(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022086918
(43)【公開日】2022-06-09
(54)【発明の名称】液吐出用装置
(51)【国際特許分類】
A61L 2/18 20060101AFI20220602BHJP
A61H 33/00 20060101ALI20220602BHJP
【FI】
A61L2/18
A61H33/00 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020199210
(22)【出願日】2020-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】藤森工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100155066
【弁理士】
【氏名又は名称】貞廣 知行
(72)【発明者】
【氏名】小野 松太郎
【テーマコード(参考)】
4C058
4C094
【Fターム(参考)】
4C058AA29
4C058BB07
4C058EE30
4C058JJ06
4C058JJ24
4C094AA02
4C094EE24
(57)【要約】
【課題】ポンプ付き容器の使用を可能にして液補充や容器交換の手間を軽減し、しかも容器の脱着、及び容器上部のプッシュポンプのプッシュヘッドの押圧部材に対する位置合わせを容易に実現できる液吐出用装置を提供する。
【解決手段】樹脂フィルムによって形成された可撓性の容器本体111を備える包装容器110の上部のスパウトにプッシュポンプ120が取り付けられたポンプ付き容器100を適用可能であり、台板21との間に容器本体111を収容するポンプ支持体30の天板31に延在形成された延在切欠部33に挿入された包装容器110のスパウトの側面に周設された側部リブ113が延在切欠部33を介して両側の天板31にその上側から当接されスパウトの下降が規制される液吐出用装置10を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムによって形成された可撓性の容器本体を備える包装容器の上部のスパウトにプッシュポンプが取り付けられたポンプ付き容器から内容液を吐出させる液吐出用装置であって、
前記ポンプ付き容器の前記包装容器の前記容器本体が載置される台板と、
前記台板上に前記容器本体が載置された前記ポンプ付き容器の前記プッシュポンプの本体ユニットの下降を規制するポンプ支持体と、
前記台板の下方に設けられ踏み込み操作によって待機位置から下降されるペダルと、
前記台板の下方から前記ポンプ支持体の上方まで延在配置され前記ペダルの上下動に連動して上下動される昇降バーと、
前記昇降バーの上端部からその側方へ延出され前記ポンプ支持体に支持された前記ポンプ付き容器の前記プッシュポンプの前記本体ユニット上側のプッシュヘッド上に配置される押圧部材とを有し、
前記ポンプ支持体は天板と前記天板の両側からそれぞれ下方に延出され互いに平行に形成された一対の側壁とを有し、前記台板に固定された一対の前記側壁と前記天板と前記台板とによって囲まれる内側に前記ポンプ付き容器の前記包装容器を収容する包装容器収容領域を確保し、前記天板には前記包装容器収容領域のその軸線方向片端が開口する装置前側の端から装置後側へ向かって延在する延在切欠部が形成され、前記押圧部材は前記延在切欠部よりも装置後側に設けられた前記昇降バーの上端部から装置前側へ延出されて前記延在切欠部の上方位置に配置され、
前記ポンプ支持体の前記天板は、前記延在切欠部にその装置前側の開口端から挿入された前記ポンプ付き容器の前記包装容器の前記スパウトを前記延在切欠部の両側の内壁面によって前記押圧部材の下方に位置合わせ可能、且つ、前記延在切欠部に挿入された前記スパウトに周設された側部リブあるいは前記スパウトの側面に螺着された前記プッシュポンプの前記本体ユニットの下端部が上側から当接されることで前記本体ユニットの下降を規制可能とされている液吐出用装置。
【請求項2】
前記ポンプ支持体は、装置前後方向における前記延在切欠部と前記昇降バーとの間の位置に前記側壁あるいは前記天板から前記包装容器収容領域に延出されて前記包装容器収容領域内の前記包装容器の前記昇降バーとの接触を規制する接触防止部材を有する請求項1に記載の液吐出用装置。
【請求項3】
前記ポンプ支持体の前記天板部の後端部に前記昇降バーを挿通するためのバー挿通孔が貫通形成され、前記バー挿通孔に前記昇降バーが上下動可能に通されている請求項1または2に記載の液吐出用装置。
【請求項4】
踏み込みによって前記待機位置から下降された前記ペダルが当接されることで前記ペダルのそれ以上の下降を規制するペダルストッパ部材を有する請求項1~3のいずれか1項に記載の液吐出用装置。
【請求項5】
前記ポンプ支持体の一対の前記側壁の前端部に、紐状体あるいは前記紐状体の端部に設けられた不連続リングの周方向の一部を挿通して前記紐状体を前記ポンプ支持体に取り付けるための紐状体取付孔が形成されている請求項1~4のいずれか1項に記載の液吐出用装置。
【請求項6】
前記ポンプ支持体の前記天板上に載置されるトレーをさらに有し、前記トレーの底板の下面には前記天板の前記延在切欠部に挿入される1または複数の位置決め延在突部が延在形成され、前記トレーは前記天板の前記延在切欠部に全ての前記位置決め延在突部を挿入して前記底板の下面を前記天板上に当接させることで、前記天板の前記延在切欠部を介して両側の前記内壁面に前記位置決め延在突部が当接されて前記ポンプ支持体の一対の前記側壁の間隔方向である左右方向に位置決めされた状態で前記天板上に装置前後方向にスライド移動可能に載置される請求項1~5のいずれか1項に記載の液吐出用装置。
【請求項7】
踏み込み操作によって下降された前記ペダルを弾性付勢して前記待機位置に復帰させる復帰用スプリングをさらに有する請求項1~6のいずれか1項に記載の液吐出用装置。
【請求項8】
