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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096128
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】発光装置及び面状光源
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20220622BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220622BHJP
   H01L 23/28 20060101ALI20220622BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
H01L33/58
F21S2/00 482
H01L23/28 D
H01L23/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209055
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 明弘
(72)【発明者】
【氏名】相原 正人
【テーマコード(参考)】
3K244
4M109
5F142
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA08
3K244BA26
3K244CA02
3K244DA01
3K244DA24
3K244GA01
3K244GA02
3K244GA03
3K244GA06
4M109AA01
4M109AA02
4M109BA01
4M109BA03
4M109EA02
4M109EA10
4M109EC11
4M109GA01
5F142AA12
5F142AA13
5F142AA56
5F142BA24
5F142CE02
5F142CE04
5F142CE08
5F142CE16
5F142CE32
5F142CF02
5F142CF23
5F142CG05
5F142CG26
5F142CG43
5F142DA12
5F142DB17
5F142DB18
5F142GA11
(57)【要約】
【課題】 所望の配光特性を得ることができる発光装置を提供する。
【解決手段】 発光素子と、上面視において前記発光素子を囲み、第1側壁、第2側壁、第3側壁及び第4側壁を有する側壁と、前記発光素子及び前記側壁を覆う第1透光性部材と、前記第1透光性部材を覆う遮光性部材と、を備え、前記側壁は、前記第1側壁と前記第2側壁の間には第1開口部が有し、前記第2側壁と前記第3側壁の間には第2開口部が有し、前記第3側壁と前記第4側壁の間には第3開口部が有し、前記第4側壁と前記第1側壁の間には第4開口部が有し、上面視において、前記第1開口部と前記第3開口部とを結ぶ第1直線は第1方向に延びて、前記第2開口部と前記第4開口部とを結ぶ第2直線は前記第1方向と直交する第2方向に延びる発光装置。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、
上面視において前記発光素子を囲み、第1側壁、第2側壁、第3側壁及び第4側壁を有する側壁と、
前記発光素子及び前記側壁を覆う第1透光性部材と、
前記第1透光性部材を覆う遮光性部材と、を備え、
前記側壁は、前記第1側壁と前記第2側壁の間には第1開口部が有し、前記第2側壁と前記第3側壁の間には第2開口部が有し、前記第3側壁と前記第4側壁の間には第3開口部が有し、前記第4側壁と前記第1側壁の間には第4開口部が有し、
上面視において、前記第1開口部と前記第3開口部とを結ぶ第1直線は第1方向に延びて、前記第2開口部と前記第4開口部とを結ぶ第2直線は前記第1方向と直交する第2方向に延びる発光装置。
【請求項2】
前記発光素子の側面を覆い、波長変換部材を含む第2透光性部材を備える請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1透光性部材の母材の屈折率と前記第2透光性部材の母材の屈折率との差が、0.05以内である請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記第2透光性部材は、前記発光装置の外縁から離れている請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1開口部を覆う第1被覆部材と、前記第2開口部を覆う第2被覆部材と、前記第3開口部を覆う第3被覆部材と、前記第4開口部を覆う第4被覆部材と、を備える請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1被覆部材は前記発光素子と対向する第1面を有し、
前記第1面は下側から上側に向かい前記発光素子から離れるように傾斜し、
前記第1被覆部材の母材の屈折率は、前記第2透光性部材の母材の屈折率より高い請求項5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1透光性部材の母材の線膨張係数と前記遮光性部材の母材の線膨張係数との差が、30ppm以内である請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の前記発光装置と、
上面視において、前記発光装置を囲む区画部材と、を備え、
前記区画部材は第3方向に延びる第1壁部と、前記第3方向と直交する第4方向に延びる第2壁部と、前記第1壁部と対向し前記第3方向に延びる第3壁部と、前記第2壁部と対向し前記第4方向に延びる第4壁部と、を有し、
前記第1方向は前記第3方向に対して40°以上50°以下の角度で傾斜する発光モジュール。
【請求項9】
前記第1方向は前記第3方向に対して45°で傾斜する請求項8に記載の発光モジュール。
【請求項10】
