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特開2022-88276情報処理装置、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022088276
(43)【公開日】2022-06-14
(54)【発明の名称】情報処理装置、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0488 20220101AFI20220607BHJP
【FI】
G06F3/0488
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020200636
(22)【出願日】2020-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廣谷 唯
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 哲哉
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA12
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC04
5E555CA13
5E555CB16
5E555CC01
5E555CC02
5E555DB20
5E555DC13
5E555EA11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】処理の実行のための操作の実行を中止するために始点付近の位置まで操作部を移動させる場合と比べ、短い移動距離で操作の実行を中止できる。
【解決手段】情報処理装置では、操作表示部上にスライドマークを表示させ、スライドマークに対する移動操作が行われると、移動操作に追従するようにスライドマークを移動させる制御を追従表示制御部102で実行し、操作制御部104によって、スライドマークを操作表示部上の予め定められた実行領域に移動させてから移動操作が完了されたときに予め定められた操作を実行する場合、実行領域においてスライドマークの移動方向が変化し、かつ移動方向が変化した位置から予め定められた距離の移動後に移動操作が完了されたときに、予め定められた操作の実行を中止する制御を操作制御部104で実行する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示部に操作部を表示させ、
ユーザによって前記操作部に対する移動操作が行われると、前記移動操作に追従するように前記操作部を移動させ、
前記操作部を前記表示部の予め定められた領域に移動させてから前記移動操作が完了されたときに予め定められた操作を実行する場合、前記予め定められた領域において前記操作部の移動方向が変化し、かつ前記移動方向が変化した位置から予め定められた距離の移動後に前記移動操作が完了されたときに、前記予め定められた操作の実行を中止する
情報処理装置。
【請求項2】
前記移動方向が変化した位置は、前記操作部の一時的な停止位置を含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記移動方向が変化した位置は、前記操作部の移動軌跡における変曲点を示す位置を含む
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記移動方向が変化した位置からの前記予め定められた距離の移動方向が、予め定められた中止方向である場合に、前記予め定められた操作の実行を中止する
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記中止方向の移動操作に連続して、前記中止方向と異なる実行方向に一定距離の移動後に前記移動操作が完了された場合に、前記予め定められた操作を実行する
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記予め定められた操作の実行を中止する場合、前記表示部における表示形態を、前記予め定められた操作を実行する場合における表示形態と異なる表示形態で表示されるように制御する
請求項1から請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記移動方向が変化した位置から前記予め定められた領域の境界までの距離が、前記予め定められた距離より短い場合、前記移動方向が変化した位置から前記予め定められた領域の境界までの距離を、前記予め定められた距離に設定する
請求項1から請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理プログラムであって、
プロセッサに、
表示部に操作部を表示させ、
ユーザによって前記操作部に対する移動操作が行われると、前記移動操作に追従するように前記操作部を移動させ、
前記操作部を前記表示部の予め定められた領域に移動させてから前記移動操作が完了されたときに予め定められた操作を実行する場合、前記予め定められた領域において前記操作部の移動方向が変化し、かつ前記移動方向が変化した位置から予め定められた距離の移動後に前記移動操作が完了されたときに、前記予め定められた操作の実行を中止する
ことを含む処理を実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ユーザによるディスプレイ上の操作を検出し、検出された操作に対応する処理を実行する情報処理装置が知られている。例えば、特許文献1には、操作部からの第1の入力操作データに基づいて、選択されたゲーム媒体を特定するゲーム媒体特定ステップと、記憶部から情報を取得するステップと、操作部からの第2の入力操作データに基づいて、第2の入力操作の始点から終点への向きを特定するステップと、記憶部からの情報で第2の入力操作の始点から終点への向きに対応付けられた一の処理を、選択されたゲーム媒体に対して実行する実行ステップと、を実行する情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-51222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
操作部に対して、始点から終点まで移動させる移動操作が行われたときに処理が実行される場合に、操作部を終点まで移動させる移動操作に続いて、操作部を始点付近の位置まで戻す移動操作が行われることで、処理の実行のための操作の実行を中止する場合がある。ところが、操作部を終点まで移動させた後に、処理の実行を中止しようと終点付近で再度移動操作が行われても、操作部を、始点付近の位置まで戻すのに失敗すると、処理が実行されてしまう虞がある。
【0005】
本開示は、処理の実行のための操作の実行を中止するために始点付近の位置まで操作部を移動させる場合と比べ、短い移動距離で操作の実行を中止できる情報処理装置及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、表示部に操作部を表示させ、ユーザによって前記操作部に対する移動操作が行われると、前記移動操作に追従するように前記操作部を移動させ、前記操作部を前記表示部の予め定められた領域に移動させてから前記移動操作が完了されたときに予め定められた操作を実行する場合、前記予め定められた領域において前記操作部の移動方向が変化し、かつ前記移動方向が変化した位置から予め定められた距離の移動後に前記移動操作が完了されたときに、前記予め定められた操作の実行を中止する情報処理装置である。
【0007】
第2態様は、第1態様に記載の情報処理装置において、前記移動方向が変化した位置は、前記操作部の一時的な停止位置を含む。
【0008】
