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特開2022-98702活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料及びレジスト部材
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  • 特開-活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料及びレジスト部材 図1
  • 特開-活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料及びレジスト部材 図2
  • 特開-活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料及びレジスト部材 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098702
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、硬化物、絶縁材料及びレジスト部材
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20220627BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20220627BHJP
   G03F 7/027 20060101ALI20220627BHJP
   H01B 3/40 20060101ALN20220627BHJP
【FI】
C08F290/06
G03F7/004 501
G03F7/027 515
H01B3/40 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020212254
(22)【出願日】2020-12-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】山田 駿介
(72)【発明者】
【氏名】山本 辰弥
【テーマコード(参考)】
2H225
4J127
5G305
【Fターム(参考)】
2H225AC21
2H225AC31
2H225AC36
2H225AC54
2H225AC57
2H225AC74
2H225AC75
2H225AD02
2H225AE14P
2H225AN22P
2H225AN36P
2H225AN86P
2H225AN94P
2H225BA09P
2H225BA16P
2H225BA22P
2H225CA13
2H225CB02
2H225CC01
2H225CC13
4J127AA03
4J127AA04
4J127BB041
4J127BB211
4J127BB281
4J127BB301
4J127BC061
4J127BD191
4J127BD411
4J127BE111
4J127BE11X
4J127BE11Y
4J127BE282
4J127BE28Y
4J127BE311
4J127BE31Z
4J127BE341
4J127BE34Y
4J127BE381
4J127BE38Z
4J127BF311
4J127BF31X
4J127BF31Y
4J127BF372
4J127BF37Z
4J127BF642
4J127BF64X
4J127BF64Y
4J127BG051
4J127BG05Y
4J127BG161
4J127BG16X
4J127BG16Y
4J127BG16Z
4J127BG171
4J127BG17Y
4J127BG201
4J127BG20Y
4J127BG272
4J127BG27X
4J127BG27Y
4J127CB151
4J127CC291
4J127EA11
4J127FA14
4J127FA18
4J127FA38
5G305AA06
5G305AA07
5G305AB15
5G305AB24
5G305BA13
5G305CA07
5G305CA15
5G305CA18
5G305CA24
5G305CB16
(57)【要約】
【課題】優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れ硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物、絶縁材料及びレジスト部材を提供する。
【解決手段】酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)と下記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(B)とを含有すること特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物、絶縁材料及びレジスト部材を用いる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)と下記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(B)とを含有すること特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【化1】
[式(1)中、Arは、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
Arは、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
Arは、炭素原子数6~20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
は、-O-、-COO-又は-OCO-を表す。
は、単結合又は-O-を表す。
は、ポリオキシアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素原子数1~50の2価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-及び/又は-CO-に置き換わっていてもよい。
a1は、反応性基を表す。]
【請求項2】
前記Ra1が、ビニル基、(メタ)アクリロイル基又は置換基を有していてもよいオキセタニル基である請求項1記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項3】
前記イミダゾール化合物(B)固形分の使用量が、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)100質量部に対して1~200質量部の範囲である請求項1又は2記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、光重合開始剤を含有するものである請求項1~3の何れか1項記載の硬化性樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物。
【請求項6】
請求項1~4の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とする絶縁材料。
【請求項7】
請求項1~4の何れか1項記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなることを特徴とするレジスト部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物、絶縁材料及びレジスト部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、紫外線等の活性エネルギー線により硬化可能な活性エネルギー線硬化性組成物や、熱により硬化可能な熱硬化性組成物などの硬化性組成物は、インキ、塗料、コーティング剤、接着剤、光学部材等の分野において広く用いられている。なかでも、前記コーティング剤用途としては、一般に、各種基材表面へ意匠性を付与できるとともに、優れた硬化性を有しており、また、基材表面の劣化を防止可能な塗膜を形成できることが求められている。さらに、プリント配線板向けのソルダーレジスト用硬化性組成物として用いる場合、アルカリ現像性に優れることなども求められている。
【0003】
従来のソルダーレジスト用硬化性組成物としては、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂とアクリル酸と無水フタル酸とを反応させて得られる中間体に、更にテトラヒドロ無水フタル酸を反応させて得られる酸基含有エポキシアクリレート樹脂を含む感光性樹脂組成物が知られているが(例えば、特許文献1参照。)、硬化物における耐熱性が十分ではなく、また、弾性が劣る等の問題があった。
【0004】
そこで、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れる材料が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-259663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物、絶縁材料及びレジスト部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、酸基含有(メタ)アクリレート樹脂と、特定のイミダゾール化合物を含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いることによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
すなわち、本発明は、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)と下記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(B)とを含有すること特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の硬化物、絶縁材料及びレジスト部材に関するものである。
【0009】
【化1】
【0010】
[式(1)中、
Arは、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
Arは、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
Arは、炭素原子数6~20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
は、-O-、-COO-又は-OCO-を表す。
は、単結合又は-O-を表す。
は、ポリオキシアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素原子数1~50の2価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-及び/又は-CO-に置き換わっていてもよい。
a1は、反応性基を表す。]
【発明の効果】
【0011】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成できることから、コーティング剤や接着剤として用いることができ、前記コーティング剤としては、特にソルダーレジスト用途に好適に用いることができる。なお、本発明でいう「優れた弾性」とは、高弾性のことを云う。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、イミダゾール化合物(1)の1H-NMRスペクトルを表す。
図2図2は、イミダゾール化合物(1)の13C-NMRスペクトルを表す。
図3図3は、イミダゾール化合物(1)のMALDI-MSスペクトルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)と一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(B)とを含有するものであることを特徴とする。
【0014】
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。また、「(メタ)アクリロイル」とは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを意味する。さらに、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
【0015】
前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)としては、樹脂中に酸基及び重合性不飽和基を有するものであれば何れでもよく、例えば、酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂、酸基及び重合性不飽和基を有するウレタン樹脂、酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂、酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂、酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂、酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂等が挙げられる。
【0016】
前記酸基としては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、燐酸基等が挙げられる。これらの中でもカルボキシル基が好ましい。
【0017】
前記重合性不飽和基としては、例えば、アリル基、イソプロペニル基、1-プロぺニル基、スチリル基、スチリルメチル基、マレイミド基、ビニルエーテル基等が挙げられる。
【0018】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和一塩基酸、及び多塩基酸無水物を必須原料とする酸基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂や、エポキシ樹脂、不飽和一塩基酸、多塩基酸無水物、ポリイソシアネート化合物、及び水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物を反応原料とする酸基及びウレタン結合を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂などが挙げられる。
【0019】
前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール-クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン-フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、キサンテン型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、トリヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂、オキサゾリドン型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0020】
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAP型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールBP型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0021】
前記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールB型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールE型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0022】
前記ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0023】
前記水添ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、水添4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-4,4’-ビフェノール型エポキシ樹脂、水添テトラメチル-2,2’-ビフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0024】
前記不飽和一塩基酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸、α-シアノ桂皮酸、β-スチリルアクリル酸、β-フルフリルアクリル酸等が挙げられる。また、前記不飽和一塩基酸のエステル化物、酸ハロゲン化物、酸無水物等も用いることができる。さらに、下記構造式(2)で表される化合物等も用いることができる。
【0025】
【化2】
[式(2)中、Xは、炭素数1~10のアルキレン鎖、ポリオキシアルキレン鎖、(ポリ)エステル鎖、芳香族炭化水素鎖、又は(ポリ)カーボネート鎖を表し、構造中にハロゲン原子やアルコキシ基等を有していても良い。Yは、水素原子又はメチル基である。]
【0026】
前記ポリオキシアルキレン鎖としては、例えば、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等が挙げられる。
【0027】
前記(ポリ)エステル鎖としては、例えば、下記構造式(3)で表される(ポリ)エステル鎖が挙げられる。
【0028】
【化3】
[式(3)中、Rは、それぞれ独立して、炭素原子数1~10のアルキレン基であり、nは1~5の整数である。]
【0029】
前記芳香族炭化水素鎖としては、例えば、フェニレン鎖、ナフチレン鎖、ビフェニレン鎖、フェニルナフチレン鎖、ビナフチレン鎖等が挙げられる。また、部分構造として、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等の芳香環を有する炭化水素鎖も用いることができる。
【0030】
これらの不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0031】
前記多塩基酸無水物としては、例えば、脂肪族多塩基酸無水物、脂環式多塩基酸無水物、芳香族多塩基酸無水物等が挙げられる。
【0032】
前記脂肪族多塩基酸無水物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。また、前記脂肪族多塩基酸無水物としては、脂肪族炭化水素基は直鎖型及び分岐型のいずれでもよく、構造中に不飽和結合を有していてもよい。
【0033】
前記脂環式多塩基酸無水物としては、本発明では、酸無水物基が脂環構造に結合しているものを脂環式多塩基酸無水物とし、それ以外の構造部位における芳香環の有無は問わないものとする。前記脂環式多塩基酸無水物としては、例えば、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
【0034】
前記芳香族多塩基酸無水物としては、例えば、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸の酸無水物等が挙げられる。
【0035】
これらの多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0036】
前記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナト-3,3’-ジメチルビフェニル、o-トリジンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;下記構造式(4)で表される繰り返し構造を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体等が挙げられる。また、これらのポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0037】
【化4】
[式中、Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基の何れかである。Rはそれぞれ独立に炭素原子数1~4のアルキル基、又は構造式(4)で表される構造部位と*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点の何れかである。lは0又は1~3の整数であり、mは1~15の整数である。]
【0038】
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、分子構造中に水酸基と(メタ)アクリロイル基とを有する化合物であれば他の具体構造は特に限定されず、多種多様な化合物を用いることができる。その一例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体や、前記各種の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等も用いることができる。これらの水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0039】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和基を有するエポキシ樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
【0040】
前記有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶剤;メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記有機溶剤の使用量は、反応効率が良好となることから、反応原料の合計質量に対し0.1~5倍量程度の範囲で用いることが好ましい。
【0041】
前記塩基性触媒としては、例えば、N-メチルモルフォリン、ピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7(DBU)、1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、トリ-n-ブチルアミンもしくはジメチルベンジルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2,4-ジメチルイミダゾール、1,4-ジエチルイミダゾール、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-(N-フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等のアミン化合物;トリオクチルメチルアンモニウムクロライド、トリオクチルメチルアンモニウムアセテート等の四級アンモニウム塩;トリメチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物;テトラメチルホスホニウムクロライド、テトラエチルホスホニウムクロライド、テトラプロピルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、トリメチル(2-ヒドロキシルプロピル)ホスホニウムクロライド、トリフェニルホスホニウムクロライド、ベンジルホスホニウムクロライド等のホスホニウム塩;ジブチル錫ジラウレート、オクチル錫トリラウレート、オクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジアセテート、オクチル酸錫、1,1,3,3-テトラブチル-1,3-ドデカノイルジスタノキサン等の有機錫化合物;オクチル酸亜鉛、オクチル酸ビスマス等の有機金属化合物;オクタン酸錫等の無機錫化合物;無機金属化合物などが挙げられる。また、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属水酸化物等を用いることもできる。特にエポキシ樹脂合成反応の触媒活性に優れることからアルカリ金属水酸化物が好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムがより好ましい。これらの塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。なお、前記塩基性触媒の使用に際しては、10質量%~55質量%程度の水溶液の形態で使用してもよいし、固形の形態で使用してもよい。
【0042】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するウレタン樹脂としては、例えば、ポリイソシアネート化合物、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、カルボキシル基を有するポリオール化合物、及び必要に応じて多塩基酸無水物、前記カルボキシル基を有するポリオール化合物以外のポリオール化合物とを反応させて得られたものや、ポリイソシアネート化合物、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物、多塩基酸無水物、及びカルボキシル基を有するポリオール化合物以外のポリオール化合物とを反応させて得られたもの等が挙げられる。
【0043】
前記ポリイソシアネート化合物としては、上述のポリイソシアネート化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記ポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0044】
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、上述の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0045】
前記カルボキシル基を有するポリオール化合物としては、例えば、2,2-ジメチロールプロピオン酸、2,2-ジメチロールブタン酸、2,2-ジメチロール吉草酸等が挙げられる。前記カルボキシル基を有するポリオール化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0046】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0047】
前記カルボキシル基を有するポリオール化合物以外のポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール化合物;ビフェノール、ビスフェノール等の芳香族ポリオール化合物;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性体;前記各種のポリオール化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性体等が挙げられる。前記カルボキシル基を有するポリオール化合物以外のポリオール化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0048】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するウレタン樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和基を有するウレタン樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
【0049】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0050】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0051】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂としては、例えば、水酸基やカルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基等の反応性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(α)を必須の成分として重合させて得られるアクリル樹脂中間体に、これらの官能基と反応し得る反応性官能基を有する(メタ)アクリレート化合物(β)をさらに反応させることにより(メタ)アクリロイル基を導入して得られる反応生成物や、前記反応生成物中の水酸基に多塩基酸無水物を反応させて得られるもの等が挙げられる。
【0052】
