(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022095804
(43)【公開日】2022-06-28
(54)【発明の名称】III族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 7/11 20060101AFI20220621BHJP
H01L 21/302 20060101ALI20220621BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
G03F7/11 503
H01L21/302 201A
H01L21/302 105A
G03F7/11 502
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022062600
(22)【出願日】2022-04-04
(62)【分割の表示】P 2018504524の分割
【原出願日】2017-03-07
(31)【優先権主張番号】P 2016044904
(32)【優先日】2016-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003986
【氏名又は名称】日産化学株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504139662
【氏名又は名称】国立大学法人東海国立大学機構
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 圭祐
(72)【発明者】
【氏名】染谷 安信
(72)【発明者】
【氏名】堀 勝
(72)【発明者】
【氏名】関根 誠
(57)【要約】 (修正有)
【課題】形成されたパターンがリフローや分解によって崩れない、III族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法の提供。
【解決手段】基板のIII族窒化物系化合物層の上にパターン化されたマスク層を形成する工程、及び300℃以上700℃以下のドライエッチングにより、パターン化されたIII族窒化物系化合物層を形成する工程を含み、マスク層は、式(1)~(3)で表される構造単位を含むポリマー、或いは、これらの架橋構造体を含む。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法であって、
該基板のIII族窒化物系化合物層の上にパターン化されたマスク層を形成する工程、及び
300℃以上700℃以下のドライエッチングにより前記III族窒化物系化合物層を該マスクパターンに倣いエッチングし、これによりパターン化されたIII族窒化物系化合物層を形成する工程を含み、
前記パターン化されたマスク層は、下記式(1):
【化1】
(式(1)中、Ar
1、及びAr
2はそれぞれベンゼン環、又はナフタレン環を表し、R
1及びR
2はそれぞれこれら環上の水素原子の置換基でありハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及び該アリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R
3は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及びアリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R
4は炭素原子数6乃至40のアリール基及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数6乃至40のアリール基、ホルミル基、カルボキシル基、又は水酸基で置換されていてもよい有機基を表し、
R
5は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、若しくは水酸基で置換されていてもよい有機基を表し、そしてR
4とR
5はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。n
1及びn
2はそれぞれ0乃至3の整数である。)で表される単位構造を含むポリマーを含むか、又は、
下記式(2):
【化2】
(式(2)中、Ar
1は炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表す。)で表される単位構造を含むポリマー、
下記式(3):
【化3】
(式(3)中、Ar
2、Ar
3、及びAr
4はそれぞれ炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表し、Tはカルボニル基またはスルホニル基を表す。)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記パターン化されたマスク層は、マスク層をIII族窒化物系化合物層の上に形成する工程、該マスク層の上に有機膜を形成する工程、該有機膜をリソグラフィ技術により有機パターンを形成する工程、及び該有機パターンを介してマスク層をパターン化する工程を含みて形成される請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記パターン化されたマスク層は、マスク層をIII族窒化物系化合物層の上に形成する工程、該マスク層の上にレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜への光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、及び該レジストパターンを介してマスク層をパターン化する工程を含みて形成される請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記パターン化されたマスク層は、マスク層をIII族窒化物系化合物層の上に形成する工程、該マスク層の上にハードマスクを形成する工程、該ハードマスクの上に有機膜を形成する工程、該有機膜をリソグラフィ技術により有機パターンを形成する工程、該有機パターンを介してハードマスクをパターン化する工程、及び該パターン化されたハードマスクを介してマスク層をパターン化する工程を含みて形成される請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記マスク層は、スピンコート法にてマスク形成組成物から形成される請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記マスク形成組成物は、架橋剤を含む請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記マスク形成組成物は、酸及び/又は酸発生剤を含む請求項5又は請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
前記III族窒化物系化合物層の上に、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のパターン化されたマスク層が形成された基板。
【請求項9】
III族窒化物系化合物層を有する化合物半導体装置の製造方法であって、請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載の製造方法により得られた半導体基板を更に加工する工程を含む製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法に関する。本発明はまた、III族窒化物系化合物層の上にパターン化されたマスク層が形成された基板、III族窒化物系化合物層を有する化合物半導体装置の製造方法、及びIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板のパターン形成方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
III族窒化物系化合物半導体においては、Siに比べて電子伝導性が高く絶縁破壊電界強度も高いことが知られている。したがって、パワーデバイスへの適用が期待されている。従来におけるGaN系のHEMTは、ゲート電極に電圧を印加しない場合であっても、オン状態になるノーマリオン特性を有する。つまり、ゲート電極に電圧を印加していないにもかかわらず、ソースドレイン間に電流が流れる。これでは停電時などの安全性に問題がある。
【0003】
そのため、ソース―ドレイン間に電流が流れないノーマリオフを実現するための技術が開発されてきている。例えばリセス構造を適用することが有効であるとされている。リセス構造を形成するために、半導体層にエッチングを実施する必要がある。しかしIII族窒化物系化合物半導体は、化学薬液に不溶でありドライエッチングが用いられる。例えば、基板温度を170℃以下として、電子サイクロトロン共鳴(ECR)エッチング装置によりGaN、InN、AlNをエッチングする技術が用いられている。エッチングガスとしてはCl2とH2とArの混合ガスが用いられている。しかしながらGaNをCl2を含むガスでドライエッチングした場合、表面組成の変化や結晶欠陥によってGaN半導体の品質の劣化が生じるという問題があった。
【0004】
上記の問題を解決するため、特許文献1に示されるような、基板を200℃から600℃の高温にしながらCl2を含むガスでドライエッチングする技術が提案されている。そして、該文献には、このエッチング法を用いることで、GaN半導体の品質を劣化させることなくリセス構造等のパターンを作成できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