第3態様は、第1態様又は第2態様に記載の情報処理装置において、前記移動方向が変化した位置は、前記操作部の移動軌跡における変曲点を示す位置を含む。
【0009】
第4態様は、第1態様から第3態様の何れか1態様に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記移動方向が変化した位置からの前記予め定められた距離の移動方向が、予め定められた中止方向である場合に、前記予め定められた操作の実行を中止する。
【0010】
第5態様は、第4態様に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記中止方向の移動操作に連続して、前記中止方向と異なる実行方向に一定距離の移動後に前記移動操作が完了された場合に、前記予め定められた操作を実行する。
【0011】
第6態様は、第1態様から第5態様の何れか1態様に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記予め定められた操作の実行を中止する場合、前記表示部における表示形態を、前記予め定められた操作を実行する場合における表示形態と異なる表示形態で表示されるように制御する。
【0012】
第7態様は、第1態様から第6態様の何れか1態様に記載の情報処理装置において、前記プロセッサは、前記移動方向が変化した位置から前記予め定められた領域の境界までの距離が、前記予め定められた距離より短い場合、前記移動方向が変化した位置から前記予め定められた領域の境界までの距離を、前記予め定められた距離に設定する。
【0013】
第8態様は、情報処理プログラムであって、プロセッサに、表示部に操作部を表示させ、ユーザによって前記操作部に対する移動操作が行われると、前記移動操作に追従するように前記操作部を移動させ、前記操作部を前記表示部の予め定められた領域に移動させてから前記移動操作が完了されたときに予め定められた操作を実行する場合、前記予め定められた領域において前記操作部の移動方向が変化し、かつ前記移動方向が変化した位置から予め定められた距離の移動後に前記移動操作が完了されたときに、前記予め定められた操作の実行を中止することを含む処理を実行させる、情報処理プログラムである。
【発明の効果】
【0014】
第1態様、及び第8態様によれば、処理の実行のための操作の実行を中止するために始点付近の位置まで操作部を移動させる場合と比べ、短い移動距離で操作の実行を中止できる、という効果を有する。
第2態様によれば、停止位置を含めない場合と比べ、移動方向が変化した位置を特定する精度を向上させることができる、という効果を有する。
第3態様によれば、変曲点を考慮しない場合と比べ、移動軌跡の自由度を増加させることができる、という効果を有する。
第4態様によれば、中止方向を考慮しない場合と比べ、移動方向の変化を特定する精度を向上させることができる、という効果を有する。
第5態様によれば、中止方向への移動後の移動操作を考慮しない場合と比べ、ユーザの意図を反映して予め定められた操作を実行することができる、という効果を有する。
第6態様によれば、表示部の表示形態を変更しない場合と比べ、ユーザに対して直感的に情報を提示することができる、という効果を有する。
第7態様によれば、予め定められた領域の境界を考慮しない場合と比べて、操作の実行を中止するための距離を移動操作に対応させて定めることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係る画像処理装置の構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る画像処理装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】操作表示部に表示される画面の一例を示す図である。
図4】指示領域に対して定められた指定領域の一例を示す図である。
図5】ユーザ操作と、スライドマークの位置との関係を示す模式的に示す図である。
図6】ユーザ操作に対するスライドマークの挙動に関係を概念的に示す図である。
図7】実施形態に係る画像処理装置で実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図8】ユーザ操作に対するスライドマークの挙動に関係する図である。
図9】ユーザ操作に対するスライドマークの挙動に関係する図である。
図10】ユーザによる移動操作の方向に関する一例を示す図である。
図11】移動操作の軌跡が曲線である場合の一例を示す図である。
図12】スライドマークと実行領域の境界との距離に関する一例を示す図である。
図13】他の実施形態に係る画像処理装置で実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】他の実施形態に係る画像処理装置におけるユーザ操作に対するスライドマークの挙動に関係する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本開示の技術を実施するための実施形態の一例を詳細に説明する。なお、動作、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。各図面は、本開示の技術を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本開示の技術は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。
【0017】
実施形態では、ディスプレイ等の表示部上に表示されたマーク等の操作部に対するユーザの手動操作(以下、ユーザ操作という。)によって、その操作部に対して予め定められた操作を実行する情報処理装置の一例を説明する。
【0018】
本開示において「操作部」とは、ディスプレイ等の表示部に表示される画像を含む概念である。「ユーザ操作」とは、ディスプレイ等の表示部に対してユーザが行う行為及び指示を含む概念である。「移動操作」とは、ユーザ操作による指示位置が逐次移動されつつ変更されることを含む概念である。移動操作の一例には、ディスプレイ等の表示部に接触(タッチ)されつつ移動するユーザ操作、例えば開始点から終了点までの間でユーザによる接触操作が継続されるドラッグ、及びスライド等のユーザ操作が挙げられる。「移動操作の開始」は、ユーザによる指示の開始として、接触指示が可能なディスプレイ等の表示部への接触開始によるユーザ操作、キーボード等の入力装置への開始指示の入力によるユーザ操作が挙げられる。また、「移動操作の完了」は、ユーザによる指示の終了として、接触解除(リリース)によるユーザ操作、及び予め定められた時間の間だけ移動操作されずに接触維持されるユーザ操作が挙げられる。「操作」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)及び当該指示を示す情報を含む概念である。予め定められた操作の一例には、自己又は他のプロセッサにより実行される処理が挙げられる。「操作の実行」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)の出力、当該指示を示す情報の出力、及び当該指示の受付を含む概念である。「操作の実行の中止」とは、プロセッサにより行われる予め定められた指示(命令)の出力の中止、当該指示を示す情報の出力の中止、及び当該指示の受付の中止を含む概念である。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る情報処理装置の一例として画像処理装置1の構成の一例を示す図である。
【0020】
