(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022099643
(43)【公開日】2022-07-05
(54)【発明の名称】硬質表面用液体洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 3/04 20060101AFI20220628BHJP
C11D 1/68 20060101ALI20220628BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20220628BHJP
C11D 17/08 20060101ALI20220628BHJP
【FI】
C11D3/04
C11D1/68
C11D3/43
C11D17/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020213529
(22)【出願日】2020-12-23
(71)【出願人】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(71)【出願人】
【識別番号】593085808
【氏名又は名称】ADEKAクリーンエイド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100123009
【弁理士】
【氏名又は名称】栗田 由貴子
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 祐樹
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AC03
4H003BA12
4H003DA05
4H003DA06
4H003DA08
4H003DA09
4H003DA11
4H003DA12
4H003DA16
4H003DA17
4H003DB02
4H003EA21
4H003EB04
4H003EB05
4H003EB06
4H003EB16
4H003EB41
4H003ED02
4H003ED28
4H003ED29
4H003FA04
4H003FA06
4H003FA16
4H003FA20
4H003FA28
(57)【要約】
【課題】優れた洗浄性及び貯蔵安定性を発揮する硬質表面用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の硬質表面用洗浄剤組成物は、(A)成分としてアルカリ剤、(B)成分としてグルコシド系界面活性剤、(C)成分として溶剤、及び(D)成分として水を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分としてアルカリ剤、
(B)成分としてグルコシド系界面活性剤、
(C)成分として溶剤、
(D)成分として水、
を含有することを特徴とする硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項2】
(A)成分が、アルカリ金属水酸化物である請求項1に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項3】
(B)成分が、炭素数4以上、14以下のアルキル基を有するアルキルポリグルコシドを少なくとも含有する請求項1又は2の何れか一項に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項4】
(C)成分が、グリコールエーテル系溶剤、グリコール系溶剤より選ばれた少なくとも1種である請求項1~3の何れか一項に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項5】
更に(E)成分としてキレート剤を含有する請求項1~4の何れか一項に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【請求項6】
前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHが9以上、14以下である請求項1~5の何れか一項に記載の硬質表面用液体洗浄剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頑固な油汚れに対する高い洗浄力を持ち、貯蔵安定性にも優れた硬質表面用液体洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭における台所の換気扇やガスレンジ、風呂釜、トイレ、食器類、あるいは車両、建築物等は、金属、プラスチック、ガラス、陶磁器、コンクリート等の硬質素材によってできている。これらの硬質表面には、風雨、食物類、排出物、油類、排気ガス等によって様々な汚れが付着するが、特に調理現場においては焼き付けや長期使用により強固な油汚れが付着している。
【0003】
強固な油汚れに対する従来の洗浄剤としては、アルカリ金属水酸化物、グリコールエーテル系溶剤、界面活性剤を含有する洗浄剤組成物(引用文献1)や、モノアルキルグリセリルエーテル、グリコールエーテル系溶剤、アミン類、多価カルボン酸及び/又はその塩、界面活性剤を含有する硬表面用洗浄剤組成物(引用文献2)等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-311487号公報
【特許文献2】特開2008-045108号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ガスレンジやオーブンといった調理設備の洗浄は、当該調理設備である被洗浄物が高温のまま洗浄を行う場合があり、常温での洗浄と比べて洗浄液が揮発しやすく、泡の張り付きも悪くなり洗浄力が不十分となる場合がある。そのため、このような不具合なく、ガスレンジやオーブンといった調理設備が高温のままでも当該調理設備の油汚れなどを除去することが可能な洗浄剤の提供が求められている。
【0006】
しかしながら特許文献1、2に記載の組成物は、何れも被洗浄物が高温の場合には、洗浄性が充分とはならなかった。
【0007】
本発明は上記課題を鑑みなされたものである。即ち、本発明は、被洗浄物が常温、高温の何れの場合おいても優れた洗浄性を示し、かつ貯蔵安定性にも優れた硬質表面用液体洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討した結果、(A)成分としてアルカリ剤、(B)成分としてグルコシド系界面活性剤、(C)成分として溶剤、(D)成分として水を含有した組成物が、優れた洗浄性、貯蔵安定性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、