前記アクリル樹脂中間体は、前記(メタ)アクリレート化合物(α)の他、必要に応じてその他の重合性不飽和基を有する化合物を共重合させたものであってもよい。前記その他の重合性不飽和基を有する化合物は、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチルアクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート;3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシリル基を有する(メタ)アクリレート;スチレン、α-メチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン誘導体等が挙げられる。これらは単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0053】
前記(メタ)アクリレート化合物(β)は、前記(メタ)アクリレート化合物(α)が有する反応性官能基と反応し得るものであれば特に限定されないが、反応性の観点から以下の組み合わせであることが好ましい。即ち、前記(メタ)アクリレート化合物(α)として水酸基を有する(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてグリシジル基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)として水酸基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(α)としてグリシジル基を有する(メタ)アクリレートを用いた場合には、(メタ)アクリレート化合物(β)としてカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。前記(メタ)アクリレート化合物(β)は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0054】
前記多塩基酸無水物は、上述の多塩基酸無水物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0055】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリル樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
【0056】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0057】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0058】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂としては、例えば、酸基及び/又は酸無水物基を有するアミドイミド樹脂と、水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物及び/又はエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物と、必要に応じて、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、グリシジル基、及び酸無水物基からなる群より選ばれる1種以上の反応性官能基を有する化合物を反応させて得られるものが挙げられる。なお、前記反応性官能基を有する化合物は、(メタ)アクリロイル基を有していてもよいし、有していなくてもよい。
【0059】
前記アミドイミド樹脂としては、酸基又は酸無水物基のどちらか一方のみを有するものであってもよいし、両方を有するものであってもよい。水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物や(メタ)アクリロイル基を有するエポキシ化合物との反応性や反応制御の観点から、酸無水物基を有するものであることが好ましく、酸基と酸無水物基との両方を有するものであることがより好ましい。前記アミドイミド樹脂の固形分酸価は、中性条件下、即ち、酸無水物基を開環させない条件での測定値が60~350mgKOH/gの範囲であることが好ましい。他方、水の存在下等、酸無水物基を開環させた条件での測定値が61~360mgKOH/gの範囲であることが好ましい。
【0060】
前記アミドイミド樹脂としては、例えば、ポリイソシアネート化合物と、多塩基酸無水物とを反応原料として得られるものが挙げられる。
【0061】
前記ポリイソシアネート化合物としては、上述のポリイソシアネート化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記ポリイソシアネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0062】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0063】
また、前記アミドイミド樹脂は、必要に応じて、前記ポリイソシアネート化合物及び多塩基酸無水物以外に、多塩基酸を反応原料として併用することもできる。
【0064】
前記多塩基酸としては、一分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物であれば何れのものも用いることができる。例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、前記多塩基酸としては、例えば、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体も用いることができる。これらの多塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0065】
前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、上述の水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記水酸基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0066】
前記エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、分子構造中に(メタ)アクリロイル基とエポキシ基とを有するものであれば他の具体構造は特に限定されず、多種多様な化合物を用いることができる。例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、エポキシシクロへキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノマー;ジヒドロキシベンゼンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ビフェノールジグリシジルエーテル、ビスフェノールジグリシジルエーテル等のジグリシジルエーテル化合物のモノ(メタ)アクリレート化物等が挙げられる。これらのエポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。これらの中でも、反応の制御が容易となることから、エポキシ基を1つ有する(メタ)アクリレート化合物が好ましく、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られることから、グリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが好ましい。また、前記グリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの分子量は500以下であることが好ましい。さらに、前記エポキシ基を有する(メタ)アクリレート化合物の総質量に対する前記グリシジル基を有する(メタ)アクリレートモノマーの割合が70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
【0067】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和基を有するアミドイミド樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒を用いてもよい。
【0068】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0069】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0070】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルキレンオキサイド又はアルキレンカーボネートと、N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物と、多塩基酸無水物と、必要に応じて不飽和一塩基酸とを反応させて得られたものが挙げられる。
【0071】
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、上述のフェノール性水酸基を有する化合物(a1)として例示したものと同様のものを用いることができ、前記フェノール性水酸基を有する化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0072】
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られることから、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが好ましい。前記アルキレンオキサイドは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0073】
前記アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート等が挙げられる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られることから、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートが好ましい。前記アルキレンカーボネートは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0074】
前記N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N-ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。前記N-アルコキシアルキル(メタ)アクリルアミド化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0075】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0076】
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸として例示したものと同様を用いることができ、前記不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0077】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和基を有するアクリルアミド樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒及び酸性触媒を用いてもよい。
【0078】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0079】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0080】
前記酸性触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、シュウ酸等の有機酸、三フッ化ホウ素、無水塩化アルミニウム、塩化亜鉛等のルイス酸などが挙げられる。また、スルホニル基等の強酸を有する固体酸触媒等も用いることができる。これらの酸性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0081】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有する化合物と、アルキレンオキサイド又はアルキレンカーボネートと、不飽和一塩基酸と、多塩基酸無水物とを反応させて得られたものが挙げられる。
【0082】
前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物をいう。前記分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物としては、例えば、下記構造式(2-1)~(2-4)で表される化合物が挙げられる。
【0083】
【化5】
【0084】
上記構造式(5-1)~(5-4)において、Rは、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の何れかであり、Rは、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基である。また、pは、0または1以上の整数であり、好ましくは0または1~3の整数であり、より好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。qは、1以上の整数であり、好ましくは、2または3である。なお、上記構造式における芳香環上の置換基の位置については、任意であり、例えば、構造式(5-2)のナフタレン環においてはいずれの環上に置換していてもよく、構造式(5-3)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれの環上に置換していてもよく、構造式(5-4)では、1分子中に存在するベンゼン環のいずれかの環上に置換していてもよいことを示し、1分子中における置換基の個数がp及びqであることを示している。
【0085】
