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特開2022-8874金属酸化物ナノ粒子及び有機ポリマーを含むスピンオン材料の組成物
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  • 特開-金属酸化物ナノ粒子及び有機ポリマーを含むスピンオン材料の組成物 図1
  • 特開-金属酸化物ナノ粒子及び有機ポリマーを含むスピンオン材料の組成物 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022008874
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】金属酸化物ナノ粒子及び有機ポリマーを含むスピンオン材料の組成物
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20220106BHJP
   C09D 7/20 20180101ALI20220106BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20220106BHJP
   G03F 7/26 20060101ALI20220106BHJP
   C08G 61/10 20060101ALI20220106BHJP
【FI】
C09D201/00
C09D7/20
C09D7/61
G03F7/26 511
C08G61/10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021164419
(22)【出願日】2021-10-06
(62)【分割の表示】P 2019533534の分割
【原出願日】2017-12-19
(31)【優先権主張番号】62/437,449
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ラーマン・エム・ダリル
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ・フェイロン
(72)【発明者】
【氏名】チョ・ジュンヨン
(72)【発明者】
【氏名】パドマナバン・ミュニラスナ
(72)【発明者】
【氏名】ウルファー・エリザベス
【テーマコード(参考)】
2H196
4J032
4J038
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196CA05
2H196KA19
4J032CA04
4J032CA12
4J032CA14
4J032CB05
4J032CC01
4J032CE03
4J032CE22
4J032CE24
4J032CF05
4J032CG06
4J038CC011
4J038HA166
4J038JA26
4J038KA06
4J038MA14
4J038PA01
4J038PB09
4J038PC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】新規のスピンコート可能なハードマスクコーティング組成物を提供する。
【解決手段】溶剤、この溶剤中に分散した金属酸化物ナノ粒子、この溶剤中に溶解した高炭素ポリマーを含むコーティング組成物であって、前記高炭素ポリマーが、構造(1)の繰り返し単位、構造(2)のヒドロキシビフェニル繰り返し単位、及び構造(3)の縮合芳香族含有部分を含む部分を含み、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル及び置換されたアルキルからなる群から選択され、Arは、置換されていないもしくは置換された縮合芳香族環であり、そしてXはアルキレンスペーサまたは直接原子価結合である。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機溶剤、この有機溶剤中に分散した金属酸化物ナノ粒子、この溶剤中に溶解した高炭素ポリマーを含むコーティング組成物であって、前記高炭素ポリマーが、構造(1)の繰り返し単位、構造(2)のヒドロキシビフェニル繰り返し単位、及び構造(3)の縮合芳香族部分を含む部分を含み、式中、R及びRは、独立して、水素、アルキル及び置換されたアルキルからなる群から選択され、Arは、置換されていないもしくは置換された縮合芳香族環であり、そしてXはアルキレンスペーサまたは直接原子価結合である、コーティング組成物。
【化1】
【請求項2】
前記高炭素ポリマーが、構造(4)によって表される単位を含み、ここでAは構造(3)を有し、Bは構造(1)を有し、そしてCは構造(2)を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
【化2】
【請求項3】
構造(3)においてXがアルキレンスペーサである、請求項1または2に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
構造(3)においてXが直接原子価結合である、請求項1または2に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記縮合芳香族部分が構造(3a)を有する、請求項1、2または3のいずれか一つに記載のコーティング組成物。
【化3】
【請求項6】
前記組成物中の前記高炭素ポリマーが、脂肪族多環式部分を含まない、請求項1~5のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項7】
及びRが、独立してアルキルまたは置換されたアルキルから選択される、請求項1~6のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項8】
及びRが、独立してC~Cアルキルまたは置換されたC~Cアルキルから選択される、請求項1~7のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項9】
がメチルであり、Rがメチルである、請求項1~8のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項10】
が水素であり、Rが水素である、請求項1~6のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項11】
前記縮合芳香族環Arが2~5個の芳香族環を有する、請求項1~10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項12】
前記縮合芳香族環Arが3または4個の芳香族環を有する、請求項1~11のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項13】
前記縮合芳香族環Arが4個の芳香族環を有する、請求項1~12のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項14】
前記縮合芳香族環Arが5個の芳香族環を有する、請求項1~11のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項15】
前記縮合芳香族環Arが3個の芳香族環を有する、請求項1~11のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項16】
前記縮合芳香族環Arがアントラセンである、請求項1~11のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項17】
前記縮合芳香族含有部分が構造(3b)を有する、請求項1~3及び5~11のいずれか一つに記載の組成物。
【化4】
【請求項18】
前記縮合芳香族含有部分Arが縮合芳香族環であり、そしてXが直接原子価結合である、請求項1~4及び6~13のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項19】
前記縮合芳香族含有部分Arが2~5個の芳香族環を有し、Xが直接原子価結合である、請求項1~4及び6~10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項20】
前記縮合芳香族含有部分Arが3~4個の芳香族環を有し、Xが直接原子価結合である、請求項1~4及び6~10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項21】
前記縮合芳香族含有部分Arが3個の芳香族環を有し、Xが直接原子価結合である、請求項1~4及び6~10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項22】
前記縮合芳香族含有部分Arが4個の芳香族環を有し、Xが直接原子価結合である、請求項1~4及び6~10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項23】
前記縮合芳香族含有部分Arが5個の芳香族環を有し、Xが直接原子価結合である、請求項1~4及び6~10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項24】
前記縮合芳香族含有部分Arがピレンであり、Xが直接原子価結合である、請求項1~4及び6~10のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項25】
前記高炭素ポリマーが構造(5)の単位を更に含み、ここでAr’は、2~5個の芳香族環を有する縮合芳香族環である、請求項1~24のいずれか一つに記載の組成物。
【化5】
【請求項26】
前記縮合芳香族環Ar’が、2~5個の芳香族環を有する縮合芳香族環である、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記縮合芳香族環Ar’が3または4個の芳香族環を有する、請求項25に記載の組成物。
【請求項28】
前記縮合芳香族環Ar’が、3個の芳香族環を有する縮合芳香族環である、請求項25に記載の組成物。
【請求項29】
前記高炭素ポリマーにおいて、構造(1)が構造(1a)を有する、請求項1~28のいずれか一つに記載の組成物。
【化6】
【請求項30】
前記高炭素ポリマーにおいて、構造(2)が構造(2a)を有する、請求項1~28のいずれか一つに記載の組成物。
【化7】
【請求項31】
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化銅ナノ粒子、酸化第一銅ナノ粒子、酸化スズナノ粒子、酸化セリウムナノ粒子、酸化インジウムスズナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、酸化イットリウムナノ粒子、酸化ランタンナノ粒子及び酸化インジウムナノ粒子からなる群から選択される、請求項1または30に記載の組成物。
【請求項32】
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、及び酸化チタンナノ粒子からなる群から選択される、請求項1~31のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項33】
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ジルコニウムナノ粒子である、請求項1~32のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項34】
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ハフニウムナノ粒子である、請求項1~32のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項35】
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化チタンナノ粒子である、請求項1~32のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項36】
前記金属酸化物ナノ粒子が、1~100nmの直径を有するものである、請求項1~35のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項37】
前記有機溶剤が、ヒドロキシアルキレンオキシアルキル(HO-アルキレン-O-アルキル)、ヒドロキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(HO-アルキレン-CO-アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-アルキル)、アルキルオキシアルキレンカルボニルオキシアルキル (アルキル-O-アルキレン-CO-アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシカルボニルアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-CO-アルキル)、環状アルキレンオキシカルボニルオキシ(環状(-アルキレン-O-CO-)(別称はラクトン)、アルキルカルボン酸またはギ酸のアルキルエステル(アルキル-O-CO-アルキル(または-H))、アルキルカーボネート(アルキル-O-CO-アルキル)、環状アルキレンカーボネート(環状(-アルキレン-OCO-)、アルキルエーテル(アルキル-O-アルキル)、アルキルエーテル、ケトン(アルキル-CO-アルキル及び環状(-アルキレン-CO-)、アルキルアルコール、アルキルアミド(アルキル-CONH-アルキル); ジアルキルアミド(アルキル-CO(アルキル)-アルキル)、環状アルキレンアミド(環状(-アルキレン-NH-)(別称はラクタム)、環状N-アルキルアルキレンアミド(環状(-アルキレン-N(アルキル)-))(別称はN-アルキルラクタム)、有機溶剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~36のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項38】
有機溶剤が、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル及び混合物からなる群から選択される、請求項1~37のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項39】
5重量%~20重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項1~38のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項40】
1重量%~20重量%の高炭素ポリマーを含む、請求項1~39のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項41】
金属酸化物ナノ粒子と高炭素ポリマーとの重量比が50:50~99:1である、請求項1~40のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項42】
前記高炭素ポリマーが、固形分の80重量%超の炭素含有率を有するものである、請求項1~41のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項43】
前記高炭素ポリマーが、400℃で120分間ベークした後に、固形分の80重量%超の炭素含有率を有するものである、請求項1~42のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項44】
界面活性剤を更に含む、請求項1~43のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項45】
次のステップa)~b):
a)請求項1~44のいずれか一つに記載の組成物を基材上に施与して、ハードマスクフィルムを形成するステップ; 及び
b)前記ハードマスクフィルムをベークするステップ、
を含む、基材上にハードマスク組成物をコーティングする方法。
【請求項46】
前記基材が、トポグラフィ図形を含むパターン化された基材であり、そしてハードマスク組成物のコーティングが、前記トポグラフィを覆い、及びステップb)でフィルムをベークした後に、次のステップc):
c) パターン化された基材の上面を覆うハードマスクフィルムを化学的ストリッパまたはフッ素化プラズマエッチングで除去するステップ、
を更に含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記トポグラフィ図形が、ケイ素基材を覆っているパターン化されたスピンオンカーボン層中にある、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記トポグラフィ図形がビアである、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
ステップc)の後に、次のステップd):
d) パターン化された有機高炭素ポリマーを酸素プラズマで除去して、残留したパターン化されたハードマスクフィルムから構成される、元のパターン化されたフォトレジストのネガトーン画像を形成するステップ、
を更に含む、請求項46~47のいずれか一つに記載の方法。
【請求項50】
ステップd)の後に、次のステップe):
e) 残留したパターン化された金属ハードマスクフィルムをエッチングバリアとして使用し、そしてフッ素化プラズマを用いて半導体基材中にエッチングするステップ、
を更に含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記トポグラフィ図形が1:1~10:1のアスペクト比を有する、請求項47~50のいずれか一つに記載の方法。
【請求項52】
前記トポグラフィ図形が、1~10のアスペクト比を有し、そして微少寸法(critical dimension,CD)が10nm~100nmの範囲であるものから選択してよい、請求項47~50のいずれか一つに記載の方法。
【請求項53】
ステップb)において、100℃~500℃の温度でのフィルムのベークが、二つのベークステップb1)及びb2)で行われ、ここでベークステップb1)は100℃~275℃で行われ、そしてベークステップb2)は350℃~500℃で行われる、請求項47~50のいずれか一つに記載の方法。
【請求項54】
前記ベークステップb1)が250℃であり、ベークステップb2)が400℃である、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記ベークステップb1)が0.5~2分間行われ、前記ベークステップb2)が1~3時間行われる、請求項53または54に記載の方法。
【請求項56】
前記ベークステップb1が1分間行われ、前記ベークステップb2)が2時間行われる、請求項53~55のいずれか一つに記載の方法。
【請求項57】
前記ベークステップb1)が1分間行われる、請求項53~56のいずれか一つに記載の方法。
【請求項58】
前記ベークステップb2)が2時間行われる、請求項53~58のいずれか一つに記載の方法。
【請求項59】
ケイ素基材上にハードマスク組成物をコーティングする方法であって、
a3) 請求項1~44のいずれか一つに記載の組成物を前記基材上に施与して、ハードマスクフィルムを形成するステップ;
b3) 前記ハードマスクフィルムをベークするステップ;
c3) 前記ハードマスクフィルムの上面に底面反射防止コーティングをコーティングするステップ;
d3) 前記反射防止コーティングの上面にフォトレジストをコーティングするステップ;
e3) 前記レジストをパターン化してレジストパターンを形成するステップ;
f3) フッ素化プラズマを用いて、前記ハードマスクコーティングに至るまで、前記レジストパターンで保護されていない底面反射防止コーティング中をエッチングするステップ;
g3) 塩素プラズマを用いて、ケイ素基材に至るまで、底面反射防止コーティング及びフォトレジストで保護されていないハードマスク層中をエッチングして、パターン化されたハードマスクフィルムを形成するステップ;
h3) パターン化されたハードマスクフィルムによって保護されていない領域において、フッ素化プラズマによりケイ素基材中にエッチングして、トポグラフィ図形をケイ素図形中に形成するステップ;
を含む前記方法。
【請求項60】
ステップb3)において、100℃~500℃の温度でのフィルムのベークが、二つのベークステップb1’)及びb2’)で行われ、ここでベークステップb1’)は100℃~275℃で行われ、ベークステップb2’)は350℃~500℃で行われる、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記ベークステップb1’)が250℃であり、ベークステップb2’)が400℃である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ベークステップb1’)が0.5~2分間行われ、前記ベークステップb2’)が1~3時間行われる、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
前記ベークステップb1’)が1分間行われ、前記ベークステップb2’)が2時間行われる、請求項60~62のいずれか一つに記載の方法。
【請求項64】
前記ベークステップb1’)が1分間行われる、請求項60~61のいずれか一つに記載の方法。
【請求項65】
前記ベークステップb2’)が2時間行われる、請求項58~64のいずれか一つに記載の方法。
【請求項66】
ケイ素基材上にハードマスク組成物をコーティングする方法であって、
a4) 有機溶剤中に分散した金属酸化物ナノ粒子を含む組成物を基材上に施与してハードマスクフィルムを形成するステップ;
b4) 前記ハードマスクフィルムをベークするステップ;
c4) 前記ハードマスクフィルムの上面に底面反射防止コーティングをコーティングするステップ;
d4) 前記反射防止コーティングの上面にフォトレジストをコーティングするステップ;
e4) 前記レジストをパターン化してレジストパターンを形成するステップ;
f4) フッ素化プラズマを用いて、前記ハードマスクコーティングに至るまで、前記レジストパターンで保護されていない底面反射防止コーティング中をエッチングするステップ;
g4) 塩素プラズマを用いて、ケイ素基材に至るまで、底面反射防止コーティング及びフォトレジストで保護されていないハードマスク層中をエッチングして、パターン化されたハードマスクフィルムを形成するステップ;
h4) パターン化されたハードマスクフィルムによって保護されていない領域において、フッ素化プラズマによりケイ素基材中にエッチングして、トポグラフィ図形をケイ素図形中に形成するステップ;
を含む前記方法。
【請求項67】
