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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099400
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】多回転検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/245 20060101AFI20220628BHJP
   G01D 5/04 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
G01D5/245 110R
G01D5/04 C
G01D5/245 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213140
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 千明
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA28
2F077AA43
2F077CC02
2F077CC07
2F077DD05
2F077FF14
2F077JJ01
2F077JJ05
2F077QQ15
2F077QQ17
2F077VV02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】多回転検出装置のさらなる小型軽量化およびコストダウンを実現する。
【解決手段】互いに同軸に設けられ歯数の異なる第1主動歯車41および第2主動歯車51と、互いに同軸に設けられ歯数の異なる第1従動歯車42および第2従動歯車52と、交流磁場(磁場)を発生する磁場発生コイル30と、支持軸22の軸方向において磁場発生コイル30が発生する交流磁場を部分的に遮蔽する第1半円板42dおよび第2半円板52dとを有し、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の遮蔽部分が、第1従動歯車42と第2従動歯車52との相対回転により変化され、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の遮蔽部分の変化に伴う誘導起電力の変化を検出するセンサ素子SEを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の1回転以上の回転を検出する多回転検出装置であって、
同軸に設けられ、かつ前記回転軸と一体に回転する、互いに歯数の異なる第1主動歯車および第2主動歯車と、
同軸に設けられ、かつ前記第1主動歯車および前記第2主動歯車にそれぞれ噛み合わされる、互いに歯数の異なる第1従動歯車および第2従動歯車と、
前記第1従動歯車および前記第2従動歯車を回転自在に支持する支軸を備えるベース部材に設けられ、磁場を発生する磁場発生コイルと、
前記第1従動歯車および前記第2従動歯車にそれぞれ設けられ、前記支軸の軸方向において前記磁場を部分的に遮蔽する第1金属部材および第2金属部材と、
を備え、
前記第1金属部材および前記第2金属部材による前記磁場の遮蔽部分が、前記第1従動歯車と前記第2従動歯車との相対回転により変化され、前記磁場の遮蔽部分の変化に伴う誘導起電力の変化を検出するセンサ素子を備えた、
多回転検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の多回転検出装置において、
前記第1主動歯車,前記第2主動歯車,前記第1従動歯車および前記第2従動歯車のモジュールが、それぞれ同じ値である、
多回転検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の多回転検出装置において、
前記第1主動歯車のピッチ円半径をD1とし、
前記第1従動歯車のピッチ円半径をD2とし、
前記第2主動歯車のピッチ円半径をD3とし、
前記第2従動歯車のピッチ円半径をD4とし、
前記第1主動歯車の歯数をZ1とし、
前記第2主動歯車の歯数をZ2としたときに、
D1+D2=D3+D4,D1/D2≠D3/D4およびZ1≠Z2の全ての式を満たす、
多回転検出装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか1項に記載の多回転検出装置において、
前記第1金属部材および前記第2金属部材がそれぞれ半円の金属板であって、半円の前記第1金属部材および前記第2金属部材の中心と、前記第1従動歯車および前記第2従動歯車の中心と、がそれぞれ一致している、
多回転検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸の1回転以上の回転を検出する多回転検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、横滑り防止装置(Electronic Stability Control)やステアリングを自動操舵する駐車支援システム等を精度良く作動させるために、操舵角センサが設けられている。操舵角センサは、ステアリングシャフトに設けられ、ステアリングホイールの回転角度を検出する。