また、前記フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物と下記構造式(x-1)~(x-5)の何れかで表される化合物とを必須の反応原料とする反応生成物なども用いることができる。また、分子内にフェノール性水酸基を少なくとも1つ有する化合物の1種又は2種以上を反応原料とするノボラック型フェノール樹脂なども用いることができる。
【0086】
【化6】
[式(x-1)中、hは0または1である。式(x-2)~(x-5)中、Rは、炭素原子数1~20のアルキル基、炭素原子数1~20のアルコキシ基、アリール基、ハロゲン原子の何れかであり、iは、0または1~4の整数である。式(x-2)、(x-3)及び(x-5)中、Zは、ビニル基、ハロメチル基、ヒドロキシメチル基、アルキルオキシメチル基の何れかである。式(x-5)中、Yは、炭素原子数1~4のアルキレン基、酸素原子、硫黄原子、カルボニル基の何れかであり、jは1~4の整数である。]
【0087】
これらのフェノール性水酸基を有する化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0088】
前記アルキレンオキサイドとしては、上述のアルキレンオキサイドとして例示したものと同様のものを用いることができる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られることから、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが好ましい。前記アルキレンオキサイドは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0089】
前記アルキレンカーボネートとしては、上述のアルキレンカーボネートとして例示したものと同様のものを用いることができる。これらの中でも、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られることから、エチレンカーボネート又はプロピレンカーボネートが好ましい。前記アルキレンカーボネートは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0090】
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸として例示したものと同様を用いることができ、前記不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0091】
前記多塩基酸無水物としては、上述の多塩基酸無水物として例示したものと同様のものを用いることができ、前記多塩基酸無水物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0092】
前記酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂の製造方法としては、特に限定されず、どのような方法で製造してもよい。前記酸基及び重合性不飽和基を有するエステル樹脂の製造においては、必要に応じて有機溶剤中で行ってもよく、また、必要に応じて塩基性触媒及び酸性触媒を用いてもよい。
【0093】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0094】
前記塩基性触媒としては、上述の塩基性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記塩基性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0095】
前記酸性触媒としては、上述の酸性触媒として例示したものと同様のものを用いることができ、前記酸性触媒は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0096】
前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)の酸価は、優れたアルカリ現像性を有し、硬化物における耐熱性及び弾性に優れた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られることから、50~150mgKOH/gの範囲が好ましく、60~120mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。なお、本願発明において酸基を有する(メタ)アクリレート樹脂の酸価はJIS K 0070(1992)の中和滴定法にて測定される値である。
【0097】
前記イミダゾール化合物(B)としては、下記一般式(1)で表される化合物を用いる。
【0098】
【化7】
【0099】
[式(1)中、Arは、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
Arは、炭素原子数6~20の芳香族炭化水素基を表す。
Arは、炭素原子数6~20の2価の芳香族炭化水素基を表す。
は、-O-、-COO-又は-OCO-を表す。
は、単結合又は-O-を表す。
は、ポリオキシアルキレン基又は置換基を有していてもよい炭素原子数1~50の2価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-及び/又は-CO-に置き換わっていてもよい。
a1は、反応性基を表す。]
【0100】
式(1)中のAr、Arで表される前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。これらの芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、前記置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1~10(好ましくは炭素原子数1~5)のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基:フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基などが挙げられる。
【0101】
式(1)中のAr、Arで表される前記芳香族炭化水素基の炭素原子数(置換基を有する場合、置換基も含めた炭素原子数)は、6~20の範囲であり、6~10の範囲が好ましい。
【0102】
式(1)中のArで表される前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセンジイル基等が挙げられる。これらの芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、前記置換基としては、上述のAr、Arが有していてもよい置換基として例示したものと同様のものが挙げられる。
【0103】
式(1)中のArで表される前記芳香族炭化水素基の炭素原子数(置換基を有する場合、置換基も含めた炭素原子数)は、6~20の範囲であり、6~10の範囲が好ましい。
【0104】
式(1)中のLとしては、-O-、-COO-又は-OCO-の何れかであり、-O-又は-COO-が好ましい。なお-O-、-COO-、-OCO-は、左側の結合手でArに結合しているものとする。
【0105】
式(1)中のLは、単結合又は-O-の何れかである。
【0106】
式(1)中のRで表されるポリオキシアルキレン基としては、例えば、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基等の炭素原子数が2~5のアルキレン基と-O-との組合せを繰り返し単位とする基などが挙げられる。前記繰り返し単位は、2~50の範囲が好ましく、2~20の範囲がより好ましく、2~10の範囲が特に好ましい。
【0107】
式(1)中のRで表される2価の炭化水素基としては、例えば、炭素原子数1~50の2価の脂肪族炭化水素基、炭素原子数3~20の2価の脂環式炭化水素基、炭素原子数6~20の2価の芳香族炭化水素基、前記2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基及び2価の芳香族炭化水素基の2種以上を組み合わせた炭素原子数4~50の基が挙げられる。
【0108】
前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、プロパンジイル基、ブタンジイル基、ペンタンジイル基、ヘキサンジイル基、ヘプタンジイル基、オクタンジイル基、ノナンジイル基、デカンジイル基、ウンデカンジイル基、ドデカンジイル基、トリデカンジイル基、テトラデカンジイル基、ペンタデカンジイル基、ヘキサデカンジイル基、ヘプタデカンジイル基、オクタデカンジイル基、ノナデカンジイル基、エイコサンジイル基等のアルカンジイル基などが好ましい。なお、前記脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
【0109】
式(1)中のRは、前記脂肪族炭化水素基に含まれる1個以上の-CH-が-O-及び/又は-CO-に置き換わった基であってもよい。また、2個以上の-CH-が、-O-及び/又は-CO-に置き換わり、エステル結合(-OCO-、-COO-)、カーボネート結合(-OCOO-)を形成していてもよい。-CH-が-O-及び/又は-CO-に置き換わる個数は、脂肪族炭化水素基中、例えば1個以上、2個以上であってもよく、10個以下、5個以下であってもよい。ただし、隣接する-CH-が、同時に-O-に置き換わらない基であることが好ましい。
【0110】
前記脂肪族炭化水素基には、置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-R-L-Ra2で表される基などが結合していてもよい。
【0111】
前記脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1~50の範囲が好ましく、1~20の範囲がより好ましく、1~10の範囲が特に好ましい。
【0112】
前記脂環式炭化水素基としては、例えば、飽和又は不飽和の脂環式炭化水素基が挙げられ、シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、シクロオクタンジイル基、シクロノナンジイル基、シクロデカンジイル基等の単環の脂環式炭化水素基;ビシクロ[1.1.0]ブタンジイル基、トリシクロ[2.2.1.0]ヘプタンジイル基、ビシクロ[3.2.1]オクタンジイル基、ビシクロ[2.2.2.]オクタンジイル基、アダマンタンジイル基、ビシクロ[4.3.2]ウンデカンジイル基、トリシクロ[5.3.1.1]ドデカンジイル基等の多環の脂環式炭化水素基などが好ましい。
【0113】
前記脂環式炭化水素基には、置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1~10(好ましくは炭素原子数1~5)のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基:フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-R-Rで表される基などが結合していてもよい。
【0114】
前記脂環式炭化水素基には、置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-R-L-Ra2で表される基などが結合していてもよい。
【0115】
前記脂環式炭化水素基の炭素原子数(置換基を有する場合、置換基も含めた炭素原子数)は、3~50の範囲が好ましく、5~20の範囲がより好ましく、3~10の範囲が特に好ましい。
【0116】
前記芳香族炭化水素基は、単環であっても多環であってもよく、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基等が挙げられる。
【0117】
前記芳香族炭化水素基には、置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1~10(好ましくは炭素原子数1~5)のアルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素原子数6~10の芳香族炭化水素基:フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基等;-R-Rで表される基などが結合していてもよい。
【0118】
前記芳香族炭化水素基には、置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-R-L-Rで表される基などが結合していてもよい。
【0119】
芳香族炭化水素基の炭素原子数(置換基を有する場合、置換基も含めた炭素原子数)は、6~50の範囲が好ましく、6~20の範囲がより好ましく、6~10の範囲が特に好ましい。
【0120】
前記2価の脂肪族炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基の2種以上を組み合わせた基としては、脂肪族炭化水素基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた2価の基、又は、脂肪族炭化水素基と芳香族炭化水素基とを組み合わせた2価の基が好ましい。
【0121】
前記脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基の2種以上を組み合わせた基の炭素原子数は、4~50の範囲が好ましく、4~20の範囲がより好ましく、4~10の範囲が特に好ましい。
【0122】
で表される炭化水素基が置換基として有していてもよい-R-L-Ra2で表される基において、Rは、ポリオキシアルキレン基又は炭素原子数1~50の2価の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-及び/又は-CO-に置き換わっていてもよく、該炭化水素基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。Lは、単結合又は-O-を表す。Ra2は、反応性基を表す。
【0123】
で表されるポリオキシアルキレン基としては、例えば、Rで表されるポリオキシアルキレン基として例示した基と同様の基が挙げられる。
【0124】
で表される炭化水素基(該炭化水素基に含まれる-CH-が、-O-及び/又は―CO-に置き換わっている基も含む)としては、Rで表される炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
【0125】
