(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022081498
(43)【公開日】2022-05-31
(54)【発明の名称】高さ計測装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20220524BHJP
G02B 5/30 20060101ALI20220524BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20220524BHJP
【FI】
G01B11/02 H
G02B5/30
H01L21/66 J
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022022585
(22)【出願日】2022-02-17
(62)【分割の表示】P 2019512871の分割
【原出願日】2017-09-06
(31)【優先権主張番号】62/384,324
(32)【優先日】2016-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/690,969
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホルン パウル
(57)【要約】
【課題】バンプ、ピラー又は膜厚等の計測速度を向上させスループットを改善させる。
【解決手段】本装置は、白色光を発する白色光源101と、その白色光源101からの白色光を組成する波長それぞれの焦点距離が異なるレンズ群114を備えうる。その白色光を組成する波長それぞれがそれらレンズから見て別々の距離にて集束する。センサ体103は、複数本のロー及びカラムをなしそのセンサ体内に配置された複数個のセンサ104を有する。それらロー及びカラムそれぞれが、それらセンサのうち少なくとも2個を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
白色光を発する白色光源と、
ビームスプリッタと屈折レンズとを含む複数のレンズと、
前記ビームスプリッタから前記白色光を受光する検出器と、
複数個のセンサを有するセンサ体であり、各センサはウェハについての高さを前記検出器で計測するための受光センサであり、前記白色光をウェハに投射し、前記ウェハから反射された白色光の一部を受光し、それらセンサが複数本のロー及びカラムをなしてそのセンサ体内に配置されており、それらロー及びカラムのそれぞれがそれらセンサのうち少なくとも2個を有するセンサ体と、
前記白色光源及び前記検出器を前記複数個のセンサに結合させ、前記複数のレンズを通過した白色光を前記複数個のセンサに送り、かつ前記ウェハから反射され前記センサで受光した白色光の一部を前記複数のレンズを介して前記検出器に送る複数本の光ファイバと、
を備え、
前記白色光源からの白色光を組成する波長それぞれの焦点距離が前記ビームスプリッタと前記屈折レンズとを含む前記複数のレンズの屈折率により変わり、その白色光を組成する波長それぞれが前記複数のレンズから異なる距離にて集束して前記ウェハに方向付けられ、
前記複数本の光ファイバの一面又は複数面にピンホールアパーチャが形成される
装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、更に、前記検出器と電子通信するコントローラを備え、クロマティック共焦点技術を用いウェハについての高さデータを提供するようそのコントローラが構成されている装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、更に、前記センサ体と前記白色光を反射するウェハとを互いに対し走査させるよう構成されたアクチュエータを備える装置。
【請求項4】
請求項3に記載の装置であって、ロー及びカラム内の前記センサが線をなし配列されており、前記ウェハに対する前記センサ体の前記走査がそれらの線のうちいずれかに対し非平行な方向に沿っている装置。
【請求項5】
請求項4に記載の装置であって、前記ウェハに対する前記センサ体の走査方向が前記線のうち少なくとも1本に対し45°角をなす装置。
【請求項6】
請求項1に記載の装置であって、更に、前記白色光を反射するウェハを保持するよう構成されたチャックを備える装置。
【請求項7】
請求項1に記載の装置であって、前記検出器がCMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサでありスペクトル分散素子を有する装置。
【請求項8】
請求項7に記載の装置であって、前記スペクトル分散素子が格子を有する装置。
