(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008223
(43)【公開日】2022-01-13
(54)【発明の名称】処理ツール用シャワーヘッド
(51)【国際特許分類】
C23C 16/455 20060101AFI20220105BHJP
H01L 21/205 20060101ALI20220105BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220105BHJP
【FI】
C23C16/455
H01L21/205
H01L21/302 101G
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021103984
(22)【出願日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】63/043394
(32)【優先日】2020-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー ディップ
【テーマコード(参考)】
4K030
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA06
4K030EA05
4K030KA02
4K030KA12
5F004AA01
5F004BB19
5F004BB28
5F045AA15
5F045AB02
5F045AC03
5F045AC05
5F045BB01
5F045DP15
5F045DP27
5F045EE19
5F045EF05
5F045EM10
(57)【要約】
【課題】 処理ツール用シャワーヘッドを提供する。
【解決手段】 1つの実施例では、装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された基板ホルダと、基板ホルダの上に配置されたシャワーヘッドと、を含む。シャワーヘッドは、シャワーヘッドの中央領域に配置された第1のゾーンであって、第1の空洞を含む、第1のゾーンと、第1の空洞から基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、流体源に流体結合された第1の流路と、第1の流路を第1の空洞と流体結合する複数の第1の流体分配経路と、を含む。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された基板ホルダと、
前記基板ホルダの上に配置されたシャワーヘッドであって、
前記シャワーヘッドの中央領域に配置された第1のゾーンであって、第1の空洞を含む、第1のゾーンと、前記第1の空洞から前記基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、流体源に流体結合された第1の流路と、前記第1の流路を前記第1の空洞と流体結合する複数の第1の流体分配経路と、を含む、シャワーヘッドと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記シャワーヘッドの周辺領域に配置された第2のゾーンであって、第2の空洞を含む、第2のゾーンと、前記第2の空洞から前記基板ホルダに向かって前記流体を出力するように整列された複数の第2の流体出口穴と、第2の流体源に流体結合され、且つ前記第1の流路から独立している第2の流路と、を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のゾーンに配置された複数の第1の空洞と、前記複数の第1の空洞のそれぞれから前記基板ホルダに向かって前記流体を出力するように整列されたそれぞれの複数の第1の流体出口穴と、前記複数の第1の流路のそれぞれを前記複数の第1の空洞のそれぞれと流体結合する第1の複数の流体分配経路のうちの1つと、
前記第2のゾーンに配置された複数の第2の空洞と、前記複数の第2の空洞のそれぞれから前記基板ホルダに向かって前記流体を出力するように整列されたそれぞれの複数の第2の流体出口穴と、前記第2の流体源に流体結合され、且つ前記第1の流路及び前記複数の第1の流路から独立している複数の第2の流路と、を更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記シャワーヘッドの中間領域に配置された第3のゾーンであって、前記中間領域が前記中央領域と前記周辺領域との間に配置され、前記第3のゾーンが第3の空洞を含む、第3のゾーンと、前記第3の空洞から前記基板ホルダに向かって前記流体を出力するように整列された複数の第3の流体出口穴と、第3の流体源に流体結合され、且つ前記第1の流路及び前記第2の流路から独立している第3の流路と、を更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記第2の流体源が、前記第1の流体源と同じである、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記第2のゾーンが、前記第2の流路を前記第2の空洞と流体結合する複数の第2の流体分配経路を更に備える、請求項2に記載の装置。
【請求項7】
前記シャワーヘッドの境界の周りに配置され、且つ前記基板ホルダに向かって延在しているスカートを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記スカートが、前記シャワーヘッドから前記基板ホルダの上、1mm~10mmの距離まで延在している、実施例7に記載の装置。
【請求項9】
前記スカートが、前記シャワーヘッドの周辺領域の周りに配置された真空チャネルを含み、複数の流体入口穴が整列して前記流体を前記基板ホルダから離れて入れる、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記シャワーヘッドの周辺領域の周りに配置された真空チャネルを更に備え、複数の流体入口穴が整列して前記流体を前記基板ホルダから離れて入れる、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記装置が原子層堆積装置である、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された基板ホルダであって、複数のウェーハを支持するように構成されている、基板ホルダと、
前記基板ホルダの上に配置されたシャワーヘッドシステムであって、
前記処理チャンバの中央領域の周りに配置されたくさび形のシャワーヘッドであって、
前記くさび形のシャワーヘッドの中央ゾーン内の第1の空洞と、
前記第1の空洞から前記基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、
前記第1の空洞に出ていく複数の流体分配経路と、
第1の流体源を前記複数の流体分配経路と流体結合する第1の流路と、を有する、くさび形のシャワーヘッド、を含む、シャワーヘッドシステムと、
を備える、装置。
【請求項13】
前記中央ゾーンの周辺領域に配置された周辺ゾーンであって、第2の空洞を含む周辺ゾーンと、前記第2の空洞から前記基板ホルダに向かって前記流体を出力するように整列された複数の第2の流体出口穴と、第2の流体源に流体結合され、且つ前記第1の流路から独立している第2の流路と、を更に備える、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記シャワーヘッドの境界の周りに配置され、且つ前記基板ホルダに向かって延在しているスカートを更に備える、実施例12に記載の装置。
【請求項15】
