(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097433
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】回転可能テーブルを有するウエハ処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021203330
(22)【出願日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】63/127,589
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】テオドルス・ジー・エム・オーステルレークン
(72)【発明者】
【氏名】アニケット・パティル
(72)【発明者】
【氏名】ニミト・コタリ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BB03
5F131BB22
5F131CA37
5F131DA05
5F131DA43
5F131DA63
5F131DA66
5F131DB72
5F131DB76
5F131GA14
5F131GA33
5F131HA09
5F131HA12
5F131HA35
(57)【要約】
【課題】本開示は、複数のウエハを保管するための取り外し可能なホルダーを支持するように構成および配置された支持部が設けられた回転可能テーブルを有するウエハを処理するためのウエハ処理装置を提供する。
【解決手段】駆動アセンブリは、テーブルに対して垂直である垂直軸の周りの回転可能テーブルに回転運動を与えるために提供されてもよく、また供給ラインは、回転可能テーブルにユーティリティを供給するように構成および配置されてもよい。駆動アセンブリは、供給ラインの破損を回避するために、時計回り方向および/または反時計回り方向でのテーブルの回転運動を生じさせるように制御および構成されてもよい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハを処理するための装置であって、
複数のウエハを保持するための取り外し可能なホルダーを支持するように配置構成された支持部が設けられている回転可能テーブルと、
前記回転可能テーブルに対して実質的に垂直な軸周りの回転運動を前記回転可能テーブルに与える駆動アセンブリと、を備え、
該装置には、前記回転可能テーブルにユーティリティを供給するための供給ラインが設けられ、前記駆動アセンブリが、前記供給ラインの破損を回避するために、時計回りおよび反時計回りの2方向で前記回転可能テーブルの回転運動を生じさせるように制御および構成されている、装置。
【請求項2】
前記駆動アセンブリが、第一の角度にわたって、時計回り方向および反時計回り方向のうち一方の方向での回転運動を生じさせるように制御および構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記時計回り方向および反時計回り方向のうち一方の方向での回転運動が前記第一の角度に到達した時に、前記駆動アセンブリが前記時計回り方向および反時計回り方向のうち他方の方向に回転方向を変更するように制御および構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記駆動アセンブリが、第一の角度と等しいが反対向きの第二の角度にわたって、前記時計回り方向および反時計回り方向のうち他方の方向での回転運動を生じさせるように制御および構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
時計回り方向および反時計回り方向のうち他方の方向での回転運動が前記第二の角度に到達した時に、前記駆動アセンブリが前記時計回り方向および反時計回り方向のうち一方の方向に回転方向を再度変更するように制御および構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ユーティリティが流体であり、前記供給ラインが中空であり、前記供給ラインが前記装置の流体供給部から前記回転可能テーブルに前記流体を供給するように配置構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記流体がパージガスであり、前記供給ラインが前記装置のパージガス供給部に接続されている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記装置には、複数のウエハカセットを支持するように配置構成されたカセットストレージカルーセルとして前記回転可能テーブルを備えるカセットストレージが設けられていて、前記供給ラインがプラグに動作可能に接続されていて、前記ウエハカセットに前記パージガスを提供する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記流体が冷却流体であり、前記供給ラインが前記装置の冷却流体供給部に動作可能に接続されている、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記ユーティリティが電気であり、前記供給ラインが金属コアを備え、前記供給ラインが前記装置の電力供給部から前記回転可能テーブルに前記電気を供給するように配置構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記供給ラインが、前記回転運動を可能にするように湾曲している、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記供給ラインが、前記回転運動を可能にするように可撓性材料から成る、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
カセットストレージと、
前記カセットストレージとウエハ移送位置の間でウエハカセットを移送するように構成されたカセットハンドラーと、
前記ウエハ移送位置にあるウエハカセットと、ウエハボート移送位置にあるウエハボートとの間でウエハを移送するように構成されたウエハハンドラーと、を備え、
前記回転可能テーブルが、前記ウエハボート移送位置にある前記ウエハボートを支持するように配置構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記回転可能テーブルが、前記ウエハボート移送位置からウエハボートエレベーター位置に前記ウエハボートを回転するように配置構成されている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
処理チャンバーと、
前記ウエハボートエレベーター位置と前記処理チャンバーの間で前記ウエハボートを移送するためのエレベーターと、を備える請求項14に記載の装置。
【請求項16】
ウエハボート内に支持された複数のウエハを処理するように配置構成された処理チャンバーを備える請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記回転可能テーブルが、前記処理チャンバー内で前記ウエハボートを支持および回転するように配置構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記回転可能テーブルが、前記処理チャンバーの外側の複数のウエハを支持および回転するように配置構成されている、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記回転可能テーブルが、前記回転可能テーブルに対して実質的に垂直な軸周りで回転可能であり、前記軸が、前記回転可能テーブル上で支持されたウエハの中心からずれている、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記回転可能テーブルが、前記回転可能テーブルに対して実質的に垂直な軸周りで回転可能であり、前記軸が、前記回転可能テーブル上で支持されたウエハの中心を実質的に通る、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、ウエハを処理するためのウエハ処理装置に関する。ウエハ処理装置は、複数のウエハを保持するためのホルダーを取り外し可能に支持するように構成および配置された支持部が設けられた回転可能テーブルと、テーブルに対して実質的に垂直である実質的に垂直な軸の周りの回転可能テーブルに回転運動を与えるための駆動アセンブリとを備える。
【背景技術】
【0002】
ウエハカセット、例えば前面開口一体化ポッド(FOUP,front‐opening unified pod)またはウエハボートは、複数のウエハをウエハ処理装置の中に保持する、およびウエハ処理装置に動かすためのホルダーとして使用されてもよい。ウエハ処理装置は、回転によって取り外し可能なホルダーを動かすことができるようにするために、ホルダーを取り外し可能に支持するように構成および配置された支持部が設けられた回転可能テーブルを備えてもよい。
【0003】
流体または電力などのユーティリティを回転可能テーブルに提供することが必要である場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この「発明の概要」は、選択された複数の概念を簡略化した形態で紹介するために提供されている。これらの概念は、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、さらに詳細に説明される。この「発明の概要」は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することを意図していなく、また特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることも意図していない。
【0005】