本実施形態では、情報処理装置の一例として画像処理装置1を適用した場合を説明するが、本開示の情報処理装置を画像処理装置1に限定するものではない。例えば、ディスプレイ等の表示部上に表示された操作部に対するユーザ操作によって、その操作部に対して定められた所定の操作を実行するデバイスでもよい。例えば、デバイスには、スマートフォン、及びIoTデバイス等のユーザによる操作が可能なデバイスが挙げられる。
【0021】
本実施形態では画像処理装置1の一例として、原稿の複写、原稿の読み取り、及び原稿の印刷等の各機能を含む原稿関連機能を有する複合機を適用する。
【0022】
具体的には、図1に示すように、画像処理装置1は、各種機能を実現する処理を実行する実行装置としてコンピュータを含んで構成している。
画像処理装置1は、コンピュータ本体10を備えている。コンピュータ本体10は、CPU(Central Processing Unit)10A、RAM(Random Access Memory)10B、ROM(Read-Only memory)10C、ハードディスク装置(HDD)等の補助記憶装置10D、及び入出力インターフェース(I/O)10Eを備えている。これらのCPU10A、RAM10B、ROM10C、補助記憶装置10D、及び入出力I/O10Eは、相互にデータ及びコマンドを授受可能にバス10Fを介して接続された構成である。また、I/O10Eには、図示しない外部装置と通信するための通信インタフェース(通信I/F)12、ディスプレイやキーボード等の入力表示装置を含むタッチパネル等の操作表示部14が接続されている。また、I/O10Eには、スキャナ16、プリンタ18、及び報知装置の一例として、スピーカ19が接続されている。
【0023】
補助記憶装置10Dには、表示部上に表示された操作部に対するユーザ操作によって、その操作部に対して定められた所定の操作を実行するための制御プログラム10Pが記憶される。CPU10Aは、制御プログラム10Pを補助記憶装置10Dから読み出してRAM10Bに展開して処理を実行する。これにより、制御プログラム10Pを実行した画像処理装置1は本開示の情報処理装置として動作する。なお、補助記憶装置10Dには、本開示の情報処理装置として動作する画像処理装置1の実行に関係するデータも記憶される。制御プログラム10Pは、CD-ROM等の記録媒体により提供するようにしても良い。
【0024】
また、補助記憶装置10Dは、画像処理装置1で原稿関連機能を実現するための原稿関連機能プログラム10Kを記憶している。CPU10Aは、原稿関連機能プログラム10Kを補助記憶装置10Dから読み出してRAM10Bに展開して処理を実行する。これにより、原稿関連機能プログラム10Kを実行した画像処理装置1は、原稿関連機能を実行する実行装置として動作する。
【0025】
原稿関連機能は、主として原稿を複写(コピー)する画像複写機能、及び入力された原稿のデータを印刷(プリント)する画像印刷機能を含む画像形成機能と、原稿を画像として読み取って(スキャン)データ化する画像読取機能とを含む。通信機能は、外部機器との有線接続又は外部機器との直接接続によりデータを送受信する有線通信機能及び外部機器との無線接続によりデータを送受信する無線通信機能を含む。
【0026】
画像処理装置1は、本開示の情報処理装置の一例である。制御プログラム10Pは、本開示の情報処理プログラムの一例である。
【0027】
図2は、情報処理装置として動作する画像処理装置1の機能構成の例を示すブロック図である。画像処理装置1のCPU10Aは、補助記憶装置10Dに記憶されている制御プログラム10PをRAM10Bに書き込んで実行することにより、図2に示す各部として機能する。
【0028】
図2に示すように、画像処理装置1のCPU10Aは、追従表示制御部102及び操作制御部104を含む表示制御部100として機能する。
【0029】
表示制御部100は、画像処理装置1の操作表示部14への画像の表示を制御する制御機能及び操作表示部14上に画像として表示された操作部の表示位置に応じて操作の実行と操作の実行の中止を制御する制御機能を有する。
【0030】
追従表示制御部102は、操作表示部14に画像を表示する制御、及び画像として表示された操作部を、ユーザによる移動操作に追従するように表示する制御を行う。すなわち、追従表示制御部102は、操作表示部14上に操作部を表示させつつ、ユーザによって操作部に対する移動操作が行われると、移動操作に追従された操作表示部14上の位置に操作部を表示する。
【0031】
操作制御部104は、ユーザによる移動操作に追従するように表示された操作部について、移動操作が完了すると、当該操作部の位置に対応して、操作の未実行または操作の実行を制御する。操作の未実行とは、操作を実行するまでに至ることがない移動操作により、操作の実行が開始されない状態(例えば初期状態)を維持する制御である。また、操作の実行の制御は、予め定められた操作の実行する制御または予め定められた操作の実行を中止する制御を含む。
【0032】
表示制御部100は、予め定められた条件に従って予め定められた操作の実行を中止する制御を行うことが可能である。予め定められた条件は、予め定められた操作の実行を中止する場合における操作部の挙動を示す中止条件が一例である。例えば、中止条件には、予め定められた領域において操作部の移動方向が変化し、移動方向が変化した位置から予め定められた距離の移動後に移動操作が完了されたことを示す条件が適用される。
【0033】
次に、本実施形態に係る画像処理装置1のCPU10Aによる操作の実行について説明する。以後の説明では、CPU10Aによる操作の実行として、原稿の複写の実行を一例として説明する。操作の実行は、原稿の複写の実行に限定されるものではなく、画像処理装置において実行される他の処理であってもよい。
【0034】
図3は、CPU10Aの処理によって操作表示部14に表示される画面30の一例を示す図である。図3では、CPU10Aによって実行される原稿関連機能のうちの画像複写機能における複写条件を一例として、原稿の複写時における色に関する設定を行う設定画面の一例が示されている。また、以後の説明では、ユーザが画面を目視した状態における画面の水平方向の右方向をX方向、上下方向の上方向をY方向と称する。
【0035】
画面30の例では、原稿を複写するときの色に関する複写条件をユーザに選択させて指示させるための選択指示ボタン30Aが表示されている。複写条件は、複写対象(例えば原稿)を複写する場合に設定可能な画像処理装置1が有する機能の設定であり、その機能はパラメータとして設定される。図3に示す例では、「自動」、「フル」、「2色」、「単色」、及び「その他」の何れかの色に関する設定を指示するための選択指示ボタンが表示されている。選択指示ボタンの「自動」ボタンは原稿の色を自動的に検出して原稿に沿った色により複写することを選択指示するためのボタンである。「フル」ボタンは、原稿を画像処理装置1が有する多色(フルカラー)により複写することを選択指示するためのボタンである。「2色」ボタンは、予め定められた2色により複写することを選択指示するためのボタンである。「単色」ボタンは、予め定めた単色により複写することを選択指示するためのボタンである。「その他」ボタンはその他の色の設定により複写することを選択指示するためのボタンである。複写条件のパラメータは、公知の技術のため、説明を省略する。
【0036】
図3では、ユーザ操作によって「フル」ボタンが押下されたときに、ユーザに対して複写条件が選択指示されたことを明示するため、「フル」ボタンが反転表示された画面を示している。
【0037】