【0003】
操舵角センサに用いられる回転角度検出装置(多回転検出装置)が、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1に記載された多回転検出装置には、ステアリングシャフト(回転軸)の軸方向に並べられた第1および第2の主動歯車部(主動歯車)が設けられている。また、ステアリングシャフトの径方向外側には、第1の主動歯車部に噛み合わされる第1の従動歯車および第2の主動歯車部に噛み合わされる第2の従動歯車が設けられている。
【0004】
そして、第1および第2の主動歯車部は、それぞれ同軸に設けられており、かつ互いに異なる歯数を有している。これに対し、第1および第2の従動歯車は、それぞれ異なる軸に設けられており、かつ互いに同一の歯数を有している。また、第1および第2の従動歯車には、それぞれ磁石が装着され、これらの磁石の対向部分には、第1および第2の磁気検出素子が設けられている。
【0005】
これにより、ステアリングシャフト(第1および第2の主動歯車部)の回転に伴い、第1および第2の従動歯車に回転数差が生じる。そして、コントローラは、第1および第2の従動歯車の回転数差の増加あるいは減少を検出することにより、ステアリングシャフトの1回転以上の回転、すなわち多回転を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006-234573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に記載された技術は、第1および第2の主動歯車部で共通の1つの軸と、第1および第2の従動歯車でそれぞれ個別の2つの軸とで、合計3つの軸を有していた。これに加えて、第1および第2の従動歯車に設けた磁石同士の磁力が互いに影響しないようにするために、それぞれの磁石を近接配置するのが難しかった。よって、主動歯車の径方向外側でかつ主動歯車の周方向において比較的大きなスペース、すなわち一対の従動歯車を設けるスペースが必要となっていた。
【0008】
また、第1および第2の従動歯車に設けたそれぞれの磁石に対応させて、第1および第2の磁気検出素子(合計2つ)が必要であり、製造コストの上昇を招くばかりか、第1および第2の磁気検出素子を実装する基板のさらなる小型化には限界があった。
【0009】
本発明の目的は、多回転検出装置のさらなる小型化を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様では、回転軸の1回転以上の回転を検出する多回転検出装置であって、同軸に設けられ、かつ前記回転軸と一体に回転する、互いに歯数の異なる第1主動歯車および第2主動歯車と、同軸に設けられ、かつ前記第1主動歯車および前記第2主動歯車にそれぞれ噛み合わされる、互いに歯数の異なる第1従動歯車および第2従動歯車と、前記第1従動歯車および前記第2従動歯車を回転自在に支持する支軸を備えるベース部材に設けられ、磁場を発生する磁場発生コイルと、前記第1従動歯車および前記第2従動歯車にそれぞれ設けられ、前記支軸の軸方向において前記磁場を部分的に遮蔽する第1金属部材および第2金属部材と、を備え、前記第1金属部材および前記第2金属部材による前記磁場の遮蔽部分が、前記第1従動歯車と前記第2従動歯車との相対回転により変化され、前記磁場の遮蔽部分の変化に伴う誘導起電力の変化を検出するセンサ素子を備える。
【0011】
本発明の他の態様では、前記第1主動歯車,前記第2主動歯車,前記第1従動歯車および前記第2従動歯車のモジュールが、それぞれ同じ値である。
【0012】
本発明の他の態様では、前記第1主動歯車のピッチ円半径をD1とし、前記第1従動歯車のピッチ円半径をD2とし、前記第2主動歯車のピッチ円半径をD3とし、前記第2従動歯車のピッチ円半径をD4とし、前記第1主動歯車の歯数をZ1とし、前記第2主動歯車の歯数をZ2としたときに、D1+D2=D3+D4,D1/D2≠D3/D4およびZ1≠Z2の全ての式を満たす。
【0013】
本発明の他の態様では、前記第1金属部材および前記第2金属部材がそれぞれ半円の金属板であって、半円の前記第1金属部材および前記第2金属部材の中心と、前記第1従動歯車および前記第2従動歯車の中心と、がそれぞれ一致している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、多回転検出装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る多回転検出装置の概要を示す図である。
図2図1のA-A線に沿う断面図である。
図3】ベース部材の磁場発生コイルを示す図である。
図4】第1歯車セットを示す図である。
図5】第2歯車セットを示す図である。
図6】第1歯車セットおよび第2歯車セットを構成する4つの歯車の歯数の例を示す表である。
図7】(a),(b),(c)は、磁場発生コイルの扇形露出部の内角の変化を説明する図である。