(1)(A)成分としてアルカリ剤、(B)成分としてグルコシド系界面活性剤、(C)成分として溶剤、(D)成分として水、を含有することを特徴とする硬質表面用液体洗浄剤組成物、
(2)(A)成分が、アルカリ金属水酸化物である上記(1)の硬質表面用液体洗浄剤組成物、
(3)(B)成分が、炭素数4以上、14以下のアルキル基を有するアルキルポリグルコシドを少なくとも含有する上記(1)又は(2)の硬質表面用液体洗浄剤組成物、
(4)(C)成分が、グリコールエーテル系溶剤、グリコール系溶剤より選ばれた少なくとも1種である上記(1)から(3)の何れかの硬質表面用液体洗浄剤組成物、
(5)更に(E)成分としてキレート剤を含有する上記(1)から(4)の何れかの硬質表面用液体洗浄剤組成物。
(6)前記硬質表面用液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHが9以上、14以下である上記(1)から(5)の何れかの硬質表面用液体洗浄剤組成物、
を要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、被洗浄物が常温、高温の何れの場合おいても優れた洗浄性を示し、かつ貯蔵安定性にも優れる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物(以下、本発明の組成物ともいう)に用いられる(A)成分であるアルカリ剤としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属珪酸塩、アルカノールアミン等が挙げられる。(A)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0012】
アルカリ金属水酸化物の例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等から選択される何れか1種以上が挙げられる。
アルカリ土類金属水酸化物の例としては、水酸化カルシウム、及び水酸化マグネシウム等から選択される何れか1種以上が挙げられる。
アルカリ金属炭酸塩の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、及び炭酸水素カリウム等から選択される何れか1種以上が挙げられる。
アルカリ金属珪酸塩の例としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等から選択される何れか1種以上が挙げられる。珪酸ナトリウムとしては、具体的には、オルト珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウム、3号珪酸ナトリウム、4号珪酸ナトリウム等から選択される何れか1種以上が挙げられる。珪酸カリウムとしては、1号珪酸カリウム、及び2号珪酸カリウム等から選択される何れか1種以上が挙げられる。アルカノールアミンの例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-メチルエタノールアミン、及びN-メチルジエタノールアミン等から選択される何れか1種以上が挙げられる。
より良好な洗浄性を示すという観点からは、(A)成分として、アルカリ金属水酸化物が好ましい。
【0013】
本発明の組成物における(A)成分の含有量は、洗浄性の観点から5質量%以上25質量%以下であることが好ましく、8質量%以上22質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上20質量%以下であることが特に好ましい。(A)成分の含有量が5質量%未満であると洗浄性が低下する場合があり、25質量%を超えると貯蔵安定性が低下する場合がある。
【0014】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物に用いられる(B)成分であるグルコシド系界面活性剤としては、下記一般式(1)で示される化合物が好ましい。
【0015】
(化1)
RO(R’O)t(G)x (1)
【0016】
上記一般式(1)において、Rはアルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基及びヒドロキシアルケニル基から選択される何れか、Oは酸素原子、R’Oは酸化アルキレン残基、Gはフルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、タロース、グロース、アロース、アルトース、イドース、アラビノース、キシロース、リキソース、リボース等の糖由来の糖残基を示し、tは酸化アルキレンの平均重合度、xは糖残基の平均重合度を示す。
【0017】
上記一般式(1)において、Rは、炭素数が4以上、14以下の、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基及びヒドロキシアルケニル基から選択される何れかであることが好ましく、洗浄性、発泡性の観点からアルキル基が好ましい。
R’Oは、炭素数が2以上、4以下の、酸化エチレン残基、酸化プロピレン残基、及び酸化ブチレン残基から選択される何れかであることが好ましい。
Gは、炭素数が5以上、8以下の糖残基であることが好ましい。
t=0~25であることが好ましい。
x=1~10であることが好ましい。
本発明において用いるグルコシド系界面活性剤としては、上記一般式(1)におけるRが、炭素数4以上、12以下の、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルケニル基を有するグルコシド系界面活性剤の1種以上を含むものが好ましく、より好ましくは抑泡性、貯蔵安定性の点でRが炭素数8以上、10以下の、アルキル基、アルケニル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシアルケニル基を有するグルコシド系界面活性剤の1種以上を含むものが好ましい。
また貯蔵安定性の点で糖残基(G)の平均重合度(x)が1以上、7以下のものが好ましく、特に1.2以上、5以下のものがより好ましい。
グルコシド系界面活性剤は1種類のみならず、一般式(1)におけるRの炭素数や炭化水素基の異なるもの、糖残基(G)の炭素数や平均重合度の異なるもの、酸化アルキレン基の炭素数や平均重合度が異なるものを混合して用いることもできる。(C)成分のグルコシド系界面活性剤としては、例えばBASF社のGlucopon(商標)等を用いることができる。
【0018】