ステップb4)において、100℃~500℃の温度でのフィルムのベークが、二つのベークステップb1’’)及びb2’’)で行われ、ここでベークステップb1’’)は200℃~275℃で行われ、ベークステップb2’’)は350℃~500℃で行われる、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記ベークステップb1’’)が250℃であり、ベークステップb2’’)が400℃である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記ベークステップb1’)が0.5~2分間行われ、前記ベークステップb2’’)が1~3時間行われる、請求項67または68に記載の方法。
【請求項70】
前記ベークステップb1’’)が1分間行われ、前記ベークステップb2’’)が2時間行われる、請求項67~69のいずれか一つに記載の方法。
【請求項71】
前記ベークステップb1’’)が1分間行われる、請求項67~70のいずれか一つに記載の方法。
【請求項72】
前記ベークステップb2’’)が2時間行われる、請求項67~71のいずれか一つに記載の方法。
【請求項73】
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化銅ナノ粒子、酸化第一銅ナノ粒子、酸化スズナノ粒子、酸化セリウムナノ粒子、酸化インジウムスズナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、酸化イットリウムナノ粒子、酸化ランタンナノ粒子及び酸化インジウムナノ粒子からなる群から選択される、請求項66~72のいずれか一つに記載の方法。
【請求項74】
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、及び酸化チタンナノ粒子からなる群から選択される、請求項66~73のいずれか一つに記載の方法。
【請求項75】
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ジルコニウムナノ粒子である、請求項66~74のいずれか一つに記載の方法。
【請求項76】
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ハフニウムナノ粒子である、請求項66~75のいずれか一つに記載の方法。
【請求項77】
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化チタンナノ粒子である、請求項66~76のいずれか一つに記載の方法。
【請求項78】
前記金属酸化物ナノ粒子が、1~100nmの直径を有するものである、請求項66~77のいずれか一つに記載の方法。
【請求項79】
前記有機溶剤が、ヒドロキシアルキレンオキシアルキル(HO-アルキレン-O-アルキル)、ヒドロキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(HO-アルキレン-CO-アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-アルキル)、アルキルオキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-CO-アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシカルボニルアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-CO-アルキル)、環状アルキレンオキシカルボニルオキシ(環状(-アルキレン-O-CO-)(別称はラクトン)、アルキルカルボン酸またはギ酸のアルキルエステル(アルキル-O-CO-アルキル(または-H))、アルキルカーボネート(アルキル-O-CO-アルキル)、環状アルキレンカーボネート(環状(-アルキレン-OCO-)、アルキルエーテル(アルキル-O-アルキル)、アルキルエーテル、ケトン(アルキル-CO-アルキル及び環状(-アルキレン-CO-)、アルキルアルコール、アルキルアミド(アルキル-CONH-アルキル); ジアルキルアミド(アルキル-CO(アルキル)-アルキル)、環状アルキレンアミド(環状(-アルキレン-NH-))(別称はラクタム)、環状N-アルキルアルキレンアミド(環状(-アルキレン-N(アルキル)-))(別称はN-アルキルラクタム)、有機芳香族溶剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項66~78のいずれか一つに記載の方法。
【請求項80】
有機溶剤が、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル及び混合物からなる群から選択される、請求項66~79のいずれか一つに記載の方法。
【請求項81】
前記組成物が、有機溶剤中に1重量%~80重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項66~80のいずれか一つに記載の方法。
【請求項82】
前記組成物が、有機溶剤中に5重量%~70重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項66~80のいずれか一つに記載の方法。
【請求項83】
前記組成物が、有機溶剤中に10重量%~60重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項66~82のいずれか一つに記載の方法。
【請求項84】
前記組成物が、有機溶剤中に15重量%~50重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項66~83のいずれか一つに記載の方法。
【請求項85】
前記組成物が、有機溶剤中に20重量%~40重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項66~84のいずれか一つに記載の方法。
【請求項86】
前記組成物が、有機溶剤中に5重量%~10重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項82に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高炭素ポリマー、金属酸化物ナノ粒子及び溶剤を含むハードマスクコーティング組成物であって、前記ポリマーが、その主鎖に、少なくとも一種のフェニル単位、少なくとも一種のヒドロキシビフェニル単位、及び少なくとも一種の置換されたもしくは置換されていない縮合芳香族環を含む前記組成物、並びにこのハードマスクコーティングを用いて画像を形成する方法に関する。該方法は、良好なビア及びトレンチ充填特性を有しかつ高い温度安定性も有するハードマスクコーティング材料を必要とするマイクロリソグラフィ工程に特に有用である。本発明は、金属酸化物ナノ粒子を含む溶液から誘導されたコーティングの、半導体基材上での使用、及びパターン化できる金属ハードマスク、及びエッチング工程を介してパターンを基材に転写するために使用されるこのパターン化されたハードマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジスト組成物は、コンピュータチップ及び集積回路の製造など、微細化された電子部品の製造のためのマイクロリソグラフィ工程に使用されている。これらの工程では、一般的に、先ずフォトレジスト組成物のフィルムの薄いコーティングを、集積回路の製造に使用されるケイ素ベースのウェハなどの基材に施す。次いで、コーティングされた基材をベークして、フォトレジスト組成物中の溶媒を蒸発させ、基材上にコーティングを定着させる。基材のコーティング及びベークされた表面は次に放射線による像様露光に付される。
【0003】
この放射線暴露は、コーティングされた表面の暴露された領域において化学的な変化を引き起こす。可視光線、紫外線(UV)、電子ビーム及びX線放射エネルギーが、現在マイクロリソグラフィ工程において常用されている放射線種である。この像様暴露の後、コーティングされた基材を現像剤溶液で処理して、フォトレジストの放射線暴露された領域または未暴露の領域のいずれかを溶解、除去する。
【0004】
半導体デバイスは微細化される傾向にあり、このような微細化に伴う問題を解消するために、より一層短い波長の放射線に感度のある新しいフォトレジストや、精巧なマルチレベルシステムも使用されてきている。
【0005】
フォトリソグラフィにおける吸光性反射防止コーティング及び下層は、反射性の高い基材からの光の後方反射の結果生ずる問題を軽減するために使用される。後方反射の二つの主要な欠点は、薄膜干渉効果と反射ノッチングである。薄膜干渉または定在波は、フォトレジストの厚さが変化した時にフォトレジストフィルム中の全光強度が変動することによって引き起こされる微少線幅寸法の変化を結果として招くか、または反射及び入射した露光波長の干渉が、厚さ方向の放射線の均一性を乱す定在波効果を引き起こし得る。反射ノッチングは、フォトレジストフィルム中に光を散乱させて線幅変動を招き、極端なケースではフォトレジストが完全に失われた領域をも形成するトポグラフィ図形を含む反射性基材上にパターンを形成する場合に、深刻になる。フォトレジストの下にかつ反射性基材の上にコーティングされる反射防止コーティングは、フォトレジストのリソグラフィ性能にかなりの改善をもたらす。典型的には、底面反射防止コーティングを基材に施与し、次いで、この反射防止コーティングの上にフォトレジストの層を施与する。反射防止コーティングは硬化して、反射防止コーティングとフォトレジストが相互混合を起こすことを防止する。このフォトレジストは像様に暴露されそして現像される。次いで、暴露された領域の反射防止コーティングは、典型的には、様々なエッチングガスを用いてドライエッチングし、そうしてフォトレジストパターンが基材へと転写される。多層型の反射防止層及び下層が、新しいリソグラフィ技術において使用されつつある。
【0006】
多量の耐火性元素を含む下層を、ハードマスクとして使用することができる。このようなハードマスクは、その上にあるフォトレジストが、下にある半導体基材中に画像を転写するために使用されるドライエッチングに対して十分に高い耐エッチング性を供することができない場合に有用である。これは、有機フォトレジストが下にあるハードマスクと異なるため及びフォトレジスト中の画像を下にあるハードマスクへと転写することを可能にするエッチングガス混合物をあてがうことができるために、可能となる。次いで、このパターン化されたハードマスクは、適切なエッチング条件及びガス混合物を用いて、画像をハードマスクから半導体基材へと転写するために使用でき、これは、フォトレジストだけでは単一のエッチング工程で為し得ない仕事である。TEOS(テトラエトキシシラン)及び低Mw材料に基づく他の類似のケイ素化合物などのケイ素をベースとするスピンオンハードマスクも使用し得るが、これらは、一般的に、基材上に薄いコーティングしか形成することができず、その結果、ビア及びトレンチパターンなどのトポグラフィを含むパターン化されたフィルム中の空隙を充填することができない材料である。耐火性元素を含む比較的大きいMwのポリマーは、それらの耐エッチング性が制限される、というのも、スピンキャスト溶剤中でのこれらのポリマーの可溶性を維持するためには、これらは、低下した耐エッチング性を犠牲にして、可溶性増強性の有機部分がそれらの構造中に組み入れられている必要があるからである。このような材料の一例は、酸化ジルコニウム及び類似物などの金属酸化物のカルボキシレートのオリゴマー性またはポリマー性錯体である。
【0007】
本発明は、金属酸化物ナノ粒子、及び特定の高炭素ポリマーであって、同じ溶剤中において可溶性でありかつナノ粒子分散液と相溶性であり、そうして安定な溶液を形成し、高い金属含有率のフィルムをコーティングでき及び酸素プラズマに対する耐エッチング性を向上できる高炭素ポリマーから構成される、新規のスピンコート可能なハードマスクコーティング組成物に関する。これらの新規組成物は、ビアまたはトレンチ充填用途に有用であり、特にこれらの図形が高いアスペクト比を有する場合に有用である。これらの新規組成物からのコーティングは、高い温度安定性及び硬化後の高い耐火性金属酸化物含有率を兼ね備える。これは、その高い金属含有率の故に、酸素プラズマに対して高い耐エッチング性をこれらの硬化フィルムに与える。重大なことに、これらの新規スピンコーティング組成物は、安定でかつ標準的なスピンコート溶剤からスピンコート可能である一方で、硬化されたフィルム中に金属酸化物の非常に高い含有率をなおも維持する溶液でもある。
【0008】
典型的には、該新規組成物は、ビア、トレンチまたは高いアスペクト比を有する他のトポグラフィ図形などのトポグラフィを有する基材上にコーティングされる。このトポグラフィは、有機系フォトレジストに画像形成することによって生じたトポグラフィ、または他の方法、例えばX線で画像形成可能な他の有機系画像形成材料、電子線レジスト、x線レジスト、粒子線及び類似法によって生じる任意の他のトポグラフィであってよい。また、有機材料の誘導自己組織化によってアシストされた画像形成によって生じたトポグラフィ図形または代替的にナノインプリンティングによって生じたトポグラフィ図形も使用し得る。
【0009】
該新規組成物は、本質的に異なる成分である特定構造の高炭素ポリマー及び金属酸化物ナノ粒子を同じ溶剤中でブレンドしても、同じ溶剤中で相分離を起こすことなく安定した溶液を形成することができるという予期できない特性を有する。これらの新規組成物は、図らずしも、高い金属含有率を有し、かつ優れたビア及びトレンチ充填特性も有する良好なフィルムも形成する。向上した耐エッチング性というのは、これらの新規ハードマスク組成物が、図らずしも、高炭素ポリマー及び金属酸化物ナノ粒子懸濁液の両方を一つの安定した溶液中でブレンドすることを可能にする故である。金属酸化物は、カルボキシレート及び類似物などの高脂肪族及び酸素含有率の部分によって可溶化された耐火性元素を含む有機材料と比べて、それらの高い金属含有率のために酸素プラズマに対しより良好な耐エッチング性を有する。その結果、パターン化されたコーティングとしてこの新規組成物を使用する新規方法は、該新規ハードマスク組成物によって覆われていない領域において酸素プラズマエッチングの間に基材への向上したパターン転写を与える。他の本発明による方法では、これらの新規組成物は、半導体上にコーティングし、次いでフォトレジスト、場合により及び底面反射防止コーティングでコーティングすることができ、この場合、更なるステップにおいて、レジストをパターン化し、そしてこのパターン化されたレジストを、エッチング工程において使用して、該新規組成物のその下にあるコーティングをパターン化する。最終のステップにおいて、該新規組成物のこのパターン化されたコーティングを、その下にある半導体基材のパターン化のためにエッチング工程に使用することができる。更に別の本発明による方法では、金属酸化物ナノ粒子の分散液を使用して、半導体基材上にコーティングを生成する。金属酸化物ナノ粒子のこのコーティングは次いで上述のようにフォトレジストを用いてパターン化して、金属酸化物ナノ粒子のパターン化されたハードマスクを生成する。このハードマスクは、下にある半導体基材をプラズマで選択的にエッチングするために使用し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】US8906590B2
【特許文献2】US20120251943A1
【特許文献3】US9,152,051
【特許文献4】US8,691,925B2
【特許文献5】US8,017,396B2
【特許文献6】US7,932,018B2
【特許文献7】US2010119979
【特許文献8】US20152511943
【特許文献9】US8,906,590
【特許文献10】US7,691,556
【特許文献11】US3,474,054
【特許文献12】US4,200,729
【特許文献13】US4,251,665
【特許文献14】US5,187,019
【特許文献15】US4,491,628
【特許文献16】US5,350,660
【特許文献17】US5,843,624
【特許文献18】US6,866,984
【特許文献19】US6,447,980
【特許文献20】US6,723,488
【特許文献21】US6,790,587
【特許文献22】US6,849,377
【特許文献23】US6,818,258
【特許文献24】US6,916,590
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】“Development of Spin-On-Carbon Hard Mask for Advanced Node Proceedings of SPIE published by The International Society for Optical Engineering 9051:90511X ・ March 2014”
【発明の概要】
【0012】
本発明は、有機溶剤、この有機溶剤中に分散された金属酸化物ナノ粒子、この有機溶剤中に溶解された高炭素ポリマー成分を含むハードマスクコーティング組成物であって、前記ポリマーが、構造(1)の繰り返し単位、構造(2)のヒドロキシビフェニル繰り返し単位、及び構造(3)の縮合芳香族類を含む部分を含み、ここで、R及びRは、独立して、水素、アルキル及び置換されたアルキルからなる群から選択され、Arは、置換されていないかもしくは置換された縮合芳香族環であり、そしてXはアルキレンスペーサまたは直接原子価結合である。
【0013】
【化1】
【0014】
本発明は、基材上に該新規組成物をコーティングする一般的な方法にも関し、並びに該新規ハードマスク組成物を用いた第一のトーン反転式エッチングマスク方法にも関する。この第一のエッチングマスク方法では、該新規組成物は、パターン化された有機コーティングでコーティングされた半導体基材上にコーティングされる。このパターン化された有機コーティングは、パターン化されたスピンオンカーボンコーティング、パターン化されたフォトレジスト及び類似物であることができる。このパターンは、充填され得るビア及びトレンチなどのトポグラフィを含む。コーティング及びその後の加工の間に、該新規組成物は、これらのトポグラフィ図形を充填することができる。これらの充填された図形はパターン化されたハードマスクを形成し、このハードマスクは、該新規ハードマスク組成物で埋められていない領域において半導体基材をエッチングして除くエッチング工程の間にエッチングバリアとして使用され、そうして元々のトポグラフィ図形のネガ画像を基材中に形成する。この第一の工程から作られた金属ハードマスクは高い金属含有率を有する。
【0015】
更に、本発明は、第二のエッチングマスク工程であって、溶剤中に分散された金属酸化物ナノ粒子を含む組成物を使用して金属ハードマスクをコーティングして、次のエッチング工程の間のパターン転写を可能とするようにする工程も含む。
【0016】
最後に、本発明は、第三のエッチングマスク工程であって、溶剤の金属酸化物ナノ粒子の懸濁液を使用して半導体基材をコーティングする工程も含む。この金属ハードマスクは、その後のエッチング工程において、前記第二のエッチングマスク工程と類似してパターン転写を可能とするために使用される。この第三工程から生成される金属ハードマスクは、高い金属含有率及びベーク工程の間の非常に低い収縮率を兼ね備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】トーン反転施与ハードマスク法a.金属酸化物ナノ粒子及び高炭素ポリマーを含む該新規ハードマスク組成物のコーティングをケイ素基材上に施与する。b.フィルムを或る温度でベークする。c.パターン化された基材の上面を覆う組成物を化学的剥離剤またはフッ素化プラズマエッチングを用いて除去する。d.パターン化されたスピンオンカーボンを酸素プラズマを用いて除去して、元々のパターン化されたフォトレジストのネガトーン画像を形成する。e.フッ素プラズマを用いて基材中にエッチングする。
図2】金属酸化物ナノ粒子及び高炭素ポリマーのコーティングフィルムを使用した直接式ハードマスク法a3)~e3) BARC/(金属酸化物ナノ粒子及び高炭素ポリマーを含む)新規ハードマスクフィルム/ケイ素スタック上の初期のパターン化されたフォトレジストを形成するために使用されるステップ。f3) フルオリネートプラズマ(fluorinate plasma)を用いて、ハードマスクフィルムまでBARC中をエッチングするステップ。g3) 塩素プラズマを用いた、被覆されていないハードマスク層のエッチングステップ。h3) ハードマスクフィルムで保護されていないケイ素基材のエッチングステップ。
図3】金属酸化物ナノ粒子のコーティングフィルムを用いた直接式ハードマスク法a4)~e4) BARC/ナノ粒子コーティングフィルム/ケイ素スタック上に初期のパターン化されたフォトレジストを生成するために使用されるステップ。f4) フルオリネートプラズマを用いて、ハードマスクフィルムまでBARC中をエッチングするステップ。g4) 塩素プラズマを用いた、被覆されていないハードマスク層のエッチングステップ。h4) ハードマスクフィルムで保護されていないケイ素基材のエッチングステップ。
【発明を実施するための形態】
【0018】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的な説明のためのものであり、請求項に記載の発明を限縮するものではない。本願において、単数形の使用は複数も包含し、単数形は「少なくとも一つ」を意味し、そして「または」の使用は、他に具体的に記載がなければ「及び/または」を意味する。更に、「包含する」という記載、並びに「包含される」などの他の動詞形の使用は非限定的である。また、「成分」などの用語は、他に具体的に記載がなければ、一つの構成単位を含む成分、または1超の構成単位を含む成分を含む。ここで使用する「及び」という接続詞は包括的であることを意図しており、「または」という接続詞は、他に指示が無ければ排他的であることを意図していない。例えば、「またはその代わりに」というフレーズは、排他的であることを意図している。ここで使用する「及び/または」という記載は、単一要素の使用も含む、前述される要素の任意の組み合わせを指す。
【0019】
ここで使用される各章の表題は、文章構成の目的のためであり、記載の技術事項を限定するものと解釈するべきではない。以下に制限されないが特許、特許出願、論文、書籍及び専門書を包含する本願で引用される全ての文献、または文献の一部は、全ての目的に関してそれらの内容の全てが本明細書に掲載されたものとする。ここで掲載されたものとする文献及び類似の資料の一つまたはそれ以上における或る用語の定義が、本願における同用語の定義と一致しない場合には、本出願が優先する。
【0020】
ここで使用する場合、他に指定がなければ、アルキルは、炭化水素基を指し、これは、線状、分岐状(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル及び類似物)、または環状(例えばシクロヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル及び類似物)、多環式(例えばノルボルニル、アダマンチル及び類似物)であることができる。これらのアルキル部分は、以下に記載のように置換されていてもよいしまたは置換されていなくともよい。アルキルという用語は、C1~C20炭素を有するこのような部分を指す。構造的な理由から、線状アルキルはC1から始まるが、分岐状及び環状アルキルはC3から始まり、そして多環式アルキルはC5から始まる。更に、以下に記載のアルキルから誘導される部分、例えばアルキルオキシ、ハロアルキルオキシは、他に記載がなければ同じ炭素数範囲を有する。
