(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023100290
(43)【公開日】2023-07-19
(54)【発明の名称】ポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F04D 13/06 20060101AFI20230711BHJP
F04D 29/42 20060101ALI20230711BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20230711BHJP
F04D 29/046 20060101ALI20230711BHJP
【FI】
F04D13/06 E
F04D29/42 A
F04D29/58 F
F04D29/046 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022000815
(22)【出願日】2022-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100174089
【弁理士】
【氏名又は名称】郷戸 学
(74)【代理人】
【識別番号】100186749
【弁理士】
【氏名又は名称】金沢 充博
(72)【発明者】
【氏名】黒沼 隆行
(72)【発明者】
【氏名】小澤 孝英
(72)【発明者】
【氏名】小松 辰実
(72)【発明者】
【氏名】中村 陽一
(72)【発明者】
【氏名】大井 駿
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB12
3H130AB22
3H130AB44
3H130AC11
3H130AC13
3H130AC30
3H130BA33A
3H130BA33H
3H130BA35A
3H130BA35H
3H130BA97A
3H130BA97H
3H130CA21
3H130CA22
3H130CA23
3H130CA27
3H130CA29
3H130DB03X
3H130DD04Z
3H130DF02X
3H130DF07X
3H130DJ06X
3H130EA01A
3H130EA07A
3H130EB02A
(57)【要約】
【課題】小型化を実現することができるポンプ装置が提供される。
【解決手段】ポンプ装置PAは、モータケーシング9を備えている。モータケーシング9は、モータフレーム12とインバータケース51との間に空間60を形成する空間形成部62を備えている。インバータ50は、空間60を挟んでモータ10に対向している。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根車と、
前記羽根車を収容するポンプケーシングと、
前記ポンプケーシングに接続されたモータケーシングと、
前記羽根車を回転させるモータと、
前記モータの動作を制御するインバータと、
前記インバータを収容し、かつ前記モータケーシングに接続されたインバータケースと、を備え、
前記モータケーシングは、
前記モータを収容するモータフレームと、
前記モータフレームと一体的に構成され、かつ前記モータフレームと前記インバータケースとの間に空間を形成する空間形成部と、を備えており、
前記インバータは、前記空間を挟んで前記モータに対向している、ポンプ装置。
【請求項2】
前記モータケーシングは、その表面に形成された、鉛直方向に延びるモータ側フィンを有している、請求項1に記載のポンプ装置。
【請求項3】
前記インバータケースは、その表面に形成された鉛直方向に延びるインバータ側フィンを有している、請求項1または請求項2に記載のポンプ装置。
【請求項4】
前記インバータは、
電解コンデンサを含むインバータ要素と、
前記インバータ要素が実装された基板と、を備えており、
前記電解コンデンサは、前記空間に向かって突出している、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項5】
前記空間形成部は、前記モータフレームの外側に張り出した張り出し部を備えており、
前記ポンプ装置は、前記張り出し部に接続されたコネクタを備えている、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項6】
前記モータケーシングは、前記モータフレームから張り出した固定台を備えており、
