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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099323
(43)【公開日】2022-07-04
(54)【発明の名称】ハイドロハロオレフィン組成物
(51)【国際特許分類】
   C07C 21/18 20060101AFI20220627BHJP
   C09K 3/30 20060101ALI20220627BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20220627BHJP
   C09K 5/04 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
C07C21/18 CSP
C09K3/30 J
C09K3/00 111B
C09K5/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021207204
(22)【出願日】2021-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2020212130
(32)【優先日】2020-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】特許業務法人 志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チン曽我 環
(72)【発明者】
【氏名】谷口 智昭
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AB93
(57)【要約】
【課題】1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)を主成分とし、安定性が良好なハイドロハロオレフィン組成物の提供。
【解決手段】主成分がHCFO-1224ydであり、さらにHFC-245fa、HFC-254fb、HCFC-244bb、HFO-1354yf、HFO-1234yf、HCFO-1233xf、HCFO-1224xe、CFO-1214ya、3-クロロ-1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ca)、1-クロロ-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ea)、及び2-クロロ-1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235da)からなる群から選ばれる1種以上を含む、ハイドロハロオレフィン組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主成分が1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)であり、さらに
1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、
1,1,1,3-テトラフルオロプロパン(HFC-254fb)、
2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(HCFC-244bb)、
2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン(HFO-1354yf)、
2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、
2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、
2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224xe)、
1,1-ジクロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(CFO-1214ya)、3-クロロ-1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ca)、
1-クロロ-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ea)、及び
2-クロロ-1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235da)からなる群から選ばれる1種以上を含む、ハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項2】
前記ハイドロハロオレフィン組成物の総質量に対して、
前記1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、
前記1,1,1,3-テトラフルオロプロパン(HFC-254fb)、
前記2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(HCFC-244bb)、
前記2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン(HFO-1354yf)、
前記2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、
前記2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、
前記2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224xe)、
前記1,1-ジクロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(CFO-1214ya)、
前記3-クロロ-1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ca)、
前記1-クロロ-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ea)、及び
