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特開2022-89061プラズマ処理装置、消耗量特定方法、及びエッジリング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022089061
(43)【公開日】2022-06-15
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置、消耗量特定方法、及びエッジリング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220608BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220608BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/31 C
H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020201283
(22)【出願日】2020-12-03
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅野 昌史
(72)【発明者】
【氏名】田中 尚人
(72)【発明者】
【氏名】持木 宏政
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
5F045
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB05
2G084BB23
2G084CC05
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD37
2G084DD38
2G084DD55
2G084FF07
2G084FF15
2G084HH30
2G084HH31
2G084HH37
2G084HH42
5F004BA04
5F004BB12
5F004BB13
5F004BB18
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB29
5F045AA08
5F045BB08
5F045DP03
5F045EF05
5F045EH14
5F045EM05
5F045EM09
5F045GB15
(57)【要約】
【課題】エッジリングの消耗量を求めること。
【解決手段】支持部は、プラズマ処理の対象となる基板を支持する。エッジリングは、環状に形成され、基板の周囲を囲むように配置され、プラズマと対向する対向面に、当該対向面の消耗に応じて位置及び形状の少なくとも一方が変化するマークが形成される。特定部は、エッジリングのマークの位置及び形状の少なくとも一方を検出する検出部による検出結果に基づいて、エッジリングの消耗量を特定する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理の対象となる基板を支持する支持部と、
環状に形成され、前記基板の周囲を囲むように配置され、プラズマと対向する対向面に、当該対向面の消耗に応じて位置及び形状の少なくとも一方が変化するマークが形成されたエッジリングと、
前記エッジリングの前記マークの位置及び形状の少なくとも一方を検出する検出部による検出結果に基づいて、前記エッジリングの消耗量を特定する特定部と、
を有するプラズマ処理装置。
【請求項2】
前記マークは、前記対向面に形成された凹部又は溝である
請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記凹部又は前記溝は、前記対向面に対して所定の角度で斜めに形成されている
請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記凹部又は前記溝は、異なる深さで複数形成されている
請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記凹部又は前記溝は、深くなるほど径を大きく又は小さく形成されている
請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記凹部又は前記溝は、フィリングされている
請求項2~5の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記マークは、前記エッジリングの周方向に沿って前記対向面に所定間隔毎又は全周に形成されている
請求項1~6の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記検出部は、画像を撮影するカメラであり、
前記特定部は、前記カメラにより撮影された画像から前記マークの位置及び形状の少なくとも一方の変化を求めてエッジリングの消耗量を特定する
請求項1~7の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記検出部は、プラズマ処理装置に設けられている
請求項1~8の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記基板を前記支持部に搬送する搬送機構に設けられている
請求項1~8の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項11】
前記エッジリングを昇降する昇降機構と、
前記特定部により特定された消耗量に応じて、前記昇降機構により前記エッジリングの高さを調整する調整部をさらに有する
