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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088193
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20220101AFI20220607BHJP
   G06F 3/041 20060101ALI20220607BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220607BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
G06F3/0488
G06F3/041 595
B41J29/42 F
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020200491
(22)【出願日】2020-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】廣谷 唯
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 雅紀
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061CQ04
2C061CQ23
2C061CQ24
2C061CQ34
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC58
5C062AE13
5E555AA06
5E555AA54
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA20
5E555BB02
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB20
5E555BC04
5E555CA13
5E555CB16
5E555CB32
5E555CB51
5E555CC01
5E555CC02
5E555DA01
5E555DA23
5E555DB06
5E555DB44
5E555DC13
5E555DC19
5E555DC20
5E555DC83
5E555DD08
5E555FA15
(57)【要約】
【課題】移動操作を途中で解除した場合に、ユーザの意図しない挙動を防止することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】画像形成装置10は、CPU11を備える。CPU11は、表示部16に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、操作部を移動操作に追従するよう移動させる。CPU11は、操作部が表示部上の初期位置から実行位置への移動を完了すると予め定められた操作を実行する。CPU11は、移動操作を初期位置から実行位置までの途中で解除すると、解除した位置に応じて、初期位置又は実行位置へ向けて操作部をユーザ操作によらずに移動させる。CPU11は、操作部がユーザ操作によらずに移動している最中に、ユーザが表示部の予め定められた位置を選択すると、操作部の移動を停止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、前記操作部を前記移動操作に追従するよう移動させ、
前記操作部が前記表示部上の初期位置から実行位置への移動を完了すると予め定められた操作を実行し、
前記移動操作を前記初期位置から前記実行位置までの途中で解除すると、解除した位置に応じて、前記初期位置又は前記実行位置へ向けて前記操作部をユーザ操作によらずに移動させ、
前記操作部が前記ユーザ操作によらずに移動している最中に、前記ユーザが前記表示部の予め定められた位置を選択すると、前記操作部の移動を停止する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記停止後、他の操作をせずに前記選択を解除すると、前記操作部の前記予め定められた操作の実行を中止する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記停止後、他の操作をせずに前記選択を解除すると、前記操作部の移動が停止された状態を維持し、前記移動操作が可能な状態にする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記停止後、前記停止した位置から再び前記移動操作を行い、前記実行位置に対応する方向に前記操作部を移動させてから前記移動操作を解除すると、前記予め定められた操作を実行する請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記停止後、前記停止した位置から再び前記移動操作を行い、前記初期位置に対応する方向に前記操作部を移動させてから前記移動操作を解除すると、前記予め定められた操作の実行を中止する請求項1~請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記予め定められた位置は、前記移動操作が可能な操作可能領域よりも広く設定されている請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記予め定められた位置は、前記操作部と、前記移動操作が可能な操作可能領域と、前記予め定められた操作に関連する関連領域との少なくとも一つの領域が設定されている請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記操作部が前記ユーザ操作によらずに移動することにより前記実行位置まで移動した場合に実行音を鳴動させる請求項1~請求項7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記移動操作が可能な操作可能領域は、前記初期位置側の開始領域、及び前記実行位置側の実行領域を含み、前記途中で解除した位置が前記開始領域であれば前記初期位置に向けて前記ユーザ操作によらずに移動させ、前記途中で解除した位置が前記実行領域であれば前記実行位置に向けて前記ユーザ操作によらずに移動させる請求項1~請求項8の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記途中で解除した位置に応じて、前記ユーザ操作によらずに移動させる速度を変化させる請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記操作部の停止した位置を、前記選択した位置を中心とした位置に移動させる請求項1~請求項10の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記停止したことを、前記操作部の表示態様の変更、又は前記表示部に表示させる説明文によって通知する請求項1~請求項11の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、前記操作部を前記移動操作に追従するよう移動させ、
前記操作部が前記表示部上の初期位置から実行位置への移動を完了すると予め定められた操作を実行し、
前記移動操作を前記初期位置から前記実行位置までの途中で解除すると、解除した位置に応じて、前記初期位置又は前記実行位置へ向けて前記操作部をユーザ操作によらずに移動させ、
前記操作部が前記ユーザ操作によらずに移動している最中に、前記ユーザが前記表示部の予め定められた位置を選択すると、前記操作部の移動を停止する、
ことをコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ゲーム媒体に対する様々な処理を実行するユーザインターフェースを備えた情報処理装置が記載されている。この情報処理装置は、ゲーム媒体を表示する表示部と、ユーザがゲーム媒体を選択する第1の入力操作および第1の入力操作により選択されたゲーム媒体に対する処理を指示する第2の入力操作を受け付けて、第1の入力操作を座標情報と関連付けた第1の入力操作データおよび第2の入力操作を座標情報と関連付けた第2の入力操作データを出力する操作部と、ゲーム媒体に対する処理と向きとを対応付けた情報を記憶する記憶部と、制御部と、を備える。この制御部は、第1の入力操作データに基づいて、選択されたゲーム媒体を特定し、記憶部から情報を取得し、第2の入力操作データに基づいて、第2の入力操作の始点から終点への向きを特定し、情報で第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた位置の処理を、選択されたゲーム媒体に対して実行する。
【0003】
例えば、特許文献2には、タッチパネルに対するユーザのスライドに係る操作とセレクトに係る操作に関する情報処理装置が記載されている。この情報処理装置は、押下された位置を検出するタッチパネル部と、判定部とを備える。判定部は、タッチパネル部に対するリリース動作が検出されたとき、このリリース動作の直前のタッチパネル部に対するタッチ動作からリリース動作までの間に検出された押下された位置の移動距離が第1閾値以上の場合はタッチ動作からリリース動作までにタッチパネル部が受けた操作をスライドに係る操作と判定し、移動距離が第1閾値未満であり、かつタッチ動作からリリース動作までの時間が第2閾値以上の場合は、タッチ動作からリリース動作までにタッチパネル部が受けた操作をセレクトに係る操作と判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-51222号公報
【特許文献2】特開2013-182528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タッチパネル方式のUI(User Interface)画面では、タッチ式のボタンを用いたスライドスタート機能が操作の実行を指示する指示部として実装される場合がある。
【0006】
この指示部では、ユーザが操作部に対してドラッグ又はスライド等の移動操作を行い、操作部が開始領域を超えて実行領域内の実行位置まで移動した場合に、予め定められた操作が実行される。
【0007】
ここで、予め定められた操作が実行される前に、ユーザが移動操作を途中で解除してしまう場合がある。解除した後は、解除した位置に応じて自動的に操作の実行又は中止をすることで、解除した時点の移動操作を反映した挙動とすることができるとも考えられる。しかしながら、移動操作を途中で解除した場合に行われる挙動が、ユーザの意図する挙動ではない場合もある。
【0008】
本開示は、移動操作を途中で解除した場合に、ユーザの意図しない挙動を防止することができる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、前記プロセッサが、表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、前記操作部を前記移動操作に追従するよう移動させ、前記操作部が前記表示部上の初期位置から実行位置への移動を完了すると予め定められた操作を実行し、前記移動操作を前記初期位置から前記実行位置までの途中で解除すると、解除した位置に応じて、前記初期位置又は前記実行位置へ向けて前記操作部をユーザ操作によらずに移動させ、前記操作部が前記ユーザ操作によらずに移動している最中に、前記ユーザが前記表示部の予め定められた位置を選択すると、前記操作部の移動を停止する。
【0010】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記停止後、他の操作をせずに前記選択を解除すると、前記操作部の前記予め定められた操作の実行を中止する。
【0011】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記停止後、他の操作をせずに前記選択を解除すると、前記操作部の移動が停止された状態を維持し、前記移動操作が可能な状態にする。
【0012】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第1態様~第3態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記停止後、前記停止した位置から再び前記移動操作を行い、前記実行位置に対応する方向に前記操作部を移動させてから前記移動操作を解除すると、前記予め定められた操作を実行する。
【0013】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第1態様~第4態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記停止後、前記停止した位置から再び前記移動操作を行い、前記初期位置に対応する方向に前記操作部を移動させてから前記移動操作を解除すると、前記予め定められた操作の実行を中止する。
【0014】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第1態様~第5態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記予め定められた位置が異なり、前記予め定められた位置は、前記移動操作が可能な操作可能領域よりも広く設定されている。
【0015】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第1態様~第5態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記予め定められた位置が異なり、前記予め定められた位置は、前記操作部と、前記移動操作が可能な操作可能領域と、前記予め定められた操作に関連する関連領域との少なくとも一つの領域が設定されている。
【0016】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様~第7態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記操作部が前記ユーザ操作によらずに移動することにより前記実行位置まで移動した場合に実行音を鳴動させる。
【0017】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第1態様~第8態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記移動操作が可能な操作可能領域は、前記初期位置側の開始領域、及び前記実行位置側の実行領域を含み、前記プロセッサが、前記途中で解除した位置が前記開始領域であれば前記初期位置に向けて前記ユーザ操作によらずに移動させ、前記途中で解除した位置が前記実行領域であれば前記実行位置に向けて前記ユーザ操作によらずに移動させる。
【0018】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第9態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記途中で解除した位置に応じて、前記ユーザ操作によらずに移動させる速度を変化させる。
【0019】
また、第11態様に係る情報処理装置は、第1態様~第10態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記操作部の停止した位置を、前記選択した位置を中心とした位置に移動させる。