前記2-クロロ-1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235da)の合計の含有量が、10.0質量%未満である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項3】
作動流体用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項4】
発泡剤用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項5】
希釈溶媒用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項6】
洗浄剤用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項7】
噴射剤用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項8】
消火剤用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項9】
気体誘電体用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項10】
エッチングガス用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【請求項11】
溶融金属カバーガス用である、請求項1に記載のハイドロハロオレフィン組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイドロハロオレフィン組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化やオゾン層破壊を防止するために、フロン代替品として、地球温暖化係数が低いハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)等のハイドロハロオレフィンが期待されている。
ハイドロハロオレフィンの用途として、例えば特許文献1には、熱媒体、冷媒、発泡剤、溶媒、洗浄剤、噴射剤、又は消火剤が記載されている。
ハイドロハロオレフィンは、時間の経過等によって徐々に分解が生じることがあり、安定性が充分とは言えない。そのため、各種の用途に使用する際に、使用状況又は使用環境によって性能が徐々に低下する等の問題がある。
特許文献1では、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)又は1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)に、少量の水を加えて安定性を向上させた例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5962827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されているHFO-1234yf又はHFO-1234ze以外のハイドロハロオレフィンについても、安定性を向上させることが望ましい。
本発明は、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)を主成分とし、安定性が良好なハイドロハロオレフィン組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記の態様を有する。
[1] 主成分が1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)であり、さらに1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、1,1,1,3-テトラフルオロプロパン(HFC-254fb)、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(HCFC-244bb)、2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン(HFO-1354yf)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224xe)、1,1-ジクロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(CFO-1214ya)、3-クロロ-1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ca)、1-クロロ-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ea)、及び2-クロロ-1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235da)からなる群から選ばれる1種以上を含む、ハイドロハロオレフィン組成物。
[2] 前記ハイドロハロオレフィン組成物の総質量に対して、前記1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、前記1,1,1,3-テトラフルオロプロパン(HFC-254fb)、前記2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(HCFC-244bb)、前記2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン(HFO-1354yf)、前記2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、前記2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、前記2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224xe)、前記1,1-ジクロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(CFO-1214ya)、前記3-クロロ-1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ca)、前記1-クロロ-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ea)、及び前記2-クロロ-1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235da)の合計の含有量が、10.0質量%未満である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[3] 