リセスパターンなどのエッチングを行う際にはその元となるマスクパターンが必要となるが、通常そのマスクパターンはリソグラフィーによりレジスト膜に作成される。しかし、レジスト材料は耐熱性が高くなく、そのため、特許文献1に示されるような、200℃から600℃という高温でのエッチング法を用いると、形成されたマスクパターンがリフローや分解によって崩れてしまうという問題が発生する。
【0007】
従って、本発明は、上記の問題を解決し得る、即ち、300℃から700℃という高温でのエッチング法を用いた場合においても形成されたマスクパターンがリフローや分解によって崩れない、パターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、基板のIII族窒化物系化合物層の上にパターン化されたマスク層を形成し、その後、300℃以上700℃以下のドライエッチングにより前記III族窒化物系化合物層を該マスクパターンに倣いエッチングする際、前記マスク層を特定の構造を有するポリマー又はこれらポリマーの架橋構造体を含むものとすると、形成されたマスクパターンがリフローや分解によって崩されることなくパターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板が製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、第1観点として、パターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法であって、
該基板のIII族窒化物系化合物層の上にパターン化されたマスク層を形成する工程、及び
300℃以上700℃以下のドライエッチングにより前記III族窒化物系化合物層を該マスクパターンに倣いエッチングし、これによりパターン化されたIII族窒化物系化合物層を形成する工程を含み、
前記パターン化されたマスク層は、下記式(1):
【化1】
(式(1)中、Ar
1、及びAr
2はそれぞれベンゼン環、又はナフタレン環を表し、R
1及びR
2はそれぞれこれら環上の水素原子の置換基でありハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及び該アリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R
3は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及びアリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R
4は炭素原子数6乃至40のアリール基及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数6乃至40のアリール基、ホルミル基、カルボキシル基、又は水酸基で置換されていてもよい有機基を表し、
R
5は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、若しくは水酸基で置換されていてもよい有機基を表し、そしてR
4とR
5はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。n
1及びn
2はそれぞれ0乃至3の整数である。)で表される単位構造を含むポリマーを含むか、又は、
下記式(2):
【化2】
(式(2)中、Ar
1は炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表す。)で表される単位構造を含むポリマー、
下記式(3):
【化3】
(式(3)中、Ar
2、Ar
3、及びAr
4はそれぞれ炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表し、Tはカルボニル基またはスルホニル基を表す。)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体を含むことを特徴とする製造方法に関する。
第2観点として、前記パターン化されたマスク層は、マスク層をIII族窒化物系化合物層の上に形成する工程、該マスク層の上に有機膜を形成する工程、該有機膜をリソグラフィ技術により有機パターンを形成する工程、及び該有機パターンを介してマスク層をパターン化する工程を含みて形成される第1観点に記載の製造方法に関する。
第3観点として、前記パターン化されたマスク層は、マスク層をIII族窒化物系化合物層の上に形成する工程、該マスク層の上にレジスト膜を形成する工程、該レジスト膜への光又は電子線の照射と現像によりレジストパターンを形成する工程、及び該レジストパターンを介してマスク層をパターン化する工程を含みて形成される第2観点に記載の製造方法に関する。
第4観点として、前記パターン化されたマスク層は、マスク層をIII族窒化物系化合物層の上に形成する工程、該マスク層の上にハードマスクを形成する工程、該ハードマスクの上に有機膜を形成する工程、該有機膜をリソグラフィ技術により有機パターンを形成する工程、該有機パターンを介してハードマスクをパターン化する工程、及び該パターン化されたハードマスクを介してマスク層をパターン化する工程を含みて形成される第1観点に記載の製造方法に関する。
第5観点として、前記マスク層は、スピンコート法にてマスク形成組成物から形成される第1観点乃至第4観点の何れか1つに記載の製造方法に関する。
第6観点として、前記マスク形成組成物は、架橋剤を含む第5観点に記載の製造方法に関する。
第7観点として、前記マスク形成組成物は、酸及び/又は酸発生剤を含む第5観点又は第6観点記載の製造方法に関する。
第8観点として、前記III族窒化物系化合物層の上に、第1観点乃至第7観点の何れか1つに記載のパターン化されたマスク層が形成された基板に関する。
第9観点として、III族窒化物系化合物層を有する化合物半導体装置の製造方法であって、第1観点乃至第7観点の何れか1つに記載の製造方法により得られた半導体基板を更に加工する工程を含む製造方法に関する。
第10観点として、III族窒化物系化合物層を有する半導体基板のパターン形成方法であって、
該基板のIII族窒化物系化合物層の上にパターン化されたマスク層を形成する工程、及び
300℃以上700℃以下のドライエッチングにより前記III族窒化物系化合物層を該マスクパターンに倣いエッチングし、これによりパターン化されたIII族窒化物系化合
物層を形成する工程を含み、
前記パターン化されたマスク層は、下記式(1):
【化4】
(式(1)中、Ar
1、及びAr
2はそれぞれベンゼン環、又はナフタレン環を表し、R
1及びR
2はそれぞれこれら環上の水素原子の置換基でありハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及び該アリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R
3は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及びアリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R
4は炭素原子数6乃至40のアリール基及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数6乃至40のアリール基、ホルミル基、カルボキシル基、又は水酸基で置換されていてもよい有機基を表し、
R
5は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、若しくは水酸基で置換されていてもよい有機基を表し、そしてR
4とR
5はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。n
1及びn
2はそれぞれ0乃至3の整数である。)で表される単位構造を含むポリマーを含むか、又は、
下記式(2):
【化5】
(式(2)中、Ar
1は炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表す。)で表される単位構造を含むポリマー、
下記式(3):
【化6】
(式(3)中、Ar
2、Ar
3、及びAr
4はそれぞれ炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表し、Tはカルボニル基またはスルホニル基を表す。)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体を含むことを特徴とする、該方法に関する。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、300℃から700℃という高温でのエッチング法を用いた場合においても形成されたマスクパターンがリフローや分解によって崩れない、パターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法により製造された半導体基板は、III族窒化物系化合物層を有する化合物半導体装置の製造において有利に使用し得る。