【請求項9】
請求項1に記載の装置であって、前記ピンホールアパーチャが前記光ファイバの一部分である装置。
【請求項10】
ビームスプリッタと屈折レンズとを含む複数個のレンズを介しウェハに白色光を差し向けるステップと、
前記ウェハによって反射された白色光のうち一部をセンサ体内の複数個のセンサにて受光するステップと、
前記複数のセンサにおいて受光した前記白色光の前記一部を複数の光ファイバを介して送るステップと、
前記複数の光ファイバからの前記白色光の前記一部を前記複数個のレンズを介して検出器に投射するステップと、
前記検出器とコントローラとを用い、クロマティック共焦点技術を用いて、前記ウェハについての高さデータを求めるステップと、
を有し、
前記白色光の波長それぞれの焦点距離が前記複数のレンズの屈折率により変わり、前記白色光の波長それぞれが前記複数のレンズから異なる距離にて集束し、
前記複数のセンサが複数本のロー及びカラムをなして前記センサ体内に配置されており、それらロー及びカラムのそれぞれがそれらセンサのうち少なくとも2個を有し、
前記複数本の光ファイバの一面又は複数面にピンホールアパーチャが形成される
方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、更に、前記ウェハ及び前記センサ体を互いに対し走査させるステップを有する方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法であって、ロー及びカラム内の前記センサが線に沿っており、前記ウェハに対する前記センサ体の前記走査がそれらの線のうちいずれかに対し非平行な方向に沿っている方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記ウェハに対する前記センサ体の走査方向が前記線のうち少なくとも1本に対し45°角をなす方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は光センサに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願への相互参照)
本願は2016年9月7日付米国仮特許出願第62/384324に基づく優先権主張を伴うものであり、この参照を以てその開示内容が本願に繰り入れられるものとする。
【0003】
半導体製造業の発展につれ歩留まり管理に対する期待、とりわけ計量及び検査システムに対するそれがかつてなく強まっている。限界寸法(クリティカルディメンション)が縮小される一方でウェハサイズは増している。市場により、同業界は、高歩留まり高付加価値生産を達成するための時間を縮めるよう駆り立てられている。即ち、歩留まり問題を検出してからそれを正すまでの総時間を短縮することが、半導体製造業者にとり投資収益率の決め手となっている。
【0004】
半導体デバイス例えば論理デバイス及び記憶デバイスの製造においては、通常、多数の半導体製造プロセスを用い半導体ウェハを処理することで、それら半導体デバイスの諸フィーチャ(外形特徴)及び構造階層群が形成される。例えばリソグラフィは、レティクルから半導体ウェハ上に配列されたフォトレジストへのパターン転写を伴う半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスの更なる例としては、これに限られるものではないが、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積及びイオンインプランテーションがある。複数個の半導体デバイスを1枚の半導体ウェハ上に配列をなして作成し、その上で個別の半導体デバイスへと分けるようにするとよい。
【0005】
個別の半導体デバイスへと分ける前に、半導体デバイスのウェハ全体をパッケージング向けに調製してもよい。パッケージングの際に、チップキャリア例えば基板を半導体デバイスに連結してもよい。半導体デバイスのウェハをパッケージング向けに調製する際、それら半導体デバイスの表面上に、半導体デバイスをチップキャリアに連結するのに用いうる構造を形成してもよい。例えば、比較的小さな半田ボールを半導体デバイス上のエリア内に配列してもよい。それら比較的小さな半田ボールのことは「バンプ」、その上にそれら半田ボールが形成されたウェハのことは「バンプ付きウェハ」と呼ばれることが多かろう。バンプは例えば半球形でも正方形でもよい。それらバンプを然るべく構成することで、その半導体デバイスをチップキャリアに物理的に取り付けること、並びにチップキャリアに対する電気的接続をなすことができる。例えば、デバイスを基板上に載せ、その基板上にある金属パッドのアレイ上に半田ボールを接触させて熔融させればよい。この種のパッケージング方法のことは、フェースダウンボンディング、フリップチップボンディング又は制御崩壊チップ接続(C4)と呼ばれることが多かろう。