作動流体用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[4] 発泡剤用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[5] 希釈溶媒用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[6] 洗浄剤用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[7] 噴射剤用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[8] 消火剤用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[9] 気体誘電体用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[10] エッチングガス用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
[11] 溶融金属カバーガス用である、[1]のハイドロハロオレフィン組成物。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)を主成分とし、安定性が良好なハイドロハロオレフィン組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
ハイドロハロオレフィンとは、水素原子とフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子とを含む不飽和炭化水素化合物の総称である。
有機化合物とは、炭素原子を含む化合物であって、炭素の酸化物及び金属の炭酸塩を除く化合物の総称である。
組成物の主成分とは、組成物の総質量に対する含有量が最も多い化合物を意味する。
化合物の名称の後の括弧内にその化合物の略称又は別名を記すことがある。化合物名に代えてその略称又は別名を用いることがある。
不飽和炭化水素化合物において、二重結合を有する炭素に結合された置換基の位置により、幾何異性体であるZ体(シス体)とE体(トランス体)が存在する。Z体とE体が存在する化合物について、特に断らずに化合物名や化合物の略称を用いた場合は、Z体もしくはE体、またはZ体とE体の任意の割合の混合物であることを意味する。化合物名や化合物の略称の後ろに(Z)または(E)を付した場合は、それぞれの化合物のZ体またはE体であることを示す。
「~」で表した数値範囲は、~の前後の数値を下限値及び上限値とする数値範囲を意味する。
【0008】
<ハイドロハロオレフィン組成物>
本実施形態のハイドロハロオレフィン組成物(以下、本組成物ともいう。)は2種以上の有機化合物を含み、主成分は1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)である。
HCFO-1224ydは、HCFO-1224yd(Z)でもよく、HCFO-1224yd(E)でもよく、これらの混合物でもよい。HCFO-1224ydにおけるZ体の含有量とE体の含有量の質量比を表すZ/E比は、100/0~0/100でよく、99.9/0.1~50/50が好ましく、99.9/0.1~70/30がより好ましく、99.9/0.1~99.0/1.0がさらに好ましい。
本組成物の総質量に対して主成分の含有量は、例えば90質量%超であり、93.5質量%以上でよく、96.0質量%以上が好ましく、98.5質量%以上がより好ましく、99.0質量%以上がさらに好ましく、99.5質量%以上が特に好ましい。
【0009】
本組成物は、主成分であるHCFO-1224ydのほかに、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、1,1,1,3-テトラフルオロプロパン(HFC-254fb)、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(HCFC-244bb)、2,4,4,4-テトラフルオロ-1-ブテン(HFO-1354yf)、2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xf)、2-クロロ-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224xe)、1,1-ジクロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(CFO-1214ya)、3-クロロ-1,1,1,2,2,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ca)、1-クロロ-1,1,2,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HCFC-226ea)、及び2-クロロ-1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-235da)からなる群から選ばれる1種以上の化合物(以下、化合物Aともいう。)を含む。
表1に、化合物Aの構造式、及び各化合物の含有量を示す。
【0010】
【表1】
【0011】
本組成物の総質量に対して、化合物Aの合計の含有量は、10.0質量%未満が好ましく、2.0質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましく、0.5質量%以下が特に好ましい。また、化合物Aの合計の含有量が本組成物の総質量に対して10.0質量%未満であることで安定性及び金属耐食性が良好なハイドロハロオレフィン組成物を提供することができる。
【0012】
本組成物は、HCFO-1224yd及び化合物A以外の、他の有機化合物を1種以上含んでもよい。