前記スカートが、前記シャワーヘッドの周辺領域の周りに配置された真空チャネルを含み、複数の流体入口穴が整列して前記流体を前記基板ホルダから離れて入れる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記シャワーヘッドの境界の周りに配置された真空チャネルを更に備え、複数の流体入口穴が整列して前記流体を前記基板ホルダから離れて入れる、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記処理チャンバが、前記くさび形のシャワーヘッドの第1の広い角の近くに配置された第1の真空ポートと、前記くさび形のシャワーヘッドの第2の広い角の近くに配置された第2の真空ポートとを有する二重真空ポートを更に含む、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が原子層堆積装置である、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
基板を処理する方法であって、シャワーヘッドを通って処理チャンバ内に配置された前記基板に向かって第1の流体を流すことであって、前記シャワーヘッドが前記シャワーヘッドの中央領域に配置された第1のゾーンを含み、前記第1のゾーンは第1の空洞を含み、複数の第1の流体出口穴が前記第1の流体を前記第1の空洞から前記基板に向かって出力するように整列され、第1の流路が第1の流体源に流体結合され、複数の第1の流体分配経路が前記第1の流路を前記第1の空洞と流体結合する、ことを含み、前記流すことが、前記第1の流路及び前記複数の第1の流体分配経路を通って前記第1の空洞を前記第1の流体で満たすことと、前記複数の第1の流体出口穴を通って前記第1の空洞から出ていくように前記第1の流体を方向付けることと、を含む、方法。
【請求項20】
前記シャワーヘッドの第2のゾーンを通って前記基板に向かって第2の流体を流すことであって、前記第2のゾーンが前記第1のゾーンの周辺領域に配置され、前記第2のゾーンが第2の空洞を含み、複数の第2の流体出口穴が前記第2の空洞から前記基板に向かって前記第2の流体を出力するように整列され、第2の流路が、第2の流体源に流体結合され、且つ前記第1の流路から独立している、ことを更に含み、前記流すことが、前記第2の流路を通って前記第2の空洞を前記第2の流体で満たすことと、前記第2の空洞から前記複数の第2の流体出口穴を通って出ていくように前記第2の流体を方向付けることと、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第2の流体が前記第1の流体と同じである、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記シャワーヘッドが処理ツールの一部であり、前記方法が、
前記処理ツールで前記基板を処理することによって第1の特徴を形成することと、
前記第1の特徴のメトリックを測定することと、
前記測定に基づいて、前記第1の流体の前記第1の空洞への第1の流速、前記第2の流体の前記第2の空洞への第2の流速、前記第1の空洞内の第1の流体圧力、前記第2の空洞内の第2の流体圧力、前記処理ツールの排気ポートを通る排気流、前記第1のゾーンの第1のゾーン温度、又は前記第2のゾーンの第2のチャンバ温度、を調整することと、
前記調整後、前記処理ツールで別の基板を処理することによって、第2の特徴を形成することと、
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記シャワーヘッドが原子層堆積ツールの一部であり、前記方法が、前記原子層堆積ツールで前記基板を処理することを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記原子層堆積ツールで前記基板を処理することが、シリコンの原子層を堆積することを含み、前記ガスがクロロシラン含有前駆体ガスである、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の空洞が、約150cm-3~200cm-3の容量を有し、前記方法が、前記第1の流体源からの前記第1の流体の圧力を約1.6トル~約2.6トルに設定することを更に含み、前記処理チャンバのチャンバ圧力が約0.5トル~約0.8トルである、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年6月24日に出願された米国仮特許出願第63/043,394号の利益を主張するものであり、この出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、半導体製造処理装置、特定の実施形態では、処理ツール用シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
半導体産業では、化学蒸着(CVD)などの蒸着プロセスを使用して様々な薄膜が堆積される。CVDプロセスでは、異なる反応ガスが、薄膜が堆積される表面と接触する。ガスは、大気圧CVD(APCVD)若しくは準大気圧CVD(SACVD)のように熱的に、又はプラズマ強化CVD(PECVD)のようにより低温で電気エネルギーを用いて支援されるかのいずれかで反応する。原子層堆積(ALD)と呼ばれるCVDプロセスは、制御された原子層の材料を堆積するために使用されている。
【0004】
半導体産業では、フッ化水素などの流体蒸気を用いた気相化学エッチングプロセス、並びにフッ素含有分子及び塩素含有分子などのガスを使用して反応性の高いフッ素及び塩素原子を生成する気相プラズマエッチングプロセスを使用して、様々な薄膜をエッチングする。原子層エッチング(ALE)は、反応性の高いガス状反応物を使用して、一度に1つの原子層ずつ薄膜の表面をエッチングする。
【0005】
図1A及び
図1Bに示されるように、薄膜堆積又は薄膜エッチング用の反応流体は、堆積又はエッチングツール内の半導体ウェーハなどの基板112上のシャワーヘッド100内の流体出口穴102を通って分配される。
【0006】
図1Aは、単一のウェーハ堆積又はエッチングツール116の上面図であり、基板ホルダ110の上のシャワーヘッド100の(基板を示さない)上面図を示している。シャワーヘッド100を取り囲む排気ポート118は、流体出口穴102から出てくる流体を除去する。
【0007】
図1Bは、
図1Aのシャワーヘッド100の断面図である。流体(ガス)経路106は、シャワーヘッド100を流体源108に結合する。流体経路106は、シャワーヘッド100内の空洞104に流体を提供する。流体出口穴102は、流体を空洞から基板ホルダ110上の基板112に向かって出力するように整列されている。
【0008】
図2は、バッチ堆積又はエッチングツール122の上面図である。半導体ウェーハなどの基板112は、基板ホルダ124の円周近くに配置されている。基板ホルダ124は、CVD又はALD堆積中、又は化学蒸着、プラズマ、若しくはALEエッチング中に、くさび形の反応物シャワーヘッド126の下で基板112を回転させる。窒素などの不活性ガスは、くさび形の反応物シャワーヘッド126の両側にあるくさび形の不活性ガスシャワーヘッド128から分配される。くさび形の不活性ガスシャワーヘッド128から出てくる窒素、及びくさび形の反応物シャワーヘッド126から出てくる流体は、排気ポート120を通って除去される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態によれば、装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された基板ホルダと、基板ホルダの上に配置されたシャワーヘッドと、を含む。シャワーヘッドは、シャワーヘッドの中央領域に配置された第1のゾーンであって、第1の空洞を含む、第1のゾーンと、第1の空洞から基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、流体源に流体結合された第1の流路と、第1の流路を第1の空洞と流体結合する複数の第1の流体分配経路と、を含む。
