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特開2022-83802パン用米粉組成物、米粉パン用生地、及びこれらを用いた米粉パンの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022083802
(43)【公開日】2022-06-06
(54)【発明の名称】パン用米粉組成物、米粉パン用生地、及びこれらを用いた米粉パンの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A21D 2/36 20060101AFI20220530BHJP
   A21D 13/047 20170101ALI20220530BHJP
【FI】
A21D2/36
A21D13/047
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195339
(22)【出願日】2020-11-25
(71)【出願人】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100215670
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 直毅
(72)【発明者】
【氏名】糸井 伸行
(72)【発明者】
【氏名】王 旭
(72)【発明者】
【氏名】邑上 幸佳
【テーマコード(参考)】
4B032
【Fターム(参考)】
4B032DB01
4B032DG08
4B032DL08
4B032DP02
(57)【要約】
【課題】膨らみ又は食感が良好であり、かつ保存後の食感の劣化が抑制された米粉パンを製造するためのパン用米粉組成物、米粉パン用生地及びこれらを用いた米粉パンの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のパン用米粉組成物は、米粉及び焙煎米粉の全量に対し、前記焙煎米粉を1.5質量%以上含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
米粉及び焙煎米粉の全量に対し、前記焙煎米粉を1.5質量%以上含む、パン用米粉組成物。
【請求項2】
米粉及び焙煎米粉の全量に対し、前記焙煎米粉を20質量%以上含む、請求項1に記載のパン用米粉組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のパン用米粉組成物を含む、米粉パン用生地。
【請求項4】
請求項1若しくは2に記載のパン用米粉組成物又は請求項3に記載の米粉パン用生地を使用する、米粉パンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パン用米粉組成物、米粉パン用生地、及びこれらを用いた米粉パンの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、パンの主原料として小麦粉が使用されている。一方で、近年、穀物価格の変動や小麦アレルギー患者に対応するために、小麦粉の代替物として米粉を使用したパンの検討が進められている。しかしながら、小麦粉とは異なり、米粉にはパン生地の伸張性や弾力性を向上させるためのグルテンが含まれていないため、一般的に米粉を用いたパンはボリュームや弾力性が小さくなる。そのため、製品のボリュームを高めるために、通常は米粉パンの製造時に小麦タンパク質であるグルテンを別添することがあるが、それでは小麦アレルギーの原因を取り除くことができない。そのため、従前よりグルテンを使用しない米粉パンを製造する技術開発が進められているものの、良好な膨らみと食感を共に備える米粉パンを得ることは困難であった。また、従来の米粉パンは、しっとりとした食感が時間経過と共に劣化し、日持ちしないという問題もあった。
【0003】
これらの問題を解決するため、従来から種々の検討がなされており、例えば、食品添加物や、加工澱粉、アルギン酸等の添加剤を使用する方法が提案されている(特許文献1~4)。しかしながら、近年の消費者の健康志向の高まりから、食品添加物を含まない、あるいは食品添加物の含有量を低減した製品が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-245409号公報
【特許文献2】特開2019-87319号公報
【特許文献3】特開2019-126311号公報