【0021】
アルキルオキシ(別名、アルコキシ)は、オキシ(-O-)部分を介して結合する先に定義したアルキル基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、1,2-イソプロポキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ及び類似物)を指す。これらのアルキルオキシ部分は、以下に記載のように置換されていてもよいしまたは置換されていなくともよい。
【0022】
ハロまたはハライドは、有機部分に一つの結合によって結合しているハロゲン、すなわちF、Cl、Br、Iを指す。
【0023】
ハロアルキルは、水素の少なくとも一つが、F、Cl、Cr、Iまたは(1超のハロ部分が存在する場合は)これらの混合物からなる群から選択されるハライドによって置き換えられた先に定義したような線状、環状もしくは分岐状の飽和アルキル基を指す。フルオロアルキルは、これらの部分の特定のサブグループである。
【0024】
フルオロアルキルは、水素が、フッ素によって部分的にまたは完全に置き換えられた先に定義した線状、環状または分岐状の飽和アルキル基(例えば、トリフルオロメチル、パーフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、パーフルオロイソプロピル、パーフルオロシクロヘキシル及び類似物)を指す。これらのフルオロアルキル部分は、パーフルオロ化されていない場合は、以下に記載のように置換されていてもよいしまたは置換されていなくともよい。
【0025】
フルオロアルキルオキシは、オキシ(-O-)部分を介して結合している先に定義したようなフルオロアルキル基を指し、これは、完全にフッ素化されているか(別名、パーフルオロ化)または代替的に部分的にフッ素化されていてよい(例えば、トリフルオロメチルオキシ、パーフルオロエチルオキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、パーフルオロシクロヘキシルオキシ及び類似物)。これらのフルオロアルキル部分は、パーフルオロ化されていない場合は、以下に記載のように置換されていてもよいしまたは置換されていなくともよい。
【0026】
ここで、それぞれC1から始まる炭素原子の可能な範囲を有するアルキル、アルキルオキシ、フルオロアルキル、フルオロアルキルオキシ部分、例えば非限定的な例としての「C1~C20アルキル」または「C1~C20フルオロアルキル」に言及する時は、この範囲は、C1から始まる線状アルキル、アルキルオキシ、フルオロアルキル及びフルオロアルキルオキシを含むが、C3から開始する分岐状アルキル、分岐状アルキルオキシ、シクロアルキル、シクロアルキルオキシ、分岐状フルオロアルキル及び環状フルオロアルキルのみを指定するものである。
【0027】
ここで、アルキレンという用語は、二つの結合点を有する、線状、分岐状または環状であることができる炭化水素基(例えば、メチレン、エチレン、1,2-イソプロピレン、1,4-シクロヘキシレン及び類似物)を指す。この場合もまた、非限定的な例としてC1~C20などの可能な炭素範囲を指定する場合は、この範囲は、C1から開始する線状アルキレンを含むが、C3から開始する分岐状アルキレンまたはシクロアルキレンのみを指定するものである。これらのアルキレン部分は、以下に記載のように置換されていてもよいしまたは置換されていなくともよい。
【0028】
この場合、アリールまたは芳香族基という用語は、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アントラシル、ビフェニル類、ビスフェニル類、トリスフェニル類及び類似物を包含する、6~24個の炭素原子を含むこのような基を指す。これらのアリール基は、適当な置換基、例えば先に記載のアルキル、アルコキシ、アシルまたはアリール基の任意のもので更に置換されていてよい。
【0029】
本明細書において、アリーレンという用語は、二つ以上の結合点(例えば2~5つ)を有する芳香族炭化水素部分を指し、この部分は、単一のベンゼン部分(例えば1,4-フェニレン、1,3-フェニレン及び1,2-フェニレン)、二つの結合点を有する多環式芳香族部分、例えばナフタレン、アントラセン、ピレン及び類似物などから誘導される多環式芳香族部分、または二つの結合点を有する連鎖した複数のベンゼン環(例えばビフェニレン)であってよい。芳香族部分が縮合芳香族環である場合には、これらは、縮合環系アリーレンと称し得、より具体的には、例えばナフタレニレン、アントラセニレン、ピレニレンなどと称することができる。縮合環系アリーレンは、以下に記載のように置換されていてもよいかまたは置換されていなくともよく、追加的に、これらの縮合環系アリーレンは、二つ結合部位を有する炭化水素置換基も縮合環上に含み、この縮合環への結合によって5~10個の炭素原子を持つ環を形成して追加的な脂肪族または不飽和環を形成してもよい。
【0030】
本明細書において、縮合芳香族環という用語は、互いに縮合した2~8個の炭素ベースの芳香族環を含む炭素ベースの多環式芳香族化合物(例えば、ナフタレン、アントラセン及び類似物)を指し、これらの縮合芳香族環は、アリール部分の一部としては、例えばポリマー上の懸垂縮合芳香族環系アリール基の一部としては、有機部分への単一の結合点を有してよく、またはアリーレン部分の一部としては、例えばポリマーの主鎖中では、二つの結合点を有し得る。
【0031】
本明細書に他に記載がなければ、「置換された」という用語は、アリール、アルキル、アルキルオキシ、フルオロアルキル、フルオロアルキルオキシまたは縮合芳香族環に言及するときは、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、置換されていないアリール、置換されたアリール、アルキルオキシ、アルキルアリール、ハロアルキル、ハライド、ヒドロキシル、アミノ及びアミノアルキルからなる群から選択される一つまたは複数の置換基も含む前記の部分のうちの一つを指す。同様に、「置換されていない」という用語は、水素以外の置換基が存在していないこれらの同じ部分を指す。
【0032】
他に記載がなければ、「高炭素ポリマー」または「高炭素ポリマー成分」という用語は、他に記載がなければ、以下に記載するようにそれの全ての態様において構造(1)、(2)及び(3)を有する繰り返し単位を含む、本発明の組成物のポリマー成分を指す。
【0033】
本発明は、有機溶剤中に分散された金属酸化物ナノ粒子、この有機溶剤中に溶解された高炭素ポリマーを含む金属酸化物コーティング組成物を含むハードマスクコーティング組成物であって、前記ポリマーが、構造(1)の繰り返し単位、構造(2)のヒドロキシビフェニル繰り返し単位、及び縮合芳香族環Arを含む構造(3)の部分を含み、ここで、R及びRは、独立して、水素、アルキル及び置換されたアルキルからなる群から選択され、Arは、置換されていないかもしくは置換された縮合芳香族環であり、そしてXはアルキレンスペーサまたは直接原子価結合である、ハードマスクコーティング組成物に関する。
【0034】
「スピンオンカーボン」という用語は、高炭素含有ポリマー(言い換えれば、75重量%以上の炭素)を指す。このような材料の非限定的な例は、一般的に、スピンキャスト溶剤中に可溶性でありかつ高い芳香族分、環状脂肪族分、フラーレン分及びこれらの混合物の故に高い炭素含有率を有するポリマーである。非限定的な例は、US8906590B2(特許文献1)、US20120251943A1(特許文献2)、US9,152,051(特許文献3)、US8,691,925B2(特許文献4)、US8,017,396B2(特許文献5)、US7,932,018B2(特許文献6)、US2010119979(特許文献7)に記載のもの、商業的な材料、例えばMicro-Chem Corp(Westborough,MA)及び他の商業的なベンダーから入手可能な、スピンオンカーボンハードマスクなどの商業的な材料、または最近の総説論文“Development of Spin-On-Carbon Hard Mask for Advanced Node Proceedings of SPIE published by The International Society for Optical Engineering 9051:90511X・March 2014”(非特許文献1)に記載のような材料である。
【0035】
【化2】
【0036】
該組成物の一つの態様では、高炭素ポリマー中の構造(1)は、次のより具体的な構造(1a)を有し得る。
【0037】
【化3】
【0038】
該組成物の他の態様の一つでは、高炭素ポリマー中の構造(2)は、構造(2a)を有し得る。
【0039】
【化4】
【0040】
該組成物の高炭素ポリマーは、構造(3)によって表される少なくとも一種の繰り返し単位A、構造(1)を有する少なくとも一種の繰り返し単位B及び構造(2)を有する少なくとも一種の繰り返し単位Cを含む。
【0041】
本発明の一つの態様では、前記のポリマーは、構造(4)で表される単位を含み、ここで、Aが構造(3)を有し、Bが構造(1)を有し、及びCが構造(2)を有するものであってよい。
【0042】
【化5】
【0043】
本発明の一つの観点では、高炭素ポリマーの前記の態様は、構造(3)においてXがアルキレンスペーサであるものであってよい。この特定の態様では、構造(3a)に示されるように、縮合芳香族環Arは、互いに縮合して縮合環系アリーレン、例えばナフタレニレン、アントラセニレン、ピレニレン及び類似物を形成する二つ以上の芳香族単位を含む。他の態様の一つでは、該縮合芳香族部分は、2~8個の芳香族環、または2~6個の芳香族環、または3~5個の芳香族環、または3~4個の芳香族環を含むことができる。該縮合芳香族環は、3個の芳香族環を含んでよい。一つの具体的な態様では、該縮合芳香族環は、アントラセニレン(言い換えれば、アントラセンの二価のアリーレン)であってよい。
【0044】
【化6】
【0045】
他の態様の一つでは、構造(3a)における芳香族環Arは2~5個の芳香族環を有する。他の態様の一つでは、構造(3a)における前記縮合芳香族環Arは3または4個の芳香族環を有する。更に別の態様の一つでは、構造(3a)における前記縮合芳香族環Arは4個の芳香族環を有する。他の態様の一つでは、構造(3a)における前記縮合芳香族環Arは5個の芳香族環を有する。 他の態様の一つでは、構造(3a)における前記縮合芳香族環Arは3個の芳香族環を有する。更に別の態様の一つでは、構造(3a)における前記縮合芳香族環Arはアントラセンである。他の態様の一つでは、構造(3a)における前記縮合芳香族含有部分は構造(3b)を有する。
【0046】
【化7】
【0047】
高炭素ポリマーの前記の態様の他の観点では、これらは、構造(3)において、Xが直接原子価結合であるもの、及び縮合芳香族環を含む部分が、構造(4)によって表すことができ、ここでArが、2~8個の縮合芳香族環を含んでよい縮合環系アリーレン部分であるものである。他の態様の一つでは、構造(4)における芳香族環Arは2~5個の芳香族環を有する。この態様の観点の一つでは、構造(4)における前記縮合芳香族環Arは3または4個の芳香族環を有する。更に別の態様の一つでは、構造(4)における前記縮合芳香族環Arは4個の芳香族環を有する。
【0048】
更に別の態様の一つでは、構造(4)における前記縮合芳香族環Arは5個の芳香族環を有する。更に別の態様の一つでは、構造(4)における前記縮合芳香族環Arは3個の芳香族環を有する。最終の態様の一つでは、Arはピレンである(言い換えれば、縮合環系アリーレン、ピレニレン)。
【0049】
【化8】
【0050】
他の態様の一つでは、該新規組成物中の前記の高炭素ポリマーは、追加的な単位Dを含んでよく、これは、ポリマーの部分の主鎖の一部としてその芳香族部分のみを介して結合した構造(5)の縮合芳香族単位(言い換えれば、縮合環系アリーレン)である。この態様の他の観点の一つでは、Ar’は2~8個の縮合芳香族環を含んでよい。更に別の観点では、Ar’は、2~5個の芳香族環を有する縮合芳香族環である。更に別の観点の一つでは、Ar’は3または4個の芳香族環を有する。この態様の最終の観点では、Ar’は、3個の芳香族環を有する縮合芳香族環である。
【0051】
【化9】
【0052】
前記の全ての態様において、Ar及び/またはAr’は置換されておらず、水素置換基のみを含む。本発明の他の観点の一つでは、Ar及び/またはAr’は、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、置換されていないアリール、置換されたアリール、アルキルアリール、ハロアルキル、ハライド、ヒドロキシル、アミノ及びアミノアルキル及びこれらの混合物からなる群から選択される置換基で置換されていてよい。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、Ar’及び/またはAr上の置換基は、置換されていないアルキルから選択してよい。
【0053】
該組成物の前記の態様のいずれにおいても、高炭素ポリマー置換基R及びRは、独立して、置換されていないアルキルまたは置換されたアルキルから選択してよい。本発明のこの態様のより具体的な態様の一つでは、R及びRは、独立して、C~Cの置換されていないアルキルまたはC~Cの置換されたアルキルから選択し得る。更に別のより具体的な態様の一つでは、R及びRはメチル基であってよい。
【0054】
またはRのいずれかが置換されたアルキルである前記の態様においては、置換基は、置換されていないアルキル、置換されたアルキル、置換されていないアリール、置換されたアリール、アルキルアリール、ハロアルキル、ハライド、ヒドロキシル、アミノ及びアミノアルキル及びこれらの混合物からなる群から独立して選択してよい。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、置換基は、置換されていないアルキルから選択してよい。
【0055】
該組成物の前記の態様のいずれにおいても、高炭素ポリマーのR及びRは水素であってよい。
【0056】
前記の新規組成物では、該高炭素ポリマーは、メチレン基を有する縮合芳香族環を含むモノマー(I)、2個の置換ビニル基を有するフェニル部分を含むモノマー(II)、及びヒドロキシビフェニル部分を有するモノマー(III)を酸触媒の存在下に縮合反応させることによって得ることができる。この反応は、更に縮合芳香族化合物(IV)を含んでよい。一例としては、モノマー(II)はジビニルベンゼンであってよく; 化合物(I)はアントラセンメタノール、例えば9-アントラセンメタノールであってよく; 化合物(III)は2-フェニルフェノールであってよく; そして化合物(IV)はナフタレン、アントラセンまたはピレンであってよい。化合物(I)はArCHXからも誘導でき、ここでArは縮合芳香族部分であり、そしてXは脱離基、例えばOH、Cl、I、Br、カルボキシレート、スルホネートなどであり; 化合物(I)の例は、アントラセンメタノール、フェナントレンメタノール、ピレンメタノール、フルオロアンテンメタノール、クロネンメタノール、トリフェニレンメタノール、アントラセン-9-メタノール、アントラセンメチルメトキシなどである。該縮合芳香族環は、求核置換のための部位である反応性部位を提供する。OHで置換されたビフェニル単位は、少なくとも二つの部位が求電子的攻撃に利用可能であるように、2-フェニルフェノール、3-フェニルフェノール、4-フェニルフェノール、2-(3-ヒドロキシフェニル)フェノール、2-(2-ヒドロキシフェニル)フェノール及び類似物などの化合物(III)から選択し得る。
【0057】
高炭素ポリマー中の縮合芳香族部分Ar’は縮合芳香族環を含み、これらは置換されているかまたは置換されておらず、但し、Aとは異なる。該ポリマーの縮合芳香族環は、2~8員の芳香族環を含むことができる。Ar’及びArの両方のための可能な候補である縮合芳香族部分の例は、以下の構造6~17である。Xが直接原子価基である場合の構造(3)のArでは、構造6~17は、該ポリマー中の可能な繰り返し単位に相当する。構造6~17では、芳香族環に対する位置結合(position bonds)は、適切な炭素原子価が維持される限り、これらの構造のいずれの環に対するものであってよい。Xがアルキレンスペーサである場合の構造(3)中のArでは、構造6a~17aに示されるように、ポリマー主鎖への二つの接続の一つは、アルキレン部分Xを介した接続を有する。この場合もまた、これらの構造は、縮合芳香族環への接続が、適切な炭素原子価が維持される限り、これらの環のいずれを介してよいという可能性を含む。Xアルキレン部分の非限定的な例は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン及び類似物から選択されるものである。より具体的な非限定的な例の一つでは、スペーサはメチレン部分であることができる。構造6~14には、Ar(Xが直接原子価結合の場合)及びAr’については二つの結合手しか示されていないが、これらの縮合環基は、二つ超(例えば三つ)の直接原子価結合をポリマー主鎖と結合してよく; 例えば三つの結合が存在して、ポリマー鎖中に分岐点を形成してよいことも想定内である。構造(3)中においてXがアルキレン部分である場合のArについても同様に、アルキレン部分にはポリマー主鎖に対する結合手は一つしかないものの、この部分は、一つ超の直接原子価結合(例えば二つ)を介してポリマー主鎖に結合してよく、そうしてこの場合もまた、ポリマー主鎖中に分岐点を形成する。
【0058】
【化10】
【0059】
該単位は構造6~17に示すようなものであってよいが、縮合環Ar及び/またはArは、芳香族構造中の任意の部位において高炭素ポリマーの主鎖を形成し得、そしてその結合部位は、ポリマー内で様々なところにあってよい。該縮合環構造は、2点超の結合点を有して、分岐状オリゴマーまたは分岐状ポリマーを形成してよい。ポリマーの一つの態様では、該縮合芳香族単位は、他の芳香族炭素部分または他の縮合芳香族単位に接続する。縮合芳香族単位のブロックが形成されてもよく、そしてこれらのブロックは、メチレンなどの飽和脂肪族炭素単位で隔離されていてよい。
【0060】
ポリマーArまたはAr’の縮合芳香族環は、置換されていなくともよいし、または一つまたは複数の有機構成要素、例えばアルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアリール、アルキルアリール、及びハロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、アミノアルキル、アルコキシ、例えばメチル、アミノメチル、ブロモメチル及びクロロメチル基で置換されていてもよい。最大四つまでの置換基が存在してよい。これらの置換基の他、炭化水素系アルキレンまたはアルケニレン部分(別称では、炭素原子数3~8の飽和または不飽和炭化水素スペーサ)が、縮合芳香族環の二つの隣接する炭素のところで環に結合した環を形成して、前記縮合環と5~10環サイクルを形成し得る。
【0061】
該芳香族環上の前記置換基は、コーティング溶剤に対するポリマーの可溶性を援助する。該縮合芳香族構造上の置換基の一部は、硬化の間に熱分解されてもよく、そうして、これらは、硬化されたコーティング中には残留し得ず、それ故、エッチングプロセスに有用な高炭素含有フィルムを与え得る。
【0062】
この高炭素ポリマーは、ここに記載の一種超の縮合芳香族構造を含み得る。一つの態様では、該縮合芳香族部分は置換されていない。一つの態様では、該縮合芳香族部分は、ヒドロキシまたはアルコキシ基を含まない。他の態様の一つでは、Aの縮合芳香族部分及びBのフェニル基は置換されていない、すなわち水素のみで置換されている。他の態様の一つでは、Aはアントラセンメチレンであり、Bはメチレンベンゼンメチレンであり、そしてCはヒドロキシビフェニルであり; Dは、存在する場合には、ナフタレンまたはアントラセンである。
【0063】
本新規組成物の高炭素ポリマーは、a)縮合環がポリマーの主鎖を形成するように求核置換が可能である二つ以上の縮合芳香族環を含む少なくとも一種の芳香族化合物を、b)カルボカチオンを形成することができる二つの活性部位を有する少なくとも一種の芳香族単位、及びc)少なくとも一種のヒドロキシビフェニル化合物を酸触媒の存在下に反応させることによって合成し得る。前記芳香族化合物は、所望の芳香族単位、より具体的には先に示した構造または等価物を提供するモノマーから選択し得る。追加の縮合芳香族モノマーを反応混合物に加えてもよく、そしてアントラセン、フェナントレン、ピレン、フルオランテン、クロネントリフェニレンなどの化合物から選択し得る。該縮合芳香族環は、求核置換のための部位である少なくとも二つの反応性部位を提供する。
【0064】
前記高炭素ポリマーは、以下の単位を含んでよい。
【0065】
【化11】
【0066】
式中、RはC~Cアルキルであり、そしてRはC~Cアルキルである。一つの態様では、R及びRは水素またはメチルである。前記縮合環単位の他、該新規ハードマスクコーティング組成物の高炭素ポリマーは、フェニル基を含む構造(2)に示される少なくとも一種の単位Bを更に含む。単位Bは、二つの不飽和基を含むモノマー、例えばアルキル置換もしくは非置換ジビニルベンゼンから誘導し得る。該ポリマーは、単位-(A)-、-(B)-及び-(C)-を含み、ここでAは、線状でも分岐状でもよく、置換されていてもまたは置換されていなくともよい、先に記載した任意の縮合芳香族部分であり、Bは、構造2に示すように、飽和炭素を介してAに接続したフェニル基であり、そしてCはヒドロキシビフェニル単位である。本新規組成物のポリマーは、a)
縮合環がポリマーの主鎖を形成するように求核置換が可能である二つ以上の縮合芳香族環を含む少なくとも一種の芳香族化合物を、b)カルボカチオンを形成することができる二つの活性部位を有する少なくとも一種の芳香族単位、及びc)少なくとも一つのヒドロキシビフェニル化合物を酸触媒の存在下に反応させることによって合成し得る。前記芳香族化合物は、所望の芳香族単位、より具体的には先に示した構造または等価物を提供するモノマーから選択し得る。追加の縮合芳香族モノマーを反応混合物に加えてもよく、そしてアントラセン、フェナントレン、ピレン、フルオランテン、クロネントリフェニレンなどの化合物から選択し得る。該縮合芳香族環は、求核置換のための部位である少なくとも二つの反応性部位を提供する。
【0067】