【0006】
チップ内には多数のバンプを設けることができる。それらのバンプは同じ高さにする必要があり、そうしないとそれらを基板に同時に接触させることができない。ところが、製造プロセス上の差異故、一般に、バンプには高さの違いが現れる。
【0007】
ウェハ上に不正確に形成されたバンプ、例えば高さ公差外のそれは、処理中例えばそのウェハの精査(プロービング)中や、そのデバイスの使用中に、顕著な問題を引き起こしかねない。例えば、不正確に形成されたバンプによりプローブカード上のプローブが損傷されたため、テスタ不稼働時間が生じることやテスタ修理コストが生じることがある。また、不正確に形成されたバンプにより電源電極と接地電極が橋絡されたため、過剰な電流がプローブカードを介し引き出されることもある。そのため、バンプ付きウェハは、通常、検査及び計測の後に精査されることとなろう。加えて、不正確に形成されたバンプが精査中に検出されず、パッケージング済デバイスの故障可能性が増すこともありうる。更に、精査によりバンプ、特に単位面積当たりのバンプ個数が比較的多いウェハ上にあり試験中に強い垂直力でプローブを着座させ適正接触を図ることが必要となりうるそれが、損傷するかもしれない。この場合、バンプ付きウェハの検査及び計量がウェハ精査後に実行されることもある。
【0008】
現状で採用可能なバンプ付きウェハ三次元検査及び計量方法では、一般に、まずはxy平面内でデータが捕捉され、次いでz平面内でデータが捕捉される。本質的には、この種のシステムを、縦続的データ捕捉(即ち二次元(2D)データ捕捉に続く三次元(3D)データ捕捉)であるものと記述することができる。バンプ付きウェハに係る2D欠陥の例としては、バンプ欠落、バンプ位置不適正、バンプ橋絡、バンプ直径過大及びバンプ直径過小があろう。3D欠陥の例としては、これに限られるものではないが、バンプ高の過剰又は不足や、バンプからの縦スパイク(ひげ)突出又はバンプ内への縦ピット(小孔)陥入があろう。現状で採用可能な方法では一般に2Dデータ及び3Dデータの同時捕捉が可能でないため、2Dデータ又は3Dデータのみの捕捉に比べ、それらの方法はかなり低速になろう。加えて、3Dデータ捕捉が2Dデータ捕捉に比べかなり低速であることで、2Dに係るサンプリングに比べ3Dに係るサンプリングが実質的に少数になろう。個々で用いられている語「サンプリング」は、概ね、単一の試料上にありプロセス中に検査又は計測される点又は部位の個数のことであるといえる。言い換えれば、ウェハのうち比較的多くの部分がxyデータ捕捉のため走査される場合、そのウェハのうち付加的なzデータ捕捉のため走査される部分はかなり小さくなろう。
【0009】
現状で採用可能なバンプ付きウェハ三次元検査システム及び方法には幾つかの短所がある。例えば、上述の通り、この種のシステムは、2D及び3Dデータを捕捉し検査及び計量に供するため、ウェハを縦続的に複数回走査するよう構成されることがある。加えて、この種のシステムの構成は、比較的広いエリアに亘るバンプ付きウェハの高速走査と両立しないかもしれない。これらの短所は、総じて、検査及び計量システムのスループットを低下させるであろう。更に、2Dデータ捕捉及び処理システムと3Dのそれとの別途使用故、この種のシステムは比較的複雑になりかねない。この短所は、総じて、検査及び計量システムのコストを増大させ信頼性を低下させるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002-296018号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0019821号
【特許文献3】米国特許第6248988号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
このように、より秀逸な高さ計測システム及び技術が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1実施形態では装置が提供される。本装置は、白色光を発する白色光源と、複数個のレンズと、ピンホールアパーチャと、その白色光を受光する検出器と、複数個のセンサを有するセンサ体と、それら白色光源及び検出器を当該複数個のセンサに結合させる複数本の光ファイバと、を有する。そのレンズの屈折率によって、白色光源からの白色光を組成する波長それぞれの焦点距離が変わる。その白色光を組成する波長それぞれが、レンズから見て別々の距離にて集束する。センサは複数本のロー及びカラムをなしてセンサ体内に配置される。個々のロー及びカラムはセンサのうち少なくとも2個を有する。