また、図3に示す画面30には、複写条件が選択指示されたときに、その複写条件に従って複写の実行を指示するための指示領域31に画像が表示される。指示領域31は、メッセージを表示するためのメッセージ領域32、複写の実行を指示するための移動可能な画像を示すスライドマーク33、及び複写条件のうち部数を表示する表示領域34を含む。メッセージ領域32には、複写の実行を指示する場合のユーザ操作を示すメッセージが表示される。図3に示す例では、スライドマーク33を移動(すなわちスライド)させることで複写が実行(すなわち開始)されることを示す「スライドしてスタート」のメッセージが表示されている。また、スライドマーク33は、X方向(及び逆方向)に移動された位置にも表示可能になっている。
【0038】
なお、スライドマーク33は、表示形態が異なる第1画像33A、第2画像33B、第3画像33C、及び第4画像33Dを含む複数の画像のうちの1表示形態で表示される(詳細は後述する)。
【0039】
図4は、指示領域31に対して予め定められた指定領域の一例を示す図である。指定領域は、移動可能に表示されたスライドマーク33の位置に応じて複写の未実行、複写の実行、及び複写の実行の中止を判定するための領域の一例である。
【0040】
具体的には、表示領域34内に、少なくとも実行領域37が予め定められている。実行領域37は、移動操作が終了したときのスライドマーク33が当該領域内に存在するときに複写の実行を行うことを特定するための領域である。また、図4に示す例では表示領域34を、ユーザ操作による指示が可能な有効領域35として、当該有効領域35に実行領域37が含まれる場合の一例が示されている。また、図4では、有効領域35内の他の領域が、スライドマーク33の初期位置を含む開始領域36に予め定められている。開始領域36は、移動操作が終了したときのスライドマーク33が当該領域内に存在するときに複写の実行を行わないこと(未実行)を特定するための領域である。なお、開始領域36は、スライドマーク33の大きさに対応して同じサイズの領域又は、スライドマーク33の大きさから増減させた領域を設定してもよい。
【0041】
図5は、ユーザ操作と、そのユーザ操作に対してCPU10Aによって操作表示部14に表示されるスライドマークの位置との関係の一例を示す模式図である。
【0042】
ユーザUは、操作表示部14の指示領域31に表示されているスライドマーク33にユーザUの指を接触させて、接触させながらユーザUの指を移動することでスライドマーク33を移動操作する。スライドマーク33は、スライドマーク33の中心位置が開始領域36及び実行領域37のY方向の中心位置を結ぶ線CL上を、開始領域36及び実行領域37のX方向の範囲内で移動するように表示される。
【0043】
具体的には、線CL上には、始点である初期位置Psと、終点である実行位置Peとが予め定められており、初期位置Psと実行位置Peとを結ぶ線分上に、スライドマーク33の中心位置が位置するように表示可能とされる。スライドマーク33は、操作表示部14に指示領域31が表示される初期状態で、初期位置Psに位置するように表示される。また、スライドマーク33は、移動操作が終了されて複写の実行を指示する実行状態で、実行位置Peに位置するように表示される。
【0044】
指示領域31にユーザUの指が接触された場合、操作表示部14上の接触位置Puが検出される。例えば、操作表示部14に接触されたユーザUの指の接触領域の中心位置Ucを特定し、特定された中心位置Ucが接触位置Puとして検出される。図5に示す例では、指示領域31に接触されたユーザUの指の中心位置Ucによる接触位置Puと、初期位置Psとが一致されている場合が示されている。ユーザUが指示領域31に指を接触させつつX方向又は逆方向に指を移動させる移動操作によって、CPU10Aは、移動した接触位置Puにスライドマーク33の中心位置が位置するように追従して表示する。そして、ユーザUによる移動操作が終了、すなわち、実行位置Pe付近で、ユーザUの指が離間されると、CPU10Aは、複写の実行を行う。
【0045】
なお、接触位置Puが線CLから離間している場合には、接触位置Puと初期位置Psとの間の相対関係(例えば方向及び距離)を示す情報がユーザUの指の接触中に保持され、相対関係を維持しながらスライドマーク33が表示されるようにしてもよい。このようにすることで、接触位置PuをY方向に線CL上に射影された位置を接触位置としてもよい。線CL上に射影された位置を接触位置とすることで、Y方向の接触位置の位置ズレを許容することが可能となる。
【0046】
図6は、移動操作を含むユーザ操作に対するスライドマーク33の挙動に関係する概念図である。
【0047】
図6は、画像処理装置1で機能される表示制御部100の制御、すなわち、CPU10Aによって実行される処理によって、操作表示部14に表示される画面の遷移の一例である。また、図6では、「フル」ボタンが押下された複写条件(図3参照)による複写の実行の指示に関する指示領域31の表示状態が示されている。また、図6では、指示領域31にユーザUの指が接触される直前から、移動操作を終了して複写の実行が指示されるまでの過程における表示状態S0、S1、S2、S3、及びS4の各表示状態が示されている。
【0048】
表示状態S0は、指示領域31のスライドマーク33にユーザUの指が接触される以前に、指示領域31にユーザUの指が接近された場合(非接触)における指示領域31の表示状態である。表示状態S0では、スライドマーク33は、初期位置Psに、予め定められた第1画像33Aで表示される。第1画像33Aは、スライドマーク33にユーザUの指が接触されていない初期状態(非接触状態)を示す色及び形状が予め定められた表示形態である。
【0049】
表示状態S1は、指示領域31のスライドマーク33にユーザUの指が接触された場合における指示領域31の表示状態である。表示状態S1では、スライドマーク33は、予め定められた第2画像33Bで表示される。第2画像33Bは、スライドマーク33にユーザUの指が接触された接触状態を示す色及び形状が予め定められた表示形態である。この接触状態では、スライドマーク33は、移動(スライド)可能であることを示している。第2画像33Bは第1画像33Aとは異なる表示形態とすることが好ましい。
【0050】
表示状態S2は、指示領域31のスライドマーク33にユーザUの指が接触されながら移動操作され、スライドマーク33が実行領域37に移動された場合における指示領域31の表示状態である。表示状態S2では、スライドマーク33にユーザUの指が接触中であるため、スライドマーク33は、ユーザ操作に追従して第2画像33Bで表示される。また、スライドマーク33の移動によって、表示領域34に表示された情報(図6では、複写条件のうち部数を示す「999部」の文字情報)の一部が隠されて非表示となるように制御される。なお、移動操作中におけるスライドマーク33の画像を第1画像33A及び第2画像33Bとは異なる独自画像としてもよい。
【0051】
表示状態S3は、実行位置Peで移動操作が停止された場合における指示領域31の表示状態である。スライドマーク33は、実行位置Peに移動されるまで第2画像33Bで表示される。なお、移動操作の停止中について、スライドマーク33の画像を上述した画像と異なる独自画像としてもよい。
【0052】
表示状態S4は、実行位置Peで、ユーザUの指がスライドマーク33から離間されて移動操作が終了された場合における指示領域31の表示状態である。表示状態S4では、スライドマーク33は、予め定められた第3画像33Cで表示される。第3画像33Cは、移動操作を終了して複写の実行が指示された実行状態を示す色及び形状が予め定められた表示形態である。第3画像33Cは上述した画像とは異なる表示形態とすることが好ましい。
【0053】