他の有機化合物としては、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、ハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、ハイドロクロロオレフィン(HCO)、クロロフルオロオレフィン(CFO)、フルオロオレフィン、クロロオレフィン、オレフィン、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロクロロカーボン(HCC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、クロロフルオロカーボン(CFC)、クロロカーボン、フルオロカーボン(FC)、ハイドロカーボン(HC)、ハイドロフルオロエーテル(HFE)、アルコール、エーテル、ケトン、有機酸、飽和炭化水素が例示できる。
さらに、臭素原子またはヨウ素原子を含むハロゲン化メタンを必要に応じて含んでもよい。
【0013】
ハイドロフルオロオレフィン(HFO)の具体例としては、1,1,2-トリフルオロエチレン(HFO-1123)、1-フルオロプロペン(HFO-1261ze)、1,2-ジフルオロプロパン(HFO-1252ye)、1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)、1,1,2,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yc)、1,2,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ye)、1,1,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234zc)、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yc)、1,1,3,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225zc)、1,1,2-トリフルオロプロペン(HFO-1243yc)、1,2,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243ye)、3,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243zf)、1,3,3-トリフルオロプロペン(HFO-1243ze)、3,3-ジフルオロプロペン(HFO-1252zf)、2-フルオロプロペン(HFO-1261yf)、1,1,1,4,4,4-ヘキサフルオロ-2-ブテン(HFO-1336mzz)、2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン(HFO-1336mcyf)、1,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテン(HFO-1336ze)、テトラフルオロブテン(HFO-1354)、1,1,1,2,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンテン(HFO-1429myz)、1,1,1,4,4,5,5,5-オクタフルオロペンタ-2-エン(HFO-1438mzz)、1,3,4,4,4-ペンタフルオロ-3-トリフルオロメチル-1-ブテン(HFO-1438ezy)、(C)(CF)C=CH、(CFCFCH=CF、(CFCFCF=CHF、1,1-ジフルオロエチレン(HFO-1132a)、1,2-ジフルオロエチレン(HFO-1132)、1,2,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロペン(HFO-1225ye)、1,1,2,3,3-ペンタフルオロプロペン(HFO-1225yc)が挙げられる。
【0014】
1-クロロ-2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224yd)以外のハイドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)の具体例としては、1-クロロ-2,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yd)、2-クロロ-1,1,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xc)、2-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233xe)、1-クロロ-1,2,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233yb)、1-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zb)、3-クロロ-1,1,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zc)、3-クロロ-1,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233ze)、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1233zd)、2,3,3-トリクロロ-3-フルオロプロペン(HCFO-1231xf)、2,3-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン(HCFO-1232xf)、2,3-ジクロロ-3,3-ジフルオロプロペン(HCFO-1232xf)、1,2-ジクロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン(HCFO-1223xd)、2-クロロ-1,1,3,3-テトラフルオロプロペン(HCFO-1224xc)、1,1-ジクロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1121a)、1,2-ジクロロ-1-フルオロエチレン(HCFO-1121)、1-クロロ-1-フルオロエチレン(HCFO-1131a)、1-クロロ-2-フルオロエチレン(HCFO-1131)、1-クロロ-2,2-ジフルオロエチレン(HCFO-1122)、1,1,2-トリフルオロ-2-クロロエチレン(HCFO-1113)、1-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロピン(CF-C≡CCl)が挙げられる。
