マウスポインタ335でクリック可能な優先順位表示エリア338A,338Bを表示する。また、端末300は、農場内の場所を表す区画の種類、作業の種類および作業を担当する予定の人員を区画毎に示すエリア331A、331Bを表示する。また、端末300は、エリア331A、331Bに表示の作業者が作業を行った場合の対象となる作業日における作業の人員充足率を示すバー333A、333Bを表示する。ここで、エリア332Aに表示されている出勤希望者は、特許請求の範囲に記載の「作業候補者」に相当し、エリア331A、331Bに表示されている作業者は、特許請求の範囲に記載の「作業担当者」に相当する。
【0105】
そして、図15(A)→(B)に示されるように、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して優先順位設定ボタン337をクリックすることによって、作業場所毎に優先順位が自動的に設定される。図15(A)→(B)では、A区画に優先順位1位、B区画に優先順位2位が自動的に設定されている。
【0106】
なお、図16(A)→(B)に示されるように、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して優先順位表示エリア338A,338Bをクリックしてキーボードなどの入力装置を利用して優先順位を入力することによって、作業場所毎に優先順位が設定されてもよい。図16(A)→(B)では、農場の管理者などによってA区画に優先順位1位、B区画に優先順位2位が入力されている。なお、農場の管理者などは、全ての優先順位表示エリアに優先順位を入力してもよいし、一部の優先順位表示エリアだけに優先順位を入力してもよい。
【0107】
なお、図示しないが、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して優先順位設定ボタン337をクリックすることによって、作業場所毎に優先順位が自動的に設定された後に、農場の管理者などがマウスポインタ335を利用して優先順位表示エリア338A,338Bをクリックしてキーボードなどの入力装置を利用して優先順位を入力することによって、作業場所毎に優先順位が再設定されてもよい。
【0108】
なお、図示しないが、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して一部の優先順位表示エリアをクリックしてキーボードなどの入力装置を利用して優先順位を入力することによって、一部の作業場所毎に優先順位が設定された後に、農場の管理者などがマウスポインタ335を利用して優先順位設定ボタン337をクリックすることによって、一部の作業場所以外の作業場所毎に優先順位が自動的に設定されてもよい。
【0109】
そして、図17(A)→(B)に示されるように、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して自動人員配置ボタン332Cをクリックすることによって、自動人員配置ウィンドウ336が端末300に表示される。なお、端末300は、目標人員充足率の最大値および最小値の入力を受け付けるエリア336A、336B、目標人員充足率の範囲を示すバー336Cおよび自動人員配置の方法を示すボタン336Dを自動人員配置ウィンドウ336内に表示する。自動人員配置の方法を示すボタン336Dは、3つのボタン(「作業スピード順」ボタン、「累積作業時間順」ボタン、「作業スピード+累積作業時間順」ボタン)からなる。自動人員配置の方法として、「出勤希望者毎の作業スピードに基づく方法」、「出勤希望者毎の累積作業時間に基づく方法」、「出勤希望者毎の作業スピードに応じて割り当てた数値と出勤希望者毎の累積作業時間に応じて割り当てた数値との演算値に基づく方法」の3種類からいずれか1つを選択することができる。
【0110】
次に、農場の管理者などは、キーボードなどの入力装置を用いてエリア336A、336Bに目標人員充足率の最大値および最小値を入力するか、マウスポインタ335を利用して目標人員充足率の範囲を示すバー336Cを調整する。前者の場合、農場の管理者などが入力した数値に基づいて、目標人員充足率の範囲を示すバー336Cが自動的に調整される。後者の場合、目標人員充足率の範囲を示すバー336Cの調整範囲に基づいて、エリア336A、336Bに自動的に数値が入力される。
【0111】
次に、図17(B)→(C)に示されるように、農場の管理者などは、マウスポインタ335を利用して自動人員配置の方法を示すボタン336Dから任意のボタンを1つ選択してクリックする(図17(B)では、「作業スピード順」ボタンがクリックされている。)。こうすることで、サーバ100は、選択された自動人員配置の方法に基づいて、上述した図12図14に示される各処理を実行し、エリア332Aに属する出勤希望者をエリア331Aに自動的に移動させる。そして、移動した出勤希望者に作業が割り当てられる。ここで、出勤希望者A~Fにおいて、A,C,D,F,B,Eの順に作業スピードが速いとする。図17(C)では、優先順位1位のA区画に出勤希望者A,Cが割り当てられ、優先順位2位のB区画に出勤希望者D,Fが割り当てられている。また、端末300またはサーバ100は、作業割り当てられた出勤希望者の作業遂行能力に応じて人員充足率を計算し、人員充足率を示すバー333Aを更新する。
【0112】
また、図18(A)→(B)→(C)に示されるように、農場の管理者などは、自動人員配置が行われた後に、マウスポインタ335を利用して、エリア332Aに属する出勤希望者をエリア331Aにドラッグアンドドロップすることによって出勤希望者に作業を割り当てることもできる。そして、端末300またはサーバ100は、新たに作業を割り当てた作業者の作業遂行能力に応じて人員充足率を計算し直し、人員充足率を示すバー333Aを更新する。
【0113】
逆に、図18(C)→(B)→(A)に示されるように、農場の管理者などは、自動人員配置が行われた後に、マウスポインタ335を利用して、エリア331Aの作業者をエリア332Aにドラッグアンドドロップすることによって作業の割り当てをキャンセルすることもできる。そして、端末300またはサーバ100は、作業に割り当てられた残りの作業者の作業遂行能力に応じて人員充足率を計算し直し、人員充足率を示すバー333Aを更新する。
【0114】
なお、本発明の実施形態においては、農場の管理者などは、上記の画面を見ながら、マウスポインタ335を利用して、エリア332Bの作業者をエリア331Aにドラッグアンドドロップすることも可能である。この場合、出勤を希望していない作業者に一時的に作業が割り当てられていることが分かるように、端末300またはサーバ100は、エリア331Aに置かれている作業を望まない作業者のアイコンの色や形状を、出勤を希望している作業者のそれらと異ならせることが好ましい。
【0115】
また、本発明の実施形態においては、図15図18に示されるように、前日ボタン334Aや、前々日ボタン334Bが表示されてもよい。そして、農場の管理者などが前日ボタン334Aを押すと、端末300が、サーバ100に対象の日付の前日の作業に割り当てられている作業者を問い合わせることによって、エリア331A,331Bに前日の作業に割り当てられている作業者が自動的に割り当てられる。同様に、農場の管理者などが前々日ボタン334Bを押すと、端末300が、サーバ100に対象の日付の前々日の作業に割り当てられている作業者を問い合わせることによって、エリア331A,331Bに前々日の作業に割り当てられている作業者が自動的に割り当てられる。これらの場合も、作業を望まない作業者のアイコンの色や形状を、出勤を希望している作業者のそれらと異ならせることが好ましい。農場の管理者などは、この状態からマウスポインタ335を利用して、エリア332A、332Bから新たに作業者をエリア331A、331Bに追加したり、エリア331A、331Bから作業者を外したりすることができる。
【0116】
以上の通り、本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1は、全体として、図19の機能ブロック図に示されるように、入力装置300A、長期計画作成部100A、中期計画作成部100B、短期計画作成部100C、シフト予定作成部100D、作業スピード計算部100E、作業記録入力部100F、病害虫入力部100G、収出荷・売上記録入力部100H、記憶部120A、画面生成部100K、表示装置300Bなどを有する。
【0117】
そして、入力装置300Aは、例えば、検知器200や端末300の操作部340などによって実現される。表示装置300Bは、例えば、端末300のディスプレイ330などによって実現される。記憶部120Aは、例えば、サーバ100のメモリ120などによって実現される。長期計画作成部100Aは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS100などに対応する。中期計画作成部100Bは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS200などに対応する。短期計画作成部100Cは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS400などに対応する。シフト予定作成部100Dは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS300などに対応する。作業スピード計算部100Eは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現される。作業記録入力部100Fは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS500などに対応する。病害虫入力部100Gは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS600などに対応する。収出荷・売上記録入力部100Hは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS700などに対応する。画面生成部100Kは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、端末300に提供するための、図15図18に示されるようなWebページを作成する。
【0118】
<本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1の特徴>
(1)
本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、複数の作業場所が存在し、特定の作業場所における作業を優先的に終わらせたい場合等において、優先順位の高い作業場所に、作業遂行能力が高い出勤希望者を優先的かつ自動的に割り当てることができる。このため、この農作物生産管理システム1では、上述のような場合等において出勤希望者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。
【0119】
(2)
本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、優先順位がサーバ100により自動設定処理される場合、農作業管理者などが作業場所毎に優先順位を設定する手間を省くことができる。また、この農作物生産管理システム1では、端末300からの入力処理によって優先順位が設定される場合、作業場所の優先順位を臨機応変に変更したり、予め決めた作業場所の作業を優先的に終了させることができる。
【0120】
(3)
本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、サーバ100は、端末300から、目標人員充足率の最大値および最小値の入力を受け付け、目標人員充足率の最大値および最小値の範囲内に収まるように、出勤希望者が作業場所に割り当てられる。このため、この農作物生産管理システム1では、優先順位の高い作業場所において出勤希望者が過剰に割り当てられることや、優先順位の高い作業場所において出勤希望者が不足するようなことが起きないように、農場の管理者などなどが設定した目標達成可能な作業量の範囲内で、優先順位の高い作業場所に出勤希望者を割り当てることができる
【0121】
<変形例>
(A)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、サーバ100のCPU110は、ステップS401、ステップS402、ステップS403、ステップS404の順に処理を行っていた。しかし、CPU110は、ステップS401からステップS404までの処理を順不同に行ってもよい。
【0122】
(B)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、通信インターフェイス160を介して端末300から入力される目標人員充足率の最大値および最小値は、全ての作業場所で共通の値となっていた。しかし、目標人員充足率の最大値および最小値は、作業場所毎に入力されてもよい。
【0123】
(C)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、CPU110は、ステップS432、ステップS453、ステップS474において、「nと優先順位を設定した作業場所の数とが同じかどうか」で分岐条件を判断していた。しかし、CPU110は、ステップS405で設定した優先順位を基に、「優先順位が最下位の作業場所に出勤希望者が割り当てられたかどうか」で分岐条件を判断してもよい。
【0124】
(D)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、CPU110は、ステップS433、ステップS454、ステップS475において、選択した出勤希望者をリストから削除していた。しかし、CPU110は、選択した出勤希望者をリストから削除せずに、優先順位2位以降の作業場所に出勤希望者を割り当ててもよい。例えば、CPU110は、優先順位1位の作業場所に作業遂行能力の順位が1~a(a=1,2,3,・・・)番目である出勤希望者を選択した場合、優先順位2位の作業場所に作業遂行能力の順位がa+1~a+b(b=1,2,3,・・・)番目である出勤希望者を選択し、優先順位3位の作業場所に作業遂行能力の順位がa+b+1番目以降の出勤希望者を選択することになる。
【0125】
(E)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、農場の管理者などは、マウスポインタ335を利用して、自動人員配置ボタン332C、優先順位設定ボタン337、優先順位表示エリア338A,338Bなどをクリックしていた。しかし、マウスポインタ335を利用してクリックする方法ではなく、「ボタンにカーソルを合わせてキーボードのエンターキーを押す方法」、「音声認識による方法」または「端末300がタッチパネルを構成する場合、タッチパネルを操作する方法」が用いられてもよい。
【0126】
(F)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1のサーバ100や端末300などの各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。例えば、図19に示される長期計画作成部100A、中期計画作成部100B、短期計画作成部100Cと、シフト予定作成部100D、作業スピード計算部100E、作業記録入力部100F、病害虫入力部100G、収出荷・売上記録入力部100H、画面生成部100Kが、端末300や他の装置によって実現されてもよい。
【0127】
あるいは、短期計画作成部100Cの一部、例えば、図11に示される処理の一部または全部が、端末300のCPU310が、メモリ320のプログラムを実行することによって実現されてもよい。この場合は、図11に示される処理の一部または全部を実行するためのプログラムを、端末300がインターネットなどを介してダウンロード可能であることが好ましい。
