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特開2022-90710クロロメチル安息香酸エステル誘導体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022090710
(43)【公開日】2022-06-20
(54)【発明の名称】クロロメチル安息香酸エステル誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 67/307 20060101AFI20220613BHJP
   C07C 69/76 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
C07C67/307
C07C69/76 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203162
(22)【出願日】2020-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】504205521
【氏名又は名称】国立大学法人 長崎大学
(71)【出願人】
【識別番号】000003182
【氏名又は名称】株式会社トクヤマ
(72)【発明者】
【氏名】尾野村 治
(72)【発明者】
【氏名】栗山 正巳
(72)【発明者】
【氏名】山本 耕介
(72)【発明者】
【氏名】松浦 圭介
(72)【発明者】
【氏名】林 達
(72)【発明者】
【氏名】菊池 直登
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AB84
4H006AC30
4H006BB12
4H006BB21
4H006BJ20
4H006BM10
4H006BM30
4H006BM71
4H006BM72
4H006BS30
4H006KC30
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安全かつ簡便な方法で、クロロメチル安息香酸エステル誘導体を高収率で製造する方法を提供する。
【解決手段】下記式(1)

で示されるメチル安息香酸エステル誘導体を、有機溶媒中、次亜塩素酸の存在下塩素化させることにより、下記式(2)

で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体を製造する。(式(1)及び式(2)中、Rは炭素数1~6のアルキル基、Xは水素原子またはハロゲン原子である。)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)
【化1】
(式中、Rは炭素数1~6のアルキル基、Xは水素原子またはハロゲン原子である。メチル基およびXはベンゼン環上の任意の位置に存在してよい。)
で示されるメチル安息香酸エステル誘導体を、有機溶媒中、次亜塩素酸の存在下塩素化させることにより、
下記式(2)
【化2】
(式中、RおよびXは前記式(1)におけるものと同義である。)
で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体を製造する、クロロメチル安息香酸エステル誘導体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゼン環上にメチル基を有する安息香酸エステル誘導体をベンジル位選択的にモノクロロ化することで、クロロメチル安息香酸エステル誘導体を製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クロロメチル安息香酸エステル誘導体は、医薬品や農薬、化粧品原料をはじめとした種々の化学品を製造する上で重要な中間体である。本化合物はメチル安息香酸エステル誘導体のベンジル位をクロロ化することで合成可能である。
【0003】
例えばp-メチル安息香酸メチルのベンジル位のクロロ化は、UV照射条件下、あるいは酸化剤共存下で基質と塩素源を反応させることで実現できる(特許文献1、2、非特許文献1)。
【0004】
【化1】
【0005】
しかしながらこれらの製法には以下のような改善の余地があった。例えば特許文献1では、反応温度100℃、UV照射条件下でp-メチル安息香酸メチルに対して塩素ガスを反応させることで、ベンジル位をクロロ化している。しかし本反応条件ではUV照射装置を使用しなければならない点、副生成物が生成しやすく、収率が60%程度に留まっている点、ならびに高温での反応が必要という点で改善の余地がある。
【0006】
また特許文献2および非特許文献1では塩素源としてN-クロロスクシンイミド(NCS)を、酸化剤として過酸化ベンゾイルまたは2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ)をそれぞれ用いることでp-メチル安息香酸メチルのベンジル位のクロロ化を実現している。しかし本反応条件では80℃程度の高温が必要な点、ならびに高価な酸化剤を使用する必要がある点で改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願公開第101434545号明細書
【特許文献2】インド公開公報2008MU02726
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Li,Zi-Hao et al,Org.Biomol.Chem.2019,17,3403-3408.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述のようにクロロメチル安息香酸エステル誘導体は種々の化学品を製造する上で重要な中間体であることから、安全かつ簡便な方法で、高収率で製造されることが望まれる。
【0010】