図8】回転軸の回転角度の変化(横軸)に対する扇形露出部の内角の変化(縦軸)を説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明に係る多回転検出装置の概要を示す図を、図2図1のA-A線に沿う断面図を、図3はベース部材の磁場発生コイルを示す図を、図4は第1歯車セットを示す図を、図5は第2歯車セットを示す図を、図6は第1歯車セットおよび第2歯車セットを構成する4つの歯車の歯数の例を示す表を、図7(a),(b),(c)は磁場発生コイルの扇形露出部の内角の変化を説明する図を、図8は回転軸の回転角度の変化(横軸)に対する扇形露出部の内角の変化(縦軸)を説明するグラフをそれぞれ示している。
【0018】
図1および図2に示される多回転検出装置10は、回転軸11の1回転以上の回転(多回転)を検出するものである。この多回転検出装置10を、例えば、自動車等の車両の操舵角センサに適用する場合には、回転軸11にステアリングシャフト(図示せず)を連動させるように設けるか、回転軸11をステアリングシャフトに置き換えれば良い。
【0019】
多回転検出装置10は、略長方形形状に形成されたベース部材20を備えている。ベース部材20は、互いに対向配置された第1長辺部21aおよび第2長辺部21bと、互いに対向配置された第1短辺部21cおよび第2短辺部21dと、を有している。また、ベース部材20は、プラスチック等の樹脂材料(絶縁材料)によって、比較的厚みが厚い板状に形成されている。なお、多回転検出装置10は、図示しないハウジング(ケース)の内部に収容されており、これにより多回転検出装置10は、埃や雨水等から保護されている。
【0020】
ベース部材20の表面には第1面SF1が設けられ、ベース部材20の裏面には第2面SF2が設けられている。第1面SF1には、複数のピンを備えた1つのセンサ素子SEと、複数(図示では3つ)のチップコンデンサ等の電子部品EPと、センサ素子SEからの交流電流の供給により交流磁場(磁場)を発生する1つの磁場発生コイル30と、が設けられている。すなわち、ベース部材20は、比較的厚みが厚くされて剛性が高められたプリント基板となっている。なお、センサ素子SEは、コネクタまたはケーブル(詳細図示せず)を介して、コントローラCTに電気的に接続される。コントローラCTは、センサ素子SEを作動させるための給電を行うとともに、検出信号が入力される。このコントローラCTとして、例えば車載用ECU(Electronic Control Unit)が挙げられる。
【0021】
ベース部材20の略中央の部分には、第1面SF1と第2面SF2との間を連通する第1連通孔21が設けられている。第1連通孔21には、丸鋼棒からなる支持軸(支軸)22の軸方向基端側が固定されている。そして、支持軸22の軸方向先端側は、第1面SF1から第2面SF2側とは反対側(図2の上側)に真っ直ぐに延在されている。つまり、支持軸22の軸心C1は、ベース部材20の第1面SF1および第2面SF2に対して垂直方向に延びている。なお、ベース部材20(プリント基板)は、高い剛性を有するような厚みで形成されていることが好ましい。これにより、支持軸22は、ベース部材20に対してがたついたり傾斜したりすることがない。
【0022】
また、ベース部材20の長手方向において、第1連通孔21と第1短辺部21cとの間には、第2連通孔23が設けられている。第2連通孔23においても、第1面SF1と第2面SF2との間を連通しており、第2連通孔23には、丸鋼棒からなる回転軸11が回転自在に設けられている。ここで、第2連通孔23には、回転軸11の回転をスムーズにする筒状の第1滑り軸受24が装着されている。回転軸11は支持軸22に対して平行となっており、回転軸11の軸心C2においても、ベース部材20の第1面SF1および第2面SF2に対して垂直方向に延びている。
【0023】
ベース部材20の第1面SF1に設けられた磁場発生コイル30は、図3に示されるような形状に形成されている。また、磁場発生コイル30は、導電性に優れた黄銅等から形成されている。磁場発生コイル30は、第1連通孔21を中心に、大径および小径の環状に形成された励磁コイル31(黒色部分)を備えている。また、磁場発生コイル30は、大径および小径の環状に形成された励磁コイル31で挟まれた領域に設けられ、かつ略8の字形状に形成された第1検知コイル32(濃墨色部分)と、第1連通孔21を中心に第1検知コイル32に対して位相が90°ずらされ、かつ略8の字形状に形成された第2検知コイル33(薄墨色部分)と、を有している。
【0024】
そして、励磁コイル31は、センサ素子SEの出力端子である一対の送信ピンTxに電気的に接続されている。また、第1検知コイル32は、センサ素子SEの第1入力端子である一対の受信ピンRx(sin)に電気的に接続されている。さらに、第2検知コイル33は、センサ素子SEの第2入力端子である一対の受信ピンRx(cos)に電気的に接続されている。ここで、励磁コイル31には、センサ素子SEから交流電流が供給(給電)される。これにより、励磁コイル31の内側の第1検知コイル32および第2検知コイル33が設けられた部分に、交流磁場が発生する。なお、励磁コイル31への交流電流の供給は、外部電源(例えば、コントローラCT)から行うようにしてもよい。