【0128】
(G)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1やプログラムなどは、農作業に関する人員の割り当て操作を行うためのものであったが、上記の技術は、他の人員の割り当て操作にも適用することができる。例えば、工場の人員配置や、飲食業やテーマパークなどのアルバイト人員の配置など、他の分野や他の目的のための人員の割り当て操作にも利用することができる。
【0129】
(H)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1は、農場の管理者などが策定した短期計画における作業内容情報を作業者が作業者端末500を用いて取得するための構成を採用してもよい。以下、図20図23を参照してこの構成について詳述する。なお、本変形例に係る農作物生産管理システムでは、上述した検知器200は、農場の作物レーンの端や農作業エリアの端などに設置されるものであって、(a)単なるQRコード(登録商標)などの情報コードを表示する看板や、(b)QRコード(登録商標)などの情報コードを発行して表示する装置に限られる。
【0130】
まず、図11に示される情報処理をサーバ100が行った後において、サーバ100から提供されるサービスに作業者端末500でログインがされると、作業者端末500は、図21に示されるように、サーバ100から提供されるサービスを実行する(ステップS501)。このサービスが実行されると、作業者端末500は、図23に示されるような画面を表示する。この段階では、開始ボタン500A、休憩開始ボタン500B、閉じるボタン500C、作業時間計測タイマ500Dが表示される。
【0131】
次に、作業者によって図23に示されるような開始ボタン500Aが押されると、作業者端末500は、サーバ100から提供される情報コードリーダアプリケーション、または、メモリに記憶する情報コードリーダアプリケーションを起動する。なお、開始ボタン500Aが押されると、作業者端末500は、開始ボタン500Aの代わりに終了ボタン(図示せず)を表示するようになる。
【0132】
次に、作業者端末500は、情報コードリーダアプリケーションを介して、検知器200が表示する情報コードを読取る(ステップS502)。情報コードには、作業場所毎に設定された作業場所識別情報が含まれる。なお、ここで、情報コードは、例えば、QRコード(登録商標)などの二次元コードや、バーコードなどの一次元コードであるが、QRコード(登録商標)であることが好ましい。
【0133】
次に、作業者端末500は、読取った情報コードから作業場所識別情報を取得すると共に、情報コードを読取った際に、情報コードを読取った時刻情報を取得する(ステップS503)。なお、ここで、作業場所識別情報は、作業区画の識別情報(例えば、A区画の識別情報)と、作業区画におけるレーンの識別情報(例えば、A区画のAAレーンの識別情報)とを含む。そして、情報コードを読取った時刻情報は、作業場所識別情報を取得した時刻情報ともいえる。時刻情報の取得のために、作業者端末500は、サーバ100から提供されるタイムスタンプアプリケーション、または、作業者端末500のメモリに記憶されるタイムスタンプアプリケーションを利用する。そして、作業者端末500は、時刻情報を取得すると、図23に示される作業時間計測タイマ500Dのカウントを開始する。
【0134】
次に、作業者端末500は、作業者識別情報をサーバ100に送信する(ステップS504)。なお、ここで、作業者識別情報は、作業者それぞれに割り当てられた識別情報(例えば、ログインID、名前、メールアドレス、電話番号など)、または、作業者端末500に固有の識別情報(例えば、デバイスID、MACアドレス、シリアル番号など)である。
【0135】
次に、サーバ100において、作業者識別情報の照合処理が実行される(ステップS480)。まず、サーバ100は、図22に示されるように、作業者識別情報を作業者端末500から受信する(ステップS481)。次に、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報を、メモリ120に記憶している作業関連データ126に照合する(ステップS482)。なお、ここで、作業関連データ126は、図20に示されるように、作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けている(作業場所識別情報、作業期間情報については後述する。)。すなわち、これらの情報がデータセット化されている。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットがある場合(ステップS483にてYESである場合)、そのデータセット内の作業内容情報を作業者端末500に送信する。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットが存在しない場合(ステップS483にてNOである場合)、照合が失敗したことを作業者端末500に送信する。
【0136】
次に、作業者端末500は、図21に示されるように、サーバ100から作業内容情報を受信して、表示する(ステップS505)。この際、作業者端末500は、図23に示されるように、開始ボタン500A、休憩開始ボタン500B、閉じるボタン500C、作業時間計測タイマ500D、休憩時間計測タイマ500Eに加えて、作業場所(例えば、作業区画や作業区画のレーン)および作業内容を表示する。なお、作業者端末500は、ステップS502において読み取った情報コードに対応するレーン(例えば、図23に示されるようなAAレーン)の情報(例えば、進捗など)を表示してもよい。
【0137】
その後、受信した作業内容情報を基に、作業者による作業が開始される。そして、作業者は、作業終了すると作業者端末500に表示される終了ボタンを押す。終了ボタンが押されると、作業者端末500は、サーバ100から提供される情報コードリーダアプリケーション、または、メモリに記憶する情報コードリーダアプリケーションを起動する。なお、情報コードリーダアプリケーションは、ステップS502から起動されたままであってもよい。
【0138】
その後、作業者端末500は、情報コードリーダアプリケーションを介して、検知器200が表示する情報コードを読取る。作業者端末500は、情報コードを読取った際に、情報コードを読取った時刻情報を取得する。時刻情報の取得には、サーバ100から提供されるタイムスタンプアプリケーション、または、作業者端末500のメモリに記憶されるタイムスタンプアプリケーションが利用される。そして、作業者端末500は、時刻情報を取得すると、図23に示される作業時間計測タイマ500Dのカウントを停止する。そして、作業者端末500は、作業時間計測タイマ500Dにより計測された作業時間情報をサーバ100に送信する。そして、作業者は、図23に示されるような閉じるボタン500Cを押し、サーバ100から提供されるサービスを終了する。なお、作業時間情報を受信したサーバ100は、その情報を使って作業実績データ122を作成・更新して作業者端末500に送信し、作業者端末500は、図23の下方に位置するような実績を表示してもよい。
【0139】
なお、図23に示されるように、作業者端末500は、休憩開始ボタン500Bを表示してもよい。休憩開始ボタン500Bが押されると、作業時間計測タイマ500Dのカウントが停止されると共に、休憩時間計測タイマ500Eのカウントが開始される。もしくは、休憩開始ボタン500Bが押されると、作業時間計測タイマ500Dのカウントは継続している状態で休憩時間計測タイマ500Eのカウントが開始される。この場合、作業時間計測タイマ500Dにより計測された作業時間情報がサーバ100に送信される際に、その作業時間情報から休憩時間計測タイマ500Eにより計測された休憩時間情報が差し引かれる。
【0140】
なお、上述のステップS505において、作業者端末500は、作業者識別情報をサーバ100に送信していた。しかし、作業者端末500は、作業者識別情報に加え、取得した時刻情報もサーバ100に送信してもよい。かかる場合、サーバ100は、作業者識別情報および時刻情報を作業者端末500から受信する。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報および時刻情報を、メモリ120に記憶している作業関連データ126に照合する。なお、かかる場合、作業関連データ126は、作業者識別情報と作業内容情報とに加え、「作業期間情報」および「受付期間情報」の少なくとも一方の情報も関連付けている(図20においては、一例として、「作業期間情報」が関連付けられている。)。すなわち、これらの情報がデータセット化されている。作業期間情報は、作業者が作業をする期間(例えば、9時00分から12時00分)を表すものである。受付期間情報は、例えば、「農作の管理者などが端末300を用いて作業期間情報に対して設定する期間情報」(例えば、農場の管理者などは、検知器200が表示する情報コードを作業者が読取ると思われる期間情報を設定する。)や、「作業期間情報に含まれる時刻情報が加工されて自動的に設定される期間情報」(例えば、その作業期間情報における開始時刻情報の前後の期間情報(例えば、開始時刻情報が9時である場合、8時50分から9時00分、9時00分から9時10分、8時50分から9時10分など))などである。そして、受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致し、かつ、受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットがある場合、サーバ100のCPU110は、そのデータセット内の作業内容情報を作業者端末500に送信する。そして、「受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致し、かつ、受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットが存在しない」場合、サーバ100のCPU110は、照合が失敗したことを作業者端末500に送信する。
【0141】
また、上述のステップS505において、作業者端末500は、作業者識別情報をサーバ100に送信していた。しかし、作業者端末500は、作業者識別情報に加え、取得した作業場所識別情報もサーバ100に送信してもよい。なお、例えば、サーバ100に作業場所識別情報として作業区画の識別情報のみが記憶されている場合、作業者端末500は、作業場所識別情報として作業区画の識別情報を送信することになる。そして、サーバ100は、作業者識別情報および作業場所識別情報を作業者端末500から受信する。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報および作業場所識別情報を、メモリ120に記憶している作業関連データ126に照合する。なお、かかる場合、作業関連データ126は、作業者識別情報と作業内容情報とに加え、作業場所識別情報も関連付けている(図20参照)。すなわち、これらの情報がデータセット化されている。そして、受信した作業者識別情報および作業場所識別情報の両方が作業関連データ126内の作業者識別情報および作業場所識別情報の両方と一致するデータセットがある場合、サーバ100のCPU110は、そのデータセット内の作業内容情報を作業者端末500に送信する。そして、「受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業場所識別情報が作業関連データ126内の作業場所識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業者識別情報および作業場所識別情報の両方が作業関連データ126内の作業者識別情報および作業場所識別情報の両方と一致するデータセットが存在しない」場合、サーバ100のCPU110は、照合が失敗したことを作業者端末500に送信する。
【0142】
なお、上述のステップS505において、作業者端末500は、作業者識別情報をサーバ100に送信していた。しかし、作業者端末500は、作業者識別情報に加え、取得した作業場所識別情報および時刻情報もサーバ100に送信してもよい。かかる場合、サーバ100は、作業者識別情報、作業場所識別情報および時刻情報を作業者端末500から受信する。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報、作業場所識別情報および時刻情報を、メモリ120に記憶している作業関連データ126に照合する。なお、かかる場合、作業関連データ126は、作業者識別情報と作業内容情報とに加え、作業場所識別情報と、「作業期間情報」および「受付期間情報」の少なくとも一方の情報とも関連付けている(図20においては、一例として、「作業期間情報」が関連付けられている。)。すなわち、これらの情報がデータセット化されている。「作業期間情報」および「受付期間情報」については、上述の通りである。そして、受信した作業者識別情報および作業場所識別情報の両方が作業関連データ126内の作業者識別情報および作業場所識別情報の両方と一致し、かつ、受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットがある場合、サーバ100のCPU110は、そのデータセット内の作業内容情報を作業者端末500に送信する。そして、「受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業場所識別情報が作業関連データ126内の作業場所識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業者識別情報および作業場所識別情報の両方が作業関連データ126内の作業者識別情報および作業場所識別情報の両方と一致し、かつ、受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットが存在しない」場合、サーバ100のCPU110は、照合が失敗したことを作業者端末500に送信する。
【0143】
なお、上述のステップS503において、作業者端末500は、読取った情報コードから作業場所識別情報を取得していた。しかし、作業者端末500は、作業場所識別情報を取得しなくてもよい。かかる場合、作業者端末500は、図23に示されるような作業場所を表示しない。
【0144】
なお、特許請求の範囲に記載の情報コード読取部は、例えば、作業者端末500の撮影部などによって実現される。また、特許請求の範囲に記載の時刻部は、例えば、作業者端末500のCPUがメモリのプログラムを実行することによって実現される。
【0145】
以上より、変形例(H)に係る農作物生産管理システムでは、作業者は、農場の管理者などを介さずに自身で、作業関連データ126内の作業内容情報を取得することができる。このため、変形例(H)に係る農作物生産管理システムでは、農場の管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。この作業関連データ126は、前述の短期計画に含まれるデータである。また、作業者が作業内容情報を入力する必要がないので、入力に要する作業者の手間や時間をなくすことができる。
【0146】
なお、上記変形例(A)~(H)は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用されてもよい。
【0147】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0148】
1 :農作物生産管理システム
100 :サーバ
110 :CPU
160 :通信インターフェイス
200 :検知器(表示部材)
300 :端末