【0015】
ハイドロクロロオレフィン(HCO)の具体例としては、クロロエチレン、1,2-ジクロロエチレンが挙げられる。
【0016】
クロロフルオロオレフィン(CFO)の具体例としては、1,1,2-トリクロロ-2-フルオロエチレン、2-クロロ-1,1,3,3,3-ペンタフルオロ-1-プロペン(CFO-1215xc)が挙げられる。
【0017】
フルオロオレフィンの具体例としては、ヘキサフルオロプロペン(FO-1216)、オクタフルオロ-2-ブテン(FO-1318my)が挙げられる。
【0018】
クロロオレフィンの具体例としては、テトラクロロエチレンが挙げられる。
【0019】
オレフィンの具体例としては、エチレン、プロピレンが挙げられる。
【0020】
ハイドロフルオロカーボン(HFC)の具体例としては、1,1,2,3-テトラフルオロブタン(HFC-374pee)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HFC-245cb)、1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245ca)、1,1,1,2,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245eb)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(HFC-254eb)、1,1,1-トリフルオロプロパン(HFC-263fb)、1,1,1,2,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236ea)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、2-フルオロプロパン(HFC-281ea)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、1,2-ジフルオロエタン(HFC-152)、1,1-ジフルオロエタン(HFC-152a)、ジフルオロメタン(HFC-32)、1,1,1,2,2-ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,2-トリフルオロエタン(HFC-143)、1,1,1-トリフルオロエタン(HFC-143a)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、フルオロエタン(HFC-161)、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタン(HFC-43-10mee)、トリフルオロメタン(HFC-23)、フルオロメタン(HFC-41)が挙げられる。
【0021】
ハイドロクロロカーボン(HCC)の具体例としては、クロロホルム、1,1,1,2,3-ペンタクロロプロパン(HCC-240db)、2-クロロプロパンが挙げられる。
【0022】
ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の具体例としては、クロロジフルオロメタン(HCFC-22)、クロロフルオロメタン(HCFC-31)、トリクロロジフルオロエタン(HCFC-122)、1,1,2-トリクロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-122a)、1,1,1-トリクロロ-2,2-ジフルオロエタン(HCFC-122b)、2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン(HCFC-123)、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HCFC-124)、1-クロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HCFC-124a)、2-クロロ-1,1,1-トリフルオロエタン(HCFC-133a)、1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン(HCFC-141b)、1,1-ジフルオロ-2-クロロエタン(HCFC-142)、1-クロロ-1,2-ジフルオロエタン(HCFC-142a)、1-クロロ-1,1-ジフルオロエタン(HCFC-142b)、3,3-ジクロロ-1,1,1,2,2-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225ca)、1,3-ジクロロ-1,1,2,2,3-ペンタフルオロプロパン(HCFC-225cb)、2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243ab)、2,3-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロプロパン(HCFC-243db)、2-クロロ-1,1,1,2-テトラフルオロプロパン(HCFC-244bb)が挙げられる。
【0023】
クロロフルオロカーボン(CFC)の具体例としては、トリクロロフルオロメタン(CFC-11)、ジクロロジフルオロメタン(CFC-12)、クロロトリフルオロメタン(CFC-13)、トリクロロトリフルオロエタン(CFC-113)、1,2-ジクロロ-1,1,2,2-テトラフルオロエタン(CFC-114)、1,1-ジクロロ-1,2,2,2-テトラフルオロエタン(CFC-114a)、クロロペンタフルオロエタン(CFC-115)、ジクロロヘキサフルオロプロパン(CFC-216)、2,2,3,3-テトラクロロヘキサフルオロブタン(CFC-316)、ジクロロオクタフルオロブタン(CFC-318)、が挙げられる。
【0024】
クロロカーボンの具体例としては、ジクロロメタン(塩化メチレン)、トリクロロエタンが挙げられる。
【0025】
フルオロカーボン(FC)の具体例としては、1,1,1,2,2,2-ヘキサフルオロエタン(FC-116)、オクタフルオロプロパン(FC-218)1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロプロパン(FC-227ca)が挙げられる。