該新規組成物の高炭素ポリマー成分中に単位Bを形成するために使用されるモノマーは、酸の存在下にカルボカチオンを形成できる二つの反応性部位を有するフェニル単位を含み、そしてジビニルベンゼンなどの化合物から選択し得る。この反応は、スルホン酸類などの強酸の存在下に触媒される。任意のスルホン酸を使用し得、これの例は、トリフルオロスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ビスパーフルオロアルキルイミド、トリスパーフルオロアルキルカーバイド、または他の強非求核酸である。この反応は、溶剤を用いてまたは用いずに行ってよい。溶剤が使用される場合は、固形成分を溶解することができるものであれば任意の溶剤を使用してよく、特に強酸に対して非反応性の溶剤を使用し得る。このような溶剤の例は、例えばクロロホルム、ビス(2-メトキシエチルエーテル)、ニトロベンゼン、メチレンクロライド、及びトリグリム、ジ(エチレングリコール)ジメチルエーテル、ジ(プロピレングリコール)ジメチルエーテル、ジ(プロピレングリコール)ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)などの溶剤である。この反応は、ポリマーが形成されるまで、適当な長さの時間、適当な温度で混合してよい。反応時間は、約3時間から約24時間の範囲であってよく、そして反応温度は、約80℃から約180℃の範囲であってよい。ポリマーは、適当な溶剤、例えばメタノール、ヘキサン、ヘプタン中で、析出及び洗浄を介して単離、精製される。該新規組成物の高炭素ポリマー成分は、所望の分子量を有する画分を得るために分画してよい。該ポリマーは、溶剤、例えばテトラヒドロフラン(THF)中に溶解し; アルカンなどの非溶剤を溶液に加え; そして析出物を生成及び濾過する。分画のプロセスは、室温で行ってよい。該ポリマーは更に精製し得る。典型的には、低分子量部分は除去される。ポリマーを反応、単離及び精製する従前既知の技術を使用し得る。該ポリマーの重量平均分子量は、約1,200~約5,000の範囲、または約1,300~約3,000、または約1,500~約2,600の範囲であることができる。
【0068】
一つの態様では、構造(3)の縮合芳香族部分は、三つ以上の縮合環の他、アルキレン部分であるXも有する縮合芳香族環を含む。次の説明により拘束されるものではないが、このような部分は、金属酸化物ナノ粒子、二つのみの縮合芳香族環を有する縮合環部分も含む本発明による組成物において、より良好な架橋能力を有するものと考えられる。
【0069】
スキーム1は、このタイプの高炭素ポリマーのための合成経路の非限定的な例を示し、ここでは、Aは9-アントラセンメタノールから誘導され、Bは2-フェニルフェノールから誘導され及びCはジビニルスチレンから誘導され、これらは、トリフルオロスルホン酸などの強酸を用いて溶剤中で互いに反応させて図示のように縮合ポリマーを生成する。
【0070】
【化12】
【0071】
スキーム1
他の態様の一つでは、ピレンなどの三つ以上の縮合芳香族環の他、直接原子価結合としてのXも有する構造(3)の縮合芳香族部分も、本発明の組成物の金属酸化物ナノ粒子とより良好な架橋性を有するものと考えられる。このタイプの高炭素ポリマーの合成の非限定的な例をスキーム2に示す。
【0072】
次の説明に拘束されるものではないが、縮合環部分中の縮合環が三つ以上の縮合芳香族環を含むスキーム2によるタイプのポリマーは、驚くべきことに、
これらのポリマーが比較的低いベーク温度で酸化されることを可能とし、そうして水素含有率を減少し、かつ組成物の金属含有率及び耐エッチング性の両方を増強するものと考えられる。この方策も、金属ナノ粒子がこれらのポリマーと反応するためのより多くの反応性の高い部位を提供して、より良好な架橋を可能にし、及びこの材料中にエッチングされたパターンが、フッ素化化合物(例えばCF、HF及び類似物)を含むプラズマ中で膨潤(パターン歪み)する傾向を低下させる。次の説明に拘束されるものではないが、この歪みは、比較的多量のフッ素原子による比較的少量の水素原子の置換と、このような部分と金属酸化物ナノ粒子成分とのより良好な架橋性の故であり得る。以下のスキーム2は、高炭素で低水素のモノマーであるピレンを使用するこの態様の高炭素ポリマーの形成を示す。
【0073】
【化13】
【0074】
スキーム2
これらのタイプの高炭素ポリマーの合成の更なる例は、US20152511943(特許文献8)及びUS8,906,590(特許文献9)に見出せる。これらの文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。
【0075】
一つの態様では、該新規組成物の高炭素ポリマー成分は、脂肪族環式もしくは多環式基、例えばシクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルニルなどを含まない。
【0076】
他の態様の一つでは、該新規組成物の高炭素ポリマー成分は、脂肪族環式もしくは多環式基、単位Cに存在するもの以外のヒドロキシもしくはアルコキシ基を含まない。一つの態様では、該組成物中のポリマーは、脂肪族多環式基、例えばシクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルニルなどを含まない。
【0077】
アリールまたは芳香族基は6~24個の炭素原子を含み、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、アントラシル、ビフェニル類、ビスフェニル類、トリスフェニル類及び類似物を包含する。これらのアリール基は、適当な置換基、例えば先に記載のアルキル、アルキルオキシ、アシルまたはアリール基の任意のもので更に置換されていてよい。同様に、所望の適当な多価アリール基を本発明において使用し得る。二価アリール基の代表的な例には、フェニレン類、キシリレン類、ナフチレン類、ビフェニレン類及び類似物などが挙げられる。アルキルオキシは、炭素原子数1~20の直鎖状または分岐鎖状アルキルオキシを意味し、そして例えばメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノナニルオキシ、デカニルオキシ、4-メチルヘキシルオキシ、2-プロピルヘプチルオキシ、及び2-エチルオクチルオキシなどを包含する。アラルキルは、置換基が結合したアリール基を意味する。前記置換基は、アルキル、アルコキシ、アシルなどの任意のものであってよい。炭素原子数7~24の一価アラルキルの例には、フェニルメチル、フェニルエチル、ジフェニルメチル、1,1-もしくは1,2-ジフェニルエチル、1,1-、1,2-、2,2-もしくは1,3-ジフェニルプロピル及び類似物などが挙げられる。所望の価数を有するここに記載の置換されたアラルキル基の適当な組み合わせを、多価アラルキル基として使用し得る。
【0078】
一つの態様では、該新規組成物の高炭素ポリマー成分は、脂肪族環式もしくは多環式基、例えばシクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルニルなどを含まない。
【0079】
他の態様の一つでは、該新規組成物の高炭素ポリマーは、脂肪族環式もしくは多環式基、単位Cに存在するもの以外のヒドロキシもしくはアルコキシ基を含まない。一つの態様では、該組成物中のポリマーは、脂肪族多環式基、例えばシクロヘキシル、アダマンチル、ノルボルニルなどを含まない。
【0080】
該新規組成物の高炭素ポリマー成分では、縮合芳香族環から誘導される繰り返し単位A(構造3)は、約25~約40モル%であることができ、繰り返し単位B(構造1)は約37.5~約30モル%であることができ、そして繰り返し単位C(構造2)は約37.5~約30モル%であることができる。他の態様の一つでは、縮合芳香族環を含む繰り返し単位Aは、繰り返し単位の全量の約30~約35モル%であることができ、繰り返し単位Bは約32.5~約35モル%であることができ、そして繰り返し単位Cは32.5~35モル%であることができる。前記の範囲を組み合わせると、モル%の合計は100モル%に等しく、100モル%を超えることはできない。
【0081】
該新規組成物の高炭素ポリマー成分では、縮合芳香族環から誘導される繰り返し単位Aは、約25~約40モル%であることができ、繰り返し単位Bは約37.5~約30モル%であることができ、そして繰り返し単位Cは約37.5~約30モル%であることができる。他の態様の一つでは、縮合芳香族環を含む繰り返し単位Aは、繰り返し単位の全量の約30~約35モル%であることができ、繰り返し単位Bは約32.5~約35モル%であることができ、そして繰り返し単位C(構造2)は32.5~35モル%であることができる。前記の範囲を組み合わせると、モル%の合計は100モル%に等しく、100モル%を超えることはできない。
【0082】
本新規組成物の高炭素ポリマーは、構造(18)に示されるような構造単位を有することができ、ここでR及びRは先に記載した通りである。このようなポリマーでは、縮合芳香族環から誘導される繰り返し単位A及びDの全量は、その全量の約25~約40モル%であることができ、モノマーDは全量の15%までを占めることができる。残りの単位のうち、繰り返し単位Aは、繰り返し単位の全量の約37.5~30モル%であることができ、そして繰り返し単位は約37.6~約30モル%であってよい。より好ましくは、縮合芳香族環を含む繰り返し単位B及びDは、その全量の約30~約35モル%であることができ、モノマーDは、全量の15%までを占めることができる。繰り返し単位Aは、繰り返し単位の全量の約32.5~35モル%であるのがよく、そして繰り返し単位Cは約32.5~約35モル%であるのがよい。前記のモル%範囲の全てにおいて、A、B、CまたはDの可能な範囲について記載したモル%量を組み合わせる場合、繰り返し単位A、B及びCを含むポリマーまたはA、B、C及びDを含むポリマーについてのモル%の合計は100モル%であり、そして100モル%は超えない。
【0083】
【化14】
【0084】
該組成物または高炭素ポリマーの炭素含有率は、ナノ粒子成分は用いずにそれ自体を溶剤成分中に溶解したポリマーを使用して、基材上にコーティングを形成し、そして生じたフィルムを乾燥した後に測定できる。本発明のポリマーは、約120分間の400℃ベークの後でさえ高い炭素含有率を保持し、すなわち、架橋後の該ポリマーまたは組成物の炭素含有率は、元素分析によって測定して80重量%超、または85重量%超、または90重量%超である。これらの重量%の値は、固形のコーティングまたは乾燥ポリマーについての元素分析を行うことによって見積もることができ、炭素含有率を重量%として与える。400℃でのベーク後の該ポリマーまたは組成物の炭素含有率は、元素分析により測定して80重量%超、または85重量%超、または90重量%超である。一つの態様では、120分間の400℃でのベーク後のポリマーの炭素含有率は80~95重量%の範囲である。
【0085】
前記の高炭素ポリマーは、溶剤中にかつ以下に記載の溶剤との混合物中に可溶性であり、そして前記溶剤(複数可)中で金属酸化物ナノ粒子と均一な分散液を形成する。
【0086】
一種超の前記の高炭素ポリマーを該新規組成物中に使用してよく(すなわち2二種以上)、この場合、追加的なポリマー(複数可)は、構造(1)、(2)、(3)の単位の相対的組成、及び/または構造(5)を有するものなどの任意選択的な追加の繰り返し単位のタイプのいずれかで異なるか、あるいは各々のタイプの繰り返し単位構造の何れかが、これらの単位を含む第一のポリマー中に存在するものと化学的に異なる。異なる分子量、多分散性を有するこのようなポリマーのブレンドも期待される。
【0087】
ここに記載のいずれの可能な高ポリマーの他の態様の一つでは、構造(1)、(2)及び(3)を有する繰り返し単位から構成されるポリマー(複数可)は脂肪族環状多環式類を含まない。
【0088】
前記の新規組成物の金属酸化物ナノ粒子は、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化銅ナノ粒子、酸化第一銅ナノ粒子、酸化スズナノ粒子、酸化セリウムナノ粒子、酸化インジウムスズナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、酸化イットリウムナノ粒子、酸化ランタンナノ粒子及び酸化インジウムナノ粒子からなる群から選択される。
【0089】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、及び酸化チタンナノ粒子からなる群から選択される組成物である。
【0090】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が酸化ジルコニウムナノ粒子である組成物である。
【0091】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が酸化ハフニウムナノ粒子である組成物である。
【0092】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が酸化チタンナノ粒子である組成物である。
【0093】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、先に記載した金属酸化物ナノ粒子の二種以上の異なるものの混合物である組成物である。
【0094】
前記の新規組成物の全ての前記の観点において、前記の金属酸化物ナノ粒子は、直径サイズが約1nm~約100nmの範囲であるものから選択してよい。本発明のこの観点の他の態様の一つでは前記、前記の金属酸化物ナノ粒子は、直径サイズが約0.5nm~約100nmの範囲であるものから選択してよい。前記の態様の更に別の観点の一つでは、前記の金属酸化物ナノ粒子は、直径サイズが約1nm~約5nmの範囲のものから選択し得る。
【0095】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約1nm~約10nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0096】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約1nm~約20nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0097】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約1nm~約30nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0098】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約1nm~約40nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0099】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約0.5nm~約5nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0100】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約0.5nm~約10nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0101】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約5nm~約10nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0102】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約5nm~約9nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0103】
本発明の他の観点の一つでは、該新規組成物は、金属酸化物ナノ粒子が、直径サイズが約6nm~約9nmの範囲であるものから選択してよい組成物である。
【0104】
該新規組成物の前記の全ての観点において、前記金属酸化物ナノ粒子は、約1重量%~約80重量%の範囲の負荷量で前記組成物中に分散される。
【0105】
本発明の観点の一つでは、該組成物は、第一の有機溶剤中に分散された金属酸化物ナノ粒子の懸濁液を、固形の高炭素ポリマー、第二の有機溶剤及び他の任意選択の成分と組み合わせるか、またはナノ粒子のこの分散液を、第二の有機溶剤中の前記ポリマー及び他の任意選択の成分から構成される溶液と組み合わせることによって調製された組成物である。
【0106】
前記第二の有機溶剤及び前記第一の有機溶剤は異なっても同一でもよく、そして単一の有機溶剤から、または次のような同じカテゴリーまたは異なるカテゴリーから選択される二種以上の有機溶剤の混合物から選択してよい:
ヒドロキシアルキレンオキシアルキル(HO-アルキレン-O-アルキル)、ヒドロキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(HO-アルキレン-CO-アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-アルキル)、アルキルオキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-CO-アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシカルボニルアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-CO-アルキル)、環状アルキレンオキシカルボニルオキシ(環状(-アルキレン-O-CO-)(別称はラクトン)、アルキルカルボン酸またはギ酸のアルキルエステル(アルキル-O-CO-アルキル(または-H))、アルキルカーボネート(アルキル-O-CO-アルキル)、環状アルキレンカーボネート(環状(-アルキレン-OCO-)、アルキルエーテル(アルキル-O-アルキル)、アルキルエーテル、ケトン(アルキル-CO-アルキル及び環状(-アルキレン-CO-)、アルキルアルコール、アルキルアミド(アルキル-CONH-アルキル); ジアルキルアミド(アルキル-CO(アルキル)-アルキル)、環状アルキレンアミド(環状(-アルキレン-NH-)(別称はラクタム)、環状N-アルキルアルキレンアミド(環状(-アルキレン-N(アルキル)-))(別称はN-アルキルラクタム)、有機溶剤及びこれらの混合物。
【0107】
前記第二の有機溶剤及び前記第一の有機溶剤は異なっても同一でもよく、そして単一の有機溶剤から選択し得るか、または次のような二種以上の具体的な有機溶剤の混合物を選択し得る:
ヒドロキシアルキレンオキシアルキルの非限定的な例は、プロピレングリコールメチルエーテル(PGME; 1-メトキシ-2-プロパノール); プロピレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、ブチレングリコールメチルエーテル及び類似物である。
【0108】
ヒドロキシアルキレンカルボニルオキシアルキルの非限定的な例は、プロピレングリコールアセテート、プロピレングリコールホルメート、プロピレングリコールプロピオネート、エチレングリコールアセテート、エチレングリコールプロピオネート、乳酸エチル及び類似物である。
【0109】
アルキルオキシアルキレンオキシアルキルの非限定的な例は、プロピレングリコールのジメチルエーテル、プロピレングリコールのジエチルエーテルである。
【0110】
アルキルオキシアルキレンカルボニルオキシアルキルの非限定的な例は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA、別称は1-メトキシ-2-プロパノールアセテート)、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールメチルエーテルアセテート及び類似物である。
【0111】
アルキルオキシアルキレンオキシカルボニルオキシアルキルの非限定的な例は、プロピレングリコールメチルエーテルのメチルカーボネート、プロピレングリコールメチルエーテルのエチルカーボネート、及び類似物である。
【0112】
環状アルキレンオキシカルボニルオキシの非限定的な例は、γ-ブチロラクトン、及びδ-バレロラクトン、及び類似物である。
【0113】
アルキルカルボン酸またはギ酸のアルキルエステルの非限定的な例は、n-ブチルアセテート、n-ブチルホルメート、n-プロピルアセテート、n-ペンチルアセテート、アミルアセテート及び類似物である。
【0114】
アルキルカーボネートの非限定的な例は、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及び類似物である。
【0115】
環状アルキレンカーボネートの非限定的な例は、プロピレンカーボネート(別称は4-メチル-1,3-ジオキソラン-2-オン)、エチレンカーボネート及び類似物である。
【0116】
アルキルエーテルの非限定的な例は、ジ-n-プロピルエーテル、ジ-n-ブチルエーテル、メチルtーブチルエーテル、ジペンチルエーテル及び類似物である。
【0117】
ケトンの非限定的な例は、メチルエチルケトン(MEK、別称はブタノン)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン及び類似物である。
【0118】
アルキルアルコールの非限定的な例は、イソプロピルアルコール(IPA)、n-ブタノール、n-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール及び類似物である。
【0119】
アルキルアミドの非限定的な例は、メチルアセトアミド、メチルプロパミド及び類似物である。
【0120】
ジアルキルアミドの非限定的な例は、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジメチルプロパミド及び類似物である。
【0121】
環状アルキレンアミドの非限定的な例は、β-プロピオラクタム、γ-ブチロラクタム、δ-バレロラクタム、及びε-カプロラクタム及び類似物である。
【0122】
(環状(アルキレン-N(アルキル)-))の非限定的な例は、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、N-プロピルピロリドン、N-ブチルピロリドン及び類似物である。
【0123】
該組成物中に溶剤(溶剤1及び2が同じ場合)あるいは溶剤1及び/または溶剤2(これらが異なる場合)のいずれかとして使用し得る溶剤のより具体的な例は次のものである:
グリコールエーテル誘導体、例えばエチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、またはジエチレングリコールジメチルエーテル; グリコールエーテルエステル誘導体、例えばエチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート; カルボキシレート、例えばエチルアセテート、n-ブチルアセテート及びアミルアセテート; 二塩基性酸のカルボキシレート、例えばジエチルオキシレート及びジメチルマロネート; グリコール類のジカルボキシレート、例えばエチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテート; 及びヒドロキシカルボキシレート、例えば乳酸メチル、乳酸エチル、グリコール酸エチル、及び3-ヒドロキシプロピオン酸エチル; ケトンエステル、例えばピルビン酸メチルまたはピルビン酸エチル; アルコキシカルボン酸エステル、例えば3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、またはエトキシプロピオン酸メチル; ケトン誘導体、例えばメチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンまたは2-ヘプタノン; ケトンエーテル誘導体、例えばジアセトンアルコールメチルエーテル; ケトンアルコール誘導体、例えばアセトールまたはジアセトンアルコール; ラクトン、例えばブチロラクトン; アミド誘導体、例えばジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド、アニソール及びこれらの混合物。