なお、スライドマーク33が実行領域37に移動されていない段階で、ユーザUの指がスライドマーク33から離間されて移動操作が終了されると、スライドマーク33は初期位置Psに戻される制御が行われる。この場合、複写条件による複写の実行の指示が行われることはない。一方、スライドマーク33が実行領域37に移動された段階で、ユーザUの指がスライドマーク33から離間されて移動操作が終了されると、スライドマーク33は実行位置Peに移動される制御が行われる。この場合、複写条件による複写の実行の指示が行われる。また、スライドマーク33が初期位置Psに戻された場合、及び実行位置Peに移動された場合には、スピーカ19から所定の音が鳴動する制御も行われる。スライドマーク33が初期位置Psに戻された場合の所定の音と、実行位置Peに移動された場合の所定の音とは同じ音でもよく、相違した音でもよい。所定の音を鳴動する制御は、スライドマーク33が実行位置Peに移動された場合にのみ鳴動する制御を行い、スライドマーク33が初期位置Psに戻された場合に鳴動しないように制御してもよい。スライドマーク33の初期位置Ps及び実行位置Peへの移動に関する制御についての詳細は後述する。
【0054】
次に、画像処理装置1で実行される情報処理を説明する。
【0055】
なお、画像処理装置1では、CPU10Aが、原稿関連機能プログラム10Kを補助記憶装置10Dから読み出しRAM10Bに展開して処理実行することで、上述した原稿関連機能が実行可能であるものとする。
【0056】
図7は、画像処理装置1において実行される情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。図7に示す処理ルーチンは、画像処理装置1に記憶された制御プログラム10Pの処理の流れの一例である。図7に示す処理ルーチンは、画像処理装置1におけるCPU10Aによって実行される。
【0057】
本実施形態では、画像処理装置1におけるCPU10Aで実行される情報処理は、ユーザ操作によって複写条件が選択指示された後に(図3参照)、複写の実行の指示に関する処理を実行する場合を一例として説明する。
【0058】
CPU10Aは、ステップS100で、操作表示部14からの情報を取得することで、操作表示部14に対するユーザUの接触位置を検出し、ステップS102で、接触位置が開始領域36に含まれているか否かを判断する。接触位置が開始領域36に含まれていない場合は(ステップS102で否定)、ステップS100へ処理を戻し、含まれている場合は(ステップS102で肯定)、ステップS104へ処理を移行する。なお、本処理ルーチンの実行開始時及び接触位置が開始領域36に含まれていない場合には、スライドマーク33は、ユーザUの接触前の表示状態S0として、第1画像33Aで表示される(図6)。
【0059】
ステップS104では、CPU10Aは、スライドマーク33の表示形態を変更する。具体的には、第1画像33Aで表示されている表示状態から表示形態が変更された、ユーザUの接触時の表示状態である第2画像33Bが表示される(図6)。
【0060】
次に、CPU10Aは、ステップS106で、接触位置にスライドマーク33を追従表示する制御を行う。具体的には、例えば、ユーザUの指の接触領域の中心位置Ucを接触位置Puとして検出し、検出された接触位置Puにスライドマーク33の中心位置が位置するように表示させることで、ユーザ操作に追従してスライドマーク33を表示させる制御を行う。なお、接触位置Puが線CLから離間している場合には、上述したように接触位置Puと初期位置Psとの間の相対関係を維持しながらスライドマーク33を表示すればよい。また、CPU10Aは、検出された接触位置Pu及び追従表示させたスライドマーク33の中心位置を、RAM10B又は補助記憶装置10Dに逐次記憶する。時系列に記憶されたスライドマーク33の中心位置は、スライドマーク33の移動軌跡を示す情報として扱うことが可能である。
【0061】
上述したステップS100からステップS106の処理は、追従表示制御部102により実行される処理の一例である。また、ステップS108以降の処理は、操作制御部104により実行される処理の一例である。
【0062】
スライドマーク33の追従表示中には、CPU10Aは、ステップS108で、スライドマーク33が実行領域37に含まれるか否かを判断する。ステップS108では、スライドマーク33が実行領域37に到達したか否かを判定する判断でもよい。スライドマーク33が実行領域37に含まれるか否かの判断は、スライドマーク33の中心位置が実行領域37に含まれる、例えば、実行領域37内の線CL上に位置するか否かを判断すればよい。
【0063】
スライドマーク33が開始領域36に含まれる場合は、ステップS108で否定され、ステップS110で、移動操作が終了したか否かが判断される。移動操作が終了したか否かの判断は、操作表示部14からの情報を取得することで、操作表示部14に対するユーザUの接触が解除、すなわちユーザUの指が離間されたか否かを判断すればよい。
【0064】
移動操作が継続している場合、ステップS110で否定され、CPU10Aは、ステップS106へ処理を戻し、上述した追従制御を継続する。一方、移動操作が終了した場合、ステップS110で肯定され、CPU10Aは、ステップS112でスライドマークを初期状態に変更する制御を行って本処理ルーチンを終了する。初期状態は、操作の実行が開始されない状態であり、スライドマーク33は、初期位置Psに位置するように表示され、また、第1画像33Aで表示される(図6の表示状態S0)。
【0065】
スライドマーク33が実行領域37に含まれる場合は、ステップS108で肯定され、ステップS114で、ステップS110と同様に移動操作が終了したか否かが判断される。CPU10Aは、ステップS114で否定判断した場合、ステップS106へ処理を戻し、肯定判断した場合、ステップS116へ処理を移行する。
【0066】
CPU10Aは、ステップS116で、RAM10B又は補助記憶装置10Dから実行領域37内におけるスライドマーク33の移動軌跡を取得した後に、ステップS118で、取得した移動軌跡を示す情報が中止条件に適合するか否かを判断する。
【0067】
中止条件は、予め定められた操作の実行の中止を特定するためのスライドマーク33の挙動を示す条件である。すなわち、CPU10Aは、ユーザUによる移動操作に追従するように表示したスライドマーク33の挙動(すなわち移動軌跡)が中止条件に適合するか否かを判定することで、複写の実行の指示に関する処理(操作の実行)の中止か否かを判断する。本実施形態では、中止条件の一例として、スライドマーク33の移動方向に関する第1条件と、移動距離に関する第2条件とが適用される。第1条件は、実行領域37においてスライドマーク33の移動方向が変化したことを示す条件である。第2条件は、移動方向が変化した位置から予め定められた所定距離(以下、中止判別距離という。)の移動後に移動操作が完了されたことを示す条件である。ユーザUによる移動操作に追従して移動されたスライドマーク33の移動状況が、第1条件及び第2条件に合致する場合、CPU10Aは、中止条件に適合すると判定する。
【0068】
取得した移動軌跡を示す情報により示されるスライドマーク33の挙動が、中止条件に適合しない場合(図8)、CPU10Aは、ステップS118で否定判断し、複写の実行の指示に関する処理(操作の実行)を行う。具体的には、CPU10Aは、ステップS120で、操作の実行として、複写条件に従った複写の実行、すなわち、原稿関連機能プログラム10Kによって動作されている原稿関連機能のうちの画像複写機能に対して、複写の実行を指示する情報を出力する。これによって、画像処理装置1では、複写条件に従った複写が開始される。
【0069】
次に、CPU10Aは、ステップS122で、スライドマーク33の表示状態を実行状態に変更する制御を行って本処理ルーチンを終了する。実行状態は、操作の実行が開始されたことを示す状態であり、スライドマーク33は、実行位置Peに位置するように表示され、また、第3画像33Cで表示される(図6の表示状態S4)。
