(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098517
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】電極パッド一体型電力結合器
(51)【国際特許分類】
H01P 5/22 20060101AFI20220627BHJP
【FI】
H01P5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211924
(22)【出願日】2020-12-22
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、総務省、電波資源拡大のための研究開発「集積電子デバイスによる大容量映像の非圧縮低電力無線伝送技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】504136568
【氏名又は名称】国立大学法人広島大学
(74)【代理人】
【識別番号】100163186
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 裕吉
(72)【発明者】
【氏名】李 尚曄
(72)【発明者】
【氏名】吉田 毅
(57)【要約】
【課題】電極パッド連結電力結合器を改良した電極パッド一体型電力結合器を提供する。
【解決手段】電極パッド一体型電力結合器10Aは、第1の電極パッドおよび第2の電極パッドの一対の電極パッド21と、長さが(2n-1)λ相当よりもわずかに短く第1の電極パッドおよび第2の電極パッドの第1の側どうしを互いに接続する第1の伝送線路11と、長さがλ/2相当よりもわずかに短く第1の電極パッドおよび第2の電極パッドにおける第1の側と対向する第2の側どうしを互いに接続する第2の伝送線路22とを備え、第1の電極パッド、第2の電極パッド、第1の伝送線路、第2の伝送線路により、全周長が(2n+1)λ/2相当で途中で短絡されることのないループ状の回路が構成されており、第1の伝送線路上で第1の電極パッドからλ/4相当よりもわずかに短い位置および第2の電極パッドからλ/4相当よりもわずかに短い位置に平衡信号が接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電極パッドおよび第2の電極パッドの一対の電極パッドと、
長さが(2n-1)λ(ただし、nは自然数、λは信号波長である。)相当よりもわずかに短く、前記第1の電極パッドおよび前記第2の電極パッドの第1の側どうしを互いに接続する第1の伝送線路と、
長さがλ/2相当よりもわずかに短く、前記第1の電極パッドおよび前記第2の電極パッドにおける前記第1の側と対向する第2の側どうしを互いに接続する第2の伝送線路とを備え、
前記第1の電極パッド、前記第2の電極パッド、前記第1の伝送線路、および前記第2の伝送線路により、全周長が(2n+1)λ/2相当で、途中で短絡されることのないループ状の回路が構成されており、
前記第1の伝送線路上で前記第1の電極パッドからλ/4相当よりもわずかに短い位置および前記第2の電極パッドからλ/4相当よりもわずかに短い位置に平衡信号が接続される
ことを特徴とする電極パッド一体型電力結合器。
【請求項2】
前記第1の伝送線路に2つ以上の平衡信号が接続される、請求項1に記載の電極パッド一体型電力結合器。
【請求項3】
前記第2の伝送線路の中間点が抵抗素子を介してグランドに接続されている、請求項1または請求項2に記載の電極パッド一体型電力結合器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力結合器に関し、特に、外部アンテナを使用する送受信機に好適なRF信号の電力結合器に関する。
【背景技術】
【0002】
RF(Radio Frequency)送受信機ではRF信号の電力結合や平衡-不平衡変換にウィルキンソン型電力分配・電力結合器が用いられる。典型的な電力結合器は、RF信号波長をλとして、全周長が3λ/2のループ状の伝送線路で構成される。
【0003】
外部の平衡アンテナを使用する送受信機に上記電力結合器を適用する場合、電力結合器のポートに一対の電極パッドを接続し、その電極パッドにフリップチップなどの接触部材を接触させて外部アンテナを接続することとなる。ところが、電極パッドと接触部材との接触境界でインピーダンス不整合が生じ、300GHz帯ともなると伝送損失が著しく増えてしまう。かかる問題を解決するために、本発明者は、伝送線路の末端に接続された電極パッド対において伝送線路が接続された側と対向する側をλ/2相当よりもわずかに短い伝送線路で互いに接続した構成の低損失電極パッドを提案している(例えば、非特許文献1を参照)。この低損失電極パッドによると、電極パッド対を相互接続するλ/2相当よりもわずかに短い伝送線路が各電極パッドに対してλ/4長のショートスタブとして振る舞うことで、電極パッドと接触部材との接触境界のインピーダンス不整合が緩和されて伝送損失を低減することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】スミス力紀、李尚曄、吉田毅、藤島実、「ショートスタブを用いたミリ波帯低損失CMOSパッド」、2020年電子情報通信学会総合大会、pp.C-14-14、2020年3月17日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6は、電力結合器と低損失電極パッドとを組み合わせた回路例(以下、電極パッド連結電力結合器と称する。)