で表される炭化水素基が有していてもよい置換基としては、例えば、ヒドロキシ基等が挙げられる。
【0126】
は、単結合又は-O-を表す。
【0127】
a1、Ra2で表される反応性基としては、重縮合反応により、ポリマー主鎖を形成しうる基が挙げられ、具体的には、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基等のエチレン性二重結合を含む基;オキセタニル基等の環状エーテルを含む基などが挙げられる。前記環状エーテルを含む基は、置換基として、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基を有していてもよい。なかでも、Ra1、Ra2で表される反応性基としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、置換基を有していてもよいオキセタニル基が好ましい。
【0128】
前記一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(B)としては、例えば、以下の式(1-1)~(1-68)で表される化合物等が挙げられる。式中、nは、2~10の整数を表す。
【0129】
【化8】
【0130】
【化9】
【0131】
【化10】
【0132】
【化11】
【0133】
【化12】
【0134】
前記イミダゾール化合物(B)の製造方法としては、例えば、以下のスキームで表されるものが挙げられる。すなわち、前記イミダゾール化合物(B)は、
ルート1:化合物(a-1)と化合物(b)とを反応させて化合物(c)を得て(工程1)、化合物(d)及び化合物(e)を反応させることによって製造することができ(工程2)、
ルート2:化合物(a-2)と化合物(d)及び化合物(e)を反応させて(工程3)、化合物(g-1)又は化合物(g-2)を反応させることによって製造することもでき(工程4)、
ルート3:化合物(a-1)と化合物(h)とを反応させて化合物(i)を得て(工程5)、化合物(i)のエステル結合を加水分解して化合物(j)を得て(工程6)、化合物(d)及び化合物(e)を反応させて化合物(k)を得た後(工程7)、さらに化合物(l)を反応させることによって製造することもできる。
【0135】
【化13】
【0136】
[上記スキーム中、
Ar、Ar、Ar、L、L、R、Ra1は、上記と同義である。
は、酸素原子を含む複素環基を表す。
は、ポリオキシアルキレン基又は炭素原子数1~47の炭化水素基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-及び/又は-CO-に置き換わっていてもよい。
は、炭素原子数1~5の脂肪族炭化水素基を表す。
、Xは、それぞれ独立に、ハロゲン原子を表す。]
【0137】
で表される酸素原子を含む複素環基は、単環であっても多環であってもよく、多環の場合、複数の単環の複素環基が共有結合により結合されたものであってもよく、橋かけ環であってもよい。前記Aで表される酸素原子を含む複素環基としては、オキシラニル基、オキセタニル基等の環状エーテル基;エポキシシクロヘキシル基、エポキシシクロペンチル基等のエポキシシクロアルキル基などが挙げられる。
【0138】
で表されるオキシアルキレン基としては、Rで表されるポリオキシアルキレン基と同様の基が挙げられ、オキシアルキレンの繰り返し単位は、2~49の範囲が好ましく、2~19の範囲がより好ましく、2~9の範囲が特に好ましい。
【0139】
で表される炭化水素基としては、Rで表される炭化水素基として説明した基のうち、炭素原子数が1~47である基が挙げられる。Rで表される脂肪族炭化水素基は、置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-R-L-Ra2で表される基などが結合していてもよい。Rで表される脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1~47の範囲が好ましく、1~17の範囲がより好ましく、1~7の範囲が特に好ましい。
【0140】
で表される前記脂環式炭化水素基には、置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-R-L-Ra2で表される基などが結合していてもよい。Rで表される脂環式炭化水素基の炭素原子数は、3~47の範囲が好ましく、3~17の範囲がより好ましく、3~7の範囲が特に好ましい。
【0141】
で表される芳香族炭化水素基には、置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-R-L-Ra2で表される基などが結合していてもよい。Rで表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、6~47の範囲が好ましく、6~20の範囲がより好ましく、6~10の範囲が特に好ましい。
【0142】
で表される脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基の2種以上を組み合わせた基の炭素原子数は、4~47の範囲が好ましく、4~17の範囲がより好ましく、4~7の範囲が特に好ましい。
【0143】
で表される脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基が挙げられる。Rで表される脂肪族炭化水素基の炭素原子数は、1~5の範囲が好ましく、1~3の範囲がより好ましい。
【0144】
、Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、これらの中でも、塩素原子が好ましい。
【0145】
以下、各工程について説明する。
【0146】
工程1、5について
工程1、5では、化合物(a-2)と、化合物(b)又は化合物(h)とを反応させることにより、化合物(c)又は化合物(i)を得ることができる。
【0147】
前記反応時、トリフェニルホスフィン等の第3級有機リン化合物と、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル等のアゾジカルボン酸エステルとを触媒として共存させる。
【0148】
反応溶剤としては、テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤を用いることができる。
【0149】
工程2、3、7について
工程2、3、7では、化合物(a-2)、化合物(c)又は化合物(j)と、化合物(d)と、化合物(e)とを反応させることにより、イミダゾール環を形成し、それぞれ、化合物(f)、一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(B)又は化合物(k)を得ることができる。
【0150】
前記反応時、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の触媒を共存させる。
【0151】
反応溶剤としては、工程2、7では、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール溶剤を用いることができ、工程3では、氷酢酸等を用いることができる。
【0152】
工程4について
工程4では、化合物(f)と、化合物(g-1)又は化合物(g-2)とを反応させることにより、化合物(f)のカルボキシ基と化合物(g-1)の水酸基、又は、化合物(f)のカルボキシ基と化合物(g-2)の環状エーテルとが反応し、一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(B)を得ることができる。
【0153】
前記反応時、触媒を共存させる。化合物(g-1)と反応させる場合は、トリフェニルホスフィン等の第3級有機リン化合物と、アゾジカルボン酸ジエチル、アゾジカルボン酸ジイソプロピル等のアゾジカルボン酸エステルとを触媒として用いる。反応溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤を用いることができる。
【0154】
また、化合物(g-2)と反応させる場合は、テトラブチルアンモニウムクロリド等の触媒を用いることができる。反応溶剤としては、ジメチルホルムアミド等のアミド溶剤を用いることができる。
【0155】
工程6について
工程6では、化合物(i)のエステル結合を加水分解することにより、一般式(1)で表される化合物(j)を得ることができる。
【0156】
前記反応時、水酸化カリウム等のアルカリ触媒を共存させてもよい。反応溶剤としては、エタノール等のアルコール溶剤を用いることができる。
【0157】
工程8について
工程8では、化合物(k)と化合物(l)とを反応させることで、一般式(1)で表されるイミダゾール化合物(B)を得ることができる。
【0158】
前記反応時、トリエタノールアミン等のアミン触媒を用いることができる。反応溶剤としては、テトラヒドロフラン等のエーテル溶剤を用いることができる。
【0159】
また、前記イミダゾール化合物(B)としては、二量体を用いることもできる。
【0160】
前記二量体としては、例えば、以下の式(1-69)で表される化合物等が挙げられる。
【0161】
【化14】
【0162】
前記イミダゾール化合物(B)の固形分の使用量は、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れた硬化物を形成可能な活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が得られることから、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)100質量部に対して、1~200質量部の範囲が好ましく、1~100質量部の範囲がより好ましい。
【0163】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法としては、特に制限されず、どのような方法にて製造してもよい。例えば、前記前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)及び前記イミダゾール化合物(B)を含む各配合成分を混合して製造する方法等が挙げらる。混合方法は特に限定されず、ペイントシェイカー、ディスパー、ロールミル、ビーズミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等を用いてもよい。
【0164】
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、用いる活性エネルギー線の種類によっては、光重合開始剤を用いることが好ましい。
【0165】
前記光重合開始剤としては、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2’-ジメトキシ-1,2-ジフェニルエタン-1-オン、ジフェニル(2,4,6-トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-1-ブタノン等の光ラジカル重合開始剤などが挙げられる。
【0166】
前記その他の光重合開始剤の市販品としては、例えば、「Omnirad 1173」、「Omnirad 184」、「Omnirad 127」、「Omnirad 2959」、「Omnirad 369」、「Omnirad 379」、「Omnirad 907」、「Omnirad 4265」、「Omnirad 1000」、「Omnirad 651」、「Omnirad TPO」、「Omnirad 819」、「Omnirad 2022」、「Omnirad 2100」、「Omnirad 754」、「Omnirad 784」、「Omnirad 500」、「Omnirad 81」(IGM Resins社製);「KAYACURE DETX」、「KAYACURE MBP」、「KAYACURE DMBI」、「KAYACURE EPA」、「KAYACURE OA」(日本化薬株式会社製);「Vicure 10」、「Vicure 55」(Stoffa Chemical社製);「Trigonal P1」(Akzo Nobel社製)、「SANDORAY 1000」(SANDOZ社製);「DEAP」(Upjohn Chemical社製)、「Quantacure PDO」、「Quantacure ITX」、「Quantacure EPD」(Ward Blenkinsop社製);「Runtecure 1104」(Runtec社製)等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いることも、2種以上を併用することもできる。
【0167】
前記光重合開始剤の添加量は、例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の溶剤以外の成分の合計中に0.05~15質量%の範囲であることが好ましく、0.1~10質量%の範囲であることがより好ましい。
【0168】
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(A)と前記イミダゾール化合物(B)以外のその他の樹脂成分を含有しても良い。前記その他の樹脂成分としては、各種の(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
【0169】