300A :入力装置
300B :表示装置
310 :CPU
330 :ディスプレイ
336A :目標人員充足率の最大値
336B :目標人員充足率の最小値
336C :目標人員充足率の範囲を示すバー
337 :優先順位設定ボタン
338A :優先順位表示エリア
338B :優先順位表示エリア
360 :通信インターフェイス
500 :作業者端末(情報端末、携帯端末)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2021-04-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、
サーバと
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する携帯端末と
を備え、
前記端末は、作業が行われる作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを表示し、
前記作業場所には、優先順位が設定され、
前記サーバは、前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当て、
前記サーバは、前記作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有し、
前記携帯端末は、表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記作業担当者の識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記作業担当者の識別情報を前記データベースに照合し、前記作業担当者の識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記携帯端末に送信し、
前記携帯端末は、前記作業内容情報を表示する
農作物生産管理システム。
【請求項2】
前記データベースは、前記作業担当者の識別情報と前記作業場所の識別情報と前記作業内容情報とを関連付けて記憶し、
前記携帯端末は、作業場所の識別情報を含み表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記作業場所の識別情報を取得すると共に、前記作業場所の識別情報と前記作業担当者の識別情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記作業担当者の識別情報と前記作業場所の識別情報とをそれぞれ前記データベースに照合し、前記作業担当者の識別情報と前記作業場所の識別情報との両方に関連付けられる前記作業内容情報を前記携帯端末に送信する
請求項1に記載の農作物生産管理システム。
【請求項3】
端末と、情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する携帯端末と通信するための通信インターフェイスと、
プロセッサと
メモリと
を備え、
前記プロセッサは、前記通信インターフェイスを介して、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを前記端末に表示させ、
前記プロセッサは、前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当て、
前記メモリは、前記作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有し、
前記プロセッサは、表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記携帯端末から送信される前記作業担当者の識別情報を受信し、
前記プロセッサは、受信した前記作業担当者の識別情報を前記データベースに照合し、前記作業担当者の識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記携帯端末に送信し、
前記プロセッサは、前記作業内容情報を前記携帯端末に表示させる
サーバ。
【請求項4】
サーバにおける情報処理方法であって、
通信インターフェイスを介して、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを端末に表示させるステップと、
前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てるステップと
表示部材に表示される情報コードが情報コードを読取り可能である携帯端末の情報コード読取部に読取られると、前記携帯端末から送信される前記作業担当者の識別情報を受信するステップと、
受信した前記作業担当者の識別情報を、前記作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースに照合し、前記作業担当者の識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記携帯端末に送信するステップと、
前記作業内容情報を前記携帯端末に表示させるステップと
を備える情報処理方法。
【請求項5】
ディスプレイと、
作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを前記ディスプレイに表示させ、前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てるためのプロセッサと
前記作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するメモリと
を備え
前記プロセッサは、表示部材に表示される情報コードが情報コードを読取り可能である携帯端末の情報コード読取部に読取られると、前記携帯端末から送信される前記作業担当者の識別情報を受信し、
前記プロセッサは、受信した前記作業担当者の識別情報を前記データベースに照合し、前記作業担当者の識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記携帯端末に送信し、
前記プロセッサは、前記作業内容情報を前記携帯端末に表示させる
端末。
【請求項6】
ディスプレイと、プロセッサとを備える端末のためのプログラムであって、
作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを前記ディスプレイに表示させるステップと、
前記優先順位と前記作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、前記作業候補者を前記作業担当者として前記作業場所に割り当てるステップと
表示部材に表示される情報コードが情報コードを読取り可能である携帯端末の情報コード読取部に読取られると、前記携帯端末から送信される前記作業担当者の識別情報を受信するステップと、
受信した前記作業担当者の識別情報を、前記作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースに照合し、前記作業担当者の識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記携帯端末に送信するステップと、
前記作業内容情報を前記携帯端末に表示させるステップと
を前記プロセッサに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末と、
作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するサーバと
を備え、
前記情報端末は、表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記作業者識別情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記作業者識別情報を前記データベースに照合し、前記作業者識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、前記作業内容情報を表示する
農作物生産管理システム。
【請求項8】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末において、前記情報コード読取部に対して、情報コードを読取らせる読取ステップと、
前記情報端末に対して、作業者識別情報をサーバに送信させる第1送信ステップと、
前記作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有する前記サーバに対して、受信した前記作業者識別情報を前記データベースに照合させ、前記作業者識別情報に関連付けられる前記作業内容情報を前記情報端末に送信させる第2送信ステップと、
前記情報端末に対して、前記作業内容情報を表示させる表示ステップと
を備える情報処理方法。
【請求項9】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末と、
作業者識別情報と作業場所識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するサーバと
を備え、
前記情報端末は、作業場所識別情報を含み表示部材に表示される情報コードが前記情報コード読取部に読取られると、前記作業場所識別情報を取得すると共に、前記作業場所識別情報と前記作業者識別情報とを前記サーバに送信し、
前記サーバは、受信した前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報とをそれぞれ前記データベースに照合し、前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報との両方に関連付けられる前記作業内容情報を前記情報端末に送信し、
前記情報端末は、前記作業内容情報を表示する
農作物生産管理システム。
【請求項10】
情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末において、前記情報コード読取部に対して、作業場所識別情報を含む情報コードを読取らせる読取ステップと、
前記情報端末に対して、前記情報コードから前記作業場所識別情報を取得させ、前記作業場所識別情報と作業者識別情報とをサーバに送信させる第1送信ステップと、
前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有する前記サーバに対して、受信した前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報とをそれぞれ前記データベースに照合させ、前記作業者識別情報と前記作業場所識別情報の両方に関連付けられる前記作業内容情報を前記情報端末に送信させる第2送信ステップと、
前記情報端末に対して、前記作業内容情報を表示させる表示ステップと
を備える情報処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業の管理のための農作物生産管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末とサーバとを備える農作物生産管理システムであって、前記端末は、対象となる作業日に予定される作業を割り当てられた担当者を表す画像を第1のエリアに表示しつつ、作業割り当ての候補者を示す画像を第2のエリアに表示し、前記サーバは、前記候補者毎の作業遂行能力に基づいて前記第2のエリアの候補者を順位付けして前記順位に基づいて前記第2のエリアの候補者を表す画像を前記第1のエリアに自動的に移動させるための入力操作を受け付けて自動割当処理を実行し、前記自動割当処理に従って前記端末における前記第2のエリアの前記候補者を表す画像を前記第1のエリアに作業を割り当てられた担当者として表示する、農作物生産管理システムが過去に提案されている(例えば、特許第6632104号公報等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6632104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される発明では、端末からの入力操作が行われると、農作業に人員を割り当てる処理が自動的に行われる。このため、特許文献1に開示される発明では、作業可能な人員が多い場合であっても、人員の割り当てを迅速且つ容易に行うことができる。ところで、最近、農作業管理者などから、複数の作業場所や作業区画が存在する場合において「特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたいが、上述の発明では、優先的に終了したい作業場所や作業区画を手動で順番に選択しつつ作業者の割り当て処理を行う必要があり、少々手間がかかる」との声が上がっている。
【0005】
本発明の目的は、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる農作物生産管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1局面に係る農作物生産管理システムは、端末サーバおよび携帯端末を備える。端末は、作業が行われる作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを表示する。作業場所には、優先順位が設定される。サーバは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。携帯端末は、情報コード読取部を有する。情報コード読取部は、情報コードを読取り可能である。また、サーバは、データベースを有する。データベースは、作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、携帯端末は、表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、作業担当者の識別情報をサーバに送信する。サーバは、受信した作業担当者の識別情報をデータベースに照合し、作業担当者の識別情報に関連付けられる作業内容情報を携帯端末に送信する。そして、携帯端末は、作業内容情報を表示する。
【0007】
上記構成によれば、作業場所に設定された優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てることができる。このため、この農作物生産管理システムでは、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、優先順位の高い作業場所や作業区画に、作業遂行能力が高い作業者を優先的かつ自動的に割り当てることができる。したがって、この農作物生産管理システムでは、上述のような場合等において作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。なお、ここで、作業遂行能力は、例えば、「作業候補者毎の作業スピード」や「作業候補者毎の累積作業時間」などである。優先順位の高い作業場所や作業区画が、例えば、その作業を早急に終わらせて次の作業に移行しなければならない場所や、作物の収穫を早急に行わなければならない場所である場合、その場所に作業スピードが高い作業候補者を割り当てるのが有用である。また、優先順位の高い作業場所や作業区画が、例えば、農作業者のノウハウが必要な場所である場合、その場所に、長い累積作業時間を有する人員の割り当てるのが有用である。
【0008】
また、上記構成によれば、作業場所に設定された優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てることができると共に、農作業管理者などを介さずに作業担当者自身でその作業場所における作業内容情報を取得させることができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などは、作業者の割り当て処理をあまり手間をかけずに行うことができると共に、作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0009】