上面視において、前記第1壁部と重なり前記第3方向と平行に延びる第3直線と、前記第2壁部と重なり前記第4方向と平行に延びる第4直線と、の交点である第1交点が前記第1直線上に位置する請求項8又は9に記載の発光モジュール。
【請求項11】
上面視において、前記第3壁部と重なり前記第3方向と平行に延びる第5直線と、前記第4壁部と重なり前記第4方向と平行に延びる第6直線と、の交点である第2交点が前記第1直線上に位置する請求項8から10のいずれか1項に記載の発光モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び発光モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
発光素子を封止する封止樹脂の上面に反射樹脂を設け、発光素子からの光を透明樹脂の側面から外部に照射する発光装置が知られている(例えば特許文献1)。このような発光装置は、横方向に光が広がり易く、例えば、バックライト用光源などに用いることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-115280号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、バックライトはますます薄型化されており、また、複数に分割された領域毎にバックライトの明るさを制御するローカルディミング方式が広がっている。そのため、複数に分割された領域の輝度ムラを抑制するため所望の配光特性を得ることが可能な発光装置が求められている。
本発明に係る実施形態は、所望の配光特性を得ることができる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態の発光装置は、発光素子と、上面視において前記発光素子を囲み、第1側壁、第2側壁、第3側壁及び第4側壁を有する側壁と、前記発光素子及び前記側壁を覆う第1透光性部材と、前記第1透光性部材を覆う遮光性部材と、を備え、前記側壁は、前記第1側壁と前記第2側壁の間には第1開口部が有し、前記第2側壁と前記第3側壁の間には第2開口部が有し、前記第3側壁と前記第4側壁の間には第3開口部が有し、前記第4側壁と前記第1側壁の間には第4開口部が有し、上面視において、前記第1開口部と前記第3開口部とを結ぶ第1直線は第1方向に延びて、前記第2開口部と前記第4開口部とを結ぶ第2直線は前記第1方向と直交する第2方向に延びる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態の発光装置によれば、所望の配光特性を得ることができる発光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本実施形態に係る発光装置を示す模式上面図である。
図2図1Aに示す発光装置から、第1透光性部材、第2透光性部材および遮光性部材を省略した模式上面図である。
図3A図1に示すIIIA-IIIA線における模式断面図である。
図3B図1に示すIIIB-IIIB線における模式断面図である。
図4】本実施形態に係る第1リード及び第2リードを示す模式上面図である。
図5】本実施形態に係る発光装置の変形例1を示す模式上面図であって、第1透光性部材、第2透光性部材および遮光性部材を省略した模式上面図である。
図6A】本実施形態に係る発光装置の変形例1の模式断面図である。
図6B】本実施形態に係る発光装置の変形例2の模式断面図である。
図7】本実施形態に係る発光モジュールを示す模式上面図であって、光学部材を省略した模式上面図である。
図8A図7に示すVIIIA-VIIIA線における模式断面図である。
図8B図7に示すVIIIB-VIIIB線における模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照しながら、本開示の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態は、例示であり、本開示による発光装置及び発光モジュールは、以下の実施形態に限られない。例えば、以下の実施形態で示される数値、形状、材料などは、あくまでも一例であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の改変が可能である。以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、技術的に矛盾が生じない限りにおいて種々の組み合わせが可能である。
【0009】
図面が示す構成要素の寸法、形状等は、分かり易さのために誇張されている場合があり、実際の発光装置又は発光モジュールにおける寸法、形状及び構成要素間の大小関係を反映していない場合がある。また、図面が過度に複雑になることを避けるために、一部の要素の図示を省略したり、断面図として切断面のみを示す端面図を用いたりすることがある。
【0010】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が0°から±5°程度の範囲にある場合を含む。また、本明細書において「直交」又は「垂直」とは、特に他の言及がない限り、2つの直線、辺、面等が90°から±5°程度の範囲にある場合を含む。さらに、「上」と表現する位置関係は接している場合と接していないが上方に位置している場合も含む。
【0011】
<実施形態>