【0020】
また、第12態様に係る情報処理装置は、第1態様~第11態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサが、前記停止したことを、前記操作部の表示態様の変更、又は前記表示部に表示させる説明文によって通知する。
【0021】
更に、上記目的を達成するために、第13態様に係る情報処理プログラムは、表示部に表示させた操作部に対して、ユーザによる移動操作が行われると、前記操作部を前記移動操作に追従するよう移動させ、前記操作部が前記表示部上の初期位置から実行位置への移動を完了すると予め定められた操作を実行し、前記移動操作を前記初期位置から前記実行位置までの途中で解除すると、解除した位置に応じて、前記初期位置又は前記実行位置へ向けて前記操作部をユーザ操作によらずに移動させ、前記操作部が前記ユーザ操作によらずに移動している最中に、前記ユーザが前記表示部の予め定められた位置を選択すると、前記操作部の移動を停止することを、コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0022】
第1態様及び第13態様によれば、移動操作を途中で解除した場合に、ユーザの意図しない挙動を防止することができる、という効果を有する。
【0023】
第2態様によれば、ユーザは即座に指示操作の中止をすることができる、という効果を有する。
【0024】
第3態様によれば、ユーザは操作を停止した状態で実行又は中止の挙動を検討した上で決めることができる、という効果を有する。
【0025】
第4態様によれば、ユーザは停止後の再度の移動操作による操作の実行が行える、という効果を有する。
【0026】
第5態様によれば、ユーザは停止後の再度の移動操作による操作の実行の中止が行える、という効果を有する。
【0027】
第6態様及び第7態様によれば、ユーザはユーザ操作によらない移動を容易に停止させることができる、という効果を有する。
【0028】
第8態様によれば、ユーザに、ユーザ操作によらない移動によって操作が実行されたことを確実に知らせることができる、という効果を有する。
【0029】
第9態様によれば、移動操作を解除した位置の領域に応じた挙動とすることができる、という効果を有する。
【0030】
第10態様によれば、操作部を停止させるか否かをユーザが判断するための時間に余裕をもたせることができる、という効果を有する。
【0031】
第11態様によれば、ユーザは任意の位置で操作部を停止させることができる、という効果を有する。
【0032】
第12態様によれば、ユーザ操作によらない移動を停止させたことをユーザに確実に知らせることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第1の実施形態に係る画像形成装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2】第1の実施形態に係る画像形成装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
図3】実施形態に係るUI画面の一例を示す正面図である。
図4】指示部に対して予め定められた移動可能領域35の一例を示す図である。
図5】表示部に表示される指示部におけるユーザ操作とユーザ操作に対するスライドマークの位置との関係の一例を示す模式図である。
図6】第1の実施形態に係る操作実行処理の説明に供する図である。
図7】開始領域で途中解除した場合の移動の推移を示した図である。
図8】実行領域で途中解除した場合の移動の推移を示した図である。
図9】ユーザ操作によらない移動をタッチ操作により停止させた場合の一例を示す図である。
図10】停止後に、実行位置へ向けて移動させた場合の動作の一例を示す図である。
図11】停止後に、初期位置へ向けて移動させた場合の動作の一例を示す図である。
図12】第1の実施形態に係る情報処理プログラムによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】第2実施形態において、タップ操作をした場合の動作態様の一例を示す図である。
図14】第3実施形態において、タッチ操作した位置に停止位置を移動させる態様の一例を示す図である。
図15】解除した位置に応じた速度の変化の変形例の一例を示す図である。
図16】メッセージの表示内容を変更する場合の変形例の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態の一例について詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0035】
実施形態では、ディスプレイ等の表示部上に表示されたマーク等の操作部に対するユーザの手動操作(以下、ユーザ操作という。)によって、その操作部に対して予め定められた操作を実行する情報処理装置の一例を説明する。
【0036】
本開示において「操作部」とは、ディスプレイ等の表示部に表示される画像を含む概念である。「移動操作」とは、ユーザ操作による指示位置が逐次移動されつつ変更されることを含む概念である。移動操作の一例には、ディスプレイ等の表示部に接触されつつ移動するユーザ操作、例えば開始点から終了点までの間でユーザによる接触操作が継続されるドラッグ、及びスライド等のユーザ操作が挙げられる。「移動操作の開始」は、ユーザによる指示の開始として、ディスプレイ等の表示部への接触開始によるユーザ操作が挙げられる。また、「移動操作の完了」は、ユーザによる指示の終了として、接触解除によるユーザ操作が挙げられる。「移動操作の完了」のうち、初期位置又は実行位置に到達する前に接触解除した場合には、移動操作が途中で解除された「途中解除」として扱う。「予め定められた操作」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)及び当該指示を示す情報を含む概念である。予め定められた操作の一例には、自己又は他のプロセッサにより実行される処理が挙げられる。「操作の実行」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)の出力及び当該指示を示す情報の出力を含む概念である。「操作の実行の中止」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)の出力の中止及び当該指示を示す情報の出力の中止を含む概念である。
【0037】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
【0038】
図1に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、入出力インターフェース(I/O)14と、記憶部15と、表示部16と、スピーカ17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を備えている。
【0039】
なお、画像形成装置10は、情報処理装置の一例である。本実施形態に係る情報処理装置は、画像形成装置10以外に、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機器等、タッチパネル方式を採用したUI画面を持つ情報処理装置全般が対象とされる。
【0040】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14の各部は、バスを介して各々接続されている。I/O14には、記憶部15と、表示部16と、スピーカ17と、原稿読取部18と、画像形成部19と、通信部20と、を含む各機能部が接続されている。これらの各機能部は、I/O14を介して、CPU11と相互に通信可能とされる。