前記各種の(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノ(メタ)アクリレート化合物;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレート等の脂環型モノ(メタ)アクリレート化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等の複素環型モノ(メタ)アクリレート化合物;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等の芳香族モノ(メタ)アクリレート化合物等のモノ(メタ)アクリレート化合物:前記各種のモノ(メタ)アクリレートモノマーの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等のポリオキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のモノ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性モノ(メタ)アクリレート化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート化合物;1,4-シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等の脂環型ジ(メタ)アクリレート化合物;ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート等の芳香族ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;前記各種のジ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性ジ(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等の脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族トリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性トリ(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能以上の脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖等の(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した4官能以上の(ポリ)オキシアルキレン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物;前記脂肪族ポリ(メタ)アクリレート化合物の分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入した4官能以上のラクトン変性ポリ(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
【0170】
また、前記その他の(メタ)アクリレートモノマーとしては、上述したものの他に、フェノール化合物と、環状カーボネート化合物又は環状エーテル化合物と、不飽和モノカルボン酸とを必須の反応原料とする(メタ)アクリレートモノマーを用いることができる。
【0171】
前記フェノール化合物としては、例えば、クレゾール、キシレノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、3-メチルカテコール、4-メチルカテコール、4-アリルピロカテコール、1,2,3-トリヒドロキシベンゼン、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン、1-ナフトール、2-ナフトール、1,3-ナフタレンジオール、1,5-ナフタレンジオール、2,6-ナフタレンジオール、2,7-ナフタレンジオール、水添ビスフェノール、水添ビフェノール、ポリフェニレンエーテル型ジオール、ポリナフチレンエーテル型ジオール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールノボラック型樹脂、ナフトールノボラック型樹脂、フェノールアラルキル型樹脂、ナフトールアラルキル型樹脂、シクロ環構造を有するフェノール樹脂等が挙げられる。
【0172】
前記環状カーボネート化合物としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ペンチレンカーボネート等が挙げられる。これらの環状カーボネート化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0173】
前記環状エーテル化合物としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。これらの環状エーテル化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0174】
前記不飽和モノカルボン酸としては、上述の不飽和一塩基酸として例示したものと同様のものを用いることができる。
【0175】
前記その他の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の不揮発分中に90質量%以下が好ましい。
【0176】
また、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、酸化防止剤、有機溶剤、無機質充填材やポリマー微粒子、顔料、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、難燃剤、保存安定化剤等の各種添加剤を含有することもできる。
【0177】
前記硬化剤としては、例えば、エポキシ樹脂、多塩基酸、不飽和一塩基酸、アミン化合物、アミド化合物、アゾ化合物、有機過酸化物、ポリオール化合物、エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0178】
前記エポキシ樹脂としては、上述のエポキシ樹脂として例示したものと同様のものを用いることができ、前記エポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0179】
前記多塩基酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2,3-ジカルボン酸、4-(2,5-ジオキソテトラヒドロフラン-3-イル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,2-ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタレンテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルトリカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。また、前記多塩基酸としては、例えば、共役ジエン系ビニルモノマーとアクリロニトリルとの共重合体であって、その分子中にカルボキシル基を有する重合体も用いることができる。これらの多塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0180】
前記不飽和一塩基酸としては、上述の不飽和一塩基酸として例示したものと同様のものを用いることができ、前記不飽和一塩基酸は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0181】
前記アミン化合物としては、例えば、ジアミノジフェニルメタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、イミダゾ-ル、BF3-アミン錯体、グアニジン誘導体等が挙げられる。これらのアミン化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0182】
前記アミド系化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、リノレン酸の2量体とエチレンジアミンとより合成されるポリアミド樹脂等が挙げられる。これらのアミド化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0183】
前記アゾ化合物としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
【0184】
前記有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、アルキルパーオキシカーボネート等が挙げられる。これらの有機過酸化物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0185】
前記ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールメタンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のポリオールモノマー;前記ポリオールモノマーと、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸との共縮合によって得られるポリエステルポリオール;前記ポリオールモノマーと、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、3-メチル-δ-バレロラクトン等の種々のラクトンとの重縮合反応によって得られるラクトン型ポリエステルポリオール;前記ポリオールモノマーと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル等の環状エーテル化合物との開環重合によって得られるポリエーテルポリオールなどが挙げられる。これらのポリオール化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0186】
前記エポキシ樹脂としては、上述のエポキシ樹脂として例示したものと同様のものを用いることができ、前記エポキシ樹脂は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0187】
前記硬化促進剤としては、硬化反応を促進するものであり、例えば、リン系化合物、アミン系化合物、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。これらの硬化促進剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。また、前記硬化促進剤の添加量は、例えば、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の固形分中に0.01~10質量%の範囲で用いることが好ましい。
【0188】
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-ドデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[4-{(2-ヒドロキシ-3-トリデシルオキシプロピル)オキシ}-2-ヒドロキシフェニル]-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン等のトリアジン誘導体、2-(2’-キサンテンカルボキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-o-ニトロベンジロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-キサンテンカルボキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン、2-o-ニトロベンジロキシ-4-ドデシロキシベンゾフェノン等が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0189】
前記重合禁止剤としては、例えば、p-メトキシフェノール、p-メトキシクレゾール、4-メトキシ-1-ナフトール、4,4’-ジアルコキシ-2,2’-ビ-1-ナフトール、3-(N-サリチロイル)アミノ-1,2,4-トリアゾール、N’1,N’12-ビス(2-ヒドロキシベンゾイル)ドデカンジヒドラジド、スチレン化フェノール、N-イソプロピル-N’-フェニルベンゼン-1,4-ジアミン、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のフェノール化合物、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、メチル-p-ベンゾキノン、2,5-ジフェニルベンゾキノン、2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン、アントラキノン、ジフェノキノン等のキノン化合物、メラミン、p-フェニレンジアミン、4-アミノジフェニルアミン、N.N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N-i-プロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1.3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、ジフェニルアミン、4,4’-ジクミル-ジフェニルアミン、4,4’-ジオクチル-ジフェニルアミン、ポリ(2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン)、スチレン化ジフェニルアミン、スチレン化ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物、ジフェニルアミンと2,4,4-トリメチルペンテンの反応生成物等のアミン化合物、フェノチアジン、ジステアリルチオジプロピオネート、2,2-ビス({[3-(ドデシルチオ)プロピオニル]オキシ}メチル)-1,3-プロパンジイル=ビス[3-(ドデシルチオ)プロピオナート]、ジトリデカン-1-イル=3,3’-スルファンジイルジプロパノアート等のチオエーテル化合物、N-ニトロソジフェニルアミン、N-ニトロソフェニルナフチルアミン、p-ニトロソフェノール、ニトロソベンゼン、p-ニトロソジフェニルアミン、α-ニトロソ-β-ナフトール等、N、N-ジメチルp-ニトロソアニリン、p-ニトロソジフェニルアミン、p-ニトロンジメチルアミン、p-ニトロン-N、N-ジエチルアミン、N-ニトロソエタノールアミン、N-ニトロソジ-n-ブチルアミン、N-ニトロソ-N-n-ブチル-4-ブタノールアミン、N-ニトロソ-ジイソプロパノールアミン、N-ニトロソ-N-エチル-4-ブタノールアミン、5-ニトロソ-8-ヒドロキシキノリン、N-ニトロソモルホリン、N-二トロソーN-フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、二トロソベンゼン、N-ニトロソ-N-メチル-p-トルエンスルホンアミド、N-ニトロソ-N-エチルウレタン、N-ニトロソ-N-n-プロピルウレタン、1-ニトロソ-2-ナフトール、2-ニトロソ-1-ナフトール、1-ニトロソ-2-ナフトール-3,6-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-1-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩、2-ニトロソ-5-メチルアミノフェノール塩酸塩等のニトロソ化合物、リン酸とオクタデカン-1-オールのエステル、トリフェニルホスファイト、3,9-ジオクタデカン-1-イル-2,4,8,10-テトラオキサ-3,9-ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、トリスノニルフェニルホスフィト、亜リン酸-(1-メチルエチリデン)-ジ-4,1-フェニレンテトラ-C12-15-アルキルエステル、2-エチルヘキシル=ジフェニル=ホスフィット、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリイソデシル=ホスフィット、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のホスファイト化合物、ビス(ジメチルジチオカルバマト-κ(2)S,S’)亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチル・ジチオカルバミン酸亜鉛等の亜鉛化合物、ビス(N,N-ジブチルカルバモジチオアト-S,S’)ニッケル等のニッケル化合物、1,3-ジヒドロ-2H-ベンゾイミダゾール-2-チオン、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、2-メチル-4,6-ビス[(オクタン-1-イルスルファニル)メチル]フェノール、ジラウリルチオジプロピオン酸エステル、3,3’-チオジプロピオン酸ジステアリル等の硫黄化合物などが挙げられる。これらの重合禁止剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0190】