本発明の組成物における(B)成分の含有量は、洗浄性、発泡性の観点から0.1質量%以上、5質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上、3.5質量%であることがより好ましく、0.5質量%以上、3質量%以下が更に好ましい。(B)成分の含有量が0.1質量%未満であると洗浄性、発泡性が低下する場合があり、5質量%を超えてもそれ以上の効果は得られず、経済面で好ましくない。
【0019】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物に用いられる(C)成分である溶剤としては、アルコール系溶剤、ポリオール系溶剤、グリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤が挙げられる。(C)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0020】
アルコール系溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコール等から選択される何れか1種以上が挙げられる。ポリオール系溶剤としては、グリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール等から選択される何れか1種以上が挙げられる。グリコール系溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール等から選択される何れか1種以上が挙げられる。グリコールエーテル系溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエチルエーテル等から選択される何れか1種以上が挙げられる。
洗浄性、貯蔵安定性を向上させるという観点から、これらの中でもグリコール系溶剤、グリコールエーテル系溶剤が好ましく、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。
【0021】
本発明の組成物における(C)成分の含有量は、洗浄性、貯蔵安定性の観点から0.1質量%以上、10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、8質量%であることがより好ましく、1質量%以上、6質量%以下が更に好ましい。(C)成分の含有量が0.1質量% 未満であると洗浄性、貯蔵安定性が低下する場合があり、10質量%を超えてもそれ以上の効果は得られず、経済面で好ましくない。
【0022】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物に用いられる(D)成分である水としては、特に限定はなく、水道水、井水、イオン交換水、軟水などが挙げられる。水道水としては、例えば、東京都荒川区の水道水(pH=7.6、総アルカリ度(炭酸カルシウム換算として)40.5mg/L、ドイツ硬度2.3°DH(そのうち、カルシウム硬度1.7°DH、マグネシウム硬度0.6°DH)、塩化物イオン21.9mg/L、ナトリウム及びその化合物15mg/L、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素1.2mg/L、フッ素及びその化合物0.1mg/L、ホウ素及びその化合物0.04mg/L、総トリハロメタン0.016mg/L、残留塩素0.4mg/L、有機物(全有機炭素量)0.7mg/L)が挙げられる。(D)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、良好な洗浄性、発泡性、貯蔵安定性という観点から、水道水、イオン交換水又は軟水が好ましい。
【0023】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、更に(E)成分としてキレート剤を含有させることができる。キレート剤の例としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、グルタミン酸二酢酸、アスパラギン酸二酢酸、β-アラニン二酢酸、セリン二酢酸、トリポリリン酸や、これらのアルカリ金属塩などが挙げられる。中でも、キレート剤として、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、メチルグリシン二酢酸、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、グルタミン酸二酢酸や、これらのナトリウム塩、カリウム塩を1種単独で又は2種以上混合して用いられることが好ましい。
【0024】
本発明の組成物における(E)成分の含有量は、洗浄後のスケール防止性の観点から0.01質量%以上、1質量%以下であることが好ましく、0.03質量%以上、0.8質量%であることがより好ましく、0.05質量%以上、0.6質量%以下が更に好ましい。(C)成分の含有量が0.01質量%未満であるとスケール防止性効果が十分に向上しない場合があり、1質量%を超えてもそれ以上のスケール防止効果は見込まれない。
【0025】
本発明において、硬質表面用液体洗浄剤組成物のpHは洗浄性の観点から9以上、14以下が好ましく、10以上14以下がより好ましく、10.5以上14以下が特に好ましい。pHが9未満であると洗浄性が不十分となる場合がある。
【0026】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物は、更に当該技術分野で通常使用される成分を含有していてもよい。このような成分としては、例えば、ビルダー、防腐剤、酵素、色素、香料等が挙げられる。
【0027】
ビルダーとしては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム等の無機ビルダーが挙げられる。
【0028】
防腐剤としては、ヒダントイン類や、ヨード-2-プロピニルブチルカーバメイト、イソプロピルメチルフェノール、ヘキサクロロフェン、イルガサン、トリクロサンなどが挙げられる。
【0029】
酵素としては、例えば、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ等が挙げられる。色素としては、例えば、天然色素、合成色素、これらの混合物が挙げられる。また、香料としては、例えば、天然香料、合成香料、これらの調合香料等が挙げられる。
【0030】