【0041】
CPU11、ROM12、RAM13、及びI/O14によって制御部が構成される。制御部は、画像形成装置10の一部の動作を制御するサブ制御部として構成されてもよいし、画像形成装置10の全体の動作を制御するメイン制御部の一部として構成されてもよい。制御部の各ブロックの一部又は全部には、例えば、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路又はIC(Integrated Circuit)チップセットが用いられる。上記各ブロックに個別の回路を用いてもよいし、一部又は全部を集積した回路を用いてもよい。上記各ブロック同士が一体として設けられてもよいし、一部のブロックが別に設けられてもよい。また、上記各ブロックのそれぞれにおいて、その一部が別に設けられてもよい。制御部の集積化には、LSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いてもよい。
【0042】
記憶部15としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等が用いられる。記憶部15には、本実施形態に係る情報処理プログラム15Aが記憶される。なお、この情報処理プログラム15Aは、ROM12に記憶されていてもよい。
【0043】
情報処理プログラム15Aは、例えば、画像形成装置10に予めインストールされていてもよい。情報処理プログラム15Aは、不揮発性の記憶媒体に記憶して、又はネットワークを介して配布して、画像形成装置10に適宜インストールすることで実現してもよい。なお、不揮発性の記憶媒体の例としては、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、光磁気ディスク、HDD、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリ、メモリカード等が想定される。
【0044】
表示部16には、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等が用いられる。表示部16は、タッチパネルを一体的に有し、タッチパネルを介してユーザによる各種の入力操作を受け付ける。タッチパネルには、例えば、静電容量方式が採用される。タッチパネルには、静電容量方式以外の方式を採用してもよい。また、スピーカ17は、各種の入力操作に応じて、予め設定されている効果音等を出力する。
【0045】
原稿読取部18は、画像形成装置10の上部に設けられた自動原稿送り装置(図示省略)の給紙台に置かれた原稿を1枚ずつ取り込み、取り込んだ原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。あるいは、原稿読取部18は、プラテンガラス等の原稿台に置かれた原稿を光学的に読み取って画像情報を得る。
【0046】
画像形成部19は、原稿読取部18による読み取りによって得られた画像情報、又は、ネットワークを介して接続された外部のPC(Personal Computer)等から得られた画像情報に基づく画像を、紙等の記録媒体に形成する。なお、本実施形態においては、画像を形成する方式として、電子写真方式を例示して説明するが、インクジェット方式等の他の方式を採用してもよい。
【0047】
画像を形成する方式が電子写真方式の場合、画像形成部19は、感光体ドラム、帯電部、露光部、現像部、転写部、及び定着部を含む。帯電部は、感光体ドラムに電圧を印加して感光体ドラムの表面を帯電させる。露光部は、帯電部で帯電された感光体ドラムを画像情報に応じた光で露光することにより感光体ドラムに静電潜像を形成する。現像部は、感光体ドラムに形成された静電潜像をトナーにより現像することで感光体ドラムにトナー像を形成する。転写部は、感光体ドラムに形成されたトナー像を記録媒体に転写する。定着部は、記録媒体に転写されたトナー像を加熱及び加圧により定着させる。
【0048】
通信部20は、インターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等のネットワークに接続されており、外部のPC等との間でネットワークを介して通信が可能とされる。
【0049】
本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、記憶部15に記憶されている情報処理プログラム15AをRAM13に書き込んで実行することにより、図2に示す各部として機能する。
【0050】
図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置10の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0051】
図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11は、表示制御部11Aとして機能する。表示制御部11Aは、追従制御部11B及び操作制御部11Cを含む。
【0052】
表示制御部11Aは、表示部16への画像の表示を制御する制御機能及び表示部16上に画像として表示された操作部の表示位置に応じて操作の実行と操作の実行の中止を制御する制御機能を有する。
【0053】
追従制御部11Bは、表示部16に画像を表示する制御、及び画像として表示された操作部を、ユーザによる移動操作に追従するように表示する制御を行う。すなわち、追従制御部11Bは、表示部16上に操作部を表示させつつ、ユーザによって操作部に対する移動操作が行われると、移動操作に追従された表示部16上の位置に操作部を表示する。
【0054】
操作制御部11Cは、ユーザによる移動操作に追従するように表示された操作部について、移動操作が完了すると、当該操作部の位置に対応して、操作の未実行または操作の実行を制御する。操作の未実行とは、操作を実行するまでに至ることがない移動操作により、操作の実行が開始されない状態(例えば初期状態)を維持する制御である。また、操作の実行の制御は、予め定められた操作を実行する制御または予め定められた操作の実行を中止する制御を含む。
【0055】
次に、本実施形態に係る画像形成装置10のCPU11による操作の実行について説明する。以後の説明では、CPU11による操作の実行として、原稿の複写の実行を一例として説明する。操作の実行は、原稿の複写の実行に限定されるものではなく、画像形成装置において実行される他の処理であってもよい。
【0056】
図3は、CPU11の処理によって表示部16に表示される画面30の一例を示す図である。
【0057】
図3では、CPU11によって実行される原稿関連機能のうちの画像複写機能における複写条件を一例として、原稿の複写時における色に関する設定を行う設定画面の一例が示されている。また、以後の説明では、ユーザが画面を目視した状態における画面の水平方向の右方向をX方向、上下方向の上方向をY方向と称する。
【0058】
画面30の例では、原稿を複写するときの色に関する複写条件の設定を指示するための選択指示ボタン30Aが表示されている。複写条件は、複写対象(例えば原稿)を複写する場合に設定可能な画像形成装置10が有する機能の設定であり、その機能はパラメータとして設定される。図3に示す例では、「自動」、「フル」、「2色」、「単色」、及び「その他」の何れかの色に関する設定を指示するための選択指示ボタンが表示されている。選択指示ボタンの「自動」ボタンは原稿の色を自動的に検出して原稿に沿った色により複写することを選択指示するためのボタンである。「フル」ボタンは、原稿を画像処理装置10が有する多色により複写することを選択指示するためのボタンである。「2色」ボタンは、予め定められた2色により複写することを選択指示するためのボタンである。「単色」ボタンは、予め定めた単色により複写することを選択指示するためのボタンである。「その他」ボタンはその他の色の設定により複写することを選択指示するためのボタンである。複写条件のパラメータは、公知の技術のため、説明を省略する。
