IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JX日鉱日石金属株式会社の特許一覧

特開2022-83569焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法
<>
  • 特開-焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法 図1
  • 特開-焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法 図2
  • 特開-焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法 図3
  • 特開-焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法 図4
  • 特開-焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法 図5
  • 特開-焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法 図6
  • 特開-焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083569
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 90/04 20060101AFI20220530BHJP
   B65D 88/12 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
B65D90/04 B
B65D88/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020194964
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】502362758
【氏名又は名称】JX金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】中川 健太
(72)【発明者】
【氏名】牧 公一
(72)【発明者】
【氏名】大金 浩司
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼澤 壮
【テーマコード(参考)】
3E070
3E170
【Fターム(参考)】
3E070AA25
3E070AB21
3E070DA01
3E070DA07
3E070MA04
3E070RA01
3E070VA15
3E070WH20
3E170AA21
3E170AB21
3E170DA01
3E170DA07
3E170MA04
3E170RA01
3E170VA13
3E170WE10
(57)【要約】
【課題】焼却金銀滓搬送用のコンテナから、焼却金銀滓を排出しやすくする。
【解決手段】コンテナ14の側壁22bは、コンテナ14を傾斜させた状態で内部の焼却金銀滓を外部に排出するための開閉扉として機能し、側壁22bと側壁22bに対向する側壁22d以外の側壁22a、22c、及び床板20を、略平板状の内張板31、32、30により覆うこととした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に焼却金銀滓を保持可能な直方体状の焼却金銀滓輸送用コンテナであって、
前記焼却金銀滓輸送用コンテナの第1の側壁は、前記焼却金銀滓輸送用コンテナを傾斜させた状態で内部の前記焼却金銀滓を外部に排出するための開閉扉として機能し、
前記第1の側壁と該第1の側壁に対向する第2の側壁以外の第3の側壁及び第4の側壁、並びに床板が、略平板状の内張板により覆われている、ことを特徴とする焼却金銀滓輸送用コンテナ。
【請求項2】
前記内張板は、超高分子量ポリエチレン又はテフロン(登録商標)を材料とする板であることを特徴とする請求項1に記載の焼却金銀滓輸送用コンテナ。
【請求項3】
前記内張板の板厚は、25μm~50mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の焼却金銀滓輸送用コンテナ。
【請求項4】
前記内張板の強度は、13~45MPaであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の焼却金銀滓輸送用コンテナ。
【請求項5】
前記内張板の静摩擦係数が0.21以下であることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の焼却金銀滓輸送用コンテナ。
【請求項6】
前記焼却金銀滓輸送用コンテナが20フィートコンテナであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の焼却金銀滓輸送用コンテナ。
【請求項7】
内張板で覆われた床板及び側壁を有するコンテナに焼却金銀滓を積み込む工程と、
前記焼却金銀滓が積み込まれたコンテナを目的地まで輸送する工程と、
前記目的地で前記コンテナを傾斜させ、前記焼却金銀滓を前記内張板の表面に沿わせながら前記コンテナから排出する工程と、を含む焼却金銀滓の輸送方法。