請求項1~10の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項12】
前記特定部により特定された消耗量に応じて、エッチング特性の変化を抑制するようにプロセスを調整する調整部をさらに有する
請求項1~10の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項13】
前記エッジリングの消耗に応じた、前記マークの位置及び形状の少なくとも一方の変化に関する変化情報を記憶する記憶部をさらに有し、
前記特定部は、前記記憶部に記憶された前記変化情報を用いて、前記検出部による検出結果から前記エッジリングの消耗量を特定する
請求項1~12の何れか1つに記載のプラズマ処理装置。
【請求項14】
環状に形成され、プラズマ処理の対象となる基板の周囲を囲むように配置され、プラズマと対向する対向面に、当該対向面の消耗に応じて位置及び形状の少なくとも一方が変化するマークが形成されたエッジリングの前記マークの位置及び形状の少なくとも一方を検出部により検出し、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記エッジリングの消耗量を特定する、
消耗量特定方法。
【請求項15】
環状に形成され、プラズマ処理の対象となる基板の周囲を囲むように配置されるエッジリングであって、
プラズマと対向する対向面に、当該対向面の消耗に応じて位置及び形状の少なくとも一方が変化するマークが形成された
エッジリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、プラズマ処理装置、消耗量特定方法、及びエッジリングに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、距離センサが設けられたセンサ基板を処理容器内に搬送し、距離センサからフォーカスリングまでの距離に応じた物理量の情報を取得し、取得した物理量の情報に基づいて、フォーカスリングの消耗量を測定する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-100407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、エッジリングの消耗量を求める技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によるプラズマ処理装置は、支持部と、エッジリングと、特定部とを有する。支持部は、プラズマ処理の対象となる基板を支持する。エッジリングは、環状に形成され、基板の周囲を囲むように配置され、プラズマと対向する対向面に、当該対向面の消耗に応じて位置及び形状の少なくとも一方が変化するマークが形成される。特定部は、エッジリングのマークの位置及び形状の少なくとも一方を検出する検出部による検出結果に基づいて、エッジリングの消耗量を特定する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、エッジリングの消耗量を求めることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る基板処理システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るエッジリングの一例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係るマークの一例を説明する図である。
図5図5は、実施形態に係る第2の搬送装置に検出部を設けた一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るマークの他の一例を説明する図である。
図7図7は、実施形態に係るマークの他の一例を説明する図である。
図8図8は、実施形態に係るマークの他の一例を説明する図である。
図9図9は、実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の他の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本願の開示するプラズマ処理装置、消耗量特定方法、及びエッジリングの実施形態について詳細に説明する。なお、以下の実施形態により、開示するプラズマ処理装置、消耗量特定方法、及びエッジリングが限定されるものではない。
【0009】
エッチングなどのプラズマ処理を行うプラズマ処理装置では、チャンバ内に載置された半導体ウエハの周囲に、フォーカスリングなどのエッジリングが配置される。エッジリングは、エッチングの度に消耗する。プラズマ処理装置は、エッジリングの消耗により半導体ウエハ外周付近のエッチング特性が変化する。エッジリングは、消耗量がある基準を越えた場合に、交換する必要がある。プラズマ処理装置は、エッジリングの交換時期を判定するため、エッジリングの消耗量をモニタする必要がある。そこで、特許文献1の技術により、例えば、距離センサが設けられたセンサ基板を搬送装置によりチャンバ内に搬送し、距離センサからエッジリングまでの距離を計測して、エッジリングの消耗量を測定する。しかし、センサを利用した技術では、エッジリングの消耗量を精度良く測定できない場合がある。例えば、搬送装置によりセンサ基板をチャンバ内に搬送した場合、センサ基板の高さが搬送毎に若干変動して距離センサからエッジリングまでの距離が変化してしまい、エッジリングの消耗量を精度良く測定できない。距離センサにより距離を精度よく計測するには、距離センサのキャリブレーションが必要になる。
【0010】
そこで、エッジリングの消耗量を求める技術が期待されている。