【0059】
なお、図3では、複写条件の設定を指示した状態として、ユーザ操作によって「フル」ボタンが押下されたときに、「フル」ボタンが反転表示された画面を示している。
【0060】
また、図3に示す画面30には、複写条件が指示されたときに、複写の実行を指示するための指示部31に画像が表示される。指示部31は、メッセージを表示するためのメッセージ領域32、複写の実行を指示するための移動可能な画像を示すスライドマーク33、及び複写条件のうち部数を表示する表示領域34を含む。メッセージ領域32には、複写の実行を指示する場合のユーザ操作を示すメッセージが表示される。図3に示す例では、スライドマーク33を移動(すなわちスライド)させることで複写が実行(すなわち開始)されることを示す「スライドしてスタート」のメッセージが表示されている。また、スライドマーク33は、X方向(及び逆方向)に移動された位置にも表示可能になっている。スライドマーク33は、操作部の一例である。
【0061】
図3の例において、メッセージ領域32は、操作方法の説明を表示する領域で、表示内容を変化しないようにしてもよいし、操作状況に応じて表示内容を変化させるようにしてもよい。本実施形態では表示内容を変化させない場合を例に説明する。スライドマーク33は、ユーザの指Uで押圧(以下、タッチと表記する)されると色が変化し、ドラッグ又はスライド等の移動操作が可能となる。表示領域34には、例えば、部数、送信件数等のように、画像形成装置10の機能(例えば、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能、スキャナ機能等)に依存した情報が表示される。なお、指示部31は、メッセージ領域32を含まない構成としてもよい。
【0062】
図4は、指示部31に対して予め定められた移動可能領域35の一例を示す図である。
【0063】
指示部31は、スライドマーク33の移動可能な領域である移動可能領域35を含む。移動可能領域35は、移動可能に表示されたスライドマーク33の位置に応じて複写の未実行、複写の実行、及び複写の実行の中止を判定するための領域の一例である。移動可能領域35は、開始領域36及び実行領域37を含む。開始領域36は、予め定められた操作を実行しない領域であり、実行領域37は、予め定められた操作を実行する領域である。ここでいう予め定められた操作とは、例えば、複写の実行を指示する操作である。図4の例では、指示部31を表す領域内にメッセージ領域32及び移動可能領域35が含まれている。指示部31を表す領域内にメッセージ領域32を含まない場合、指示部31の領域全体が移動可能領域35となる。
【0064】
具体的に、実行領域37は、移動操作が完了したときのスライドマーク33が当該領域内に存在するときに複写の実行を行うことを特定するための領域である。また、開始領域36は、移動操作が終了したときのスライドマーク33が当該領域内に存在するときに複写の実行を行わないこと(未実行)を特定するための領域である。
【0065】
図5は、表示部16に表示される指示部31におけるユーザ操作とユーザ操作に対するスライドマーク33の位置との関係の一例を示す模式図である。
【0066】
ユーザUは、表示部16の指示部31に表示されているスライドマーク33にユーザUの指を接触させ、スライドマーク33にユーザUの指を接触させつつ複写の実行を指示する。スライドマーク33は、開始領域36及び実行領域37のY方向の中心位置を結ぶ線CL上を、開始領域36及び実行領域37のX方向の範囲内で移動する。より具体的には、スライドマーク33は、始点である初期位置Psと、終点である実行位置Peとが予め定められており、初期位置Psと実行位置Peとの間に表示可能とされる。
【0067】
すなわち、ユーザUの指の動きは、X方向及びY方向の2次元的な動きとされる。つまり、ユーザUの指は、斜め方向に動く場合もある。一方、スライドマーク33の動きは、ユーザUによる移動操作に応じて移動可能領域35内のみを移動し、移動方向はX方向(又は逆方向)に限定される。スライドマーク33の動きは、1次元的な動きとされる。
【0068】
なお、例えば、スライドマーク33のX方向における中心が開始領域36の側に位置すれば、開始領域36に位置すると判定され、スライドマーク33のX方向における中心が実行領域37の側に位置すれば、実行領域37に位置すると判定される。なお、開始領域36と実行領域37との境界は、ユーザにより適宜設定可能とする。
【0069】
また、図3図5の例では、指示部31を横向きに配置しているが、配置方向はこれに限定されない。指示部31は、例えば、縦向きに配置してもよい。この場合、スライドマーク33の移動方向はY方向(又は逆方向)に限定される。
【0070】
これに対して、本実施形態に係る画像形成装置10は、上述の図2に示す追従制御部11B及び操作制御部11Cを備えている。
【0071】
追従制御部11Bは、一例として、上述の図3に示す画面30において、ユーザUの指でタッチされた操作位置(例えば、座標)を検出する。なお、ユーザUの指に代えて、スタイラスペン等を用いてもよい。ここでいう移動操作とは、上述したように、例えば、ドラッグ又はスライド等の操作である。この移動操作によって連続的に検出される複数の位置によって移動操作の軌跡が導出される。また、追従制御部11Bは、ユーザUの指によるスライドマーク33のタッチを検出した場合に、ユーザUの指による移動操作に追従させるスライドマーク33の位置を導出する。
【0072】
操作制御部11Cは、ユーザUによる操作位置及びスライドマーク33の位置に基づいて、予め定められた操作(以下、一例として「複写指示操作」という。)の制御を行う。具体的には、操作制御部11Cは、移動操作によってスライドマーク33が開始領域36から実行領域37内の実行位置Peに移動してから、移動操作が指示部31の内側で完了した場合に、複写指示操作を実行する(以下、「操作実行処理」という。)。また、操作制御部11Cは、移動操作を途中で解除した場合に、ユーザ操作によらずに端部まで移動させる(以下、「途中解除処理」という。)。端部とは、実行領域37内であれば終了端であり、開始領域36内であれば開始端である。実行位置Peは実行領域37の終了端に接しており、初期位置Psは開始領域36の開始端に接している。また、操作制御部11Cは、途中で解除した後に予め定められた位置をタッチした場合に、タッチした位置でスライドマーク33を停止させる(以下、「停止処理」という。)。
【0073】
次に、図6を参照して、第1の実施形態に係る操作実行処理について具体的に説明する。
【0074】
図6は、第1の実施形態に係る操作実行処理の説明に供する図である。
【0075】
(S1)では、CPU11が、ユーザUの指によりスライドマーク33がタッチされると、その位置を検出し、スライドマーク33の色を操作の実行予約を表す色に変更する。そして、ユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク33を矢印方向(X方向)に移動させる。なお、初期状態において、スライドマーク33は、開始領域36の開始端(ここでは左端)に接した初期位置Psに位置している。また、スライドマーク33が開始端から離れ、かつ、開始領域36に位置する状態で、ユーザUの指が離れると、途中解除と判定し、スライドマーク33を開始端にユーザ操作によらずに移動させ、つまり、開始端に吸着させ、複写指示操作は実行しない。以下、このようにユーザ操作によらずに移動させることを「ユーザ操作によらない移動」とする。図7は、開始領域36で途中解除した場合の移動の推移を示した図である。(S1-1)では、開始領域36の途中でユーザUが指の接触を解除しており、スライドマーク33のユーザ操作によらない移動が開始される。(S1-2)では、ユーザ操作によらずにスライドマーク33が開始端へ移動中の状態である。(S1-3)では、スライドマーク33が、開始端に吸着して初期状態に戻り、複写指示操作の実行が中止される。なお、以降の図面では表示領域34の表示は省略する。