を示す略図である。当該電極パッド連結電力結合器100は、電力結合器10と、低損失電極パッド20とを連結して構成される。電力結合器10は全周長が3λ/2のループ状の伝送線路11で構成され、伝送線路上に5つのポートA~Dが配置されている。ポートAとポートBの間隔はλ/4、ポートBとポートCの間隔はλ/2、ポートCとポートDの間隔はλ/4、ポートDとポートAの間隔はλ/2である。低損失電極パッド20は、一対の電極パッド21がλ/2相当よりもわずかに短い伝送線路22で互いに接続されて構成されている。そして、一対の電極パッド21において伝送線路22が接続された側と対向する側に電力結合器10のポートA,Dが接続される。
【0006】
本発明は、電極パッド連結電力結合器100を改良した電極パッド一体型電力結合器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に従った電極パッド一体型電力結合器は、第1の電極パッドおよび第2の電極パッドの一対の電極パッドと、長さが(2n-1)λ(ただし、nは自然数、λは信号波長である。)相当よりもわずかに短く、前記第1の電極パッドおよび前記第2の電極パッドの第1の側どうしを互いに接続する第1の伝送線路と、長さがλ/2相当よりもわずかに短く、前記第1の電極パッドおよび前記第2の電極パッドにおける前記第1の側と対向する第2の側どうしを互いに接続する第2の伝送線路とを備え、前記第1の電極パッド、前記第2の電極パッド、前記第1の伝送線路、および前記第2の伝送線路により、全周長が(2n+1)λ/2相当で、途中で短絡されることのないループ状の回路が構成されており、前記第1の伝送線路上で前記第1の電極パッドからλ/4相当よりもわずかに短い位置および前記第2の電極パッドからλ/4相当よりもわずかに短い位置に平衡信号が接続されるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、電極パッド連結電力結合器よりも回路をコンパクト化できるとともに、信号の伝送損失をより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器の平面図
【
図2】各種回路構成のシミュレーションによる伝送特性を表すグラフ
【
図3】本発明の第2の実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器の平面図
【
図4】本発明の第3の実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器の平面図
【
図5】ショートスタブとして設けた伝送線路の中間点を接地した例を示す図
【
図6】電力結合器と低損失電極パッドとを組み合わせた電極パッド連結電力結合器を示す略図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本発明を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。また、図面に描かれた各部材の寸法、細部の詳細形状などは実際のものとは異なることがある。
【0011】
≪第1の実施形態≫
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器の平面図である。本実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器10Aは、一対の電極パッド21と、伝送線路11と、伝送線路22とを備えている。これら電極パッド21、伝送線路11、22は、コプレーナー線路やマイクロストリップ線路などで実現することができる。
【0012】
電極パッド21は、伝送線路11、22の線幅に比べて十分に幅広であり、フリップチップなどの図略の接触部材が接触可能なようにある程度の大きさの面積を有する。また、一対の電極パッド21は、それに接触する接触部材の間隔に応じて互いに十分な間隔を空けて配置されている。
【0013】
伝送線路11は、一対の電極パッド21における第1の側、
図1の例では電極パッド21の右端部どうしを互いに接続する線路である。伝送線路11の長さは、λ(ただし、λは信号波長である。)相当よりもわずかに短い。ここで言う信号波長とは、電極パッド21を通じて入出力される所望周波数のRF信号の波長のことである。ここで「相当」としたのは、基板の誘電率などにより伝送線路を伝播するRF信号の伝播速度が変わるため、同じ線路長でもRF信号の伝播長が異なるからである。すなわち、ここで言うλ相当とは、基板の誘電率などを考慮した、伝送線路を伝播するRF信号の1波長のことを表す。また、「わずかに短い」としたのは、電極パッド21において、図略の接触部材が接触する中心部から、伝送線路11との接続境界である右端部までの距離や電極パッド21におけるRF信号の伝播速度などを考慮しているためである。すなわち、一方の電極パッド21の中心部から伝送線路11を経由して他方の電極パッド21の中心部までの長さはnλ相当であるが、電極パッド21の中心部から右端部まで若干の距離がある分、伝送線路11の正味の長さはnλ相当よりもわずかに短くなっている。