【0010】
一実施形態によれば、装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された基板ホルダであって、基板ホルダが複数のウェーハを支持するように構成された、基板ホルダと、基板ホルダの上に配置されたシャワーヘッドシステムと、を含む。シャワーヘッドシステムは、処理チャンバの中央領域の周りに配置されたくさび形のシャワーヘッドを含む。くさび形のシャワーヘッドは、くさび形のシャワーヘッドの中央ゾーン内の第1の空洞と、第1の空洞から基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、第1の空洞に出ていく複数の流体分配経路と、流体源を複数の流体分配経路と流体結合する第1の流路と、を含む。
【0011】
一実施形態によれば、基板を処理する方法は、シャワーヘッドを通ってガスを基板に向かって流すことを含む。シャワーヘッドは、シャワーヘッドの中央領域に配置された第1のゾーンであって、第1の空洞を含む、第1のゾーンと、第1の空洞から基板に向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、流体源に流体結合された第1の流路と、第1の流路を第1の空洞と流体結合する複数の第1の流体分配経路と、を含む。流すことには、第1の流路及び複数の第1の流体分配経路を通って第1の空洞をガスで満たすことと、複数の第1の流体出口穴を通って第1の空洞から出ていくようにガスを方向付けることと、を含む。
【0012】
本発明及びその利点についてのより詳細な理解のために、ここで、後述の説明を以下の添付図面と併せて参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1Aは、従来技術の単一のウェーハシャワーヘッドの上面図であり、
図1Bは、従来技術の単一のウェーハ薄膜堆積又は薄膜エッチングツールの断面図である。
【
図2】
図2は、くさび形のシャワーヘッドを備えた従来技術のバッチCVD堆積又は薄膜エッチングツールの上面図である。
【
図3】
図3A~
図3Bは、一実施形態による、単一のウェーハ堆積又はエッチングツール用の流体分配経路を備えたシャワーヘッドであり、
図3Aは上面図であり、
図3Bは
図3Aの断面図である。
【
図4】
図4A~
図4Bは、一実施形態による、単一のウェーハ堆積又はエッチングツール用の流体分配経路を備えたシャワーヘッドであり、
図4Aは上面図であり、
図4Bは
図4Aの断面図である。
【
図5】
図5Aは、一実施形態による、単一のウェーハ堆積又はエッチングツール用の流体分配経路を備えたマルチゾーンシャワーヘッドであり、
図5Aは上面図であり、
図5Bは
図5Aの断面図である。
【
図6-1】
図6Aは、一実施形態による、流体分配経路を有するくさび形のシャワーヘッドを備えたバッチ堆積又はエッチングツールの上面図であり、
図6Aはバッチ堆積又はエッチングツールの上面図を示しており、
図6Bはくさび形のシャワーヘッドの上面図であり、
図6Cは
図6Bの断面図である。
【
図6-2】
図6Aは、一実施形態による、流体分配経路を有するくさび形のシャワーヘッドを備えたバッチ堆積又はエッチングツールの上面図であり、
図6Aはバッチ堆積又はエッチングツールの上面図を示しており、
図6Bはくさび形のシャワーヘッドの上面図であり、
図6Cは
図6Bの断面図である。
【
図7】
図7Aは、一実施形態による、バッチウェーハ堆積又はエッチングツール用の流体分配経路を備えたくさび形のマルチゾーンシャワーヘッドであり、
図7Aは平面図であり、
図7Bは
図7Aの断面図である。
【
図9】
図9は、一実施形態による、くさび形のシャワーヘッドの下からバッチ堆積又はエッチングツール内の単一の排気ポートへのシミュレートされた流体流動を示す投影図である。
【
図10】
図10は、一実施形態による、二重排気ポートを備えたバッチ堆積又はエッチングツールの上面図である。
【
図11】
図11は、一実施形態による、くさび形のシャワーヘッドの下からバッチ堆積又はエッチングツール内の二重排気ポートへのシミュレートされた流動を示す投影図である。
【
図14】
図14は、流体分配経路を備えたくさび形のシャワーヘッドを使用する堆積を説明する一実施形態による方法の処理ステップのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
300mmウェーハなどの大きな基板にわたって、厚さ、組成、及び屈折率などの均一な膜特性を有する薄膜を堆積することは困難である。シャワーヘッドを使用して薄膜を均一に堆積させるために、シャワーヘッドの流体出口穴から処理されている基板の表面に向かって流体が均一に分配される。
【0015】
蒸気エッチング流体、又は流体からプラズマで生成されたガス状ラジカルを使用してウェーハにわたって薄膜を均一にエッチングすることは困難であり、除去する必要のある副生成物を生成する。シャワーヘッドを使用して薄膜を均一にエッチングするために、流体出口穴からエッチングされている薄膜の表面に向かって流体が均一に分配される。堆積後又はエッチング後、ウェーハにわたって計量測定が行われ、データに対して相関計算が実行されて、統計的に有意な厚さパターンがウェーハ上に存在するかどうかが判定される。
【0016】
流体が流体出口穴から均一に出ていくためには、穴の上の流体圧力が均一でなければならない。空洞内の流体圧力は、全ての流体出口穴の上の流体圧力が同じになるように十分に高くなければならない。
図1~
図2に示されるような従来技術の設計では、基板のサイズが大きくなるにつれて、シャワーヘッドも大きくなり、空洞のサイズが大きくなる。増大した数の流体出口穴にわたって空洞内の流体圧力を均一に保つために、流体圧力、流体温度、及び流体流動(流速)が増大される。より高い流体流動は、流体使用量の増大をもたらし、流体コストの増大及び処理後の化学物質の後処理コストの増大をもたらす。特に原子層堆積(ALD)で使用されるもののような高価な前駆体流体の場合、流体の使用量が増大すると、製造コストが大幅に増大する可能性がある。
【0017】
本開示の実施形態は、以下でより詳細に説明されるように、シャワーヘッドの設計を変更することによって、均一な薄膜の堆積及びエッチングを可能にする。一実施形態によれば、装置は、均一な堆積のため、及びプロセスが使用する流体の量を低減するための流体分配経路を備えたシャワーヘッドを備える。一実施形態によれば、装置は、より少ない流体を使用しながら、均一に堆積及び均一にエッチングするための流体分配経路を有するくさび形のシャワーヘッドを備える。一実施形態によれば、堆積又はエッチングのための方法は、流体分配経路を通って流体を流すことと、くさび形のシャワーヘッド内の空洞を均一な圧力で満たすことと、を含む。
【0018】
図3A及び
図3Bは、例示的な実施形態による、単一のウェーハ堆積又はエッチングシャワーヘッドの上面図及び断面図である。
【0019】
