IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ミツトヨの特許一覧

<>
  • 特開-レンズ装置 図1
  • 特開-レンズ装置 図2
  • 特開-レンズ装置 図3
  • 特開-レンズ装置 図4
  • 特開-レンズ装置 図5
  • 特開-レンズ装置 図6
  • 特開-レンズ装置 図7
  • 特開-レンズ装置 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086401
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】レンズ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20220602BHJP
【FI】
G02B7/02 C
G02B7/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020198374
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】北川 一樹
(72)【発明者】
【氏名】佐野 秀和
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AA09
2H044AA18
2H044AC01
(57)【要約】
【課題】複数のレンズを有するレンズ装置において、レンズ位置の調整作業の効率を向上することである。
【解決手段】レンズ装置であって、光軸を軸方向に合わせて配置される複数のレンズと、前記複数のレンズのそれぞれを保持する複数のレンズ枠と、前記複数のレンズ枠のうち少なくとも1つの軸方向一方側及び軸方向他方側に配置されるスラスト部材と、を備える、ことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸を軸方向に合わせて配置される複数のレンズと、
前記複数のレンズのそれぞれを保持する複数のレンズ枠と、
前記複数のレンズ枠のうち少なくとも1つの軸方向一方側及び軸方向他方側に配置されるスラスト部材と、
を備える、
ことを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記スラスト部材は、前記複数のレンズ枠のすべての軸方向一方側及び軸方向他方側に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
軸方向に貫通する筒孔を有する筒形状である本体を備え、
前記複数のレンズ枠は、前記筒孔に収容され、
前記本体は、前記複数のレンズ枠の外周面を径方向外側に露出させる露出窓を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズ装置。
【請求項4】
前記本体は、前記筒孔の軸方向他方側端で径方向内側に延びる段差部を有し、
前記複数のレンズ枠を軸方向一方側端から押さえて、前記複数のレンズ枠の軸方向他方側端を前記段差部の軸方向一方側端に押し付ける押さえ環を備える、
ことを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記スラスト部材は、スラストボールベアリング又はスラストワッシャーである、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレンズ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のレンズを配置して成るレンズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば対物レンズのようなレンズ装置は、複数のレンズから成るレンズ群によって構成される。複数のレンズのそれぞれは例えばレンズ枠に固定され、このレンズ枠が鏡筒(本体)に収容されて固定される。このとき、鏡筒内での各レンズの位置によっては、レンズ装置として求められる性能を発揮することができないことがある。そこで、レンズ装置として求められる性能を引き出すために、例えばレンズの位置の調整を行う必要がある。
【0003】
特許文献1は、複数のレンズ枠を軸方向に並べて配置し、押さえリングによって軸方向から押さえることで複数のレンズの位置を固定するようにしている。この特許文献1に記載の発明によれば、押さえリングによって固定することで、心ズレをほとんど引き起こすことなく光学要素を保持した複数の枠を固定し得るとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-184485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、レンズが固定されたレンズ枠を鏡筒に収容して成るレンズ装置は、完成品においては、鏡筒内でレンズ(すなわちレンズ枠)が固定されている必要がある。一方、レンズ位置を調整する際には、レンズ枠が鏡筒内で完全には固定されておらず、移動可能でなければならない。このため、レンズ位置を調整する際にはレンズ枠を仮固定し、調整が済んだら完全に固定することが考えられる。しかし、この場合、仮固定の固定力に反してレンズ枠を移動させることになり、精密な調整が困難であるという問題があった。
【0006】