【0025】
また、磁場発生コイル30の上方側(図3の手前側)には、金属製(例えば、CuやAl)の第1半円板42dおよび金属製(例えば、CuやAl)の第2半円板52d(図4図5および図7参照)が設けられている。具体的には、第1半円板42dおよび第2半円板52dは、磁場発生コイル30を、支持軸22(図2参照)の軸方向から部分的に覆いつつ回転自在となっている。そして、これらの第1半円板42dおよび第2半円板52dによる交流磁場の遮蔽具合に応じて誘導起電力の大きさが変化する。センサ素子SEは、この誘導起電力の大きさに応じた検出信号、つまり回転軸11の回転情報(回転角度)を、コネクタまたはケーブル(図示なし)を介して、コントローラCTに出力する。
【0026】
なお、ここでは、センサ素子SEは、回転軸11の回転情報(回転角度)をコントローラCTに出力するようにしたが、検出された誘導起電力の大きさを出力し、コントローラCTが、この誘導起電力の大きさに基づいて回転軸11の回転情報(回転角度)を算出するように構成してもよい。
【0027】
図2図4および図5示されるように、ベース部材20の第1面SF1上には、第1歯車セット40および第2歯車セット50が回転自在に設けられている。これらの第1歯車セット40および第2歯車セット50は、回転軸11および支持軸22の軸方向に重ねるようにして設けられ、第1歯車セット40がベース部材20寄りの部分に配置され、第2歯車セット50が第1歯車セット40のベース部材20側とは反対側の部分に配置されている。
【0028】
図2および図4に示されるように、第1歯車セット40は、歯部41aを有する第1主動歯車41および歯部42aを有する第1従動歯車42を備えている。これらの第1主動歯車41および第1従動歯車42は、いずれもプラスチック等の樹脂材料(絶縁材料)からなり、互いに噛み合わされた平歯車となっている。そして、第1主動歯車41の方が第1従動歯車42よりも大径となっている。具体的には、第1主動歯車41のピッチ円半径D1の方が、第1従動歯車42のピッチ円半径D2よりも大きくなっている(D1>D2)。
【0029】
なお、それぞれの歯部41a,42aのモジュールm(歯の形状および大きさ)はそれぞれ同一となっている。また、本実施の形態では、図6に示されるように、第1主動歯車41の歯部41aの歯数Z1は「47」に設定され、第1従動歯車42の歯部42aの歯数z1は「28」に設定されている。
【0030】
第1主動歯車41の回転中心には軸孔41bが設けられており、この軸孔41bは、回転軸11の軸方向中央部に設けられた第1固定部11aに固定されている。すなわち、第1主動歯車41は、回転軸11と一体に回転するようになっている。ここで、第1主動歯車41とベース部材20との間には、環状の第1スペーサSP1が設けられている。これにより、第1主動歯車41および回転軸11は、ベース部材20に対してスムーズに回転可能となっている。
【0031】
また、第1従動歯車42の回転中心には軸孔42bが設けられており、この軸孔42bは、筒状の滑り軸受42cを介して、支持軸22の軸方向中央部に設けられた第1支持部22aに回転自在に支持されている。ここで、第1従動歯車42とベース部材20との間には、環状の第2スペーサSP2が設けられている。これにより、第1従動歯車42は、支持軸22およびベース部材20の双方に対してスムーズに回転可能となっている。
【0032】
なお、磁場発生コイル30は、第1従動歯車42とベース部材20との間に配置されている(図2および図3参照)。つまり、磁場発生コイル30は、第1従動歯車42と同軸に設けられている。また、第1主動歯車41および第1従動歯車42の軸方向における厚み寸法は、いずれも略同じ厚み寸法に設定されている。これにより、第1主動歯車41と第1従動歯車42との十分な噛み合い剛性が確保されている。
【0033】
さらに、第1従動歯車42には、半円の金属板からなる第1半円板42dが設けられている。具体的には、第1半円板42dは、図4のクロスハッチングの部分に示されるように略C字形状に形成され、第1従動歯車42の軸方向一側面(図2中上側の面)に形成された装着凹部42eに装着されている。ここで、第1半円板42dの中心と第1従動歯車42の中心とは、それぞれ軸心C1で一致されている。また、第1半円板42dは、装着凹部42eに対して接着剤等により強固に固定されている。
【0034】
そして、第1半円板42dは、支持軸22の軸方向において磁場発生コイル30の上方(図2中上側)に設けられ、磁場発生コイル30が発生する交流磁場を、支持軸22の軸方向から部分的に遮蔽(半分を遮蔽)するようになっている。ここで、第1半円板42dは、本発明における第1金属部材を構成している。なお、第1半円板42dは、第1従動歯車42の軸方向他側面(図2中下側の面)に装着しても良いし、第1従動歯車42にインサート成形により埋設しても良い。
【0035】
