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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022093159
(43)【公開日】2022-06-23
(54)【発明の名称】膜電極接合体
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1004 20160101AFI20220616BHJP
   H01M 8/0273 20160101ALI20220616BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20220616BHJP
【FI】
H01M8/1004
H01M8/0273
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020206289
(22)【出願日】2020-12-11
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西畑 慎吾
【テーマコード(参考)】
5H126
【Fターム(参考)】
5H126AA02
5H126AA15
5H126BB06
5H126JJ02
5H126JJ03
(57)【要約】
【課題】燃料電池としての耐久性、及び、燃料電池を製造する際のハンドリング性に優れた膜電極接合体を提供することである。
【解決手段】第1電極と、電解質膜と、第2電極とがこの順に積層された積層体と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第1電極側に設けられる第1枠部材と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第2電極側に設けられる第2枠部材と、を備え、第1枠部材及び前記第2枠部材のうち少なくとも一方は、厚さが20μm以下である、膜電極接合体。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と、電解質膜と、第2電極とがこの順に積層された積層体と、
前記積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第1電極側に設けられる第1枠部材と、
前記積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第2電極側に設けられる第2枠部材と、を備え、
前記第1枠部材及び前記第2枠部材のうち少なくとも一方は、厚さが20μm以下である、膜電極接合体。
【請求項2】
第1電極と、電解質膜と、第2電極とがこの順に積層された積層体と、
前記積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第1電極側に設けられる第1枠部材と、
前記積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第2電極側に設けられる第2枠部材と、
前記第1枠部材上に設けられ、前記第1枠部材よりも開口領域が大きい外枠部材と、
を備え、
前記第1枠部材の開口端と、前記外枠部材の開口端とは同一平面上にない、膜電極接合体。
【請求項3】
前記第1枠部材の開口端と、前記外枠部材の開口端との最短距離が200μm以上である、請求項2に記載の膜電極接合体。
【請求項4】
前記外枠部材の厚さは、30μm~70μmである、請求項2又は請求項3に記載の膜電極接合体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、膜電極接合体に関する。
【背景技術】
【0002】
膜電極接合体は、例えば、触媒層を有するアノード及びカソードと、アノードとカソードとの間に配置された電解質膜とを備える。
【0003】
例えば、特許文献1には、イオノマー膜、イオノマー膜の前面のガス拡散層および触媒層(2)、イオノマー膜の背面のガス拡散層および触媒層および多成分リムを有する、電気化学装置用の膜-電極接合体であって、その際、該リムは、少なくとも1つのシーリング材料および、少なくとも1つの穿孔を有する少なくとも1つのフレーム有し、かつその際、シーリング材料およびフレームは、接着および機械的接続の両方によって互いに接合されており、フレームが膜-電極接合体より小さい厚さを有する、膜-電極接合体が記載されている。特許文献2には、高分子電解質が金属製基材表面を被覆してなることを特徴とする、補強電解質膜が記載されている。特許文献3には、アノード電極層、電解質層及びカソード電極層が積層された構造を有する電池構造体を備えた燃料電池セルであって、アノード電極層は、中央に配置され、かつ、電解質層の熱膨張率よりも熱膨張率が大きい電極反応部と、電極反応部の外周に電極反応部と隣接して配置され、かつ、電極反応部の熱膨張率よりも熱膨張率が小さい外周縁部と、を有することを特徴とする燃料電池セルが記載されている。