本発明の硬質表面用液体洗浄剤組成物の使用方法は限定されず、そのまま原液を汚れに塗布あるいは噴霧して擦り洗い等する方法や、ウエス等の布類に原液を染み込ませて汚れを洗浄する方法、あるいは原液を水で希釈した希釈液を使用して洗浄する方法等が挙げられる。これらの中でも洗浄性が良好なことから原液を汚れに塗布あるいは噴霧して洗浄する方法が好ましい。尚、水で希釈する場合は、原液を2~100倍量に希釈すればよい。洗浄対象は硬質表面であれば種類を選ばず、疎水性表面や親水性表面の何れであってもよい。例えば、アルミ、銅、鉄あるいはこれら金属の合金等の金属表面、プラスチック等の硬質樹脂表面、タイル等の陶器表面が硬質表面として挙げられる。本発明の組成物を用いて洗浄される具体的な洗浄場所あるいは被洗浄物としては、レンジ、流し、換気扇、調理台、調理機器、便器、便座、洗面台、鏡、浴槽、テーブル、椅子、床、窓及び壁等が挙げられるが、レンジ周り、換気扇、鍋やフライパン等に付着した油汚れの除去に本発明の組成物を使用することが好ましい。
【実施例0031】
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明する。実施例、比較例の洗浄剤組成物において配合に用いた各成分を下記表1~表5に示す。尚、下記表1~表5に示す配合量に関する数値は、硬質表面用液体洗浄剤組成物に対する各成分の純分の割合(質量%)である。また、アルキル基の表記について、例えば、アルキル(C8~10)と表記されている場合、炭素数8以上、10以下のアルキル基を有する混合物を表す。
【0032】
(A)成分
A-1:水酸化ナトリウム
A-2:水酸化カリウム
A-3:モノエタノールアミン
A-4:炭酸カリウム
【0033】
(B)成分
B-1:アルキル(C8~10)ポリグルコシド(BASF社製 Glucopon215UP)
B-2:アルキル(C12~14)ポリグルコシド(BASF社製 Glucopon600UP)
B-3:2-エチルヘキシルグルコシド(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製 AG6202)
【0034】
(B)成分の比較成分
B′-1:α-オレフィンスルホン酸ナトリウム
B′-2:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム
B′-3:ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム
B′-4:N-ヤシ油脂肪酸アシル-N-カルボキシメトキシエチル-N-カルボキシメチルエチレンジアミン二ナトリウム
【0035】
(C)成分
C-1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
C-2:トリエチレングリコールモノブチルエーテル
C-3:プロピレングリコール
C-4:グリセリン
C-5:ソルビトール
【0036】
(D)成分
D-1:イオン交換水
【0037】
(E)成分
E-1:エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム
E-2:メチルグリシン二酢酸三ナトリウム
【0038】
※1:pHの測定方法
pHメーター(HORIBA製;pH/イオンメーター F-23)にpH測定用複合電極(HORIBA製;ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を入れる。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33mol/L)を使用した。
次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬した。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行った。
各硬質表面用洗浄剤組成物を100mLビーカーに充填し、恒温槽内にて25℃に調整した。恒温に調整された試料にpH測定用電極を3分間浸し、希釈液のpHを測定した。
【0039】
※2:洗浄性試験
ステンレス板(SUS304、50mm×100mm)の片面に汚れ試料(牛脂:大豆油:クロロホルム=1:1:4)が0.1±0.01gになるように均一に塗布し、250℃のオーブン内で180分焼き付けを行った。このステンレス板を200℃に加温して垂直に立て掛けて、各硬質表面用洗浄剤組成物をスプレーガンで全体が十分に覆われるように吹き付け、3分間接触させた。その後、流水で30秒間すすいだ後に乾燥させ、洗浄前後の重量変化より下記の式にて洗浄率を算出し、以下の基準で評価した。
洗浄率(%)={((汚れ試料塗布して焼付けた後のステンレス板)-(洗浄後のステンレス板))/塗布した汚れ試料の実際の質量}×100
評価基準:
◎:洗浄率90%以上
○:洗浄率85%以上、90%未満
△:洗浄率80%以上、85%未満
×:洗浄率80%未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0040】
※3:発泡性試験
100mLガラス栓つきエプトン管に各硬質表面用洗浄剤組成物をスプレーガンで3回スプレーし、1分間静置後の、洗浄液面からの泡の高さを測定し、以下の基準で評価した。
評価基準:
◎:泡の高さが10cm以上
○:泡の高さが7.5cm以上、10cm未満
△:泡の高さが5cm以上、7.5cm未満
×:泡の高さが5cm未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0041】
※4:貯蔵安定性試験
250ml透明ポリプロピレン製容器に各硬質表面用洗浄剤組成物を200mL入れ、蓋をして-5℃、25℃、40℃の恒温槽に保管し静置した。1ヶ月後、外観を目視で判定して以下の基準で評価した。
評価基準:
○:析出物や濁りが見られず安定である。
△:析出物や濁りが、若干見られる。
×:析出物又は濁りが見られる。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
【0042】
※5:スケール防止性試験
ステンレス板(SUS304、50mm×100mm)を各硬質表面用洗浄剤組成物に40℃で10秒間浸漬した後、カルシウム硬度50mg/L(炭酸カルシウム換算)の水に40℃で10秒間、浸漬した。この操作を50回繰り返した後、水で30秒間すすいで105℃で30分間乾燥し、ステンレス板の外観を観察して以下の基準でスケール防止性を評価した。尚、スケール防止性式は、(E)成分を含む実施例および比較例について試験した。
評価基準:
○:付着物はほとんど見られない。
△:少量の付着物が見られる。
×:多量の付着物が見られる。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】