【特許文献4】特開2010-239902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、膨らみ又は食感が良好であり、かつ保存後の食感の劣化が抑制された米粉パンを製造するためのパン用米粉組成物、米粉パン用生地及びこれらを用いた米粉パンの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、パン用米粉組成物において、焙煎した米粉を特定量用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]米粉及び焙煎米粉の全量に対し、前記焙煎米粉を1.5質量%以上含む、パン用米粉組成物。
[2]米粉及び焙煎米粉の全量に対し、前記焙煎米粉を20質量%以上含む、[1]に記載のパン用米粉組成物。
[3][1]又は[2]に記載のパン用米粉組成物を含む、米粉パン用生地。
[4][1]若しくは[2]に記載のパン用米粉組成物又は[3]に記載の米粉パン用生地を使用する、米粉パンの製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、膨らみ又は食感が良好であり、かつ保存後の食感の劣化が抑制された米粉パンを製造するためのパン用米粉組成物、米粉パン用生地及びこれらを用いた米粉パンの製造方法を提供することができる。本発明によれば、グルテンや食品添加物を使用せずとも本発明の効果が得られるため、小麦アレルギーの問題を回避することができ、国産米や米粉の消費拡大にも寄与することができ、また、消費者の健康志向にも合致することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【0010】
〔パン用米粉組成物〕
本発明のパン用米粉組成物は、焙煎米粉を含む。本発明において「焙煎米粉」とは、焙煎加熱工程を経て得られる米粉をいう。本発明において単に「米粉」とは、焙煎加熱工程を経ていない米粉をいう(普通米粉ともいう)。焙煎米粉は、米粒を焙煎加熱してから粉砕して得てもよく、米粒を粉砕して得られた米粉を焙煎加熱して得てもよい。焙煎米粉は、米粒を粉砕して得られた米粉を焙煎加熱して得られるものであることが好ましい。米粉又は米粒を焙煎するための手法及び装置は特に限定することなく使用することができる。例えば、熱風式焙煎機、ガス炎や炭火等の火力を用いる焙煎機、電熱焙煎機等の焙煎装置が挙げられる。これらの焙煎装置は、米粉又は米粒を均質に焙煎するための混合撹拌機能を備えることができ、そのような混合撹拌の方式として撹拌子式、ドラム回転式、気流撹拌式等が挙げられる。
【0011】
焙煎米粉は、公知の手法を用いて製造することができるが、例えば、パドルドライヤー(例えば、奈良機械製作所株式会社製)を用いて、入り口付近30℃、中間位置50~150℃、出口付近100~200℃の温度で、5~30分間焙煎加熱することによって得ることができる。前記温度は、パドルドライヤーの各地点に設置された検温計で測定される米粉の温度である。
焙煎米粉の水分含量は、8質量%以下であることが好ましく、1~5質量%であることがより好ましく、1.5~3質量%であることが更に好ましい。焙煎米粉のα化度は、5~50%であることが好ましく、20~40%であることがより好ましく、15~35%であることが更に好ましい。
なお、焙煎米粉の水分含量は、焙煎米粉を庫内温度120~150℃の温度で1~2時間乾燥させ、乾燥前と乾燥後の質量の差分を測定することで求めることができる。焙煎米粉のα化度は、公知の方法であればいずれの方法で測定することができ、そのような方法として例えば、ジアスターゼ法、グルコアミラーゼ法、グルコアミラーゼ第2法、β-アミラーゼ・プルラナーゼ法等が挙げられる。
【0012】
上記米粉とは、米(うるち米、もち米)を、公知の粉砕機(例えば、カッターミル、ピンミル、ハンマーミル、ロールミル、自動石臼、気流粉砕機等)を用いて細かく砕いて粒状にしたものである。上記米は、精米であることが好ましい。さらにシフターを用いて粉砕物を篩い分けして整粒してもよい。なお、米粉の水分含量は、一般的に約11質量%前後である。
【0013】
本発明のパン用米粉組成物は、米粉及び焙煎米粉の全量に対し、前記焙煎米粉を1.5質量%以上含む。焙煎米粉の含有量が上記下限以上であると、良好な膨らみと食感を兼ね備え、かつ食感の劣化を抑制することができる米粉パンを得ることができる。また、焙煎米粉の含有量が上記下限以上であると、焙煎米粉を含まない場合よりもパンの製造時間を短縮することができる。具体的には、焙煎米粉を含まないパン生地の粘度は一般に低く、発酵により発生したガスが抜けやすいのに対し、澱粉の一部がα化されている焙煎米粉を使用することによって、生地の粘度を高め、ガスの保持能を高めることができるため、生地の発酵時間を短縮することができる。また、焙煎米粉の吸水性は焙煎していない米粉よりも優れているため、米粉組成物と水分とを混合する時間を短縮することもでき、更に、焙煎米粉は既に部分的に加熱されているため、生地の焼成時間を短縮することもできる。
上記焙煎米粉の含有量は、米粉及び焙煎米粉の全量に対し、2質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、15質量%以上であることが更に好ましく、20質量%以上であることがより更に好ましく、30質量%以上であることが特に好ましく、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。上記焙煎米粉の含有量が15質量%を超過し95質量%未満であれば、ボリュームがあり、内相の目開きが良く、しっとり感及びソフト感が良好な米粉パンを得ることができる。上記焙煎米粉の含有量は、米粉及び焙煎米粉の全量に対し、100質量%であってもよく、本発明のパン用米粉組成物は(焙煎していない)米粉を含まなくてもよい。
【0014】
本発明のパン用米粉組成物は、上記焙煎米粉に加えて、更に副資材を含んでいてもよい。上記副資材としては、例えば、粉乳、食塩、食物繊維、米粉以外の穀物粉、澱粉、色素、糖類、油脂類(バター、ラード等)、卵類、調味料、乳製品、香辛料等が挙げられる。パン用米粉組成物が上記副資材を含む場合は、上記副資材の含有量を、パン用米粉組成物100質量部に対し、それぞれ外割で0.1~10質量部とすることができる。本発明のパン用米粉組成物は、上記副資材と予め混合して米粉パン用ミックス粉として使用することもできる。
【0015】
本発明のパン用米粉組成物は、グルテンを含まなくとも良好な膨らみと食感を兼ね備えた米粉パンの製造に使用できることから、小麦粉由来のグリアジン、グルテニン又はグルテンを実質的に含まないことが好ましい。なお「実質的に含まない」とは、米粉及び焙煎米粉の合計量に対して、0.5質量%未満、好ましくは0.1質量%未満の含有量を意味する。また、本発明のパン用米粉組成物は、増粘多糖類等の食品添加物を実質的に含まないことも好ましい。
【0016】
〔米粉パン用生地〕
本発明の米粉パン用生地は、任意に副資材を含んでいてもよい上記パン用米粉組成物を水分と共に混捏することで得ることができる。米粉パン用生地を製造するための手法は、通常の米粉パン生地の製造における手法と同様であってもよい。
【0017】
〔米粉パンの製造方法〕
本発明の米粉パンの製造方法は、上記パン用米粉組成物又は上記米粉パン用生地を使用する以外は、常法の製パン方法を適用することができる。そのような方法としては、例えば、任意に副資材を含んでいてもよい上記パン用米粉組成物、水及び酵母を加えて混捏する混捏工程、前記混捏工程により得られた米粉パン用生地を発酵させる発酵工程、及び前記発酵工程により得られた発酵済み米粉パン用生地を任意に成形して加熱する加熱工程を含む方法等が挙げられる。
上記水は、一部又は全部が、牛乳や豆乳等の水以外の液体に置換されていてもよい。上記酵母としては、通常パン酵母として使用されるものを特に制限されず使用することができ、例えば、生酵母、ドライイースト及び天然酵母等が挙げられる。
混捏は、手捏ね又は市販の混捏機等により行うことができる。温度、速度、時間等は、常法に従って適宜設定することができる。混捏工程で得られた米粉パン生地を、例えば0~5℃の低温熟成温度条件下で寝かせた後に、発酵工程に供してもよい。
発酵は、室温又は恒温器内で、20~40℃、好ましくは30~38℃の温度で、20~40分間、好ましくは25~35分間行うことができる(一次発酵)。更に類似条件下で二次発酵及び熟成を行ってもよい。一次発酵は省略することができる。
任意に熟成を行った発酵済み米粉パン生地を、パンの種類に応じて適当な型を使用して成形し、加熱することで米粉パンを得る。加熱方法としては、オーブン等の加熱器を用いて焼成することが好ましいが、マイクロ波を用いた加熱、フライ、ボイル、あるいは蒸し等の方法であってもよい。
【0018】
本発明の米粉パンの製造方法によって得られる米粉パンとしては、食パン、ロールパン、菓子パン、ドーナツ、ベーグル、調理パン等が挙げられる。食パンとしては白食パン、フランスパン、バラエティーブレッド、イングリッシュマフィン等が挙げられ、ロールパンとしては、テーブルロール、バターロール、コッペパン、スイートロール、バンズ等が挙げられ、菓子パンとしては、アンパン、ジャムパン、クリームパン、カレーパン等のフィリング類をパンに詰めたもの、メロンパン、レーズンパン、デニッシュペストリー、クロワッサン、ブリオッシュ、蒸しパン等が挙げられ、調理パンとしては、ハンバーガー、ホットドック、ピザ等が挙げられる。
【0019】
なお、上記米粉パンを常法に従って解砕し、篩にかけることで、粒度毎に分けられた米パン粉を製造することもできる。得られた米パン粉は、揚げ物の衣、練り物のつなぎといった、通常パン粉として使用される用途において使用することができる。