【0004】
膜電極接合体は、燃料電池に用いることができ、燃料電池としての耐久性の向上、及び、燃料電池を製造する際のハンドリング性の向上が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5483885号公報
【特許文献2】特開2007-250468号公報
【特許文献3】再表2018-216159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、燃料電池としての耐久性、及び、燃料電池を製造する際のハンドリング性に優れた膜電極接合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための手段には、以下の態様が含まれる。
<1>第1電極と、電解質膜と、第2電極とがこの順に積層された積層体と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第1電極側に設けられる第1枠部材と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第2電極側に設けられる第2枠部材と、を備え、第1枠部材及び前記第2枠部材のうち少なくとも一方は、厚さが20μm以下である、膜電極接合体。
<2>第1電極と、電解質膜と、第2電極とがこの順に積層された積層体と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第1電極側に設けられる第1枠部材と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第2電極側に設けられる第2枠部材と、第1枠部材上に設けられ、前記第1枠部材よりも開口領域が大きい外枠部材と、を備え、第1枠部材の開口端と、前記外枠部材の開口端とは同一平面上にない、膜電極接合体。
<3>第1枠部材の開口端と、外枠部材の開口端との最短距離が200μm以上である、<2>に記載の膜電極接合体。
<4>外枠部材の厚さは、30μm~70μmである、<2>又は<3>に記載の膜電極接合体。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、燃料電池としての耐久性、及び、燃料電池を製造する際のハンドリング性に優れた膜電極接合体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態の膜電極接合体を示す概略平面図である。
図2図2は、第1実施形態の膜電極接合体において、図1の破線枠Aにおける断面を示す概略断面図である。
図3図3は、第1実施形態の膜電極接合体における積層体を示す概略断面図である。
図4図4は、第1実施形態の変形例1の膜電極接合体を示す概略断面図である。
図5図5は、第1実施形態の変形例2の膜電極接合体を示す概略断面図である。
図6図6は、第1実施形態の変形例3の膜電極接合体を示す概略断面図である。
図7図7は、第1実施形態の変形例4の膜電極接合体を示す概略断面図である。
図8図8は、第2実施形態の膜電極接合体を示す概略平面図である。
図9図9は、第2実施形態の膜電極接合体において、図8の破線枠Bにおける断面を示す概略断面図である。
図10図10は、第2実施形態の変形例1の膜電極接合体を示す概略断面図である。
図11図11は、第2実施形態の変形例2の膜電極接合体を示す概略断面図である。
図12図12は、第2実施形態の変形例3の膜電極接合体を示す概略断面図である。
図13図13は、第2実施形態の変形例4の膜電極接合体を示す概略断面図である。
図14図14は、第2実施形態の変形例5の膜電極接合体を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示にて示す各図面における各要素は必ずしも正確な縮尺ではなく、本開示の原理を明確に示すことに主眼が置かれており、強調がなされている箇所もある。
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
<膜電極接合体>
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の膜電極接合体100を示す概略平面図である。図2は、第1実施形態の膜電極接合体100において、図1の破線枠Aにおける断面を示す概略断面図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、第1実施形態の膜電極接合体100は、第1電極11と、電解質膜12と、第2電極13とがこの順に積層された積層体10と、第1枠部材21及び第2枠部材22と、を備える。
【0014】
(第1電極)
第1電極11は、カソードであってもアノードであってもよい。
第1電極11は、電解質膜と接する触媒層を含むことが好ましい。
【0015】
触媒層は、例えば、触媒及びイオン交換樹脂を含む層である。
【0016】