【0014】
伝送線路22は、一対の電極パッド21における第1の側と対向する第2の側、
図1の例では電極パッド21の左端部どうしを互いに接続する線路である。伝送線路22の長さは、λ/2相当よりもわずかに短い。
図1ではこれを「λ/2-β」と表している。「相当」および「わずかに短い」が意味するところは上述したとおりである。すなわち、一方の電極パッド21の中心部から伝送線路22を経由して他方の電極パッド21の中心部までの長さはλ/2相当であるが、電極パッド21の中心部から左端部まで若干の距離がある分、伝送線路22の正味の長さはλ/2相当よりもわずかに短くなっている。
【0015】
電極パッド一体型電力結合器10Aにおいて、一対の電極パッド21、伝送線路11、22により、全周長が3λ/2相当で、途中で短絡されることのないループ状の回路が構成されている。そして、伝送線路11において、各電極パッド21の右端部からλ/4相当よりもわずかに短い位置(図ではこれを「λ/4-α」と表している。)、すなわち、図略の接触部材が接触する電極パッド21の中心部からλ/4相当の位置に平衡信号INが接続される。平衡信号INは、正位相信号IN+と逆位相信号IN-で構成され、図略のRF送信機などから電極パッド一体型電力結合器10Aに接続される。伝送線路11上でのIN+とIN-の接続位置の間隔はλ/2相当である。
【0016】
このように構成された電極パッド一体型電力結合器10Aは、全体として、
図6中の電力結合器10と同様に振る舞う。すなわち、電極パッド一体型電力結合器10Aでは、
図6中の電力結合器10のポートA、Dに当たる部分が一対の電極パッド21になっており、
図6中の電力結合器10のポートB、Cに当たる部分がIN+およびIN-の接続点である。このように電極パッド一体型電力結合器10Aにおいて、電極パッド21は、RF信号の外部入出力インターフェースであるとともにラットレース型の電力結合器の構成要素にもなっている。すなわち、電極パッド21の右端部から左端部までの全幅区間はラットレース型の電力結合器を構成するループ状の伝送線路の一部になっており、図略の接触部材と接触する電極パッド21の中心部がラットレース型の電力結合器におけるポート(
図6の例ではポートA、D)に該当する。
【0017】
また、電極パッド一体型電力結合器10Aにおいて、伝送線路22は、ラットレース型の電力結合器を構成するループ状の伝送線路の一部であるとともに、非特許文献1に開示されているような、図略の接触部材と電極パッド21との接触境界のインピーダンス不整合を緩和する低損失電極パッドの構成要素にもなっている。すなわち、図略の接触部材が接触する電極パッド21の中心部から伝送線路22の中間点まではλ/4相当の長さであり、一対の電極パッド21に平衡RF信号が入出力されると当該中間点は当該平衡RF信号の仮想グランドとして見える。したがって、電極パッド21の中心部から伝送線路22の中間点までのλ/4相当の長さの部分は実質的にλ/4長のショートスタブとして振る舞う。これにより、一対の電極パッド21において図略の接触部材との接触境界よりも先の部分のインピーダンスを大きく(線路が無損失であれば理論上無限大)することができ、この部分からの電磁波の漏れが抑制されて伝送損失を少なくすることができる。
【0018】
さらに、電極パッド一体型電力結合器10Aと
図6の電極パッド連結電力結合器100とを比較すると、電極パッド連結電力結合器100におけるポートA、D間のλ/2相当の長さの伝送線路が電極パッド一体型電力結合器10Aでは不要になる。また、電極パッド連結電力結合器100におけるポートA、Dと電極パッド21とを接続する伝送線路が電極パッド一体型電力結合器10Aでは不要になる。このように、電極パッド一体型電力結合器10Aは、電極パッド連結電力結合器100に比べて伝送線路部材が少なくてすむため回路をコンパクト化できるとともに、信号の伝送損失をより少なくすることができる。
【0019】
図2は、各種回路構成のシミュレーションによる伝送特性(S21)を表すグラフである。グラフ中「実施形態」「パッド+電力結合器」「電極パッドのみ」「電力結合器のみ」と表示したプロットは、それぞれ、本実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器10A、
図6の電極パッド連結電力結合器100、
図6中の低損失電極パッド20、
図6中の電力結合器10の伝送特性を示す。なお、RF信号周波数260GHzを想定して各回路を構成している。シミュレーション結果から、電極パッド一体型電力結合器10Aは、電極パッド連結電力結合器100よりも広帯域に亘って伝送特性に優れており、低損失電極パッド20単体および電力結合器10単体の伝送特性と比べても遜色ないことがわかる。
【0020】
≪第2の実施形態≫