回転可能テーブルにユーティリティを提供する改善されたやり方をウエハ処理装置に提供することが目的であってもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その目的で、複数のウエハを保持するためのホルダーを取り外し可能に支持するように構成および配置された支持部が設けられた回転可能テーブルと、テーブルに対して実質的に垂直である実質的に垂直な軸の周りの回転可能テーブルに回転運動を与えるための駆動アセンブリとを備える、ウエハを処理するためのウエハ処理装置が提供されてもよい。装置には、ユーティリティを回転可能テーブルに供給するための供給ラインが設けられてもよい。駆動アセンブリは、供給ラインの破損を回避するために、時計回りおよび反時計回りの二方向でのテーブルの回転運動を生じさせるように制御および構成されてもよい。
【0007】
本発明と、先行技術を超えて達成される利点とを要約する目的で、本発明のある特定の目的および利点が本明細書において上述されている。当然のことながら、必ずしもこうした目的または利点のすべてが本発明の任意の特定の実施形態によって達成されるとは限らないことが理解されるべきである。それ故に例えば、本明細書において教示または示唆されうる通りの他の目的または利点を必ずしも達成することなく、本明細書において教示または示唆される通りの1つの利点または一群の利点を達成または最適化する様態で、本発明が具体化または実行されてもよいことを当業者は認識するであろう。
【0008】
様々な実施形態が従属請求項において特許請求されていて、これは図に示される例を参照してさらに明らかにされる。実施形態は組み合わされてもよく、または互いに別々に適用されてもよい。
【0009】
これらの実施形態のすべてが、本明細書に開示した本発明の範囲内であることが意図されている。これらのおよび他の実施形態は、以下の添付の図面を参照するある特定の実施形態の以下の「発明を実施するための形態」から当業者に容易に明らかとなることになり、本発明は開示されたいかなる特定の実施形態にも限定されない。
【0010】
当然のことながら、図内の要素は単純化および明瞭化のために例示されていて、必ずしも実寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの一部の寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素と相対的に誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態によるウエハ処理装置の一例の概略上部透視図を示す。
【
図2】
図1のウエハ処理装置の例のカセット取り扱い空間の概略上部透視図を示す。
【
図4】
図1~3のカセットストレージカルーセル18の一部を図示する。
【
図5】一実施形態によるウエハ処理装置の斜視図を示す。
【
図6】
図5によるウエハ処理装置の例の概略上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本出願において、類似のまたは対応する特徴は、類似のまたは対応する参照記号によって示される。様々な実施形態の説明は、図に示される例に限定されず、また「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」で使用される参照番号は、実施形態の説明を制限することを意図せず、しかし図に示された例を参照することによって実施形態を解明するために含まれる。
【0013】
ある特定の実施形態および例を以下に開示するが、本発明の具体的に開示された実施形態および/または使用、ならびにその明白な修正および均等物を超えて本発明が延長することは、当業者によって理解されるであろう。それ故に、開示された本発明の範囲は、以下に記載の特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。本明細書に提示された図は、任意の特定の材料、構造、または装置の実際の姿であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用されている、単に理想化された表現にすぎない。
【0014】
本明細書で使用される「ウエハ」という用語は、使用されてもよい、または装置、回路、もしくはフィルムが形成されてもよい任意の下にある材料(複数可)を指してもよい。ウエハは、ケイ素などの半導体材料を含む任意の材料のウエハであってもよい。
【0015】
最も一般的に、本開示は、ウエハを処理するためのウエハ処理装置10を提供し、その例は
図1~
図6に示される。装置10は、カセット取り扱い空間26を備えてもよい。カセット取り扱い空間26には、複数のウエハが提供されたウエハカセット16を保管するように構成されたカセットストレージ14が提供されてもよい。カセット取り扱い空間26には、カセットストレージ14とウエハ移送位置24の間でウエハカセット16を移送するように構成されたカセットハンドラー28が提供されてもよい。カセットハンドラー28は、単一のカセットハンドラー28として具体化されてもよい。
【0016】