図2および図5に示されるように、第2歯車セット50は、歯部51aを有する第2主動歯車51および歯部52aを有する第2従動歯車52を備えている。これらの第2主動歯車51および第2従動歯車52は、いずれもプラスチック等の樹脂材料(絶縁材料)からなり、互いに噛み合わされた平歯車となっている。そして、第2主動歯車51の方が第2従動歯車52よりも大径となっている。具体的には、第2主動歯車51のピッチ円半径D3の方が、第2従動歯車52のピッチ円半径D4よりも大きくなっている(D3>D4)。
【0036】
ここで、第1歯車セット40を形成する第1主動歯車41のピッチ円半径D1および第1従動歯車42のピッチ円半径D2と比較すると、「D1>D3>D4>D2」となる。また、歯部51a,52aのモジュールmは、歯部41a,42aのモジュールmと同じ値(同一)となっている。つまり、全ての歯部41a,42a,51a,52aが、同一のモジュールmとなっている。さらに、本実施の形態では、図6に示されるように、第2主動歯車51の歯部51aの歯数Z2は「46」に設定され、第2従動歯車52の歯部52aの歯数z2は「29」に設定されている。
【0037】
第2主動歯車51の回転中心には軸孔51bが設けられており、この軸孔51bは、回転軸11の軸方向先端側に設けられた第2固定部11bに固定されている。すなわち、第2主動歯車51は、回転軸11および第1主動歯車41と一体に回転される。ここで、第2主動歯車51と第1主動歯車41との間には、環状の第3スペーサSP3が設けられている。これにより、第1歯車セット40と第2歯車セット50との間に所定の隙間が形成されて、互いに干渉することが防止される。
【0038】
また、第2従動歯車52の回転中心には軸孔52bが設けられており、この軸孔52bは、筒状の滑り軸受52cを介して、支持軸22の軸方向先端側に設けられた第2支持部22bに回転自在に支持されている。ここで、第2従動歯車52と第1従動歯車42との間には、環状の第4スペーサSP4が設けられている。これによっても、第1歯車セット40および第2歯車セット50が、互いに干渉させないようにしている。
【0039】
なお、第2従動歯車52とベース部材20との間には、第1従動歯車42および磁場発生コイル30が配置されている。すなわち、磁場発生コイル30は、第1従動歯車42および第2従動歯車52の双方に対して同軸に設けられている。また、第2主動歯車51および第2従動歯車52の軸方向における厚み寸法は、いずれも第1主動歯車41および第1従動歯車42の軸方向における厚み寸法と略同じ厚み寸法に設定されている。これにより、第2主動歯車51および第2従動歯車52においても、十分な噛み合い剛性が確保されている。
【0040】
さらに、第2従動歯車52には、半円の金属板からなる第2半円板52dが設けられている。具体的には、第2半円板52dは、図4のクロスハッチングの部分に示されるように略C字形状に形成され、第1半円板42dよりも大きくなっている。そして、第2半円板52dは、第2従動歯車52の軸方向一側面(図2中上側の面)に形成された装着凹部52eに装着されている。ここで、第2半円板52dの中心と第2従動歯車52の中心とは、それぞれ軸心C1で一致されている。また、第2半円板52dは、装着凹部52eに対して接着剤等により強固に固定されている。
【0041】
そして、第2半円板52dは、第1半円板42dと共に、支持軸22の軸方向において磁場発生コイル30の上方(図2中上側)に設けられ、磁場発生コイル30が発生する交流磁場を、支持軸22の軸方向から部分的に遮蔽(半分を遮蔽)するようになっている。ここで、第1従動歯車42と第2従動歯車52との相対回転に伴い、第1半円板42dによる交流磁場の遮蔽部分と、第2半円板52dによる交流磁場の遮蔽部分とは、それぞれ個別に変化するようになっている。
【0042】
なお、第2半円板52dは、本発明における第2金属部材を構成している。また、第2半円板52dは、第2従動歯車52の軸方向他側面(図2中下側の面)に装着しても良いし、第2従動歯車52にインサート成形により埋設しても良い。
【0043】
次に、第1主動歯車41および第1従動歯車42(第1歯車セット40)と、第2主動歯車51および第2従動歯車52(第2歯車セット50)の仕様について詳細に説明する。
【0044】
本実施の形態の多回転検出装置10では、第1主動歯車41,第1従動歯車42,第2主動歯車51および第2従動歯車52の合計4つの歯車が、2つの軸(回転軸11および支持軸22)に2つずつ支持されている。具体的には、第1主動歯車41および第2主動歯車51が回転軸11に同軸に設けられ、第1従動歯車42および第2従動歯車52が支持軸22に同軸に設けられている。
【0045】
したがって、本実施の形態の多回転検出装置10では、第1主動歯車41のピッチ円半径をD1とし、第1従動歯車42のピッチ円半径をD2とし、第2主動歯車51のピッチ円半径をD3とし、第2従動歯車52のピッチ円半径をD4としたときに、第1歯車セット40および第2歯車セット50で、それぞれ中心間距離(軸心C1と軸心C2との間の距離)が同じであることを示す「D1+D2=D3+D4…(1)」の式を満たしている。