前記包装容器収容領域に前記ポンプ付き容器の前記包装容器の前記容器本体が収容され、前記延在切欠部に前記包装容器の前記スパウトが挿入され、前記スパウトの前記側部リブ及び前記プッシュポンプの前記本体ユニットの前記スパウトに螺着された下端部の一方または両方は前記延在切欠部の前記ポンプ支持体左右方向の寸法である幅寸法よりも大きい外径を有し、前記側部リブ及び前記本体ユニットの下端部のうち前記延在切欠部の幅寸法よりも大きい外径を有するものが前記延在切欠部を介して両側の前記天板上に配置されている請求項1~7のいずれか1項に記載の液吐出用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プッシュポンプを上部に備えるポンプ付き容器を設置可能であり、ペダルの踏み込みによってポンプ付き容器のプッシュポンプのプッシュヘッドを押し下げてポンプ付き容器から内容液を吐出させる足踏み式の液吐出用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、手指消毒のための消毒液の供給には、樹脂によって形成された硬質のタンクの上部にプッシュポンプが取り付けられた構造のポンプ付き容器が多用されている。
また、ペダルの踏み込みによって下降される押圧部材がポンプ付き容器のプッシュポンプのプッシュヘッドを押し下げてプッシュヘッドに形成されたノズルからタンク内の消毒液を吐出させる構成の足踏み式液吐出用装置も提案されている(例えば特許文献1)。
足踏み式液吐出用装置はユーザーがポンプ付き容器のプッシュヘッドに手指で触れることなくポンプ付き容器から消毒液を吐出させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タンク上部にプッシュポンプが取り付けられた構造のポンプ付き容器はタンク容量が数百mL(mLはミリリットル。以下同)程度のものが一般的である。従来の足踏み式液吐出用装置は押圧部材の載置台からの離間距離及び上下方向の可動範囲等が一般的なポンプ付き容器に対応する設計となっている。
しかしながら、タンク容量が数百mLのポンプ付き容器を使用する構成は、利用者が多数の場合はポンプ付き容器の液切れを防ぐために液補充や容器交換等を頻繁に行なうことを余儀なくされるのが実情である。
【0005】
上記に鑑みて液容量が数リットル~40リットル程度の硬質タンクの上部にプッシュポンプを取り付けたポンプ付き容器(以下、ポンプ付き大容量容器、とも言う)を作製して使用することが検討される。
しかしながら、このポンプ付き大容量容器は消毒液が満杯に充填された状態では重量が大きい。このため、例えば平坦な載置台上面上でのポンプ付き容器のスライド移動によってポンプ付き容器のプッシュポンプのプッシュヘッドを足踏み式液吐出用装置の押圧部材下側に位置合わせする作業が容易でない。
【0006】
特許文献1では、ポンプ付き容器のタンクを挿入するボトル入れボックスを使用し、ポンプ付き容器のタンクを挿入したボトル入れボックスを上下方向に延在する支柱(特許文献1の取付けパイプ)の途中部にねじ止め固定する構成が開示されている。しかし、ボトル入れボックスによってポンプ付き容器を位置決めするのでは、ボトル入れボックスの内周面とポンプ付き容器のタンクとの間の余裕寸法が小さくならざるを得ない。このため、内容液によって重量が大きくなったポンプ付き大容量容器のタンクをボトル入れボックスにその上方から挿入する作業に手間が掛かるケースが出て来る。また、重量が大きいポンプ付き大容量容器を挿入したボトル入れボックスを支柱の途中部にねじ止め固定する作業に労力を要するといった問題もある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みて、液容量が数リットル~40リットル程度のポンプ付き容器の使用を可能にして液補充や容器交換の手間を軽減し、しかも容器の脱着、及び容器上部のプッシュポンプのプッシュヘッドの押圧部材に対する位置合わせを容易に実現できる液吐出用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、硬質の樹脂製タンクを使用する従来のポンプ付き容器にかえて、樹脂フィルムによって形成された可撓性の容器本体を備える包装容器のスパウトにプッシュポンプを取り付けた構造のポンプ付き容器を用いることを検討した。この包装容器は容量が数リットル~20リットルのものを中心に数リットル~40リットル程度の容量のものが提供されている。また、樹脂フィルムによって形成された可撓性の容器本体を備える包装容器は、内容液が入っていない空の状態で折り畳み可能で、硬質の樹脂製タンクに比べて減容化や廃棄処理が容易である等の利点がある。
【0009】
但し、樹脂フィルムによって形成された可撓性の容器本体は内容液が満杯状態まで充填された状態でも形状が不安定である。また、包装容器上部のスパウトに取り付けられたプッシュポンプは、プッシュヘッドをプッシュポンプの本体ユニットに対してその上方から下方へ押し下げ操作して包装容器内の液体を吐出する構成であり、液吐出を確実に行なうには、包装容器の容器本体の形状が不安定であってもプッシュポンプの本体ユニットに対するプッシュヘッドの押し下げ操作を確実且つ安定に行える必要がある。
【0010】
これら事情に鑑みて、本発明者は、ポンプ付き容器が載置される台板と、台板の下方に設けられたペダルと、台板上方に設けられペダルの踏み込みによる下降に伴って下降されて台板上のポンプ付き容器のプッシュポンプのプッシュヘッドを押し下げてポンプ付き容器から内容液を吐出させる押圧部材とを有する足踏み式液吐出用装置について、台板上に、ポンプ付き容器の包装容器のスパウトを装置前側から挿入可能な延在切欠部が形成された天板と天板の両側からそれぞれ下方に延出され互いに平行に形成された一対の側壁とを有するポンプ支持体を取り付け、このポンプ支持体の天板及び一対の側壁と台板とによって囲まれる内側に包装容器の容器本体を収容する包装容器収容領域を確保した構造を見出し本発明を完成させた。
【0011】
本発明では以下の態様を提供する。
第1の態様の液吐出用装置は、樹脂フィルムによって形成された可撓性の容器本体を備える包装容器の上部のスパウトにプッシュポンプが取り付けられたポンプ付き容器から内容液を吐出させる液吐出用装置であって、前記ポンプ付き容器の前記包装容器の前記容器本体が載置される台板と、前記台板上に前記容器本体が載置された前記ポンプ付き容器の前記プッシュポンプの本体ユニットの下降を規制するポンプ支持体と、前記台板の下方に設けられ踏み込み操作によって待機位置から下降されるペダルと、前記台板の下方から前記ポンプ支持体の上方まで延在配置され前記ペダルの上下動に連動して上下動される昇降バーと、前記昇降バーの上端部からその側方へ延出され前記ポンプ支持体に支持された前記ポンプ付き容器の前記プッシュポンプの前記本体ユニット上側のプッシュヘッド上に配置される押圧部材とを有し、前記ポンプ支持体は天板と前記天板の両側からそれぞれ下方に延出され互いに平行に形成された一対の側壁とを有し、前記台板に固定された一対の前記側壁と前記天板と前記台板とによって囲まれる内側に前記ポンプ付き容器の前記包装容器を収容する包装容器収容領域を確保し、前記天板には前記包装容器収容領域のその軸線方向片端が開口する装置前側の端から装置後側へ向かって延在する延在切欠部が形成され、前記押圧部材は前記延在切欠部よりも装置後側に設けられた前記昇降バーの上端部から装置前側へ延出されて前記延在切欠部の上方位置に配置され、前記ポンプ支持体の前記天板は、前記延在切欠部にその装置前側の開口端から挿入された前記ポンプ付き容器の前記包装容器の前記スパウトを前記延在切欠部の両側の内壁面によって前記押圧部材の下方に位置合わせ可能、且つ、前記延在切欠部に挿入された前記スパウトに周設された側部リブあるいは前記スパウトの側面に螺着された前記プッシュポンプの前記本体ユニットの下端部が上側から当接されることで前記本体ユニットの下降を規制可能とされている。
