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特開2022-79939ジホスフィン含有オリゴマーおよびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022079939
(43)【公開日】2022-05-27
(54)【発明の名称】ジホスフィン含有オリゴマーおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07F 9/6568 20060101AFI20220520BHJP
【FI】
C07F9/6568 CSP
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020190824
(22)【出願日】2020-11-17
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(72)【発明者】
【氏名】中島 裕美子
【テーマコード(参考)】
4H050
【Fターム(参考)】
4H050AA01
4H050AA02
4H050AA03
4H050AB80
4H050BA10
4H050WA15
4H050WA26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ジホスフィン部位を含有する高分子化合物をより簡便に製造する方法の提供、および当該方法により得られる新規なジホスフィン化合物の提供。
【解決手段】式(1)に示されるジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを提供する。

(式(1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、置換基を有しても良い直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していても良い炭素数6~20のアリール基を示す。nは3~5の整数を示す。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)に示されるジホスフィンを主鎖に含むオリゴマー。
【化1】
(式(1)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。nは3~5の整数を示す)
【請求項2】
請求項1に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーであって、下記式(2)に示されるオリゴマー。
【化2】
(式(2)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。nは3~5の整数を示す)
【請求項3】
請求項1に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーであって、下記式(3)~(5)のいずれかに示されるオリゴマー。
【化3】
(式(3)、(4)、(5)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。nは3~5の整数を示す)
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを含む難燃剤。
【請求項5】
ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法であって、
(i)下記式(A)に示される化合物を、MgまたはCpTiClと反応させる工程を含む、製造方法。
【化4】
(式(A)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。)
【請求項6】
請求項5に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法であって、前記工程(i)の前に、
(ii)下記式(B)に示される化合物を下記式(C)に示される化合物と反応させる工程であって、下記式(A)に示される化合物を製造する工程を含む、製造方法。
【化5】
(式(B)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す)
【化6】
(式(C)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。また、Xは、Cl、Br、または、Iを示す。)
【化7】
(式(A)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す)
【請求項7】
請求項6に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法であって、
前記式(C)に示される化合物が、iPrMgCl、tBuMgCl、または、PhMgBrである、製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はジホスフィン部位を主鎖に含むオリゴマーの製造方法に関し、より詳しくは、クロロホスフィンの還元による用いたジホスフィン部位を主鎖に含むオリゴマーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ビニル基やメタクリル基を有するリン化合物を単量体とするリン元素含有高分子(図1中の化合物1、2)が、高い難燃性を示す高機能材料として注目されている。これらの材料は、樹脂へ添加することで機能を発揮する、従来型の単量体リン酸エステル類(図1中の化合物3)に比べて、難燃効果を司るリン元素が炭化水素部位の近傍に位置するため、低い添加量で高い難燃効果を発揮する。また、リン元素が高分子構造に化学結合により組み込まれた安定構造を取ることで、高分子の経年劣化による難燃剤効果の低下が抑えられる効果も報告されている。
【0003】
本発明は、高分子主鎖にジホスフィン部位を含む高分子材料の製造に関わる。ジホスフィン化合物は、図1で示す化合物1-3に比べて、炭素換算におけるリン含有量が多く、高い難燃性を示すことが期待される新材料である。
ジホスフィン化合物の従来の合成例として、高価なヒドロシランを原料とし、水銀試薬もしくは遷移金属錯体触媒を用いた反応が挙げられる(非特許文献1、2)。
【0004】
また、クロロシランを原料とし各種還元剤と反応させることでジホスフィン化合物を合成できることが報告されている(例えば、非特許文献3)。また非特許文献4ではMgを還元剤として用いることでジホスフィン化合物を合成できたことを報告しており、非特許文献5ではヒドロシランを還元剤、ルイス酸を触媒として用いることでジホスフィン化合物を合成できたことを報告している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】J. T. Yeh, L. R. Avens, J. L. Mills Phosphorus, Sulfur, and Silicon, 1990, 47, 319-323.
【非特許文献2】Angewandte Chemie, International Edition, 40(24), 4694-4696; 2001
【非特許文献3】Y. Tanimoto et al. J. Organomet. Chem. 2012, 713, 80-88.
【非特許文献4】Knoch et al. Chem. Ber. 1987, 120, 125-129.