図3は、本発明の第2の実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器の平面図である。本実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器10Bは、第1の実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器10Aを、2つの平衡信号を接続可能に変形したものである。以下、第1の実施形態と同じ点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0021】
電極パッド一体型電力結合器10Bにおいて、伝送線路11の長さは3λ相当よりもわずかに短い。伝送線路11において、各電極パッド21の右端部からλ/4相当よりもわずかに短い位置(図ではこれを「λ/4-α」と表している。)、すなわち、図略の接触部材が接触する電極パッド21の中心部からλ/4相当の位置に、平衡信号INを構成するIN+およびIN-が接続され、さらにそこから伝送線路11の経路上でそれぞれλ相当離れた位置に同じ平衡信号INのIN+、IN-が接続される。このIN+とIN-の接続位置の間隔はλ/2相当である。
【0022】
このように、電極パッド一体型電力結合器10Bでは、伝送線路11にλ相当の間隔で2つの平衡信号INが接続されることで、2つの平衡信号INが電極パッド21において電力結合し、電極パッド21からより大きなパワーの所望周波数RF信号が出力される。
【0023】
≪第3の実施形態≫
図4は、本発明の第3の実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器の平面図である。本実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器10Cは、第2の実施形態に係る電極パッド一体型電力結合器10Bにおける2つの平衡信号の極性を入れ替えて接続したものである。以下、第2の実施形態と同じ点については説明を省略し、異なる点についてのみ説明する。
【0024】
電極パッド一体型電力結合器10Cにおいて、伝送線路11の長さは2λ相当よりもわずかに短い。伝送線路11において、各電極パッド21の右端部からλ/4相当よりもわずかに短い位置(図ではこれを「λ/4-α」と表している。)、すなわち、図略の接触部材が接触する電極パッド21の中心部からλ/4相当の位置に、平衡信号INを構成するIN+およびIN-が接続され、さらにそこから伝送線路11の経路上でそれぞれλ/2相当離れた位置に同じ平衡信号INのIN-、IN+が接続される。このIN+とIN-の接続位置の間隔はλ/2相当である。また、2つのIN+どうし、および2つのIN-どうしの接続位置の間隔はλ相当である。
【0025】
このように、電極パッド一体型電力結合器10Cでは、伝送線路11にλ/2相当の間隔で2つの平衡信号INを入れ替えて接続されることで、2つの平衡信号INを接続しながらも、電極パッド一体型電力結合器10Bよりも伝送線路11の長さを短くすることができる。
【0026】
≪変形例≫
各実施形態において伝送線路22の中間点を接地してもよい。
図5は、ショートスタブとして設けた伝送線路22の中間点を接地した例を示す図である。同図に示したように、伝送線路22の中間点を抵抗素子23を介してグランドに接続してもよい。伝送線路22の中間点がグランドに接続されていない状態だと、一対の電極パッド21に同相信号が印加された場合に信号が反射して伝送特性が劣化するおそれがある。これに対して、伝送線路22の中間点を接地すれば、伝送線路22が各電極パッド21に付加されたλ/4相当のショートスタブとして振る舞うとともに、一対の電極パッド21に同相信号が印加された場合に信号の反射を抑制することができる。
【0027】
また、各実施形態において、伝送線路11、22を適宜折り曲げて配線してもよい。例えば、第2の実施形態および第3の実施形態では、伝送線路11が長くなるため途中を蛇行させているが真っ直ぐに配線してもよい。
【0028】
各実施形態において図示した電極パッド21はいずれも略八角形の平面形状をしているが、長方形など別の平面形状であってもよい。
【0029】
伝送線路11に3つ以上の平衡信号INを接続してもよい。すなわち、伝送線路11の長さは(2n-1)λ相当と一般化される。多くの平衡信号INを接続すると伝送線路11の長さが長くなるが、電極パッド21からより大きなパワーのRF信号を出力することができるようになる。ただし、伝送線路11の長さをあまり長くし過ぎるとその分損失が大きくなることには注意が必要である。
【0030】
以上のように、本発明における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。また、上述の実施の形態は、本発明における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【符号の説明】
【0031】
10A、10B、10C 電極パッド一体型電力結合器
11 伝送線路(第1の伝送線路)
21 電極パッド(第1の電極パッド、第2の電極パッド)
22 伝送線路(第2の伝送線路)
23 抵抗素子