前記ポンプ支持体は、装置前後方向における前記延在切欠部と前記昇降バーとの間の位置に前記側壁あるいは前記天板から前記包装容器収容領域に延出されて前記包装容器収容領域内の前記包装容器の前記昇降バーとの接触を規制する接触防止部材を有していても良い。
前記ポンプ支持体の前記天板部の後端部に前記昇降バーを挿通するためのバー挿通孔が貫通形成され、前記バー挿通孔に前記昇降バーが上下動可能に通されていても良い。
液吐出用装置は、踏み込みによって前記待機位置から下降された前記ペダルが当接されることで前記ペダルのそれ以上の下降を規制するペダルストッパ部材を有していても良い。
前記ポンプ支持体の一対の前記側壁の前端部に、紐状体あるいは前記紐状体の端部に設けられた不連続リングの周方向の一部を挿通して前記紐状体を前記ポンプ支持体に取り付けるための紐状体取付孔が形成されていても良い。
前記ポンプ支持体の前記天板上に載置されるトレーをさらに有し、前記トレーの底板の下面には前記天板の前記延在切欠部に挿入される1または複数の位置決め延在突部が延在形成され、前記トレーは前記天板の前記延在切欠部に全ての前記位置決め延在突部を挿入して前記底板の下面を前記天板上に当接させることで、前記天板の前記延在切欠部を介して両側の前記内壁面に前記位置決め延在突部が当接されて前記ポンプ支持体の一対の前記側壁の間隔方向である左右方向に位置決めされた状態で前記天板上に装置前後方向にスライド移動可能に載置されるようになっていても良い。
液吐出用装置は、踏み込み操作によって下降された前記ペダルを弾性付勢して前記待機位置に復帰させる復帰用スプリングを有していても良い。
前記包装容器収容領域に前記ポンプ付き容器の前記包装容器の前記容器本体が収容され、前記延在切欠部に前記包装容器の前記スパウトが挿入され、前記スパウトの前記側部リブ及び前記プッシュポンプの前記本体ユニットの前記スパウトに螺着された下端部の一方または両方は前記延在切欠部の前記ポンプ支持体左右方向の寸法である幅寸法よりも大きい外径を有し、前記側部リブ及び前記本体ユニットの下端部のうち前記延在切欠部の幅寸法よりも大きい外径を有するものが前記延在切欠部を介して両側の前記天板上に配置されていても良い。
【0012】
本発明に係る液吐出用装置は足踏み式液吐出用装置である。この液吐出用装置は、包装容器収容領域に包装容器の容器本体を安定収容できる。
ポンプ支持体は、延在切欠部に挿入されたスパウトに周設された側部リブあるいはスパウトの側面に螺着されたプッシュポンプの下端部が天板の延在切欠部を介して両側部分にその上側から当接されることでプッシュポンプの本体ユニットの下降を規制する。これにより、包装容器の容器本体の形状が不安定であってもプッシュポンプの本体ユニットに対するプッシュヘッドの押し下げ操作、包装容器の内容液のプッシュポンプ(具体的にはプッシュヘッドに突出形成されたノズル、あるいはプッシュヘッド自体に形成された吐出口)からの吐出を確実且つ安定に行える。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る液吐出用装置によれば、包装容器収容領域にその前側(装置前側)の開口部からポンプ付き容器の包装容器を挿入して収容し、包装容器の上部のスパウトをポンプ支持体の天板の延在切欠部にその前端の開口端から挿入して収容するだけで、包装容器のスパウトに取り付けられたプッシュポンプのプッシュヘッドが天板上にて押圧部材下側に支持された状態にポンプ付き容器を容易にセットできる。液吐出用装置にセットされたポンプ付き容器は、液吐出用装置の包装容器収容領域内の包装容器、及び延在切欠部内のスパウトをそれぞれ包装容器収容領域、延在切欠部から装置前側に抜き出すだけで液吐出用装置から容易に取り出すことができる。
【0014】
本発明に係る液吐出用装置は、台板とポンプ支持体の天板及び一対の側壁とによって囲まれる内側の包装容器収容領域にポンプ付き容器の形状が不安定な容器本体を安定に収容できる。この液吐出用装置は、液容量が数リットル~40リットル程度のポンプ付き容器の使用を可能にして液補充や容器交換の手間を軽減できる。しかも、液吐出用装置は、ポンプ付き容器の脱着、及び容器上部のプッシュポンプのプッシュヘッドの押圧部材に対する位置合わせを容易に実現できる。
【0015】
また、本発明に係る液吐出用装置は、ポンプ支持体の天板の延在切欠部にポンプ付き容器の包装容器のスパウトが挿入され、スパウトに周設された側部リブあるいはプッシュポンプの本体ユニットの下端部が天板の延在切欠部を介して両側部分にその上側から当接されることでプッシュポンプの本体ユニットの下降を確実に規制できる。その結果、プッシュポンプの本体ユニットに対するプッシュヘッドの押し下げ操作、包装容器の内容液のプッシュポンプ(具体的にはプッシュヘッドに突出形成されたノズル、あるいはプッシュヘッド自体に形成された吐出口)からの吐出を確実且つ安定に行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る1実施形態の液吐出用装置を示す全体斜視図である。
【
図2】
図1の液吐出用装置の上部のポンプ支持体及び押圧部材の付近を示す拡大側断面図である。
【
図4】ポンプ付き容器がセットされた液吐出用装置のポンプ支持体の天板及び押圧部材の付近を示す拡大正断面図である。
【
図5】液吐出用装置の下部の構造を示す拡大側断面図である。
【
図6】ポンプ支持体の天板上に脱着可能に設けられるトレーの1例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、各図における寸法比は、説明のため誇張している部分があり、必ずしも実際の寸法比とは一致しない。また、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば種々に変更して実施することができる。