特許文献1に記載の発明では、押さえリングにて軽く押さえて、心だし調整穴を通じて心だし調整をすることについては開示しているが、レンズの回転調整については何ら開示していない。上述のように、従来、レンズ位置の調整作業の効率向上に改善の余地があった。
【0007】
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、複数のレンズを有するレンズ装置において、レンズ位置の調整作業の効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、レンズ装置であって、光軸を軸方向に合わせて配置される複数のレンズと、前記複数のレンズのそれぞれを保持する複数のレンズ枠と、前記複数のレンズ枠のうち少なくとも1つの軸方向一方側及び軸方向他方側に配置されるスラスト部材と、を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、複数のレンズ枠のうちの少なくとも1つの両側にスラスト部材を設けたことで、そのレンズ枠を軸周りに摺動させることができ、レンズの回転位置調整を行うことができるので、調整作業の効率を向上することができる。
【0009】
また本発明の好ましい態様は、前記スラスト部材は、前記複数のレンズ枠のすべての軸方向一方側及び軸方向他方側に配置される、ことを特徴とする。
本発明によれば、複数のレンズ枠のすべての両側にスラスト部材を設けたことで、すべてのレンズ枠を軸周りに摺動させることができ、レンズの回転位置調整を行うことができるので、調整作業の効率を向上することができる。
【0010】
また本発明の好ましい態様は、軸方向に貫通する筒孔を有する筒形状である本体を備え、前記複数のレンズ枠は、前記筒孔に収容され、前記本体は、前記複数のレンズ枠の外周面を径方向外側に露出させる露出窓を有する、ことを特徴とする。
本発明によれば、調整作業者が露出窓からレンズ枠にアクセス可能であり、レンズ枠を軸周りに摺動させることができ、レンズの回転位置調整を容易に行うことができるので、調整作業の効率を向上することができる。
【0011】
また本発明の好ましい態様は、前記本体は、前記筒孔の軸方向他方側端で径方向内側に延びる段差部を有し、前記複数のレンズ枠を軸方向一方側端から押さえて、前記複数のレンズ枠の軸方向他方側端を前記段差部の軸方向一方側端に押し付ける押さえ環を備える、ことを特徴とする。
本発明によれば、押さえ環によりレンズの軸方向調整を完了した後でも、スラスト部材で摺動可能なので、調整状態の維持が容易である。
【0012】
また本発明の好ましい態様は、前記スラスト部材は、スラストボールベアリング又はスラストワッシャーである、ことを特徴とする。
本発明によれば、スラストボールベアリング又はスラストワッシャーによりレンズ枠を軸周りに摺動させることができ、レンズの回転位置調整を容易に行うことができるので、調整作業の効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、複数のレンズを有するレンズ装置において、レンズ位置の調整作業の効率を向上することが出来る。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例1に係るレンズ装置を示す斜視図である。
図2】レンズ装置100を-Y側から見た図である。
図3】レンズ装置100を-Z側から見た図である。
図4】レンズ装置100を+Y側から見た図である。
図5】レンズ装置100を+Y側から見た図である。
図6】レンズ装置100の、図2に示したA-A断面図である。
図7】レンズ装置100の、図2に示したB-B断面図である。
図8】レンズ装置100の、図4に示したC-C断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るレンズ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の図面においては、各構成をわかり易くするために、実際の構造と各構造における縮尺、数等を異ならせる場合がある。
【0016】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。X軸、Y軸及びZ軸において、矢印の指す側を+(プラス)側、逆側を-(マイナス)側と呼ぶ。Z軸方向は、図1に示すように+側を上側とし、-側を下側とする鉛直方向である。また、鉛直方向の+側を、「鉛直方向一方側」と呼び、鉛直方向の-側を、「鉛直方向他方側」と呼ぶ。X軸方向は、図1に示す一方向に延びる中心軸Jと平行な方向であり、鉛直方向と直交する方向である。以下の説明においては、中心軸Jと平行な方向、すなわちX軸方向を「軸方向」と呼ぶ。また、軸方向の+側を、「軸方向一方側」と呼び、軸方向の-側を、「軸方向他方側」と呼ぶ。Y軸方向は、軸方向及び鉛直方向の両方と直交する方向である。以下の説明においては、Y軸方向を「幅方向」と呼ぶ。また、幅方向の+側を「幅方向一方側」と呼び、幅方向の-側を「幅方向他方側」と呼ぶ。
【0017】
また、中心軸Jを中心とした円の径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする軸回りである周方向を単に「周方向」と呼ぶ。また、径方向において、中心軸Jに近い側を「径方向内側」と呼び、中心軸Jから遠い側を「径方向外側」と呼ぶ。また、周方向において、軸方向他方側から軸方向一方側に向かって見て、時計回りに進む側を「周方向一方側」と呼び、反時計回りに進む側を「周方向他方側」と呼ぶ。