本実施形態に係る発光装置100を図1から図6Bを参照して説明する。発光装置100は、発光素子10と、側壁20と、第1透光性部材30と、遮光性部材40と、を備える。発光装置100は、さらに第2透光性部材50と、被覆部材70と、を備えていてもよい。側壁20は、上面視において発光素子10を囲んでいる。側壁20は、第1側壁21、第2側壁22、第3側壁23及び第4側壁24を有する。更に、側壁20は第1開口部21A、第2開口部22A、第3開口部23A及び第4開口部24Aを有する。第1開口部21Aは、第1側壁21と第2側壁22の間に位置する。第2開口部22Aは、第2側壁22と第3側壁23の間に位置する。第3開口部23Aは、第3側壁23と第4側壁24の間に位置する。第4開口部24Aは、第4側壁24と第1側壁21の間に位置する。上面視において、第1開口部21Aと第3開口部23Aとを結ぶ第1直線L1は第1方向に延びる。尚、第1直線L1とは、第1開口部21Aと第3開口部23Aとを結ぶ複数の直線の内の1本とする。図2において、第1方向はX方向及びY方向に対して45°の角度で交わる。上面視において、第2開口部22Aと第4開口部24Aとを結ぶ第2直線L2は第1方向と直交する第2方向に延びる。尚、第2直線L2とは、第2開口部22Aと第4開口部24Aとを結ぶ複数の直線の内の1本とする。図2において、第2方向はX方向及びY方向に対して45°の角度で交わる。Z方向は、第1方向及び第2方向と直交する。第1透光性部材30は、発光素子10及び側壁20を覆う。遮光性部材40は、第1透光性部材30を覆う。
【0012】
発光装置100の側壁20は、第1開口部21A、第2開口部22A、第3開口部23A及び第4開口部24Aを有しているので、第1開口部21A、第2開口部22A、第3開口部23A及び第4開口部24Aから発光素子10からの光を取り出しやすくなる。これにより、発光装置100の配光特性を所望の配光特性に調整しやすくできる。
【0013】
例えば、光源が略矩形形状の発光領域を照らしたい場合には、光源からの距離が遠くなりやすい発光領域の角部は輝度が低下する恐れがある。発光領域の角部の輝度低下を抑制するために、所望の配光特性を得ることができる光源が求められている。上面視において、第1開口部21Aと第3開口部23Aとを結ぶ第1直線L1は第1方向に延びており、第2開口部22Aと第4開口部24Aとを結ぶ第2直線L2は第1方向と直交する第2方向に延びているので、発光装置100は、第1直線L1及び第2直線L2の近傍において発光素子からの光を取り出しやすい。例えば、第1直線L1を延長した線分が発光領域の角部の近傍に位置することにより発光領域の角部の輝度低下を抑制することができる。また、第2直線L2を延長した線分が発光領域の角部の近傍に位置することにより発光領域の角部の輝度低下を抑制することができる。
【0014】
発光装置100は、遮光性部材40が第1透光性部材30を介して発光素子10の上面を覆っている。このため、遮光性部材40によって覆われている部分から発光素子10からの光を出射されることを抑制できる。これにより、発光装置100の配光特性を所望の配光特性に調整しやすくできる。例えば、発光素子10の上面が遮光性部材40によって覆われていることにより、発光素子からの光が横方向に出射されやすくなる。これにより、発光素子からの光が発光領域の角部を照らしやすくなる。このため、発光領域の角部の輝度低下を抑制することができる。
【0015】
以下、発光装置100を構成する各要素について詳説する。
【0016】
(発光素子10)
発光素子10は、電圧を印加することで自ら発光する半導体素子であり、窒化物半導体等から構成される公知の半導体素子を適用できる。発光素子としては、例えばLEDチップが挙げられる。発光素子10は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の支持基板と、支持基板上に配置されるn型半導体層およびp型半導体層と、これらに挟まれた発光層と、n型半導体層およびp型半導体層とそれぞれ電気的に接続されたn側電極およびp側電極とを含む。なお、半導体積層体は、支持基板が除去されたものを用いてもよい。また、発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体積層体としては、例えばInAlGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体積層体は、上述した発光色を発光可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光色が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光色が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光色が同じとは、主波長が±10nm以内のこととする。発光色の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば半導体積層体が2つの発光層を含む場合、発光色の組み合わせとしては、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などが挙げられる。また、発光層は、発光色が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光色が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。発光素子10は、1つの発光装置において1つのみ搭載されていてもよいし、複数個搭載されていてもよい。この場合、光度を向上させるために、同じ発光色の発光素子を複数個組み合わせてもよい。また、例えば、赤色、緑色、青色に対応するように、発光色の異なる発光素子を複数個組み合わせることにより、色再現性を向上させることができる。発光装置が複数の発光素子備えている場合には、全てが直列接続されていてもよいし、並列接続されていてもよいし、直列及び並列接続が組み合わせられていてもよい。
【0017】
(側壁20)