【0076】
(S2)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従して、更にスライドマーク33をX方向に移動させると、スライドマーク33が開始領域36を超えて実行領域37内に到達したことを検出する。このとき、スライドマーク33が通過する部分のテキスト(例えば、999部)を非表示にする。
【0077】
(S3)では、CPU11が、ユーザUによる移動操作に追従して、更にスライドマーク33をX方向に移動させると、スライドマーク33が実行領域37の終了端(ここでは右端)、すなわち実行位置Peに到達したことを検出する。ここで、ユーザUの指が離れると、移動操作の完了と判定する。なお、スライドマーク33が実行領域37内に位置し、かつ、実行位置Peに到達していない状態で、ユーザUの指が離れると、上記と同様に、途中解除と判定し、スライドマーク33を終了端にユーザ操作によらずに移動させる、つまり、終了端に吸着させる。図8は、実行領域37で途中解除した場合の移動の推移を示した図である。(S3-1)では、実行領域37の途中でユーザUが指の接触を解除しており、スライドマーク33のユーザ操作によらない移動が開始される。(S3-2)では、ユーザ操作によらずにスライドマーク33が終了端へ移動中の状態である。(S3-3)では、スライドマーク33が、終了端に吸着し、複写指示操作を実行する。
【0078】
(S4)では、CPU11が、複写指示操作を実行し、実行領域37の終了端に移動したスライドマーク33の色を操作の実行を表す色に変更する。なお、複写指示操作の実行は、実行領域37の実行位置Peにスライドマーク33が移動した時点で開始される。
【0079】
この場合、CPU11は、操作制御部11Cとして、ユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク33を開始領域36から実行領域37内に移動させ、更に、移動操作が指示部31で完了したことを検出した場合、複写指示操作を実行する。
【0080】
次に、ユーザ操作によらない移動を停止させる場合について説明する。ユーザ操作によらない移動をユーザUが停止させたい場合に、ユーザUは移動を停止させて、実行又は中止を判断したい場合がある。そこで、タッチ可能範囲TRをタッチ操作することで、ユーザ操作によらない移動を停止させる。以下、ユーザ操作によらない移動を停止させるためのタッチを「タッチ操作」とする。「タッチ操作」は「選択」の一例である。タッチ操作が可能な範囲として「タッチ可能範囲」を定めておく。本実施形態の説明では、タッチ可能範囲TRは、スライドマーク33、移動可能領域35、及びメッセージ領域32であるとし、つまり指示部31全体とする。タッチ可能範囲TRに含まれるメッセージ領域32が、予め定められた操作に関連する関連領域の一例である。このようにタッチ可能範囲TRを移動可能領域35よりも広く設定しておいてもよい。なお、以下の説明では、スライドマーク33をタッチ操作する場合を例に説明するが、移動可能領域35、及びメッセージ領域32のいずれの領域であってもよい。「タッチ可能範囲TR」は「予め定められた位置」の一例である。また、タッチ可能範囲TRは、スライドマーク33のみとしてもよいし、移動可能領域35のみとしてもよく、複写指示操作に関連した領域を適宜組み合わせた領域としてよい。このようにすることで、ユーザUはユーザ操作によらない移動を容易に停止させることができる。
【0081】
図9は、ユーザ操作によらない移動をタッチ操作により停止させた場合の一例を示す図である。
【0082】
(S11)では、CPU11が、途中解除により、スライドマーク33を開始端に向けてユーザ操作によらずに移動させている。
【0083】
(S12)では、CPU11が、ユーザ操作によらない移動をしている状態で、タッチ可能範囲TRに対するユーザUによるタッチ操作が行われた位置を検出し、スライドマーク33の移動を停止させる。また、CPU11が、スライドマーク33の表示形態を右矢印マークから停止マークに変更する。
【0084】
次に、停止させた後に移動操作をした場合の動作について説明する。図10は、停止後に、実行位置Peへ向けて移動させた場合の動作の一例を示す図である。図11は、停止後に、初期位置Psへ向けて移動させた場合の動作の一例を示す図である。
【0085】
停止後に、実行位置Peへ向けて移動させた場合について説明する。(S13A-1)では、CPU11が、停止した位置から実行位置Peの方向へのユーザUの移動操作を検出し、スライドマーク33をX方向への移動を開始させる。また、CPU11は、移動操作を開始したことを契機として、スライドマーク33の表示形態を停止マークから右矢印マークに変更する。
【0086】
(S13A-2)では、CPU11が、タッチ操作中のユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク33を所定距離d分だけ移動させる。このまま実行位置Peまで移動させた場合には、CPU11は、複写指示操作を実行する。また、(S13A-3)の状態のように移動操作を解除した場合にも複写指示操作を実行するようにしてよい。
【0087】
(S13A-3)では、CPU11が、ユーザUがタッチ操作中の移動操作を解除したこと検出する。CPU11は、当該解除を検出すると、(S3-2)と同様に、解除した位置からユーザ操作によらずに実行位置Peの方向へ移動させ、複写指示操作を実行する。なお、所定距離dが閾値未満で移動操作が解除された場合に、再びスライドマーク33の移動を停止した状態にしてもよい。また、解除された位置が実行領域37内である場合に、(S13A-3)のように、ユーザUの操作によらずに移動させて実行する動作となるようにしてもよい。一方で、解除された位置が実行領域37でなく開始領域36内である場合には、移動が停止された状態を維持するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザUは停止後の再度の移動操作による複写指示操作の実行が行える。
【0088】
停止後に、初期位置Psへ向けて移動させた場合について説明する。(S13B-1)では、CPU11が、停止した位置から初期位置Psの方向へのユーザUの移動操作を検出し、スライドマーク33をX方向への移動を開始する。また、CPU11は、移動操作を開始したことを契機として、スライドマーク33の表示形態を停止マークから右矢印マークに変更する。
【0089】
(S13B-2)では、CPU11が、タッチ操作中のユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク33を所定距離d分だけ移動させる。このまま初期位置Psまで移動させた場合には、複写指示操作の実行を中止する。また、(S13B-3)の状態のように移動操作を解除した場合にも複写指示操作の実行を中止するようにしてよい。なお、所定距離dが閾値未満で移動操作が解除された場合に、再びスライドマーク33の移動を停止した状態にしてもよい。また、解除された位置が開始領域36内である場合に、(S13B-3)のように、ユーザUの操作によらずに移動させて中止する動作となるようにしてもよい。一方、解除された位置が開始領域36でなく実行領域37内である場合には、移動が停止された状態を維持するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザUは停止後の再度の移動操作による複写指示操作の実行の中止が行える。