前記固定台は、鉛直方向に延びる固定孔を有している、請求項1~請求項5のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【請求項7】
前記ポンプ装置は、
前記羽根車が固定され、かつ軸通孔を有する回転軸と、
前記回転軸を回転自在に支持するすべり軸受と、を備えている、請求項1~請求項6のいずれか一項に記載のポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ポンプおよびモータを一体化したポンプ装置として、取扱液(液体)をモータ内部に取り込み、循環させることでモータを冷却する構造を有するキャンドモータポンプが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モータを可変速で動作させるために、このようなポンプ装置は、モータの動作を制御するインバータを備えている場合がある。しかしながら、キャンドモータポンプにインバータを別置きで配置することや、モータ部の側部に配置されることにより、ポンプ装置の全体のサイズが大きくなるおそれがある。結果として、ポンプ装置の設置空間が制限される場合がある。
【0005】
特に、ポンプ装置は、狭小空間(例えば、車両への搭載、冷却ユニットへの搭載など)に設置される場合があるため、ポンプ装置の小型化が望まれる。
【0006】
そこで、本発明は、小型化を実現することができるポンプ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様では、羽根車と、前記羽根車を収容するポンプケーシングと、前記ポンプケーシングに接続されたモータケーシングと、前記羽根車を回転させるモータと、前記モータの動作を制御するインバータと、前記インバータを収容し、かつ前記モータケーシングに接続されたインバータケースと、を備えるポンプ装置が提供される。前記モータケーシングは、前記モータを収容するモータフレームと、前記モータフレームと一体的に構成され、かつ前記モータフレームと前記インバータケースとの間に空間を形成する空間形成部と、を備えており、前記インバータは、前記空間を挟んで前記モータに対向している。
【0008】
一態様では、前記モータケーシングは、その表面に形成された、鉛直方向に延びるモータ側フィンを有している。
一態様では、前記インバータケースは、その表面に形成された鉛直方向に延びるインバータ側フィンを有している。
一態様では、前記インバータは、電解コンデンサを含むインバータ要素と、前記インバータ要素が実装された基板と、を備えており、前記電解コンデンサは、前記空間に向かって突出している。
【0009】
一態様では、前記空間形成部は、前記モータフレームの外側に張り出した張り出し部を備えており、前記ポンプ装置は、前記張り出し部に接続されたコネクタを備えている。
一態様では、前記モータケーシングは、前記モータフレームから張り出した固定台を備えており、前記固定台は、鉛直方向に延びる固定孔を有している。
一態様では、前記ポンプ装置は、前記羽根車が固定され、かつ軸通孔を有する回転軸と、前記回転軸を回転自在に支持するすべり軸受と、を備えている。
【発明の効果】
【0010】
ポンプ装置は、インバータを収容し、かつモータケーシングに接続されたインバータケースを備えている。したがって、インバータを別置きで配置する必要はなく、ポンプ装置は、その全体のサイズを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ポンプ装置の一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0013】
図1は、ポンプ装置の一実施形態を示す斜視図である。
図2は、ポンプ装置の断面図である。
図1および
図2に示す実施形態では、ポンプ装置PAは、液体がその内部を循環する構造を有するインバータ一体型キャンドモータポンプである。ポンプ装置PAは、ポンプPと、ポンプPを運転する電動機組立体MAと、を備えている。電動機組立体MAは、モータ部Mと、インバータ部Iと、を備えている。
【0014】
ポンプPは、液体を移送するための羽根車1と、羽根車1が固定された回転軸(主軸)2と、羽根車1を収容するポンプケーシング4と、を備えている。ポンプケーシング4の高圧側の開口部にはケーシングカバー5が固定されている。回転軸2はケーシングカバー5を貫通して延びており、羽根車1は回転軸2の端部(より具体的には、ポンプケーシング側端部)に固定されている。回転軸2の内部には、その軸線CL方向に貫通する軸通孔2aが形成されており、回転軸2の両端において開口している。軸通孔2aは回転軸2の軸線CLと平行である。