【0011】
[実施形態]
[基板処理システムの構成]
図1は、実施形態に係る基板処理システム1000の構成の一例を示す図である。基板処理システム1000は、基板Wに対してプラズマエッチングなどのプラズマ処理を含む基板処理を実施するシステムである。実施形態では、基板Wを半導体ウエハとする。図1は、基板処理システム1000の上面図である。基板処理システム1000は、収納容器FP、大気搬送室ATM、ロードロックモジュールLLM、真空搬送室VTM、処理装置PMを備える。大気搬送室ATM内には、第1の搬送装置TM1が配置される。真空搬送室VTM内には、第2の搬送装置TM2が配置される。なお、図1には、3つの収納容器FP1~FP3、6つの処理装置PM1~PM6、2つのロードロックモジュールLLM1~LLM2を示す。ただし、各部の数は図示する数に限定されず、図示する数より少なくても多くてもよい。また、各部を特に区別する必要がないときは収納容器、処理装置、ロードロックモジュールはそれぞれ集合的にFP,PM,LLMと表示する。
【0012】
第1の搬送装置TM1は、収納容器FPに収納された基板W又はエッジリングERを収納容器FPから搬出し、ロードロックモジュールLLMに搬入する。第2の搬送装置TM2は、ロードロックモジュールLLMから基板W又はエッジリングERを搬出し、プラズマ処理が実行される処理装置PM内に搬入する。また、プラズマ処理の完了後、第2の搬送装置TM2は、処理装置PMから基板W又はエッジリングERを搬出し、次に処理が実行される処理装置PM、又はロードロックモジュールLLMに搬送する。真空搬送室VTMからロードロックモジュールLLMに搬入された基板W又はエッジリングERは、第1の搬送装置TM1により、ロードロックモジュールLLMから大気搬送室ATM内へ搬送され、再び収納容器FP内に戻される。なお、図1には示していないが、エッジリングERを収納した収納容器FPを真空搬送室VTMに直接接続してもよい。この場合、エッジリングERの交換時期になると、第2の搬送装置TM2は、交換対象の使用済みエッジリングERを処理装置PMから搬出して収納容器FPに収納する。また、第2の搬送装置TM2は、収納容器FPから未使用のエッジリングERを取り出し、処理装置PMに搬送する。
【0013】
なお、大気搬送室ATMは、大気雰囲気に維持される。ロードロックモジュールLLMは、排気装置と、大気搬送室ATM及び真空搬送室VTMの各々と接続する複数の開口部と、各開口部を開閉自在に覆うゲートバルブと、を備える。ロードロックモジュールLLMは、真空搬送室VTMと連通する前に排気装置により減圧雰囲気に減圧される。真空搬送室VTM及び処理装置PMは、同様に、排気装置を備える。また、真空搬送室VTMと各処理装置PMとの間には、開口部及び当該開口部を開閉自在に覆うゲートバルブが設けられる。
【0014】
かかる構成を備えることにより、基板処理システム1000は、基板W及びエッジリングERを人手によらず、プラズマ処理が実行される処理装置PMと収納容器FPとの間で搬送することができる。
【0015】
[プラズマ処理装置の構成]
図2は、実施形態に係るプラズマ処理装置1の構成の一例を示す図である。プラズマ処理装置1は、図1に示す処理装置PMに相当する。図1に示す処理装置PM1~PM6全てが図2のプラズマ処理装置1と同様に構成されてもよく、処理装置PM1~PM6の一部が図2のプラズマ処理装置1と同様に構成されてもよい。
【0016】
プラズマ処理装置1は、チャンバ10、ガス供給部20、高周波(Radio Frequency:RF)電力供給部30、排気システム40及び昇降機構50を含む。また、プラズマ処理装置1は、載置台11及び上部電極シャワーヘッド12を含む。載置台11は、チャンバ10内のプラズマ処理空間10sの下部領域に配置される。上部電極シャワーヘッド12は、載置台11の上方に配置され、チャンバ10の天部(ceiling)の一部として機能し得る。
【0017】
載置台11は、プラズマ処理空間10sにおいて基板Wを支持するように構成される。一実施形態において、載置台11は、下部電極111及び静電チャック112を含む。載置台11には、基板Wが配置される。静電チャック112は、下部電極111上に配置され、静電チャック112の上面で基板Wを支持するように構成される。静電チャック112は、内部に電極が設けられ、当該電極に直流電圧が印加されることで、基板Wを静電吸着する。載置台11には、基板Wの周囲を取り囲むようにフォーカスリングやカバーリングなどのエッジリングERが配置される。フォーカスリングは、シリコン等の導電性材料により構成され、プラズマの均一化のために基板Wの外周に設置される。カバーリングは、石英等の誘電体により構成され、エッチングから載置台11を保護するために載置台11の外周に設置される。カバーリングは、フォーカスリングの外周に設置される場合もある。エッジリングERは、フォーカスリングであってもよく、カバーリングであってもよい。エッジリングERは、環状に形成されている。エッジリングERは、下部電極111の周縁部上面において基板Wを囲むように配置される。また、図示は省略するが、一実施形態において、載置台11は、静電チャック112及び基板Wのうち少なくとも1つをターゲット温度に調節するように構成される温調モジュールを含んでもよい。温調モジュールは、ヒータ、流路、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。流路には、冷媒、伝熱ガスのような温調流体が流れる。
【0018】