【0070】
一方、スライドマーク33の挙動が中止条件に適合する場合(図9)、CPU10Aは、ステップS118で肯定判断し、複写の実行の指示に関する処理(操作の実行)の中止を行う。具体的には、CPU10Aは、ステップS124で、操作の実行を中止する制御として、複写の実行、すなわち、原稿関連機能プログラム10Kによる画像複写機能に対する複写の実行を指示する情報の出力を中止する。これによって、画像処理装置1では、複写の実行が中止される。
【0071】
次に、CPU10Aは、ステップS126で、複写の実行の指示に関する処理(操作の実行)の中止、すなわち、複写を中止したことをユーザUに対して報知する制御を行って本処理ルーチンを終了する。ユーザUに対して報知する制御の一例には、スピーカ19から所定の音を鳴動する制御が挙げられる。複写を中止した場合、スライドマーク33は、複写を中止したこと、すなわち、操作の実行を中止したことを示すために、予め定めた第4画像33Dで表示される(図9)。
【0072】
次に、上述した中止条件に対する適合及び不適合について具体的に説明する。
【0073】
まず、図8を参照して中止条件に不適合な場合の一例を説明する。図8は、中止条件に不適合な場合の一例として、複写の実行を指示するユーザ操作に対するスライドマーク33の挙動に関係する図である。
【0074】
図8に示すように、CPU10Aの処理によって、操作表示部14に対するユーザUの指が接触されたことが検出して、スライドマーク33の表示形態を第1画像33Aから第2画像33Bに変更される。接触位置Pu(初期位置Ps)から実行位置Peまで移動操作されている間では、スライドマーク33の画像として第2画像33Bが維持される。
【0075】
次に、移動操作の終了、具体的には、ユーザUの接触が解除、すなわちユーザUの指が離間されたことが検出されて、複写の実行の指示に関する処理(操作の実行)が行われる。図8に示す例では、スライドマーク33の移動方向が変化していないので、中止条件に不適合である。具体的には、CPU10Aは、中止条件のうちの第1条件を判定するため、スライドマーク33の移動軌跡において、スライドマーク33の移動方向が変化したか否かを判定する。図8に示す例では、スライドマーク33の移動方向が変化せずに移動操作が完了されているので、第1条件に合致せず、中止条件に不適合と判定される。
【0076】
従って、操作の実行として、複写条件に従った複写の実行を指示する情報が出力される。これによって、画像処理装置1では、複写条件に従った複写が開始される。そして、スライドマーク33は、第2画像33Bから第3画像33C(実行状態)に変更される。
【0077】
次、図9を参照して中止条件に適合する場合の一例を説明する。図9は、中止条件に適合する場合の一例として、複写の実行の中止を指示するユーザ操作に対するスライドマーク33の挙動に関係する図である。図9は、スライドマーク33が実行位置Peまで移動されるように移動操作された後にもユーザ操作が継続される点が、図8と相違する。
【0078】
図9に示すように、実行位置Peまでの移動操作に連続して、初期位置Psから実行位置Peへ向かう移動操作の方向と異なる方向に移動操作が継続されている。具体的には、位置Pp(図9では、実行位置Peと一致する位置)で方向が変更されて、中止判別距離Lcを超えた接触位置Pcに対応する位置Pcxにスライドマーク33が移動される。従って、中止条件に適合する。
【0079】
具体的には、CPU10Aは、第1条件を判定するため、スライドマーク33の移動軌跡において、スライドマーク33の移動方向が変化したか否かを特定する。図9に示す例では、スライドマーク33の移動方向が位置Ppで変化して移動操作が継続されているので、第1条件に合致する。なお、CPU10Aは、方向が変化した位置Ppも特定する。
【0080】
次に、第2条件を判定するため、移動方向が変化した位置Ppから中止判別距離Lcの移動後に移動操作が完了されたか否かを特定する。図9では、位置Ppから位置Pcへの移動操作によるスライドマーク33の移動が中止判別距離Lc以上の距離または中止判別距離Lcを超える距離であるので、第2条件に合致する。よって、中止条件に適合すると判定される。
【0081】
従って、操作の実行として、複写条件に従った複写の実行を指示する情報が出力されることはない。これによって、画像処理装置1では、複写条件に従った複写は開始されない。そして、スライドマーク33は、第2画像33Bから第4画像33D(中止状態)に変更される。
【0082】
なお、上述した第1条件に合致することを判定するためには、移動方向の変化を検出する。スライドマーク33は、線CL上を移動するので、スライドマーク33の移動方向が変化することは、線CL上におけるスライドマーク33の中心位置の折り返しに対応する。この場合、折り返し点が位置Ppとなる。また、折り返し点に向った方向が複写の実行(操作の実行)する方向(実行方向)となり、折り返した方向が複写の実行(操作の実行)の中止する方向(中止方向)となる。従って、移動方向の変化の検出は、スライドマーク33が中止方向に移動されることを検出してもよい。
【0083】
中止方向により中止条件の適合を判定する場合は、変化した移動方向が中止方向であることを示す第3条件を加え、上述した第1条件から第3条件に合致する場合に、中止条件に適合すると判定すればよい。中止方向により中止条件の適合を判定することで、中止方向を考慮しない場合と比べて、複写の実行(操作の実行)の中止をするか否かの判定精度を向上させることが可能である。
【0084】
このように、スライドマーク33の移動距離に対応する移動軌跡の距離を用いて、移動方向が変化した位置Ppからの距離を判定することで、初期位置Psまでスライドマーク33を移動させる場合と比べ、短い移動距離で複写の実行(操作の実行)を中止することができる。
【0085】
ところで、ユーザUがスライドマーク33に接触させつつ、Y方向、又は逆方向にユーザ操作を行った場合、Y方向とユーザ操作による方向との成す角度が小さくなるに従って、スライドマーク33の移動量(移動距離)が小さくなる。このため、ユーザUが複写の実行(操作の実行)の中止を意図して、実行位置Peへ向かう方向と異なる方向にユーザ操作しても、スライドマーク33の移動距離が中止判別距離Lcに満たない距離になり、複写の実行が開始される場合がある。
【0086】
本開示の技術は、スライドマーク33の移動距離に対応する移動軌跡の距離に代えて、ユーザ操作による接触位置の軌跡の移動方向及び移動距離を用いてもよい。例えば、ユーザ操作による接触位置の軌跡の方向が変化した位置を位置Ppとして、その位置Ppからの距離を用いた中止条件で判定してもよい。
【0087】
図10は、ユーザUによる移動操作の方向に関する一例を示す図である。図10には、実行位置Peに向かって実行方向Daに移動操作が行われた後に、位置Ppで方向変更され、中止方向Dcに移動操作が行われた場合を示している。また、図10には、第1設定として、X方向に沿う線CLを中心とし、かつY方向を境界とし、実行方向の角度θa1と中止方向の角度θc1とを均等な角度に設定された角度関係が示されている。また、第2設定として、実行方向の角度θa2に比べて中止方向を大きい角度θc2に設定された角度関係が示されている。
【0088】
第1設定では、角度θa1と角度θc1とが均等な角度に設定されるので、実行方向及び中止方向を左右の移動操作に適用でき、直感的な移動操作が可能となる。第2設定では、実行方向が適用される角度が中止方向が適用される角度に比べて鋭角になるので、第1設定に比べて、実行方向をX方向に近い方向に制限することが可能となる。