触媒層に含まれる触媒としては、例えば、担体に、白金、白金合金、コアシェル触媒、又はカーボンアロイが担持された触媒が挙げられる。中でも、触媒は、担体に、白金又は白金合金が担持された触媒であることが好ましい。
【0017】
担体としては、カーボン担体及び金属酸化物担体が挙げられる。中でも、担体は、カーボン担体であることが好ましい。
【0018】
カーボン担体としては、活性炭及びカーボンブラックが挙げられる。中でも、カーボン担体は、耐久性の観点から、熱処理等によりグラファイト化したものが好ましい。カーボン担体の比表面積は、200m/g以上が好ましい。カーボン担体の比表面積は、BET比表面積装置により、カーボン表面への窒素吸着により測定される。
【0019】
白金合金は、白金を除く白金族の金属(例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、及びイリジウム)、金、銀、クロム、鉄、チタン、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステン、アルミニウム、ケイ素、亜鉛、及びスズからなる群から選ばれる1種以上の金属と、白金との合金であることが好ましい。白金合金には、白金と合金化される金属と、白金との金属間化合物が含まれていてもよい。
【0020】
白金又は白金合金の担持量は、触媒(100質量%)のうち、10質量%~70質量%であることが好ましい。
【0021】
触媒層に含まれるイオン交換樹脂は、耐久性の観点から、含フッ素イオン交換樹脂であることが好ましく、イオン交換基を有するペルフルオロカーボンポリマー(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)であることがより好ましい。
【0022】
触媒層の厚さは、触媒層中のガス拡散を容易にし、燃料電池の特性を向上させる観点から、1μm~20μmであることが好ましく、5μm~15μmであることがより好ましい。また、触媒層の厚さは、均一であることが好ましい。
【0023】
第1電極11は、触媒層上にガス拡散層が設けられていてもよい。ガス拡散層は、ガス拡散性基材を有する層であり、ガス拡散性基材は、導電性を有する多孔質基材であることが好ましい。ガス拡散性基材としては、例えば、カーボンクロス、カーボンペーパー、及びカーボンフェルトが挙げられる。
【0024】
ガス拡散性基材は、撥水性及び親水性のいずれでもよいが、撥水性であることが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン、又は、ポリテトラフルオロエチレンとカーボンブラックとの混合物によって撥水処理されていることが好ましい。
【0025】
ガス拡散層の厚さは、30μm~400μmであることが好ましく、50~100μmであることがより好ましい。
【0026】
第1電極11がカソードである場合、第1電極11はガス拡散層を含むことが好ましい。この場合、第1電極11の厚さは、5μm~500μmであることが好ましく、40μm~500μmであることがより好ましく、60μm~120μmであることがさらに好ましい。
【0027】
(電解質膜)
電解質膜12は、イオン交換樹脂を含む膜であることが好ましい
【0028】
イオン交換樹脂としては、含フッ素イオン交換樹脂及び非フッ素系イオン交換樹脂が挙げられる。中でも、イオン交換樹脂は、耐久性の点から、含フッ素イオン交換樹脂であることが好ましい。
【0029】
電解質膜12に含まれる含フッ素イオン交換樹脂は、イオン交換基を有するペルフルオロカーボンポリマー(エーテル性酸素原子を含んでいてもよい。)であることが好ましい。また、電解質膜12に含まれる含フッ素イオン交換樹脂は、触媒層に含まれるイオン交換樹脂と同じイオン交換樹脂であることが好ましい。
【0030】
非フッ素系イオン交換樹脂としては、例えば、スルホン化ポリアリーレン、スルホン化ポリベンゾオキサゾール、スルホン化ポリベンゾチアゾール、スルホン化ポリベンゾイミダゾール、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリフェニレンスルホン、スルホン化ポリフェニレンオキシド、スルホン化ポリフェニレンスルホキシド、スルホン化ポリフェニレンサルファイド、スルホン化ポリフェニレンスルフィドスルホン、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルケトンケトン、及びスルホン化ポリイミドが挙げられる。
【0031】
電解質膜12の厚さは、50μm以下であることが好ましく、3μm~40μmであることがより好ましく、5μm~30μmであることがさらに好ましい。電解質膜30の厚さを50μm以下であると、電解質膜12が乾燥した状態になりやすく、燃料電池の特性の低下を抑制することができる。電解質膜12の厚さが5μm以上であると、ガスリークの発生及び電気的な短絡を抑制することができる。
【0032】
(第2電極)