側壁20は、上面視において発光素子10を囲んでいる。発光素子のピーク波長に対する側壁20の透過率は、発光素子のピーク波長に対する第1透光性部材30の透過率よりも低い。側壁20の透過率が低いことにより、発光素子10からの光を側壁20によって遮りやすくなる。これにより、発光装置100の配光特性を所望の配光特性に調整しやすくなる。また、側壁20は発光素子からの光に対して遮光性を有する部材であることが好ましい。これにより、発光素子10からの光を側壁20によって遮りやすくなる。尚、本明細書において遮光性を有するとは、発光素子のピーク波長に対する透過率が40%以下とする。尚、発光装置が複数の発光素子を備える場合には、少なくとも1つの発光素子のピーク波長に対する透過率が40%以下であればよい。側壁20は、発光素子からの光を反射してもよく、発光素子からの光を吸収してもよい。発光素子のピーク波長に対する側壁20の反射率は、発光素子のピーク波長に対する第1透光性部材30の反射率よりも高いことが好ましい。このようにすることで、発光素子からの光が側壁に吸収されにくくなるので発光装置の光取り出し効率が向上する。また、側壁20は反射性を有することが好ましい。尚、本明細書において反射性を有するとは、発光素子のピーク波長に対する反射率が60%以上である。尚、発光装置が複数の発光素子を備える場合には、少なくとも1つの発光素子のピーク波長に対する反射率が60%以上であればよい。
【0018】
側壁20は、第1側壁21、第2側壁22、第3側壁23及び第4側壁24を有する。更に、側壁20は第1開口部21A、第2開口部22A、第3開口部23A及び第4開口部24Aを有する。第1開口部21Aは、第1側壁21と第2側壁22の間に位置する。第2開口部22Aは、第2側壁22と第3側壁23の間に位置する。第3開口部23Aは、第3側壁23と第4側壁24の間に位置する。第4開口部24Aは、第4側壁24と第1側壁21の間に位置する。上面視において、第1開口部21Aと第3開口部23Aとを結ぶ第1直線L1は第1方向に延びる。上面視において、第2開口部22Aと第4開口部24Aとを結ぶ第2直線L2は第2方向に延びる。
【0019】
図2に示すように、上面視において第1側壁21の外縁は、X方向と平行に延びていてもよい。第2側壁22の外縁は、Y方向と平行に延びていてもよい。第3側壁23は、第1側壁21と対向している。第3側壁23の外縁は、X方向と平行に延びていてもよい。第4側壁24は、第2側壁22と対向している。第4側壁24の外縁は、Y方向と平行に延びていてもよい。
【0020】
側壁20が第1開口部21A、第2開口部22A、第3開口部23A及び第4開口部24Aを有することにより、発光素子10からの光を第1開口部21A、第2開口部22A、第3開口部23A及び第4開口部24Aから取り出しやすくなる。これにより、発光装置100の配光特性を所望の配光特性に調整することができる。上面視において、第1開口部21Aと第3開口部23Aとを結ぶ第1直線L1は第1方向に延びており、上面視において、第2開口部22Aと第4開口部24Aとを結ぶ第2直線L2は第2方向に延びる。これにより、発光素子10からの光を第1方向及び第2方向に広げやすくなる。
【0021】
(樹脂部材60)
図3A図3Bに示すように、発光装置100は樹脂部材60と、第1リード61と、第2リード62と、を備えていてもよい。樹脂部材60は、第1リード61と第2リード62の間に位置し第1リード61と第2リード62を保持する部材である。樹脂部材60は、側壁20を有していてもよい。樹脂部材60が側壁20を有する場合において、側壁20は、第1リード61及び第2リード62の上面より上方に位置する樹脂部材60の一部とする。樹脂部材60は、樹脂材料として、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの公知の材料を用いることができる。熱可塑性樹脂の場合には、例えば、ポリフタルアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、不飽和ポリエステルなどを用いることができる。熱硬化性樹脂の場合には、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂などを用いることができる。特に、樹脂材料として、耐熱性および耐光性に優れたエポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
【0022】
樹脂部材60は、樹脂材料に、光反射性物質を含有することが好ましい。光反射性物質としては、発光素子からの光を吸収しにくく、樹脂材料に対して屈折率差の大きい部材を用いることが好ましい。このような光反射性物質は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等が挙げられる。光反射性物質は、例えば、樹脂材料に対して10重量%以上90重量%以下で含有させることができる。
【0023】
(第1リード61、第2リード62)
第1リード61及び第2リード62は、発光素子の一対の電極の負極又は正極のいずれかと電気的に接続して発光素子に通電するための部材である。第1リード61及び第2リード62は、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、鉄、ニッケル、又はこれらの合金、燐青銅、鉄入り銅などの金属を用いて、圧延、打ち抜き、押し出し、ウェットもしくはドライエッチングによるエッチング又はこれらの組み合わせ等の加工により所定の形状に形成することができる。これらは単層であってもよいし、積層構造であってもよい。特に、安価で放熱性が高い銅を用いることが好ましい。第1リード61及び第2リード62は、例えば、反射率向上を目的に、銀、アルミニウム、銅及び金などの金属めっきを、単層又は積層構造で一部に又は全面に施していてもよい。なお、第1リード61及び第2リード62の最表面に銀を含む金属層が形成される場合は、銀を含む金属層の表面に酸化ケイ素等の保護層を設けることが好ましい。これにより、銀を含む金属層が大気中の硫黄成分等によって変色することを抑制することができる。保護層の成膜方法は、例えば、スパッタ等の真空プロセス等の公知の方法が挙げられる。
【0024】
図3A図3B図4に示すように、第1リード61の上面は、第1凹部61Aを有することが好ましい。図3A図3Bに示すように、第1凹部61A内に樹脂部材60が位置することで、第1リード61と樹脂部材60とが接する面積を大きくすることができる。これにより、第1リード61と樹脂部材60との密着性が向上する。同様に、第2リード62の上面は、第2凹部62Aを有することが好ましい。