載置台11の上面は、基板Wが載置される第1載置面11aと、エッジリングERが載置される第2載置面11bとに分かれている。第1載置面11aは、載置台11の中央に位置する、基板Wよりわずかに小径の円形面として構成される。第2載置面11bは、第1載置面11aの外周を囲み、第1載置面11aよりも下方すなわちチャンバ10の底面側に位置する。
【0019】
上部電極シャワーヘッド12は、ガス供給部20からの1又はそれ以上の処理ガスをプラズマ処理空間10sに供給するように構成される。一実施形態において、上部電極シャワーヘッド12は、ガス入口12a、ガス拡散室12b、及び複数のガス出口12cを有する。ガス入口12aは、ガス供給部20及びガス拡散室12bと流体連通している。複数のガス出口12cは、ガス拡散室12b及びプラズマ処理空間10sと流体連通している。一実施形態において、上部電極シャワーヘッド12は、1又はそれ以上の処理ガスをガス入口12aからガス拡散室12b及び複数のガス出口12cを介してプラズマ処理空間10sに供給するように構成される。
【0020】
ガス供給部20は、1又はそれ以上のガスソース21及び1又はそれ以上の流量制御器22を含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部20は、1又はそれ以上の処理ガスを、それぞれに対応のガスソース21からそれぞれに対応の流量制御器22を介してガス入口12aに供給するように構成される。各流量制御器22は、例えばマスフローコントローラ又は圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部20は、1又はそれ以上の処理ガスの流量を変調又はパルス化する1又はそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
【0021】
RF電力供給部30は、RF電力、例えば1又はそれ以上のRF信号を、下部電極111、上部電極シャワーヘッド12、又は、下部電極111及び上部電極シャワーヘッド12の双方のような1又はそれ以上の電極に供給するように構成される。図2の例では、RF電力供給部30は、下部電極111にRF信号を供給する構成を示す。これにより、プラズマ処理空間10sに供給された1又はそれ以上の処理ガスからプラズマが生成される。一実施形態において、RF電力供給部30は、2つのRF生成部31a,31b及び2つの整合回路32a,32bを含む。なお、整合回路32a,32bに加えて、フィルタを配置してもよい。
【0022】
一実施形態において、RF電力供給部30は、第1のRF信号を第1のRF生成部31aから第1の整合回路32aを介して下部電極111に供給するように構成される。例えば、第1のRF信号は、27MHz~100MHzの範囲内の周波数を有してもよい。
【0023】
また、一実施形態において、RF電力供給部30は、第2のRF信号を第2のRF生成部31bから第2の整合回路32bを介して下部電極111に供給するように構成される。例えば、第2のRF信号は、200kHz~13.56MHzの範囲内の周波数を有してもよい。
【0024】
基板Wのプラズマ処理中、たとえばRF生成部31aは、比較的高い周波数たとえば60MHzのプラズマ生成用の高周波電力を下部電極111に印加してもよい。他方、RF生成部31bは、比較的低い周波数たとえば2MHzのイオン引き込み用の高周波電力を下部電極111に印加してもよい。
【0025】
第1のRF生成部31aに代えて、DC(Direct Current)パルス生成部を用いてもよい。なお、図2の例では、RF信号(又はDCパルス)は、下部電極111に供給される構成とするが、下部電極111に代えて、静電チャック112内に配置される電極に供給される構成としてもよい。なお、DC電圧は上部電極シャワーヘッド12に印加されてもよい。
【0026】
排気システム40は、例えばチャンバ10の底部に設けられた排気口10eに接続され得る。排気システム40は、圧力弁及び真空ポンプを含んでもよい。真空ポンプは、ターボ分子ポンプ、粗引きポンプ又はこれらの組み合わせを含んでもよい。
【0027】
チャンバ10の側壁には、開閉自在なゲートバルブG1を有する開口部13が形成されている。開口部13はたとえば、図1に示す真空搬送室VTMに連通する。真空搬送室VTM内の空間とチャンバ10内のプラズマ処理空間10sとは、ゲートバルブG1により遮断される。基板W及びエッジリングERは、上述の基板処理システム1000が備える第2の搬送装置TM2により、開口部13を介して真空搬送室VTMとチャンバ10との間を搬送される。
【0028】
昇降機構50は、第1リフタピン51a、第1アクチュエータ52a、第2リフタピン51b、第2アクチュエータ52bを備える。第1リフタピン51aは、第1貫通孔11c内に配置される。第1貫通孔11cは、載置台11内を上下方向に延び、第1載置面11aで開口する。第1リフタピン51aは、第1アクチュエータ52aにより上下方向に運動する。第1載置面11a上に載置される基板Wは、第1リフタピン51aの上昇に伴い、第1載置面11aから持ち上げられる。第2の搬送装置TM2が備えるアーム等の把持部が、ゲートバルブG1を介してチャンバ10内に入り、第1リフタピン51aにより持ち上げられた基板Wを受け取り、チャンバ10外に搬出する。基板Wをチャンバ10内に搬入する時は、各部は搬出時とは逆の順序で動作する。なお、図2には、1つの第1リフタピン51a及び第1貫通孔11cを示すが、第1リフタピン51a及び第1貫通孔11cの数は特に限定されない。第1リフタピン51a及び第1貫通孔11cは、持ち上げたときの基板Wが安定する数だけ設ければよい。
【0029】