第2電極13は、カソードであってもアノードであってもよく、第1電極11がカソードである場合には、第2電極13はアノードであり、第1電極11がアノードである場合には、第2電極13はカソードである。
【0033】
第2電極13は、電解質膜と接する触媒層を含むことが好ましい。触媒層の好ましい態様は、第1電極11に含まれる触媒層と同様である。
【0034】
第2電極13は、触媒層上にガス拡散層が設けられていてもよい。ガス拡散層の好ましい態様は、第1電極11に含まれるガス拡散層と同様である。
【0035】
第2電極13がアノードである場合、第2電極13の厚さは、1μm~20μmであることが好ましく、5μm~15μmであることがより好ましい。
【0036】
(積層体)
図3は、第1実施形態の膜電極接合体100における積層体を示す概略断面図である。
【0037】
積層体10は、第1電極11と、電解質膜12と、第2電極13とをこの順に備える。第1実施形態の膜電極接合体100では、図2及び図3に示すように、第1電極11の平面領域の大きさは、第2電極13の平面領域の大きさより小さく、電解質膜12の平面領域の大きさと第2電極13の平面領域の大きさとは略同一である。第1電極11、電解質膜12、及び第2電極13はいずれも、上から見て略矩形状であり、平面領域とは、上から見たときの矩形状の領域を意味する。
【0038】
(第1枠部材及び第2枠部材)
第1枠部材21は、積層体10の外周部において、電解質膜12に対して第1電極11側に設けられる部材である。第2枠部材22は、積層体10の外周部において、電解質膜12に対して第2電極13側に設けられる部材である。第1枠部材21は、図1に示すように、第1電極側から見た平面図において略矩形状であり、中央に開口部を有している。また、第2枠部材22も、第2電極側から見た平面図において略矩形状であり、第1枠部材21と同様に、中央に開口部を有している。以下、開口部の領域を「開口領域」という。
【0039】
第1実施形態の膜電極接合体100では、第1枠部材21の開口領域の大きさと、第2枠部材22の開口領域の大きさとは、略同一である。
【0040】
第1枠部材21は少なくとも電解質膜12の露出部分を被覆するように形成されることが好ましい。第1実施形態の膜電極接合体100では、第1枠部材21は、電解質膜12の露出部分を被覆すると共に、第1電極11の一部を被覆するように形成されている。
【0041】
第1実施形態の膜電極接合体100では、積層体10の外周部に第1枠部材21及び第2枠部材22が設けられているため、積層体10が保護されると共に、燃料電池を製造する際のハンドリング性に優れる。
【0042】
従来、電解質膜は、湿度が比較的高い環境下又は比較的低い環境下において反る傾向にあった。反りが大きい場合には、燃料電池を製造する際にスタッキング工程の実施が困難であった。これに対して、第1実施形態の膜電極接合体100では、積層体10の外周部に第1枠部材21及び第2枠部材22が設けられているため、反りが低減され、スタッキング工程が実施しやすい。
【0043】
第1枠部材21及び第2枠部材22を構成する材料は、積層体10を保護することが可能な材料であれば特に限定されない。第1枠部材21及び第2枠部材22を構成する材料は、耐久性の観点から、樹脂であることが好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、及びポリカーボネートが挙げられる。中でも、第1枠部材21及び第2枠部材22を構成する材料は、耐久性の観点から、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。
【0044】
第1枠部材21及び第2枠部材22のうち少なくとも一方は、厚さが20μm以下である。厚さが20μm以下であると、燃料電池の耐久性が向上する。
【0045】
燃料電池の製造におけるスタッキング後の面圧によって、第1枠部材21及び第2枠部材22の開口端に位置する電解質膜12がクリープすると、電解質膜12の一部が薄くなり、燃料電池の耐久性が低下する。これに対して、第1実施形態の膜電極接合体100では、第1枠部材21及び第2枠部材22のうち少なくとも一方は、厚さが20μm以下であるため、電解質膜12のクリープが抑制され、電解質膜12の薄膜化が抑制されることにより、燃料電池の耐久性が向上する。
【0046】
第1枠部材21及び第2枠部材22のうち少なくとも一方の厚さは、燃料電池を製造する際のハンドリング性と、燃料電池の耐久性とを両立させる観点から、15μm以下であることが好ましい。上記厚さの下限値は、燃料電池を製造する際のハンドリング性と、燃料電池の耐久性とを両立させる観点から、10μmであることが好ましい。
【0047】
第1枠部材21及び第2枠部材22のうち一方の厚さが20μm以下であれば、他方の厚さは20μm超であってもよい。他方の厚さの上限値は、例えば、60μmである。
【0048】
