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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090389
(43)【公開日】2022-06-17
(54)【発明の名称】ロボットハンド及びその動作制御方法
(51)【国際特許分類】
   B25J 15/08 20060101AFI20220610BHJP
【FI】
B25J15/08 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020202771
(22)【出願日】2020-12-07
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期/フィジカル空間デジタルデータ処理基盤/サブテーマII:超低消費電力IoTデバイス・革新的センサ技術/ヒューマンインタラクションセンサデバイスシステム技術の開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(72)【発明者】
【氏名】植村 聖
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707ES04
3C707ES10
3C707KS07
3C707KS34
3C707KW01
3C707LV10
(57)【要約】
【課題】 物品の形状に応じた制御を与えて該物品を把持して移動させるロボットハンド及び動作制御方法の提供。
【解決手段】 ロボットハンドは、物品の表面に追従して変形し得る柔軟性を有する把持部の表面にマトリクス状に複数の圧力センサを配置し、物品との接面での圧力分布パターンから物品の表面形状の推定を得る。このロボットハンドの制御方法では、物品の表面形状の推定を得るとともに、圧力分布パターンの時間変化を測定し把持部の移動にフィードバック制御する。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の形状に応じた制御を与えて該物品を把持して移動させるロボットハンドであって、
前記物品の表面に追従して変形し得る柔軟性を有する把持部の表面にマトリクス状に複数の圧力センサを配置し、前記物品との接面での圧力分布パターンから前記物品の表面形状の推定を得ることを特徴とするロボットハンド。
【請求項2】
前記圧力センサは前記物品からの圧力で前記把持部の前記表面に押しつけられる圧力を測定するように設けられていることを特徴とする請求項1記載のロボットハンド。
【請求項3】
所定情報を符号化しこれに対応して前記物品の表面に凹凸を与え前記圧力分布パターンとして前記凹凸を測定し逆符号化して前記所定情報を得ることを特徴とする請求項1又は2に記載のロボットハンド。
【請求項4】
前記圧力分布パターンの時間変化を測定し前記把持部の移動にフィードバック制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のロボットハンド。
【請求項5】
前記圧力分布パターンは、前記把持部と前記物品との相対位置を併せて与えることを特徴とする請求項4記載のロボットハンド。
【請求項6】
別個に駆動制御可能な前記把持部を複数含み、これらの間に前記物品を挟み込んで把持し、複数の前記圧力分布パターンから前記物品の前記表面形状の推定を得ることを特徴とする請求項4又は5に記載のロボットハンド。
【請求項7】
物品の形状に応じた制御を与えて該物品を把持して移動させるロボットハンドの制御方法であって、
前記物品の表面に追従して変形し得る柔軟性を有する把持部の表面にマトリクス状に複数の圧力センサを配置し、前記物品との接面での圧力分布パターンから前記物品の表面形状の推定を得るとともに、前記圧力分布パターンの時間変化を測定し前記把持部の移動にフィードバック制御することを特徴とするロボットハンドの動作制御方法。
【請求項8】
前記圧力分布パターンは、前記把持部と前記物品との相対位置を併せて与えることを特徴とする請求項7記載のロボットハンドの動作制御方法。
【請求項9】
別個に駆動制御可能な前記把持部を複数含み、これらの間に前記物品を挟み込んで把持し、複数の前記圧力分布パターンから前記物品の前記表面形状の推定を得ることを特徴とする請求項8記載のロボットハンドの動作制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を把持して移動させるロボットハンド及び動作制御方法に関し、特に、物品の形状に応じた制御を与えて該物品を把持して移動させるロボットハンド及び動作制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品をカメラで撮像し画像処理して得られる情報に基づいてロボットハンドを制御し、該物品を把持して移動させるピッキング動作をする産業用ロボットが知られている。かかるカメラでの撮像を用いた方法では、物品の位置を認識できる一方で、外観でしか物品を判別できないため、例えば、中身の入っている箱と空箱とを区別できない。