シャワーヘッド300は、流体の腐食特性に応じて、例えば、ステンレス鋼又は他の金属で作製された本体部分を含む。本体部分内には、流体が空洞104を出ていく流体出口穴102を備えた中空空洞104がある。流体出口穴102は、基板112に面するシャワーヘッド300の側面を均一に覆う。流体出口穴102の反対側のシャワーヘッド300の側面上にあるねじ付き開口部は、流体源108への接続を可能にする。流体源108からの流体は、空洞104を満たし、流体出口穴102を通って基板112に向かって分配される。シャワーヘッド300内部の流体の圧力が十分に高い場合、流体出口穴102にわたる圧力は、全ての流体出口穴102に対して実質的に同じである。シャワーヘッド300内の流体出口穴136を通る流速を等しくするために必要とされる圧力は、シャワーヘッド300内の空洞104の容量に依存する。空洞104がより小さい場合、より低い圧力を使用して流速を等しくすることができる。空洞104の容量が約150cm-3~200cm-3、例えば175cm-3である構成では、例えば、チャンバ圧力が約0.5トル~約0.8トル、例えば0.6トルの場合に、約1.6トル~約2.6トルの圧力を設定することによって、チャンバ圧力よりも約1トル~2トル高い最小圧力を使用することができる。
【0020】
流体出口穴102にわたる圧力の変動は、一実施形態では0.1%~1%であり得、様々な実施形態では5%未満であり得る。これにより、各流体出口穴102を通って分配されている流体の量が実質的に同じであることを確実にし、その結果、堆積プロセス中、堆積されている膜の組成及び厚さがウェーハにわたって均一であるか、又はエッチングプロセス中、エッチングされている膜の厚さがウェーハにわたって均一である。
【0021】
図3A及び
図3Bに示されているのは、複数の流体分配経路130、132、及び134、並びに複数の流体分配穴136を備えたシャワーヘッド300である。一実施例として、
図3Aのシャワーヘッド300は、シャワーヘッド300の周辺領域の周りに12個の流体分配穴136を備えた4個の流体分配経路134と、シャワーヘッド300の中間(ドーナツ)領域に6個の流体分配穴136を備えた2個の流体分配経路132と、シャワーヘッド300の中央に1個の流体分配穴136を備えた1個の流体分配経路130と、を有する。この構成により、最も多くの流体が分配されているシャワーヘッド300の外側領域により多くの流体を提供し、中間量の流体が分配されているシャワーヘッド300のドーナツ部分に中間量の流体を提供し、且つ最小量の流体が分配されているシャワーヘッド300の中央に最小量の流体を提供する。より多くの流体が必要とされる場所により多くの流体を提供することにより、より低い圧力を維持しながら、実質的に同じ量の流体を全ての流体出口穴102から分配することができる。
【0022】
したがって、本開示の実施形態は、化学蒸着(CVD)及び原子層堆積(ALD)などの堆積プロセスを改善し、例えば、コストを低減しながら、薄膜堆積の均一性を改善する。加えて、本開示の実施形態は、危険な副生成物が生成される量を低減しながら、エッチングの均一性を改善する。シャワーヘッド300の中央によりもシャワーヘッドの周辺領域により多くの流体出口穴102があるため、シャワーヘッド300の中間及び中央領域から流出するものよりもかなり多くの流体が周辺を通って流出する。対照的に、従来のシャワーヘッドは、1つの流体経路106を有し、1つの中央に配置された流体分配出口を用いて、流体空洞104全体に流体を提供する(
図1B)。
【0023】
前述のように、流体が従来のシャワーヘッドなどのシャワーヘッドからより高い圧力で分配されると、かなりより多くの流体が流れるため、堆積又はエッチングステップ中にかなりより多くの流体が使用されて、同様に処理する必要がある、かなりより多くの排気ガスが生成される。従来の設計と比較して、使用される流体の量が少なくなるだけでなく、廃棄物の洗浄に必要な労力も少なくなる。加えて、流体がシャワーヘッドからより高い圧力で分配されるときに、シャワーヘッドは、堆積又はエッチングされた薄膜上にシャワーヘッドの穴パターンがインプリントされること(プロセス欠陥)を回避するために、基板112からより遠い距離に配置されている。本出願の実施形態により、シャワーヘッド300からの反応物の流出をより均一に流れるように制御することによって、従来の設計に関連する後処理コスト及びプロセス欠陥設計の問題を回避する。
【0024】
したがって、様々な実施形態では、流体分配経路130、132、及び134を備えたシャワーヘッド300の使用により、ウェーハ均一性にわたって堆積又はエッチングされた薄膜を改善し、流体のコストを低減し、副生成物の除去コストを低減する。
【0025】
流体分配経路130、132、及び134は、基板112上に分配される流体を貯蔵する流体源108に結合されている。明確にするために、ポンプ、フローバルブ、制御回路、及び他の標準装備などの追加の構成要素は示されていない。流体分配経路130、132、及び134は、流体を貯蔵するが、空洞104よりも小さい容量を有するという点で、ミニ空洞である。流体分配経路130、132、及び134から空洞104への複数の流体分配穴136を備えた、空洞104の上の流体分配経路130、132、及び134の層を追加することにより、流体分配経路130、132、及び134が空洞104内のより均一な流体圧力を維持するのに役立つ。より低い圧力で空洞104内の均一な流体圧力を維持することにより、より小さな空洞104を使用することが可能になり、全ての流体出口穴102上で均一な圧力を維持しながら、流体流速を低減して使用することが可能になる。均一な圧力により、全ての流体出口穴102を通って流体114を均一に分配する。たとえより低い流体流速であっても、流体分配経路130、132、及び134により、より小さな空洞104内で均一な圧力を維持することが可能になる。これは、空洞104の周辺領域の天井に配置された流体分配穴136の数がより多いために、より多くの流体が周辺領域に入るためである。
【0026】
図4A~
図4Bは、一実施形態による、単一のウェーハ堆積又はエッチングツール用の流体分配経路を備えたシャワーヘッドであり、
図4Aは上面図であり、
図4Bは
図4Aの断面図である。
【0027】
図4A~
図4Bは、複数レベルの流体分配経路を備えた更なる実施形態を示している。特定の実施形態では、追加の流体分配経路430、432、及び434は、均一性を更に改善するために、流体分配経路130、132、及び134の上に配置され得る。したがって、例えば、周辺領域に配置されたより多数の流体分配穴136を備えたより多くの流体分配経路130、132、及び134を使用することによって、より多くの流体が空洞104の周辺領域に向かって分配され得る。
図4Aにおいて、一実施例では、40個の流体分配穴136を備えた8個の流体分配経路134が、シャワーヘッド400の周辺領域に流体を提供する。20個の流体分配穴136を備えた4個の流体分配経路132は、シャワーヘッド400の中間(ドーナツ)領域に流体を提供する。4個の流体分配穴136を備えた1個の流体分配経路130は、シャワーヘッド400の中央領域に流体を提供する。複数の流体分配経路130、132、及び134を提供することにより、それぞれが空洞104の天井を覆う同様の数の流体分配穴136を備えて、より低い圧力を使用して流体出口穴102にわたって均一な流体流動を維持することができる。
【0028】
流体源108から
図4Aの構成における13個の分配経路のそれぞれに対する均一な流体流動を提供するために、上部流体分配経路430、432、及び434の追加の層は、上部流体分配穴436を通って流体分配経路130、132、及び134の下にある層に、流体を均一に分配する。流体分配経路430、432、及び434の上層は、別個の導管140、142、及び144を通って流体源108に接続することができる。マスフローコントローラバルブなどのバルブ150、152、及び154は、独立して、上部流体分配経路430、432、及び434のそれぞれへの流体流動の正確な制御を提供することができる。流体分配経路の追加レベルを追加して、より低い圧力で流体出口穴102から分配される流体の均一性を改善することによって、流体の使用量を更に低減することができる。これは、シャワーヘッド400に複雑さとコストを追加する。流体分配経路の数、対コスト、対膜均一性の相関関係を示すモデルを使用して、これらの変数の最適なバランスを判定することができる。