【非特許文献5】Clark et al. Inorg. Chem. 2018, 57, 11530.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ジホスフィン部位を含有する高分子化合物をより簡便に製造する方法の提供および当該方法により得られる新規なジホスフィン化合物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、2つのクロロホスフィン部位を有する化合物を原料として、特定の還元剤を用いた還元反応を行うことで、ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーの合成に成功した。本発明は上記知見により完成されたものであり、以下の態様を含む。
本発明の一態様は
〔1〕下記式(1)に示されるジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーに関する。
【化1】
(式(1)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。nは3~5の整数を示す)
ここで、本発明のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーは一実施の形態において、
〔2〕上記〔1〕に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーであって、下記式(2)に示されるオリゴマーであることを特徴とする。
【化2】
(式(2)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。nは3~5の整数を示す)
また本発明のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーは一実施の形態において、
〔3〕上記〔1〕に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーであって、下記式(3)~(5)のいずれかに示されるオリゴマーであることを特徴とする。
【化3】
(式(3)、(4)、(5)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。)
また本発明は別の態様において
〔4〕上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを含む難燃剤に関する。
また本発明は別の態様において
〔5〕ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法であって、
(i)下記式(A)に示される化合物を、MgまたはCpTiClと反応させる工程を含む、製造方法に関する。
【化4】
(式(A)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。)
ここで本発明のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法は一実施の形態において
〔6〕上記〔5〕に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法であって、前記工程(i)の前に、
(ii)下記式(B)に示される化合物を下記式(C)に示される化合物と反応させる工程であって、下記式(A)に示される化合物を製造する工程を含むことを特徴とする。
【化5】
(式(B)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す)
【化6】
(式(C)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。また、Xは、Cl、Br、または、Iを示す。)
【化7】
(式(A)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す)
ここで本発明のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法は一実施の形態において
〔7〕上記〔6〕に記載のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法であって、
前記式(C)に示される化合物が、iPrMgCl、tBuMgCl、または、PhMgBrであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規ジホスフィン化合物の提供を可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一態様は、下記式(1)に示されるジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを提供する。
【化8】
(式(1)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。nは3~5の整数を示す)
【0010】
式(1)中のRが、置換基を有する-CH-、-C-、または、-C-である場合、置換基は、窒素、酸素、硫黄元素等を含んでも良い、炭素数1~20からなる有機基である。
式(1)中のRが置換基を有する-CH-、-C-、または、-C-である場合、例えば、-CR-(R=-Me、-iPr、-tBu、-Ph)、-CRHCRH-(R=-Me、-iPr、-tBu、-Ph)、または、-C-、-3,4-(R)-(R=-Me、-iPr、-tBu、-OMe、-CF)を挙げることができる。
好ましい実施の形態において、式(1)中のRは、-CH-、-C-、または、-C-である。
【0011】
式(1)中のRが、置換基を有するアルキル基である場合、置換基は、窒素、酸素、硫黄元素等を含んでも良い、炭素数1~20からなる有機基である。
式(1)中のRがアルキル基である場合、例えば、-Me、-iPr、-tBu、-OMe、-OEt、-OiPrを挙げることができる。
【0012】
式(1)中のRが、置換基を有するアリール基である場合、置換基は、窒素、酸素、硫黄元素等を含んでも良い、炭素数1~20からなる有機基である。
式(1)中のRがアリール基である場合、例えば、4-(R)C-(R=-Me、-iPr、-tBu、-NMe、-OMe、-CF)を挙げることができる。
好ましい実施の形態において、式(1)中のRは、イソプロピル基、メチル基、t-ブチル基、フェニル基である。
【0013】
また一実施の形態において、ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーは下記式(2)に示される化合物である。
【化9】
(式(2)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。nは3~5の整数を示す)
【0014】