【0090】
次に、図12を参照して、第1の実施形態に係る画像形成装置10の作用を説明する。
【0091】
図12は、第1の実施形態に係る情報処理プログラム15Aによる処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0092】
まず、画像形成装置10に対して、一例として、上述の図3に示す画面30の表示の実行が指示されると、情報処理プログラム15Aが起動され、以下の各ステップを実行する。なお、説明の便宜のため、実行領域37に到達して以降に途中解除する場合を例に説明するが、実行領域37に到達する前に途中解除された場合であっても同様に処理するようにしてもよい。
【0093】
ステップS101では、CPU11が、一例として、上述の図3に示す画面30において、ユーザUの指によってタッチされた操作位置を検出する。
【0094】
ステップS102では、CPU11が、ステップS101で検出した操作位置が開始領域36内にあるか否かを判定する。操作位置が開始領域36内にあると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS103に移行し、操作位置が開始領域36内にないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS101に戻り待機となる。なお、開始領域36内にある場合には、ステップS103への移行に伴って、開始領域36内のスライドマーク33の表示形態を、操作の実行予約を表す表示形態に変更する(例えば、色を変更する)。
【0095】
ステップS103では、CPU11が、ユーザUの指による操作位置を検出しながら、操作位置に追従させるスライドマーク33の位置を導出し、導出結果を表示、記憶する。本ステップの処理により、ユーザUによる移動操作が指示部31に反映され、スライドマーク33が移動する。なお、以降のユーザUによる移動操作は、本ステップの処理が継続して反映される。
【0096】
ステップS104では、CPU11が、ステップS103で導出したスライドマーク33の位置が実行位置Peに到達したか否かを判定する。スライドマーク33の位置が実行位置Peに到達したと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS111に移行し、スライドマーク33の位置が実行位置Peに到達していないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS105に移行する。
【0097】
ステップS105では、CPU11が、ユーザUによる移動操作が途中解除されたか否かを判定する。移動操作が途中解除されたか否か判定は、ユーザUの指がスライドマーク33から離れたことをもって判定する。移動操作が途中解除されていないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS104に戻って処理を繰り返す。移動操作が途中解除されたと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS106に移行する。
【0098】
ステップS106では、CPU11が、スライドマーク33が位置している領域に応じてユーザ操作によらずに端部へ向けて移動させる。スライドマーク33が位置している領域が開始領域36であれば、初期位置Psへ向けて移動させる。スライドマーク33が位置している領域が実行領域37であれば、実行位置Peへ向けて移動させる。
【0099】
ステップS107では、CPU11が、ユーザUによるタッチ操作が検出されたか否かを判定する。タッチ操作が検出されたと判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS108へ移行し、タッチ操作が検出されていないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS110へ移行する。
【0100】
ステップS108では、CPU11が、ステップS106で実行されたユーザ操作によらない移動を停止する。なお、停止に伴って、スライドマーク33の表示形態を、矢印マークから停止マークに変更する。
【0101】
ステップS109では、CPU11が、タッチ操作中のユーザUによる移動操作に追従して、スライドマーク33を所定距離d分だけ移動させる。ユーザUの移動操作により、スライドマーク33は、実行位置Pe又は初期位置Psの何れかの方向に移動する。なお、移動操作の開始に伴って、スライドマーク33の表示形態を、停止マークから矢印マークに変更する。なお、当該移動操作は、途中、又は端部まで移動してから解除されたものとする。
【0102】
ステップS110では、CPU11が、移動が実行位置Peの方向への移動であるか否かを判定する。当該判定対象の移動とは、ステップS106のユーザ操作によらない移動、及びステップS109の所定距離d分の移動の何れかである。実行位置Peの方向への移動でない場合には、初期位置Psの方向への移動である。実行位置Peの方向への移動であると判定した場合(肯定判定の場合)、ステップS111へ移行し、実行位置Peの方向への移動でないと判定した場合(否定判定の場合)、ステップS112へ移行する。
【0103】
ステップS111では、CPU11が、複写指示操作を実行する。ここで、複写指示操作の実行にあたっては、移動操作の完了のユーザ操作が行われていることとする。移動操作の完了がされた時点は、ステップS104の実行位置Peに到達した時点でもよいし、ステップS105の途中解除の時点でもよいし、ステップS109の移動操作後の時点でもよい。なお、実行に伴って、実行領域37内のスライドマーク33の表示形態を、操作の実行を表す表示形態に変更(例えば、色を変更)し、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0104】
ステップS112では、CPU11が、予め定められた操作の一例である複写指示操作の実行を中止する。実行の場合と同様に、移動操作の完了のユーザ操作が行われていることとする。なお、複写指示操作の実行が中止されたことを通知するために、例えば、スライドマーク33の表示形態を変更(例えば、色を変更)し、本情報処理プログラム15Aによる一連の処理を終了する。
【0105】
このように本実施形態によれば、移動操作を途中で解除した場合に、ユーザUの意図しない挙動を防止することができる。
【0106】
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、タッチ操作によりスライドマーク33を停止させた後に、他の操作をせずにユーザUが指を離してタッチ操作を解除した場合、つまりタップ操作をした場合の動作の形態について説明する。
【0107】
本実施形態に係る画像形成装置が有する構成要素は、上述の図1及び図3に示した構成要素と同じであるため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0108】