【0029】
図5Aは、一実施形態による、単一のウェーハ堆積又はエッチングツール用の流体分配経路130及び流体分配穴136を備えたマルチゾーンシャワーヘッド500であり、
図5Aは上面図であり、
図5Bは
図5Aの断面図である。
【0030】
上記の構成に示されるように、単一のウェーハシャワーヘッドは、そこから流体が分配され、そこへの流体混合物及び流速を独立して制御することができる複数のゾーンを有し得る。各ゾーンは、各ゾーン内の流体分配の均一性を改善するために、複数の流体分配経路を有し得る。加えて、流体分配経路の下層の上に流体分配経路の複数の上層を提供して、流体がより低いレベルに提供される均一性を改善することができる。薄膜の堆積又はエッチング中に、シャワーヘッドに影響を与える1つ以上の動作変数の値を調整することによって、基板にわたるターゲット膜の均一性を維持することができ、この動作変数には、チャンバ温度、シャワーヘッド内の各ゾーンへの入力流体の流体流速、各ゾーンへの入力流体の組成、各ゾーンのチャンバ流体圧力、第2の排気ポートと比較した第1の排気ポートの流体流速の比率、各ゾーンで開いている流体経路の数若しくは流体出口穴の数、及び/又はシャワーヘッドの各ゾーン内部の流体の圧力、を含む。従来の単一のウェーハCVD(及びALD)堆積ツール、及び単一のウェーハ流体蒸気(及びALE)エッチングツール(
図1A及び
図1B)では、流体は、シャワーヘッド100にわたる流体出口穴102を通って分配され、シャワーヘッド100を取り囲む排気ポート118を通って、流体堆積及びエッチングツールから排出される。流体は、半導体基板112にわたって放射状に流れ、しばしば、不均一な薄膜特性を有する放射状パターンをもたらす。この放射状の不均一性を補償するために、
図5A及び
図5Bに示されるような内側ゾーン158、中間ゾーン160、及び外側ゾーン162などの、複数の放射状ゾーンを備えたシャワーヘッドが使用され得る。
【0031】
放射状の堆積又はエッチングの均一性を改善するために、流体混合物及び流速は、内側、中間、及び外側ゾーン158、160、及び162のそれぞれへの流体経路140、142、144のそれぞれにおいて独立して制御され得る。例として、流体分配経路130は、異なる方向に向けられた別個のセクション、例えば、1つの場合には直交セクションを含む。様々な実施形態では、内側ゾーン158及び外側ゾーン162の空洞103及び105は、中間ゾーン160の空洞104よりも容量が小さい。流体分配経路130及び流体分配穴136は、より大きな中間ゾーン160に有意な利益をもたらすが、より小さな内側ゾーン158及び外側ゾーン162にはあまり利益をもたらさない場合があり、いくつかの実施形態では、これらのゾーンから省略され得る。
【0032】
図6Aは、一実施形態による、流体分配経路を有するくさび形のシャワーヘッドを備えたバッチ堆積又はエッチングツールの上面図であり、
図6Aはバッチ堆積又はエッチングツールの上面図を示し、
図6Bはくさび形のシャワーヘッドの上面図であり、
図6Cは
図6Bの断面図である。本明細書で更に説明するように、この例示的な実施形態により、薄膜の均一性を改善し、CVD及びALD堆積などのバッチ薄膜堆積プロセスにおける流体コストを低減し、バッチ薄膜エッチングプロセスにおける副生成物を除去するコストを低減する。
【0033】
図6Aを参照すると、バッチ薄膜堆積又はエッチングツールは、処理チャンバ内に配置された1つ以上のくさび形のシャワーヘッド600を有するシャワーヘッドシステムを含む。半導体ウェーハなどの基板112は、基板ホルダ124の円周近くに配置されている。基板ホルダ124は、CVD又はALD堆積及び流体蒸気又はALEエッチングなどの堆積又はエッチングプロセス中に、1つ以上のくさび形のシャワーヘッド600の下で基板112を回転させる。窒素などの不活性ガスは、1つ以上のくさび形のシャワーヘッド600のそれぞれの両側にあるくさび形の不活性ガスシャワーヘッド128から分配される。くさび形の不活性ガスシャワーヘッド128から出てくる窒素、及び1つ以上のくさび形のシャワーヘッド600から出てくる流体は、基板ホルダ124の周囲に沿って配置された排気ポート120(又は
図10の更なる実施形態で論じられる複数の排気ポート)を通って除去される。
【0034】
図6Bの上面図及び
図6Cの断面図に示されているのは、流体を各流体分配経路130に分配する流体分配マニホルド630に結合された流体分配穴136を備えた流体分配経路130である。流体経路106は、流体分配マニホルド630を流体源108に結合する。流体分配経路130は、流体を空洞104内に均一に分配する。流体を均一に分配することにより、全ての流体出口穴102の上で均一な圧力をなおも維持しながら、より小さな空洞104及びより低い流体流速を使用することが可能になる。同時に、均一な圧力により、流体114を全ての流体出口穴102を通って基板112に向かって均一に分配する。基板ホルダ124は、堆積又はエッチング中に、1つ以上のくさび形のシャワーヘッド600のそれぞれの下で基板112を通過させて回転する。基板112が回転すると、流体は、流体出口穴102から出てきて、
図6Cに示されるように、1つ以上のくさび形のシャワーヘッド600のそれぞれの下から流出する114。
【0035】
図7Aは、一実施形態による、バッチウェーハ堆積又はエッチングツール用の流体分配経路130、132、及び134を備えたくさび形のマルチゾーンシャワーヘッドを示し、
図7Aは上面図であり、
図7Bは
図7Aの断面図である。この実施形態では、ウェーハにわたって放射状の均一性を更に改善するために複数のゾーンを含む。
【0036】
図7A及び
図7Bに示されるようなバッチ堆積又はエッチングツールでは、流体114は、流体出口穴102を通って、くさび形のシャワーヘッド700の下側にわたって基板112に向かって分配される。流体114は、基板ホルダ124の外側の排気ポート164及び166(以下で論じる
図10を参照)を通って、バッチ堆積又はエッチングツール122から排出される。くさび形のシャワーヘッド700を取り囲む周囲からの窒素168は、くさび形のシャワーヘッド700の端部の下で逆拡散し得る。窒素168の逆拡散は、流体114を希釈し、くさび形のシャワーヘッド700の境界近くの薄膜特性を変え得る。これは、くさび形のシャワーヘッド700の頂点174及びベース170において、特に問題となる可能性がある。したがって、特定の実施形態では、流体分配経路130、132、及び134を有する複数のゾーン170、172、及び174を備えた、くさび形のシャワーヘッド700を使用して、薄膜の均一性を改善する。
【0037】
様々な実施形態では、異なる流体混合物107、108、及び109が、各ゾーン170、172、及び174に提供され得る。マイクロプロセッサ733は、流体ラインのそれぞれのバルブ150、152、及び154に信号を送信して、ゾーン170、172、及び174のそれぞれに対する流体混合物107、108、109のそれぞれの流速を独立して調整することができる。マイクロプロセッサは、ゾーン170、172、及び174のそれぞれの温度コントローラに信号を送信して、ゾーン170、172、及び174のそれぞれの温度を独立して制御することができる。
【0038】