したがって、本発明の目的は、安全かつ簡便な方法でクロロメチル安息香酸エステル誘導体を高収率で製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者等は、前述の課題を解決するために、鋭意検討を行った。その結果、次亜塩素酸とメチル安息香酸エステル誘導体とを反応させることで、ベンジル位のみが選択的にモノクロロ化されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、
下記式(1)
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、Rは炭素数1~6のアルキル基、Xは水素原子またはハロゲン原子である。メチル基およびXはベンゼン環上の任意の位置に存在してよい。)
で示されるメチル安息香酸エステル誘導体を、有機溶媒中、次亜塩素酸の存在下塩素化させることにより、
下記式(2)
【0015】
【化3】
【0016】
(式中、RおよびXは前記式(1)におけるものと同義である。)
で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体を製造する、クロロメチル安息香酸エステル誘導体の製造方法である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の方法によれば、安価かつ取り扱い容易な資材、具体的には次亜塩素酸を用いることで、比較的温和な条件下、前記式(2)で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体を高収率で製造することができる。前述のようにクロロメチル安息香酸エステル誘導体は種々の化学品の中間体として有用なことから、本発明法の工業的利用価値は高い。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、前記式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体を有機溶媒中、次亜塩素酸の存在下塩素化させることにより、前記式(2)で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体を製造する方法である。以下、その実施形態を説明する。
【0019】
(メチル安息香酸エステル誘導体)
本発明においては、メチル安息香酸エステル誘導体は下記式(1)
【0020】
【化4】
【0021】
で示される化合物である。
【0022】
式中、Rは炭素数1~6のアルキル基である。かかるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。
【0023】
Xは水素原子またはハロゲン原子である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0024】
メチル基およびXはベンゼン環上の任意の位置に存在してよい。
【0025】
(有機溶媒)
本発明の方法において、用いられる有機溶媒は反応を阻害しないものであれば特に限定されない。
【0026】
有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類が挙げられる。反応の進行しやすさからハロゲン化炭化水素類が好ましく、ジクロロメタン、クロロホルムがより好ましい。これら有機溶媒は、単独で、又はこれらの混合溶媒として用いることができる。
【0027】
有機溶媒の使用量は特に制限されるものではない。式(1)で表されるメチル安息香酸エステル誘導体の濃度が0.05~5mol/Lに相当する量を使用することが好ましく、メチル安息香酸エステル誘導体の濃度が0.2~1mol/Lに相当する量を使用することがより好ましい。なお、混合溶媒を用いる場合には、混合溶媒の全量が上記範囲を満足することが望ましい。
【0028】
(次亜塩素酸)
本発明の方法において、式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体から式(2)で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体を製造する際には、塩素化剤として次亜塩素酸が用いられる。即ち、次亜塩素酸の存在下、式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体を塩素化させて式(2)で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体を製造する。
【0029】
次亜塩素酸としては特に制限されず、次亜塩素酸の水溶液を使用してもよいが、次亜塩素酸は水溶液中で不安定であり、分解する。従って、クロロメチル安息香酸エステル誘導体の製造直前または製造時に次亜塩素酸金属塩と酸とを接触させて次亜塩素酸を発生させることが好ましい。
【0030】
次亜塩素酸金属塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム等のアルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウム等のアルカリ土類金属塩、次亜塩素酸銅、次亜塩素酸第二銅等の遷移金属塩が挙げられる。これらの中でも、工業的な入手の容易さや塩の安定性の観点から次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
【0031】
次亜塩素酸金属塩は、安定性の観点から水溶液として使用することが好ましい。次亜塩素酸金属塩が次亜塩素酸ナトリウムの場合、使用する次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度は、特に制限されるものではないが、入手のしやすさから5~12質量%のものが好ましく、塩素化の進行しやすさから8~12質量%のものがより好ましい。
【0032】
使用する酸の種類は、塩素化反応を阻害しないものであれば特に限定されない。酸としては、塩酸、硫酸などの無機酸;酢酸、ギ酸などの有機酸が挙げられる。塩素化の進行しやすさから塩酸が好ましい。
【0033】
使用する酸の濃度は、特に制限されるものではないが、塩素化の進行しやすさから希釈せずに用いることが好ましい。
【0034】