【0015】
ケーシングカバー5には、ポンプケーシング4内に吸い込まれた液体の一部をモータ部M、より具体的には、すべり軸受21,22と回転軸2との間の隙間に導くための複数の流通孔5aが形成されている。羽根車1の回転によって昇圧された液体の一部は、これら複数の流通孔5aを通ってモータ部Mに導かれる。複数の流通孔5aは、回転軸2(すなわち、ケーシングカバー5)の周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0016】
ポンプ装置PAは、回転軸2を回転させるモータ(回転要素)10と、回転軸2を回転自在に支持するすべり軸受21,22と、ポンプケーシング4に接続されたモータケーシング9と、を備えている。モータ10は、回転軸2に固定されたモータロータ15と、モータロータ15の周囲に配置されたモータステータ16と、を備えている。本実施形態では、モータ10は、PMモータである。モータステータ16は、ステータコア16aと、ステータコア16aに巻かれた複数のコイル16bと、を備えている。複数のコイル16bは、モータロータ15を囲むように配置されている。
【0017】
回転軸2は、モータロータ15の両側に配置されたすべり軸受21,22によって回転自在に支持されている。すべり軸受21は、回転軸2のラジアル荷重を支持するラジアル部位21aと、回転軸2(より具体的には、回転軸2に固定されたスラスト板25)のスラスト荷重を支持するスラスト部位21bと、から構成されている。同様に、すべり軸受22は、ラジアル部位22aと、スラスト部位22bと、から構成されている。スラスト板25,25は、環状形状を有しており、モータロータ15の両側の位置において回転軸2に固定されている。スラスト板25,25は回転軸2と一体に回転する。
【0018】
モータロータ15とモータステータ16との間には、円筒状のキャン18がモータロータ15を取り囲むように配置されている。モータステータ16は、モータケーシング9(より具体的には、モータフレーム12)とキャン18との間に配置されている。モータステータ16は、モータフレーム12の内面およびキャン18の外面に接触している。モータロータ15、モータステータ16、およびキャン18は同心状に配置されている。モータステータ16は、モータフレーム12、ケーシングカバー5、およびキャン18により形成されたステータ室内に配置されている。
【0019】
モータフレーム12は、筒状の収容構造(言い換えれば、コップ型の構造)を有しており、モータ10は、モータフレーム12のポンプ側開口からモータフレーム12に挿入される。モータフレーム12のポンプ側開口は、ケーシングカバー5によって閉じられている。モータ10を挟んでケーシングカバー5の反対側にはエンドカバー19が配置されており、モータフレーム12のインバータ側開口はエンドカバー19によって閉じられている。
【0020】
円筒状のラジアル部位21aは回転軸2を取り囲むように配置されており、回転軸2の外周面とラジアル部位21aの内周面との間には僅かな隙間が形成されている。同様に、円筒状のラジアル部位22aは回転軸2を取り囲むように配置されており、回転軸2の外周面とラジアル部位22aの内周面との間には僅かな隙間が形成されている。
【0021】
環状のスラスト部位21bは、スラスト板25とケーシングカバー5との間に配置されている。環状のスラスト部位22bは、スラスト板25とエンドカバー19との間に配置されている。
【0022】
モータステータ16のコイル16bに電流を流すと、モータステータ16に磁界が形成され、この磁界により、モータロータ15が回転する。モータロータ15の回転は回転軸2を通じて羽根車1を回転させる。羽根車1が回転軸2とともに回転すると、液体は吸込口4aからポンプケーシング4内に吸い込まれ、羽根車1の回転により昇圧された後、吐出口4bから吐き出される。
【0023】
ポンプケーシング4内に吸い込まれた液体は、流通孔5aを通じて、モータ部Mに導かれる。流通孔5aを通過した液体は、すべり軸受21が配置された空間に導かれ、スラスト部位21bとスラスト板25との間の隙間を流れ、さらに、ラジアル部位21aと回転軸2との間の隙間を流れる。
【0024】