【0018】
図1は、本発明に係る1実施形態の液吐出用装置10を示す全体斜視図、
図2は
図1の液吐出用装置10の上部のポンプ支持体30及び押圧部材43の付近を示す拡大側断面図、
図3はポンプ支持体30を示す拡大斜視図、
図4はポンプ付き容器100がセットされた液吐出用装置10のポンプ支持体30の天板31及び押圧部材43の付近を示す拡大正断面図である。
図5は、液吐出用装置10の下部の構造を示す拡大側断面図である。
【0019】
図1に示すように、液吐出用装置10は、ポンプ付き容器100が載置される台板21を最上部に有する容器支持台20と、台板21に固定してその上側に設けられたポンプ支持体30と、容器支持台20の下部に設けられたペダル41と、容器支持台20の下部からポンプ支持体30の上方まで上下方向に延在配置された昇降バー42と、装置後部に配置された昇降バー42の上端部から装置前側へ延出された押圧部材43とを有する。また、この液吐出用装置10は、
図5に示すように、踏み込み操作によって待機位置から下降されたペダル41が当接されることでペダル41のそれ以上の下降を規制するペダルストッパ部材45を有する。
【0020】
図5において、昇降バー42はペダル41の昇降に連動して昇降可能にペダル41と連結されている。ペダル41は昇降バー42の昇降に連動して昇降可能である。
図2に示すように、液吐出用装置10は、踏み込み操作によるペダル41の待機位置からの下降に連動して下降された昇降バー42を上方へ弾性付勢して下降前の位置(待機位置)に復帰させる復帰用スプリング44も有している。待機位置から下降された昇降バー42が待機位置に復帰されるとペダル41も待機位置に復帰される。復帰用スプリング44は踏み込み操作によって待機位置から下降されたペダル41を弾性付勢して待機位置に復帰させる役割を果たす。
なお、昇降バー42はペダル41の昇降に連動して昇降可能にペダル41と連結する連結構造、復帰用スプリング44の取付構造は、後に説明する。
【0021】
復帰用スプリング44は、待機位置から下降された昇降バー42を弾性付勢して待機位置に復帰させることでペダル41も待機位置に復帰させるものに限定されない。復帰用スプリング44は、踏み込み操作によって待機位置から下降されたペダル41を弾性付勢して待機位置に復帰させ、これにより昇降バー42も待機位置に復帰させるものであっても良い。
【0022】
図1、
図2、
図4に示すように、ポンプ付き容器100は、樹脂フィルムによって形成された可撓性の容器本体111にスパウト112が設けられた構造の包装容器110と、包装容器110のスパウト112に取り付けられたプッシュポンプ120とを有する。
図1、
図2において、ポンプ付き容器100の容器本体111は概ね外観直方体状(具体的には立方体状)に賦形されている。
図4に示すように、容器本体111の内部には液体(内容液Q)が貯留されている。
【0023】
図1、
図2において、ポンプ付き容器100は、包装容器110の容器本体111のスパウト112が設けられている天壁部とは逆の底壁部を液吐出用装置10の容器支持台20の台板21上に載置して液吐出用装置10に設けられている。ポンプ付き容器100のプッシュポンプ120は容器本体111上のスパウト112に取り付けられて包装容器110上に位置する。
【0024】
図4に示すように、プッシュポンプ120は、包装容器110のスパウト112に取り付けられた本体ユニット121と、本体ユニット121のポンプ本体122(シリンダ部)から上方に突出する円筒状のステム123と、ステム123の上端に形成されたプッシュヘッド124とを有する。ステム123の下端部は上下方向を長手方向とする細長容器状のポンプ本体122にポンプ本体122に対して上下方向に移動自在に挿入されている。プッシュヘッド124はステム123とともに本体ユニット121のポンプ本体122に対して上下方向に移動可能である。
図4においてプッシュヘッド124はステム123に一体に形成されている。但し、プッシュヘッド124は、プッシュヘッド124とは別体のステム123の上端部に固定されても良い。
【0025】
図4に示すように、プッシュポンプ120の本体ユニット121は、円筒状の胴体125と、包装容器110のスパウト112側面に螺着されて胴体125下端部をスパウト112に固定する螺着リング126と、ポンプ本体122と、胴体125の上端部に脱着可能に螺着されたキャップ状の本体螺着リング127とを有する。
【0026】
図4において、本体ユニット121の胴体125の下端面は包装容器110のスパウト112の上端面にその上側から当接されている。螺着リング126は包装容器110のスパウト112側面に螺着された円筒状本体126aと、その上端部内周に周設された内周リブ126bとを有する。螺着リング126は内周リブ126bを胴体125の下端部外周に周設された下端部外周リブ125aにその上側から係合させ、円筒状本体126aのスパウト112への締め付けによって胴体125を包装容器110のスパウト112に固定している。
【0027】
胴体125は、螺着リング126をスパウト112への締め付け時とは逆向きに回転操作して螺着リング126をスパウト112から取り外すことでスパウト112から離脱させることができる。螺着リング126をスパウト112から取り外せばプッシュポンプ120全体を包装容器110のスパウト112から取り外すことができる。
プッシュポンプ120は、螺着リング126をその回転操作によって包装容器110のスパウト112に対して脱着することで、スパウト112に対して脱着できる。
【0028】
図4に示すように、本体螺着リング127はポンプ本体122の外周に固定されたリング板状の天板部と、天板部の外周部からその片面側にリング状に突出形成され胴体125の上端部側面に螺着された側壁部とを有する。ポンプ本体122は本体螺着リング127から下方に突出されて本体螺着リング127の側壁部の内周側に位置する下方突出部を有する。ポンプ本体122の下方突出部は胴体125内に挿入されている。
【0029】
図1、
図2に示すように、プッシュポンプ120は、プッシュヘッド124からその側方に突出されたノズル128も有している。ノズル128の内側には、プッシュヘッド124内の液流路(
図4参照)と連通する液流路が貫通形成されている。
図4に示すように、プッシュポンプ120は、ポンプ本体122の底壁部から下方へ延在する可撓性の吸込チューブ129も有している。