【0025】
(第1透光性部材30)
第1透光性部材30は、発光素子からの光に対して透光性を有する部材である。第1透光性部材30は、発光素子10及び側壁20を覆っている。これにより、第1透光性部材30を介して発光素子10からの光を外部に取り出すことができる。図3A図3Bに示すように、第1透光性部材30は、発光素子10の上面10A及び側壁20の上面20Aを覆っている。第1透光性部材30は第2透光性部材50を介して発光素子10の上面10Aを覆っていてもよく、発光素子10の上面10Aと接して発光素子10を覆っていてもよい。尚、本明細書において透光性を有するとは、発光素子のピーク波長に対する透過率が50%以上である。尚、発光装置が複数の発光素子を備える場合には、少なくとも1つの発光素子のピーク波長に対する透過率が50%以上であればよい。
【0026】
第1透光性部材30の厚み等を種々選択することにより、発光装置100の配光特性を所望の配光特性に調整することができる。図3Aに示すように、第1透光性部材30の厚みT1は、発光素子10の厚みT2より厚くてもよい。また、第1透光性部材30の厚みT1は、側壁20の厚みT3より厚くてもよい。第1透光性部材30の厚みが厚いことにより、第1透光性部材30から発光素子10の光を取り出しやすくなる。尚、本明細書において厚みとは、Z方向における各部材の長さの最大値とする。
【0027】
第1透光性部材30は母材として、例えば、樹脂材料を用いることができる。第1透光性部材30の母材に用いる樹脂材料としては、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れているので好ましい。例えば、第1透光性部材30は母材としてジメチルシリコーン樹脂を用いることができる。
【0028】
第1透光性部材30は光反射性物質を含有してもよい。このようにすることで、発光装置の配光特性の調整が容易になる。光反射性物質としては、発光素子からの光を吸収しにくく、母材に対して屈折率差の大きい部材を用いることが好ましい。このような光反射性物質は、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等が挙げられる。また、第1透光性部材30は波長変換部材を含有してもよい。このようにすることで、発光装置の色調整が容易になる。第1透光性部材30に含まれる波長変換部材は1種類でもよく複数種類でもよい。第1透光性部材30に含有される蛍光体は分散していてもよく、偏在していてもよい。波長変換部材には、公知の蛍光体を用いることができる。蛍光体の例は、KSF系蛍光体等のフッ化物系蛍光体、CASN等の窒化物系蛍光体、YAG系蛍光体、βサイアロン蛍光体等である。KSF系蛍光体およびCASNは、青色光を赤色光に変換する波長変換部材の例であり、YAG系蛍光体は、青色光を黄色光に変換する波長変換部材の例である。βサイアロン蛍光体は、青色光を緑色光に変換する波長変換部材の例である。波長変換部材は、量子ドット蛍光体であってもよい。
【0029】
(遮光性部材40)
遮光性部材40は、発光素子からの光に対して遮光性を有する部材である。遮光性部材40は第1透光性部材30を覆っている。これにより、第1透光性部材30から出射される発光素子10からの光の一部を遮ることができる。これにより、発光装置100の配光特性を所望の配光特性を調整しやすくなる。遮光性部材は、発光素子からの光を反射してもよく、発光素子からの光を吸収してもよい。遮光性部材は、反射性を有することが好ましい。このようにすることで、発光素子からの光が遮光性部材に吸収されにくくなるので発光装置の光取り出し効率が向上する。発光素子のピーク波長に対する遮光性部材40の反射率は、発光素子のピーク波長に対する第1透光性部材30の反射率よりも高いことが好ましい。
【0030】
遮光性部材40としては、金属を用いてもよく、光反射性物質を含有した樹脂材料を用いてもよい。遮光性部材40の母材として樹脂材料を用いる場合には、第1透光性部材と同様の樹脂材料を用いることができる。また、光反射性物質としては、第1透光性部材と同様に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等を用いることができる。光反射性物質は例えば、樹脂材料に対して10重量%以上90重量%以下で含有させることができる。第1透光性部材の母材の線膨張係数と遮光性部材の母材の線膨張係数との差は、特に限定されないが30ppm以内であることが好ましい。これにより、第1透光性部材30と遮光性部材40が剥がれることを抑制することができる。尚、第1透光性部材と遮光性部材は接していてもよく、第1透光性部材と遮光性部材の間に公知の接着部材が位置していてもよい。例えば、第1透光性部材30の母材としてジメチルシリコーン樹脂を用いる場合には、遮光性部材40の母材としてジメチルシリコーン樹脂を用いてもよい。
【0031】
(第2透光性部材50)
図3A図3Bに示すように発光装置100は第2透光性部材50を備えていてもよい。第2透光性部材50は、波長変換部材を含み、発光素子の側面を覆っている。波長変換部材は、発光素子からの光の一部を吸収し異なる波長の光に変換する部材である。第2透光性部材50は、発光素子の上面を覆っていてもよい。これにより、発光素子からの光を異なる波長の光に変換させやすくなる。第2透光性部材50が発光素子の上面を覆う場合には、第1透光性部材30は第2透光性部材50を介して発光素子の上面を覆っている。
【0032】