【0046】
また、これらのピッチ円半径D1,D2,D3,D4の大小関係は、上述のように「D1>D3>D4>D2」となっている。したがって、本実施の形態の多回転検出装置10では、第1歯車セット40および第2歯車セット50で、それぞれ歯数比が同一ではないことを示す「D1/D2≠D3/D4…(2)」の式を満たしている。
【0047】
さらには、第1主動歯車41および第2主動歯車51の回転(回転軸11の回転)に伴って、第1従動歯車42および第2従動歯車52に所定の回転角度差(回転回数差)を生じさせるために、本実施の形態の多回転検出装置10では、第1主動歯車41の歯数Z1および第2主動歯車51の歯数Z2が、互いに異なることを示す「Z1≠Z2…(3)」の式を満たしている。
【0048】
これらの(1)ないし(3)の3つの式を全て満たすことにより、回転軸11に固定された第1主動歯車41および第2主動歯車51の回転に伴い、支持軸22に回転自在に設けられた第1従動歯車42(歯数z1)および第2従動歯車52(歯数z2)を、それぞれ独立して(個別に)異なる回転角度で回転させる(相対回転させる)ことが可能となっている。
【0049】
なお、図6に示されるように、第1歯車セット40では、「Z1=47」および「z1=28」とすることで、回転軸11(第1主動歯車41)が1回転したときの第1従動歯車42の回転回数が「1.68回」となっている。これに対し、第2歯車セット50では、「Z2=46」および「z2=29」とすることで、回転軸11(第2主動歯車51)が1回転したときの第2従動歯車52の回転回数が「1.59回」となっている。
【0050】
これにより、回転軸11の回転(回転回数)が増加するにしたがって、図7(a),(b),(c)に示されるように、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の第1半円板42dおよび第2半円板52dにより遮蔽される部分(遮蔽部分)の大きさが徐々に変化していく。言い換えれば、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の第1半円板42dおよび第2半円板52dにより遮蔽されない略扇形状に形成された扇形コイル露出部FEの大きさ(内角)が徐々に変化していく。
【0051】
なお、第1主動歯車41,第1従動歯車42,第2主動歯車51および第2従動歯車52のそれぞれのモジュールmと、歯数Z1,z1,Z2,z2と、ピッチ円半径D1,D2,D3,D4との関係式は、それぞれ歯車毎に「m×Z1=2×D1」,「m×z1=2×D2」,「m×Z2=2×D3」,「m×z2=2×D4」となる。ここで、本実施の形態の多回転検出装置10においては、例えば、「D1+D2=D3+D4」が「37.5mm」に設定され、さらにはモジュールmが「1」に設定されている。
【0052】
したがって、第1歯車セット40においては、「D1+D2=1/2×m×(Z1+z1)=37.5」が得られ、これを整理すると、「Z1+z1=75」となる。また、同様に、第2歯車セット50においては、「D3+D4=1/2×m×(Z2+z2)=37.5」が得られ、これを整理すると、「Z2+z2=75」となる。
【0053】
このように、本実施の形態の多回転検出装置10では、第1歯車セット40および第2歯車セット50のそれぞれにおいて、主動歯車の歯数(Z1,Z2)と従動歯車の歯数(z1,z2)との和が「75」となるように設定されている。ただし、「Z1≠Z2」となるようにする。
【0054】
これに基づいて、本実施の形態の多回転検出装置10では、図6に示されるように、「Z1=47,z1=28」および「Z2=46,z2=29」としている。よって、回転軸11の回転が増加するに連れて、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の第1半円板42dおよび第2半円板52dにより遮蔽されない扇形コイル露出部FEの大きさ(内角)が変化される。
【0055】
図7(a)に示されるように、回転軸11の回転角度が0°であり、回転軸11が基準位置にある場合には、第1半円板42dおよび第2半円板52dは、それぞれ支持軸22の軸方向において互いに重なる部分が無い状態となっている。つまり、第1半円板42dおよび第2半円板52dは、磁場発生コイル30の全ての部分(図中破線参照)を、支持軸22の軸方向から覆った状態となっている。
【0056】
よって、励磁コイル31の内側の部分(第1検知コイル32および第2検知コイル33が設けられた部分)に発生した交流磁場は、支持軸22の周方向に沿う360°全ての部分において、第1半円板42dおよび第2半円板52dにより遮蔽された状態、つまり扇形コイル露出部FEが無い状態となっている。これにより、誘導起電力の大きさは「0」となる。センサ素子SEは、誘導起電力が「0」であることを検出し、回転軸11が基準位置にあることを示す検出信号(ゼロ信号)をコントローラCTに出力する。よって、コントローラCT(例えば、車載用ECU)は、回転軸11が基準位置にあることを検出する。ここで、回転軸11の基準位置(回転角度0°)は、図8のポイントP1の部分となっている。