図1、
図2に示すように、プッシュポンプ120は、ノズル128がプッシュヘッド124から装置前側に突出する向きで包装容器110のスパウト112に取り付けられている。
【0030】
図4に示すプッシュポンプ120は、ポンプ本体122内に挿入されたステム123下端部の周囲に固定されたリング板状のピストン131、ポンプ本体122の底壁部とピストン131との間に配置されたスプリング132(押しばね)、ステム123上端部を開閉する上部逆止弁133、ポンプ本体122の底壁部に開口する吸込チューブ129の上端部を開閉する下部逆止弁134、も有している。
ポンプ本体122内のスプリング132は、ポンプ本体122内におけるポンプ本体122の底壁部とピストン131との間の領域である液溜め室内に設けられている。スプリング132は、ピストン131及びステム123をポンプ本体122の底壁部から上方へ弾性付勢する。
上部逆止弁133は、ステム123からプッシュヘッド124内の液流路への流体の移動を許可し、逆方向の流体の移動を阻止する。
下部逆止弁134は、吸込チューブ129からポンプ本体122への流体の移動を許可し、逆方向の流体の移動を阻止する。
【0031】
図4に示すプッシュポンプ120は、プッシュヘッド124をポンプ本体122に対して押し下げ操作してステム123及びピストン131をポンプ本体122に対して下方へ移動させた後、プッシュヘッド124のポンプ本体122に対する押し下げを解除すると、スプリング132の弾性付勢力によって、ステム123及びピストン131とともにプッシュヘッド124もポンプ本体122に対して上方向へ押し上げられる。このとき、プッシュポンプ120は、ステム123及びピストン131の上昇に伴い、包装容器110の容器本体111内の液体(内容液Q)を吸込チューブ129を介してポンプ本体122内の液溜め室に吸い上げる。
プッシュポンプ120は、ポンプ本体122の液溜め室内に包装容器110の容器本体111から吸い上げた内容液が存在する状態でプッシュヘッド124をポンプ本体122に対して押し下げ操作すると、ステム123及びピストン131の下降に伴って液溜め室の液体がステム123内側の流路を通って上部逆止弁133からプッシュヘッド124内の液流路を介してノズル128内側の液流路へ押し出され、ノズル128先端に開口する吐出口から吐出される。
【0032】
プッシュポンプ120は、プッシュヘッド124から突出するノズル128が存在せず、プッシュヘッド124自体に吐出口が開口形成された構成も採用可能である。
プッシュポンプ120は、例えばプッシュヘッド124から突出するノズル128先端の吐出口あるいはプッシュヘッド124自体に形成された吐出口から包装容器110の内容液の液流を吐出する構成を採用できる。この他、プッシュポンプ120は、吐出口から包装容器110の内容液を霧状に噴射(吐出)する構成、あるいは内容液を空気混入によって泡状にしたものを吐出する構成も採用可能である。
【0033】
包装容器110の容器本体111の内容液は、例えば手指消毒用の消毒液である。
手指消毒用の消毒液としては、アルコール(特にはエタノール)、塩化ベンザルコニウムまたはトリクロサンを含む水溶液等を挙げることができる。
また、包装容器110の容器本体111の内容液は、手指消毒用の消毒液に限定されず、例えばうがい薬等であっても良い。
【0034】
図1に示すように、容器支持台20は、上下方向に延在する複数(
図1では4本)の脚部材22によって、これら脚部材22上に台板21を支持したものである。台板21はその上面によって上下方向に垂直の載置面を形成している。
台板21から下方に離隔した所には、全ての脚部材22が固定された連結板23が設けられている。
【0035】
図1、
図3に示すように、ポンプ支持体30は、天板31と天板31の両側からそれぞれ下方に延出され互いに平行に形成された一対の側壁32とを有する。
ポンプ支持体30は一対の側壁32の下端部を台板21に固定して台板21に取り付けられている。
図1において、ポンプ支持体30の一対の側壁32の下端部は台板21にねじ止め固定されている。ポンプ支持体30は、側壁32下端部を台板21に固定するねじを締め付け時とは逆向きに回転操作して撤去することで台板21から取り外すことができる。また、台板21から取り外したポンプ支持体30は、ねじを用いて台板21に再固定することもできる。
【0036】
図1、
図2に示すように、ポンプ支持体30は、その天板31と一対の側壁32と台板21とによって囲まれる内側にポンプ付き容器100の包装容器110の容器本体111を収容する包装容器収容領域30Sを確保している。
包装容器収容領域30Sは、ポンプ支持体30と台板21とが構成する角筒状構造体の内側領域である。包装容器収容領域30Sは装置前後方向両側に開口部を有する。
【0037】
図1~
図3に示すように、ポンプ支持体30の天板31にはその装置前側の端(前端)から装置後側へ向かって延在する延在切欠部33が形成されている。
ポンプ支持体30について、一対の側壁32の間隔方向を、以下、左右方向、とも言う。天板31についても一対の側壁32の間隔方向に一致する方向を左右方向として説明する。
延在切欠部33は天板31の左右方向中央部に装置前後方向に延在形成されている。
【0038】
図1、
図2に示すポンプ付き容器100の包装容器110の容器本体111は液吐出用装置10の包装容器収容領域30Sにその装置前側の開口部から挿入可能、ポンプ付き容器100の包装容器110のスパウト112はポンプ支持体30の天板31の延在切欠部33にその前端の開口部から挿入可能である。
ポンプ付き容器100は、包装容器110の容器本体111を液吐出用装置10の包装容器収容領域30Sにその装置前側の開口部から挿入し、包装容器110のスパウト112をポンプ支持体30の天板31の延在切欠部33にその前端の開口部から挿入して液吐出用装置10にセットできる。液吐出用装置10にセットされたポンプ付き容器100は、包装容器収容領域30S内の容器本体111及びポンプ支持体30の天板31の延在切欠部33に挿入されたスパウト112をそれぞれ装置前側へ取り出すことができる。
【0039】
図4に示すように、ポンプ付き容器100の包装容器110のスパウト112の径はポンプ支持体30の天板31の延在切欠部33の左右方向の寸法である幅寸法と同等あるいは僅かに小さい。