【0018】
なお、鉛直方向、軸方向、幅方向、上側及び下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。また、本明細書において、前後左右上下などの向きは、図面において見た向きを示すものであり、本発明に係る装置を使用する際の向きを限定するものではない。
【0019】
なお、本明細書において、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向に延びる、とは、厳密にX軸方向、Y軸方向またはZ軸方向に延びる場合に加えて、X軸方向、Y軸方向またはZ軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【実施例0020】
(レンズ装置1の構造)
図1は、本発明の実施例1に係るレンズ装置を示す斜視図である。レンズ装置100は鏡筒(本体)10に、レンズ枠103、104、105及び106を収容して構成される。レンズ装置100は軸方向一方側端部に押さえ環102を有する。押さえ環102は、軸方向に貫通する貫通孔102aを有する環状部材である。
【0021】
図8に後述するように、レンズ枠103は、レンズ103aの径方向外側に配置されたレンズ103aの枠であり、レンズ103aを保持する。レンズ枠104は、レンズ104aの径方向外側に配置されたレンズ104aの枠であり、レンズ104aを保持する。レンズ枠105は、レンズ105aの径方向外側に配置されたレンズ105aの枠であり、レンズ105aを保持する。レンズ枠106は、レンズ106aの径方向外側に配置されたレンズ106aの枠であり、レンズ106aを保持する。レンズ103a、レンズ104a、レンズ105a及びレンズ106aは、光軸を軸方向に合わせて配置される。
【0022】
図2は、レンズ装置100を-Y側から見た図である。図3は、レンズ装置100を-Z側から見た図である。図4は、レンズ装置100を+Y側から見た図である。図5は、レンズ装置100を+Y側から見た図である。鏡筒101は、軸方向一方側から軸方向他方側に貫通し、レンズ枠103、104、105及び106が摺動可能な筒孔101uを有する。
【0023】
鏡筒101は、レンズ枠103を径方向外側から固定するねじが貫通するねじ穴101g、101j、101n及び101rを有する。鏡筒101は、レンズ枠104を径方向外側から固定するねじが貫通するねじ穴101f、101i、101m及び101qを有する。鏡筒101は、レンズ枠105を径方向外側から固定するねじが貫通するねじ穴101e、101h、101k及び101pを有する。鏡筒101は、レンズ枠106を径方向外側から固定するねじが貫通するねじ穴101a、101b、101c及び101dを有する。また、鏡筒101は、レンズ枠103、104、105及び106の外周面を径方向外側に露出させる露出窓101s及び101tを有する。露出窓101sの周方向位置は、露出窓101tの周方向位置と中心軸Jを挟んで対向する位置である。露出窓101s及び101tは、鏡筒101の外周面を文字Dの形状に切り欠いて形成される。
【0024】
図6は、レンズ装置100の、図2に示したA-A断面図である。鏡筒101において、ねじ穴101a、101b、101c及び101dは、周方向に等間隔で配置されている。鏡筒101において、ねじ穴101a、101b、101c及び101dの軸方向位置は、互いに同じ位置である。
【0025】
図7は、レンズ装置100の、図2に示したB-B断面図である。鏡筒101において、露出窓101sの周方向位置は、ねじ穴101eとねじ穴101hの間であり、露出窓101tの周方向位置は、ねじ穴101kとねじ穴101pの間である。鏡筒101において、ねじ穴101e、101h、101k及び101pの軸方向位置は、互いに同じ位置である。
【0026】
同様に、鏡筒101において、露出窓101sの周方向位置は、ねじ穴101fとねじ穴101iの間であり、露出窓101tの周方向位置は、ねじ穴101mとねじ穴101qの間である。鏡筒101において、ねじ穴101f、101i、101m及び101qの軸方向位置は、互いに同じ位置である。
【0027】
同様に、鏡筒101において、露出窓101sの周方向位置は、ねじ穴101gとねじ穴101jの間であり、露出窓101tの周方向位置は、ねじ穴101nとねじ穴101rの間である。鏡筒101において、ねじ穴101g、101j、101n及び101rの軸方向位置は、互いに同じ位置である。
【0028】
図8は、レンズ装置100の、図4に示したC-C断面図である。鏡筒101及び鏡筒101の筒孔101uの中心は、中心軸Jに沿って配置されている。筒孔101uの軸方向他方側には、軸方向一方側よりも軸方向他方側が小径である段差部101vを有する。鏡筒101は、筒孔101uの軸方向一方側の開口位置において、内周にネジ溝を有する。押さえ環102は、鏡筒101の内周のネジ溝に嵌まるネジ溝を外周に有し、中心軸Jを中心に回転させることで軸方向に移動可能である。押さえ環102が軸方向他方側に移動することで、レンズ枠103、104、105及び106は、段差部101vと押さえ環102との間に挟まれて軸方向位置を固定される。鏡筒101は、軸方向他方側から軸方向一方側に向かって、レンズ枠103、104、105及び106の順番で各レンズ枠を収容する。