また、本発明の製造方法は、300℃から700℃という高温でのエッチング法を採用することで、III族窒化物系化合物層の表面組成の変化や結晶欠陥の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例1の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを250℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図2】実施例1の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを300℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図3】実施例1の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを400℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図4】実施例1の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを500℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図5】実施例2の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを250℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図6】実施例2の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを300℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図7】実施例2の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを400℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図8】実施例2の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを500℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図9】実施例3の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを250℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図10】実施例3の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを300℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図11】実施例3の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを400℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図12】実施例3の組成物から形成されたマスク層が形成されたシリコンウェハを500℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【
図13】実施例2の組成物から形成されたマスク層が形成されたGaNが製膜されたウェハを500℃のエッチングに付した際のパターン形状のSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の、パターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法は、
基板のIII族窒化物系化合物層の上にパターン化されたマスク層を形成する工程、及び300℃以上700℃以下のドライエッチングにより前記III族窒化物系化合物層を該マスクパターンに倣いエッチングし、これによりパターン化されたIII族窒化物系化合物層を形成する工程を含み、
前記パターン化されたマスク層は、下記式(1):
【化7】
(式(1)中、Ar
1、及びAr
2はそれぞれベンゼン環、又はナフタレン環を表し、R
1及びR
2はそれぞれこれら環上の水素原子の置換基でありハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及び該アリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R
3は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及びアリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R
4は炭素原子数6乃至40のアリール基及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数6乃至40のアリール基、ホルミル基、カルボキシル基、又は水酸基で置換されていてもよい有機基を表し、
R
5は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、若しくは水酸基で置換されていてもよい有機基を表し、そしてR
4とR
5はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。n
1及びn
2はそれぞれ0乃至3の整数である。)で表される単位構造を含むポリマーを含むか、又は、
下記式(2):
【化8】
(式(2)中、Ar
1は炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表す。)で表される単位構造を含むポリマー、
下記式(3):
【化9】
(式(3)中、Ar
2、Ar
3、及びAr
4はそれぞれ炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表し、Tはカルボニル基またはスルホニル基を表す。)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明に使用し得るIII族窒化物系化合物としては、GaN、AlN及びInNが挙
げられ、好ましくは、GaNが挙げられる。
【0014】
上述のように、前記パターン化されたマスク層は、上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマーを含むか、又は、上記の式(2)で表される単位構造を含むポリマー、上記の式(3)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体を含む。
【0015】
上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマーは、重量平均分子量が600乃至1000000、又は600乃至200000である。 式(1)中、Ar1、及びAr2はそれぞれベンゼン環、ナフタレン環を示し、R1及びR2はそれぞれこれら環上の水素原子の置換基でありハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及び該アリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R3は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及びそれらの組み合わせからなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アルケニル基及び該アリール基は、エーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよい有機基を表し、
R4は炭素原子数6乃至40のアリール基及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数6乃至40のアリール基、ホルミル基、カルボキシル基、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい有機基を表し、
R5は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、若しくはヒドロキシ基で置換されていてもよい有機基であり、そしてR4とR5はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。n1及びn2はそれぞれ0乃至3の整数である。
【0016】
上記ハロゲン基としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素原子数1乃至10のアルキル基としてはメチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、1-メチル-シクロプロピル基、2-メチル-シクロプロピル基、n-ペンチル基、1-メチル-n-ブチル基、2-メチル-n-ブチル基、3-メチル-n-ブチル基、1,1-ジメチル-n-プロピル基、1,2-ジメチル-n-プロピル基、2,2-ジメチル-n-プロピル基、1-エチル-n-プロピル基、シクロペンチル基、1-メチル-シクロブチル基、2-メチル-シクロブチル基、3-メチル-シクロブチル基、1,2-ジメチル-シクロプロピル基、2,3-ジメチル-シクロプロピル基、1-エチル-シクロプロピル基、2-エチル-シクロプロピル基、n-ヘキシル基、1-メチル-n-ペンチル基、2-メチル-n-ペンチル基、3-メチル-n-ペンチル基、4-メチル-n-ペンチル基、1,1-ジメチル-n-ブチル基、1,2-ジメチル-n-ブチル基、1,3-ジメチル-n-ブチル基、2,2-ジメチル-n-ブチル基、2,3-ジメチル-n-ブチル基、3,3-ジメチル-n-ブチル基、1-エチル-n-ブチル基、2-エチル-n-ブチル基、1,1,2-トリメチル-n-プロピル基、1,2,2-トリメチル-n-プロピル基、1-エチル-1-メチル-n-プロピル基、1-エチル-2-メチル-n-プロピル基、シクロヘキシル基、1-メチル-シクロペンチル基、2-メチル-シクロペンチル基、3-メチル-シクロペンチル基、1-エチル-シクロ