【0089】
上記では、ユーザUにより直線的に移動操作が行われた場合を説明したが、本開示の技術は、これに限定されない。例えば、図11に示すように、曲線的に移動操作が行われた場合にも本開示の技術は適用可能である。図11は、移動操作の軌跡が曲線である場合の一例を示す図であり、この図11に示す例では、曲線的に移動操作が行われた場合の軌跡の変曲点を、方向が変化した位置Ppとすればよい。
【0090】
このように、接触位置の軌跡の移動方向及び移動距離を適用することで、ユーザ操作の方向及び距離を特定可能となり、スライドマーク33の移動で判定する場合と比べて、複写の実行及び複写の実行の中止を判定する場合の精度を向上させることが可能となる。
【0091】
上述した中止条件に含まれる第2条件では、移動方向が変化した位置Ppから中止判別距離Lcの移動後に移動操作が完了されたか否かが判断される。ところが、実行領域37の境界付近で移動方向を変化させるユーザ操作が行われても、複写の実行(操作の実行)が中止されない場合がある。例えば、スライドマーク33の実行領域37への到達後に、ユーザUが複写の実行(操作の実行)の中止を意図して、中止方向にユーザ操作しても、位置Ppから中止判別距離Lcだけ移動されるまで、複写の実行(操作の実行)の中止は行われない。
【0092】
本開示の技術は、スライドマーク33について実行領域37の境界までの距離を考慮して中止判別距離Lcを設定することが可能である。移動方向が変化した位置Ppから実行領域37の境界までの距離を中止判別距離Lcとして用いてもよい。
【0093】
図12は、スライドマーク33について実行領域37の境界までの距離を考慮する場合のスライドマーク33と実行領域37の境界との距離に関する一例を示す図である。
【0094】
図12に示すように、移動方向が変化した位置Ppから中止方向に移動操作が継続されて接触位置Pcに対応する位置Pcxでスライドマーク33の移動操作が終了された場合、位置Ppから位置Pcxまでの距離は、中止判別距離Lcを満足していない。このため、中止条件には不適合となる。そこで、CPU10Aは、移動方向が変化した位置Ppから実行領域37の境界までの距離Lcxを検出する。そして、CPU10Aは、予め定められた中止判別距離Lcと、距離Lcxとを比較し、短い距離を中止判別距離Lcとして一時的に更新する。一時的に更新するとは、継続的、すなわち次回の移動操作まで中止判別距離Lcを用いるために更新することではなく、今回のみ用いるために更新することを意味する。図12に示す例では、距離Lcxが中止判別距離Lcとして一時的に更新される。これによって、図12に示す例は中止条件に適合することになる。
【0095】
なお、スライドマーク33の実行領域37の境界までの距離を考慮する場合は、第2条件の拡張条件を追加すればよい。具体的には、中止方向に移動後に移動操作が完了され、かつ移動方向が変化した位置から実行領域37の境界までの距離が、中止判別距離Lcより短い場合、移動方向が変化した位置から実行領域37の境界までの距離を、中止判別距離とする条件を、第2条件の拡張条件とすればよい。第2条件の拡張条件を中止条件に追加することで、実行領域37の境界までの距離を考慮しない場合と比べて、短い距離で複写の実行(操作の実行)の中止することが可能である。
【0096】
以上説明したように第1実施形態によれば、スライドマーク33の移動距離を用いて、移動方向が変化した位置Ppからの中止方向に移動した距離を判定することで、初期位置Psまでスライドマーク33を移動させる場合と比べ、短い移動距離で複写の実行(操作の実行)を中止することができる。
【0097】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態は第1実施形態と略同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0098】
第1実施形態では、移動方向が変化した位置Ppからの中止方向に移動した距離を判定することで、複写の実行を中止する。ところで、ユーザUは、複写の実行を中止するユーザ操作中又はユーザ操作後に、複写の実行を再度希望する場合がある。第2実施形態は、複写の実行を中止するユーザ操作の後に複写の実行を再度実行可能に制御する場合に開示の技術を適用したものである。
【0099】
図13に、第2実施形態に係る制御プログラム10Pの処理の流れの一例を示す。
図13に示す第2実施形態に係る制御プログラム10Pの処理は、複写の実行を中止するユーザ操作中又はユーザ操作後に、複写の実行を再度稼働とする処理を追加したものである。具体的には、図7に示す第1実施形態に係る制御プログラム10Pの処理におけるステップS100とステップS102との間に、ステップS200からステップS206の処理が追加される。また、ステップS118とステップS124との間に、ステップS208及びステップS210の処理が追加される。
【0100】
上述したように、CPU10Aは、ユーザUの接触位置を検出し(ステップS100)、接触位置が開始領域36に含まれるか否かを判断する(ステップS102)。本実施形態では、CPU10Aは、ユーザUの接触位置を検出した後に、ステップS200で、中止状態がオンか否かを判断する。
【0101】
なお、本実施形態では、スライドマーク33の挙動が中止条件に適合する場合に、複写の実行に関する状態として中止条件に適合することを示す中止状態がオンに設定されるものとする。この中止状態は、制御プログラムの起動の当初は、中止状態がオフに設定されるものとする。従って、制御プログラムの起動の当初は、ステップS200で否定され、ステップS102に処理が移行される。中止状態をオンに設定する処理については後述する。
【0102】
そして、CPU10Aは、スライドマーク33を接触位置に追従表示する制御を行って実行領域37内におけるスライドマーク33の移動軌跡を取得した後に(ステップS104~ステップS116)、スライドマーク33の挙動が中止条件に適合するか否かを判断する(ステップS118)。移動軌跡を取得するまでの処理、及びスライドマーク33の挙動が中止条件に適合しない場合の処理は第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
【0103】
スライドマーク33の挙動が、中止条件に適合する場合(ステップS118で肯定)、CPU10Aは、ステップS208で、複写の実行(操作の実行)に関する状態として中止条件に適合することを示す中止状態をオンに設定する。なお、中止状態は、例えば、オンに設定されてから所定時間の経過したとき等の複写の実行の中止が確定した場合にオフに設定される。次に、CPU10Aは、ステップS210で、取得した移動軌跡を示す情報が再実行条件に適合するか否かを判断する。
【0104】
再実行条件は、中止条件に適合した移動軌跡を示す情報が再実行するためのスライドマーク33の挙動を含むことを判定するための条件である。すなわち、CPU10Aは、ユーザUによる移動操作に追従するように表示したスライドマーク33の挙動(すなわち移動軌跡)が再実行条件に適合するか否かを判定することで、中止条件に適合した移動操作後の移動操作が複写の実行の指示(操作の実行)であるか否かを判断する。
【0105】
本実施形態では、再実行条件の一例として、スライドマーク33の移動方向に関する第1実行条件と、移動距離に関する第2実行条件とが適用される。第1実行条件は、実行領域37においてスライドマーク33の移動方向が中止方向に変化した後に、さらに移動操作されて、その移動方向が実行方向であることを示す条件である。第2実行条件は、実行方向に変化した位置から所定の一定距離(以下、再実行判別距離という。)Laの移動後に移動操作が完了されたことを示す条件である。中止条件に適合した後のスライドマーク33の移動状況が、第1実行条件及び第2実行条件に合致する場合、CPU10Aは、再実行条件に適合すると判定する。