【0124】
該組成物中に溶剤(溶剤1及び2が同じ場合)あるいは溶剤1及び/または溶剤2(これらが異なる場合)のいずれかとして使用し得る溶剤のより具体的な例は次のものである:
プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル及びこれらの混合物。
【0125】
該新規組成物の一つの態様では、前記の金属酸化物ナノ粒子を、第一の溶剤中に分散させ、これを、前記の溶剤と同じかまたは異なる溶剤であってよい第二の溶剤中に溶解した該新規組成物の他の成分中に混合する。この態様の一つの観点では、前記第一の溶剤中の金属酸化物ナノ粒子の濃度は約2重量%~約60重量%の範囲である。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、該組成物は、前記組成物中の前記金属酸化物ナノ粒子が、約5重量%~約55重量%の範囲の負荷量で分散されている組成物である。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、該組成物は、前記組成物中の前記金属酸化物ナノ粒子が、約10重量%~約55重量%の範囲の負荷量で分散されている組成物である。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、該組成物は、前記組成物中の前記金属酸化物ナノ粒子が、約20重量%~約55重量%の範囲の負荷量で分散されている組成物である。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、該組成物は、前記組成物中の前記金属酸化物ナノ粒子が、約30重量%~約55重量%の範囲の負荷量で分散されている組成物である。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、該組成物は、前記組成物中の前記金属酸化物ナノ粒子が、約40重量%~約55重量%の範囲の負荷量で分散されている組成物である。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、該組成物は、前記組成物中の前記金属酸化物ナノ粒子が、約45重量%~約55重量%の範囲の負荷量で分散されている組成物である。
【0126】
本発明のこの観点の他の態様の一つでは、該組成物は、前記組成物中の前記金属酸化物ナノ粒子が、約45重量%~約50重量%の範囲の負荷量で分散されている組成物である。
【0127】
本発明の組成物の一つの態様では、該組成物は、約5重量%~約20重量%の金属酸化物ナノ粒子成分を含んでよい。この態様の他の観点の一つでは、該組成物は約6重量%~約18重量%の金属酸化物ナノ粒子成分を含んでよい。この態様の更に別の態様の一つでは、該組成物は約6重量%~約16重量%の金属酸化物ナノ粒子成分を含んでよい。この態様の更に別の態様の一つでは、該組成物は約6重量%~約15重量%の金属酸化物ナノ粒子成分を含んでよい。更に別の態様の一つでは、該組成物は約7重量%~約15重量%の金属酸化物ナノ粒子成分を含んでよい。更に別の態様の一つでは、該組成物は約7重量%~約14重量%の金属酸化物ナノ粒子成分を含んでよい。前記の全ての態様において、溶剤、高炭素ポリマー成分(複数可)、任意選択の添加剤、及び金属ナノ粒子の合計は100重量%を超えてはならない。更に、前記の態様において、一種超(すなわち二種以上)のナノ粒子が該組成物中に存在してよく、この場合、ナノ粒子の前記の重量%組成は、存在するこれらの全ての異なるタイプのナノ粒子の全重量%を表すことも想定内である。
【0128】
本発明の組成物の一つの態様では、該組成物は、約1重量%~約20重量%の高炭素ポリマー成分を含んでよい。この態様の他の観点の一つでは、該組成物は、約2重量%~約15重量%の高炭素ポリマー成分を含んでよい。この態様の更に別の観点の一つでは、該組成物は、約4重量%~約12重量%の高炭素ポリマー成分を含んでよい。この態様のなお更に別の観点の一つでは、該組成物は、約6重量%~約12重量%の高炭素ポリマー成分を含んでよい。前記の全ての態様において、溶剤、高炭素ポリマー成分(複数可)、任意選択の添加剤、及び金属ナノ粒子の合計は100重量%を超えてはならない。更に、構造(1)、(2)または(3)を有する具体的な繰り返し単位の異なる比率及び/または異なる種を持つ、構造(1)、(2)及び(3)(すなわち、繰り返し単位A、B及びC)から構成される一種超(すなわち二種以上)の高炭素ポリマーが該組成物中に存在することができ、この場合、ナノ粒子の前記重量%組成は、存在するこれらの全ての異なるタイプのナノ粒子の全重量%を表すことも想定内である。
【0129】
本発明による組成物の一つの態様では、金属ナノ粒子成分と高炭素ポリマーとの組成の重量比は約50:50~約90:1であってよい。一つの観点では、前記比率は約60:40であってよい。他の観点の一つでは、前記比率は約70:30であってよい。他の観点の一つでは、前記比率は約80:20であってよい。他の観点の一つでは、前記比率は約90:10であってよい。他の観点の一つでは、前記比率は約10:1~約1:2であってよい。他の観点の一つでは、前記比率は約10:1~約1:1であってよい。この態様の他の観点の一つでは、前記重量比は約8:2~約1:2であってよい。この態様の更に別の観点の一つでは、前記重量比は約7:3~約1:2であってよい。この態様の更に別の観点の一つでは、前記重量比は約7:3~約1:1であってよい。この態様の更に別の観点の一つでは、前記重量比は約7:3であってよい。この態様の更に別の観点の一つでは、前記重量比は約1:1であってよい。前記の全ての態様において、溶剤、高炭素ポリマー成分(複数可)、任意選択の添加剤、及び金属ナノ粒子の合計は100重量%を超えてはならない。更に、前記の態様において、該組成物が一種超の金属酸化物ナノ粒子及び/または(構造(1)、(2)及び(3)から構成される)一種超の高炭素ポリマー成分を含む場合には、前記の比率の範囲は、組成物中の異なる金属ナノ粒子の全重量と、構造(1)、(2)または(3)を有する具体的な繰り返し単位の異なる比率及び/または異なる種を有する構造(1)、(2)及び(3)から構成される異なる前記の高炭素ポリマーの全重量との重量比に関し、この場合、ナノ粒子の前記の重量%組成は、存在する全ての異なるタイプのナノ粒子の全重量%を表す。
【0130】
本発明の組成物の一つの態様では、該組成物中での、溶剤(複数可)の他の全成分の合計の重量%は、約5重量%~約30重量%の範囲であってよい。この態様の他の観点の一つでは、溶剤中の成分の重量%は、約10重量%~約30重量%の範囲であってよい。この態様の更に別の観点の一つでは、前記溶剤中の成分の重量%は約12重量%~約25重量%の範囲であってよい。この態様のなお更に別の観点の一つでは、前記溶剤中の成分の重量%は約15重量%~約20重量%の範囲であってよい。
【0131】
本発明による組成物の一つの態様では、該高炭素ポリマー成分は約6重量%~約12重量%の範囲であり、金属酸化物ナノ粒子は約15重量%~約20重量%であり、重量比は約7:3~約1:1であってよく、そして溶剤中の全成分の重量%は約15重量%~約20重量%の範囲である。
【0132】
該新規組成物は、追加的に他の添加剤、例えば有機酸、エステル、熱酸発生剤、光酸発生剤、界面活性剤、他の高炭素含有ポリマーなどを含んでよい、該組成物は、追加的なポリマー、特に高炭素含有率を有するポリマーを含んでよい。該新規組成物の固形の任意成分は、先に記載したような一種以上の有機溶剤を含む有機コーティング溶剤組成物中に溶解する。
【0133】
該新規組成物の一つの態様では、該組成物は、金属酸化物ナノ粒子成分、高炭素ポリマー成分及び溶剤の他に、界面活性剤を更に含む。この態様の一つの観点では、前記界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される。
【0134】
該組成物が界面活性剤を含む一つの具体的な態様では、この界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル及びポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル; ポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル; ポリオキシ脂肪酸モノエステル; ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックポリマー; アセチレンアルコール; アセチレングリコール; アセチレンアルコールのポリエトキシレート; アセチレングリコールのポリエトキシレートなどのアセチレングリコール誘導体; Fluorad(商品名、Sumitomo 3M Ltd.製)、MEGAFACE(商品名、DIC Corporation製)、例えばMegaface:R-2011(フッ素化ポリマー)、R-40:(含フッ素基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、ノニオン性、液状)、R-41(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、ノニオン性、液状)、R43:(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、ノニオン性、液状)、MFS-344:(含フッ素基・親油性基含有オリゴマー、ノニオン性、液状)などのフッ素含有界面活性剤である。他のノニオン性界面活性剤には、Surufuron(商品名、Asahi Glass Co.,Ltd.製); 及びオルガノシロキサン系界面活性剤、例えばKP341(商品名、Shin-Etsu Chemical Co.,Ltd.製)などが挙げられる。前記のアセチレングリコールの例には、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール及び2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールなどが挙げられる。一つの具体的な態様では、前記界面活性剤は、フルオロシリコーンで変性されたノニオン性界面活性剤である。
【0135】
該組成物が界面活性剤を含みかつこの界面活性剤がアニオン性界面活性剤である一つの具体的な態様では、このアニオン性界面活性剤は、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩; アルキルジフェニルエーテルスルホン酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩; アルキルベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩; ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩; 及びアルキル硫酸のアンモニウム塩及び有機アミン塩から選択し得るアニオン性界面活性剤から選択される。
【0136】
該組成物が界面活性剤を含みかつこの界面活性剤が両性界面活性剤である一つの具体的な態様では、両性界面活性剤の例には、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン及びラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホンベタインなどが挙げられる。
【0137】
該新規組成物が界面活性剤を含む前記の態様において、これらの界面活性剤は、個々に使用し得るか、あるいはこれらの二種以上を組み合わせて使用してよく、それらのブレンド比は、該組成物の全重量に対して通常は50~5,000ppm、好ましくは100~2,000ppmである。
【0138】
本発明の新規組成物は架橋剤を更に含んでよい。典型的には、前記架橋剤は、求電子物質として作用できそして単独でまたは酸の存在下にカルボカチオンを形成することができる化合物である。それ故、アルコール、エーテル、エステル、オレフィン、メトキシメチルアミノ、メトキシメチルフェニル及び複数の官能基を含む他の分子などの基を含む化合物が、該ポリマーと架橋することができる。ポリマー性架橋剤、例えばUS7,691,556(特許文献10)に開示されるようなグリコールウリル、メラミンなどのポリマーを使用し得る。架橋剤であることができる化合物の例は、1,3アダマンタンジオール、1,3,5アダマンタントリオール、多官能性反応性ベンジル系化合物、構造(19)のテトラメトキシメチル-ビスフェノール(TMON-BP)、アミノプラスト架橋剤、グリコールウリル類、サイメル類、パウダーリンク類などである。
【0139】
【化15】
【0140】
該新規組成物は、酸発生剤、任意選択的に及び架橋剤も含んでよい。前記酸発生剤は、加熱時に強酸を生成することができる熱酸発生剤であることができる。本発明で使用される熱酸発生剤(TAG)は、ポリマーと反応でき、そしてこのポリマーと、それ自体との、任意の架橋剤との及び/または該組成物中に存在するナノ粒子との架橋を伝播できる酸を加熱時に発生する任意の一種以上のものであってよい。特に好ましいものは、スルホン酸類などの強酸である。好ましくは、熱酸発生剤は90℃超、より好ましくは120℃超、更により好ましくは150℃超の温度で活性化される。熱酸発生剤の例には、金属不含スルホニウム塩及びヨードニウム塩、例えば強非求核性酸のトリアリールスルホニウム、ジアルキルアリールスルホニウム、及びジアリールアルキルスルホニウム塩、強非求核性酸のアルキルアリールヨードニウム、ジアリールヨードニウム塩; 及び強非求核性酸のアンモニウム、アルキルアンモニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアルキルアンモニウム、テトラアルキルアンモニウム塩である。また、共有結合型熱酸発生剤、例えばアルキルもしくはアリールスルホン酸の2-ニトロベンジルエステル、及び熱分解して遊離のスルホン酸類を与えるスルホン酸の他のエステルも有用な添加剤として想定される。例は、ジアリールヨードニウムパーフルオロアルキルスルホネート、ジアリールヨードニウムトリス(フルオロアルキルスルホニル)メチド、ジアリールヨードニウムビス(フルオロアルキルスルホニル)メチド、ジアリールヨードニウムビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、ジアリールヨードニウム第四級アンモニウムパーフルオロアルキルスルホネートである。不安定エステルの例:2-ニトロベンジルトシレート、2,4-ジニトロベンジルトシレート、2,6-ジニトロベンジルトシレート、4-ニトロベンジルトシレート; ベンゼンスルホネート類、例えば2-トリフルオロメチル-6-ニトロベンジル4-クロロベンゼンスルホネート、2-トリフルオロメチル-6-ニトロベンジル4-ニトロベンゼンスルホネート; フェノール系スルホネートエステル、例えばフェニル,4-メトキシベンゼンスルホネート; 第四級アンモニウムトリス(フルオロアルキルスルホニル)メチド、及び第四級アルキルアンモニウムビス(フルオロアルキルスルホニル)イミド、有機酸のアルキルアンモニウム塩、例えば10-カンフルスルホン酸のトリエチルアンモニウム塩。様々な芳香族系(アントラセン、ナフタレンまたはベンゼン誘導体)スルホン酸アミン塩を、TAGとして使用でき、これには、US3,474,054(特許文献11)、US4,200,729(特許文献12)、US4,251,665(特許文献13)及びUS5,187,019(特許文献14)に開示のものなどが挙げられる。好ましくは、前記TAGは、約170~約220℃の温度で非常に低い揮発性を有する。TAGの例は、Nacure及びCDXの名称でKing Industiresから販売されているものである。このようなTAGは、Nacure 5225及びCDX-2168Eであり、後者は、King Industries(Norwalk,Conn.06852,USA)から、プロピレングリコールメチルエーテル中で25~30%の活性で供給されるドデシルベンゼンスルホン酸アミン塩である。
【0141】
該新規組成物は、既知の光酸発生剤の少なくとも一種を更に含んでよく、これの例は、限定はされないが、オニウム塩、スルホネート化合物、ニトロベンジルエステル、トリアジン類などである。好ましい光酸発生剤は、オニウム塩及びヒドロキシイミドのスルホネートエステル、具体的にはジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、ジアルキルヨードニウム塩、トリアルキルスルホニウム塩、及びこれらの混合物である。これらの光酸発生剤は必ずしも光分解されず、熱分解されて酸を形成する。
【0142】
架橋剤は、該組成物中に使用される場合には、全固形物の約1重量%~約30重量%の割合で存在してよい。熱酸発生剤は、該ハードマスクコーティング組成物の全固形物の約0.1~約10重量%、好ましくは固形物の0.3~5重量%、より好ましくは固形物の0.5~2.5重量%の範囲で導入してよい。前記の全ての態様において、溶剤、金属ナノ粒子、高炭素ポリマー成分(複数可)、任意選択の添加剤、及び金属ナノ粒子の合計は100重量%を超えてはならない。
【0143】
該新規組成物は、第二の高炭素ポリマーを更に含んでよい。前記第二の高炭素ポリマーも、75重量%超または80重量%超の炭素含有率を有するものであることができる。前記第二のポリマーは、ここに記載のような縮合芳香族環A、フェニル部分Bを含む単位、及び二つ超の芳香族環を有する置換縮合芳香族環から選択される第三の単位を含んでよい。前記第三の単位は、ヒドロキシ基で置換された縮合芳香族類から選択してよい。前記第三の単位は、ヒドロキシアントラシル部分、ヒドロキシフェニル部分、ヒドロキシナフチル部分、ヒドロキシピレニル部分、C~Cアルコキシアントラシル部分、C~Cアルキルフェニル部分、C~Cアルキルナフチル部分、C~Cアルキルピレニル部分などから選択してよい。前記第三の単位は、ヒドロキシフェニル、ヒドロキシナフチル、ヒドロキシフェナントリル、ヒドロキシアントラシルなどから選択してよい。前記第三の単位はヒドロキシナフチル基であってよい。前記第二の高炭素ポリマーは、該組成物の全ポリマー濃度の1重量%~20重量%の範囲、または全ポリマー濃度の1%~10%の範囲で、該組成物に加えることができる。一つの態様では、前記第二のポリマーは、脂肪族環状多環式基を含まない。他の態様の一つでは、前記第二のポリマーは、脂肪族環状多環式基を含まず、そして前記第三の単位はヒドロキシナフチル基である。前記の全ての態様において、これらの任意成分と、溶剤、金属ナノ粒子、高炭素ポリマー成分(複数可)、任意選択の添加剤、及び金属ナノ粒子との合計は100重量%を超えてはならない。
【0144】
一つの態様では、該新規組成物は、金属ナノ粒子、構造(1)、(2)及び(3)を含む高炭素ポリマー(複数可)、ここに記載の第二の異なるタイプの高炭素ポリマー、架橋剤、熱酸発生剤、任意選択の界面活性剤及び溶剤(複数可)を含む。該新規組成物の他の態様の一つは、金属ナノ粒子、構造(1)、(2)及び(3)を含むポリマー(複数可)、架橋剤、熱酸発生剤、任意選択の界面活性剤及び溶剤(複数可)を含む。
【0145】
該新規コーティング組成物は、当業者には周知の技術、例えばディップコート法、スピンコート法またはスプレーコート法を用いて基材上にコーティングされる。該ハードマスクコーティング組成物のフィルム厚は約15nm~約400nmの範囲である。コーティングは、ホットプレートまたは熱対流炉で十分な長さの時間にわたって加熱して残留溶剤を除去し、架橋を誘発することにより、ハードマスクコーティング組成物を不溶化して、反射防止コーティング及びその上にコーティングされる層の相互混合を防ぐ。この態様の他の観点の一つでは、該組成物のコーティングは、約150℃~400℃であってよい単一の温度で加熱してよい。この態様の他の観点の一つでは、該組成物のコーティングは、約350℃~400℃であってよい単一の温度で加熱してよい。
【0146】
この組成物を使用する一つの態様では、該コーティングは、単一のステップ、複数のステップで、及び温度が一つの温度から他の温度にダイナミックに変化する(例えば150℃から400℃)単一ステップでも、加熱することができる。
【0147】
本発明による組成物によって充填されるビアなどのトポグラフィを生成するために、フォトレジストを使用し得る。代替的に、本発明による組成物によって充填されるべき図形、例えばビアを含むトポグラフィを生成するために、フォトレジストを使用し得る。これは、パターン化されたフォトレジストをマスクとして使用して、このトポグラフィを基材(例えばSi、SiO2など)自体にまたは他の層(例えばスピンオンカーボン(SOC)などの高炭素ポリマーコーティング)にパターン転写することによって行われる。レジスト画像のこのパターン転写は、プラズマまたは化学的エッチングのいずれかを用いて行われる。
【0148】
該新規組成物をパターン化または未パターン化上にコーティングする場合。コーティングステップの後は、基材の縁を清浄するために当技術分野で周知の方法を用いてエッジビードリムーバを施用してよい。
【0149】
該新規ハードマスク組成物を上面にコーティングできるパターン化もしくは未パターン化基材は、半導体工業に典型的に使用されるもののうち任意のものであることができる。適当な基材には、限定はされないが、フォトレジスト、低誘電率材料、ケイ素、金属表面でコーティングされたケイ素基材、銅でコーティングされたケイ素ウェハ、銅、アルミニウム、ポリマー性樹脂、二酸化ケイ素、金属、ドープした二酸化ケイ素、窒化ケイ素、タンタル、ポリシリコン、セラミック、アルミニウム/銅混合物; ヒ化ガリウム及び他のこのような第III/V族化合物などが挙げられる。基材は、前記の材料からできた任意数の層を含んでよい。
【0150】
フォトレジストは、半導体工業において使用される任意のタイプのものであることができ、但し、フォトレジスト及び反射防止コーティング中の光活性化合物が、画像形成工程に使用される暴露波長において実質的に吸収を示すことが条件である。
【0151】