【0013】
コントローラが検出器と電子通信することができる。クロマティック共焦点技術を用いウェハについての高さデータを提供するよう、そのコントローラを構成することができる。
【0014】
センサ体及びウェハを互いに対し走査させるようアクチュエータを構成することができる。そのウェハでは白色光が反射される。
【0015】
ロー及びカラム内のセンサは線沿いに配列するとよい。ウェハに対するセンサ体の走査は、それらの線のうちいずれかに対し非平行な方向沿いとすることができる。ある例では、ウェハに対するセンサ体の走査方向が、それら線のうち少なくとも1本に対し45°角をなす。
【0016】
白色光を反射するウェハを保持するよう、チャックを構成することができる。
【0017】
検出器を、スペクトル分散素子(分光素子)を有するCMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサとすることができる。そのスペクトル分散素子が格子を有していてもよい。
【0018】
ピンホールアパーチャを光ファイバの一部分としてもよい。
【0019】
第2実施形態では方法が提供される。白色光が複数個のレンズを介しウェハへと差し向けられる。それらレンズの屈折率により、その白色光を組成する波長それぞれの焦点距離が変わる。その白色光を組成する波長それぞれが、それらレンズから見て別々の距離にて集束する。ウェハによって反射された白色光のうち一部が、センサ体内の複数個のセンサにて受光される。それらセンサは、複数本のロー及びカラムをなしてそのセンサ体内に配置される。それらロー及びカラムそれぞれが、それらセンサのうち少なくとも2個を有する。コントローラを用い、クロマティック共焦点技術を用いて、そのウェハについての高さデータが求められる。
【0020】
本方法は、更に、ウェハ及びセンサ体を互いに対し走査させるステップを、有するものとすることができる。
【0021】
ロー及びカラム内のセンサは線に沿いに設けることができる。ウェハに対するセンサ体の走査は、それらの線のうちいずれかに対し非平行な方向沿いとすればよい。ある例では、ウェハに対するセンサ体の走査方向が、それらの線のうち少なくとも1本に対し45°角をなす。
【0022】
本件開示の性質及び諸目的のより遺漏なき理解のためには、以下の添付図面と併せ後掲の詳細記述を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本件開示の一実施形態の断面ブロック図である。
【
図2】本件開示の一実施形態に係るセンサ配列を示す図である。
【
図3】本件開示の一実施形態に係るセンサ配列を示す図である。
【
図4】本件開示の一実施形態に係るセンサ配列を示す図である。
【
図5】本件開示の一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
特許請求の範囲記載の主題を特定の諸実施形態により記述するけれども、本願中で説明される長所及び特徴全てを提供しない諸実施形態を含め、他の諸実施形態もまた本件開示の技術的範囲内にあるものとする。様々な構造的、論理的、処理ステップ的及び電子的改変を、本件開示の技術範囲から離隔することなく施すことができる。従って、本件開示の技術的範囲は、専ら、添付する特許請求の範囲への参照により定まる。
【0025】
本願にて開示されている諸実施形態は高さ計測、例えばバンプ、ピラー又は膜厚に係るそれに用いることができる。それら実施形態に係るセンサ配列と併せクロマティック共焦点技術を用いることで、計測速度が高まりスループットが改善される。
【0026】
クロマティック共焦点技術では、白色光源例えばLEDを用い、複数個のレンズに通すことができる。その白色光源によりウェハの表面を照明することができる。それらレンズは強度な色収差を呈しうる。それらレンズの屈折率により、白色光源からの白色光を組成する波長それぞれの焦点距離が変わりうる。即ち、その白色光を組成する波長それぞれがレンズから見て別々の距離にて集束することで、ある計測域が発生することとなろう。その光を、1本又は複数本のファイバを介し光学プローブに備わるセンサへと伝搬させることで、ある離散個数の点に亘りその焦点距離を拡散させ、それにより光の全スペクトルを生成することができる。
【0027】