【0029】
レンズ装置100は、スラスト部材107、108、109、110及び111を有する。スラスト部材107は、軸方向で段差部101vとレンズ枠103との間に配置される。スラスト部材108は、軸方向でレンズ枠103とレンズ枠104との間に配置される。スラスト部材109は、軸方向でレンズ枠104とレンズ枠105との間に配置される。スラスト部材110は、軸方向でレンズ枠105とレンズ枠106との間に配置される。スラスト部材111は、レンズ枠106と押さえ環102との間に配置される。スラスト部材107、108、109、110及び111のそれぞれは、レンズ103a、104a、105a及び106aの径よりも大きな径で軸方向に沿って開口する円環状部材である。スラスト部材107、108、109、110及び111のそれぞれは、自身の軸方向両側の部材同士が相対的に周方向に摺動(軸回り回転)する際の摩擦抵抗を低減する。スラスト部材107、108、109、110及び111のそれぞれの外径は、レンズ枠103、104、105及び106の外径よりも小さい。スラスト部材107、108、109、110及び111のそれぞれは、例えばスラストボールベアリング、又はスラストワッシャーである。
【0030】
レンズ枠103、104、105及び106の外径は、筒孔101uの内径よりもわずかに小さい。これにより、軸方向一方側から筒孔101uにレンズ枠103、104、105及び106を挿入可能である。レンズ103a及びレンズ枠103の中心、レンズ104a及びレンズ枠104の中心、レンズ105a及びレンズ枠105の中心、並びにレンズ106a及びレンズ枠106の中心は、中心軸Jに沿って配置されている。
【0031】
(レンズ装置100の調整方法)
レンズ装置100の調整としては、例えば、レンズ同士の間隔を調整する間隔調整、各レンズの調芯、及び各レンズの軸回り回転位置の調整を行う。本実施例では、図1に示した鏡筒101に、各レンズを収容して調整を行う。
【0032】
まず、レンズ同士の間隔を調整する間隔調整としては、鏡筒101にレンズ枠103、104、105及び106、並びにスラスト部材107、108、109、110及び111を収容する際に、レンズ枠同士の間にスペーサを挿入するなどしてレンズ間隔を調整する。レンズ間隔の調整が済んだならば、押さえ環102を鏡筒101の軸方向一方側端部に嵌め、ねじ溝により押さえ環102を軸方向他方側に移動させて最終的な固定力で、レンズ枠103、104、105及び106の軸方向位置を固定する。
【0033】
押さえ環102で各レンズの軸方向位置の固定が済んだならば、次に、各レンズの軸回り回転位置の調整として、鏡筒101の露出窓101s又は101tからレンズ枠103、104、105及び106の外周に触れて、スラスト部材107、108、109、110及び111によって周方向に摺動可能となっているレンズ枠103、104、105及び106を周方向に摺動させて、各レンズの軸回り回転位置の調整を行う。また、各レンズの調芯としては、鏡筒101のねじ穴101a、101b、101c及び101dからねじを挿入する。このときのねじの挿入長さを、ねじ穴101a、101b、101c及び101dのそれぞれで調整することで、筒孔101uにおけるレンズ枠103、104、105及び106の径方向位置を調整し、各レンズの調芯を行う。
【0034】
各レンズの軸回り回転位置の調整及び各レンズの調芯が済んだならば、ねじ穴101a、101b、101c及び101dに挿入したねじによってレンズ枠106を固定する。また、ねじ穴101e、101h、101k及び101pに挿入したねじによってレンズ枠105を固定する。また、ねじ穴101f、101i、101m及び101qに挿入したねじによってレンズ枠104を固定する。また、ねじ穴101g、101j、101n及び101rに挿入したねじによってレンズ枠103を固定する。レンズ装置100の調整が完了した後は、露出窓101s及び101tを塞ぐように蓋をするのが望ましい。
【0035】
なお、本実施例では、レンズ枠103、104、105及び106の4つのレンズ枠が鏡筒101の筒孔101uに収容されるが、本発明はこれに限られるものではなく、1つ以上のレンズ枠が筒孔101uに収容されるものであればよい。
【0036】
また、本実施例では、レンズ枠103、104、105及び106のすべてについて、軸方向一方側及び軸方向他方側にスラスト部材を配置したが、本発明はこれに限られるものではなく、複数のレンズ枠のうち少なくとも1つの軸方向一方側及び軸方向他方側にスラスト部材を配置することで、そのレンズ枠に対して軸回り回転位置の調整を行えるようにしてもよい。
【0037】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0038】
100…レンズ装置、101…鏡筒、103…レンズ枠、104…レンズ枠、105…レンズ枠、106…レンズ枠、101…押さえ環、103a…レンズ、104a…レンズ、105a…レンズ、106a…レンズ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8