第2リフタピン51bは、第2貫通孔11d内に配置される。第2貫通孔11dは、載置台11内を上下方向に延び、第2載置面11bで開口する。第2リフタピン51bは、第2アクチュエータ52bにより上下方向に運動する。第2載置面11b上に載置されるエッジリングERは、第2リフタピン51bの上昇に伴い、第2載置面11bから持ち上げられる。エッジリングERは、基板Wと同様に、第2の搬送装置TM2によりチャンバ10から搬出され、また、チャンバ10内に搬入されることができる。第2リフタピン51b及び第2貫通孔11dの数も特に限定されず、持ち上げたときのエッジリングERが安定する数が設けられればよい。
【0030】
なお、図2の例では、第1、第2アクチュエータ52a,52bによって第1、第2リフタピン51a,51bを昇降させるものとするが、第1,第2リフタピン51a,51bを昇降させるための機構は、特に限定されない。また、複数の第1リフタピン51aに共通の昇降機構を一つ設けてもよく、同様に複数の第2リフタピン51bに共通の昇降機構を一つ設けてもよい。また、リフタピン毎に昇降機構を設けてもよい。
【0031】
一実施形態において、プラズマ処理装置1は、制御部60を含む。制御部60は、例えば、コンピュータである。制御部60は、処理装置PM一つに一つずつ設けられてもよい。別の例では、処理装置PM6つ全てに共通の制御部を設けて複数の処理装置PMが統括的に制御されるものとしてもよい。また、処理装置PM一つに一つずつ設けられた複数の制御部60を統合的に制御する上位の制御部を設けてもよい。
【0032】
一実施形態において、制御部60は、本開示において述べられる種々の工程をプラズマ処理装置1に実行させるコンピュータ実行可能な命令を処理する。制御部60は、ここで述べられる種々の工程を実行するようにプラズマ処理装置1の各要素を制御するように構成され得る。
【0033】
上記のように構成されたプラズマ処理装置1は、制御部60によって、その動作が統括的に制御される。制御部60は、コントローラ61と、記憶部62と、通信インターフェース63とを有する。
【0034】
記憶部62には、プラズマ処理装置1で実行される各種処理をコントローラ61の制御にて実現するためのプログラム(ソフトウエア)や、処理条件データ等が記憶されたレシピデータが格納されている。なお、プログラムやレシピデータは、コンピュータで読み取り可能なコンピュータ記録媒体(例えば、ハードディスク、CD、フレキシブルディスク、半導体メモリ等)などに格納された状態のものを利用してもよい。或いは、プログラムやレシピデータは、他の装置から、例えば専用回線を介して随時伝送させてオンラインで利用したりすることも可能である。
【0035】
通信インターフェース63は、プラズマ処理装置1の各部や他の装置と通信可能とされ、各種のデータを入出力する。
【0036】
コントローラ61は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ及びプログラムやデータを格納するための内部メモリを有し、記憶部62に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムの処理を実行する。コントローラ61は、プログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、コントローラ61は、特定部61aと、調整部61bの機能を有する。なお、本実施形態では、コントローラ61が、特定部61a及び調整部61bの機能を有する場合を例に説明する。しかし、特定部61a及び調整部61bの機能は、複数のコントローラで分散して実現してもよい。
【0037】
なお、制御部60は、図1に示す基板処理システム1000が備える複数の処理装置PM1~PM6を統合的に制御する処理部(CPU等)として構成してもよい。また、基板処理システム1000全体の動作を、制御部60が制御するものとしてもよい。また、各処理装置PMを制御する制御部60の上位装置として別の制御装置を設けて各部を統合的に制御してもよい。
【0038】
ところで、エッジリングERは、エッチングの度に、プラズマと対向する対向面が消耗する。プラズマ処理装置1は、エッジリングERの消耗により基板W外周付近のエッチング特性が変化する。プラズマ処理装置1は、エッジリングERの交換時期を判定するため、エッジリングERの消耗量をモニタする必要がある。
【0039】
そこで、本実施形態では、エッジリングERに、プラズマと対向する対向面である上面ERaに、当該上面ERaの消耗に応じて位置及び形状の少なくとも一方が変化するマーク70を形成する。
【0040】
[エッジリングの構成]
図3は、実施形態に係るエッジリングERの一例を示す図である。図3には、エッジリングERの概略構成の一例を示す平面図が示されている。エッジリングERは、環状に形成されており、上面ERaが平坦に形成されている。図3では、エッジリングERの周方向に沿って上面ERaに所定間隔毎に、8個のマーク70が形成されている。なお、マーク70の数は、8個に限定されるものではなく、何れの個数であってもよい。
【0041】
[マークの構成]