注目面が計測域内にあるときには、その白色光のうちある単一の波長が合焦状態となり、他の波長は全て非合焦状態となろう。その上でその白色光がレンズを介し逆反射され、次いでピンホールアパーチャの働きで合焦波長のみがCCD分光計へと通されるため、ある単一の点に係る特定の距離に対応する合焦波長が、そのCCD分光計により指示・表示されることとなろう。
【0028】
図1は装置100の断面ブロック図である。本装置100は、ウェハ105のフィーチャ又は表面のクロマティック共焦点高さ計測に用いることができる。
【0029】
本装置100は、白色光を発する白色光源101と、複数個のレンズ114とを有している。例えば、それらレンズ114のなかにビームスプリッタとその他のレンズとを含めることができる。それらレンズ114の屈折率によって、白色光源101からの白色光を組成する波長それぞれの焦点距離が変わる。その白色光を組成する波長それぞれが、それらレンズ114から見て別々の距離にて集束する。
【0030】
例えば、白色光源101を明視野共焦点イメージング向け又は暗視野共焦点イメージング向けに構成してもよい。比較的短波長の光を発するよう1個又は複数個の白色光源101を構成することができる。これにより、白色光源101の焦点深度を比較的小さくしてもよい。例えば、1個の点又は1本の線で以てウェハ105を照明するよう共焦点照明システムを構成してもよい。加えて、複数個の点又は複数本の線で以てウェハ105上の複数個所を実質同時に照明するよう、共焦点照明システムを構成してもよい。
【0031】
白色光源101を、白色光ビームを生成するよう構成してもよい。加えて、複数の波長を有する白色光ビームを生成するよう白色光源101を構成してもよい。例えば、複数波長の光を発するよう構成されたレーザを白色光源101に具備させてもよい。そのレーザの例としては、約455nm、約458nm、約466nm、約477nm、約488nm、約497nm、約502nm、約515nm又は約529nmを含め複数波長で発光するよう構成されたアルゴンイオンレーザがあろう。アルゴンイオンレーザを、紫外域及び波長域内の波長を有する光を発するよう構成してもよい。他の光源例えば広帯域光を発するよう構成された光源を、白色光源101に具備させてもよい。例えば、広帯域光ビームを発するよう白色光源101を構成してもよく、その広帯域光を、紫外光、可視光及び/又は赤外光を含むものとしてもよい。好適な広帯域白色光源101としては、これに限られるものではないが、約450nm~約647nmの波長域にて発光するよう構成された混合ガスレーザがあろう。更に、本システムに複数個の光源を具備させてもよい。例えば、本システムに2個のレーザを具備させてもよい。それら2個のレーザを、実質的に別の波長を有する光ビームを生成するように構成してもよい。
【0032】
レンズ114には、光強度減衰器、スペクトル線バンドパスフィルタ、偏向ビームスプリッタ、空間フィルタ、集束光学系、コリメータレンズ、スキャンレンズ、視野レンズ、チューブレンズ、1/4波長板、明視野キューブ、折り返し鏡等を含めることができる。
【0033】
本装置100に、白色光源101に結合された1個又は複数個のフィルタ(図示せず)を具備させてもよい。それらのフィルタを、白色光源101に発する光のうち複数通りの波長を透過させるよう、構成してもよい。例えば、その光のうち二通り、三通り又はそれ以上の波長を透過させるようそれらフィルタを構成してもよい。それらのフィルタを透過した光をウェハ105の表面に差し向けることで、複数波長の光をウェハ105上に入射させてもよい。
【0034】
白色光源101を、レンズ114を用い平行光源化してもよい。
【0035】
本装置100はピンホールアパーチャ102をも有している。
【0036】
センサ体103は複数個のセンサ104を有している。それらセンサ104は、複数本のロー及びカラムをなしてセンサ体103内に配置されている。個々のロー及びカラムは、それらセンサ104のうち少なくとも2個を有している。5個のセンサ104がロー1本の中に描かれているが、例えばセンサ体103毎に数百個のセンサ104が複数本のロー及びカラムをなし存するようにしてもよい。
【0037】
1本又は複数本の光ファイバ109により、白色光源101及び検出器107がそれら複数個のセンサ104に結合されている。それらセンサ104を介しウェハ105上に投射された白色光は、スロット状や線状の態となろう。
図1ではピンホールアパーチャ102から分離しているかのように描かれているが、光ファイバ109にピンホールアパーチャ102として働かせ又はそれを具備させることもできる。即ち、ピンホールアパーチャ102を光ファイバ109の一部としてもよい。例えば、光ファイバ109の一面又は複数面を以てピンホールアパーチャ102としてもよい。