【0057】
そして、図2の実線矢印に示されるように、回転軸11がCCW方向(反時計回り方向)に回転されると、第1主動歯車41および第2主動歯車51もCCW方向に回転される。これにより、第1従動歯車42および第2従動歯車52は、図2の破線矢印に示されるようにそれぞれ独立してCW方向(時計回り方向)に回転される。つまり、第1従動歯車42および第2従動歯車52は互いに相対回転される。なお、回転軸11のCCW方向への回転に伴い、図8のポイントP2の部分において、第1従動歯車42および第2従動歯車52はいずれもCW方向に略1回転することになる。
【0058】
また、図7(b)に示されるように、回転軸11がCCW方向に回転して、その回転角度が、例えば500°(回転回数1.39回)になった場合には、第1従動歯車42と第2従動歯車52との相対回転により、扇形コイル露出部FEの内角(大きさ)が42°となる。つまり、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の約12%の部分が、第1半円板42dおよび第2半円板52dにより遮蔽されずに支持軸22の軸方向に露出される。なお、このときの第1従動歯車42の回転回数は、「1.39×1.68=2.34回」となる(図8のポイントP3参照)。これに対し、第2従動歯車52の回転回数は、「1.39×1.59=2.21回」となる(図8のポイントP4参照)。
【0059】
これにより、誘導起電力の大きさは「小さい値」となる。センサ素子SEは、この誘導起電力の大きさを検出し、回転軸11の回転情報(回転角度)を示す検出信号(Low信号)をコントローラCTに出力する。よって、コントローラCTは、回転軸11が基準位置から少しだけ回転されたこと(回転角度500°/回転回数1.39回)を検出する。
【0060】
さらに、図7(c)に示されるように、回転軸11がCCW方向に回転して、その回転角度が、例えば1948°(回転回数5.41回)になった場合には、第1従動歯車42および第2従動歯車52の相対回転により、扇形コイル露出部FEの内角(大きさ)が180°となる(図8のポイントP5参照)。つまり、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の50%(半分)の部分が、第1半円板42dおよび第2半円板52dにより遮蔽されずに支持軸22の軸方向に露出される。なお、このときの第1従動歯車42の回転回数は、「5.41×1.68=9.09回」となる(図8のポイントP5参照)。これに対し、第2従動歯車52の回転回数は、「5.41×1.59=8.60回」となる(図8のポイントP5参照)。
【0061】
これにより、誘導起電力の大きさは「大きい値」となる。センサ素子SEは、この誘導起電力の大きさを検出し、回転軸11の回転情報(回転角度)を示す検出信号(High信号)をコントローラCTに出力する。よって、コントローラCTは、回転軸11が多回転されたこと(回転角度1948°/回転回数5.41回)を検出する。
【0062】
このように、回転軸11が基準位置にある状態(回転角度0°の状態)から、その回転回数が5.41回となる間に、扇形コイル露出部FEの内角の大きさが0°から180°へと徐々に大きくなっていく。よって、磁場発生コイル30を形成する第1検知コイル32および第2検知コイル33からの誘導起電力が、徐々に大きく変化していき、この誘導起電力の変化をセンサ素子SEが検出し、これを検出信号(回転軸11の回転情報)としてコントローラCTに出力する。これにより、コントローラCTは、回転軸11の1回転以上の回転(回転角度および回転回数)を検出することができる。
【0063】
なお、上述の説明では、図7および図8に基づいて、回転軸11がCCW方向(プラス方向)に回転するものを例に挙げて説明したが、回転軸11がCW方向(マイナス方向)に回転するものにも、上述と同様に考えることができる。すなわち、回転軸11がCW方向に回転するものでは、回転軸11の回転角度が0°の部分(図8のポイントP1)を基準に、図8の括弧内に記載した(-500°)→(-1000°)→(-1500°)→(-1948°)を辿って参照すれば良い。そして、回転軸11がCW方向に回転するものにおいても、図7(a)ないし図7(c)に示されるのと同様に、扇形コイル露出部FEの内角の大きさ(0°~-180°)が変化する。
【0064】
以上詳述したように、本実施の形態によれば、互いに同軸に設けられ歯数の異なる第1主動歯車41および第2主動歯車51と、互いに同軸に設けられ歯数の異なる第1従動歯車42および第2従動歯車52と、交流磁場(磁場)を発生する磁場発生コイル30と、支持軸22の軸方向において磁場発生コイル30が発生する交流磁場を部分的に遮蔽する第1半円板42dおよび第2半円板52dとを有し、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の遮蔽部分が、第1従動歯車42と第2従動歯車52との相対回転により変化され、センサ素子SEが、磁場発生コイル30が発生する交流磁場の遮蔽部分の変化に伴う誘導起電力の変化を検出する。