本発明の第2局面に係る農作物生産管理システムは、第1局面に係る農作物生産管理システムであって、データベースは、作業担当者の識別情報と作業場所の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、携帯端末は、作業場所の識別情報を含み表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、作業場所の識別情報を取得すると共に、作業場所の識別情報と作業担当者の識別情報とをサーバに送信する、サーバは、受信した作業担当者の識別情報と作業場所の識別情報とをそれぞれデータベースに照合し、作業担当者の識別情報と作業場所の識別情報との両方に関連付けられる作業内容情報を携帯端末に送信する。
【0010】
上記構成によれば、作業場所に設定された優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てることができると共に、農作業管理者などを介さずに作業担当者自身でその作業場所における作業内容情報を取得させることができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などは、作業者の割り当て処理をあまり手間をかけずに行うことができると共に、作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0011】
本発明の第3局面に係るサーバは、通信インターフェイスプロセッサおよびメモリを備える。通信インターフェイスは、端末と、携帯端末と通信する。携帯端末は、情報コード読取部を有する。情報コード読取部は、情報コードを読取り可能である。プロセッサは、通信インターフェイスを介して、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とを端末に表示させる。また、プロセッサは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。そして、メモリは、データベースを有する。データベースは、作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、プロセッサは、表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、携帯端末から送信される作業担当者の識別情報を受信し、受信した作業担当者の識別情報をデータベースに照合し、作業担当者の識別情報に関連付けられる作業内容情報を携帯端末に送信し、作業内容情報を携帯端末に表示させる。
【0012】
このため、このサーバでは、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。また、上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、このサーバでは、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0013】
本発明の第4局面に係る情報処理方法は、サーバにおける情報処理方法であって、第1ステップ第2ステップ、第3ステップ、第4ステップおよび第5ステップを備える。第1ステップでは、通信インターフェイスを介して、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とが端末に表示させられる。第2ステップでは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者が作業担当者として作業場所に割り当てられる。第3ステップでは、表示部材に表示される情報コードが情報コードを読取り可能である携帯端末の情報コード読取部に読取られると、携帯端末から送信される作業担当者の識別情報が受信される。第4ステップでは、受信した作業担当者の識別情報が、作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースに照合され、作業担当者の識別情報に関連付けられる作業内容情報が携帯端末に送信される。第5ステップでは、作業内容情報が携帯端末に表示させられる。
【0014】
このため、この情報処理方法では、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。また、上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この情報処理方法では、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0015】
本発明の第5局面に係る端末は、ディスプレイプロセッサおよびメモリを備える。プロセッサは、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とをディスプレイに表示させ、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。そして、メモリは、データベースを有する。データベースは、作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、プロセッサは、表示部材に表示される情報コードが情報コードを読取り可能である携帯端末の情報コード読取部に読取られると、携帯端末から送信される作業担当者の識別情報を受信し、受信した作業担当者の識別情報をデータベースに照合し、作業担当者の識別情報に関連付けられる作業内容情報を携帯端末に送信し、作業内容情報を携帯端末に表示させる。
【0016】
このため、この端末では、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。また、上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この端末では、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0017】
本発明の第6局面に係るプログラムは、ディスプレイおよびプロセッサを備える端末のためのプログラムであって、第1ステップ第2ステップ、第3ステップ、第4ステップおよび第5ステップをプロセッサに実行させる。第1ステップでは、プロセッサは、作業が行われて優先順位が設定される作業場所と、作業候補者と、作業担当者とをディスプレイに表示させる。第2ステップでは、プロセッサは、優先順位と作業候補者毎の作業遂行能力とに基づいて、作業候補者を作業担当者として作業場所に割り当てる。第3ステップでは、表示部材に表示される情報コードが情報コードを読取り可能である携帯端末の情報コード読取部に読取られると、携帯端末から送信される作業担当者の識別情報が受信される。第4ステップでは、受信した作業担当者の識別情報が、作業担当者の識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースに照合され、作業担当者の識別情報に関連付けられる作業内容情報が携帯端末に送信される。第5ステップでは、作業内容情報が携帯端末に表示させられる。
【0018】
このため、このプログラムでは、複数の作業場所や作業区画が存在し、特定の作業場所や作業区画における作業を優先的に終わらせたい場合等において、作業者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。また、上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、このプログラムでは、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0019】
本発明の第7局面に係る農作物生産管理システムは、情報端末とサーバとを備える。情報端末は、情報コード読取部を有する。情報コード読取部は、情報コードを読取り可能である。サーバは、データベースを有する。データベースは、作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、情報端末は、表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、作業者識別情報をサーバに送信する。サーバは、受信した作業者識別情報をデータベースに照合し、作業者識別情報に関連付けられる作業内容情報を情報端末に送信する。そして、情報端末は、作業内容情報を表示する。
【0020】
特許文献1に開示される発明では、農作業管理者などは、作業者がどのような作業を担当するかなどの作業内容情報を策定し、作業内容情報を作業者毎に伝える必要がある。このため、農作業管理者などから、「多数の作業者に作業内容情報を伝えるのは手間と時間とがかかる」との声が上がっている。
【0021】
上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0022】
本発明の第8局面に係る情報処理方法は、読取ステップと第1送信ステップと第2送信ステップと表示ステップとを備える。読取ステップでは、情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末において、情報コード読取部が、情報コードを読取る。第1送信ステップでは、情報端末は、作業者識別情報をサーバに送信する。第2送信ステップでは、作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するサーバは、受信した作業者識別情報をデータベースに照合し、作業者識別情報に関連付けられる作業内容情報を情報端末に送信する。表示ステップでは、情報端末は、作業内容情報を表示する。
【0023】
特許文献1に開示される発明では、農作業管理者などは、作業者がどのような作業を担当するかなどの作業内容情報を策定し、作業内容情報を作業者毎に伝える必要がある。このため、農作業管理者などから、「多数の作業者に作業内容情報を伝えるのは手間と時間とがかかる」との声が上がっている。
【0024】
上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この情報処理方法では、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0025】
本発明の第9局面に係る農作物生産管理システムは、情報端末とサーバとを備える。情報端末は、情報コード読取部を有する。情報コード読取部は、情報コードを読取り可能である。サーバは、データベースを有する。データベースは、作業者識別情報と作業場所識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶する。そして、情報端末は、作業場所識別情報を含み表示部材に表示される情報コードが情報コード読取部に読取られると、作業場所識別情報を取得すると共に、作業場所識別情報と作業者識別情報とをサーバに送信する。サーバは、受信した作業者識別情報と作業場所識別情報とをそれぞれデータベースに照合し、作業者識別情報と作業場所識別情報との両方に関連付けられる作業内容情報を情報端末に送信する。そして、情報端末は、作業内容情報を表示する。
【0026】
特許文献1に開示される発明では、農作業管理者などは、作業者がどのような作業を担当するかなどの作業内容情報を策定し、作業内容情報を作業者毎に伝える必要がある。このため、農作業管理者などから、「多数の作業者に作業内容情報を伝えるのは手間と時間とがかかる」との声が上がっている。
【0027】
上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この農作物生産管理システムでは、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【0028】
本発明の第10局面に係る情報処理方法は、読取ステップと第1送信ステップと第2送信ステップと表示ステップとを備える。読取ステップでは、情報コードを読取り可能である情報コード読取部を有する情報端末において、情報コード読取部が、作業場所識別情報を含む情報コードを読取る。第1送信ステップでは、情報端末は、情報コードから作業場所識別情報を取得し、作業場所識別情報と作業者識別情報とをサーバに送信する。第2送信ステップでは、作業者識別情報と作業場所識別情報と作業内容情報とを関連付けて記憶するデータベースを有するサーバは、受信した作業者識別情報と作業場所識別情報とをそれぞれデータベースに照合し、作業者識別情報と作業場所識別情報の両方に関連付けられる作業内容情報を情報端末に送信する。表示ステップでは、情報端末は、作業内容情報を表示する。
【0029】
特許文献1に開示される発明では、農作業管理者などは、作業者がどのような作業を担当するかなどの作業内容情報を策定し、作業内容情報を作業者毎に伝える必要がある。このため、農作業管理者などから、「多数の作業者に作業内容情報を伝えるのは手間と時間とがかかる」との声が上がっている。
【0030】
上記構成によれば、作業者は、農作業管理者などを介さずに自身で作業内容情報を取得することができる。このため、この情報処理方法では、農作業管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態に係る農作物生産管理システムの全体構成を示すイメージ図である。
図2】本発明の実施形態に係るサーバの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の実施形態に係る作業マスタデータを示すイメージ図である。
図4】本発明の実施形態に係る作業実績データを示すイメージ図である。
図5】本発明の実施形態に係るシフト希望データを示すイメージ図である。
図6】本発明の実施形態に係る区画データを示すイメージ図である。
図7】本発明の実施形態に係る割り当てデータを示すイメージ図である。
図8】本発明の実施形態に係る端末の構成を示すブロック図である。
図9】本発明の実施形態に係る農作業に関する計画立案の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態に係るシフト希望シートのイメージ図である。
図11】本発明の実施形態に係る農作業の短期計画作成の処理の流れを示すフローチャートである。
図12図11に示すステップS420の処理の流れを示すフローチャートである。
図13図11に示すステップS440の処理の流れを示すフローチャートである。
図14図11に示すステップS460の処理の流れを示すフローチャートである。
図15】本発明の実施形態に係る端末において優先順位が自動設定される流れを示すイメージ図である。
図16】本発明の実施形態に係る端末において優先順位を設定する流れを示すイメージ図である。
図17】本発明の実施形態に係る端末の自動人員配置による画面推移を示すイメージ図である。
図18】本発明の実施形態に係る端末のドラッグアンドドロップによる画面推移を示すイメージ図である。
図19】本発明の実施形態に係る農作物生産管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図20】変形例(H)に係る作業関連データを示すイメージ図である。
図21】変形例(H)に係る農作業開始前および農作業終了後に行われる処理の流れを示すフローチャートである。
図22図21に示すステップS480の処理の流れを示すフローチャートである。
図23】変形例(H)に係る作業者端末の表示画面を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0033】
<農作物生産管理システムの全体構成>
農作物生産管理システム1は、図1に示されるように、主たる装置として、農作業の管理のためのサービスを提供するためのサーバ100、検知器200、端末300などから構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0034】