現在まで、微細化に大きな進展をもたらした幾つかの主要な深紫外線(uv)暴露技術があり、これらは248nm、193nm、157nm及び13.5nmの放射線である。248nm用のフォトレジストは、典型的には、置換されたポリヒドロキシスチレン及びそれのコポリマー/オニウム塩、例えばUS4,491,628(特許文献15)及びUS5,350,660(特許文献16)に記載のものなどをベースとしてきた。他方で、193nm及び157nm暴露用のフォトレジストは、芳香族類がこの波長で不透明なために非芳香族系のポリマーを必要とする。US5,843,624(特許文献17)及びUS6,866,984(特許文献18)は193nm暴露用に有用なフォトレジストを開示している。一般的に、脂環式炭化水素を含有するポリマーは、200nm未満の暴露用のフォトレジストに使用される。脂環式炭化水素は多くの理由からポリマーに組み入れられ、すなわち主には、これらが耐エッチング性を向上する比較的高い炭素:水素比を有し、また低波長で透明性を供し、及び比較的高いガラス転移温度を有するからである。US5,843,624(特許文献17)は、無水マレイン酸と不飽和環状モノマーとのフリーラジカル重合によって得られる、フォトレジスト用のポリマーを開示している。US6,447,980(特許文献19)及びUS6,723,488(特許文献20)に記載されているものなどの既知のタイプの193nmフォトレジストのいずれも使用でき、これらの特許文献の内容は本明細書中に掲載されたものとする。フルオロアルコール側基を有するフッ素化ポリマーをベースとし157nmに感度を示す二つの基本的な部類のフォトレジストが、この波長で実質的に透明であることが知られている。一つの部類の157nmフルオロアルコールフォトレジストは、フッ素化ノルボルネンなどの基を含有するポリマーから誘導され、金属触媒重合またはラジカル重合のいずれかを用いて単重合されるかまたは他の透明なモノマー、例えばテトラフルオロエチレンと共重合される(US6,790,587(特許文献21)及びUS6,849,377(特許文献22))。一般的に、これらの材料はより高い吸光性を与えるが、それらの高い脂環式類含有率の故に良好なプラズマエッチング耐性を持つ。より最近では、1,1,2,3,3-ペンタフルオロ-4-トリフルオロメチル-4-ヒドロキシ-1,6-ヘプタジエンなどの非対称ジエンの環状重合(US6,818,258(特許文献23))またはフルオロジエンとオレフィンとの共重合(US6,916,590(特許文献24))から誘導されたポリマー主鎖を有する別の部類の157nmフルオロアルコールポリマーが開示された。これらの材料は157nmで許容可能な吸光性を与えるが、前記のフルオロ-ノルボルネンポリマーと比べてそれらのより低い脂環式類含有率の故に、プラズマエッチング耐性に劣る。これらの二つの部類のポリマーは、最初のポリマー種の高い耐エッチング性と後の方のポリマー種の157nmでの高い透明性との間でバランスを図るためにしばしばブレンドすることができる。13.5nmの極端紫外線(EUV)を吸収するフォトレジストも有用であり、当技術分野において既知である。該新規コーティングは、ナノインプリンティング及び電子線リソグラフィで使用することもできる。
【0152】
このコーティングプロセスの後、フォトレジストをマスクを用いて像様暴露(露光)する。露光は、典型的な露光装置を用いて行うことができる。露光波長源の例は248nm及び193nmであるが、任意の源を使用してよい。露光されたフォトレジストを次いで水性現像剤中で現像して、処理されたフォトレジストを除去する。現像剤は、好ましくは、水性アルカリ性溶液、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を含む水性アルカリ性溶液である。現像剤の例は、0.26N水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)溶液である。現像剤は、界面活性剤(複数可)を更に含んでよい。任意選択の加熱ステップを、現像の前及び露光の後にプロセスに組み入れることができる。
【0153】
フォトレジストをコーティング及び画像形成する方法は当業者には周知であり、使用される特定のタイプのフォトレジストに最適化される。次いで、パターン化された基材を、適当なエッチングチャンバ中でエッチングガスまたはガスの混合物でドライエッチングして、反射防止フィルムの露光された部分または反射防止コーティングの複数の層の露光された部分を除去することができ、この際、残っているフォトレジストはエッチングマスクとして働く。有機反射防止コーティングをエッチングのための様々なエッチングガスが当技術分野で既知であり、例えばO、CF、CHF、Cl、HBr、SO、COなどを含むものがある。
【0154】
本発明の他の観点の一つは、該新規ハードマスクフィルムで保護されていない領域のパターンをフッ素プラズマでエッチングすることによって、画像を基材中にパターン転写できるように、該新規ハードマスク組成物のパターン化されたフィルムをエッチングバリアとして使用することによって、該新規ハードマスク組成物を用いてパターンを半導体基材中に転写する方法にある。これは、例えば二つの異なる方法によって行うことができる。これらのうちの一つは、図1に例示するようなトーン反転式方法であり、この方法では、例えば該新規組成物がビア充填材料として機能し、次いでこの充填された中空トポグラフィ図形をハードマスクとして使用することによって、該新規組成物を一連のステップを介して中空のトポグラフィ中に選択的に配置する。これらの新規ハードマスク組成物を用いた他の方法は、直接式ハードマスク方法であり、この場合は、該新規ハードマスク組成物の、ハードマスクとして働くパターン化されたフィルムを作成する。これは、例えば図2に示されるように、一連のステップで、上を覆うフォトレジストパターンを使用して金属ハードマスクを形成することによって行われる。この方法でも、最終ステップは、フッ素プラズマまたは半導体基材をエッチングできる他のタイプのプラズマを用いた半導体基材(例えばケイ素、Ge、GaAs及び類似物)への金属ハードマスクのパターン転写である。
【0155】
いずれの方法においても、最初の二つのステップは、該新規ハードマスク材料をコーティングしてフィルムを形成しそしてこのフィルムをベークすることによって、基材上に該新規ハードマスク組成物のフィルムを生成することである。トーン反転式方法では、半導体材料の上面を覆う、酸素プラズマでエッチング可能なパターン化された有機ポリマーが基材である。直接式ハードマスク法では、基材は半導体材料である。
【0156】
これらの最初の二つのステップは次の通りである:
a) これは、該新規ハードマスク組成物を基材上にコーティングして、このハードマスクのフィルムを形成することから構成されるステップである。
b) これは、フィルムをベークして溶剤を除去し及び/またはフィルムを架橋することから構成されるステップである。
【0157】
ステップa)の該新規ハードマスク組成物のコーティングプロセスでは、これは、有機ポリマーまたは樹脂を溶液から基材上にコーティングするのに適した任意の方法、例えば半導体基材上にフォトレジストをコーティングするのに使用されるような方法によって行うことができる。ベークステップb)におけるこのプロセスの一つの態様では、該ハードマスク組成物のフィルムは、約100℃~約500℃であってよい温度でベークすることができる。他の態様の一つでは、この温度は、約150℃~約400℃であってよい。これらの態様の一つの観点では、このベークは、約30分間から6分間の範囲の時間、単一のステップで行うことができる。このベークプロセスの他の観点の一つでは、該ベークは、約1分間から約2分間行ってよい。このベークプロセスの更に別の観点の一つでは、該ベークは、約1分間行ってよい。
【0158】
更に別の態様の一つでは、ベークステップb)は、単一の異なる温度での二つのベークステップb1)及びb2)で行ってよい。この態様において、ベークステップb1)では、ベークは、約100℃~約270℃から、または他の態様では約200℃~約275℃から選択される温度で行ってよく、そしてベークステップb2)は、約350℃~約500℃からの温度選択で行われる。他の態様の一つでは、ステップb1)は約250℃であり、そしてステップb2)は約400℃である。これらの態様の一つの観点では、両ベークは、約0.5~約6分間、または約1分間~約2分間、または約1分間、行われる。
【0159】
本発明の他の観点の一つでは、該新規ハードマスク組成物フィルムの高い熱安定性の故に、ステップb)(またはb1)もしくはb2))におけるベーク(複数可)は、高温でかなりより長い時間で行ってよく、例えばハードマスク特性を劣化させることなく約1~約3時間行うことができる。この高い耐熱性は、比較的高温下での長いベークが要求される場合に有用である、というのも、半導体基材中への該新規ハードマスクフィルムの画定された領域の最終のパターン転写の前に生じるこれらの過酷な条件を必要とする別個の並行な半導体プロセス(例えば気相堆積)が行われているからである。この場合、ステップb1)は約0.5~約2分間行ってよく、ベークステップb2)は約1~約3時間行ってよい。これの他の観点の一つでは、ステップb1)は約1行われ、前記ベークステップ2)は約2時間行われる。本発明の他の観点の一つでは、ベークステップb1)は約1分間行われる。本発明の他の観点の一つでは、ベークステップb2)は約2時間行われる。これらのベークの温度は上述した通りである。
【0160】
金属酸化物ナノ粒子と高炭素ポリマーとのブレンドを用いたハードマスクトーン反転式方法
この方法の一つの観点では、該新規ハードマスクコーティングがトーン反転用途に使用される。具体的には、この方法は、先に記載したような該新規ハードマスクのコーティング及びベークを含むが、この場合、基材は、ビアまたはトレンチなどの充填することができるトポグラフィ図形を含むパターン化された基材である。ベークステップb)は、先に記載したように、単一のベークまたは二つのベークステップb1)及びb2)であることができる。これらのトポグラフィ図形は、有機材料フィルム、例えば半導体基材(例えばケイ素)上にコーティングされたパターン化されたポリマー、パターン化されたレジストまたはパターン化されたスピンオンカーボン層中のパターン中にあることができ、ここで前記有機フィルム材料は酸素プラズマでエッチング可能なものである。この場合、コーティングステップa及びbの間、ハードマスクコーティングのコーティングは、前記のトポグラフィ(例えばビア及び/またはトレンチ)を覆うのに十分に厚いものであり、及びこの方法はステップc)を更に含む:
c) このステップは、パターン化された基材の上面を覆う該組成物(言い換えればハードマスクフィルム)を化学的ストリッパまたはフッ素化プラズマエッチングで除去することを含む。この方法の一つの態様では、ビアなどの前記トポグラフィ図形は、ケイ素基材の上面を覆うパターン化されたスピンオンカーボン層中にある。この方法の更に別の観点では、前記ステップcの後に、該方法はステップd)を更に含む:
d) このステップは、パターン化された有機ポリマー(例えば、パターン化されたスピンオンカーボン、パターン化されたレジストまたは他のパターン化された有機ポリマーコーティング)を酸素プラズマで除去して、残留したパターン化されたハードマスクフィルムから構成される、元のパターン化されたフォトレジストのネガトーン画像を形成することを含む。
この方法の更に別の観点では、前記ステップd)の後に、該方法は次のステップを更に含む:
e) このステップは、残留したパターン化された金属ハードマスクフィルムをエッチングバリアとして使用し、そしてフッ素化プラズマを用いて半導体基材中にエッチングすることから構成される。
【0161】
図1は、パターン化された有機コーティングが、パターン化されたフィルムなどのパターン化されたスピンオンカーボンフィルムであるトーン反転式プロセスを例示する。このようなパターン化されたスピンオンカーボンフィルムの調製は、スピンオンカーボンフィルムでフォトレジストを覆うなどの標準的なリソグラフィプロセスを用いて、及びフォトレジスト中に生成されたパターンを使用し、及び下にあるスピンオンカーボンフィルム中にこれをプラズマを用いてパターン転写することによって行い得る。
【0162】
トーン反転式方法の一つの観点では、前記のトポグラフィ図形(例えば、パターン化されたスピンオンカーボン中のトポグラフィ図形)は、1:1~10:1のアスペクト比を有する。本発明のこの観点の他の態様の一つでは、図形は1:1~10:1のアスペクト比を有し、そして微少寸法(critical dimension,CD)が約10nm~約100nmの範囲であるものから選択してよい。
【0163】
金属酸化物ナノ粒子と高炭素ポリマーとのブレンドであるコーティングに基づく直接式ハードマスク方法
本発明による他の方法の一つである直接式ハードマスク方法では、慣用のフォトレジストパターン転写プロセスを用いて、金属酸化物ナノ粒子及び高炭素ポリマーを含む該新規組成物のコーティングフィルム中にパターンを形成してパターン化されたハードマスクを形成し、次いでこのハードマスクパターンを、下にある半導体基材(例えばケイ素)中に転写することによって、ハードマスクコーティングパターンを生成し、ここで前記方法は、次のステップa3)~h3)を含む:
a3) これは、該新規金属ハードマスクを半導体基材(例えばケイ素)上にコーティングしてハードマスクフィルムを形成し、そしてステップa)について先に記載したように行われるステップである。
b3) これは、該新規ハードマスク組成物のコーティングされたハードマスクフィルムをベークするステップである。このベークステップは、単一のベークとしてまたは二つのステップで行ってよく、そしてb)、b1’)及びb2’)について先に記載したような前記の温度及びベーク時間範囲で行ってよい。
c3) これは、底面反射防止コーティングが、ハードマスクフィルムの上面にコーティングされるステップであり、該底面反射防止コーティング(BARC)のコーティングも、溶剤を除去するため及び/またはBARCを硬化するためにベークを必要とし得る。
d3) これは、フォトレジストを、該新規ハードマスク組成物フィルムを覆う前記BARCの上面にコーティングするステップである。
e3) これは、BARCの上面にレジストをコーティングするステップ、場合によりレジストをベークして溶剤を除去するステップ、フォトレジストを、それが感度を示す放射線(例えばi線、g線、ブロードバンドUV、248nm、193nm、または極端紫外線(EUV)、電子線など)に暴露し、レジストを現像し(例えば、水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、それによってBARCフィルムを覆うレジスト中にパターンを形成するステップから構成されるステップである。
f3) これは、フッ素化プラズマを用いて、ハードマスクフィルムに至るまで、該新規ハードマスク組成物フィルムを覆う(レジストパターンによって保護されていない)BARCフィルム中をエッチングするステップから構成されるステップである。このステップは、上面を覆うレジストによって保護されていない領域において裸のハードマスクフィルムの領域と、ハードマスクフィルムがBARC及びフォトレジストのフィルムでなおも保護されている領域とを残す。
g3) これは、塩素プラズマまたは他の適当なプラズマを用いて、半導体基材(例えばケイ素)に至るまで、底面反射防止コーティング及びフォトレジストで保護されていないハードマスクフィルム中をエッチングして、パターン化されたハードマスクフィルムを形成するステップである。
h3) これは、パターン化された金属ハードフィルムをエッチングマスクとして使用することによって、プラズマ(例えば塩素または他の適当なプラズマ)を用いて、被覆されていない半導体(例えばケイ素)の領域中にエッチングして、レジストの元のパターンを半導体基材中に転写することから構成されるステップである。
【0164】
この直接式ハードマスク法の一つの観点では、ベークb3)は、一つのステップで及び約100℃~約500℃ベークの単一の選択された温度で、約0.5~約6分間の範囲の時間、行ってよい。他の観点の一つでは、この温度範囲は約150℃~約400℃であってよい。
【0165】
この直接式ハードマスク法の他の観点の一つでは、ステップb3において、前記の範囲のいずれかから選択される単一の温度でのフィルムのベークは、二つのベークステップb1’)及びb2’)で行う。ベークステップb1’)では、ベークは、約100℃~約275℃または他の態様の一つでは約200℃~約275℃から選択される単一の温度で行ってよく、そしてベークステップb2’)は、約350℃~約500℃から選択される単一の温度で行ってよい。このトーン反転式方法のなお更に別の観点の一つでは、前記のベークステップb1)は約250℃であってよく、前記ベークステップb2’)は約400℃である。
【0166】
前記のトーン反転式方法の更に別の観点の一つでは、前記ベークステップb1’)は約0.5~約2分間行われ、そして前記ベークステップb2’)は約1~約3時間行われる。この発明の他の観点の一つでは、ベークステップb1’)は約1分間行われ、そして前記ベークステップb2’)は約2時間行われる。ハードマスク施与方法の他の観点の一つでは、ベークステップb1)は約1分間行われる。この直接式ハードマスク方法の他の観点の一つでは、ベークステップb2’)は約2時間行われる。ハードマスク施与方法の一つの観点では、前記フォトレジストパターンはビアであり、1~10の範囲のアスペクト比を有する。本発明の他の観点の一つでは、これらは、1~10のアスペクト比を有し、そして直径サイズが約10nm~約100nmの範囲のものから選択してよい。
【0167】
図2は、該新規ハードマスク組成物を用いた直接式ハードマスク方法を例示するものであり、この方法では、レジスト及びBARCの両方を使用して、ケイ素半導体基材上にパターン化されたハードマスクを形成する。このパターン化されたハードマスクを使用して、ハードマスクで保護されていない領域のケイ素基材をフッ素プラズマで選択的にエッチングする。図2では、ケイ素基材上にコーティングされた該新規ハード組成物のフィルムを覆うBARCのフィルム上のパターン化されたレジストからなる上面の初期画像を、前記のステップa3)~e3)によって生成した。この図の残部は、上述のようにケイ素基材中に最終のエッチングされたパターンを形成するために使用するステップf3)~h3)を示す。
【0168】
金属酸化物ナノ粒子のコーティングをベースとする直接式ハードマスク方法
他の本発明による方法の一つである直接式ハードマスク方法では、慣用のフォトレジストパターン転写プロセスを用いて、金属酸化物ナノ粒子のコーティング中にパターンを形成してパターン化されたハードマスクを形成し、次いでこのハードマスクパターンを、下にある半導体基材(例えばケイ素)中に転写することによって、該新規ハードマスクコーティングを生成し、ここで前記方法は、次のステップa4)~h4)を含む:
a4) これは、金属酸化物ナノ粒子及びスピンコーティング溶剤を含む組成物を半導体基材(例えばケイ素)上にコーティングしてハードマスクフィルムを形成するステップであり、そしてステップa)について先に記載したように行われる。
b4) これは、金属酸化物ナノ粒子組成物のコーティングされたハードマスクフィルムをベークするステップである。このベークステップは、単一のベークとしてまたは二つのステップで行ってよく、そしてb)、b1’’)及びb2’’)について先に記載したような前記の温度及びベーク時間範囲で行ってよい。
c4) これは、底面反射防止コーティングが、金属酸化物ナノ粒子ハードマスクフィルムの上面にコーティングされるステップであり、該底面反射防止コーティング(BARC)のコーティングも、溶剤を除去するため及び/またはBARCを硬化するためにベークを必要とし得る。
d4) これは、フォトレジストを、金属酸化物ナノ粒子ハードマスクフィルムを覆う前記BARCの上面にコーティングするステップである。
e4) これは、BARC上にレジストをコーティングし、任意選択的にこのレジストをベークして溶剤を除去し、このフォトレジストを、それが感度を示す放射線(例えばi線、g線、ブロードバンドUV、248nm、193nm、または極端紫外線(EUV)、電子線及び類似の放射線)に暴露し、このレジストを現像し(例えば、水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)、それによってBARCフィルムを覆うレジスト中にパターンを形成することから構成されるステップである。
f4) これは、フッ素化プラズマを用いて、ハードマスクフィルムに至るまで、金属酸化物ナノ粒子フィルムを覆う(レジストパターンによって保護されていない)BARCフィルム中をエッチングするステップから構成されるステップである。このステップは、上面を覆うレジストによって保護されていない領域において裸のハードマスクフィルムの領域と、ハードマスクフィルムがBARC及びフォトレジストのフィルムでなおも保護されている領域とを残す。
g4) これは、塩素プラズマまたは他の適当なプラズマを用いて、半導体基材(例えばケイ素)に至るまで、底面反射防止コーティング及びフォトレジストで保護されていない金属酸化物ナノ粒子ハードマスクフィルム中をエッチングして、パターン化されたハードマスクフィルムを形成するステップである。
h4) これは、パターン化された金属酸化物ハードマスクフィルムをエッチングマスクとして使用することによって、プラズマ(例えば塩素または他の適当なプラズマ)を用いて、被覆されていない半導体(例えばケイ素)の領域中にエッチングして、レジストの元のパターンを半導体基材中に転写することから構成されるステップである。
【0169】
この直接式ハードマスク方法の一つの観点では、ベークb4)は、一つのステップで及び約100℃~約500℃ベークの単一の選択された温度で、約0.5~約6分間の範囲の時間、行ってよい。他の観点の一つでは、この温度範囲は約150℃~約400℃であってよい。
【0170】
この直接式ハードマスク方法の他の観点の一つでは、ステップb4において、前記の範囲のいずれかから選択される単一の温度でのフィルムのベークは、二つのベークステップb1’’)及びb2’’)で行う。ベークステップb1’’)では、ベークは、約100℃~約275℃または他の態様の一つでは約200℃~約275℃から選択される単一の温度で行ってよく、そしてベークステップb2’’)は、約350℃~約500℃から選択される単一の温度で行ってよい。このトーン反転式方法のなお更に別の観点の一つでは、前記のベークステップb1’’)は約250℃であってよく、前記ベークステップb2’’)は約400℃である。
【0171】
前記のトーン反転式方法の更に別の観点では、前記ベークステップb1’’)は約0.5~約2分間行われ、そして前記ベークステップb2’’)は約1~約3時間行われる。この発明の他の観点の一つでは、ベークステップb1’’)は約1分間行われ、そして前記ベークステップb2’’)は約2時間行われる。本発明の他の観点の一つでは、ベークステップb1’’)は約1分間行われる。この直接式ハードマスク方法の他の観点の一つでは、ベークステップb2’’)は約2時間行われる。ハードマスク施与方法の一つの観点では、前記フォトレジストパターンはビアであり、1~10のアスペクト比を有する。本発明の他の観点の一つでは、これらは、1~10のアスペクト比を有し、そして直径サイズが約10nm~約100nmの範囲のものから選択してよい。
【0172】
この方法では、金属酸化物ナノ粒子は、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化銅ナノ粒子、酸化第一銅ナノ粒子、酸化スズナノ粒子、酸化セリウムナノ粒子、酸化インジウムスズナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、酸化イットリウムナノ粒子、酸化ランタンナノ粒子及び酸化インジウムナノ粒子からなる群から選択される。