ブチル基、2-エチル-シクロブチル基、3-エチル-シクロブチル基、1,2-ジメチル-シクロブチル基、1,3-ジメチル-シクロブチル基、2,2-ジメチル-シクロブチル基、2,3-ジメチル-シクロブチル基、2,4-ジメチル-シクロブチル基、3,3-ジメチル-シクロブチル基、1-n-プロピル-シクロプロピル基、2-n-プロピル-シクロプロピル基、1-i-プロピル-シクロプロピル基、2-i-プロピル-シクロプロピル基、1,2,2-トリメチル-シクロプロピル基、1,2,3-トリメチル-シクロプロピル基、2,2,3-トリメチル-シクロプロピル基、1-エチル-2-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-1-メチル-シクロプロピル基、2-エチル-2-メチル-シクロプロピル基及び2-エチル-3-メチル-シクロプロピル基等が挙げられる。
【0017】
炭素原子数2乃至10のアルケニル基としてはエテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチル-1-エテニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、2-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-エチルエテニル基、1-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-n-プロピルエテニル基、1-メチル-1-ブテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、1-メチル-3-ブテニル基、2-エチル-2-プロペニル基、2-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-3-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-3-ブテニル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、1-i-プロピルエテニル基、1,2-ジメチル-1-プロペニル基、1,2-ジメチル-2-プロペニル基、1-シクロペンテニル基、2-シクロペンテニル基、3-シクロペンテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、1-メチル-1-ペンテニル基、1-メチル-2-ペンテニル基、1-メチル-3-ペンテニル基、1-メチル-4-ペンテニル基、1-n-ブチルエテニル基、2-メチル-1-ペンテニル基、2-メチル-2-ペンテニル基、2-メチル-3-ペンテニル基、2-メチル-4-ペンテニル基、2-n-プロピル-2-プロペニル基、3-メチル-1-ペンテニル基、3-メチル-2-ペンテニル基、3-メチル-3-ペンテニル基、3-メチル-4-ペンテニル基、3-エチル-3-ブテニル基、4-メチル-1-ペンテニル基、4-メチル-2-ペンテニル基、4-メチル-3-ペンテニル基、4-メチル-4-ペンテニル基、1,1-ジメチル-2-ブテニル基、1,1-ジメチル-3-ブテニル基、1,2-ジメチル-1-ブテニル基、1,2-ジメチル-2-ブテニル基、1,2-ジメチル-3-ブテニル基、1-メチル-2-エチル-2-プロペニル基、1-s-ブチルエテニル基、1,3-ジメチル-1-ブテニル基、1,3-ジメチル-2-ブテニル基、1,3-ジメチル-3-ブテニル基、1-i-ブチルエテニル基、2,2-ジメチル-3-ブテニル基、2,3-ジメチル-1-ブテニル基、2,3-ジメチル-2-ブテニル基、2,3-ジメチル-3-ブテニル基、2-i-プロピル-2-プロペニル基、3,3-ジメチル-1-ブテニル基、1-エチル-1-ブテニル基、1-エチル-2-ブテニル基、1-エチル-3-ブテニル基、1-n-プロピル-1-プロペニル基、1-n-プロピル-2-プロペニル基、2-エチル-1-ブテニル基、2-エチル-2-ブテニル基、2-エチル-3-ブテニル基、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル基、1-t-ブチルエテニル基、1-メチル-1-エチル-2-プロペニル基、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル基、1-エチル-2-メチル-2-プロペニル基、1-i-プロピル-1-プロペニル基、1-i-プロピル-2-プロペニル基、1-メチル-2-シクロペンテニル基、1-メチル-3-シクロペンテニル基、2-メチル-1-シクロペンテニル基、2-メチル-2-シクロペンテニル基、2-メチル-3-シクロペンテニル基、2-メチル-4-シクロペンテニル基、2-メチル-5-シクロペンテニル基、2-メチレン-シクロペンチル基、3-メチル-1-シクロペンテニル基、3-メチル-2-シクロペンテニル基、3-メチル-3-シクロペンテニル基、3-メチル-4-シクロペンテニル基、3-メチル-5-シクロペンテニル基、3-メチレン-シク
ロペンチル基、1-シクロヘキセニル基、2-シクロヘキセニル基及び3-シクロヘキセニル基等が挙げられる。
【0018】
上記炭素原子数1乃至10のアルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、i-ブトキシ基、s-ブトキシ基、t-ブトキシ基、n-ペントキシ基、1-メチル-n-ブトキシ基、2-メチル-n-ブトキシ基、3-メチル-n-ブトキシ基、1,1-ジメチル-n-プロポキシ基、1,2-ジメチル-n-プロポキシ基、2,2-ジメチル-n-プロポキシ基、1-エチル-n-プロポキシ基、n-ヘキシルオキシ基、1-メチル-n-ペンチルオキシ基、2-メチル-n-ペンチルオキシ基、3-メチル-n-ペンチルオキシ基、4-メチル-n-ペンチルオキシ基、1,1-ジメチル-n-ブトキシ基、1,2-ジメチル-n-ブトキシ基、1,3-ジメチル-n-ブトキシ基、2,2-ジメチル-n-ブトキシ基、2,3-ジメチル-n-ブトキシ基、3,3-ジメチル-n-ブトキシ基、1-エチル-n-ブトキシ基、2-エチル-n-ブトキシ基、1,1,2-トリメチル-n-プロポキシ基、1,2,2,-トリメチル-n-プロポキシ基、1-エチル-1-メチル-n-プロポキシ基、及び1-エチル-2-メチル-n-プロポキシ基等が挙げられる。
【0019】
上記炭素原子数6乃至40のアリール基としてはフェニル基、o-メチルフェニル基、m-メチルフェニル基、p-メチルフェニル基、o-クロルフェニル基、m-クロルフェニル基、p-クロルフェニル基、o-フルオロフェニル基、p-フルオロフェニル基、o-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-シアノフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、o-ビフェニル基、m-ビフェニル基、p-ビフェニル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基及び9-フェナントリル基、ピレニル基等が挙げられる。
【0020】
上記複素環基としては窒素、硫黄、酸素を含む5乃至6員環の複素環からなる有機基が好ましく、例えばピロール基、フラン基、チオフェン基、イミダゾール基、オキサゾール基、チアゾール基、ピラゾール基、イソオキサゾール基、イソチアゾール基、ピリジン基等が挙げられる。
【0021】
上記式(1)で表される単位構造はR5が水素原子であり、R4が置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、アントリル基、又はピレニル基とすることができる。
また、上記式(1)で表される単位構造はR3が水素原子又はフェニル基とすることができる。
上記式(1)で表される単位構造においてAr1とAr2は、いずれか一方がベンゼン環であり他方がナフタレン環である単位構造(a1)を用いることができる。また、上記式(1)で表される単位構造においてAr1とAr2は、共にベンゼン環となる単位構造(a2)を用いることができる。
【0022】
上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマーとしては、上記単位構造(a1)と上記単位構造(a2)を含む共重合体ポリマーとすることができる。
また、上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマーとしては、式(1)で示される単位構造と下記式(4)
【化10】
で示される単位構造を含む共重合体とすることもできる。
【0023】
上記式(4)で示される単位構造において、R6は炭素原子数6乃至40のアリール基及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数1乃至10のアルコキシ基、炭素原子数6乃至40のアリール基、ホルミル基、カルボキシル基、又はヒドロキシ基で置換されていてもよい有機基を表し、R7は水素原子、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、及び複素環基からなる群より選択され、かつ、該アルキル基、該アリール基及び該複素環基は、ハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、若しくは水酸基で置換されていてもよい有機基であり、そしてR6とR7はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