様々な実施形態では、流体混合物107、108、109、及び流体流速は、ゾーン170、172、及び174のそれぞれへの流体経路144、146、及び148のそれぞれにおけるバルブ150、152、及び154によって、それぞれ独立して制御され得る。典型的には、内側ゾーン174及び外側ゾーン170の空洞103及び105は、中間ゾーン172の空洞104よりも容量が大幅に小さい。流体分配経路132及び流体分配穴136は、より大きな中間ゾーン172に有意な利益をもたらすが、流体分配経路134は、より小さな内側ゾーン174にはあまり利益をもたらさない場合があり、流体分配経路130は、より小さな外側ゾーン170にはあまり利益をもたらさない場合がある。いくつかのマルチゾーンシャワーヘッドでは、内側の流体分配経路130及び外側の流体分配経路134は省略され得る。
【0039】
上記の構成に示されるように、くさび形のシャワーヘッドは、そこから流体が分配され、そこへの流体混合物及び流速を独立して制御することができる複数のゾーンを有し得る。各ゾーンは、各ゾーン内の流体分配の均一性を改善するために、複数の流体分配経路を有し得る。加えて、流体分配経路の下層の上に流体分配経路の複数の上層を提供して、流体がより低いレベルに提供される均一性を改善することができる。薄膜の堆積又はエッチング中に、シャワーヘッドに影響を与える1つ以上の動作変数の値を調整することによって、基板にわたってターゲット膜の均一性を維持することができ、この動作変数は、各ゾーン内のチャンバ温度、シャワーヘッドの各ゾーンへの入力流体の流体流速、各ゾーンへの入力流体の組成、各ゾーンのチャンバ流体圧力、第2の排気ポートと比較した第1の排気ポートの流体流速の比率、各ゾーンで開いている流体経路の数若しくは流体出口穴の数、及び/又はシャワーヘッドの各ゾーン内部の流体の圧力、を含む。
【0040】
図8Aは、一実施形態による、スカート180を備えたくさび形のマルチゾーンシャワーヘッド800であり、
図8Aは上面図であり、
図8Bは
図8Aの断面図である。
【0041】
薄膜堆積の均一性は、
図8A及び
図8Bに示されるように、流体出口穴102を取り囲み、且つくさび形のシャワーヘッド700の下側から基板ホルダ124に向かって延在するスカート180を追加することによって改善することができる。一実施形態では、スカート180は、リングのような形状であり、くさび形のシャワーヘッド700に適合されている。スカート180は、流体注入穴102を含む中央表面を単に凹ませることによって、シャワーヘッドと同じ材料ビレットから機械加工することができる。理想的には、特定の実施形態では、スカート180を有さずに、流体穴102を備えたシャワーヘッド表面を基板124に(1~3ミリメートル以内に)近接して配置することが好ましい。しかしながら、この構成により、シャワーヘッドのガス穴に対応する基板上の膜厚ストリークが生じる可能性がある。特定の実施形態では、スカート180を追加することにより、膜厚ストリークを回避することができる。スカート180はまた、くさび形のシャワーヘッド700の端部の下の周囲窒素168の逆流を低減することによって、特にくさび形のシャワーヘッド700の周辺近くで薄膜組成の均一性を改善する。
【0042】
スカート180の長さは、約1mm~10mmの範囲を有し得る。様々な実施形態では、スカート180の長さは、約1mm~3mmの範囲を有し得る。例示的な構成では、くさび形のシャワーヘッド700から下にある基板ホルダ124までの距離は約3mmであり、スカート180の長さは約2mmであり、スカート180から基板ホルダ124までの距離は約1.5mmである。これらの距離は、流体流動に応じて調整されて、最良の薄膜均一性を達成することができる。
図9は、バッチ堆積又はエッチングツール122での、くさび形のシャワーヘッド700の下から単一の排気ポート120への流体114のシミュレートされた流動を示す投影図である。流体114は、くさび形のシャワーヘッド700の下側にある流体出口穴102から分配される。この流体114と周囲窒素は、単一の排気ポート120に向かって引っ張られる。流体114は、くさび形のシャワーヘッド700の下側にわたって不均一に流れる。堆積された薄膜の均一性は、くさび形のシャワーヘッド700の下側にわたる流体114の流動の均一性を改善することによって、改善することができる。
【0043】
図10は、二重排気ポート164及び166を備えたバッチ堆積又はエッチングツール122の上面図である。バッチ堆積又はエッチングツール122は、一実施形態ではCVD堆積ツール、別の実施形態ではALD堆積ツール、別の実施形態では流体蒸気エッチングツール、別の実施形態ではプラズマエッチングツール、更に別の実施形態ではALEエッチングツールであり得る。第1の排気ポート164及び第2の排気ポート166は、くさび形のシャワーヘッド700のベースの各角の近くに配置され、くさび形のシャワーヘッド700の両側から流体を同時に排出する。くさび形のシャワーヘッド700のベースと、第1及び第2の排気ポート164及び166を備えた単一の排気ポート120に向かう途中の基板ホルダ124との間で一方向に流れる流体の代わりに、くさび形のシャワーヘッド700の両側から流れる流体114は、バランスがとられて、薄膜の堆積又はエッチングの均一性を改善することができる。
【0044】
図11は、くさび形のシャワーヘッド700から第1及び第2の排気ポート164及び166へのシミュレートされた流体流動を示す投影図である。第1及び第2の排気ポート164及び166は、くさび形のシャワーヘッド700のベースの角の近くに配置される。流体114は、両側で、くさび形のシャワーヘッド700の下から均一に抽出される。基板112とくさび形のシャワーヘッド700との間からの流体114のより均一な流動により、改善された薄膜均一性を有する堆積又はエッチングされた薄膜を生成する。
図11では、第1のくさび形の不活性ガスシャワーヘッド128aと、くさび形のシャワーヘッド700の第1の側面に沿った部分との間の第1のガスチャネルからの流体114は、第1の排気ポート164に入る。第2のくさび形の不活性ガスシャワーヘッド128bと、くさび形のシャワーヘッド700の第2の側面に沿った部分との間の第2のガスチャネルからの流体114は、第2の排気ポート166に入る。排気ポート164及び166は、2つの排気ポートが通路で接続されているため、サイズが異なる。この通路のコンダクタンスは、排気ポート164の開口部サイズを判定する際に重要である。排気ポート166は、収容できる限り大きく設計され、次いで、排気ポート164は、流動のバランスをとるようにサイズ決めされる。排気ポート164は、通常、フォアライン及び真空ポンプに直接接続された標準の排気出口である。したがって、流動とポート166とのバランスをとるために、排気ポート164用のより小さな開口部が必要とされる。くさび形のシャワーヘッド700の両側からの流体114及び窒素のバランスのとれた除去により、くさび形のシャワーヘッド700の下の流体114の流動の均一性を改善し、堆積又はエッチング薄膜の均一性を改善する。
【0045】
【0046】
図12A及び
図12Bでは、薄膜堆積又はエッチングの均一性は、くさび形のマルチゾーンシャワーヘッド1200の下側端部の周りに真空チャネル171を追加することによって、更に改善することができる。真空チャネル開口部は、基板ホルダ124に面し、くさび形のマルチゾーンシャワーヘッド1200と下にある基板ホルダ124との間から流体114及び窒素168を除去するように整列されている。くさび形のマルチゾーンシャワーヘッド1200の端部の下に逆拡散する前に窒素168のかなりの部分を除去することにより、この領域での流体114の希釈を低減し、薄膜堆積又はエッチングの均一性が改善される。真空チャネル171はまた、くさび形のマルチゾーンシャワーヘッド1200と基板ホルダ124との間からの流体のより均一な除去を提供する。流体出口穴102から分配された後の流体のより均一な除去により、くさび形のマルチゾーンシャワーヘッド1200の下での流体114の流動の均一性を改善し、薄膜のより均一な堆積又はエッチングを可能にする。