図4は、実施形態に係るマーク70の一例を説明する図である。図4の左側には、エッジリングERが示されている。図4の右側の上部の(A)には、マーク70部分の断面図が示されている。図4の右側の下部の(B)には、マーク70部分を上面ERa側から見た上面図が示されている。エッジリングERは、上面ERaにマーク70として凹部71が形成されている。凹部71は、上面ERaに対して所定の角度θで斜めに形成されている。凹部71は、例えば、直径が0.1~1mm程度の孔とする。角度θは、例えば、45°以下とする。凹部71の向きは、何れであってもよいが、エッジリングERの径方向に向かっている方が好ましい。図4では、凹部71は、エッジリングERの径方向に向けて外側から内側に斜めに形成されているが、内側から外側に斜めに形成されてもよい。このように形成された凹部71は、上面ERaの消耗に応じて位置が移動する。例えば、図4では、凹部71は、上面ERaの消耗に応じて、エッジリングERの径方向に外側から内側へ移動する。よって、エッジリングERの凹部71の移動を検出することで、上面ERaの消耗量を求めることができる。
【0042】
実施形態に係る基板処理システム1000は、エッジリングERのマーク70の位置及び形状の少なくとも一方を検出する検出部を有する。例えば、基板処理システム1000は、基板W又はエッジリングERを処理装置PMに搬送する第2の搬送装置TM2に検出部を設ける。図5は、実施形態に係る第2の搬送装置TM2に検出部を設けた一例を示す図である。図5には、プラズマ処理装置1に基板Wを搬送する際の状態を示している。第2の搬送装置TM2は、伸縮可能なアーム80の先端にフォーク81が設けられ、フォーク81の上面で基板W又はエッジリングERを支持する。フォーク81の下面には、検出部として、画像を撮影するカメラ90が設けられている。例えば、実施形態に係る基板処理システム1000は、第2の搬送装置TM2のアーム80及びフォーク81を移動させてエッジリングERの各マーク70の上部にカメラ90を移動し、カメラ90により各マーク70の画像を撮影する。
【0043】
特定部61aは、検出部による検出結果に基づいて、エッジリングERの消耗量を特定する。例えば、特定部61aは、カメラ90により撮影された画像からマーク70の位置及び形状の少なくとも一方の変化を求めてエッジリングERの消耗量を特定する。
【0044】
例えば、エッジリングERは、リング部分の径や各マーク70を設けた径方向の初期位置などの各種のサイズが実物の測定やエッジリングERの設計情報から定まる。特定部61aは、撮影された画像からエッジリングERのリング部分の内側のエッジ、外側のエッジ、及びマーク70を検出し、画像内でリング部分の径に対するマーク70の径方向の位置を特定する。特定部61aは、エッジリングERのリング部分の実際の径を用いて、画像内でリング部分の径に対するマーク70の径方向の位置から、マーク70の径方向の実際の位置を算出する。特定部61aは、マーク70の径方向の初期位置と実際の位置から、マーク70の移動量を算出し、上面ERaの消耗量を特定する。例えば、マーク70が図4に示した凹部71である場合、角度θが定まっているため、特定部61aは、凹部71の移動量×tanθにより上面ERaの消耗量を算出することで消耗量を特定する。
【0045】
調整部61bは、特定部61aにより特定された消耗量に応じて、昇降機構50によりエッジリングERの高さを調整する。例えば、調整部61bは、第2アクチュエータ52bを制御して第2リフタピン51bを上方向に消耗量分移動させ、エッジリングERが消耗量分上昇するように調整する。
【0046】
なお、上述した実施形態では、マーク70を上面ERaに対して斜めに形成された凹部71とした場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。マーク70は、上面ERaの消耗に応じて位置及び形状の少なくとも一方が変化するものであれば、何れであってもよい。
【0047】
例えば、マーク70は、異なる深さの複数の凹部72であってもよい。図6は、実施形態に係るマーク70の他の一例を説明する図である。図6では、マーク70として、上面ERaに異なる深さの3つの凹部72が形成されている。凹部72は、例えば、直径が0.1~1mm程度であり、深さが0.1~1mm程度の孔とする。このように形成された複数の凹部72は、深さが異なるため、上面ERaの消耗に応じて、浅い凹部72から順に消失する。特定部61aは、カメラ90により撮影された画像からエッジリングERの凹部72の数を検出することで、上面ERaの消耗量を特定できる。例えば、特定部61aは、各凹部72の深さは定まっており、上面ERaの消耗量に応じて、残る凹部72の数も定まっているため、凹部72の数を検出することで、上面ERaの消耗量を特定できる。
【0048】
また、例えば、マーク70は、深くなるほど径を大きく又は小さく形成されている凹部73であってもよい。図7は、実施形態に係るマーク70の他の一例を説明する図である。図7では、マーク70として、上面ERaに凹部73が形成されている。凹部73は、深くなるほど径を小さく形成されている。凹部73は、例えば、テーパ角が45°以下の円錐型の孔とする。このように形成された凹部73は、深くなるほど径(幅)が小さいため、上面ERaの消耗に応じて、上面ERaでの径が小さくなる。特定部61aは、カメラ90により撮影された画像からエッジリングERの凹部73の径(幅)を検出することで、上面ERaの消耗量を特定できる。なお、凹部73は、深くなるほど径を大きく形成してもよい。この場合、凹部73は、深くなるほど径が大きいため、上面ERaの消耗に応じて、上面ERaでの径が大きくなる。
【0049】
また、図4図6及び図7では、マーク70として、凹部71~73を形成した例を説明したが、マーク70として溝を形成してもよい。溝は、エッジリングERの上面ERaにエッジリングERの周方向に沿って全周に設けてもよく、周方向に沿って所定間隔ごとに部分的に設けてもよい。マーク70として溝を全周に設けることで、エッジリングERの周方向の任意の位置で上面ERaの消耗量を特定できる。