第2透光性部材50が発光素子を覆うことにより、発光装置の色調整が容易になる。第2透光性部材50に含まれる波長変換部材は1種類でもよく複数種類でもよい。第2透光性部材50に含有される波長変換部材は分散していてもよく、偏在していてもよい。第2透光性部材50に含有される波長変換部材は発光素子側に偏在していることが好ましい。つまり、-Z方向側に位置する波長変換部材の濃度が、+Z方向側に位置する波長変換部材の濃度よりも高いことが好ましい。このようにすることで、発光素子からの光が波長変換部材の濃度が高い部分を通過する光路長を略一定にしやすくなるので、発光装置の色むらを抑制しやすくなる。例えば、製造工程において、第2透光性部材50内で波長変換部材を沈降させることにより、発光素子側に波長変換部材を偏在させることができる。波長変換部材には、公知の蛍光体を適用することができる。第1透光性部材が波長変換部材を含む場合には、第2透光性部材50に含まれる波長変換部材の濃度は、第1透光性部材に含まれる波長変換部材の濃度よりも高いことが好ましい。第2透光性部材50は、第1透光性部材よりも発光素子の近傍に位置しているので第2透光性部材50の濃度が高いことで、効率よく波長変換部材に発光素子からの光を当てることができる。また、発光装置100が第2透光性部材50を備える場合には、第1透光性部材は波長変換部材を含有していなくてもよい。第1透光性部材が波長変換部材を含有していないことで、発光素子からの光を第1透光性部材から外部に取り出しやすくなる。
【0033】
第2透光性部材50は母材として、例えば、樹脂材料を用いることができる。第2透光性部材50の母材として、第1透光性部材と同様の樹脂材料を用いてもよい。第1透光性部材の母材の屈折率と第2透光性部材の母材の屈折率との差は、0.05以内であることが好ましい。このようにすることで、発光素子からの光が第1透光性部材と第2透光性部材の界面で反射又は屈折することを抑制することができる。これにより、発光素子からの光が第2透光性部材から第1透光性部材に導光しやすくなるので発光装置の光取り出し効率が向上する。例えば、第1透光性部材30の母材としてジメチルシリコーン樹脂を用いる場合には、第2透光性部材50の母材としてジメチルシリコーン樹脂を用いてもよい。
【0034】
図5図6Aに示すように第2透光性部材50は発光装置の外縁にまで位置していてもよく、図2図3B図6Bに示すように、第2透光性部材50は発光装置の外縁から離れていてもよい。第2透光性部材50は、発光装置の外縁から離れていることが好ましい。このようにすることで、第2透光性部材50が発光装置の外縁にまで位置する場合よりも、第1方向おける第2透光性部材50の長さとX方向における第2透光性部材50の長さの差を小さくしやすくなる。これにより、第1方向に進む発光素子からの光とX方向に進む発光素子からの光が波長変換部材を含む第2透光性部材50を透過する光路長の差を小さくすることができるので、発光装置100の色むらを抑制しやすくなる。尚、図6Aは、図5に示す発光装置100Aの第1直線L1における模式断面図である。
【0035】
図6Bに示す発光装置100Bの外縁から離れる第2透光性部材50は、例えば、硬化前の第2透光性部材50の粘度を調整することにより形成することができる。硬化前の第2透光性部材50が発光装置100Bの外縁にまで濡れ広がらない程度に硬化前の第2透光性部材50の粘度を高くすることにより、発光装置100Bの外縁から離れた第2透光性部材50を形成することができる。
【0036】
図6Bに示すように発光装置100Bは第3透光性部材51を備えていてもよい。第3透光性部材51は、第1透光性部材30と第2透光性部材50の間に位置する。つまり、第1透光性部材30は第3透光性部材51を介して第2透光性部材50を覆っている。発光装置100Bが第3透光性部材51を備えることで発光装置の機械的強度を向上させることができる。第3透光性部材51の材料としては第1透光性部材30と同様の材料を用いることができる。
【0037】
図2図3Bに示すように発光装置100は被覆部材70を備えていてもよい。被覆部材70は、発光素子からの光に対して透光性を有する部材である。発光素子のピーク波長に対する被覆部材70の透過率は、発光素子のピーク波長に対する側壁20の透過率よりも高い。被覆部材70は第1被覆部材71、第2被覆部材72、第3被覆部材73及び第4被覆部材74を備える。第1被覆部材71は第1開口部21Aを覆う。第2被覆部材72は第2開口部22Aを覆う。第3被覆部材73は第3開口部23Aを覆う。第4被覆部材74は第4開口部24Aを覆う。第1開口部21A、第2開口部22A、第3開口部23A及び/又は第4開口部24Aを開口部と呼ぶことがある。被覆部材70が開口部を覆うことで、例えば、硬化前の第2透光性部材50が発光素子を覆うように塗布して第2透光性部材50を形成する場合には、被覆部材70が開口部を覆っていることで硬化前の第2透光性部材50を被覆部材70により堰き止めることができる。これにより、発光装置の外縁から離れる第2透光性部材50を形成することができる。図2に示すように、上面視において発光装置100が矩形形状である場合には、第1被覆部材71、第2被覆部材72、第3被覆部材73及び第4被覆部材74は、発光装置の4隅に位置していてもよい。
【0038】
被覆部材70は母材として、例えば、樹脂材料を用いることができる。被覆部材70の母材に用いる樹脂材料としては、熱硬化性樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂、ウレタン樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂及び変性シリコーン樹脂は、耐熱性及び耐光性に優れているので好ましい。被覆部材70は光反射性物質を含有してもよい。このようにすることで、発光装置の配光特性の調整が容易になる。
【0039】