これらの置換基やアルキル基、アリール基、複素環基は上述の例示を用いることができる。
上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマーとしては、上記単位構造(a1)と上記式(4)で示される単位構造を含む共重合体とすることができる。
【0024】
式(1)で表される単位構造を含むポリマーは、例えば以下に例示することができる。
【化11】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
式(1)で表される単位構造を含むポリマーにカルバゾール類を用いる場合には、例えばカルバゾール、N-メチルカルバゾール、N-エチルカルバゾール、1,3,6,8-テトラニトロカルバゾール、3,6-ジアミノカルバゾール、3,6-ジブロモ-9-エチルカルバゾール、3,6-ジブロモ-9-フェニルカルバゾール、3,6-ジブロモカルバゾール、3,6-ジクロロカルバゾール、3-アミノ-9-エチルカルバゾール、3-ブロモ-9-エチルカルバゾール、4,4’ビス(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル、4-グリシジルカルバゾール、4-ヒドロキシカルバゾール、9-(1H-ベ
ンゾトリアゾール-1-イルメチル)-9H-カルバゾール、9-アセチル-3,6-ジヨードカルバゾール、9-ベンゾイルカルバゾール、9-ベンゾイルカルバゾール-6-ジカルボキシアルデヒド、9-ベンジルカルバゾール-3-カルボキシアルデヒド、9-メチルカルバゾール、9-フェニルカルバゾール、9-ビニルカルバゾール、カルバゾールカリウム、カルバゾール-N-カルボニルクロリド、N-エチルカルバゾール-3-カルボキシアルデヒド、N-((9-エチルカルバゾール-3-イル)メチレン)-2-メチル-1-インドリニルアミン等が挙げられ、これらを単独で用いることも2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0029】
式(1)で表される単位構造を含むポリマーにトリフェニルアミン類を用いる場合には、トリフェニルアミンや置換トリフェニルアミンが例示され、置換基としては上述のハロゲン基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、炭素原子数1乃至10のアルキル基、炭素原子数2乃至10のアルケニル基、炭素原子数6乃至40のアリール基、又はエーテル結合、ケトン結合、若しくはエステル結合を含んでいてもよいそれらの組み合わせが挙げられる。
【0030】
式(1)で表される単位構造を含むポリマーの製造に用いられるアルデヒド類としてはホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、カプロンアルデヒド、2-メチルブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ウンデカンアルデヒド、7-メトキシ-3、7-ジメチルオクチルアルデヒド、シクロヘキサンアルデヒド、3-メチル-2-ブチルアルデヒド、グリオキザール、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド、等の飽和脂肪族アルデヒド類、アクロレイン、メタクロレイン等の不飽和脂肪族アルデヒド類、フルフラール、ピリジンアルデヒド、チオフェンアルデヒド等のヘテロ環式アルデヒド類、ベンズアルデヒド、ナフトアルデヒド、アントラセンカルボキシアルデヒド、フェニルベンズアルデヒド、アニスアルデヒド、テレフタルアルデヒド、ピレンカルボキシアルデヒド、フェナントリルアルデヒド、サリチルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロピオンアルデヒド、トリルアルデヒド、(N,N-ジメチルアミノ)ベンズアルデヒド、アセトキシベンズアルデヒド等の芳香族アルデヒド類等が挙げられる。特に芳香族アルデヒドを好ましく用いることができる。
【0031】
また、式(1)で表される単位構造を含むポリマーの製造に用いられるケトン類としてはジアリールケトン類であり、例えばジフェニルケトン、フェニルナフチルケトン、ジナフチルケトン、フェニルトリルケトン、ジトリルケトン、9-フルオレノン等が挙げられる。
【0032】
式(1)で表される単位構造を含むポリマーは、ジアリールアミン等のアミン類と、アルデヒド類又はケトン類とを縮合して得られるノボラック樹脂(式(1)に相当)である。
この縮合反応ではジアリールアミン等のアミン類のフェニル基1当量に対して、アルデヒド類又はケトン類を0.1乃至10当量の割合で用いることができる。
【0033】
上記縮合反応で用いられる酸触媒としては、例えば硫酸、リン酸、過塩素酸等の鉱酸類、p-トルエンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸一水和物等の有機スルホン酸類、蟻酸、シュウ酸等のカルボン酸類が使用される。酸触媒の使用量は、使用する酸類の種類によって種々選択される。通常、カルバゾール類、又はカルバゾール類とトリフェニルアミン類の合計の100質量部に対して、0.001乃至10000質量部、好ましくは、0.01乃至1000質量部、より好ましくは0.1乃至100質量部である。
【0034】
上記の縮合反応は無溶剤でも行われるが、通常溶剤を用いて行われる。溶剤としては反応を阻害しないものであれば全て使用することができる。例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類が挙げられる。また、使用する酸触媒が例えば蟻酸のような液状のものであるならば溶剤としての役割を兼ねさせることもできる。
【0035】
縮合時の反応温度は通常40℃乃至200℃である。反応時間は反応温度によって種々選択されるが、通常30分乃至50時間程度である。
以上のようにして得られる式(1)で表される単位構造を含むポリマーの重量平均分子量Mwは、通常600乃至1000000、又は600乃至200000である。
【0036】
以下に、上記の式(2)で表される単位構造を含むポリマー、上記の式(3)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体について説明する。
式(2)で表される単位構造はポリエーテル構造を有する単位構造を表し、式(3)で表される単位構造はポリエーテルエーテルケトン構造又はポリエーテルエーテルスルホン構造を有する単位構造を表す。
式(2)で表される単位構造において、Ar1は炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表す。該有機基は例えば2乃至4価を示す。また、式(3)中、Ar2、Ar3、及びAr4はそれぞれ炭素数6乃至50のアリーレン基又は複素環基を含む有機基を表し、Tはカルボニル基またはスルホニル基を表す。Ar1乃至Ar4で表される有機基中のアリーレン基又は複素環基は、それぞれ一種又は二種以上の組み合わせとして用いることができる。該アリーレン基及び該複素環基は例えば2乃至4価を示す。
【0037】
炭素数6乃至50のアリーレン基はアリール基に対応する2価の有機基であり、例えばフェニル基、o-メチルフェニル基、m-メチルフェニル基、p-メチルフェニル基、o-クロルフェニル基、m-クロルフェニル基、p-クロルフェニル基、o-フルオロフェニル基、p-フルオロフェニル基、o-メトキシフェニル基、p-メトキシフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-シアノフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、o-ビフェニリル基、m-ビフェニリル基、p-ビフェニリル基、1-アントリル基、2-アントリル基、9-アントリル基、1-フェナントリル基、2-フェナントリル基、3-フェナントリル基、4-フェナントリル基、9-フェナントリル基、フルオレン基、フルオレン誘導体基、ピレン基、ペンタセン基に対応する2価の基を例示することができる。
【0038】
複素環基は、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピラン、カルバゾール等の複素環に対応する有機基を用いることができる。
【0039】
炭素数6乃至50のアリーレン基を含む有機基は、上記アリーレン基単独で、又は上記アリーレン基と、炭素と炭素の三重結合を含む基及び/又は炭素と炭素の二重結合を含む基との組み合わせとして用いることができる。
また、上記アリーレン基を含む有機基としては、フルオレン構造を含む有機基、又はビフェニレン構造を含む有機基を用いることができる。
【0040】
式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造としては、例えば以下の単位構造を例示することができる。
【化15】
【0041】
【0042】
上記の式(2)で表される単位構造を含むポリマー、上記の式(3)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体は、重量平均分子量が600乃至1000000、好ましくは1000乃至200000である。
【0043】
本発明の、パターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法は、基板のIII族窒化物系化合物層の上にパターン化されたマスク層を形成する工程を含む。