【0050】
例えば、上面ERaにエッジリングERの周方向に沿って、異なる深さで複数の溝を形成してもよい。図8は、実施形態に係るマーク70の他の一例を説明する図である。図8では、マーク70として、上面ERaにエッジリングERの周方向に沿って全周に、異なる深さの複数の溝74が形成されている。溝74は、例えば、スリット径(幅)が0.1~1mm程度であり、深さが0.1~1mm程度とする。このように形成された複数の溝74は、深さが異なるため、上面ERaの消耗に応じて、浅い溝74から順に消失する。特定部61aは、カメラ90により撮影された画像からエッジリングERの溝74の数を検出することで、上面ERaの消耗量を特定できる。例えば、特定部61aは、各溝74の深さは定まっており、上面ERaの消耗量に応じて、残る溝74の数も定まっているため、溝74の数を検出することで、上面ERaの消耗量を特定できる。
【0051】
また、例えば、上面ERaにエッジリングERの周方向に沿って、上面ERaに対して角度θで斜めスリット状の溝を形成してもよい。このような斜めスリット状の溝は、上面ERaの消耗に応じて位置が移動する。特定部61aは、カメラ90により撮影された画像からエッジリングERの溝の移動を検出することで、上面ERaの消耗量を特定できる。
【0052】
また、例えば、エッジリングERの上面ERaにエッジリングERの周方向に沿って全周に、深くなるほどスリット径(幅)が大きい又は小さい、断面が三角形状の溝を形成してもよい。このような断面が三角形状の溝は、上面ERaの消耗に応じて、上面ERaでの径が変化する。特定部61aは、カメラ90により撮影された画像からエッジリングERの溝のスリット径(幅)を検出することで、上面ERaの消耗量を特定できる。
【0053】
また、上述した実施形態では、第2の搬送装置TM2に検出部を設けた場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。検出部は、プラズマ処理装置1に設けてもよい。
【0054】
例えば、プラズマ処理装置1に、エッジリングERのマーク70に対向するように検出部を設けてもよい。図9は、実施形態に係るプラズマ処理装置1の構成の他の一例を示す図である。例えば、上部電極シャワーヘッド12は、エッジリングERのマーク70に上部となる位置の透過性の窓94が設けられている。また、上部電極シャワーヘッド12は、窓94の上部に、検出部として、カメラ91が設けられている。このような構成により、カメラ91は、窓94を介してマーク70を撮影できる。
【0055】
また、例えば、プラズマ処理装置1のチャンバ10の側壁に透過性の窓を設けて、チャンバ10の外部に設置したカメラにより窓95を介してマーク70を撮影してもよい。図10は、実施形態に係るプラズマ処理装置1の構成の他の一例を示す図である。例えば、プラズマ処理装置1は、チャンバ10の側壁に透過性の窓95が設けられている。また、プラズマ処理装置1は、チャンバ10の外側の窓95を介してエッジリングERが見える位置にカメラ93が配置されている。このような構成により、カメラ93は、窓95を介してマーク70を撮影できる。
【0056】
調整部61bは、特定部61aにより特定された消耗量に応じて、昇降機構50によりエッジリングERの高さを調整する。例えば、調整部61bは、第2アクチュエータ52bを制御して第2リフタピン51bを上方向に消耗量分移動させ、エッジリングERが消耗量分上昇するように調整する。
【0057】
また、上述した実施形態では、第2リフタピン51bを上方向に消耗量分移動させてエッジリングERの消耗によるエッチング特性の変化を抑制する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。調整部61bは、エッジリングERの消耗によるエッチング特性の変化を抑制するようにその他の調整を行ってもよい。例えば、調整部61bは、エッジリングERの消耗によるエッチング特性の変化を抑制するように、プロセス条件の変更、エッジリングへの直流電圧印加等のプロセスの調整を行ってもよい。
【0058】
[効果]
このように、実施形態に係るプラズマ処理装置1は、支持部(載置台11)と、エッジリングERと、特定部61aとを有する。支持部は、プラズマ処理の対象となる基板Wを支持する。エッジリングERは、環状に形成され、基板Wの周囲を囲むように配置され、プラズマと対向する対向面(上面ERa)に、当該対向面の消耗に応じて位置及び形状の少なくとも一方が変化するマーク70が形成される。特定部61aは、エッジリングERのマーク70の位置及び形状の少なくとも一方を検出する検出部(カメラ90~93)による検出結果に基づいて、エッジリングERの消耗量を特定する。これにより、プラズマ処理装置1は、エッジリングERの消耗量を求めることができる。
【0059】
また、マーク70は、対向面に形成された凹部又は溝とする。これにより、プラズマ処理装置1は、エッジリングERの対向面に形成された凹部又は溝の位置及び形状の少なくとも一方が変化を検出することで、エッジリングERの消耗量を求めることができる。
【0060】
また、凹部又は溝は、対向面に対して所定の角度θで斜めに形成されている。これにより、エッジリングERの消耗量に応じて凹部又は溝の位置が変化するため、プラズマ処理装置1は、凹部又は溝の位置の変化を検出することで、エッジリングERの消耗量を求めることができる。
【0061】
また、凹部又は溝は、異なる深さで複数形成されている。これにより、エッジリングERの消耗量に応じて凹部又は溝の形状(数)が変化するため、プラズマ処理装置1は、凹部又は溝の形状の変化を検出することで、エッジリングERの消耗量を求めることができる。