ウエハ処理装置10は、ウエハ取り扱い空間30を備えてもよい。ウエハ取り扱い空間30には、ウエハ移送位置24にあるウエハカセット16とウエハボート移送位置にあるウエハボートとの間でウエハを移送するように構成されたウエハハンドラー32が提供されてもよい。
【0017】
ウエハ処理装置は、カセット取り扱い空間26とウエハ取り扱い空間30を分離する内壁20を備えてもよい。内壁20には、ウエハの移送元または移送先であるウエハカセット16のためのウエハ移送位置24に隣接するウエハ移送開口部22が提供されてもよい。カセットストレージ14は2つのカセットストレージカルーセル18を備えてもよい。
【0018】
一実施形態において、2つのカセットストレージカルーセル18は、内壁20およびウエハ取り扱い空間30に覆いかぶさってもよい。内壁20およびウエハ取り扱い空間30に覆いかぶさることによって、ウエハ処理装置10の設置面積は減少される場合がある。これは、ウエハ処理装置を適合するために必要な高価な床面積の量が減少され、それ故にウエハ処理装置10のための全体的なコストも減少されることを意味する。
【0019】
一実施形態において、ウエハ処理装置10には、ウエハ処理装置10の幅36を画定する2つの対向する短辺を有する、かつウエハ処理装置10の長さ38を画定する2つの対向する長辺を有する、実質的に長方形の設置面積が提供されてもよい。ウエハ処理装置10の幅36は、おおよそ2.2メートル以下であってもよい。ウエハ処理装置10の長さ38は、5メートル以下であってもよく、好ましくは4メートル以下であってもよい。
【0020】
実質的に長方形の設置面積を有することによって、複数のウエハ処理装置10を相互に隣接して配置してもよく、それ故に利用可能な床面積の最大限に活用できる。長方形の設置面積を有する隣接するウエハ処理装置は、それらの間に使用されていない空間を有しない場合がある。2.2メートル未満の幅36は、例えば他の製造業者/ブランドの他の垂直バッチ炉アセンブリとの互換性の観点から有益である。5メートル以下、好ましくは4メートル以下の長さ38は、全体の設置面積を減少するために有益である。
【0021】
一実施形態において、カセットストレージ14は、20~60個のウエハカセット16を保管するように構成されてもよい。一実施形態において、ウエハカセット16は、前面開口一体化ポッド(FOUP)として具体化されてもよい。FOUPは当業界において、ウエハの標準的なエンクロージャと考えられている。FOUPの使用は、ウエハ処理装置10と他のウエハ処理機械の間のウエハカセットの交換可能性のために有利である。
【0022】
一実施形態において、2つのカセットストレージカルーセル18、カセットハンドラー28、およびウエハハンドラー32は、ウエハ処理装置10の底辺40と、底辺40の上方おおよそ2.8メートルの高さ44にある水平面42との間の空間に提供されてもよい。ウエハ処理装置10は、底辺40の上方おおよそ2.8メートルの高さ44にある水平面42の上方に延在する取り外し可能な上部カバー46を有してもよい。上部カバー46は、ウエハ処理装置10の上部壁82にある上部開口部80を閉め切ってもよく、この上部開口部80を通してウエハカセット16が延びてもよく、このウエハカセットは2つのカセットストレージカルーセル18のうちの少なくとも1つのカセットストレージカルーセル18の上部プラットフォームステージ70に定置されている。
【0023】
2つのカセットストレージカルーセル18、カセットハンドラー28、およびウエハハンドラー32が、おおよそ2.8メートルの高さ44の下方に留まることを確実にすることによって、これらの部品は、保守のためにオペレーターの手の届く範囲に留まり、また標準的なクリーンルーム用ドアを通して通常の動作位置に搬送されることができる。さらに、これらの部品は、標準的なサイズの容器での輸送のために分割する必要なしに、組み立てられた状態で輸送されることができる。これは、ウエハ処理装置10を分解せずに輸送されることができ、従ってウエハ処理装置10の製造業者の工場で組み立てられてもよいことを意味する。それ故に、現場での大規模な組み立てを必要としない場合があり、これはウエハ処理装置10を設置するためのコストを低減する。
【0024】
一実施形態において、ウエハ処理装置10は、少なくとも1つのカセット入口出口ポート48をさらに備えてもよい。少なくとも1つのカセット入口出口ポート48は、ウエハ処理装置10と外界の間でのウエハカセット16の交換のために、ウエハ処理装置10への入口、およびウエハ処理装置10からの出口を提供する。少なくとも1つのカセット入口出口ポート48は、カセット取り扱い空間26を境界付ける壁84に提供されてもよい。当該壁84は、ウエハ処理装置10の実質的に長方形の設置面積の短辺に、またはその近くにあってもよい。カセットハンドラー28は、カセットストレージ14と、ウエハ移送位置24と、少なくとも1つのカセット入口出口ポート48との間でウエハカセット16を移送するように構成されてもよい。こうしたカセットハンドラー28は、カセット取り扱い空間26内のすべてのウエハカセットの移送を取り扱うことができる。1つのカセットハンドラー28のみを使用することによって、そうでなければ追加的なカセットハンドラーによって占められることになる空間を、他の目的のために使用することができる。それ故に、ウエハ処理装置10のサイズは、さらに減少されてもよく、またはウエハ処理装置10は、さらにより多くのウエハカセット16を保管してもよい。