前記酸化防止剤としては、前記重合禁止剤で例示した化合物と同様のものを用いることができ、前記酸化防止剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0191】
また、前記重合禁止剤、及び前記酸化防止剤の市販品としては、例えば、和光純薬工業株式会社製「Q-1300」、「Q-1301」、住友化学株式会社製「スミライザーBBM-S」、「スミライザーGA-80が」等が挙げられる。
【0192】
前記有機溶剤としては、上述の有機溶剤として例示したものと同様のものを用いることができ、前記有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0193】
前記無機質充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、窒化珪素、水酸化アルミ等が挙げられる。
【0194】
前記顔料としては、公知慣用の無機顔料や有機顔料を使用することができる。
【0195】
前記無機顔料としては、例えば、白色顔料、アンチモンレッド、ベンガラ、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。これらの無機顔料は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0196】
前記白色顔料としては、例えば、酸化チタン,酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、中空樹脂粒子、硫化亜鉛等が挙げられる。
【0197】
前記有機顔料としては、例えば、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、フタロシアニン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ペリノン顔料、キノフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンツイミダゾロン顔料、アゾ顔料等が挙げられる。これらの有機顔料は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0198】
前記難燃剤としては、例えば、赤リン、リン酸一アンモニウム、リン酸二アンモニウム、リン酸三アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸アンモニウム、リン酸アミド等の無機リン化合物;リン酸エステル化合物、ホスホン酸化合物、ホスフィン酸化合物、ホスフィンオキシド化合物、ホスホラン化合物、有機系含窒素リン化合物、9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,5―ジヒドロオキシフェニル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド、10-(2,7-ジヒドロオキシナフチル)-10H-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキシド等の環状有機リン化合物、及びそれをエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の化合物と反応させた誘導体等の有機リン化合物;トリアジン化合物、シアヌル酸化合物、イソシアヌル酸化合物、フェノチアジン等の窒素系難燃剤;シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーン樹脂等のシリコーン系難燃剤;金属水酸化物、金属酸化物、金属炭酸塩化合物、金属粉、ホウ素化合物、低融点ガラス等の無機難燃剤などが挙げられる。これらの難燃剤は、単独でも用いることも2種以上を併用することもできる。また、これら難燃剤を用いる場合は、全樹脂組成物中0.1~20質量%の範囲であることが好ましい。
【0199】
本発明の硬化物は、前記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に、活性エネルギー線を照射することで得ることができる。前記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、電子線、α線、β線、γ線等の電離放射線が挙げられる。また、前記活性エネルギー線として、紫外線を用いる場合、紫外線による硬化反応を効率よく行う上で、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射してもよく、空気雰囲気下で照射してもよい。
【0200】
紫外線発生源としては、実用性、経済性の面から紫外線ランプが一般的に用いられている。具体的には、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、ガリウムランプ、メタルハライドランプ、太陽光、LED等が挙げられる。
【0201】
前記活性エネルギー線の積算光量は、特に制限されないが、0.1~50kJ/mであることが好ましく、0.5~10kJ/mであることがより好ましい。積算光量が上記範囲であると、未硬化部分の発生の防止又は抑制ができることから好ましい。
【0202】
なお、前記活性エネルギー線の照射は、一段階で行ってもよいし、二段階以上に分けて行ってもよい。
【0203】
また、本発明の硬化物は、優れたアルカリ現像性を有し、耐熱性及び弾性に優れることから、例えば、半導体デバイス用途における、ソルダーレジスト、層間絶縁材料、パッケージ材、アンダーフィル材、回路素子等のパッケージ接着層や、集積回路素子と回路基板の接着層として好適に用いることができる。また、LCD、OELDに代表される薄型ディスプレイ用途における、薄膜トランジスタ保護膜、液晶カラーフィルタ保護膜、カラーフィルタ用顔料レジスト、ブラックマトリックス用レジスト、スペーサー等に好適に用いることができる。これらの中でも、特にソルダーレジスト用途に好適に用いることができる。
【0204】
本発明のレジスト部材は、例えば、前記ソルダーレジスト用樹脂材料を基材上に塗布し、60~100℃程度の温度範囲で有機溶媒を揮発乾燥させた後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを通して活性エネルギー線にて露光させ、アルカリ水溶液にて未露光部を現像し、更に140~200℃程度の温度範囲で加熱硬化させて得ることができる。
【0205】
前記基材としては、例えば、銅、アルミニウム等の金属張積層板などが挙げられる。
【実施例0206】
以下、実施例と比較例とにより、本発明を具体的に説明する。なお、本発明は、以下に挙げた実施例に限定されるものではない。
【0207】
(合成例1:酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(1)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート123質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂「EPICLON N-680」(DIC株式会社製、軟化点86℃、エポキシ当量:214g/eq、)(以下、「エポキシ樹脂(1)」と略記する)214質量部を溶解し、ジブチルヒドロキシトルエン0.9質量部、メトキノン0.2質量部加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルホスフィン1.4質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間反応を行なった。次いで、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート72質量部、テトラヒドロ無水フタル酸76質量部を加え110℃で3時間反応し、酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(1)を得た。この酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(1)の不揮発分は65質量%で、固形分酸価は80mgKOH/gであった。なお、酸価は、JIS K 0070(1992)の中和滴定法に基づいて測定した値である。
【0208】
(合成例2:酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(2)の調製)
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート392質量部、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート変性体(EVONIK社製「VESTANAT T-1890/100」、イソシアネート基含有量17.2質量%)(以下、「T-1890」と略記する。)244質量部、無水トリメリット酸192質量部、ジブチルヒドロキシトルエン1.0質量部を加えて溶解させた。窒素雰囲気下、160℃で5時間反応させ、イソシアネート基含有量が0.1質量%以下となっていることを確認した。酸無水物基非開環条件で測定した固形分酸価は160mgKOH/gであった。メトキノン0.3質量部、ペンタエリスリトールポリアクリレート混合物(東亜合成株式会社製「アロニックスM-306」、ペンタエリスリトールトリアクリレート含有量約67%、水酸基価159.7mgKOH/g)172質量部及びトリフェニルホスフィン3.6質量部を添加し、空気を吹き込みながら110℃で5時間反応させた。次いで、グリシジルメタクリレート163質量部を添加し、110℃で5時間反応させた。更に、無水コハク酸112質量部、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート122質量部を加えて110℃で5時間反応させ、不揮発分が62質量%の酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(2)を得た。この酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(2)の固形分酸価は79mgKOH/gであった。
【0209】
(合成例3:化合物Aの合成)
【0210】
【化15】
【0211】
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、4-ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学社製「4HBA」)を14.17質量部(98.26mmol)、テトラヒドロフラン(THF)140質量部、トリフェニルホスフィン(Ph3P)25.77g(98.26mmol)、4-ヒドロキシベンズアルデヒド10.00質量部(81.89mmol)を入れ攪拌した。薄黄色透明溶液であった。続いて、氷浴下、テトラヒドロフラン20質量部に希釈したアゾジカルボン酸ジイソプロピル(DIAD)19.87質量部(98.26mmol)を30分かけ、滴下した。橙色透明の反応溶液を、室温で10時間攪拌した。反応溶液にヘキサンを加え、トリフェニルホスフィン等の副生成物を析出除去した後、クロロホルムで抽出を行い、水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターで溶媒を留去し、得られた赤色粘稠液体をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒として、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20)にて精製し、目的物である化合物Aを得た。
【0212】
(合成例4:イミダゾール化合物(1)の合成)
【0213】
【化16】
【0214】
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、合成例3で得た化合物Aを4.87質量部(19.62mmol)、メタノール(MeOH)15質量部、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)0.00154質量部(0.137mmol)、ベンジル4.948質量部(23.54mmol)、酢酸アンモニウム(NH4OAc)3.629質量部(47.08mmol)メトキノン1500ppm、BHT500ppmを入れ、上から窒素ガスをブロー、液中から空気をバブリングし65℃24時間攪拌した。徐々に赤褐色溶液になり、数時間後に、壁に黄色の固体が析出した。室温付近まで冷却後、酢酸エチルで抽出を行い、水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターで溶媒を留去し、得られた赤色粘稠液体をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒として、n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20)にて精製し、イミダゾール化合物(1)を得た。