図4に示すように、ポンプ付き容器100の包装容器110のスパウト112にはその側面から突出する側部リブ113が形成されている。側部リブ113はスパウト112の軸線方向中央部の側面全周に周設されたリング板状に形成されている。なお、プッシュポンプ120の本体ユニット121の本体螺着リング127は側部リブ113よりもスパウト112先端側の側面に形成されたねじ部114に螺着されている。スパウト112に取り付けられたプッシュポンプ120は、側部リブ113よりもスパウト112先端側(
図4において上側)に位置する。
【0040】
図4に示すように、側部リブ113の外径は天板31の延在切欠部33の幅寸法よりも大きい。
包装容器110のスパウト112は、側部リブ113を天板31の延在切欠部33を介して左右両側の部分上に配置した状態で天板31の延在切欠部33に挿入されている。スパウト112側面に形成された側部リブ113は、天板31の延在切欠部33を介して左右両側の部分にその上側から当接可能である。
包装容器110のスパウト112及びスパウト112に取り付けられたプッシュポンプ120は、側部リブ113が天板31の延在切欠部33を介して左右両側の部分に当接することで天板31に対するそれ以上の下降が規制される。プッシュポンプ120は、包装容器110のスパウト112を介して天板31によってその上側に位置するように支持される。
【0041】
図1に示すように、昇降バー42は、天板31における延在切欠部33から後側(装置後側)の部分に貫通形成されたバー挿通孔34、及び連結板23の後端部(装置後側の端部)に貫通形成されたバー挿通孔23aに通されて、天板31及び連結板23によって上下方向に延在する状態に支持されている。昇降バー42は天板31及び連結板23のバー挿通孔34、23aに上下方向に移動自在に通されている。
昇降バー42はポンプ支持体30の天板31(以下、ポンプ支持体天板、とも言う)から上方へ延出された部分、及び連結版23から下方へ延出された部分を確保して設けられている。押圧部材43は、昇降バー42のポンプ支持体天板31から上方へ延出された部分の端部である上端部に取り付けられている。
【0042】
図1、
図4に示すように、押圧部材43は、長板状の押圧主板43aと、押圧主板43aの長手方向に垂直の幅方向両側から押圧主板43aの片面側に突出された側板部43bとを有する。押圧主板43aの幅方向両側の側板部43bは押圧主板43aの延在方向全長にわたって形成されている。押圧部材43は、押圧主板43aとその幅方向両側の側板部43bとによってコ字形断面形状で延在する棒状に形成されている。
図1、
図2に示すように、押圧部材43は、押圧主板43aの長手方向片側の端部(基端部)を昇降バー42上端部に固定して昇降バー42に取り付けられている。
【0043】
押圧部材43の押圧主板43aは、その基端部に形成された貫通孔に通された昇降バー42上端部に外挿されている。
図2に示すように、押圧主板43aは、その基端部が昇降バー42上端部に螺着された2つのナット42c、42dの間に上下両側から締め付け固定されて、昇降バー42の延在方向(軸線方向)に垂直の向きで昇降バー42に固定されている。押圧部材43は、一対の側板部43bが押圧主板43aから下方に突出する向きで昇降バー42に固定されている。
【0044】
図1、
図2に示すように、押圧部材43は、昇降バー42の上端部から天板31の延在切欠部33の後端部(装置後側の端部)の上方位置まで延在しており、延在切欠部33に沿って配置されている。
【0045】
図4に示すように、天板31の延在切欠部33に挿入されたスパウト112は延在切欠部33の左右両側の天板31の内側面によって、左右方向において押圧部材43に位置合わせされる。
図2に示すように、ポンプ付き容器100は、包装容器110のスパウト112を天板31の延在切欠部33の前端から後端まで挿入することで、スパウト112に取り付けられているプッシュポンプ120のプッシュヘッド124が、押圧部材43の前端から押圧主板43aとその下側の一対の側板部43bとによって囲まれる内側の領域に挿入される(
図1参照)。
図2に示すように、プッシュポンプ120のプッシュヘッド124は押圧部材43の押圧主板43aの下側に配置される。
【0046】
図5に示すように、ペダル41は、容器支持台20の装置前側(
図5左側)の脚部材22の下端部にピン46を介して軸支された前端部から装置後側へ延在するように設けられている。ペダル41のピン46よりも装置後側に位置する部分(主板部。以下、ペダル主板部、とも言う)はピン46を中心とする回転によって上下動可能である。
【0047】
図5に示すように、昇降バー42の下端部はペダル41の後端部(ペダル41主板部の後端部)に貫通形成されたバー挿通孔41a(
図5参照)に上下に通されている。昇降バー42の下端部はペダル41のバー挿通孔41aに遊挿されている。
ペダル41の後端部は、昇降バー42の下端部の上下方向に互いに離間した2箇所に螺着されたナット42a、42bの間に上下方向に若干の遊動可能範囲を確保して保持されている。その結果、昇降バー42はペダル41の後端部にその昇降に連動して昇降可能に連結されている。なお、ナット42a、42bはペダル41のバー挿通孔41aに入り込まないサイズに形成されている。
昇降バー42はペダル41主板部の昇降に連動して容器支持台20及びポンプ支持体30に対して昇降する。昇降バー42の昇降に伴い、昇降バー42の上端部に固定されている押圧部材43も昇降バー42と一体的に昇降する。
【0048】
図5実線に示すように、ペダル41主板部の後端部は、昇降バー42下端部に螺着されてペダル41主板部下側に配置されたナット42b上に載置されている。ペダル41主板部の後端部が載置されたナット42bを、以下、ペダル支持ナット、とも言う。
【0049】
図1、
図2に示すように、液吐出用装置10の復帰用スプリング44はコイルスプリングである。この復帰用スプリング44は、昇降バー42に外挿されてポンプ支持体30の天板31と押圧部材43(具体的には押圧部材43の押圧主板43a)との間に配置された押しばねである。
液吐出用装置10にペダル41の踏み込み力等の外力が作用していない状態において、昇降バー42は復帰用スプリング44の弾性によってペダル支持ナット42bの上端がピン46よりも上側に位置するように支持される。ペダル41後端部はペダル支持ナット42bによってピン46よりも上側に支持される。その結果、ペダル41主板部は、ペダル支持ナット42bによって、ピン46から後側に行くにしたがって上側に位置するように傾斜して支持される。
【0050】