図3Bに示すように第1被覆部材71は、発光素子10と対向する第1面71Aを有する。第1面71Aの形状は下側から上側に向かい発光素子10から離れるように傾斜する。また、第1被覆部材71の母材の屈折率は、第2透光性部材50の母材の屈折率より高いことが好ましい。このようにすることで、第1面71Aによって発光素子10から横方向に進む光を上方向に進む光に変えることができる。これにより、発光装置100を実装する配線基板に発光素子からの光が吸収されることを抑制することができる。例えば、第1透光性部材30の母材としてジメチルシリコーン樹脂を用いる場合には、第1被覆部材71の母材としてフェニルシリコーン樹脂を用いてもよい。尚、第2被覆部材72、第3被覆部材73及び/又は第4被覆部材74は第1被覆部材71と同様の形状としてもよい。
【0040】
次に、本実施形態に係る発光モジュール1000を図7から図8Bを参照して説明する。本実施形態に係る発光モジュール1000は、上述の発光装置100と、区画部材200と、を備える。発光モジュール1000は、更に配線基板300を備えていてもよい。以下、発光モジュール1000を構成する各要素について詳説する。
【0041】
(区画部材200)
区画部材200は、発光モジュールの発光領域を区画する部材である。区画部材200は、発光素子からの光に対して反射性を有する。例えば、区画部材200によって区画された領域毎に発光装置の点灯を制御することでローカルディミング方式の発光モジュールとすることができる。図7に示すように、上面視において区画部材200は発光装置100を囲んでいる。これにより、発光装置100から横方向に進む光を区画部材200によって遮ることができるので各発光領域のコントラストを向上させることができる。例えば、図7に示すように、隣接する発光領域を第1発光領域R1と第2発光領域R2とし、第1発光領域R1内に配置される発光装置を第1発光装置101とし、第2発光領域R2内に配置される発光装置を第2発光装置102とする。第1発光装置101が点灯し第2発光装置102が不点灯の場合に、第1発光装置101を囲む区画部材200があることで、第1発光装置101からの光が第2発光領域R2内に入射することを抑制できる。これにより、第1発光領域R1と第2発光領域R2間でのコントラスト比を向上させることができる。
【0042】
区画部材200は、第3方向に延びる第1壁部211と、第3方向と直交する第4方向に延びる第2壁部212と、第1壁部と対向し第3方向に延びる第3壁部213と、第2壁部と対向し第4方向に延びる前記第4壁部214と、を有していてもよい。図7において、第3方向とはX方向であり、第4方向とはY方向である。第1直線L1が延びる方向である第1方向は、第3方向に対して40°以上50°以下の角度で傾斜することが好ましい。換言すると、第1方向と第3方向と成す角度θ1は40°以上50°以下であることが好ましい。このようにすることで、発光装置からの光が発光領域の角部の近傍に出射されやすくなるので、発光領域の角部の輝度低下を抑制することができる。尚、第1方向が第3方向に対して傾斜する角度は、第1方向と第3方向とが成す角度のうち鋭角の方の角度を意味する。第1方向は、第3方向に対して45°の角度で傾斜していてもよい。同様に、第2直線L2が延びる方向である第2方向は、第3方向に対して40°以上50°以下の角度で傾斜することが好ましい。第2方向は、第3方向に対して45°の角度で傾斜していてもよい。第1壁部211、第2壁部212、第3壁部213及び/又は第4壁部214を壁部と呼ぶことがある。尚、本明細書において、発光領域とは、上面視において第1壁部211、第2壁部212、第3壁部213及び/又は第4壁部214に囲まれる領域のことである。尚、発光領域は壁部を含まないとする。
【0043】
図7に示すように、上面視において、第1壁部211と重なり第3方向と平行に延びる第3直線L3と、第2壁部212と重なり第4方向と平行に延びる第4直線L4と、の交点を第1交点P1とする。第1交点P1は第1直線L1上に位置することが好ましい。これにより、発光装置100からの光が発光領域の角部に出射されやすくなるので、発光領域の角部の輝度低下を抑制することができる。同様に、上面視において、第3壁部213と重なり第3方向と平行に延びる第5直線L5と、第4壁部214と重なり第4方向と平行に延びる第6直線L6と、の交点である第2交点P2は、第1直線L1上に位置することが好ましい。また、第3直線L3と、第6直線L6と、の交点である第3交点P3は、第2直線L2上に位置することが好ましい。これにより、発光装置からの光が発光領域の角部に出射されやすくなる。第4直線L4と、第5直線L5と、の交点である第4交点P4は、第2直線L2上に位置することが好ましい。
【0044】
図8A図8Bに示すように区画部材200の一部は発光装置100よりも上方に位置することが好ましい。このようにすることで、発光装置100からの光を区画部材200で遮りやすくなるので各発光領域のコントラストを向上させることができる。
【0045】
図8A図8Bに示すように区画部材200は、壁部の下端と繋がる底部220を有していてもよい。底部220は、配線基板300の上面を覆っていることが好ましい。これにより、発光素子からの光が発光装置100を実装する配線基板に吸収されることを抑制することができる。
【0046】
発光モジュール1000は配線基板300を備えていてもよい。配線基板300は、発光装置100を載置するための部材である。配線基板300は、基材301と、基材301上に設けられた配線302と、を有している。配線基板300は、更に配線302の一部を覆う光反射性の絶縁性樹脂303を有してもよい。配線基板300が光反射性の絶縁性樹脂303を有している場合、発光装置100は絶縁性樹脂303から露出する配線302上に載置される。
【0047】
基材301は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、BTレジン、ポリフタルアミド(PPA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂、セラミックス等によって形成できる。基材301の材料として樹脂を用いると、低コストや成型容易性の点で有利である。基材301の材料として樹脂を用いる場合は、ガラス繊維、SiO、TiO、Al等の無機フィラーを樹脂中に混合してもよい。