モータ部Mに導かれた液体の一部は、モータロータ15とキャン18との間の僅かな隙間を通って、すべり軸受22が配置された空間に導かれる。液体は、スラスト部位22bとスラスト板25との間の隙間を流れ、さらに、ラジアル部位22aと回転軸2との間の隙間を流れる。このようにして、液体は回転軸2およびすべり軸受22を冷却および潤滑する。すべり軸受22と回転軸2との間の僅かな隙間を流れた液体は、回転軸2の軸通孔2aを通ってポンプケーシング4内に戻される。
【0025】
ポンプ装置PAは、モータ10の動作を制御するインバータ50と、インバータ50を収容し、かつモータケーシング9に接続されたインバータケース51と、を備えている。インバータ50は、図示しない整流器によって整流された電力を平滑化するとともに静電容量により電荷を蓄積する電解コンデンサ50aを含むインバータ要素と、インバータ要素が実装された基板50bと、を備えている。
【0026】
インバータ要素は、電解コンデンサ50aの他、IGBTなどのパワー素子(図示しない)およびパワー素子を駆動するドライバ回路(図示しない)などの電子部品を備えている。基板50bは、インバータケース51に固定されている。
【0027】
本実施形態によれば、ポンプP、モータ部M、およびインバータ部Iは、この順に沿って直列的に配置されている。したがって、インバータ50を別置きで配置することや、モータ部の側部に配置されることの必要はなく、ポンプ装置PAの全体のサイズを小さくすることができる。結果として、ポンプ装置PAは、狭小空間に設置可能である。
【0028】
さらに、本実施形態に係るポンプ装置PAは、その全体のサイズを小さくすることのみならず、その内部に、空間を形成することをもできる。ポンプ装置PAの内部に形成された空間は、ポンプ装置PAの利便性に貢献することができる。例えば、空間を形成することにより、ポンプ装置PAの発熱体(例えば、モータ10)が他の構成部品(例えば、インバータ50)に悪影響を与えることを防止したり、大型の電解コンデンサ50aを配置することができる。以下、ポンプ装置PAの内部に形成された空間について、図面を参照して説明する。
【0029】
図1および
図2に示すように、モータケーシング9は、モータフレーム12と一体的に構成され、かつモータフレーム12とインバータケース51との間に空間60を形成する空間形成部62をさらに備えている。モータフレーム12および空間形成部62は、一体成形部材である。インバータケース51は空間形成部62に接続されており、インバータ50は空間60を挟んでモータ10に対向している。
【0030】
モータフレーム12および空間形成部62は一体成形部材であるため、モータケーシング9の部品点数を削減し、かつポンプ装置PAの組立工数を削減することができる。結果として、ポンプ装置PAの製造コストを低減することができる。
【0031】
本実施形態では、ポンプ装置PAは、回転軸2を回転自在に支持するために、すべり軸受21,22を備えている。すべり軸受21,22で回転軸2を支持することにより、回転軸2は、高速で回転可能であり、モータ10は、回転軸2を介して羽根車1を高速回転で運転することができる。結果として、モータ10は、その小型化を実現しつつ、高い能力を発揮することができる。
【0032】
モータ10の回転速度は、モータ10のサイズ(より具体的には、モータステータ16の、軸線CL方向における長さ)に依存している。したがって、モータ10の回転速度が小さければ小さいほど、モータ10のサイズは大きくなってしまう。一般的に、軸受として、玉軸受を採用した場合には、モータ10の回転速度が制限されるため、必然的にモータ10のサイズが大きくなってしまう。本実施形態では、ポンプ装置PAは、すべり軸受21,22を備えているため、モータ10は、高速で回転可能である。したがって、モータ10のサイズを小さくすることができる。
【0033】
このように、ポンプ装置PAは、すべり軸受21,22を備えることにより、モータ10のサイズを小さくすることができ、結果として、ポンプ装置PAは、その内部に空間60を形成することができる。ポンプ装置PAは、空間60を形成しても、ポンプ装置PAの全体のサイズをコンパクトにすることができる。空間60は、モータ10から発せられる熱の、インバータ50への伝達を防止し、かつ電解コンデンサ50aを含むインバータ要素から延びる信号線65を収容する収容空間としての役割を果たす。
【0034】