また別の実施の形態において、ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーは下記式(3)~(5)のいずれかに示される化合物である。
【化10】
(式(3)、(4)、(5)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。)
【0015】
上記のように特定される本発明のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーは、以下に限定されないが、例えば、難燃剤、酸化防止剤、または、金属捕捉剤として用いることができる。
よって、本発明の一態様は、ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを含む難燃剤、酸化防止剤、または、金属捕捉剤を提供する。本発明により提供する難燃剤、酸化防止剤、または、金属捕捉剤には、それぞれの用途に適した公知の添加剤を含むことができる。
【0016】
本発明の別の態様は、ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法を提供する。当該方法は、下記(i)の工程を含むことを特徴とする。
(i)下記式(A)に示される化合物を、MgまたはCpTiClと反応させる工程:
【化11】
(式(A)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。)
ここで、式(A)中、RおよびRは上記式(1)におけるRおよびRの定義と同じである。
【0017】
工程(i)において、MgまたはCpTiClは還元剤として使用される。
式(A)に示される化合物と還元剤とを反応させる溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、CPME(シクロペンチルメチルエーテル)等を用いることができる。
反応温度は0~50℃とすることが好ましく、10~30℃とすることがより好ましい。反応時間は、1~50時間とすることができる。また反応に用いる量は、例えば式(A)に示される化合物1モルに対して、還元剤を2~20モルの範囲で使用することが好ましい。
反応後の反応溶液は濾過により精製し、ろ液を乾固させることで、ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを得ることができる。
【0018】
本発明のジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを製造する方法は一実施の形態において、工程(i)の前に、下記工程(ii)を含む。
(ii)式(B)に示される化合物を下記式(C)に示される化合物と反応させる工程であって、下記式(A)に示される化合物を製造する工程:
【化12】
(式(B)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す)
ここで、式(B)中、Rは上記式(1)におけるRの定義と同じである。
【化13】
(式(C)中、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。また、Xは、Cl、Br、または、Iを示す。)
【化14】
(式(A)中、Rは、置換基を有してもよい-CH-、-C-、または、-C-を示す。また、Rは、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す)
【0019】
工程(ii)において、RMgXは有機基源として使用される。RMgXにおけるRは、式(1)におけるRの定義と同じであり、置換基を有してもよい直鎖状または分岐鎖状の炭素数1~20のアルキル基、または、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基を示す。RMgXにおけるXは、Cl、Br、または、Iを示す。RMgXの具体例としては、以下に限定されないが、iPrMgCl、tBuMgCl、PhMgBrを挙げることができる。
式(B)に示される化合物とRMgXとを反応させる溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、CPME(シクロペンチルメチルエーテル)を用いることができる。
反応は-78℃~0℃の温度条件下で1~5時間攪拌することにより進めることができる。その後、さらに室温にて1~5時間攪拌操作を行うことが好ましい。また反応に用いる量は、例えば式(B)に示される化合物1モルに対して、式(C)に示される化合物を2~20モルの範囲で使用することが好ましい。
反応後の反応溶液は式(A)に示される化合物を含んでおり、当該反応溶液を工程(i)の反応にそのまま用いることができる。
【0020】
下記に具体的な実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
【実施例0021】
(実施例1.CpTiClを還元剤として用いたジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーの合成)
本実施例では、下記の2つのクロロホスフィン部位を有する化合物2に対してCpTiClを還元剤として反応させることにより、ジホスフィンを主鎖に含むオリゴマーを合成した。
【化15】
化合物1(25mg、0.11mmol)をTHF(1mL)に溶解させた。溶液を-78℃に冷却し、iPrMgCl(2.0M THF溶液、0.11mL、0.22mmol)を滴下し、溶液を-78℃で1時間、さらに室温で1時間攪拌した。この時点で、化合物2が単一に生成することは別途実験で確認した。反応溶液にさらにTHF(2mL)を加え、別途調整したCp2TiCl(0.214mmol)を添加して室温で20時間攪拌した。反応溶液をセライト濾過により精製し、ろ液を乾固させることで、目的化合物3を得た。
スペクトルデータ
化合物2:H NMR(600MHz、C、RT)d 0.82(ddd、6H、J=115Hz、16Hz、7.2Hz、iPr)、0.91(brd、6H、J=103Hz、iPr)、1.81(m、4H、PCH).2H of iPr groups are obscured due to low intensity.31P NMR(240MHz、C、RT)189.81.
化合物3:H NMR(600MHz、C、RT)d 1.04(ddd、12H、J=20Hz、13Hz、7.2Hz、iPr)、1.57-1.63(4H、PCH).2H of iPr groups are obscured due to low intensity.31P NMR(240MHz、C、RT)9.22(s).
ESIMS Calculated:(C3933CoN)651.1524([M+H])、Found:651.1511.
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明により提供されるジホスフィン化合物は、難燃剤、酸化防止剤、金属捕捉剤としての利用が期待される。