【請求項8】
前記排出する工程では、前記コンテナの床板の傾斜角が水平面に対して38度以下の状態で、前記コンテナに積み込まれた前記焼却金銀滓の全量が排出されることを特徴とする請求項7に記載の焼却金銀滓の輸送方法。
【請求項9】
前記焼却金銀滓中の水分が20%以下であることを特徴とする請求項7又は8に記載の焼却金銀滓の輸送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼却金銀滓輸送用コンテナ、及び焼却金銀滓の輸送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気電子部品屑等の廃棄物(金銀滓と呼ぶ)を処理する方法として、金銀滓をキルン炉で焼却し、焼却後の金銀滓(焼却金銀滓と呼ぶ)を篩別機で篩別し、篩別後の篩下物を溶融炉で処理する方法が知られている。
【0003】
キルン炉が設置されている場所と、溶融炉が設置されている場所が離れている場合、篩別後の焼却金銀滓をコンテナに積み込み、溶融炉が設置されている場所まで輸送する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-240748号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、焼却金銀滓は、ある程度の水分を含んでいる可能性があり、コンテナを傾けてコンテナ内から焼却金銀滓を排出しようとしても、コンテナ内に留まり完全に排出することができないおそれがある。
【0006】
本明細書に記載の焼却金銀滓輸送用コンテナは、焼却金銀滓を排出しやすくすることを目的とする。また、本明細書に記載の焼却金銀滓の輸送方法は、焼却金銀滓の輸送における労力を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に記載の焼却金銀滓輸送用コンテナは、内部に焼却金銀滓を保持可能な直方体状の焼却金銀滓輸送用コンテナであって、前記焼却金銀滓輸送用コンテナの第1の側壁は、前記焼却金銀滓輸送用コンテナを傾斜させた状態で内部の前記焼却金銀滓を外部に排出するための開閉扉として機能し、前記第1の側壁と該第1の側壁に対向する第2の側壁以外の第3の側壁及び第4の側壁、並びに床板が、略平板状の内張板により覆われている。
【0008】
本明細書の記載の焼却金銀滓の輸送方法は、内張板で覆われた床板及び側壁を有するコンテナに焼却金銀滓を積み込む工程と、前記焼却金銀滓が積み込まれたコンテナを目的地まで輸送する工程と、前記目的地で前記コンテナを傾斜させ、前記焼却金銀滓を前記内張板の表面に沿わせながら前記コンテナから排出する工程と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0009】
本明細書に記載の焼却金銀滓輸送用コンテナは、焼却金銀滓を排出しやすくすることができるという効果を奏する。また、本明細書に記載の焼却金銀滓の輸送方法は、焼却金銀滓の輸送における労力を低減することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態における金銀滓の処理の手順を示す図である。
図2】コンテナの斜視図である。
図3】コンテナから天井板と開閉扉を取り外した状態を示す図である。
図4】コンテナを輸送するトラクタ及び2軸トレーラを示す図である。
図5】内張板が設けられていないコンテナを示す図である。
図6図6(a)、図6(b)は、実験1、2について説明するための図である。
図7図7(a)、図7(b)は、実験1、2の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、一実施形態について、図1図7に基づいて詳細に説明する。図1は、一実施形態における金銀滓の処理の手順を示す図である。なお、本実施形態における金銀滓は、例えば、電気電子部品屑であるものとする。
【0012】
本実施形態においては、図1に示すように、まず、金銀滓をキルン炉10に投入し、焼却する(焼却工程)。
【0013】
キルン炉10で焙焼された金銀滓は、篩別機12に投入し、篩別を行う(篩別工程)。ここで、篩別機12は、所定寸法(25μm~50mm)の篩目を有する篩を用いて篩別を行う装置であるものとする。本実施形態においては、一度篩別を行った後にその篩上物を再度篩別するというような作業を複数回(例えば3回)繰り返し、当該複数回の篩別により得られた篩下物を処理対象とする。ここで、金銀滓は、焼却直後には熱により塊を形成してしまい、大きさが大きくなっている可能性がある。そこで、金銀滓の塊を適度に砕きつつ、複数回(例えば3回)篩別を行うことで、金銀滓を適切に篩別することができる。なお、篩別回数については、篩別に要するコストや時間、篩別が適切に行われているか否かなどを考慮して決定すればよい。
【0014】
なお、焼却金銀滓に対して、適宜、破砕、磁選、アルミ選別(渦電流選別など)等の処理を行うこととしてもよい。磁選やアルミ選別を行うことで、金銀滓から鉄やステンレス、アルミニウムなどを回収することができる。
【0015】