上記マスク層の形成は、上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマーを含むか、又は、上記の式(2)で表される単位構造を含むポリマー、上記の式(3)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体を含むマスク形成組成物を用いて、III族窒化物系化合物層の上に形成される。
【0044】
上記マスク形成組成物は、上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマー、又は、上記の式(2)で表される単位構造を含むポリマー、上記の式(3)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体に加えて、架橋剤と酸を含むことができ、必要に応じて酸発生剤、界面活性剤等の添加剤を含むことができる。
マスク形成組成物の固形分は0.1乃至70質量%、または0.1乃至60質量%である。固形分はマスク形成組成物から溶剤を除いた残りの成分の含有割合である。固形分中に上記ポリマーを1乃至100質量%、または1乃至99質量%、または50乃至99.9%の割合で含有することができる。
【0045】
マスク形成組成物は架橋剤成分を含むことができる。その架橋剤としては、メラミン系、置換尿素系、またはそれらのポリマー系等が挙げられる。好ましくは、少なくとも2個の架橋形成置換基を有する架橋剤であり、メトキシメチル化グリコールウリル、ブトキシ
メチル化グリコールウリル、メトキシメチル化メラミン、ブトキシメチル化メラミン、メトキシメチル化ベンゾグワナミン、ブトキシメチル化ベンゾグワナミン、メトキシメチル化尿素、ブトキシメチル化尿素、メトキシメチル化チオ尿素、またはメトキシメチル化チオ尿素等の化合物である。また、これらの化合物の縮合体も使用することができる。
【0046】
また、上記架橋剤としては耐熱性の高い架橋剤を用いることができる。耐熱性の高い架橋剤としては分子内に芳香族環(例えば、ベンゼン環、ナフタレン環)を有する架橋形成置換基を含有する化合物を好ましく用いることができる。
この化合物は下記式(5)で表される部分構造を有する化合物や、下記式(6)で表される繰り返し単位を有するポリマー又はオリゴマーが挙げられる。
【0047】
【0048】
式(5)中、R7及びR8はそれぞれ水素原子、炭素数1乃至10のアルキル基、又は炭素数6乃至20のアリール基を表し、n7は1乃至4の整数を表し、n8は1乃至(5-n7)の整数を表し、n7+n8は2乃至5の整数を表す。式(6)中、R9は水素原子又は炭素数1乃至10のアルキル基を表し、R10は炭素数1乃至10のアルキル基を表し、n9は1乃至4の整数を表し、n10は0乃至(4-n9)を表し、n9+n10は1乃至4の整数を表す。オリゴマー及びポリマーは繰り返し単位構造の数が2乃至100、又は2乃至50の範囲で用いることができる。これらのアルキル基やアリール基は上述の例示を挙げることができる。
【0049】
式(5)で表される化合物、ポリマー、オリゴマー、及び式(6)で表される化合物、ポリマー、オリゴマーは以下に例示される。
【化18】
【0050】
【0051】
【0052】
上記化合物は旭有機材工業(株)、本州化学工業(株)の製品として入手することができる。例えば上記架橋剤の中で式(C-21)で表される化合物は旭有機材工業(株)、商品名TM-BIP-Aとして入手することができる。例えば上記架橋剤の中で式(C-22)で表される化合物は本州化学工業(株)、商品名TMOM-BPとして入手することができる。
架橋剤の添加量は、使用する塗布溶剤、使用する基板、要求される溶液粘度、要求される膜形状などにより変動するが、全固形分に対して0.001乃至80質量%、好ましくは 0.01乃至50質量%、さらに好ましくは0.05乃至40質量%である。これら架橋剤は自己縮合による架橋反応を起こすこともあるが、上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマー、又は、上記の式(2)で表される単位構造を含むポリマー、上記の式(3)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体中に架橋性置換基が存在する場合は、それらの架橋性置換基と架橋反応を起こすことができる。
【0053】
上記架橋反応を促進するための触媒として、p-トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ピリジニウムp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、スルホサリチル酸、クエン酸、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ナフタレンカルボン酸等の酸性化合物又は/及び2,4,4,6-テトラブロモシクロヘキサジエノン、ベンゾイントシレート、2-ニトロベンジルトシレート、その他有機スルホン酸アルキルエステル等の熱酸発生剤を
配合する事ができる。配合量は全固形分に対して、0.0001乃至20質量%、好ましくは0.0005乃至10質量%、好ましくは0.01乃至3質量%である。
【0054】
マスク形成組成物は、リソグラフィー工程で上層に被覆されるフォトレジストとの酸性度を一致させる為に、光酸発生剤を添加する事ができる。好ましい光酸発生剤としては、例えば、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート等のオニウム塩系光酸発生剤類、フェニル-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン等のハロゲン含有化合物系光酸発生剤類、ベンゾイントシレート、N-ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート等のスルホン酸系光酸発生剤類等が挙げられる。上記光酸発生剤は全固形分に対して、0.2乃至10質量%、好ましくは0.4乃至5質量%である。
マスク形成組成物には、上記以外に必要に応じて更なる吸光剤、レオロジー調整剤、接着補助剤、界面活性剤などを添加することができる。
【0055】
更なる吸光剤としては例えば、「工業用色素の技術と市場」(CMC出版)や「染料便覧」(有機合成化学協会編)に記載の市販の吸光剤、例えば、C.I.Disperse
Yellow 1,3,4,5,7,8,13,23,31,49,50,51,54,60,64,66,68,79,82,88,90,93,102,114及び124;C.I.D isperse Orange1,5,13,25,29,30,31,44,57,72及び73;C.I.Disperse Red 1,5,7,13,17,19,43,50,54,58,65,72,73,88,117,137,143,199及び210;C.I.Disperse Violet 43;C.I.Disperse Blue 96;C.I.Fluorescent Brightening Agent 112,135及び163;C.I.Solvent Orange2及び45;C.I.Solvent Red 1,3,8,23,24,25,27及び49;C.I.Pigment Green 10;C.I.Pigment Brown 2等を好適に用いることができる。上記吸光剤は通常、マスク形成組成物の全固形分に対して10質量%以下、好ましくは5質量%以下の割合で配合される。
【0056】
レオロジー調整剤は、主にマスク形成組成物の流動性を向上させ、特にベーキング工程において、マスク層の膜厚均一性の向上やホール内部へのマスク形成組成物の充填性を高める目的で添加される。具体例としては、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルイソデシルフタレート等のフタル酸誘導体、ジノルマルブチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジイソオクチルアジペート、オクチルデシルアジペート等のアジピン酸誘導体、ジノルマルブチルマレート、ジエチルマレート、ジノニルマレート等のマレイン酸誘導体、メチルオレート、ブチルオレート、テトラヒドロフルフリルオレート等のオレイン酸誘導体、またはノルマルブチルステアレート、グリセリルステアレート等のステアリン酸誘導体を挙げることができる。これらのレオロジー調整剤は、マスク形成組成物の全固形分に対して通常30質量%未満の割合で配合される。
【0057】
接着補助剤は、主に基板あるいはレジストとマスク形成組成物の密着性を向上させ、特に現像においてレジストが剥離しないようにするための目的で添加される。具体例としては、トリメチルクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン、メチルジフエニルクロロシラン、クロロメチルジメチルクロロシラン等のクロロシラン類、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、ジフエニルジメトキシシラン、フエニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、N,N’ービス(トリメチルシリル)ウレア、ジメチルトリメチルシリルアミン、トリメチルシリルイミダゾール等のシラザン類、ビニルトリクロロシラン、γークロロプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラ
ン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン類、ベンゾトリアゾール、ベンズイミダゾール、インダゾール、イミダゾール、2ーメルカプトベンズイミダゾール、2ーメルカプトベンゾチアゾール、2ーメルカプトベンゾオキサゾール、ウラゾール、チオウラシル、メルカプトイミダゾール、メルカプトピリミジン等の複素環式化合物や、1,1ージメチルウレア、1,3ージメチルウレア等の尿素、またはチオ尿素化合物を挙げることができる。これらの接着補助剤は、マスク形成組成物の全固形分に対して通常5質量%未満、好ましくは2質量%未満の割合で配合される。
【0058】
マスク形成組成物には、ピンホールやストレーション等の発生がなく、表面むらに対する塗布性をさらに向上させるために、界面活性剤を配合することができる。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフエノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフエノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロツクコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトツプEF301、EF303、EF352((株)トーケムプロダクツ製、商品名)、メガファックF171、F173、R-30(大日本インキ(株)製、商品名)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム(株)製、商品名)、アサヒガードAG710、サーフロンSー382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子(株)製、商品名)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。これらの界面活性剤の配合量は、マスク形成組成物の全固形分に対して通常2.0質量%以下、好ましくは1.0質量%以下である。これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また2種以上の組合せで添加することもできる。
【0059】
上記の式(1)で表される単位構造を含むポリマー、又は、上記の式(2)で表される単位構造を含むポリマー、上記の式(3)で表される構造単位を含むポリマー、若しくは、式(2)で表される単位構造及び式(3)で表される単位構造の組み合わせを含むポリマー、或いは、これらポリマーの架橋構造体及び架橋剤成分、架橋触媒等を溶解させる溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2ーヒドロキシプロピオン酸エチル、2ーヒドロキシー2ーメチルプロピオン酸エチル、エトシキ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2ーヒドロキシー3ーメチルブタン酸メチル、3ーメトキシプロピオン酸メチル、3ーメトキシプロピオン酸エチル、3ーエトキシプロピオン酸エチル、3ーエトキシプロピオン酸メチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等を用いることができる。これらの有機溶剤は単独で、または2種以上の組合せで使用される。
【0060】
さらに、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチル
エーテルアセテート等の高沸点溶剤を混合して使用することができる。これらの溶剤の中でプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、及びシクロヘキサノンがレベリング性の向上に対して好ましい。
【0061】
マスク層の形成は、基板のIII族窒化物系化合物層の上に、スピナー、コーター等の適当な塗布方法によりマスク形成組成物を塗布後、ベークして硬化させることにより作成する。ここで、マスク層の膜厚としては0.01乃至3.0μmが好ましい。また塗布後ベーキングする条件としては80乃至350℃で0.5乃至120分間である。
好ましくは、マスク層は、スピンコート法にてマスク形成組成物から形成される。
【0062】
以下に、マスク層をパターン化する方法を説明する。
本発明の製造方法における1態様において、パターン化されたマスク層は、マスク層をIII族窒化物系化合物層の上に形成する工程、該マスク層の上に有機膜を形成する工程、該有機膜をリソグラフィ技術により有機パターンを形成する工程、及び該有機パターンを介してマスク層をパターン化する工程を含みて形成され得る。
【0063】
上記の有機膜の形成に用いる材料は、フォトレジストとして使用される材料であれば特に限定されず、また、その形成方法も、通常使用されている方法を採用できる。また、リソグラフィ技術による有機パターンの形成は、通常のリソグラフィ技術において使用されている方法を採用することができ、例えば、フォトマスクを介する光又は電子線のパターン照射、及びその後の現像による形成やナノインプリントを用いる形成等により達成され得、有機パターンを介するマスク層のパターン化は、例えば、O2ガス等を用いるドライエッチング等により達成される。
例えば、上記の製造方法において、上記有機膜がレジスト膜であり、上記リソグラフィ技術による有機パターンの形成が、該レジスト膜への光又は電子線の照射と現像によるレジストパターンの形成である製造方法が好ましい。
【0064】
本発明の製造方法における別の態様において、前記パターン化されたマスク層は、マスク層をIII族窒化物系化合物層の上に形成する工程、該マスク層の上にハードマスクを形成する工程、該ハードマスクの上に有機膜を形成する工程、該有機膜をリソグラフィ技術により有機パターンを形成する工程、該有機パターンを介してハードマスクをパターン化する工程、及び該パターン化されたハードマスクを介してマスク層をパターン化する工程を含みて形成され得る。
【0065】
上記のハードマスクの形成に用いる材料は、ハードマスクとして使用される材料であれば特に限定されず、また、その形成方法も、通常使用されている方法を採用できる。ハードマスク材料としては、シリコン含有組成物が好ましく用いられる。例えば、国際公開第2009/104552号パンフレット、国際公開第2011/102470号パンフレットに記載のシリコン含有レジスト下層形成組成物で形成されるシリコン含有ハードマスクが挙げられる。上記の有機膜の形成に用いる材料は、フォトレジストとして使用される材料であれば特に限定されず、また、その形成方法も、通常使用されている方法を採用できる。また、リソグラフィ技術による有機パターンの形成は、フォトマスクを介する光又は電子線のパターン照射及びその後の現像により達成され得るが、通常のリソグラフィ技術において使用されている方法を採用することができる。有機パターンを介するハードマスクのパターン化は、例えば、CF4ガス等を用いるドライエッチング等により達成される。パターン化されたハードマスクを介するマスク層のパターン化は、例えば、O2ガス等を用いるドライエッチング等により達成される。
【0066】
本発明の、パターン化されたIII族窒化物系化合物層を有する半導体基板の製造方法
はまた、300℃以上700℃以下のドライエッチングにより前記III族窒化物系化合物層を該マスクパターンに倣いエッチングし、これによりパターン化されたIII族窒化物系化合物層を形成する工程を含む。
【0067】
前記の300℃以上700℃以下のドライエッチングは、基板の温度を300℃以上700℃以下の範囲内とした状態で、エッチングガスを用いてドライエッチングを行うことにより達成される。
【0068】
エッチングガスは、He、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn等の希ガスを含んでいてもよい。そして、還元性を有するH2 、O2 、N2 、CCl3 、BCl3 、SiCl4 を含んでいてもよい。したがって、Cl2 を含むエッチングガスとして、Cl2 とArとの混合ガス、Cl2 とH2 とArとの混合ガス、Cl2 とBCl3 との混合ガス、Cl2 とN2 との混合ガス等、が挙げられるが、Cl2 を含むエッチングガスが好ましい。
【0069】
基板の温度は、300℃以上700℃以下、例えば300℃以上500℃以下、例えば400℃以上600℃以下、例えば450℃以上550℃以下、例えば500℃である。
エッチングを実施する時間は、通常、1分~5分程度であるが、エッチングの程度、エッチング対象となるIII族窒化物系化合物層の種類、III族窒化物系化合物層の面の状態等によって、異なる時間を設定することができる。
【0070】
本発明の製造方法は、300℃から700℃という高温でのエッチング法を採用することで、III族窒化物系化合物層の表面組成の変化や結晶欠陥の発生を抑制することができる。
【0071】
本発明はまた、III族窒化物系化合物層の上に、上述のパターン化されたマスク層が形成された基板に関する。
上記の基板におけるIII族窒化物系化合物層は、表面組成の変化や結晶欠陥の発生を抑制されており、また、該III族窒化物系化合物層上には、高温においてもパターンがリフローや分解によって崩れないパターン化されたマスク層が形成されているため、以降の半導体形成を有利に行うことができる。
【0072】
本発明はまた、III族窒化物系化合物層を有する化合物半導体装置の製造方法であって、上記の製造方法により得られた半導体基板を更に加工する工程を含む製造方法にも関する。