そのため、予め物品が既知であって、どの程度の把持力で把持すれば良いかが決定できていないと、物品を把持し損なって落下させ、又は、潰して破壊させてしまうこともある。そこで、ロボットハンドに圧力センサを組み込んで把持した物品の滑りや重心などを測定し、ピッキング動作を確実に行わせようとする試みが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、柔軟構造を有する指表面に圧力センサのような複数のセンサからなる触覚センサを配置し、把持する物品の把持開始時の指先に働く法線接触力Fと、初期圧力重心位置Cとを測定しピッキング動作を制御するロボットハンドが開示されている。物品を持ち上げる際に、柔軟構造が該物品に働く外力(重力)Fに応じて変形するため、圧力重心位置Cが移動するが、CとCの差、つまり、重心位置の移動量Sを基にして滑りの発生を予想し、滑り発生時には、指の把持力を増やすように制御してピッキング動作を確実に行わせようとしている。
【0004】
また、特許文献2でも、外部からの荷重により変形し、応力分散を生じさせる圧力センサを備え、該圧力センサにより検出された圧力値から圧力中心位置を演算し、該圧力中心位置の時間変化から滑りを検出するロボットハンドが開示されている。ここでは、圧力センサの圧力を検出する2つの検出部が外部からの荷重により変形する粘弾性体を挟むように配置された多層構造となっており、安定把持や器用な操りなどの複雑な制御を行うために必要な把持情報を得ている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-297542号公報
【特許文献2】特開2009-34742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
球状の物品を2本の指でつまむようにして持ち上げて移動させるとき、指先と物品の接面の位置、方向などにより把持力が大きく異なる。人であれば、無意識のうちに指先の力加減を制御し、物品を把持しやすいように、指先と物品の接面の位置関係を相対的に変更させるなどして、物品の形状に応じた把持動作の制御を行っている。そこで、上記したような圧力センサを組み込んだロボットハンドにおいても、物品の形状に応じて把持力等の調整ができるようになると、よりピッキング動作を安定させ得る。
【0007】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、物品の形状に応じた制御を与えて該物品を把持して移動させるロボットハンド及び動作制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、物品の形状に応じた制御を与えて該物品を把持して移動させるロボットハンドであって、前記物品の表面に追従して変形し得る柔軟性を有する把持部の表面にマトリクス状に複数の圧力センサを配置し、前記物品との接面での圧力分布パターンから前記物品の表面形状の推定を得ることを特徴とする。
【0009】
かかる特徴によれば、既知の表面形状に対応する圧力分布パターンと比較して物品の表面形状を推定でき、その表面形状から把持のし易さなどを判断し把持力などの調整を行い得て、ピッキング動作を安定させ得るのである。
【0010】
上記した発明において、前記圧力センサは前記物品からの圧力で前記把持部の前記表面に押しつけられる圧力を測定するように設けられていることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、圧力分布パターンを高い精度で得られ、ピッキング動作を安定させ得るのである。
【0011】
上記した発明において、所定情報を符号化しこれに対応して前記物品の表面に凹凸を与え前記圧力分布パターンとして前記凹凸を測定し逆符号化して前記所定情報を得ることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、予め物品情報を物品に与えてこの情報に対応して把持力などの調整を行い得て、ピッキング動作を安定させ得るのである。
【0012】
上記した発明において、前記圧力分布パターンの時間変化を測定し前記把持部の移動にフィードバック制御することを特徴としてもよい。また、前記圧力分布パターンは、前記把持部と前記物品との相対位置を併せて与えることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、把持力などの調整で、把持部と物品との相対移動を行ってピッキング動作を安定させ得るのである。
【0013】
上記した発明において、別個に駆動制御可能な前記把持部を複数含み、これらの間に前記物品を挟み込んで把持し、複数の前記圧力分布パターンから前記物品の前記表面形状の推定を得ることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、把持部と物品との相対移動を安定させてピッキング動作を安定させ得るのである。
【0014】