処理対象の篩下物は、焼却金銀滓輸送用コンテナ(以下、単に「コンテナ」と呼ぶ)14に積み込む(積み込み工程)。その後、篩下物が積み込まれたコンテナ14を、溶融炉18が存在する目的地まで輸送する(輸送工程)。コンテナ14が目的地に到着すると、コンテナ14から篩下物を排出し(排出工程)、排出した篩下物を溶融炉18で処理する(処理工程)。
【0016】
ここで、本実施形態において用いるコンテナ14について詳細に説明する。
【0017】
図2には、コンテナ14の斜視図が示されている。コンテナ14は、直方体状の形状を有する20フィートコンテナである。コンテナ14は、床板20と、側壁22a、22b、22c、22d(側壁22dは図2では図示されていない)と、天井板24と、を備えている。床板20、側壁22a~22d、及び天井板24は、波板と呼ばれる鉄やアルミニウムを材料とする板部材である。側壁22bは、2枚の観音開き可能な開閉扉23a、23bを有しており、開閉扉23a、23bを閉塞した状態でコンテナ14の側壁22bとして機能し、開放した状態で、焼却金銀滓の排出口として機能する。なお、開閉扉23a、23bを有する側壁22bが第1の側壁に相当し、これに対向する側壁22dが第2の側壁に相当する。また、側壁22b、22d以外の側壁22a、22cが第3、第4の側壁に相当する。
【0018】
図3には、コンテナ14から天井板24と開閉扉23a、23bを取り外した状態が示されている。図3に示すように、床板20と、2枚の側壁22a,22cのコンテナ内側の面は、内張板30、31、32により覆われた状態となっている。
【0019】
内張板30~32は、例えば、超高分子量ポリエチレン又はテフロン(「テフロン」は登録商標、以下同様)を材料とする板である。内張板30~32の板厚は、25μm~50mmであり、強度(引張破断点強度)は、13~45MPaである。このような板厚及び強度を採用することで、コンテナ14内に焼却金銀滓を積み込んだときの重みや衝撃によって内張板30~32に破損や変形が生じないようにしている。
【0020】
また、内張板30~32の静摩擦係数は0.21以下としている。本実施形態においては、コンテナ14には、天井板24が取り外された状態で、焼却金銀滓(篩下物)が積み込まれる。そして、船等に積載されて目的地近傍まで輸送されたコンテナ14は、図4に示すような2軸トレーラ120の積載台122に搭載される。そして、この2軸トレーラ120がダンプ装置126を有するトラクタ125に牽引されて目的地まで輸送される。目的地まで輸送されると、トラクタ125のダンプ装置126によって、コンテナ14の前部側が後部側よりも上側に位置するように傾斜され、内部の焼却金銀滓がコンテナ14の後側から(開放された開閉扉23a、23b部分から)排出されるようになっている。本実施形態では、平板状で、静摩擦係数が0.21以下である内張板30~32を設けていることから、図4に示すようにコンテナ14を傾斜させたときに焼却金銀滓が滑りやすくなっており、コンテナ14外に排出されやすくなっている。ダンプ装置126は、通常、コンテナ14の床面が水平面に対して38度程度となるまで傾斜させることができるが、本実施形態では、38度まで傾斜させる間に内部の焼却金銀滓がすべて排出される。
【0021】
なお、内張板31、32は、側壁22a、22bの内側の面の全てを覆っていなくてもよい。例えば、焼却金銀滓がコンテナ14内の80%程度の高さまでしか積み込まれないような場合には、内張板31、32は、側壁22a、22bの内側の面の上側20%程度を覆っていなくてもよい。
【0022】
図5には、内張板30~32が設けられていないコンテナ14’が示されている。図5に示すように、コンテナ14’の床板20や側壁22a、22cは波板であり、内面は凹凸形状を有している。また、床板20や側壁22a、22cの表面粗さは、焼却金銀滓の排出しやすさが考慮されたものとはなっていない。したがって、コンテナ14’に焼却金銀滓を積み込んだ場合、コンテナ14’を38度まで傾斜させても全ての焼却金銀滓が排出されないおそれがある。なお、コンテナの床板20上には、縞鋼板を敷設する場合があるが、縞鋼板を敷設した場合でも、摩擦による抵抗が大きいため、焼却金銀滓が排出されにくいおそれがある。
【0023】
(実施例)
本発明者は、焼却金銀滓の摺動性を確かめるため、以下の実験を行った。
【0024】
(実験1)
(1-1)低水分(12%)の焼却金銀滓を用意した。
(1-2)低水分の焼却金銀滓を図6(a)に示すように水平に設置した試験用板部材の上に山状に設けた。このときの焼却金銀滓の安息角は43.0度とした。
(1-3)図6(b)に示すように、試験用板部材の傾斜角を徐々に上げてゆき、全ての焼却金銀滓が滑り落ちたときの傾斜角を測定した。
(1-4)試験用板部材は、SS縞鋼板、SUS板、超高分子量ポリエチレン板、テフロン板の4種類とし、上記(1-2)、(1-3)を繰り返した。なお、SS縞鋼板の摩擦係数は、0.77~0.81、SUS板の摩擦係数は、0.6、超高分子量ポリエチレン板の摩擦係数は、0.07~0.11、テフロン板の摩擦係数は、0.04~0.10であった。
【0025】
上記実験1の結果が、図7(a)に示されている。
【0026】
図7(a)の実験1の結果によれば、SUS板、超高分子量ポリエチレン板、テフロン板であれば、傾斜角が38度以下で、低水分の焼却金銀滓が全て滑り落ちることが分かった。