【0047】
図13A及び
図13Bに示される代替的な実施形態では、真空チャネル171は、統合されたスカート/真空チャネル188を形成するスカート180に組み込まれ得る。これにより、別個の真空チャネル171及びスカート180を有する前の実施形態よりも面積及びコストを低減する。
図13Aは上面図であり、
図13Bは
図13Aの断面図である。この実施形態では、スカート/真空チャネル188は、窒素168の逆拡散をブロックする二重の機能を実行し、また真空チャネル171でもある。この構成では、スカート/真空チャネル188は中空であり、基板ホルダ124とシャワーヘッド1300の下側との間から流体及び窒素を除去するように配置された開口部を備える。窒素168の逆拡散をブロックすることと、逆拡散するかなりの量の窒素を排出することとの両方により、窒素による流体希釈の結果としてのシャワーヘッド1300の境界における薄膜の不均一性を低減する。加えて、スカート/真空チャネル188は、流体が流体出口穴102から出てくるときに流体を連続的に除去することによって、シャワーヘッド1300と基板ホルダ124との間の流体流動の均一性を改善する。堆積中のより均一な流体流動はまた、薄膜組成を改善し、堆積又はエッチング中のより均一な流体流動が、薄膜の厚さの均一性を改善する。
【0048】
様々な実施形態では、本開示に記載される薄膜CVD堆積方法は、薄膜が堆積される領域全体にわたって厚さ及び組成などのより均一な薄膜特性を達成し、低減されたコスト及び低減された後処理コストでそれを行うことができる。加えて、様々な実施形態において、本開示に記載される薄膜エッチング方法は、ウェーハ全体にわたってより均一なエッチングされた薄膜の厚さを達成し、低減されたコスト及び低減された後処理コストで組み合わせることができる。本開示の実施形態によって提供される方法は、流体流路に対する変更、シャワーヘッドへの変更、及び薄膜堆積又はエッチングツールにおける真空排気システムに対する変更を含み得る。一構成では、シリコンの単層は、原子層堆積(ALD)ツールにおいてクロロシラン含有ガスを使用して堆積される。クロロシラン含有ガスには、トリクロロシラン(SiCl3H、TCS)、ジクロロシラン(SiCl2H2、DCS)、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6、HCDS)が含まれる。
【0049】
CVD薄膜又はALD単層を堆積する方法の主なステップは、
図14のフロー図にリストされている。
【0050】
第1の方法ブロック180では、CVD又はALDツールのシャワーヘッドを変更して、シャワーヘッドの第1の空洞のサイズを低減し、ガスを第1の空洞内に均一に分配するためのガス分配穴を備えたガス分配チャネルを含む。
【0051】
第2のブロック182では、複数のゾーンを備えたシャワーヘッドを作成する。例示的な構成では、第2の空洞を備えた内側ゾーンは、第1のゾーンの第1の周辺領域に配置され、第3の空洞を備えた外側ゾーンは、第1のゾーンの第2の周辺領域に配置される。ガス流動を個別に制御する別個のガス経路は、ガス源と第2のゾーンとの間、及びガス源と第3のゾーンとの間で結合されている。
【0052】
第3のブロック184では、第1のガス経路を通り、ガス分配チャネル及びガス分配穴を通って第1の空洞を満たすようにガスを流し、複数の第1のガス出口穴を通って第1の空洞から基板に向かって出ていくようにガスを方向付ける。
【0053】
第4のブロック186では、第2のガス経路を通って第2の空洞を満たすようにガスを流し、複数の第2のガス出口穴を通って第2の空洞から基板に向かって出ていくようにガスを方向付ける。利点がある場合は、第2の分配チャネルを第2の空洞に追加することができる。通常、第2の空洞は、第1の空洞よりも小さい。第2のゾーンのガスの流速は、CVD薄膜又はALD単層の均一性を改善するために、第1のゾーンの流速とは異なる方法で調整することができる。通常、第2の外側ゾーンのガスの流速は、第1ゾーンの流速よりもわずかに高くなるように調整されて、窒素の逆拡散に対抗して、薄膜の均一性を向上させる。
【0054】
第5のブロック188では、第3のガス経路を通って第3の空洞を満たすようにガスを流し、複数の第3のガス出口穴を通って第3の空洞から基板に向かって出ていくようにガスを方向付ける。利点がある場合は、第3のガス分配チャネルを第3の空洞に追加することができる。通常、第3の空洞は、第1の空洞よりも小さい。第3のゾーンのガスの流速は、CVD薄膜又はALD単層の均一性を改善するために、第1のゾーンの流速とは異なる方法で調整することができる。通常、第3のゾーンのガスの流速は、第1ゾーンの流速よりもわずかに高くなるように調整されて、窒素の逆拡散に対抗して、薄膜の均一性を向上させる。
【0055】
第6のブロック190では、薄膜の均一性を改善するために任意選択的に実行され得る。この方法ステップでは、第1の真空ポートは、くさび形のシャワーヘッドのベースの第1の角の近くに配置され、第2の真空ポートは、ベースの第2の角の近くに配置される。真空ポートへの真空ラインのバルブは、くさび形のシャワーヘッドの第1の側面の下から第1の真空ポートへのガスの流速と、くさび形のシャワーヘッドの第2の側面の下から第2の真空ポートへのガスの流速とのバランスをとるように調整される。第7のブロック192は、1つ以上の動作変数の値を調整することによって、シャワーヘッドの1つ以上の動作変数を制御することであり、この動作変数は、チャンバ温度、シャワーヘッド内の各ゾーンへの入力流体の流体流速、シャワーヘッド内の各ゾーンへの流体流動の組成、各ゾーンのチャンバ流体圧力、第2の排気ポートと比較した第1の排気ポートの流体流速の比率、及び開いている流体経路の数又は流体出口穴の数、並びに/又はシャワーヘッドの各ゾーン内部の流体の圧力、を含み、シャワーヘッドの1つ以上の動作変数の制御は、基板のターゲット膜の均一性を維持するように構成されている。
【0056】
したがって、本開示の実施形態は、均一なエッチング又は堆積を可能にする。堆積後又はエッチング後、ウェーハにわたって計量測定が行われ、データに対して相関計算が実行されて、統計的に有意な厚さパターンがウェーハ上に存在するかどうかが判定される。パターンが検出されると、シャワーヘッドに影響を与える動作変数が調整され、パターンが削除される。動作変数には、チャンバ温度、流体分配経路の局所温度、シャワーヘッド内の各ゾーンへの流体流速、各ゾーン内のチャンバ流体圧力、第2の排気ポートと比較した第1の排気ポートの流体流速の比率、及び開いている流体経路の数又は流体出口穴の数、並びに/又はシャワーヘッドの各ゾーン内部の流体の圧力、を含む。したがって、本発明の実施形態は、様々な実施形態で上述したシャワーヘッドを含む処理ツールで基板を処理することによって、第1の特徴が形成されるプロセス制御スキームを含む。第1の特徴は、例えば、エッチングプロセス又は堆積プロセスの後に形成される構造であり得る。第1の特徴は、例えば、第1の特徴の表面粗さ、限界寸法、又は高さであり、インライン、又はプロフィロメータ、散乱計、電子顕微鏡、X線などの光学、電子、又は電磁ツールを含む他の測定ツールを使用して測定される。測定値に基づいて、メトリックが処理ツール用のプロセスウィンドウ内に収まるかどうか、例えば、そのプロセスフローのターゲット内に収まるかどうかが判定される。メトリックがプロセスウィンドウの外にある場合、第1の流体の第1の空洞への第1の流速、第2の流体の第2の空洞への第2の流速、第1の空洞内の第1の流体圧力、第2の空洞内の第2の流体圧力、処理ツールの排気ポートを通る排気流、第1のゾーンの第1のゾーン温度、又は第2のゾーンの第2のチャンバ温度が、後続のウェーハのメトリックをターゲットプロセスウィンドウ内に収めることができるように調整される。したがって、後続の特徴は、調整後に処理される。