更に、本発明は、物品の形状に応じた制御を与えて該物品を把持して移動させるロボットハンドの制御方法であって、前記物品の表面に追従して変形し得る柔軟性を有する把持部の表面にマトリクス状に複数の圧力センサを配置し、前記物品との接面での圧力分布パターンから前記物品の表面形状の推定を得るとともに、前記圧力分布パターンの時間変化を測定し前記把持部の移動にフィードバック制御することを特徴とする。
【0015】
かかる特徴によれば、既知の表面形状に対応する圧力分布パターンと比較して物品の表面形状を推定でき、その表面形状から把持のし易さなどを判断し把持力などの調整を行い得て、ピッキング動作を安定させ得るのである。
【0016】
上記した発明において、前記圧力分布パターンは、前記把持部と前記物品との相対位置を併せて与えることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、把持力などの調整で、把持部と物品との相対移動を行ってピッキング動作を安定させ得るのである。
【0017】
上記した発明において、別個に駆動制御可能な前記把持部を複数含み、これらの間に前記物品を挟み込んで把持し、複数の前記圧力分布パターンから前記物品の前記表面形状の推定を得ることを特徴としてもよい。かかる特徴によれば、把持部と物品との相対移動を安定させてピッキング動作を安定させ得るのである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明による実施例としてのロボットハンドをロボットアームに取り付けた外観写真である。
図2】ロボットハンドの要部の側面図(一部断面図)である。
図3】ロボットハンドに用いられる把持部及び圧力検知部の外観写真である。
図4】(a)把持された球状の物品の側面図及び(b)その圧力分布パターンである。
図5】(a)把持された立方体状の物品の側面図及び(b)その圧力分布パターンである。
図6】(a)把持された柱状の物品の側面図及び(b)その圧力分布パターンである。
図7】(a)球状の物品を把持したロボットハンドの側面図、(b)一方の圧力検知部の圧力分布パターンと(c)他方の圧力検知部の圧力分布パターンを示す図である。
図8】ロボットハンドの制御の一例を示す側面図である。
図9】(a)物品識別用ラベルの取り付けられた物品と把持部の側面図、(b)物品識別用ラベルの正面図、(c)圧力分布パターンの図である。
図10】(a)他の物品識別用ラベルの正面図、(b)その側面図、(c)圧力分布パターンの図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明による1つの実施例であるロボットハンド及びその制御方法について、図1乃至図10を用いて説明する。
【0020】
図1に示すように、ロボットハンド10は、別個に駆動制御可能な複数の把持部1を複数含み、これらの間に挟み込んで物品を把持できるようにしたものであり、ここではロボットアーム20の先端に取り付けられている。
【0021】
図2に示すように、把持部1は表面に圧力検知部2を配置されてロボットハンド10の一部をなしている。把持部1は、柔軟性を有し、把持した物品の表面に追従して変形し得るものであり、例えば、ロボットハンド用のソフトフィンガーなどを使用し得る。また、圧力検知部2を保護フィルム3で覆っていてもよい。なお、圧力検知部2の配線にフレキシブル基板など柔軟性を有する帯状体を用いる場合、これを保護フィルム3として用いることもできる。
【0022】
図3を併せて参照すると、圧力検知部2は、把持部1の先端側にあって把持した物品に当接しやすい当接部9に貼付け配置される(特に図3(a)参照)。また、圧力検知部2は、複数の圧力センサをマトリクス状に配置した平板状体であり、例えば、パッチ型圧力分布センサなどを用い得る(特に図3(b)参照)。
【0023】
これにより、ロボットハンド10にて物品を把持した場合、当接部9に配置された圧力検知部2は、物品への接面における物品の表面形状に対応した圧力分布パターンを得る。かかる圧力分布パターンは、圧力を検知した圧力センサのマトリクス内での位置(座標)により表現できる。加えて、物品からの圧力によって当接部9に押し付けられる圧力を測定するようにされていることも好ましい。つまり、各圧力センサの検知した圧力の強度を加え、より高い精度で圧力分布パターンを得るのである。
【0024】
例えば、図4(a)に示すように、ロボットハンド10に球形の物品4aを把持させて、圧力検知部2に物品4aの表面の一部を当接させた。すると、図4(b)に示すように、圧力検知部2では、強度の異なる複数の圧力を比較的狭い範囲内で検知した。
【0025】
また、例えば、図5(a)に示すように、直方体の形状を有する物品4bを把持させて、圧力検知部2に物品4bの辺部分を当接させた。すると、図5(b)に示すように、圧力検知部2では、比較的強く一定の強度の複数の圧力を一直線上で検知した。
【0026】
また、例えば、図6(a)に示すように、三角柱体の形状を有する物品4cを把持させて、圧力検知部2に物品4cの面部分を当接させた。すると、図6(b)に示すように、圧力検知部2では、比較的弱く一定の強度の複数の圧力を四角形の範囲内の全域で検知した。
【0027】