【0026】
ハイドロカーボン(HC)の具体例としては、メタン、エタン、プロパン、n-ブタン、イソブタン、n-ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、n-ヘキサン、イソヘキサン、ヘプタンが挙げられる。
【0027】
ハイドロフルオロエーテル(HFE)の具体例としては、CHF-O-CHF、CHF-O-CHF、CHF-O-CHF、CHF-O-CH、cyclo-CF-CH-CF-O、cyclo-CF-CF-CH-O、CHF-O-CF-CHF、CF-CF-O-CHF、CHF-O-CHF-CF、CHF-O-CF-CHF、CHF-O-CF-CHF、CF-O-CF-CH、CHF-CHF-O-CHF、CF-O-CHF-CHF、CF-CHF-O-CHF、CF-O-CH-CHF、CHF-O-CH-CF、CHF-CF-O-CHF、CHF-O-CF-CH、CHF-CF-O-CH、CHF-CF-O-CH、CHF-O-CHF-CHF、CHF-CHF-O-CHF、CF-O-CHF-CH、CF-CHF-O-CH、CHF-O-CH-CHF、CF-O-CH-CHF、CF-CH-O-CHF、CFH-CF-CF-O-CH、CFCFCF-O-CH、C-O-CHが挙げられる。
【0028】
アルコールの具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが挙げられる。
【0029】
エーテルの具体例としては、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソプロピルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジエトキシエタン、ジプロポキシメタン、ジブトキシメタンが挙げられる。
【0030】
ケトンの具体例としては、ケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、パーフルオロエチルイソプロピルケトンが挙げられる。
【0031】
有機酸の具体例としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸が挙げられる。
【0032】
飽和炭化水素の具体例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、ヘキサンが挙げられる。
【0033】
本組成物の総質量に対して、他の有機化合物の含有量は1.5質量%以下が好ましく、1.0質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
【0034】
本組成物は有機化合物のほかに不活性ガスを含んでもよい。不活性ガスの具体例としては、二酸化炭素、窒素、酸素、空気(窒素:約80体積%、酸素:約20体積%)、アルゴン、ヘリウムが挙げられる。
本組成物を密閉容器に充填した際の気相部の合計体積に対して、不活性ガスは20体積%以下でよく、15体積%以下が好ましく、10体積%以下がより好ましく、5体積%以下がさらに好ましく、1.5体積%以下が特に好ましい。
【0035】
臭素原子またはヨウ素原子を含むハロゲン化メタンの具体例としては、(モノ)ヨードメタン(CHI)、ジヨードメタン(CH)、ジブロモメタン(CHBr)、ブロモメタン(CHBr)、ジクロロメタン(CHCl)、クロロヨードメタン(CHClI)、ジブロモクロロメタン(CHBrCl)、四ヨウ化メタン(CI)、四臭化炭素(CBr)、ブロモトリクロロメタン(CBrCl)、ジブロモジクロロメタン(CBrCl)、トリブロモフルオロメタン(CBrF)、フルオロヨードメタン(CHFI)、ジフルオロジヨードメタン(CF)、ジブロモジフルオロメタン(CBr)、トリフルオロヨードメタン(CFI)等が挙げられる。
【0036】
本組成物は有機化合物のほかに水を含んでもよい。本組成物の総質量に対して、水の含有量は200質量ppm以下でよく、150質量ppm以下が好ましく、100質量ppmがより好ましく、20質量ppmがさらに好ましい。
【0037】
<製造方法>
主成分であるHCFO-1224ydは、CFO-1214yaを、触媒存在下で、水素を用いて還元(水素還元反応)してHFO-1234yfを得る工程において、中間体として得られる。
原料であるCFO-1214yaは、例えば、HCFC-225caを原料とし、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒存在下、水酸化カリウム水溶液等のアルカリ水溶液で脱フッ化水素反応させる方法、又はクロム、鉄、銅、活性炭等の触媒存在下に気相反応で脱フッ化水素反応させる方法で製造できる。
前記水素還元反応で得られた反応液を、通常の蒸留法又は国際公開第2017/146190号に記載の抽出蒸留法を用いて蒸留することにより、未反応のCFO-1214ya及びHFO-1234yfと、HCFO-1224ydとを分離して、HCFO-1224ydを高濃度で含む精製組成物が得られる。この精製組成物は、前記水素還元反応で生成した副生物を含んでもよい。
【0038】
本組成物に含まれる化合物Aは、HCFO-1224ydを製造し、蒸留し精製して得られる精製組成物に含まれるものでもよく、別途添加してもよく、これらの組み合わせでもよい。
本組成物に含まれる有機化合物及びその含有量は、GC-MSシステムを用いて分析して同定できる。
【0039】
<用途>
本組成物は安定性が良好であり、ハイドロハロオレフィンの用途として公知の用途に使用できる。また本組成物は、金属と接触しても金属を腐食させ難く、金属と接触する用途に適用できる。
本組成物の用途の例として、作動流体、発泡剤、希釈溶媒、洗浄剤、噴射剤、消火剤、気体誘電体、エッチングガス、及び溶融金属カバーガスが挙げられる。本組成物の用途は1種でもよく、2種以上でもよい。
【0040】
本組成物を用いた作動媒体として、冷凍機用冷媒、空調機器用冷媒、発電システム(廃熱回収発電等)用作動媒体、潜熱輸送装置(ヒートパイプ等)用作動媒体、二次冷却媒体等の熱サイクル用の作動媒体が例示できる。
【0041】
本組成物を用いた発泡剤として、熱可塑性樹脂発泡体、熱硬化性樹脂発泡体の製造に用いる物理発泡剤が例示できる。