1.サーバ
サーバ100は、インターネットに接続され、農作業の管理のためのサービスを提供する。サーバ100は、図2に示されるように、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)110と、メモリ120と、操作部140と、通信インターフェイス160とを含む。
【0035】
(1)CPU
CPU110は、メモリ120に記憶されているプログラムを実行することによって、サーバ100の各部を制御する。例えば、CPU110は、メモリ120に格納されているプログラムを実行し、各種のデータを参照することによって、図11の処理などを実現する。
【0036】
(2)メモリ
メモリ120は、各種のRAM、各種のROMなどによって実現され、サーバ100に内包されているものであってもよいし、サーバ100の各種インターフェイスに着脱可能なものであってもよいし、サーバ100からアクセス可能な他の装置の記録媒体であってもよい。メモリ120は、CPU110によって実行される人員配置プログラムを含む種々のプログラムや、CPU110によるプログラムの実行により生成されたデータ、入力されたデータ、作業マスタデータ121、作業実績データ122、シフト希望データ123、区画データ124、その他の本発明の実施形態に係るサービスに利用されるデータなどを記憶する。
【0037】
作業マスタデータ121は、図3に示されるように本発明の実施形態において、作業名、平均的な作業スピード、例えば通常のレベルの作業者が1時間に完了できるレーンの数、などの対応関係を農作業毎に格納する。
【0038】
作業実績データ122は、図4に示されるように本発明の実施形態において、作業者としての従業員、作業日、作業の種類、作業の時間、作業のスピード、例えば作業者が実際に1時間で作業が完了できたレーンの数、レーンの識別情報などの対応関係を格納する。
【0039】
シフト希望データ123は、図5に示されるように本発明の実施形態において、作業者としての従業員、日付、作業に参加することが可能な時間帯、作業に参加する時間などの対応関係を格納する。
【0040】
区画データ124は、図6に示されるように本発明の実施形態において、区画名、区画に含まれるエリアの広さ、例えばレーンの数、レーンの識別情報などの対応関係を区画毎に格納する。
【0041】
割り当てデータ125は、図7に示されるように本発明の実施形態において、既に作業を割り当てられている作業者や時間帯などの対応関係を日付毎や区画毎や作業毎に格納する。
【0042】
(3)操作部
操作部140は、サービスの管理者などの命令を受け付けて、当該命令をCPU110に入力する。
【0043】
(4)通信インターフェイス
通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して、端末300などの他の装置にCPU110からのデータを送信する。逆に、通信インターフェイス160は、インターネット、キャリア網、ルータ400などを介して端末300などの他の装置からのデータを受信して、CPU110に受け渡す。
【0044】
<サーバ100による情報処理>
次に、本発明の実施形態に係るサーバ100における情報処理について図11を参照して説明する。サーバ100のCPU110は、メモリ120に格納されている人員配置プログラムに従って、通信インターフェイス160を介して端末300とデータをやり取りしながら以下の処理を実行する。
【0045】
(ステップS401)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、作業予定日を受け付ける。例えば、農場の管理者などは、端末300を利用して、作業予定日を選択する。
【0046】
(ステップS402)
CPU110は、シフト希望データ123を参照して、作業予定日に出勤することを希望する作業者(以下、「出勤希望者」という)が作業を希望する時間帯および出勤希望者の作業時間を読み出す。より詳細には、CPU110は、シフト希望データ123を参照して、図15図18に示されるように、出勤希望者をエリア332Aに表示して、作業予定日に出勤することを希望しない作業者をエリア332Bに表示するための画面データを作成する。なお、この画面データには、自動人員配置を受け付けるための自動人員配置ボタン332Cや、作業場所(なお、本明細書では、作業場所には作業区画の意味が含まれているものとする。)毎の優先順位を設定するための優先順位設定ボタン337、優先順位表示エリア338A,338Bなども表示される。
【0047】
(ステップS403)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、作業予定日の作業の種類の指定などを受け付ける。例えば、農場の管理者などは、端末300を利用して、複数の作業から「収穫」を選択する。
【0048】
(ステップS404)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、作業を完了するまでに必要な作業必要量の入力を受け付ける。例えば、農場の管理者などは、端末300に100レーンを登録する。
【0049】
(ステップS405)
CPU110は、作業場所毎に優先順位を設定する。より詳細には、CPU110は、図15(A)に示されるように、通信インターフェイス160を介して端末300から、優先順位設定ボタン337をマウスポインタ335でクリックする操作を受け付ける。そして、CPU110は、AI(Artificial Intelligence)によって、例えば、「作業場所毎の長期計画(後述)、中期計画(後述)とその作業場所毎における現在の進捗度との関係」や、「作業場所毎の優先順位の推移履歴(例えば、ある作業場所では優先順位の高低が繰り返されている、ある作業場所ではある時期に優先順位が高くなる等)」や、「作業遂行能力の高い出勤希望者が普段どの作業場所に割り当てられているか」などを学習して、作業場所毎に優先順位を自動的に設定する。そして、CPU110は、図15(B)に示されるように、優先順位表示エリア338A,338Bに優先順位が設定された画面データを作成する。
【0050】
また、CPU110は、図16(A)→(B)に示されるように、通信インターフェイス160を介して端末300から、優先順位表示エリア338A,338Bをマウスポインタ335でクリックして優先順位を入力する操作を受け付けることもできる。この場合、CPU110は、端末300から入力された優先順位を基に作業場所毎に優先順位を設定する。なお、全ての優先順位表示エリアにおいて優先順位が端末300から入力されてもよいし、一部の優先順位表示エリアだけにおいて優先順位が端末300から入力されてもよい。
【0051】
なお、CPU110は、上述したAIによる優先順位の自動設定を行った後であっても、通信インターフェイス160を介して端末300から、上述した優先順位表示エリア338A,338Bをマウスポインタ335でクリックして優先順位を入力する操作を受け付け、入力された優先順位を作業場所毎に設定することができる。かかる場合、CPU110は、端末300から入力された優先順位を基に、作業場所毎の優先順位の再設定を行う。例えば、A,B,Cの3つの作業場所がある場合に、AIによる優先順位の自動設定によって、Aが優先順位1位、Bが優先順位2位、Cが優先順位3位に設定されたとする。そして、Cの優先順位表示エリアをマウスポインタ335でクリックして優先順位を1位とする端末300からの操作が行われた場合、CPU110は、Cを優先順位1位に設定し直す。そして、CPU110は、Aを優先順位2位に繰り下げ、Bを優先順位3位に繰り下げて設定し直す。
【0052】
なお、CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、上述した一部の優先順位表示エリアをマウスポインタ335でクリックして優先順位を入力する操作を受け付け、入力された優先順位を作業場所毎に設定した後であっても、上述したAIによる優先順位の自動設定を行うことができる。かかる場合、CPU110は、端末300から入力された優先順位が設定された作業場所以外の作業場所において、AIによる優先順位の自動設定を行う。例えば、A,B,Cの3つの作業場所がある場合に、Cの優先順位表示エリアをマウスポインタ335でクリックして優先順位を1位とする端末300からの操作が行われたとする。そして、優先順位設定ボタン337をマウスポインタ335でクリックする操作が行われた場合、CPU110は、AとBとに優先順位を自動的に設定する。
【0053】
(ステップS406)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、目標とする人員充足率(以下、「目標人員充足率」という)の最大値および最小値の入力を受け付ける。より詳細には、CPU110は、図17(A)に示されるように、通信インターフェイス160を介して端末300から、自動人員配置ボタン332Cをマウスポインタ335でクリックする操作を受け付ける。そして、CPU110は、図17(B)に示されるように、自動人員配置の方法などを選択するための自動人員配置ウィンドウ336の画面データを作成する。そして、CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、目標人員充足率の最大値および最小値の入力を受け付ける。なお、ここで、入力される目標人員充足率の最大値および最小値は、全ての作業場所で共通の値となっている。
【0054】
(ステップS407)
CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300から、作業場所毎に設定した優先順位を基に出勤希望者に作業を割り当てるための自動人員配置の命令を受け付ける。より詳細には、CPU110は、通信インターフェイス160を介して、図17(B)に示される自動人員配置の方法を示すボタン336Dのいずれか1つをマウスポインタ335でクリックする端末300からの操作を受け付ける。そして、CPU110は、クリックされたボタンに応じてステップS420、ステップS440およびステップS460のどの処理を実行するかを判断する。
【0055】
-ステップS420における処理-
図17(B)で示される「作業スピード順」が選択された場合(CPU110がS420の処理を実行する場合)、CPU110は、作業実績データ122を参照して、図12に示されるように、出勤希望者の過去x日間分(例えば、過去1週間分)の作業スピードの平均値を計算する(ステップS421)。なお、CPU110は、作業実績データ122に過去の作業スピードが蓄積されていない場合、作業マスタデータ121から標準的な作業スピードを取得してもよい。
【0056】
CPU110は、出勤希望者の作業スピードが速い順に出勤希望者を順位付けして、作業スピードが速い順に出勤希望者を並べたリストを作成する(ステップS422)。
【0057】
CPU110は、n(n=1,2,3,・・・)の値を1に初期化する(ステップS423)。
【0058】
CPU110は、優先順位n位の作業場所を選択する(ステップS424)。上述の通り、ステップS423においてnが1に初期化されているため、CPU110は、まずは優先順位1位の作業場所から出勤希望者を割り当てることになる。
【0059】
CPU110は、m(m=1,2,3,・・・)の値を1に初期化する(ステップS425)。
【0060】
CPU110は、作成したリストに基づいて、順位の最も高い順位から順に出勤希望者をm人選択する(ステップS426)。より詳細には、CPU110は、ステップS426における処理が1回目である場合、順位が1番高い出勤希望者を選択し、選択した1人の出勤希望者に作業を割り当てる。そして、CPU110は、ステップS430(後述)にてYESである場合、2回目のステップS426における処理を実行する。このとき、CPU110は、順位が1番高い出勤希望者および順位が2番目に高い出勤希望者を選択し、選択した2人の出勤希望者に作業を割り当てることになる。つまり、ステップS426における処理がm回目の場合、CPU110は、順位が1~m番目に高いm人の出勤希望者を選択し、選択したm人の出勤希望者に作業を割り当てることになる。
【0061】
CPU110は、人員充足率を計算する(ステップS427)。まず、CPU110は、選択した出勤希望者の作業可能量を計算する。本発明の実施形態において、CPU110は、(作業スピード)×(作業時間)=(作業可能量)を計算する。そして、本発明の実施形態において、CPU110は、(選択した出勤希望者全員分の作業可能量)÷(作業必要量)=(人員充足率)を計算する。
【0062】
CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最大値より小さい場合(ステップS428にてNOである場合)、ステップS430の処理を実行する。
【0063】
CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最大値より大きい場合(ステップS428にてYESである場合)、ステップS429の処理を実行する。
【0064】
ステップS429において、CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最大値より小さくなるように、選択した出勤希望者の作業時間を削減する。
【0065】
CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最小値より小さい場合(ステップS430にてYESである場合)、mをm+1に更新(ステップS431)した後にステップS426からの処理を繰り返す。
【0066】
CPU110は、ステップS427で計算した人員充足率がステップS406で受け付けた目標人員充足率の最小値より大きい場合(ステップS430にてNOである場合)、ステップS432の処理を実行する。
【0067】
CPU110は、nとステップS405で優先順位を設定した作業場所の数が同じでない場合(ステップS432にてNOである場合)nをn+1に更新し、ステップS426で選択した出勤希望者を作成したリストから削除する(ステップS433)。そして、CPU110は、ステップS424からの処理を繰り返す。ここでの処理をより詳細に説明するために、例えば、優先順位を設定した作業場所の数が2つである場合を想定する。上述の通り、nの初期値は1であるため、まず優先順位1位の作業場所に、リストにおける順位が1~m番目に高いm人の出勤希望者が割り当てられている。そして、n(値:1)と優先順位を設定した作業場所の数(値:2)が同じでないため、CPU110はnをn+1(値:2)に更新する。そして、CPU110は、リストにおける順位が1~m番目である出勤希望者をリストから削除する(すなわち、リストには、順位がm+1番目以降の出勤希望者が残されることになる。)。そして、nが2に更新されたので、CPU110は、次に、優先順位2位の作業場所に出勤希望者を割り当てることになる。なお、ここで、優先順位2位の作業場所には、優先順位1位の作業場所に割り当てられた出勤希望者を削除した後のリストにおいて、順位が1~m番目に高いm人の出勤希望者が割り当てられる。
【0068】
CPU110は、nの値とステップS405で優先順位を設定した作業場所の数が同じである場合(ステップS432にてYESである場合)、ステップS420における処理を終了し、図11に示されるようにステップS408の処理を実行する。
【0069】
-ステップS440における処理-
図17(B)で示される「累積作業時間順」が選択された場合(CPU110がS440の処理を実行する場合)、CPU110は、作業実績データ122を参照して、図13に示されるように出勤希望者の過去x日間分(例えば、過去1週間分)の作業スピードの平均値を計算する(ステップS441)。なお、CPU110は、作業実績データ122に過去の作業スピードが蓄積されていない場合、作業マスタデータ121から標準的な作業スピードを取得してもよい。