また、燃料電池を製造する際のハンドリング性と、燃料電池の耐久性とを両立させる観点から、第1枠部材21及び第2枠部材22の両方の厚さが、20μm以下であることが好ましい。
【0049】
第1の実施形態の膜電極接合体100では、図2に示すように、第1枠部材21の開口端211及び第2枠部材22の開口端221は同一平面上にある。
【0050】
-変形例1、変形例2-
図4は、第1実施形態の変形例1の膜電極接合体100Aを示す概略断面図である。図5は、第1実施形態の変形例2の膜電極接合体100Bを示す概略断面図である。
【0051】
第1電極11の平面領域の大きさと、電解質膜12の平面領域の大きさと、第2電極13の平面領域の大きさとの関係は、図2に示す形態に限られない。
【0052】
第1実施形態の膜電極接合体100では、図2に示すように、第1電極11の平面領域の大きさは、第2電極13の平面領域の大きさより小さく、電解質膜12の平面領域の大きさと第2電極13の平面領域の大きさとは略同一である。しかし、図4に示すように、第1電極11Aの平面領域の大きさは、電解質膜12Aの平面領域の大きさより小さく、第2電極13Aの平面領域の大きさとは略同一である形態であってもよい(変形例1)。変形例1では、第1枠部材21A及び第2枠部材22Aの開口領域の大きさは、第1電極11Aの平面領域の大きさ及び第2電極13Aの平面領域の大きさより大きい。また、図5に示すように、第1電極11Bの平面領域の大きさ、電解質膜12Bの平面領域の大きさと、第2電極13Bの平面領域の大きさとは略同一である形態であってもよい(変形例2)。変形例2では、第1枠部材21Bと第2枠部材22Bとは、部分的に互いに重なった状態にある。変形例1の膜電極接合体100A及び変形例2の膜電極接合体100Bの場合にも、電解質膜12A、12Bのクリープを抑制する効果は得られる。
【0053】
-変形例3、変形例4-
図6は、第1実施形態の変形例3の膜電極接合体100Cを示す概略断面図である。図7は、第1実施形態の変形例4の膜電極接合体100Dを示す概略断面図である。
【0054】
第1枠部材21の開口端211と第2枠部材22の開口端221との位置関係は、図2に示す形態に限られない。
【0055】
第1の実施形態の膜電極接合体100では、図2に示すように、第1枠部材21の開口端211及び第2枠部材22の開口端221は同一平面上にある。しかし、図6に示すように、第2枠部材22Cの開口端221Cが、第1枠部材21Cの開口端211Cよりも積層体10側に突き出した形態であってもよい(変形例3)。変形例3において、第1枠部材21Cの開口端211Cと、第2枠部材22Cの開口端221Cとの距離は、例えば、300μm以下である。また、図7に示すように、第1枠部材21Dの開口端211Dが、第2枠部材22Dの開口端221Dよりも積層体10側に突き出した形態であってもよい(変形例4)。変形例4において、第1枠部材21Dの開口端211Dと、第2枠部材22Dの開口端221Dとの距離は、例えば、300μm以下である。変形例3の膜電極接合体100C及び変形例4の膜電極接合体100Dの場合にも、電解質膜12のクリープを抑制する効果は得られる。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態の膜電極接合体を示す概略平面図である。図9は、第2実施形態の膜電極接合体200において、図8の破線枠Bにおける断面を示す概略断面図である。
【0056】
図8及び図9に示すように、第2実施形態の膜電極接合体200は、第1電極51と、電解質膜52と、第2電極53とがこの順に積層された積層体50と、第1枠部材61と、第2枠部材62と、外枠部材63と、を備える。
【0057】
第2実施形態における第1電極51、電解質膜52、及び第2電極53は、第1電極11、電解質膜12、及び第2電極13と同様の構成であるため、説明を省略する。
【0058】
(第1枠部材、第2枠部材、及び外枠部材)
第1枠部材61は、積層体50の外周部において、電解質膜52に対して第1電極51側に設けられる部材である。第2枠部材62は、積層体50の外周部において、電解質膜52に対して第2電極53側に設けられる部材である。第1枠部材61は、図8に示すように、中央に開口部を有している。また、第2枠部材62も、第1枠部材61と同様に、中央に開口部を有している。
【0059】
第2実施形態の膜電極接合体200では、第1枠部材61の開口領域の大きさと、第2枠部材62の開口領域の大きさとは、略同一である。
【0060】
外枠部材63は、第1枠部材61上に設けられ、第1枠部材61よりも開口領域が大きい部材である。
【0061】
第2実施形態の膜電極接合体200では、積層体50の外周部に第1枠部材61及び第2枠部材62が設けられ、さらに、第1枠部材61上に外枠部材63が設けられているため、積層体50が保護されると共に、燃料電池を製造する際のハンドリング性に優れる。
【0062】