【0057】
本出願の例示的な実施形態を、以下に要約する。他の実施形態もまた、本明細書の全体及び本明細書で出願される特許請求の範囲から理解され得る。
【0058】
実施例1.装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された基板ホルダと、基板ホルダの上に配置されたシャワーヘッドと、を含む。シャワーヘッドは、シャワーヘッドの中央領域に配置された第1のゾーンであって、第1の空洞を含む、第1のゾーンと、第1の空洞から基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、流体源に流体結合された第1の流路と、第1の流路を第1の空洞と流体結合する複数の第1の流体分配経路と、を含む。
【0059】
実施例2.シャワーヘッドの周辺領域に配置された第2のゾーンであって、第2の空洞を含む、第2のゾーンと、第2の空洞から基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第2の流体出口穴と、流体源に流体結合され、且つ第1の流路から独立している第2の流路と、を更に含む、実施例1の装置。
【0060】
実施例3.第2のゾーンが、第2の流路を第2の空洞と流体結合する複数の第2の流体分配経路を更に含む、実施例1又は2のうちの1つの装置。
【0061】
実施例4.シャワーヘッドの境界の周りに配置され、且つ基板ホルダに向かって延在しているスカートを更に含む、実施例1~3のうちの1つの装置。
【0062】
実施例5.スカートがシャワーヘッドから基板ホルダの上、1mm~10mmの距離まで延在する、実施例1~4のうちの1つの装置。
【0063】
実施例6.スカートが、シャワーヘッドの周辺領域の周りに配置された真空チャネルを含み、複数の流体入口穴が整列して流体を基板ホルダから離れて入れる、実施例1~5のうちの1つの装置。
【0064】
実施例7.シャワーヘッドの周辺領域の周りに配置された真空チャネルを更に含み、複数の流体入口穴が整列して流体を基板ホルダから離れて入れる、実施例1~6のうちの1つの装置。
【0065】
実施例8.装置が原子層堆積装置である、実施例1~7のうちの1つの装置。
【0066】
実施例9.装置は、処理チャンバと、処理チャンバ内に配置された基板ホルダであって、基板ホルダが複数のウェーハを支持するように構成されている、基板ホルダと、基板ホルダの上に配置されたシャワーヘッドシステムと、を含む。シャワーヘッドシステムは、処理チャンバの中央領域の周りに配置されたくさび形のシャワーヘッドを含む。くさび形のシャワーヘッドは、くさび形のシャワーヘッドの中央ゾーン内の第1の空洞と、第1の空洞から基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、第1の空洞に出ていく複数の流体分配経路と、流体源を複数の流体分配経路と流体結合する第1の流路と、を含む。
【0067】
実施例10.中央ゾーンの周辺領域に配置された周辺ゾーンと、第2の空洞を含む周辺ゾーンと、第2の空洞から基板ホルダに向かって流体を出力するように整列された複数の第2の流体出口穴と、流体源に流体結合され、且つ第1の流路から独立している第2の流路と、を更に含む、実施例9の装置。
【0068】
実施例11.シャワーヘッドの境界の周りに配置され、且つ基板ホルダに向かって延在しているスカートを更に含む、実施例9又は10のうちの1つの装置。
【0069】
実施例12.スカートが、シャワーヘッドの周辺領域の周りに配置された真空チャネルを含み、複数の流体入口穴が整列して流体を基板ホルダから離れて入れる、実施例9~11のうちの1つの装置。
【0070】
実施例13.シャワーヘッドの境界の周りに配置された真空チャネルを更に含み、複数の流体入口穴が整列して流体を基板ホルダから離れて入れる、実施例9~12のうちの1つの装置。
【0071】
実施例14.処理チャンバが、くさび形のシャワーヘッドの第1の広い角の近くに配置された第1の真空ポートと、くさび形のシャワーヘッドの第2の広い角の近くに配置された第2の真空ポートとを備えた二重真空ポートを更に含む、実施例9~13のうちの1つの装置。
【0072】
実施例15.装置が原子層堆積装置である、実施例9~14のうちの1つの装置。
【0073】
実施例16.基板を処理する方法は、シャワーヘッドを通して基板に向かってガスを流すことを含む。シャワーヘッドは、シャワーヘッドの中央領域に配置された第1のゾーンであって、第1の空洞を含む、第1のゾーンと、第1の空洞から基板に向かって流体を出力するように整列された複数の第1の流体出口穴と、流体源に流体結合された第1の流路と、第1の流路を第1の空洞と流体結合する複数の第1の流体分配経路と、を含む。流すことには、第1の流路及び複数の第1の流体分配経路を通って第1の空洞をガスで満たすことと、複数の第1の流体出口穴を通って第1の空洞から出ていくようにガスを方向付けることと、を含む。
【0074】
実施例17.シャワーヘッドの第2のゾーンを通って基板に向かってガスを流すことであって、第2のゾーンが第1のゾーンの周辺領域に配置され、第2のゾーンが第2の空洞を含み、複数の第2の流体出口穴が第2の空洞から基板に向かって流体を出力するように整列されており、第2の流路が、流体源に流体結合され、且つ第1の流路から独立している、ことを更に含み、流すことが、第2の流路を通って第2の空洞をガスで満たすことと、第2の空洞から複数の第2の流体出口穴を通って出ていくようにガスを方向付けることと、を含む、実施例16の方法。
【0075】
実施例18.第2の流体出口穴を出ていくガスの流速が、第1の流体出口穴を出ていくガスの流速よりも大きい、実施例16又は17のうちの1つの方法。
【0076】
実施例19.シャワーヘッドが原子層堆積ツールの一部であり、方法が原子層堆積ツールで基板を処理することを更に含む、実施例16~18のうちの1つの方法。
【0077】
実施例20.原子層堆積ツールで基板を処理することが、シリコンの原子層を堆積することを含み、ガスがクロロシラン含有前駆体ガスである、実施例16~19のうちの1つの方法。
【0078】
本発明について、例示的実施形態を参照しながら説明してきたが、本明細書は、限定的に解釈されることを意図されていない。当業者であれば、本明細書を参照することにより、それらの例示的実施形態の様々な修正形態及び組合せ並びに本発明の別の実施形態が明らかになるであろう。したがって、添付の請求項は、そのようなあらゆる修正形態又は実施形態を包含することが意図される。
【符号の説明】
【0079】
100、300、400、1300 シャワーヘッド
102 流体出口穴
103、104 空洞
106 流体経路
107、109 流体混合物
108 流体源
110、124 基板ホルダ
112 基板
114 流体
116 ウェーハ堆積又はエッチングツール
118、120 排気ポート
122 バッチ堆積又はエッチングツール
126 反応物シャワーヘッド
128、128a、128b 不活性ガスシャワーヘッド
130、132、134 流体分配経路
136 流体分配穴
140、142、144 導管
150、152、154 バルブ
158、174 内側ゾーン
160、172 中間ゾーン
162、170 外側ゾーン
164 第1の排気ポート
166 第2の排気ポート
168 窒素
180 スカート
188 スカート/真空チャネル
430、432、434 上部流体分配経路
434 上部流体分配穴
500 マルチゾーンシャワーヘッド
600、700 くさび形のシャワーヘッド
630 流体分配マニホルド
733 マイクロプロセッサ
800、1200 くさび形のマルチゾーンシャワーヘッド
【外国語明細書】