【0038】
検出器107は、ウェハ105から反射されてきた白色光を受光する。この検出器107は、例えばCMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサでありスペクトル分散素子例えば格子を伴うものと、するとよい。
【0039】
コントローラ108はその検出器107と電子通信する。コントローラ108は、クロマティック共焦点技術を用いウェハ105についての高さデータをもたらすように構成されている。
【0040】
コントローラ108には、1個又は複数個のプロセッサ408と、1個又は複数個のメモリ112とを、具備させることができる。各プロセッサ111がメモリ112のうち1個又は複数個と電子通信してもよい。ある実施形態では当該1個又は複数個のプロセッサ111が可通信結合される。この構成によれば、検出器107にて受光された波長に関わる示数を当該1個又は複数個のプロセッサ111にて受け取り、その示数をコントローラ108に備わるメモリ112内に格納することができる。コントローラ108に、少なくとも1個のプロセッサ111と電子通信する通信ポート113を具備させてもよい。コントローラ108を本システム自体の一部としてもよいし、本システムから分離させてもよい(例.スタンドアロン制御ユニットにし又は集中品質制御ユニットの態にしてもよい)。
【0041】
実際のところ、コントローラ108はハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのどのような組合せで実現してもよい。また、その機能であり本願記載のものを単一のユニットによって実行しても複数個の部材間で分かち合ってもよく、更にはその部材それぞれをハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのどのような組合せで実現してもよい。コントローラ108に諸方法及び諸機能を実行・実現させるためのプログラムコード又は命令は、コントローラ可読格納媒体内、例えばメモリ112内、コントローラ108内、コントローラ108外、或いはそれらの組合せに格納すればよい。
【0042】
コントローラ108その他、本願記載のシステム(群)及びサブシステム(群)は、パーソナルコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ネットワーク機器、インターネット機器、並列プロセッサその他の装置を含め、様々な形態を採りうる。一般に、語「制御ユニット」は、記憶媒体から得た命令を実行するプロセッサを1個又は複数個有する装置全てが包括されるよう、広義に定義されよう。また、そのサブシステム(群)やシステム(群)に、どのようなものであれ本件技術分野で既知で好適なプロセッサ、例えば並列プロセッサを具備させてもよい。加えて、そのサブシステム(群)やシステム(群)に、スタンドアロンツール又はネットワーク化ツールたる高速処理プラットフォーム及びソフトウェアを具備させてもよい。
【0043】
本システムに複数個のサブシステムを具備させる場合、それら異種サブシステム同士を結合させることで、画像、データ、情報、命令等々をそれらサブシステム間で送れるようにすることができる。例えば、あるサブシステムを更なるサブシステム(群)へと、好適であるどのような伝送媒体により結合させてもよく、それには本件技術分野で既知で好適なあらゆる有線及び/又は無線伝送媒体が含まれうる。そうしたサブシステムのうち2個以上を共有コンピュータ可読格納媒体(図示せず)によって実質的に結合させてもよい。
【0044】
実施形態によっては、コントローラ108が、システム100の諸構成部材又はサブシステムのうち任意のものに、本件技術分野で既知な何らかの要領で可通信結合されよう。更に、伝送媒体例えば有線及び/又は無線区間を有するそれにより他システムからのデータ又は情報(例.検査システム例えば広帯域プラズマ(BBP)ツール、デザインデータが収まるリモートデータベース等からの検査結果)を受け取り及び/又は捉えるよう、コントローラ108を構成してもよい。こうすることで、その伝送媒体を、コントローラ108と本システム100の他サブシステム又はシステム100外のシステムとの間のデータリンクとして、働かせるとよい。
【0045】