従来、電解質膜は、湿度が高い環境下においてカソード側に反り、湿度が低い環境下においてアノード側に反る傾向にあった。反りが大きい場合には、燃料電池を製造する際にスタッキング工程の実施が困難であった。これに対して、第2実施形態の膜電極接合体200では、積層体50の外周部に第1枠部材61及び第2枠部材62が設けられ、さらに、第1枠部材61上に外枠部材63が設けられているため、反りが低減され、スタッキング工程が実施しやすい。
【0063】
第1枠部材61及び第2枠部材62を構成する材料は、第1枠部材21及び第2枠部材22と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
外枠部材63を構成する材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、及びポリカーボネートが挙げられる。中でも、第1枠部材21及び第2枠部材22を構成する材料は、耐久性の観点から、ポリエステルが好ましく、ポリエチレンナフタレートがより好ましい。
【0065】
第2実施形態の膜電極接合体200では、第1枠部材61の開口端611と、外枠部材63の開口端631とは同一平面上にない。
【0066】
燃料電池の製造におけるスタッキング後の面圧によって、第1枠部材61及び第2枠部材62の開口端に位置する電解質膜52がクリープすると、電解質膜52の一部が薄くなり、燃料電池の耐久性が低下する。これに対して、第2実施形態の膜電極接合体200では、第1枠部材61の開口端611と、外枠部材63の開口端631とは同一平面上にないため、電解質膜12への過度に面圧が加わることなく、電解質膜12のクリープが抑制され、電解質膜12の薄膜化が抑制されることにより、燃料電池の耐久性が向上する。
【0067】
電解質膜52のクリープをより抑制し、燃料電池の耐久性を向上させる観点から、第1枠部材61の開口端611と、外枠部材63の開口端631との最短距離は、200μm以上であることが好ましい。上記最短距離の上限値は特に限定されず、例えば、3mmである。
【0068】
第1枠部材61及び第2枠部材62の厚さは、燃料電池を製造する際のハンドリング性と、燃料電池の耐久性とを両立させる観点から、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましい。上記厚さの下限値は、燃料電池を製造する際のハンドリング性と、燃料電池の耐久性とを両立させる観点から、10μmであることが好ましい。
【0069】
外枠部材63の厚さは、30μm~70μmであることが好ましく、40μm~60μmであることがより好ましい。
【0070】
-変形例1、変形例2-
図10は、第2実施形態の変形例1の膜電極接合体200Aを示す概略断面図である。図11は、第2実施形態の変形例2の膜電極接合体200Bを示す概略断面図である。
【0071】
図10に示すように、第1電極51Aの平面領域の大きさは、電解質膜52Aの平面領域の大きさより小さく、第2電極53Aの平面領域の大きさとは略同一である形態であってもよい(変形例1)。変形例1では、第1枠部材61Aと第2枠部材62Aの開口領域の大きさは、第1電極51Aの平面領域の大きさ及び第2電極53Aの平面領域の大きさより大きい。外枠部材63は、第1枠部材61A上に設けられる。また、図11に示すように、第1電極51Bの平面領域の大きさ、電解質膜52Bの平面領域の大きさと、第2電極53Bの平面領域の大きさとは略同一である形態であってもよい(変形例2)。変形例2では、第1枠部材61Bと第2枠部材62Bとは、部分的に互いに重なった状態にある。外枠部材63は、第1枠部材61B上に設けられる。変形例1の膜電極接合体200A及び変形例2の膜電極接合体200Bの場合にも、電解質膜52A、52Bのクリープを抑制する効果は得られる。
【0072】
-変形例3、変形例4-
図12は、第2実施形態の変形例3の膜電極接合体200Cを示す概略断面図である。図13は、第2実施形態の変形例4の膜電極接合体200Dを示す概略断面図である。
【0073】
図12に示すように、第2枠部材62Cの開口端621Cが、第1枠部材61Cの開口端611Cよりも積層体50側に突き出した形態であってもよい(変形例3)。変形例3において、第1枠部材61Cの開口端611Cと、第2枠部材62Cの開口端621Cとの距離は、例えば、300μm以下である。また、図13に示すように、第1枠部材61Dの開口端611Dが、第2枠部材62Dの開口端621Dよりも積層体50側に突き出した形態であってもよい(変形例4)。変形例4において、第1枠部材21Dの開口端611Dと、第2枠部材62Dの開口端621Dとの距離は、例えば、300μm以下である。変形例3の膜電極接合体200C及び変形例4の膜電極接合体200Dの場合にも、電解質膜52のクリープを抑制する効果は得られる。
【0074】
-変形例5-
図14は、第2実施形態の変形例5の膜電極接合体200Eを示す概略断面図である。
【0075】
第1電極51と外枠部材63との位置関係は、図9に示す形態に限られない。