【0173】
前記方法の他の態様の一つでは、前記金属酸化物ナノ粒子は、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、及び酸化チタンナノ粒子からなる群から選択される。他の態様の一つでは、前記金属酸化物ナノ粒子は、酸化ジルコニウムナノ粒子である。他の態様の一つでは、前記金属酸化物ナノ粒子は、酸化ハフニウムナノ粒子である。他の態様の一つでは、前記金属酸化物ナノ粒子は、酸化チタンナノ粒子である。
【0174】
この方法の他の態様の一つでは、前記金属酸化物ナノ粒子は、約1nm~約100nmの直径を有するものである。この方法の他の態様の一つでは、前記ナノ粒子は、約5nm~約10nmの直径を有する。この方法の更に別の態様の一つでは、前記ナノ粒子は、約8.2nmの直径を有する。
【0175】
この方法で使用されるナノ粒子コーティング溶液のための有機溶剤は、金属酸化物ナノ粒子と高炭素ポリマーとのブレンドである組成物と使用される先に記載した溶剤であってよい。例えば、非限定的な例として、前記溶剤は、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル及びこれらの溶剤の混合物から選択し得る。
【0176】
この新規方法では、有機溶剤中のナノ粒子の溶液は、有機溶剤中で、約1重量%~約80重量%の金属酸化物ナノ粒子の組成範囲のものである。この態様の他の観点の一つでは、組成は、有機溶剤中で、約5重量%~約70重量%の範囲の金属酸化物ナノ粒子である。他の態様の一つでは、組成は、有機溶剤中で金属酸化物ナノ粒子が約10重量%~約60重量%の範囲である。他の態様の一つでは、組成は、有機溶剤中で金属酸化物ナノ粒子が約15重量%~約50重量%の範囲である。他の態様の一つでは、これは、有機溶剤中で金属酸化物ナノ粒子が約20重量%~約40重量%の範囲である。最終の態様では、組成は、有機溶剤中で金属酸化物ナノ粒子が約5重量%~約10重量%の範囲のものである。
【0177】
図3は、金属酸化物ナノ粒子のコーティングをベースとするハードマスクを用いた直接式ハードマスク方法を示すものであり、この場合、レジスト及びBARCの両方を使用して、ケイ素半導体基材上にパターン化されたハードマスクを形成する。このパターン化されたハードマスクを使用して、ハードマスクで保護されていない領域のケイ素基材を、フッ素プラズマを用いて選択的にエッチングする。図3では、ケイ素基材上にコーティングされた該新規ハード組成物のフィルムを覆うBARCのフィルム上のパターン化されたレジストからなる上面の初期画像を、前記のステップa4)~e4)によって生成した。この図の残部は、上述のようにケイ素基材中に最終のエッチングされたパターンを形成するために使用するステップf4)~h4)を示す。
【0178】
前記で触れた文献はそれぞれ、全ての目的に関してその内容の全てが本明細書に掲載されたものとする。以下の具体例は、本発明の組成物を製造及び利用する方法の詳細な例示を与えるものである。しかし、これらの例は、本発明の範囲を如何様にも限定もしくは減縮することを意図したものではなく、本発明を実施するために排他的に利用しなければならない条件、パラメータまたは値を教示するものと解釈するべきではない。
【実施例0179】
ポリマーの分子量Wtは、ゲル浸透クロマトグラフィに基づいて測定した。
【0180】
熱重量分析(TGA)を、Perking Elmer(Waltham,Ma,UDS)からのTGA7を用いて行った。
【0181】
化学品は次のように入手した:
ZrOナノ粒子(8.2nm)PCPB-2-50-PGA及びPCPA-2-50-PGAは、Pixelligent Technologies(Baltimore,MD,21224,USA)から得た。酸化ジルコニウムプロピオネートは、Gelest Inc.(Morrisville PA)から入手した。
【0182】
他の全ての化学品は、Sigma-Aldrich Corp(St.Louis,MO,USA)から得た。
【0183】
コーティング性、収縮の試験のための組成物のコーティングされたサンプルは、8インチケイ素ウェハを用いる場合は東京エレクトロン社(東京107-6325,日本国)製の「Clean Track ACT8)を使用して、または12インチのケイ素ウェハを用いる場合は東京エレクトン社の「Clean Track ACT12」を使用して行った。
【0184】
膜厚測定は、Nanometrics社(Milpitas,CA)製の「Nanometric Nanospec 9200」で行った。
【0185】
低ベーク温度についてのビア充填実験は、Solitec(Vienna,Austria)製の「Optitrac Resist Processing System」で行った。400℃のビア充填実験は、先に記載した「ACT12」で行った。
【0186】
コーティングまたはビア充填の品質のためのサンプルの検査は、日立社(日本国東京千代田区)製の「Hitachi 54700SEM」を用いて行った。SEM画像を使用して、コーティングが均一な膜厚であり及び平滑な表面を有したことを確認した。同様に、ビア充填サンプルのSEM画像を使用して、ビアが、空隙などの欠陥をもって適切に充填されたことを確認した。
【0187】
合成例1:2-フェニルフェノールジビニルベンゼン及び9-アントラセンメタノールのコポリマー
25gのシクロペンチルメチルエーテル(CPME)及び90gのジエチレングリコールジメチルエーテル(DEGME)中に溶解した、12.76g(0.075モル)の2-フェニルフェノール、15.62g(0.075モル)の9-アントラセンメタノール、9.76g(0.075モル)のジビニルベンゼンからなる溶液を調製し、そしてこの混合物を、オーバーヘッドメカニカルスターラ、凝縮器、温度計、ディーンシュタークトラップ及び窒素パージを備えた250mLの四つ首フラスコ中で5分間攪拌した。その後、1.14gのトリフルオロスルホン酸(モノマーの3重量%)を、攪拌された混合物に加え、そしてこれを更に5分間攪拌した。この攪拌された混合物の温度を次いで140℃に高めそして3時間加熱した。反応混合物を冷却しそしてこれを250mLのCPMEで希釈した後、これを分液漏斗に移し、そしてこれを2アリコート部の脱イオン(DI)水(2回、200mL)で洗浄した。ポリマーを、ヘキサン中に投入することによって析出させた。ポリマーを濾過し、洗浄しそして乾燥した。ポリマーをTHF中に溶解し、そしてヘキサンを用いて更に二度単離して、全てのモノマー及びオリゴマーを除去した。このプロセスは、原料から40%の完成ポリマーを生成した。ポリマーの重量平均分子量は1,859(Mw)であり、そして多分散性は1.40であった。
【0188】
例1 調合及びZrOナノ粒子コーティング:
PGMEA(PCPA)中のZrOナノ粒子分散液(50重量%(10.8g))を、49.2gのPGMEAに加えることによって、PGMEAで希釈して9重量%固形物含有率にした。十分に混合した後、この溶液をケイ素ウェハ上にスピンコートし、そして250℃で60秒間ベークした。このコーティングされたウェハは、XSEM写真によって良好なコーティング品質を示す。
【0189】
例2 調合及びZrOナノ粒子コーティング:
PGMEA(PCPA)中のZrOナノ粒子分散液(50重量%(10.8g))を、49.2gのPGMEAに加えることによって、PGMEAで希釈して9重量%固形物含有率にした。十分に混合した後、この溶液をケイ素ウェハ上にスピンコートし、そして350℃で60秒間ベークした。このコーティングされたウェハは、XSEM写真によって良好なコーティング品質を示す。
【0190】
例3 調合及びZrOナノ粒子コーティング:
PGMEA(PCPA)中のZrOナノ粒子分散液(50重量%(10.8g))を、49.2gのPGMEAに加えることによって、PGMEAで希釈して9重量%固形物含有率にした。十分に混合した後、この溶液をケイ素ウェハ上にスピンコートし、そして400℃で60秒間ベークした。このコーティングされたウェハは、XSEM写真によって良好なコーティング品質を示す。
【0191】
例4 ZrOナノ粒子コーティングの収縮:
PGMEA(PCPA)中のZrOナノ粒子分散液(50重量%(10.8g))を、49.2gのPGMEAに加えることによって、PGMEAで希釈して9重量%固形物含有率にした。十分に混合した後、この溶液をケイ素ウェハ上に1,500rpmでスピンコートし、そして400℃で60秒間ベークした。コーティングの結果は表1に示す。
【0192】
比較例1:収縮 酸化ジルコニウムプロピオネート:
酸化ジルコニウムプロピオネートを反応容器中に入れ、そして180mLのPGMEAを加えた。この調合物を一晩震盪した後、この溶液を0.2μmフィルタに通して濾過した。この溶液をケイ素ウェハ上に1,500rpmでスピンコートし、そして400℃で60秒間ベークした。例4と比較したコーティングの結果を表1に示す。
【0193】
【表1】
【0194】
表1は、ZrOナノ粒子分散液でコーティングされたサンプルが、ジルコニウム酸化物プロピオネートでコーティングされたサンプルと比べて、かなり少ない膜減りを与えることを示している。これは、Siなどの半導体中へのハードマスクパターン転写プロセスに有益であり、この場合、ハードマスクが、フォトレジスト、場合により及びBARCの下に敷設されており、比較的小さい収縮が、ハードマスクパターンの生成の際の加熱あるいは加工中の半導体上のどこか他の場所で起こり得る他の並行な加工の間の加熱のいずれかによって起こる、パターン転写に伴う全ての膜減りを減少することによって、フォトレジストを用いて生成したパターン化ハードマスクの歪みを減少する故に有益である。パターン化された金属酸化物ナノ粒子ハードマスクを用いたこのハードマスク転写プロセスの一例を図3に示す。
【0195】
例5 調合及びコーティングの評価 ナノ粒子:ポリマー重量比=7:3
合成例1のポリマー(1.5g)を、PGMEA(13.5g)中に溶解して10重量%溶液を形成し、これをPGMEA(PCPA)中の7gのナノ粒子分散液及び5gのPGMEAと混合した。この溶液は、18.52重量%の総固形物を含み、そのうち12.96重量%はナノ粒子成分に由来するものであり、そして5.56重量%は高炭素ポリマー成分に由来するものであり、この溶液中に、70/30のナノ粒子:ポリマーの重量比を与えた。十分に混合した後、この溶液をケイ素ウェハ上にスピンコートし、そして250℃で60秒間ベークした。このコーティングされたウェハは、XSEM写真によって良好なコーティング品質を示す。
【0196】
比較例2 調合及びビア充填性能評価:
合成例1の添加剤ポリマーを使用せずに例5を繰り返し、そして例6の通りのビア充填性能評価を、この調合物を用いて繰り返した。XSEMデータは、良好な充填を示さず、かつビア中に存在する多くの空隙を示した。
【0197】
例6 調合及びビア充填性能評価:
250nmの最終膜厚をターゲットとした例5の溶液を、ディープビア基材上に1500rpmのスピン速度でスピンコートした。使用したビアウェハは、70、80、90及び100nmのビアサイズを有する650nmのディープビアを有した。これらのビアは、1:1、1:1.4及び1:6のホール:スペース比をそれぞれ有する半緻密及び孤立パターンで間隔を開けて配置された。このコーティングされたウェハは次いで250℃/60秒でベークした。XSEMデータは、以下のSEM写真に示すように、孤立及び緻密領域の両方で優れたフィルムコーティング品質及び良好な充填性能を空隙無しで示した。
【0198】
例7 調合及びコーティング:
1.5gの合成例1ポリマーを、PGMEA(PCPB)中の7gのナノ粒子分散液及び16.5gのPGMEAと混合した。この溶液は、20.00重量%の総固形物を含み、そのうち14.00重量%はナノ粒子成分に由来するものであり、そして6.00重量%は高炭素ポリマー成分に由来するものであり、この溶液中に、70/30のナノ粒子:ポリマーの重量比を与えた。十分に混合した後、この溶液をケイ素ウェハ上にスピンコートし、そして250℃で60秒間ベークした。このコーティングされたウェハは、XSEM写真によって良好なコーティング品質を示す。
【0199】
例8 ビア充填性能評価:
250nmの最終膜厚をターゲットとした調合例7の溶液を、ディープビア基材上に1500rpmのスピン速度でスピンコートした。使用したビアウェハは、70、80、90及び100nmのビアサイズを有する650nmのディープビアを有した。これらのビアは、1:1、1:1.4及び1:6のホール:スペース比をそれぞれ有する半緻密及び孤立パターンで間隔を開けて配置された。このコーティングされたウェハは次いで250℃/60秒でベークした。XSEMデータは、以下のSEM写真に示すように、孤立及び緻密領域の両方で優れたフィルムコーティング品質及び良好な充填性能を空隙無しで示した。
【0200】
比較例3 調合及びビア充填性能評価:
調合7を、それに合成例1のポリマーを加えずに繰り返し、そして例8のコーティング実験をこの調合を用いて繰り返した。XSEMデータは、良好な充填を示さず、かつビア中に存在する多くの空隙を示した。
【0201】
例9 調合及びコーティング ナノ粒子:ポリマー重量比=1:1
2.5gの合成例1ポリマーを、PGMEA(PCPB)中の5gのナノ粒子分散液及び16.5gのPGMEAと混合した。この溶液(全重量24g)は、20.83重量%の総固形物を含み、そのうち10.42重量%はナノ粒子成分に由来するものであり、そして10.42重量%は合成例1の
高炭素ポリマー成分に由来するものであり、この溶液中に、十分な混合の後に、50:50のナノ粒子:ポリマーの重量比を与えた。20gのこの溶液を、6.7gのPGMEAで更に希釈して、15.61重量%の溶液を与え、そのうち7.80重量%はナノ粒子成分に由来し、そして7.80重量%はポリマーに由来するものであった。十分に混合した後、この溶液をケイ素ウェハ上にスピンコートし、そして250℃で60秒間ベークした。このコーティングされたウェハは、XSEM写真によって良好なコーティング品質を示す。
【0202】
例10 ビア充填性能評価 ナノ粒子:ポリマー重量比=1:1
250nmの最終膜厚をターゲットにした調合例9の溶液を、ディープビア基材上に1500rpmのスピン速度でスピンコートした。使用したビアウェハは、70、80、90及び100nmのビアサイズを有する650nmのディープビアを有した。これらのビアは、1:1、1:1.4及び1:6のホール:スペース比をそれぞれ有する半緻密及び孤立パターンで間隔を開けて配置された。このコーティングされたウェハは次いで250℃/60秒でベークした。XSEMデータは、以下のSEM写真に示すように、孤立及び緻密領域の両方で優れたフィルムコーティング品質及び良好な充填性能を空隙無しで示した。
【0203】
比較例4:
合成例1のポリマーを使用せずに例9を繰り返し、そして例10のビア充填実験を、この調合物を用いて繰り返した。XSEMデータは、良好な充填を示さず、かつビア中に存在する多くの空隙を示した。
【0204】
例11 ビア充填性能評価:
250nmの最終膜厚をターゲットにした調合例7の溶液を、ディープビア基材上に1500rpmのスピン速度でスピンコートした。使用したビアウェハは、70、80、90及び100nmのビアサイズを有する650nmのディープビアを有した。これらのビアは、1:1、1:1.4及び1:6のホール:スペース比をそれぞれ有する半緻密及び孤立パターンで間隔を開けて配置した。このコーティングされたウェハを次いで250℃/60秒及び400℃/120秒でベークした。XSEMデータは、孤立及び緻密領域の両方で優れたフィルムコーティング品質及び良好な充填性能を空隙無しで示した。
【0205】
比較例5:
合成例1のポリマー添加剤を用いずに例7の溶液を繰り返し、そして例11をこの調合物を用いて繰り返した。XSEMデータは、良好な充填を示さず、かつビア中に存在する多くの空隙を示した。
【0206】
例12 ビア充填性能評価及び熱安定性:
250nmの最終膜厚をターゲットとした例7の溶液を、ディープビア基材上に1500rpmのスピン速度でスピンコートした。使用したビアウェハは、70、80、90及び100nmのビアサイズを有する650nmのディープビアを有した。これらのビアは、1:1、1:1.4及び1:6のホール:スペース比をそれぞれ有する半緻密及び孤立パターンで間隔を開けて配置した。このコーティングされたウェハを次いで250℃/60秒及び400℃/7200秒でベークした。XSEMデータは、孤立及び緻密パターンの両方で優れたフィルムコーティング品質及び良好な充填性能を空隙無しで示した。
【0207】
例13 ビア充填性能評価:
250nmの最終膜厚をターゲットとした例9の溶液を、ディープビア基材上に1500rpmのスピン速度でスピンコートした。使用したビアウェハは、70、80、90及び100nmのビアサイズを有する650nmのディープビアを有した。これらのビアは、1:1、1:1.4及び1:6のホール:スペース比をそれぞれ有する半緻密及び孤立パターンで間隔を開けて配置した。このコーティングされたウェハを次いで250℃/60秒及び400℃/120秒でベークした。XSEMデータは、孤立及び緻密パターンの両方で優れたフィルムコーティング品質及び良好な充填性能を空隙無しで示した。
【0208】
例14 ビア充填性能評価及び熱安定性:
250nmの最終膜厚をターゲットとした例9の溶液を、ディープビア基材上に1500rpmのスピン速度でスピンコートした。使用したビアウェハは、70、80、90及び100nmのビアサイズを有する650nmのディープビアを有した。これらのビアは、1:1、1:1.4及び1:6のホール:スペース比をそれぞれ有する半緻密及び孤立パターンで間隔を開けて配置した。このコーティングされたウェハを次いで250℃/60秒及び400℃/7200秒でベークした。XSEMデータは、孤立及び緻密パターンの両方で優れたフィルムコーティング品質及び良好な充填性能を空隙無しで示した。
【0209】
例15 TGAで測定した、ナノ粒子:ポリマー重量比が1:1及び7:3のコーティングのZrO重量%
Siウェハを、例5(比7:3)または例10(比1:1)に従うナノ粒子:ポリマー溶液で、これらの例に記載のベークを用いて、コーティングした。次いで、コーティングされたウェハを解体し、フィルムを集めそしてTGAで分析した。解体したフィルムは、以下の条件を用いてTGAについて試験する。先ず、フィルムを50℃で1分間ベークし、次いで温度を120℃/分で50℃から800℃に高める。最後に、このフィルムを酸素中で800℃で60分間加熱する。表2にTAGデータを纏める。
【0210】
【表2】
【0211】
例の結果のまとめ:
金属酸化物ナノ粒子(例4)のみを含むハードマスク調合物のコーティングは、非常に大きな収縮を示す金属酸化物カルボキシレートをベースとするコーティング(比較例1)と比べて、非常に小さな収縮を与えた(表1)。
【0212】
高炭素ポリマー及び金属酸化物ナノ粒子を含む混合物を用いて、良好なコーティング及び良好なビア充填特性が得られた(例5~14)。これらを、高炭素ポリマー成分を含まず、ビアフィルムコーティング性に劣る調合物(比較例2~5)と比較した。更に、金属酸化物ナノ粒子と高炭素ポリマーとのブレンドをベースにするハードマスクコーティングは、400℃でベークした時に50重量%超の金属酸化物含有率(ZrO重量%)を示した。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-10-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0212
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0212】
高炭素ポリマー及び金属酸化物ナノ粒子を含む混合物を用いて、良好なコーティング及び良好なビア充填特性が得られた(例5~14)。これらを、高炭素ポリマー成分を含まず、ビアフィルムコーティング性に劣る調合物(比較例2~5)と比較した。更に、金属酸化物ナノ粒子と高炭素ポリマーとのブレンドをベースにするハードマスクコーティングは、400℃でベークした時に50重量%超の金属酸化物含有率(ZrO重量%)を示した。
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1.
有機溶剤、この有機溶剤中に分散した金属酸化物ナノ粒子、この溶剤中に溶解した高炭素ポリマーを含むコーティング組成物であって、前記高炭素ポリマーが、構造(1)の繰り返し単位、構造(2)のヒドロキシビフェニル繰り返し単位、及び構造(3)の縮合芳香族部分を含む部分を含み、式中、R 及びR は、独立して、水素、アルキル及び置換されたアルキルからなる群から選択され、Arは、置換されていないもしくは置換された縮合芳香族環であり、そしてX はアルキレンスペーサまたは直接原子価結合である、コーティング組成物。
【化16】
2.
前記高炭素ポリマーが、構造(4)によって表される単位を含み、ここでAは構造(3)を有し、Bは構造(1)を有し、そしてCは構造(2)を有する、上記1.に記載のコーティング組成物。
【化17】
3.
構造(3)においてX がアルキレンスペーサである、上記1.または2.に記載のコーティング組成物。
4.
構造(3)においてX が直接原子価結合である、上記1.または2.に記載のコーティング組成物。
5.
前記縮合芳香族部分が構造(3a)を有する、上記1.、2.または3.のいずれか一つに記載のコーティング組成物。
【化18】
6.
前記組成物中の前記高炭素ポリマーが、脂肪族多環式部分を含まない、上記1.~5.のいずれか一つに記載の組成物。
7.
及びR が、独立してアルキルまたは置換されたアルキルから選択される、上記1.~6.のいずれか一つに記載の組成物。
8.
及びR が、独立してC ~C アルキルまたは置換されたC ~C アルキルから選択される、上記1.~7.のいずれか一つに記載の組成物。
9.
がメチルであり、R がメチルである、上記1.~8.のいずれか一つに記載の組成物。
10.
が水素であり、R が水素である、上記1.~6.のいずれか一つに記載の組成物。
11.
前記縮合芳香族環Arが2~5個の芳香族環を有する、上記1.~10.のいずれか一つに記載の組成物。
12.
前記縮合芳香族環Arが3または4個の芳香族環を有する、上記1.~11.のいずれか一つに記載の組成物。
13.
前記縮合芳香族環Arが4個の芳香族環を有する、上記1.~12.のいずれか一つに記載の組成物。
14.
前記縮合芳香族環Arが5個の芳香族環を有する、上記1.~11.のいずれか一つに記載の組成物。
15.
前記縮合芳香族環Arが3個の芳香族環を有する、上記1.~11.のいずれか一つに記載の組成物。
16.
前記縮合芳香族環Arがアントラセンである、上記1.~11.のいずれか一つに記載の組成物。
17.
前記縮合芳香族含有部分が構造(3b)を有する、上記1.~3.及び5.~11.のいずれか一つに記載の組成物。
【化19】
18.
前記縮合芳香族含有部分Arが縮合芳香族環であり、そしてX が直接原子価結合である、上記1.~4.及び6.~13.のいずれか一つに記載の組成物。
19.