【0025】
一実施形態において、カセットハンドラー28には、カセットハンドラーアーム50、およびカセットストレージ14内の異なる垂直高さでウエハカセット16に到達するように構成されたリフト機構52が提供されてもよい。一実施形態において、ウエハ処理装置10は、カセットドアオープナー装置54をさらに備えてもよい。カセットドアオープナー装置54は、ウエハ移送位置24に、またはその近くに定置されてもよい。カセットドアオープナー装置は、ウエハ移送位置24に定置されているウエハカセット16のカセットドアを開放するように構成されてもよい。カセットドアオープナー装置54はそれ故に、ウエハ移送位置24に定置されているウエハカセット16のカセットドアを自動的に開放してもよい。
【0026】
ウエハ処理装置10は、クリーンルーム内での製造プロセスの一部であってもよい。従って、ウエハ処理装置10に提供された、かつそれから来るウエハカセット16は、他のウエハ処理機械で使用されてもよい。これらのウエハカセット16のカセットドアを自動的に開放する能力を有することは、これらのカセットドアに提供されているウエハカセットを使用することを可能にする。これは、ウエハ処理装置10とこれらの他のウエハ処理機械との間でのウエハカセット16の交換可能性を増大させる。
【0027】
一実施形態において、ウエハ処理装置10は、ウエハを処理するように構成された処理チャンバー56、58をさらに備えてもよい。
【0028】
一実施形態において、回転可能テーブルとして機能する各カセットストレージカルーセル18は、多数のプラットフォームステージ70を備えてもよい。プラットフォームステージ70は、複数のウエハを処理チャンバー56、58の外側に保持するための取り外し可能なホルダーとして各々が機能する多数のウエハカセット16を支持してもよい。ウエハカセット16は、前面開口一体化ポッド(FOUP)であってもよい。
【0029】
図4は、
図1~
図3のカセットストレージカルーセル18の一部を図示する。回転可能テーブルとして機能するカセットストレージカルーセル18は、多数のプラットフォームステージ70を支持する中央垂直フレーム71を備えてもよい。中央垂直フレーム71およびプラットフォームステージ70は、テーブルに対して垂直である実質的に垂直な軸の周りで回転可能であってもよい。プラットフォームステージ70は、多数のウエハカセット(図示せず)を支持してもよい。実質的に垂直な軸は、テーブル上で支持されたウエハを基準として中心からずれていてもよい。
【0030】
各カセットストレージカルーセル18は、静止フレーム74上に据え付けられた駆動アセンブリ72をさらに備えてもよい。駆動アセンブリ72は、実質的に垂直な軸の周りに多数のプラットフォームステージ70を有する中央垂直フレーム71を駆動するために、駆動ホイールおよび駆動ベルト73を介して、中央垂直フレーム71に動作可能に接続されてもよい。
【0031】
装置には、中央垂直フレーム71およびプラットフォームステージ70にユーティリティを供給するための供給ライン76が設けられてもよい。駆動アセンブリ72は、供給ライン76の破損を回避するために、時計回り方向および/または反時計回り方向77で中央垂直フレーム71およびプラットフォームステージ70の回転運動を生じさせるように制御および構成されてもよい。
【0032】
一実施形態によると、駆動アセンブリ72は、最大の第一の角度にわたって、時計回り方向および反時計回り方向77のうちの少なくとも1つの方向での回転運動を生じさせるように制御および構成されてもよい。最大の第一の角度は、例えば180~260度であってもよく、好ましくは270度であってもよい。この回転の後、供給ライン76は最大限に伸張されてもよく、これによって回転方向は変更される必要がある場合がある。
【0033】
従って駆動アセンブリ72は、回転方向を時計回り方向および反時計回りの方向のうちの当該の1つの方向以外に変更するように制御および構成されてもよい。駆動アセンブリ72は、第二の角度にわたって、時計回り方向および反時計回りの方向のうちの当該の1つの方向以外での回転運動を生じさせるように制御および構成されてもよい。第二の角度は、例えば時計回り方向および反時計回りの方向のうちの当該の1つの方向以外で180~260度であってもよく、好ましくは270度であってもよい。この移動の後、供給ライン76は最大限に伸張されてもよく、これによって回転方向は変更される必要がある場合がある。駆動アセンブリは、回転方向を時計回り方向および反時計回りの方向のうちの当該の1つの方向以外に変更するように再度制御および構成されてもよい。
【0034】