【実施例0020】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0021】
製造例1:焙煎米粉の製造
気流粉砕機によってうるち米(精米)を粉砕して得られた米粉150kgを奈良機械製作所株式会社製のパドルドライヤー(設定温度:150℃)に投入し、撹拌しながら15分間加熱して焙煎米粉を得た。パドルドライヤーの入り口付近、中間位置及び出口付近に設置した検温計の測定値は、それぞれ30℃、75℃及び150℃であった。
このようにして得られた焙煎米粉は、水分含量が2質量%であり、α化度は29%であった。なお、上記水分含量は、得られた焙煎米粉をガラス製容器に高さ5mm以下となるように満遍なく広げ、蓋をすることなく庫内温度135℃の乾熱乾燥機に投入して2時間静置し、乾燥前の質量から乾燥後の質量を差し引き、その差を乾燥前の質量で除することで求めた。上記α化度は、ジアスターゼ法によって測定した。
【0022】
製造例2:米粉パンの製造
下記配合表に記載の粉原料、液体原料及び油脂原料をミキサー(関東混合機工業株式会社製、縦型ミキサー)に投入し、低速1分間、中速1分間、及び高速5分間混捏して米粉パン用生地を得た。捏ね上げ温度は25℃であった。得られた米粉パン用生地を食パン用の一斤型に500g投入し、相対湿度85%、38℃にて35分間発酵させた。得られた発酵済み米粉パン用生地を庫内温度180℃の固定窯で35分間焼成して米粉パンを得た。なお、下記配合表中、「普通米粉」はうるち米を気流粉砕して得られた焙煎していない米粉であり、「焙煎米粉」は上記普通米粉を焙煎して得られたものである。
【0023】
【0024】
得られた米粉パンは、粗熱を取った直後、冷凍保存及び解凍後(-30℃で急速冷凍後、-20℃で7日間保存し、その後室温にて解凍)、並びにビニール袋で密封して常温にて3日間保存した後の3時点において、下記評価基準表に従って10名の熟練パネラーによる試食評価に供した。評価に際して、焙煎米粉を含まない米粉パン(対照例1)の粗熱を取った直後の評価を3点とした。
【0025】
【0026】
試験例1:焙煎米粉を使用した米粉パンの製造
下記表1~3に記載の普通米粉及び焙煎米粉の配合量(質量部)にした以外は、製造例2に従って米粉パンを製造し、各時点での試食評価を行った。粗熱を取った直後の結果を表1に、冷凍保存及び解凍後の結果を表2に、ビニール袋で密封して常温にて3日間保存した後の結果を表3に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1より、焙煎米粉を1.5質量部含む実施例1の米粉パンは、焙煎米粉を含まない対照例1の米粉パンよりもしっとり感が改善され、焙煎米粉の含有量が増加するに従って外観及び食感共に良好になり、焙煎米粉の含有量が70質量部を超えるとボリューム、目の開き及びソフト感がやや低下するものの、対照例1よりは十分良好なものであった。焙煎米粉が1質量部である比較例1の米粉パンは、対照例1と同等の評価であった。
【0029】
【表2】
【0030】
表2より、冷凍及び解凍することで対照例2の米粉パンは食感が劣化した。一方、焙煎米粉を1.5質量部以上含む実施例9~16は、対照例2よりも食感の劣化が抑制された。一般に、焼成直後の米粉パンは、澱粉がα化しているためにソフト感はあるがねちゃつく食感になりやすい。米粉パンを冷凍し解凍すると、α化された澱粉が適度に老化するため、ねちゃつきが解消されてソフト感が前面に出るようになる。焙煎米粉を20質量部以上含む実施例12~16の冷凍解凍米粉パンではその傾向が強く、焼成直後の米粉パンに対応する実施例4~8よりもソフト感が高い傾向になり、焙煎米粉の含有量が多くなるにつれてその傾向が強くなった。
【0031】
【表3】
【0032】
表3より、常温で3日間保存した対照例3の米粉パンは食感が劣化した。一方、焙煎米粉を1.5質量部以上含む実施例17~24は、対照例3よりも食感の劣化が抑制された。
【0033】
試験例2:焙煎米粉を使用した米粉パンの製造
上記配合表に記載の製パン用原料の配合で、製造例2に従って製造した米粉パンと、焙煎米粉を含まない対照例の米粉パンとにおける、パンの製造時間を比較した。なお、ミキシング時間は、粉原料、液体原料及び油脂原料を一定の速度で混合し、生地が均質化されるまでの時間を測定したものであり、ホイロ時間は、生地の体積が元の体積の2倍に膨化するまでの時間を測定したものである。結果を下記表4に示す。参考までに、米粉を使用しない一般的な小麦粉パンの製造時間も併記する。
【0034】
【表4】
【0035】
表4より、焙煎米粉を使用した実施例25では、焙煎米粉を使用しない対照例4よりも、少なくともミキシング時間及びホイロ時間が短縮された。