【0076】
第2の実施形態の膜電極接合体200では、図9に示すように、外枠部材63の開口領域は、第1電極51の平面領域より大きい。しかし、図14に示すように、外枠部材63Eの開口領域は、第1電極51の平面領域より小さくてもよい。すなわち、第1電極51上に、第1枠部材61と、外枠部材63Eと、がこの順に積層されていてもよい。変形例5の膜電極接合体200Eの場合にも、電解質膜52のクリープを抑制する効果は得られる。
【実施例0077】
以下、本開示を実施例によりさらに具体的に説明するが、本開示はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0078】
[例1]
<電解質膜用塗工液の調製>
TFEに由来する構成単位と、下記構成単位(U1-11)とを有するポリマー(イオン交換容量:1.1ミリ当量/g乾燥樹脂)を、エタノール/水=6/4(質量比)に分散させ、固形分濃度が20質量%のポリマー分散液Aを調製した。ポリマー分散液Aを電解質膜用塗工液とした。
【0079】
【化1】
【0080】
<アノード触媒層用塗工液の調製>
カーボン担体に白金が触媒全質量の20%含まれるように担持された触媒(製品名「TEC10EA20E」、田中貴金属工業社製)10gに、窒素雰囲気下で、蒸留水84.1g、エタノール78.9g、上記ポリマー分散液A32.0gを添加し、撹拌した。さらに、遊星ボールミルを用いて混合及び粉砕し、固形分濃度が8質量%のアノード触媒層用塗工液を得た。
【0081】
<カソード触媒層用塗工液の調製>
カーボン担体に白金・コバルト合金(白金:コバルト=57:6質量比)が触媒全質量の63%含まれるように担持された触媒(製品名「TEC36F62」、田中貴金属工業社製、)10.0gを、蒸留水53.6gに添加し、撹拌した。さらに、エタノールの51.2gを添加し、よく撹拌した。これにポリマー(H1)分散液の14.8gを添加し、さらに、遊星ボールミルを用いて混合及び粉砕し、固形分濃度が10質量%のカソード触媒層用塗工液を得た。
【0082】
<中間層用塗工液の調製>
気相成長炭素繊維(商品名「VGCF-H」、昭和電工社製、平均繊維径:約150nm、繊維長:10~20μm)50gに、エタノール90g、水110gを添加し、撹拌した。上記ポリマー分散液A125.0gをさらに添加し、撹拌した。超音波分散機を用いて分散及び混合し、固形分濃度が20質量%の中間層用塗工液を得た。
【0083】
<積層体の作製>
ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレン共重合体)フィルムからなる剥離基材を毎分2mの速度で搬送しながら、剥離基材の表面に、アノード触媒用塗工液を白金量で0.05mg/cmとなるようにダイコータで塗布し、乾燥させた。これにより、剥離基材上に、アノード触媒層が形成された。
アノード触媒層が形成された剥離基材を毎分2mの速度で搬送しながら、アノード触媒層の表面に、乾燥後の全体の膜厚が18μmとなるように、電解質膜用塗工液を2回に分けてダイコータで塗布し、乾燥させた。これにより、アノード触媒層上に電解質膜が形成され、剥離基材/アノード触媒層/電解質膜からなる前駆体1を得た。
【0084】
ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレン共重合体)フィルムからなる剥離基材を毎分2mの速度で搬送しながら、剥離基材の表面に、中間層用塗工液を固形分量で3mg/cmとなるようにダイコータで塗布し、120℃で乾燥させた。これにより、剥離基材上に、中間層が形成された。
中間層が形成された剥離基材を毎分2mの速度で搬送しながら、中間層の表面に、カソード触媒用塗工液を白金量で0.35mg/cmとなるようにダイコータで塗布し、120℃で乾燥させた。これにより、中間層上に、カソード触媒層が形成され、剥離基材/中間層/カソード触媒層からなる前駆体2を得た。
【0085】
剥離基材/中間層/カソード触媒層からなる前駆体2を、表面が204mm×104mmの長方形となるように切り出した。切り出した前駆体2と、剥離基材/アノード触媒層/電解質膜からなる前駆体1とを、カソード触媒層と電解質膜とが接するように重ね、ホットプレス法によって接合した。さらに、150℃で15分のアニール処理を行った。剥離基材を剥離し、中間層/カソード触媒層/電解質膜/アノード触媒層からなる積層体を得た。
【0086】
<膜電極接合体の作製>
第1枠部材として、中央に200mm×100mmの開口部を有する厚さ50μmのポリエチレンナフタレートフィルムを準備した。第2枠部材として、中央に200mm×100mmの開口部を有する厚さ12μmのポリエチレンナフタレートフィルムを準備した。
図7に示すように、積層体のカソード側(具体的には、中間層上)と、第1枠部材とを貼り合わせた。このとき、第1枠部材の中央における開口端がいずれも、カソード領域(204mm×104mm)内に含まれるように、貼り合わせ位置を調整した。また、積層体のアノード側(具体的には、アノード触媒層上)と、第2枠部材とを貼り合わせ、膜電極接合体を得た。