熱可塑性樹脂発泡体に含まれる熱可塑性樹脂の具体例として、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、および、ポリエーテルケトン樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂発泡体の具体例としては、ポリウレタン発泡体、ポリイソシアヌレート発泡体、および、フェノール樹脂発泡体が挙げられる。
ポリウレタン発泡体の具体例として、硬質ウレタン発泡体、軟質ウレタン発泡体、半硬質ウレタン発泡体、インテグラルスキンフォーム等が例示できる。
【0042】
本組成物を用いた希釈溶媒として、潤滑剤(シリコーン系潤滑剤、フッ素系潤滑剤等)、防錆剤(鉱物油、合成油等)、撥水処理を施すための防湿コート剤、防汚処理を施すための防汚コート剤(指紋除去付着防止剤)等の機能性成分を含む塗膜形成用組成物の溶媒、殺虫剤、防虫剤、防腐剤等の機能性成分等を希釈するための溶媒、化学プロセスのための希釈溶媒(抽出溶媒、重合溶媒)等が例示できる。希釈溶媒はエアゾールの形態等で使用することができる。
【0043】
本組成物を用いた洗浄剤として、脱脂洗浄、フラックス洗浄、精密洗浄、ドライクリーニングの洗浄剤、配管洗浄、ガラスクリーナー、冷凍空調機器の熱交換器クリーナー、油汚れ洗浄、フラックス洗浄、精密洗浄、ドライクリーニング等の疎水性物質を除去するための洗浄、衣類等の染み抜き洗浄用の洗浄剤等が例示できる。洗浄剤はエアゾールの形態等で使用することができる。
【0044】
本組成物を用いた洗浄剤の洗浄方法において、洗浄除去される汚れとしては、各種被洗浄物に付着した、カーボンや、フラックス、加工油、離型剤、皮脂、食品油、化粧料などの油脂や、これらを介して付着した塵埃等が挙げられる。加工油としては、切削油、焼き入れ油、圧延油、潤滑油、機械油、プレス加工油、打ち抜き油、引き抜き油、組立油、線引き油、ブレーキフルード等が挙げられる。化粧料としては、マニキュア、口紅等が挙げられる。各種被洗浄物には、上記した汚れの2種以上が付着していてもよい。本組成物は従来の溶剤組成物であるHFCやHFE等と比較してこれら油類への溶解性に優れることから、これら油類からなる汚れの洗浄に用いることが好ましい。
【0045】
本組成物を用いた洗浄剤が適用可能な物品の材料としては、金属、樹脂、ゴム、ガラス、セラミックス、天然繊維、合成繊維が挙げられる。また、物品としては、これらの2種以上の材料を有する複合材料からなる物品であってもよい。複合材料としては、金属と樹脂の積層体等が挙げられる。特に、本組成物は、HCFO-1224ydの影響を受けるSBR等のゴム材料や樹脂材料を含む物品に対しても使用できる。
【0046】
本組成物を用いた噴射剤は、機能性成分として昇圧剤および噴霧薬剤と混合してもよい。具体的に、昇圧剤としては圧縮ガス、噴霧薬剤としては殺虫剤、消臭剤、潤滑剤、防錆剤、静電防止剤、極圧剤、防曇剤、浸透剤、湿潤剤、塗料、洗浄剤、化粧量、外用薬、染料、防汚剤、撥水剤、撥油剤が例示できる。噴射剤はエアゾールの形態等で使用することができる。
【0047】
本組成物を用いた気体誘電体は、液化ガスや圧縮ガスと混合し、電気装置に用いてよい。電気装置の具体例としては、サーキットブレーカー、電流遮断設備、ガス絶縁送電線、ガス絶縁変圧器、ガス絶縁変電所、ガス絶縁開閉器、ガス絶縁断路器又はガス絶縁負荷開閉器が例示できる。
【0048】
本組成物を用いたエッチングガスの使用例として、半導体集積回路の回路パターンを形成する工程が例示できる。
【0049】
本組成物を用いた溶融金属カバーガスの使用例として、るつぼ内で溶融した金属の酸化や蒸発を防止するために、溶融金属を覆うガス(保護雰囲気)が例示できる。
【実施例0050】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
[安定性試験・金属耐食試験]
SS400製、Cu製、Al製の金属片(一辺の長さ20mm×30mm、厚さ2mm)を各1枚、合計3枚用意する。
容量200mLのステンレス製耐圧容器に前記金属片を3枚入れて密閉する。真空排気し、試験対象のハイドロハロオレフィン組成物60gを充填する。
次いで、密閉した耐圧容器を175℃の恒温槽内で14日間保存した後、室温になるまで静置する。
【0051】
吸収瓶4本にそれぞれ純水を100mL入れ、導管で直列に連結したものを準備する。
室温になった耐圧容器に、前記吸収瓶を連結したものをつなぎ、徐々に耐圧容器の弁を開放し、耐圧容器内の気体を吸収瓶の水中に導入し、前記気体に含まれる酸分を抽出する。
抽出後の吸収瓶内の水は、耐圧容器に近い側から1本目と2本目を合わせて指示薬(BTB:ブロモチモールブルー)を1滴加え、1/100NのNaOHアルカリ標準液を用いて滴定し、測定値とする。また、3本目および4本目の吸収瓶の水を合わせて同様に滴定し、測定ブランクとする。これら測定値と測定ブランクの値から、試験対象のハイドロハロオレフィン組成物に含まれる酸分をHCl換算濃度として求める。
求めた酸分(HCl換算濃度)の値に基づいて、下記の基準で安定性を評価する。
A(優良):酸分が2ppm未満。
B(良):酸分が2ppm以上10ppm未満。
【0052】
酸分の測定後、耐圧容器から3枚の金属片を取り出し、外観を目視で観察する。未使用の各金属片と外観を比較し、下記の基準で金属耐食性を評価する。
A(優良):3枚の金属片の全部が未使用品と同等の光沢を有し、錆が発生したものは無い。
B(良):光沢が失われた金属片が1枚以上あるが、錆が発生したものは無い。
【0053】
<例1~5>
HCFC-225caを原料とし、相間異動触媒存在下、金属水酸化物水溶液と混合し、脱フッ化水素反応してCFO-1214yaを得た。得られたCFO-1214yaを原料とし、気相で水素および窒素と、活性炭にパラジウムを担持させた触媒に接触させることで水素還元反応してHFO-1234yf及びHCFO-1224ydを含む反応液を得た。得られた反応液を蒸留して精製し、表2に示すハイドロハロオレフィン組成物を得た。
得られたハイドロハロオレフィン組成物の組成はGC-MSシステムを用いて分析した。結果を表2に示す。表2において「<0.001」は検出限界未満であることを意味する。
得られたハイドロハロオレフィン組成物を試験対象とし、上記の方法で安定性と金属耐食性を評価した。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】