【0215】
〔構造の同定方法〕
生成物の構造同定は、下記条件にて測定したH-NMR、13C-NMR、MALDI-MSにて行った。1H-NMRスペクトルを図1に、13C-NMRスペクトルを図2に、MALDI-MSスペクトルを図3に示す。
【0216】
H-NMRはJEOL RESONANCE製「JNM-ECM400S」を用い、下記条件により測定した。
【0217】
磁場強度:400MHz
積算回数:16回
溶媒:重水素化クロロホルム
試料濃度:2mg/0.5ml
【0218】
13C-NMRはJEOL RESONANCE製「JNM-ECM400S」を用い、下記条件により測定した。
【0219】
磁場強度:100MHz
積算回数:1000回
溶媒:重水素化クロロホルム
試料濃度:2mg/0.5ml
【0220】
MALDI-MSは島津製作所/KRATOS製「AXIMA-QIT」を用い、下記条件により測定した。
装置名:AXIMA-QIT
メーカー:島津製作所製
【0221】
測定範囲:m/z=50.00~2000.00
変化率:25.6mA/min
最終電流値:40mA
カソード電圧:-10kV
・測定モード
m/z ~300:extraLow
300~750:Low
750~:Mid
【0222】
(合成例5:化合物Bの合成)
【0223】
【化17】
【0224】
4-ヒドロキシブチルアクリレートの代わりに、ヒドロキシエチルアクリレート(大阪有機化学社製「HEA」)を用いた以外は合成例3と同様に行い、上記構造式で表される化合物Bを得た。
【0225】
(合成例6:イミダゾール化合物(2)の合成)
【0226】
【化18】
【0227】
化合物Aの代わりに、合成例5で得た化合物Bを用いた以外は合成例4と同様に行い、上記構造式で表されるイミダゾール化合物(2)を得た。
【0228】
(合成例7:化合物Cの合成)
【0229】
【化19】
【0230】
4-ヒドロキシブチルアクリレートの代わりに、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε-カプロラクトン(株式会社ダイセル製「プラクセル FA2D」)を用いた以外は合成例3と同様に行い、上記構造式で表される化合物Cを得た。
【0231】
(合成例8:イミダゾール化合物(3)の合成)
【0232】
【化20】
【0233】
化合物Aの代わりに、合成例7で得た化合物Cを用いた以外は合成例4と同様に行い、上記構造式で表されるイミダゾール化合物(3)を得た。
【0234】
(合成例9:化合物Dの合成)
【0235】
【化21】
【0236】
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた500mLの四つ口フラスコに、テレフタルアルデヒド酸を17.85質量部(118.91mmol)、氷酢酸285質量部、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)0.0934質量部(0.832mmol)、ベンジル25.00質量部(118.91mmol)、酢酸アンモニウム27.50質量部(356.75mmol)を入れ、105℃6時間攪拌した。室温付近まで冷却後、氷水に添加し、得られた固体を濾取、クロロホルムで洗浄し、目的化合物Dを得た。
【0237】
(合成例10:イミダゾール化合物(4)の合成)
【0238】
【化22】
【0239】
攪拌装置、温度計及び還流冷却管を取り付けた100mLの四つ口フラスコに、化合物Dを5.00質量部(14.689mmol)、4-ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学社製「4HBA」)2.54質量部(17.63mmol)、トリフェニルホスフィン4.62質量部(17.63mmol)、DMF15.66質量部を入れ攪拌した。薄黄色透明溶液であった。続いて、氷浴下、DMF3.56質量部に希釈したアゾジカルボン酸ジイソプロピル3.56質量部(17.63mmol)を30分かけ、滴下した。橙色透明の反応溶液を、室温で10時間攪拌した。反応溶液をドライアップし、クロロホルムとヘキサンを加え、トリフェニルホスフィン等の副生成物を析出除去した後、クロロホルムで抽出を行い、水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。エバポレーターで溶媒を留去し、得られた赤色粘稠液体をカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:n-ヘキサン:酢酸エチル=80:20)にて精製し、イミダゾール化合物(4)を得た。
【0240】
(合成例11:イミダゾール化合物(5)の合成)
【0241】
【化23】
【0242】
4-ヒドロキシブチルアクリレート(大阪有機化学社製「4HBA」)の代わりに、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(東亞合成株式会社製「アロニックスM-305」、水酸基価116mgKOH/g)を用いた以外は合成例10と同様に行い、上記構造式で表されるイミダゾール化合物(5)を得た。
【0243】
(実施例1:硬化性樹脂組成物(1)の調製)
合成例1で得た酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(1)と、合成例4で得たイミダゾール化合物(1)とを混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得、次いで、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)と、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートと、光重合開始剤(IGM社製「Omnirad 907」)と、2-エチル-4-メチルイミダゾールと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと、フタロシアニングリーンとを表1に示す質量部で配合し、ロールミルにより混錬して硬化性樹脂組成物(1)を得た。なお、表1における酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂の質量部の記載は、固形分値である。
【0244】
(実施例2~10:硬化性樹脂組成物(2)~(10)の調製)
表1に示す組成及び配合で実施例1と同様の方法にて、硬化性樹脂組成物(2)~(10)を得た。
【0245】
(比較例1:硬化性樹脂組成物(R1)の調製)
合成例1で得た酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(1)と、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)と、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートと、光重合開始剤(IGM社製「Omnirad 907」)と、と、2-エチル-4-メチルイミダゾールと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートと、フタロシアニングリーンとを表1に示す質量部で配合し、ロールミルにより混錬して硬化性樹脂組成物(R1)を得た。
【0246】
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(1)~(10)、及び(R1)を用いて、下記の評価を行った。
【0247】
[アルカリ現像性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いてガラス基材上に膜厚50μmとなるように塗布した後、80℃でそれぞれ50分間、60分間、70分間、80分間、90分間、100分間、110分、120分、130分間乾燥させ、乾燥時間が異なるサンプルを作成した。これらを1%炭酸ナトリウム水溶液で30℃180秒間現像し、基板上に残渣が残らなかったサンプルの80℃での乾燥時間を乾燥管理幅として評価した。なお、乾燥管理幅が長いほどアルカリ現像性が優れていることを示す。
【0248】
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(1)~(10)及び(R1)の組成及び評価結果を表1に示す。
【0249】
【表1】
【0250】
(実施例11:硬化性樹脂組成物(11)の調製)
合成例1で得た酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(1)と、合成例4で得たイミダゾール化合物(1)とを混合し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を得、次いで、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)、光重合開始剤として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(IGM Resins社製「Omnirad 907」)、有機溶剤としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表2に示す質量部で配合して、硬化性樹脂組成物(11)を得た。
【0251】
(実施例12~20:硬化性樹脂組成物(12)~(20)の調製)
表2に示す組成及び配合で実施例11と同様の方法にて、硬化性樹脂組成物(12)~(20)を得た。
【0252】
(比較例2:硬化性樹脂組成物(R2)の調製)
合成例1で得た酸基及び重合性不飽和基を有する樹脂(1)と、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)、光重合開始剤として2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(IGM Resins社製「Omnirad 907」)、有機溶剤としてジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを表2に示す質量部で配合して、硬化性樹脂組成物(R2)を得た。
【0253】
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(11)~(20)及び(R2)を用いて、下記の評価を行った。
【0254】
[耐熱性の評価方法]
各実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物を、アプリケーターを用いて銅箔(古河産業株式会社製、電解銅箔「F2-WS」18μm)上に膜厚50μmとなるように塗布し、80℃で30分乾燥させた。次いで、メタルハライドランプを用いて10kJ/mの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱して、硬化塗膜を得た。次いで、前記硬化塗膜を銅箔から剥離し、硬化物を得た。前記硬化物から6mm×35mmの試験片を切り出し、粘弾性測定装置(DMA:レオメトリック社製固体粘弾性測定装置「RSAII」、引張り法:周波数1Hz、昇温速度3℃/分)を用いて、弾性率変化が最大となる温度をガラス転移温度として評価した。なお、ガラス転移温度が高いほど耐熱性に優れていることを示す。
【0255】
[弾性率の測定方法]
弾性率の測定は、引張試験に基づいて行った。
<試験片1の作製>
銅箔(古河産業株式会社製、電解銅箔「F2-WS」18μm)上に実施例及び比較例で得られた活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、メタルハライドランプを用いて10kJ/mの紫外線を照射した後、160℃で1時間加熱した。銅箔から硬化物を剥離し、試験片1(硬化物)を得た。
【0256】
<引張試験>
前記試験片1を10mm×80mmの大きさに切り出し、株式会社島津製作所製精密万能試験機オートグラフ「AG-IS」を用いて、下記の測定条件で試験片1の引張試験を行った。試験片が破断するまでの弾性率(MPa)を測定し、以下の基準に従い評価した。
【0257】
測定条件:温度23℃、湿度50%、標線間距離20mm、支点間距離20mm、引張速度10mm/分
【0258】
上記の実施例及び比較例で得られた硬化性樹脂組成物(11)~(20)及び(R2)の組成及び評価結果を表2に示す。
【0259】
【表2】
【0260】
表1及び2中の「硬化剤」は、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N-680」)を示す。
【0261】
表1及び2中の「有機溶剤」は、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテートを示す。
【0262】
表1及び2中の「光重合開始剤」は、IGM Resins社製「Omnirad-907」を示す。
【0263】
表1に示した実施例1~10は、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた硬化性樹脂組成物の例である。これらの硬化性樹脂組成物は、優れたアルカリ現像性を有することが確認できた。
【0264】
また、表2に示した実施例11~20は、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を用いた硬化性樹脂組成物の例である。これらの硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた耐熱性及び弾性を有することが確認できた。
【0265】
一方、比較例1及び2は、イミダゾール化合物を含有しない硬化性樹脂組成物の例である。これらの硬化性樹脂組成物の硬化物は、耐熱性及び弾性において著しく不十分であることが確認できた。
図1
図2
図3