図13は、第2実施形態において、タップ操作をした場合の動作態様の一例を示す図である。タップ操作をした場合には、図13に示す(S21A)又は(S21B)の2通りの動作のいずれかの動作をするように設定しておく。以下、(S21A)又は(S21B)の動作を「タップ操作動作」とする。(S21A)は、タップ操作をすると複写指示操作の実行を中止する場合の例である。(S21B)は、タップ操作をすると、スライドマーク33の移動が停止された状態を維持する場合の例である。停止された状態で再びタッチ操作が可能である。
【0109】
(S21A)では、CPU11は、タップ操作を検出すると、複写指示操作を中止し、移動可能領域35を選択不能状態に変更する。そして、スライドマーク33を開始端に移動させて初期状態に戻る。このようにした場合、ユーザUは即座に複写指示操作の中止をすることができる。
【0110】
(S21B)では、CPU11は、タップ操作を検出すると、(S12)で示したスライドマーク33の停止状態を維持する。この状態から再びタッチ操作することで移動操作をすることができる。このようにすることで、ユーザは停止後の再度の移動操作をすることができる。このようにすれば、ユーザUは操作を停止した状態で実行又は中止の挙動を検討した上で決めることができる。
【0111】
このように本実施形態によれば、ユーザUは即座に複写指示操作の中止をすることができる。また、ユーザUは操作を停止した状態で実行又は中止の挙動を検討した上で決めることができる。
【0112】
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、スライドマーク33以外の領域でタッチ操作をした場合の停止位置の形態について説明する。
【0113】
本実施形態に係る画像形成装置が有する構成要素は、上述の図1及び図3に示した構成要素と同じであるため、ここでの繰り返しの説明は省略する。
【0114】
図14は、第3実施形態において、タッチ操作した位置に停止位置を移動させる態様の一例を示す図である。図14は、実行領域37でスライドマーク33がユーザ操作によらずに移動中の状態であるのに対して、開始領域36の所定位置をタッチ操作した場合である。
【0115】
(S31-1)では、CPU11は、ユーザUの指が開始領域36をタッチ操作して停止したことを検出する。
【0116】
(S31-2)では、CPU11は、タッチ操作をした中心の位置にスライドマーク33の中心の位置を移動させて、移動後の位置でスライドマーク33を停止させた状態とする。なお、実行領域37の所定位置をタッチ操作した場合も同様に処理すればよい。なお、タッチ操作した場合も、タッチ操作したY方向に対応した移動可能領域35の中心に移動させればよい。このように、スライドマーク33の停止した位置を、タッチ操作した位置を中心とした位置に移動させることで、ユーザUは任意の位置でスライドマーク33を停止させることができる。また、ユーザUは任意の位置から再び移動操作を行うことができる。
【0117】
このように本実施形態によれば、ユーザUは任意の位置で操作部を停止させることができる。
【0118】
[変形例]
上述した実施形態の変形例について説明する。
【0119】
移動操作を途中で解除したときの変形例を説明する。図15は、解除した位置に応じた速度の変化の変形例の一例を示す図である。例えば、開始領域36と実行領域37とが接する境界を閾値Tとして、閾値Tからの距離が近いほどユーザ操作によらずに移動させる速度を遅くする。逆に閾値Tからの距離が遠いほどユーザ操作によらずに移動させる速度を速くする。図15に示す例では、(ME1-1)は閾値Tからの距離が近いため、ユーザ操作によらずに移動させる速度を遅くした状態の例を示している。(ME1-2)は閾値Tからの距離が遠いため、ユーザ操作によらずに移動させる速度を速くした状態の例を示している。実行位置の方向へ移動させて実行する場合を例に説明したが、初期位置Psの方向へ移動させて実行を中止する場合も同様である。なお、ユーザ操作によらない移動では、移動中の位置に応じて速度を変化させ、段階的に速くするようにしてもよい。また、到達点である実行位置Pe又は初期位置Psの直前は途中で停止したい場合を考慮して、移動の速度を遅くするようにしてもよい。
【0120】
メッセージ領域32のメッセージの表示内容を変化させる変形例を説明する。図16は、メッセージの表示内容を変更する場合の変形例の一例を示す図である。(ME2-1)は、(S12)の停止状態の時のメッセージ領域32の表示態様であり、例えば「操作を停止中です」というメッセージを表示する。メッセージが説明文の一例である。(ME2-2)は、(S1-3)の中止をした時のメッセージ領域32の表示態様であり、例えば「キャンセルしました」というメッセージを表示する。(ME2-3)は、(S4)の実行をした時のメッセージ領域32の表示態様であり、例えば「印刷を実行します」というメッセージを表示する。
【0121】
実行音を鳴動させる変形例を説明する。CPU11は、スライドマーク33が実行位置Peに到達した場合には、複写指示操作を実行することを通知するための実行音を鳴動させる。また、ユーザ操作によらずに実行位置Peまで移動した場合にだけ実行音を鳴動させるようにしてもよい。ユーザUが実行位置Peまでスライドマーク33を到達させずにユーザ操作によらないで複写指示操作が実行されるため、実行したことを確実にユーザUに知らせるためのである。また、初期位置Psまで移動して実行を中止する場合にも、同様に、中止を知らせる中止音を鳴動させるようにしてもよい。この場合も、ユーザ操作によらずに初期位置Psまで移動した場合にだけ中止音を鳴動させるようにしてもよい。
【0122】
なお、上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0123】
また、上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0124】
以上、各実施形態に係る情報処理装置の一例として画像形成装置を例示して説明した。実施形態は、画像形成装置が備える各部の機能をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態としてもよい。実施形態は、これらのプログラムを記憶したコンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体の形態としてもよい。
【0125】
その他、上記各実施形態で説明した画像形成装置の構成は、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更してもよい。
【0126】
また、上記各実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0127】
また、上記各実施形態では、プログラムを実行することにより、各実施形態に係る処理がコンピュータを利用してソフトウェア構成により実現される場合について説明したが、これに限らない。実施形態は、例えば、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成との組み合わせによって実現してもよい。
【符号の説明】
【0128】
10 画像形成装置
11 CPU
11A 表示制御部
11B 追従制御部
11C 操作制御部
12 ROM
13 RAM
14 I/O
15 記憶部
15A 情報処理プログラム
16 表示部
17 スピーカ
18 原稿読取部
19 画像形成部
20 通信部
30 画面
30A 選択指示ボタン
31 スライドスタート部
32 メッセージ領域
33 スライドマーク
34 表示領域
35 移動可能領域
36 開始領域
37 実行領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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