【0070】
CPU110は、作業実績データ122を参照して、出勤希望者の累積作業時間を計算する(ステップS442)。
【0071】
CPU110は、出勤希望者の累積作業時間が長い順に出勤希望者を順位付けして、累積作業時間が長い順に出勤希望者を並べたリストを作成する(ステップS443)。
【0072】
CPU110は、ステップS444~S454の処理を実行する。なお、ここで、ステップS444~S454の処理は上述したステップS423~S433の処理と同一であるため、ステップS444~S454の処理の説明を省略する。
【0073】
-ステップS460における処理-
図17(B)で示される「作業スピード+累積作業時間順」が選択された場合(CPU110がS460の処理を実行する場合)、CPU110は、作業実績データ122を参照して、図14に示されるように出勤希望者の過去x日間分(例えば、過去1週間分)の作業スピードの平均値を計算し、作業スピードが速い順に出勤希望者を順位付けして、その順位を点数とする(ステップS461)。つまり、本発明の実施形態において、CPU110は、作業スピードが速い順に順位付けをして、作業スピードがX(1,2,3,・・・)位であれば出勤希望者にX点をつける。なお、CPU110は、作業実績データ122に過去の作業スピードが蓄積されていない場合、作業マスタデータ121から標準的な作業スピードを取得してもよい。
【0074】
CPU110は、作業実績データ122を参照して、出勤希望者の累積作業時間を計算し、累積作業時間が長い順に出勤希望者を順位付けして、その順位を点数とする(ステップS462)。つまり、本発明の実施形態において、CPU110は、累積作業時間が長い順に順位付けをして、累積作業時間がY(1,2,3,・・・)位であれば出勤希望者にY点をつける。
【0075】
CPU110は、ステップS461における処理で得た点数とステップS462における処理で得た点数とを加算する(ステップS463)。本発明の実施形態において、CPU110は、上述したXとYとを加算する。
【0076】
CPU110は、ステップS463において演算した加算値が小さい順に出勤希望者を順位付けして、加算値が小さい順に出勤希望者を並べたリストを作成する(ステップS464)。本発明の実施形態において、CPU110は、上述したXとYの加算値が小さい順に出勤希望者を順位付けして、加算値が小さい順に出勤希望者を並べたリストを作成する。
【0077】
CPU110は、ステップS465~S475の処理を実行する。なお、ここで、ステップS465~S475の処理は上述したステップS423~S433の処理と同一であるため、ステップS465~S475の処理の説明を省略する。
【0078】
(ステップS408)
図11に戻って、CPU110は、選択された自動人員配置の方法の処理結果を表示するための画面データを作成する。より詳細には、CPU110は、図17(C)に示されるように、選択された自動人員配置の方法により作業が割り当てられた出勤希望者をエリア331A、331Bに表示するための画面データを作成する。また、CPU110は、人員充足率を示すバー333A、333Bに作業が割り当てられた出勤希望者による人員充足率を表示するための画面データを作成する。
【0079】
(ステップS409)
最後に、CPU110は、ステップS408の処理結果に対して通信インターフェイス160を介した端末300からの農場の管理者などの承認を受け付けた場合(ステップS409においてYESである場合)、今回の処理を終了する。また、CPU110は、ステップS408の処理結果に対して通信インターフェイス160を介した端末300からの農場の管理者などの拒否を受け付けた場合(ステップS409においてNOである場合)、ステップS407からの処理を繰り返す。
【0080】
これらの処理のほかにも、図11に示されていないが、CPU110は、ステップS408の処理結果に対して通信インターフェイス160を介した端末300からの農場の管理者などの承認を受け付けた場合(ステップS409においてYESである場合)、処理を終了する前に通信インターフェイス160を介して端末300からの作業者の追加命令および作業の割り当てのキャンセル命令を受け付けることができる。より詳細には、CPU110は、通信インターフェイス160を介して端末300からのドラッグアンドドロップ操作を受け付ける。そして、CPU110は、図18(A)→(B)→(C)に示されるように農場の管理者などが端末300を用いて選択した出勤希望者をエリア332A、332Bからエリア331A、331Bに表示し直して作業を割り当て、人員充足率を示すバー333A、333Bを更新する。また、CPU110は、図18(C)→(B)→(A)に示されるように農場の管理者などが端末300を用いて選択した作業を割り当てられた出勤希望者をエリア331A、331Bからエリア332A、332Bに表示し直して作業の割り当てをキャンセルし、人員充足率を示すバー333A、333Bを更新する。
【0081】
また、図15図18に示されるように、CPU110は、割り当てデータ125を参照することによって、端末300の前日ボタン334Aや前々日ボタン334Bに応じて対象の日付の前日や前々日の作業に割り当てられている1または複数の出勤希望者を読み出して、当該情報を端末300に提供する。
【0082】
2.検知器
検知器200は、農場の作物レーンの端や農作業エリアの端などに設置されるものである。例えば、検知器200は、(a)単なるQRコード(登録商標)などの情報コードを表示する看板や、(b)QRコード(登録商標)などの情報コードを発行して表示する装置であって、作業者端末500が情報コードを読み取ることによって作業者が所定の量の作業を開始または終了したことを検知するためのものである。あるいは、検知器200は、農場の作物レーンの端や農作業エリアの端などに設置され、所定の作業が開始または終了した農作業者を検知したり識別したりする。例えば、検知器200は、作業服などに取り付けられるRFIDを検知する近距離無線通信機であったり、作業者端末500の画面のQRコード(登録商標)などの情報コードを読み取るための画像センサであったり、作業者の顔を検知するための画像センサであってもよい。ただし、作業者の作業スピードは、検知器200によって作業の開始または終了を検知する方法に限らず、管理者などが直接的に作業者の作業スピードに関する情報を端末300に入力するものであってもよい。
【0083】
3.端末
端末300は、農作業や農場の管理者などに使用され、農作業の予定を作成したり確認したりするためのものである。本発明の実施形態においては、端末300は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどによって実現される。また、端末300は、ルータ400、インターネット、キャリア網などを介して、サーバ100が提供する各種のサービスを利用可能である。端末300は、図8に示されるように、主たる構成要素として、CPU310、メモリ320、ディスプレイ330、操作部340、通信インターフェイス360、スピーカ370などを含む。
【0084】
(1)CPU
CPU310は、メモリ320あるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、端末300の各部を制御する。
【0085】
(2)メモリ
メモリ320は、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリ320は、CPU310によって実行されるプログラムや、CPU310によるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したデータ、操作部340を介して入力されたデータなどを記憶する。
【0086】
(3)ディスプレイ
ディスプレイ330は、CPU310からの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。例えば、CPU310は、通信インターフェイス360を介してサーバ100から受信したテキストや画像などに基づいて、図15図18に示されるような農作業に関する人員の割り当て操作のための各種情報をディスプレイ330に表示する。
【0087】
(4)操作部
操作部340は、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、ユーザからの命令を受け付けて、当該命令をCPU310に入力する。なお、ディスプレイ330および操作部340は、タッチパネルを構成してもよい。
【0088】
(5)通信インターフェイス
通信インターフェイス360は、無線LAN通信あるいは有線LANなどの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイス360は、有線通信あるいは無線通信によってサーバ100などの他の装置との間でデータを送受信する。例えば、図11のサーバ100の処理に合わせて、CPU310は、操作部340を介したクリック命令、ドラッグアンドドロップ命令、その他の各種の入力情報を、通信インターフェイス360を介してサーバ100に送信したり、通信インターフェイス360を介してサーバ100から受信したデータに基づいてディスプレイ330に図15図18に示されるような画面を表示したりする。
【0089】
(6)スピーカ
スピーカ370は、CPU310からの信号に基づいて、音声を出力する。
【0090】
4.作業者端末
作業者端末500は、作業者などに使用され、農作業の予定を確認したり、作業時間情報などをサーバ100にアップロードしたりするためのものであり、図1に示されるように、サーバ100や検知器200などと通信可能である。本発明の実施形態において、作業者端末500は、例えば、タブレット端末、スマートフォンなどによって実現される。また、作業者端末500は、インターネット、キャリア網などを介して、サーバ100が提供する各種のサービスを利用可能である。作業者端末500は、主たる構成要素として、CPU、メモリ、ディスプレイ、操作部、通信インターフェイス、撮影部などを含む。CPUは、メモリあるいは外部の記憶媒体に記憶されているプログラムを実行することによって、作業者端末500の各部を制御する。メモリは、各種のRAMや、各種のROMなどによって実現される。メモリは、CPUによって実行されるプログラムや、CPUによるプログラムの実行により生成されたデータ、サーバ100から受信したデータ、操作部を介して入力されたデータなどを記憶する。ディスプレイは、CPUからの信号に基づいて、文字や画像などを出力する。操作部は、マウス、キーボード、ボタン、タッチパネルなどによって実現され、作業者からの命令を受け付けて、当該命令をCPUに入力する。なお、ディスプレイおよび操作部は、タッチパネルを構成することが好ましい。通信インターフェイスは、無線LAN通信などの通信モジュールによって実現される。通信インターフェイスは、無線通信などによってサーバ100などの他の装置との間でデータを送受信する。撮影部は、例えば、コードリーダやカメラであって、情報コードを読取るために使用される。
【0091】
<本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1の動作概要>
ここでは、図9を参照して、本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1の全体的な動作概要について説明する。まず、農場の管理者などが、サーバ100から提供される農作業管理サービスを利用しながら、自身の端末300を用いて自身の農場に関する数か月から1年程度の単位の長期計画を策定する(ステップS100)。
【0092】
そして、入力された長期計画に基づいて、サーバ100から提供される農作業管理サービスを利用しながら、農場の管理者などが、端末300を用いて、1から数週間単位の中期計画を策定する(ステップS200)。
【0093】
そして、端末300は、農場の作業者毎に入力されたシフトの希望に基づいてシフト予定データを作成する(ステップS300)。ここでは、農場の管理者などが、端末300を用いて、農場の作業者毎の、作業への参加が可能な日時に関する情報や作業への参加が不可能な日時に関する情報などをサーバ100にアップロードする。例えば、作業者は、図3に示されるようなシフト希望シートに、作業の参加を希望する日時を書き込んでもよい。この場合、農場の管理者などが、端末300や他のスキャナーなどを用いて当該シフト希望シートを読み込んで、端末300またはサーバ100で画像解析をすることによって、作業者毎のシフトの希望をサーバ100に自動的に蓄積させる。
【0094】
そして、農場の管理者などは、中期計画や各作業者のシフトの希望に基づいて、サーバ100から提供される農作業管理サービスを利用しながら、自身の端末300を用いて1から数日単位の短期計画を策定する(ステップS400)。本発明の実施形態においては、短期計画は、毎時間帯に行うべき作業を特定したり、毎時間帯に参加する作業者を割り当てたりするものである。なお、短期計画の策定については、後述する。
【0095】
その後、実際の作業の結果がサーバ100にアップロードされる(ステップS500)。本発明の実施形態において、作業者毎の所定量の作業に実際にかかった時間などが、作業の種類毎に検知器200などを利用して計測され、自動的にサーバ100にアップロードされる。そして、サーバ100は、アップロードされた実際の作業の結果をもとに作業実績データ122などを更新する。なお、サーバ100は、実際の作業の結果がアップロードされた直後に作業実績データ122を更新してもよいし、図17(B)に示されるように農場の管理者などがマウスポインタ335を利用して自動人員配置ボタン332Cをクリックした際に作業実績データ122を更新してもよい。また、サーバ100は、作業者毎の所定量の作業に実際にかかった時間などを作業の種類毎に限らず、天候毎、時間帯毎、気温毎などに蓄積してもよい。
【0096】
その他、病害虫に関する記録や、収穫や出荷、売上の記録などがサーバ100にアップロードされる(ステップS600、S700)。なお、ステップS500、S600およびS700おいて、これまでの入力データはまとめてサーバ100にアップロードされてもよいし、ステップ毎に入力データがアップロードされてもよいし、1つのデータを入力するたびに当該データがサーバ100にアップロードされて当該データを反映したWebページを端末300が表示し直してもよい。
【0097】
その後、サーバ100および端末300において、まだ中期計画の作成日ではない場合(ステップS800にてNoである場合)、短期計画の策定の処理が繰り返される(ステップS400)。ステップS400において、サーバ100は、図11に示される上述した一連の処理を実行する。
【0098】
そして、農場の管理者などからの終了操作(ステップS900にてYESである場合)を受け付けると今回の作業は終了し、農場の管理者などからの次の中期計画策定のための命令(ステップS900にてNOである場合)を受け付けるとステップS200またはステップS300からの処理が繰り返される。
【0099】
特に、本発明の実施形態において、端末300は、短期計画の策定のために、図15図18に示されるような画面を表示する。まず、端末300は、出勤希望者を表示するエリア332Aと、作業予定日に出勤することを希望していない作業者を表示するエリア332Bとを表示する。また、端末300は、マウスポインタ335でクリック可能な自動人員配置ボタン332C、マウスポインタ335でクリック可能な優先順位設定ボタン337、マウスポインタ335でクリック可能な優先順位表示エリア338A,338Bを表示する。また、端末300は、農場内の場所を表す区画の種類、作業の種類および作業を担当する予定の人員を区画毎に示すエリア331A、331Bを表示する。また、端末300は、エリア331A、331Bに表示の作業者が作業を行った場合の対象となる作業日における作業の人員充足率を示すバー333A、333Bを表示する。ここで、エリア332Aに表示されている出勤希望者は、特許請求の範囲に記載の「作業候補者」に相当し、エリア331A、331Bに表示されている作業者は、特許請求の範囲に記載の「作業担当者」に相当する。