加工とは、例えばパターン化されたIII族窒化物系化合物層上に結晶(AlGaN等)を成長させる工程、電極を作製する工程が挙げられる。
上述のように、上記の基板におけるIII族窒化物系化合物層は、表面組成の変化や結晶欠陥の発生を抑制されており、また、該III族窒化物系化合物層上には、高温においてもパターンがリフローや分解によって崩れないパターン化されたマスク層が形成されているため、化合物半導体装置の製造を有利に行うことができる。
【実施例0073】
合成例1
攪拌装置、還流器、温度計を備えているフラスコに9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン28.04g、4,4’-ジフルオロベンゾフェノン13.97g、炭酸カリウム12.32g、N-メチル-2-ピロリジノン162.56gを入れた。その後フラスコ内を窒素置換した後、内温が140℃まで加熱し約24時間反応させた。合成されたポリマーを室温まで冷却させた後、沈殿物を取り除くために、ろ過してろ液を回収し、N-メチル-2-ピロリジノンと2mol/l塩酸の体積比が90:10の混合液約10mlと混合させた。その後メタノールに反応ろ液を投入し再沈殿精製を行った。
さらに沈殿物を水とメタノールにて沈殿物を洗浄し、85℃で約1日真空乾燥させ本発明で用いられるポリエーテルを得た。得られたポリマーは式(1-1)に相当した。得られたエーテル構造を有するポリマーのGPC分析を行ったところ、標準ポリスチレン換算にて重量平均分子量は6900、多分散度Mw/Mnは1.83であった。
【化21】
【0074】
合成例2
100mL四口フラスコにN-フェニル-1-ナフチルアミン(8.00g、0.036mol、東京化成工業(株)製)、1-ピレンカルボキシアルデヒド(8.39g、0.036mol、東京化成工業(株)製)、パラトルエンスルホン酸一水和物(0.727g、0.0036mol、関東化学(株)製)を加え、1,4-ジオキサン(21.03g、関東化学(株)製)を仕込み撹拌し、110℃まで昇温し溶解させ重合を開始した。12時間後室温まで放冷後、メタノール(400g、関東化学(株)製)へ再沈殿させた。得られた沈殿物をろ過し、減圧乾燥機で50℃、10時間さらに120℃、24時間乾燥し、目的とするポリマー(式(1-2)、以下pNPNA-Pyと略す)8.4gを得た。
pNPA-PyのGPCによるポリスチレン換算で測定される重量平均分子量Mwは1000、多分散度Mw/Mnは1.37であった。
【化22】
【0075】
実施例1
合成例1で得た樹脂3gに、シクロヘキサノン12gに溶解させ溶液とし、マスク形成組成物の溶液を調製した。
【0076】
実施例2
合成例1で得たポリマー2.0gに、架橋剤として商品名TMOM-BP(本州化学工業(株)製、式(C-22))0.3g、触媒としてTAG-2689(楠本化成(株))0.05g、界面活性剤として商品名メガファックR-40LM(DIC(株)製)0.004gを混合し、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)4.23g、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)4.23gとシクロヘキサノン12.68gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、マスク形成組成物を調製した。
【0077】
実施例3
合成例2で得たポリマー2.0gに、架橋剤として商品名TMOM-BP(本州化学工
業(株)製、式(C-22))0.4g、触媒としてピリジニウムパラトルエンスルホン酸0.06g、界面活性剤として商品名メガファックR-40LM(DIC(株)製)0.001gを混合し、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)7.31g、PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)2.44gとシクロヘキサノン14.63gに溶解させ溶液とした。その後、孔径0.10μmのポリエチレン製ミクロフィルターを用いてろ過して、マスク形成組成物を調製した。
【0078】
比較例1
クレゾールノボラック樹脂(市販品、重量平均分子量は4000)の溶液を使用した。
【0079】
比較例2
分子量が1000のポリエチレングリコール(東京化成工業株式会社製)3gに、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート12gに溶解させ溶液とした。
【0080】
試験例1(膜の耐熱性試験)
実施例1~3、比較例1~2で調製したマスク形成組成物の溶液を、スピンコーターを用いてシリコンウェハー上に塗布した。ホットプレート上で240℃1分間+400℃1分間焼成し、マスク層(膜厚0.20μm)を形成した。ウェハ上の膜を削り取り、マスク層の粉末体を得た。得られた粉末を1分間で10℃の割合で加熱して大気中で熱重量分析を行い、質量が5パーセント減少する温度を測定した。結果を表1に示した。
【表1】
【0081】
(高温エッチングによるパターン形状の確認)
高温エッチングを実施した際のパターンの形状を確認した。最初に実施例1~3で調整した各マスク形成組成物の溶液を、スピンコーターを用いてそれぞれシリコンウェハ上に塗布した。ホットプレート上で240℃1分間の焼成の後、450℃1分間焼成してマスク層(膜厚200nm)を形成した。さらにマスク上に国際公開第2009/104552号パンフレット中の実施例15に該当するシリコンハードマスク形成組成物溶液を塗布し、240℃で1分間焼成しシリコンハードマスク層(膜厚40nm)を形成した。その上にレジスト溶液を塗布し、100℃で1分間焼成しレジスト層(膜厚120nm)を形成した。フォトマスクを用いて波長193nmで露光し、露光後加熱PEB(105℃で1分間)を行った後、現像してラインアンドスペースのレジストパターンを得た。その後、フッ素系ガス(成分はCF
4)でドライエッチングを行い、レジストパターンをハードマスクに転写した。その後、酸素系ガス(成分はO
2)でドライエッチングを行い、ハードマスクパターンをマスク層に転写した。このマスク層のパターンのサイズ(幅)を測長走査型電子顕微鏡で確認したところ、57nmであった。
上記マスク層のパターンに対して高温エッチングを実施して、パターン形状が保持されるかを確認した。エッチング装置は名古屋大学保有の次のようなエッチング装置を用いた。一般的なエッチング装置と同様に反応室、電圧印加部、隔壁、ガス室、ガス供給室等で構成されており、容量結合型プラズマ(CCP)が発生する装置である。被エッチング膜が製膜されているウェハを置く反応室内のステージに加熱機能が付与されており、600℃まで温度を上昇させることが可能である。エッチングに用いたガスはCl
2とN
2の混合ガスで、圧力は20Paで実施した。上部電力を200W、下部バイアス電力200Wに設定し、エッチング時間は1分間で実施した。加熱ステージの温度を250、300、400及び500℃と温度を変化させ、エッチング前後でのパターンの変化をSEMにて確認した。その結果を表2に示した。また、対応するSEM写真を
図1~
図12に示した。
【表2】
【0082】
(GaNのエッチングに対するマスク耐性)
GaNを高温エッチングした際のパターンの形状を確認した。最初に実施例2で調整したマスク形成組成物の溶液を、スピンコーターを用いてGaNが製膜されたウェハ上に塗布した。ホットプレート上で240℃1分間の焼成の後、450℃1分間焼成してマスク層(膜厚300nm)を形成した。さらに該マスク層上に国際公開第2009/104552号パンフレット中の実施例15に該当するシリコンハードマスク形成組成物溶液を塗布し、240℃で1分間焼成しシリコンハードマスク層(膜厚35nm)を形成した。その上にレジスト溶液を塗布し、90℃で90秒間焼成しレジスト層(膜厚1100nm)を形成した。I線アライナーにて露光し、露光後加熱PEB(110℃で1分間)を行った後、NMD-3溶液で現像して、1~10μmの間で、複数のパターン線幅を有するラインアンドスペースのレジストパターンを得た。その中の1つのパターンサイズを確認し
たところ、約7μmの線幅であった。その後、フッ素系ガス(成分はCF4)でドライエッチングを行い、レジストパターンをハードマスクに転写した。その後、酸素系ガス(成分はO2)でドライエッチングを行い、ハードマスクパターンをマスク層に転写した。
【0083】
上記マスク層のパターンに対して高温エッチングを実施して、パターン形状が保持されるかを確認した。エッチング装置は名古屋大学保有の次のようなエッチング装置を用いた。一般的なエッチング装置と同様に反応室、電圧印加部、隔壁、ガス室、ガス供給室等で構成されており、誘導結合型プラズマ(ICP)が発生する装置である。被エッチング膜が製膜されているウェハを置く反応室内のステージに加熱機能が付与されており、600℃まで温度を上昇させることが可能である。エッチングに用いたガスはCl
2ガスで、圧力は20Paで実施した。上部電力を400W、下部バイアス電力15Wに設定し、エッチング時間は6分間で実施した。加熱ステージの温度を500℃に設定し、エッチング前後でのパターンの変化をSEMにて確認した。得られたSEM写真を
図13に示した。GaNをエッチングした後でも、上層のマスク層は十分な残膜が存在し、エッチングマスクとして有用であることが確認された。
【0084】
以上の結果より、実施例1~3は高温下でのエッチングに対してもパターン形状を維持可能であることが確認された。これにより、高温時でもエッチングマスクとしての機能を保有しており、本プロセスに対して有用であると言える。