ペダル41、昇降バー42及び押圧部材43は、液吐出用装置10にペダル41の踏み込み力等の外力が作用していない状態における位置が待機位置である。
ペダル41主板部はユーザーが足で踏み込むことで待機位置から下降する。但し、ペダル41主板部の踏み込みよる下降は、ペダル41主板部が、容器支持台20の装置後側(
図5右側)の脚部材22の下端部に固定されたペダルストッパ部材45にその上側から当接することで限界となり、それ以上の下降が規制される。
図5において、主板部がペダルストッパ部材45に当接されて下降限界位置に配置されたペダル41を仮想線(2点鎖線)で示した。
【0051】
図1等に示す液吐出用装置10は、ペダル41主板部の踏み込みによる下降に伴って下降される押圧部材43がポンプ付き容器100のプッシュポンプ120のプッシュヘッド124を押し下げてポンプ付き容器100から内容液を吐出させる足踏み式液吐出用装置である。
液吐出用装置10は、
図1、
図2、
図4のようにポンプ付き容器100がセットされた状態で、待機位置のペダル41主板部をユーザーが足で踏み込んで下降させると、昇降バー42及び押圧部材43が下降し、押圧部材43がポンプ付き容器100のプッシュポンプ120のプッシュヘッド124を押し下げてポンプ付き容器100から内容液を吐出させる。
【0052】
押圧部材43がポンプ付き容器100のプッシュポンプ120のプッシュヘッド124を押し下げるとき、
図4に示すように、包装容器110のスパウト112の周囲の側部リブ113と天板31の延在切欠部33を介して左右両側の部分との当接によって、スパウト112の天板31に対する下降が規制される。スパウト112に取り付けられたプッシュポンプ120の本体ユニット121の下降も規制される。その結果、押圧部材43によるプッシュポンプ120のプッシュヘッド124のポンプ本体122に対する押し下げ、ステム123のポンプ本体122への押し込みを確実に行なえ、ポンプ付き容器100の内容液のノズル128からの吐出を確実且つ安定に実現できる。
【0053】
図1、
図4に示すように、スパウト112に取り付けられているプッシュポンプ120のプッシュヘッド124が押圧部材43の押圧主板43aとその下側の一対の側板部43bとによって囲まれる内側の領域(以下、押圧部材43の内側領域、とも言う)に挿入される構成は、プッシュポンプ120のプッシュヘッド124を押圧部材43の押圧主板43aの下側に確実に配置でき、押圧部材43によるプッシュポンプ120のプッシュヘッド124の押し下げを確実に実現できる。
押圧部材43の内側領域に挿入されたプッシュポンプ120のプッシュヘッド124は、押圧部材43に対してその長手方向(装置前後方向に一致)に移動自在である。液吐出用装置10にセットされたポンプ付き容器100を装置前側へ取り出す際には、押圧部材43の内側領域に挿入されたプッシュポンプ120のプッシュヘッド124は押圧部材43に対してその長手方向に移動させ押圧部材43先端(前端)から抜き出す。
【0054】
ペダル41主板部が踏み込みによって待機位置から下降されるとき、昇降バー42及び押圧部材43は待機位置から復帰用スプリング44を押し縮めつつ下降される。
踏み込みによって下降されたペダル41主板部の踏み込みが解除されると、待機位置から下降されていた昇降バー42及び押圧部材43が復帰用スプリング44の弾性付勢力(復元力)によって待機位置に復帰される。
図5に例示したペダル41主板部の後端部と昇降バー42との連結構造は、昇降バー42の昇降に連動してペダル41主板部を昇降させることができる。このため、待機位置から下降されていた昇降バー42及び押圧部材43の待機位置への復帰に伴いペダル41主板部も待機位置に復帰される。
【0055】
液吐出用装置10における復帰用スプリング44の位置及び取付構造は
図1、
図2に例示したものに限定されない。また、復帰用スプリング44はペダル41を直接あるいは昇降バー42を介して上方へ弾性付勢可能なものであれば良く、押しばね(圧縮コイルばね)に限定されず、引張コイルばね、ねじりコイルばね、板ばね等も使用可能である。
押しばね(圧縮コイルばね)、ねじりコイルばね、板ばねは、例えば、ペダル41と脚部材22下端部に固定してペダル41下方に配置した受け部材との間、昇降バー42と脚部材22下端部に固定して昇降バー42下方に配置した受け部材との間、などに配置できる。引張コイルばねは、例えば、ペダル41と容器支持台20におけるペダル41よりも上方に位置する部分との間、昇降バー42下端部と容器支持台20における昇降バー42下端部よりも上方に位置する部分との間、などに配置できる。
【0056】
図2、
図3に示すように、ポンプ支持体30は、装置前後方向における延在切欠部33と昇降バー42との間の位置に一対の側壁32間に架設状態に固定されて包装容器収容領域30S内に設けられた接触防止部材35を含む。一対の側壁32間に延在する接触防止部材35の延在方向両端はそれぞれ側壁32に固定されている。
接触防止部材35は、
図1、
図2のように液吐出用装置10にセットされたポンプ付き容器100の包装容器110の容器本体111の昇降バー42との接触を防止する。接触防止部材35は、繰り返し上下動される昇降バー42の摺接による包装容器110の容器本体111の穴開きを防止できる。
【0057】
接触防止部材35は、一対の側壁32間に架設状態に固定された構成に限定されない。接触防止部材35は、例えば、天板31から下方へ延出する板状片や、一対の側壁32の一方または両方から包装容器収容領域30S内へ張り出す板状片等であっても良い。
【0058】
図1、
図3に示すように、ポンプ支持体30の一対の側壁32の前端部には、紐状体47を挿通してポンプ支持体30に取り付けるための紐状体挿通孔36が形成されている。
図1において、紐状体47は、金属ワイヤあるいは金属鎖によって構成されている。紐状体47は、ポンプ支持体30の一対の側壁32の紐状体挿通孔36に通して、一対の側壁32間に架け渡すように設けられている。また、
図1に示す紐状体47の両端には互いに脱着可能に嵌合される結合片47aが設けられている。結合片47aは、互いに嵌合された状態で一方の嵌合片に回転可能に設けられた図示略のダイヤルの回転操作によってダイヤルが所定位置にあるときのみ嵌合解除可能なダイヤル錠を構成する。
結合片47a付きの紐状体47は、その両端の結合片47a同士が嵌合されダイヤルが所定位置に無い状態で、液吐出用装置10にセットされたポンプ付き容器100のポンプ支持体30からの抜き出しを規制し、ポンプ付き容器100の盗難を防止する役割を果たす。