さらに、基板50b上に配置された電解コンデンサ50aは、軸線CL方向と平行に延びており、空間60に向かって突出している。空間60を形成することにより、電解コンデンサ50aを、その上方に延ばすためのスペースを確保することができるため、比較的大型の電解コンデンサ50aを収容することができる。
【0035】
ポンプ装置PAは、ライフラインの一部を構成する重要な装置であるため、非常時であっても、可能な限り、運転を継続することが望ましい。本実施形態によれば、ポンプ装置PAは、空間60を形成する空間形成部62を備えているため、比較的大型の電解コンデンサ50aを配置することができる。大型の電解コンデンサ50aを備えるポンプ装置PAは、停電時においても、直ちに、その運転を停止することなく、一定時間の間、運転を継続することができる。結果として、ポンプ装置PAは、その安定性に貢献することができる。
【0036】
図1および
図2に示すように、空間形成部62は、モータフレーム12の外側に張り出した張り出し部63を備えている。本実施形態では、張り出し部63は、モータフレーム12の上方に向かって延びており、モータケーシング9は、全体として、L字形状を有している。
【0037】
ポンプ装置PAは、張り出し部63に接続されたコネクタ66を備えている。コネクタ66には、インバータ要素から延びる信号線65が接続されている。一実施形態では、コネクタ66には、モータ10(より具体的には、複数のコイル16b)から延びる電源線(図示しない)が接続されてもよい。
【0038】
ポンプ装置PAは、その冷却効率を向上させるために、モータケーシング9(より具体的には、モータフレーム12および空間形成部62)の表面に形成されたモータ側フィン70Aと、インバータケース51の表面に形成されたインバータ側フィン70Bと、を備えている。
【0039】
モータ側フィン70Aおよびインバータ側フィン70Bのそれぞれは、鉛直方向(言い換えれば、軸線CL方向と垂直な方向)に延びている。鉛直方向に延びるモータ側フィン70Aは、モータ10から発せられる熱の流れ(上昇する流れ)を阻害することなく、熱がモータケーシング9の上方に流れるように、案内する。同様に、インバータ側フィン70Bは、インバータ50から発せられる熱の流れ(上昇する流れ)を阻害することなく、熱がインバータケース51の上方に流れるように、案内する。
【0040】
このように、モータ側フィン70Aおよびインバータ側フィン70Bを設けることにより、ポンプ装置PAは、ファン(図示しない)による強制冷却を不要とすることができ、結果として、その小型化を実現することができる。
【0041】
図1および
図2に示すように、モータケーシング9は、モータフレーム12から張り出した固定台75を備えている。固定台75は、鉛直方向に延びる固定孔75aを有している。固定孔75aを鉛直方向に延ばすことにより、作業者は、ポンプ装置PAの上方から固定孔75aにアクセスすることができる。結果として、ポンプ装置PAを狭小空間に設置しても、作業者は、容易に、固定台75を通じてポンプ装置PAを固定することができる。
【0042】
モータ10の小型化を実現することにより、モータフレーム12を含む固定台75の幅方向の長さWL(
図1参照)は、空間形成部62の幅方向の長さと同一である。したがって、モータケーシング9は、その全体のサイズを大きくすることなく、固定台75を備えることができる。一実施形態では、幅方向の長さWLは、空間形成部62の長さよりも小さくてもよい。
【0043】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0044】
1 羽根車
2 回転軸
2a 軸通孔
4 ポンプケーシング
4a 吸込口
4b 吐出口
5 ケーシングカバー
5a 流通孔
9 モータケーシング
10 モータ(回転要素)
12 モータフレーム
15 モータロータ
16 モータステータ
16a ステータコア
16b コイル
18 キャン
19 エンドカバー
21,22 すべり軸受
21a ラジアル部位
21b スラスト部位
22a ラジアル部位
22b スラスト部位
25 スラスト板
50 インバータ
50a 電解コンデンサ
50b 基板
51 インバータケース
60 空間
62 空間形成部
63 張り出し部
65 信号線
66 コネクタ
70A モータ側フィン
70B インバータ側フィン
75 固定台
75a 固定孔
PA ポンプ装置
P ポンプ
MA 電動機組立体
M モータ部
I インバータ部
WL 幅方向の長さ
CL 軸線