前記縮合芳香族含有部分Arが2~5個の芳香族環を有し、X が直接原子価結合である、上記1.~4.及び6.~10.のいずれか一つに記載の組成物。
20.
前記縮合芳香族含有部分Arが3~4個の芳香族環を有し、X が直接原子価結合である、上記1~4.及び6~10.のいずれか一つに記載の組成物。
21.
前記縮合芳香族含有部分Arが3個の芳香族環を有し、X が直接原子価結合である、上記1.~4.及び6.~10.のいずれか一つに記載の組成物。
22.
前記縮合芳香族含有部分Arが4個の芳香族環を有し、X が直接原子価結合である、上記1.~4.及び6.~10.のいずれか一つに記載の組成物。
23.
前記縮合芳香族含有部分Arが5個の芳香族環を有し、X が直接原子価結合である、上記1.~4.及び6.~10.のいずれか一つに記載の組成物。
24.
前記縮合芳香族含有部分Arがピレンであり、X が直接原子価結合である、上記1.~4.及び6.~10.のいずれか一つに記載の組成物。
25.
前記高炭素ポリマーが構造(5)の単位を更に含み、ここでAr’は、2~5個の芳香族環を有する縮合芳香族環である、上記1.~24.のいずれか一つに記載の組成物。
【化20】
26.
前記縮合芳香族環Ar’が、2~5個の芳香族環を有する縮合芳香族環である、上記25.に記載の組成物。
27.
前記縮合芳香族環Ar’が3または4個の芳香族環を有する、上記25.に記載の組成物。
28.
前記縮合芳香族環Ar’が、3個の芳香族環を有する縮合芳香族環である、上記25.に記載の組成物。
29.
前記高炭素ポリマーにおいて、構造(1)が構造(1a)を有する、上記1.~28.のいずれか一つに記載の組成物。
【化21】
30.
前記高炭素ポリマーにおいて、構造(2)が構造(2a)を有する、上記1.~28.のいずれか一つに記載の組成物。
【化22】
31.
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化銅ナノ粒子、酸化第一銅ナノ粒子、酸化スズナノ粒子、酸化セリウムナノ粒子、酸化インジウムスズナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、酸化イットリウムナノ粒子、酸化ランタンナノ粒子及び酸化インジウムナノ粒子からなる群から選択される、上記1.または30.に記載の組成物。
32.
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、及び酸化チタンナノ粒子からなる群から選択される、上記1.~31.のいずれか一つに記載の組成物。
33.
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ジルコニウムナノ粒子である、上記1.~32.のいずれか一つに記載の組成物。
34.
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ハフニウムナノ粒子である、上記1.~32.のいずれか一つに記載の組成物。
35.
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化チタンナノ粒子である、上記1.~32.のいずれか一つに記載の組成物。
36.
前記金属酸化物ナノ粒子が、1~100nmの直径を有するものである、上記1.~35.のいずれか一つに記載の組成物。
37.
前記有機溶剤が、ヒドロキシアルキレンオキシアルキル(HO-アルキレン-O-アルキル)、ヒドロキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(HO-アルキレン-CO -アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-アルキル)、アルキルオキシアルキレンカルボニルオキシアルキル (アルキル-O-アルキレン-CO -アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシカルボニルアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-CO-アルキル)、環状アルキレンオキシカルボニルオキシ(環状(-アルキレン-O-CO -)(別称はラクトン)、アルキルカルボン酸またはギ酸のアルキルエステル(アルキル-O-CO-アルキル(または-H))、アルキルカーボネート(アルキル-O-CO -アルキル)、環状アルキレンカーボネート(環状(-アルキレン-OCO -)、アルキルエーテル(アルキル-O-アルキル)、アルキルエーテル、ケトン(アルキル-CO-アルキル及び環状(-アルキレン-CO-)、アルキルアルコール、アルキルアミド(アルキル-CONH-アルキル); ジアルキルアミド(アルキル-CO(アルキル)-アルキル)、環状アルキレンアミド(環状(-アルキレン-NH-)(別称はラクタム)、環状N-アルキルアルキレンアミド(環状(-アルキレン-N(アルキル)-))(別称はN-アルキルラクタム)、有機溶剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、上記1.~36.のいずれか一つに記載の組成物。
38.
有機溶剤が、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル及び混合物からなる群から選択される、上記1.~37.のいずれか一つに記載の組成物。
39.
5重量%~20重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、上記1.~38.のいずれか一つに記載の組成物。
40.
1重量%~20重量%の高炭素ポリマーを含む、上記1.~39.のいずれか一つに記載の組成物。
41.
金属酸化物ナノ粒子と高炭素ポリマーとの重量比が50:50~99:1である、上記1.~40.のいずれか一つに記載の組成物。
42.
前記高炭素ポリマーが、固形分の80重量%超の炭素含有率を有するものである、上記1.~41.のいずれか一つに記載の組成物。
43.
前記高炭素ポリマーが、400℃で120分間ベークした後に、固形分の80重量%超の炭素含有率を有するものである、上記1.~42.のいずれか一つに記載の組成物。
44.
界面活性剤を更に含む、上記1.~43.のいずれか一つに記載の組成物。
45.
次のステップa)~b):
a)上記1.~44.のいずれか一つに記載の組成物を基材上に施与して、ハードマスクフィルムを形成するステップ; 及び
b)前記ハードマスクフィルムをベークするステップ、
を含む、基材上にハードマスク組成物をコーティングする方法。
46.
前記基材が、トポグラフィ図形を含むパターン化された基材であり、そしてハードマスク組成物のコーティングが、前記トポグラフィを覆い、及びステップb)でフィルムをベークした後に、次のステップc):
c) パターン化された基材の上面を覆うハードマスクフィルムを化学的ストリッパまたはフッ素化プラズマエッチングで除去するステップ、
を更に含む、上記45.に記載の方法。
47.
前記トポグラフィ図形が、ケイ素基材を覆っているパターン化されたスピンオンカーボン層中にある、上記46.に記載の方法。
48.
前記トポグラフィ図形がビアである、上記46.または47.に記載の方法。
49.
ステップc)の後に、次のステップd):
d) パターン化された有機高炭素ポリマーを酸素プラズマで除去して、残留したパターン化されたハードマスクフィルムから構成される、元のパターン化されたフォトレジストのネガトーン画像を形成するステップ、
を更に含む、上記46.~47.のいずれか一つに記載の方法。
50.
ステップd)の後に、次のステップe):
e) 残留したパターン化された金属ハードマスクフィルムをエッチングバリアとして使用し、そしてフッ素化プラズマを用いて半導体基材中にエッチングするステップ、
を更に含む、上記49.に記載の方法。
51.
前記トポグラフィ図形が1:1~10:1のアスペクト比を有する、上記47.~50.のいずれか一つに記載の方法。
52.
前記トポグラフィ図形が、1~10のアスペクト比を有し、そして微少寸法(critical dimension,CD)が10nm~100nmの範囲であるものから選択してよい、上記47.~50.のいずれか一つに記載の方法。
53.
ステップb)において、100℃~500℃の温度でのフィルムのベークが、二つのベークステップb1)及びb2)で行われ、ここでベークステップb1)は100℃~275℃で行われ、そしてベークステップb2)は350℃~500℃で行われる、上記47.~50.のいずれか一つに記載の方法。
54.
前記ベークステップb1)が250℃であり、ベークステップb2)が400℃である、上記53.に記載の方法。
55.
前記ベークステップb1)が0.5~2分間行われ、前記ベークステップb2)が1~3時間行われる、上記53.または54.に記載の方法。
56.
前記ベークステップb1が1分間行われ、前記ベークステップb2)が2時間行われる、上記53.~55.のいずれか一つに記載の方法。
57.
前記ベークステップb1)が1分間行われる、上記53.~56.のいずれか一つに記載の方法。
58.
前記ベークステップb2)が2時間行われる、上記53.~58.のいずれか一つに記載の方法。
59.
ケイ素基材上にハードマスク組成物をコーティングする方法であって、
a3) 上記1.~44.のいずれか一つに記載の組成物を前記基材上に施与して、ハードマスクフィルムを形成するステップ;
b3) 前記ハードマスクフィルムをベークするステップ;
c3) 前記ハードマスクフィルムの上面に底面反射防止コーティングをコーティングするステップ;
d3) 前記反射防止コーティングの上面にフォトレジストをコーティングするステップ;
e3) 前記レジストをパターン化してレジストパターンを形成するステップ;
f3) フッ素化プラズマを用いて、前記ハードマスクコーティングに至るまで、前記レジストパターンで保護されていない底面反射防止コーティング中をエッチングするステップ;
g3) 塩素プラズマを用いて、ケイ素基材に至るまで、底面反射防止コーティング及びフォトレジストで保護されていないハードマスク層中をエッチングして、パターン化されたハードマスクフィルムを形成するステップ;
h3) パターン化されたハードマスクフィルムによって保護されていない領域において、フッ素化プラズマによりケイ素基材中にエッチングして、トポグラフィ図形をケイ素図形中に形成するステップ;
を含む前記方法。
60.
ステップb3)において、100℃~500℃の温度でのフィルムのベークが、二つのベークステップb1’)及びb2’)で行われ、ここでベークステップb1’)は100℃~275℃で行われ、ベークステップb2’)は350℃~500℃で行われる、上記59.に記載の方法。
61.
前記ベークステップb1’)が250℃であり、ベークステップb2’)が400℃である、上記60.に記載の方法。
62.
前記ベークステップb1’)が0.5~2分間行われ、前記ベークステップb2’)が1~3時間行われる、上記60.または61.に記載の方法。
63.
前記ベークステップb1’)が1分間行われ、前記ベークステップb2’)が2時間行われる、上記60.~62.のいずれか一つに記載の方法。
64.
前記ベークステップb1’)が1分間行われる、上記60.~61.のいずれか一つに記載の方法。
65.
前記ベークステップb2’)が2時間行われる、上記58.~64.のいずれか一つに記載の方法。
66.
ケイ素基材上にハードマスク組成物をコーティングする方法であって、
a4) 有機溶剤中に分散した金属酸化物ナノ粒子を含む組成物を基材上に施与してハードマスクフィルムを形成するステップ;
b4) 前記ハードマスクフィルムをベークするステップ;
c4) 前記ハードマスクフィルムの上面に底面反射防止コーティングをコーティングするステップ;
d4) 前記反射防止コーティングの上面にフォトレジストをコーティングするステップ;
e4) 前記レジストをパターン化してレジストパターンを形成するステップ;
f4) フッ素化プラズマを用いて、前記ハードマスクコーティングに至るまで、前記レジストパターンで保護されていない底面反射防止コーティング中をエッチングするステップ;
g4) 塩素プラズマを用いて、ケイ素基材に至るまで、底面反射防止コーティング及びフォトレジストで保護されていないハードマスク層中をエッチングして、パターン化されたハードマスクフィルムを形成するステップ;
h4) パターン化されたハードマスクフィルムによって保護されていない領域において、フッ素化プラズマによりケイ素基材中にエッチングして、トポグラフィ図形をケイ素図形中に形成するステップ;
を含む前記方法。
67.
ステップb4)において、100℃~500℃の温度でのフィルムのベークが、二つのベークステップb1’’)及びb2’’)で行われ、ここでベークステップb1’’)は200℃~275℃で行われ、ベークステップb2’’)は350℃~500℃で行われる、上記66.に記載の方法。
68.
前記ベークステップb1’’)が250℃であり、ベークステップb2’’)が400℃である、上記67.に記載の方法。
69.
前記ベークステップb1’)が0.5~2分間行われ、前記ベークステップb2’’)が1~3時間行われる、上記67.または68.に記載の方法。
70.
前記ベークステップb1’’)が1分間行われ、前記ベークステップb2’’)が2時間行われる、上記67.~69.のいずれか一つに記載の方法。
71.
前記ベークステップb1’’)が1分間行われる、上記67.~70.のいずれか一つに記載の方法。
72.
前記ベークステップb2’’)が2時間行われる、上記67.~71.のいずれか一つに記載の方法。
73.
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化銅ナノ粒子、酸化第一銅ナノ粒子、酸化スズナノ粒子、酸化セリウムナノ粒子、酸化インジウムスズナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、酸化イットリウムナノ粒子、酸化ランタンナノ粒子及び酸化インジウムナノ粒子からなる群から選択される、上記66.~72.のいずれか一つに記載の方法。
74.
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、及び酸化チタンナノ粒子からなる群から選択される、上記66.~73.のいずれか一つに記載の方法。
75.
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ジルコニウムナノ粒子である、上記66.~74.のいずれか一つに記載の方法。
76.
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ハフニウムナノ粒子である、上記66.~75.のいずれか一つに記載の方法。
77.
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化チタンナノ粒子である、上記66.~76.のいずれか一つに記載の方法。
78.
前記金属酸化物ナノ粒子が、1~100nmの直径を有するものである、上記66.~77.のいずれか一つに記載の方法。
79.
前記有機溶剤が、ヒドロキシアルキレンオキシアルキル(HO-アルキレン-O-アルキル)、ヒドロキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(HO-アルキレン-CO -アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-アルキル)、アルキルオキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-CO -アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシカルボニルアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-CO-アルキル)、環状アルキレンオキシカルボニルオキシ(環状(-アルキレン-O-CO -)(別称はラクトン)、アルキルカルボン酸またはギ酸のアルキルエステル(アルキル-O-CO-アルキル(または-H))、アルキルカーボネート(アルキル-O-CO -アルキル)、環状アルキレンカーボネート(環状(-アルキレン-OCO -)、アルキルエーテル(アルキル-O-アルキル)、アルキルエーテル、ケトン(アルキル-CO-アルキル及び環状(-アルキレン-CO-)、アルキルアルコール、アルキルアミド(アルキル-CONH-アルキル); ジアルキルアミド(アルキル-CO(アルキル)-アルキル)、環状アルキレンアミド(環状(-アルキレン-NH-))(別称はラクタム)、環状N-アルキルアルキレンアミド(環状(-アルキレン-N(アルキル)-))(別称はN-アルキルラクタム)、有機芳香族溶剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、上記66.~78.のいずれか一つに記載の方法。
80.
有機溶剤が、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル及び混合物からなる群から選択される、上記66.~79.のいずれか一つに記載の方法。
81.
前記組成物が、有機溶剤中に1重量%~80重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、上記66.~80.のいずれか一つに記載の方法。
82.
前記組成物が、有機溶剤中に5重量%~70重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、上記66.~80.のいずれか一つに記載の方法。
83.
前記組成物が、有機溶剤中に10重量%~60重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、上記66.~82.のいずれか一つに記載の方法。
84.
前記組成物が、有機溶剤中に15重量%~50重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、上記66.~83.のいずれか一つに記載の方法。
85.
前記組成物が、有機溶剤中に20重量%~40重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、上記66.~84.のいずれか一つに記載の方法。
86.
前記組成物が、有機溶剤中に5重量%~10重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、上記82.に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケイ素基材上にハードマスク組成物をコーティングする方法であって、
a4)有機溶剤中に分散した金属酸化物ナノ粒子を含む組成物を基材上に施与してハードマスクフィルムを形成するステップ;
b4)前記ハードマスクフィルムをベークするステップ;
c4)前記ハードマスクフィルムの上面に底面反射防止コーティングをコーティングするステップ;
d4)前記反射防止コーティングの上面にフォトレジストをコーティングするステップ;e4)前記レジストをパターン化してレジストパターンを形成するステップ;
f4)フッ素化プラズマを用いて、前記ハードマスクコーティングに至るまで、前記レジストパターンで保護されていない底面反射防止コーティング中をエッチングするステップ;
g4)塩素プラズマを用いて、ケイ素基材に至るまで、底面反射防止コーティング及びフォトレジストで保護されていないハードマスク層中をエッチングして、パターン化されたハードマスクフィルムを形成するステップ;
h4)パターン化されたハードマスクフィルムによって保護されていない領域において、フッ素化プラズマによりケイ素基材中にエッチングして、トポグラフィ図形をケイ素図形中に形成するステップ、
を含む前記方法。
【請求項2】
ステップb4)において、100℃~500℃の温度でのフィルムのベークが、二つのベークステップb1’’)及びb2’’)で行われ、ここでベークステップb1’’)は200℃~275℃で行われ、ベークステップb2’’)は350℃~500℃で行われ、ここで好ましくは、前記ベークステップb1’’)が250℃であり、ベークステップb2’’)が400℃である、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記ベークステップb1’)が0.5~2分間行われ、前記ベークステップb2’’)が1~3時間行われ、ここで好ましくは、前記ベークステップb1’’)が1分間行われ、及び/または前記ベークステップb2’’)が2時間行われる、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、酸化チタンナノ粒子、酸化銅ナノ粒子、酸化第一銅ナノ粒子、酸化スズナノ粒子、酸化セリウムナノ粒子、酸化インジウムスズナノ粒子、酸化亜鉛ナノ粒子、酸化イットリウムナノ粒子、酸化ランタンナノ粒子及び酸化インジウムナノ粒子からなる群から選択される、請求項のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
前記金属酸化物ナノ粒子が、酸化ジルコニウムナノ粒子、酸化ハフニウムナノ粒子、酸化アルミニウムナノ粒子、タングステンナノ粒子、及び酸化チタンナノ粒子からなる群から選択される、請求項のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
前記金属酸化物ナノ粒子が酸化ジルコニウムナノ粒子または酸化ハフニウムナノ粒子または酸化チタンナノ粒子である、請求項のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
前記金属酸化物ナノ粒子が、1~100nmの直径を有するものである、請求項のいずれか一つに記載の方法。
【請求項8】
前記有機溶剤が、ヒドロキシアルキレンオキシアルキル(HO-アルキレン-O-アルキル)、ヒドロキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(HO-アルキレン-CO-アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-アルキル)、アルキルオキシアルキレンカルボニルオキシアルキル(アルキル-O-アルキレン-CO-アルキル)、アルキルオキシアルキレンオキシカルボニルアルキル(アルキル-O-アルキレン-O-CO-アルキル)、環状アルキレンオキシカルボニルオキシ(環状(-アルキレン-O-CO-)(別称はラクトン)、アルキルカルボン酸またはギ酸のアルキルエステル(アルキル-O-CO-アルキル(または-H))、アルキルカーボネート(アルキル-O-CO-アルキル)、環状アルキレンカーボネート(環状(-アルキレン-OCO-))、アルキルエーテル(アルキル-O-アルキル)、アルキルエーテル、ケトン(アルキル-CO-アルキル及び環状(-アルキレン-CO-))、アルキルアルコール、アルキルアミド(アルキル-CONH-アルキル); ジアルキルアミド(アルキル-CO(アルキル)-アルキル)、環状アルキレンアミド(環状(-アルキレン-NH-))(別称はラクタム)、環状N-アルキルアルキレンアミド(環状(-アルキレン-N(アルキル)-))(別称はN-アルキルラクタム)、有機芳香族溶剤及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項のいずれか一つに記載の方法。
【請求項9】
有機溶剤が、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、シクロヘキサノン、乳酸エチル及び混合物からなる群から選択される、請求項のいずれか一つに記載の方法。
【請求項10】
前記組成物が、有機溶剤中に1重量%~80重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項のいずれか一つに記載の方法。
【請求項11】
前記組成物が、有機溶剤中に5重量%~70重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項10のいずれか一つに記載の方法。
【請求項12】
前記組成物が、有機溶剤中に10重量%~60重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項11のいずれか一つ記載の方法。
【請求項13】
前記組成物が、有機溶剤中に15重量%~50重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項12のいずれか一つに記載の方法。
【請求項14】
前記組成物が、有機溶剤中に20重量%~40重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項13のいずれか一つに記載の方法。
【請求項15】
前記組成物が、有機溶剤中に5重量%~10重量%の金属酸化物ナノ粒子を含む、請求項11に記載の方法。
【外国語明細書】