【0059】
紐状体はその端部に金属製の不連続リングが設けられた構成のものも採用可能である。
この紐状体の端部の不連続リングは、ポンプ支持体30の側壁32の紐状体挿通孔36に周方向の一部を挿通して加締めによって不連続部を側壁32から抜け出さないように狭くすることで側壁32に取り付けられる。不連続リングは、例えば金属鎖の端部に位置するリング等であっても良い。
【0060】
図6に示すように、液吐出用装置10は、ポンプ支持体30の天板31上に載置されるトレー48を有する構成も採用可能である。
このトレー48は、ポンプ付き容器100のプッシュポンプ120のノズル128先端から吐出されポンプ支持体30上に落下する内容液を収容する液受けトレーである。
【0061】
トレー48は、底板48aと、底板48aの外周部全周から底板48aの上面側に突出された周囲壁48bと、底板48aの上面とは逆の下面から突出形成され天板31の延在切欠部33に挿入される位置決め延在突部48cとを有する。
図6のトレー48の底板48aは細長形状に形成されている。位置決め延在突部48cはトレー48の底板48aの長手方向中央部に長手方向に直交する幅方向に延在形成されている。
図6のトレー48において位置決め延在突部48cはひとつのみ形成されている。
【0062】
図6に示すように、トレー48は位置決め延在突部48cを天板31の延在切欠部33に挿入し、底板48aの下面を天板31に当接させて天板31上に載置される。
図6に示すトレー48は、位置決め延在突部48cを天板31の延在切欠部33に挿入することで、底板48aのその長手方向における位置決め延在突部48cを介して両側部分が天板31の延在切欠部33を介して左右両側の部分上に配置される。
【0063】
位置決め延在突部48cは、トレー48の底板48aを天板31上に載置したときに、天板31の延在切欠部33を介して左右両側の内壁面に当接されて、トレー48をポンプ支持体30に対して左右方向に位置決めする。また、ポンプ支持体30の天板31上に載置されたトレー48は、天板31の延在切欠部33に挿入した位置決め延在突部48cによってポンプ支持体30に対して左右方向に位置決めした状態を維持したまま、ポンプ支持体30に対して前後方向にスライド移動可能であり、ポンプ支持体30に対する前後方向のスライド移動によって天板31に対して脱着できる。
【0064】
トレー48は、位置決め延在突部48cを1つのみ有する構成に限定されず、天板31の延在切欠部33を介して左右両側の内壁面に1つずつ当接される2つの位置決め延在突部48cを有する構成も採用可能である。
【0065】
以上、本発明を最良の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の最良の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
液吐出用装置10は、昇降バー42が天板31及び連結板23のバー挿通孔34、23aに上下方向に移動自在に通された構成に限定されず、昇降バー42が天板31及び連結板23の後側に配置された構成も採用可能である。但し、昇降バー42上端部から前側への押圧部材43の延在寸法を出来限り短くし、プッシュポンプ120のプッシュヘッド124を押し下げる際の押圧部材43の撓みを小さくする点では、昇降バー42が天板31及び連結板23のバー挿通孔34、23aに上下方向に移動自在に通された構成の方が有利である。
なお、昇降バー42は適宜屈曲等により連結板23よりも装置後側に配置され且つ天板31のバー挿通孔34に上下方向に移動自在に通された構成も採用可能である。液吐出用装置10において連結板23は必須ではなく液吐出用装置10は連結板23を省略した構成も採用可能である。昇降バー42上端部から前側への押圧部材43の延在寸法を出来限り短くし、プッシュポンプ120のプッシュヘッド124を押し下げる際の押圧部材43の撓みを小さくする点では、昇降バー42が天板31のバー挿通孔34に上下方向に移動自在に通された構成を採用することが好ましい。
【0066】
液吐出用装置10は、ポンプ支持体30の側壁32に紐状体挿通孔36が存在しない構成や、トレー48を有していない構成、復帰用スプリングを有していない構成も採用可能である。復帰用スプリングを有していない液吐出用装置10は、例えば、ポンプ付き容器100のプッシュポンプ120に押し下げ操作されたプッシュヘッド124の上昇復帰用に設けられるスプリングの弾性復元力を、待機位置から下降されたペダル41、昇降バー42、押圧部材43の待機位置への復帰に利用する。
【0067】
図4では、包装容器110のスパウト112の側面に形成された側部リブ113をポンプ支持体30の天板31の延在切欠部33を介して左右両側の部分上に配置し、側部リブ113が天板31の延在切欠部33を介して左右両側の部分に当接されることでスパウト112の下降が規制される構成を例示した。但し、プッシュポンプ120の本体ユニット121下端部と側部リブ113との間に天板31を挿入可能な離間距離が確保されている場合は、側部リブ113を天板31下側に配置し、プッシュポンプ120の本体ユニット121下端部を天板31の延在切欠部33を介して左右両側の部分上にこれら左右両側の部分に当接可能に配置しても良い。
【符号の説明】
【0068】
10…液吐出用装置、20…容器支持台、21…台板、22…脚部材、23…連結板、23a…バー挿通孔、30…ポンプ支持体、30S…包装容器収容領域、31…天板、32…側壁、33…延在切欠部、34…バー挿通孔、35…接触防止部材、36…紐状体挿通孔、41…ペダル、41a…バー挿通孔、42…昇降バー、42a…ナット、42b…ナット(ペダル支持ナット)、42c、42d…ナット、43…押圧部材、43a…押圧主板、43b…側板部、44…復帰用スプリング、45…ペダルストッパ部材、46…ピン、47…紐状体、47a…結合片、48…トレー、48a…底板、48b…周囲壁、48c…位置決め延在突部、100…ポンプ付き容器、110…包装容器、111…容器本体、112…スパウト、113…側部リブ、114…ねじ部、120…プッシュポンプ、121…本体ユニット、122…ポンプ本体(シリンダ部)、123…ステム、124…プッシュヘッド、125…胴体、125a…下端部外周リブ、126…螺着リング、126a…円筒状本体、126b…内周リブ、127…本体螺着リング、128…ノズル、129…吸込チューブ、131…ピストン、132…スプリング、133…上部逆止弁、134…下部逆止弁、G…設置床、Q…内容液。