塩素化に使用する次亜塩素酸の当量は、特に制限されるものではない。好ましくは式(1)で表されるメチル安息香酸エステル誘導体1モルに対して、2~10モル使用する。より好ましくは2~6モル使用する。
【0035】
次亜塩素酸金属塩と酸とを接触させて次亜塩素酸を発生させる際に使用する次亜塩素酸金属塩と酸のモル比は、発生する次亜塩素酸の当量が上記の範囲を満たすものであれば、特に制限されるものではないが、副反応を低減するために次亜塩素酸金属塩と酸のモル比は1:1が好ましい。
【0036】
(クロロメチル安息香酸エステル誘導体)
本発明においては、塩素化反応により得られるクロロメチル安息香酸エステル誘導体は下記式(2)
【0037】
【化5】
【0038】
で示される化合物である。
【0039】
式中、RおよびXは上記式(1)におけるものと同義である。
【0040】
(反応条件)
本発明の方法においては、式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体を、有機溶媒中次亜塩素酸の存在下塩素化させればよく、式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体、有機溶媒および次亜塩素酸の反応容器への添加順序に特に制限はない。式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体および有機溶媒を反応容器中に用意しておき、この中に次亜塩素酸を存在させることが好ましい。
【0041】
次亜塩素酸は上記したように次亜塩素酸金属塩と酸とを接触させて発生させることが好ましい。この場合、
(i)反応容器中の式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体および有機溶媒に、次亜塩素酸金属塩と酸とを接触させて発生させた次亜塩素酸を添加する方法、
(ii)反応容器中の式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体および有機溶媒に次亜塩素酸金属塩を添加した後に、酸を添加して次亜塩素酸を発生させる方法、
(iii)反応容器中の式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体および有機溶媒に酸を添加した後に、次亜塩素酸金属塩を添加して次亜塩素酸を発生させる方法
がある。中でも、(ii)反応容器中の式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体および有機溶媒に次亜塩素酸金属塩を添加した後に酸を添加して次亜塩素酸を発生させる方法(以下、方法(ii)ともいう。)が、発生させた次亜塩素酸の分解や式(1)で示されるメチル安息香酸エステル誘導体の加水分解を低減することが可能であるため好ましい。次亜塩素酸金属塩は上記したように水溶液として使用することが好ましい。
【0042】
方法(ii)において、酸は所要量を一度に一括して添加することもできるが、少量ずつ連続的に添加または何回かに分けて添加することが好ましい。
【0043】
本発明の方法において、反応時間は特に制限されるものではなく、生成物であるクロロメチル安息香酸エステル誘導体への転化率を適宜確認しながら決定すればよいが、通常、1時間以上48時間以内であればよく、好ましくは2時間以上24時間以内である。
【0044】
本発明の方法において、反応温度は特に制限されるものではなく、0℃以上、有機溶媒の沸点以下の範囲で実施することができるが、実施の容易さから20℃から30℃の範囲が好ましい。
【0045】
(反応の後処理)
本発明の方法において、上記反応を実施した後に、式(2)で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体は、次のような方法により分離することができる。例えば、反応終了後、二層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した後に、有機層を合わせてチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄する。洗浄した有機層を減圧下、濃縮することで、式(2)で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体が得られる。
【0046】
不純物が式(2)で示されるクロロメチル安息香酸エステル誘導体に含まれている場合、カラム分離や再結晶等の公知の方法を適用することにより高純度化することが可能である。
【実施例0047】
以下に例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0048】
<HPLC条件>
装置:液体クロマトグラフ装置(WatersCorporation製)
検出器:紫外吸光光度計
測定波長:210nm
カラム:内径4.6mm、長さ250mmのステンレス管に、粒子径5μmの液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルが充填されたもの
移動相A:0.1%リン酸水溶液
移動相B:アセトニトリル
移動相の送液:移動相Aおよび移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御する
【0049】
【表1】
【0050】
流量:1.0ml/min
カラム温度:35℃付近の一定温度
測定時間:45分
反応の転化率は、上記条件で測定されたメチル安息香酸エステル誘導体の面積値およびクロロメチル安息香酸エステル誘導体の面積値を用いて以下の式より算出した。
【0051】
(反応転化率)=(クロロメチル安息香酸エステル誘導体の面積値)/{(クロロメチル安息香酸エステル誘導体の面積値)+(メチル安息香酸エステル誘導体の面積値)}

(製造例1)2-クロロ-4-メチル安息香酸メチルエステルの製造
【0052】
【化6】
【0053】