【0048】
配線302は、導電性の接合部材を介して発光装置と電気的に接続され、発光装置に外部から電流を供給する部材である。配線302は、正と負の少なくとも2つ以上に離隔したパターンを有する。配線302は、発光装置100を載置する面に形成される。
【0049】
配線302の材料の材料としては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄、ニッケル、等の金属板およびリードフレーム等が挙げられる。これらの材料の表面を、更に金属膜で覆ってもよい。この金属膜の材料としては、例えば、銀、又は銀と、銅、金、アルミニウム、ロジウム等との合金の単層又は多層構造が挙げられる。金属膜は、めっき法、スパッタ法、蒸着法等の公知の方法を用いることができる。
【0050】
絶縁性樹脂303は、配線302の絶縁を行う部材である。絶縁性樹脂303の材料としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、オキセタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリイミド樹脂等の樹脂材料が挙げられる。絶縁性樹脂303は、発光装置からの光が配線基板に吸収されることを抑制するために反射性を有していることが好ましい。例えば、樹脂材料に光反射性物質を含有させることが好ましい。
【0051】
発光モジュール1000は、区画部材200上に、光拡散板、プリズムシート、及び偏光シートからなる群から選択される少なくとも一種を有してもよい。発光モジュール1000がこれらの光学部材の一種以上を有することで、光の均一性を更に向上できる。
【0052】
具体的には、図8A図8Bに示すように、発光モジュール1000は、光拡散板501と、プリズムシート(第1プリズムシート502及び第2プリズムシート503)と、偏光シート504と、を有する光学部材500を備えてもよい。光学部材500は、区画部材200と接していてもよく、区画部材200と接していなくてもよい。光学部材500と区画部材200とが接することにより、第1発光装置101からの光が第2発光領域R2内に入射することを抑制しやすくなる。また、光学部材500に液晶表示パネル等の表示パネルを配置することで、直下型バックライト用光源として用いる面発光型の発光装置とすることができる。光学部材500における各部材の積層の順序は任意に設定できる。
【0053】
(光拡散板501)
光拡散板501は、発光装置100の上方に配置されている。光拡散板501は、平坦な板状部材であることが好ましいが、その表面に凹凸が配置されてもよい。光拡散板501は、実質的に配線基板300に対して平行に配置されることが好ましい。
【0054】
光拡散板501は、例えば、ポリカーボネイト樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン樹脂等、可視光に対して光吸収の少ない材料から構成できる。入射した光を拡散させるために、光拡散板501は、その表面に凹凸を設けてもよいし、光拡散板501中に屈折率の異なる材料を分散させてもよい。凹凸は、例えば、0.01mm以上0.1mm以下の大きさとすることができる。屈折率の異なる材料としては、例えば、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂等から選択して用いることができる。
【0055】
光拡散板501の厚み、光拡散の程度は、適宜設定することができ、光拡散シート、ディフューザーフィルム等として市販されている部材を利用できる。例えば、光拡散板501の厚みは、1mm以上2mm以下とすることができる。
【0056】
(第1プリズムシート502及び第2プリズムシート503)
第1プリズムシート502及び第2プリズムシート503はその表面に、所定の方向に延びる複数のプリズムが配列された形状を有する。例えば、第1プリズムシート502は、Y方向に延びる複数のプリズムを有し、第2プリズムシート503は、X方向に延びる複数のプリズムを有することができる。第1プリズムシート502及び第2プリズムシート503は、種々の方向から入射する光を、発光モジュール1000に対向する表示パネルへ向かう方向に屈折させることができる。これにより、発光装置100からの光を発光モジュール1000の発光面側から取り出しやすくなる。
【0057】
(偏光シート504)
偏光シート504は、例えば、液晶表示パネル等の表示パネルのバックライト側に配置された偏光板の偏光方向に一致する偏光方向の光を選択的に透過させ、その偏光方向に垂直な方向の偏光を第1プリズムシート502及び第2プリズムシート503側へ反射させることができる。偏光シート504から戻る偏光の一部は、第1プリズムシート502、第2プリズムシート503、及び光拡散板501で再度反射される。このとき、偏光方向が変化し、例えば、液晶表示パネルの偏光板の偏光方向を有する偏光に変換され、再び偏光シート504に入射し、表示パネルへ出射する。これにより、発光モジュール1000から出射する光の偏光方向を揃え、表示パネルの輝度向上に有効な偏光方向の光を高効率で出射させることができる。偏光シート504、第1プリズムシート502、第2プリズムシート503等は、バックライト用の光学部材として市販されているものを用いることができる。
【0058】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0059】
10 発光素子
20 側壁
21 第1側壁
22 第2側壁
23 第3側壁
24 第4側壁
30 第1透光性部材
40 遮光性部材
50 第2透光性部材
60 樹脂部材
61 第1リード
62 第2リード
70 被覆部材
100 発光装置
200 区画部材
300 配線基板
500 光学部材
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B