これらのように、圧力検知部2に当接した物品の部分の表面形状によって圧力分布パターンが異なる。これにより、物品の表面形状の推定を得ることが可能となる。例えば、既知の表面形状に対応する圧力分布パターンと比較することで、物品の表面形状を推定できる。そして、推定した表面形状から把持のし易さなどを判断し、把持力などを調整することができる。これにより、物品を把持して移動させるピッキング動作において、物品の形状に応じた制御を与えてかかるピッキング動作を安定させ得る。また、得られた圧力分布パターンと把持状態について蓄積し学習することで、より安定したピッキング動作を得られるようにすることもできる。
【0028】
上記したように、ロボットハンド10は複数の把持部を含むので、それぞれの把持部に圧力検知部を設けることができる。その場合、複数の圧力検知パターンから把持した物品の表面形状について推定し、その結果を利用することもできる。
【0029】
例えば、図7に示すように、球状の物品4aをロボットハンド10で把持した場合において、一方の把持部1の圧力検知部2では中央付近において圧力を検知した圧力分布パターンであった(図7(b))のに対し、他方の把持部1’の圧力検知部2’では下方端部近傍において圧力を検知した圧力分布パターンであった(図7(c))。このとき、球状の物品4aは、把持部1’の下方端において把持されており、ロボットハンド10での把持状態として不安定である。このような把持部1’と物品4aとの相対位置についての情報を圧力分布パターンから併せて得ることができる。
【0030】
ここで、ロボットハンド10では、上記したように圧力検知部2及び2’により得た圧力分布パターンから、把持した物品の当接した面は凸状の曲面であることを推定できる。さらに予め物品の形状が限定されている場合においては、把持した物品が球状であることを特定できる。このような場合に上記した不安定な把持状態を解消すべくロボットハンド10を制御する。
【0031】
そこで、図8に示すように、把持部1’の下端を外側へ開きつつ上端を内側へ閉じるようして、球状の物品4aを圧力検知部2’の中央で把持できるように把持部1’を移動させる。また、把持部1’の移動に合せて、把持部1の下端を外側へ開きつつ上端を内側へ閉じるようにして、球状の物品4aの中心を挟んだ両側を接面として把持できるように把持部1を移動させる。これらの移動には、把持力の調整も含み得る。
【0032】
このように、圧力検知部2及び2’によって得られた圧力分布パターンに基づき、把持した物品と把持部との相対位置の情報を得ることができる。そして、安定した把持状態を得るようにロボットハンド10を制御して把持部と物品との相対移動を行い、ピッキング動作を安定させ得る。
【0033】
さらに、得られる圧力分布パターンの時間変化を測定し、これに基づきロボットハンド10の把持部1及び1’の移動にフィードバック制御するようにしてもよい。例えば、球状の物品4aを把持し、圧力検知部2’の中央で把持している圧力分布パターン(図8(b)参照)が時間的に変化して、下端で把持した圧力分布パターン(図8(c)参照)になったとする。このとき、上記と同様に圧力検知部2’の中央で把持できるように把持部1’を移動させるのである。また、このような圧力分布パターンの変化を得た場合、圧力検知部2’において把持した物品の接面との間で滑りが発生したと推定できるため、これ以上の滑りの発生を抑制すべく把持力を強くするなどの調整を行ってもよい。
【0034】
また、図9(a)に示すように、物品の表面に設けられた凹凸から所定情報を得ることもできる。詳細には、物品4dの表面には、物品4dの形状や重量、その他物品4dを特定するような所定情報を符号化して平面上に凹凸の配置として与えた物品識別用ラベル5が貼付けられている。
【0035】
図9(b)に示すように、物品識別用ラベル5は、凸部6を所定の範囲内に配置させることで上記した凹凸を表現したラベルである。物品識別用ラベル5に、ロボットハンド10の圧力検知部2を当接させることで凸部6の位置を圧力分布パターンとして検出できる(図9(c)参照)。ロボットハンド10では、この圧力分布パターンを逆符号化して所定情報を得ることができる。その上で、かかる所定情報に対応して把持力を調整するなどして、ピッキング動作を安定させることができる。
【0036】
また、図10に示すように、物品識別用ラベル5’として、凸部6よりも高さの低い凸部6’を設けてもよい。このようにすることで、圧力検知部2では、高さの高い凸部6に対応して高い圧力を検知し、高さの低い凸部6’に対応して低い圧力を検知するので、さらに圧力の強度を情報として加えられる。つまり、凸部6及び6’の位置と高さを圧力分布パターンとして検出できる。これにより、物品識別用ラベル5’からより多くの所定情報を得ることができる。
【0037】
以上、本発明による実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な代替実施例及び改変例を見出すことができるであろう。
【符号の説明】
【0038】
1 把持部
2 圧力検知部
4a~4d 物品
10 ロボットハンド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10