【0027】
(実験2)
(2-1)低水分(12%)の焼却金銀滓を用意した。
(2-2)低水分の焼却金銀滓を図6(a)に示すように水平に設置した試験用板部材の上に山状に設けた後、上方から押し固めた。
(2-3)試験用板部材の傾斜角を徐々に上げてゆき、全ての焼却金銀滓が滑り落ちたときの傾斜角を測定した。
(2-4)試験用板部材は、SS縞鋼板、SUS板、超高分子量ポリエチレン板、テフロン板の4種類とし、上記(2-2)、(2-3)を繰り返した。
【0028】
上記実験2の結果が、図7(a)に示されている。
【0029】
図7(a)の実験2の結果によれば、低水分の焼却金銀滓を押し固めても、SUS板、超高分子量ポリエチレン板、テフロン板であれば、傾斜角が38度以下で、全ての焼却金銀滓が滑り落ちることが分かった。
【0030】
(実験3)
(3-1)高水分(20%)の焼却金銀滓を用意した。
(3-2)高水分の焼却金銀滓を図6(a)に示すように水平に設置した試験用板部材の上に山状に設けた。このときの焼却金銀滓の安息角は43.0度とした。
(3-3)図6(b)に示すように、試験用板部材の傾斜角を徐々に上げていき、全ての焼却金銀滓が滑り落ちたときの傾斜角を測定した。
(3-4)試験用板部材は、SS縞鋼板、SUS板、超高分子量ポリエチレン板、テフロン板の4種類とし、上記(3-2)、(3-3)を繰り返した。
【0031】
上記実験3の結果が、図7(b)に示されている。
【0032】
図7(b)の実験3の結果によれば、超高分子量ポリエチレン板、テフロン板であれば、傾斜角が38度以下で、高水分の焼却金銀滓の全てが滑り落ちることが分かった。
【0033】
(実験4)
(4-1)高水分(20%)の焼却金銀滓を用意した。
(4-2)高水分の焼却金銀滓を図6(a)に示すように水平に設置した試験用板部材の上に山状に設けた後、上方から押し固めた。
(4-3)試験用板部材の傾斜角を徐々に上げてゆき、全ての焼却金銀滓が滑り落ちたときの傾斜角を測定した。
(4-4)試験用板部材は、SS縞鋼板、SUS板、超高分子量ポリエチレン板、テフロン板の4種類とし、上記(4-2)、(4-3)を繰り返した。
【0034】
上記実験4の結果が、図7(b)に示されている。
【0035】
図7(b)の実験4の結果によれば、高水分の焼却金銀滓を押し固めても、超高分子量ポリエチレン板、テフロン板であれば、傾斜角が38度以下で、焼却金銀滓の全てが滑り落ちることが分かった。
【0036】
以上の結果より、焼却金銀滓の水分量が20%以下であれば、押し固めの有無にかかわらず、内張板30~32として超高分子量ポリエチレン板、テフロン板を用いれば、コンテナ14内の焼却金銀滓のほぼ全てを排出できることが分かった。本願発明者は、上記実験1~4の結果に基づいて、内張板30~32の材料を決定した。
【0037】
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、コンテナ14の側壁22bは、コンテナ14を傾斜させた状態で内部の焼却金銀滓を外部に排出するための開閉扉として機能し、側壁22bと側壁22bに対向する側壁22d以外の側壁22a、22c、及び床板20が、略平板状の内張板31、32、30により覆われている。これにより、本実施形態では、内張板30~32を設けない場合(図5)に比べ、コンテナ14を傾斜させたときに、コンテナ14内に積み込まれた焼却金銀滓を排出しやすくすることができる。
【0038】
また、本実施形態では、内張板30で覆われた床板20と内張板31、32で覆われた側壁22a,22cとを有するコンテナ14に焼却金銀滓を積み込み、当該コンテナ14を目的地まで輸送し、目的地でコンテナ14を傾斜させて、焼却金銀滓を内張板30~32の表面に沿わせながらコンテナ14から排出する。これにより、目的地において焼却金銀滓の排出が容易になるため、コンテナ14から焼却金銀滓を掻き出す作業の必要性が低減し、コンテナ14の内部の清掃作業が容易になる。これにより、焼却金銀滓の輸送における作業者の労力を低減することができる。
【0039】
なお、上記実施形態では、コンテナ14が20フィートコンテナである場合について説明したが、これに限らず、40フィートコンテナなどその他のコンテナであってもよい。
【0040】
なお、上記実施形態では、内張板30~32それぞれの材料や摩擦係数などを異ならせてもよい。例えば、内張板31、32の摩擦係数は内張板30の摩擦係数よりも大きくしてもよい。
【0041】
また、上記実施形態では、内張板30~32の材料として超高分子量ポリエチレンやテフロンを例に挙げたが、これに限らず、超高分子量ポリエチレンやテフロンと同様の摩擦係数を有する他の材料を用いることとしてもよい。
【0042】
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0043】
14 コンテナ
20 床板
22a 側壁(第3の側壁)
22b 側壁(第1の側壁)
22c 側壁(第4の側壁)
22d 側壁(第2の側壁)
30~32 内張板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7