【0106】
なお、再実行判別距離Laと中止判別距離Lcとは、同じ距離(La=Lc)であってもよく、相違する距離(La<>Lc)であってもよい。
【0107】
スライドマーク33の挙動が、再実行条件に適合しない場合、CPU10Aは、ステップS210で否定判断し、複写の実行の指示に関する処理(操作の実行)の中止を行う(ステップS124)。
【0108】
一方、スライドマーク33の挙動が再実行条件に適合する場合、CPU10Aは、ステップS210で肯定判断し、複写の実行の指示に関する処理(操作の実行)を行う(ステップS120)。
【0109】
次に、上述した再実行条件に対する適合及び不適合について具体的に説明する。
【0110】
まず、図14を参照して再実行条件に適合する場合の一例を説明する。図14は、再実行条件に適合する場合の一例として、複写の実行の中止を指示するユーザ操作に対するスライドマーク33の挙動に関係する図である。図14は、スライドマーク33が位置Pcまで移動されるように移動操作された後にもユーザ操作が継続される点が、図9と相違する。
【0111】
図14に示すように、位置Pcまでの移動操作に連続して、初期位置Psから実行位置Peへ向かう移動操作の方向(実行方向)に移動操作が継続される。具体的には、位置Pcで方向が変更されて、再実行判別距離Laを超えた移動後の移動操作が終了された接触位置Paに対応する位置Paxにスライドマーク33が移動される。従って、再実行条件に適合する。
【0112】
具体的には、CPU10Aは、第1実行条件を判定するため、スライドマーク33の移動軌跡において、スライドマーク33の移動方向が変化したか否かを特定する。図14に示す例では、スライドマーク33の移動方向が位置Pcxで変化して移動操作が継続されているので、第1実行条件に合致する。なお、CPU10Aは、方向が変化した位置Pcxも特定する。
【0113】
次に、第2実行条件を判定するため、移動方向が変化した位置Pcxから再実行判別距離Laの移動後に移動操作が完了されたか否かを特定する。図14では、位置Pcから位置Paへの移動操作によるスライドマーク33の移動(位置Pcxから位置Paxまでの距離)が再実行判別距離Laを超えているので、第2実行条件に合致する。よって、再実行条件に適合すると判定される。
【0114】
従って、操作の実行として、複写条件に従った複写の実行を指示する情報が出力される。これによって、画像処理装置1では、複写条件に従った複写が開始される。そして、スライドマーク33は、第2画像33Bから第3画像33C(実行状態)に変更される。
【0115】
ところで、ユーザUは、複写の実行を中止するべくユーザ操作を行い、操作表示部14に対する接触を解除した後に、複写の実行を再度希望する場合がある。本実施形態では、中止条件に適合する場合には複写の実行に関する状態としての中止状態がオンに設定される。従って、中止状態がオンに設定された場合には、CPU10Aは、ステップS200で肯定判断し、ステップS202へ処理を移行する。
【0116】
ステップS202では、CPU10Aは、接触位置がスライドマーク33内か否か、すなわち、ユーザUによるユーザ操作の接触位置が現在位置におけるスライドマーク33に定められた領域内か否かを判断する。CPU10Aは、接触位置がスライドマーク33外の場合、複写の実行を再度希望することを意図したユーザ操作ではないため、ステップS202で否定判断し、ステップS102へ処理を移行する。一方、接触位置がスライドマーク33内の場合、複写の実行を再度希望することを意図したユーザ操作である可能性を含むため、ステップS202で肯定判断し、ステップS204へ処理を移行する。
【0117】
ステップS204では、上述したステップS104及びステップS106による追従処理と同様にして、中止状態(オン)における追従表示処理を実行する。そして、移動操作が終了すると、中止状態(オン)における移動軌跡を取得し、ステップS206で、取得した中止状態(オン)における移動軌跡を示す情報が中止状態(オン)における再実行条件に適合するか否かを判断する。
【0118】
スライドマーク33の挙動が、再実行条件に適合しない場合、CPU10Aは、ステップS206で否定判断し、ステップS100へ処理を戻す。一方、スライドマーク33の挙動が、再実行条件に適合する場合、CPU10Aは、ステップS120へ処理を移行し、複写の実行の指示に関する処理(操作の実行)を行う。このステップS206の処理後に、中止状態をオフに設定してもよい。
【0119】
中止状態(オン)における再実行条件は、中止状態中における移動軌跡を示す情報が再実行するためのスライドマーク33の挙動を含むことを判定するための条件である。例えば、上述した再実行条件と同様の条件を用いることが可能である。具体的には、スライドマーク33の挙動が、その移動方向が実行方向であり、実行方向に変化した位置から所定の一定距離Lbの移動後に移動操作が完了されたことを示す場合に、CPU10Aは、中止状態(オン)における再実行条件に適合すると判定する。
【0120】
なお、ステップS206で判定する一定距離Lbは再実行判別距離Laと同じ距離(La=Lb)であってもよく、相違する距離(La<>Lb)であってもよい。
【0121】
従って、複写の実行を中止するべくユーザ操作が行われ、操作表示部14に対する接触が解除された後に、複写の実行が再度希望された場合であっても本実施形態では、複写の実行を行うか中止するかを判断することが可能となる。よって、ユーザによる意図に従って複写の実行を行ったり複写の実行を中止したりすることが可能となる。
【0122】
以上説明したように第2実施形態によれば、スライドマーク33の移動方向が中止方向に変化された後に、さらに実行方向に移動した距離を判定することで、複写の実行(操作の実行)をやり直す場合と比べて、ユーザ操作の工数を削減可能である。よって、ユーザの負担を軽減させることが可能である。
【0123】
以上、本開示の技術を実施形態を用いて説明したが、本開示の技術の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。
【0124】
また、上記実施の形態では、補助記憶装置に記憶したプログラムを実行することにより行われる処理を説明したが、少なくとも一部のプログラムの処理をハードウエアで実現してもよい。また、上記実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
【0125】
さらに、上記実施形態における処理は、プログラムとして光ディスク等の記憶媒体等に記憶して流通するようにしてもよい。
【0126】
上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0127】
また上記実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0128】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
【符号の説明】
【0129】
1 画像処理装置
10K 原稿関連機能プログラム
10P 制御プログラム
14 操作表示部
18 プリンタ
19 スピーカ
30 画面
31 指示領域
33 スライドマーク
36 開始領域
37 実行領域
100 表示制御部
102 追従表示制御部
104 操作制御部
La 再実行判別距離
Lc 中止判別距離
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