一実施形態によると、ユーティリティは流体であってもよい。供給ライン76は中空であってもよく、また装置の流体供給部からテーブルに流体を供給するように構成および配置されてもよい。
【0035】
一実施形態によると、流体はパージガスであってもよく、また供給ラインは装置のパージガス供給部に接続されてもよい。装置には、回転可能なテーブルとして機能するカセットストレージカルーセル18が設けられてもよい。カセットストレージカルーセルは、複数のウエハカセットを支持するように構成および配置された多数のプラットフォームステージ70を備えてもよい。供給ラインは、プラグ75に動作可能に接続されて、プラットフォームステージ70上で支持されている時にカセット内のウエハをパージするために、プラットフォームステージ70上で支持されたカセット(例えばFOUP)にパージガスを提供してもよい。
【0036】
一実施形態によると、供給ライン76は、回転運動を可能にするために可撓性材料から成っていてもよい。
【0037】
一実施形態によると、供給ライン76は、回転運動を可能にするために湾曲していてもよい。
【0038】
一実施形態によると、流体は冷却液体であってもよく、また供給ライン76は装置の冷却液体供給部に動作可能に接続されてもよい。装置内の冷却液体として水が使用されてもよく、供給ライン76は水冷却器に動作可能に接続されてもよい。
【0039】
一実施形態によると、ユーティリティは電気であってもよく、供給ライン76は、装置の電源からテーブルに電気を供給するための金属コアを備えてもよい。同様に、電気データ信号は、金属コアを有する供給ライン76を介して回転テーブルとコントローラの間で伝送されてもよい。
【0040】
別の方法として、供給ライン76は、回転可能テーブルとコントローラの間の光データ伝送のために使用されてもよい。従って、光透過性コアが供給ライン76に提供されてもよい。
【0041】
図5および
図6に例が示されている一実施形態において、ウエハ処理装置10には、ウエハ処理装置の幅を画定する2つの対向する短辺66を有する、かつ装置の長さを画定する2つの対向する長辺68を有する実質的に長方形の設置面積が提供されてもよい。ウエハ処理装置10は、ウエハ処理装置10の短辺66のうちの1つに配置されてもよい、少なくとも1つのカセット入口出口ポート48をさらに備えてもよい。ウエハ処理装置は、互いに隣接して配置されてもよい2つのカセット入口出口ポート48を備えることが好ましい。
【0042】
ウエハ処理装置10は、各々がウエハを含む複数の基材カセットを保管するように構成されたカセットストレージ14をさらに備えてもよい。装置は、カセットドアオープナー装置54、およびカセット入口出口ポート48と、カセットストレージ14と、ドアオープナー装置54との間で基材カセットを移送するように構成されてもよいカセットハンドラー62を含んでもよい。カセットストレージ14は、カセットストレージカルーセル18として具体化されてもよい。ウエハ処理装置10は、
図1および
図2に示す通り、1つまたは複数のカセットストレージカルーセル18を備えてもよい。ウエハ処理装置10はまた、ドアオープナー装置54内のカセットと、ウエハボート取り扱い装置11内のボート12bとの間でウエハを移送するように構成されたウエハハンドラー64を備えてもよい。
【0043】
実質的に長方形の設置面積を有することによって、かつ装置10の短辺66に配置されたカセット入口出口ポート48を有することによって、複数のウエハ処理装置10を互いに隣接して配置することができる。処理されるウエハを有するカセットは、垂直バッチ炉10の短辺66にある装置に、およびその装置から移送されることができる。アセンブリ10のその他の部分は、入口出口ポート48の後方にカスケード状で配置されてもよく、これによってウエハ処理装置10は、ある特定の最大幅を有してもよい。1100mm未満の幅は、他の垂直バッチ炉アセンブリとの互換性の観点から有益である。
【0044】
本開示はまた、ウエハボート内に収容されたウエハを処理するための処理チャンバー56と、本開示によるウエハボート取り扱い装置11とを備えるウエハ処理装置10を提供する。ウエハボート取り扱い装置11は、処理チャンバー56の下に位置付けられていて、かつウエハボート12をウエハボート取り扱い装置11から処理チャンバー56におよびその逆に移送するように構成されたウエハボートエレベーター40が提供されている。
【0045】
ウエハ処理装置の効果および利点は、「発明の概要」の項に説明されていて、またこれらの効果および利点は、参照によりここに挿入されている。
【0046】
最後に、本開示はウエハボート12を取り扱う方法を提供する。本方法は、
処理チャンバー56と、処理チャンバー56の下に位置付けられているウエハボート取り扱い装置11とを備えるウエハ処理装置10を提供することと、
ウエハが装填された関連付けられた第一のウエハボート12aを第一のウエハボート支持表面に、およびウエハが装填された関連付けられた第二のウエハボート12bを第二のウエハボート支持表面に提供することと、