コントローラ108を、何らかの好適な要領で(例.1個又は複数個の伝送媒体例えば有線及び/又は無線伝送媒体を含むそれを介し)本システム100の構成諸部材に結合させることで、本システム100により生成された出力をそのコントローラ108にて受け取れるようにすることができる。コントローラ108を、その出力を用い多数の機能を実行するよう構成するとよい。また例えば、コントローラ108を、その出力についての欠陥レビューを実行することなくその出力をメモリ112その他の格納媒体へと送るように、構成してもよい。その他、コントローラ108は本願記載の如く構成されうる。
【0046】
更なる実施形態は、コントローラ上で実行可能なプログラムが格納されている非一時的コンピュータ可読媒体であり、本願記載の如くウェハ105上のフィーチャの高さを判別するコンピュータ実施方法を実行するためのものに、関するものである。とりわけ、
図1に示すように、コントローラ108に、メモリ112その他の電子データ格納媒体と併せ、コントローラ108上で実行可能なプログラム命令群が組み込まれた非一時的コンピュータ可読媒体を具備させることができる。そのコンピュータ実施方法には、本願記載のいずれの方法(群)のいずれのステップ(群)を含めてもよい。メモリ112その他の電子データ格納媒体は格納媒体、例えば磁気又は光ディスク、磁気テープその他、本件技術分野で既知で好適ないずれの非一時的コンピュータ可読媒体でもよい。
【0047】
それらプログラム命令は、就中、手続きベース技術、要素ベース技術及び/又はオブジェクト指向技術を含め、諸手法のいずれで実装してもよい。例えば、それらプログラム命令を、望むところに従い、ActiveX(登録商標)コントロール、C++オブジェクト、JavaBeans(登録商標)、Microsoft(登録商標)FoundationClasses(MFC)、SSE(ストリーミングSIMDエクステンション)その他のテクノロジ又は方法論を用い、実装すればよい。
【0048】
実施形態によっては、システム100並びに本願記載の諸方法の諸ステップ、機能及び/又は動作が、電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログ又はディジタルコントローラ/スイッチ、マイクロコントローラ及び情報処理システムのうち1個又は複数個により実行される。プログラム命令であり方法例えば本願記載のそれを実現するそれを、キャリア媒体上で伝送させ又はその上に格納してもよい。そのキャリア媒体には格納媒体、例えばリードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気又は光ディスク、不揮発性メモリ、固体メモリ、磁気テープ等が含まれうる。キャリア媒体には伝送媒体、例えばワイヤ、ケーブル又は無線伝送リンクが含まれうる。例えば、本件開示の随所に記載の諸ステップを、単一のコントローラ108(又はコンピュータシステム)により実行しても、或いは複数個のコントローラ108(又は複数個のコンピュータシステム)により実行してもよい。更に、本システム100の諸サブシステムが1個又は複数個の情報処理又は論理システムを有していてもよい。従って、上掲の記述は本発明についての限定としてではなく単なる例証として解されるべきである。
【0049】
本システム100では、ウェハ105をチャック106で保持することができる。アクチュエータ110を、センサ体103及びウェハ105が互いに対し走査されるように構成することができる。例えば、チャック106を、ウェハ105と共に、センサ体103に対しX又はY方向に沿い走査運動させることができる。チャック106を動かすかの如くアクチュエータ110が描かれているが、アクチュエータ110でセンサ体103を動かすこともできる。
【0050】
図2~
図4にはセンサ配列の諸実施形態が描かれている。
図2~
図4では各センサ体内に8個のセンサが描かれているが、センサ体1個当たり例えば数百個のセンサが存していてもよい。
【0051】
図2中の配列200は2個のセンサ体103を有している。それらセンサ体103は2本のロー201をなして配列されている。個々のロー201及びカラム202は少なくとも2個のセンサ104を有している。当該2個のセンサ体103を少なくとも部分的に重ね合わせることができる。ウェハ(図示せず)は、矢印203で示される如くそれらセンサ体103に対し動かされる。
【0052】
図3中の配列300は3個のセンサ体103を有している。それらセンサ体103は3本のロー301をなして配列されている。個々のロー301及びカラム302は少なくとも2個のセンサ104を有している。当該3個のセンサ体103を少なくとも部分的に重ね合わせることができる。ウェハ(図示せず)は、矢印303で示される如くそれらセンサ体103に対し動かされる。ロー301及びカラム302内のセンサ104は(破線で示す如く)線304に沿い配列されている。ウェハに対するセンサ体103の走査は、矢印303を線304と比べることでわかる通り、それら線304のうちいずれかに対し非平行な方向に沿うものである。ある例では、ウェハに対するセンサ体103の走査方向が、線304のうち少なくとも1本に対し45°角とされる。