【0087】
[例2]
<積層体の作製>
例1と同様の方法で積層体を作製した。
【0088】
<膜電極接合体の作製>
第1枠部材の厚さを12μmに変更したこと以外は、例1と同様に、第1枠部材及び第2枠部材を準備した。
例1と同様の方法で、積層体と、第1枠部材及び第2枠部材と、を貼り合わせた。
外枠部材として、中央に206mm×106mmの開口部を有する厚さ50μmのポリエチレンナフタレートフィルムを準備した。
図13に示すように、第1枠部材と、外枠部材とを貼り合わせ、膜電極接合体を得た。
【0089】
[例3]
<積層体の作製>
例1と同様の方法で積層体を作製した。
【0090】
<膜電極接合体の作製>
第2枠部材の厚さを50μmに変更したこと以外は、例1と同様に、第1枠部材及び第2枠部材を準備した。
厚さ50μmの第2枠部材を用いたこと以外は、例1と同様の方法で膜電極接合体を作製した。
【0091】
作製した膜電極接合体について、圧力を加えた際の電解質膜のクリープ率及びハンドリング性に関する評価を行った。評価方法は以下のとおりである。評価結果を表1に示す。
【0092】
(クリープ率)
作製した膜電極接合体の上側及び下側にガス拡散層を配置し、さらに、ガス拡散層の上側及び下側に、保護フィルムを配置した。平板プレス機(製品名「VH1-1811」、北川精機社製)を用いて、温度160℃、圧力4.5MPaの条件下で1時間保持した。1時間経過後、カミソリを用いて、膜電極接合体の断面を切り出し、レーザー顕微鏡(製品名「VK-1000X」、キーエンス社製)を用いて、電解質膜の最も薄い部分の厚さを測定した。このプレス試験を4回行い、4回の平均値を「プレス後の電解質膜の厚さ」とした。
クリープ率は以下の式を用いて算出した。初期の電解質膜の厚さは18μmである。
クリープ率(%)=(初期の電解質膜の厚さ-プレス後の電解質膜の厚さ)/(初期の電解質膜の厚さ)×100
クリープ率は60%以下であれば、実用上問題ないレベルである。クリープ率が小さいほど、作製される燃料電池の耐久性に優れるといえる。
【0093】
(反り)
作製した膜電極接合体について、アノード側を上にして、温度22.3℃湿度26%RHの条件下で24時間静置した。24時間経過後、上方向への反りを測定した。反りは、膜電極接合体を測定台に置いた状態において、測定台から垂直方向に最も離れている地点の高さとした。
反りは15mm以下であれば、実用上問題ないレベルである。反りが小さいほど、ハンドリング性に優れるといえる。
【0094】
【表1】
【0095】
表1に示すように、例1の膜電極接合体は、第1電極と、電解質膜と、第2電極とがこの順に積層された積層体と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第1電極側に設けられる第1枠部材と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第2電極側に設けられる第2枠部材と、を備え、第1枠部材及び前記第2枠部材のうち少なくとも一方は、厚さが20μm以下であるため、クリープ率が小さく、かつ、反りが小さいことが分かった。例2の膜電極接合体は、第1電極と、電解質膜と、第2電極とがこの順に積層された積層体と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第1電極側に設けられる第1枠部材と、積層体の外周部において、前記電解質膜に対して前記第2電極側に設けられる第2枠部材と、第1枠部材上に設けられ、前記第1枠部材よりも開口領域が大きい外枠部材と、を備え、第1枠部材の開口端と、前記外枠部材の開口端とは同一平面上にないため、クリープ率が小さく、かつ、反りが小さいことが分かった。
【0096】
一方、例3の膜電極接合体は、第1枠部材及び第2枠部材の厚さがいずれも20μm超えであるため、クリープ率が大きいことが分かった。
【符号の説明】
【0097】
10、10A、10B、50、50A、50B、 積層体
11、11A、11B、51、511A、51B、 第1電極
12、12A、12B、52、52A、52B、 電解質膜
13、13A、13B、53、53A、53B、 第2電極
21、21A、21B、21C、21D、61、61A、61B、61C、61D、 第1枠部材
22、22A、22B、22C、22D、62、62A、62B、62C、62D 第2枠部材
63、63E 外枠部材
100、100A、100B、100C、200、200A、200B、200C、200D、200E 膜電極接合体
211、211C、211D、221、221C、221D、611、611C、611D、621、621C、621D、631 開口端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14