【0062】
また、凹部又は溝は、深くなるほど径を大きく又は小さく形成されている。これにより、エッジリングERの消耗量に応じて凹部又は溝の形状が変化するため、プラズマ処理装置1は、凹部又は溝の形状の変化を検出することで、エッジリングERの消耗量を求めることができる。
【0063】
また、マーク70は、エッジリングERの周方向に沿って対向面に所定間隔毎又は全周に形成されている。これにより、プラズマ処理装置1は、所定間隔毎又は全周の任意の位置でエッジリングERの消耗量を求めることができる。
【0064】
検出部は、画像を撮影するカメラ90~93とする。特定部61aは、カメラ90~93により撮影された画像からマーク70の位置及び形状の少なくとも一方の変化を求めてエッジリングERの消耗量を特定する。これにより、画像からエッジリングERの消耗量を特定できるため、プラズマ処理装置1は、カメラ90~93からエッジリングERまでの距離が変化する場合でも、エッジリングERの消耗量を求めることができる。
【0065】
また、実施形態に係るプラズマ処理装置1は、昇降機構50と、調整部61bとを有する。昇降機構50は、エッジリングERを昇降する。調整部61bは、特定部61aにより特定された消耗量に応じて、昇降機構50によりエッジリングERの高さを調整する。これにより、プラズマ処理装置1は、エッジリングERの消耗により基板W外周付近のエッチング特性の変化を抑制できる。
【0066】
また、調整部61bは、特定部61aにより特定された消耗量に応じて、エッチング特性の変化を抑制するようにプロセスを調整する。これにより、プラズマ処理装置1は、エッジリングERの消耗によるエッチング特性の変化を抑制できる。
【0067】
以上、実施形態について説明してきたが、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0068】
例えば、上述した実施形態では、エッジリングERの上面ERaにマーク70として凹部(凹部71~73)や溝(溝74)を形成した場合、上面ERaの特性が凹部や溝付近で変わり、エッチングの均一性が低下する場合がある。そこで、凹部や溝は、フィリングしてもよい。例えば、凹部や溝は、エッジリングERの材料と同じ材料又は類似した特性の材料でフィリングしてもよい。これにより、エッチングの均一性の低下を抑制できる。また、凹部や溝は、判別しやすくするため、エッジリングERと異なる色の材料でフィリングしてもよい。
【0069】
また、上述した実施形態では、マーク70とする凹部(凹部71~73)及び溝(溝74)は、エッチングによって上部の角が速くエッチングされて上面の形状が変化する場合がある。そこで、記憶部62にエッジリングERの消耗に応じた、マーク70の位置及び形状の少なくとも一方の変化に関する変化情報を記憶させてもよい。特定部61aは、記憶部62に記憶された変化情報を用いて、検出部による検出結果からエッジリングERの消耗量を特定してもよい。例えば、記憶部62は、エッジリングERの消耗量ごとに、当該消耗量でのマーク70の画像を変化情報として記憶する。特定部61aは、カメラ90により撮影された画像と、記憶部62に記憶されたエッジリングERの消耗量ごとの各画像とを比較して最も類似する画像を特定し、特定した画像での消耗量を上面ERaの消耗量と特定する。
【0070】
また、上述した実施形態では、第1の搬送装置TM1及び第2の搬送装置TM2によりエッジリングERが交換可能な構成とした場合について説明した。しかし、これに限定されるものではない。エッジリングERは、メンテンナンス時などにより手動で交換されてもよい。制御部60は、特定部61aにより特定された消耗量を画面などのユーザインターフェースに表示してもよく、エッジリングERの消耗量がある基準を越えた場合に、ユーザインターフェースにエッジリングの交換時期をアラート表示してもよい。また、制御部60は、特定部61aにより特定されたエッジリングERの消耗量のデータを他の装置に送信してもよい。消耗量のデータを受信した他の装置は、エッジリングERの消耗量をユーザインターフェースに表示してもよく、エッジリングERの消耗量がある基準を越えた場合に、ユーザインターフェースにアラート表示してもよい。
【0071】
また、上記の実施形態では、基板Wを半導体ウエハとした場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。基板は、ガラス基板など何れの基板でもよい。
【0072】
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な追加、省略、置換、及び変更がなされてもよい。また、異なる実施形態における要素を組み合わせて他の実施形態を形成することが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1 プラズマ処理装置
10 チャンバ
50 昇降機構
51a 第1リフタピン
52a 第1アクチュエータ
51b 第2リフタピン
52b 第2アクチュエータ
60 制御部
61 コントローラ
61a 特定部
61b 調整部
62 記憶部
63 通信インターフェース
1000 基板処理システム
ATM 大気搬送室
ER エッジリング
FP(FP1~FP3) 収納容器
LLM(LLM1,LLM2) ロードロックモジュール
PM(PM1~PM6) 処理装置
W 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10