【0053】
図4中の配列400は6個のセンサ体103を有している。それらセンサ体103は6本のロー401をなして配列されている。個々のロー401及びカラム402は少なくとも2個のセンサ104を有している。当該6個のセンサ体103を少なくとも部分的に重ね合わせることができる。例えば、それら6個のセンサ体103を、互いに完全重複するよう配置することができる。ウェハ(図示せず)は、矢印403で示される如くそれらセンサ体103に対し動かされる。
【0054】
図5は方法500のフローチャートである。501では白色光がウェハに向けられる。レンズの屈折率によって、その白色光を組成する波長それぞれの焦点距離が変わる。その白色光を組成する波長それぞれが、それらレンズから別々の距離にて集束する。
【0055】
502では、そのウェハによって反射された白色光のうち一部が、センサ体内の複数個のセンサにて受光される。それらセンサは、複数本のロー及びカラムをなしてそのセンサ体内に配置されている。個々のロー及びカラムはそれらセンサのうち少なくとも2個を有している。
【0056】
503では、コントローラを用い、クロマティック共焦点技術を用いて、ウェハについての高さデータが求められる。
【0057】
ウェハ及びセンサ体を互いに対し走査させてもよい。例えばビザンチン走査パターンを用いてもよい。ある例では、ロー及びカラムを線に沿わせ、ウェハに対するセンサ体の走査をそれらの線のうちいずれかに対し非平行な方向に沿わせる。例えば、ウェハに対するセンサ体の走査方向を、それら線のうち少なくとも1本に対し45°角とすることができる。
【0058】
高輝度光源とし、クロマティック共焦点イメージングに係る速度向上を実現することもできる。スループットはセンサ出力により制限されうる。レーザ駆動プラズマ光源や超連続体(超広帯域)光源が、クロマティック共焦点イメージングに係る速度向上を実現しうる高輝度光源の例である。
【0059】
本願中の用語「ウェハ」は、総じて、半導体又は非半導体素材で形成された基板のことを指している。そうした半導体又は非半導体素材の例としては、これに限られるものではないが、単結晶シリコン、窒化ガリウム、ヒ化ガリウム、燐化インジウム、サファイア及びガラスがある。そうした基板は、半導体製造設備にて広く見いだされ及び/又は処理されうるものである。
【0060】
ウェハが、基板上に形成された1個又は複数個の層を有していてもよい。そうした層の例としては、これに限られるものではないが、フォトレジスト、誘電素材、導電素材及び半導体素材を含むものがあろう。本件技術分野ではその種の層について多くの種類が知られており、本願中の用語ウェハには、その種類を問わずそれらの層を有するウェハを包括する意図がある。
【0061】
ウェハ上に形成された1個又は複数個の層はパターニングされていても未パターニングでもよい。例えば、ウェハ内に複数個のダイがありそれらがそれぞれ可反復パターンフィーチャ又は周期構造を有していてもよい。そうした素材層の形成及び処理を通じ最終的にはデバイスの完成品が得られよう。相異なる多くの種類のデバイスをウェハ上に形成しうるところ、本願での用語ウェハには、その種類を問わず本件技術分野で既知なデバイスがその上に作成されるウェハを包括する意図がある。
【0062】
他種ウェハを用いてもよい。例えば、そのウェハを用いLED、ソーラセル、磁気ディスク、フラットパネル又は研磨板を製造してもよい。他物体上の欠陥を、本願で開示されている技術及びシステムを用い分類してもよい。
【0063】
本方法の各ステップは本願記載の如く実行されうる。また、本方法に、本願記載のコントローラ及び/又はコンピュータサブシステム(群)又はシステム(群)により実行可能ないずれの他ステップ(群)を含めてもよい。それらのステップは、1個又は複数個のコンピュータシステム特に本願記載の諸実施形態のいずれに従い構成しうるそれにより、実行することができる。加えて、上述の諸方法を本願記載のシステム実施形態のうちいずれにより実行してもよい。
【0064】
本件開示について、1個又は複数個の具体的実施形態を基準にして記述してきたが、理解されるように、本件開示の技術的範囲から離隔することなく、本件開示の他の諸実施形態をなすことができる。従って、本件開示は、添付する諸請求項及びその合理的解釈によってのみ限定されるものと認められる。