第一のウエハボート12aを、装填/受容位置にある第一のウエハボート支持表面から処理チャンバー56の中に垂直に装填することと、
処理チャンバー56内の第一のウエハボート12a内に収容されたウエハを処理する一方で、同時に、
第二のウエハボート支持表面上の第二のウエハボート14を冷却位置において冷却することと、
冷却の後に、第二のウエハボート支持表面が移送位置にある位置に回転可能テーブル34を回転し、
第二のウエハボート12bに、および/または第二のウエハボート12bからウエハを移送することと、
移送の後、回転可能テーブル34を、第一のウエハボート支持表面が装填/受容位置にある位置に回転することと、を含む。
【0047】
本方法の効果および利点は、「発明の概要」の項に説明されていて、またこれらの効果および利点は、参照によりここに挿入されている。
【0048】
一実施形態において、本方法は、
第一のウエハボート支持表面18上の処理チャンバー56から第一のウエハボート12aを受容することと、
その後、回転可能テーブル34を、第二のウエハボート支持表面が装填/受容位置にある回転位置に回転することと、をさらに含む。
【0049】
装置は、カセットストレージ60、およびカセットストレージとウエハ移送位置の間でウエハカセットを移送するように構成されたカセットハンドラー62、およびウエハ移送位置にあるウエハカセットとウエハボート移送位置にあるウエハボート12bとの間でウエハを移送するように構成されたウエハハンドラー64を有してもよい。
【0050】
回転可能テーブル34は、ウエハボート移送位置においてボート12a、12bを支持するように構成および配置されてもよい。装置はウエハボートエレベーター位置を有してもよく、また回転可能テーブル34は、ウエハボート移送位置からウエハボートエレベーター位置にボート12a、12bを回転するように構成および配置されてもよい。装置には、ユーティリティを回転可能テーブル34に供給するための供給ラインが設けられてもよい。供給ラインは、回転を可能にするために湾曲していてもよく、および/または可撓性材料から成っていてもよい。ユーティリティは冷却水であってもよい。装置は、供給ラインの破損を回避するために、2方向での、例えば時計回り方向および/または反時計回り方向でのテーブル34の回転運動を生じさせるように制御および構成された駆動アセンブリを備えてもよい。
【0051】
装置は、ウエハボート12a、12b内に支持された複数のウエハを処理するために構成および配置された処理チャンバー56を備えてもよい。ウエハボートエレベーター40は、ウエハボートエレベーター位置と処理チャンバー56の間でボート12a、12bを移送してもよい。
【0052】
一実施形態において、回転可能テーブルは、処理チャンバー54内に複数のウエハを有する、ウエハボート12a、12bを支持および回転するように構成および配置されてもよい。回転可能テーブルは、テーブルに対して垂直な軸の周りで回転可能であってもよい。軸は、テーブル上で支持されたウエハの実質的に中心を通ってもよい。装置には、ユーティリティを回転可能テーブルに供給するための供給ラインが設けられてもよい。供給ラインは、電気ヒーターに給電するための電源ケーブルであってもよい。供給ラインは、回転を可能にするために湾曲していてもよく、および/または可撓性材料から成っていてもよい。装置は、供給ラインの破損を回避するために、時計回り方向および/または反時計回り方向でのウエハボートの回転運動を生じさせるように制御および構成された駆動アセンブリを備えてもよい。
【0053】
本発明の例示的な実施形態を、添付図面を部分的に参照しながら上述してきたが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことが理解されるべきである。本開示の実施形態に対する変形形態は、特許請求される発明を実施する当業者によって、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の検討から、理解および達成することができる。
【0054】
本明細書全体を通して、「1つの実施形態」または「一実施形態」の参照は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。それ故に、この記述全体の様々な個所での「1つの実施形態において」または「一実施形態において」という句の使用は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。
【0055】
さらに、上述の様々な実施形態のうちの1つ以上の特定の特徴、構造、または特性は、互いに独立して使用、実施されてもよく、また新しい、明示的に記述されていない実施形態を形成するために任意の適切な様態で組み合わせられてもよいことに留意されたい。「発明を実施するための形態」および「特許請求の範囲」で使用されている参照番号は、実施形態の説明を限定せず、特許請求の範囲も制限しない。参照番号は明確化のためにのみ使用されている。
【外国語明細書】