【0065】
これにより、主動歯車用の1つの回転軸11と従動歯車用の1つの支持軸22との合計2つの軸のみで、第1従動歯車42および第2従動歯車52を相対回転させることができる。また、支持軸22の軸方向において、第1従動歯車42の第1半円板42dおよび第2従動歯車52の第2半円板52dが、それぞれ磁場発生コイル30が発生する交流磁場を部分的に遮蔽するため、1つの磁場発生コイル30を設けるだけで済む。よって、装置の小型化、軽量化およびコストダウンを図ることができる。
【0066】
また、本実施の形態によれば、第1主動歯車41,第2主動歯車51,第1従動歯車42および第2従動歯車52のモジュールmが、それぞれ同じ値(=1)であるので、それぞれの歯車を容易に設計することができ、かつそれぞれの歯車の噛み合い特性を同じにできる。よって、多回転検出装置10を、スムーズに作動させることが可能となる。
【0067】
さらに、本実施の形態によれば、第1主動歯車のピッチ円半径をD1とし、第1従動歯車のピッチ円半径をD2とし、第2主動歯車のピッチ円半径をD3とし、第2従動歯車のピッチ円半径をD4とし、第1主動歯車の歯数をZ1とし、第2主動歯車の歯数をZ2としたときに、D1+D2=D3+D4,D1/D2≠D3/D4およびZ1≠Z2の全ての式を満たす。
【0068】
これにより、回転軸11に固定された第1主動歯車41および第2主動歯車51の回転に伴い、支持軸22に回転自在に設けられた第1従動歯車42および第2従動歯車52を、それぞれ独立して(個別に)異なる回転角度で回転させる(相対回転させる)ことができる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、第1半円板42dおよび第2半円板52dがそれぞれ半円の金属板であって、第1半円板42dおよび第2半円板52dの中心と、第1従動歯車42および第2従動歯車52の中心と、がそれぞれ軸心C1で一致しているので、回転軸11の回転に伴う扇形コイル露出部FEの内角を、精度良くリニアに変化させることができる。
【0070】
これにより、センサ素子SEは、誘導起電力の変化を精度良くリニアに検出することが可能となる。よって、コントローラCTは、このセンサ素子SEからの検出信号(回転軸11の回転情報)に基づいて、回転軸11の1回転以上の回転(多回転)を容易に検出することができる。
【0071】
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態では、第1主動歯車41,第1従動歯車42,第2主動歯車51および第2従動歯車52の合計4つの歯車のモジュールmを「1」にするとともに、歯数を図6に示される値に特定したものを示したが、本発明はこれに限らない。要するに、D1+D2=D3+D4,D1/D2≠D3/D4およびZ1≠Z2の3つの式を満たすのであれば、モジュールmの値や歯数は任意に設定することができる。
【0072】
また、上記実施の形態では、本発明における第1金属部材および第2金属部材を、第1半円板42dおよび第2半円板52dとしたものを示したが、本発明はこれに限らず、扇形コイル露出部FE(図7参照)の内角を、回転軸11の回転に応じてリニアに変化させることができれば良い。したがって、例えば、中心角が180°よりも小さい扇形形状や、中心角が180°よりも大きい扇形形状を採用することもできる。
【0073】
その他、上記実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上記実施の形態に限定されない。
【符号の説明】
【0074】
10 多回転検出装置
11 回転軸
11a 第1固定部
11b 第2固定部
20 ベース部材
21 第1連通孔
21a 第1長辺部
21b 第2長辺部
21c 第1短辺部
21d 第2短辺部
22 支持軸(支軸)
22a 第1支持部
22b 第2支持部
23 第2連通孔
24 第1滑り軸受
30 磁場発生コイル
31 励磁コイル
32 第1検知コイル
33 第2検知コイル
40 第1歯車セット
41 第1主動歯車
41a 歯部
41b 軸孔
42 第1従動歯車
42a 歯部
42b 軸孔
42c 第2滑り軸受
42d 第1半円板(第1金属部材,半円の金属板)
42e 装着凹部
50 第2歯車セット
51 第2主動歯車
51a 歯部
51b 軸孔
52 第2従動歯車
52a 歯部
52b 軸孔
52c 軸受
52d 第2半円板(第2金属部材,半円の金属板)
52e 装着凹部
C1,C2 軸心
CT コントローラ
D1~D4 歯車のピッチ円半径
EP 電子部品
FE 扇形コイル露出部
m モジュール
P1~P6 ポイント
Rx(cos),Rx(sin) 受信ピン
SE センサ素子
SF1 第1面
SF2 第2面
SP1 第1スペーサ
SP2 第2スペーサ
SP3 第3スペーサ
SP4 第4スペーサ
Tx 送信ピン
z1,z2 従動歯車の歯数
Z1,Z2 主動歯車の歯数
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8