【0100】
そして、図15(A)→(B)に示されるように、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して優先順位設定ボタン337をクリックすることによって、作業場所毎に優先順位が自動的に設定される。図15(A)→(B)では、A区画に優先順位1位、B区画に優先順位2位が自動的に設定されている。
【0101】
なお、図16(A)→(B)に示されるように、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して優先順位表示エリア338A,338Bをクリックしてキーボードなどの入力装置を利用して優先順位を入力することによって、作業場所毎に優先順位が設定されてもよい。図16(A)→(B)では、農場の管理者などによってA区画に優先順位1位、B区画に優先順位2位が入力されている。なお、農場の管理者などは、全ての優先順位表示エリアに優先順位を入力してもよいし、一部の優先順位表示エリアだけに優先順位を入力してもよい。
【0102】
なお、図示しないが、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して優先順位設定ボタン337をクリックすることによって、作業場所毎に優先順位が自動的に設定された後に、農場の管理者などがマウスポインタ335を利用して優先順位表示エリア338A,338Bをクリックしてキーボードなどの入力装置を利用して優先順位を入力することによって、作業場所毎に優先順位が再設定されてもよい。
【0103】
なお、図示しないが、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して一部の優先順位表示エリアをクリックしてキーボードなどの入力装置を利用して優先順位を入力することによって、一部の作業場所毎に優先順位が設定された後に、農場の管理者などがマウスポインタ335を利用して優先順位設定ボタン337をクリックすることによって、一部の作業場所以外の作業場所毎に優先順位が自動的に設定されてもよい。
【0104】
そして、図17(A)→(B)に示されるように、農場の管理者などが上記の画面を見ながらマウスポインタ335を利用して自動人員配置ボタン332Cをクリックすることによって、自動人員配置ウィンドウ336が端末300に表示される。なお、端末300は、目標人員充足率の最大値および最小値の入力を受け付けるエリア336A、336B、目標人員充足率の範囲を示すバー336Cおよび自動人員配置の方法を示すボタン336Dを自動人員配置ウィンドウ336内に表示する。自動人員配置の方法を示すボタン336Dは、3つのボタン(「作業スピード順」ボタン、「累積作業時間順」ボタン、「作業スピード+累積作業時間順」ボタン)からなる。自動人員配置の方法として、「出勤希望者毎の作業スピードに基づく方法」、「出勤希望者毎の累積作業時間に基づく方法」、「出勤希望者毎の作業スピードに応じて割り当てた数値と出勤希望者毎の累積作業時間に応じて割り当てた数値との演算値に基づく方法」の3種類からいずれか1つを選択することができる。
【0105】
次に、農場の管理者などは、キーボードなどの入力装置を用いてエリア336A、336Bに目標人員充足率の最大値および最小値を入力するか、マウスポインタ335を利用して目標人員充足率の範囲を示すバー336Cを調整する。前者の場合、農場の管理者などが入力した数値に基づいて、目標人員充足率の範囲を示すバー336Cが自動的に調整される。後者の場合、目標人員充足率の範囲を示すバー336Cの調整範囲に基づいて、エリア336A、336Bに自動的に数値が入力される。
【0106】
次に、図17(B)→(C)に示されるように、農場の管理者などは、マウスポインタ335を利用して自動人員配置の方法を示すボタン336Dから任意のボタンを1つ選択してクリックする(図17(B)では、「作業スピード順」ボタンがクリックされている。)。こうすることで、サーバ100は、選択された自動人員配置の方法に基づいて、上述した図12図14に示される各処理を実行し、エリア332Aに属する出勤希望者をエリア331Aに自動的に移動させる。そして、移動した出勤希望者に作業が割り当てられる。ここで、出勤希望者A~Fにおいて、A,C,D,F,B,Eの順に作業スピードが速いとする。図17(C)では、優先順位1位のA区画に出勤希望者A,Cが割り当てられ、優先順位2位のB区画に出勤希望者D,Fが割り当てられている。また、端末300またはサーバ100は、作業割り当てられた出勤希望者の作業遂行能力に応じて人員充足率を計算し、人員充足率を示すバー333Aを更新する。
【0107】
また、図18(A)→(B)→(C)に示されるように、農場の管理者などは、自動人員配置が行われた後に、マウスポインタ335を利用して、エリア332Aに属する出勤希望者をエリア331Aにドラッグアンドドロップすることによって出勤希望者に作業を割り当てることもできる。そして、端末300またはサーバ100は、新たに作業を割り当てた作業者の作業遂行能力に応じて人員充足率を計算し直し、人員充足率を示すバー333Aを更新する。
【0108】
逆に、図18(C)→(B)→(A)に示されるように、農場の管理者などは、自動人員配置が行われた後に、マウスポインタ335を利用して、エリア331Aの作業者をエリア332Aにドラッグアンドドロップすることによって作業の割り当てをキャンセルすることもできる。そして、端末300またはサーバ100は、作業に割り当てられた残りの作業者の作業遂行能力に応じて人員充足率を計算し直し、人員充足率を示すバー333Aを更新する。
【0109】
なお、本発明の実施形態においては、農場の管理者などは、上記の画面を見ながら、マウスポインタ335を利用して、エリア332Bの作業者をエリア331Aにドラッグアンドドロップすることも可能である。この場合、出勤を希望していない作業者に一時的に作業が割り当てられていることが分かるように、端末300またはサーバ100は、エリア331Aに置かれている作業を望まない作業者のアイコンの色や形状を、出勤を希望している作業者のそれらと異ならせることが好ましい。
【0110】
また、本発明の実施形態においては、図15図18に示されるように、前日ボタン334Aや、前々日ボタン334Bが表示されてもよい。そして、農場の管理者などが前日ボタン334Aを押すと、端末300が、サーバ100に対象の日付の前日の作業に割り当てられている作業者を問い合わせることによって、エリア331A,331Bに前日の作業に割り当てられている作業者が自動的に割り当てられる。同様に、農場の管理者などが前々日ボタン334Bを押すと、端末300が、サーバ100に対象の日付の前々日の作業に割り当てられている作業者を問い合わせることによって、エリア331A,331Bに前々日の作業に割り当てられている作業者が自動的に割り当てられる。これらの場合も、作業を望まない作業者のアイコンの色や形状を、出勤を希望している作業者のそれらと異ならせることが好ましい。農場の管理者などは、この状態からマウスポインタ335を利用して、エリア332A、332Bから新たに作業者をエリア331A、331Bに追加したり、エリア331A、331Bから作業者を外したりすることができる。
【0111】
以上の通り、本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1は、全体として、図19の機能ブロック図に示されるように、入力装置300A、長期計画作成部100A、中期計画作成部100B、短期計画作成部100C、シフト予定作成部100D、作業スピード計算部100E、作業記録入力部100F、病害虫入力部100G、収出荷・売上記録入力部100H、記憶部120A、画面生成部100K、表示装置300Bなどを有する。
【0112】
そして、入力装置300Aは、例えば、検知器200や端末300の操作部340などによって実現される。表示装置300Bは、例えば、端末300のディスプレイ330などによって実現される。記憶部120Aは、例えば、サーバ100のメモリ120などによって実現される。長期計画作成部100Aは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS100などに対応する。中期計画作成部100Bは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS200などに対応する。短期計画作成部100Cは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS400などに対応する。シフト予定作成部100Dは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS300などに対応する。作業スピード計算部100Eは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現される。作業記録入力部100Fは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS500などに対応する。病害虫入力部100Gは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS600などに対応する。収出荷・売上記録入力部100Hは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、図9のステップS700などに対応する。画面生成部100Kは、例えば、サーバ100のCPU110がメモリ120のプログラムを実行することによって実現され、端末300に提供するための、図15図18に示されるようなWebページを作成する。
【0113】
<本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1の特徴>
(1)
本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、複数の作業場所が存在し、特定の作業場所における作業を優先的に終わらせたい場合等において、優先順位の高い作業場所に、作業遂行能力が高い出勤希望者を優先的かつ自動的に割り当てることができる。このため、この農作物生産管理システム1では、上述のような場合等において出勤希望者の割り当て処理を、あまり手間をかけずに行うことができる。
【0114】
(2)
本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、優先順位がサーバ100により自動設定処理される場合、農作業管理者などが作業場所毎に優先順位を設定する手間を省くことができる。また、この農作物生産管理システム1では、端末300からの入力処理によって優先順位が設定される場合、作業場所の優先順位を臨機応変に変更したり、予め決めた作業場所の作業を優先的に終了させることができる。
【0115】
(3)
本発明の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、サーバ100は、端末300から、目標人員充足率の最大値および最小値の入力を受け付け、目標人員充足率の最大値および最小値の範囲内に収まるように、出勤希望者が作業場所に割り当てられる。このため、この農作物生産管理システム1では、優先順位の高い作業場所において出勤希望者が過剰に割り当てられることや、優先順位の高い作業場所において出勤希望者が不足するようなことが起きないように、農場の管理者などなどが設定した目標達成可能な作業量の範囲内で、優先順位の高い作業場所に出勤希望者を割り当てることができる
【0116】
<変形例>
(A)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、サーバ100のCPU110は、ステップS401、ステップS402、ステップS403、ステップS404の順に処理を行っていた。しかし、CPU110は、ステップS401からステップS404までの処理を順不同に行ってもよい。
【0117】
(B)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、通信インターフェイス160を介して端末300から入力される目標人員充足率の最大値および最小値は、全ての作業場所で共通の値となっていた。しかし、目標人員充足率の最大値および最小値は、作業場所毎に入力されてもよい。
【0118】
(C)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、CPU110は、ステップS432、ステップS453、ステップS474において、「nと優先順位を設定した作業場所の数とが同じかどうか」で分岐条件を判断していた。しかし、CPU110は、ステップS405で設定した優先順位を基に、「優先順位が最下位の作業場所に出勤希望者が割り当てられたかどうか」で分岐条件を判断してもよい。
【0119】
(D)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、CPU110は、ステップS433、ステップS454、ステップS475において、選択した出勤希望者をリストから削除していた。しかし、CPU110は、選択した出勤希望者をリストから削除せずに、優先順位2位以降の作業場所に出勤希望者を割り当ててもよい。例えば、CPU110は、優先順位1位の作業場所に作業遂行能力の順位が1~a(a=1,2,3,・・・)番目である出勤希望者を選択した場合、優先順位2位の作業場所に作業遂行能力の順位がa+1~a+b(b=1,2,3,・・・)番目である出勤希望者を選択し、優先順位3位の作業場所に作業遂行能力の順位がa+b+1番目以降の出勤希望者を選択することになる。
【0120】
(E)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1では、農場の管理者などは、マウスポインタ335を利用して、自動人員配置ボタン332C、優先順位設定ボタン337、優先順位表示エリア338A,338Bなどをクリックしていた。しかし、マウスポインタ335を利用してクリックする方法ではなく、「ボタンにカーソルを合わせてキーボードのエンターキーを押す方法」、「音声認識による方法」または「端末300がタッチパネルを構成する場合、タッチパネルを操作する方法」が用いられてもよい。
【0121】
(F)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1のサーバ100や端末300などの各装置の役割の一部または全部を他の装置が実行してもよい。例えば、図19に示される長期計画作成部100A、中期計画作成部100B、短期計画作成部100Cと、シフト予定作成部100D、作業スピード計算部100E、作業記録入力部100F、病害虫入力部100G、収出荷・売上記録入力部100H、画面生成部100Kが、端末300や他の装置によって実現されてもよい。
【0122】
あるいは、短期計画作成部100Cの一部、例えば、図11に示される処理の一部または全部が、端末300のCPU310が、メモリ320のプログラムを実行することによって実現されてもよい。この場合は、図11に示される処理の一部または全部を実行するためのプログラムを、端末300がインターネットなどを介してダウンロード可能であることが好ましい。
【0123】