2-クロロ-4-メチル安息香酸[Combi-Blocks Inc.製](0.96g,5.63mmol)のメタノール溶液(9.6mL)を攪拌しながら5℃に冷却し、そこに塩化チオニル(0.61mL,1.5eq)を滴下した。滴下終了後、65℃まで昇温し、一晩攪拌した。反応液を室温まで冷却後、減圧濃縮した。得られた残渣にメタノールを加え、再度濃縮することで2-クロロ-4-メチル安息香酸メチル0.77gを得た(収率74%)。
【0054】
(製造例2)3-クロロ-4-メチル安息香酸メチルエステルの製造
【0055】
【化7】
【0056】
基質に3-クロロ-4-メチル安息香酸[東京化成工業株式会社製]を用いて製造例1と同様の操作を行って、3-クロロ-4-メチル安息香酸メチルを得た(収率82%)。
【0057】
(製造例3)2-フルオロ-4-メチル安息香酸メチルエステルの製造
【0058】
【化8】
【0059】
基質に2-フルオロ-4-メチル安息香酸[東京化成工業株式会社製]を用いて製造例1と同様の操作を行って、2-フルオロ-4-メチル安息香酸メチルを得た(収率87%)。
【0060】
(製造例4)3-フルオロ-4-メチル安息香酸メチルエステルの製造
【0061】
【化9】
【0062】
基質に3-フルオロ-4-メチル安息香酸[東京化成工業株式会社製]を用いて製造例1と同様の操作を行って、3-フルオロ-4-メチル安息香酸メチルを得た(収率72%)。
【0063】
(実施例1)p-メチル安息香酸メチルのクロロ化
【0064】
【化10】
【0065】
p-メチル安息香酸メチル(75mg,0.5mmol)[富士フィルム和光純薬株式会社製]のジクロロメタン溶液(1mL)に対して8.8質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(1.69g,4.0eq)を室温で添加した。その後、濃塩酸(0.18mL,4.0eq)をゆっくりと滴下した。室温で18時間攪拌したところ、転化率81%で反応が進行した。二層を分離し、水層をジクロロメタンで抽出した後に、有機層を合わせてチオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。洗浄後の有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた後、濾過および濃縮することで得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、p-クロロメチル安息香酸メチル68mgを得た(収率74%)。
【0066】
(実施例2)
【0067】
【化11】
【0068】
p-メチル安息香酸メチル(75mg,0.5mmol)[富士フィルム和光純薬株式会社製]のアセトニトリル溶液(1mL)に対して8.8質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液(1.69g,4.0eq)を室温で添加した。その後、濃塩酸(0.18mL,4.0eq)をゆっくりと滴下した。室温で18時間攪拌したところ、転化率68%で反応が進行した。
【0069】
(実施例3)
【0070】
【化12】
【0071】
溶媒にクロロホルムを用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、転化率99%で反応が進行した。
【0072】
(実施例4)o-メチル安息香酸メチルのクロロ化
【0073】
【化13】
【0074】
o-メチル安息香酸メチル[東京化成工業株式会社製]を用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、転化率89%で反応が進行した。
【0075】
(実施例5)m-メチル安息香酸メチルのクロロ化
【0076】
【化14】
【0077】
m-メチル安息香酸メチル[東京化成工業株式会社製]を用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、転化率93%で反応が進行した。
【0078】
(実施例6)p-メチル安息香酸エチルのクロロ化
【0079】
【化15】
【0080】
p-メチル安息香酸エチル[東京化成工業株式会社製]を用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、転化率58%で反応が進行した。
【0081】
(実施例7)2-クロロ-4-メチル安息香酸メチルのクロロ化
【0082】
【化16】
【0083】
製造例1で得た2-クロロ-4-メチル安息香酸メチルを用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、転化率51%で反応が進行した。
【0084】
(実施例8)3-クロロ-4-メチル安息香酸メチルのクロロ化
【0085】
【化17】
【0086】
製造例2で得た3-クロロ-4-メチル安息香酸メチルを用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、転化率69%で反応が進行した。
【0087】
(実施例9)2-フルオロ-4-メチル安息香酸メチルのクロロ化
【0088】
【化18】
【0089】
製造例3で得た2-フルオロ-4-メチル安息香酸メチルを用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、転化率50%で反応が進行した。
【0090】
(実施例10)3-フルオロ-4-メチル安息香酸メチルのクロロ化
【0091】
【化19】
【0092】
製造例4で得た3-フルオロ-4-メチル安息香酸メチルを用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、転化率59%で反応が進行した。
【0093】
(比較例1)p-メチル安息香酸のクロロ化
【0094】
【化20】
【0095】
p-メチル安息香酸[富士フィルム和光純薬株式会社製]を用いる以外は実施例2と同様の操作を実施したところ、ベンジル位がクロロ化された化合物は得られず、ベンゼン環がクロロ化された3-クロロ-4-メチル安息香酸を定量的に得た。
【0096】
【表2】