(G)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1やプログラムなどは、農作業に関する人員の割り当て操作を行うためのものであったが、上記の技術は、他の人員の割り当て操作にも適用することができる。例えば、工場の人員配置や、飲食業やテーマパークなどのアルバイト人員の配置など、他の分野や他の目的のための人員の割り当て操作にも利用することができる。
【0124】
(H)
先の実施形態に係る農作物生産管理システム1は、農場の管理者などが策定した短期計画における作業内容情報を作業者が作業者端末500を用いて取得するための構成を採用してもよい。以下、図20図23を参照してこの構成について詳述する。なお、本変形例に係る農作物生産管理システムでは、上述した検知器200は、農場の作物レーンの端や農作業エリアの端などに設置されるものであって、(a)単なるQRコード(登録商標)などの情報コードを表示する看板や、(b)QRコード(登録商標)などの情報コードを発行して表示する装置に限られる。
【0125】
まず、図11に示される情報処理をサーバ100が行った後において、サーバ100から提供されるサービスに作業者端末500でログインがされると、作業者端末500は、図21に示されるように、サーバ100から提供されるサービスを実行する(ステップS501)。このサービスが実行されると、作業者端末500は、図23に示されるような画面を表示する。この段階では、開始ボタン500A、休憩開始ボタン500B、閉じるボタン500C、作業時間計測タイマ500Dが表示される。
【0126】
次に、作業者によって図23に示されるような開始ボタン500Aが押されると、作業者端末500は、サーバ100から提供される情報コードリーダアプリケーション、または、メモリに記憶する情報コードリーダアプリケーションを起動する。なお、開始ボタン500Aが押されると、作業者端末500は、開始ボタン500Aの代わりに終了ボタン(図示せず)を表示するようになる。
【0127】
次に、作業者端末500は、情報コードリーダアプリケーションを介して、検知器200が表示する情報コードを読取る(ステップS502)。情報コードには、作業場所毎に設定された作業場所識別情報が含まれる。なお、ここで、情報コードは、例えば、QRコード(登録商標)などの二次元コードや、バーコードなどの一次元コードであるが、QRコード(登録商標)であることが好ましい。
【0128】
次に、作業者端末500は、読取った情報コードから作業場所識別情報を取得すると共に、情報コードを読取った際に、情報コードを読取った時刻情報を取得する(ステップS503)。なお、ここで、作業場所識別情報は、作業区画の識別情報(例えば、A区画の識別情報)と、作業区画におけるレーンの識別情報(例えば、A区画のAAレーンの識別情報)とを含む。そして、情報コードを読取った時刻情報は、作業場所識別情報を取得した時刻情報ともいえる。時刻情報の取得のために、作業者端末500は、サーバ100から提供されるタイムスタンプアプリケーション、または、作業者端末500のメモリに記憶されるタイムスタンプアプリケーションを利用する。そして、作業者端末500は、時刻情報を取得すると、図23に示される作業時間計測タイマ500Dのカウントを開始する。
【0129】
次に、作業者端末500は、作業者識別情報をサーバ100に送信する(ステップS504)。なお、ここで、作業者識別情報は、作業者それぞれに割り当てられた識別情報(例えば、ログインID、名前、メールアドレス、電話番号など)、または、作業者端末500に固有の識別情報(例えば、デバイスID、MACアドレス、シリアル番号など)である。
【0130】
次に、サーバ100において、作業者識別情報の照合処理が実行される(ステップS480)。まず、サーバ100は、図22に示されるように、作業者識別情報を作業者端末500から受信する(ステップS481)。次に、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報を、メモリ120に記憶している作業関連データ126に照合する(ステップS482)。なお、ここで、作業関連データ126は、図20に示されるように、作業者識別情報と作業内容情報とを関連付けている(作業場所識別情報、作業期間情報については後述する。)。すなわち、これらの情報がデータセット化されている。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットがある場合(ステップS483にてYESである場合)、そのデータセット内の作業内容情報を作業者端末500に送信する。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットが存在しない場合(ステップS483にてNOである場合)、照合が失敗したことを作業者端末500に送信する。
【0131】
次に、作業者端末500は、図21に示されるように、サーバ100から作業内容情報を受信して、表示する(ステップS505)。この際、作業者端末500は、図23に示されるように、開始ボタン500A、休憩開始ボタン500B、閉じるボタン500C、作業時間計測タイマ500D、休憩時間計測タイマ500Eに加えて、作業場所(例えば、作業区画や作業区画のレーン)および作業内容を表示する。なお、作業者端末500は、ステップS502において読み取った情報コードに対応するレーン(例えば、図23に示されるようなAAレーン)の情報(例えば、進捗など)を表示してもよい。
【0132】
その後、受信した作業内容情報を基に、作業者による作業が開始される。そして、作業者は、作業終了すると作業者端末500に表示される終了ボタンを押す。終了ボタンが押されると、作業者端末500は、サーバ100から提供される情報コードリーダアプリケーション、または、メモリに記憶する情報コードリーダアプリケーションを起動する。なお、情報コードリーダアプリケーションは、ステップS502から起動されたままであってもよい。
【0133】
その後、作業者端末500は、情報コードリーダアプリケーションを介して、検知器200が表示する情報コードを読取る。作業者端末500は、情報コードを読取った際に、情報コードを読取った時刻情報を取得する。時刻情報の取得には、サーバ100から提供されるタイムスタンプアプリケーション、または、作業者端末500のメモリに記憶されるタイムスタンプアプリケーションが利用される。そして、作業者端末500は、時刻情報を取得すると、図23に示される作業時間計測タイマ500Dのカウントを停止する。そして、作業者端末500は、作業時間計測タイマ500Dにより計測された作業時間情報をサーバ100に送信する。そして、作業者は、図23に示されるような閉じるボタン500Cを押し、サーバ100から提供されるサービスを終了する。なお、作業時間情報を受信したサーバ100は、その情報を使って作業実績データ122を作成・更新して作業者端末500に送信し、作業者端末500は、図23の下方に位置するような実績を表示してもよい。
【0134】
なお、図23に示されるように、作業者端末500は、休憩開始ボタン500Bを表示してもよい。休憩開始ボタン500Bが押されると、作業時間計測タイマ500Dのカウントが停止されると共に、休憩時間計測タイマ500Eのカウントが開始される。もしくは、休憩開始ボタン500Bが押されると、作業時間計測タイマ500Dのカウントは継続している状態で休憩時間計測タイマ500Eのカウントが開始される。この場合、作業時間計測タイマ500Dにより計測された作業時間情報がサーバ100に送信される際に、その作業時間情報から休憩時間計測タイマ500Eにより計測された休憩時間情報が差し引かれる。
【0135】
なお、上述のステップS505において、作業者端末500は、作業者識別情報をサーバ100に送信していた。しかし、作業者端末500は、作業者識別情報に加え、取得した時刻情報もサーバ100に送信してもよい。かかる場合、サーバ100は、作業者識別情報および時刻情報を作業者端末500から受信する。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報および時刻情報を、メモリ120に記憶している作業関連データ126に照合する。なお、かかる場合、作業関連データ126は、作業者識別情報と作業内容情報とに加え、「作業期間情報」および「受付期間情報」の少なくとも一方の情報も関連付けている(図20においては、一例として、「作業期間情報」が関連付けられている。)。すなわち、これらの情報がデータセット化されている。作業期間情報は、作業者が作業をする期間(例えば、9時00分から12時00分)を表すものである。受付期間情報は、例えば、「農作の管理者などが端末300を用いて作業期間情報に対して設定する期間情報」(例えば、農場の管理者などは、検知器200が表示する情報コードを作業者が読取ると思われる期間情報を設定する。)や、「作業期間情報に含まれる時刻情報が加工されて自動的に設定される期間情報」(例えば、その作業期間情報における開始時刻情報の前後の期間情報(例えば、開始時刻情報が9時である場合、8時50分から9時00分、9時00分から9時10分、8時50分から9時10分など))などである。そして、受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致し、かつ、受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットがある場合、サーバ100のCPU110は、そのデータセット内の作業内容情報を作業者端末500に送信する。そして、「受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致し、かつ、受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットが存在しない」場合、サーバ100のCPU110は、照合が失敗したことを作業者端末500に送信する。
【0136】
また、上述のステップS505において、作業者端末500は、作業者識別情報をサーバ100に送信していた。しかし、作業者端末500は、作業者識別情報に加え、取得した作業場所識別情報もサーバ100に送信してもよい。なお、例えば、サーバ100に作業場所識別情報として作業区画の識別情報のみが記憶されている場合、作業者端末500は、作業場所識別情報として作業区画の識別情報を送信することになる。そして、サーバ100は、作業者識別情報および作業場所識別情報を作業者端末500から受信する。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報および作業場所識別情報を、メモリ120に記憶している作業関連データ126に照合する。なお、かかる場合、作業関連データ126は、作業者識別情報と作業内容情報とに加え、作業場所識別情報も関連付けている(図20参照)。すなわち、これらの情報がデータセット化されている。そして、受信した作業者識別情報および作業場所識別情報の両方が作業関連データ126内の作業者識別情報および作業場所識別情報の両方と一致するデータセットがある場合、サーバ100のCPU110は、そのデータセット内の作業内容情報を作業者端末500に送信する。そして、「受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業場所識別情報が作業関連データ126内の作業場所識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業者識別情報および作業場所識別情報の両方が作業関連データ126内の作業者識別情報および作業場所識別情報の両方と一致するデータセットが存在しない」場合、サーバ100のCPU110は、照合が失敗したことを作業者端末500に送信する。
【0137】
なお、上述のステップS505において、作業者端末500は、作業者識別情報をサーバ100に送信していた。しかし、作業者端末500は、作業者識別情報に加え、取得した作業場所識別情報および時刻情報もサーバ100に送信してもよい。かかる場合、サーバ100は、作業者識別情報、作業場所識別情報および時刻情報を作業者端末500から受信する。そして、サーバ100のCPU110は、受信した作業者識別情報、作業場所識別情報および時刻情報を、メモリ120に記憶している作業関連データ126に照合する。なお、かかる場合、作業関連データ126は、作業者識別情報と作業内容情報とに加え、作業場所識別情報と、「作業期間情報」および「受付期間情報」の少なくとも一方の情報とも関連付けている(図20においては、一例として、「作業期間情報」が関連付けられている。)。すなわち、これらの情報がデータセット化されている。「作業期間情報」および「受付期間情報」については、上述の通りである。そして、受信した作業者識別情報および作業場所識別情報の両方が作業関連データ126内の作業者識別情報および作業場所識別情報の両方と一致し、かつ、受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットがある場合、サーバ100のCPU110は、そのデータセット内の作業内容情報を作業者端末500に送信する。そして、「受信した作業者識別情報が作業関連データ126内の作業者識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業場所識別情報が作業関連データ126内の作業場所識別情報と一致するデータセットが存在しない」場合や、「受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットが存在しない」場合や、「受信した作業者識別情報および作業場所識別情報の両方が作業関連データ126内の作業者識別情報および作業場所識別情報の両方と一致し、かつ、受信した時刻情報が作業期間情報(または、受付期間情報)の期間内に属しているデータセットが存在しない」場合、サーバ100のCPU110は、照合が失敗したことを作業者端末500に送信する。
【0138】
なお、上述のステップS503において、作業者端末500は、読取った情報コードから作業場所識別情報を取得していた。しかし、作業者端末500は、作業場所識別情報を取得しなくてもよい。かかる場合、作業者端末500は、図23に示されるような作業場所を表示しない。
【0139】
なお、特許請求の範囲に記載の情報コード読取部は、例えば、作業者端末500の撮影部などによって実現される。また、特許請求の範囲に記載の時刻部は、例えば、作業者端末500のCPUがメモリのプログラムを実行することによって実現される。
【0140】
以上より、変形例(H)に係る農作物生産管理システムでは、作業者は、農場の管理者などを介さずに自身で、作業関連データ126内の作業内容情報を取得することができる。このため、変形例(H)に係る農作物生産管理システムでは、農場の管理者などが作業者に作業内容情報を伝える手間や時間をなくすことができる。この作業関連データ126は、前述の短期計画に含まれるデータである。また、作業者が作業内容情報を入力する必要がないので、入力に要する作業者の手間や時間をなくすことができる。
【0141】
なお、上記変形例(A)~(H)は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用されてもよい。
【0142】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0143】
1 :農作物生産管理システム
100 :サーバ
110 :CPU
160 :通信インターフェイス
200 :検知器(表示部材)
300 :端末
300A :入力装置
300B :表示装置
310 :CPU
330 :ディスプレイ
336A :目標人員充足率の最大値
336B :目標人員充足率の最小値
336C :目標人員充足率の範囲を示すバー
337 :優先順位設定ボタン
338A :優先順位表示エリア
338B :優先順位表示エリア
360 :通信インターフェイス
500 :作業者端末(情報端末、携帯端末)